JP6254914B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関するものであり、例えば、電子写真方式のプリンタや複写機などに適用して好適なものである。
一般的に、複写機やプリンタなどの画像形成装置は、供給ローラから現像ローラ上に供給されたトナーを、規制ブレードで均一な薄層に整えた後、現像ローラと感光体ドラムとが接触又は近接しながら回転することにより、トナーが現像ローラから感光体ドラム上の静電潜像に付着して、トナー像として静電潜像が可視化される。このトナー像がローラやベルト等の転写部材によって紙等の媒体に転写される。一部転写されずに感光体ドラム上に残ったトナーは感光体ドラムに通常接触されて配置されるクリーニング部材によって掻き取られる。クリーニング部材は、ウレタンゴム等の弾性体からなるブレードを感光体ドラムに押し当てることによって感光体ドラム上に残留した不要なトナーを掻き取るようになっている。
従来、このクリーニング部材として、良好なクリーニング性を確保する為に様々な特を持つ弾性体が用いられてきた。その特性の一つとして損失弾性率があり、この損失弾性率を画像形成装置が使用される温度(0度と40度)で規定することにより、トナーに対する良好なクリーニング性を確保する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−301273号公報
一方で、近年、高画質化や高速化を目的としてトナーの高速帯電化や低温定着化が進んでいる。このようなトナーには、高速帯電化や低定着化の為に、複数の異なる多量の外部添加剤(以下、これを外添剤と呼ぶ)が添加されている。この外添剤は、トナー母粒子に比べて粒子径が小さい為、クリーニング部材をすり抜けることがあり、この外添剤が帯電ローラ等に付着することで、媒体に転写される画像の品質を劣化させてしまうことがあった。このように、従来のクリーニング部材は、外添剤に対するクリーニング性が良好であるとは言えず、トナーに添加されている外添剤により、画像の品質が劣化するという問題があった。
本発明は以上の点を考慮したもので、画像の品質の劣化を防ぐことができる画像形成装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電部材と、前記帯電部材により帯電された前記像担持体に、外添剤が添加された現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像部と、前記現像部により形成された前記現像剤像を媒体に転写する転写部と、前記像担持体に残留している現像剤を前記像担持体から除去するクリーニング部材とを有し、前記クリーニング部材は、測定温度100℃での損失弾性率が3.0×10[Pa]〜7.70×10[Pa]の範囲に含まれる弾性体であるとした。
このように、本発明では、クリーニング部材として、測定温度100℃での損失弾性率が3.0×10[Pa]〜7.70×10[Pa]となる弾性体を用いるようにしたことにより、外添剤がクリーニング部材をすり抜けてしまう機会を媒体に転写される画像の品質に影響を与えない程度にまで抑えることができる。
本発明によれば、トナーの外添剤による画像の品質の劣化を防ぐことができる画像形成装置を実現できる。
画像形成装置の全体構成を示す略線図である。 現像装置の構成を示す略線図である。 クリーニングブレードの構成を示す略線図である。 画像形成装置のブロック構成を示すブロック図である。 クリーニングブレードによるスティック−スリップ運動の説明に供する略線図である。 スティック−スリップ運動によって外添剤がブレードニップをすり抜ける様子を示す略線図である。 損失弾性率の温度依存性を示すグラフである。 損失弾性率とクリーニング性との関係を示す表である。 高温時に顕著となるクリーニングブレード毎の損失弾性率の違いを示すグラフである。 トナーの帯電性とクリーニング性との関係を示す表である。
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
[1.画像形成装置の全体構成]
図1に、電子写真方式のプリンタでなる画像形成装置1の全体構成を示す。この図1に示すように、画像形成装置1は、略箱型の筐体2を有している。尚、以下の説明では、筐体2の図中右側を前面、図中左側を後面として、筐体2の前面から後面への方向を後方向、後面から前面への方向を前方向、筐体2の下側から上側への方向を上方向、筐体2の上側から下側への方向を下方向とする。
筐体2の内部には、その上部に、画像形成装置1で扱う複数色の現像剤としてのトナー(例えばブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色のトナー)の各々に対応する4個の現像装置3K、3Y、3M、3Cが、用紙Pの搬送路4に沿って前後方向に並べて設けられている。4個の現像装置3K、3Y、3M、3Cには、それぞれ現像装置3K、3Y、3M、3Cに供給する各色のトナーを収容したトナーカートリッジ5K、5Y、5M、5Cが、着脱可能に取り付けられている。現像装置3K、3Y、3M、3Cの詳細な構成については後述する。
さらに、4個の現像装置3K、3Y、3M、3Cの下方には、搬送路4に沿って前後方向に延びる環状の転写ベルト6が設けられている。転写ベルト6は、搬送ローラ7及び8によって駆動することにより、用紙Pを前方(搬送方向上流側)から後方(搬送方向下流側)へと搬送する。さらに、転写ベルト6の下方には、用紙Pを収容する用紙カセット9が設けられている。用紙Pは、この用紙カセット9からホッピングローラ10により1枚ずつ搬送路4へと繰り出され、レジストローラ11、12、13によって転写ベルト6へと搬送され、転写ベルト6上を通過する。
さらに4個の現像装置3K、3Y、3M、3Cのそれぞれの下側には、転写ベルト6の上面部分を間に挟んで4個の転写部としての転写ローラ14K、14Y、14M、14Cが設けられている。用紙Pは、この4個の転写ローラ14K、14Y、14M、14Cによって、転写ベルト6上を通過するときに4個の現像装置3K、3Y、3M、3Cで現像された各色のトナー像が転写される。転写ベルト6の後方(搬送方向下流側)には、ヒートローラ15とバックアップローラ16とを有する定着器17が設けられている。画像形成装置1は、この定着器17によって用紙Pにトナー像を定着させ、その後、この用紙Pを排出ローラ18、19によって外部に排出する。
さらに、筐体2の下部には、画像形成装置1の各部の動作を制御する制御基板20が設けられている。
[2.現像装置の構成]
次に、現像装置3K、3Y、3M、3Cの構成について、図2を用いて詳しく説明する。尚、現像装置3K、3Y、3M、3Cは、扱うトナーの色が異なるのみで構成は同じである。ゆえに、ここでは、説明の重複を避ける為、現像装置3Kの構成についてのみ説明することとする。
現像装置3Kは、静電潜像が形成される像担持体としての円筒状の感光体ドラム30と、感光体ドラム30に対向配置される現像部としての現像ローラ31と、現像ローラ31上へトナーを供給するとともに現像ローラ31上の未使用トナーを回収する供給ローラ32と、感光体ドラム30を帯電させる帯電部材としての帯電ローラ33と、現像ローラ31上のトナーを薄層形成する規制ブレード34と、感光体ドラム30上の転写残トナーを掻き取る為のクリーニング部材としてのクリーニングブレード35と、感光体ドラム30の表面に静電潜像パターンを形成する為のLED露光部36とで構成される。また、この現像装置3Kには、現像装置3Kにトナーを供給する為のトナーカートリッジ5Kが着脱可能に取り付けられている。尚、図示しないが、現像装置3K内には、クリーニングブレード35によって掻き落とされた廃トナーを収容するスペースがあり、このスペースに収容された廃トナーは、廃トナー回収器へと搬送されるようになっている。
現像装置3Kの感光体ドラム30、現像ローラ31、供給ローラ32及び帯電ローラ33と、転写ローラ14Kは、図中矢印で示す方向に回転する。具体的には、メインモータ63(図4参照)によって感光体ドラム30が駆動され、図示しないギアによって感光体ドラム30から現像ローラ31へと駆動が伝わり、さらに図示しないアイドルギアによって現像ローラ31から供給ローラ32へと駆動が伝わり、それぞれが回転する。また、帯電ローラ33は、感光体ドラム30との摩擦により回転する。さらに現像装置3Kの下側に位置する転写ベルト6も、メインモータ63(図4参照)によって駆動され、転写ローラ14Kは、この転写ベルト6と接することにより連れ回りで回転する。
感光体ドラム30は、円筒形状の導電性支持体と、この導電性支持体の表面に形成された感光層とで構成される。導電性支持体は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料、又は、導電性粉体(金属、カーボン、酸化錫)を添加した樹脂材料等によって構成することができる。感光層は、光導電性材料をバインダ樹脂に溶解または分散させた単層の感光層(単層型感光層)、または電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層した積層型感光層によって構成することができる。単層型感光層は正帯電性であり、積層型感光層は負帯電性である。ここでは、一例として、積層型感光層を用いる。積層型感光層の場合には、導電性支持体の表面と感光層との間に、さらに下引き層が形成される。下引き層は、金属酸化物(例えば酸化チタン)等の粒子をバインダ樹脂に分散したものであり、接着性およびブロッキング性を向上するために設けられる。
この感光体ドラム30は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、またはブレードコーティング法等により、導電性支持体の表面に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を順に形成することによって作成される。ここでは、一例として、浸漬コーティング法を用いる。浸漬コーティング法では、バインダ樹脂(例えばエポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂等)を溶解した溶液中に金属酸化物粒子を分散した塗布液に導電性支持体を浸漬(ディッピング)し、その後、導電性支持体を塗布液から引き上げて乾燥することにより、導電性支持体の表面に下引き層を形成する。次いで、バインダ樹脂(例えばポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等)を溶解した溶液中に電荷発生物質を分散した塗布液に導電性支持体を浸漬し、その後、導電性支持体を塗布液から引き上げて乾燥することにより、下引き層の表面に電荷発生層を形成する。さらに、バインダ樹脂(例えばポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等)を溶解した溶液中に電荷輸送物質を分散した塗布液に導電性支持体を浸漬し、その後、導電性支持体を塗布液から引き上げて乾燥することにより、電荷発生層の表面に電荷輸送層を形成する。
LED露光部36は、例えば、LED素子とレンズアレイを有し、LED素子から出力される照射光が感光体ドラム30の表面に結像する位置に配置されている。
現像ローラ31は、導電性のシャフトの外周に形成された半導電性のウレタンゴムでなる弾性層を有している。このウレタンゴムは、導電化を得る為、導電性付与剤として、カーボンブラック、導電性フィラー等の電子導電剤又はイオン性導電剤を分散させて構成されている。本実施の形態では、一例として、外径が19.6[mm]、硬度が77[°]、部分抵抗が20[MΩ]の弾性層を用いた。尚、硬度は、Asker C(高分子計器(株)製)を用いて測定した。また、部分抵抗の値は、外径6[mm]、幅1.5[mm]のボールベアリングを、現像ローラ31の軸方向に等ピッチでなる6箇所に配設して、このボールベアリングを20.0[gf]の圧力で現像ローラ31の表面に押し当て、導電性のシャフトとの間にDC100[V]の電圧を印加したときの6箇所で測定された抵抗値の平均値である。
供給ローラ32は、導電性のシャフトの外周に形成された半導電性発泡シリコンゴムでなる弾性層を有している。本実施の形態では、一例として、外径が15.6[mm]に研磨され、硬度が57[°]、部分抵抗が30[MΩ]の弾性層を用いた。弾性層の発泡シリコンゴムとしては、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルシリコンゴム等の各種合成ゴムに、補強製シリカ充填剤、加硫硬化に必要な加硫剤及び発泡剤を添加したものを用いている。尚、硬度は、Asker F(高分子計器株式会社製)を用いて測定した。
帯電ローラ33は、金属性のシャフトの外周に形成された導電性の弾性層を有している。この弾性層は、ユピクロルヒドリンゴム(ECO)を主成分とするイオン導電性のゴム弾性層であり、その表面に、イソシアネート(HDI)成分を含んだ表面処理液を浸透させて硬化させる表面処理が施されていることにより、感光体ドラム30の耐汚染性や、トナー及びその外添剤等の離型性を得ている。
規制ブレード34は、SUSでなり、現像ローラ31との接触部分に曲げ加工が施されている。本実施の形態では、一例として、板厚が0.05[mm]、曲げ加工が施された曲げ部分の曲率半径が0.5[mm]、祖度が十点平均粗さで0.6[μm]のものを用いた。
クリーニングブレード35は、図2にくわえて図3(A)に示すように、感光体ドラム30の回転軸と平行に配置され、先端部分が感光体ドラム30の表面に当接するように、根元部分が剛体のブレードホルダ40を介して現像装置3Kのフレームに固定されている。クリーニングブレード35は、感光体ドラム30の表面に対して、転写ローラ14Kより感光体ドラム30の回転方向下流側で、且つ帯電ローラ33より感光体ドラム30の回転方向上流側となる位置で当接するようになっている。
このクリーニングブレード35は、長手方向(感光体ドラム30の軸方向)に直交する断面が矩形状の所謂板状でなり、先端部分の角部が感光体ドラム30の表面と当接するようになっていて、感光体ドラム30の表面に押し当てられることによりしなるように弾性変形する。このとき、感光体ドラム30とクリーニングブレード35との接触部分を拡大した図である図3(B)に示すように、クリーニングブレード35の先端部分の角部は、つぶれるように弾性変形することで、感光体ドラム30の表面と面接触する。クリーニングブレード35の感光体ドラム30との接触部分41をブレードニップ41と呼ぶ。そして、クリーニングブレード35は、感光体ドラム30の表面に、先端部分の角部が弾性変形して面接触している状態で、感光体ドラム30が回転することにより、感光体ドラム30の表面に残っているトナーを先端部分で掻き取るようになっている。
このクリーニングブレード35は、例えば、ウレタンゴム、エポキシゴム、アクリルゴム、フッ素樹脂ゴム、二トリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム等の弾性体で構成され、本実施の形態では、一例として、ウレタンゴムを用いた。また、本実施の形態では、一例として、自由端の長さLが7.7[mm]、厚さTが1.8[mm]のクリーニングブレード35を用いた。尚、自由端とは、クリーニングブレード35全体のうち、ブレードホルダ40から突出していて変形可能な部分であり、本実施の形態の画像形成装置1では、この長さLを、例えば、7.5〜8.0[mm]の範囲に規定するとともに、厚さTを、例えば、1.5〜2.0[mm]の範囲に規定している。
さらに、本実施の形態の画像形成装置1では、クリーニングブレード35のクリーニング角度θ1を、例えば10.3度〜14.7度に規定している。尚、クリーニング角度θ1は、感光体ドラム30とクリーニングブレード35との接点における感光体ドラム30の表面の接線方向と、クリーニングブレード35の母線方向とのなす角(これを初期設定圧接角と呼ぶ)θ2から、クリーニングブレード35の変形開始点における接線方向と、クリーニングブレード35の母線方向とのなす角(これをブレード変位角と呼ぶ)θ4を引いた値である。さらに、本実施の形態の画像形成装置1では、クリーニングブレード35を感光体ドラム30の表面に押し当てる線圧(すなわち押圧力)Wを、例えば12〜24[gf/cm]に規定している。
現像装置3Kは、このような構成でなり、現像装置3Y、3M、3Cの構成も同じである。ここで、現像装置3K、3Y、3M、3Cの各々に供給されるトナーの構成についても説明する。尚、現像装置3K、3Y、3M、3Cの各々に供給されるトナーは色が違うだけで基本的な構成は同じである。
トナーは、少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子の外部に、無機微粉体や有機微粉体などの添加剤(外添剤)が添加されたものである。この結着樹脂としては、特に限定するものではないが、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、又はスチレン−ブタジエン系樹脂が好ましい。また、この結着樹脂には、その内部に、離型剤、着色剤等が添加され、さらに帯電制御剤、導電性調整剤、流動性向上剤、又はクリーニング性向上剤等の添加剤が適宜添加されていてもよい。
結着樹脂に添加される離型剤としては、特に限定するものではないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィンの共重合物、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、又はそれらのブロック共重合物、カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの等、公知のものが挙げられる。この離型剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して0.1〜20(重量部)、好ましくは0.5〜12(重量部)添加されるのが効果的であり、また、複数のワックスを併用することも好ましい。
結着樹脂に添加される着色剤としては、特に限定するものではないが、従来のブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を単独もしくは複数種併用して使用することができ、例えば、カーボンブラック、酸化鉄、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ピグメントブルー15:3、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられる。この着色剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して2〜25(重量部)、好ましくは2〜15(重量部)添加される。
結着樹脂に添加される帯電制御剤としては、公知のものを用いることができる。例えば、正帯電性トナーの場合には、4級アンモニウム塩系帯電制御剤、負帯電性トナーの場合には、アゾ系錯体帯電制御剤、サリチル酸系錯体帯電制御剤、カリックスアレン系帯電制御剤等が挙げられる。この帯電制御剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して0.05〜15(重量部)、好ましくは0.1〜10(重量部)添加される。
トナー母流子の外部に添加される外添剤は、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上の為に添加されるものであり、公知のものを用いることができる。外添剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して0.01〜10(重量部)、好ましくは0.05〜8(重量部)添加される。本実施の形態では、外添剤として、トナー母粒子を1[kg](100(重量部))に、疎水性シリカR972(日本アエロジル株式会社製、平均粒径16[nm])を3.0(重量部)と、メラミン樹脂微粒子エポスターs(株式会社日本触媒製、平均粒径0.2[μm]、帯電量+212[μC/g])を0.3(重量部)加え、ヘンシェルミキサーで3分間攪拌したものを用いた。
また、本実施の形態では、トナー母粒子の円形度を0.980以下(好ましくは0.950〜0.980)に規定するとともに、トナー母粒子の集合体であるトナーの流動性を50〜100[%]に規定している。尚、円形度とは、円らしさを表す値であり、粒子投影面積と同じ面積を有する円の周囲長/粒子投影像の周囲長で表すことができ、その値が1であれば真円であることを示す。この円形度は、シスメックス株式会社製のFPIA−3000を用いて計測した。また、流動性とは、トナーの液体らしさを表す値である。この流動性に関係する値として凝集度があり、凝集度とは、所定目開きの篩の上で振動させたときのダマになる割合である。これら流動性と凝集度との間には、流動性=100−凝集度の関係式が成り立つ。流動性は、ホソカワミクロン株式会社製のパウダーテスターを用いて計測した凝集度から求めた。現像装置3K、3Y、3M、3Cの各々に供給されるトナーの構成はこのようになっている。
[3.画像形成装置のブロック構成]
次に、画像形成装置1のブロック構成について、図4を用いて説明する。画像形成装置1は、プリンタ制御部50によって制御される。プリンタ制御部50には、パーソナルコンピュータなどの上位装置51からの印刷データを受信するインターフェイス部52と、ワークメモリとしてのRAM53と、各種制御プログラム等が格納されたROM54とが接続されている。また、このプリンタ制御部50には、各種の演算を行う演算部55が内蔵されている。
さらに、プリンタ制御部50には、電源制御部56が接続されている。電源制御部56は、プリンタ制御部50の制御に基づいて、供給ローラバイアス電源57、現像ローラバイアス電源58、帯電ローラバイアス電源59、規制ブレードバイアス電源60及び転写ローラバイアス電源61から供給ローラ32、現像ローラ31、帯電ローラ33、規制ブレード34及び転写ローラ14(14A〜14D)のそれぞれに印加される各バイアス電圧を設定及び変更する。さらに、プリンタ制御部50には、モータドライバ62が接続されている。モータドライバ62は、プリンタ制御部50の制御に基づいて、メインモータ63を駆動させることにより感光体ドラム30の回転を制御する。さらに、プリンタ制御部50には、LED露光制御部64が接続されている。LED露光制御部64は、プリンタ制御部50の制御に基づいて、LED露光部36の動作を制御する。プリンタ制御部50は、これら以外にも、濃度補正、画像処理、媒体(用紙)搬送制御、定着制御等を行うが、ここでは省略する。画像形成装置1のブロック構成はこのようになっている。尚、上述した制御基板20(図1参照)には、プリンタ制御部50や電源制御部56等が実装されている。
[4.画像形成装置による印刷プロセス]
次に、画像形成装置1による印刷プロセスについて説明する。この印刷プロセスは、画像形成装置1のプリンタ制御部50が各部と協働して行うものである。尚、印刷プロセスには、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用紙Pに転写する転写プロセスが含まれるが、各色の転写プロセスは同一であり、説明の重複を避ける為、ここでは、ブラックの転写プロセスのみを具体的に説明することとする。
プリンタ制御部50は、帯電ローラ33に−1000[V]の電圧を印加し、この帯電ローラ33によって感光体ドラム30の表面を一様に−500Vに帯電させる。さらに、プリンタ制御部50は、印刷データに基づく画像データをLED露光制御部64に送る。LED露光制御部64は、画像データに基づいてLED露光部36の発光を制御することにより、感光体ドラム30の表面に、ブラックの印刷パターンに応じた−50[V]の静電潜像を形成する。そして、プリンタ制御部50は、供給ローラ32に−300[V]の電圧を印加して、現像ローラ31上にトナー(ブラック)を供給する。現像ローラ31上のトナーは、規制ブレード34との摩擦等により約−25[μC/g]に帯電して薄層化される。さらに、プリンタ制御部50は、現像ローラ31に−200[V]の電圧を印加することにより、感光体ドラム30上の静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する。その後、プリンタ制御部50は、転写ローラ14Kに+2000[V]の電圧を印加することにより、感光体ドラム30上に形成されたトナー像を用紙P上に転写する。転写後に感光体ドラム30上に残留したトナーは、クリーニングブレード35によって掻き落とされる。このようなブラックの転写プロセスと同様の転写プロセスで、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像が、順に用紙P上に転写される。
用紙P上に転写されたトナー像は弱い静電気力だけで用紙P上に付着しているだけなので、定着器17によってこのトナー像を高温加熱、融解、圧接することにより用紙P上に定着させる。その後、用紙Pは、画像形成装置1の外部に排出される。画像形成装置1の印刷プロセスはこのようになっている。尚、この印刷プロセスは、負帯電のトナーを使用した場合の例であり、正帯電のトナーを使用する場合は、帯電ローラ33及び現像ローラ31に正の値の電圧を印加することになり、転写ローラ14Kには負の値の電圧を印加することになる。
このような一連の印刷プロセスにおいて、クリーニングブレード35は、常に感光体ドラム30と接しながら感光体ドラム30上に残留しているトナー母粒子や、トナー母粒子から剥離した外添剤を、後述するスティック−スリップ運動を繰り返しながら掻き取っている。スティック−スリップ運動は、クリーニングブレード35に弾性体を用いた場合に必ず起きる現象であり、画像形成装置1では、この現象を利用して良好なクリーニング性を確保している。
[5.スティック−スリップ運動]
ここで、スティック−スリップ運動について、図5を用いてさらに詳しく説明する。尚、図5は、感光体ドラム30とクリーニングブレード35との接触部分を図3(B)よりさらに拡大した図である。図5(A)は、感光体ドラム30が矢印Ar1で示す方向に回転を始めた直後の状態であり、このとき、クリーニングブレード35の先端部分の角部は、つぶれるように弾性変形することで、感光体ドラム30の表面と面接触してブレードニップ41を形成している。
その後、感光体ドラム30が同方向に回転し続けると、感光体ドラム30の表面も矢印Ar1で示す方向に移動し続ける。このとき、クリーニングブレード35のブレードニップ41が、図5(B)に示すように、感光体ドラム30の表面との摩擦力により、感光体ドラム30の表面の移動に追従するようにして矢印Ar1と同方向の矢印Ar2で示す方向に引っ張られて移動する。このように、感光体ドラム30の表面の移動にともなってブレードニップ41が引っ張られて移動する動きをスティック運動と呼ぶ。このとき、クリーニングブレード35には元の形に戻ろうとする弾性力が働くが、この時点では、まだブレードニップ41に働く静止摩擦力の方が弾性力より大きい為、元の形に戻らずブレードニップ41が引っ張られていく。
その後も、ブレードニップ41が引っ張られていくと、クリーニングブレード35の弾性力が大きくなっていき、ある時点で、静止摩擦力と弾性力とが釣り合って、ブレードニップ41が感光体ドラム30の表面に対して滑る。このとき、ブレードニップ41に働く摩擦力は静止摩擦力から動摩擦力となる。動摩擦係数は静止摩擦係数より小さい為、このとき、感光体ドラム30の表面との摩擦力よりクリーニングブレード35の弾性力の方が大きくなる。この結果、図5(C)に示すように、ブレードニップ41が感光体ドラム30の表面を滑りながら矢印Ar2とは逆方向の矢印Ar3で示す方向に移動して元の位置へと戻ることにより、クリーニングブレード35が元の形に戻る。このように、引っ張られていたブレードニップ41が感光体ドラム30の表面を滑って元の位置に戻る動きをスリップ運動と呼ぶ。そして、これらスティック運動とスリップ運動による一連の動作を、スティック−スリップ運動と呼ぶ。印刷プロセスでは、感光体ドラム30が常に回転し続けているので、クリーニングブレード35は、このスティック−スリップ運動を何度も繰り返していることになる。
次に、図6を用いて、外添剤がクリーニングブレード35をすり抜ける現象について説明する。この図6も、感光体ドラム30とクリーニングブレード35との接触部分を拡大した図である。図6(A)に示すように、印刷プロセスでは、感光体ドラム30の表面に、掻き落とされる前のトナー母粒子70や外添剤71が、クリーニングブレード35によってせき止められることにより、感光体ドラム30の回転方向上流側のブレードニップ41近傍に常に存在する。この図6(A)に示すように、一般的に、外添剤71はトナー母粒子70に対して十分に小さい。尚、電子写真方式での印刷プロセスの性質上、トナー母粒子70より巨大な紙の粉や空気中の埃等の不純物が混在することもあるが、ここでは省略する。
これらトナー母粒子70及び外添剤71は、図6(B)に示すように、スティック運動によりクリーニングブレード35のブレードニップ41が感光体ドラム30の表面に引っ張られて移動するときに、これとともに感光体ドラム30の表面を移動する。さらに、図6(C)に示すように、トナー母粒子70及び外添剤71は、スリップ運動によりクリーニングブレード35のブレードニップ41が感光体ドラム30の表面を滑って元の位置へと戻るときに、クリーニングブレード35に押されて、感光体ドラム30の表面の移動に逆らい元の位置へと押し戻される。このスリップ運動で、ブレードニップ41が感光体ドラム30の表面を滑って元の位置へと戻るときに、トナー母粒子70より小さい外添剤71が、ブレードニップ41と感光体ドラム30の表面との間をすり抜けてしまうことがある。
すり抜けた外添剤71は、クリーニングブレード35よりも感光体ドラム30の回転方向下流側に位置する帯電ローラ33や現像ローラ31等に付着して、画像の品質の劣化や画像形成装置1の寿命の低下を引き起こす。近年、画像形成装置1の高速化にともなって感光体ドラム30の回転速度が上がり、くわえて短時間でトナーの帯電性を確保する為に外添剤71の量が増えていることから、外添剤71のクリーニングに対する重要性が増している。
そこで、本実施の形態では、クリーニングブレード35の損失弾性率を70℃以上の高温測定時の値で規定することによって、外添剤に対する良好なクリーニング性を確保するようにした。損失弾性率は、弾性体の液体成分(粘性成分)を表し、弾性体の固体成分(弾性成分)を表す貯蔵弾性率とともに、弾性体の柔軟性を示す指標として用いられる。弾性体の柔軟性を示す指標の一つに損失正接があり、損失正接をtanδ、損失弾性率をE”、貯蔵弾性率をE’とすると、損失正接は、tanδ=E”/E’で表すことができる。つまり、損失正接tanδは、損失弾性率E”と貯蔵弾性率E’との比で表され、その値が1より大きいときは、弾性体がより液体的であり(すなわち粘性が強い)、その値が1より小さいときは、より固体的である(すなわち弾性が強い)ことを意味する。
スティック−スリップ運動でのブレードニップ41の移動距離、つまりクリーニングブレード35の変形量は、損失正接tanδが大きい程大きくなることが分かっている(日本画像学会誌,Vol140,No.4,PP320-329(2001)参照)。したがって、損失弾性率E”が大きい程、スティック−スリップ運動でのクリーニングブレード35の変形量が大きくなり、感光体ドラム30の回転速度が一定であれば、単位時間当たりのスティック−スリップ運動の回数が少なくなることになる。このように、スティック−スリップ運動の回数を減らすことができれば、その分、外添剤がクリーニングブレード35をすり抜けてしまう機会を減らすことができ、結果として、外添剤による帯電ローラ33等の汚染を低減することができる。よって、クリーニングブレード35に、損失弾性率E”が大きい弾性体を用いれば、外添剤に対する良好なクリーニング性を確保できる。
一方で、損失弾性率E”は、温度依存性があり、測定温度によって値が変化する。図7は、この損失弾性率E”の温度依存性を示すグラフである。この図7に示すように、損失弾性率E”は、測定温度が低温である程、値が大きく、測定温度が高温である程、値が小さくなるように変化する。
[6.クリーニング性の評価]
ここで、異なる損失弾性率E”を有するクリーニングブレード35を持つ複数の画像形成装置1を用意し、各々で印刷試験を行ったときの、外添剤に対するクリーニング性についての評価結果を図8に示す。使用したクリーニングブレード35は、それぞれ弾性体の高分子量成分を調整したものであり、A〜Gまでの7種類を用意した。尚、損失弾性率E”は、D6100(株式会社日立ハイテクサイエンス社製)を用いて測定した。
この印刷試験では、周辺環境を温度25℃湿度50%で一定として印刷デューティ20%の印刷を連続して用紙20000枚に行い、5000枚毎に帯電ローラ33の表面に付着している外添剤の量を確認して汚染レベルを◎、○、×の3段階でレベル分けした。ここで、◎は、外添剤が全く付着してなく画像の品質が良好であり汚染レベルが最も低い状態、○は、外添剤が少量付着しているものの画像の品質に影響を与えるほどではなく画像の品質が良好であり汚染レベルが◎の次に低い状態、×は外添剤が画像の品質に重大な影響を及ぼすほど多量に付着していて画像の品質が不良であり汚染レベルが最も高い状態を表している。そして、この印刷試験では、20000枚印刷するまでの間に、汚染レベルが×となったクリーニングブレード35に対して外添剤に対するクリーニング性についての評価をNG、つまり外添剤に対する良好なクリーニング性を得ることができないと判定した。尚、印刷デューティとは、LED露光部36のLEDヘッドを全露光させて用紙P上全てにトナーを転写させる所謂ベタ印刷を100%とした場合の印字率を表すものである。また、この印刷試験で印刷枚数を20000枚とした理由は、現像装置3K、3M、3Y、3Cの交換目安が20000枚に設定されているからである。
図8に示す表には、左側から順にクリーニングブレード35の種類、クリーニングブレード35を25℃、40℃、70℃、100℃に加熱した状態でそれぞれ測定した損失弾性率E”、5000枚毎に各付けした帯電ローラ33の外添剤による汚染レベル、外添剤に対するクリーニング性の評価を記載している。ここで、損失弾性率E”を、25℃、40℃、70℃、100℃の異なる温度下で測定している理由は、上述したように、損失弾性率E”が温度によって変化する為である。
この図8の表を見ると、70℃及び100℃で測定された損失弾性率E”の値と汚染レベルとの間には、損失弾性率E”の値が大きくなるにつれて汚染レベルが低くなっていることから、相関があると言える。この結果からも、損失弾性率E”が大きい程、スティック−スリップ運動の回数が少なくなり帯電ローラ33に付着する外添剤の量が減って汚染レベルが低くなることがわかる。一方で、25℃及ぶ40℃の温度下で測定された損失弾性率E”の値と外添剤による帯電ローラ33の汚染レベルとの間には、何ら相関が無いことがわかる。
このように、室温25℃での連続印刷時に、室温と比べて50℃程度高い70℃〜100℃で損失弾性率E”と外添剤による汚染レベルとの間に相関が得られる理由としては、クリーニングブレード35の感光体ドラム30との接触部分であるブレードニップ41の局所的な温度が、感光体ドラム30との摩擦により室温(すなわち画像形成装置1の使用温度)よりもはるかに高い70℃〜100℃程度にまで上昇するからだと推測できる。
ここで、図9に、印刷試験で用いたクリーニングブレードA〜Gのうち、クリーニング性の評価がOKであったクリーニングブレードBと、評価がNGであったクリーニングブレードEの損失弾性率E”の温度依存性を示す。この図9のグラフを見ると、クリーニングブレードBとEの損失弾性率E”は、70℃より低温側ではほとんど差が無く、70℃を超えるとその差が大きくなることがわかる。このことから、例えば25℃の温度下で測定した損失弾性率E”だけではクリーニング性を正確に評価することは難しく、クリーニング性を正確に評価する為には、少なくとも70℃以上の損失弾性率E”が必要となる。
これらのことから、外添剤に対する良好なクリーニング性を確保する為には、クリーニングブレード35の損失弾性率E”を、従来のように画像形成装置1の使用温度(例えば30℃程度)下で測定した値で規定するのではなく、使用温度よりも高い少なくとも70℃以上の高温下で測定した値で規定すべきであることがわかる。
そして、実際、印刷試験によれば、図8に示すように、70℃での損失弾性率E”が1.60×10[Pa]〜2.01×10[Pa]の範囲にあり、且つ100℃での損失弾性率E”が3.60×10[Pa]〜7.70×10[Pa]の範囲にあるクリーニングブレードA〜Dが、クリーニング性の評価がOKと判定された。また、図8の表には記載していないが、損失弾性率E”が70℃測定時で2.01×10を超えると、クリーニングブレード35の液体的な特性(すなわち粘性)が強くなりすぎて、クリーニングブレード35が感光体ドラム30との摩擦でめくれてしまう現象(これをブレードめくれと呼ぶ)が発生し、クリーニング性が著しく低下した。同様に、損失弾性率E”が100℃測定時で7.70×10を超えた場合も、ブレードめくれが発生して、クリーニング性が著しく低下した。このことから、クリーニングブレード35の損失弾性率E”を、70℃測定時で1.60×10[Pa]以上、2.01×10[Pa]以下、且つ100℃測定時で3.60×10[Pa]以上、7.70×10[Pa]以下と規定すれば、ブレードめくりの発生を防止しつつ、外添剤に対する良好なクリーニング性を確保できることがわかる。よって、本実施の形態では、クリーニングブレード35の損失弾性率E”を、このように規定することで、外添剤に対する良好なクリーニング性を確保するようになっている。
ところで、本実施の形態では、損失弾性率E”を、70℃測定時の値と100℃測定時の値とで規定するようにしたが、これは、上述したように、クリーニングブレード35のブレードニップ41が、実際の印刷時には、70℃〜100℃程度にまで上昇していると推測できるからである。一方で、損失弾性率E”を、70℃測定時の値のみ、もしくは100℃測定時の値のみで規定するようにしてもよい。この場合、図9に示したように、100℃測定時の方が、70℃測定時よりもクリーニングブレード35毎の損失弾性率E”の違いが大きくなる為、クリーニング性が良好なクリーニングブレード35であるかどうかを判別し易い。ゆえに、70℃測定時の値と100℃測定時の値のどちらか一方で規定するならば、100℃測定時の値で規定する方が望ましい。くわえて、近年、画像形成装置1の高速化にともなって感光体ドラム30の回転速度が上がり、ブレードニップ41の局所的な温度が上昇し易くなっていることを考慮すると、70℃測定時よりも100℃測定時の値で規定する方が、より実際のブレードニップ41の温度に近い温度で損失弾性率E”を規定することができるとも言える。
尚、本実施の形態のように、70℃測定時の値と100℃測定時の値との両方で規定すれば、70℃測定時の値のみ、もしくは100℃測定時の値のみで規定する場合と比べて、より確実に良好なクリーニング性を確保することができる。例えば、70℃測定時の値は上述した規定の範囲内となるが100℃測定時の値は上述した規定の範囲外となるような損失弾性率E”を有するクリーニングブレード35があったとする。ここで、損失弾性率E”を例えば70℃測定時の値のみで規定すると、このクリーニングブレード35についてはクリーニング性が良好であると判断されるが、実際には、ブレードニップ41の局所的な温度が100℃程度のときにクリーニング不良を引き起こす。ゆえに、より確実に良好なクリーニング性を確保する為には、クリーニングブレード35の損失弾性率E”を70℃測定時の値と100℃測定時の値との両方で規定することが望ましい。
次に、上述の印刷試験でクリーニング性についての評価がOKと判定されたクリーニングブレードBと、評価がNGと判定されたクリーニングブレードEとを用いて、トナーの帯電性によってクリーニング性の評価がどのように変わるのかについて検証した結果を図10に示す。この検証では、現像ローラ31上での帯電量が−5、−10、−25、−50、−70(単位は全て[μC/g])のように異なる5種類のトナーを用意して、上述の印刷試験と同様の試験をトナー毎に行った。各トナーは、それぞれトナー母粒子の内部に添加する帯電制御剤の量のみを変えることで帯電量を調整したものである。尚、上述の印刷試験は、一般的に広く利用される帯電量が−25[μC/g]のトナーを用いて行ったものである。
この検証によれば、クリーニングブレードBでは、帯電量が−10、−25、−50でなる3種類のトナーでクリーニング性の評価がOKと判定されたのに対して、クリーニングブレードEでは、帯電量が−50でなる1種類のトナーでのみクリーニング性の評価がOKと判定された。この結果から、クリーニングブレードBの方が、良好なクリーニング性を得る為の条件の一つとなるトナーの帯電量の幅が広いことが分かる。しかしながら、どちらの場合も、帯電量が最も低い−5[μC/g]のときと、最も高い−70[μC/g]のときには、クリーニング性の評価がNGと判定された。
トナーの帯電量が−5[μC/g]と低いときにNGとなった理由は、トナーの転写性及びかぶりが悪化して、結果的にクリーニングブレード35に到達する廃棄トナーの量が増えてしまい、効率良くクリーニングできなくなった為と考えられる。実際、トナーの帯電量が低いと、本来の帯電とは逆極性に帯電しているトナー(これを逆極性トナーと呼ぶ)が増えることになる。LED露光部36によって感光体ドラム30上に形成されたトナー像の中にある逆極性トナーは、転写プロセスの際に、転写ローラ14に印加されている電圧と同極性(例えば正)となることから、本来の狙いとは逆に、用紙Pではなく感光体ドラム30に押し付けられる方向に動く。そして、この逆極性トナーは、転写プロセスで転写されずに感光体ドラム30上に残って残転写トナーとなりクリーニングブレード35へと移動する。また、現像ローラ31上にある逆極性トナーは、感光体ドラム30上の露光されていない部分(これを非露光部分と呼ぶ)に付着してしまい、これも感光体ドラム30上に残ってクリーニングブレード35へと移動する。このように、トナーの帯電量が低いと、クリーニングブレード35に到達する廃棄トナーの量が増え、クリーニング性が低下する。尚、クリーニングブレードEは、トナーの帯電量が−50[μC/g]のときのみクリーニング性の評価がOKと判定されているが、これは、トナーの帯電量が−25[μC/g]のときよりも、廃棄トナーの量が減った為と考えられる。
また、トナーの帯電量が−70[μC/g]と高いときにNGとなった理由は、高帯電汚れが発生した為と考えられる。高帯電汚れとは、現像ローラ31上のトナー層の電荷が増大することにより、トナー層の表面電位が感光体ドラム30の非露光部分の表面電位を超えてしまい、この非露光部分へもトナーが移動してしまう現象である。この高帯電汚れが発生すると、常に全面ベタ印刷を行うような状態となってしまう為、クリーニング性が低下する。
このように、トナーの帯電量が低すぎても高すぎても、クリーニング性は低下するが、いずれにしても、70℃以上の高温時の損失弾性率E”が規定の範囲内にあるクリーニングブレードBの方が、70℃以上の高温時の損失弾性率E”が規定の範囲外にあるクリーニングブレードEよりも、良好なクリーニング性を得る為の条件の一つとなるトナーの帯電量の幅が広いことが分かる。
[7.まとめと効果]
ここまで説明したように、本実施の形態では、実際の印刷時のブレードニップ41の局所的な温度が70℃〜100℃程度にまで上昇すると推測できることから、クリーニングブレード35の損失弾性率E”を、70℃測定時の値が1.60×10[Pa]〜2.01×10[Pa]、100℃測定時の値が3.60×10[Pa]〜7.70×10[Pa]と規定した。そして、画像形成装置1では、クリーニングブレード35として、この規定を満たす損失弾性率E”の弾性体を用いるようにしたことにより、従来のように損失弾性率E”を画像形成装置1の使用温度(30℃程度)で規定する場合と比べて、クリーニングブレード35による単位時間当たりのスティック−スリップ運動の回数を、クリーニングブレード35がブレードめくれを引き起こさない範囲で確実に減らすことができ、この結果、外添剤がクリーニングブレード35をすり抜けてしまう機会を、印刷される画像の品質に影響を与えない程度にまで抑えることができる。
かくして、画像形成装置1は、トナーの外添剤による画像の品質の劣化を防ぐことができ、従来と比してより長期間、高品質な画像を維持することができる。また、画像形成装置1は、上述の規定を満たす損失弾性率E”のクリーニングブレード35を用いることで、良好なクリーニング性を得る為の条件の一つとなるトナーの帯電量の幅を広げることもでき、一般的に広く利用されている帯電量のトナーも含めて、帯電量が異なる種々のトナーを扱うことができる。
また、本実施の形態では、画像形成装置1で扱うトナー母粒子の円形度を0.980以下と規定するとともに、トナーの流動性を50〜100[%]と規定して、これらの規定を満たすトナーを用いるようにした。一般的に、トナー母粒子の円形度は、高いほど外添剤が剥離し易くなる。実際、トナー母粒子から剥離した外添剤がブレードニップ41と感光体ドラム30との間をすり抜けてしまうことになるので、トナー母粒子の円形度を0.980以下と規定して外添剤がトナー母粒子から剥離し難くすれば、外添剤がトナー母粒子とともにクリーニングブレード35によって掻き落とされる確率が高くなり、クリーニング性が向上する。一方、トナーの流動性は、低いほど感光体ドラム30から用紙Pへ転写し難くなり廃棄トナーの量が増えてしまうことになるので、トナーの流動性を50〜100[%]と規定して、感光体ドラム30から用紙Pへ転写し易くすれば、廃棄トナーの量が減ってクリーニング性が向上する。
このように、画像形成装置1では、円形度を0.980以下で流動性を50〜100[%]のトナーを用いることで、一段とクリーニング性を向上させ得るようにもなっている。
[8.他の実施の形態]
[8−1.他の実施の形態1]
尚、上述した実施の形態では、損失弾性率E”を70℃と100℃の2つの温度での値で規定したが、これら2つの温度と、70℃から100℃までの間の任意の温度の3つの温度で値を規定するようにしてもよいし、4つ以上の温度で値を規定するようにしてもよい。実際、70℃と100℃にくわえて、例えば、85℃での値で規定する場合には、印刷試験に用いたクリーニングブレードA〜Gの損失弾性率E”を85℃で測定する。そして、例えば、クリーニング性の評価としてOK判定が出ているクリーニングブレードDの85℃での損失弾性率E”の値を下減、クリーニングブレードAの85℃での損失弾性率E”の値を上限とする範囲で規定すればよい。因みに、損失弾性率E”を、100℃を超える温度で規定することもできるが、実際、ブレードニップ41の局所的な温度が100℃を超えてくると、クリーニングブレード35やトナーに悪影響を及ぼす可能性が出てくる為、70℃〜100℃までの間の温度で規定することが望ましい。
[8−2.他の実施の形態2]
また、上述した実施の形態では、電子写真方式のプリンタでなる画像形成装置1に本発明を適用したが、本発明はこれに限らず、画像形成装置1の現像装置3K、3M、3Y、3Cと同等の現像装置を有するものであれば、MFP(Multi Function Product:複合機)、ファクシミリ、コピー機等の画像形成装置にも適用できる。
[8−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した実施の形態では、像担持体としての感光体ドラム30を帯電させる帯電部材の具体例として帯電ローラ33を用いるようにした。これに限らず、像担持体を帯電させる機能を有するものであれば、帯電ローラ33とは異なる構造の帯電部材を用いるようにしてもよい。さらに、上述した実施の形態では、像担持体に現像剤像としてのトナー像を形成する現像部の具体例として現像ローラ31を用いるようにした。これに限らず、像担持体に現像剤像を形成する機能を有するものであれば、現像ローラ31とは異なる構造の現像部を用いるようにしてもよい。さらに、上述した実施の形態では、現像剤像としてのトナー像を媒体としての用紙Pに転写する転写部の具体例として転写ローラ14(14K、14M、14C、14Y)を用いるようにした。これに限らず、現像剤像を媒体に転写する機能を有するものであれば、転写ローラ14とは異なる構造の転写部を用いるようにしてもよい。
[8−4.他の実施の形態4]
さらに、本発明は、上述した実施の形態と、他の実施の形態とに限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と他の実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
本発明は、トナーをクリーニング部材で掻き落としてクリーニングする画像形成装置で広く利用することができる。
1、画像形成装置、3K、3M、3Y、3C……現像装置、6……転写ベルト、14K、14M、14Y、14C……転写ローラ、30……感光体ドラム、31……現像ローラ、32……供給ローラ、33……帯電ローラ、35……クリーニングブレード、40……ブレードホルダー、41……ブレードニップ、70……トナー母粒子、71……外添剤。

Claims (6)

  1. 静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材により帯電された前記像担持体に、外添剤が添加された現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像部と、
    前記現像部により形成された前記現像剤像を媒体に転写する転写部と、
    前記像担持体に残留している現像剤を前記像担持体から除去するクリーニング部材と
    を有し、
    前記クリーニング部材は、
    測定温度100℃での損失弾性率が、3.0×10[Pa]〜7.70×10[Pa]の範囲に含まれる弾性体である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記クリーニング部材は、
    測定温度70℃での損失弾性率が、1.60×10[Pa]〜2.01×10[Pa]の範囲に含まれる弾性体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像剤は、母粒子と外添剤とで構成され、
    前記母粒子の円形度が、0.980以下である
    ことを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 前記現像剤の流動性が50[%]〜100[%]である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体は、円筒状のドラムでなり、
    前記クリーニング部材は、板状のブレードでなり、当該ブレードの先端部を前記ドラムの表面に押し当てるようにして配置され、当該ブレードの先端部で前記ドラムの表面に残留している現像剤を掻き落とす
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記クリーニング部材の先端部と前記ドラムの表面とのクリーニング角度が、10.3度〜14.7度である
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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