JP5049482B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート等の記録媒体上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタ、あるいは、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機やプリンター、ファクシミリなどの画像形成装置としては、多数の方法が知られている。この種の画像形成装置は、感光ドラム上に画像露光を施して、画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置によって可視像化し、可視像化されたトナー像を転写材上に転写・定着することにより、画像を形成するように構成されている。
このような電子写真法に用いられる現像方式としては、乾式現像方式と液体現像方式がある。液体現像方式の現像剤に比べ、乾式現像方式の現像剤の方が取り扱いやすいため、広く普及している。
乾式現像方式には、トナーとキャリアを用いた二成分現像方式と、トナーのみの一成分現像方式がある。一成分現像方式は、さらに磁性一成分現像方式と、非磁性一成分現像方式に分類される。
二成分現像方式では、現像装置内においてキャリアとトナーとを混合撹拌させてトナーを帯電させ、内部にマグネットローラが設けられた現像剤搬送部材に二成分現像剤を供給し、この現像剤搬送部材により現像剤を像担持体と対向する現像領域まで搬送している。これにより、像担持体に形成された静電潜像にトナーを現像する。二成分現像方式では、多くの場合トナーを補給する方式が採用されるが、長期間に渡って静電潜像に対する現像特性に優れ、高精細な現像が可能である。
しかし、トナーとキャリアの比を制御するためのトナー濃度センサーや、トナーとキャリアの比を一定に保つための混合撹拌機構、劣化キャリアを新しいキャリアに入れ替える機構が必要になり、装置が大型化すると共にコストが高く付くことが懸念される。
このため、近年は、キャリアを使用せずにトナーだけを用いるようにした一成分現像方式の現像装置が多く提案されている。
一方、磁性一成分現像剤は、上記のトナー濃度センサーが不要であり、現像装置の小型化が容易である。
例えば、像担持体としての感光ドラム表面に形成した静電潜像を一成分系現像剤としての磁性トナーによって顕像化する現像装置としては、例えば図18に示す様な装置が知られている。
図18中の現像スリーブ58には、金属円筒管56上に導電性樹脂被覆層57が設けられている。図18において、現像剤容器53には、一成分系現像剤としての磁性トナー54が保有されている。そして、磁性トナー間相互の粒子摩擦及び現像剤担持体としての現像スリーブ58と磁性トナー粒子との間の摩擦により、感光ドラム51上に形成された静電潜像電荷と現像基準電位に対して逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与えている。そして、磁性ブレード52により該磁性トナーを現像スリーブ58上に極めて薄く塗布して担持させて感光ドラム51と現像スリーブ58とで形成された現像領域Dへと搬送する。そし
て、現像領域Dにおいて、現像スリーブ58内に固着されている磁石55による磁界の作用で、担持されている磁性トナーを飛翔させて感光ドラム51上の静電潜像を顕像化する。
尚、A及びBは、現像スリーブ58及び感光ドラム51のそれぞれの回転方向を示している。59は現像時に現像バイアス電圧を印加する為の現像バイアス手段を示している。60は現像剤容器53中で磁性トナー54を撹拌する為の撹拌翼を示している。
磁性ブレード方式以外にも、現像剤規制手段が提案されている。
例えば、現像剤規制手段たるゴムもしくは金属の弾性ブレードを現像剤担持部材たる現像スリーブに当接させ、その当接部から現像剤を侵入通過させることによって現像スリーブ上にトナー薄層を形成する装置が挙げられる。この装置は、さらに当接部において摩擦帯電による電荷をトナーに付与する。現像スリーブ内に磁石を設ければ磁石の磁気力によって現像スリーブ上にトナーを供給することができる。
非磁性一成分現像方式では、現像剤担持体に現像剤供給部材を近接もしくは圧接し、現像剤担持体上に現像剤を供給して静電気力で保持させ、これを現像剤層厚規制部材により薄層化し、像担持体上の静電潜像に現像剤を現像する。現像装置は簡易な構成にできるため、軽量、低コスト化が可能である。
ただし、磁性一成分現像方式では、現像剤担持体にトナーを保持するために静電気力と磁気力を用いたが、非磁性一成分現像方式では、現像剤担持体にトナーを保持するために静電気力のみ用いる。長期間に渡って使用すると、トナーの付着力が上がり、流動性が低下し、現像容器内のトナー搬送不良や、現像剤担持体や現像剤層厚規制部材へのトナー融着が発生しやすくなる。これにより、現像剤担持体上のトナー層が不均一になりやすい。
したがって、非磁性一成分現像方式では、長期間に渡って、現像剤担持体上にトナーを安定して均一にコートできる手段が必要である。
例えば、像担持体としての感光ドラム表面に形成した静電潜像を一成分系現像剤としての非磁性トナーによって顕像化する現像装置としては、図2に示す様な装置が知られている。
現像装置103は、一成分現像剤としての非磁性のトナーTで現像を行う接触一成分現像装置であり、現像剤担持体としての現像ローラ109、弾性ローラ110、規制ブレード111、攪拌部材112を備えている。ここで、現像ローラ109は、現像容器108の開口部に感光ドラム101と対向配置され、矢印方向(反時計方向)に回転自在に設けられている。弾性ローラ110は、現像ローラ109に圧接するように回転自在に設けられている。規制ブレード111は、弾性を有して現像ローラ109に当接するように設けられている。攪拌部材112は、現像容器108内のトナーTを攪拌するように設けられている。規制ブレード111は、現像ローラ109と弾性ローラ110との圧接部に対して現像ローラ109の回転方向下流側で現像ローラ109に当接している。
攪拌部材112で攪拌されたトナーTは、現像ローラ109に圧接して回転する弾性ローラ110によって現像ローラ109表面に供給される。現像ローラ109表面に供給されたトナーは、現像ローラ109の回転に伴い搬送され、規制ブレード111と現像ローラ109の当接部で摩擦により電荷を付与されて、現像ローラ109表面に薄層化される。薄層化されたトナーは現像ローラ109の回転によって搬送され、感光ドラム101との当接部(現像部)にて感光ドラム101上に形成された静電潜像に付着して顕像化する
。なお、現像ローラ109上の現像に寄与しなかったトナーは、弾性ローラ110で剥ぎ取られる。
このような現像装置を用いる場合、現像ローラと現像ローラ上へのトナーの層形成及び帯電を行う層形成・帯電手段としては、現像ローラに押圧摺擦される弾性の規制ブレードが、一般に用いられている。
また、現像剤担持体としての現像ローラと、現像剤供給部材としてのスポンジローラとを圧接させるように配置し、両者の圧接部で互いの表面が逆方向に移動するようにそれぞれ回転させるものが開示されている。ここで、現像ローラは、フロート電極を有する中抵抗(10〜1011Ωcm)のものであり、スポンジローラは、例えばポリウレタンからなる。この現像装置には、現像ローラ上のトナー付着量を所定量に規制するために所定の当接力で現像ローラに圧接する現像剤層厚規制部材としてのブレードも設けられている。この現像装置において、スポンジローラの回転で両者の圧接部に搬送したトナーを、該圧接部で摩擦帯電して現像ローラ表面に付着させる。そして、表面に付着したトナーからなるトナー層の層厚をブレードで規制して現像ローラ上に所定量のトナー層を形成する。そして、現像ローラの回転でトナー層を像担持体としての感光体との接触部に搬送して、感光体上の静電潜像にトナーを現像する。
非磁性一成分現像方式には、現像剤担持体を像担持体に接触させて現像を行う方式と、現像剤担持体と像担持体の間に一定の空隙を設けて非接触で現像を行う方式がある。
従来より、一成分現像方式の現像剤担持体としては、アルミニウムやSUSステンレス鋼等の金属スリーブ、表面に樹脂層を被覆した金属スリーブ又はシリコーンゴムやNBR、EPDM等にカーボン等の導電剤を分散させた弾性ゴムローラ等が使用されている。
また、その層規制部材としては、ウレタンゴムやシリコーンゴム等の弾性ブレード、SUSステンレス鋼、リン青銅等の金属ブレード等が使用されている。
電子写真式の画像形成装置では、長期間の使用に伴って、トナーの流動性は徐々に低下する。トナーの流動性が所定の範囲内では、良好な画像形成が可能でも、範囲外では画像不良が発生する。また、長期間の使用に伴って、トナーと各種部材との付着力は、徐々に上昇する。
なお、関連する従来例が開示された文献としては、特許文献1〜32がある。
特開平6−59571号公報 特開平6−138765号公報 特開平9−190063号公報 特開平11−258897号公報 特開平11−352758号公報 特開2000−10424号公報 特開2000−89635号公報 特開平6−167886号公報 特開2003−302836号公報 特開平5−333681号公報 特開平11−160978号公報 特開平5−313545号公報 特開平8−44182号公報 特開2004−212968号公報 特開2004−133039号公報 特開2003−122192号公報 特開2001−201897号公報 特開平8−190272号公報 特開平9−101672号公報 特開平9−160473号公報 特開2001−175062号公報 特開2000−206789号公報 特開平4−57067号公報 特開2003−21995号公報 特開平11−352852号公報 特開平10−240092号公報 特開2000−47545号公報 特開2004−279858号公報 特開2003−280478号公報 特開2004−258419号公報 特開平5−11670号公報 特開2001−166648号公報
以下に、トナーの流動性が所定の範囲より低下した場合に発生することが懸念される画像不良の例を挙げる。
トナー同士の凝集が強くなることにより、像担持体上のトナー像を転写材に移す転写プロセスにおいて、一部のトナーを像担持体から転写材に移すことができなくなる画像不良が発生することが懸念される。また、トナーと像担持体との付着強度が増すことにより、像担持体上の静電潜像をトナーで顕像化する現像プロセスにおいて、ベタ白部にトナーが付着する画像不良“かぶり”が発生することが懸念される。
二成分現像方式では、像担持体上の静電潜像をトナーで顕像化する現像プロセスにおいて、ベタ白部にトナーが付着する画像不良“かぶり”が発生することが懸念される。これは、トナーとキャリアの付着が強くなることにより、トナーとキャリアの接触機会が減り、充分に摩擦帯電することができなくなり、単位質量当たりの帯電量が減ることによる。
一成分現像方式では、トナー同士の凝集が強くなることにより、現像容器内において現像剤担持体付近に搬送できるトナー量が少なくなり、ベタ画像出力時に後端の濃度が薄くなる画像不良が発生することが懸念される。
また、ベタ又はハーフトーン画像を出力した時に濃度ムラが生じる画像不良が発生することが懸念される。これは、トナー同士の凝集が強くなることにより、現像剤層厚規制部をトナーが通過する時に充分にトナーの凝集をほぐせなくなり、現像剤担持体上のトナーコート状態が不均一になることによる。
さらに、ベタ又はハーフトーン画像を出力した時にスジ状の濃度ムラが生じる画像不良が発生することが懸念される。これは、トナーと現像剤層厚規制部材の付着が強くなることにより、現像剤層厚規制部をトナーが通過する時にトナーが現像剤層厚規制部材に強固に付着して融着して、融着位置付近の現像剤担持体上のトナーコート状態が不均一になることによる。
従って、長期間に渡って、画像不良の発生がない安定した画像形成を実現するためには
、トナーの流動性を所定の範囲に維持することは重要である。
現像ローラにコートされたトナーは、静電的な凝集や、像担持体からの熱を受け取ることにより流動性が低下しやすい。図2に示す現像装置における例を示す。
現像ローラ109付近のトナーの流動性が適正な範囲内にある場合は、現像容器108内でトナーが循環する。従って、このような場合、弾性ローラ110で剥ぎ取られたトナーは、現像ローラ109から離れた位置に行くことができ、かつ現像ローラ109から離れた位置から、より流動性の高いトナーを新たに現像ローラ109に供給することができる。その結果、現像容器108全体でみるとトナーの流動性は略均一になり、現像ローラ109付近のトナーの流動性低下を遅くすることができる。
他方、現像ローラ109付近のトナーの流動性が適正な範囲より低下した場合は、現像容器108内、特に現像ローラ109付近でトナーが循環しなくなる。従って、このような場合は、弾性ローラ110で剥ぎ取られたトナーは、現像ローラ109付近にしか滞留できなくなり、かつ現像ローラ109から離れた位置から、より流動性の高いトナーを新たに現像ローラ109に供給することができなくなる。その結果、現像容器108でみるとトナーの流動性は不均一になり、現像ローラ109付近のトナーの流動性が急激に低下しやすくなる。
従って、トナーの流動性低下に伴う画像不良が発生する時には、現像ローラ9付近のトナー、特に現像ローラ9にコートされたトナーの流動性が重要になる。他方、現像ローラ9から離れた位置のトナーの流動性からは、トナーの流動性低下に伴う画像不良の発生を正確に判断できない。
トナーの流動性が低下する原因として、主にトナーの温度上昇と、静電凝集がある。
近年、電子写真装置に求められる性能は、ますます高まっている。すなわち、画像出力速度が高速、かつ数多く画像出力しても画像不良が出ない高耐久を低価格で実現することが求められている。
ここで、画像出力速度が高速であることを実現するためには、像担持体や転写材搬送部材・定着部材等の周速を高速にしなければならない。すると、低速の場合に比べ、画像形成装置内の温度が上昇しやすくなる。また、低コストを実現するために、画像形成装置内を冷却するファンの設置個数を極力減らす設計がされている。しかし、画像形成装置内の発熱量が、画像形成装置の冷却能力を上回ると、画像形成装置内の温度が上昇し、現像装置付近の温度も上昇する。トナーは温度上昇すると、トナーの流動性が低下するので、昇温しすぎると画像不良が発生する。
また、低印字画像の出力が多く、公称寿命を超過してもトナーが現像装置内に残っている時に、トナーが静電凝集を起こしやすい。特に、画像出力速度が高速な条件で、停止時間が無い又は、停止時間が短い場合に、トナーが静電凝集を起こしやすい。トナーが静電凝集すると、トナーの流動性が低下して、画像不良が発生することがある。このような場合でも、画像不良が発生しない画像形成装置が求められている。
このように、電子写真装置内のトナーの流動性を低く保ち、安定した画像形成を実現することが求められている。
トナーの流動性が低下する原因として、主にトナーの温度上昇と、静電凝集がある。すなわち、トナーの流動性が低下する原因は複数有り、複数の原因を排除しなければトナー
の流動性の低下を防止できない。
例えば、トナーの温度が低くても、現像剤担持体が長時間連続して高速で回転しているとトナーが静電凝集し、トナーの流動性が低下することがある。
逆に、現像剤担持体を長時間連続して高速で回転していなくても、トナーの温度が高い場合には、トナーの流動性が低下することがある。
そこで、どのような原因であれ、トナーの流動性を検知できることが必要になっている。
次に、現像装置内に使用されるトナーの開発状況について言及する。
静電潜像に対して、より正確に現像剤を現像することで、高精細画像を実現するために、小粒径トナーが提案されている。例えば、解像力やシャープネスを向上させ潜像を忠実に再現する為には、重量平均粒径約3〜9μmのトナーを用いるのが一般的である。
しかし、粒径が小さくなると、単位質量当たりの帯電量が大きいトナーが発生しやすくなる。単位質量当たりの帯電量が大きいトナーが存在すると静電凝集しやすく、流動性が低下しやすい。さらに、単位質量当たりの帯電量が大きいトナーは、現像剤担持体や現像剤層厚規制部材に強固に付着し離れなくなり、最終的に融着、固着しやすい。
また、粒径が小さくなると、静電気力に対してファンデルワールス力が無視できなくなる。電子写真装置ではトナーに働く静電気力は制御できるが、ファンデルワールス力は制御できない。静電気力に対してファンデルワールス力が無視できなくなると、トナーは各種部材に付着した際に、離れにくくなり、最終的に融着、固着しやすい。また、ファンデルワールス力は、物体間の引力として働き、付着力の増加の一因になる。従って、静電気力に対してファンデルワールス力が無視できなくなると、流動性が低下しやすい。
特に、外添剤がトナー母体に埋め込まれると、静電気力に対してファンデルワールス力が無視できなくなる。
また、定着器の設定温度を下げて、画像形成前に定着器を昇温させる時間を減らすことや、定着器の消費電力を下げることを目的に、低温で定着できるトナーが提案されている。
しかし、温度による影響を受けやすくなり、より低温でトナーの物体に対する付着力が上がり、流動性が低下しやすくなる。それに伴い、従来よりも現像剤担持体や現像剤層厚規制部材に融着、固着しやすくなる。
したがって、小粒径トナーや低温定着トナーを用いて画像形成するためには、従来よりもトナーの付着力を下げること、すなわち流動性を低く保つことが重要になる。
すなわち、トナーの流動性を検出し、流動性を回復する機能が必要になっている。
そこで、本発明者は、画像出力速度が高速であり、数多くの画像を出力しても画像不良が出ないことを低価格で実現するために、次のような4つの課題を掲げ、鋭意検討を重ねた。それは、トナーの温度上昇、トナーの静電凝集のどちらが流動性低下の原因であっても、流動性を検知できること(課題3)、現像剤担持体付近のトナーの流動性を検知できること(課題2)、簡易な構成であること(課題1)である。また、トナーの温度上昇、
トナーの静電凝集のどちらが流動性低下の原因であっても、流動性を回復できること(課題4)である。
ここで、トナーの温度を下げる又は温度の上昇を防止することと、トナーの静電凝集をほぐす又は凝集の進行を防ぐことを同時に実現して、トナーの流動性を回復する手段としては、次のような方法がある。それは、像担持体と現像剤担持体を停止する方法、又は像担持体と現像剤担持体の回転数を下げる方法である。
また、トナーの温度を下げる又は温度を維持することを実現して、トナーの流動性を回復する手段としては、現像装置内のトナーを直接的又は間接的に冷却する方法がある。
また、トナーの静電凝集をほぐす又は凝集の進行を防ぐことを実現して、トナーの流動性を回復する手段としては、現像装置内のトナーを除電する方法がある。
以下に、トナーの流動性を検出する従来例、トナーの流動性を回復する従来例について言及する。
始めに、トナーの流動性を検出する従来例を挙げる。
特許文献1では、現像剤の流動性を検知し、その流動性に応じて現像剤補給手段の現像剤補給能力を制御することで適切な現像剤の補給を行うことを目的に、撹拌搬送手段によって搬送される現像剤の量を検知して、現像剤の流動性を測定する。
特許文献2では、実際の現像剤の疲労度合いを判断することを目的に、現像槽内で現像剤を撹拌する撹拌ローラを回転させるDCモータの電流値からトルクを求める。現像剤の疲労度合いと撹拌ローラのトルクとは対応しているので、トルクの変動を検出して、現像剤の疲労度合いを判断する。撹拌ローラのトルクが基準値を越えると、現像剤は寿命がきたと判断し、マシンを停止させる。
特許文献3〜特許文献6でも同様に、現像装置内のトナー撹拌部材の回転トルクからトナーの流動性を検出している。
特許文献7では、クリーニング装置で回収されたトナーを現像器に供給する際に、凝縮物の発生を抑えることを目的に、回収トナー搬送時の搬送モータのトルクを検出し、回収トナーの流動性を検知している。
特許文献1〜特許文献7の構成では、課題1と課題3は解決可能である。しかし、現像剤担持体上又は近傍のトナーではなく、離れた位置のトナーの流動性を検知しているため、課題2は解決できない。
特許文献8では、現像剤の流動性を簡便に検出し、検出結果に基づいて画質悪化を回避し得る制御を行わせることを目的に、現像器に現像剤の流動性を検出する流動性センサを設ける。流動性センサは、横波超音波を発する厚みずり振動子の振動方向と平行な面に現像剤を接触させ、厚みずり振動子の振動特性の変化によって現像剤の流動性(粘性抵抗)を検出するものである。そして、流動性センサで現像剤の流動性劣化が検出されると、かかる検出結果を表示させることで現像剤の交換,補給を促したり、感光ドラムの帯電電位やトナー濃度を増大させて流動性劣化による画質悪化を補償する。又は、現像剤の乾燥,攪拌,加振を行って、現像剤の凝集状態を解消させる。
特許文献8の構成では、課題3は解決可能である。しかし、超音波振動子を用いた複雑
な構成になっているため課題1は解決できず、また、現像剤担持体上又は近傍のトナーではなく、離れた位置のトナーの流動性を検知しているため、課題2は解決できない。
特許文献9では、現像スリーブ上のトナーの流動性を評価し、トナー層や現像剤層の層状態を均一にすることを目的に、現像スリーブ上に形成されるトナー層又は現像剤層の表面にレーザ光を照射し、その反射光の散乱光又はスペックルパターンを測定する。このことにより、トナー層又は現像剤層の表面均一性を評価している。特許文献9の構成では、課題2と課題3は解決可能である。しかし、現像剤担持体上のトナーの流動性を検知するための光学系は複雑な構成になっているため課題1は解決できない。
このように、トナーの流動性を検知する従来例では、課題1、課題2、課題3を同時に満たすものはない。
次に、トナーの流動性を回復する従来例を挙げる。
特許文献10では、連続で印字しても現像剤の飛散の起こらない現像器を提供することを目的として次のように構成している。それは、一成分トナ−を被現像部に供給する回転駆動可能な現像ローラに対し、その回転方向に対して被現像部位置よりも下流側の位置でリカバリーブレードを接触させ、このリカバリーブレードに、現像ローラと同極性で、かつ、それ以上の電圧を印加する。これにより、現像ローラ上のトナーの静電凝集度合いをコントロールしている。
しかし、特許文献10の構成では、リカバリーブレードに印加するバイアスを切り替える手段に関する記載は無い。また、リカバリーブレードに、現像ローラと同極性で、かつ、それ以上の電圧を印加しているが、この条件では、現像ローラ上のトナーを静電凝集させ、流動性が低下する。従って、課題4は解決できない。
特許文献11では、二成分現像剤の流動性の変化にともなう諸問題を解決することを目的に、現像装置中での現像剤の流動性を検知する検知手段を有し、且つ、当該検知手段による検知結果に基づいて現像装置中に添加剤を投入する添加剤投入手段を有する。特許文献11では、添加剤を投入することで課題4を解決できる。しかし、トナーの流動性の検知手段として、トナー撹拌部材のトルク測定、トナー搬送量測定を行っているが、特許文献1〜特許文献7と同様に、課題2を解決できない。
次に、温度上昇に伴いトナーの流動性が低下することに着目し、トナー又は現像器や現像器付近の温度を検知し、温度を制御する、又は温度を低下させる従来特許の例を挙げる。
特許文献12では、地肌汚れのない、シャープ性に優れた高品質の画像が得られ、かつ、トナー飛散やクリーニング不良が発生することなく回収トナーの再利用を目的に、回収トナーや現像器内のトナーの温度を検知し、回収トナーの補給を制御している。また、回収トナーの補給の前に、回収トナーに添加剤を混入させることや、回収トナー帯電・除電手段や回収トナーの冷却手段を設けることも合わせて提案されている。特許文献12では、流動性回復のために回収トナーに添加剤を混入させるので、課題4を解決可能である。しかし、トナーの温度のみ検知しているため、課題2及び課題3は解決できない。
特許文献13では、環境温度の変化によらず適切な量のトナーをトナー収容部から現像器内に補給することを目的に次のように構成している。それは、トナーホッパ内のトナーの温度を検出する温度センサの出力を用いて、温度変化によるトナー流動性変化に拘らず、所望の量のトナーを現像器内に補給できるように、制御部によってトナーホッパ内のア
ジテータの回転速度を制御している。これにより、環境温度の変化によらず、良好な現像を行うことができる。特許文献13の構成では、トナーの温度のみ検知しているため、課題2及び課題3は解決できない。
特許文献14では、画像形成装置の内部の温度が高くなるのを抑制することを目的に、ベルトの温度を検出し、検出温度に基づいて印刷処理の制御が行い、画像形成装置の内部の温度が高くなるのを抑制することができる。特許文献14の構成では、トナーの温度上昇を防止できるが、課題4は解決できない。
特許文献15では、装置内の現像剤の溶解・凝固を防止することを目的に、温度検知手段により装置内の温度検知を行い、検知結果に応じて画像出力速度を切替えたり、装置の冷却時間を適応的に選択する。
同様に、特許文献16では、現像装置周辺の温度検知、特許文献17では、現像装置内の温度検知を行い、検知結果に応じて画像出力速度を切り替えたり、装置の冷却時間を適応的に選択する。
特許文献15、特許文献16及び特許文献17では、画像出力速度を切り替えたり、装置の冷却時間を適応的に選択しているので、課題4を解決可能である。しかし、トナーの温度のみ検知しているため、課題2及び課題3は解決できない。
特許文献18では、より安定した現像特性を得ることを目的に、予め定めた現像特性となる様な現像器の目標温度を求めて、その目標温度になる様に温度制御を行う。
特許文献19及び特許文献20では、装置本体内の温度を下げてトナーの固着化を防止することを目的に、現像装置内のトナー温度を検出し、その検出値により冷却手段を制御する。
特許文献21では、現像装置の機能部材の温度を制御することにより、ブレード表面におけるトナーの融着を防止し、良好な画像品質を長期間にわたって維持することを目的に、次のように構成している。それは、現像ローラの内部に現像ローラを加熱する加熱素子及び冷却する冷却素子を設け、現像ローラの周面に温度センサを当接させ、制御部は温度データに基づいて予め設定された所定温度に一致するように、加熱素子21及び冷却素子22を駆動している。
特許文献18〜特許文献21の構成では、トナーの温度上昇を防止できるが、課題4は解決できない。
一般に、電子写真方式の画像形成装置では正常な画像出力が可能な温度範囲があり、温度の下限・上限が存在する。通常使用する条件では、画像形成装置内の温度は、画像形成装置外の温度を上回る。
特に、近年印刷速度が高速になり、冷却装置なしでは、装置内の温度が、画像形成装置外の温度を大きく上回ることがある。そこで、装置内の温度を低く保つために、装置内に冷却手段を設ける技術が発案されている。
特許文献22では、低融点トナーを用いる現像装置を使用し、トナーリサイクルをおこなう電子写真方式の画像形成装置において、トナー流動性の低下、トナー凝集、Q/Mの変動を防止することを目的に、現像装置の冷却手段を設けている。特許文献22では、トナーの温度上昇を防止できるが、課題4は解決できない。
特許文献23では、複写速度を多段に有する複写機において、機内の温度上昇による作像条件の悪化を防止することを目的に、次のように構成している。それは、高速での連続複写枚数をカウントすることにより、問題が生じない限度枚数内だけ高速連続複写を行い、その複写動作を停止することなく自動的に低速側へ速度切換えするようにして、間欠的な高速複写を行っている。
特許文献23では、画像出力速度を切替えているので、課題4を解決可能である。通常、使用初期と長期間使用後ではトナーの流動性が変わり、適切な画像形成条件が変化する。しかし、この特許では、トナーの流動性を検知していないため、トナーの流動性に合わせて画像出力速度を切り替えられない。したがって、現像剤担持体付近のトナーの流動性が下がった時に、画像形成条件を変更することができず、画像不良の発生を防止できない。
本発明者は、像担持体のクリーニング部に入るトナーの流動性と、クリーニング部材と像担持体の間の摩擦力により発生する回転トルクの関係に着目している。
従来例として、像担持体の回転トルクを検知し、その結果を用いたクリーニング制御について例示する。
特許文献24では、クリーニングブレードの効率的で安定したクリーニング性能を長期間維持することを目的に、次のように構成している。それは、感光ドラム−クリーニングブレード間の摩擦力の変動を検知する手段(駆動負荷検知装置)と、前記クリーニングブレードの当接部近傍のクリーニングブレードと感光ドラムのなす角を変更する手段を設けている。
特許文献25では、ブレード等の最適なメンテナンス及び交換時期を事前に知り得て不要なコストを省くことを目的に、次のように構成している。感光体の駆動トルクを検知する電流検出部(トルク検知手段)と、該電流検出部の検知結果に基づいてクリーニング装置若しくは感光体のメンテナンス又はパーツ交換が必要か否かを判定する判定手段、又はメンテナンスの必要時期を予測する予測手段を設けている。
特許文献26では、クリーニング装置で、像担持体の異物噛み込みによる筋状の傷の発生を低減しつつ、鳴きの発生を防止することを目的に、次のように構成している。それは、像担持体の駆動トルク検出値、像担持体の回転速度、クリーニング部の周辺の温度と云ったクリーニングブレードを往復移動させる条件に基づいた、往復移動の善し悪しに対応して、制御手段が往復移動駆動手段の駆動、停止を制御している。
特許文献27では、現像剤をクリーニング部に供給することで、像担持体表面をクリーニングする電子写真装置において、現像剤の消費を抑えることを目的に、次のように構成している。それは、感光体の駆動トルクが所定トルクに達することで、感光体表面に付着した硝酸塩が存在することを検知し、検知した場合にだけ現像剤を供給して感光体を回転させて現像剤と共に硝酸塩を掻き落とすクリーニングを行っている。
特許文献28では、クリーニングブレードの劣化状態を適切に検知できるようにすることを目的に、次のように構成している。それは、像保持部材を駆動させるのに加わるトルクを測定するトルク測定装置を設ける。そして、これと共に、像保持部材にトナーが保持されていない状態でのトルクと、像保持部材に保持されたトナーをクリーニングブレードによって除去する状態でのトルクとの差が所定値以下に達した場合にクリーニングブレードの交換を警告する警告装置を設けた。
特許文献29では、高耐久ドラムにおけるクリーニングブレードの捲れ防止、及びファーブラシによる傷防止を目的に、次のように構成している。それは、感光体上をクリーニングするクリーニングブレードとファーブラシをもつクリーニング装置において、その感光体にトルク検出器を設け、そのトルク電流が一定以上となるとファーブラシを回転させる。
特許文献30では、クリーニング装置のクリーニングブレードのビビリ振動、ブレードめくれなどの発生を予知、阻止し、安定したクリーニング性能を得ることを目的に、次のように構成している。それは、像担持体の駆動トルクを検知するトルク検知手段と、トルク検出手段の検知結果に基づいて、クリーニングブレードの異常を判断し、その異常を回避する手段を設ける。クリーニングブレードに対し未転写のトナー又はステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を入力し、感光体とブレードエッジ部の滑り性を上げる。
特許文献24〜30は全て、像担持体の回転トルクを検知し、その結果からクリーニング設定の異常を判別し、クリーニング設定を正常に戻すことに関連している。しかし、画像形成可能な条件のまま、ドラム周速を落としたり、ドラムを停止するタイミングを入れたりして、印刷速度を調整する制御を行っているものはないので、課題4を解決できない。
特許文献31は、フィルミング除去動作時に、コピー時よりも多量の剤を、現像領域に蓄積して、感光体を作動させつつフィルミング除去動作を実行するフィルミング除去方法に関するものである。特許文献31では、現像領域の剤蓄積量を左右する部品にバラツキがあっても、良好に像担持体上のフィルミング除去を行うことを目的としている。そして、フィルミング除去時には現像スリーブの回転数を低下させて現像領域に剤を溜めて感光体に対する摩擦力を増大させフィルミングを除去する。現像スリーブの回転数を変化させながら感光体トルクをトルク検知回路で検知し、これが目標トルク値になるような現像スリーブの回転数を求めて、フィルミング除去時の回転数として設定する。
特許文献31では、フィルミング除去動作時の像担持体表面の移動速度を、コピー時と変更することも提案されている。フィルミング除去動作時の像担持体の移動速度をコピー時よりも低く設定する条件では、課題4を解決できる。しかし、フィルミング除去動作時に、通常の動作時よりも多量の剤を、像担持体と剤担持体との間の領域に蓄積することを必須としているので、フィルミング除去動作と同時に画像形成を行うと、画像不良が発生してしまう可能性がある。従って、特許文献31の構成では、画像不良の発生を防止しつつ、かつ課題4を解決することはできない。
像担持体の回転トルクを検知し、その結果をクリーニング設定以外の判別に用いている従来例を挙げる。
特許文献32では、設置されているカートリッジが新しいか使用されたものであるかを、能動検知装置を追加せずに検出することを目的に、次のように構成している。これは、回転可能部材の駆動モータのトルクを測定するトルク検出装置と、少なくとも一つの目標値を保存するデータ記憶装置と、トルクの測定値とトルクの目標値とを比較して回転可能部材の動作状態に変化が生じたことを確認する処理回路を備えている。特許文献32は、カートリッジの新旧の判断のみを目的としており、課題4を解決することはできない。
このように、特許文献1〜32に記載の発明では、課題1〜4を同時に解決することはできない。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、長期間に渡って、トナーの流動性低下に起因した画像不良の発生を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にあっては、静電潜像を現像して得られた顕像化画像を像担持体から記録媒体に転写する画像形成手段と、前記像担持体に圧接することにより前記像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
前記クリーニング手段が前記像担持体に圧接することに起因して生じる前記像担持体の駆動負荷を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値に基づいて、トナーの流動性を回復させる回復手段と、
を備え
前記回復手段は、
前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値を、所定の閾値と比較
する比較手段と、
前記比較手段により比較されることにより前記測定値が前記閾値以上であることが満たされた場合に、単位時間当たりに画像を出力する画像出力速度を下げる制御を実施する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、他の発明は、静電潜像を現像して得られた顕像化画像を像担持体から記録媒体に転写する画像形成手段と、前記像担持体に圧接することにより前記像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
前記クリーニング手段が前記像担持体に圧接することに起因して生じる前記像担持体の駆動負荷を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値に基づいて、トナーの流動性を回復させる回復手段と、
を備え、
前記回復手段は、
トナーに流動性を付与する流動性付与外添剤を、トナーが収容される現像容器内に補給する補給手段と、
予め行った耐久試験の画像出力枚数と駆動負荷の関係から、駆動負荷が略一定の初期値の状態から上昇し始めた後、画像不良が生じた駆動負荷に達する前の駆動負荷の値が閾値として設定され、前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値を、前記閾値と比較する比較手段と、
前記比較手段により比較されることにより前記測定値が前記閾値以上であることが満たされた場合に、前記補給手段を制御して流動性付与外添剤を補給する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構成で、長期間に渡って、トナーの流動性低下に起因した画像不良の発生を防止することが可能となる。
本発明では、簡易な構成で、現像剤担持体付近のトナーの流動性を検知する方法として、クリーニング手段(クリーニング部材)と像担持体の間の摩擦力により発生する回転負荷を検知する。以下に、クリーニング手段としてクリーニングブレードを、像担持体として感光ドラムを用いた例を挙げて、原理を示す。
クリーニングブレードニップ部において、クリーニングブレードと感光ドラムが直接接する面積が大きすぎると、回転負荷が大きすぎて回転できない。
そこで、通常、クリーニングブレードの先端部には、回転する感光ドラム表面との摩擦力を低減することを目的とし、あらかじめ潤滑剤としての微粉体が塗布されることで付与されている。画像形成装置を使用すると、平均粒径付近のトナーはクリーニングブレードニップ部に入る前に感光ドラムからクリーニングされるが、トナーの平均粒径と比べて微小な粉体、即ちトナーに付着している外添剤や微粉トナーは、クリーニングブレードニップ内に入る。新たな粒子が上流側から入ると、元々付着していた粒子は下流側に押し出されるので、常にクリーニングブレードニップ内の粒子は入れ替わっている。
画像形成装置を使用すると、クリーニングブレードニップ部に様々な粒子が入るが、その種類や量に応じてクリーニングブレードと感光ドラム間の摩擦力が変わり、感光ドラムの回転負荷が変化する。
ここで、本発明者は、クリーニングブレードニップ部に流動性が低下したトナーが入ると、感光ドラムの回転負荷が上昇することを見出した。
感光ドラムの回転負荷が上昇する要因としては、感光ドラム表面やクリーニングブレード表面への異物融着、クリーニングブレードの使用環境(温度・湿度)変化がある。しかし、本実施の形態の画像形成条件においては、トナーの流動性の低下が、感光ドラムの回転負荷の上昇に与える影響が大きいことを確認した。すなわち、本実施の形態の画像形成条件においては、トナーの流動性低下と、感光ドラムの回転負荷上昇には相関がある事を見出した。
そこで、本発明では、感光ドラムの回転負荷を元に、トナーの流動性を検知する。この検知方法には、本発明者が掲げた課題を解決する効果がある。
例えば、簡易な構成であることから、課題1を解決できる。また、クリーニングブレードニップ部に入るトナーは、現像剤担持体から感光ドラムに移ったトナーであり、直前まで現像剤担持体にコートされたトナーである。従って、現像剤担持体付近のトナーの流動性を検知でき、課題2を解決できる。また、トナー流動性の原因にかかわらず、流動性を検知できるので、課題3を解決できる。
また、本発明では、感光ドラムの回転負荷検知後に基準となる閾値と比較して、もし感光ドラムの回転負荷が閾値を超えていたら、画像出力速度を下げる。以下にその効果を示す。
画像出力速度が速くて、クリーニングブレードと感光ドラム間の摩擦力が高く、感光ドラムの回転負荷が高い場合、クリーニングブレードニップ部で著しく発熱する。すると、画像形成装置内に冷却装置を備えていても、感光ドラムの温度が大きく上昇することがある。現像部では現像剤担持体上のトナーが感光ドラムと接触するため、熱の授受が行われ、温度上昇したトナーが現像容器内に戻ることで、現像容器内のトナーが温度上昇する。トナーの温度が上昇すると、トナーの流動性は低下し、画像不良が発生することがある。この場合、感光ドラムの周速を下げる、あるいは一定枚数出力後に感光ドラムを停止する、等の手段を用いて、画像出力速度を下げることで、クリーニングブレードニップ部の発熱を抑えることができる。
また、トナーの温度が上昇しなくても、長期間に渡って画像形成装置の使用頻度が高い場合、トナーの静電凝集が発生し、トナーの流動性が低下して、画像不良が発生することがある。ここで、トナーの帯電電荷は、ある時定数で減衰していくので、トナーの帯電機会を下げるあるいは、放置時間を設けることで、現像容器内のトナーの帯電電荷量を下げることができる。従って、感光ドラムの周速を下げる、あるいは一定枚数出力後に感光ドラムを停止する、等の手段を用いて、画像出力速度を下げることで、トナーの静電凝集を抑えることができる。これらの例の詳細は比較例及び実施例に示す。
このように、トナーの温度上昇、トナーの静電凝集のどちらが流動性低下の原因であっても、感光ドラムの回転負荷検知後に基準となる閾値と比較して、もし感光ドラムの回転負荷が閾値を超えていたら、画像形成出力速度を下げるようにする。このことで、トナーの流動性を回復できること(課題4)を解決する。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。なお、上記では、特許文献から直接引用した用語を用いていたため、トルクと負荷を併用していたが、本実施の形態では同義語として扱う。
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の概略を説明する。
図3は本実施の形態に係る画像形成装置の一態様である4色フルカラー画像形成装置を示すものである。
図3に示すフルカラー画像形成装置20は、垂直方向に並設された4個の像担持体とし
ての感光ドラム1(1A、1B、1C、1D)を備える。この感光ドラム1は、矢印方向に不図示の駆動モーターにより回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、帯電ローラ2、露光装置6、現像装置3、静電搬送転写装置18、クリーニング手段としてのクリーニングブレード5等が配設されている。ここで、帯電ローラ2(2A、2B、2C、2D)は、感光ドラム1の表面を均一に帯電する。また、露光装置6(6A、6B、6C、6D)は、画像情報に基づきレーザーを照射し、感光ドラム1上に静電潜像を形成する。また、現像装置3(3A、3B、3C、3D)は、静電潜像を顕像化画像(現像剤像、トナー像)として現像する。また、静電搬送転写装置18は、感光ドラム1上のトナー像を転写材Pに転写する。また、クリーニングブレード5(5A、5B、5C、5D)は、転写後の感光ドラム1表面に残った転写残トナー(残留トナー)を除去する。
本実施の形態においては、感光ドラム1、及び感光ドラム1に関わるプロセス手段(画像形成手段)として、帯電ローラ2、現像装置3、クリーニングブレード5は一体的にカートリッジ化されている。そして、これらはプロセスカートリッジ19(19A、19B、19C、19D)を形成し、フルカラー画像形成装置20に着脱可能なものとなっている。又、本実施例においては、プロセスカートリッジ19A、19B、19C、19Dは全て同一形状を有しており、その中に内包されるトナーは、それぞれ、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックである。
そして、全ての感光ドラム1A、1B、1C、1Dに対向し、接するように、循環移動する転写材搬送ベルトとしての静電搬送ベルト22が配設されている。静電搬送ベルト22の内側に当接し、4個の感光ドラム1A、1B、1C、1Dに対応して、転写部材としての転写ローラ4(4A、4B、4C、4D)が並設される。これら転写ローラ4は感光ドラム1と対向し、転写部を形成する。これら転写ローラ4から静電搬送ベルト22を介して正極性の電荷が転写材に印加され、この電荷による電界により、感光ドラム1に接触中の転写材に、感光ドラム1上の負極性トナーが転写される。
定着装置7は、転写材Pに転写された複数のトナー像を定着させるものである。感光ドラム1上のトナー像を転写した転写材Pは、定着装置7を通過する際に、熱及び圧力を印加される。これにより、複数色のトナー像が転写材P表面に永久定着される。
次に、プロセスカートリッジの概略を説明する。
後述する比較例1〜比較例5、及び実施例1〜実施例11では、半導電性の現像ローラ、又は表面に誘電層を形成した現像ローラを用いて感光体表面層に押し当てる構成で現像を行う非磁性一成分DC接触現像方法について説明する。
以下に、非磁性一成分DC接触現像方法を用いたプロセスカートリッジの詳細を説明する。図9は、非磁性一成分DC接触現像方式によって現像を行う接触一成分現像装置(以下、単に現像装置という)を備えた画像形成装置(本画像形成装置は、電子写真方式のレーザービームプリンタ)を示す概略構成図である。
図3では、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの4種類のプロセスカートリッジを図示したが、全て同じ構成である。図9では、ブラックのプロセスカートリッジのみ記載し、その詳細を説明する。
本画像形成装置は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1を備えている。感光ドラム1の周囲には、帯電ローラ2、現像装置3、転写ローラ4、クリーニングブレード5が設置されており、帯電ローラ2と現像装置3間の外側に
は露光装置6が配設されている。また、感光ドラム1と転写ローラ4間の転写ニップに対して転写材搬送方向の下流側には定着装置7が配設されている。
感光ドラム1は、直径30[mm]の負帯電の有機感光体で、アルミニウム製のドラム基体(不図示)上に感光体層(不図示)を有している。そして、所定の周速で矢印方向(時計方向)に回転駆動され、その回転過程において接触する帯電ローラ2により負極性の一様な帯電を受ける。
帯電手段としての帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に回転自在に接触し、帯電バイアス電源(不図示)から印加される帯電バイアスによって感光ドラム1を負帯電の所定電位に均一に帯電する。
現像装置3は、一成分現像剤としての非磁性のトナーTで現像を行う接触一成分現像装置であり、現像剤担持体としての現像ローラ9、弾性ローラ10、規制ブレード11、攪拌部材12を備えている。ここで、現像ローラ9は、現像容器8の開口部に感光ドラム1と対向配置され、矢印方向(反時計方向)に回転自在に設けられている。
また、弾性ローラ10は、現像ローラ9に圧接するように回転自在に設けられている。また、規制ブレード11は、弾性を有して現像ローラ9に当接するように設けられている。また、攪拌部材12は、現像容器8内のトナーTを攪拌するように設けられている。規制ブレード11は、現像ローラ9と弾性ローラ10との圧接部に対して現像ローラ9の回転方向下流側で現像ローラ9に当接している。
攪拌部材12で攪拌されたトナーTは、現像ローラ9に圧接して回転する弾性ローラ10によって現像ローラ9表面に供給される。現像ローラ9表面に供給されたトナーは、現像ローラ9の回転に伴い搬送され、規制ブレード11と現像ローラ9の当接部で摩擦により電荷を付与されて、現像ローラ9表面に薄層化される。薄層化されたトナーは現像ローラ9の回転によって搬送され、感光ドラム1との当接部(現像部)にて感光ドラム1上に形成された静電潜像に付着して顕像化する。なお、現像ローラ9上の現像に寄与しなかったトナーは、弾性ローラ10で剥ぎ取られる。
転写ローラ4は感光ドラム1と対向し、静電搬送ベルト22を介して、感光ドラム1に所定の押圧力で接触して転写部を形成する。転写ローラ4には、転写バイアス電源(不図示)から転写バイアスが印加される。これにより転写ローラ4から静電搬送ベルト22を介して正極性の電荷が転写材Pに印加され、この電荷による電界により、感光ドラム1に接触中の転写材Pに、感光ドラム1上の負極性トナーが転写される。
クリーニングブレード5の材料としては、シリコーンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のゴム弾性を有するものが挙げられるが、耐摩耗性、永久変形性等の観点から、ポリウレタンゴムが好ましい。
このクリーニングブレード5の先端部は、矢印の方向に回転する感光ドラム1表面に対し、回転方向下流に向かって徐々に離間する方向、つまり感光ドラム1の回転方向と対向した、所謂カウンタ方向に所定の圧力をもって当接されている。
そして、クリーニングブレード5の先端部には、回転する感光ドラム1表面との摩擦力を低減することを目的とし、予め潤滑剤としての微粉体が塗布されることで付与されている。
微粉体としては、様々な材質、形状のものが提案されている。
本実施の形態においては、クリーニングブレード5の先端部分に予め塗布される潤滑剤として、次に示すものを所定の割合で混合したものを用いた。それは、球形を有する平均粒径3μm、円形度0.93のシリコーン樹脂粒子(商品名トスパール:東芝シリコーン社製)と、不定形、具体的には鱗片形状を有する平均粒径2μmのフッ化黒鉛(商品名セフボン:セントラル硝子社製)である。
なお、前記円形度に関しては、例えば東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000等を用いて測定することが可能である。
この微粉体を塗布する方法としては、これら単一物質をアルコール等の揮発性液体に分散し、この溶液をクリーニングブレード5の先端部に塗布する方法を用いた。
なお、クリーニングブレード5のエッジ先端からの塗布幅としては、概ね1mmとした。
クリーニングブレード5は、転写後に感光ドラム1表面に残った転写残トナーを除去する。
露光装置6は、不図示のレーザドライバ、レーザダイオード、ポリゴンミラー14などを備えている。そしてレーザドライバに入力される画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザ光がレーザダイオードから出力され、高速回転するポリゴンミラー14で前記レーザ光を走査し、光学レンズ系15を介して感光ドラム1表面を画像露光Lする。このことにより、画像情報に対応した静電潜像を形成する。
定着装置7は、回転自在な定着ローラ7aと加圧ローラ7bを有しており、定着ローラ7aと加圧ローラ7b間の定着ニップにて転写材Pを挟持搬送しながら、転写材Pの表面に転写されたトナー像を加熱、加圧して熱定着する。
次に、上記画像形成装置による画像形成動作について説明する。
画像形成時には、感光ドラム1は駆動手段(不図示)により矢印方向に、周速200[mm/s]で回転駆動される。帯電バイアス(例えば、−1300VのDC電圧)が印加された帯電ローラ2により表面が一様に帯電される。そして、帯電された感光ドラム1上に露光装置6により画像露光Lが与えられて、入力される画像情報に応じた静電潜像が形成される。
この際、感光ドラム1上の画像露光Lがされない部分の暗部電位は−700V、画像露光Lされた部分の明部電位は−150Vとなるように露光装置6のレーザパワーが調整されている。
そして、この静電潜像に、現像部にて感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置21の現像ローラ9により、感光ドラム1の帯電極性(負極性)と同極性に帯電された一成分現像剤としての非磁性のトナーTを付着させる。これにより、反転現像が行われ、静電潜像はトナー像として可視化される。なお、現像装置21の詳細な説明及び現像剤(トナーT)については後述する。
そして、感光ドラム1上のトナー像が感光ドラム1と転写ローラ4間の転写ニップに到達すると、このタイミングに合わせて用紙などの転写材Pがピックアップローラ16によって一枚ずつ給紙され、レジストローラ(不図示)等によって転写ニップに搬送される。そして、前記トナーと逆極性(正極性)の転写バイアスが印加された転写ローラ4により
、感光ドラム1上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された転写材Pは定着装置7に搬送され、定着ローラ7aと加圧ローラ7b間の定着ニップにてトナー像を転写材Pに加熱、加圧して熱定着した後に排紙トレイ17上に排出される。
また、トナー像転写後の感光ドラム1表面に残留している転写残トナーは、クリーニングブレード5によって除去されて、廃トナー収納容器13内に回収される。
また、本実施の形態では、感光ドラム1と現像装置21は、プロセスカートリッジ19として一体に構成されており、このプロセスカートリッジは画像形成装置本体20に対して着脱自在である。
次に、現像装置21の概略構成図を図10に示す。なお、上記した画像形成装置の現像装置と同一機能を有する部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
この現像装置21による現像動作時においては、攪拌部材12で攪拌されたトナーTは、現像ローラ9に圧接して回転する弾性ローラ10によって現像ローラ9表面に供給される。現像バイアスが印加されている現像ローラ9表面に供給されたトナーは、現像ローラ9の回転に伴い搬送され、規制ブレード11と現像ローラ9の当接部で摩擦により電荷を付与されて、現像ローラ9表面に薄層化される。そして、薄層化され電荷が付与されたトナーは現像ローラ9の回転によって搬送され、感光ドラム1との当接部(現像部)にて感光ドラム1上に形成された静電潜像に付着して顕像化する。その後、感光ドラム1と現像ローラ9の当接部で現像されずに現像ローラ9表面に残存したトナーは、弾性ローラ10によって剥ぎ取られて現像容器8内に戻される。
次に、現像装置21の詳細について説明する。
図9、図10に示すように、現像装置21は、現像ローラ9、弾性ローラ10、規制ブレード11、攪拌部材12を備えている。ここで、現像ローラ9は、トナーTを収容した現像容器8の長手方向に延在する開口部に感光ドラム1と対向配置され、直径16mmで、矢印方向(反時計方向)に回転自在に設けられている。また、弾性ローラ10は、現像ローラ9に圧接するように回転自在に設けられている。また、規制ブレード11は、弾性を有して現像ローラ9に当接するように設けられている。また、攪拌部材12は、トナーTを攪拌するように設けられている。
現像ローラ9は、感光ドラム1と当接幅を持って接触し、感光ドラム1の周速(200mm/s)に対して速めの周速(300mm/sec)で回転される。現像ローラ9の表面は、トナーTとの摺擦確率を高くし、且つトナーTの搬送を良好に行うための適度な凹凸を有しており、本実施の形態では直径16mm、長さ240mm、肉厚4mmのシリコンゴム層上にアクリル・ウレタン系の薄層がコートされて構成される。現像ローラ9には現像バイアス電源S1が接続されており、現像バイアス電源S1から現像ローラ9に負極性の所定電位の現像バイアスを印加する。
また、現像ローラ9は、抵抗が10〜10Ω、算術平均粗さRaが0.3〜5.0μm、硬度がアスカーC硬度で40°〜70℃(加重1kg)に調整される。
現像ローラ9の抵抗値の測定は、直径30mmのアルミローラ(不図示)と現像ローラ9を当接荷重500gf(4.9N)で長手方向全域に当接させ、このアルミローラを0.5rpsで回転させる。そして、現像ローラ9に−400Vの直流電圧を印加してアース側に10kΩの抵抗を配置する。そして、この抵抗の両端の電圧を測定し、測定した電圧値から電流値を算出して現像ローラ9の抵抗を算出する。
また、現像ローラ9の感光ドラム1表面との当接部(現像部)に対し現像ローラ9の回転方向下流側には、可撓性のシール部材23が設けられている。シール部材23は、未現像トナーの現像容器8内への通過を許容すると共に、現像容器8内のトナーTが現像ローラ9の感光ドラム1表面との当接部に対し現像ローラ9の回転方向下流側から漏出するのを防止する。
弾性ローラ10は、規制ブレード11の現像ローラ9との当接部に対して現像ローラ9の回転方向上流側に当接され、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。また、弾性ローラ10は、発泡骨格状スポンジ構造や、芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ9へのトナーTの供給及び未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましい。本実施の形態では、芯金上にポリウレタンフォームを設けた直径16mmの弾性ローラ10を用いた。
弾性ローラ10の現像ローラ9に対する当接幅としては、1〜6mmが有効で、また、現像ローラ9に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。本実施の形態では、現像ローラ9との当接幅を3mmに設定するが、この時の弾性ローラと現像ローラの線圧は40gf/cm(0.392N/cm))である。
弾性ローラ10の周速として、現像動作時に200mm/secとなるように駆動手段(不図示)により所定タイミングで回転駆動する。弾性ローラと現像ローラの接触位置において、弾性ローラの回転方向は、現像ローラの回転方向と逆方向である。弾性ローラの電位と現像ローラの電位は、等電位である。
規制ブレード11は、現像ローラ9の弾性ローラ10表面との当接部に対し現像ローラ9の回転方向上流側にて、自由端側の先端近傍が現像ローラ9の外周面に面接触にて弾性を有して当接するよう設けられている。規制ブレード11は、シリコン、ウレタン等のゴム材料や、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板を基体とし、現像ローラ9への当接面側にゴム材料等を接着して構成されている。本実施の形態では、厚さ1.0mmの板状のウレタンゴムで形成された規制ブレード11を用いた。また、規制ブレード11の現像ローラ9に対する当接圧は、5〜35gf/cm(0.049〜0.343N/cm)(線圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、その中央の一枚をばね計りで引き抜いた値から換算した)に設定した。規制ブレード11の現像ローラ9に対する当接方向としては、現像ローラ9との当接部に対して先端側が現像ローラ9の回転方向上流側に位置する、いわゆるカウンター方向になっている。
現像容器8内に充填されているトナーTは非磁性一成分現像剤である。そして、転写性に優れ、且つ転写されずに感光ドラム1上に残存した転写残トナーをクリーニングブレード5によってクリーニングする際に、潤滑性が高いことから感光ドラム1の摩耗の少ないなどの利点を有するトナーを用いている。このようなトナーとして、球形状のトナーであり、且つ表面が平滑であるものを用いている。
トナーTの形状係数として、SF−1が100〜180であり、SF−2が100〜140であるものを用いている。なお、このSF−1、SF−2は、次のような解析を行い、下式(1),(2)より算出し得られた値を定義している。すなわち、日立製作所FE−SEM(S−800)を用いてトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェイスを介してニコレ社製の画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行っている。
SF−1=(MXLNG)2/(AREA×(π/4)×100)…(1)
SF−2=(PERI)2/(AREA×(π/4)×100)…(2)
ここで、AREAはトナー投影面積、MXLNGは絶対最大長、PERIは周長である。
このトナーTの形状係数SF−1は球形度合を示し、100から大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。また、SF−2は凹凸度合を示し、100から大きくなるにつれてトナー表面の凹凸が顕著になる。
トナーTの製造方法としては、上記形状係数(SF−1、SF−2)の範囲内になれば、いわゆる粉砕方法による製造方法の他に、次のような方法を用いてトナーを製造することも可能である。それには、例えば、懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法が挙げられる。又、水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法が挙げられる。
本実施の形態では、トナーTの形状係数SFー1を100〜180に、SF−2を100〜140に容易にコントロールでき、比較的容易に粒度分布がシャープで粒径が3〜9μmの微粒子トナーが得られる常圧下での、又は加圧下での懸濁重合方法を用いた。そして、モノマーとしてスチレンとn−ブチルアクリレート、荷電制御剤としてサリチル酸金属化合物、極性レジンとして飽和ポリエステル、更にワックスと着色剤を加え、着色懸濁粒子を製造した。
そして、これに疎水性シリカを1重量部外添することによって、上述したような転写性に優れた負極性のトナーTを製造した。このトナーTのトナー体積抵抗値としては1014Ω・cm以上である。
トナーTの体積抵抗値の測定条件は、直径φ:6mm、測定電極板面積:0.283cm 、圧力:1500gの錘を用い、圧力:96.1kPa、測定時の粉体層厚:0.5〜1.0mmとしている。そして、400Vの直流電圧を微小電流計(YHP4140pA METER/DC VOLTAGE SOUCE)で電流値を測定し、測定した電流値より体積抵抗値(比抵抗)を算出する。
本実施の形態においては、トナー結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜70℃であることがよい。Tgが40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、70℃を超える場合にはトナーの定着点の上昇をもたらす。フルカラー画像を形成するためのカラートナーの場合においては各色トナーの定着時の混色性が低下し色再現性にやや劣り、OHP画像の透明性が低下する。特に、45〜65℃であることが好ましい。本実施の形態例は、Tgが60℃のトナーを用いた。
トナーに含まれるワックスの最大吸熱ピークは、45〜75℃であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークが45℃未満の場合、本実施の形態に用いられる樹脂のガラス転移温度よりも低くなるために、高温環境に放置した際にトナー表面に溶け出すため、耐ブロッキング性能が大幅に悪くなる。一方、最大吸熱ピークが75℃より大きい場合、トナー定着溶融時にワックスが迅速に溶融トナー表面に移行できず、離型性が悪くなるために、高温オフセットが発生し易くなる。特に、50〜70℃であることが好ましい。本実施例では、最大吸熱ピークが65℃のトナーを用いた。
尚、本実施の形態においてTgの測定には、例えばパーキンエルマー社製示差走査熱量計「DSC−7」を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。測定試料はアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、測定温度範囲30〜200℃の間で
、昇温速度10℃/minで常温常湿下測定を行う。2回目の昇温過程で得られる、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線をもって解析を行う。
ガラス転移温度(Tg)については、得られたDSC曲線より中点法で解析を行った値を用いる。また、ワックスの融点ついては、得られたDSC曲線の吸熱メインピークの温度値を用いる。
次に、本実施の形態の現像装置21による現像動作について説明する。
現像動作時には、現像容器8内のトナーTは、攪拌部材12の矢印方向(時計方向)の回転に伴い弾性ローラ10側に送られる。このトナーTは、弾性ローラ10の矢印方向(反時計方向)の回転によって現像ローラ9近傍に搬送される。そして、現像ローラ9と弾性ローラ10との当接部において、弾性ローラ10上に担持されているトナーTは、現像ローラ9と摺擦されることによって摩擦帯電を受け、現像ローラ9上に付着する。
そして、現像ローラ9の矢印方向(反時計方向)の回転に伴い、トナーTが弾性ブレード11の圧接下に送られ、現像ローラ9上に薄層形成され、感光ドラム1との対向部である現像部へ搬送される。本実施の形態では、トナーTの良好な帯電電荷量として−30〜−5μC/gとなるように設定している。
この現像部において、現像ローラ9上に薄層形成されたトナーTが、−300Vの現像バイアスが印加された現像ローラ9によって感光ドラム1上に形成されている静電潜像に付着し、トナー像として現像される。
また、現像ローラ9上の現像に寄与しなかったトナーは、弾性ローラ10との当接部において現像ローラ9表面から剥ぎ取られる。この剥ぎ取られたトナーの大部分は、弾性ローラ10の回転に伴い搬送され現像容器8内のトナーTと混ざりあい、トナーTの帯電電荷が分散される。そして、同時に弾性ローラ10の回転により現像ローラ9上に新たなトナーTが供給され、上述した現像動作を繰り返す。
なお、上述した本実施の形態では、感光ドラム1、現像装置21、帯電ローラ2、クリーニングブレード5、廃トナー収納容器13をプロセスカートリッジとして一体に形成して、画像形成装置本体に対して着脱自在な構成としたが、これに限るものではない。本実施の形態の画像形成装置は、例えば感光ドラム1を画像形成装置本体に固定配置して、現像装置21のみを交換する構成であってもよいし、あるいは現像装置21を画像形成装置本体に固定配置して、トナーのみを補給する構成であってもよい。
次に、クリーニングブレード5を設定する方法の詳細を説明する。
クリーニングブレード5の感光ドラム1に対する侵入量λと設定角ψについて図4を用いて説明する。前記侵入量λとはクリーニングブレード5の先端が変形せずにそのまま感光ドラム1へ侵入した仮想量であり、前記設定角ψとはクリーニングブレード5の先端と感光ドラム1とが交わる点での接線とクリーニングブレード5とのなす角である。
上記内容を踏まえて、クリーニングブレード当接圧の測定方法について図5を用いて説明する。先ず単位長さ当たりの線圧を測定するために、1cm幅に切断したクリーニングブレード5をモーター70により図中矢印方向へ移動可能なブレード台71にセットする。そして、該クリーニングブレード5を約20°〜25°のうち所望の設定角ψに設定して荷重センサ72に当接させる。次いで、前記ブレード台71を求めたい侵入量λ分だけ荷重センサ方向に移動し、その時の荷重センサー72の検知値をアンプ73で増幅して電圧計74で読み取る。そして、予め求めておいた単位電圧当たりの荷重を、前記単位長さ
当たりの線圧と置き換えることによって測定している。このようにして測定した値を前記クリーニングブレード当接圧としている。
本実施の形態では、弾性クリーニングブレード5を線圧35gf/cm(0.343N/cm)の当接圧で感光ドラム1に当接するように取り付けた。
次に、感光ドラム1を駆動する方法の詳細を説明する。
感光ドラム1の駆動手段として、本実施の形態ではモーター(不図示)を用いた。感光ドラム1の回転軸と、モーターの回転軸を同一にし、感光ドラム1のみを回転駆動する。ただし、帯電ローラ2は感光ドラム1に接触しており、帯電ローラ2も間接的に回転駆動される。ただし、その他のカートリッジ内の現像ローラ9、弾性ローラ10、撹拌部材12の回転駆動には、他の回転駆動手段を用いる。同様に、静電搬送ベルト22の駆動にも、感光ドラム1を駆動するモーターとは別の回転駆動手段を用いる。
この場合、クリーニング部の摺擦により発生する感光ドラム1を回転駆動する負荷は、帯電ローラ2を回転駆動する負荷より著しく大きく、感光ドラム1を回転駆動する負荷は、略クリーニング部の摺擦により発生する。
上述した通り、本実施の形態では、感光ドラム1の回転負荷を元に、トナーの流動性を検知するものである。なお、後述する比較例1〜比較例5、及び実施例1〜実施例11では、感光ドラム1を回転駆動する負荷を、モーター電流で検知している。これにより、トナーの流動性の検知を簡易な構成で実現することができ、低コスト化が図れる。
次に、感光ドラム1を回転駆動する負荷を検知する方法の詳細を説明する。
感光ドラム1を回転駆動する負荷を検知する方法は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック各色のプロセスカートリッジについて同じ処理を行う。以後は、ブラックカートリッジについて行う方法について説明する。図6は、感光ドラム1を回転駆動する負荷と、モーター電流の関係を示す図である。図7は、モーター電流の検知を行うタイミングを説明するための図である。
図6に示す通り、感光ドラム1を回転駆動する負荷と、モーター電流は略比例関係にある。そこで、本実施の形態では、感光ドラム1を回転駆動する負荷を、モーター電流で検知している。モーター電流の検知は、感光ドラム1上で紙間に相当するタイミングで行った。ここで、紙間とは、連続して画像形成を行った際の、連続して搬送される転写材と転写材の間を意味する。
以下に、詳細を説明する。
感光ドラム1の周速は200[mm/s]、感光ドラム1の直径は30[mm]である。また、図7に示すように、感光ドラム1の中心をα、感光ドラム1と静電搬送ベルト22の接触位置の中央をβ、感光ドラム1とクリーニングブレード5の接触位置の中央をγとし、直線αβと直線αγのなす角θ[度]とする。連続して画像出力している時に、感光ドラム1と静電搬送ベルト22の接触位置の中央βを、n枚目に通過した転写材Pの後端が通過する時刻をt[b,n]とする。感光ドラム1と静電搬送ベルト22の接触位置の中央βを、n枚目に通過した転写材Pの先端が通過する時刻をt[a,n]とする。すると、モーター電流の検知は、
時刻t[b,n]+(30π/200)×(θ/360)から
時刻t[a,n+1]+(30π/200)×(θ/360)までの間に行う。
すなわち、感光ドラム1とクリーニングブレード5の接触位置において、感光ドラム1上に静電潜像が形成されておらず、トナーが現像されていないタイミングでモーター電流の検知を行う。
以下の比較例及び実施例では、モーター電流の検知のタイミングについて特に言及していない場合は、モーター電流検知装置のサンプリング周波数を50Hzに設定し、
時刻t[b,n]+(30π/200)×(θ/360)と
時刻t[a,n+1]+(30π/200)×(θ/360)の中間でモーター電流の検知を行った。
感光ドラム1上で紙間に相当するタイミングで、モーター電流の検知を行う理由を以下に示す。
感光ドラム1上にトナーが多く残っている場合には、クリーニングブレードニップ部における感光ドラム1とクリーニングブレード5との摩擦力が大きくなる。したがって、感光ドラム1とクリーニングブレード5の接触位置において、感光ドラム1上に静電潜像が形成されており、トナーが現像されているタイミングでモーター電流の検知を行うと、モーター電流が変化する。これは、感光ドラム1の露光量によって感光ドラム1に現像されるトナー量が変化するためである。そこで、モーター電流を安定して検知するためには、感光ドラム1とクリーニングブレード5の接触位置において、感光ドラム1上に静電潜像が形成されておらず、トナーが現像されていないタイミングでモーター電流の検知を行うことが好ましい。比較例1〜比較例5、及び実施例1〜実施例11では、感光ドラム1上に静電潜像を書き込まない紙間時にモーター電流の検知を行った。
以下に、比較例1〜比較例5、及び実施例1〜実施例11について説明する。なお、上述した画像形成装置と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明は省略する。
〔比較例1〕
本発明の比較例1として、本発明を適用しない例を挙げる。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、温度23℃,湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
耐久試験1は3000枚時点で終了、耐久試験2は6000枚時点で終了、耐久試験3は9000枚時点で終了した。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。
有無を評価する画像不良の一つ目は、トナー同士の凝集が強くなることにより、感光ドラム1上のトナー像を転写材Pに移す転写プロセスにおいて、一部のトナーを感光ドラム1から転写材Pに移すことができなくなる画像不良である。
有無を評価する画像不良の二つ目は、トナーと感光ドラム1との付着強度が増すことにより、感光ドラム1上の静電潜像をトナーで顕像化する現像プロセスにおいて、ベタ白部にトナーが付着する画像不良“かぶり”である。
有無を評価する画像不良の三つ目は、トナー同士の凝集が強くなることにより、現像装置21内において現像ローラ9付近に搬送できるトナー量が少なくなり、ベタ画像出力時に後端の濃度が薄くなる画像不良である。
有無を評価する画像不良の四つ目は、次のような場合に、ベタ又はハーフトーン画像を出力した時に濃度ムラが生じる画像不良である。それは、トナー同士の凝集が強くなることにより、現像ローラ9と規制ブレード11のニップ部をトナーが通過する時に充分にトナーの凝集をほぐせなくなり、現像ローラ9上のトナーコート状態が不均一になる場合である。
有無を評価する画像不良の五つ目は、次のような場合に、ベタ又はハーフトーン画像を出力した時にスジ状の濃度ムラが生じる画像不良である。それはトナーと規制ブレード11の付着が強くなることにより、現像ローラ9と規制ブレード11のニップ部をトナーが通過する時にトナーが規制ブレード11に強固に付着して融着し、融着位置付近の現像ローラ9上のトナーコート状態が不均一になる場合である。
また、現像装置21内のトナー凝集度測定を行った。
ここで、トナーの凝集度が上がると、流動性が低下することを示す。
トナーの凝集度測定には以下の方法を用いた。
ここで、本実施の形態における凝集度は、従来公知のパウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製PT−E型)により以下の方法をとって測定した。測定環境を23℃,50%RHとする。
(1)耐久試験が終了した直後に、トナー5.0gを正確に計り取る。
(2)振動台に、上から100メッシュ(目開き150μm)、200メッシュ(目開き75μm)、400メッシュ(目開き38μm)のふるいを重ねてセットする。
(3)精秤した5.0gのトナーを静かにふるい(100メッシュ上)にのせ、振動系に18Vの電圧を印加して15秒間振動させる。
(4)静かに各ふるいの上に残ったトナー量を精秤する。
凝集度(%)=x+y+z
x=100×((100メッシュ上に残ったトナー量[g])/5)
y=100×((200メッシュ上に残ったトナー量[g])/5)×3/5
z=100×((400メッシュ上に残ったトナー量[g])/5)×1/5
耐久試験開始前のトナーの凝集度は11.9%であった。
耐久試験後にトナーを採取する現像装置21内の位置を図8に示す。ここで、図28は現像容器8の前室及び後室を定義する図であり、現像容器8の前室は図28の横線部、後室は図28の斜線部と定義する。
位置Aは、弾性ローラ10付近であり、弾性ローラ10内に吸引されたトナー及び、弾性ローラ10表面に付着しているトナーを採取した。弾性ローラ10付近のトナーは最も現像ローラ9にコートされやすいので、流動性が低下しやすい。しかも、この位置のトナーは、後室から送られたトナーと混ざりにくい。
位置Bは、前室内のトナーのうち、後室に近い。従って、この位置のトナーは、後室から送られたトナーと混ざりやすい。
位置Cは、後室内のトナーのうち、前室に近い。従って、この位置のトナーは、前室から送られたトナーと混ざりやすい。
位置Dは、後室内のトナーのうち、前室から遠い。従って、この位置のトナーは、前室から送られたトナーと混ざりにくい。
位置A〜Dのトナーの凝集度を測定することにより、耐久試験が進むにつれて、どのようにトナーの流動性が低下するかを判断できる。
耐久試験結果を表1に示す。表1は、耐久試験1〜耐久試験3の、凝集度測定結果及び画像評価結果を示している。なお、画像評価結果については、○:画像不良無し、△:軽微な画像不良発生、×:画像不良発生・耐久終了、を表すものとし、後述する表についても同様とする。
Figure 0005049482
3000枚の画像出力を行った試験結果1は、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、15.3%、最も凝集度が高かった位置Aでは、34.1%であった。位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。しかし、試験結果1では、位置Aと位置Dの間のトナー循環がある程度維持されているため、画像不良が発生するほど位置Aのトナーの凝集度が高くなっていない。
6000枚の画像出力を行った試験結果2は、トナーの流動性低下に起因する画像不良が軽微に発生した。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、18.9%、最も凝集度が高かった位置Aでは、48.2%であった。位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。試験結果2では、位置Aと位置Dの間のトナー循環がわずかであるため、位置Aのトナーの凝集度が高くなっている。
9000枚の画像出力を行った試験結果3は、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生した。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、20.5%、最も凝集度が高かった位置Aでは、61.5%であった。位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。試験結果3では、位置Aと位置Dの間、特に位置Bと位置Cの間のトナー循環がないため、位置Aのトナーの凝集度が極端に高くなっている。
モーター電流の測定結果を図11に、モーター電流をトルク換算した結果を図12に示す。
クリーニングブレード5にはクリーニング助剤が初期塗布されているが、約5分間感光ドラム1を回転させると、感光ドラム1を回転駆動する負荷が安定する。安定した時のモーター電流の値を、複数のカートリッジについて10回測定したところ、平均0.75[A]であり、トルク換算すると平均4.2[kgf・cm](41.16N・cm)であった。
3000枚の画像出力を行った試験結果1では、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定である。従って、現像ローラ9付近のトナーの流動性は画像形成上良好な状態を維持している。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
6000枚の画像出力を行った試験結果2では、4000枚の画像出力までは、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定である。しかし、4000枚から6000枚の画像出力にかけて、急激に上昇し、6000枚の画像出力時には0.75[A]の1.4倍を上回る。従って、6000枚の画像出力時には、現像ローラ9付近のトナーの流動性は、画像形成上一部問題が発生する状態になっている。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
9000枚の画像出力を行った試験結果3では、4000枚の画像出力までは、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定である。しかし、4000枚から6000枚の画像出力にかけて、急激に上昇し、6000枚の画像出力時には0.75[A]の1.4倍を上回り、7000枚出力時には、0.75[A]の1.9倍となり、以後略一定となった。従って、9000枚の画像出力時には、現像ローラ9付近のトナーの流動性は、画像形成上問題が発生する状態になっている。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
〔比較例2〕
本発明の比較例2として、高温常湿と低温低湿条件での耐久試験の例を挙げる。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験4では、温度32.5℃,湿度50%RHの環境において、耐久試験5では、温度15℃,湿度10%RHの環境において耐久試験を行った。耐久試験5は湿度が低いため、トナーの帯電量が大きくなりやすく、トナーが静電凝集しやすい。
低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価し、現像装置21内のトナー凝集度測定を行った。
耐久試験4は4500枚時点で、耐久試験5は6000枚時点で画像不良が発生したため、試験を終了した。
画像評価方法、トナー凝集度測定、モーター電流測定方法の詳細は、比較例1と同様である。
耐久試験結果を表2に示す。表2は、耐久試験4及び耐久試験5の、凝集度測定結果及
び画像評価結果を示している。
Figure 0005049482
4500枚の画像出力を行った試験結果4では、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生した。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、35.1%、最も凝集度が高かった位置Aでは、58.3%であった。温度32.5℃の環境において耐久試験を行ったため、トナーの温度が全体的に高くなり、凝集度が高めになっている。
位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。試験結果4では、位置Aと位置Dの間のトナー循環がないため、位置Aのトナーの凝集度が極端に高くなっている。
6000枚の画像出力を行った試験結果5では、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生した。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、25.4%、最も凝集度が高かった位置Aでは、55.7%であった。湿度10%RHの低湿度環境において耐久試験を行ったため、トナーの帯電量が大きくなり、トナーが静電凝集しており、凝集度が高めになっている。
位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。試験結果5では、位置Aと位置Dの間のトナー循環がないため、位置Aのトナーの凝集度が極端に高くなっている。
モーター電流の測定結果を図13に、モーター電流をトルク換算した結果を図14に示す。
4500枚の画像出力を行った試験結果4では、2500枚の画像出力までは、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定である。しかし、2500枚から4500枚の画像出力にかけて、急激に上昇し、4500枚の画像出力時には0.75[A]の2.0倍になった。従って、4500枚の画像出力時には、現像ローラ9付近のトナーの流動性は、画像形成上問題が発生する可能性がある状態になっている。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
6000枚の画像出力を行った試験結果5では、3000枚の画像出力までは、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定である。しかし、3000枚から6000枚の画像出力にかけて上昇し、6000枚の画像出力時には0.75[A]の1.6倍になった。従って、6000枚の画像出力時には、現像ローラ9付近のトナーの流動性は、画像形成上問題が発生する状態になっている。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
〔比較例3〕
比較例1、2では、印字比率1%で耐久試験を行ったため、1枚の画像出力でクリーニングブレードニップ部に入るトナー量は略同じである。ここで、1枚の画像出力でクリーニングブレードニップ部に入るトナー量によって、紙間に検知するモーター電流が変化するか確認した。
比較例3では、転写バイアスを調整して、故意に転写効率を50%以下にした。そして、印字比率を調整することで、クリーニングブレードニップ部に入るトナー量を変えた。
トナーは、凝集度が11.9%である流動性の高いトナーAと、凝集度が47.9%である流動性が低いトナーBを用いた。トナーの流動性は、流動性付与外添剤の外添部数を変えることで調整した。
画像はA4で、印字率1%、4%、16%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
200枚画像出力時における、モーター電流を測定した。
その結果を表3に示す。表3は、比較例3のモーター電流測定結果を示している。
Figure 0005049482
表3に示されているとおり、流動性が高いトナーAでは、印字比率が変化してクリーニング部に入るトナー量が変化しても、モーター電流は変化しない。これは、多量の流動性の高いトナーがクリーニングブレードニップ部に入っても、モーター電流が変化しないことを示す。
逆に、流動性が低いトナーBでは、印字比率が変化してクリーニング部に入るトナー量が変化すると、モーター電流が変化する。これは、流動性の低いトナーが少量でもクリーニングブレードニップ部に入るとモーター電流が変化することを示す。
従って、印字比率や転写効率が変化して、画像形成時にクリーニングブレード5に入るトナー量が変化しても、非画像形成時にモーター電流を測定することでトナーの流動性低下を検知可能である。
〔実施例1〕
以下に、本発明の実施例1について説明する。
感光ドラム1を回転駆動する負荷を検知する方法は、比較例1〜比較例3と同じ方法を用いた。検知された回転駆動する負荷と所定の閾値とを比較する方法、比較した結果を元に行う制御方法は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラック各色のプロセスカートリッジについて同じ処理を行う。以後は、ブラックカートリッジについて行う方法について説明する。
本実施例では、紙間で検知されるモーター電流Iと、閾値Ith(Tth)との比較を行う。閾値Ithは以下のようにして設定した。
クリーニングブレード5にはクリーニング助剤が初期塗布されているが、約5分感光ドラム1を回転させると、感光ドラム1を回転駆動する負荷が安定する。安定した時のモーター電流の値を、複数のプロセスカートリッジについて10回測定したところ、平均0.75[A]であり、トルク換算すると平均4.2[kgf・cm](41.16N・cm)であった。0.75[A]を初期値I0とし、その1.3倍の電流値0.98[A]を閾値Ithとした。モーター電流0.98[A]をトルク換算すると、5.4[kgf・cm](52.92N・cm)となる。
閾値Ith=1.3×I0としたが、これはモーター電流が急激に上昇する直前、すなわち、トナーの流動性低下によって画像形成上問題の発生が懸念される時点の直前に設定したことに相当する。これは比較例1の耐久試験3の測定結果である図11、及び比較例2の耐久試験4、耐久試験5の測定結果である図13に示した通りである。
図1に、回復手段としてのモーター制御装置34の概略構成図を示す。
モーター電流は、測定手段としてのモーター電流検知装置31によって検知される。比較手段としてのモーター電流比較装置32によって、検知されたモーター電流Iと、閾値Ithとの比較を行う。モーター電流比較装置32の比較結果は、制御手段としてのモーター駆動制御装置33に伝えられ、比較結果に基づいてモーター駆動の制御を行う。
なお、モーター電流比較装置32による比較動作は、所定枚数の画像出力が行われた後で、開始するように設定されるとよい。本来、カートリッジごとに存在するクリーニングブレード5の組み付け誤差や、クリーニング助剤の初期塗布状態によって、モーター電流の初期値I0は変化するが、その影響を避けることができる。すなわち、クリーニングブレードの初期設定によらずに、高精度な検知ができる。
図15にモーター制御のシーケンス図を示す。
I<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
I≧Ithの場合、画像出力速度を下げる(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。この時、感光ドラム1の周速低下に合わせて、現像ローラ9、静電搬送ベルト22等の周速も、感光ドラム1との周速比が一定になるように下げる。例えば、感光ドラム1の周速が200[mm/s]の時、現像ローラ9の周速は300[mm/s]であり、感光ドラム1の周速が100[mm/s]の時は、現像ローラ9の周速は150[mm/s]である。これにより、感光ドラム1の周速が変化しても、画像不良が発生することなく画像形成できる。
前回転時に、モード1及びモード2の画像形成条件を決めるのに必要なシーケンスを入れる。例えば、帯電条件、現像条件、転写条件、定着条件について、モード1及びモード2の画像形成を行う上で必要なシーケンス制御を入れる。例えば転写条件では、感光ドラム1の周速毎に電圧を印加した時に流れる電流を求め、画像形成時にそれぞれのモードにおいて適切な転写電流を流すため、モード1の時に転写ローラ4に印加する転写電圧、モード2の時に転写ローラ4に印加する転写電圧を求める。
モード1とモード2の切り替え時には、特別なシーケンス制御をいれず、前回転時に得られた制御値を用いる。
本発明の実施例1を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、次のような環境において耐久試験を行った。耐久試験6では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。耐久試験7では、温度32.5℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。耐久試験8では、温度15.0℃、湿度10%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
耐久試験6から耐久試験8まで、9000枚時点で耐久試験を終了した。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価し、現像装置内のトナー凝集度測定を行った。
画像評価方法、トナー凝集度測定、モーター電流測定方法の詳細は、比較例1、2と同様である。
耐久試験結果を表4に示す。表4は、耐久試験6〜耐久試験8の、凝集度測定結果及び画像評価結果を示している。
Figure 0005049482
9000枚の画像出力を行った試験結果6は、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、15.1%、最も凝集度が高かった位置Aでは、33.5%であった。位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。しかし、試験結果6では、位置Aと位置Dの間のトナー循環がある程度維持されているため、位置Aのトナーの凝集度が高くなっていない。すなわち、トナーの流動性低下が防止できている。
9000枚の画像出力を行った試験結果7は、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、16.5%、最も凝集度が高かった位置Aでは、34.2%であった。位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。しかし、試験結果7では、位置Aと位置Dの間のトナー循環がある程度維持されているため、位置Aのトナーの凝集度が高くなっていない。すなわち、トナーの流動性低下が防止できている。
9000枚の画像出力を行った試験結果8は、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。この時、トナー凝集度測定では、A>B>C>Dの順であったが、最も凝集度が低かった位置Dでは、23.7%、最も凝集度が高かった位置Aでは、36.4%であった。位置Aのトナーは、凝集度が高くなりやすく、後室から送られた凝集度の低いトナーと混ざりにくい。しかし、試験結果8では、位置Aと位置Dの間のトナー循環
がある程度維持されているため、位置Aのトナーの凝集度が高くなっていない。すなわち、トナーの流動性低下が防止できている。
モーター電流の測定結果を図16に、モーター電流をトルク換算した結果を図17に示す。
9000枚の画像出力を行った試験結果6では、4000枚の画像出力までは、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定であるが、4000枚から5300枚の画像出力にかけて上昇する。モーター電流Iが閾値Ithである0.75[A]の1.3倍を越えた時点でモード1からモード2に切り替わり、モーター電流Iが閾値Ithである0.75[A]の1.3倍を下回った時点でモード2からモード1に切り替わる。モード2の時に画像出力した枚数は、2679枚である。
これにより、モーター電流の閾値Ithに維持され、現像ローラ9付近のトナーの流動性は、画像形成上問題が無い状態を維持している。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
9000枚の画像出力を行った試験結果7では、3000枚の画像出力までは、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定であるが、3000枚から3600枚の画像出力にかけて上昇する。モーター電流Iが閾値Ithである0.75[A]の1.3倍を越えた時点でモード1からモード2に切り替わり、モーター電流Iが閾値Ithである0.75[A]の1.3倍を下回った時点でモード2からモード1に切り替わる。モード2の時に画像出力した枚数は、3850枚である。
これにより、モーター電流の閾値Ithに維持され、現像ローラ9付近のトナーの流動性は、画像形成上問題が無い状態を維持している。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
9000枚の画像出力を行った試験結果8では、3200枚の画像出力までは、モーター電流Iは0.75[A]の1.1倍未満であり、略一定であるが、3200枚から4600枚の画像出力にかけて上昇する。モーター電流Iが閾値Ithである0.75[A]の1.3倍を越えた時点でモード1からモード2に切り替わり、モーター電流Iが閾値Ithである0.75[A]の1.3倍を下回った時点でモード2からモード1に切り替わる。モード2の時に画像出力した枚数は、1233枚である。
これにより、モーター電流の閾値Ithに維持され、現像ローラ9付近のトナーの流動性は、画像形成上問題が無い状態を維持している。これは、トナーの流動性に関連した画像不良の有無を評価した結果、及び現像装置21内の弾性ローラ10付近の凝集度測定結果とも一致する。
本実施例を実施することで、耐久試験6の結果が得られ、比較例1の耐久試験3よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
また、本実施例を実施することで、耐久試験7の結果が得られ、比較例2の耐久試験4よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
また、本実施例を実施することで、耐久試験8の結果が得られ、比較例2の耐久試験5よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
このように、本実施例によれば、簡易な構成で、現像ローラ付近のトナーの流動性を検知でき、かつ原因にかかわらずに流動性を検知でき、トナーの温度上昇と静電凝集のどちらが流動性低下の原因であっても流動性を回復できる。
耐久試験6〜8では、9000枚画像出力時点におけるトナー凝集度を測定するために、9000枚画像出力時点で耐久試験を終了した。しかし、画像不良が発生する限界を確認するために、同様な条件で耐久試験6’、耐久試験7’、耐久試験8’を行い、トナーの流動性低下に起因した画像不良の評価を行った。
表5は、耐久試験3〜耐久試験24の画像評価結果を示している。
Figure 0005049482
表5に示す通り、耐久試験6’、耐久試験7’、耐久試験8’はいずれも12000枚画像出力時点において画像不良の発生が確認された。
本実施例では、使用を開始して所定枚数画像出力後の、感光ドラム1を回転駆動する負荷が安定した時のモーター電流の値を、次のようにして閾値Ithとした。すなわち、前記モーター電流の値を、予め複数のプロセスカートリッジに対して10回測定し、その平均値0.75[A]を初期値I0とし、その1.3倍の電流値0.98[A]を閾値Ithとした。
しかし、初期値I0及び閾値Ith決め方は必ずしもこの限りではない。例えば、トナーの流動性が低下しすぎないように、複数のプロセスカートリッジについて測定した結果の下限値を初期値I0として、その1.3倍の電流値を閾値Ithとし、閾値Ithを低めに設定してもよい。
また、閾値Ithは初期値I0の1.2倍でもよい。この場合、トナーの流動性が低下しすぎないで、より安定した画像形成が可能になる。逆に、閾値Ithは初期値I0の1.4倍でもよい。この場合、画像出力速度の維持を優先することができ、かつトナーの流動性が低下しすぎて画像不良が発生することを防止できる。
また、本実施例では、トナーの処方は着色剤の種類及び部数のみしか違っていない。従って、クリーニングブレードの設定は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックともすべて同じである。
しかし、必ずしもこの限りではなく、各色ごとにクリーニングブレード設定を変えても良い。例えば、本実施例で用いた円形度の高い球形トナーをカラートナーに、円形度の低い不定形トナーをブラックトナーに用いる場合、クリーニングブレードの設定をカラートナーとブラックトナーで変更しなければならない。ただし、その場合は、各色ごとに初期値I0が異なるので、各色ごとに閾値Ithを定めなければならない。
本実施例では、感光ドラム1上のトナー像を直接転写材Pに転写する静電搬送転写装置18を用いた。しかし、必ずしもこの限りではない。例えば、感光ドラム上のトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体に一次転写してから、さらに中間転写体から転写材に二次転写してもよい。この場合でも、感光ドラムの回転負荷を検知し、回転負荷の上昇を防止することで、トナーの流動性低下を防止しても良い。
また、中間転写体を用いて、かつ中間転写体にクリーニングブレードが当接してある場合、中間転写ベルトの回転負荷を検知し、回転負荷の上昇を防止することで、トナーの流動性低下を防止しても良い。
また、画像形成時に転写部において感光ドラム1が受ける総圧をP3、感光ドラム1の駆動負荷を測定する時に転写部において感光ドラム1が受ける総圧をP4とした場合、P3>P4を満たすことが好ましい。これにより、感光ドラム1の回転負荷が抑制された状態で測定を行うことができ、より正確にクリーニングブレード5と感光ドラム1の間の摩擦力により生じる回転負荷を測定できる。
本実施例では、感光ドラム1上で紙間に相当するタイミングで感光ドラム1の回転負荷を検知したが、必ずしもこの限りではない。例えば、画像形成動作終了後、非通紙状態で感光ドラム1の駆動が行われる後回転時に、感光ドラム1と現像ローラ9を離間手段により離間させて、感光ドラム1の回転負荷の検知を行っても良い。これにより、感光ドラム1と現像ローラ9が非接触状態となり、感光ドラム1と現像ローラ9の間の摩擦力により生じる回転負荷が無くなり、より正確にクリーニングブレード5と感光ドラム1の間の摩擦力により生じる回転負荷を測定できる。
また、静電搬送ベルト22の内側に転写ローラ4を当接し、転写ローラ4は感光ドラム1と対向するように加圧されて、転写部を形成している。しかし、画像形成後の後回転時に、感光ドラム1と転写ローラ4の間の加圧を解除して、感光ドラム1の回転負荷の検知を行っても良い。これにより、転写部の摩擦力により生じる回転負荷が無くなり、より正確にクリーニングブレード5と感光ドラム1の間の摩擦力により生じる回転負荷を測定できる。
感光ドラム1にトナーが付着した位置が、クリーニングブレードニップ部に到達すると、感光ドラム1にトナーが付着していない位置と比べて、クリーニングブレード5と感光ドラム1の間の摩擦力により生じる回転負荷が上昇する。従って、本実施例のように、感光ドラム1上の画像形成位置よりは、感光ドラム1上の非画像形成位置で回転負荷を検知することが望ましい。しかし、画像形成条件を踏まえて、感光ドラム1上の画像形成位置で回転負荷を検知してもよい。
本実施例では、感光ドラム1の回転負荷を検知する方法として、感光ドラム1を回転駆動するモーター電流を検知したが、必ずしもこの限りではない。例えば、モーターを駆動する際に必要な電力を検知してもよい。これにより、モーター電流の検知と同様に、簡易な方法で、感光ドラム1の回転負荷を検知でき、トナーの流動性低下を検知できる。
本実施例では、感光ドラム1を回転駆動するモーターは、感光ドラム以外に何も駆動しないが、必ずしもこの限りではない。
例えば、感光ドラム1以外に、現像装置21内の現像ローラ9や弾性ローラ10、撹拌部材12の駆動に用いてもよい。この場合でも、トナーの流動性が低下して、クリーニングブレード5と感光ドラム1の間の摩擦力が上昇して、回転負荷が上昇すること以外には、モーター電流は大きく変化しない。従って、本実施例と同様な方法を用いることで、トナーの流動性低下を検知できる。
また、一つのモーターで複数の感光ドラムを駆動してもよい。この場合でも、初期値I0を経験的に求め、その1.3倍を閾値Ithとして、本実施例と同様な制御を行うことで、トナーの流動性低下を検知できる。
本実施例では、トナーの流動性が高い場合、現像容器8の前室内のトナーと、後室内のトナーが混じりやすい例を挙げたが、必ずしもこの限りではない。
トナーの流動性が高いでも、現像容器の前室内のトナーと、後室内のトナーが混じりにくい現像装置においても本発明の効果はある。図19に、前室内のトナーと、後室内のトナーが混じりにくい現像装置の例を示す。この現像装置の前室は破線より下、後室は破線より上と定義する。
このような現像装置では、重力によってトナーが下方向に移動しやすく、現像ローラ9付近にトナーがパッキングしやすい。現像ローラ9にトナーがコートされる際にトナーは摺擦され、流動性が低下する。したがって、局所的に現像ローラ9付近においてのみ、トナーの流動性が低下しやすい。このような現像装置では、トナーの流動性が低下するときには急激に変化するので、本発明を実施することによって、トナーの流動性低下を防止する効果は大きい。
本実施例では、現像装置21にトナーを補給する機構を持たない例を挙げたが、必ずしもこの限りではない。たとえば、現像容器の後室部分に未使用トナーを補給可能な現像装置を用いてもよい。この場合、複数回トナーを補給することで、トナー補給機構を持たない場合より画像出力枚数を多くできる。
トナー補給機構を持つ場合、トナーの流動性低下を検知した結果を元に、未使用トナーを混合するタイミングを制御してもいいし、一度に混合する未使用トナーの量を制御してもいいし、未使用トナー補給時に現像装置内のトナー撹拌速度を制御してもいい。これにより、トナーの流動性低下を防止しつつ、安定した画像形成が可能になる。
本実施例では、非磁性一成分トナーを用いた接触現像方式を採用したが、必ずしもこの限りではない。非磁性一成分トナーを用いた非接触現像方式、磁性一成分トナーを用いた
接触現像方式、磁性一成分トナーを用いた非接触現像方式、二成分トナーを用いた現像方式のいずれを採用しても、本発明を実施することで、安定した画像出力が可能になる。
〔実施例2〕
実施例1では、閾値の数は一つであったが、実施例2では、閾値の数は複数である。それ以外は実施例1と実施例2は同じである。
実施例2では、紙間で検知されるモーター電流の検知値Iと、複数の閾値Ith1及びIth2を比較することで、モーターの駆動を制御する。
閾値Ith1及びIth2は以下のようにして設定した。
クリーニングブレード5にはクリーニング助剤が初期塗布されているが、約5分感光ドラム1を回転させると、感光ドラム1を回転駆動する負荷が安定する。安定した時のモーター電流の値を、複数のプロセスカートリッジについて10回測定したところ、平均0.75[A]であり、トルク換算すると平均4.2[kgf・cm]であった。0.75[A]を初期値I0とし、その1.2倍の電流値0.90[A]を閾値Ith1とし、その1.3倍の電流値0.98[A]を閾値Ith2とした。
図20にモーター制御のシーケンス図を示す。
I<Ith1の場合、通常の画像出力速度を維持する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
Ith1≦I<Ith2の場合、画像出力速度を一段階下げる(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を150[mm/s]に下げる。この時、感光ドラム1の周速低下に合わせて、現像ローラ9、静電搬送ベルト22等の周速も、感光ドラム1との周速比が一定になるように下げる。
Ith2≦Iの場合、画像出力速度を更に下げる(モード3)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。
すなわち、画像出力速度が、モード1、モード2、モード3の順に下がるように設定する。
前回転時に、モード1、モード2、モード3の画像形成条件を決めるのに必要なシーケンス制御を入れる。モードの切り替え時には、特別なシーケンス制御をいれず、前回転時に得られた制御値を用いる。
本発明の実施例2を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験9では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験9は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終
了した。
耐久試験を行った結果、耐久試験9においては、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験9の結果が得られ、比較例1の耐久試験3よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。また、画像出力速度の低下を極力防止できる。
本実施例では、モーター電流の閾値として、二つの閾値を用いて制御を行ったが、必ずしもこの限りではない。例えば、3つ以上の閾値を用いてもよい。例えば、閾値を3つ用いる場合には、初期値I0とし、その1.2倍を閾値Ith1とし、その1.3倍を閾値Ith2、その1.4倍を閾値Ith3としてもよい。
この時、I<Ith1の場合、通常の画像出力速度V0を維持する(モード1)。
Ith1≦I<Ith2の場合、画像出力速度をV0×3/4とする(モード2)。
Ith2≦I<Ith3の場合、画像出力速度をV0×2/4とする(モード3)。
Ith3≦Iの場合、画像出力速度をV0×1/4とする(モード4)。
これにより、一段階モードを変更しただけではトナーの流動性の低下が防止できない時にさらに効果が高いモードに変更可能である。また、可能な限り速い画像出力速度を維持した状態で、トナーの流動性低下を防止しつつ画像形成が可能である。
〔実施例3〕
実施例3では、測定結果記録手段及びデータ処理手段としてのモーター電流記録装置36を設け、より安定したモーター電流の算出を実現した。それ以外は、実施例1と同様である。
図21に、モーター制御装置の概略構成図を示す。モーター電流はモーター電流検知装置31によって検知される。モーター電流記録装置36では、モーター電流を記録し、本実施例で説明するように、モーター電流の平均値Iaと、初期値I0、閾値Ithを算出する。
モーター電流比較装置32によって、算出されたモーター電流の平均値Iaと、閾値Ithとの比較を行う。モーター電流比較装置32の比較結果は、モーター駆動制御装置33に伝えられ、比較結果に基づいてモーター駆動を行う。
本実施例では、モーター電流記録装置36を用いて、より安定したモーター電流の検知を行う。本実施例では、モーター電流検知装置31のサンプリング周波数を50Hzに設定し、その検知結果をモーター電流記録装置36に記録する。
モーター電流の検知は、前述したとおり、感光ドラム1上で紙間に相当するタイミングで行った。
感光ドラム1の周速は200[mm/s]、感光ドラム1の直径は30[mm]である。また、図7に示すように、感光ドラム1の中心をα、感光ドラム1と静電搬送ベルト22の接触位置の中央をβ、感光ドラム1とクリーニングブレード5の接触位置の中央をγとし、直線αβと直線αγのなす角θ[度]とする。連続して画像出力している時に、感
光ドラム1と静電搬送ベルト22の接触位置の中央βを、n枚目に通過した転写材Pの後端が通過する時刻をt[b,n]とする。感光ドラム1と静電搬送ベルト22の接触位置の中央βを、n枚目に通過した転写材Pの先端が通過する時刻をt[a,n]とする。
すると、モーター電流の検知は、
時刻t[b,n]+(30π/200)×(θ/360)から
時刻t[a,n+1]+(30π/200)×(θ/360)までの間に行う。
すなわち、感光ドラム1上に静電潜像が形成されておらず、トナーが現像されていないタイミングでモーター電流の検知を行う。
したがって、一回の紙間の間に、(t[b,n]−t[a,n+1])×50個のモーター電流測定値が記録される。そこで、それらのデータを平均化したモーター電流Iaを求める。これにより、測定誤差の小さい安定したモーター電流値を得ることができ、トナーの流動性低下を高精度で検知できる。
本実施例では、紙間で検知されるモーター電流の平均値Iaと、閾値Ithとの比較を行う。閾値Ithは以下のようにして設定した。
クリーニングブレード5にはクリーニング助剤が初期塗布されているが、約5分感光ドラム1を回転させると、感光ドラム1を回転駆動する負荷が安定する。安定した時のモーター電流の値を、複数のカートリッジについて10回測定したところ、平均0.75[A]であり、トルク換算すると平均4.2[kgf・cm]であった。0.75[A]を初期値I0とし、その1.3倍の電流値0.98[A]を閾値Ithとした。モーター電流0.98[A]をトルク換算すると、5.4[kgf・cm]となる。
閾値Ith=1.3×I0としたが、これはモーター電流が急激に上昇する直前、すなわち、トナーの流動性低下によって画像不良が発生する直前に、設定したことに相当する。これは比較例1の耐久試験3の測定結果である図11、及び比較例2の耐久試験4、耐久試験5の測定結果である図13に示した通りである。
図22にモーター制御のシーケンス図を示す。
Ia<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
Ith≦Iaの場合、画像出力速度を下げる(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。この時、感光ドラム1の周速低下に合わせて、現像ローラ9、静電搬送ベルト22等の周速も、感光ドラム1との周速比が一定になるように下げる。
前回転時に、モード1、モード2の画像形成条件を決めるのに必要なシーケンスを入れる。モードの切り替え時には、特別なシーケンス制御をいれず、前回転時に得られた制御値を用いる。
本発明の実施例3を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験10では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パター
ンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験10は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験を行った結果、耐久試験10においては、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験10の結果が得られ、比較例1の耐久試験3よりも長期間にわたって、より高精度に画像不良の発生を防止でき、より安定した画像出力が可能になる。
本実施例では、モーター電流の平均値Iaを紙間で求めたが、必ずしもこの限りではない。例えば、後回転時に、紙間よりも長い時間にわたってモーター電流の検知を行い、それらのデータをもとにモーター電流の平均値Iaを求めてもよい。これにより、より安定したモーター電流の平均値が得られる。特に、感光ドラム1が一回転する時間である30π/200=0.47[s]よりも長い時間にわたってモーター電流の検知を行うことで、偏心等の感光ドラム1の回転ムラに起因した測定誤差の発生を防止できる。
本実施例では、モーター電流の平均値Iaを求めるためにモーター電流記録装置36を用いたが、必ずしもこの限りではない。
例えば、本実施例では初期値I0は複数のプロセスカートリッジについて実測したデータを元に設定したが、初期値I0を求めるためにモーター電流記録装置36を用いてもよい。
クリーニングブレード5にはクリーニング助剤が初期塗布されており、約5分感光ドラム1を回転させると、感光ドラム1を回転駆動する負荷が安定する。そこで、初期から200枚画像出力した時点で紙間におけるモーター電流の平均値Iaを求め、その値を初期値I0とする。本来、カートリッジごとに存在するクリーニングブレード5の組み付け誤差や、クリーニング助剤の初期塗布状態によって、モーター電流の初期値I0は変化するが、その影響を避けることができる。このようにして求めた初期値I0の1.3倍を閾値Ithとすることで、正確にトナーの流動性低下を検知できる。
また、初期値I0及び閾値Ith決め方は必ずしもこの限りではない。例えば、トナーの流動性が低下しすぎないように、モーター電流記録装置36に記録されたデータの最小値を初期値I0として、その1.3倍(又は1.2倍)の電流値を閾値Ithとし、閾値Ithを低めに設定してもよい。このように閾値Ithを低めに設定することにより、トナーの流動性低下を最小限に抑えることができる。また、プロセスカートリッジごとに存在するクリーニングブレード5の組み付け誤差や、クリーニング助剤の初期塗布状態によって、モーター電流が変化するが、その影響を避けることができる。
〔実施例4〕
本実施例の構成は、実施例3と同じである。
図23にモーター制御のシーケンス図を示す。以下に詳細を説明する。
実施例4では、実施例3と同様に紙間時に検知したモーター電流をモーター電流記録装置36に記録し、モーター電流の平均値Iaを求める。ここで、n枚目を画像出力した後
の、モーター電流の平均値IaをIa[n]とする。
そして、n枚目を画像出力した前後の10個のデータ
{Ia[n−5]、・・・、Ia[n]、・・・、Ia[n+4]}を元に、最小二乗法計算を行い、データの変化率として傾きa[n]を算出する。
比較例1の耐久試験3では、I≧Ithとなり、画像不良が発生したと予想される5000枚画像出力時点におけるa[n]=0.00025であった。
比較例2の耐久試験4では、I≧Ithとなり、画像不良が発生したと予想される3500枚画像出力時点におけるa[n]=0.00050であった。
比較例2の耐久試験5では、I≧Ithとなり、画像不良が発生したと予想される4500枚画像出力時点におけるa[n]=0.00014であった。
これらの例から、画像不良の発生を未然に防ぐために、閾値Athを0.0001とした。
a[n]<Athの場合、通常の画像出力速度を維持する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
Ath≦a[n]の場合、画像出力速度を下げる(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。この時、感光ドラム1の周速低下に合わせて、現像ローラ9、静電搬送ベルト22等の周速も、感光ドラム1との周速比が一定になるように下げる。
前回転時に、モード1、モード2の画像形成条件を決めるのに必要なシーケンス制御を入れる。モードの切り替え時には、特別なシーケンス制御をいれず、前回転時に得られた制御値を用いる。
本発明の実施例4を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験11では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験11は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験を行った結果、耐久試験11においては、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験11の結果が得られ、比較例1の耐久試験3よりも長期間にわたって、より高精度に画像不良の発生を防止でき、より安定した画像出力が可能になる。
本実施例では、紙間時に検知したモーター電流をモーター電流記録装置に記録し、モーター電流の平均値Iaを求める。ここで、n枚目を画像出力した後の、モーター電流の平
均値IaをIa[n]とする。
そして、n枚目を画像出力した前後の10個のデータ
{Ia[n−5]、・・・、Ia[n]、・・・、Ia[n+4]}を元に、最小二乗法計算を行い、傾きa[n]を算出したが、必ずしもこの限りではない。
例えば、選択するデータ数を10個から50個に変えてもよい。このようにすれば、画像形成装置の急激な変化にも対応しつつ、傾きa[n]の算出精度を上げることができる。
〔実施例5〕
本実施例では、実施例1の構成に、画像形成装置の使用履歴情報を記録する履歴情報記録手段及び閾値算出手段として、総プリント枚数(総画像出力枚数)記録装置を追加する。総プリント枚数情報を用いて閾値Ithを算出する以外は、実施例1と同様な制御を行う。相違点を以下に示す。
カートリッジ使用初期では、トナーの流動性がある程度低い状態でも画像不良は発生しない。それに対して、カートリッジを使用して画像形成を重ねると、カートリッジ内の現像ローラ9、規制ブレード11等に付着物が付き、それらの部材にトナーが付着しやすくなり、トナーの流動性低下によって画像不良が発生しやすくなる。すなわち、使用初期の方が、使用後半よりも、画像不良が発生しないトナー流動性の下限が低い。
そこで、本実施例では、画像形成装置の使用履歴情報として、総プリント枚数情報を合わせてトナーの流動性低下検知を行うことで、より安定した画像形成を実現する。
本実施例では、カートリッジの使用初期からのプリント枚数をNとし、実施例1と同様に、初期値I0を0.75[A]とし、
N=0で、Ith=1.3×I0、
N=9000で、Ith=1.2×I0を満たすように、
閾値Ith=−N×0.1×I0/9000+1.3×I0とした。
本発明の実施例5を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験12では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験12は、画像不良の発生した15000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験を行った結果、耐久試験12においては、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。12000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が軽微に発生した。
本実施例を実施することで、耐久試験12の結果が得られ、実施例1の耐久試験6’よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
このように、画像形成装置の使用履歴によって、画像不良の発生しないトナー流動性の
下限が変化しても、長期にわたって安定した画像形成が実現できる。
本実施例では、画像形成装置の使用履歴情報として、使用初期からの総プリント枚数情報を用いたが、必ずしもこの限りではない。例えば、感光ドラム1や現像ローラ9の総回転時間を用いてもよい。
カートリッジ内の現像ローラ9、規制ブレード11等に付着物が付く進行度は、現像ローラ9の総回転時間に略比例している。そして、画像不良の発生しないトナー流動性の下限も、現像ローラ9の総回転時間に略比例している。
しかし、総プリント枚数が同じでも、多部数を連続して画像出力する場合より、少部数を間欠的に画像出力する場合の方が、画像形成前後の前回転や後回転時間が長くなり、現像ローラ9の総回転時間が長くなる。したがって、総プリント枚数情報よりも、現像ローラ9の総回転時間情報を用いた方が、画像不良の発生しないトナー流動性の下限が変化しても、長期にわたって安定した画像形成が実現できる。
また、画像形成装置の使用履歴情報として、ピクセルカウント数情報を用いてもよい。一枚あたりのピクセルカウント数から、印字比率を算出し、一枚あたりのトナー消費量を換算できる。
トナーは、現像ローラ9にコートされる際に摺擦されるが、この時トナーの流動性は低下する。トナー消費量が少ない場合、現像ローラ9付近には長期間に渡って現像ローラ9にコートされ続けたトナーが滞留し、局所的にトナーの流動性低下が発生しやすい。
そこで、トナー消費量によって、閾値Ithを変更してもよい。
例えば、印字比率が1%未満の場合、閾値Ith=1.2×I0とし、印字比率が1%以上の場合、閾値Ith=1.3×I0としてもよい。
これにより、印字比率によらずに、長期にわたって安定した画像形成が実現できる。
また、画像形成装置の使用履歴情報として、トナー残量情報を用いてもよい。
トナーは、現像ローラ9にコートされる際に摺擦されるが、この時トナーの流動性は低下する。トナー残量が多い場合、現像ローラ9付近の流動性が低いトナーは、現像容器後室の流動性の高いトナーと混じることができ、急激なトナーの流動性低下は発生しにくい。しかし、トナー残量が減ると、入れ替わることのできる現像容器後室の流動性の高いトナーが減り、急激なトナーの流動性低下が発生しやすくなる。そして、トナー残量が少ない場合、現像ローラ9付近には長期間に渡って現像ローラ9にコートされ続けたトナーが滞留し、局所的にトナーの流動性低下が発生しやすい。
そこで、トナー残量によって、閾値Ithを変更してもよい。
例えば、トナー残量が50g未満の場合、閾値Ith=1.2×I0とし、トナー残量が50g以上の場合、閾値Ith=1.3×I0としてもよい。
これにより、トナー残量によらずに、長期にわたって安定した画像形成が実現できる。
また、画像形成装置の使用履歴情報として、トナー温度情報を用いてもよい。
トナーは温度が高いほど流動性が低下する。
そこで、トナー温度によって、閾値Ithを変更してもよい。
例えば、トナー温度が50℃以上の場合、閾値Ith=1.2×I0とし、トナー温度が50g未満の場合、閾値Ith=1.3×I0としてもよい。
これにより、トナー温度によらずに、長期にわたって安定した画像形成が実現できる。
〔実施例6〕
本実施例では、実施例1と同様な構成、制御を行う。相違点は、モーター電流Iと閾値Ithとの比較結果を受けて行う、モーター駆動制御の部分のみである。
実施例1では、トナーの流動性を回復する手段として、図24に示すシーケンス制御を実施して、感光ドラム1の周速を下げて、画像出力速度を下げた。本実施例では、トナーの流動性を回復する手段として、感光ドラム1の周速を維持しつつ、感光ドラム1の回転を停止する時間を設けることにより、画像出力速度を下げる。
図25にモーター制御のシーケンス図を示す。
I<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持し、感光ドラム1を停止する時間を設けない(モード1)。したがって、感光ドラム1は周速200[mm/s]で回転し続ける。
I≧Ithの場合、画像出力速度を下げ、感光ドラム1を停止する時間を設ける(モード2)。本実施例では、停止時間を60sに定める。
本発明の実施例6を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験13では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験13は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験を行った結果、耐久試験13においては、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験13の結果が得られ、比較例1の耐久試験3よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
このように、本実施例を実施することで、簡易な構成で、現像ローラ9付近のトナーの流動性を検知でき、かつ原因にかかわらずに流動性を検知でき、トナーの温度上昇と静電凝集のどちらが流動性低下の原因であっても流動性を回復できる。
なお、本実施例では、感光ドラム1の停止時間を60sとしたが、必ずしもこの限りではない。例えば、より安定した画像形成を実現したい場合は、停止時間を120sとしてもよい。
また、本実施例では、I≧Ithを検知したらすぐに感光ドラム1を停止する時間を設けたが、必ずしもこの限りではない。例えば、検知後10枚までは連続出力可能にしてもよい。これにより、多部数を連続して画像出力する場合でも画像出力速度の低下を最小限に抑えつつ、トナーの流動性低下を防止できる。また、少部数を間欠的に画像出力する場合でも、必要以上に感光ドラムを停止させなくてよい。
〔実施例7〕
本実施例では、実施例1と同様な構成、制御を行う。相違点は、画像形成装置内に冷却手段として冷却装置が設けられ、冷却装置の制御も行うことである。
実施例1から実施例6では、トナーの流動性を回復する手段として、画像出力速度を下げた。本実施例では、それに加えて、画像形成装置内の冷却装置を用いて、トナーを冷却する。冷却装置として、空冷ファンを用いて、画像形成装置内の空気を現像装置に吹き当てることにより、現像装置の外側を冷やし、現像装置の内側に接しているトナーを冷やす。
I<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持し、空冷ファンの回転数R1を維持する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
I≧Ithの場合、画像出力速度を下げ、空冷ファンの回転数R2をR1より上げる(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。
本実施例では、R2=2×R1と定める。
本実施例を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、次のような環境において耐久試験を行った。耐久試験14では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。耐久試験15では、温度32.5℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。耐久試験16では、温度15.0℃、湿度10%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験14、耐久試験15は、画像不良の発生した15000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験14、15において、12000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
耐久試験16は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験16においては、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験14の結果が得られ、実施例1の耐久試験6’よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
本実施例を実施することで、耐久試験15の結果が得られ、実施例1の耐久試験7’よ
りも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
本実施例を実施することで、耐久試験16の結果が得られ、比較例2の耐久試験5よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
このように、本実施例においては、実施例1の効果に加えて、さらに、トナーの温度が高い場合でも、効率よくトナーの流動性低下を防止でき、効率よく画像不良の発生を防止できるものである。
ここで、本実施例を実施した場合の結果は、実施例1の耐久試験8’と略同等の、耐久試験16の結果であり、低温低湿環境において安定して画像出力できる枚数は、実施例1と略同等だった。
本実施例では、冷却装置の制御として、空冷ファンの回転数の増減を行ったが、必ずしもこの限りではない。例えば、空冷ファンのon、offの切り替えを行ってもよい。これにより、トナーの流動性を防止するために冷却する必要がある時のみ空冷ファンを動かすことができ、消費電力を最小限に抑えることができる。
〔実施例8〕
本実施例では、実施例1と同様な構成、制御を行う。相違点は、現像装置内にトナー除電手段として除電装置を設けたことである。
実施例1から実施例6では、トナーの流動性を回復する手段として、画像出力速度を下げた。本実施例では、それに加えて、現像装置内の除電装置を用いて、トナーを除電する。図26に除電装置を備えた現像装置の概略構成図を示す。感光ドラム1と現像ローラ9の当接位置よりも下流側に除電ブレード40を現像ローラ9に当接させる。除電ブレード40は、バネ弾性を有するSUS金属薄板からなる。電源S1は現像ローラ9に、電源S2は除電ブレード40に電圧を印加する。
この時、除電ブレード40に印加する電圧をV2、現像ローラ9の芯金に印加する電圧をV1とすると、
V2−V1>0ならば、現像ローラ9上のトナーから除電ブレード40に負電荷が移行し、除電される。
ここでは、現像ローラ9の芯金には−300Vの電圧が印加されているので、除電ブレード40に−300Vの電圧を印加すれば、現像ローラ9上のトナーは除電されず、−200Vの電圧を印加すれば、現像ローラ9上のトナーは除電される。
本実施例では、
I<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持し、除電ブレード40に−300Vの電圧を印加する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
I≧Ithの場合、画像出力速度を下げ、除電ブレード40に−200Vの電圧を印加する(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。
本実施例を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、次のような環境において耐久試験を行った。耐久試験17では、温度23.0℃、湿度50%R
Hの環境において耐久試験を行った。耐久試験18では、温度32.5℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。耐久試験19では、温度15.0℃、湿度10%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験17、耐久試験18は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験17、18において、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
耐久試験19は、画像不良の発生した15000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験19においては、12000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
このように、本実施例においては、実施例1の効果に加えて、さらに、トナーが静電凝集している場合でも、効率よくトナーの流動性低下を防止でき、効率よく画像不良の発生を防止できるものである。
本実施例を実施することで、耐久試験17の結果が得られ、比較例1の耐久試験3よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
ここで、本実施例を実施した場合の結果は、実施例1の耐久試験6’と略同等の、耐久試験17の結果であり、常温常室環境において安定して画像出力できる枚数は、実施例1と略同等だった。
本実施例を実施することで、耐久試験18の結果が得られ、比較例2の耐久試験4よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
ここで、本実施例を実施した場合の結果は、実施例1の耐久試験7’と略同等の、耐久試験18の結果であり、高温高湿環境において安定して画像出力できる枚数は、実施例1と略同等だった。
本実施例を実施することで、耐久試験19の結果が得られ、実施例1の耐久試験8’よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
本実施例では、除電ブレード40に印加する電圧をV2、現像ローラ9の芯金に印加する電圧をV1とすると、トナー除電時には、V2−V1=100となるように設定したが、必ずしもこの限りではない。トナーの流動性低下が著しい場合には、V2−V1の差を100Vより大きくしてもいいし、トナーの流動性低下が軽度の場合には、V2−V1の差を100V未満にしてもよい。
また、本実施例では、除電ブレード40は現像ローラ9に当接させたが必ずしもこの限りではない。例えば、除電ブレード40を弾性ブレード11に当接させてもよく、この場合も同様な効果が得られる。
〔実施例9〕
本実施例では、実施例1と同様な構成、制御を行う。相違点は、現像装置21内に流動性付与外添剤を補給する補給手段としての流動性付与外添剤補給装置41を設けたことで
ある。
実施例1から実施例8では、トナーの流動性を回復する手段として、画像出力速度を下げた。本実施例では、それに代えて、現像装置内の流動性付与外添剤補給装置を用いて、流動性の低下したトナーに流動性付与外添剤を補給する。
以下に、流動性付与外添剤の補給方法の詳細を説明する。
図27に流動性付与外添剤補給装置を備えた現像装置の概略構成図を示す。
流動性付与外添剤補給装置41は、流動性付与外添剤42と、流動性付与外添剤ホッパー43、流動性付与外添剤供給部材44からなる。矢印の方向に流動性付与外添剤供給部材44が回転すると、流動性付与外添剤ホッパー43から現像容器8の後室に一定量の流動性付与外添剤42が供給される。流動性付与外添剤42が現像容器内のトナーと十分に混合されると、トナーの流動性が上がる。
本実施例では、
I<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持し、流動性付与外添剤の補給を行わない(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
I≧Ithの場合、通常の画像出力速度を維持し、流動性付与外添剤の補給を行う(モード2)。使用初期のトナーには、流動性付与外添剤として、疎水性シリカを1重量部外添している。本実施例では、一度の補給につき、初期トナー量に対して0.01重量部の流動性付与外添剤の補給を行った。
本実施例を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験20では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験20は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験20において、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験20の結果が得られ、比較例1の耐久試験3よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
このように、本実施例においては、画像出力速度を維持しつつ、トナーの流動性低下を防止でき、画像不良の発生を防止できるものである。
本実施例では、一度の補給につき、初期トナー量に対して0.01重量部の流動性付与外添剤の補給を行ったが、必ずしもこの限りではない。例えば、一度に補給する流動性付与外添剤の量を、0.05重量部にしてもよい。これは、流動性付与外添剤供給部材44の大きさ及び形状を変えれば、実現可能である。ただし、多量の流動性付与外添剤を補給しても、十分にトナーと流動性付与外添剤が混合しなければ、トナーの流動性が上がらな
い。そこで、一度流動性付与外添剤を補給したら、例えI≧Ithとなっていても、一定枚数画像出力しなければ新たに流動性付与外添剤を補給できないように設定してもよい。これにより、トナーの流動性を安定させることができる。
また、本実施例では、トナーの流動性回復手段として、画像出力速度を下げる方法を用いなかったが、用いても良い。流動性付与外添剤の補給と、画像出力速度を下げることを併用することにより、トナーの流動性を著しく上昇させることができる。
〔比較例4〕
本比較例では、比較例1と同様な構成の画像形成装置を用いる。ただし、比較例1では、結着樹脂は、ガラス転移温度が60℃、ワックスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に現れる吸熱ピークが65℃のトナーを用いた。本比較例では、結着樹脂は、ガラス転移温度が50℃、ワックスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に現れる吸熱ピークが55℃のトナーを用いる。本比較例に用いたトナーを使って画像形成を行うと、定着部における定着温度を低くできる長所がある反面、現像装置内でトナーの流動性が低下しやすくなる短所がある。
本比較例の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験21では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、比較例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験21は、画像不良の発生した6000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験を行った結果、耐久試験21においては、4500枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
〔実施例10〕
本実施例では、実施例1と同様な構成、制御を行う。実施例1では、結着樹脂は、ガラス転移温度が60℃、ワックスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に現れる吸熱ピークが65℃のトナーを用いた。これに対して本実施例では、結着樹脂は、ガラス転移温度が50℃、ワックスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に現れる吸熱ピークが55℃のトナーを用いた点が異なる。すなわち、比較例4と同じ低温定着トナーを用いた。
I<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を200[mm/s]に維持する。
I≧Ithの場合、画像出力速度を下げる(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。この時、感光ドラム1の周速低下に合わせて、現像ローラ9、静電搬送ベルト22等の周速も、感光ドラム1との周速比が一定になるように下げる。例えば、感光ドラム1の周速が200[mm/s]の時、現像ローラ9の周速は300[mm/s]であり、感光ドラム1の周速が100[mm/s]の時は、現像ローラ9の周速は150[mm/s]である。
本実施例を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験22では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験22は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験22において、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験22の結果が得られ、比較例4の耐久試験21よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
このように、低温定着トナーでも、長期間に渡ってトナーの流動性低下を防止でき、長期間に渡って画像不良の発生を防止することができる。
本実施例では、低温定着トナーとして、結着樹脂は、ガラス転移温度が50℃、ワックスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に現れる吸熱ピークが55℃のトナーを用いた。しかし、結着樹脂のガラス転移温度が40℃〜55℃、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、ワックスの昇温時に現れる吸熱ピークが45℃〜60℃のトナーを用いる場合であれば、本発明によって長期間にわたって安定した画像出力が可能になる。
本実施例では、流動性が低下しやすいトナーとして低温定着トナーの例を挙げたが、必ずしもこの限りではない。例えば、体積平均粒径が3μm〜9μmの小粒径トナーについても、本発明によって長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
〔比較例5〕
本比較例では、比較例1と同様な構成の画像形成装置を用いる。ただし、相違点は、感光ドラム1の周速である。比較例1では、感光ドラム1の周速は200[mm/s]であったが、本比較例では、300[mm/s]である。感光ドラム1の周速が上がると、クリーニングブレード5と感光ドラム1間の摩擦力により発生する回転負荷が変化した時に、急激に発熱量が上昇しやすくなり、感光ドラム1の温度が上昇しやすくなる。
本比較例の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験23では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、比較例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験23は、画像不良の発生した4500枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験を行った結果、耐久試験23においては、3000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
〔実施例11〕
本実施例では、実施例1と同様な構成、制御を行う。相違点は、感光ドラム1の周速である。実施例1から実施例10では、感光ドラム1の周速は200[mm/s]であったが、本実施例では、300[mm/s]である。
I<Ithの場合、通常の画像出力速度を維持する(モード1)。本実施例では、感光ドラム1の周速を300[mm/s]に維持する。
I≧Ithの場合、画像出力速度を下げる(モード2)。本実施例では、感光ドラム1の周速を100[mm/s]に下げる。この時、感光ドラム1の周速低下に合わせて、現像ローラ9、静電搬送ベルト22等の周速も、感光ドラム1との周速比が一定になるように下げる。例えば、感光ドラム1の周速が300[mm/s]の時、現像ローラ9の周速は450[mm/s]であり、感光ドラム1の周速が100[mm/s]の時は、現像ローラ9の周速は150[mm/s]である。
本実施例を実施した場合の耐久試験結果について説明する。
現像容器8に、A4画像の印字率4%で6000枚相当分のトナーを充填して、耐久試験24では、温度23.0℃、湿度50%RHの環境において耐久試験を行った。低印字率でも画像不良が発生しないか確認するために、画像はA4で、印字率1%の文字パターンとした。また、2枚画像出力するごとに1回5秒停止する間欠モードとした。
ベタ画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像から、トナーの流動性低下に伴う画像不良の有無を評価した。画像評価方法は、実施例1と同様である。
表5に示す通り、耐久試験24は、画像不良の発生した12000枚時点で耐久試験を終了した。耐久試験24において、9000枚画像出力時点においては、トナーの流動性低下に起因する画像不良が発生しなかった。
本実施例を実施することで、耐久試験24の結果が得られ、比較例5の耐久試験23よりも長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
このように、画像出力速度が高速な場合でも、長期間に渡ってトナーの流動性低下を防止でき、長期間に渡って画像不良の発生を防止することができる。
本実施例では、感光ドラム1の周速を300[mm/s]に設定したが、感光ドラム1の周速が120[mm/s]以上600[mm/s]未満ならば本発明を実施する効果が大きく、長期間にわたって、安定した画像出力が可能になる。
ここで、下限が120[mm/s]であるのは、この周速未満ではクリーニングブレードニップ部における発熱が小さくかつトナーの静電凝集が進みにくく、本発明を実施しても、トナーの流動性低下を防止する手段を実施する機会が少ないためである。
ここで、上限が600[mm/s]である理由について説明する。ブレードクリーニング方式では、この周速以上ではクリーニングブレードニップ部における発熱が著しくかつトナーの静電凝集が進みやすい。このような場合に、本発明を実施すると、実質的に感光ドラム1の平均周速が600[mm/s]を大きく下回り、画像出力速度を下げざるを得ないためである。
実施の形態1に係るモーター制御装置の概略構成図。 従来例における非磁性一成分現像方式を用いた現像装置の概略構成図。 実施の形態1に係る4色フルカラー画像形成装置を示す概略構成図。 クリーニングブレード設定の説明図。 クリーニングブレード当接圧の測定方法の説明図。 感光ドラムを回転駆動する負荷と、モーター電流の関係を示す図。 モーター電流の検知を行うタイミングを説明するための図。 耐久試験後にトナーを採取する現像装置内の位置を示す図。 実施の形態1に係る現像装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図。 実施の形態1に係る現像装置の概略構成図。 耐久試験1から耐久試験3における、モーター電流の測定結果を示す図。 耐久試験1から耐久試験3における、感光ドラムを回転駆動する負荷の測定結果を示す図。 耐久試験4及び耐久試験5における、モーター電流の測定結果を示す図。 耐久試験4及び耐久試験5における、感光ドラムを回転駆動する負荷の測定結果を示す図。 実施の形態1に係るモーター制御のシーケンス図。 耐久試験6から耐久試験8における、モーター電流の測定結果を示す図。 耐久試験6から耐久試験8における、感光ドラムを回転駆動する負荷の測定結果を示す図。 従来例における磁性一成分現像方式を用いた現像装置の概略構成図。 前室内のトナーと、後室内のトナーが混じりにくい現像装置の概略構成図。 実施の形態2に係るモーター制御のシーケンス図。 実施の形態3に係るモーター制御装置の概略構成図。 実施の形態3に係るモーター制御のシーケンス図。 実施の形態4に係るモーター制御のシーケンス図。 実施の形態1に係るモーター制御のシーケンス図。 実施の形態6に係るモーター制御のシーケンス図。 実施の形態8に係る除電装置を備えた現像装置の概略構成図。 実施の形態9に係る流動性付与外添剤補給装置を備えた現像装置の概略構成図。 現像容器の前室及び後室を定義する図。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ
3 現像装置
4 転写ローラ
5 クリーニングブレード
6 露光装置
7 定着装置
8 現像容器
9 現像ローラ(現像剤担持体)
10 弾性ローラ
11 規制ブレード
12 攪拌部材
13 廃トナー収納容器
14 ポリゴンミラー
15 光学レンズ系
16 ピックアップローラ
17 排紙トレイ
18 静電搬送転写装置
19 プロセスカートリッジ
20 フルカラー画像形成装置
21 現像装置
22 静電搬送ベルト
23 シール部材
30 モーター
31 モーター電流検知装置
32 モーター電流比較装置
33 モーター駆動制御装置
34 モーター制御装置
35 電源
36 モーター電流記録装置
40 除電ブレード
41 流動性付与外添剤補給装置
42 流動性付与外添剤
43 流動性付与外添剤ホッパー
44 流動性付与外添剤供給部材
P 転写材

Claims (27)

  1. 静電潜像を現像して得られた顕像化画像を像担持体から記録媒体に転写する画像形成手段と、
    前記像担持体に圧接することにより前記像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング手段と、
    を備えた画像形成装置において、
    前記クリーニング手段が前記像担持体に圧接することに起因して生じる前記像担持体の駆動負荷を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値に基づいて、トナーの流動性を回復させる回復手段と、
    を備え
    前記回復手段は、
    前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値を、所定の閾値と比較する比較手段と、
    前記比較手段により比較されることにより前記測定値が前記閾値以上であることが満たされた場合に、単位時間当たりに画像を出力する画像出力速度を下げる制御を実施する制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記閾値は、予め行った耐久試験の画像出力枚数と駆動負荷の関係から、駆動負荷が略一定の初期値の状態から上昇し始めた後、画像不良が生じた駆動負荷に達する前の駆動負荷の値が閾値として設定される請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記測定手段は、前記像担持体の駆動負荷として、前記像担持体を駆動する駆動手段の電流値を測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記測定手段による測定結果を記録する測定結果記録手段と、
    前記測定結果記録手段が記録した、前記測定手段により前記像担持体の駆動負荷を所定の時間測定させた測定結果をデータ処理するデータ処理手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記閾値は、駆動負荷の初期値に対する比率が予め設定されており、
    前記データ処理手段は、前記測定結果記録手段により記録された初期値のデータを平均化処理するものであって、
    前記閾値をTthとし、
    前記データ処理手段により平均化処理された初期値の平均値をTaとした場合、 前記閾値Tthは、前記初期値の平均値に前記比率を乗じて演算することにより設定されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記閾値は、駆動負荷の初期値に対する比率が予め設定されており、
    前記データ処理手段は、前記測定結果記録手段により記録された初期値のデータのうち最小値を選択するものであって、
    前記所定の閾値をTthとし、
    前記データ処理手段により選択された最小値をTminとした場合、
    前記閾値Tthは、前記初期値の最小値に前記比率を乗じて演算すること
    により設定されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記閾値は駆動負荷の初期値に対する比率が予め設定されており、
    前記所定の閾値をTthとし、
    予め、複数の画像形成手段に対して、使用を開始して所定枚数画像出力後に像担持体の駆動負荷の測定を行って得られた初期値の測定値の平均値をTaとした場合、
    前記閾値Tthは、前記初期値の平均値Taに前記比率を乗じて演算すること
    により設定されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 前記比較手段は、像担持体の駆動負荷の測定値を複数の閾値と比較するものであって、
    前記制御手段は、前記複数の閾値に対して閾値が大きくなる程、画像出力速度が小さくなるように設定することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記閾値は、予め行った耐久試験の画像出力枚数と駆動負荷の関係から、画像不良が生じる画像出力枚数に対する駆動負荷の変化率よりも小さい駆動負荷の変化率を閾値として設定されており、
    前記データ処理手段は、前記測定結果記録手段により記録されたデータの変化率を算出するものであって、
    前記比較手段は、前記データ処理手段により算出されたデータの変化率を、予め設定された前記変化率の閾値と比較することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  10. 前記比較手段は、所定枚数の画像出力が行われた後で、比較動作を開始することを特徴とする請求項のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記像担持体を駆動する駆動手段を制御して、前記像担持体の駆動速度を下げることにより、画像出力速度を下げることを特徴とする請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記像担持体を駆動する駆動手段を制御して、前記像担持体を所定時間停止させることにより、画像出力速度を下げることを特徴とする請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 前記回復手段は、
    トナーに流動性を付与する流動性付与外添剤を、トナーが収容される現像容器内に補給する補給手段を備え、
    前記制御手段は、前記比較手段により比較されることにより前記測定値が前記閾値以上であることが満たされた場合に、前記補給手段を制御して流動性付与外添剤を補給する制御を実施することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 装置本体内に、トナーを冷却する冷却手段を備え、
    前記制御手段は、前記比較手段により比較されることにより前記測定値は前記閾値以上であることが満たされた場合に、さらに前記冷却手段の冷却能力を上げる制御を実施することを特徴とする請求項13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 装置本体内にトナーを除電するトナー除電手段を備え、
    前記制御手段は、前記比較手段により比較されることにより前記測定値は前記閾値以上であることが満たされた場合に、さらに前記トナー除電手段の除電能力を上げる制御を実施することを特徴とする請求項14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 前記測定手段は、前記クリーニング手段が接触する前記像担持体上の位置に顕像化画像が形成されていない時に、前記像担持体の駆動負荷を測定することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 前記測定手段は、前記像担持体に顕像化画像が形成された後、かつ、非画像形成時の紙間時に、前記像担持体の駆動負荷を測定することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 前記測定手段は、前記像担持体に顕像化画像が形成された後、かつ、非画像形成時の後回転中に、前記像担持体の駆動負荷を測定することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
  19. 画像形成装置の使用履歴情報を記録する履歴情報記録手段と、
    前記履歴情報記録手段により記録された使用履歴情報に基づいて、前記所定の閾値を算出する閾値算出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項18のいずれかに記載の画像形成装置。
  20. 前記履歴情報記録手段は、画像形成装置の総画像出力枚数を記録するものであって、
    前記閾値算出手段は、前記履歴情報記録手段により記録された総画像出力枚数に基づいて前記所定の閾値を算出することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  21. 前記履歴情報記録手段は、画像形成装置の現像剤担持体の総回転時間を記録するものであって、
    前記閾値算出手段は、前記履歴情報記録手段により記録された前記現像剤担持体の総回転時間に基づいて、前記所定の閾値を算出することを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  22. 前記制御手段は、画像形成装置の現像剤担持体と前記像担持体との周速比が一定に保持されるよう、前記現像剤担持体を駆動する駆動手段を制御することを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の画像形成装置。
  23. トナーを担持する現像剤担持体が前記像担持体に対して接離可能に設けられ、かつ、前記現像剤担持体に担持されたトナーを用いて前記像担持体に形成された静電潜像を顕像化する時には、前記現像剤担持体と前記像担持体とは接触しているものであって、
    前記測定手段は、前記現像剤担持体と前記像担持体とが離間して非接触である時に、前記像担持体の駆動負荷を測定することを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  24. 前記画像形成手段は、静電潜像が形成され前記静電潜像がトナーにより顕像化される感光体と、前記感光体に形成された顕像化画像が転写される中間転写体とを備え、前記顕像化画像を前記中間転写体から記録媒体に転写するものであって、
    前記像担持体は、前記中間転写体であることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の画像形成装置。
  25. 結着樹脂のガラス転移温度が40℃〜55℃、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、ワックスの昇温時に現れる吸熱ピークが45℃〜60℃のトナーを用いることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の画像形成装置。
  26. 前記像担持体の周速が、120[mm/s]〜600[mm/s]であることを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の画像形成装置。
  27. 静電潜像を現像して得られた顕像化画像を像担持体から記録媒体に転写する画像形成手段と、
    前記像担持体に圧接することにより前記像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記クリーニング手段が前記像担持体に圧接することに起因して生じる前記像担持体の駆動負荷を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値に基づいて、トナーの流動性を回復させる回復手段と、
    を備え、
    前記回復手段は、
    トナーに流動性を付与する流動性付与外添剤を、トナーが収容される現像容器内に補給する補給手段と、
    予め行った耐久試験の画像出力枚数と駆動負荷の関係から、駆動負荷が略一定の初期値の状態から上昇し始めた後、画像不良が生じた駆動負荷に達する前の駆動負荷の値が閾値として設定され、前記測定手段により測定された前記像担持体の駆動負荷の測定値を、前記閾値と比較する比較手段と、
    前記比較手段により比較されることにより前記測定値が前記閾値以上であることが満たされた場合に、前記補給手段を制御して流動性付与外添剤を補給する制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置
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