JP5538353B2 - ベルトユニット、転写ユニット及び画像形成装置 - Google Patents

ベルトユニット、転写ユニット及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数のロール間に張架された無端状ベルトを有するベルトユニット、ベルトユニットを有する転写ユニット、及びベルトユニットを有する画像形成装置に関するものである。
一般に、電子写真方式の画像形成装置においては、現像剤像(トナー像)が転写される記録用紙を搬送する搬送ベルトとしての無端状ベルト、又は、記録用紙に転写されるトナー像を一時的に保持して搬送する中間転写ベルトとしての無端状ベルトが使用されている(例えば、特許文献1の図1及び図5を参照)。無端状ベルトに付着したトナーは、無端状ベルトの外周面に接触するクリーニングブレードによって掻き落とされる。
特開2007−225969号公報(図1及び図5)
しかしながら、無端状ベルトの外周面に部材が接触し続けると、長期の使用によって無端状ベルトの劣化が進み、無端状ベルトが破断するおそれがある。
また、無端状ベルトが中間転写ベルトである場合に、無端状ベルトの外周面の状態が劣化すると、クリーニングブレードによるクリーニング性能の低下が生じ、その結果、記録用紙上に形成される画像の品質が低下する。
そこで、本発明の目的は、部材の接触による劣化が生じにくい無端状ベルトを備えたベルトユニット、このベルトユニットを有する転写ユニット、及び前記ベルトユニットを有する画像形成装置を提供することである。
本発明の一態様に係るベルトユニットは、回転可能に支持された複数のロールと、前記複数のロールに張架された無端状ベルトとを有し、前記無端状ベルトの動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、温度が10[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG10で表し、温度が70[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG70で表し、温度が70[℃]である前記無端状ベルトの損失弾性率をL70で表したときに、
1.8×10 [MPa]≦G 10 ≦9.5×10 [MPa]
1.2×10 [MPa]≦G 70 ≦5.5×10 [MPa]
.1≦G10/G70≦3.1
1.0×10 [MPa]≦70 ≦8.0×10 [MPa]
を満たすことを特徴としている。
本発明の他の態様に係る転写ユニットは、回転可能に支持された複数のロールと、前記複数のロールに張架された無端状ベルトと、像担持体上に担持された現像剤像を、前記無端状ベルトによって搬送される記録媒体上又は前記無端状ベルト上に転写する第1の転写部とを有し、前記無端状ベルトの動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、温度が10[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG10で表し、温度が70[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG70で表し、温度が70[℃]である前記無端状ベルトの損失弾性率をL70で表したときに、
1.8×10 [MPa]≦G 10 ≦9.5×10 [MPa]
1.2×10 [MPa]≦G 70 ≦5.5×10 [MPa]
.1≦G10/G70≦3.1
1.0×10 [MPa]≦70 ≦8.0×10 [MPa]
を満たすことを特徴としている。
本発明の更に他の態様に係る画像形成装置は、現像剤像を担持するための像担持体を有する画像形成ユニットと、回転可能に支持された複数のロールと、前記複数のロールに張架された無端状ベルトと、前記像担持体上に担持された前記現像剤像を、前記無端状ベルトによって搬送される記録媒体上又は前記無端状ベルト上に転写する第1の転写部とを有し、前記無端状ベルトの動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、温度が10[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG10で表し、温度が70[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG70で表し、温度が70[℃]である前記無端状ベルトの損失弾性率をL70で表したときに、
1.8×10 [MPa]≦G 10 ≦9.5×10 [MPa]
1.2×10 [MPa]≦G 70 ≦5.5×10 [MPa]
.1≦G10/G70≦3.1
1.0×10 [MPa]≦70 ≦8.0×10 [MPa]
を満たすことを特徴としている。
本発明に係るベルトユニットによれば、部材の接触による無端状ベルトの劣化が生じにくいという効果を奏する。
本発明に係る転写ユニットによれば、部材の接触による無端状ベルトの劣化が生じにくいという効果を奏する。
本発明に係る画像形成装置によれば、無端状ベルトの劣化が生じにくく、記録媒体に形成される画像の品質を高くできるという効果を奏する。
本発明に係る第1の実施形態の画像形成装置の構造を概略的に示す縦断面図である。 図1の画像形成装置に含まれる転写ユニットの構造を概略的に示す縦断面図である。 図1の画像形成装置に含まれるベルトユニットの構造を概略的に示す縦断面図である。 第1の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表1Aとして示し、条件(1)、(2)、(3)、(4)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。 第1の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表1Bとして示し、条件(5)、(6)、(3)、(4)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。 第1の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表1Cとして示し、条件(1)、(2)、(3)、(7)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。 第1の実施形態の画像形成装置の変形例の構造を概略的に示す縦断面図である。 図7の画像形成装置に含まれる転写ユニットの構造を概略的に示す縦断面図である。 図7の画像形成装置に含まれるベルトユニットの構造を概略的に示す縦断面図である。 第2の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表2Aとして示し、条件(8)及び(9)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。 第2の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表2Bとして示し、条件(10)及び(11)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。 図10に示される複数の実験例の測定値をグラフ上に示す図である。 第2の実施形態の画像形成装置によるクリーニング性能評価試験で用いたテスト印字パターンを示す図である。 第2の実施形態の画像形成装置によるクリーニング性能評価試験で用いたテスト印字パターンを示す図である。 第2の実施形態の画像形成装置によるクリーニング性能評価試験で用いたテスト印字パターンを示す図である。
《1》第1の実施形態
《1−1》画像形成装置、転写ユニット及びベルトユニットの概要
図1は、本発明に係る第1の実施形態の画像形成装置1の構造を概略的に示す縦断面図である。また、図2は、画像形成装置1に含まれる転写ユニット30の構造を概略的に示す縦断面図である。また、図3は、画像形成装置1に含まれるベルトユニット37の構造を概略的に示す縦断面図である。第1の実施形態において、ベルトユニット37は、転写ユニット30の一部であるが、本発明は、転写ユニット以外の用途のベルトユニットにも適用可能である。
図1に示されるように、画像形成装置1は、主要な構成として、画像形成部10と、給紙部20と、転写ユニット30と、定着器40と、排紙部50とを有している。画像形成装置1は、電子写真方式を採用する複数の画像形成ユニット11,12,13,14を有するタンデム型のカラープリンタである。
図1に示されるように、画像形成部10は、記録媒体としての記録用紙22の搬送路に沿って(図1における水平左右方向に)配列され、画像形成装置1の本体に着脱可能に装着された画像形成ユニット11,12,13,14を有している。画像形成ユニット11,12,13,14はそれぞれ、電子写真方式を用いてブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色の現像剤像(トナー像)を形成する。画像形成ユニット11,12,13,14の各々は、使用するトナーの色が異なる点を除いて、同じ構造を有する。画像形成ユニット11は、像担持体としての感光体ドラム61と、感光体ドラム61の表面を一様に帯電させる帯電部62と、帯電された感光体ドラム61の表面に光を照射して画像データに基づく静電潜像を形成する発光素子(例えば、LEDアレイ)を含む露光部(例えば、LEDへド)63と、感光体ドラム61の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部64と、感光体ドラム61の表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレード65とを有している。他の画像形成ユニット12,13,14も、画像形成ユニット11と同じ構造を有している。なお、画像形成ユニットの数、配列順、及びトナーの種類は、図示の例に限定されない。
図1に示されるように、給紙部20は、記録用紙22を収納する給紙カセット21と、記録用紙22を給紙カセット21から取り出す給紙ローラ23と、記録用紙22を画像形成部10まで搬送する搬送ローラ24とを有している。給紙カセット21に収納されている記録用紙22は、給紙ローラ23によって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路をD1方向に進み、画像形成部10に送られる。
図1及び図2に示されるように、転写ユニット30は、画像形成装置1の内部に回転可能に支持された駆動ロール31及び従動ロール32と、駆動ロール31及び従動ロール(テンションロール)32に張架され、記録用紙22を静電吸着して搬送する無端状ベルト33と、感光体ドラム61上に担持されたトナー像を無端状ベルト33によって搬送される記録用紙22上に転写する転写部としての転写ローラ34と、無端状ベルト33の外周面に接触して残トナーを掻き落とすクリーニング部としてのクリーニングブレード35と、従動ロール32を外向き(D3方向)に付勢する弾性部材(例えば、バネ)等の付勢部材36とを有している。図3に示されるように、駆動ロール31と従動ロール32と無端状ベルト33とは、ベルトユニット37を構成している。駆動ロール31は、モータ等の駆動力発生部及びギヤ等の駆動力伝達部を含むベルト駆動部38からの駆動力によって回転し、無端状ベルト33をD2方向に移動させる。無端状ベルト33は、付勢部材36によって与えられる張架力(例えば、6±10%[kg]、すなわち、5.4[kg]以上6.6[kg]以下)を与えられた状態で、駆動ロール31及び従動ロール32によって張架される。転写ローラ34は、感光体ドラム61上に形成されたトナー像を記録用紙22上に転写するために、無端状ベルト33を挟むように各感光体ドラム61に対向して配置される。転写ローラ34は、画像形成ユニット11,12,13,14の各々に対向して配置される。従動ロール32は、無端状ベルト33の側部に当接し無端状ベルト33の蛇行を防止するためのフランジ32aを備えてもよい。フランジは、必要に応じて他のロール(例えば、駆動ロール31)に備えてもよく、また、1つのロール(例えば、従動ロール32又は駆動ロール31)の両端に備えてもよい。
図1に示されるように、定着器40は、例えば、発熱ローラ41と、加圧ローラ42とを有している。定着器40は、記録用紙22上に形成されたトナー像に熱及び圧力を加えることによって、記録用紙22上にトナー像を定着させる。また、排紙部50は、定着器40を通過した記録用紙22を排紙部52に排出する排紙ローラ51を有している。
次に、画像形成装置1の動作について説明する。画像形成ユニット11,12,13,14の感光体ドラム61の表面は、帯電部62により一様に帯電される。次に、感光体ドラム61を矢印方向(図1において時計回り方向)に回転させながら、露光部63によって露光され、感光体ドラム61の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像部64により現像され、画像形成ユニット11,12,13,14の各々の感光体ドラム61の表面にトナー像が形成される。
給紙カセット21に収納された記録用紙22は、給紙ローラ23によって給紙カセット21から取り出され、搬送ローラ24及び無端状ベルト33により搬送される。感光体ドラム61が回転することによって、感光体ドラム61の表面上のトナー像が転写ローラ34及び無端状ベルト33の近くに到達すると、電圧が印加されている転写ローラ34と無端状ベルト33によって、感光体ドラム61の表面上のトナー像が記録用紙22上に転写される。以上のトナー像の記録用紙22上への転写が、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のトナー像を形成する画像形成ユニット11,12,13,14を通過する毎に順次行われ、記録用紙22上に各色のトナー像が重ねられることによってカラー画像が形成される。
その後、記録用紙22は無端状ベルト33の回転によって、定着器40に搬送される。記録用紙22上のトナー像は、定着器40によって加圧しながら加熱することにより溶融し、記録用紙22上に固定される。さらに、記録用紙22は、排紙ローラ51により、排紙トレー52に排出され、画像形成動作が終了する。一方、記録用紙22を分離した後の無端状ベルト33上に残留したトナー及びその他の異物は、クリーニングブレード35によって除去される。
《1−2》画像形成装置、転写ユニット及びベルトユニットの具体例
無端状ベルト33は、例えば、以下のプロセスによって製造することができる。先ず、種々のポリアミドイミド(polyamidimide:PAI)を適宜調整し、このPAIに導電性を発現させるための成分であるカーボンブラックを適量配合し、カーボブラック配合後のPAIをN−メチルピロリドン(N−methylpyrrolidone:NMP)溶液中で混合撹拌する。次に、PAI及びカーボンブラックを含む溶液を、円筒状金型に流し込み(すなわち、注型し)、この金型を回転させながら80〜120[℃]で所定時間加熱し、引き続き200〜350[℃]に昇温して所定時間加熱し、その後、冷却により硬化させてから金型を取り外す(すなわち、脱型する)。このような工程によって、例えば、膜厚100±10[μm]、周長624±1.5[mm]の無端状ベルトの原管を得ることができる。その後、無端状ベルトの原管を、例えば、228±0.5[mm]の幅長になるように切断することによって無端状ベルト33を得る。なお、金型を回転させながら成型する際における、円筒状金型の回転速度は、無端状ベルト33の厚み精度及び厚みプロファイルの点から、5〜1000[rpm]であることが好ましく、10〜500[rpm]であることが更に好ましい。
無端状ベルト33の構成材料であるPAIは、アミド基と1〜2個のイミド基とが有機基を介して結合した分子構造を1単位とし、この1単位の分子構造が複数個繰り返された高分子構造を有する。PAIは、有機基が、脂肪族又は芳香族のいずれであるかによって、脂肪族PAI又は芳香族PAIのいずれかに分類される。第1の実施形態における無端状ベルト33は、耐久性や機械的特性の観点から、芳香族PAIで形成することが好ましい。芳香族PAIでは、基本的にはイミド基及びアミド基が結合する有機基が、1つ又は2つのベンゼン環である。
無端状ベルト33の構成材料であるPAIは、完全にイミド閉環したものであってもよく、又は、イミド閉環しないアミド酸の段階にあってもよい。ただし、無端状ベルト33の構成材料であるPAIは、50[%]以上イミド化されているものを使用することが好ましく、また、70[%]以上がイミド化されているものを使用することが更に好ましい。これは、無端状ベルト33の構成材料であるPAIに、アミド酸の段階の構造体が多く含有していると、寸法変化率が大きくなる傾向があるからである。なお、イミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて、イミド基由来の吸収(1780[cm−1])とベンゼン環由来の吸収(1510[cm−1])の強度比率により算出することができる。
無端状ベルト33のヤング率を高くする方法として、芳香族環又はイミド基が多い分子構造にする方法がある。逆に、無端状ベルト33のヤング率を低くする方法として、芳香族環又はイミド基が少ない分子構造にする方法がある。
無端状ベルト33の材料は、PAIに限定されない。無端状ベルト33の材料は、耐久性及び機械的特性の観点から、ベルト駆動時の張力変形が一定範囲内以下である材料であることが望ましい。また、無端状ベルト33の材料は、蛇行防止手段としてのフランジ32aとの摺動を繰り返し受けることによる、側部摩耗、側部折れ、側部割れ等の損傷が生じ難い材料であることが望ましい。例えば、無端状ベルト33の材料としては、PAIと同様に、ヤング率が2.0[GPa]以上であるポリイミド(polyimide:PI)、ポリカーボネート(polycarbonate:PC)、ポリアミド(polyamide:PA)、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone:PEEK)、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVDF)、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ethylene−tetrafluoroethylene copolymer:ETFE)等の樹脂、及びこれらの各々を主体とした混合物を用いることが好ましい。また、これらの材料は、ヤング率が3.0[GPa]以上であることが、更に好ましい。
無端状ベルト33を回転成型で製造するにあたり使用する溶媒は、使用される材料により適宜決定されるが、有機極性溶媒が好適である。好適な有機極性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド類が有用である。N,N−ジメチルアセトアミド類は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−dimethylformamide)、N,N−ジメチルアセトアミド(N,N−dimethylacetamide)、N,N−ジエチルホルムアミド(N,N−diethylformamide)、N,N−ジエチルアセトアミド(N,N−diethylacetamide)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide)、先にあげたNMP、ピリジン(pyridine)、テトラメチレンスルホン(tetramethylene sulfone)、ジメチルテトラメチレンスルホン(dimethyl tetramethylene sulfone)等がある。これらは、単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
また、無端状ベルト33の成型方法として、大径の金型と小径の金型とを組み合わせた円筒状金型を使用して、その隙間にベルトを成型する方法、又は、円筒状金型外周面にベルト材料を塗布、或いは、ベルト材料に型を浸漬してベルトを成型する方法も可能である。また、成形方法として押出し成型又はインフレーション成型を使用する場合には、無溶剤で無端状ベルトの成型が可能である。
また、添加するカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。これらの各種のカーボンブラックの内の、1種類を使用してもよく、又は、複数種類を同時に使用してもよい。使用するカーボンブラックの種類は、無端状ベルトに要求される導電性に応じて適宜選択することができる。画像形成装置1の用紙搬送用の無端状ベルト33(又は、後述する中間転写用の無端状ベルト133)の場合には、チャンネルブラック又はファーネスブラックを添加することが好適である。また、用途によっては、酸化処理、クラフト処理等の酸化劣化を防止する処理を施したカーボンブラック、又は、溶媒への分散性を向上させる処理を施したカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラックの含有量は、無端状ベルトの目的、及び、添加するカーボンブラックの種類に応じて、適宜決定すればよい。画像形成装置1の用紙搬送用の無端状ベルト33(又は、後述する中間転写用の無端状ベルト133)としては、カーボンブラックの含有量は、要求される機械的強度等から、ベルト組成樹脂固形分に対し、3〜40[重量%]であることが好ましく、5〜30[重量%]であることが更に好ましく、5〜25[重量%]であることがより一層好ましい。
各画像形成ユニット11〜14で使用されるトナーは、乳化重合法で主な組成としてスチレン−アクリル共重合体を用い、パラフィンワックスを9[重量部]内包し、平均粒径7[μm]で真球度0.95のものを使用することが好ましい。このようなトナーを用いる理由は、転写効率向上、定着の離型剤レス、ドット再現性、解像度に優れた現像を行なうことにより、画像のシャープネス、高画像品位を得ることができるからである。
クリーニングブレード35は、ゴム硬度JIS A72[°]、厚さ1.5[mm]のウレタンゴムにより構成され、無端状ベルト33に対する線圧が4.3[g/mm]になるように設定することが好ましい。これは、クリーニングブレード35として、ウレタンゴム等の弾性材からなるブレード方式が、無端状ベルト33の外周面上の残留トナーや異物等を除去する機能に優れ、その構成が簡単かつコンパクトで低コストだからである。また、ウレタンゴムは、高硬度でしかも弾性に富み、耐摩耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性等に卓越しているからである。一般に、クリーニングブレード35として使用されるウレタンゴムは、クリーニング性を維持するために、硬度が、JIS A60〜90[°]であることが好ましく、JIS A70〜85[°]であることが更に好ましい。また、クリーニングブレード35のウレタンゴムは、破断伸びが、250〜500[%]であることが好ましく、300〜400[%]であることが更に好ましい。また、クリーニングブレード35のウレタンゴムは、永久伸びが、1.0〜5.0[%]であることが好ましく、1.0〜2.0[%]であることが更に好ましい。また、クリーニングブレード35のウレタンゴムは、反発弾性が、10〜70[%]であることが好ましく、30〜50[%]であることが更に好ましい。これらの物性は、JIS K6301に則り測定することができる。
無端状ベルト33に対するクリーニングブレード35の接触厚は、線圧で1〜6[g/mm]であることが好ましく、2〜5[g/mm]であることが更に好ましい。これは、線圧が小さすぎると、クリーニングブレード35の無端状ベルト33への密着性が不足することにより、クリーニング不良が発生しやすくなるからである。また、逆に線圧が大きすぎると、クリーニングブレード35の無端状ベルト33との接触が面接触になり、摩擦抵抗が過大になり、掻き取り力より押し付け力が勝り、「フィルミング現象」と呼ばれるクリーニング不良や、「メクレ」といった不具合が発生しやすくなるからである。ここで、「フィルミング現象」とは、多数の印字工程を経ることにより無端状ベルト上の残留物が融着してフィルミング膜を形成する現象である。また、「メクレ」とは、クリーニングブレードと無端状ベルト上の残留物との密着度、親和力が上昇するために摩擦力が上がり、その結果、クリーニングブレードの先端を押し上げるように動かす現象である。
駆動ロール31及び従動ロール32の軸径は、例えば、φ25(直径25mm)であるが、この値に限らない。例えば、駆動ロール31及び従動ロール32としては、コスト又は装置の小型化のために、軸径φ10〜50(直径10〜50mm)のものを使用することも可能である。
無端状ベルト33を張架する手段として、第1の実施形態においては、バネ36を用い、6±10%[kg](すなわち、5.4[kg]以上6.6[kg]以下)の力で張架する場合を説明したが、無端状ベルト33を張架する方法はバネ36に限定されない。また、無端状ベルト33を張架する力も、使用するベルト材料や、ベルト駆動手段によって適宜選択されるものではあるが、一般的に、無端状ベルト33に対し2±10%[kg](すなわち、1.8[kg]以上2.2[kg]以下)から8±10%[kg](すなわち、7.2[kg]以上8.8[kg]以下)までの範囲内の力で張架することが望ましい。
《1−3》第1の実施形態が満たすことが望ましい条件
図4は、第1の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表1Aとして示し、条件(1)〜(4)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。第1の実施形態における無端状ベルト33は、動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、温度が10[℃]である無端状ベルト33の貯蔵弾性率をG10で表し、温度が70[℃]である無端状ベルト33の貯蔵弾性率をG70で表し、温度が70[℃]である無端状ベルト33の損失弾性率をL70で表したときに、以下の条件(3)及び(4)
1≦G10/G70≦3.1 (3)
70≧10[MPa] (4)
を満たすように構成される。
また、以下の条件(1)及び(2)
10≧100[MPa] (1)
70≧100[MPa] (2)
を満たすように構成することが望ましい。
条件(1)〜(4)は、無端状ベルト33を構成する材料の繰返し応力下における試験に基づいて得られた。図4には、複数種類の試験用の無端状ベルト(複数の実験例1〜14)についての貯蔵弾性率G10、G70及び損失弾性率L70の測定値、及び、無端状ベルト33に所定の耐久性(例えば、所定時間以上の耐久性)を持たせるために満たすことが望ましい貯蔵弾性率G10、G70及び損失弾性率L70の条件が示されている。図4の表1Aにおいて、ハッチング領域は、条件(1)〜(4)を満たす測定値を示す。
条件(1)及び(2)を満たすことが望ましい理由は、無端状ベルト33の貯蔵弾性率G10又は貯蔵弾性率G70が10[MPa]未満であると、繰返し負荷によって無端状ベルト33の内部に応力が発生し、無端状ベルト33が伸びるという不具合が生じやすくなるからである。
条件(3)を満たすことが要求される理由は、10〜70[℃]の温度領域における弾性率の差異が過大であると、温度変化に伴う弾性率変動、及び、弾性率が低い、高温化における長期間の使用によって、それだけ材料疲労を引き起こし易くなるからである。一般に、高温になるほど貯蔵弾性率は低下するので、10[℃]における貯蔵弾性率と70[℃]における貯蔵弾性率の比(すなわち、G10/G70)は1以上になる。
条件(4)を満たすことが要求される理由は、無端状ベルト33の損失弾性率L70が10[MPa]未満の場合には、繰返し負荷によって無端状ベルト33の内部に応力が発生し、無端状ベルト33が伸びるという不具合が生じやすくなるからである。
実験例1〜14についての測定値を示す図4のハッチング領域からわかるように、条件(1)〜(4)を全て満たすことにより、無端状ベルト33が破壊するまでの時間を350[H(時間)]以上とすること(丸印「○」判定及び二重丸印「◎」判定)ができる。図4においては、表1Aにおいて実験例3,4,7〜13が、条件(1)〜(4)を満たす。したがって、実験例3,4,7〜13は、本発明の一形態を示す実施例であり、他の実験例1,2,5,6,14は、本発明の比較例である。
図5は、第1の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表1Bとして示し、条件(5)、(6)、(3)、(4)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。無端状ベルト33は、動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、貯蔵弾性率G10及び貯蔵弾性率G70が、以下の条件(5)、(6)
10≧1000[MPa] (5)
70≧1000[MPa] (6)
を満たすことが、より望ましい。これらの条件を満たすことが望ましい理由は、繰返し負荷によって無端状ベルト33の内部に応力が発生し、無端状ベルト33が伸びるという不具合が更に生じ難くなるからである。
実験例1〜14についての測定値を示す図5のハッチング領域からわかるように、条件(5)、(6)、(3)、(4)を全て満たすことにより、無端状ベルトが破壊するまでの時間を400[H]以上とすること(二重丸印「◎」判定)ができる。図5においては、条件(5)、(6)、(3)、(4)を全て満たす実験例は、実験例7〜13である。
図6は、第1の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表1Cとして示し、条件(1)、(2)、(3)、(7)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。無端状ベルト33は、動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、損失弾性率をL70は、以下の条件(7)
70≧100[MPa] (7)
を満たすことが、より望ましい。この条件を満たすことが望ましい理由は、繰返し負荷によって無端状ベルト33の内部に応力が発生し、無端状ベルト33が伸びるという不具合が更に生じ難くなるからである。
実験例1〜14についての測定値を示す図6のハッチング領域からわかるように、条件(1)、(2)、(3)、(7)を全て満たすことにより、無端状ベルトが破壊するまでの時間を350[H](二重丸印「◎」判定及び丸印「○」判定の一部)とすることができる。図6においては、条件(1)、(2)、(3)、(7)を全て満たす実験例は、実験例3,7〜13である。
ただし、無端状ベルト33を、貯蔵弾性率が10,000[MPa](=10[GPa])を超えるように製造することは、技術的な観点、製造設備及び製造時間の観点、製造歩留まりの低下、コスト上昇等の点から、極めて困難である。また、同様の理由から、無端状ベルト33を、損失弾性率が800[MPa]を超えるように作成することも、極めて困難である。したがって、通常は、貯蔵弾性率は、10,000[MPa]以下であり、損失弾性率は、800[MPa]以下である。
《1−4》条件(1)〜(7)を得るために行った実験方法
条件(1)〜(7)を得るために行った実験は、図3に示されるベルトユニット37について、以下のように行われた。動的粘弾性測定は、セイコーインスツル(SII)株式会社製、動的粘弾性装置「DMS6100」を用いて、動的機械特性の試験方法を規定するJIS K7244(ISO6721)に準拠して行われた。動的粘弾性測定とは、試料に、時間によって変化(振動)する歪みを与え、それによって発生する応力又は歪みを測定することにより、試料の力学的な性質を測定する方法である。第1の実施形態におけるDMS(dynamic mechanical spectroscopy)測定は、引張モードで行い、周波数を0.01[Hz]、0.1[Hz]、1.0[Hz]、10[Hz]、100[Hz]に順次切り替え、最小張力200[mN]、張力1.5、力振幅初期値2000[mN]、温度0〜100[℃]、対象となるベルトを保持するチャック間の距離を20[mm]、対象となる無端状ベルトの幅を5[mm]、対象となるベルトの厚さを0.1[mm]として、測定した。
第1の実施形態において、無端状ベルト33の特性として動的粘弾性における弾性率を測定した理由は、動的粘弾性の測定条件が無端状ベルト33の実際の使用状況に近い条件であり、動的粘弾性の測定で得られた弾性率は、画像形成装置1における無端状ベルト33の実際の使用状況に近いパラメータだからである。言い換えれば、無端状ベルト33は、使用時に、常時、伸張、圧縮、屈曲を受け稼動するので、静的な力学的性質より、動的粘弾性における弾性率を考察することが、より現実に近いと判断したからである。
以下に、評価条件を述べる。耐久性評価は、図3のような実験装置を用いて行われた。無端状ベルト33は、φ20の2つのローラで負荷張架され、荷重6[kg]で、各々φ20のローラで負荷張架される。無端状ベルト33の線速は約300[mm/sec]で、印刷条件を模した、2[sec]の期間動いて、1[sec]の期間休止する動作を行う。雰囲気温度は50[℃]に設定された。
図4〜図6に示されるように、判定は、無端状ベルト33の破壊で判断し、丸印「○」が示す判定は問題無し、バツ印「×」が示す判定は無端状ベルト33の破壊有りを示している。
以下に、上記実験方法が、無端状ベルトの特性評価に適当である理由を説明する。無端状ベルト33は、所定の応力が負荷され張架回転する。また、画像形成装置1の使用環境は、温度30[℃]及び湿度80[%]といった高温高湿から、温度10[℃]及び湿度15[%]のような低温低湿下まで幅広い。一方、画像形成装置1の耐用年数は、5年以上の長期にわたるため、無端状ベルト33の諸特性に劣化が起こることがあった。具体的には、長期に渡る張架回転による負荷の影響で、無端状ベルト33にクラックが生じたり、クリープが発生したり、無端状ベルト33の周長が変化したりして、画像に不具合が生じることがあった。さらに、機械的耐久性の推定は、繰返し応力下における材料疲労についての考察であるため、弾性率は、周波数、応力、温度、弾性率、これらを単純化した形で議論することが重要となる。
《1−5》第1の実施形態の効果
第1の実施形態のベルトユニット37によれば、クリーニングブレード35のような部材の接触による無端状ベルト33の劣化が生じにくくなる。
また、第1の実施形態の転写ユニット30によれば、クリーニングブレード35の接触による無端状ベルト33の劣化が生じにくくなる。
また、第1の実施形態の画像形成装置1によれば、無端状ベルト33の劣化が生じにくく、装置の耐久性が向上すると共に、記録用紙22に形成される画像の品質を高くすることができる。
《1−6》第1の実施形態の変形例
図7は、第1の実施形態の画像形成装置の変形例の構造を概略的に示す縦断面図である。また、図8は、図7の画像形成装置2に含まれる転写ユニットの構造を概略的に示す縦断面図である。また、図9は、図7の画像形成装置に含まれるベルトユニットの構造を概略的に示す縦断面図である。図7から図8までにおいて、図1から図3までに示された構成と同一又は対応する構成には、同じ符号を付す。図7に示されるように、画像形成装置2は、主要な構成として、画像形成部10と、給紙部120と、転写ユニット130と、定着器40と、排紙部50とを有している。
図7に示されるように、画像形成部10は、図1の場合と同様に、記録用紙22の搬送路に沿って(図7における水平左右方向に)配列され、着脱可能に装着された画像形成ユニット11,12,13,14を有している。
図7に示されるように、給紙部120は、給紙カセット21と、記録用紙22を給紙カセット21から取り出す給紙ローラ23と、記録用紙22を転写部としての第2転写ローラ139まで搬送する搬送ローラ24とを有している。給紙カセット21に収納されている記録用紙22は、給紙ローラ23によって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路をD11方向に進み、搬送ローラ24,25によって転写ローラ139に送られる。
図7及び図8に示されるように、転写ユニット130は、画像形成装置2の内部に回転可能に支持された駆動ロール131及び従動ロール132,138と、これらのロール131,132,138に張架され、外周面にトナー像を静電吸着して搬送する無端状ベルト133と、感光体ドラム61上に担持されたトナー像を無端状ベルト133上に転写する転写部としての第1転写ローラ134と、無端状ベルト133の外周面に接触して残トナーを掻き落とすクリーニング部材としてのクリーニングブレード135と、従動ロール132を外向き(D13方向)に付勢する弾性部材(例えば、バネ)等の付勢部材136とを有している。図9に示されるように、駆動ロール131と従動ロール132,138と無端状ベルト133とは、ベルトユニット137を構成している。駆動ロール131は回転し、無端状ベルト133をD12方向に移動させる。無端状ベルト133は、付勢部材136によって与えられる張架力(例えば、6±10%[kg]、すなわち、5.4[kg]以上6.6[kg]以下)を与えられた状態で、駆動ロール131及び従動ロール132,138によって張架される。転写ローラ134は、感光体ドラム61上に形成されたトナー像を中間転写ベルトとしての無端状ベルト133上に転写するために、無端状ベルト133を挟むように各感光体ドラム61に対向して配置される。第1転写ローラ134は、画像形成ユニット11,12,13,14の各々に対向して配置される。従動ロール132は、無端状ベルト133の側部に当接し無端状ベルト133の蛇行を防止するためのフランジ132aを備えてもよい。
感光体ドラム61が回転することによって、感光体ドラム61の表面上のトナー像が第1転写ローラ134及び無端状ベルト133の付近に到達すると、電圧が印加されている第1転写ローラ134と無端状ベルト133によって、感光体ドラム61の表面上のトナー像が無端状ベルト133上に転写される。以上のトナー像の無端状ベルト133上への転写が、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のトナー像について順次行われ、無端状ベルト133上に各色のトナー像が重ねられることによってカラーのトナー像が形成される。
給紙カセット21に収納された記録用紙22は、給紙ローラ23によって給紙カセット21から取り出され、搬送ローラ24及び25により搬送される。無端状ベルト133が回転することによって、感光体ドラム61の表面上のトナー像が第2転写ローラ139の付近に到達すると、電圧が印加されている第2転写ローラ139によって、無端状ベルト133上のトナー像が記録用紙22上に転写され、記録用紙22上に、カラーのトナー像が形成される。その後、記録用紙22は定着器40に搬送される。記録用紙22上のトナー像は、定着器40によって加圧しながら加熱することにより溶融し、記録用紙22上に固定される。さらに、記録用紙22は、排紙ローラにより、排紙トレー52に排出され、画像形成動作が終了する。一方、記録用紙22を分離した後の無端状ベルト133上に残留したトナー及びその他の異物は、クリーニングブレード135によって除去される。
ベルトユニット137は、図1〜図6を用いて説明したベルトユニット37と同じ材料で形成される。したがって、図7及び図9に示されるベルトユニット137によれば、クリーニング部材135のような部材の接触による無端状ベルト33の劣化が生じにくくなる。
また、図7及び図8に示される転写ユニット130によれば、クリーニング部材135の接触による無端状ベルト133の劣化が生じにくくなる。
また、図7に示される画像形成装置2によれば、無端状ベルト133の劣化が生じにくく、装置の耐久性が向上すると共に、記録用紙22に形成される画像の品質を高くすることができる。
《2》第2の実施形態
《2−1》第2の実施形態の画像形成装置、転写ユニット及びベルトユニット
本発明に係る第2の実施形態の画像形成装置は、無端状ベルトが満たすことが望ましい条件を除いて、第1の実施形態の画像形成装置1又は2(図1又は図7)と同じ構造を有する。したがって、第2の実施形態の説明においては、図1及び図7をも参照する。
《2−2》第2の実施形態のベルトユニットが満たすことが望ましい条件
図10は、第2の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表2Aとして示し、条件(8)及び(9)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。第2の実施形態における無端状ベルト33(又は133)は、第1の実施形態において説明した条件(1)〜(4)を満たすことに加えて、無端状ベルト33の外周面の押込みヤング率Yと、無端状ベルト33の外周面の鏡面度の値Mとが、以下の条件(8)及び(9)
5.5[GPa]≦Y≦10[GPa] (8)
50≦M≦100 (9)
を満たすように構成される。
条件(8)及び(9)は、無端状ベルト33を構成する材料の繰返し応力下における試験の結果から得られた。図10には、複数種類の試験用の無端状ベルト(複数の実験例21〜40)についての押込みヤング率Y及び鏡面度の値Mの測定値、並びに、無端状ベルト33に所定のクリーニング性能を持たせるために満たすことが望ましい押込みヤング率Y及び鏡面度の値Mの条件が示されている。図10に示される表2Aにおいて、ハッチング領域は、条件(8)及び(9)を満たす測定値が示された領域である。
以下に、条件(8)及び(9)を満たすことが要求される理由を説明する。無端状ベルト33の表面は、凸凹が多いほど、接触する部材を構成する物質の付着の度合いが増加し、且つ、クリーニングブレード35による掻き取り残しも発生しやすくなる。この理由は、一般に累積印字量が増加するほど、無端状ベルト33上にはトナー由来又は記録媒体(主に紙)由来の付着物が付着及び堆積し、このような付着物は、同じ成分の物質を引き付け易いので、付着が更に進行するからである。なお、同じ組成の物質同士の付着力が増大する理由は、これらの物質間では分子間力が大きく、且つ、相溶性が高いからである。
一方、トナー由来又は紙由来の物質としては、主にシリカや炭酸カルシウムを挙げることができる。これらの物質は硬度が非常に高く、接触部材である無端状ベルト33を擦傷及び磨耗させ、スクラッチを発生させるおそれがある。この現象は、押込みヤング率が5.5[GPa]より低いほど及び鏡面度の値が50より低いほど、発生及び進行しやすい。第2の実施形態において規定する条件として押込みヤング率を採用した理由は、試験片に対するダイヤモンド圧子による荷重の付与は、微視的に見ると、現実の状態(無端状ベルトに対する感光体ドラムの当接、トナーによる押圧、記録媒体等に起因して発生するスクラッチ)に類似しているからである。また、「鏡面度」とは、部材の表面性状の写像性を数値化した指標である。鏡面度の値は、被測定物表面に写る基準パターン(反射像)の鮮明さを、輝度値(明るさ)分布のばらつきを元に、基準片と対象物との相対値で算出したものである。基準となる理想表面の鏡面度の値は1000であり、鏡面度の値が1000に近いほど表面性状が良好であることを示す。第2の実施形態において規定する条件として鏡面度を用いる理由は、従来、物質の表面の微細な形状を定量的に測定する方法として、面粗度、光沢度等を測定する方法があるが、これらは被測定物表面の特性の一部を測定しているに過ぎず、写像性の測定は目視による評価が一般的であり、定量化が困難であったからである。
以下に、第2の実施形態において条件(8)及び(9)を採用する理由を説明する。第一に、無端状ベルト33の外周面の鏡面度の値が50より低いと、クリーニングブレード35の無端状ベルト33に対する線圧をして均一な線圧を確保することが難しくなり、トナーがすり抜けやすい状態になる。すなわち、特にトナーの真球度が上がる程、及び、トナーの粒子が小径化する程、トナーがすり抜けやすくなる。また、トナーの粒径が小さくなるにつれて、一般に高画像品位を得やすくなるが、比表面積も大きくなるため、単位重量当りのトナーの無端状ベルト33への付着力が大きくなり、無端状ベルト33のクリーニング性が悪化する傾向にある。更にトナーの粒径が小さくなるにつれて流動性が悪化するため、シリカ、ワックスを主としたより多くの添加剤を必要とするが、鏡面度の値が低いほど、無端状ベルト33の表面に添加物が残留しやすくなり、すり抜け易くなる。また、場合によっては、トナーのすり抜けにより、クリーニングブレードへ局所的なせん断力がかかり、局所的なエッジ欠け(チッピング)を起こし、クリーニングブレードの破壊につながる場合がある。
第二に、無端状ベルト33の押込みヤング率Yが5.5[GPa]より低いと、無端状ベルト表面にスクラッチが発生しやすい。これは、押込みヤング率Yが小さいほど、前述した硬度の高いシリカや炭酸カルシウムが、印刷を経る毎に無端状ベルト33の表面にスクラッチを発生させ、その押込みヤング率Yの小ささがスクラッチを進行させ、結果としてクリーニングブレード35と無端状ベルト33の密着性が悪化し、クリーニング不良が発生しやすくなる。このことは、鏡面度の値Mが高いだけでは、無端状ベルト33として不十分であることを示している。すなわち、初期状態においてはクリーニング性が良好であるが、印刷を経る毎に無端状ベルト33の表面にスクラッチが発生し、クリーニング性能が低下するからである。
第三に、無端状ベルト33の押込みヤング率Yが5.5[GPa]より低く且つ鏡面度の値Mが50より低い場合、無端状ベルト33の表面が凸凹になることより、無端状ベルト33と記録媒体の印字面とのマイクロスリップにより、印字面の表面近傍にあるワックスや外添剤を掻き落としやすくなり、その結果、無端状ベルト33の表面に付着する原因になる。この付着したワックスや外添剤は、クリーニングブレード35のエッジ部により多く滞留することになり、結果として、クリーニングブレード35をすり抜け、クリーニング不良を引き起こす要因になる。また、無端状ベルト33上の残留物が増加してくると、クリーニングブレード35と無端状ベルト33上の残留物との密着度、親和性が上昇し、摩擦力を上昇させる現象が起こる。この摩擦力の上昇によって、無端状ベルト33の表面とクリーニングブレード35との間のせん断応力が上昇し、その結果、クリーニングブレード35の局所的なエッジ欠け、メクレ現象が生じる場合もある。
以上に説明した現象は、印字濃度が大きいほどより顕著になる。このような不具合の対策として、クリーニングブレード35の線圧を高くし、クリーニング不良を低減する対策も提案されているが、クリーニングブレード35に対する負担が極めて大きくなり、クリーニングブレード35のエッジが破損しやすくなり、メクレ現象も発生しやすくなる。また、線圧を高くすることは、無端状ベルト33の表面のスクラッチ発生を加速する側面もあり、好ましいことではない。
一方、鏡面度の値が100より高い場合、クリーニングブレード35と無端状ベルト33との密着性が増大し、摩擦が著しく増加する。その結果、無端状ベルト33を駆動するトルクの上昇、それをまかなうために電源装置が大きくなる。また、この摩擦力の上昇によって、無端状ベルト33の表面とクリーニングブレード35との間のせん断応力が上昇し、その結果、クリーニングブレード35の局所的なエッジ欠け、メクレ現象が発生しやすくなる。
一方、押込みヤング率Yが10[GPa]より高い無端状ベルト33は、技術的に非常に困難であり、このような無端状ベルト33を製造するためには、高価な設備及び多くの時間が必要になる。このため、このような無端状ベルト33の歩留り低下及びコスト上昇を引き起こし、画像形成装置に使用することは、実質上不可能である。
実験例21〜40についての測定値を示す図10のハッチング領域からわかるように、条件(8)及び(9)の両方を満たすことにより、無端状ベルト33のクリーニング性の評価結果を全て、クリーニング不良無し(黒丸印「●」判定)及び非常に軽微なクリーニング不良のみ有り(白丸印「○」判定)とすることができる。図10に示される表2Aにおいて、実験例24〜31,34〜36,38〜40が、条件(8)及び(9)を満たす。したがって、実験例24〜31,34〜36,38〜40は、本発明の一形態を示す実施例であり、他の実験例21〜23,32,33,37は、本発明の比較例である。
図11は、第2の実施形態が満たす条件を導出するために実施された実験の結果を表2Bとして示し、条件(10)及び(11)が導出された根拠をハッチング領域で示す図である。第2の実施形態における無端状ベルト33は、上記条件(1)〜(4)に加えて、無端状ベルト33の外周面の押込みヤング率Yと、無端状ベルト33の外周面の鏡面度の値Mとが、以下の条件(10)及び(11)
7.0[GPa]≦Y≦10[GPa] (10)
70≦M≦100 (11)
を満たすように構成することが、より望ましい。
条件(10)及び(11)は、無端状ベルト33を構成する材料の繰返し応力下における試験に基づいて得られた。図11には、複数種類の試験用の無端状ベルト(複数の実験例21〜40)についての押込みヤング率Y及び鏡面度の値Mの測定値、及び、無端状ベルト33に所定のクリーニング性能を持たせるために満たすことが望ましい押込みヤング率Y及び鏡面度の値Mの条件が示されている。図11の表2Bにおいて、ハッチング領域は、条件(10)及び(11)を満たす測定値を示す。
実験例21〜40についての測定値を示す図11のハッチング領域からわかるように、条件(10)及び(11)の両方を満たすことにより、無端状ベルト33のクリーニング性の評価結果を全て、クリーニング不良無し(黒丸印「●」判定)とすることができる。図11に示される表2Bにおいて、実験例29〜31,35,36,39,40が、条件(10)及び(11)を満たす。
なお、第2の実施形態のベルトユニット37における無端状ベルト33は、上記条件(1)〜(4),(8),(9)を満たす場合よりも、上記条件(3),(4),(5),(8),(9)を満たすことが、より望ましい。
また、第2の実施形態のベルトユニット37における無端状ベルト33は、上記条件(1)〜(4),(8),(9)を満たす場合よりも、上記条件(1)〜(3),(7),(8),(9)を満たすことが、より望ましい。
なお、第2の実施形態のベルトユニット37における無端状ベルト33は、上記条件(1)〜(4),(10),(11)を満たす場合よりも、上記条件(3),(4),(5),(10),(11)を満たすことが、より望ましい。
また、第2の実施形態のベルトユニット37における無端状ベルト33は、上記条件(1)〜(4),(10),(11)を満たす場合よりも、上記条件(1)〜(3),(7),(10),(11)を満たすことが、より望ましい。
《2−4》条件(8)〜(11)を得るために行った実験方法
条件(8)〜(11)を得るために行った実験は、図3に示されるベルトユニット37であって、上記実施例9のベルトユニットについて、以下のように行われた。鏡面度の測定に使用した鏡面度測定装置は、アークハリマ株式会社製、鏡面計「ミラーSPOT、AHS−100S」である。
押込みヤング率Yの測定に使用した測定装置は、(株)東陽テクニ力製の測定装置「Nano Indenter G200(ナノインデンターG200)」である。押込みヤング率は、ナノインデンターを用いて、ISO14577に準拠して、測定された。「ナノインデンター」は、荷重−除荷試験を行い、荷重と押し込み変位からヤング率、硬度等を計測する装置である。この装置は、圧子でサンプルを押し込み、弾塑性変形を検出し、ヤング率、硬度等を計測するもので、微小荷重で押し込み試験を行うことができるため、サンプルの極表面や膜構造体の押込みヤング率Yを計測可能な測定装置である。なお、計測手法、装置への要求事項、測定の校正等は、ISO14577にて規定されており、この測定装置はこの規定に準拠している。図10における押込みヤング率Yの測定は、バーコビッチ型ダイヤモンド圧子を用い、以下の設定にて行われた。ダイヤモンド圧子のアプローチ速度を10[nm/sec]とし、ダイヤモンド圧子の最大荷重を10[mN]とし、ダイヤモンド圧子による最大荷重到達時間を10[sec]とし、ダイヤモンド圧子によるピーク荷重の保持時間を5[sec]とし、ドリフトレートを1[nm/sec]として行われた。
クリーニング性評価試験は、(株)沖データ製、プリンタ「C5800n」を用いて行われた。無端状ベルト33の線速は、約90[mm/sec]であり、記録用紙としてA4サイズの用紙を用い、印字パターンは、図13〜図15に示すように、各々YMCKの横線を用紙当たり、一般的なテキストを印字することを想定した0.5[%](図13の領域201〜204)、一部にグラフ、写真を印字することを想定した7[%](図14の領域211〜214)、用紙全面に背景があることを想定した25[%](図15の領域221〜224)の濃度で印字を行った。印刷条件は、「3P/J」、すなわち、3枚印刷して7[sec]休止する動作で行われ、無端状ベルト33の寿命の60kイメージ(60000枚の印刷)まで行った。判定は、記録用紙の裏側の面(無端状ベルト33側の面)にどの程度のトナーが付着したか(すなわち、裏移り)のレベルで判断し、クリーニング不良無し(判定「●(黒丸)」)、非常に軽微なクリーニング不良有り(判定「○(白丸)」)、クリーニング不良有り(判定「×(バツ印)」)のいずれに判定した。
なお、上記実験例21〜40は、上記実験例9のベルトユニットについての実験例であるが、実験例9以外の実験例のベルトユニットについても、同様の結果が得られる。
《2−5》第2の実施形態の効果
第2の実施形態のベルトユニット37によれば、クリーニング部材35のような部材の接触による無端状ベルト33の劣化が生じにくくなり、無端状ベルト33のクリーニング性の信頼性が向上する。
また、第2の実施形態の転写ユニット30によれば、クリーニング部材35の接触による無端状ベルト33の劣化が生じにくくなり、無端状ベルト33のクリーニング性の信頼性が向上する。
また、第2の実施形態の画像形成装置によれば、無端状ベルト33の劣化が生じにくく、装置の耐久性が向上すると共に、記録用紙22に形成される画像の品質を高くすることができる。
《3》発明の利用形態
本発明を適用したベルトユニット37,137、転写ユニット30,130及び画像形成装置1,2は、電子写真プリンタの無端状ベルト33,133を適用した画像形成装置に利用可能であるが、プリンタ以外の装置である複合機(MFP)、ファックス等にも利用可能である。
また、本発明を適用したベルトユニット37,137と同じ材料で形成されたベルトユニットは、像担持体としての感光ベルト、定着器を構成する加圧ローラとしての定着ベルト、記録用紙を搬送するための搬送ベルト等の他の無端状ベルトとして利用可能である。
1,2 画像形成装置、 10 画像形成部、 11,12,13,14 画像形成ユニット、 20 給紙部、 21 給紙カセット、 22 記録用紙(記録媒体)、 23 給紙ローラ、 24,25 搬送ローラ、 30,130 転写ユニット、 31,131 駆動ロール、 32,132 従動ロール、 33,133 無端状ベルト、 34 転写ローラ(転写部)、 35,135 クリーニングブレード(クリーニング部)、 36,136 付勢部材、 37,137 ベルトユニット、 38 ベルト駆動部、 40 定着器、 41 発熱ローラ、 42 加圧ローラ、 50 排紙部、 51 排紙ローラ、 52 排紙部、 61 感光体ドラム(像担持体)、 62 帯電部、 63 露光部、 64 現像部、 65 クリーニングブレード、 134 第1転写ローラ(転写部)、 139 第2転写ローラ(転写部)。

Claims (9)

  1. 回転可能に支持された複数のロールと、
    前記複数のロールに張架された無端状ベルトと
    を有し、
    前記無端状ベルトの動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、
    温度が10[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG10で表し、
    温度が70[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG70で表し、
    温度が70[℃]である前記無端状ベルトの損失弾性率をL70で表したときに、
    1.8×10 [MPa]≦G 10 ≦9.5×10 [MPa]
    1.2×10 [MPa]≦G 70 ≦5.5×10 [MPa]
    .1≦G10/G70≦3.1
    1.0×10 [MPa]≦70 ≦8.0×10 [MPa]
    を満たすことを特徴とするベルトユニット。
  2. 前記無端状ベルトの外周面の押込みヤング率をYで表し、
    前記無端状ベルトの外周面の鏡面度の値をMで表したときに、
    5.5[GPa]≦Y≦10[GPa]
    50≦M≦100
    を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載のベルトユニット。
  3. 7.0[GPa]≦Y≦10[GPa]
    70≦M≦100
    を満たす
    ことを特徴とする請求項に記載のベルトユニット。
  4. 前記複数のロールの少なくとも一つは回転駆動力を受け回転する駆動ロールであることを特徴とする請求項1からまでのいずれか1項に記載のベルトユニット。
  5. 前記無端状ベルトの外周面に接触するクリーニング部材を更に有することを特徴とする請求項1からまでのいずれか1項に記載のベルトユニット。
  6. 回転可能に支持された複数のロールと、
    前記複数のロールに張架された無端状ベルトと、
    像担持体上に担持された現像剤像を、前記無端状ベルトによって搬送される記録媒体上又は前記無端状ベルト上に転写する第1の転写部と
    を有し、
    前記無端状ベルトの動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、
    温度が10[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG10で表し、
    温度が70[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG70で表し、
    温度が70[℃]である前記無端状ベルトの損失弾性率をL70で表したときに、
    1.8×10 [MPa]≦G 10 ≦9.5×10 [MPa]
    1.2×10 [MPa]≦G 70 ≦5.5×10 [MPa]
    .1≦G10/G70≦3.1
    1.0×10 [MPa]≦70 ≦8.0×10 [MPa]
    を満たすことを特徴とする転写ユニット。
  7. 第2の転写部を更に有し、
    前記第1の転写部は、像担持体上に担持された現像剤像を前記無端状ベルト上に転写し、
    前記第2の転写部は、前記無端状ベルト上に転写された前記現像剤像を記録媒体上に転写する
    ことを特徴とする請求項に記載の転写ユニット。
  8. 現像剤像を担持するための像担持体を有する画像形成ユニットと、
    回転可能に支持された複数のロールと、
    前記複数のロールに張架された無端状ベルトと、
    前記像担持体上に担持された前記現像剤像を、前記無端状ベルトによって搬送される記録媒体上又は前記無端状ベルト上に転写する第1の転写部と
    を有し、
    前記無端状ベルトの動的粘弾性試験における引張負荷の条件を周波数0.01〜100[Hz]の範囲内にし、
    温度が10[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG10で表し、
    温度が70[℃]である前記無端状ベルトの貯蔵弾性率をG70で表し、
    温度が70[℃]である前記無端状ベルトの損失弾性率をL70で表したときに、
    1.8×10 [MPa]≦G 10 ≦9.5×10 [MPa]
    1.2×10 [MPa]≦G 70 ≦5.5×10 [MPa]
    .1≦G10/G70≦3.1
    1.0×10 [MPa]≦70 ≦8.0×10 [MPa]
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  9. 第2の転写部を更に有し、
    前記第1の転写部は、像担持体上に担持された現像剤像を前記無端状ベルト上に転写し、
    前記第2の転写部は、前記無端状ベルト上に転写された前記現像剤像を記録媒体上に転写する
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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