JP2012228364A - 遊技機、及び遊技システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊技球を用いた遊技により所定の払出契機である入賞が成立するごとに前記遊技球の賞球払出指示信号Shを出力する遊技機メイン基板40と、前記遊技機メイン基板40の賞球払出指示信号Shに基づいて前記遊技球の払出を制御する払出制御基板41と、を備え、前記遊技機メイン基板40、及びは前記払出制御基板41の動作に基づいて動作異常を検知した場合、前記遊技機メイン基板40、及び前記払出制御基板41に動作を保留した状態で待機させるパチンコ機5を構成した。
【選択図】図3
Description
そこで、不正検知に伴い遊技を強制的に中断させる事が考え得る。しかしながら、玉詰まり等の、不正とは言えない機械的なトラブルを不正として誤検知されてしまった場合には、遊技者が不正行為を行っていないにもかかわらず、例えば特別遊技状態での遊技が中断される等、遊技者が遊技を獲得する契機を損なってしまう虞がある。
図1は、本実施形態に係る遊技サービスシステム1の構成を示す図である。
遊技サービスシステム1は、遊技店舗2に導入されている遊技管理システム3と、サービス提供サーバー群4とを備えている。遊技管理システム3は、遊技機の一例たるパチンコ機5から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6等を備えて構成されている。サービス提供サーバー群4は、遊技管理システム3に対して各種サービスを提供するサーバー群である。
ベンダー系サーバー群4Aには、遊技機メーカーサーバー12Aと、販社・中古機業者サーバー12Bと、カード会社サーバー12Cと、コンテンツプロバイダーサーバー12Dとが含まれている。
遊技機メーカーサーバー12Aは、パチンコ機5を製造する遊技機メーカーが所有するサーバーであり、販社・中古機業者サーバー12Bは、パチンコ機5を販売する販売会社や中古のパチンコ機5を販売する中古機業者が所有するサーバーである。これら遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bからは、製造、或いは販売したパチンコ機5の識別情報(例えば製造番号)と、後述する基板間認証に供される認証用情報としての遊技機ID(例えば、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61(図2))と、出荷先とが後述する遊技機ID管理センターサーバー13Dに送信され、当該遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理される。
カード会社サーバー12Cは、遊技球の貸し出しに供する後述するプリペイド媒体14を製造販売するカード会社によって利用され、プリペイド媒体の製造番号やシリアル番号の照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、かかる照会サービスを利用することで、偽造等された不正なプリペイド媒体を発見できる。
コンテンツプロバイダーサーバー12Dは、コンテンツを配信するプロバイダーによって利用され、各種コンテンツを配信するサーバーである。コンテンツの例としては、例えば遊技機メーカーによって登録されたパチンコ機5のPR(Public Relations)コンテンツや、遊技性能、遊技方法等の説明コンテンツなどが挙げられる。かかるコンテンツは、遊技管理システム3の例えば各CRユニット6に配信され、後述のタッチ液晶モジュール27などに表示されて遊技者に提供される。
コンテンツ配信データセンターサーバー13Aは、TVや映画などの動画や音楽等のエンターテイメントコンテンツを配信するサーバーであり、かかるコンテンツは、遊技管理システム3の各CRユニット6に配信されタッチ液晶モジュール27などに表示される。
プリペイド管理データセンターサーバー13Bは、遊技店舗2で利用されている各プリペイド媒体14の残価値の記録・照会サービスを提供するサーバーである。また第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cは、遊技店舗2の会員となった遊技者ごとに遊技球の貯玉数の記録・照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、これらプリペイド管理データセンターサーバー13B、及び第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが記録しているデータと遊技管理システム3で管理しているデータとの間の整合性を検証可能になっている。
なお、遊技機ID管理センターサーバー13Dの管理データには、他に任意の情報を含めることができ、例えば遊技機メーカー名やパチンコ機5の機種名の情報等を含めても良い。
不正情報監視センターサーバー13Eは、何らかの理由で不正と認められたパチンコ機5の識別情報を照会可能に管理するサーバーである。遊技店舗側は、不正情報監視センターサーバー13Eに問い合わせることで、所有のパチンコ機5が不正なものでないかを確認できる。
遊技管理システム3は、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6と、精算機7と、管理コンピュータ群8とを備え、CRユニット6、精算機7及び管理コンピュータ群8のそれぞれが店内LAN9、或いは専用通信線10により通信可能に接続されている。
パチンコ機5は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機5は、遊技者が、価値を記録した記録媒体たるプリペイド媒体14を購入、或いは、プリペイド媒体14に現金をチャージし、該プリペイド媒体14の残価値を対価として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機であり、パチンコ機5と、当該パチンコ機5と暗号通信可能に接続され、プリペイド媒体14を読み取る上記CRユニット6とを備えて遊技システム15が構成され、パチンコ機5は、CRユニット6と電気的に接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
またパチンコ機本体18の右下には、遊技球を遊技盤16の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル26が設けられている。遊技球発射ハンドル26の操作に伴って発射された遊技球が始動口19を通過したことを契機にパチンコ機5は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器24に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機5は、大入賞口21を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
タッチ液晶モジュール27は、パチンコ機本体18の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット6の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
CRユニット6は、紙幣挿入口28に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群8と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体14に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット6は、プリペイド媒体14として会員カード14Bが挿入されている場合には、会員カード14Bの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、会員カード14Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード14Bが挿入されていない場合には、CRユニット6は、新規にICコイン14Aを発行するとともに、ICコイン14Aの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、このICコイン14Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体14としてのICコイン14Aが新規に発行される。
精算機7は、プリペイド媒体14の残価値を精算する装置であり、この精算機7には、ICコイン14Aのコイン投入口32及び会員カード14Bのカード挿入口33が設けられている。精算機7は、プリペイド媒体14が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群8に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機7は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群8に通知し、管理コンピュータ群8が、そのプリペイド媒体14の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
遊技台計数管理装置35Aは、いわゆるホールコンピュータ(図示では「ホールコン」)と呼ばれる装置であり、各パチンコ機5での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機5のパチンコ機本体18が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット6への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報をCRユニット6から取得して中枢的に管理する。遊技台計数管理装置35Aは、かかる各種の情報を、パチンコ機5からではなくCRユニット6から取得する。すなわち、遊技台計数管理装置35AとCRユニット6とはパラレル信号線10A、及び/或いはホールコンI/F装置36を中継器に備えたシリアル信号線10Bを介して接続されており、CRユニット6がパチンコ機5から逐次情報を受信して遊技台計数管理装置35Aに出力する。
プリペイド媒体14の残価値は、CRユニット6でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイド管理サーバー35Bは、これらチャージ及び玉貸しに応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット6が残価値をプリペイド媒体14にチャージした場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。貸出スイッチ25Aの操作に応じてCRユニット6が玉貸を行った場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体14の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイド管理サーバー35Bには、上述した精算機7が店内LAN9を介して接続されており、精算機7にプリペイド媒体14が投入されると、精算機7がプリペイド媒体14の残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
CRユニット6は、会員カード14Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール27に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード14Bの識別情報の正当性を会員・景品管理サーバー35Dに問い合わせる。ただし、会員カード14Bがビジター会員用である場合には、かかる問い合わせは省略しても良い。CRユニット6は、これらの正当性が会員・景品管理サーバー35Dによって認められた場合に限り、当該会員・景品管理サーバー35Dから貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に表示する。またCRユニット6は貯玉が使用されるごとに会員・景品管理サーバー35Dに貯玉使用数を送信し、これにより会員・景品管理サーバー35Dが当該顧客の貯玉数を減算更新する。
すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品に交換した場合、当該景品カウンターに設置されたPOS端末を含むPOSシステム37から持玉を交換した旨が、プリペイド媒体14の識別情報とともに持玉管理サーバー35Cに入力され、持玉管理サーバー35Cがプリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。このとき、会員カード14Bを利用して遊技を行った顧客会員が景品交換した場合に、当該顧客会員が交換した景品を会員・景品管理サーバー35Dに記録して管理するようにしても良い。
また、顧客会員が持玉を貯玉に交換するときには、会員・景品管理サーバー35Dに、貯玉数がプリペイド媒体14の識別情報とともに送信され、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて管理されている貯玉数が加算更新され、また同様に第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが管理する貯玉数のデータも更新される。
なお、遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード14Bが持玉管理サーバー35Cに記録されている場合に、当該持玉管理サーバー35Cが会員・景品管理サーバー35Dに記録を転送し、当該会員・景品管理サーバー35Dが管理する会員カード14Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
遊技機ID管理サーバー35Fは、所定のデータアクセスIDとパスワードを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスし、パチンコ機5の識別情報(製造番号等)、遊技機ID、及び出荷先情報を上記遊技機ID管理センターサーバー13Dから取得して管理する。
パチンコ機5は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。
遊技機メイン基板40は、主制御基板とも呼ばれ、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機5は、始動口19、入賞口20及び大入賞口21のそれぞれに遊技球の入賞を検知する入賞検知センサ44を備え、それぞれから検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。遊技機メイン基板40は、始動口19、入賞口20及び大入賞口21ごとに賞球数を対応付けて記憶する入賞口別賞球数記憶部45を備え、入賞口への入賞が検知されるごとに、当該入賞口に応じた数の賞球の払い出しを指示する賞球(払出)指示信号Skaを払出制御基板41に出力し、また遊技盤16に賞球数別に設けた賞球通知灯46を点灯する。
当落抽選関連情報には、当落抽選契機となる始動口19への入賞を示す始動入賞信号、パチンコ機5での大当たり発生(当選)を示す大当り信号、当落抽選の結果表示のために図柄を変動表示させている最中であることを示す図柄回転中信号、図柄の変動停止を示す図柄停止信号(いわゆる、スタート信号)が含まれる。
また賞球関連情報には、大入賞口21への入賞を示す大入賞口入賞信号、及び他の入賞口20への入賞を示す周辺入賞信号が含まれている。
遊技状態情報には、パチンコ機5が遊技中に移行した遊技状態(例えば、確率変動遊技状態や時短遊技状態、通常遊技状態、大当たり遊技中である特別遊技状態)を示す遊技状態信号が含まれている。
CRユニット6等の外部の器機にあっては、当該外部端子出力信号Soutを受信することで、出玉関連情報などに基づいて遊技者の持球やパチンコ機5の差玉を管理できる。
なお、後述するファウル玉(戻り玉)検知センサ50A及びアウト玉検知センサ50Eを遊技機メイン基板40に設けた場合には、ファウル玉の発生を示すファウル玉信号、及びアウト玉の発生を示す外れ玉信号も外部端子出力信号Soutに含めて出力される。
ここで、このパチンコ機5は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機5の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット6から貸出(払出)指示信号Skaが後述する遊技機搭載暗号基板56を介して入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果を示す貸出(払出)結果情報を含む貸出(払出)結果信号SkbをCRユニット6に返信して通知する。
ファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aは、ファウル玉を検知する。ファウル玉とは、発射装置(図示略)の発射台に送り込まれて弾発された後、遊技盤16の遊技領域に到達することなく発射レール(図示略)を逆走し、ファウル経路(図示略)を経由して遊技盤16の裏側に回収された遊技球を指す。換言すれば、ファウル玉は、打ち損じにより遊技に供されなかった遊技球とも言える。このファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aは、ファウル経路を通過する遊技球を検知する通過センサとして構成される。
アウト玉検知センサ50Eは、各入賞口から回収された遊技球及びアウト口22から回収された外れ玉を称したアウト玉を検知する。パチンコ機5では、図示を省略するが、各入賞口から回収された遊技球及びアウト口22から回収された外れ玉は、遊技盤16の裏側で合流して下端側の回収部に所定の経路を通じて導かれており、この所定の経路に遊技球P(アウト玉)を検知する通過センサとしてアウト玉検知センサ50Eが設けられている。
これに対して、上記ファウル玉及び玉抜き玉は、発射台に送り込まれたものの、打ち損じ、或いは遊技中断によって遊技に供されなかった遊技球であることから、これらは総称して「戻り玉」とも呼ばれる。戻り玉検知時には、払出制御基板41は発射可能玉数を加算更新して、戻り玉を発射可能玉数に戻す。
払出制御基板41が発射可能玉数を加算更新する契機としては、戻り玉の発生時の他に、遊技機メイン基板40から賞球払出指示信号Shを受けたとき、及びCRユニット6から貸出指示信号が入力されたときがある。
また払出制御基板41には、球磨制御基板53が接続されている。球磨制御基板53は、パチンコ機5に封入されている遊技球の玉磨機構を制御する基板である。払出制御基板41は、遊技球発射時に打ち出し可能な遊技球が無くならないように球磨制御基板53から玉磨状態を取得しながら制御する。
さらに、払出制御基板41には、パチンコ機本体18に設けられた各種センサ(前面扉開放センサ、玉数異常検知センサ等)の検知信号が入力され、当該検知信号が遊技機メイン基板40に出力されて異常が判定される。
外部端子板54は、遊技機メイン基板40が出力する上記外部端子出力信号Sout及び汎用信号をCRユニット6等に一方向に出力する端子板であり、CRユニット6等の外部から外部端子板54への信号入力は禁止されている。CRユニット6にあっては、外部端子出力信号Soutを取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数(スタート回数)を特定し、また、外れ玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板41とは別に差玉を管理し、また、それらの情報を遊技台計数管理装置35Aに出力する。
外部端子出力信号Soutについては、遊技機搭載暗号基板56で復号化された後、非暗号化状態でCRユニット6にシリアル通信路を通じて送信される。
なお、遊技機搭載暗号基板56と上記外部端子板54を1つの中継基板の上に設けてもよい。
遊技者の貯玉或いは持玉の払出操作はタッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作により行われてCRユニット6に入力される。
遊技機メーカーは、パチンコ機5の製造出荷時に、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、認証キーたる遊技機ID(CPU固有ID61)を記録したセキュリティチップ60A、60B、60Cを実装して出荷し、また、遊技機ID管理センターサーバー13Dに、パチンコ機5の識別情報、出荷先、及び遊技機IDを送信して記録し、出荷先の遊技店舗2の遊技機ID管理サーバー35Fから参照可能にする。これらセキュリティチップ60B、60Cは、それぞれ上記遊技機搭載暗号基板56に設けたセキュリティチップ60Aと同じく、遊技機IDに基づいて暗号キーを生成し、当該暗号キーを用いてセキュリティチップ60A、60B、60Cの間の通信を暗号化/復号化して暗号通信する機能を備えている。
なお、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが認証キーに基づいて生成した暗号キーを暗号通信に用いるのではなく、他の共通の情報から暗号キーを生成しても良い。この場合、遊技機搭載暗号基板56とCRユニット6との間の暗号通信を可能にするために、暗号キーを生成するための情報を、遊技機メーカーが遊技機ID管理センターサーバー13D、及び遊技機ID管理サーバー35Fを通じてCRユニット6が取得可能にする。
このように、パチンコ機5に設けた各セキュリティチップ60A、60B、60Cが遊技機IDに基づいて生成される暗号キーで暗号通信し、またCRユニット6に設けたセキュリティチップ60Dは遊技機ID管理サーバー35Fから受け取った遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する構成とすることで、暗号キー自体がパチンコ機5及びCRユニット6の外に出ることがない。
また、遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、払出制御基板41とCRユニット6の導通状態を遮断する等して遊技球の発射を禁止することで強制的に遊技不能状態にする。これにより、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正交換された状態での遊技を禁止できる。
電源モジュール75は、CRユニット6の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール27にも電力を供給する。また、この電源モジュール75の電力が貸出I/F用電源として、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット6との導通状態を検知する。すなわち、払出制御基板41への貸出I/F用電源の入力を遮蔽することでパチンコ機5とCRユニット6とが非導通状態となり、パチンコ機5での遊技球の発射が禁止される。なお、遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、貸出I/F用電源の供給を検知していれば、パチンコ機5が備える電源を駆動電源として駆動しても良い。
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体14や会員カード14Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群8、及びデータ表示器34とのデータ送受等の制御、パチンコ機5に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体14の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、CPU76Aは、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを、プリペイド残価値記憶部83、貸出装置管理持玉数記憶部84、再プレイ可能玉数記憶部85、遊技機管理残玉数記憶部86として機能させる。
プリペイド残価値記憶部83は、プリペイド媒体14の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体14の投入時、或いは発行時にプリペイド管理サーバー35Bから取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
なお、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納する構成に限らず、例えばプリペイド媒体14に記録されている持玉数や会員・景品管理サーバー35Dで管理されている貯玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納しても良い。
また、遊技機管理発射可能玉数から持玉への移行の契機としては、上記の他にも、例えばタッチ液晶モジュール27に設けた移行操作のためのボタンに対するタッチ操作や、休憩時にパチンコ機5をロックするための休憩ボタンが操作されたときなどが挙げられる。休憩ボタン操作時のパチンコ機5のロックについて簡単に説明すると、ロック時には、CRユニット6が貸出指示信号を送信しないようにすることでパチンコ機5での遊技球の貸出動作が行われないようになり、また遊技機管理発射可能玉数が持玉に移行して「ゼロ」にクリアされることで、遊技球を用いた遊技ができない状態(ロック状態)に維持される。
また、貸出装置制御基板68には、パラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aと接続するためのパラレルポート92が設けられており、パラレルポート92からの出力が光MOSリレー等の駆動回路を備えた信号変換器93で信号変換され、パラレル出力用コネクタ94に接続されたパラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aに出力される。
そしてCRユニット6では、貸出装置搭載暗号基板74と貸出装置制御基板68の間の相互認証結果が成立し貸出可能状態になっているとき、パチンコ機5から相互認証結果として相互認証成立の旨が入力されたことを条件に、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56が装置間の相互認証を行う。このときの装置間の相互認証には、例えば上記遊技機ID(CPU固有ID61)を認証キーに用いることができる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dは、遊技機ID管理サーバー35Fから取得して保持している遊技機IDを遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aに送信し、当該セキュリティチップ60Aは自身に格納されている遊技機IDを貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dに送信し、各セキュリティチップ60A、60Dは、受信した遊技機IDと、自身が保持する遊技機IDとに基づいて相互に認証する。そして、装置間の相互認証が成立した場合にだけ、遊技球の貸出動作が可能になる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74が遊技機搭載暗号基板56の認証を認めなかった場合(パチンコ機5に不正改造の疑いがある場合)、貸出装置搭載暗号基板74は、パチンコ機5への貸出指示信号の出力を禁止し、或いはパチンコ機5との導通状態を非導通状態にするなどして、貸出動作を実行不能にする。一方、遊技機搭載暗号基板56が貸出装置搭載暗号基板74の認証を認めなかった場合(CRユニット6に不正改造の疑いがある場合)、遊技機搭載暗号基板56は、CRユニット6への貸出スイッチ25Aのスイッチ押下信号の出力を禁止するなどして貸出動作を実行不能にする。
パチンコ機5では、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の各セキュリティチップ60A、60B、60Cが相互に暗号通信ラインLSで接続されている。暗号通信ラインLSでは、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが相互に遊技機ID(CPU固有ID61)から所定のアルゴリズムで生成した暗号キーを用いて送受データを暗号化して通信するように構成されている。また同様に、CRユニット6では、貸出装置搭載暗号基板74、及び貸出装置制御基板68のセキュリティチップ60D、60Eの間が相互に暗号通信ラインLSで接続されている。
パチンコ機5、及びCRユニット6のそれぞれでは、基板間の相互認証は暗号通信ラインLSを通じて暗号化データを送受することで行われる。
なお、遊技機メイン基板40と払出制御基板41の間での賞球払出指示信号Sh等の送受は、基板間に設けられた既存のデータ通信線D1を通じて行われる。
これにより、CRユニット6からパチンコ機5に入力される貸出(払出)指示信号Skaの不正な改ざんが防止されることとなる。
遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の動作の監視は、それぞれが出力する信号に基づいて行われ、また監視項目としては、図4に示すように、通信状態監視と、整合性監視とが設けられている。
通信異常判定では、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41が備えるセキュリティチップ60A、60B、60Cを通じて暗号化通信が可能かどうかの判定が遊技機搭載暗号基板56によって行われる。暗号化通信が不可能な場合、遊技機メイン基板40及び/又は払出制御基板41が不正な基板に交換されている、或いは暗号通信ラインLSが切断している等の異常があることを示す。
相互認証異常判定では、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41が備えるセキュリティチップ60A、60B、60Cのそれぞれの間での相互認証が成立したか否かの判定が遊技機搭載暗号基板56によって行われる。相互認証が不成立の場合には、遊技機メイン基板40及び/又は払出制御基板41が不正な基板に交換されていることを示す。
遊技機メイン基板出力整合性の判定としては、図4に示すように、不正抽選判定、及び不正大入賞口入賞判定が行われる。不正抽選判定は、不正な当落抽選の発生を判定するものであり、この不正抽選判定では、遊技機搭載暗号基板56は、外部端子出力信号Soutにより図柄回転信号を受信するごとに、当該図柄回転の契機となった始動入賞信号が、その前に入力されていたか否かを判定する。すなわち、正規な動作では、始動口19への入賞を契機に、当落抽選に伴う図柄回転が行われることから、この判定を通じて、始動口19への入賞を契機としない不正な図柄変動が検知されることとなる。
なお、正規動作では、図柄の回転後は必ず図柄停止が行われることから、外部端子出力信号Soutに含まれている図柄回数中信号と図柄停止信号とが必ず対になっているか否かを判定することで、図柄変動表示の動作異常を検知することもできる。
払出制御基板出力整合性の判定としては、図4に示すように、発射可能玉数の異常な増加を判定する持玉増加異常判定が行われる。すなわち、払出制御基板41が出力する貸出(払出)結果信号Skbは、発射可能玉数(いわゆる出玉)が増減するごとに出力され、この貸出(払出)結果信号Skbには、発射可能玉数の増減に関する情報として、総アウト数、総発射数、総賞球、総戻り玉、及び払出制御基板41が管理する発射可能玉数が含まれている。
総発射数は、発射可能玉数が「ゼロ」より大きい事を条件に、発射装置の発射台に送り出された遊技球の総数である。
パチンコ機5が封入球式であることから、玉詰まりや発射台での遊技球の残留等の何らかの異常が無い限り、遊技盤16に投入された遊技球が当該遊技盤16から回収されるのに十分な時間が経過すれば、これら総アウト数、及び総発射数は一致する。
総賞球は、払出賞球数の累計値であり、総戻り玉は、上記戻り玉(ファウル玉と玉抜き玉の総称)の総数である。
総賞球数増分+総戻り玉増分−総発射増分+全CRユニット払出指示
(ただし、全CRユニット払出指示は、CRユニット6からの貸出(払出)指示信号Skaに基づいて払い出された遊技球の総数)
基板間出力整合性の判定としては、図4に示すように、差分判定と、不正賞球指示判定と、不正大入賞口賞球指示判定とが行われる。
差分判定では、賞球数の異常発生を検知する入賞差分判定、入賞回数の異常を検知する賞球差分判定、及び、遊技球の滞留を検知するアウト差分判定が行われ、遊技機搭載暗号基板56は、外部端子出力信号Soutを受信するごとに次の各値をカウントする。
すなわち、始動口19への入賞(始動入賞信号)発生の累計値である始動入賞累計値、他の入賞口20への入賞(入賞信号)発生の累計値である周辺入賞累計値、大入賞口21への入賞(大入賞口入賞信号)発生の累計値である大入賞口入賞累計値、これら始動入賞累計値と周辺入賞累計値と大入賞口入賞累計値の合計値である全入賞口入賞累計値、賞球払出指示信号Shを出力した回数の累計値を始動口19、大入賞口21、他の入賞口20ごとに示す入賞口別賞球指示回数累計値、図柄停止信号の累計値である図柄停止回数累計値、図柄回数中信号の累計値である図柄回転回数累計値、大当たり信号の累計値である大当たり回数累計値、確変・時短への移行回数の累計値である確変・時短回数、始動口入賞数と図柄停止回数等から推定される始動保留数である。始動保留数とは、始動口19への入賞に対する図柄の変動表示が保留されている数を示す。
また、遊技機搭載暗号基板56は、貸出(払出)結果信号Skbを受信するごとに、アウト玉(アウト玉検知信号)の累計値である総アウト累計値、及び外れ玉(外れ玉検知信号)の累計値である総外れ玉数累計値を計数する。
不正賞球判定は、外部端子出力信号Soutと、貸出(払出)結果信号Skbとの対比に基づいて、入賞が無い状態で発生した賞球の払出指示を検知するものである。すなわち、図4に示すように、遊技機搭載暗号基板56は、外部端子出力信号Sout及び貸出(払出)結果信号Skbのいずれかを受信するごとに、始動入賞累計値と入賞口別賞球指示回数との大小関係、大入賞口入賞累計値と入賞口別賞球指示回数との大小関係、及び周辺入賞累計値と入賞口別賞球指示回数(その他の入賞口)との大小関係を判定する。正規な動作では、いずれにおいても指示回数が累積値を超えることはなく、いずれかが超えた場合には、入賞が無い状態で発生した賞球の払出指示があった事を示す。
不正大入賞口賞球指示判定は、遊技状態との対比において、正規な動作では発生し得ない賞球の払出指示を検知するものである。すなわち、この不正大入賞口賞球指示判定では、遊技機搭載暗号基板56は、貸出(払出)結果信号Skbにより、払出制御基板41が大入賞口21の入賞の賞球払出指示信号Shを受けた旨を受信するごとに、外部端子出力信号Soutに基づいて遊技状態が大当たりを示す特別遊技状態か否かを判定する。特別遊技状態でない場合には、大入賞口21の入賞賞球払出指示が出力される事はないから、不正な賞球払出指示が出力されている事を示す。
貸出状態整合性の判定としては、図4に示すように、不正発射判定、及び不正貸出判定が行われる。不正発射判定は、CRユニット6がパチンコ機5に接続されていない状態で遊技球の発射(遊技球の発射装置への繰り出し)を検知するものである。すなわち、この不正発射判定では、遊技機搭載暗号基板56は、払出制御基板41から貸出(結果)指示信号を受信するごとに、CRユニット6と通信を試みる等して接続状態(導通状態)を確認する。CRユニット6と接続されていない場合には、遊技球が不正に発射されている事を示す。この場合、CRユニット6が接続されていないため、遊技機搭載暗号基板56は、エラーを出力する際には、外部端子板54を通じた汎用信号により外部の器機にエラーを出力する。
CRユニット6に出力されたエラーは、当該CRユニット6の表示部たる例えば上記タッチ液晶モジュール27に表示される。このようにエラーをCRユニット6に出力する構成としたため、CRユニット6の接続が遊技動作に必須のパチンコ機5にあっては、必ず接続される機器に異常が出力されることとなり、確実に異常を外部に通知(報知)できる。さらに、パチンコ機5の各種表示部(例えば遊技機液晶表示器24)に異常を表示する構成に比べ、簡単かつ確実に異常を通知(報知)できる。
遊技機メイン基板40の主制御CPU40A、及び払出制御基板41の払出制御CPU41Aは、待機指示信号Ssが入力された場合、動作保留状態で待機する。動作保留状態での待機とは、主制御CPU40A、及び払出制御CPU41Aに電力が供給されて動作可能な状態でありつつ、待機指示信号Ssが入力されたときの処理状態をメモリ等に保持してプログラム処理(動作)の進行を停止することで、停止時点から処理を再開可能に中断している状態である。この動作保留状態では、主制御CPU40A、及び払出制御CPU41は、遊技機搭載暗号基板56からの待機解除信号Srを待ち受け、当該待機解除信号Srが入力されると、処理を停止した時点から処理を再開する。
パチンコ機5にあっては、パチンコ機本体18の電源が投入されると、遊技機搭載暗号基板56が上述の基板間相互認証の処理を行うとともに、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の動作監視を開始する(ステップS1)。この動作監視は、前掲図4を参照して説明した監視項目を監視することで行われる。
遊技機搭載暗号基板56は、パチンコ機本体18の電源が投入されている間、動作監視を繰り返し実行し、この動作監視において動作異常を検知した場合には(ステップS2:Yes)、動作異常を検知した旨を示すエラーをCRユニット6に出力し(ステップS3)、また待機指示信号Ssを遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の両方に出力する(ステップS4)。なお、先に待機指示信号Ssを出力した後、エラーを出力しても良いことは勿論である。
主制御CPU40A及び払出制御CPU41Aのそれぞれは、待機指示信号Ssが入力されると、制御動作(特に入賞、当落抽選、及び賞球の払出に係る制御動作)を停止し、停止時点から当該制御動作を再開可能にするために必要なデータをメモリ(図示略)に退避する退避処理を実行する(ステップS6)。この退避処理により、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41が動作を保留して待機した状態となる。主制御CPU40A及び払出制御CPU41Aのそれぞれは、退避処理を完了して動作保留状態に移行したときには、その旨を示す待機完了応答信号を遊技機搭載暗号基板56に出力し(ステップS7)、その後、待機解除信号Srの待ち受けるループ処理を実行し、当該待機解除信号待受状態で待機する(ステップS8)。
またCRユニット6は、かかるエラーが入力されると、パチンコ機5の動作を中断できない旨を示す中断不能表示を表示して報知する(ステップS11)。
例えば、ステップS1で検知された動作異常が、図4に示す差分判定のアウト差分で検知された例えば玉詰まりといったようなパチンコ機5の機械的なトラブル、或いは一時的な信号ノイズ等による通信不良といったように、不正とは言えないトラブルに起因する場合には、遊技店舗2のスタッフが玉詰まりを解消する等し、或いはノイズが収まる等して動作異常が解消されることとなる。
これに対して、それ以外の要因で動作異常が検知されている場合には、不正行為が行われている可能性が高い。この場合、パチンコ機5にあっては、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の動作を停止しているため、不正行為が行われたままでの遊技を速やかに停止でき、不正行為の影響を最小に抑えられる。
また遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41にあっては、待機解除信号Srが入力されると、ステップS6の退避処理でメモリに退避していた各種データを読み込み、停止時点から動作(各CPUが処理していたプログラムのステップから処理)を再開するための復帰処理を実行し(ステップS16)、復帰処理が完了したときに復帰完了応答信号を遊技機搭載暗号基板56に出力する(ステップS17)。その後、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41は、停止時点から動作を再開することで(ステップS18)、中断されていた遊技が中断時点から再開される。このように、不正行為とは言えない動作異常検知時には、動作異常検知によって遊技が中断された時点から再開できることから、遊技者が不測の不利益をこうむることがない。
また、いずれか一方でも復帰完了応答信号を受信できなかった場合(ステップS19:No)、復帰完了応答信号を出力していない方の基板が動作を再開できないことを示す。この場合、遊技機搭載暗号基板56は、パチンコ機5の動作の再開が不能である旨を示すエラーをCRユニット6に出力し(ステップS20)、処理を終了する。CRユニット6は、かかるエラーが入力されると、パチンコ機5の動作が再開できない旨を示す再開不能表示を表示して報知する(ステップS20)。
この構成により、パチンコ機5の動作異常検知時には、賞球の払い出しを含む各種の遊技の進行に係る制御動作を速やかに停止して不正による遊技進行を阻止できる。
これに加え、動作異常解消時には、動作保留させた時点から再開できるため、動作異常が不正とは関係ない要因(例えば玉詰まり等の機械的なトラブルや一時的なノイズによる信号トラブル)によって発生した場合、遊技者は、動作保留により中断された遊技を、当該中断された時点から再開することができ、遊技が中断されても不測の不利益を被ることがない。
この構成により、外部端子出力信号Sout、及び貸出(払出)結果信号Skbを既存の通信線や通信経路を通じて遊技機搭載暗号基板56に入力する構成と比べ、遊技機搭載暗号基板56に入力される信号の改ざんを防止できる。
特に、本実施形態では、これら第1経路R1及び第3経路R3を通じて送受するデータを暗号化する構成としたため、外部端子出力信号Sout、及び貸出(払出)結果信号Skbの改ざんをより確実に防止できる。
また、遊技機メイン基板40、或いは払出制御基板41が不正交換された場合に、万が一に相互認証で不正交換が検知できなかったときでも、遊技機搭載暗号基板56による動作異常検知により、不正交換や動作異常を速やかに検知し遊技を停止(禁止)することができる。
上述した実施形態では、遊技機搭載暗号基板56が遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、双方向通信路R6を通じて待機指示信号Ssを通信により入力することで、これらを保留状態で待機させる構成とした。
しかしながら、これに限らず、遊技機メイン基板40の主制御CPU40A、及び払出制御基板41の払出制御CPU41Aのそれぞれに、入力信号レベルに応じて動作を保留状態とする信号端子を設け、当該信号端子の信号レベルをアクティブ/インアクティブに遊技機搭載暗号基板56の監視制御CPU56Aが可変して、これら遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の動作保留状態での待機、及び復帰を制御する構成としても良い。
この場合、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41への待機指示、及び復帰指示に係る制御は、上記双方向通信路R6を通じた双方向通信ではなく、遊技機搭載暗号基板56から各基板40、41に一方向(片方向)に出力される信号に基づいて行われる。
すなわち、遊技機搭載暗号基板56は、動作監視にて動作異常を検知した場合、遊技機メイン基板40の主制御CPU40A、及び払出制御基板41の払出制御CPU41Aのそれぞれのリセット入力端子の信号レベルをアクティブレベルに変えて(負論理の場合HiからLoに信号レベルを変えて)、それぞれに待機指示を出力する。主制御CPU40A、及び払出制御CPU41Aは、リセット入力端子がアクティブに遷移すると、ワークエリアとして使用しているメモリの内容の保持し、かつ内蔵するプログラムカウンタを進めない、いわゆるフリーズ状態に遷移し、リセット入力端子がアクティブに維持されている間は、このフリーズ状態を維持して動作を保留した状態で待機する。ただし、リセット入力端子がアクティブに遷移するときに、メモリ内容の初期化を指示する、いわゆるRAMクリア信号が入力されている場合、主制御CPU40A、及び払出制御CPU41Aは、従前のパチンコ機と同様に、メモリ内容を初期化して、いわゆるリセット状態に移行する。
また動作異常の要因が遊技店舗2のスタッフ等により除去された場合、遊技機搭載暗号基板56はリセット入力端子の信号レベルをインアクティブレベルに変化させて(負論理の場合LoからHiに信号レベルを変えて)、待機解除指示を出力する。主制御CPU40A、及び払出制御CPU41Aでは、リセット入力端子の信号レベルがインアクティブに変化したところでリセットされ、リセット入力端子の信号レベルがアクティブレベルにされた時点の内部状態からプログラムを再開する。
また、遊技機搭載暗号基板56から遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに待機指示を入力する構成に関し、停電等による電源遮断時に遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41が動作を保留し、保留状態をメモリ等にバックアップするように構成されている場合には、かかる構成を用いて、遊技機搭載暗号基板56から待機指示を入力することも可能である。
パチンコ機105は、各部に電源を供給するための電源部196Aと、停電等による電源遮断を監視する電源遮断監視回路196Bとを有した電源基板196を備えている。
電源部196Aは、遊技機搭載暗号基板156、遊技機メイン基板140、及び払出制御基板141等に対して各々に必要な動作電源を供給する。また、また電源部196Aは、電源遮断の間、遊技機搭載暗号基板156、遊技機メイン基板140、及び払出制御基板141の各々のメモリのデータ保持用のバックアップ電源を生成し、それぞれに供給する。
遊技機メイン基板140の主制御CPU140A、及び払出制御基板141の払出制御CPU141Aは、第1ポート197A及び第2ポート197Bの信号レベルがアクティブレベルか否かを監視し、電源遮断時の退避処理(図5のステップS6に相当)、及び復帰処理(図5のステップS16に相当)を行うように構成されている。
また、動作異常解除時には、遊技機搭載暗号基板156は、待機指示信号Ssの信号レベルをインアクティブレベルに変化させた後、アクティブレベルの待機解除信号Srを第2OR回路156Yに出力することで、遊技機メイン基板140の主制御CPU140A、及び払出制御基板141の払出制御CPU141Aが復帰処理を開始し、動作保留時点から動作(プログラム)を再開する。
なお、本変形例において、遊技機搭載暗号基板156が、電源遮断検出信号Ssa、待機指示信号Ss、電源復帰信号Sra、及び待機解除信号Srをそれぞれ、第1OR回路156X、及び第2OR回路156Yを通さずに個別の経路で出力する構成としても良い。
また、上記変形例2において、遊技機メイン基板140、及び払出制御基板141のそれぞれに供給する電源のオン/オフを遊技機搭載暗号基板156で制御する構成としても良い。
図8は本変形例に係るパチンコ機205の要部構成を示す模式図であり、図9はパチンコ機205が備える遊技機搭載暗号基板256の異常動作検知時の動作を示すタイミングチャートである。なお、これら図8及び図9において、第2変形例と同様のものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
電源制御回路298は、図9に示すように、遊技機メイン基板140、及び払出制御基板141が待機指示信号Ssの入力により退避処理を行って待機状態になった後、これら遊技機メイン基板140、及び払出制御基板141への電源入力を遮断する。このように電源入力を遮断することで、待機状態の間、遊技機メイン基板140、及び払出制御基板141が確実に動作不能な状態にすることができる。
また電源制御回路298は、動作異常が解除されて待機指示信号Ssがインアクティブとなったときには、遊技機メイン基板140、及び払出制御基板141のそれぞれに速やかに電源入力を開始し、待機解除信号Srの入力による復帰処理の実行を可能にする。
上述した実施形態、及び各変形例では、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の両方の動作を遊技機搭載暗号基板56が監視して動作異常を検知する構成としたが、これに限らず、いずれか一方だけを監視して動作異常を検知しても良い。
例えば、遊技機搭載暗号基板56が、前掲図4に示す遊技機メイン基板出力整合性判定、或いは払出制御基板出力整合性判定のいずれかのみを行って動作異常を検知しても良い。
上述した実施形態、及び各変形例では、遊技機メイン基板40、払出制御基板41、及び遊技機搭載暗号基板56のそれぞれに、独立して動作するセキュリティチップ60B、60C、及び60Aを設け、通信の暗号化/復号化、及び基板間の認証を行う構成とした。
しかしながら、これに限らず、これら通信の暗号化/復号化、及び認証の機能をモジュールとして搭載したCPUを、遊技機メイン基板40、払出制御基板41、及び遊技機搭載暗号基板56の主制御CPU40A、払出制御CPU41A、及び監視制御CPU56Aとして搭載する構成としても良い。
このように、主制御CPU40A、払出制御CPU41A、及び監視制御CPU56Aとして、セキュリティチップの機能が取り込まれたCPUを用いた場合、当該CPUのメモリに格納されたユーザープログラムによる動作制御では、通信相手との接続が認証成立状態か否かを当該CPUのステータスレジスタ等で認識し、相手先との認証が成立した状態においては、通信データの暗号化/復号化を別途のモジュールやプログラム等を介することなく送受信をする事ができる。この場合、各基板40、41、56の間だけではなく、基板40、41、56内においても平文(非暗号化状態のデータ)が流れる事が無いので、よりセキュリティを高める事ができる。
上述した実施形態、及び各変形例では、パチンコ機5が遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41とは別に、遊技機搭載暗号基板56を備え、当該遊技機搭載暗号基板56が遊技機メイン基板40、及び/又は払出制御基板41の動作に基づいて動作異常を検知する構成とした。
しかしながら、これに限らず、パチンコ機5が遊技機搭載暗号基板56を備える代わりに、上記動作異常を検知する機能を払出制御基板41に設けても良い。
遊技機搭載暗号基板56に代えて払出制御基板41が動作異常を検知することで、遊技機搭載暗号基板56の分だけコストダウンが図られる。
また例えば上述した実施形態、及び各変形例では、遊技機の一例としてパチンコ機5を例示したが、これに限らず、遊技媒体の投入を条件に、所定の抽選契機成立時に当落抽選を行う遊技機であれば、任意の遊技機に本発明を適用することができる。かかる遊技機には、例えば、遊技メダルを遊技媒体に使用し、遊技メダルの投入を条件に、操作レバーが操作された時に当落抽選を行うパチスロ機などが挙げられる。この場合には、本発明の遊技媒体貸出装置が遊技メダルをパチスロ機に貸し出す遊技メダル貸出装置に適用される。
6 CRユニット
15 遊技システム
16 遊技盤
18 パチンコ機本体
27 タッチ液晶モジュール
40、140 遊技機メイン基板
41、141 払出制御基板
48 遊技機管理発射可能玉数記憶部
56、156、256 遊技機搭載暗号基板(検知手段)
60A〜60E セキュリティチップ
65 遊技球貸出装置(遊技媒体貸出装置)
156X 第1OR回路
156Y 第2OR回路
196 電源基板
196A 電源部
196B 電源遮断監視回路
298 電源制御回路
Sh 賞球払出指示信号
Skb 貸出(払出)結果信号
Sout 外部端子出力信号
Sr 待機解除信号
Sra 電源復帰信号
Ss 待機指示信号
Ssa 電源遮断検出信号
Claims (6)
- 遊技媒体を用いた遊技により所定の払出契機が成立するごとに前記遊技媒体の払出指示を出力する遊技機メイン基板と、
前記遊技機メイン基板の払出指示に基づいて前記遊技媒体の払出を制御する払出制御基板と、を備え、
前記遊技機メイン基板、及び/又は前記払出制御基板の動作に基づいて動作異常を検知した場合、前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板に動作を保留した状態で待機させたことを特徴とする遊技機。 - 前記遊技機メイン基板が前記払出に係る情報を外部に通知するために出力する外部出力情報と、前記払出制御基板が前記遊技媒体の払出の結果を外部に通知するために出力する払出結果情報との間の不整合に基づいて動作異常を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記動作異常を検知する検知手段を備え、
前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板のそれぞれごとに、前記検知手段に前記外部出力情報、及び前記払出結果情報を入力する専用の通信経路を備えることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。 - 前記通信経路を通じて送受するデータを暗号化したことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
- 前記検知手段は、
前記遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置と通信可能に接続され、前記外部出力情報、及び前記払出結果情報を前記遊技媒体貸出装置に出力するとともに、
前記動作異常を検知した場合、その旨を前記遊技媒体貸出装置に出力する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。 - 遊技媒体を用いた遊技により所定の払出契機が成立するごとに前記遊技媒体の払出指示を出力する遊技機メイン基板と、
前記遊技機メイン基板の払出指示に基づいて前記遊技媒体の払出を制御する払出制御基板と、を備えた遊技機と、
前記遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置と、を有し、
前記遊技機は、
前記遊技機メイン基板、及び/又は前記払出制御基板の動作に基づいて動作異常を検知した場合、その旨を前記遊技媒体貸出装置に出力し、前記遊技機メイン基板、及び前記払出制御基板に動作を保留した状態で待機させた
ことを特徴とする遊技システム。
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