以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
第1の実施形態
図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1に、本発明の第1の実施形態における画像形成装置100の概略構成を示す。
本実施形態の画像形成装置100は、像担持体としての電子写真感光体の被露光部に現像剤(トナー)を付着させて可視化する反転現像系であり、負帯電トナーを担持した現像剤担持体を像担持体に当接させて現像を行う一成分画像形成装置である。正帯電性トナーを用いる場合には、各部材に印加される電圧によって形成される電界の方向を逆にすることで適宜使用可能である。
本実施形態にて、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1は、矢印x方向に回転可能である。感光ドラム1は、一次帯電器(帯電装置)である帯電ローラ2により、表面が負極性に一様帯電される。そして、感光ドラム1の回転に伴って、一様に帯電された表面は露光器(露光装置)3により露光される。被露光部の電荷が消失することで、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。
感光ドラム1上の静電潜像の被露光部には、現像器(現像装置)4に収容した現像剤Tとしてのトナーを転移させ、静電潜像を可視像化する。本実施形態にて、現像剤Tとしては、非磁性一成分トナーを用いる。トナーの帯電極性は負極性とされる。また、本実施形態は、被露光部にトナーを転移させる、所謂、反転現像系である。
感光ドラム1上に転移したトナーは、転写帯電器(転写装置)としての転写ローラ5により転写材Pに転移される。転写されずに感光ドラム1上に残ったトナーは、クリーニング装置6により感光ドラム1上より除去される。
転写材P上のトナーは、定着器(定着装置)7により熱溶融され転写材P上に固着し、永久画像となる。
現像器4は、現像剤担持体としての現像ローラ8、現像ローラ8にトナーを供給する供給ローラ12、現像ローラ8上の現像剤量(トナー量)を規制する現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード9、供給ローラ12側にトナーを搬送する撹拌部材13を備える。現像剤規制ブレード9は、支持部材9aと当接部材9bとを有している。
現像ローラ8は、駆動装置としてのモータ15により矢印y方向に回転可能である。現像ローラ8は、感光ドラム1表面に当接して現像を行う、所謂、接触現像であることから、現像ローラ8は、ゴム等の弾性を有することが望ましい。現像ローラ8には、現像バイアス電源10から、本実施形態においては約−300Vの電圧が供給される。感光ドラム1上の被露光部電位と現像バイアス電源10から供給される電位差により現像ローラ8上のトナーが感光ドラム1上の被露光部に転移する。
現像剤規制ブレード9は、支持部材9aとしての金属薄板と、実際にトナーに当接する当接部材9bとしての半導電ゴムとを有しており、薄板のバネ弾性を利用して当接圧力を形成し、当接部材9bがトナー及び現像ローラ8に接触当接される。金属薄板の材質は、ステンレス鋼、リン青銅等が使用可能であるが、本実施形態においては、厚さ0.1mmのリン青銅薄板を用いた。トナーTは、現像剤規制ブレード9及び現像ローラ8との摺擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。現像剤規制ブレード9の支持部材9aには、ブレードバイアス電源11から所定電圧が供給される。117は電圧印加装置である電源であり、現像バイアス電源10とブレードバイアス電源11とを備える。
制御回路(制御装置)14により、現像ローラ8の回転駆動の制御、並びに、電圧印加装置としての現像バイアス電源10及びブレードバイアス電源11の電圧値等の制御などを行う。
ブレードバイアス電源11は、現像剤規制ブレード9の支持部材9aを介して当接部材9b表面に電圧を供給する。現像バイアス電源10は、現像ローラ8に電圧を供給する。これによって、トナーが介在する現像剤規制ブレード9の当接部材9b表面と現像ローラ8表面との間で電界を形成することになる。
先に、図13を参照して説明した従来例の画像形成装置においては、現像剤規制ブレード104としてトナーと接触する部分の材質としては、導電性のゴムや樹脂、又は、ステンレスやリン青銅等の金属が用いられている。
本実施形態においては、現像剤規制ブレード9は、特に、当接部材9bの材質として、電子導電材料を有する半導電性のゴム若しくは樹脂を用い、抵抗値を以下の範囲にすることを特徴としている。当該材料を用いた現像剤規制ブレードは、印加される電圧により抵抗値が変化する。
例えば、ブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差が10Vでは現像剤規制ブレード9(即ち、当接部材9b)の抵抗値が2×108Ω以上を有する。また、該電位差が100V以上、少なくとも100V〜400Vの一部の領域では現像剤規制ブレード9(即ち、当接部材9b)の抵抗値が1×108Ω以下の抵抗値を有することを特徴とする。即ち、ブレードバイアスと現像ローラバイアスとの電位差を変化させることにより、現像剤規制ブレードの抵抗値は、の抵抗値が2×108Ω以上又は1×108Ω以下をとり得ることになる。
なお本明細書にて、「ブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差が10V」という場合、ブレードバイアスが現像ローラバイアスより現像剤(トナー)の帯電極性側に10V大きくされた時の「ブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差」を意味する。
形成される画像に関する画像情報を判断し、ブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差を変化させ、適切なトナー量としている。このようにトナー量を制御することで文字つぶれ、白飛びといった画像不良を防止し、長期にわたって安定した画像形成を行うことが可能となる。
図2に、本実施形態に使用する現像剤規制ブレード9(当接部材9b)の抵抗特性例を示す。ここで、X軸は現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間の電位差を、Y軸には現像剤規制ブレード9(当接部材9b)の抵抗値をとっている。抵抗値の測定方法については後述する。
図3に、ブレードバイアスに対する現像ローラ8に担持される単位面積当たりのトナー量(以下、「M/A」という。)を示す。ここで、黒丸は、本発明に該当する現像剤規制ブレード9で行った場合である。白四角は、現像剤規制ブレードの抵抗値が高い場合、白△は、表面がリン青銅のままである金属ブレードを用いた場合、×印は、表面が導電ゴムで電位差10Vを印加した場合に所定の抵抗値より低い場合である。
本発明の現像剤規制ブレード9において、現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間の電位差が10V以下の場合、現像剤規制ブレード9の抵抗値は、5×108Ωを示している(図2参照)。当該電位差を持つ現像剤規制ブレードで画像形成を行った場合、現像剤規制ブレードの抵抗値が絶縁時と同様のように振る舞う。即ち、現像剤規制ブレード9を通過した現像ローラ8上にコートされる単位面積当たりの電荷量(以下、「Q/M」という。)は高くなり、結果として単位面積当たりのトナー量(M/A)は低くなる。これは、現像剤規制ブレード9の抵抗値が高いため、現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間にはトナーが移動可能なほどの電界が形成されない。そのため、現像ローラ8上に担持されるトナーは、現像剤規制ブレード9によりあたかも擦り切られた量のみが担持されることになる。結果として、約1層のトナー層が担持される。従って、現像ローラ8及び現像剤規制ブレード9との接触機会が多くなることで高い帯電量を得ることとなる。更に、表面が絶縁に近くなるため、導体の場合に作用する鏡像力も働きにくく、現像剤規制ブレード付近にトナーが滞留してトナーがブレードに溶融固着してしまうブレード融着は発生しにくい。高いQ/Mを持つトナーであるため、現像時の階調性が高くなる(現像電界の増加に対し、濃度の増加の傾きが小さくなる)。現像時の階調性が高くなる理由としては、Q/Mが高いとトナー層が持つ電荷が増加する。そのため、ハイライト画像においては、トナー自身の電荷により現像されやすくなる。また、シャドウ部にかけては、現像ローラ近傍のトナーは静電的な付着力が高くなるため、現像しにくい状態となり、全体的に現像電界の増加に対して濃度の増加は少なく、傾きは小さくなる。
これに対し、現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間の電位差が100V以上となった場合、現像剤規制ブレード9の抵抗値は、9×107Ωを示している(図2参照)。当該電位差を持つ現像剤規制ブレード9で画像形成を行った場合、現像剤規制ブレード9は、導電時と似た振る舞いをする。即ち、現像剤規制ブレード9を通過した現像ローラ上にコートされるQ/Mは低くなり、M/Aは逆に増加する。これは、現像ローラ・現像剤規制ブレード間に現像ローラ側に負帯電トナーが付勢される側の電界が形成されることで、トナーは現像ローラ側に押しつけられることとなる。その結果、トナーの移動速度は現像ローラの回転速度に近くなり、現像器中のトナーはより現像剤規制ブレードと現像ローラのNip中に侵入しやすくなることでM/Aは増加する。しかし、M/Aは増加するが、トナー個々から考えると電界により拘束されるため現像ローラや現像剤規制ブレードに接触する機会は減少することとなる。その結果として、Q/Mは低下することとなる。Q/Mが低く、M/Aが大きいトナー層は、現像時には階調性が低くなる。しかし、逆の観点からみると中間調が再現されない代わりに非常にコントラストに優れた画像が再現可能となる。更に、電位差を広げることでM/Aは大きくなっていく。即ち、文字画像のように、文字周辺の輪郭をシャープにしたいような場合に好適である(図3中、黒丸)。
上記抵抗値の領域からはずれた場合について説明する。
現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間の電位差が10V以下の場合において、抵抗値が2×108Ω低い場合においては、導電ブレードと同様に振る舞う。導電ブレードの場合、現像ローラを回転させると電圧を印加していない(現像ローラと現像剤規制ブレードは同電位)場合においても、現像ローラ・現像剤規制ブレード間に電流が流れる。電流の流れる方向は、現像剤規制ブレードからトナーへ電荷を供給する方向に流れる。これは、現像剤規制ブレードと摩擦帯電したトナーが、現像剤規制ブレードから電荷を受取り、トナーの移動とともに現像ローラとも接触することで電荷が現像ローラに転移してあたかも電流が流れるように作用すると考えられる。電流が流れるということは、鏡像力も働き、ブレード融着を発生させるのではないかと考えられる。この閾値が2×108Ωであり、この抵抗値を下回ってくると序々に現像剤規制ブレード・現像ローラ間に電位差を印加しなくても現像ローラの回転により電流が流れるようになる。このとき、M/Aは大きくなると同時に、0Vのときではブレード融着が発生しやすくなる(図3中、白△、×印)。
逆に現像剤規制ブレードの抵抗が2×108Ω以上であれば、観測される電流は1μA以下の非常に少ない量となる。なお、抵抗値の上限としては、1×1012Ω程度が上限である。これ以上高い抵抗値では、電位差を印加しても抵抗値が低くならないからである。
次に、現像ローラ・現像剤規制ブレード間に電位差を100V〜400V印加しても現像剤規制ブレードの抵抗値1×108Ω以下にならない場合においては、上記M/Aの増加が見込めず、文字再現に適するトナーコートが得られない(図3中、白四角)。
本発明において、現像剤規制ブレード9の抵抗値として電位差が10V時の場合を測定したのは以下の理由による。
即ち、絶縁性の現像剤規制ブレード9にて現像ローラ8上に担持されたトナーの表面電位を測定したときに、トナーの表面電位として約−10Vの電位が観測されたことによる。即ち、トナー層表面から支持部材9a間には約10Vの電位差が発生することが考えられるためである。更に、導電性のブレード9においては、現像ローラ8の回転に伴って、同電位においても電流が流れてしまうが、現像剤規制ブレード9の測定時に0Vを印加しても当然電流が流れないためである。
以上のことから、画像形成中の現像剤規制ブレード9に印加する電圧として、複数のモードを設定する。一つのモードにおいては、即ち、写真画像のように階調性を重視するような画像を所望の場合においては、現像ローラ8と現像剤規制ブレード9に作用させる電位差については、略同電位とする。他方のモードにおいては、即ち、文字画像のようにコントラストを求める場合においては、前記電位差を100V以上、望ましくは、100V〜400Vである。これは、100V未満であると現像ローラ等の抵抗の影響を受けやすいことや、階調性の傾きの効果が充分得られないからである。また、400V以下としているのは、これ以上になると現像ローラと現像剤規制ブレード間で放電が発生しやすくなる。更に、現像剤規制ブレードと現像ローラ間に流れる電流が大きくなってしまい、高容量の電源が必要となるからである。電流値として望ましいのは、1〜40μA程度である。
トナー粒子の画像解析装置で測定した形状係数SF−1の値が100〜160であり、形状係数SF−2の値が100〜140であることにより、転写性が向上し、上記バイアスの効果をより大きくすることが可能である。
また、少なくとも現像装置を画像形成装置本体100Aに着脱自在なカートリッジとして構成することが好ましい。この場合、現像装置(現像器4)のみをカートリッジ化した現像カートリッジとしてもよいし、現像装置に加えて像担持体(感光ドラム1)・帯電装置(帯電ローラ2)・クリーニング装置6などを一体化したプロセスカートリッジとしてもよい。これにより、トナー補給や寿命を過ぎた現像器の交換等、諸々メンテナンス作業に係わる使用者の労力を軽減し、簡単な操作で安定した出力画像が得られる様になる。
以下、本実施形態の特徴である現像ローラ8及びその他の部材について説明する。
(現像ローラ構成)
現像ローラ8は、図4(a)に示すように、芯金8a上に弾性層8bを有する、所謂弾性現像ローラである。
本実施形態においては、弾性層8bとしては、直径8mmのステンレス製の芯金8a上にブダジエンゴム(BR)にカーボンが分散されたソリッドゴムからなる第1層(基層)8b1を約4mm(層厚)形成する。
更に、第2層(中間層)8b2として、ニトリルゴム(NBR)中に約20μm〜60μm程度の球形状樹脂を分散させた層を約10μm(層厚)形成する。該球形状樹脂は、現像ローラ8の表面粗さ調整の役目を担っている。
第2層8b2の上に、第3層(表層)8b3を形成する。表層8b3はカーボンによって抵抗調整されたウレタンゴムからなり、約10μmの層厚を有する。表層8b3の樹脂は、トナーと摩擦され、トナーを帯電させる目的を有するため、トナーを所定極性に帯電させ得る樹脂が好適に用いられる。
(現像ローラの材料)
現像ローラ8の基層8b1及び中間層8b2の材料としては、上記の他に、シリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、アクリルゴム、EPDM(エチレン・プロピレン共重合体)又はこれらの混合されたゴム等、一般的に用いられるゴムが使用可能である。
これらのゴムを母体として、カーボン樹脂粒子、金属粒子、イオン導電剤等を分散させることで所望する抵抗値が得られる。イオン導電剤としては、過塩素酸リチウム、4級アンモニウム塩等のイオン導電剤をバインダー中に分散させることで導電性をだすことができる。
表層8b3の樹脂バインダーとしては、負帯電性トナーを用いた場合には、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂等が好適に用いられる。また、正帯電性トナーを使用するのであれば、フッ素樹脂等が好適に用いられる。これらの樹脂に前述のカーボン樹脂粒子、金属粒子、イオン導電剤等を分散させることで所望する抵抗値が得られる。
本実施形態においては3層構成としたが、これにとらわれるものではない。所望の表面粗さを形成するのに、中間層に球形状樹脂を用いたが、基層の表面の粗さ等を利用して2層構成とすることも可能である。
(現像ローラ抵抗)
現像ローラ8の抵抗値としては、後述する表面抵抗とバルク抵抗を以下の値に適合させることが好ましい。
表面抵抗としては、2×103Ω〜8×1014Ωまで使用可能である。好ましくは、5×104Ω〜1×1012Ωの範囲で使用することが望ましい。2×103Ω未満では、トナーへの摩擦帯電が難しくなるからである。8×1014Ωを超えると、摩擦帯電による残留電荷により、前周の画像濃淡ムラ(ゴースト)が発生しやすくなるからである。
バルクの抵抗としては、2×104Ω〜5×108Ωであることが望ましい。2×104Ω未満では、弾性層に流れる電流が多くなり、必要な電流容量が大きくなってしまうためである。また5×108Ωを超えると、現像時に流れる電流を阻害されやすくなるからである。
(現像ローラ抵抗の測定法)
(1)ローラの表面抵抗測定方法
ローラの表面抵抗測定方法を図5を用いて説明する。図5において、測定対象であるローラ63は、ステンレス等からなる導電性芯金62と、その外周に形成された弾性層61と、ローラ表面60と、からなる。ローラ63が単層である場合は、弾性層61とローラ表面60は同種の材料で構成されることとなる。
電極64は、後述する電圧を印加する印加電極64a、64cと、測定電極64bとからなる。電極のそれぞれは、5mm厚であり、中心部が円形状にくり貫かれている。該円形状にくり貫かれた電極の内面が測定対象であるローラ63の外周に当接し、且つ、各電極はそれぞれ5mmの間隔をもって配設される。
測定回路65は、電源Ein1、抵抗Ro1、電圧計Eout1からなる。本測定では、Ein1:100V(DC)で行った。抵抗Ro1については、Ro1:100Ω〜10MΩが使用可能である。抵抗Ro1は微弱電流を測定するためのものであるため、測定対象であるローラ表面抵抗の2〜4桁下の抵抗値を用いるとよい。即ち、ローラ表面抵抗が1×108Ω程度の抵抗を持つものであれば、Ro1としては100kΩの抵抗でよい。
ローラの表面抵抗値Rsは、下記式(1)により算出される。
Rs=2×Ro1×(Ein1/Eout1−1)(Ω)・・・・・・・(1)
表面抵抗の測定が電極64a〜電極64b間と、電極64c〜電極64b間の抵抗の並列となるため、ローラ表面の5mm間隔における実質的な抵抗値としては、2倍となるため、係数の「2」をかけている。
本実施形態においては、電圧を印加してから10秒後のEout1の値を測定して求めた。
(2)ローラのバルク抵抗測定方法
ローラのバルク抵抗測定について図6を用いて説明する。図6において、測定対象であるローラ63は、ステンレス等からなる導電性芯金62と、その外周に形成された弾性層61と、ローラ表面60とからなる。ローラ63が単層である場合は、弾性層61とローラ表面60は同種の材料で構成されることとなる。
直径30mmのステンレス鋼の円筒部材66は、矢印方向に約48mm/secの速度で回転する。このとき、ローラ63は、円筒部材66の回転に伴って、従動回転する。ローラの端部には、円筒部材66への侵入量を50μmに規制する(ローラと円筒部材との当接領域を一定にするため)端部コロ69が嵌合される。端部コロ69は、ローラ63の外径よりも100μm外径が小さい円筒形状をしている。
ローラ63の両端部(導電性芯金62部)に印加される荷重67は、片側500g重ずつ、計1kg重の荷重とされ、ローラ63が円筒部材66に押圧される。
測定回路68は、電源Ein2、抵抗Ro2、電圧計Eout2からなる。本測定では、Ein2:300V(DC)で行った。抵抗Ro2については、Ro2:100Ω〜10MΩが使用可能である。抵抗Ro2は、微弱電流を測定するためのものであるため、測定対象であるローラのバルク抵抗の2〜4桁下の抵抗値を用いるとよい。即ち、ローラのバルク抵抗が1×106Ω程度の抵抗を持つものであれば、Ro2としては1kΩの抵抗でよい。
ローラのバルク抵抗値Rbは、下記式(2)により算出される。
Rb=Ro2×(Ein2/Eout2−1)(Ω)・・・・・・・(2)
本実施形態においては、電圧を印加してから10秒後のEout2の値を測定して求めた。
(現像ローラ表面粗さ)
現像ローラ8の表面粗さとしては、使用するトナーの粒径にもよるが、十点平均粗さRzで1μm〜10μmが好ましい。使用するトナー粒径が平均体積粒径で6μmであれば好適には十点平均粗さRzで2μm〜8μmが使用可能である。トナー粒径がより小さい場合は十点平均粗さRzをやや小さくすることが好ましい。十点平均粗さRzが1μm未満では十分なトナー搬送力が得られず濃度不足となり、10μmを超えるとトナーに十分な帯電が得られず、非画像部にトナーが付着する所謂「かぶり」が発生することになる。
十点平均粗さRzは、JIS B0601に示されている定義を用い、測定には小坂研究所製の表面粗さ試験器「SE−30H」を使用した。
(ゴム硬度)
現像ローラ8のゴム硬度はAsker Cゴム硬度計(高分子計器株式会社製)を用いた。ゴム硬度としては、30度〜75度(Asker C)のものが好適に使用される。75度(Asker C)を超えると、現像ローラ8の摺擦によってトナーが溶融し、ブレード融着やローラ融着を発生させるため好ましくない。また、現像ローラ8と感光ドラム1との当接状態が不安定となりやすいからである。30度未満では、圧縮永久歪みによる永久変形により、現像ローラとしての使用は困難である。更に好ましくは、35度〜60度であり、この範囲の低硬度にすることで、トナーに過度なストレスをかけることなく、摩擦帯電をすることができる。
(現像ローラの製造方法)
本実施形態における現像ローラ8の製造方法の一例を述べる。
芯金8a上にまずゴムの接着及び導電性の確保をする接着剤を塗布する。そして芯金の周囲にカーボン樹脂粒子等を分散させたソリッドゴム8b1を巻き付け、金型内に入れる。金型をプレス機により熱及び圧力を加えて加硫させ、加硫後に表面を研磨して、ソリッドの弾性ローラを得る。そして中間層8b2及び表層8b3は、ロールコーター法、スプレー法、ディッピング法などにより行うことができる。イオン導電層の塗工厚さは3μm〜50μm程度が好ましい。3μm未満では感光ドラム1との摺擦による削れが懸念され、50μmを超えると所望の塗工厚さを得るために何度も塗工をしなければならず、生産するのに現実的ではないからである。
(現像剤規制ブレード)
現像剤規制ブレード9は、支持部材9aとしての金属薄板と実際にトナーに当接する当接部材9bとを有している。薄板のバネ弾性を利用してトナー及び現像ローラ8に接触当接される。
当接部材9bの形態としては、支持部材9a上に半導電性ゴムを成型したもの、支持部材9a上に導電性ゴムを成型し、その表面に半導電性樹脂をコーティングしたもの、支持部材9a上に直接半導電性樹脂をコーティングしたもの等が可能である。本発明においては、所定電位差における抵抗値を満足していることが必要である。
上記実施形態の中でも一番好適なのが、支持部材9a上に半導電性ゴムを成型したものである。現像剤規制ブレード9の当接部材9aとしては、エラストマーに導電性粉を分散してなる。
支持部材9a上に導電性ゴムを成型し、その表面に半導電性樹脂をコーティングしたものにおいては、安価な弾性かつ導電性を有するゴムを使用可能であるというメリットがある。更に、表層に塗工する樹脂としての選択の幅も広がる。
更に弾性を有していることでトナーの劣化も抑えられる。
直接、半導電樹脂を支持部材9aにコーティングしたものは安価ではあるが、膜厚による抵抗変化の影響を受けやすいため、現像器の寿命が短いものに対して好適に使用可能である。
上記、エラストマーに導電性粉を分散してなる当接部材9bにおいて、エラストマーとしては、硬化前に流動性を示すものであればよく、それ自体公知の材料の中から適宜選択することができる。例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、フッ素ゴムラテックス等の液状ゴム、ポリマーブレンドなどが挙げられる。これらの中でも、液状ゴムが好ましく、適度な極性を有し、導電性粉との適度な相溶性を示す点でウレタンゴムやシリコーンゴムがより好ましく、2液型ウレタンゴムや1液型シリコーンゴムが特に好ましい。
前記導電性粉としては、電子導電性材料であり、即ち、電子導電系といわれる、所謂、印加するバイアスを増加させると抵抗が下がるものが使用される。そのため、イオン導電系といわれる、所謂、印加するバイアスを増加させても抵抗が変化しないものを単独で使用しても所望の抵抗は得られない。従って、本発明においては導電性粉としては、電子導電系のみ、若しくは、電子導電系とイオン導電系の混合したものが使用される。
導電性粉としては、それ自体公知の材料の中から適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、カーボンビーズ、カーボンフィラー、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、酸化チタンなどの導電性無機粉末、導電性無機粒子、導電性無機フィラー、金属酸化物などが挙げられる。これらの中でも、硬化条件の制御が容易である等の点で導電性無機粉末が好ましく、硬化前の前記エラストマー中での分散性に優れ、密度、比重等のバランスが良好な点でカーボンブラックが好ましい。二次粒径が数十〜500μmであり、DBP吸油量が50〜500g/dlであるカーボンブラックは、硬化前の前記エラストマー中で適度な相溶化を示し、遠心成形時に拡散する結果、良好な傾斜分散を達成できる点で特に好ましい。本発明において、これらの導電性粉は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、一実施形態として、支部部材9aと当接部材9bを別々に形成した後、これらを一体化する場合、ウレタン系、シリコーン系、エポキシ系等の公知の導電性接着剤を用いることができる。前記導電性接着材としては、導電性を有し接着剤として機能し得るものであれば特に制限はないが、例えば、導電性のホットメルト接着剤、導電性塗料などが挙げられる。
(現像剤規制ブレードの抵抗測定法)
現像剤規制ブレードの抵抗測定を図7をもとに説明する。現像器4に現像ローラ8と現像剤規制ブレード9が配される。現像ローラ8は、周囲に略0Ωの導電層を塗工するか、若しくは、薄いアルミニウム薄膜フィルム等を巻き付け、表面を接地する。また、現像剤規制ブレード9には測定用電源18Aと、電圧が印加されたときに電流をモニタする電流計18Bが接続される。現像剤規制ブレード9の表面の通常トナーが接触する部分は、上記アルミニウム薄膜フィルム等が当接することで現像剤規制ブレード9の電圧に対する抵抗値を測定可能である。
測定用電源18Aの電圧を0〜400V程度の間で変化させて印加電圧と電流計の数値から現像剤規制ブレード9の抵抗値が測定される。現像剤規制ブレード9の当接部材9bの絶縁耐圧が低い場合には、現像ローラ8と同時に測定した後現像ローラ8の抵抗値を差し引いて現像剤規制ブレード9の抵抗値を算出してもよい。
本実施形態における現像剤規制ブレード9(即ち、当接部材9b)の抵抗値としては、現像ローラ8と現像剤規制ブレード9との間の電位差が0V〜10Vでは現像剤規制ブレードの抵抗値が2×108Ω以上を有するのが好ましい。また、該電位差が100V〜400Vの領域の少なくとも一部では現像剤規制ブレードの抵抗値が1×108Ω以下の抵抗値を有することが好ましい。
現像剤規制ブレード9の抵抗値は、当接部材9bに添加する前記導電性粉の種類・比重・量、前記エラストマーの種類・極性、成形条件(例えば遠心成形の場合には回転数やG)等を適宜変更することにより、上記の範囲に調整することができる。
さらに詳細に述べると、電位差が0V〜10Vでは現像剤規制ブレード9の抵抗値が2×108Ω以上を有すると、現像剤規制ブレード9にはほぼ電流が流れなくなり、現像剤規制ブレード9と現像ローラ8の間を通過するトナーに対して電界の力が及ばなくなる。また、現像剤規制ブレード9の抵抗値が高いことで、ブレード表面の鏡像力は小さいため、導電ブレードを用いた場合のようにブレード融着は発生しない。
現像剤規制ブレード9がリン青銅薄板のみといった導電ブレードを用いて現像ローラ8に当接した場合には、ブレード融着が発生しやすくなる。
また、該電位差が100V〜400Vの領域では現像剤規制ブレードの抵抗値が1×108Ω以下の抵抗値を、少なくとも前記領域の一部で有する。これにより、現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間に電位差を有する場合には、現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間に電界が形成されることになる。現像剤規制ブレード9と現像ローラ8間に電界が形成されると、その間を移動するトナーは摩擦帯電されると同時に現像ローラ側にトナーが付勢される。このとき、トナーが付勢されることで現像剤規制ブレード9にはより多くの電流が流れると同時に、現像ローラ8上にコートされるM/Aは多くなる。
即ち、本発明の現像剤規制ブレード9の作用は、現像ローラ8・現像剤規制ブレード9間の電位差が小さい場合には、抵抗値が高くなる。従って現像ローラ8に担持するトナーを擦り切って規制するように働き、写真画像に適した高Q/Mとなる。さらに、その状態では結果としてブレード融着が発生しにくい。該電位差が大きい場合には、抵抗値が低くなり、文字画像に適した高M/Aとなる。
本実施形態の現像剤規制ブレード9における当接部材9bの厚みとしては、現像剤規制ブレード成型方法、コスト等に応じて適宜決定することができるが、通常、10μm〜5mmであり、30μm〜2mmが好ましい。当接部材9bの厚みが、10μm未満であると、抵抗調整が困難になり、抵抗にバラツキが生じ易くなり、5mmを越えると、導電性粉の偏在が大きくなり誘電層が形成され、抵抗損失が大きくなる点で、いずれも実用性能上好ましくない。
本実施形態の当接部材9bにおいて、当接部材9bの表面であってトナー及び現像ローラと接触する部分の表面は、成形時に型と接していた型側の型面であってもよいが、鏡面であるのが好ましい。具体的には十点平均粗さRaで0.2μm以下が望ましい。この場合、該接触部分の表面に、ゴミや埃等の異物が付着しにくく、トナーへの帯電性を長期安定化できる点で有利である。ブレード中を通過するトナーが止まりにくく、ブレード融着を防止できる。
(現像剤規制ブレードの製造方法)
本実施形態においては、支持部材9a及び当接部材9bを別々に形成した後、これらを一体化している。例えば、支持部材9aと当接部材9bを一体化する場合には、ウレタン系、シリコーン系、エポキシ系等の公知の導電性接着剤を用いることができる。導電性接着材としては、導電性を有し接着剤として機能し得るものであれば特に制限はないが、例えば、導電性のホットメルト接着剤、導電性塗料などが挙げられる。
本実施形態の当接部材9bの製造方法は、エラストマーと導電性粉とを含有する導電性層形成用液を用いて遠心成形することにより導電性層を形成した。
導電性層形成用液には、導電性粉とエラストマーとが少なくとも含まれており、更に、硬化剤、溶剤等が必要に応じて含まれている。導電性層形成用液の濃度、粘度等は、目的に応じて適宜調整することができる。
遠心成形の具体的手法については、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、回転する型の内周面に、導電性層形成用液を付与する(流し込む)方法などが挙げられる。型の形状、大きさ、構造等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、円筒状で内径が5〜100cm程度の型等が用いられる。
遠心成形においては、遠心条件下で導電性層形成用液を固化し、成形することが必要である。即ち、導電性層形成用液に含まれる液状ゴム等の前記エラストマーの硬化反応と、導電性粉の分散とを同時に進行させる必要がある。ここで、エラストマーの硬化反応が導電性粉の分散よりも早すぎると、導電性粉の分散が十分でない。逆に、導電性粉の分散がエラストマーの硬化反応よりも早すぎると、エラストマーと導電性粉とが相分離状態を起こし、いずれの場合にも良好な傾斜材料としての導電性層が得られない。
エラストマーの硬化反応と導電性粉の分散とを同時に進行させるためには、エラストマーの種類・極性、導電性粉の種類・量・比重、エラストマーと導電性粉との相溶性、遠心の回転数・G、成形温度等を適宜調整するのが好ましい。本実施形態の製造方法においては、エラストマーとして、2液型ウレタンゴム又は1液型シリコーンゴムを用い、導電性粉として、カーボンブラックを用いるのが特に好ましい。この組合せの場合、両者の相溶性が良好であるため、導電性層を容易に、かつ良好な傾斜材料にすることができ、エラストマーの硬化条件の制御が容易になる等の利点がある。
遠心の回転数としては、一般に、直径が500〜1000mm程度の場合には400〜800rpm程度が好ましく、直径が50〜300mm程度の場合には1800〜2500rpm程度が好ましい。成形温度としては、一般に室温〜180℃程度が好ましいが、ウレタン系では100〜130℃程度が好ましく、シリコーン系では室温から160℃程度が好ましい。
現像剤規制ブレードの現像ローラに対する接触圧は、線圧約20g/cm〜100g/cmが好適である。20g/cm未満では、トナーに対して適切な帯電付与ができず、「かぶり」となって画質を低下させる。100g/cmを超えると、圧力等によりトナーに混合されている外添剤がトナー表面から剥離しやすくなり、トナーを劣化させ、トナーの帯電性が低下していくことになる。
線圧の測定方法としては、引き抜き板として長さ100mm×幅15mm×厚さ30μmのステンレス薄板と、挟み板として長さ180mm×幅30mm×厚さ30μmのステンレス薄板を長さを半分にするように折ったものを用意する。そして、挟み板の間に引き抜き板を挿入し、該挟み板を現像ローラ8と現像剤規制ブレード9の間に挿入する。その状態でバネばかり等で引き抜き板を一定速度で引き抜き、そのときのバネばかりの値(単位:g)を読む。バネばかりの値を1.5で除算して、単位をg/cmにした場合の線圧が求められる。
(現像ローラと感光ドラムの当接圧)
現像ローラ8の感光ドラム1に対する当接圧としては、上記線圧の測定と同様の測定において、線圧20g/cm〜120g/cmが好ましい。線圧20g/cm未満では接触状態が不安定となる。また、線圧120g/cmを超えると圧力等によりトナーに混合されている外添剤がトナー表面から剥離しやすくなり、トナーを劣化させ、現像剤規制ブレード9によるトナーの帯電性が低下していくことになるからである。
図8は、本実施形態に係るシーケンスを示す図である。
図8において、不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請がされる(ステップ1:以下「S1」と示す。)。そして、印字要求が確認されると、要求された画像が写真のように階調を重視する画像なのかそれとも文字等のように濃度を重視する画像なのかを、像域分離(S2)等により判定する(S3)。この場合の像域分離方法、即ち、文字と画像(グラフ、写真、描画等)を区別する方法は、当業者には周知であり、任意の方法が使用可能である。また、像域分離等によらずパーソナルコンピュータのプリント要求画面等に記載することでユーザーに要求を入力させ、それを判定してもよい。また、パーソナルコンピュータから出力される場合は、フォントが埋め込まれるため、フォント等によっても分離は可能である。
上記判定の結果、写真画像のような階調を重視する画像が要求された場合には、第1のモードとなる。即ち、ブレードバイアス電源には現像バイアス電源と略同電位のバイアス(−300V)が印加される(S4)。その結果、ブレードの抵抗値が高いことでQ/Mは高くなり、M/Aは小さくなる。そして現像された結果、階調性の高い画像が得られる(S6)。ここで、図8の(S4)中、Vbはブレードバイアス電源の出力値を示し、Vdcは現像バイアス電源の出力値を示す。従って、(S4)では、ブレードバイアス電源の出力値としては現像バイアス電源の出力値と同値である。
像域分離の結果、文字画像と判定された場合には、第2のモードにより、ブレードバイアス電源には現像バイアスVdcより−100V以上小さいバイアス(−400V以下)Vb(Vb<Vdc−100)が印加される(S5)。その結果、現像剤規制ブレード9からトナーのコートに必要な電流が流れることが可能となる。現像剤規制ブレード9中を電荷が移動できることで、現像剤規制ブレード9から摩擦帯電により電荷を受けたトナーが現像ローラ8側へ転移しやすくなり、現像ローラ上のM/Aは大きくなる。多くのトナーで文字等を現像することで、非常にコントラストのあるくっきりとした文字再現が可能となる(S6)。
そして、追加の印字要求を確認(S7)した後、画像形成を終了する。
本実施形態においては、例としてブレードバイアスを印加するときに、現像バイアスより−100V以上小さいバイアスとしたが、これはブレードの抵抗値として1×108Ω以下になるような電圧を印加する。望ましくは、ブレードバイアス電源には、−400〜−700Vが印加される。即ち、ブレードバイアス電源には、現像バイアス(−300V)より現像剤の帯電極性側に100V〜400V大きい、即ち、本実施形態では−400〜−700Vが印加される。
上記に示すように、ブレードバイアスを作用させる時間としては、少なくとも1枚の画像形成中は同じであることを要する。ここで画像形成中とは、転写紙P1枚に画像を形成する時間内をいう。転写紙Pの1枚の中で上記ブレードバイアスを切り替える(ステップ4とステップ5を切り替える)ことはない。これはブレードバイアスを上記転写紙1枚内で切り替えると階調性の不連続が発生するためである。しかし、転写紙Pを連続で出力する場合に、1枚目と2枚目を異なるブレードバイアスで行うことは、図8で示すように可能である。
(供給ローラ)
供給ローラ12は、図4(b)に示すように、導電性芯金12aの外周に連泡性発泡体(以下、「発泡層」という。)12bを備えている。
供給ローラ12の発泡層12bは、現像ローラ8へのトナーの供給及び現像に寄与しなかったトナーを剥ぎ取る2つの役目を担う。
現像ローラ8上のトナーの剥取は、発泡セルの縁の部分が摺擦することでメカニカルに剥ぎ取られる。
そして、最表層がソリッドゴムや単泡性スポンジゴムではトナーを担持する量が少なくなりがちなため現像に必要なトナー量を現像ローラ8に担持しにくい。しかし、連泡性ならばセル中にトナーを含むことができるため、現像ローラ8に必要なトナーを供給することが可能である。
発泡層12bの厚みとしては、1〜6mmが使用可能である。発泡層12bの厚さが1mm未満では、トナーの搬送量が減少してしまうため、所望のトナーを搬送しづらくなる。また6mmを超えると、外径形状が必要以上に大きくなるからである。
本実施形態においては、供給ローラ12は、外径5mmのステンレス製の芯金12a上に連泡性発泡体からなるウレタンスポンジゴム(セル径200〜350μm)12bを層厚さ5.5mmで形成した。
発泡層12bの材料としては、その他NBRゴム(NBR:ニトリルゴム)、シリコーンゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム及びこれらの複合混合物等、一般的に用いられるゴムが使用可能である。
発泡層12bの抵抗調整として適宜、公知のイオン導電剤、無機微粒子若しくはカーボンブラック等を分散可能である。
また、供給ローラ12には現像ローラ8へのトナー供給を補助するために、バイアスを印加してもよい。現像ローラ8側に負帯電トナーを付勢するバイアスを印加することで、現像剤規制ブレード前に現像ローラに担持されるトナー量を増加させることが可能となる。さらにバイアスにより現像ローラ上でのトナー密度が上がりやすく均一なトナー濃度を得やすくなる。
(トナー)
本実施形態にて一成分現像用トナーは、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、ワックス成分が結着樹脂と相溶しない状態で、実質的に球状及び/又は紡錘形で島状に分散されていることが好ましい。
ワックス成分を上記の如く分散させ、トナー中に内包化させることによりトナーの劣化や画像形成装置への汚染等を防止することができるので、良好な帯電性が維持され、ドット再現に優れたトナー画像を長期にわたって形成することが可能となる。また、加熱時にはワックス成分が効率よく作用するため、低温定着性と耐オフセット性を満足なものとする。
トナー粒子の断層面を観察する具体的な方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施す。その後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し、透過電子顕微鏡(TEM)を用いてトナー粒子の断層形態を観察する。
本実施形態においては、用いるワックス成分と外殻を構成する樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。本実施形態で用いられたトナー粒子は、ワックス成分が外殻樹脂で内包化されていることが観測された。
本実施形態にてワックス成分は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に40℃〜130℃の領域に最大吸熱ピークを有するものが用いられる。上記温度領域に最大吸熱ピークを有することにより低温定着に大きく貢献しつつ、離型性をも効果的に発現する。
この最大吸熱ピークが40℃未満であるとワックス成分の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が悪化すると共に、グロスが高くなりすぎる。一方、最大吸熱ピークが130℃をこえると定着温度が高くなると共に、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困難となるため、特にカラートナーに用いた場合には混色性低下の点から好ましくない。更に、水系媒体中で造粒・重合を行い重合方法により直接トナーを得る場合、最大吸熱ピーク温度が高いと主に造粒中にワックス成分が析出する等の問題を生じ好ましくない。
ワックス成分の最大吸熱ピーク温度の測定は、「ASTM D 3418−8」に準じて行う。測定には、例えば、パーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、1回昇温−降温させ前履歴をとった後、昇温速度10℃/minで測定を行う。
上記ワックス成分としては、具体的にはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等が利用できる。
本実施形態にてトナーは、画像解析装置で測定した形状係数SF−1の値が100〜160であり、形状係数SF−2の値が100〜140であることが好ましい。形状係数SF−1の値が100〜140であり、形状係数SF−2の値が100〜120であれば更に好ましい。また、上記の条件を満たし、かつ、(SF−2)/(SF−1)の値を1.0以下とすることにより、トナーの諸特性のみならず、画像解析装置とのマッチングがきわめて良好なものとなる。
上記形状係数SF−1、SF−2は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングする。そして、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い、下記式(3)、(4)より算出し得られた値によって定義されるパラメータである。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100・・・・・(3)
SF−2={(PERI)2/AREA}×(1/4π)×100・・・・・(4)
AREA:トナー投影面積、 MXLNG:絶対最大長、PERI:周長
トナーの形状係数SF−1は、トナー粒子の丸さの度合を示し、球形から徐々に不定形となる。SF−2は、トナー粒子の凹凸度合を示し、トナー表面の凹凸が顕著となる。
前述の形状係数SF−1が160を越える場合には、転がり抵抗が低くなるためトルクが増大する。また、摩擦が大きくなるため、摩擦熱が大きくなりトナー劣化を起こしやすい。
転がり抵抗の点においては、現像剤規制ブレード中を効率よく移動していくためには、形状係数SF−1としては小さいことが望ましい。
トナー像の転写効率を高めるためには、トナー粒子の形状係数SF−2は、100〜140であり、(SF−2)/(SF−1)の値が1.0以下であるのがよい。トナー粒子の形状係数SF−2が140より大きく、(SF−2)/(SF−1)の値が1.0を超える場合、トナー粒子の表面がなめらかではなく、多数の凹凸をトナー粒子が有しており、感光ドラム1から転写材P等への転写効率が低下する傾向にある。
特に、形状係数SF−1が160以下、形状係数SF−2が140とすることで、現像剤規制ブレード9と現像ローラ8に電位差を設けた場合に、トナーが現像剤規制ブレード9から離間しやすくなり、ブレード融着防止には有効である。
トナーの重量平均粒径は、種々の方法によって測定できるが、本実施形態においては、コールターカウンターのマルチサイザーを用いて行った。即ち、測定装置としてはコールターカウンターのマルチサイザーII型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続する。そして、電解液は特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に、この中に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、アパーチャーとして、トナー粒径を測定するときは、100μmアパーチャーを用いて測定する。トナーの体積及び個数を測定して、体積分布と個数分布とを算出した。それから、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径を求める。本実施形態では、重量平均粒径として7μmのトナーで、重量平均粒径が4μm以下のトナーの割合は5%未満のものを使用した。
さらには、本実施形態で使用するトナー粒子としては、トナー粒子表面が外添剤で被覆されたものを用い、トナーが所望の帯電量が付与されるようにすることが好ましい。
その意味で、トナー表面の外添剤被覆率が、5%〜99%さらに好ましくは、10%〜99%であることが好ましい。
トナー表面の外添剤被覆率は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して計測する。得られる画像情報は、トナー粒子表面部分と外添剤部分との明度が異なるため、2値化して、外添剤部分の面積SGとトナー粒子部分の面積(外添剤部分の面積も含む)STに分けてもとめ、下記式(5)により算出する。
外添剤被覆率(%)=(SG/ST)×100・・・・・・・・(5)
本実施形態に使用される外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。外添剤としては、たとえば、以下のようなものが用いられる。
金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛など)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)・カーボンブラック・シリカなど。
本実施形態においては、トナー粒子中(100重量部)に補助粒子を外添した。外添した補助粒子は負極性外添剤としてシリカを1重量部、正極性外添剤として酸化チタン0.1重量部を加えた。特に、正極性外添剤を加えた場合には、トナーの流動性の調節、安定したトナーへの帯電性付与が可能である。
これら外添剤は、トナー粒子100重量部に対し、0.01重量部〜10重量部が用いられ、好ましくは、0.05重量部〜5重量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、又、複数併用しても良い。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
外添剤の添加量が0.01重量部未満の場合には、一成分系現像剤の流動性が悪化し、転写及び現像の効率が低下してしまい、画像の濃度ムラや画像部周辺にトナーが飛び散ってしまう、所謂飛び散りが発生する。
一方、外添剤の量が10重量部を越える場合には、過多な外添剤が感光ドラム1や現像ローラ8に付着してトナーへの帯電性を悪化させたり、画像を乱したりする。
トナーのQ/M及びM/Aの測定は、トレック社製吸引式小型帯電量測定装置Model 210HS−2Aにより現像ローラ上のトナーを吸引することにより帯電量Qを測定する。そして、吸引ノズルの重さについて吸引前後の差分をとることで吸引された重量Mを測定可能である。更に、吸引された部分の面積を測定することで、面積Aが測定され、Q/M、M/Aを算出可能である。
以上述べたように、本実施形態においては、現像剤規制ブレード9における当接部材9bの材質として半導電性のゴム若しくは樹脂を用い、抵抗値を以下の範囲にすることが好ましい。即ち、少なくともブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差が10Vでは現像剤規制ブレードの抵抗値が2×108Ω以上を有することが好ましい。また、該電位差が100V〜400Vの領域では現像剤規制ブレードの抵抗値が1×108Ω以下の抵抗値を前記領域の少なくとも一部で有することが好ましい。
更に所望の画像を判断し、ブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差を変化させ、適切なトナー量を制御することで文字つぶれ、白飛びといった画像不良を防止し、長期にわたって安定した画像形成を行うことが可能となる。
(実施例1、2、3)
本発明における上記実施形態に用いた現像剤規制ブレード9を用い、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
評価としては、現像器の初期状態から直後のものと、5%印字(紙の画像形成可能領域中のうち5%の面積領域にトナーが付着している状態)で出力し、5000枚時点で再度サンプルを出力した。
評価項目としては、画像階調性、文字再現性、かぶり、現像スジ、測定としてはQ/M、M/Aについて行った。
(1)画像階調性及び文字再現性については、官能評価で行った。
画像階調性 ○:階調が十分ある △:階調が不十分
文字再現性 ○:再現が十分ある △:再現が不十分
(2)カブリ測定
カブリの測定は、画像表面の濃度を東京電色社製の反射濃度計TC−6DSで測定した。同じロットの紙の反射濃度(%)からベタ白画像の反射濃度(%)を差し引くことで画像形成によるカブリが求められる。尚、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
○:画出し耐久を通じてカブリがすべて1.5%未満。
×:画出し耐久で1.5%以上がある。
本評価基準として、1.5%を区切りとしたのは、カブリが1.5%を越えるとカブリトナーによる用紙の変色が目立つようになるからである。
(3)現像スジ
現像スジが発生するとベタ画像中に縦スジが発生する。
○:縦スジなし ×:縦スジ発生
実施例1〜3については、本発明における所望の抵抗値を有するものである。その結果、画像サンプルにより現像ローラ・現像剤規制ブレード間の電位差を切り替えることで、所望の画像を最適な状態でプリント可能である。実施例3については、一部の抵抗値が所望の部分をはずれているが、制御により例えば100Vをはずして制御することで所望の画像を得ることが可能である。従って、写真画、文字画の両方とも対応が可能となる。
表1中において、現像ローラ・現像剤規制ブレード間電位差とは、現像バイアス電源−ブレードバイアス電源の出力差であり、ブレードバイアス電源側がより負極性(即ち、現像剤の帯電極性側)に大きい値を有する。また、該電位差0Vにおいて、現像剤規制ブレードの測定は10Vの電位差を用いて行った。
しかし、比較例1では前記電位差に対する抵抗値が高すぎるため写真画には適するが文字画には適さない状態であった。比較例2は逆に抵抗が低いため制御しても写真画には適さない状態であった。
比較例3においては、リン青銅のみの現像剤規制ブレードを用い、前記電位差は0Vとした。その結果、ブレード融着が発生し、融着によりトナーの帯電が阻害されてかぶりが悪化した。
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における画像形成装置は、図1を参照して説明した前記第1の実施形態における画像形成装置と同様とされ、同一部位については同一の番号を付して説明を省略する。ただ、本実施形態の画像形成装置には、プリントされた印字枚数を計数する計数装置30が設けられている(図1参照)。
前記第1の実施形態においては、トナーは重量平均粒径として7μmのトナーで、重量平均粒径が4μm以下のトナーの割合は5%未満のものを使用していた。しかし、コストを考えるとトナーの分級(粒径の選別)を減らし、多くのトナーを使用できることが望ましい。しかし、従来トナーの粒径分布が広い、特に小粒径のトナーが多く含まれる場合には、耐久初期に小粒径トナーのほうが現像ローラに担持されやすい傾向になるため、画像濃度の低下が発生しやすい。特に現像剤規制ブレードの抵抗値として高い抵抗を有する現像剤規制ブレードを用いた場合においては、画像濃度を満足することが困難である。
本発明の第2の実施形態においては、トナーは重量平均粒径として6.5μmのトナーで、重量平均粒径が4μm以下のトナーの割合は35%のものを使用した。
次に、図9を参照して、本実施形態の動作を説明する。
図9において、不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請がされる(S11)。そして、印字要求が確認されると、制御装置14は、計数装置30からの信号に基づき今まで出力された枚数を確認する(S12)。ステップ12(S12)のNは、これまでプリントされた紙の枚数をカウントする計数装置30のカウント値である。1枚プリントするごとにカウントを1ずつ増分する。プリント枚数がある一定の枚数に到達するまで、強制的にブレードバイアスを多く印加することでM/Aをより多くするものである。本実施形態としては、所望の枚数として500枚に設定した。設定枚数は、現像器の大きさやプリント速度等により好適に変更することが望ましい。枚数の目安としては、現像ローラに担持されるトナーの平均粒径が現像器中のトナーの平均粒径と同じ程度になるくらいである。
所定枚数より少ない場合には、ブレードバイアス電源には現像バイアス(本実施形態では−300V)より−100V以上小さいバイアス(即ち、−400V以下)が印加される(S17)。その結果、現像剤規制ブレード9からトナーのコートに必要な電流が流れることが可能となる。現像剤規制ブレード中を電荷が移動できることで、ブレードから摩擦帯電により電荷を受けたトナーが現像ローラ側へ転移しやすくなり、現像ローラ8上のM/Aは大きくなる。供給ローラ12により現像ローラ上に小粒径のトナーが多く担持された場合でも、現像剤規制ブレード9に電圧を印加することで画像濃度を満足する画像出力が可能となる(S18)。
所定枚数に到達した場合には、現像ローラ8上に担持されるトナーは、ほぼ中心粒径に近づくため、前記実施形態と同様像域分離を行う。要求された画像が写真のように階調を重視する画像なのかそれとも文字等のように濃度を重視する画像なのかを、像域分離(S14)等により判定する(S15)。この場合の像域分離の方法は、上記の公知の方法が使用可能である。また、像域分離等によらずパーソナルコンピュータのプリント要求画面等に記載することでユーザーの要求を入力させ、それを判定してもよい。
上記判定の結果、写真画像のような階調を重視する画像が要求された場合には、ブレードバイアス電源には現像バイアス電源と略同電位のバイアス(−300V)が印加される(S16)。その結果、ブレードの抵抗値が高いことでQ/Mは高くなり、M/Aは小さくなる。そして現像された結果、階調性の高い画像が得られる(S18)。
像域分離の結果、文字画像と判定された場合には、ブレードバイアス電源には現像バイアスより−100V以上小さいバイアス(−400V以下)が印加される(S17)。その結果、現像剤規制ブレード9からトナーのコートに必要な電流が流れることが可能となる。現像剤規制ブレード中を電荷が移動できることで、ブレードから摩擦帯電により電荷を受けたトナーが現像ローラ側へ転移しやすくなり、現像ローラ上のM/Aは大きくなる。多くのトナーで文字等を現像することで、非常にコントラストのあるくっきりとした文字再現が可能となる(S18)。
そして、追加の印字要求を確認(S19)した後、画像形成を終了する(S20)。
以上述べたように、前記第1の実施形態に加え所定枚数まで現像剤規制ブレードバイアスを強制的に印加することで、小粒径トナーが多く混じったトナーにおいても所望の画像濃度を満足する出力が可能となる。このように、計数装置の結果に応じて、制御動作を切り替えることを行なってもよい。
第3の実施形態
図10を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。図10は、本実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
本実施形態にて、画像形成装置100は、カラー画像形成装置であり、像担持体である一つのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を備えている。感光ドラム1の回りには、帯電装置としての帯電ローラ2、画像情報を与える露光器(露光装置)3、感光ドラム1上の静電潜像を可視像化する現像装置22、及び、中間転写体24によって構成されている。
現像装置22は、回転現像装置とされ、回転支持体としてのロータリ22xを備えている。このロータリ22xには、複数の、本実施形態では、4つの現像器(現像装置)、即ち、イエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22M、シアン現像カートリッジ22C、ブラック現像カートリッジ22Kが搭載されている。
本実施形態にてカラー画像形成装置は、電子写真方式のカラープリンタとされ、不図示のパーソナルコンピュータやワークステーション等から画像データが入力される。そして、この画像データを基にイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの4色に分解し、分解された画像データにより順次各色のトナー像を形成する。次いで、各色のトナー像を中間転写体24上に重ね合わせてカラー画像とし、このカラー画像を紙などの転写材(記録媒体)Pに一括転写してフルカラー画像を得る。
本実施形態の画像形成装置は、上述のように、ロータリ22x内に複数の現像器(現像装置)、即ち、現像カートリッジ22Y、22M、22C、22Kを搭載して構成される回転現像装置を採用した、所謂、ロータリ方式のカラープリンタとされる。
本実施形態にて、画像形成装置は、像担持体としての光導電性の有機感光ドラム1を備えており、画像形成動作に入ると、感光ドラム1は、矢印qの方向に回転駆動される。この感光ドラム1表面は、接触帯電装置としての帯電ローラ2の芯金にバイアスを印加することによって、所定の暗部電位に一様に帯電される。次に、第1色目のイエロー(Y)の画像データに応じて、露光器3によりON/OFF制御されたレーザビームにより走査露光が施され、明部電位として第1の静電潜像が形成される。
このように形成された静電潜像は、現像装置22のロータリ22x内に装着された現像装置(現像カートリッジ)により現像し、可視化される。このロータリ22xは、第1の現像カートリッジ22Y、第2の現像カートリッジ22M、第3の現像カートリッジ22C、及び、第4の現像カートリッジ22Kを搭載して一体化した構成となっている。そして、それぞれの色の画像形成時に感光ドラム対向位置に(矢印rの方向に)回転移動される。
また、第1の現像カートリッジ22Yには、第1色目のトナーとしてイエロー(Y)トナーが内包され、第2のカートリッジ22Mには、第2色目のトナーとしてマゼンタ(M)トナーが内包されている。更に、第3の現像カートリッジCには第3色目のトナーとしてシアン(C)トナーが内包され、第4の現像カートリッジ22Kには、第4色目のトナーとしてブラック(K)トナーが内包されている。
感光ドラム1と対向した現像位置に位置された現像カートリッジ(22Y、22M、22C、22K)は、所定の層厚に規制されたトナーを担持している現像剤担持体としての現像ローラ8(8Y、8M、8C、8K)がモータ23により回転駆動される。そして、この現像ローラ8の芯金に所定のバイアスが印加されることにより現像を行う。また、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各現像カートリッジ22Y、22M、22C、22Kは、それぞれ一つのカートリッジ(現像カートリッジ)として、その消耗度合いにより個々に交換可能となっている。
先ず、前記第1の静電潜像は、第1色目のトナーとしてイエロー(Y)トナーが内包された第1の現像カートリッジ22Yにより現像、可視化される。現像方法としては、接触/非接触を問わず用いることができるが、本実施形態ではイメージ露光と反転現像とを組み合わせた非磁性一成分トナーによる接触現像法を用いている。
この可視化された第1色目のトナー像は、第2の像担持体としての中間転写体24とのニップ部である第1の転写部位N1において、シリンダー上に導電弾性層と離型性を有する表層とから形成された中間転写体24の表面に静電転写(1次転写)される。
中間転写体24は、通紙可能な最大転写材の長さよりも長い周長を有し、感光ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接されている。そして、感光ドラム1の周速度と略等速の周速度をもって感光ドラム1の回転方向(q方向)に対して逆方向(矢印uの方向)に回転駆動される(接触部位N1では感光ドラム1表面と中間転写体24表面は同方向に移動する)。
そして、前記のように感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、中間転写体24のシリンダー部に対してトナーの帯電極性とは逆極性の電圧(1次転写バイアス)が印加されることにより、中間転写体24表面に静電転写(1次転写)される。
尚、1次転写が終了した感光ドラム1表面に残留するトナーは、クリーニング装置6によって除去され、次の潜像形成に備える。
引き続き同様な工程を繰り返す。即ち、マゼンタ(M)トナーにより現像された第2色目のトナー像、シアン(C)トナーにより現像された第3色目のトナー像、ブラック(K)トナーにより現像された第4色目のトナー像が順次中間転写体24表面に転写、積層される。そしてこれによりカラートナー像が形成される。
その後、中間転写体24表面に対して離間状態にあった転写ベルト25が所定の押圧力をもって中間転写体24表面に圧接、駆動回転される。転写ベルト25は、転写ローラ17が内包される。第2の転写部位N2にて、転写ローラ17に対しては、トナーの帯電極性とは逆極性の電圧(2次転写バイアス)が印加される。これにより、所定のタイミングで搬送されてくる転写材P表面に、中間転写体24表面に積層されているカラートナー像が一括転写(2次転写)され、この転写材Pは定着器7へと搬送される。転写材Pは、トナー像が定着器7にて永久画像として定着された後機外へと排出され、所望のカラープリント画像が得られる。
また、2次転写が終了した中間転写体24表面に残存するトナーは、所定のタイミングで中間転写体24表面に対して当接状態となる中間転写体クリーニング装置16により除去される。
図11は、本実施形態の現像装置であるイエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKのトナーをそれぞれ収納した現像カートリッジ22Y、22M、22C、22Kを示す構成図である。
この現像カートリッジ22Y、22M、22C、22Kは、図10に示した画像形成装置100であるロータリ方式のカラープリンタに対し、不図示の現像カートリッジ交換用カバーを開閉することで着脱可能な構成とされる。そして、図10においては、取り出し位置にあるシアン現像カートリッジ22Cを上方の矢印D方向に取り出すことができる。
図10に示すロータリ方式のカラープリンタ100においては、取り出し位置にて現像カートリッジの着脱を行う必要がある。従って、図10にて、シアン現像カートリッジ22C以外のイエロー、マゼンタ、ブラック現像カートリッジ22Y、22M、22Kを交換する際には、ロータリ22xを回転させる。そして、取り出したいカートリッジを着脱位置(図10にて、現像カートリッジ22Cの位置)に回転させる必要がある。
以下、説明を簡略化するためイエロー(Y)トナーの現像カートリッジ22Yの場合を説明するが、他色の現像カートリッジ22M、22C、22Kについても同様である。また、図12は本実施形態を示すフローチャートである。
図11に示す本実施形態の現像カートリッジ22Yは、現像剤として非磁性一成分のYトナーを収容させてある反転現像装置である。
この現像カートリッジ22Yは、図中矢印e方向に回転させられながら感光ドラム1に接触して現像を行う現像ローラ8Y、図中f方向に回転することによって現像ローラ8Yにトナーを供給するトナー供給装置としての供給ローラ12Yを有する。更に、現像ローラ8Y上のトナー塗布量及び帯電量を規制する現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード32Y、トナーを供給ローラ12Yに供給すると共に撹拌する撹拌部材13Yを備えている。
図12を参照して説明する。不図示のパーソナルコンピュータ等からプリント出力の要請がされると(S21)、要求された画像が写真のように階調を重視する画像なのかそれとも文字等のように濃度を重視する画像なのかを、像域分離(S22)等により判定する(S23)。この場合の像域分離の方法は、上記した公知の方法が使用可能である。また、像域分離等によらずパーソナルコンピュータのプリント要求画面等に記載することでユーザーに要求を入力させ、それを判定してもよい。
上記判定の結果、フルカラーの写真画像のような階調を重視する画像が要求された場合には、第1のモードにより、全てのブレードバイアス電源には現像バイアス電源と略同電位のバイアス(例えば、−300V)が印加される(S24)。これにより、フルカラーで階調性を重視した画像を出力可能である。ここで、図12の(S24)中、Vbはブレードバイアス電源の出力値を示し、Vdcは各色の現像バイアス電源の出力値を示す。図12のVb、Vdcにて、カッコ内のY、M、C、Kは、現像器の各色を示す。
写真画像のみでない場合(S23にてNOの場合)、逆に文字のみか否かを判定する(S25)。ここで文字のみと判定された場合には、全てのブレードバイアス電源には現像バイアスより−100V以上小さいバイアス(−400V以下)が印加される(S26)。
その結果、現像剤規制ブレード9からトナーのコートに必要な電流が流れることが可能となる。現像剤規制ブレード9中を電荷が移動できることで、ブレード9から摩擦帯電により電荷を受けたトナーが現像ローラ側へ転移しやすくなり、現像ローラ8上のM/Aは大きくなる。色文字についても多くのトナーで文字等を現像することで、非常にコントラストのあるくっきりとした文字再現が可能となる(S28)。
文字及び写真の混在と判断された場合(S25)には、イエローY、マゼンタM、シアンCについては階調性を重視したバイアスを、ブラックKについては文字再現を重視したバイアスを印加する。即ち、有彩色であるイエローY、マゼンタM、シアンCのブレードバイアス電源には現像バイアス電源と略同電位のバイアス(−300V)が印加される。即ち、Vb(Y)、(M)、(C)=Vdc(Y)、(M)、(C)である。ブラックKのブレードバイアス電源には現像バイアスより−100V以上小さいバイアス(−400V以下)が印加される。即ち、Vb(K)<Vdc(K)−100、である。つまり、画像と文字の混在画像においては、写真等の階調性とブラック文字品位が求められる。そこで、混在画像中のうち、写真調と判断された部分及び色文字はイエローY・マゼンタM・シアンCで色再現を行い、文字部分はブラックKで行うものである。
ブレードバイアスが決められた後、画像形成(S28)を行う動作に入る。
図10において、感光ドラム1が回転するとともに、1色目の現像カートリッジ22Yを感光ドラム1の対向位置にもってくるようにロータリ22xが公転を開始する。
1色目(イエローY)の現像カートリッジ22Yが感光ドラム1の対向位置にくると、現像ローラ8Yが準備前回転を始める。それと同時に、制御部(制御装置)21の制御に従って電圧印加装置としての現像バイアス電源19とブレードバイアス電源20から電圧が供給される。このとき、現像バイアス電源19からは現像ローラ8Yに、本実施形態では約−300Vの電圧が印加され、ブレードバイアス電源20からは前述の判定の結果のバイアスが印加される。
1色目の画像形成時が終了すると、現像ローラ8Yの回転はオフされ、次の色(マゼンタM)画像形成との間にロータリ22xが公転を行う。このロータリ22xの公転時においては、現像バイアス電源19及びブレードバイアス電源20からの電圧供給はオフされる。
ロータリ22xの公転が終了し、2色目(マゼンタM)の現像カートリッジ22Mが感光ドラム1の対向位置にて停止する。
そして、1色目(イエロー)と同様に、現像ローラ8Mが準備前回転を始める。それと同時に、現像バイアス電源19とブレードバイアス電源20から電圧が供給される。
上記動作を、3色目(シアンC)、4色目(ブラックK)まで行う。
このように、各色ごとにブレードバイアスを決定することで所望の画像を出力可能な画像形成装置を提供できる。
4色目まで画像形成が終了すると、現像ローラ8Kの回転はオフされ、ロータリ22xが公転を行う。このロータリ22xの公転前に、現像バイアス電源19及びブレードバイアス電源20からの電圧供給はオフされる。
そして、追加の印字要求を確認(S29)した後、画像形成を終了する(S30)。
画像形成の終了動作は、ロータリ22xの公転が終了し、中間転写体24や感光ドラム1等が次回のプリントのための本体後回転になり、本体後回転が終了すると感光ドラム1は停止する。
以上述べたように、本実施形態においては、現像剤規制ブレード9における当接部材9bの材質として半導電性のゴム若しくは樹脂を用い、抵抗値を以下の範囲にすることが好ましいい。即ち、少なくともブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差が10Vでは現像剤規制ブレードの抵抗値が2×108Ω以上を有すうることが好ましい。また、該電位差が100V〜400Vの領域では現像剤規制ブレードの抵抗値が1×108Ω以下の抵抗値を前記領域の少なくとも一部で有することが好ましい。
更にカラー画像を含む所望の画像を判断し、ブレードバイアスと現像ローラバイアスの電位差を各色毎に変化させ、適切なトナー量を制御することで文字つぶれ、白飛びといった画像不良を防止し、長期にわたって安定した画像形成を行うことが可能となる。