JP5975619B2 - 導電性エンドレスベルトおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
項1.ポリアミド樹脂を含む基層と、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層とを有する二層の導電性エンドレスベルトであって、該ベルトの表面抵抗率が1×106〜1014(Ω/□)の範囲内であることを特徴とする導電性エンドレスベルト。
項2.表面の静摩擦係数が0.25以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性エンドレスベルト。
項3.表面の表面粗さ(Rz)が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性エンドレスベルト。
項4.前記基層に無機フィラーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項5.前記表層のシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して酸性処理されたカーボンブラックを1〜60重量部含有してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項6.前記表層の60°入射角における光沢度が70以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項7.前記表層がコーティングにより形成されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項8.カラー画像形成装置における中間転写ベルトである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項9.芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層形成組成物を、基層の外面に積層し、表層を形成する工程を含む、ポリアミド樹脂を含む基層とシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法。
項10.前記表層を形成する工程において、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を溶媒に溶解し、当該表層形成組成物を基層の外面にコーティングすることにより表層を形成する、請求項9に記載の製造方法。
1.導電性エンドレスベルト
本発明の導電性エンドレスベルトは、ポリアミド樹脂を含む基層の外面上に、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層を形成した、複層構造のエンドレスベルトである。
以下、各層毎に説明する。
本発明の基層には、ポリアミド樹脂を含む。基層は、ポリアミド樹脂に導電剤が分散された層であり、ポリアミド樹脂及び導電剤を含む基層形成組成物によって形成される。
本発明の表層には、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む。表層は、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層形成組成物によって形成される。
本発明の導電性エンドレスベルトは、以下の諸物性値を有する。
導電性エンドレスベルト全体の厚み(総厚み)は、通常、100〜140μm、好ましくは110〜130μm、さらに好ましくは115〜125μmである。前記範囲内にあることで、ハンドリング性にも製造コストにも優れた導電性エンドレスベルトとすることができる。
以上のような構成を有する導電性エンドレスベルトの製造方法については、特に限定されないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程
(2)シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層形成組成物を、上記(1)で得られた基層の外面に積層し、表層を形成する工程。
ポリアミド樹脂を含む基層は、ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む基層形成組成物を押出成形することによって製造することができる。例えば、次のようにして製造できる。
シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層は、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂および溶媒、必要に応じて導電剤を含む表層形成組成物を、基層の外面に積層することによって製造することができる。
h=a(ηu/dg)1/2 (1)
(ここで、gは重力加速度を表す。)
表層を形成するシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を精秤し、この時の重量をCgとする。電子天秤上で当該樹脂を溶剤に溶かすために、攪拌しながら溶剤を徐々に加え、最終的な溶液重量をDgとしたときの固形分濃度は、次式(I)となる。
固形分濃度=C/D×100(%) (I)
<測定装置>
抵抗計:ハイレスタ-UP(三菱化学株式会社製)
電極:URSプローブ(三菱化学株式会社製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/50%RH, 印加電圧:100V, 印加時間:10sec
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点を前記測定装置、前記測定条件にて測定し、その平均値を求めた。なお、測定時の荷重は2.0kgとした。
<測定装置>
抵抗計:ハイレスタ-UP(三菱化学株式会社製)
電極:URSプローブ(三菱化学株式会社製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/50%RH, 印加電圧:100V, 印加時間:10sec
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点を前記測定装置、前記測定条件にて測定し、その平均値を求めた。なお、測定時の荷重は2.0kgとした。
<測定装置>
オートグラフ:AG−500E(株式会社島津製作所製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/55%RH,試験スピード:50mm/min,試験片幅:25mm×250mm
チャック間距離:200mm
試験片引張方向:ベルト周方向 JIS K7127準拠
N数 5の平均値
基層の引張弾性率は、各実施例及び比較例に記載の方法で製造後、上記条件に従って測定した。
<測定装置>
オートグラフ:AG−500E(株式会社島津製作所製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/55%RH,試験スピード:50mm/min,試験片幅:25mm×250mm
チャック間距離:200mm
試験片引張方向:ベルト周方向 JIS K7161準拠
N数 5の平均値
基層の引張破壊時呼び歪みは、各実施例及び比較例に記載の方法で製造後、上記条件に従って測定した。
精度0.001mmのダイヤルゲージ゛にて、得られたエンドレスベルトの幅方向中央1点、ベルト周方向に等間隔に16点、計16点測定した値の平均値を求めた。
<測定装置>
レーザー顕微鏡 VK−9510(株式会社キーエンス製)
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点のベルト断面を前記測定装置にて倍率3000倍にて観察した後、表層厚みを測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
PG−1M(日本電色工業株式会社製)
<測定条件>
JIS Z8741準拠 入射角60°
得られた導電性エンドレスベルトにおいて、表層側を幅方向中央、周方向に等間隔に8点測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
Surfcom480A(東京精密株式会社製)
<測定条件>
JIS B0601:1994準拠
評価長さ: 4.0mm, 測定速度: 0.15mm/sec, カットオフ: 0.8mm
得られた導電性エンドレスベルトにおいて、表層側を幅方向中央、周方向に等間隔に8点測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
HEIDON μs94i 対SUS
得られた導電性エンドレスベルトにおいて、表層側を幅方向中央、周方向に等間隔に8点測定し、その平均値を求めた。
下記実施例および比較例により得られた導電性エンドレスベルトを中間転写ベルトとして、実機(カラーレーザープリンタ「CLP−315k」、SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD製)に装着し、マゼンタ色のハーフトーン画像を印刷することにより、ブリードアウト性、耐フィルミング性、耐久性を確認した。
ブリードアウト性評価方法;
HH環境下(32.5℃ 85%RH)において、2万枚の耐刷試験を行い、5千枚毎に感光体表面及び画像を確認した。
×:感光体表面にブリード物が目視で確認でき、かつ画像不良が発生するもの
△:感光体表面にブリード物は確認できないが、画像不良が発生するもの
○:感光体表面にブリード物も確認できず、画像不良も発生しないもの
耐フィルミング性評価方法;
×:印刷枚数1万枚未満で、クリーニング不良が発生
△:印刷枚数1万枚以上3万枚未満で、クリーニング不良が発生
○:印刷枚数3万枚以上
耐久性評価方法;
×:印刷枚数1万枚未満で、表面にクラック発生もしくはベルト破断
△:印刷枚数1万枚以上3万枚未満で、表面にクラック発生もしくはベルト破断
○:印刷枚数3万枚以上
下記実施例および比較例により得られた導電性エンドレスベルトを駆動ロールに装着後、ウレタン製のブレードをベルトの回転に対して鋭角に押し当てブレードクリーニング試験機とした。この装置を用いてHH環境下(32.5℃ 85%RH)において市販のトナーをブレードの上流に散りばめてブレードを通過したベルトを観察し、トナーの除去性を確認した。回転速度は700mm/sec。
×:抜け、ブレードビビリ・めくれによりベルト上にトナーが残存
○:トナーがブレードによって全て回収
ポリアミド樹脂(UBESTA PA−12 3020U、宇部興産(株)製)80重量%、タルク(ナノエースKS−873N1000、日本タルク(株)製)10重量%及びカーボンブラック(ケッチェンブラック、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)10重量%を配合した後、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度160〜250℃)、ペレット状原料Aを作製した。
上記ペレットAを、φ50mm単軸押出機(シリンダー温度:160〜250℃)を用いて、サーキュラーマンドレルダイにて内周長376mm、厚み120±7μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm、引張弾性率2.1GPa、引張破壊時呼び歪み180%の円筒状のチューブ(基層)を製膜した。その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、反応容器に、モノマーを構成する、トリメリット酸無水物0.5モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.5モル、イソホロンジイソシアネート1モルと、触媒としてナトリウムメトキサイド0.02モルを仕込み、当該モノマー濃度が50重量%となるように、溶剤γ−ブチロラクトンを加えた。この溶液を攪拌しながら100℃で2時間反応させた後、シリコーンX−22−176DX(信越化学工業製;水酸基含有ポリジメチルシロキサン)を、前記モノマーを反応させて得られたポリアミドイミド樹脂に対して3重量%となるように加え、1時間反応させた後、180℃で更に3時間反応させた後に、固形分濃度12重量%となるように溶解させ、ワニスAを得た。
上記で得られた表面処理済みの基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記ワニスAで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであり、静摩擦係数が0.17、表面粗さRzが0.6μmであった。
実施例1と同様にして、基層(内周長376mm、厚み120μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を得た。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
実施例1のワニスAにカーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)をこのワニスAの樹脂固形分100重量部に対し35重量部となるように配合し、さらに分散剤(楠本化成(株)ディスパロンKS−873N)をカーボンブラックと同量配合した後に、ボールミルを用いて25℃において30分混合させ調整した。その後この分散液をSUS304の300メッシュにてろ過して導電ワニスBを得た。
上記で得られた表面処理済みの基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスBで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み5.0μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、125.0μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率は6×108Ω・cmであり、静摩擦係数が0.18、表面粗さRzが0.5μmであった。
実施例1と同様にして、基層(内周長376mm、厚み120μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を得た。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
実施例1のワニスAにカーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)をこのワニスAの樹脂固形分100重量部に対し60重量部となるように配合し、さらに分散剤(楠本化成(株)ディスパロンKS−873N)をカーボンブラックと同量配合した後に、ボールミルを用いて25℃において30分混合させ調整した。その後この分散液をSUS304の300メッシュにてろ過して導電ワニスCを得た。
上記で得られた表面処理済みの基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記導電ワニスCで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み5.0μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、125.0μm、表面抵抗率は1×108Ω/□、体積抵抗率は6×106Ω・cmであり、静摩擦係数が0.18、表面粗さRzが0.5μmであった。
実施例1と同様にして、基層(内周長376mm、厚み120μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を得た。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
その後、シリコーンをX−22−176F(信越化学工業製;水酸基含有ポリジメチルシロキサン)に変えた以外は、実施例1と同様にしてワニスDを得た。
上記で得られた表面処理済みの基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記ワニスDで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであり、静摩擦係数が0.17、表面粗さRzが0.6μmであった。
ポリアミド樹脂(UBESTA PA−12 3020U、宇部興産(株)製)90重量%及びカーボンブラック(ケッチェンブラック、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)10重量%を配合した後、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度160〜250℃)、ペレット状原料Bを作製した以外は実施例1と同様にして、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した基層は、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm、引張弾性率1.6GPa、引張破壊時呼び歪み250%の円筒状のチューブであり、当該基層を用いて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであり、静摩擦係数が0.17、表面粗さRzが0.2μmであった。
実施例1と同様にして、基層(内周長376mm、厚み120μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を得た。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、反応容器にトリメリット酸無水物0.5モル、シクロヘキサンジカルボン酸0.5モル、イソホロンジイソシアネート1モル、ナトリウムメトキサイド0.02モルを溶剤γ−ブチロラクトンと共に仕込み、モノマー濃度を50重量%とした。この溶液を攪拌しながら100℃で2時間反応させた後、180℃で更に3時間反応させた後に固形分濃度12重量%となるように溶解させ、ワニスEを得た。
上記で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記ワニスEで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであり、静摩擦係数が0.30、表面粗さRzが0.6μmであった。
上記実施例1において、表層を形成することなく、幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの単層導電性エンドレスベルトを作成した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは120μm、表面抵抗率は1×1010Ω/□、体積抵抗率は6×108Ω・cmであり、静摩擦係数が0.17、表面粗さRzが1.2μmであった。
ムキコート3000VH R−2クリヤー主剤とムキコート3000T-4硬化剤(ともに川上塗料株式会社製)を溶剤の酢酸エチルに固形分濃度15質量%となるように溶解させてワニスFを得た。
実施例1と同様に得られたコロナ表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、上記ワニスFで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は2×1010Ω/□、体積抵抗率は2×109Ω・cmであり、静摩擦係数は0.12、表面粗さRzが0.5μmであった。
各導電性エンドレスベルトを中間転写ベルトとして、上記の方法に従ってブリードアウト性、耐フィルミング性、耐久性を確認し、結果を表1に示した。また、光沢度、表面粗さ、表層厚み、表面抵抗率、静摩擦係数についても、上記の方法に従って測定し、結果を表1に示した。
11 表層
Claims (9)
- ポリアミド樹脂を含む基層と、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層とを有する二層の導電性エンドレスベルトであって、
前記ポリアミド樹脂は、ポリアミド12であり、
該基層にタルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、及びガラス繊維よりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機フィラーを含み、無機フィラーの添加量が、基層を形成するポリアミド樹脂組成物100重量%中、5〜20重量%であり、
該ベルトの表面抵抗率が1×106〜1014(Ω/□)の範囲内であることを特徴とする導電性エンドレスベルト。 - 表面の静摩擦係数が0.25以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性エンドレスベルト。
- 表面の表面粗さ(Rz)が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層のシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂100重量部に対して酸性処理されたカーボンブラックを1〜60重量部含有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層の60°入射角における光沢度が70以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層がコーティングにより形成されたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- カラー画像形成装置における中間転写ベルトである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層形成組成物を、基層の外面に積層し、表層を形成する工程を含む、
ポリアミド樹脂を含む基層とシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を含む表層とを有し、前記ポリアミド樹脂は、ポリアミド12であり、該基層にタルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、及びガラス繊維よりなる群から選ばれる少なくとも1種の無機フィラーを含み、無機フィラーの添加量が、基層を形成するポリアミド樹脂組成物100重量%中、5〜20重量%である、導電性エンドレスベルトの製造方法。 - 前記表層を形成する工程において、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂を溶媒に溶解し、当該表層形成組成物を基層の外面にコーティングすることにより表層を形成する、請求項8に記載の製造方法。
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