JP2012215659A - 導電性エンドレスベルトおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド樹脂を含む基層と、芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層とを有する導電性エンドレスベルト。
【選択図】なし
Description
項1. ポリアミド樹脂を含む基層と、芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層とを有する導電性エンドレスベルト。
項2.前記芳香族ポリイミド系樹脂がポリアミドイミド樹脂である、項1に記載の導電性エンドレスベルト。
項3.前記基層に無機フィラーを含む、項1または2に記載の導電性エンドレスベルト。
項4.前記表層が、厚み0.5〜1.3μmである、項1〜3のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項5.前記表層の表面粗さ(Rz)が、1.0μm未満である、項1〜4のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項6.前記表層の60°入射角における光沢度が70以上である、項1〜5のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項7.前記表層がコーティングにより形成されたものである、項1〜6のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項8.表面抵抗率が、1×106Ω/□〜1×1014Ω/□である、項1〜7のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項9.体積抵抗率が、1×104Ω・cm〜1×1014Ω・cmである、項1〜8のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項10.カラー画像形成装置における中間転写ベルトである、項1〜9のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
項11.下記工程(1)および(2)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、および
(2)芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層形成組成物を、上記(1)で得られた基層の外面に積層し、表層を形成する工程。
項12.前記工程(2)において、芳香族ポリイミド系樹脂を溶媒に溶解し、当該表層形成組成物を基層の外面にコーティングすることにより表層を形成する、項11に記載の製造方法。
項13.下記工程(1)〜(3)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、
(2)芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層形成組成物を、円筒状金型を用いて遠心成形を行い、表層を形成する工程、および
(3)上記(2)で得られた表層の内面に、上記(1)で得られた基層の外面を重ね合わせて加熱処理する工程。
1.導電性エンドレスベルト
本発明の導電性エンドレスベルトは、ポリアミド樹脂を含む基層の外面上に、芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層を形成した、複層構造のエンドレスベルトである。また、当該基層および表層の間に、弾性を有するゴム層等を含む中間層を設けてもよい。
以下、各層毎に説明する。
本発明の基層には、ポリアミド樹脂を含む。基層は、ポリアミド樹脂に導電剤が分散された層であり、ポリアミド樹脂及び導電剤を含む基層形成組成物によって形成される。
本発明の表層には、芳香族ポリイミド系樹脂を含む。表層は、芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層形成組成物によって形成される。
本発明の導電性エンドレスベルトは、以下の諸物性値を有する。
導電性エンドレスベルト全体の厚み(総厚み)は、通常、100〜140μm、好ましくは110〜130μm、さらに好ましくは115〜125μmである。前記範囲内にあることで、ハンドリング性にも製造コストにも優れた導電性エンドレスベルトとすることができる。
以上のような構成を有する導電性エンドレスベルトの製造方法については、特に限定されないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、
(2)芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層組成物を、円筒状金型を用いて遠心成形を行い、表層を形成する工程、および
(3)上記(2)で得られた表層の内面に、上記(1)で得られた基層の外面を重ね合わせて接着若しくは加熱して融着する工程。
ポリアミド樹脂を含む基層は、ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む基層組成物を押出成形することによって製造することができる。例えば、次のようにして製造できる。
芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層は、例えば、次のようにして製膜することができる。
上記工程(1)で得られた基層の外面と、上記(2)で得られた表層の内面とを重ね合わせて、加熱処理する。
芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層は、芳香族ポリイミド系樹脂および溶媒を含む表層形成組成物を、基層の外面に積層することによって製造することができる。
h=a(ηu/dg)1/2 (1)
(ここで、gは重力加速度を表す。)
本発明において、各値は以下のとおり測定した。
表層を形成する芳香族ポリイミド系樹脂を精秤し、この時の重量をCgとする。電子天秤上で当該樹脂を溶剤に溶かすために、攪拌しながら溶剤を徐々に加え、最終的な溶液重量をDgとしたときの固形分濃度は、次式(I)となる。
固形分濃度=C/D×100(%) (I)
<測定装置>
抵抗計:ハイレスタ-UP(三菱化学株式会社製)
電極:URSプローブ(三菱化学株式会社製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/50%RH, 印加電圧:100V, 印加時間:10sec
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点を前記測定装置、前記測定条件にて測定し、その平均値を求めた。なお、測定時の荷重は2.0kgとした。
<測定装置>
抵抗計:ハイレスタ-UP(三菱化学株式会社製)
電極:URSプローブ(三菱化学株式会社製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/50%RH, 印加電圧:100V, 印加時間:10sec
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点を前記測定装置、前記測定条件にて測定し、その平均値を求めた。なお、測定時の荷重は2.0kgとした。
精度0.001mmのダイヤルゲージ゛にて、得られたエンドレスベルトの幅方向中央1点、ベルト周方向に等間隔に16点、計16点測定した値の平均値を求めた。
<測定装置>
レーザー顕微鏡 VK−9510(株式会社キーエンス製)
得られたエンドレスベルト(直径120mm・幅238mm)を切開し、幅方向中央、周方向に等間隔16点のベルト断面を前記測定装置にて倍率3000倍にて観察した後、表層厚みを測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
オートグラフ:AG−500E(株式会社島津製作所製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/55%RH,試験スピード:50mm/min,試験片幅:25mm×250mm
チャック間距離:200mm
試験片引張方向:ベルト周方向 JIS K7127準拠
N数 5の平均値
基層については、各実施例及び比較例に記載の方法で製造後、上記条件に従って測定した。
表層については、各実施例及び比較例に示したワニスを用い、乾燥後のワニスの膜厚が20μmになるように市販のバーコーターの番手を選択し、市販のシリコーン系離型剤を塗布した厚さ1.0mmのSUS304の板の上に膜を形成後、オーブンで乾燥させ、その後SUS304の板から剥離させることにより得た、20μmの表層を用いて、上記条件に従って測定した。
<測定装置>
オートグラフ:AG−500E(株式会社島津製作所製)
<測定条件>
測定雰囲気:23℃/55%RH,試験スピード:200mm/min,試験片幅:10mm×150mm
チャック間距離:100mm
試験片引張方向:ベルト周方向 JIS K7127準拠
N数 5の平均値
上記引張弾性率と同様の基層および表層について、それぞれ上記条件に従って測定した。
<測定装置>
PG−1M(日本電色工業株式会社製)
<測定条件>
JIS Z8741準拠 入射角60°
得られた導電性エンドレスベルトにおいて、表層側を幅方向中央、周方向に等間隔に8点測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
Surfcom480A(東京精密株式会社製)
<測定条件>
JIS B0601:1994準拠
評価長さ: 4.0mm, 測定速度: 0.15mm/sec, カットオフ: 0.8mm
得られた導電性エンドレスベルトにおいて、表層側を幅方向中央、周方向に等間隔に8点測定し、その平均値を求めた。
<測定装置>
MIT試験機(株式会社東洋精機製作所製)
<測定条件>
ASTM D−2176準拠
折曲角度: 135°, 折曲スピード: 175cpm, 荷重: 300g
<評価方法>
MIT試験回数;
○:30,000以上
△:5,000以上、30,000未満
×:5,000未満
導電性エンドレスベルトを25mm×50mmにカットした後に、0.2kg/cm2の圧力でA4サイズのPPC用紙に密着させた状態で、310mm/secの速度にて用紙の縦方向270mm間を700回スライドさせ、スライド前後におけるエンドレスベルトの重量差を測定し、この重量差を摩耗量とした。評価基準は下記のとおりである。
重量差;
○:0.5mg以下
△:0.5mg超、1.2mg以下
×:1.2mg超
下記実施例および比較例により得られた導電性エンドレスベルトを中間転写ベルトとして、実機(カラーレーザープリンタ「CLP−315k」、SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD製)に装着し、マゼンタ色のハーフトーン画像を印刷することにより、ブリードアウト性、耐フィルミング性、耐久性を確認した。
ブリードアウト性評価方法;
HH環境下(32.5℃ 85%RH)において、2万枚の耐刷試験を行い、5千枚毎に感光体表面及び画像を確認した。
×:感光体表面にブリード物が目視で確認でき、かつ画像不良が発生するもの
△:感光体表面にブリード物は確認できないが、画像不良が発生するもの
○:感光体表面にブリード物も確認できず、画像不良も発生しないもの
耐フィルミング性評価方法;
×:印刷枚数1万枚未満で、クリーニング不良が発生
△:印刷枚数1万枚以上3万枚未満で、クリーニング不良が発生
○:印刷枚数3万枚以上
耐久性評価方法;
×:印刷枚数1万枚未満で、表面にクラック発生もしくはベルト破断
△:印刷枚数1万枚以上3万枚未満で、表面にクラック発生もしくはベルト破断
○:印刷枚数3万枚以上
ポリアミド樹脂(UBESTA PA−12 3020U、宇部興産(株)製)90重量%及びカーボンブラック(ケッチェンブラック、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)10重量%を配合した後、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度160〜250℃)、ペレット状原料Aを作製した。
上記ペレットAを、φ50mm単軸押出機(シリンダー温度:180〜230℃)を用いて、サーキュラーマンドレルダイにて内周長376mm、厚み120±7μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの円筒状のチューブ(基層)を製膜した。その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度15質量%となるように溶解させ、ワニスAを得た。
上記ワニスAを、上記で得られた表面処理済みの基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、ワニスAで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであった。
ポリアミド樹脂(UBESTA PA−12 3020U、宇部興産(株)製)80重量%、タルク(ナノエースKS−873N1000、日本タルク(株)製)10重量%及びカーボンブラック(ケッチェンブラック、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)10重量%を配合した後、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度160〜250℃)、ペレット状原料Bを作製した。
上記ペレットBを、φ50mm単軸押出機(シリンダー温度:160〜250℃)を用いて、サーキュラーマンドレルダイにて内周長376mm、厚み120±7μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの円筒状のチューブ(基層)を製膜した。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、無水トリメリット酸1モルと、イソホロンジイソシアネート1モルからなるポリアミドイミド樹脂を、γ−ブチロラクトンに固形分濃度15質量%となるように溶解させ、ワニスBを得た。
上記ワニスBを、上記で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、ワニスBで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであった。
実施例2と同様にして、基層(内周長376mm、厚み120μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を得た。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、無水トリメリット酸0.5モル、シクロヘキサンカルボン酸0.5モル、イソホロンジイソシアネート1モルからなるポリアミドイミド樹脂を、γ−ブチロラクトンに固形分濃度20質量%となるように溶解させた。この溶液を水中に攪拌しながら徐々に加えてポリマーを析出させ、濾過、乾燥させてポリアミドイミド粉末を得た。得られたポリアミドイミド粉末を、メチルアルコールとテトラヒドロフランの混合溶媒(1:1)に溶解させ、固形分濃度15質量%のワニスCを得た。
上記ワニスCを、上記で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、ワニスCで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであった。
実施例1と同様にして、基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を得た。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度18質量%となるように溶解させ、ワニスDを得た。
上記ワニスDを、上記で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、ワニスDで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み1.2μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、121.2μm、表面抵抗率は6×1010Ω/□、体積抵抗率は1×1010Ω・cmであった。
実施例1と同様にして、基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を得た。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度12質量%となるように溶解させ、ワニスEを得た。
上記ワニスEを、上記で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□ )を金属製のマンドレルに外装した後、ワニスEで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.6μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.6μm、表面抵抗率は2×1010Ω/□、体積抵抗率は2×109Ω・cmであった。
上記実施例1において、表層を形成することなく、幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの単層導電性エンドレスベルトを作成した。
上記実施例2において、表層を形成することなく、幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの単層導電性エンドレスベルトを作成した。
アクリル樹脂(クリアーSD−T―9559、レジノカラー工業(株)製)をイソプロパノール(IPA)に固形分濃度15質量%となるように溶解させ、ワニスGを得た。
上記ワニスGを、実施例1で得られたコロナ表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cm)を金属製のマンドレルに外装した後、ワニスGで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は2×1010Ω/□、体積抵抗率は2×109Ω・cmであった。
無水トリメリット酸1モル、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート0.7モル、2,4−トリレンジイソシアネート0.3モルからなるポリアミドイミド樹脂を、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に固形分濃度15質量%となるように溶解させた後、カーボンブラック(スペシャルブラック4、テグサジャパン社製)とDMAcとを、ポリアミドイミド樹脂の固形分に対して16部となるよう加え、ボールミルを用いてカーボンブラックを均一分散させて固形分濃度18質量%とし、ワニスHを得た。
上記ワニスHを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm、内径120mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ全量注入した。徐々に回転を上げ、最後には340回/分で30分間回転を続行した。この状態を維持しつつ、該ドラムを加熱して200℃に到達させ、さらにその温度で120分間回転を続け、溶媒を蒸発させて乾燥させた。その後、ベルトを取り出し、幅をカットすることにより、内周長376mm、厚み80μm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率9×108Ω・cm、幅238mmのポリアミドイミド単層導電性ベルトを得た。
ポリエステル(PET E−02、(株)ベルポリエステルプロダクツ製)90重量%及びカーボンブラック(ケッチェンブラック、ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)10重量%を配合し、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度145〜200℃)、ペレット状原料Iを作製した。
上記ペレット状原料Iを、φ50mm単軸押出機(シリンダー温度:145〜200℃)を用いて、サーキュラーマンドレルダイにて内周長376mm、厚み120±7μm、幅238mm、表面抵抗率1×1010Ω/□、体積抵抗率6×108Ω・cmの円筒状のチューブ(基層)を製膜した。
その後、春日電機(株)製高周波電源AGF−A60とアルミ電極(有効長:300mm)を用いて、基層の外周表面に、30W・min/m2で、コロナ処理を行った。
次に、実施例3と同様にして得たワニスCを、上記で得られた表面処理済の基層(幅238mm、内周長376mm、厚み120μm、表面抵抗率1×1010Ω/□)を金属製のマンドレルに外装した後、ワニスCで満たされたバスに、基層を外装したマンドレルをバスに対して垂直に浸漬させ、厚み0.8μmの表層を形成しうるように引上げ速度を調整した後、オーブンにて乾燥させ、図1に示した構造の導電性エンドレスベルトを作製した。
なお、上記にて作製した導電性エンドレスベルトの厚みは、120.8μm、表面抵抗率は3×1010Ω/□、体積抵抗率は3×109Ω・cmであった。
各導電性エンドレスベルト表層及び基層単体の引張弾性率及び引張破断伸度を、上記の方法に従って測定し、結果を表1に示した。また、表層の厚み、ベルトの耐屈曲性についても、上記の方法に従って測定し、結果を表1に示した。
各導電性エンドレスベルトを中間転写ベルトとして、上記の方法に従ってブリードアウト性、耐フィルミング性、耐久性を確認し、結果を表1に示した。また、表層の光沢度および表面粗さ、導電性エンドレスベルトの摩耗量についても、上記の方法に従って測定し、結果を表1に示した。
11 表層
Claims (13)
- ポリアミド樹脂を含む基層と、芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層とを有する導電性エンドレスベルト。
- 前記芳香族ポリイミド系樹脂がポリアミドイミド樹脂である、請求項1に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記基層に無機フィラーを含む、請求項1または2に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層が、厚み0.5〜1.3μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層の表面粗さ(Rz)が、1.0μm未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層の60°入射角における光沢度が70以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 前記表層がコーティングにより形成されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 表面抵抗率が1×106Ω/□〜1×1014Ω/□である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 体積抵抗率が1×104Ω・cm〜1×1014Ω・cmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- カラー画像形成装置における中間転写ベルトである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性エンドレスベルト。
- 下記工程(1)および(2)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、および
(2)芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層形成組成物を、上記(1)で得られた基層の外面に積層し、表層を形成する工程。 - 前記工程(2)において、芳香族ポリイミド系樹脂を溶媒に溶解し、当該表層形成組成物を基層の外面にコーティングすることにより表層を形成する、請求項11に記載の製造方法。
- 下記工程(1)〜(3)を含む、ポリアミド樹脂を含む基層と芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層とを有する、導電性エンドレスベルトの製造方法;
(1)ポリアミド樹脂および導電剤、必要に応じて無機フィラーを含む、基層形成組成物を押出成形して基層を形成する工程、
(2)芳香族ポリイミド系樹脂を含む表層形成組成物を、円筒状金型を用いて遠心成形を行い、表層を形成する工程、および
(3)上記(2)で得られた表層の内面に、上記(1)で得られた基層の外面を重ね合わせて加熱処理する工程。
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