JP4992221B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いられる現像装置に係り、特に、一成分現像剤(トナー)を用いた現像装置及びこれを用いた画像形成装置の改良に関する。
一般に、電子写真方式等の画像形成装置で用いられる現像方式としては、キャリアとトナーを使用する二成分現像方式とキャリアを使用せずにトナーのみを使用する一成分方式とが挙げられるが、装置構成が簡単化され、コストも安価になる一成分現像方式が盛んに採用されている。一成分現像方式では、現像ロールにてトナーを担持搬送した後、感光体と対向する現像領域にて現像ロール上のトナーを感光体へ転移させ、感光体上に形成された静電潜像を可視像化する(現像工程)方式が採られる。このような現像工程では、現像ロールに付着したトナーの性状によって現像性能が大きく異なるようになる。
例えば、現像ロール上に付着したトナーが経時によりフィルミングするようになると、現像ロールの帯電能力が変化し、また、現像領域での現像電界も変化するようになる。その結果、画像濃度が低下したり、背景部でのかぶりが増加する等の画像欠陥を起こし易くなる。更に、トナーへ加わる各種ストレスによってトナーの劣化が進むと、トナー表面の外添剤がトナー中に埋め込まれ、現像性能が損なわれ、かぶり等の画像欠陥に繋がるようにもなる。
特許第3191488号公報(実施例、図1) 特開昭63−106768号公報(従来技術、第3図) 特開平6−167871号公報(実施例、図1)
このような問題に対し、現像ロール上に残留する残留トナーを物理的に掻き取ることで現像ロール上のトナーを新たなトナー層にしようとする方式がある。この場合、現像ロール上の残留トナーを掻き取ることでフィルミングの発生を抑えるようにはなるが、却ってトナーに対するストレスが付与され、トナー表面に付着している外添剤がトナーに埋まり込むようにもなり、トナー劣化が促進される。その結果、トナー同士の付着力が増大し現像ロール上のトナー付着量(トナー搬送量)も増加するようになる。そのために、トナーへ十分な帯電量を付与することなどができなくなり、かぶり等の画像欠陥の発生に繋がるようになる。
本発明は、このような技術的課題を解決するためのものであり、一成分現像剤(トナー)を用いた現像方式において、トナー担持体上のトナーの性状を良好に保ち、現像性能を維持するようにした現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
すなわち、本発明の基本的構成は、図1(a)(b)及び図2に示すように、静電潜像が担持される像担持体1に対向して開口し且つトナーが収容可能な現像ハウジング2と、現像ハウジング2の開口に面して配設され且つ表面にトナーが担持される回動自在なトナー担持体3と、像担持体1上の静電潜像をトナー担持体3上のトナーにて現像するようにトナー担持体3に対して直流電界を有する現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、トナー担持体3と像担持体1との対向部位である現像領域での現像性能を維持可能にする現像性能維持手段4とを備えることを特徴とする。
そして、本発明の現像性能維持手段4の態様としては、図1(a)に示すように、現像性能維持手段4は、現像領域よりトナー担持体3の回転方向下流側にて、トナー担持体3と離間して配置され且つ現像ハウジング2に対して揺動可能に支持された導電性支持部材と、この導電性支持部材に植毛された導電性のブラシ繊維とを有し、前記ブラシ繊維がトナー担持体3の回転方向に沿って延びて当該ブラシ繊維の先端部位以外の部位がトナー担持体3に接触することでトナー担持体3上の残留トナーを除電可能とする固定ブラシ5と、この固定ブラシ5のブラシ繊維をトナー担持体3に接触させ且つブラシ繊維とトナー担持体3との間で予め決められた押圧力が維持されるように導電性支持部材を一方向にばね付勢する付勢部材と、前記現像バイアスの直流電界と同じ直流電界に交流電界が重畳された除電バイアスを固定ブラシ5に印加し、固定ブラシ5とトナー担持体3との間に除電バイアスの交流電界のみを作用させる除電バイアス印加手段6とを具備するものが挙げられる。
このような技術的手段において、トナー担持体3はトナーを担持できるものであればよく、像担持体1とは接触、非接触いずれの配置であってもよい。また、トナー担持体3としては弾性体であっても剛体であっても差し支えない。尚、トナー担持体3と像担持体1とは、対向する部位で互いに同方向(With方向)でも互いに反対方向(Against方向)でもよい。
更に、除電部材としての固定ブラシ5はトナー担持体3上の残留トナーを摺擦するようになっていればよく、通常、トナー担持体3の回転に伴って、ブラシ材(ブラシ繊維)が下流側に流れる方向になるように設置される。そして、本態様においては、固定ブラシ5に印加する除電バイアスに交流電界を重畳することで、トナー担持体3と固定ブラシ5との間でトナーの流動性が増し、除電効果が高まると共に、トナー担持体3からトナーを剥離し易くなる。したがって、トナー担持体3へのトナーの固着を防ぎ、フィルミングの発生を抑えることができる。尚、通常、固定ブラシ5とトナー担持体3との間の直流成分は、トナーへの影響を軽減する観点からゼロが好ましい。
通常、トナー担持体3上のトナーを除電してトナー担持体3上から剥離し易くする方式としては、特許文献1に記載される方式が知られている。この特許文献1には、導電性フィルム部材を用いて現像工程後のトナー担持体3上の残留トナーを除電するようにした方式が記されているが、導電性フィルム部材では除電するに際し接触するトナーがトナー担持体3上の残留トナーの表面近傍のみになり、残留トナー層の厚み方向に沿って均一に除電することは困難となる。
一方、除電部材として固定ブラシ5を設けた態様としては、例えば特許文献2あるいは特許文献3に記されている。これらの特許文献では、固定ブラシ5とトナー担持体3とを同電位に保つことが記されている。しかしながら、固定ブラシ5とトナー担持体3とを同電位にすることは、トナー担持体3上の残留トナーを固定ブラシ5によって機械的に摺擦する効果を与えているに過ぎず、トナーの帯電量を全体に亘って小さくすることができ難くなる。
本発明では、固定ブラシ5に除電バイアスとして交流成分を重畳することで、トナー担持体3上の残留トナーの極性に関係なく、均一に除電することが可能になり、残留トナーのトナー担持体3からの剥離を容易に行うことができるようになる。
また、本発明の現像性能維持手段4に関連する参考発明の態様としては、図1(b)に示すように、現像性能維持手段4は、現像領域よりトナー担持体3の回転方向下流側にてトナー担持体3に対向配置され且つ当該トナー担持体3上の残留トナーを除電可能な固定ブラシ5を具備し、固定ブラシ5は、ブラシ材(ブラシ繊維)の体積抵抗率が10Ω・cm以下であり、その線径をAmm、植毛密度をB本/cm 、線圧をCgf/mmとしたときに、A×B×Cの値が400以上3200以下になるように設定されるものが挙げられる。
このように、除電部材としての固定ブラシ5を選定することで、除電性能を長期に亘って維持することが可能になる。また、このような態様によれば、トナー担持体3に残留したトナーへの除電作用を効果的に行い、トナー担持体3上でのトナーフィルミングに起因する各種画像欠陥の発生を抑えることができるようになる。
更に、本発明の現像性能維持手段4としては、上述した本発明の態様において、固定ブラシ5として、ブラシ材の体積抵抗率が10Ω・cm以下であり、その線径をAmm、植毛密度をB本/cm 、線圧をCgf/mmとしたときに、A×B×Cの値が400以上3200以下になるように設定することが好ましく、この場合、除電性能が長期に亘って一層安定して実施されるようになる。
更にまた、本発明では、固定ブラシ5の上流側近傍には、当該固定ブラシ5によって摺擦されたトナーの飛散を防止するシール部材を設けることが好ましく、固定ブラシ5を使用することでトナー担持体3上の残留トナーを固定ブラシ5で掻き取るようになっても、シール部材によってトナーの飛散が抑止され、点状汚れ等の画像欠陥や機内汚染等の不具合発生を防止することができるようになる。
また、このときのシール部材としては、一端がトナー担持体3に接触するように設けられるシート状部材とすることが好ましく、これによれば、構成が簡略化され、薄型のシール部材が実現できるようになる。
更に、このようなシール部材は、トナー担持体3の回転方向と同方向にならって当該トナー担持体に接触していることが好ましい。
更に、本発明の現像性能維持手段4に関連する参考発明の態様としては、図2に示すように、現像性能維持手段4は、現像された画像の画像濃度情報を判別する判別手段7と、判別手段7によって前記画像濃度情報が設定基準値を超えたと判別されたときに、トナー担持体3と像担持体1との間にトナー担持体3上のトナーが像担持体1側へ吐き出される方向の吐き出し電界を印加するトナー吐出手段8とを具備するものが挙げられる。
この態様は、トナーへ加わる各種ストレスによってトナーの劣化が促進された場合には、トナー担持体3上のトナーを除電することでは対応が取れなくなり、トナー担持体3上に付着したトナーを像担持体1側へ吐き出すことで、トナー担持体3上をクリーンにしようとするもので、特に、トナーとして最近の高画質化の要請に適合する重合トナーを用いる場合に一層好適である。このような態様によれば、トナー劣化を把握して、トナー担持体3上のトナーを有効に除去することができ、劣化トナーによるかぶり等の画像欠陥の発生を抑えることができるようになる。
また、本態様においては、吐き出し効果を100%とする観点から、トナー担持体3は像担持体1と接触配置する方が好ましい。尚、トナー担持体3と像担持体1とは、対向する部位で互いに同方向(With方向)でも互いに反対方向(Against方向)でもよい。
更に、吐き出し電界としては、トナー担持体3と像担持体1とが接触配置のときは両者間に直流電界を印加すればよく、例えば交流電界を重畳するようにしても差し支えない。
そして、判別手段7としては、現像された画像の画像情報を判別するものであればよく、例えば像担持体1上の画像、像担持体1の画像が転写された後の画像等、いずれの画像でも差し支えない。
そして、本態様におけるトナーの吐き出しを有効に行う観点から、トナー吐出手段8は、少なくともトナー担持体3が1回転する時間は吐き出し電界を印加し続けることが好ましく、これによってトナー担持体3上の周面に付着したトナーを周面全域に亘って吐き出すことが確実にできるようになる。
また、判別手段7は、トナー吐出手段8によるトナー吐出工程を所定のサイクル数だけ行った後も前記画像濃度情報が設定基準値を下回らない場合にはトナー吐出工程を中止してトナー寿命と判断することが好ましく、これによれば、トナー吐き出しを行っても回復しない場合には、適切にトナー寿命を判断することができ、トナー吐き出しを無用に継続することがない。尚、トナー寿命と判断した場合には、例えばUI画面(User Interface)等に表示することで、トナー交換をユーザーに喚起するようにすればよい。
更に、判別手段7は、トナー劣化に対する早期の対応を行う観点から、像担持体1に形成されるパッチ画像の画像濃度を検出する濃度センサ9を有し、この濃度センサ9によって検出された画像濃度に基づいた画像濃度情報を判別するものであることが好ましい。このとき、濃度センサ9はパッチ画像の画像濃度を検出できればよく、光学的センサが用いられる。そして、パッチ画像の形成は、画像形成時に同時に行うようにしてもよいし、非画像形成時に行うようにしてもよい。画像形成時に行う場合には、画像形成領域外であればよく、例えばインターイメージに行うようにしてもよい。
更に、この態様における画像濃度情報としては、濃度センサ9によって検出された画像濃度そのものであってもよいし、例えば、少なくともトナー担持体3が1回転する以上の時間間隔を持って形成されるパッチ画像の画像濃度差を濃度センサ9にて検出したものを利用することも可能であり、前者では設定基準値として一義的に求めた画像濃度を用いるようにすればよく、一方、後者では画像濃度の時間的差分を用いるようにすればよい。
また、パッチ画像としては、プロセス方向の長さがトナー担持体3の1回転分に相当する長さ以下であることが好ましく、これによれば、トナー担持体3の回転によってトナー担持体3上のトナー付着量が異なるような態様においても有効にトナー劣化を判断することができるようになる。
そして、本発明は、上述した現像装置に限られるものではなく、これらの現像装置を用いた画像形成装置をも対象とするもので、その場合、静電潜像が担持される像担持体1と、この像担持体1上の静電潜像を現像する現像装置として上述の現像装置を備えるようにすればよい。
本発明の基本的構成によれば、像担持体に対向して開口し且つトナーが収容可能な現像ハウジングと、現像ハウジングの開口に面して配設され且つ表面にトナーが担持されるトナー担持体と、像担持体上の静電潜像をトナー担持体上のトナーにて現像するようにトナー担持体に対して直流電界を有する現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、トナー担持体と像担持体との対向部位である現像領域での現像性能を維持可能にする現像性能維持手段とを備えたので、長期に亘って現像性能を安定して維持することができる。
また、この現像性能維持手段として、固定ブラシを設け、この固定ブラシのブラシ繊維の先端部位以外の部位をトナー担持体に接触させ、固定ブラシとトナー担持体との間に交流電界のみが作用するように前記現像バイアスの直流電界と同じ直流電界に交流バイアスが重畳された除電バイアスを固定ブラシに印加するようにしたので、トナー担持体に残留したトナーへの除電作用が効果的に行われ、トナー担持体上でのトナーフィルミングを防ぎ、フィルミングに起因する各種画像欠陥の発生を抑えることができるようになる。
本発明によれば、上述した現像性能維持手段を備えた現像装置を提供することが可能になり、更に、これらの現像装置を用いた画像形成装置をも提供することが可能になる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図3は、本発明の基本的構成が適用された現像装置を含む画像形成装置の実施の形態1を示す。同図において、符号21は、矢印方向に回転し、表面に光導電層を含む感光体であり、この感光体21はコロトロン等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書込装置等の露光装置23によって静電潜像が形成される。この静電潜像は、感光体21の光の当たった部分の表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。また、現像装置30は、現像ハウジング31内に着色粒子であるトナーが収容され、現像ロール32にトナーを担持させ、この現像ロール32にバイアス電源25(図4参照)からの現像バイアスを印加することで、現像ロール32側を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、感光体21上の静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。更に、転写装置26は、例えば感光体21に接触配置される転写ロールにて構成され、図示外のバイアス電源によって感光体21上のトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスが印加されることで、感光体21上のトナー像を記録材27に転写させるようにしたものである。また、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置28によって除去される。
また、本実施の形態では、感光体21上のトナー像が転写された記録材27は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像が記録材27に定着される。定着装置50は、例えばヒートロール方式が採られ、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材27を通過させることによりトナー像が定着するようになっている。
本実施の形態における現像装置30は、図4に示すように、感光体21(図3参照)に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面して現像ロール32を配設し、現像ハウジング31の開口上縁には現像ロール32表面のトナー層を規制する層規制部材33を設けたものである。また、現像ハウジング31は、現像ハウジング31の一部で構成される仕切壁31aを境に、現像ロール32が収容される現像室34と、この現像室34の背後でトナーを収容するトナー室35とに分かれて構成されている。現像室34には、現像ロール32へ接触してトナーを現像ロール32へ供給すると共に現像ロール32上のトナーを剥離するトナー供給ロール36が設けられる一方、トナー室35には、収容されたトナーが撹拌されるアジテータ37を有し、このアジテータ37は、例えば回転体の一部に可撓性フィルムを付けたもので、トナー室35内のトナーを現像室34側へ掻き出すようにしたものである。
本実施の形態では、現像ロール32としては表面にゴム層が形成された弾性ロールであり、トナー供給ロール36としては、発泡ウレタンフォームロールを使用し、両者は所定のニップ域を形成するようになっており、また、互いにAgainst方向に回転するようになっている。更に、層規制部材33としてはりん青銅板を使用している。尚、これらの形状、材料等はこれに限定されるものではなく、使用するトナーに所定の帯電量、所定の層厚を形成できるものであれば他の形状、材料等を使用するようにしても差し支えない。
そして、特に本実施の形態における現像性能維持手段として、現像ロール32とトナー供給ロール36との対向部位より現像ロール32の回転方向上流側にて、導電性を有する固定ブラシ41が現像ロール32に接触、トナーを摺擦するように設けられている。尚、固定ブラシ41は、現像ロール32の軸方向に沿って少なくとも画像形成領域を超える長さで設けられている。また、この固定ブラシ41には、バイアス電源42が接続され、固定ブラシ41と現像ロール32との間に少なくとも交流電界が印加される除電バイアスが加わるようになっている。
更に、本実施の形態では、固定ブラシ41の上流側で現像ロール32に接触する位置には、固定ブラシ41によって現像ロール32から掻き取られたトナーが感光体21(図3参照)上の画像に付着してかぶり等の画像欠陥を発生させたり、画像形成装置内の他の部位を汚すこと(機内汚染)等がないように、トナーの飛散を防ぐシール部材44が設けられている。
このシール部材44は、現像ハウジング31の内壁の一端側に固着された弾性部材43にその一端側が接着され、他端側が現像ロール32に接触するシート状部材からなり、固定ブラシ41よりも現像ロール32の軸方向に長く設定されている。そのため、固定ブラシ41からのトナー飛散を有効に防ぐことができる。
次に、本実施の形態における画像形成装置の作動を、現像装置30を中心に説明する。
図4において、トナー室35からアジテータ37によって掻き出されたトナーは、現像室34内に導かれる。現像室34ではトナー供給ロール36によって現像ロール32にトナーが供給されると共に、供給時の摩擦によってトナーは帯電される。現像ロール32上で帯電されたトナーは、層規制部材33によって所定のトナー層厚に規制されると共に、ここでも摩擦帯電が行われるようになる。
その後、感光体21と現像ロール32との対向領域の現像領域で現像が行われ、現像後の現像ロール32上には、現像によってトナーが消費された部位(静電潜像の画像領域に相当する部位)とトナーが消費されなかった部位(静電潜像の非画像領域に相当する部位)とが混在した状態の残留トナーが残る。
このような現像後の現像ロール32に対し、固定ブラシ41が摺擦することで、一部のトナーは掻き落とされると共にバイアス電源42による除電バイアスがトナー層全体に亘って有効に作用し、残留トナーの帯電電荷をほぼゼロにすることができるようになる。
その後、現像ロール32とトナー供給ロール36との接触開始点近傍にて、トナー供給ロール36の摺擦力によって除電された残留トナーは容易に現像ロール32から剥離されるようになる。そのため、続くトナー供給工程では、新たに均一なトナーが供給されるようになる。
ここで、トナーとして負帯電トナーを使用したときの現像ロール32上のトナーの除電効果について説明する。
本実施の形態では、図5(a)に示すように、現像ロール32上に付着しているトナーは主として鏡像力によって付着し、現像ロール32表面とトナーとの界面では、トナー側にマイナス、現像ロール32側をプラスにする静電吸引力が作用し、トナーが現像ロール32側に保持されている。
そして、固定ブラシ41によって除電されると、(b)に示すように、トナーの電荷が中和され、トナーの良好な除電がなされるようになる。更に、本実施の形態では、現像ロール32と固定ブラシ41との間に交流電界を印加したことから、現像ロール32表面からトナーが移動し易くなり、この点からトナー層全体に亘る除電効果が一層良好に発揮されるようになる。
また、このような作用を等価回路で示すと図6(a)(b)のようになる。すなわち、現像ロール32とトナーとの対向部位で静電引力によって現像ロール32側に吸引されていたトナーが、固定ブラシ41による除電が行われた後には電荷がほぼゼロになり、現像ロール32から容易にトナーを引き剥がすことができるようになる。
次に、本発明の効果を確認するため、本実施の形態と異なる態様(比較の形態)として、除電部材をシート部材とした例について説明する。図7は、比較の形態の現像装置30を示すもので、本実施の形態の現像装置30と略同様に構成されるが、この形態では現像ロール32の下方に除電部材として導電性のシート部材49が現像ロール32に接するように設けられ、現像ハウジング31に固着された弾性部材48に接着固定されている。そのため、現像ロール32に対してシート部材49が弾性付勢されるようになっている。そして、このシート部材49は現像ロール32と電気的に接続され、同電位になるようになっている。
このような構成においては、図8(a)に示すように、現像ロール32とトナーとの間の鏡像力によって現像ロール32側に吸引されたトナーは、(b)のようにシート部材49が接触しても単にシート部材49と現像ロール32とが同電位であり、また、シート部材49によってトナーは現像ロール32側へ機械的に押しやられる力を帯びることから、シート部材49による除電効果はトナー層全体に亘って有効に作用し難くなり、現像ロール32とトナーとの界面では静電引力が低減されないようになる。そのため、現像ロール32からトナーを剥離させることが困難になる。尚、シート部材49を例えばフローティングするようにすると、却ってシート部材49とトナーとの摩擦によりトナーに電荷を付与し易くなることは云うまでもない。
以上のように、本実施の形態では、現像性能維持手段として、固定ブラシを使用し、除電バイアスとして交流電界を加えるようにしたので、現像ロール32から残留トナーを掻き落とすことが容易になり、現像領域へ供給されるトナーの帯電量やトナー量が安定し、トナーのフィルミング等の発生が抑制され、かぶり等の画像欠陥を防ぐことができるようになる。また、現像履歴もなく、ゴーストの発生も防ぐことができるようになる。
また、本実施の形態では、使用するトナーを1色としたモノクロ用画像形成装置を説明したが、本実施の形態の現像性能維持手段を複数のカラートナーを用いるカラー用画像形成装置に適用することが可能であることは云うまでもない。
更に、図9は、本実施の形態における固定ブラシ41の取り付け構造に対し本発明が適用された構成例を示すもので、実施の形態では固定ブラシ41が現像ハウジング31にその一端を固定されていたのに対し、この変形例では固定ブラシ41をばね付勢することで、現像ロール32に対し安定した押圧力が維持されるようになっている。すなわち、この変形例における固定ブラシ41は、導電性支持部411に植毛されたブラシ材(ブラシ繊維)412が現像ロール32に接触しており、導電性支持部411から延びた固定アーム414の一端側にはスプリング415が取り付けられている。そして、導電性支持部411に設けられた軸413をピボットとして、スプリング415によるばね付勢力によって、ブラシ材412が所定の押圧力で現像ロール32側に付勢されるようになっている。
このように、所定の押圧力で現像ロール32に接するようにすることで、固定ブラシ41による一層安定した除電効果が得られるようになる。尚、この本例においても、導電性支持部411は図示外のバイアス電源に接続されて固定ブラシ41と現像ロール32との間に除電バイアスが加わるようになっていることは云うまでもない。
◎実施の形態2
図10は、本発明に関連する参考発明が適用された現像装置30の実施の形態2を示す概要図である。同図において、本実施の形態は、実施の形態1の現像装置30と異なり、感光体21側に形成するパッチ画像による画像濃度情報を基に、現像ロール32上のトナーを吐き出すようにしたものである。尚、本実施の形態における画像形成装置は実施の形態1と同様の構成のため、ここでは省略し、また、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施の形態における現像性能維持手段としては次のように構成される。先ず、感光体21の現像領域(感光体21と現像ロール32との対向領域)より下流側に対向して配設される濃度センサ61を有し、この濃度センサ61によって感光体21上にて現像された後のパッチ画像の画像濃度を検出するようになっている。
また、現像ロール32側には、感光体21との間に現像電界を印加可能なバイアス電源25と、現像ロール32上のトナーを感光体21側に吐き出す吐き出し電界が印加可能なバイアス電源63とが設けられ、この両方のバイアス電源25,63の間で現像ロール32との接続を切り替える切替器62が設けられている。
更に、本実施の形態では、濃度センサ61からの信号に基づいて切替器62を切り替えるように制御する制御装置60が設けられている。
尚、本実施の形態では、現像ロール32と感光体21とは接触配置されており、バイアス電源63によるトナーの吐き出し電界としては、現像電界と同様の電界を加えることでよいが、吐き出し電界は現像ロール32が1回転する時間を少し超える程度の印加時間としていることから、別のバイアス電源を備えるようにしている。
次に、本実施の形態における制御装置60での制御フローについて、図11を基に説明する。
本実施の形態では、予め決められた時期、例えばウォーミングアップ時や所定の出力枚数毎等に、この制御フローを行うようになっている。制御フローがスタートすると、感光体21上にパッチ画像の形成動作が行われ、現像されたパッチ画像の画像濃度を濃度センサ61によって測定する(ステップS1)。そして、画像濃度を予め決められた設定値と比較し、濃度がこの設定値以上であれば、切替器62によってバイアス電源の切替を行い、吐き出し電界を印加するようにする(ステップS2,S3)。このとき、設定値としては、トナー劣化が進行したときに現像されるトナー付着量を基に決められる。
また、濃度が設定値を超えない場合にはトナー吐き出しを行わずに制御フローを終了する。
吐き出し電界が印加された場合には、所定の吐き出し時間(現像ロール32が1回転する時間以上で設定されている)が経過するまで現像ロール32上のトナーを感光体21側に吐き出し続け、所定の時間が経過すると吐き出しを終えて、サイクルカウントを行いサイクルカウント数が所定の回数に達しているかどうか判断する(ステップS4,S5)。このとき、サイクルカウント数が所定の回数に達しない場合には、ステップS1の濃度測定からもう一度行い、1回のトナー吐き出しで劣化トナーが除去された場合には濃度が小さくなって終了するが、濃度が設定値を下回らない場合には、再度吐き出しを繰り返す。そして、この吐き出しサイクルが所定の回数行われた場合には、ステップS1とは異なるステップでの濃度測定を行い、測定結果が設定値を下回らない場合にはトナー寿命と判断し、例えばトナーの交換をユーザーに喚起するようにUI画面に表示する(ステップS5〜S8)。尚、このとき、濃度が設定値未満であれば制御フローを終了する。
また、このようなフローにおいて、トナー吐き出しを行った後の現像ロール32は複数回空回転させるようにすれば、現像ロール32上のトナーの性状が均一化されるため、一層正確な濃度の確認がなされる。
以上のように、本実施の形態ではトナーに対する各種の摺擦等のストレスが加わることでトナー劣化が進行し、トナーの流動性が悪くなり、これによって現像ロール32上に供給されるトナー量が増加し、結果的に現像量が増える現象を捉えようとするものであり、現像ロール32上で劣化したトナーを感光体21側に吐き出すことで現像ロール32上を清浄化し、新たに劣化の進んでいないトナーと入れ替えるようにしたものである。
このような作用について、更に、図12(a)(b)を用いて説明する。同図は、現像領域(現像ニップ)通過前、現像ニップ通過後、層形成ニップ(層規制部材33によって形成されるニップ)通過後の現像ロール32上のトナーの様子を示したもので、(a)は劣化のない通常状態のトナーの場合であり、(b)は劣化したトナーの場合である。
劣化のない通常トナー(未劣化トナー)の場合には、現像ニップ通過前(直前の層形成ニップ通過後に等しい)には、トナーの薄層が現像ロール32上に形成され、このトナーの薄層が現像にて消費されることから、再度層形成ニップを通過した後には元のようなトナー薄層が従前同様に形成される。
一方、劣化トナーの場合には、トナーの外添剤の埋まり込み等によって流動性が悪くなったトナーは、どちらかというと互いに重なり易くなり、層形成ニップ通過後のトナーは現像ロール32上で重なり合った状態に推移する。そして、現像領域ではほぼ全量のトナーが感光体21側に飛翔し現像がなされる。ところが再度層形成ニップを通過した後には、トナー自体の劣化度合いによって従前と同じトナー搬送量であってもトナーがどちらかというと三次元的に付着し易く、現像ロール32上のトナー層はむら状に付着するようになる。このとき、現像ロールが1周する程度では(b)で示した現像ニップ通過前のような状態にはならず、徐々にトナー付着量が増えるようになる。
このような劣化トナーの状態でベタ画像を形成したときの例を示すと、図13のようになる。この例は、現像ロール32を複数回回転させた場合のベタ画像の推移(この例では4回転)を示したもので、現像ロール32の1周目では、均一なトナー層で現像されるため、画像むらのないベタ画像が形成される。次に、現像によってトナー層がなくなった所(この例ではベタ黒を出力したため、このエリアは全てトナー層がなくなっている)には層規制部材33による層規制が行われるが、図12(b)に示したように、現像ロール32上にはむらのあるトナー層しか形成できないため、2周目に出力されるベタ画像はトナー層のむらが反映された画像となる。その後、更にこのベタ黒出力の影響により、出力される画像は徐々にひどくなる。
しかしながら、本実施の形態では、劣化トナーを現像ロール32から除去して劣化していないトナーに入れ替えることで、現像性能が維持されるようになる。尚、現像ロール32から感光体21へ吐き出されたトナーは、感光体21側のクリーニング装置28(図3参照)によって回収除去される。
次に、トナーの吐き出し電界について説明する。図14は、本実施の形態における具体的な吐き出し電界の値を求めるためのグラフである。このグラフによれば、現像ロール32に印加される現像電位(バイアス電源25によって印加される)を上昇させていくと、現像ロール32から感光体21側へ飛翔するトナーの量(現像量)は徐々に増加し、ある飽和値に収斂していく。この飽和値は、現像ロール32上のトナー搬送量と現像ロール32と感光体21の周速比の積によって求まるもので、吐き出し時にこの飽和値のトナー量を吐き出すことができる条件を現像ロール32に加えることで、現像ロール32上から劣化トナーを全量吐き出すことが可能になる。本例では、現像電位としてV1点より大きい電位が加わるように吐き出し電界を定めればよい。
また、本実施の形態では、トナーを吐き出す際の制御フローとして、図11に示す制御フローを示したが、次の制御フローを行うようにしてもよい。
図15は、測定される濃度の差を基に、トナーの劣化を判断しようとした場合の制御フローを示す。この制御フローでは、トナー劣化を所定の現像間隔での画像濃度によって検出しようとしたもので、特に急なトナー劣化が生じたような場合に有効になる。
制御フローがスタートすると、感光体21上にパッチ画像の形成動作が行われ、現像されたパッチ画像の画像濃度を濃度センサ61によって測定し、測定値(A)として記憶する(ステップS11)。次に、所定の時間経過した後、再度パッチ画像を形成し、画像濃度を測定する。この測定値(B)と前回の測定値(A)との差を比較し、B−Aが設定値以上かどうかの判定を行う(ステップS12〜S14)。
尚、所定の時間とは、現像ロール32の1回転以上の時間を意味し、適宜選定するようにすればよい。
そして、B−Aが設定値以上であれば、切替器62によってバイアス電源の切替を行い、吐き出し電界を印加するようにする(ステップS15)。このとき、設定値としては、トナー劣化が進行したときに現像されるトナー付着量を基に決められる。また、B−Aの値が設定値を超えない場合にはトナー吐き出しを行わずに制御フローを終了する。
吐き出し電界が印加された場合には、所定の吐き出し時間(現像ロール32が1回転する時間以上で設定されている)が経過するまで現像ロール32上のトナーを感光体21側に吐き出し続け、所定の時間が経過すると吐き出しを終えて、濃度測定を実施する(ステップS16,S17)。
ここで測定された濃度が設定値以上かどうかを判定し、設定値未満であれば制御フローを終了し、設定値以上であれば、吐き出しサイクルを1カウントアップした後、再度、ステップS15のバイアス切替から行う(ステップS18,S19)。
また、このように吐き出しサイクルを所定の回数行っても濃度が下がらない場合には、トナー寿命と判定し、例えばトナーの交換をユーザーに喚起するようにUI画面に表示する(ステップS20)。
尚、上述の設定値もトナー劣化が進行したときに現像されるトナー付着量を基に決められる。
このような制御フローを行うことでも、劣化したトナーの判定を行うことができ、有効に現像ロール32からトナーを除去することができるようになる。そのため、画像むら、かぶり等の画像欠陥の発生を有効に抑止することができる。
特に、このような制御フローは、例えば濃度センサ61の出力値が環境変動等により実際の画像濃度に対して多少低めにシフトし、実際には設定値以上ある濃度を適正濃度と判定するような場合でも、トナーが劣化していれば、現像ロール32の1周目以降のトナー搬送量の回復が遅れることから、最初と最後のパッチ画像では濃度差が生じるようになり、この濃度差を検出することでトナー劣化を判断することができるようになる。
更に、本実施の形態のトナー吐き出しをトナーが若干劣化したときに行うようにすれば、出力される画像での画像むらやかぶり等の画像欠陥の発生を抑制することができるようになる。また、トナー吐き出しを行った後にパッチ画像の濃度を測定するようにしてよい。
そして、本実施の形態においても、トナーが1色の例を示したが、複数色のカラー用画像形成装置に適用できることは云うまでもない。
◎実施例1
本実施例は、実施の形態1の現像装置の構成において、固定ブラシを図9に示すように均一な押圧力が加わるようにして、固定ブラシを含む各種除電部材の除電性能を評価検討したものである。
本実施例では、現像ロールはφ8mmの金属製シャフト上にカーボンブラックにて体積抵抗率を10Ω・cmに調整した4mm厚のゴム層(シリコーンゴム層)が巻かれた弾性ロール、現像ロールと除電部材間には400Vppの交流成分を印加した。更に、感光体の周速は200mm/s、現像ロールと感光体とは互いに接触し、With方向に回転しながら、速度比1.5(現像ロールの方が速い)、トナー供給ロールはウレタンフォームロールを使用し、現像ロールとのニップ幅が8mmになるように押圧し、互いにAgainst回転で、速度比0.8(トナー供給ロールの周速は現像ロールの0.8倍)になるように調整した。
また、評価した各種除電部材としては、フッ素系樹脂シート(表面粗さや体積抵抗率を変化させたもの)、ステンレス繊維製のSUSブラシ、ナイロンブラシ、アクリルブラシを使用した。更に、これらのブラシでは、ブラシ材の線径、植毛密度、ブラシ長さ、当接線圧(現像ロールに接する圧力)を因子とした。尚、ブラシ長さは、ブラシ材の接触部位までの長さをいう。
そして、本実施例での評価は、A4判用紙をタテ通しにて、画像面積率5%の画像としたものを20000枚まで連続して出力し、出力画像でのかぶりの発生状況や現像ロール上のフィルミングの発生を目視確認した。評価基準は、レベル0からレベル3の4段階評価とし、レベル0は欠陥なし、レベル1はやや欠陥あるが問題外のレベル、レベル2は欠陥が確認されるが実用上問題とならないレベル、レベル3は欠陥が目立ち許容限界を超えるものとした。したがって、レベル3が明確にNGとなる。
結果は、図16及び図17に示すように、除電部材を設けない場合や、フッ素系樹脂シートとした場合には、いずれも20000枚までの出力に耐えられず、フィルミングやかぶりの劣化が発生した。これらの結果から、次の点が確認された。
除電部材を設けない場合に比べ、フッ素系樹脂シートを使用することでフィルミングやかぶりに対する寿命を延ばすことができ、更に、固定ブラシを使用することで、フッ素系樹脂シートを使用する場合に比べ、2倍以上長寿命化がなされることが判明した。
また、フッ素系樹脂シートでは、表面を粗くする(算術平均粗さRaを13μm)ことでフィルミングやかぶりに対する改善効果は見受けられたが、10000枚で却ってスジが発生するようになる。このことから、滑らかなシート状部材ではトナーの電荷を中和するような電荷をトナーの表面から付与するだけであって、トナーの現像ロールへの付着力が弱くなるものの少し残ってしまうようになる。一方、この除電部材にある程度の凹凸があると、現像ロール上のトナーが回転したり滑ったりしてかき乱され、実際のトナー上の摩擦帯電部分が除電部材に接触することで中和され、現像ロール表面の誘導電荷もトナーが離れることで中和されるようになることが理解される。しかしながら、除電部材の凹凸が粗すぎると画像へのスジ等の欠陥が発生するようにもなり、適切な表面粗さが必要であることが窺える。
一方、固定ブラシの場合には、ブラシ材が現像ロールに当接する部分と隙間部分とを作るために、現像ロール上のトナーをかき乱す効果があるものと推定される。
また、通常、除電部材にランダムな凹凸がある場合には、その表面にトナーが徐々に捕捉されて次第に除電効果が弱くなるが、現像ロールの回転方向に揃ったブラシの場合にはブラシ材表面にトナーが捉えられず除電効果が弱くなり難い。
更に、本実施例では、固定ブラシを使用しても良好な結果が得られない場合があり、これらの内容から、固定ブラシとしても使用可能な範囲があることが確認された。
それは、ブラシ繊維の体積抵抗率が10Ω・cm以下であり、線径をDmm、植毛密度をE本/cm 、線圧をFgf/mmとしたときに、D×E×Fの値に着目すると、この値が400〜3200の範囲にあれば、フィルミングやかぶりが良好になることが確認された。
このことは、体積抵抗率が高すぎると、有効な除電電界を加えることができず、除電性能が十分発揮できないことが想定される。また、ブラシ材の線径、植毛密度、線圧は、ブラシ材がトナーに接触する際の状態に関係し、これらの積が所定の範囲になるように適宜選定することで、トナーへの接触状態が良好になり、例えば線径が太すぎたり、植毛密度が高すぎたり、線圧が大きすぎたりすると、現像ロール上のトナーに対するブラシ材の当たり具合が強くなりすぎ、トナーへのストレスが増加することで、トナー劣化が促進されてフィルミングやかぶりが発生するようになるものと推定された。
また、本実施例では、用いたトナーは負帯電トナーであり、そのイオン化ポテンシャルは5.1eV、これに対しSUSブラシは4.4eVとなっており、トナーをSUSブラシで摩擦することでトナーが更に負帯電する方向になるが、体積抵抗率が10Ω・cm以下と低い場合には、それほど大きな電荷付与効果(摩擦帯電効果)もなく、除電効果の方が大きくなるものと考えられた。
◎実施例2
本実施例は、実施の形態2の現像装置の構成にて、トナー劣化に起因する各種ニップ間のストレスを比較検討したものである。
検討に使用した装置では、現像ロールとしてφ8mmのSUSシャフトにカーボンブラック等にて体積抵抗率を10Ω・cmに調整したシリコーンゴム層の弾性層を4mm厚で形成し、更に最表面層として厚さ20μmのNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)コート層を設けた弾性ロールを使用した。このときの弾性層としては、表面のマイクロゴム硬度(高分子計器製MD−1硬度計を使用して測定)が20度と低いものを使用し、トナー割れ等の不具合が発生することを防ぐようにした。尚、マイクロゴム硬度は、測定時の押針径が0.16mmであり、この押針を一定変位(0.5mm)させ、そのときの押針に加わる応力から試料のゴム硬度を算出したものであり、トナー割れを防ぐ観点から60度以下が好ましい。
また、トナー供給ロールは、φ16mmのウレタンフォームロールを用い、現像ロールとはAgainst方向に回転させ、現像ロールに対する相対速度比を1.82とし、現像ロールに対し食い込み量が1.4mmとなるように設定した。更に、層規制部材は、りん青銅板を使用し、現像ロールに対し線圧が30gf/cmとなるように当接させている。このときの相対速度比は1となる。更にまた、感光体は、φ50のOPC感光体を用い、現像ロールが食い込み量200μmとなるように設定した。また、感光体の周速は100mm/s、現像ロールの周速は150mm/sで、With構成にしているため、感光体の相対速度比は0.33となる。
このような条件下で、層規制部材と現像ロール間、現像ロールとトナー供給ロール間、現像ロールと感光体間の夫々のニップ間に、幅1cm、厚さ75μmの短冊状のSUS板を挿入し、これを定速(1.3cm/s)で引き抜くときの引っ張り荷重を測定した。この引っ張り荷重は、ニップでの線圧と材料特性(滑りにくさ)を代用しており、相対速度比は部材間のせん断力の代用である。そのため、これらにニップ幅を乗ずることで、ニップ内で実際にトナーが受けるストレス量を表しているものと推定される。
本実施例での結果は、図18に示すようになった。この結果から、トナーの受けるストレスの大半は現像ロールとトナー供給ロールとのニップによるものであり、このニップ域でのストレス低減を図ることで、トナー劣化を抑制することが可能になるが、その他のニップ域でのストレス低減はトナーの劣化に対し、さほど効果が期待されないことが理解された。
◎実施例3
本実施例は、上述した実施例2の現像装置の構成にて、実施の形態2のトナー吐き出しサイクルを適用させたシステム(システムA)と適用させないシステム(システムB)の双方にて、画像面積率5%の画像を連続出力し、600枚毎にベタ画像チャートと総合チャートを出力することで、このチャート出力からベタ画像の画像むら、かぶり(背景かぶり)について評価確認したものである。尚、ベタ画像はベタ画像全域を対象に評価し、かぶりは総合チャートの背景部についてかぶり状況を確認した。
使用したトナーは、乳化重合法によるスチレンアクリル樹脂系の粒径5.8μmとした。
そして、システムAにおけるトナー吐き出しサイクルは、出力500枚毎に行い、1回の吐き出し時間は現像ロールの1回転分とし、トナー吐き出しを行った後に現像ロールを10周分空回転させてトナー搬送量を安定させるようにした。そして、トナー搬送量が安定した後、パッチ画像の濃度測定を行うようにし、画像濃度が基準値(設定値)を下回らない場合には、このトナー吐き出しサイクルを繰り返した。
本構成での適正トナー搬送量は0.38〜0.45mg/cmであり、この範囲内でのパッチ画像の濃度を確認のために一旦用紙上に出力してX−Rite社製反射濃度計X−Rite404にて測定すると、1.35〜1.48となった。尚、実際のシステムでは、感光体上のパッチ画像はそのまま濃度測定が行われ、クリーナで回収されることは云うまでもない。
評価基準は、ベタ画像の画像むら、背景かぶり共に、目視にて評価を行い夫々G1〜G3までグレード付けした。このとき数値の小さい方がよいことを示す。
結果は、図19〜21に示す。
図19は、両システムにおける実際のトナー搬送量を測定した結果で、トナー吐き出しサイクルを実施したシステムAでは6000PV(Print Volume)までほぼ最適値の0.4mg/cmを維持することが確認されたが、トナー吐き出しのないシステムBでは出力枚数を重ねるにつれトナー搬送量が徐々に多くなった。このことから、トナー吐き出しによってトナー劣化が生じても安定したトナー搬送量を維持することができることが分かる。
図20は、両システムにおけるベタ画像の画像むらの評価結果であり、システムAでは6000PVまで画像むらが少なく、そのレベルも一定に推移しているのに対し、トナー吐き出しのないシステムBでは、600PVで既に許容限界に至り、その後も急激に劣化することが判明した。
また、図21は、両システムにおけるかぶりの評価結果であり、システムAでは画像むら同様6000PVまではかぶりも少なく、そのレベルも一定に維持されるのに対し、システムBでは、2400PVでは許容限界に至り、4200PVでは許容限界を超えるようになった。
本実施例の結果によれば、トナー吐き出しの有効性が確認され、トナー吐き出しを行うことで、ベタ画像の画像むらやかぶりについて大きく改善されることが理解された。
更に、本実施例については、層規制部材のニップ域でのトナー固着(層規制部材へのトナー固着)によって発生する画像スジについても確認したが、両システム共に画像スジの発生は確認されなかった。このことは、上述した現像装置の構成において、層規制部材の線圧条件等が適正に選定されていることによるものと推定された。
(a)は本発明に係る現像装置の概要を示す説明図であり、(b)は本発明に関連する参考発明に係る現像装置の概要を示す。 本発明に関連する参考発明に係る現像装置の概要を示す説明図である。 本発明の基本的構成が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。 実施の形態1の現像装置を示す説明図である。 (a)(b)は固定ブラシの作用を示す説明図である。 (a)(b)は図5の等価回路を示す説明図である。 実施の形態1の比較の形態としての現像装置を示す説明図である。 (a)(b)は比較の形態の作用を示す説明図である。 実施の形態1の固定ブラシに対し本発明が適用された構成例を示す説明図である。 実施の形態2に係る現像装置の概要を示す説明図である。 実施の形態2の制御フローを示すフローチャートである。 (a)(b)はトナーの劣化具合による現像ロール上のトナーの挙動を示す説明図である。 劣化トナーでのベタ画像の画像むらを示す説明図である。 吐き出し電界の設定値を示す説明図である。 実施の形態2の制御フローの変形例を示すフローチャートである。 実施例1の結果を示す表である。 実施例1の残りの結果を示す表である。 実施例2の結果を示すグラフである。 実施例3のトナー搬送量を示すグラフである。 実施例3のベタ画像の画像むらを示すグラフである。 実施例3のかぶりを示すグラフである。
符号の説明
1…像担持体,2…現像ハウジング,3…トナー担持体,4…現像性能維持手段,5…固定ブラシ,6…除電バイアス印加手段,7…判別手段,8…トナー吐出手段,9…濃度センサ

Claims (6)

  1. 静電潜像が担持される像担持体に対向して開口し且つトナーが収容可能な現像ハウジングと、
    現像ハウジングの開口に面して配設され且つ表面にトナーが担持される回動自在なトナー担持体と、
    像担持体上の静電潜像をトナー担持体上のトナーにて現像するようにトナー担持体に対して直流電界を有する現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段と、
    トナー担持体と像担持体との対向部位である現像領域での現像性能を維持可能にする現像性能維持手段とを備え、
    現像性能維持手段は、
    現像領域よりトナー担持体の回転方向下流側にて、トナー担持体と離間して配置され且つ現像ハウジングに対して揺動可能に支持された導電性支持部材と、この導電性支持部材に植毛された導電性のブラシ繊維とを有し、前記ブラシ繊維がトナー担持体の回転方向に沿って延びて当該ブラシ繊維の先端部位以外の部位がトナー担持体に接触することで前記トナー担持体上の残留トナーを除電可能とする固定ブラシと、
    この固定ブラシのブラシ繊維をトナー担持体に接触させ且つブラシ繊維とトナー担持体との間で予め決められた押圧力が維持されるように導電性支持部材を一方向にばね付勢する付勢部材と、
    前記現像バイアスの直流電界と同じ直流電界に交流電界が重畳された除電バイアスを固定ブラシに印加し、固定ブラシとトナー担持体との間に除電バイアスの交流電界のみを作用させる除電バイアス印加手段とを具備することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、
    固定ブラシは、ブラシ繊維の体積抵抗率が10Ω・cm以下であり、その線径をAmm、植毛密度をB本/cm 、線圧をCgf/mmとしたときに、A×B×Cの値が400以上3200以下になるように設定されていることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2記載の現像装置において、
    固定ブラシの上流側近傍には、当該固定ブラシによって摺擦されたトナーの飛散を防止するシール部材が設けられることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項3記載の現像装置において、
    シール部材は、一端がトナー担持体に接触するように設けられるシート状部材であることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項4記載の現像装置において、
    シール部材は、トナー担持体の回転方向と同方向にならって当該トナー担持体に接触していることを特徴とする現像装置。
  6. 静電潜像が担持される像担持体と、
    この像担持体上の静電潜像を現像する請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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