以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動表示部に特定表示結果が導出表示されたときに特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球(遊技玉ともいう)を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球(遊技媒体)が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、スティックコントローラを設けた例を示したが、これに限らず、操作手段としては、単なるプッシュボタン、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な変動表示部としての演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと、確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。
通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。
また、通常大当りにおいては、時短状態、および、電チューサポート制御状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板(図示せず)を介して、ホール管理用コンピュータ(ホールコンピュータ)等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、通常大当り、および、確変大当りである場合には、変動パターンが、ノーマルリーチを伴うノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴うスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図5(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図5(B)、および、図5(C)特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するとともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
なお、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別の割振りを異ならせてもよい。たとえば、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示している。
また、図6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ40秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示している。
また、パチンコ遊技機1においては、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置9において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置9において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連専用図柄(たとえば、キャラクタなど数字が付されていない図柄、擬似連図柄とも称する)が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄が仮停止してもよく、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
本実施の形態では、複数種類設けられたスーパーリーチの変動パターンのうち、一部の変動パターンである第3スーパーリーチおよび第4スーパーリーチにおいて、擬似連の変動表示が実行される(擬似連の変動表示が実行される変動時間を有している)。擬似連の変動表示で実行される擬似連演出についての詳細は後述するが、第3スーパーリーチでは擬似連において変動表示が2回実行され、第4スーパーリーチでは擬似連において変動表示が3回実行される。また、第2スーパーリーチにおいては、擬似連煽りのみの変動パターンが実行される。具体的に、擬似連煽りのみとなる変動パターンでは、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連専用図柄が出現した後、仮停止するような演出が行なわれた後、擬似連専用図柄が滑る演出が行なわれる。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (擬似連3回:30秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が30秒で3回の変動表示が擬似連として実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターンとして、「第1スーパーリーチ (擬似連無:15秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図6(a),図6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
また、時短状態であるか否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態であるか否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、通常変動の変動パターンとして、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、変動時間が短い変動パターンが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
また、はずれとなるときに選択される図6(a)および図6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図6(c)および図6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
また、本実施の形態では、擬似連演出における演出態様が擬似連演出の途中で別の演出態様に移行することがある。そして、これらの擬似連演出に関する演出態様は後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定している。しかしながら、擬似連演出における演出態様の移行の有無や擬似連演出の内容について、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するようにしてもよい。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を指定する合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図11参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。また、変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づいて、変動パターン種別を認識できる。
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図8(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成(RAM55内の領域である)され、図8(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図8(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図8(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図8(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドという3つのコマンドを1セットとして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAM103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のパチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路から出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図8で説明した第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図8に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図8(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13、または、第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。S1216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1221)。
S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図8(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1232)。
S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、保留特定領域(図8(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
RAM55に形成され合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S57)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1216や始動口スイッチ通過処理のS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図5(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図10のS307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に進む。
S61において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図5(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図5(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図5(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。
図5(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合は、大当りとすることが決定されているときであり、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、非時短状態と時短状態とのうちどの状態にあるかを示す時短情報とに応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述した判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示す、通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する。
ここで、時短情報は、時短状態であるか否かを示す情報である。時短情報は、大当り遊技状態の終了時においてセットされ、時短状態において、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(この実施の形態では100回)実行されたときに、リセットされる(次回の大当り遊技状態が発生するにも一旦リセットされる。)。時短情報は、時短フラグがセットされているときには、時短状態であることを示し、時短フラグがセットされていないときには、非時短状態であることが示される。
S91で大当りフラグがセットされているときは、S74で記憶された大当り種別データに基づいて、大当りが確変大当りであるか否かを確認する(S92)。確変大当りであるときは、図6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択し(S93)、S114に進む。一方、通常大当りであるときは、図6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択し(S94)、S114に進む。
また、S91で大当りフラグがセットされていないとき、すなわち、はずれのときは、時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。時短フラグがセットされていないときは、図6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択し(S96)、S114に進む。一方、時短フラグがセットされているときは、図6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択し(S97)、S114に進む。
これにより、遊技状態に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、前述したような判定テーブルの選択条件に基づいて、図6に示される通常状態はずれ時判定テーブル、時短状態はずれ時判定テーブル、通常大当り時判定テーブル、および、確変大当り時判定テーブルのうちいずれかが選択される。
次いで、S114において、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおける変動パターン種別判定テーブル部のデータを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S114)。
次いで、CPU56は、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S93,S94,S96またはS97の処理で選択した判定テーブルにおいて、変動パターン判定テーブル部におけるS114で決定した変動パターン種別に関するデータを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図7参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S303)においては、CPU56は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S305)、大入賞口開放中処理(S306)、および、大当り終了処理(S307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、本実施の形態で行なわれる擬似連演出について、演出表示装置9の表示画像に基づいて説明する。なお、以下に示す一連の擬似連演出のうち、特に、擬似連演出における演出態様が移行することを示唆する移行示唆演出と擬似連演出における演出態様が移行することを報知する移行可能性報知演出とを総称し、擬似連移行演出とする。このような擬似連移行演出が実行されることで、擬似連演出における演出が変更されて他の演出が実行される。
図14および図15は、演出表示装置における擬似連演出の表示例を示す説明図である。図14(a)に示すように演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア91、92、93のぞれぞれで変動表示が実行され、その後「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア91、92、93に「1」、「NEXT」、「2」の演出図柄が仮停止表示(表示結果が確定しておらず一部または全部の演出図柄がゆっくりと上下方向の動作をしている表示状態)される。ここで、「NEXT」図柄は、通常の演出では、表示されず擬似連演出の場合にのみに用いられる擬似連図柄である。遊技者は、擬似連図柄が仮停止したことで、以降の演出で擬似連演出が実行されることを認識できる。また、変動表示を開始してから擬似連図柄が1回目に仮停止するまでが、擬似連1回目の変動であり、擬似連1回目の変動では、擬似連以外の演出をする変動表示における演出と同様の背景画像が演出表示装置9に表示される。
次に、図14(c)に示すように、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア91、92、93の演出図柄が再変動を開始する。そのときの背景は、通常の背景画像とは異なる擬似連演出特有の背景画像である。本実施の形態では、たとえば、複数本の木が生えている擬似連Aの背景画像95が演出表示装置9に表示される。また、演出表示装置9の画面の右上には、現在の演出が擬似連Aの演出であることを示す「擬似連A」の文字が表示される。しかしながら、このような文字による表示は、行なわれないようにしてもよい。なお、「擬似連A」は、後述する第1擬似連演出のことであり、図14(d)に示される「擬似連B」は、後述する第2擬似連演出のことである。また、擬似連Aの背景画像95は、第1擬似連演出に対応する背景画像であり、擬似連Bの背景画像96は、第2擬似連演出に対応する背景画像である。
図14(d)では、現在の擬似連Aから別の擬似連演出における演出態様である擬似連Bへの移行を示唆する、移行示唆演出が実行される。本実施の形態では、第1擬似連演出である擬似連Aから大当り期待度(大当りとなる可能性)の高い第2擬似連演出である擬似連Bへ擬似連演出における演出態様が移行する場合がある。このように、擬似連演出の実行中に大当り期待度(大当りとなる可能性)が異なる複数種類の擬似連演出における演出態様のうち、いずれかの演出態様へと移行する場合に、移行示唆演出が実行されることで、擬似連の演出態様の移行先を表示し、擬似連の演出態様が移行することを示唆する。
具体的には、図14(d)に示すように、移行示唆演出では、擬似連Aの背景画像95の表示の実行中に、擬似連Aの背景画像95が、回転動作する表示がされ、回転している背景画像95の後方に擬似連Aの移行先である擬似連Bの背景画像96が表示される。擬似連Bの背景画像96は、ビルが立ち並ぶ様子を示す画像で表示される。このように、擬似連演出における演出態様が移行する前のタイミングにおいて、別の擬似連演出の背景画像が表示されることで、大当り期待度が異なる複数種類の擬似連演出のうち他の擬似連演出へ変更することにより移行することを示唆する移行示唆演出が実行される。このような移行示唆演出により、擬似連演出の移行前(変更前)から移行先(変更先)の擬似連演出への期待感を高めることができる。
なお、画面の回転中は、演出図柄は、回転する画面上で表示されるとともに、後方の画面の左上にも小さく表示される。よって、回転中に演出図柄の変動が見えにくくなることを防ぐことができる。ここで、擬似連Bは、擬似連Aよりも大当り期待度が高い擬似連演出であり、移行示唆演出が実行されることで、遊技者に対して擬似連の演出態様が移行することへの期待感を高めさせることができる。また、擬似連Bの背景画像96は、後述する第2擬似連演出に対応する背景画像である。
次に、図14(e)では、画面の回転が途中で戻り、擬似連Bへは移行せず、擬似連Aの背景画像95となる。その後、演出表示装置9の画面上には、キャラクタ97が表示されるとともに、ボタン画像98が表示される。ボタン画像98の上には、「連打で攻撃!」と表示され、遊技者にプッシュボタン120の操作を促す操作演出が実行される。
遊技者がプッシュボタン120を連打すると、図14(g)に示すように、キャラクタ97が擬似連Aの背景画像95に向けてビームを発射する演出が行なわれる。そして、ビームが発射され、画面が攻撃されることで、画面上に小さなひび割れが入る画面割れ小45の画像を表示する演出が実行される。次に、キャラクタ97が消え図14(h)に示すように画面割れ小45の画像が残った表示態様となる。このように画面割れが生じる演出が行なわれることにより、擬似連演出における演出態様が移行する前のタイミングにおいて、演出態様の移行の可能性を報知することができる。なぜなら、本実施の形態では、画面割れが大きくなるほど、擬似連演出における演出態様の移行可能性が高くなるように設定されているからである。このような一連の演出を移行可能性報知演出と称する。擬似連演出における演出態様が移行する前のタイミングにおいて、移行可能性報知演出が実行されることで、擬似連演出における演出態様の移行(変更)に対する期待感を高めることができる。移行可能性報知演出は、擬似連2回目における複数のタイミングで実行可能であるが、図14(h)のタイミングでは、擬似連演出における演出態様は移行しない。
次に、図14(i)に示すように、キャラクタ97が再度登場するとともに操作手段としてのボタンを示すボタン画像98が表示される。このように表示されるボタン画像98は、プッシュボタン120に対応する画像である。ボタン画像98が表示されたときには、「連打で攻撃!」というようなメッセージを表示することにより操作を促進するための画像を表示する演出が行なわれる。このようなボタン画像98が表示されているときに、遊技者がプッシュボタン120を連打すると、図14(j)に示すように、キャラクタ97が擬似連Aの背景画像95に向けてビームを発射する演出が行なわれる。そして、ビームが発射され擬似連Aの背景画像95が攻撃されることで、画面上に、画面割れ小45の画像よりも大きなひび割れが入る画面割れ中46の画像を表示する演出が実行される。次に、キャラクタ97が消え図14(k)に示すように画面割れ中46の表示となる。ここで、画面割れ中46の表示画面のうち、一部において移行先の演出態様である擬似連Bの背景画像96が表示される。遊技者に擬似連Bの背景画像96を見せることで、擬似連演出における演出態様の移行可能性に対する期待感を高めさせることができる。しかし、図14(k)のタイミングでは、擬似連演出における演出態様は移行しない。
次に、図14(l)に示すように、キャラクタ97が再度登場するとともにボタン画像98が表示される。さらに、遊技者がプッシュボタン120を連打すると、図15(m)に示すように、キャラクタ97が擬似連Aの背景画像95に向けてビームを発射し、画面を攻撃する演出が行なわれる。そして、この移行可能性報知演出により擬似連における演出態様が移行する場合には、図15(n)〜(q)の演出が実行され、擬似連における演出態様が移行しない場合には、図15(r)〜(s)の演出が実行される。
擬似連が移行する場合には、図15(n)に示すように、図15(m)で示すキャラクタ97によるビームの発射により、画面割れ中46の画像よりも大きなひび割れが入る画面割れ大47の画像を表示する演出が実行される。その後、図15(o)に示すように、擬似連演出における演出態様が移行し、擬似連Bの背景画像96を表示する演出が行なわれる。擬似連Bの背景画像96は、ビルが立ち並ぶ様子を示す画像であり、擬似連Aの背景画像95である複数本の木が生えている画像とは異なる背景画像である。また、擬似連演出における演出態様が移行したときには、図15(o)に示すように、キャラクタ97が、ピースサインを出し、擬似連演出における演出態様が移行したことを喜ぶ表示が実行される。
次に、図15(p)に示すように、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア91、92、93に「1」、「NEXT」、「2」の演出図柄が再度仮停止表示される。遊技者は、擬似連図柄が仮停止したことで、以降の演出で擬似連演出が実行されることを認識できる。このように、擬似連図柄が1回目の再変動表示を開始してから再度仮停止するまでが、擬似連2回目の変動表示であり、擬似連2回目の変動表示において、擬似連演出における演出態様が移行された場合には、擬似連Bの背景画像96となる。その後、図15(q)に示すように、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア91、92、93の演出図柄が再変動表示を開始する。この再変動表示は擬似連3回目の変動であり、擬似連3回目の再変動において何らかのリーチ演出が実行された後に、図柄が完全に停止する演出が実行される。
擬似連における演出態様が移行しない場合には、図15(r)に示すように、図15(m)に示すキャラクタ97によるビームの発射が実行されても画面割れ中46の画像が表示された状態が変化しない背景画像となる。その後、図15(s)に示すように画面割れを示す画像が消去されて、背景画像が元の画像に戻る演出が実行される。本実施の形態では、擬似連において演出態様が移行しない場合には、擬似連3回目の再変動表示は実行されないように演出が設定されている。よって、図15(s)の後は、この擬似連2回目の再変動表示において何らかのリーチ演出が実行された後に、図柄が完全に停止する演出が実行される。なお、擬似連において演出態様が移行しない場合であっても、擬似連の再変動表示が実行され、擬似連の3回目の変動表示において何らかのリーチ演出等が実行されるようにしてもよい。
図16は、擬似連演出の内容を示すタイミングチャートである。ここに示す変動パターンでは、1変動の中で擬似連が3回実行される。図16において、「擬似連1回目」は擬似連の演出における1回目の変動表示(初回変動表示)である。「擬似連2回目」は、擬似連の演出における2回目の変動表示(1回目の再変動表示)である。「擬似連3回目」は、擬似連の演出における3回目の変動表示(2回目の再変動表示)である。なお、図中に示す波形は、擬似連の変動を示しており、低レベルが擬似連における、変動表示の停止状態、または、変動表示の仮停止状態を示しており、高レベルが擬似連の変動中の状態であることを示している。図16のタイミングチャートでは、擬似連2回目の演出について具体的に説明するため、各擬似連変動における演出時間の長さを示す波形を通常とは異なるスケールの波形で表している。たとえば、擬似連3回目では、リーチ演出等が実行されるので、実際の演出時間は、図16に示す波形より長くなる。また、図16には、擬似連演出が移行する可能性のあるポイントおよび擬似連演出で実行される演出についても示されている。
本実施の形態では、擬似連続変動表示である擬似連で実行される擬似連演出の中に、移行示唆演出と移行可能性報知演出とが含まれる。また、擬似連において最初に実行される変動を擬似連1回目変動(初回変動)と称する。さらに、擬似連において初回変動の後に実行される変動を擬似連2回目変動(第1再変動)と称する。その後に実行される変動を擬似連3回目変動(第2再変動)と称する。つまり、擬似連とは、初回変動と再変動とが組合された変動をいう。なお、初回変動において、擬似連図柄が停止せず滑って、その後リーチ演出が実行する場合は、擬似連煽り演出のみが実行されることとなる。
擬似連1回目変動では、時間t1となるときに擬似連図柄である「NEXT」図柄が仮停止する。擬似連2回目変動では、時間t2において、図14(d)で説明したような背景画像95を回転させる移行示唆演出が実行される。そして、時間t3において、操作演出として、ボタンの操作を促す演出が実行され、遊技者によりプッシュボタン120が操作されるとキャラクタ97が背景画像95を攻撃する演出が実行される。さらに、時間t4では、移行可能性報知演出として、画面割れ小45の画像を表示する演出が実行される。
また、時間t5では再度操作演出として、ボタンの操作を促す演出が実行され、遊技者によりプッシュボタン120が操作されるとキャラクタ97が背景画像95を攻撃する演出が実行される。さらに、時間t6では、移行可能性報知演出として、画面割れ中46の画像を表示する演出が実行される。その後、時間t7では再度操作演出として、ボタンの操作を促す演出が実行され、遊技者によりプッシュボタン120が操作されるとキャラクタ97が背景画像95を攻撃する演出が実行される。さらに、時間t8では、移行可能性報知演出として、画面割れ大47の画像を表示する演出が実行される。
ここで、本実施の形態では、擬似連演出が移行する可能性を報知する移行可能性報知ポイントとして、A,B,Cの3つのポイントが設けられている。各移行可能性報知ポイントでは、移行可能性報知演出が実行され、擬似連演出の演出態様が移行する場合には、3つのポイントのうち移行可能性報知ポイントCにおいて擬似連演出の演出態様が移行される。なお、これらの移行可能性報知ポイントのうち、いずれかのポイントにおいて、移行可能性報知演出が実行された後に擬似連演出の演出態様が移行するようにしてもよい。移行可能性報知ポイントAは、最初に擬似連演出の演出態様が移行する可能性を報知する第1移行可能性報知タイミングである。移行可能性報知ポイントBは、2番目に擬似連演出の演出態様が移行する可能性を報知する第2移行可能性報知タイミングである。移行可能性報知ポイントCは、3番目に擬似連演出の演出態様が移行する可能性を報知する第3移行可能性報知タイミングである。図16に示すような場合には、移行可能性報知ポイントCである第3移行報知タイミングにおいて、画面割れ大47の画像を表示する演出が実行され、このような画面割れ大47の画像による移行可能性報知演出が実行された後に、擬似連演出の演出態様が移行される。
時間t8において、擬似連演出が移行した後は、別の擬似連演出の背景へと変更され、時間t9において、「NEXT」図柄が再度仮停止される。本実施の形態では、擬似連2回目の変動において移行可能性報知演出が複数のタイミングにおいて実行される。
次に、擬似連3回目変動における時間t10において、演出図柄が完全に停止(確定停止)する。なお、擬似連3回目変動中において、リーチ演出が実行され、大当りとなる場合には、大当り表示結果の組合せとなる演出図柄が停止し、はずれとなる場合には、はずれ表示結果の組合せとなる演出図柄が時間t10において、停止する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図17は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM102に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、擬似連演出(2回)決定用のSR2、および、擬似連演出(3回)決定用のSR3を含む各種乱数)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。具体的に、前述の第1保留記憶数記憶領域に記憶された第1保留記憶数のデータに対応して第1保留記憶表示部18cにおいて第1保留記憶数を表示する制御を行なう。また、前述の第2保留記憶数記憶領域に記憶された第2保留記憶数のデータに対応して第2保留記憶表示部18dにおいて第2保留記憶数を表示する制御を行なう。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27L,27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図18は、演出制御基板で用いる乱数を示す図である。SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の変動表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の変動表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
擬似連演出(2回)決定用乱数SR2は、後述する図22の擬似連2回用演出決定テーブルに示すように、擬似連演出での変動表示回数が2回のときの擬似連演出の種類を決定するために用いる乱数である。また、擬似連演出(3回)決定用乱数SR3は、後述する図22の擬似連3回用演出決定テーブルに示すように、擬似連演出での変動表示回数が3回のときの擬似連演出の種類を決定するために用いる乱数である。
SR1−1〜SR3のそれぞれはS706の乱数更新処理において予め定められたタイミングで、図中に示された計数範囲内において繰返し加算更新される。たとえば、SR1−1が33msecごと、SR1−2がSR1−1の桁上げごと、SR1−3がSR1−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
図19は、図17に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態の開始時から大当り遊技状態の終了時までの予め定められた演出制御期間中において、ROM102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図20は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S604)、S616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S616へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S601のN)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S616へ進む。
S603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、結果演出の種類の決定等の処理)を行なう演出設定処理(S616)を実行した後、S617に進む。演出設定処理の処理内容については、図23を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図21は、擬似連の演出パターンを表形式で示す図である。本実施の形態では、擬似連演出が実行される変動パターンとして、擬似連演出において変動表示が2回実行される第3スーパーリーチ、擬似連演出において変動表示が3回実行される第4スーパーリーチが設けられている。また、擬似連煽りのみとなる変動パターンとして第2スーパーリーチが設けられている。これら変動パターンについて、擬似連名称と演出の内容とを説明する。
第2スーパーリーチの変動パターンが実行されるときには、擬似連パターン1の擬似連パターンの演出が実行されることが設定されている。擬似連パターン1では、擬似連1回目の変動表示において、擬似連演出が実行されないときに表示される背景画像と同じ背景画像である通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて(いずれかの数字図柄と変更されてもよい)変動表示が実行される。そして、擬似連の初回変動(擬似連1回目)で中の図柄表示エリアにおいて擬似連専用図柄が出現した後、仮停止するような演出が行なわれた後、擬似連専用図柄が滑る演出が行なわれる。その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行される。擬似連パターン1では、擬似連2回目、擬似連3回目は実行されない。
擬似連として2回の変動表示が実行される第3スーパーリーチが実行されるときには、擬似連パターン2、擬似連パターン3、擬似連パターン4、および、擬似連パターン5のうちいずかの擬似連演出パターンの演出が実行されることが設定されている。ここで、擬似連2回の第3スーパーリーチの変動パターンでは、擬似連1回目は通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて変動表示が実行された後、擬似連図柄が仮停止し、その後、擬似連2回目には、第1擬似連演出の演出態様から第2擬似連演出の演出態様に移行しない擬似連演出が実行される場合がある。ここで、第2擬似連演出は、第1擬似連演出よりも大当り期待度が高い演出として設定された演出である。第2擬似連演出は、第1擬似連演出と比べて、第3スーパーリーチにおいて、大当り決定時にはずれ決定時よりも選択される割合が高く、かつ、第3スーパーリーチよりも大当り決定時に選択される割合が高い第4スーパーリーチにおいて、第1擬似連演出から必ず移行する移行先の演出であること等の理由により、第1擬似連演出に比べて大当りとなる期待度が高い。よって、図14(c)に示すような擬似連Aの背景画像95の背景で実行される第1擬似連演出の演出態様よりも、図15(o)に示すような擬似連Bの背景画像96の背景で実行される第2擬似連演出の演出態様の方が大当りとなる期待度が高いと遊技者が認識する。
第3スーパーリーチでは、擬似連パターン2に示すように、擬似連2回目において、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行されずに、第1擬似連演出の演出態様での演出が実行される場合がある。
また、第3スーパーリーチでは、擬似連パターン3または擬似連パターン4に示すように、擬似連1回目において、通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて変動表示が実行された後、擬似連図柄が仮停止し、擬似連2回目において、第1擬似連演出の背景画面が回転し、第2擬似連演出の背景が第1擬似連演出の背景画面の後に表示される移行示唆演出が実行される。その後、移行可能性報知演出が実行される。移行示唆演出としては、図14(d)に示すような第1擬似連演出に対応する擬似連Aの背景画像95が回転し、移行先を示唆する演出が実行される。その後、図14、図15に示すような移行可能性報知演出としては、擬似連2回目の3回の移行可能性報知タイミングにおいて画面割れの画像を表示する演出が実行される。
また、第3スーパーリーチでは、擬似連パターン5に示すように、擬似連2回目において、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行されずに、第2擬似連演出の演出態様での演出が実行される場合がある。このような、擬似連パターン2〜5に示す擬似連2回の変動パターンでは、擬似連2回目変動において擬似連演出の後に、リーチ演出等が実行され、演出図柄の変動が停止する。
次に、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行される擬似連パターン3と擬似連パターン4とを具体的に説明する。擬似連パターン3は、擬似連1回目において、通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて変動表示が実行された後、擬似連図柄が仮停止する。そして、擬似連2回目において、図14(d)に示すような第1擬似連演出に対応する擬似連Aの背景画像95が回転し、移行先を示唆する移行示唆演出が実行される。その後、移行可能性報知演出が実行される。移行可能性報知演出では、3回のタイミングにおいて画面割れ小、画面割れ小、画面割れ小となる擬似連演出が実行される。しかしながら、擬似連演出の演出態様自体は移行されないので、擬似連2回目では、第1擬似連演出の演出態様の演出が続けて実行される。
擬似連パターン4は、擬似連1回目において、通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて変動表示が実行された後、擬似連図柄が仮停止する。そして、擬似連2回目において、図14(d)に示すような第1擬似連演出に対応する擬似連Aの背景画像95が回転し、移行先を示唆する移行示唆演出が実行される。その後、移行可能性報知演出が実行される。移行可能性報知演出では、3回のタイミングにおいて画面割れ小、画面割れ中、画面割れ中となる擬似連演出が実行される。しかしながら、擬似連演出の演出態様自体は移行されないので、擬似連2回目では、第1擬似連演出が続けて実行される。
擬似連として3回の変動表示が実行される第4スーパーリーチが実行されるときには、擬似連パターン6、擬似連パターン7、擬似連パターン8、および、擬似連パターン9のうちいずかの擬似連演出パターンの演出が実行されることが設定されている。ここで、擬似連3回の第4スーパーリーチでは、擬似連1回目は通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて変動表示が実行された後、擬似連図柄が仮停止し、その後、擬似連2回目には、第1擬似連演出の演出態様から第2擬似連演出の演出態様または第3擬似連演出の演出態様に移行する擬似連演出が実行される場合がある。擬似連2回目、および、擬似連3回目において擬似連演出が実行される。
第4スーパーリーチでは、擬似連パターン6に示すように、擬似連2回目において、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行されずに、擬似連2回目および擬似連3回目のそれぞれにおいて、第2擬似連演出の演出態様での演出が実行される場合がある。第4スーパーリーチでは、擬似連パターン7に示すように、擬似連2回目において、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行されずに、擬似連2回目および擬似連3回目のそれぞれにおいて、第3擬似連演出の演出態様での演出が実行される場合がある。第3擬似連演出は、第1,第2擬似連演出よりも大当り期待度の高い擬似連演出として設定された演出である。第3擬似連演出では、たとえば、夜の星空となるような背景画像で擬似連演出が実行される。
また、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行されるパターンには、擬似連パターン8と擬似連パターン9とがある。擬似連パターン8は、擬似連1回目において、通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて変動表示が実行された後、擬似連図柄が仮停止する。そして、擬似連2回目において、図14(d)に示すような第1擬似連演出に対応する擬似連Aの背景画像95が回転し、移行先を示唆する移行示唆演出が実行される。その後、移行可能性報知演出が実行される。移行可能性報知演出では、3回のタイミングにおいて画面割れ小、画面割れ小、画面割れ大となる擬似連演出が実行される。そして、3回目のタイミングにおいて第1擬似連演出から第2擬似連演出へと擬似連演出の態様が移行する。さらに、擬似連3回目において、第2擬似連演出が実行される。
擬似連パターン9は、擬似連1回目において、通常背景画像が表示される演出図柄の変動表示中に、演出図柄の中に擬似連図柄が加えられて変動表示が実行された後、擬似連図柄が仮停止する。そして、擬似連2回目において、図14(d)に示すような第1擬似連演出に対応する擬似連Aの背景画像95が回転し、移行先を示唆する移行示唆演出が実行される。その後、移行可能性報知演出が実行される。移行可能性報知演出では、3回のタイミングにおいて画面割れ小、画面割れ中、画面割れ大となる擬似連演出が実行される。そして、3回目のタイミングにおいて第1擬似連演出から第3擬似連演出へと擬似連演出の態様が移行する。さらに、擬似連3回目において、第3擬似連演出が実行される。なお、擬似連パターン6〜9のような擬似連3回の変動パターンでは、擬似連3回目変動において擬似連演出の後に、リーチ演出等が実行され、演出図柄の変動が停止する。
図21の擬似連パターンを表形式で示す図では、擬似連回数が多い程大当り期待度が高い。また、擬似連パターン1<擬似連パターン2<擬似連パターン3<擬似連パターン4<擬似連パターン5<擬似連パターン6<擬似連パターン7<擬似連パターン8<擬似連パターン9となる順番で大当り期待度が高い。また、第1擬似連演出<第2擬似連演出<第3擬似連演出となる順番で大当り期待度が高い。しかしながら、擬似連3回の第4スーパーリーチの場合には、擬似連演出における演出態様が移行した方が擬似連演出における演出態様が移行しない場合よりも大当り期待度が高い(第3擬似連演出で擬似連演出が終了する擬似連パターン7よりも、擬似連演出における演出態様が移行する第2擬似連演出で擬似連演出が終了する擬似連パターン8の方が大当り期待度が高い)。
上述したように、擬似連の演出態様が、低期待度演出態様である第1擬似連演出の演出態様から、第1の演出態様と比べて遊技者にとって有利な状態となる大当り期待度が高い第2擬似連演出の演出態様または第3擬似連演出の演出態様というような複数種類の高期待度演出の擬似連演出のいずれかに変更されることで演出態様が移行する擬似連移行演出を実行可能である。これにより、擬似連の実行中における演出が複数種類の移行先の擬似連演出のいずれに移行するかに遊技者を注目させることができるので、演出態様の変更により遊技の興趣を高めることができる。
また、擬似連移行演出は擬似連2回目においてのみ実行されるので、擬似連2回目と、擬似連1回目および擬似連3回目のそれぞれとで、擬似連移行演出が実行される割合が異なる。これにより、擬似連演出中における何回目の変動表示時であるかにより、擬似連演出における演出態様が移行する割合が異なるので、擬似連演出中における何回目の変動表示時であるかについて遊技者の興味を引付けることができる。
また、擬似連の演出中における特定回数目(擬似連2回目)の変動表示の実行時に、擬似連移行演出が実行されるので、擬似連の演出での特定回数目における演出の実行時に、当該演出に遊技者の興味を引付ける(注目させる)ことにより、遊技の興趣を高めることができる。
なお、擬似連変動が2回の場合にも擬似連演出における演出態様が移行するようにしてもよい。また、擬似連演出における演出態様の移行の有無に関わらず、最終的な擬似連演出における演出態様の移行先により大当り期待度が異なるようにしてもよい。
また、移行可能性報知演出で実行される画面割れの演出は、大当り期待度に基づいて複数のパターンの中から選択されるようにしてもよい。たとえば、大当りとなる場合には、早いタイミングで画面割れ中や画面割れ大となるようにしてもよい。具体的には、大当りの期待度が低いときは、最初のタイミング画面割れ小だが、大当り期待度が高いときは、最初のタイミングで画面割れ中や画面割れ大となるようにしてもよい。
なお、図14、図15に示すような遊技者によるボタン操作が実行されないときは、移行可能性報知演出は、擬似連演出における演出態様が移行する最終のタイミングのみで実行されるようにすればよい。このようにすれば、遊技者は、ボタン操作を行うことで、擬似連演出における演出態様の移行の可能性をいち早く知ることができので、ボタン操作の促進に繋がる。なお、ボタン操作が実行されないときは、擬似連演出における演出態様が移行されないようにしてもよい。
図22は、擬似連2回用演出決定テーブルおよび擬似連3回用演出決定テーブルを示す説明図である。擬似連2回用演出決定テーブルには、変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に選択される図22(A)の大当り時擬似連2回用演出決定テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に選択される図22(B)のはずれ時擬似連2回用演出決定テーブルとが含まれている。また、擬似連3回用演出決定テーブルには、変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に選択される図22(C)の大当り時擬似連3回用演出決定テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に選択される図22(D)のはずれ時擬似連3回用演出決定テーブルとが含まれている。擬似連2回用演出決定テーブルおよび擬似連3回用演出決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
擬似連2回用演出決定テーブルは、擬似連において2回の変動表示が実行されるスーパーリーチ3の変動表示を実行するときに、演出として実行する擬似連演出の擬似連パターンを選択決定するときに用いられる。擬似連3回用演出決定テーブルは、擬似連において3回の変動表示が実行されるスーパーリーチ4の変動表示を実行するときに、演出として実行する擬似連演出の擬似連パターンを選択決定するときに用いられる。
図22(A)、(B)の擬似連2回用演出決定テーブルに示すように、図21で説明した擬似連パターン2〜5のそれぞれに擬似連種類決定用の乱数SR2(1〜65の数値範囲)の値が割振られている。SR2については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。図22(A)の大当り時擬似連2回用演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって擬似連パターン2<擬似連パターン3<擬似連パターン4<擬似連パターン5という関係となるように擬似連パターンが選択されやすい。また、図22(B)のはずれ時擬似連2回用演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって擬似連パターン5<擬似連パターン4<擬似連パターン3<擬似連パターン2という関係となるように擬似連パターンが選択されやすい。
図22(A)、(B)の擬似連2回用演出決定テーブルによれば、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと比べて、第2擬似連演出の演出態様での演出が実行される割合が高いので、第2擬似連演出の演出態様の演出が実行されるときには、第1擬似連演出の演出態様の演出が実行されるときと比べて、大当りに対する期待度が高い。
また、図22(A)、(B)の擬似連2回用演出決定テーブルによれば、移行可能性報知演出が実行される擬似連パターン3と擬似連パターン4とのうち、背景画像95の画面割れ演出で、最終的な割れ度合いが大きい擬似連パターン4(画面割れ中)が実行されるときの方が、最終的な割れ度合いが小さい擬似連パターン3(画面割れ小)が実行されるときよりも、大当りに対する期待度が高い。
また、図22(C)、(D)の擬似連3回用演出決定テーブルに示すように、図21で説明した擬似連パターン6〜9のそれぞれに擬似連種類決定用の乱数SR3(1〜95の数値範囲)の値が割振られている。SR3については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。図22(C)の大当り時擬似連3回用演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって擬似連パターン6<擬似連パターン7<擬似連パターン8<擬似連パターン9という関係となるように擬似連パターンが選択されやすい。また、図22(D)のはずれ時擬似連3回用演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3の値によって擬似連パターン9<擬似連パターン8<擬似連パターン7<擬似連パターン6という関係となるように擬似連パターンが選択されやすい。
図22(C)、(D)の擬似連3回用演出決定テーブルによれば、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと比べて、第3擬似連演出の演出態様での演出が実行される割合が高いので、第3擬似連演出の演出態様の演出が実行されるときには、第2擬似連演出の演出態様の演出が実行されるときと比べて、大当りに対する期待度が高い。
また、図22(C)、(D)の擬似連3回用演出決定テーブルによれば、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと比べて、擬似連パターン9の方が擬似連パターン9よりも選択される割合が高いので、擬似連移行演出が実行される擬似連パターン8と擬似連パターン9とのうち、移行先の擬似連演出の演出態様が第3擬似連演出の演出態様であるとき(擬似連パターン9)の方が、移行先の擬似連演出の演出態様が第2擬似連演出の演出態様であるとき(擬似連パターン8)よりも、大当りに対する期待度が高い。
なお、擬似連2回用演出決定テーブルおよび擬似連3回用演出決定テーブルのそれぞれにおいて、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、変動表示結果がはずれ表示結果となるときと比べて、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行される擬似連パターンを選択する割合が高くなるようにデータを設定してもよい。このようにすれば、移行示唆演出および移行可能性報知演出が実行されるときには、このような演出が実行されないときと比べて、大当りに対する期待度が高くなる。
また、擬似連2回用演出決定テーブルおよび擬似連3回用演出決定テーブルのそれぞれにおいては、異なる乱数値(ランダムカウンタ自体が異なる、数値範囲が異なる)を用いて擬似連パターンを選択決定する例を示したが、これに限らず、擬似連2回用演出決定テーブルおよび擬似連3回用演出決定テーブルのそれぞれにおいては、同じ乱数値(ランダムカウンタ自体が異なる、数値範囲が同じ)を用いて擬似連パターンを選択決定するようにしてもよい。
図23は、前述の演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。演出設定処理においては、まず、演出制御用CPU101は、今回の変動表示を実行するに際して受信した演出制御コマンドにより指定された変動パターンが擬似連2回または擬似連3回の変動パターンであるか否かを確認する(S631)。具体的に、S631では、RAM103に設けられた変動パターンコマンド格納領域(変動表示を実行するにあたり受信した変動パターンコマンドがコマンド解析処理により格納される領域)に、擬似連2回または擬似連3回の変動パターンである第3スーパーリーチまたは第4スーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かに基づいて、変動パターンが擬似連2回または擬似連3回の変動パターンであるか否かを確認する。
次いで、演出制御用CPU101は、S632において、変動パターンコマンド格納領域に格納されたコマンドの種類に基づいて、今回実行する変動パターンの変動パターンが、擬似連3回の変動パターン(第4スーパーリーチの変動パターン)であるか否かを確認する。そして、擬似連3回の変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)に基づいて、表示結果が大当りであるか否かを確認する(S633)。表示結果が大当りであれば、演出制御用CPU101は、擬似連演出(3回)決定用のSR3を抽出し、その抽出値と図22(C)に示す大当り時擬似連3回用演出決定テーブルとにより、擬似連パターンの種類を擬似連パターン6〜9の中から決定する(S634)。そして、処理を終了する。S633において、大当りでない(はずれ)の場合には、演出制御用CPU101は、擬似連演出(3回)決定用のSR3を抽出し、その抽出値と図22(D)に示すはずれ時擬似連3回用演出決定テーブルとにより、擬似連パターンの種類を擬似連パターン6〜9の中から決定する(S635)。そして、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、S632において、擬似連3回の変動パターンでないと判定した場合(擬似連2回の変動パターンの場合)には、表示結果が大当りであるか否かを確認する(S636)。表示結果が大当りであれば、演出制御用CPU101は、擬似連演出(2回)決定用のSR2を抽出し、その抽出値と図22(A)に示す大当り時擬似連2回用演出決定テーブルとにより、擬似連種類を擬似連パターン2〜5の中から決定する(S637)。そして、処理を終了する。S633において、表示結果が大当りでない(はずれ)場合には、演出制御用CPU101は、擬似連演出(2回)決定用のSR2を抽出し、その抽出値と図22(B)に示すはずれ時擬似連2回用演出決定テーブルとにより、擬似連種類を擬似連パターン2〜5の中から決定する(S638)。そして、処理を終了する。
次に、第1実施形態の変形例を説明する。この変形例においては、擬似連演出の実行中において、複数の移行タイミングのうちいずれかのタイミングで演出態様を他の演出態様に移行(変更)する例を説明する。この変形例では、擬似連移行演出が、擬似連2回目の変動表示においてのみ実行される制御を一例として説明する。
図24は、変形例における擬似連移行演出決定テーブルおよび移行タイミング決定テーブルを示す説明図である。擬似連移行演出決定テーブルには、変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に選択される図24(A)の大当り時擬似連移行演出決定テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に選択される図24(B)のはずれ時擬似連移行演出決定テーブルとが含まれている。また、移行タイミング決定テーブルには、擬似連が3回継続するときに用いられる図24(C)に示す擬似連3回用移行タイミング決定テーブルと、擬似連が2回継続するときに用いられる図24(D)に示す擬似連2回用移行タイミング決定テーブルとが含まれている。擬似連移行演出決定テーブルおよび移行タイミング決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図24(A)、(B)の擬似連移行演出決定テーブルに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR4(1〜40の数値範囲)の値が、擬似連演出の演出態様を移行しない決定と、擬似連演出の演出態様を移行する決定とに割振られている。SR4については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。図24(A)の大当り時擬似連移行演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、擬似連演出における演出態様が移行しない<擬似連演出における演出態様が移行するという関係となるように、移行する場合が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。また、図24(B)のはずれ時擬似連移行演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4の値によって、擬似連演出における演出態様が移行する<擬似連演出における演出態様が移行しないという関係となるように、移行しない場合が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
また、図24(C)、(D)の移行タイミング決定テーブルに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR5(1〜120の数値範囲)の値が、第1〜第3のタイミングで移行することのそれぞれに割振られている。SR5については、説明を明確化するために、割振られた乱数値の個数が示されている。図24(C)の擬似連3回用移行タイミング演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、第3タイミングで移行<第2タイミングで移行<第1タイミングで移行という関係となるように移行タイミングが選択されやすい。また、図24(D)の擬似連2回用移行タイミング演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR5の値によって、第1タイミングで移行<第2タイミングで移行<第3タイミングで移行という関係となるように移行タイミングが選択されやすい。
なお、擬似連演出の移行タイミングは、擬似連回数によって異なる割合でタイミングが決定されるのではなく、大当りとなるか否かに基づいて異なる割合でタイミング決定するようにしてもよい。たとえば、大当りとなる場合には、はずれとなる場合と比べて早い移行タイミングが選択される割合が高くなるようにしてもよい。
図25は、変形例における演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。図25に示す演出設定処理は、図24に示したテーブルを用いて、擬似連移行演出を実行するか否か、および、擬似連移行演出を第1タイミング〜第3タイミングのうちのいずれのタイミングで実行するかを決定する処理である。この変形例では、擬似連2回目の変動表示において、擬似連移行演出が実行され、擬似連演出における演出態様が移行するタイミングが、第1実施例で示した移行ポイントA〜C(第1タイミング〜第3タイミング)のいずれかに決定する制御が行なわれる。
演出設定処理においては、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンド(変動パターンコマンド)により指定された今回の変動表示の変動パターンが擬似連2回の変動表示を指令する変動パターン(第3スーパーリーチ)または擬似連3回の変動表示を指令する変動パターン(第4スーパーリーチ)であるか否かを確認する(S651)。次いで、演出制御用CPU101は、擬似連2回目で移行示唆演出を実行することに設定する。次いで、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)に基づいて、今回の変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かを確認する(S653)。
表示結果が大当り表示結果となるのであれば、演出制御用CPU101は、演出種類決定用の乱数SR4の値を抽出し、SR4の抽出値と図24(A)に示す大当り時擬似連移行演出決定テーブルとにより、擬似連演出における演出態様を移行するか否かを決定する(S654)。そして、S656へ処理を進める。S653において、表示結果が大当り表示結果とならない(はずれ)場合には、演出制御用CPU101は、演出種類決定用の乱数SR4の値を抽出し、SR4の抽出値と図24(B)に示すはずれ時擬似連移行演出決定テーブルとにより、擬似連演出における演出態様が移行するか否かを決定する(S655)。そして、S656へ処理を進める。
演出制御用CPU101は、S656において、S654またはS655で擬似連演出における演出態様を移行すると決定されたか否かを確認する(S656)。演出態様を移行することが決定された場合には、演出制御用CPU101は、S657において、受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の変動表示の変動パターンが擬似連3回の変動パターンであるか否かを確認する(S657)。擬似連3回の変動パターンであれば、演出種類決定用の乱数SR5の値を抽出し、SR5の抽出値と図24(C)に示す擬似連3回用移行タイミング決定テーブルとにより、移行タイミングを決定する(S659)。そして、S660へ処理を進める。S657において、擬似連3回の変動パターンでないと判定された場合(擬似連2回の変動パターンである場合)には、演出種類決定用の乱数SR5の値を抽出し、SR5の抽出値と図24(D)に示す擬似連2回用移行タイミング決定テーブルにより、移行タイミングを決定する(S658)。そして、S660へ処理を進める。
演出制御用CPU101は、S660の処理において、S658またはS659で決定された移行タイミングとなるまで、移行タイミングごとに移行可能性を報知し、決定された移行タイミングで擬似連演出における演出態様を移行することに設定する。そして、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、S656において、S654またはS655で擬似連演出における演出態様が移行すると決定されていない場合(移行しないと決定された場合)には、S661において、第1〜第3タイミングで、移行可能性を報知することに設定する。そして、処理を終了する。
なお、S661においては、第1〜第3のすべてのタイミングにおいて移行可能性報知演出が実行される場合を示したが、一部のタイミングにおいて移行可能性報知演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、大当りか否かや実行されるリーチ演出の種類により、いずれのタイミングで移行可能性報知演出を実行するかを決定するようにしてもよい。
上述したような演出設定処理が実行されることにより、擬似連移行演出は、擬似連演出における演出態様が移行するタイミングが複数(第1〜第3タイミング)あり、擬似連演出の実行中において、複数タイミングのうちいずれかのタイミングで演出態様が移行(変更)されることとなる。これにより、演出態様が移行するタイミングが1回の場合と比べて、擬似連の演出の実行中における演出態様の移行(変更)に対する期待感の持続期間を長期化することができる。
なお、上述した変形例では、今回の変動表示の変動パターンが擬似連2回または擬似連3回の変動表示を指令する変動パターンであるときに、擬似連移行演出が必ず実行される例を示したが、今回の変動表示の変動パターンが擬似連2回または擬似連3回の変動表示を指令する変動パターンであるときであっても、図21に示すように擬似連演出における演出態様が移行しない場合があるようにしてもよい。そのような場合には、演出態様を移行しないとする決定に基づいて、擬似連2回目、擬似連3回目で実行される擬似連演出の内容(擬似連2回目、擬似連3回目の変動表示で擬似連移行演出を実行せず、第1〜第3擬似連演出のみを実行する)を決定するようにしてもよい。
次に、第1実施形態の別の変形例を説明する。この変形例においては、擬似連演出における変動回数により演出態様を他の演出態様に移行(変更)する割合が異なる例を説明する。
図26は、変形例における擬似連移行演出決定テーブルおよび移行回数決定テーブルを示す説明図である。擬似連移行演出決定テーブルには、変動表示結果が大当り表示結果となる大当り時に選択される図26(A)の大当り時擬似連移行演出決定テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるはずれ時に選択される図26(B)のはずれ時擬似連移行演出決定テーブルとが含まれている。また、移行回数決定テーブルには、擬似連が3回継続するときに用いられる図26(C)に示す擬似連3回用移行回数決定テーブルと、擬似連が2回継続するときに用いられる図26(D)に示す擬似連2回用移行回数決定テーブルとが含まれている。擬似連移行演出決定テーブルおよび移行回数決定テーブルは、演出制御基板80に設けられたROM102に記憶されている。
図26(A)、(B)の擬似連移行演出決定テーブルに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR6(1〜60の数値範囲)の値が、擬似連演出の演出態様を移行しない決定と、擬似連演出の演出態様を1回移行する決定と、擬似連演出の演出態様を2回移行する決定とに割振られている。SR6については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。図26(A)の大当り時擬似連移行演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、演出態様が移行しない<演出態様が1回移行<演出態様が2回移行という関係となるように、演出種類が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。また図26(B)のはずれ時擬似連移行演出決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR6の値によって、演出態様が2回移行<演出態様が1回移行<演出態様が移行しないという関係となるように、演出種類が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
ここで、演出態様が1回移行するとは、第1擬似連演出から第2擬似連演出へ演出態様が移行する場合を示す。また、擬似連演出が2回移行するとは、第1擬似連演出から第2擬似連演出へ演出態様が移行し、さらに、第2擬似連演出から第3擬似連演出へ演出態様が移行する場合を示す。なお、演出態様が1回移行する際に、第1擬似連演出から第3擬似連演出へ演出態様が移行する場合があってもよい。
また、図26(C)、(D)の移行回数決定テーブルに示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての演出種類決定用の乱数SR7(1〜60の数値範囲)の値が、擬似連1〜3回目のいずれで移行するかのそれぞれに割振られている。SR7については、説明を明確化するために割振られた乱数値の個数が示されている。図26(C)の擬似連3回用移行回数決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR7の値によって、擬似連1回目で移行<擬似連2回目で移行<擬似連3回目で移行という関係となるように移行回数が選択されやすい。また、図26(D)の擬似連2回用移行回数決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR7の値によって、擬似連2回目で移行<擬似連1回目で移行という関係となるように移行回数が選択されやすい。
このように、擬似連1回目と、擬似連2回目と、擬似連3回目とのそれぞれとで、擬似連移行演出が実行される割合が異なる。これにより、擬似連演出中における何回目の変動表示時であるかにより、擬似連の演出態様が移行する割合が異なり、擬似連の演出において変動表示の演出が繰返された回数により演出態様が移行(変更)する割合が異なるように演出が実行されるので、擬似連演出中において変動表示が繰返された回数、すなわち、擬似連演出中における何回目の変動表示時であるかについて遊技者の興味を引付ける(注目させる)ことができる。
ここで、擬似連3回目の変動において、擬似連演出の態様が2回移行する場合は、擬似連3回目の変動中において擬似連演出の演出態様が2回移行する。具体的には、図16に示すように、擬似連3回目の変動中に擬似連演出における演出態様の移行のタイミングとして、第1移行可能性報知タイミングで、第1擬似連演出から第2擬似連演出へ演出態様が移行し、第2移行可能性報知タイミングで、第2擬似連演出から第3擬似連演出へ演出態様が移行する。このように、擬似連演出における演出態様が1回の擬似連変動の中で移行する場合は、図16に示した3つのタイミングのうち、早いタイミングから擬似連移行演出が実行される。なお、擬似連移行演出が実行されるタイミングを複数のタイミングから選択するようにしてもよい。また、その場合には、遅いタイミングが選択されるより速いタイミングが選択される方が、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
図27は、変形例における演出設定処理(S616)を示すフローチャートである。図27に示す演出設定処理は、図26に示したテーブルを用いて、擬似連移行演出を実行するか否かと演出態様が移行する回数、および、擬似連移行演出が実行される擬似連変動の移行回を決定する処理である。なお、擬似連演出の演出態様が移行するタイミングは第1実施例で示した移行ポイントA〜C(第1タイミング〜第3タイミング)のうち、第1のタイミングまたは第2のタイミングとする制御が行なわれる。
演出設定処理においては、まず、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンド(変動パターンコマンド)により指定された今回の変動表示の変動パターンが擬似連2回の変動表示を指令する変動パターン(第3スーパーリーチ)または擬似連3回の変動表示を指令する変動パターン(第4スーパーリーチ)であるか否かを確認する(S671)。次いで、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)に基づいて、今回の変動表示の表示結果が大当り表示結果となるか否かを確認する(S672)。
表示結果が大当り表示結果となるのであれば、演出制御用CPU101は、擬似連移行演出決定用の乱数SR6の値を抽出し、SR6の抽出値と図26(A)に示す大当り時擬似連移行演出決定テーブルとにより、演出種類を決定することで、擬似連演出の演出態様を移行するか否か、および、移行する場合には、その回数を決定する(S673)。そして、S675へ処理を進める。S672において、表示結果が大当り表示結果とならない(はずれ)場合には、演出制御用CPU101は、擬似連移行演出決定用の乱数SR6の値を抽出し、SR6の抽出値と図26(B)に示すはずれ時擬似連移行演出決定テーブルとにより、演出種類を決定することで、擬似連演出の演出態様を移行するか否か、および、移行する場合には、その回数を決定する(S674)。そして、S675へ処理を進める。
演出制御用CPU101は、S675において、S673またはS674で擬似連演出の演出態様を移行すると決定されたか否かを確認する。演出態様を移行することが決定されている場合には、演出制御用CPU101は、S676において、受信した変動パターンコマンドに基づいて、今回の変動表示の変動パターンが擬似連3回の変動パターンであるか否かを確認する。擬似連3回の変動パターンであれば、演出種類決定用の乱数SR7の値を抽出し、SR7の抽出値と図26(C)に示す擬似連3回用移行回決定テーブルとにより、何回目の擬似連変動で移行するかを決定する。そして、S679へ処理を進める。S675において、擬似連3回の変動パターンでないと判定された場合(擬似連2回の変動パターンである場合)には、演出種類決定用の乱数SR7の値を抽出し、SR7の抽出値と図26(D)に示す擬似連2回用移行回決定テーブルとにより、何回目の擬似連変動で移行するかを決定する。そして、S679へ処理を進める。
演出制御用CPU101は、S679の処理において、S677またはS678で決定された擬似連変動の移行回で移行示唆演出を実行することに決定する。次いで、S680で最終の移行先の演出態様に移行するまで、移行可能性を報知し、決定された移行回において、決定された演出種類の移行回数に応じた移行タイミングで演出態様を移行することに設定する。そして、処理を終了する。
演出制御用CPU101は、S671において、擬似連2回または擬似連3回の変動パターンでないと判定した場合には、処理を終了する。また、S675において、擬似連演出における演出態様が移行しないと決定されている場合にも処理を終了する。
なお、673,S674で決定される擬似連移行演出の実行回数は、図26(A),(B)に示すように複数回(2回移行)が選択される場合があり、1回の擬似連の演出中において、擬似連移行演出による演出態様の移行を複数回実行可能であるため、演出態様の移行(変更)に対する期待感の持続期間を長期化することができる。
また、複数回演出態様が移行する場合として、擬似連1回目で演出態様が移行した場合であっても、擬似連2回目や擬似連3回目において、演出態様が移行するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第1実施形態においては、擬似連パターンにより大当り期待度が異なる例を示した。しかし、これに限らず、擬似連パターンではなく、擬似連演出における演出態様の移行の過程によって、大当り期待度が異なるようにしてもよい。
第2実施形態では、擬似連演出における変動表示回数が同じであっても、擬似連演出における演出態様の移行の過程として、いずれの擬似連移行演出が実行されるかによって、大当り期待度が異なる例を説明する。具体的には、擬似連演出の演出態様が移行するときにおいて、たとえば、演出態様が移行可能な3つのタイミングにおいて、第1擬似連演出→第2擬似連演出→第3擬似連演出という順番による過程で、擬似連演出における演出態様が移行する場合と、第1擬似連演出からいきなり第3擬似連演出へ擬似連演出における演出態様が移行する場合とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、演出態様が移行可能な3つのタイミングにおいて、擬似連演出の演出態様が移行するときにおいて、第1擬似連演出→第2擬似連演出→第3擬似連演出という順番による過程で擬似連演出における演出態様が移行する場合と、第1擬似連演出→第1擬似連演出→第3擬似連演出という順番による過程で擬似連演出における演出態様が移行する場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。
また、第2実施形態では、擬似連演出における変動表示回数が同じであっても、擬似連演出中における演出態様の移行の過程として、いずれのタイミングで擬似連移行演出が実行されるかによって、大当り期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、前述した第1〜第3移行可能性報知タイミングのうち、第1移行可能性報知タイミングで擬似連演出における演出態様が移行する場合と、第2移行可能性報知タイミングで擬似連演出における演出態様が移行する場合と、第3擬似連移行可能性報知タイミングで擬似連演出における演出態様が移行する場合とで、大当り期待度が異なるようにしてもよい。このような場合には、たとえば、早く経過するタイミングの方が大当り期待度が高くなるようにしてもよく、逆に、遅く経過するタイミングの方が大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
このように、擬似連移演出における演出態様の移行の過程によって、大当り期待度が異なるようにすれば、擬似連移行演出における移行の過程に遊技者の興味を引付けることにより、遊技の興趣を高めることができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。第2実施形態においては、擬似連演出における演出態様の移行の過程によって、大当り期待度が異なる例を説明した。しかしながら、擬似連演出における演出態様の移行の過程に関わらず、移行先の擬似連演出における演出態様の種類によって、大当り期待度が異なるようにしてもよい。
第3実施形態では、たとえば、擬似連演出の移行過程として、第2実施形態に示したような複数種類の移行の過程がある場合であっても、擬似連演出における演出態様の移行の過程に関わらず、最終的な移行先の擬似連演出の演出態様の種類によって、大当り期待度が異なる例を説明する。たとえば、最終的な移行先の擬似連演出の演出態様が、第1擬似連演出の演出態様と、第2擬似連演出の演出態様と、第3擬似連演出の演出態様とのいずれかとなるときにおいて、第2実施形態に示したような複数種類の移行の過程がある場合であっても、擬似連演出における演出態様の移行の過程に関わらず、たとえば、最終的な演出態様の移行先に関して、第1擬似連演出の演出態様<第2擬似連演出の演出態様<第3擬似連演出の演出態様という関係で、大当り期待度が高くなるように制御してもよい。
このように、擬似連演出の演出態様が、移行の過程に関わらず、最終の移行先の擬似連演出の演出態様の種類によって、大当りとなる期待度が異なるので、大当りとなる期待度を遊技者が認識しやすいようにすることができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態においては、保留記憶情報に基づく変動表示の表示結果が大当り表示結果となる可能性があることを、演出表示装置9で表示される保留記憶表示の表示態様を通常状態の通常態様とは異なる表示態様(特殊態様、特別態様)に変化させて表示することにより予告する予告演出を実行する予告演出を実行し、表示されている保留記憶表示のうちのいずれの保留記憶表示の表示態様を変化させて表示するかによって、変化したときの遊技者にとって有利な状態となる期待度が異なる演出制御を演出制御用マイクロコンピュータ100により行なう例を説明する。
このような予告演出は、図11のS1217,S1228に示す入賞演出処理による始動入賞時の入賞時演出処理で実行される入賞時判定処理の判定結果に基づいて、保留記憶に基づく変動表示が大当りとなる可能性があることを、特定される変動表示に対応する保留記憶表示を通常態様以外の表示態様に変化させて表示することによって予告する先読み予告演出として実行される。このような先読み予告演出において、保留記憶表示の表示態様を変化させるタイミングは、たとえば、保留記憶表示をシフトさせるタイミングである(変動表示の実行により保留記憶表示位置がシフトするタイミング)。
このような予告演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100により次のような処理が実行されることにより行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560により始動入賞発生に応じて実行される入賞時判定処理の判定結果を示す図柄指定コマンドを受信するごとに(保留記憶が発生したとき)に、演出制御用マイクロコンピュータ100では、たとえば、コマンド解析処理(S704)のような所定の処理において、入賞時判定処理の判定結果が大当りであるときの方がはずれとなるときよりも先読み予告演出を実行する決定をする割合が高く設定された先読み予告演出実行決定テーブルを用いて、入賞時判定処理の判定結果に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを決定する処理を実行する。なお、このような入賞時判定処理の判定結果に基づいて先読み予告演出を実行するか否かを決定する処理は、演出制御プロセス処理でS800〜S807のうち何れかのプロセスの処理が行なわれる前の段階で実行するようにしてもよい。
そして、先読み予告演出を実行すると決定されたときには、保留記憶表示の最終表示態様を複数種類の最終表示態様(特殊態様、第1特別態様、第2特別態様)のうちから選択決定する最終表示態様決定テーブル、先読み予告演出パターンを複数種類の先読み予告演出パターン(通常態様から特殊態様に変化するパターン、通常態様から特殊態様に変化した後特別態様に変化するパターン、通常態様から特別態様に変化するパターン)のうちから選択決定する先読み予告演出パターン決定テーブル、変化タイミング(保留表示の表示態様を変化させるシフト回数(何回目の保留記憶表示のシフト時に変化させるかを示す回数))を複数種類の変化タイミングのうちから選択決定する変化タイミング決定テーブル、および、移行示唆演出(保留表示の表示態様が移行(変化)する可能性を異なる割合で示唆)の演出態様を複数種類の演出態様のうちから選択決定する移行示唆演出決定テーブルを用いて、最終表示態様、先読み予告演出パターン、変化タイミング、および、移行示唆演出の演出態様を決定する処理を行なう。
最終表示態様決定テーブルでは、たとえば、入賞時判定処理の判定結果が大当りのときには、はずれのときと比べて、特別態様(第1特別態様、第2特別態様)が選択される割合が高く、かつ、特別態様のうちの第2特別態様が選択される割合が高く設定されている。また、先読み予告演出パターンでは、最終表示態様に応じて異なる割合で、複数種類の先読み予告演出パターンのそれぞれの選択割合が設定されている。また、変化タイミング決定テーブルでは、最終表示態様に応じて異なる割合で、保留記憶表示が変化する複数種類のタイミングの選択割合が設定されている。また、移行示唆演出決定テーブルでは、最終表示態様に応じて異なる割合で、複数種類の移行示唆演出の選択割合が設定されている。
このような各種テーブルのデータ設定により、保留記憶表示の最終表示態様により大当りとなる期待度が異なる。また、保留記憶表示の先読み予告演出パターンにより大当りとなる期待度が異なる。また、保留記憶表示が変化するタイミングにより大当りとなる期待度が異なる。また、移行示唆演出の演出態様により大当りとなる期待度が異なる。したがって、保留記憶表示のうちのいずれの保留記憶表示の表示態様を変化させて表示するかによって、変化したときの遊技者にとって有利な状態となる期待度が異なる。
より具体的に、たとえば、先読み予告演出パターン決定テーブルでは、通常態様で表示されている保留表示を特別態様に変化させて表示するときと、通常態様とは異なる表示態様(特殊態様(本例の第1特別態様も含む))で表示されている保留記憶表示を特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化させて表示するときとで、異なる割合で複数種類の特別態様のいずれかに変化させて表示されるようにデータが設定されており、既に変化している保留記憶表示が変化するか否かによって、大当りとなる期待度が異なるようにデータが設定されている。これにより、既に変化している保留記憶表示が変化するか否かによって、大当りとなる期待度が異なる。
また、たとえば、変化タイミング決定テーブルでは、いずれのシフトタイミングで保留表示を変化させて表示するかによって大当りとなる期待度が異なるように、データが設定されている。これにより、保留記憶表示のうちの何番目の保留記憶表示を変化させて表示するかによって、大当りとなる期待度が異なる。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、このように設定される先読み予告演出が演出図柄変動開始処理(S801)、および、演出図柄変動中処理(S802)等の特定の処理により実行される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図14〜図15および図21に示すような擬似連演出の実行中において、擬似連の演出態様が、低期待度演出態様である第1擬似連演出の演出態様から、第1の演出態様と比べて大当りとなる可能性が高い(遊技者にとって有利な状態となる期待度が高い)第2擬似連演出の演出態様または第3擬似連演出の演出態様というような複数種類の高期待度演出の演出態様のいずれかに変更されることで演出態様が移行する移行演出を実行可能である。これにより、擬似連の実行中における演出が複数種類の移行先の演出態様のいずれに移行するかに遊技者の興味を引付ける(注目させる)ことができ、演出態様の変更により遊技の興趣を高めることができる。
(2) 図14(d)および図21に示すように、擬似連演出の実行中において、擬似連移行演出により擬似連の演出態様が第1擬似連演出の演出態様から第2擬似連演出または第3擬似連演出の演出態様に移行(変更)する前のタイミングにおいて、いずれの種類の演出態様に移行(変更)するかを示唆する移行示唆演出が実行可能であるので、移行示唆演出により、擬似連の演出の実行中における移行前(変更前)から移行先(変更先)の演出態様への期待感を高めることができる。
(3) 図14(g),(j)、図15(m)〜(n),(r)、および、図21に示すように、擬似連の演出の実行中に、移行演出により擬似連の演出態様が移行する前のタイミングにおいて、擬似連移行演出が実行される可能性を報知する移行可能性報知演出が実行可能であるので、移行可能性報知演出により、擬似連の演出の実行中における演出態様の移行(変更)に対する期待感を高めることができる。
(4) 図24、図25における第1〜第3タイミングに示すように、擬似連の演出の実行中において、複数タイミングのうちいずれかのタイミングで演出態様が移行(変更)されるので、演出態様が移行するタイミングが1回の場合と比べて、擬似連の演出の実行中における演出態様の移行(変更)に対する期待感の持続期間を長期化することができる。
(5) 図21に示すように、擬似連移行演出は、擬似連2回目においてのみ実行され、擬似連1回目および擬似連3回目のそれぞれで実行されないので、擬似連2回目と、擬似連1回目および擬似連3回目のそれぞれとで、擬似連移行演出が実行される割合が異なる。これにより、擬似連の演出において変動表示の演出が繰返された回数により演出態様が移行(変更)する割合が異なるように演出が実行されるので、擬似連演出中において変動表示が繰返された回数に、遊技者の興味を引付ける(注目させる)ことができる。
(6) 図27のS673,S674で決定される擬似連移行演出の実行回数は、図26(A),(B)に示すように複数回(2回移行)が選択される場合があり、1回の擬似連の演出中において、擬似連移行演出による演出態様の移行を複数回実行可能であるため、演出態様の移行(変更)に対する期待感の持続期間を長期化することができる。
(7) 図21に示すように、擬似連の演出中における特定回数目(擬似連2回目)の変動表示の実行時に、移行演出が実行されるので、擬似連の演出での特定回数目における演出の実行時に、当該演出に遊技者の興味を引付ける(注目させる)ことにより、遊技の興趣を高めることができる。
(8) 第2実施形態に示すように、擬似連移行演出が、移行の過程によって、大当りとなる可能性(期待度)が異なるので、移行演出における移行の過程に遊技者の興味を引付ける(注目させる)ことにより、遊技の興趣を高めることができる。
(9) 第3実施形態に示すように、擬似連移行演出が、移行の過程に関わらず、変更先の他の演出態様の種類によって、大当りとなる可能性(期待度)が異なるので、大当りとなる可能性(期待度を遊技者が認識しやすいようにすることができる。
(10) 第4実施形態において、たとえば、既に変化している保留記憶表示が変化するか否かによって大当りとなる期待度が異なる演出が行なわれ、また、保留記憶表示のうちの何番目の保留記憶表示を変化させて表示することによって、大当りとなる期待度が異なる演出が行なわれることを示したように、表示されている保留記憶表示のうちいずれの保留表示の表示態様を変化させて表示するかによって、変化したときの大当りとなる可能性(期待度)が異なるいずれの保留表示の表示態様が変化するかに遊技者の興味を引付ける(注目させる)ことができ、遊技の興趣を高めることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、擬似連のような特定演出において演出態様を移行(変更)する擬似連移行演出として、1段階で移行する演出パターンの移行演出と、複数段階で移行する演出パターンの移行演出とを説明した。複数段階で移行する移行演出としては、移行段階数が固定的に定められたものであってもよく、複数種類の移行段階数から抽選等により移行段階数を選択することにより移行段階数が特定演出の実行ごとに変化し得るもの(可変)であってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、擬似連のような特定演出における擬似連移行演出として、移行元の演出態様よりも大当り期待度が高い移行先の演出態様に移行する例を示した。しかし、これに限らず、擬似連移行演出としては、移行元の演出態様よりも大当り期待度が低い移行先の演出態様に移行する演出を用いてもよい。
(3) 擬似連のような特定演出における擬似連移行演出としては、移行元の演出態様よりも大当り期待度が低い演出態様の仮移行先の演出態様に一旦移行(仮移行)した後、当該仮移行先の演出態様から、移行元の演出態様よりも大当り期待度が高い演出態様に最終的に移行する演出を用いてもよい。
(4) 擬似連のような特定演出における擬似連移行演出としては、移行元の演出態様よりも大当り期待度が高い仮移行先の演出態様に演出態様に一旦移行(仮移行)した後、当該仮移行先の演出態様から、移行元の演出態様よりも大当り期待度が低い演出態様に最終的に移行する演出を用いてもよい。
(5) 擬似連のような特定演出において示唆する、遊技者にとって有利な状態としては、前述した大当り遊技状態の他に、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出における2回目の変動表示(擬似連2回目であり、1回目の再変動表示)において、擬似連移行演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、擬似連移行演出は、擬似連における3回目の変動表示等の2回目以外の変動表示において実行するようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出において1回の変動表示(たとえば、擬似連2回目であり、1回目の再変動表示)においてのみ擬似連移行演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、擬似連移行演出は、擬似連における複数回の変動表示(たとえば、擬似連2回目(1回目の再変動表示)、および、擬似連3回目(2回目の再変動表示))等において実行するようにしてもよい。このように複数回の変動表示において擬似連移行演出を実行する場合には、擬似連における複数回の変動表示のすべてにおいて移行元よりも大当りとなる期待度が高い移行先の演出態様に移行するもの、擬似連における複数回の変動表示のすべてにおいて移行元よりも大当りとなる期待度が低い移行先の演出態様に移行するもの、および、擬似連における複数回の変動表示の一部において移行元よりも大当りとなる期待度が高い移行先の演出態様に移行しかつ当該一部以外において移行元よりも大当りとなる期待度が低い移行先の演出態様に移行するもののうち、いずれもが含まれてよい。
(8) 前述した実施の形態では、図14(d)に示すように、擬似連のような特定演出において、いずれの種類の演出態様に移行するかを示唆する移行示唆演出として、移行先の演出態様を特定可能な画像が回転動作することにより、移行先を示唆する例を説明した。しかし、これに限らず、移行示唆演出としては、移行先の演出態様を特定可能な画像が、移行先の演出態様を特定可能な画像と比べて、色薄く表示される、縮小表示される、または、デフォルメした態様で表示される等、現在の演出態様とは異なる表示態様で表示されるようにしてもよい。また、移行示唆演出としては、画像表示による演出に限らず、たとえば移行先を示す音声を出力する等、その他の演出手段を用いた演出を実行するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出において、いずれの種類の演出態様に移行するかを示唆する移行示唆演出を所定期間実行する例を示した。このように移行示唆演出を実行する期間は、演出態様が移行するか否かが確定する表示がされるまで継続的に実行してもよく、擬似連の変動表示の開始直後における所定期間(たとえば、3秒等の比較的短い時間)等の所定期間に限定されたものであってもよい。
(10) また、擬似連のような特定演出において、いずれの種類の演出態様に移行するかを示唆する移行示唆演出を実行するときには、示唆される移行先に移行する期待度を特定可能な演出を実行するようにしてもよい。たとえば、示唆される移行先に移行する期待度の高さを特定可能な画像を表示するようにしてもよい(たとえば、移行先を示す画像の画像色を、移行する期待度の高さに応じて異ならせる)。また、示唆される移行先に移行する期待度を移行確率等の数値データにより示すようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出において、擬似連移行演出により演出態様が移行する前のタイミングにおいて、擬似連移行演出が実行される可能性を報知する移行可能性報知演出が実行可能であるが、当該報知演出の演出パターン(演出態様)としては、擬似連移行演出が実行される可能性を実行確率等の数値データで報知するようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、擬似連移行演出が実行される可能性を報知する移行可能性報知演出として、画面割れの度合いにより、移行する可能性を複数段階で特定する例を示した。しかし、これに限らず、移行可能性報知演出として、移行する可能性を1段階のみで特定するようにしてもよい。たとえば、前述した実施の形態での例に適用するならば、攻撃に関する演出を1回のみ実行し、1回の攻撃で生じた画面割れの度合いにより、移行する可能性を1段階で特定すればよい。
(13) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出において、擬似連移行演出により演出態様が移行する前のタイミングにおいて、擬似連移行演出が実行される可能性を報知する移行可能性報知演出が実行可能であるが、当該移行可能性報知演出は、擬似連の変動表示の開始時のタイミングで1回だけ実行するような、変動パターンの全体を通じて1回だけ実行するものであってもよく、擬似連の各変動表示が実行されるごとに実行するような、変動パターンの全体を通じて複数回実行するものであってもよい。
(14) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出において、演出態様が移行する擬似連移行演出において、演出態様が移行するタイミングが複数ある例を説明した。このように演出態様が移行するタイミングが複数ある例としては、擬似連における各変動表示において演出態様が移行するタイミングが複数ある例と、擬似連の変動パターン全体を通じて、演出態様が移行するタイミングが複数ある例(たとえば、擬似連における各変動表示において移行するタイミングが1回あり、擬似連全体としては移行するタイミングが複数回あるような例)との両方が含まれる。
(15) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出において、演出態様が移行する擬似連移行演出で、演出態様が移行するタイミングが複数ある場合における移行するタイミングの選択は、擬似連の種類に応じて固定的に選択されるものであってもよく(たとえば、第1擬似連という演出パターンでは擬似連2回目の変動表示時が必ず選択され、第2擬似連という演出パターンでは擬似連3回目の変動表示時が必ず選択されるというように、移行するタイミングが予め設定されているもの。)、同じ擬似連の種類(演出パターンの種類)であっても、擬似連を実行するごとに、抽選処理等により移行するタイミングを複数のタイミングのうちから選択することにより可変的に選択されるもの(たとえば、擬似連の演出が実行される前に、抽選処理により複数のタイミングうちから演出態様が移行するタイミングとなる擬似連の変動回を選択するもの。)であってもよい。
(16) 前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出において、2回目の変動表示時にのみ擬似連移行演出が実行可能とすることにより、特定演出における何回目の変動表示の実行時であるかにより、演出態様が移行する割合が異なる例を示した。しかし、これに限らず、擬似連のような特定演出の各変動表示で擬似連移行演出を実行可能とし、かつ、各変動表示間で擬似連移行演出が実行される割合を異ならせることにより、擬似連のような特定演出における何回目の変動表示の実行時であるかにより、演出態様が移行する割合が異なるようにしてもよい。
(17) また、擬似連のような特定演出で実行される変動表示のうち前半部(たとえば、擬似連において4回変動表示するときの1,2回目の変動表示回)の変動表示回で擬似連移行演出を実行不可能とし、後半部の変動表示回(たとえば、擬似連において4回変動表示するときの3,4回目の変動表示)で擬似連移行演出を実行可能とすることにより、擬似連における何回目の変動表示の実行時であるかにより、演出態様が移行する割合が異なるようにしてもよい。また、前半部の変動表示回で擬似連移行演出を実行可能とし、後半部の変動表示回で擬似連移行演出を実行不可能とすることにより、擬似連における何回目の変動表示の実行時であるかにより、演出態様が移行する割合が異なるようにしてもよい。
(18) また、前述した実施の形態では、擬似連のような特定演出における1回の変動表示回において演出態様を複数回移行可能とすることにより、擬似連移行演出による演出態様の移行を複数回実行可能である例を示した。しかし、これに限らず、擬似連のような特定演出における複数回の変動表示回のそれぞれの回において演出態様が複数回移行可能とすることにより、擬似連移行演出による演出態様の移行を複数回実行可能であるようにしてもよい。
(19) 擬似連のような特定演出における1回の変動表示回で演出態様が複数回移行可能とすることにより擬似連移行演出による演出態様の移行を複数回実行可能である場合と、擬似連のような特定演出における複数回の変動表示回で演出態様が複数回移行可能とすることにより擬似連移行演出による演出態様の移行を複数回実行可能である場合とを、擬似連の変動表示が実行されるごとに抽選により選択することで、どちらの移行態様で移行演出を実行するかを選択するようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態においては、特定演出として、擬似連の演出を説明した。しかし、これに限らず、特定演出としては、図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、予告演出(大当り予告演出等の各種予告演出)を複数回繰返して実行することにより、特定遊技状態(遊技者にとって有利な状態、大当り状態)となるか否かを示唆可能な特定演出(予告連の演出)を用いてもよい。このように、特定演出としては、識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、所定の演出態様での演出を複数回繰返して実行することにより、遊技者にとって有利な状態となるか否かを示唆可能な演出であれば、どのような演出であっても含まれる。
(21) 前述した実施形態では、移行示唆演出は、擬似連2回目の変動が開始されるタイミングにおいて実行されていた。しかし、移行示唆演出は、擬似連変動が開始される際のタイミング以外のタイミングで実行されるようにしてもよい。たとえば、擬似連変動の後半のタイミングにおいて、移行示唆演出が実行されるようにしてもよい。また、移行可能性報知演出が実行されている途中のタイミングで移行示唆演出が実行されるようにしてもよい。さらに、表示結果が大当りか否かに基づいて移行示唆演出が実行されるタイミングが異なるようにしてもよい。たとえば、表示結果が大当りである場合には、はずれである場合に比べて後半のタイミングで移行示唆演出が実行されるようにしてもよい。
(22) 前述した実施形態では、移行可能性報知演出として、ボタン操作を促すボタン画像98を表示し、遊技者がボタン操作を行なうことで、キャラクタ97が画面を攻撃し、画面割れが起こり、その画面割れの大きさにより擬似連の移行可能性を報知していた。ボタン操作を促す画像としては、ボタンの色や大きさが大当り期待度によって変化するものでもよい。また、キャラクタ97の攻撃方法が変化することで、移行可能性を報知するようにしてもよい。また、擬似連演出における演出態様の移行可能性をパーセント表示するようにしてもよい。
(23) 前述した実施形態では、擬似連1回目(初回変動)は、第1〜第3擬似連演出を実行せずに通常背景となっている例を示したが、これに限らず擬似連1回目から第1擬似連演出(複数本の木が生えている擬似連Aの背景画像95)、第2擬似連演出(ビルが立ち並ぶ様子を示す擬似連Bの背景画像96)、または、第3擬似連演出(夜の星空となるような背景画像)が実行されてもよい。
(24) 前述した実施形態では、擬似連のような特定演出において1回の変動表示(再変動表示)中に擬似連の演出態様が複数回移行するようにしてもよい。さらに、擬似連の演出態様が複数回移行する演出を複数回実行してもよい。たとえば、再変動1回目において、擬似連の演出態様を2回移行させ、再変動2回目において、擬似連の演出態様を2回移行させるようにしてもよい。
(25) また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した擬似連のような特定演出の移行に関連する各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、特定演出を実行するときに、上記の実施の形態で説明したような各種演出を実行する制御を行なうようにしてもよい。
(26) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(27) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(28) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータ100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータ100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(29) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(30) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(31) 前述の実施形態では、大当り種別として、15ラウンドの通常大当りと15ラウンドの確変大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り、5ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15ラウンドの大当り、10ラウンドの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
(32) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(33) 前述した実施の形態では、移行示唆演出を設けないようにしてもよい。また、移行可能性報知演出を設けないようにしてもよい。また、複数のタイミングで擬似連の演出態様を移行(変更)する制御をしないようにしてもよい。また、擬似連演出において変動表示の演出が繰返された回数により演出を他の演出に移行(変更)する割合が異なるようにしなくてもよい。また、1回の擬似連の演出中において、他の演出への移行(変更)を複数回実行する制御をしないようにしてもよい。
前述したパチンコ遊技機1については、パチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理(図5のS29)を行なうことを説明した。このようなS29によりパチンコ遊技機1の外部に出力する情報としては、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれてもよい。
パチンコ遊技機1においては、たとえば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口(特別可変入賞球装置20)、および、普通入賞口(図示せず)のような複数種類の入賞口が設けられている。そして、これら入賞口への遊技玉の入賞が、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチのような入賞検出スイッチにより検出され、検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、入賞検出スイッチから入力される検出信号に基づいて、所定期間中における各入賞口に入賞した遊技玉の個数(入賞個数)を計数して記憶する処理を行なうことが可能であり、このような処理をすることにより、所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を記憶する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような入賞情報に基づいて、所定期間が経過するごとに、各所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において計数記憶し、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号により特定する入賞個数としては、たとえば、10分ごと等の所定の経過時間ごとの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、各1回の大当り遊技状態が発生するまでに要する期間ごとの入賞個数に関する情報(大当り遊技状態が発生するごとに出力する)、各日の電源投入時からの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、および、遊技者ごとの入賞個数に関する情報(遊技用カード情報等の遊技者特定情報により遊技者が特定可能な場合に、各遊技者により遊技終了が選択されたときに出力する)のいずれの情報であってもよい。
なお、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号としては、遊技玉がいずれかの入賞口に入賞するごとに出力される、入賞口と入賞個数(1個)とを特定可能な入賞情報信号であってもよい。
また、入賞情報信号をパチンコ遊技機1の外部に出力するその他の例としては、主基板31の一部の出力端子に、パチンコ遊技機1の外部に設けられた試験装置で動作試験をするための接続部品を接続し、現在の遊技状態での最新の入賞情報を示す入賞情報信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から当該接続部を介して外部に出力されるようにしてもよい。
このように、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号がパチンコ遊技機1の外部に出力されるので、パチンコ遊技機1の外部において、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を認識することができるようになる。
〔第5実施形態〕
本実施形態として、第1実施形態〜第4実施形態で説明したパチンコ遊技機1のような遊技制御を遊技制御の一例とするパチンコ遊技機を封入循環式のパチンコ機(パチンコ遊技機)として構成し、当該パチンコ機とカードユニットとを管理するシステムの例を説明する。なお、以下の第5実施形態として説明する遊技機、カードユニット、およびそれらを管理するシステムは、第1実施形態〜第4実施形態として説明した遊技機およびカードユニットのいずれに適用してもよい。
以下で説明する実施の形態により示される本発明は、たとえばパチンコ遊技機やスロットマシン等で代表される遊技機であって、互いに通信する第1制御手段および第2制御手段を備えた遊技機、遊技盤および遊技枠に関する。
従来、たとえば、認証用情報管理装置と通信可能に接続された第1制御手段と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段とを含み、第1制御手段と第2制御手段とは、互いにペアの認証用情報、第2制御手段には、ペアの認証用情報の一方が予め記憶されている遊技機が開示されている(特開2012−100763号公報)。
また、従来、たとえば、遊技機の遊技状態を制御するメインCPUとたとえば可変表示装置を制御するサブCPUとの間で、共通鍵暗号方式による暗号電文の送受信を行なうものがあった(特開2004−89701号公報)。
遊技機において、第1制御手段と第2制御手段とで互いに通信を行なう場合に、両制御手段間の通信が途切れて両者間で通信不能な状態となる可能性がある。このような状況を想定し、両者間で通信不能な状態となった後の復帰手順を予め定めておく必要がある。この場合、一方で生成され、他方へ送信する予定であった所定情報が他方へ到達していなければ、復帰の際には当該所定情報が他方へ送信される復帰処理を定めなければならない。
ところが、このような復帰処理を制御手段が実行するユーザプログラムに含めたのでは、ユーザプログラムを実行する制御手段の制御負担が増大する。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、第1制御手段と第2制御手段との間で通信不能な状態となった後の復帰処理に関する制御負担を軽減することである。
(1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図57に示す送信データバッファ613F、図58に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F,700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bF,171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図60のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図60のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(2) 上記(1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において処理を適切に再開することができる。
(3) 上記(1)または(2)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、前記所定情報を送信する際に、当該所定情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報を併せて送信(図63:払出制御部171Fに対して前回送信した通番(主制御通番=n+1)を含む電源投入通知のコマンドを送信)し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方の前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するときに、前回送信した前記到達確認情報を再送(図63:電源投入通知のコマンドに対する電源投入受信のレスポンスを送信)し、
他方の前記通信制御回路を含む前記第1制御手段または前記第2制御手段は、通信不能な状態から復帰するときに受信した前記到達確認情報と、通信不能となる前に受信した前記到達確認情報とが所定の関係にない場合(図63:主制御通番=n+1と払出制御通番=nとが一致しない場合)に、前記復帰処理によって前記一方の通信制御回路が送信した前記所定情報に基づいた情報の更新処理(図63:リカバリ処理を実行する)を実行する。
上記構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに受信した到達確認情報と、通信不能となる前に受信した到達確認情報とが所定の関係にない場合に、復帰処理によって一方の通信制御回路が送信した所定情報に基づいた情報の更新処理を実行するので、第1制御手段と第2制御手段との通信の負担を軽減することができる。
(4) 上記(1)〜(3)において、
前記情報記憶部は、不揮発性記憶領域(たとえば、図57に示す送信データバッファ613F、図58に示すデータ受信レジスタ713F)と揮発性記憶領域(たとえば、図57に示す送信データバッファ613F以外のレジスタ、図58に示すデータ受信レジスタ713F以外のレジスタ)とを有する。
上記構成によれば、情報記憶部は、不揮発性記憶領域と揮発性記憶領域とを有するので、通信を再開する際のリカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。
(5) 上記(1)〜(4)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図58:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(6) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図57に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図60のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図60のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(7) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図58に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図60のSF292:リカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図60のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図57に示す送信データバッファ613F、図58に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)とを有し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、他方が送信した前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む。
上記構成によれば、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、通信制御回路の暗号化手段で情報記憶部に記憶された情報を暗号化し、他方の復号手段で送信した暗号化情報を復号するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−2) 上記(8−1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−3) 上記(8−1)または(8−2)において、
前記通信制御回路は、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理(たとえば、図60に示す電源投入時に行なわれる認証シーケンスよって暗号鍵および復号鍵が生成される)と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行する(図60に示す認証シーケンス後、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が可能)。
上記構成によれば、通信制御回路が、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方において処理を適切に再開することができる。
(8−4) 上記(8−1)〜(8−3)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図58:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(8−5) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図57に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む前記第2制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−6) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図58に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路171bFで暗号化した情報を通信制御回路161bFで復号する)を含む前記第1制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(9−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図31:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図39に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図41:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき、前記遊技点を前記持点に計数する計数処理手段(図41:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図28:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図41:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図41:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図41:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを含む。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)であって、
前記遊技機からの計数要求に基づき、前記遊技点を持点に計数する計数処理手段(図41:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図28:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図41:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図41:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図41:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを備える。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−3) 本発明は、遊技者所有の有価価値を用いて遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)と通信可能に接続され、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)であって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図31:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図39に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図41:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを備え、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき計数した前記持点を、前記遊技用装置で受付けた記録媒体で特定可能に処理し、前記記録媒体を返却する場合に、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることの通知を前記遊技用装置から受付可能(図41:P台2Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報の通知をCU3Fから受ける。)である。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることの通知を、前記遊技用装置から受けるので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−4) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技用装置は、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する報知手段(たとえば、図28に示す表示器312F)を含む。
上記構成によれば、遊技用装置でも記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−5) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技機は、前記遊技用装置からの通知に基づき、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する表示手段(たとえば、図28に示す可変表示装置278F)を含む。
上記構成によれば、遊技機で記録媒体の取り外し待ち状態であることを視覚的に報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−6) 上記(9−1)または(9−2)において、
前記取り外し待ち状態通知手段は、前記遊技用装置または前記遊技機に接続する装置(たとえば、ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に対して、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知する。
上記構成によれば、遊技機や遊技用装置以外に対して記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知することで、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−7) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図28:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けた場合に、前記遊技用装置が設置されている遊技場を特定可能な遊技場特定情報を前記遊技機に通知する遊技場特定情報通知手段(図34:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「店舗コード」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技場特定情報通知手段により通知された前記遊技場特定情報を記憶する遊技場特定情報記憶手段(図34:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「店舗コード」を記憶する。)と、
前記遊技機と前記遊技用装置とが通信できない通信不能状態から回復した後、通信復旧した場合に、前記遊技場特定情報通知手段により新たに通知された前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する遊技場特定情報比較手段(図42:P台2Fは、CU3Fから「店舗コード」を含むリカバリ要求が送信されてくると、当該「店舗コード」と記憶してある「店舗コード」とが一致するか否かを判定する。)と、
前記遊技場特定情報比較手段により、前記遊技場特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する遊技禁止手段(P台2Fは、CU3Fからの「店舗コード」と、記憶してある「店舗コード」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)とを含む。
上記構成によれば、新たに通知された遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で店舗を移動させる不正を防止することができる。
(9−8) 上記(9−7)において、
前記遊技用装置は、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けたとき、および前記通信復旧したときに、前記遊技用装置に含まれている遊技制御装置(たとえば、図29に示すセキュリティ基板325F)を特定可能な装置特定情報(SC基板ID)を前記遊技機に通知する装置特定情報通知手段(図34:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「SC基板ID」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)をさらに含み、
前記遊技機は、
前記装置特定情報通知手段により通知された前記装置特定情報を記憶する装置特定情報記憶手段(図34:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「SC基板ID」を記憶する。)と、
前記通信復旧した場合に、前記装置特定情報通知手段により新たに通知された前記装置特定情報と、前記装置特定情報記憶手段に記憶した前記装置特定情報と比較する装置特定情報比較手段(P台2Fは、CU3Fからの「SC基板ID」と、記憶してある「SC基板ID」とを比較する。)とをさらに含み、
前記遊技禁止手段は、前記装置特定情報比較手段により、前記装置特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する(不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)。
上記構成によれば、新たに通知された装置特定情報と、装置特定情報記憶手段に記憶した装置特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で遊技機を移動させる不正を防止することができる。
(9−9) 上記(9−7)または上記(9−8)において、
前記遊技機は、
遊技に使用する遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報を読取る遊技場特定情報読取手段(たとえば、P台2Fの回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取る。)をさらに含み、
前記遊技場特定情報比較手段は、前記遊技場特定情報読取手段で読取った前記遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する(読取った識別情報により、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定して、不一致の場合、状態情報応答の「不正検知状態3」のBit0を、“1”にする。)。
上記構成によれば、遊技場特定情報読取手段で読取った遊技媒体に付加されている遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致であれば、遊技媒体に他店舗の遊技玉が混入していることを報知することが可能となる。
以下、図面を参照して第2の実施の形態(以下、単に“実施の形態”という)を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図28を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2Fが併設されている。なお、P台2Fの所定側の側方位置には、該P台2Fに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3Fが1対1に対応設置されている。
P台2Fは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉(遊技玉)を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより、発射モータ18F(図29参照)を駆動させて封入玉を一発ずつ遊技盤26F前面の遊技領域27Fに打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25Fの周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18Fが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25Fの回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27F内に発射される。
打球操作ハンドル25Fの上方には鍵穴10Fが設けられており、遊技場の係員が所持する鍵を挿入して前枠5F(図29参照)の解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより前枠5Fが開放され、ガラス扉(前面部材)6Fの解錠操作(たとえば反時計回り回転)することによりガラス扉6Fが開放される。
図28に示すP台2Fは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27Fの中央に可変表示装置(以下、特別図柄とも言う)278Fが設けられている。また、遊技領域27Fには、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図28に示す遊技領域27Fには、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271Fと、3つの普通入賞口272F,273F,274Fと、3つの始動入賞口275F,276F,277Fとが示されている。特に、始動入賞口276Fは、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278Fは、各始動入賞口275F,276F,277Fに入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいて変動表示する。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271Fが開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27F内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154Fに回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154Fに回収されたパチンコ玉は再度P台2F内の回収経路(図示略)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれる。
P台2Fは、CU3Fを側方位置に設置することでCU3Fから伸びる表示器54FをP台2Fの前面に設けた接続面54Faに嵌合させる。そのため、P台2Fにおける遊技領域27Fの下方位置には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278Fの表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。また、表示器54Fは、裏面に設けた接続端子(図示せず)をP台2Fの接続面54Faに設けた接続端子54Fbに接続することでP台2Fに嵌合させている。このように、CU3Fの表示器54FをP台2Fの接続面54Faに嵌合させる構成であれば、CU3FとP台2Fとをより強く連結することができ、不正を防止することができる。さらに、表示器54Fとの連結係止を、ガラス扉6Fまたは打球操作ハンドル25Fが設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、不正をさらに防止することができる。なお、表示器54Fは、図28に示すようにCU3Fと一体に形成されP台2Fの接続面54Faに嵌合させる構成だけに限定されず、CU3Fから独立して形成されP台2Fの前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台2Fの接続面54Faの上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171Fによって制御される。この遊技玉数表示器29Fにより、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2Fにおける遊技玉数表示器29Fの左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28Fが設けられている。詳しくは後述するが、計数ボタン28Fは、1度押下すると、たとえば100玉だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれ、長い期間押下(長押し)すると、現在有している遊技玉を考慮して押下している時間に対応した玉数だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれる。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28FをP台側に設けているため、計数ボタン28FをCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2Fは、遊技領域27Fの右上位置および左上位置に、可変表示装置278Fで表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270Fが設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図28に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
このように、パチンコ機2Fは、前述のパチンコ遊技機1のような遊技制御を行なう遊技機を封入循環式パチンコ機として構成したものであり、基本的な遊技制御および演出制御は、前述のパチンコ遊技機1と同様の制御(たとえば、保留記憶情報に基づく可変表示制御、保留記憶情報に基づく大当り遊技制御、および、保留記憶情報に基づく確変制御等の制御)が行なわれる。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図28を参照して、本実施形態に係るCU3Fの構成を説明する。このCU3Fは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(以下、一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3Fは、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を「遊技玉のデータ」に変換する機能を有する。P台2Fでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、「遊技玉のデータ」とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、「遊技玉のデータ」を貯玉や持玉と同様に、単に「遊技玉」と称する。
CU3Fの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302F、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305F、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309Fなどが設けられている。このカード挿入/排出口309Fに挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU3Fの前面側には、表示器312Fと、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319Fと、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320Fで受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312Fは、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(以下、カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312Fの表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319Fを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2Fによる遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、P台2Fによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。なお、再プレイボタン319Fとは別に、持玉を引落すための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319Fは貯玉引落し専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバ801F(図30参照)に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801Fにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801Fに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバ801Fに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28Fが操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3Fからカードを返却したときには、CU3Fに記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801Fに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3Fにカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3Fに記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302Fに挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3Fの前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320Fと、玉貸ボタン(以下、貸出ボタンとも言う)321Fとカード返却ボタン322Fとが設けられている。IR感光ユニット320Fは、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニットである。玉貸ボタン321Fは、挿入されたカードに記録されている残高を引落してP台2Fによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322Fは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図29は、カードユニットとパチンコ機との構成を示すブロック図である。図29を参照して、CU3FとP台2Fとの制御回路の概略を説明する。
CU3Fには、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323Fが設けられている。このCU制御部323Fには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323Fには、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801F(図30参照)と通信を行なうための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、P台2Fの払出制御基板17Fとセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325Fが設けられている。なお、セキュリティ基板325F上にCU制御部323Fを設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325Fとは別の基板にCU制御部323Fを設けてもよい。CU3FにはP台2F側への接続部(図示略)が設けられるとともに、P台2FにはCU3F側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325FとP台側の払出制御基板17Fとは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325Fには、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとの通信を制御するための通信制御IC325aFと、P台2Fのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bFが設けられている。セキュリティチップ(SC)325bFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。さらに、SC325bFは、不正検知部1325Fを備え、不正検知部1325FがCU制御部323FからP台2Fに通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800F(図30参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800Fから基板制御情報として通知される。通信制御IC325aFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323F、セキュリティチップ(SC)325bF、および通信制御IC325aFの各RAMは、電源断時にもその記憶データが消去されないバックアップRAMで構成されている。なお、このバックアップRAMの代わりに、EEPROMで構成してもよい。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323Fに入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320Fが受光すれば、その受光信号がCU制御部323Fに入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323Fに入力されるとともに、CU制御部323Fからカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323Fは、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323Fは、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323Fから残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350Fに出力され、表示制御部350Fで表示用データに変換される。CU3Fの前面に設けられる表示器312Fおよび図28に示すようにP台2Fの前面に配置されている表示器54Fに対し、表示制御部350Fで変換した表示用データが出力される。表示器312Fおよび表示器54Fには、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312Fの表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350Fを介してCU制御部323Fに入力される。遊技者が玉貸ボタン321Fを操作することにより、その操作信号がCU制御部323Fに入力される。なお、玉貸ボタン321Fは、CU3Fに設ける構成に限定されるものではなく、P台2Fに設けて操作信号をCU制御部323Fに入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。遊技者がカード返却ボタン322Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。
P台2Fには、P台2Fの遊技の進行制御を行なう主制御基板16F、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17F、払出制御基板17Fの指令に基づいて発射モータ18Fを駆動制御する発射制御基板31F、可変表示装置278F(図28参照)などが備えられている。なお、図29では、主制御基板16Fの指令に基づいて可変表示装置を表示制御する表示制御基板(演出制御基板ともいう)の図示を省略している。
主制御基板16Fは、遊技盤26Fに設けてある。主制御基板16Fには主制御部161Fである遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161Fは、遊技盤26Fに設けられている入賞センサ162F、および電波センサ163Fと接続してある。たとえば、主制御部161Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、FPGA(field-programmable gate array)基板を用いる。なお、遊技盤26Fには、さらに可変表示装置278F等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17Fは、前枠5F(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17Fには、払出制御部171Fである払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。たとえば、払出制御部171Fの払出制御用マイクロコンピュータには、FPGA基板を用いる。
また、払出制御基板17Fに対し、発射玉検出スイッチ(図示略)、アウト玉検出スイッチ701F、ファール玉検出スイッチ330F、計数ボタン28F、電波センサ173F、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fが電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173Fは、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aFを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173Fの検出信号が払出制御基板17Fの入力ポート(図示略)を介して払出制御部171Fへ入力される。玉上げスイッチ(上)41aFは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aFが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173Fにより検知する。なお、玉上げスイッチ(上)41aFばかりでなく、発射玉検出スイッチも電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されることになる。しかし、この発射玉検出スイッチにも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されなくなる不都合が生じる。本実施形態では、このような発射玉検出スイッチに対して発信される不正電波も、電波センサ173Fで検出するため、前述の不都合を防止し得る。
ガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠開放検出スイッチ13Fの開放回数は、図示していない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2Fの電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6Fや前枠5Fの開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171Fへ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2F内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
また、払出制御部171Fに接続された遊技玉数表示器29Fにガラス扉6Fや前枠5Fの開放回数等を表示してもよい。具体的に、遊技玉数表示器29Fは、払出制御部171Fからの表示制御信号に従ってガラス扉6Fや前枠5Fの開放回数等を表示する。
主制御基板16Fから払出制御基板17Fに対し、メインチップID(主制御用セキュリティチップID)、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報などが送信される。
メインチップIDは、P台2Fの主制御基板16Fに記録されているチップIDのことであり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。たとえば、入賞口情報には、入賞口の種類が大入賞口271F(図28参照)に3球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して300球払出しを要求する情報や、始動入賞口275Fおよび始動入賞口277F(図28参照)のそれぞれに1球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して20球払出しを要求する情報が含まれる。なお、普通入賞口272Fなどの入賞口に球が入り、賞球の払出しを要求する入賞口情報が払出制御基板17Fに対して送信された後に電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合であれば、払出制御基板17Fが入賞口情報を既に受信しており、当該入賞口情報に基づく賞球の払出しが可能となる。しかし、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合、払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができず賞球の払出しができない。そのため、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも賞球の払出しができるように、継続して入賞口情報を払出制御基板17Fが受信(情報記憶部に書き込み)可能な有効期間を設定する。これにより、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも有効期間内であれば払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができ浮遊玉に基づく賞球の払出しが可能となる。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16Fと払出制御基板17Fとが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16Fから払出制御基板17Fへ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17Fがその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17Fが動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17Fは、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16Fが遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17Fへ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17Fから主制御基板16Fへ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16Fが正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701Fから払出制御基板17Fへアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、後述するように遊技中玉数(遊技領域27Fに浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ330Fからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17Fでは、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチから払出制御基板17Fへ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、遊技中玉数を減算更新する。
CU3Fのセキュリティ基板325FとP台2Fの払出制御基板17Fとが電気的に接続されており、セキュリティ基板325Fから払出制御基板17Fへ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ要求2、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、リカバリ要求を受けてP台2Fのリカバリ情報をCU3Fに通知する。リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。通信開始要求は、P台2Fに対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信開始要求を受けてCU3Fに対して通信開始を応答する。通信終了要求は、P台2Fに対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信終了要求を受けてCU3Fに対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、P台2Fに対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、状態情報要求を受けてP台2Fの状態情報をCU3Fに通知する。カード挿入通知は、P台2Fに対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード挿入通知を受けてCU3Fに対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、P台2Fに対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード返却通知を受けてCU3Fに対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、P台2Fに対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信テスト要求を受けてCU3Fに対してテストデータを応答する。
払出制御基板17Fからセキュリティ基板325Fへ、リカバリ応答、リカバリ応答2、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠5F(遊技枠)には、発射制御基板31F、発射モータ18Fが設けられている。発射制御基板31Fは、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることを検出するタッチリング(以下、タッチセンサとも言う)の入力信号が入力されているときに発射モータ18Fへ励磁出力を発し、発射モータ18Fを駆動させる。
払出制御基板17Fから発射制御基板31Fへ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31Fは、発射モータ18Fを励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27Fへ弾発発射される状態となる。
P台2Fの前面には、CU3Fから伸びた表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fからの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施形態では、P台2Fの前面に設けられるCU3Fから伸びた表示器54FをCU3F側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台2F側に表示器54Fを設けCU3F側から表示制御できるように構成しても、P台2F側に表示器54Fを設けP台2F側で表示制御できるようにP台2F側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171Fの指令に基づいて表示器54Fを表示制御する。
<パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理>
図30は、パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理を説明するための説明図である。図30に示すP台2Fは、CU3F、ホールサーバ801F、鍵管理サーバ800F、および機歴管理センタ800AFと接続されている。ここで、鍵管理サーバ800Fは、CU3F内部の電子部品のシリアルID(以下、SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800Fは、主制御基板16Fと互いに通信可能なサーバである。機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理する履歴管理システムを含んでいる。なお、セキュリティ基板325Fは、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路326Fを介して払出制御部171Fとパラレル接続している。
製造メーカ(遊技機メーカ)が前枠5Fおよび遊技盤26Fを出荷して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図30に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップID、主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せた場合の相手のセキュリティチップIDなどが含まれている。なお、セキュリティチップIDは、機歴管理センタ800AFに登録後、変更、削除することができない。
一方、機歴管理センタ800AFには、製造メーカにより出荷した前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報が入力される。具体的に、機歴管理センタ800AFへの出荷情報の入力は、機歴管理センタ800AFに通信回線などを介して接続された端末から入力する。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。異常の報知として、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。なお、前枠5Fおよび遊技盤26FをセキュリティチップIDに関連付けて記憶した情報は、機歴管理センタ800AFへの出荷情報登録後、変更することができない。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報は、ホールに設置する1日前に、機歴管理センタ800AFに登録されていることが望ましい。
同様に、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を撤去して倉庫に保管した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図30に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26FのセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、ホールまたは倉庫業者により撤去した前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
また、中古業者が遊技盤26Fを別のホールに再販して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図30に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、組合せた前枠5FのセキュリティチップIDなどが含まれている。
一方、機歴管理センタ800AFには、中古業者により再販した遊技盤26Fの移動情報(再販情報)が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された遊技盤26Fの移動情報を、遊技盤26Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
さらに、廃棄業者が設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を廃棄した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図30に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)のセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、廃棄業者により廃棄した前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)の撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図31は、CU3F側とP台2F側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図31を参照して、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施形態においては、P台2F側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3F側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2F側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3F側において管理・記憶している。
図31では、CU3F側のCU制御部323Fに設けられているRAMの記憶データと、P台2F側の払出制御基板17Fに搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ機)2FとCU(カードユニット)3Fとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2F側の払出制御基板17Fは、主制御基板16FからメインチップID(主制御用セキュリティチップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3F側に送信するとともに、払出制御基板17F自体が記憶している払出チップID(払出制御用セキュリティチップID)をCU3F側へ送信する。
CU3F側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3F側とP台2F側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3F側からP台2F側へ送信され、P台2F側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3F側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3F側とP台2F側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2F側からCU3F側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3F側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2Fが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3F側とP台2F側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3F側からP台2F側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2F側において記憶することとなる。
また、CU3F側とP台2F側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が「1」ずつ加算更新され、その通番がCU3F側とP台2F側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3FとP台2Fとの間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、CU3F(一次局)が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、P台2F(二次局)は受信した通番をそのまま送信する。なお、CU3Fは、再送時、通番をカウントアップせず、通番の連続性が成立しない場合、無応答とする。前回最終送信通番は、前回の送受信時に更新された通信番号であり、バックアップされる番号のことである。
本実施形態におけるCU3FとP台2Fとにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3Fは、通番をカウントアップ(+1)してコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信したコマンドの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。そして、P台2Fは、受信したコマンドに対するレスポンスを、受信したコマンドの通番のままでCU3Fに送信する。CU3Fは、受信したレスポンスの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。CU3FおよびP台2Fでは、P台2FからのレスポンスをCU3Fに送信するごとに、このような処理を繰返している。
たとえば、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶するとともに、通番nのままでレスポンスを送信する。CU3F側では返信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶する。次に、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するときに通番をカウントアップ(+1)して通番n+1を送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番n+1を前回最終送信通番として記憶するとともに、通番n+1のままでレスポンスを送信する。P台2F側では送信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信する。CU3F側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番をカウントアップ(+1)して通番n+2のコマンドをP台2F側へ送信する。
P台2F側からCU3F側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2F側の払出制御部171F(図29参照)にあるRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2F側からCU3F側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
なお、バック玉が発生した場合に、そのバック玉を打球発射位置に還元して打球発射位置への玉送りを停止させた状態で打球発射動作を行なってバック玉をすべて遊技領域に発射させるようにし、バック玉が発生してもそのバック玉を加算玉としてカウントしないように制御してもよい。この場合は、「加算玉=賞球玉数×入賞個数」となる。
たとえば、遊技領域27Fに打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16Fから入賞情報が払出制御基板17Fへ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27F内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
あるいは、払出制御部171Fは、計数ボタン28Fの押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
P台2F側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3F側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171FのRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3F側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2F側からCU3F側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17Fは、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3F側に送信する。
CU3F側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(以下単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2F側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2F側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2Fから送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3Fは、P台2Fより逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3Fは、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2F側から遊技玉数カウンタのカウント値(以下、遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3Fは、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3Fは、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3F側で記憶している遊技玉数をP台2F側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3F側で管理している遊技玉数と、P台2F側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施形態では、CU3F側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2F側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3F側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2F側で記憶している遊技玉数がCU3F側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3F側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3Fと接続されるホールサーバ801Fまたはホール用管理コンピュータによって、CU3F側で記憶している遊技玉数とP台2F側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図29に示すように、CU3Fは、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323F(図29参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323F(図29参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323F(図29参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321Fの押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落して遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3F側からP台2F側へ送信される。P台2F側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落してドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2F側からCU3F側へ送信される。CU3F側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図32を参照して、CU(カードユニット)3FとP台(パチンコ機)2Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図32には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2Fに対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してリカバリ情報を通知するものである。
リカバリ要求のコマンドは、CU3Fが認証を完了した後にCU3FからP台2Fに対して送信される。リカバリ要求のコマンドは、CU3FからP台2Fに対してリカバリ情報を要求し、CU3Fが認証完了後、最初に同コマンドを送信する。リカバリ要求は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」および「前回最終送信計数通番」が含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番である。「前回最終送信通番」が“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信通番」は、P台2Fにおいて状態情報応答を送信時に、CU3Fにおいて状態情報応答受信時に「通番」をP台2F、CU3F側ともに前回最終送信通番(通番)として記憶する通番である。
「前回最終送信計数通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のレスポンスの計数通番である。「前回最終送信計数通番」は、“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信計数通番」は、P台2Fにおいて状態情報応答を送信時に、CU3Fに状態情報応答受信時に計数通番をP台2F、CU3F側ともに前回最終送信計数通番として記憶する通番である。
P台2Fのリカバリ処理(計数玉数)において、後述する計数履歴シーケンスでセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。不一致の場合には、計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。
P台2FはCU3Fより通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3Fが計数要求に対する計数処理を実施していなかった場合は計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてP台2Fで実行されるユーザプログラムに通知する。CU3Fが計数処理を実施済の場合はCU3Fに通知した計数要求玉数を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。なお、P台2Fが保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。また、セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」とP台2Fで保持している「店舗コード」とが不一致の場合、レジスタを介して店舗コード不一致をユーザプログラム側に通知する。なお、P台2Fは、CU3Fよりリカバリ要求のコマンドを受信した場合、レジスタを介してユーザプログラム側に通知する。
リカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fで保持しているリカバリ情報を応答するものである。リカバリ情報は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」、「前回最終送信加算通番」、「玉単価」、「遊技情報格納有無」、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」を含んでいる。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。「前回挿入中カードID」は、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。P台2Fの払出制御部171Fは、CU3Fから送信される情報に基づいて挿入中であったカードIDを記憶保持している。
「前回カード挿入時刻」は、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる加算通番であり、“0”のときは当該加算通番がない場合である。「玉単価」は、P台2Fで遊技している1玉あたりの玉単価(0.01円〜99.99円)である。「遊技情報格納有無」は、遊技情報を格納していない場合“0x00”、遊技情報を格納している場合“0x01”である。
「前回遊技台情報」は、CU3Fに前回通知した遊技台情報であり、「遊技玉数」、「遊技玉情報」、「計数要求玉数」および「計数通番」の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3Fに前回通知した遊技玉数である。「遊技玉情報」は、前回通知した遊技玉情報である。遊技玉情報には、たとえばCU3Fに前回通知した発射玉数、アウト口通過玉数や総賞球玉数などの情報である。「計数要求玉数」は、計数要求する遊技玉数である。「計数通番」は、CU3Fに前回通知した計数通番である。
「前回遊技情報」は、CU3Fに前回通知した遊技情報であり、「遊技情報数」、「遊技情報1」〜「遊技情報n」の情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3Fに前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「遊技情報1」は、CU3Fに前回通知した遊技情報1である。「遊技情報n」は、CU3Fに前回通知した遊技情報nである。遊技情報nには、たとえば、CU3Fに前回通知した種別情報や遊技賞球情報などが含まれる。
なお、「前回最終送信加算通番」は、CU3Fにおいて状態情報要求を送信時、P台2Fにおいて状態情報要求受信時に、CU3F側、P台2Fともに前回最終送信加算通番として記憶する通番である。
P台2Fのリカバリ処理(遊技情報)において、後述する計数履歴シーケンスでセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、「店舗コード」が不一致の場合には、リカバリデータを無しとして処理する。一致している場合には以下の処理を行なう。
遊技情報のリカバリデータがある時は「遊技情報格納有無」を格納有:0x01にし、前回の「遊技玉数」、前回の「遊技玉情報」、前回の「計数要求玉数」、前回の「計数通番」、前回の「遊技情報数」および前回の「遊技情報1〜n」にP台2Fが保持しているリカバリデータをセットする。遊技情報のリカバリデータがない時または前回最終送信通番が0の時は「遊技情報格納有無」を格納無“0x00”にし、前回の「遊技玉情報」、前回の「計数要求玉数」、前回の「計数通番」および前回の「遊技情報数」をALL“0”をセットする。ただし、遊技玉数は前回通知した遊技玉数をセットする。なお、P台2Fが保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」と、P台2Fで保持している店舗コードと不一致と判定した場合、カード無しとして処理する。つまり、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」をALL“0”をセットする。
P台2Fは、状態情報要求応答時の通番を前回最終送信通番として記憶する。セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して不一致の場合は前回最終送信通番=0として通知する。セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して一致の場合は記憶している前回最終送信通番を通知する。
P台2Fは、状態情報応答の送信時に計数通番を前回最終送信計数通番として記憶する。SC325bから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して不一致の場合は前回最終送信計数通番=0として通知する。セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して一致の場合は記憶している前回最終送信計数通番を通知する。
なお、また、CU3Fは、P台2Fより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3Fは、前回遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。ただし、計数玉数のリカバリは実施しない。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU3FまたはP台2Fの交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台2Fの表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台2Fの表示情報は、可変表示装置278Fの液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台2Fに対して、払出制御部171Fが制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。
リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものであり、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信加算通番」および「加算玉数」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。リカバリ要求2は、P台2Fにおいて加算玉リカバリ処理を実施する必要有とCU3Fが判定したときに送信される。CU3Fは、P台2Fより受信したリカバリ応答に含まれる「前回最終送信加算通番」と自身で記憶している「前回最終送信加算通番」とを比較して一致している場合には加算玉リカバリ処理の必要無と判定し、不一致の場合には加算玉リカバリ処理の必要有と判定する。加算玉リカバリ処理の必要有と判定したときにはリカバリ要求2を送信する。
リカバリ要求2に含まれる「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの加算通番のデータであり、「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数のデータである。
次に、P台2Fのリカバリ処理について詳しく説明する。P台2Fのリカバリ処理は、P台2Fがリカバリ要求2に基づいて、CU3Fより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう処理である。
リカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fで加算リカバリ情報の処理結果を通知するもので、「通番」、「コマンド」および「リカバリ結果」を含んでいる。「リカバリ結果」は、“0x00”の場合リカバリ結果の処理OK、“0x01”の場合リカバリ結果の処理NGである。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを応答する。
P台2Fのリカバリ処理(加算玉数)を行なう場合、P台2FはCU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」の処理を実施していなかった場合、CU3Fに「リカバリ結果」として処理OKを応答し、CU3Fより通知された加算玉数を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。CU3Fから通知された加算玉数=0の場合、加算玉数=0を加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知してCU3Fに処理OKを応答する。ただし、後述する状態情報要求のCU状態が遊技玉加算要求中(Bit=1)の時に状態情報応答で遊技台状態1が遊技玉加算結果(Bit5=1)と応答した場合,CU3Fに「リカバリ結果」として処理NGを応答し、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。
CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」が、P台2Fのチップが保持している「前回最終送信加算通番」と同一の場合、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知し、CU3Fに「リカバリ結果」として処理NGを応答する。CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」=0の場合は、CU3Fから通知された加算玉数に関わらず加算玉数=0を加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知してCU3Fに処理OKを応答する。
また、リカバリ処理が完了するタイミング(たとえば、リカバリ完了フラグをセットするタイミング)で、リカバリ結果に係らず、CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」を、レジスタを介してユーザプログラムに通知する。なお、リカバリ要求2の受信がない場合は、P台2Fのチップが保持している「前回最終送信加算通番」を、リカバリ処理が完了するタイミングでユーザプログラムに通知する。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU3FからP台2Fに対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信開始を応答するものである。
通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して正常に通信開始したことを通知するものである。通信開始要求を受信したP台2Fは、それまで記憶していたリカバリ情報をクリアする。通信開始要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3Fは、通信開始要求後、計数通番を“0”(初期値)に、P台2Fも通信開始要求受信後、計数通番を“0”(初期値)にする。
通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して、正常に通信開始したことを通知するものであり、CU3Fが、リカバリ情報をクリアする。通信開始応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU3FからP台2Fに対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信終了を応答するものである。
通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して正常に通信終了したことを通知するものであり、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して、正常に通信終了したことを通知するものであり、CU3FおよびP台2Fが、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。通信終了応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<9.状態情報要求>>
CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2Fに対してCU3Fの状態を要求するものである。CU3Fはこのコマンドを使用して、P台2Fの状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図6に示したCU3F側からP台2F側へ向かう加算玉数が含まれている。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、「加算玉数」、「加算通番」、「計数通番」、「玉単価」および「計数受領時刻」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「CU状態」は、P台2Fに対して通知するCU3Fの状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3Fにカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を表わしている。また、CU3Fのカードストック部に予めストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1が“1”のときカードユニット開店中を、“0”のときカードユニット閉店中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3Fの状態により、P台2Fに対してカードユニット開店状態を通知する。カードユニット開店中を通知するタイミングは、たとえば、開店完了時である。カードユニット閉店中を通知するタイミングは、たとえば、閉店時である。なお、P台2Fは同状態が開店中から閉店中に変化時、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3Fに通知する。
Bit2が“1”のときカード返却準備中を、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CU3Fは、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、P台2Fに対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。P台2Fは、計数ボタン28Fの操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数ボタンを1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3Fに通知する。
Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4が“1”のとき計数玉受領完了を、“0”は計数玉未受領をそれぞれ示している。Bit4は、計数玉受領時に受領完了したことをP台2Fに通知する。つまり、状態情報応答のレスポンス「計数玉数」の送達を確認するために用いている。P台2Fは、計数玉受領完了を受信したときに計数通番もP台2Fと同じ通番かをチェックし、通番が不一致の場合は遊技玉数を減算しないでCU3Fに通知する。
Bit5が“1”のときカード抜き取り待ち中を、“0”はカード抜き取り完了をそれぞれ示している。Bit5は、CU3Fからカード抜き取り待ちとなっている状態をP台2Fに通知する。なお、Bit6〜Bit7は未使用である。
「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数であり、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となる。「加算通番」は、加算用シーケンス番号(0〜255)であり、遊技玉加算要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時に受信した計数通番をそのまま通知する。ただし、計数通番の連続性が成立しない場合は計数受領を出さない。
「玉単価」は、P台2Fで遊技する遊技玉の1玉当りの玉単価(0.01円〜99.99円)である。CU3FからP台2Fへ通知する玉単価は、たとえばP台2Fの払出制御基板17FのRAMに記憶される。そして、P台2Fは、所定の条件が成立したときにRAMに記憶された玉単価を状態情報応答にてCU3Fに通知する。具体的には、通信不能な状態から復帰するためのリカバリ情報がCU3FからP台2F対して要求(リカバリ要求コマンドがCU3Fから送信)されたときに、P台2Fは、リカバリ応答のレスポンスに玉単価をセットしてCU3Fに送信する。すなわち、玉単価は、リカバリ応答時にCU3Fに通知する以外は外部に出力されない。P台2Fに記憶された玉単価は、リカバリ要求コマンドがCU3Fから送信された場合のリカバリ応答のレスポンスにセットされ、CU3Fに送信される。これにより、リカバリ前にP台2Fで遊技していた遊技玉の玉単価を正確に把握することができ、リカバリ後に遊技者に対して適正な遊技価値で遊技を再開して貰うことができる。また、P台2Fに記憶された玉単価をリカバリ応答時にCU3Fに通知する以外は外部に出力しないことで、不正に玉単価が変更されないようにセキュリティを確保している。さらに、P台2Fに記憶された玉単価は、P台2Fが遊技玉数を保持している場合、新たな玉単価に上書きすることを禁止している。なお、P台2Fが遊技玉数を保持している場合でも、P台2Fに記憶された玉単価の上書きを許可して、保持している遊技玉数を上書きした玉単価に換算して表示を更新する構成でもよい。
「計数受領時刻」は、CU3FがP台2Fからの計数要求を受領した時刻をP台2Fに通知するための情報であり、CU状態のBit4(遊技玉数計数受領応答)が“1”(完了)である場合にのみ有効である。なお、「計数受領時刻」の情報は、P台2Fに通知されるが払出制御部171FのCPU内のみで処理され、ユーザプログラムへ通知されず外部からアクセス可能なRAM等に記憶されることがない。そのため、「計数受領時刻」の情報は、払出制御部171FのCPU内で削除されるため、セキュリティを確保することができる。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fの情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図6に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
この状態情報応答の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウトロ通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数要求玉数」、「計数通番」、「発射強度」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「遊技玉数」は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。「遊技玉数」は、CU3Fが後述する「総賞球玉数」「発射玉数」および「計数玉数」を使用してCU3Fの保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3Fは、計算したCU3Fの遊技玉数と、P台2Fの遊技玉数とが一致するかをチェックする。
「発射玉数」は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。ただし、バック玉数がある場合はバック玉数分を減算する。つまり、「発射玉数」(減算)は、CU3Fが保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3Fは、CU3F自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
「アウト口通過玉数」は、アウト口154Fを通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。
「総賞球玉数」は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。この賞球情報1−nとは、たとえば始動口、大入賞口、入賞口(普通入賞口)等の入賞口種別毎の賞球玉数のことである。なお、「総賞球玉数」(加算)は、CU3Fより送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU3Fは保持している遊技玉数に総賞球玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で総賞球玉数のデータを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の加算は行なわない。
「計数要求玉数」は、計数要求した遊技玉の個数である。つまり「計数玉数」(減算)は、CU3Fが保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台2FからCU3Fに送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3Fは、CU3F自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
ただし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット開店状態が開店中のときには計数ボタン28Fの操作が行なわれたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、計数ボタン28Fの操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する。
「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。
「発射強度」は、遊技玉の発射強度の情報である。
「遊技台状態」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fの状態を示し、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「遊技台状態3」、および「遊技台エラー状態」の情報を含んでいる。
「遊技台状態1」のBit0は、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、ファン(遊技者)がプレイ中(玉を発射している)か否かを示しており、0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。ただし、遊技玉が有り、発射ハンドル(打球操作ハンドル25F)をタッチした状態(タッチセンサに触れた状態)で遊技中となる。
Bit2は、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。ただし、発射停止スイッチ(単発打ちスイッチとも言う)による玉の発射停止は除く。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台2Fは、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認できなかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。“0”のとき遊技玉未確定(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技玉確定(全ての玉の行方が確定している状態)を示している。ここで、P台2Fは玉の発射を停止してから、たとえば15秒以上遊技玉の行方が確認出来なかった場合、タイムアウトし、遊技玉確定とする。また、P台2Fは電源オン時またはRAMクリア時は遊技玉の行方が確定している状態(遊技玉確定)にセットする。
Bit4は、遊技玉の計数要求の有無(計数ボタン押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数玉の払出要求がある場合である。P台は、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCU3Fへ送信し、計数要求が受領されたか否かを確認する。“1”のとき計数要求である。Bit5は、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。なお、P台2Fは加算NG応答する場合は加算通番を更新しないで通知する。Bit6は、発射停止スイッチの押下状態を示しており、“0”のときイッチ解除状態、“1”のときスイッチ押下状態である。Bit7は予備である。
「遊技台状態2」のBit0は、大当り情報の大当り1(全ての大当り)を表わし、全ての大当り中“1”をセットする。Bit1は、大当り情報の大当り2(大当り+小当り)を表わし、全ての大当り中および小当り中“1”をセットする。Bit2は、大当り情報の大当り3(出玉大の大当り)を表わし、出玉が大きい大当り中“1”をセットする。Bit3は、大当り情報の大当り4(出玉小の大当り)を表わし、出玉が小さい大当り中“1”をセットする。Bit4は、大当り情報の大当り5(出玉中の大当り)を表わし、出玉が中間の大当り中“1”をセットする。Bit5〜Bit7は予備である。
「遊技台状態3」のBit0は、遊技状態情報の大当り中+時短中を表わし、大当り中および時短中“1”をセットする。Bit1は、遊技状態情報の確変中を表わし、確変中“1”をセットする。Bit2は、遊技状態情報の時短中を表わし、時短中“1”をセットする。Bit3は、遊技状態情報の変動中を表わし、変動中“1”をセットする。Bit4〜Bit7は予備である。
「遊技台エラー状態」は、P台2Fで発生中のエラーコードを示し、Bit0〜Bit5を用いて各エラーコードを表現している。なお、Bit0〜Bit5が全て“0”のときにはエラー無である。Bit6は、エラーが発生している場所を特定する情報であり、“0”のとき払出制御、“1”のとき主制御をそれぞれ表わしている。Bit7は、エラーの出力方法を示し、“0”のとき発報のみ、“1”のとき発報+ホールサーバ801Fへの出力を表わしている。
「不正検知情報」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fで検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板16Fの不正検知情報である。「不正検知状態1」のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき磁気センサ検知不の正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき不正入賞検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3〜Bit7は予備である。
「不正検知状態2」は、払出制御基板17Fの不正検知情報である。「不正検知状態2」のBit0は、“1”のときガラス板開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき枠本体開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3は、“1”のとき近接センサ異常の不正検知情報であることを表わしている。Bit4は、“1”のとき賞球ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。ここで、「ゴト」とは、パチンコ遊技機やスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。Bit5は、“1”のとき複合ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit6は、“1”のとき不正加算検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit7は、“1”のとき夜間枠開放・監視SW異常検知の不正検知情報であることを表わしている。
「不正検知情報1」は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報1」は、「不正検知状態2」のBit4が“1”のとき有効となる。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、「不正検知状態2」のBit5が“1”のとき有効となる。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、「不正検知状態2」のBit6が“1”のとき有効となる。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、「不正検知状態2」のBit7が“1”のとき有効となる。
「不正検知情報4」のBit7は、夜間監視スイッチ異常4が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常4発生を表わしている。Bit6は、夜間監視スイッチ異常3が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常3発生を表わしている。Bit5は、夜間監視スイッチ異常2が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常2発生を表わしている。Bit4は、夜間監視スイッチ異常1が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常1発生を表わしている。Bit0〜3は、本体枠開放回数を示す情報で、“0”のとき開放なし、“1”〜“15”は開放回数を表わしている。なお、開放回数は、15回までカウントし、16回以降のカウントは15回でホールドされる。
「加算通番」は、加算用シーケンス番号であり、加算要求時に受信した加算通番をそのまま通知する。ただし、加算通番の連続性が成立しない場合は加算NGを通知する。
「不正検知状態3」は、払出制御基板17Fの不正検知情報である。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。「不正検知状態3」のBit5は、“1”のときP台2Fが過去に接続していたカードユニットが開発用CU3FDであったことを表している(開発用CU接続)。「不正検知状態3」のBit6は、“1”のときP台2Fが過去に接続していたカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを表している(遊技盤開発治具接続)。「不正検知状態3」のBit7は、“1”のとき接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを表している(遊技機シミュレータ接続)。Bit1〜Bit4は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばP台の回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU3Fに通知する。
「遊技情報」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fの情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「カウント情報1」〜「カウント報n」を含んでいる。
「遊技情報数」は、種別情報・カウント情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。「種別情報1」〜「種別情報n」は、遊技種別情報1〜遊技種別情報nをそれぞれ示している。種別情報は、Bit4からBit7までがデータ種別の情報で、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき始動口、“2”のとき大入賞口、“3”のとき入賞口、“4”のとき図柄停止回数、“5”のとき大当り、“6”のとき小当りである。Bit0からBit3までがデータ番号の情報で、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときそれぞれのデータ番号を表わしている。たとえば、データ種別が“5”の大当りのとき、データ番号は“1”のとき出玉大、“2”のとき出玉小、“3”のとき出玉中、“4”〜“6”のとき予備である。また、データ種別が“6”の小当りのとき、データ番号は“1”のとき小当り、“2”〜“15”のとき予備である。
「カウント情報1」〜「カウント情報n」は、遊技カウント情報1〜遊技カウント情報nをそれぞれ示している。
ここで、カウント情報は、データ種別が始動口、大入賞口、および小入賞口の場合、Bit4からBit7までが賞球玉数の情報で、遊技情報の種別情報毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータをそれぞれ表わしている。また、Bit0からBit3までが入賞個数の情報で、遊技台情報の種別情報毎に入賞個数(累計)を示しており、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータをそれぞれ表わしている。カウント情報は、データ種別が図柄停止回数の場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが図柄停止回数を示しており、“1”〜“15”のとき図柄停止回数を表わしている。カウント情報は、データ種別が大当り、小当りの場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが当り回数を示しており、“1”〜“15”のとき当り回数を表わしている。
さらに、状態情報応答のレスポンスには、「発射強度信号」、「通過領域信号」、「変動中信号」、「ハンドルタッチ信号」が含まれている。
「発射強度信号」は、上述の発射強度センサ19の検出結果である発射強度Tを示している。上述したように、本実施の形態においては、発射強度Tは、ハンドル操作量に応じて0(最小値)から99(最大値)まで変化する可変値である。なお、パチンコ玉の発射間隔(はたとえば0.6sec)よりもP台2FとCU3Fとの通信間隔(たとえば200msec)が短い場合には、基本的に1玉ごとに発射強度信号が出力されることになる。また、実際に発射されたか否かを示すデータとセットで発射強度信号が出力されるようにしてもよい。
「通過領域信号」は、上述した通過領域信号を示している。なお、上述したように、本実施の形態においては、通過領域信号は通過領域信号A1〜A8のいずれかである。なお、各通過領域信号には、各通過領域信号が検出された時点の発射強度Tが紐付けされている。
「変動中信号」は、パチンコ玉が始動入賞口275,276、277のいずれかを通過したことに伴って可変表示装置278Fに表示される図柄が変動していることを示している。
「ハンドルタッチ信号」は、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることがタッチセンサによって検出されていることを示している。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2Fに対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、P台2FからCU3Fに対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2Fに対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「カードID」は、CU3Fに挿入されたICカードの識別ID情報であり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU3Fのカード挿入/排出口309F(図1参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、P台2F保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU3Fが設置されている店舗識別コードであり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU3Fが店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU3Fは、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3Fを識別するためのSC基板IDであり、CU3Fが交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台2Fに通知する。P台2Fの払出制御部171Fは、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。なお、「店舗コード」および「SC基板ID」はユーザプログラム側に通知せず、払出制御回路内で削除される。
カード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード挿入/返却通知時のP台2Fの動作について説明する。まず、CU3Fのカード挿入/排出口309Fに会員カードまたは一般カードが挿入されるか、一般0円0玉カードへの入金が行なわれるかすることで、カード挿入通知としてP台2Fに対してカードIDやカード挿入時刻などの情報が通知される。P台2Fは、カード挿入通知があると当該カードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップする。ただし、カード挿入通知コマンドを受信し、且つCU3Fの状態がカード挿入中状態(CU状態のBit0=1)の情報を含む状態情報要求を受信した場合(P台2Fでカード挿入中状態と判断する場合)、P台2FはカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する。また、CU3Fのカード返却ボタン322Fが押下されると、P台2Fに対してカード返却通知が行なわれ、P台2FはバックアップしてあるカードIDやカード挿入時刻などの情報をクリアする。なお、カード挿入中状態が解除される条件は、P台2Fがカード返却通知コマンドを受信した時である。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU3FからP台2Fに対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、P台2FからCU3Fに対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するもので、CU3Fが、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3Fは、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のP台2Fの動作について説明する。カード挿入通知時に、CU3Fで会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行なうと、P台2FはカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行なう。カード返却通知時に、CU3Fで「カード返却」ボタンの押下の操作を行なうと、P台2FはカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行なう。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU3FからP台2Fに対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを応答するものである。
通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。なお、P台2Fに対して通知するテストデータは暗号化していない。通信テスト要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、P台2Fに対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
通信テスト応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを通知するものである。なお、CU3Fに対して通知するテストデータも暗号化していない。通信テスト応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、CU3Fに対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<<17.計数履歴要求、18.計数履歴応答>>
CU3FからP台2Fに対して計数履歴要求のコマンドが送信される。この計数履歴要求のコマンドは、P台2Fに対して計数履歴を要求するものである。この計数履歴要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して計数履歴応答のレスポンスが送信される。この計数履歴応答のレスポンスは、CU3Fに対して計数履歴を通知するものである。
計数履歴要求のコマンドは、P台2Fに対して計数履歴を要求するもので、CU3Fが、認証シーケンス後の計数履歴シーケンスでP台2Fに対して送信する。計数履歴要求には、「通番」、「コマンド」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「店舗コード」は、CU3Fが設置されている店舗識別コードであり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3Fを識別するためのSC基板IDであり、CU3Fが交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台2Fに通知する。
SC基板IDの出荷メーカコードの検知処理について説明する。SC基板IDには、識別コードと出荷メーカコードとが含まれている。P台は、SC基板IDに含まれている出荷メーカコードを検知することで接続しているユニット(商用のCU3Fや開発用ユニットなど)を認識している。
具体的に、P台は、接続するユニットが開発用ユニットなのか、遊技盤開発治具なのかを検知する場合について説明する。これら商用に使用しない開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されていたときの遊技履歴が、その後に接続された商用に使用されるユニット(CU3F)に引き継がれると、開発時に付与した遊技玉で商用時に遊技が可能となる不具合が生じてしまう。そこで、当該不具合を回避するために、P台2Fは、ユニットと接続した際に開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されているか否かを検知し、その結果をリカバリレジスタに記憶する。
P台2Fは、ユニットと接続した際に開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されているか否かを検知するために、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとを比較する。まず、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“なし”の場合、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードがいずれであっても開発用ユニットや遊技盤開発治具と検知しない。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとが一致する場合も、開発用ユニットや遊技盤開発治具と検知しない。
しかし、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとで、上位バイトは一致するが下位バイトは異なる場合、開発用ユニットと検知する。また、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが商用ユニットのコードで、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが遊技盤開発治具以外のコードの場合も、開発用ユニットと検知する。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが商用ユニットのコードで、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが遊技盤開発治具のコードの場合、遊技盤開発治具と検知する。
なお、P台2Fは、開発用ユニットが接続されていたことの検知をリカバリレジスタのBit4を“1”にすることで記憶し、遊技盤開発治具が接続されていたことの検知をリカバリレジスタのBit5を“1”にすることで記憶する。
また、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“なし”の場合、P台2Fに記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理が行なわれた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードを上書きする。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“ある”の場合、P台2Fに記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理する遊技玉がなければ、リカバリ処理が行なわれた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードを上書きする。しかし、P台2Fに記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理する遊技玉があれば、リカバリ処理が行なわれた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードへの上書きを禁止する。なお、SC基板IDの出荷メーカコードの上書きの禁止状態は、P台2FのRAMをクリア(特に遊技玉数のクリア)することで解除される。遊技玉数がある場合にSC基板IDの出荷メーカコードの上書きを禁止することで、開発用ユニットで付与した遊技玉数が、その後接続した商用ユニットで遊技可能な遊技玉数としてリカバリ処理されることを防止することができる。
計数履歴応答のレスポンスは、CU3Fに対して計数履歴を通知するもので、P台2Fが、計数履歴要求コマンドを受けてP台2Fで記憶している計数履歴の情報をCU3Fに対して送信する。計数履歴応答には、「通番」、「コマンド」、「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「計数履歴結果」は、P台2Fでの計数履歴処理により計数履歴がP台2Fに記憶されているか否かを示す情報である。ここで、計数履歴は、P台2Fが計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの間にP台2F側から計数要求玉数としてCU3F側に払出した遊技玉数の履歴であり、計数要求時の「カードID」、CU3Fからの計数受領応答(計数応答ON)を受けたときに含まれている「計数受領時刻」および計数要求OFF状態までに払出した計数玉数の累積数「累積計数玉数」の情報も含んでいる。なお、P台2Fでは、過去2回分の履歴(計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの期間の遊技玉数の履歴を1回分とする)を保持している。
計数履歴結果では、“0x00”の場合履歴なし、“0x01”の場合履歴あり(計数履歴1の情報あり)、“0x02”の場合履歴あり(計数履歴2の情報あり)をそれぞれ表している。
「計数履歴1」は、過去2回分の履歴のうち直近の履歴(最終の計数)であり、「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報を含んでいる。「カードID」は計数要求時にCU3Fに挿入されていたカードの識別情報である。「計数受領時刻」は、P台2Fから計数要求のあった遊技玉数をCU3Fが受領した時刻である。「累積計数玉数」は、計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの期間に計数された計数玉数の累計数である。「遊技玉数」は、計数終了時にP台2Fに保持されていた遊技玉数である。
「計数履歴2」は、過去2回分の履歴のうち古い履歴(最終の計数のひとつ前の計数)であり、「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報を含んでいる。「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報は、「計数履歴1」に含まれる情報と同じ種類の情報であり、詳細な説明を繰返さない。
次に、P台2Fで保持している計数履歴データをCU3Fに出力する条件について説明する。P台2Fは、計数履歴シーケンスにおいてCU3Fから受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」および「SC基板ID」が保持している「店舗コード」および「SC基板ID」と一致する場合、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含めてCU3Fに出力する。また、P台2Fは、CU3Fから受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」が保持している「店舗コード」と一致していれば「SC基板ID」が異なっても、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含めてCU3Fに出力する。これは、店舗内でP台2FとCU3Fとの組合せを変更することを考慮しており、同じ店舗内であればP台2Fに記憶した計数履歴データを別のCU3Fに引継いだとしても不利益を与えないためである。
しかし、P台2Fは、CU3Fから受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」が保持している「店舗コード」と異なっていれば「SC基板ID」が一致していても、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含んでCU3Fに出力することを禁止する。これは、同じCU3Fであっても別の店舗に移された場合、同じ「SC基板ID」を保持したP台2Fと接続しても計数履歴データを引継いでしまうと当該別の店舗に不利益を与えてしまう可能性があるためである。
もちろん、P台2Fは、CU3Fではなく、遊技盤開発治具や開発用ユニットに接続された場合や、何らユニットと接続されていない場合にはP台2Fに記憶した計数履歴データを出力することはない。計数履歴データの出力を制限することで、P台2Fおよび当該P台2Fを含む遊技用システムのセキュリティを強化している。
<CUとP台との間で処理される主なシーケンス>
次に、図33〜図42に基づいて、CU制御部323Fに搭載されたCPU、および払出制御基板17Fに搭載されたCPUで実行される処理によるCU3FとP台2Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3FとP台2Fとの間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3F(1次局)からP台2F(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2Fはそのコマンドに応答してレスポンスをCU3Fに返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3Fを1次局、P台2Fを2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3FからP台2Fへの最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2FからCU3Fへのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3FとP台2Fとの間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2Fは、打球操作ハンドル25Fを操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2FからCU3Fへは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2Fは、遊技玉数の変化量を細やかにCU3Fに対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2Fの発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3F側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3FがP台2Fに対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをP台2Fに送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2Fに送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2Fに再送する。14回目の再送を行なってもP台2Fからレスポンスを受信できなかった場合、CU3Fは3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3FのコネクタとP台2Fのコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2Fの電源断などの原因が考えられる。CU3Fは、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<P台側の通信回線断検知>>
P台2F側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3FからP台2Fへコマンドが送信され、P台2Fではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3Fに返信する。その後CU3FからのコマンドがP台2Fに送信されてこない状態が3秒間継続した場合、P台2Fは通信断と判断し、発射モータ18Fの駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3FのコネクタとP台2Fのコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3Fの電源断などが考えられる。
なお、P台2F側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図33に示すシーケンス処理は、CU3FとP台2Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3Fの電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2Fでは発射モータ18Fを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、図19に示す計数履歴シーケンスが開始され、CU3FからP台2Fに対して計数履歴要求コマンドが送信されると、P台2Fで記憶している計数履歴データがCU3Fに送信される。計数履歴シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリ情報を要求する。P台2Fは、CU3Fより通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2Fは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3Fが計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3Fが計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2Fは、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3Fの加算リカバリ処理を実施する。CU3Fは、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2Fに対して、リカバリ要求2をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3FとP台2Fとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3Fは、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2Fは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3Fがコマンドを再送したと判断する。CU3Fはコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2Fから通知された時に通番をバックアップする。P台2Fは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3Fに通知する。P台2Fはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3Fに返信する。さらに、CU3Fは、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2Fでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2Fは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3Fへ返信する。これ以降、CU3FとP台2Fとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3Fは、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、状態情報要求のコマンドには、玉単価の情報が含まれる。当該玉単価がP台2Fに送信されることで、P台2Fは遊技玉が1玉4円で遊技を行なっているのか、1玉1円で遊技を行なっているのかを認識することができる。また、状態情報要求のコマンドは、前述したように200ms周期で送信されるため、遊技玉が発射させる600msの周期の間に最大3回玉単価の情報をP台2Fに送信することが可能である。そのため、P台2Fで遊技する遊技玉の1玉ごとに玉単価を変更することが可能となる。玉単価を少数単位(たとえば1玉単位)の遊技玉ごとに管理することが可能となれば、遊技者の要望(たとえば、小額でゆっくり遊技を行ないたい要望や、短時間に残りの遊技玉数を消費したい要望など)にあわせた多彩な遊技を提供することが可能となる。以降に説明するCU3FからP台2Fに送信される状態情報要求のコマンドにも玉単価の情報が含まれるが、説明するシーケンスの内容に当該玉単価の情報が直接関係ない場合は特に明記しない。P台2Fは、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2Fは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、状態情報応答のレスポンスには、玉単価の情報が含まれない。これは、現在P台2Fで遊技している玉単価の情報を不正に変更してCU3Fに送信し、CU3Fで管理している遊技玉の玉単価に対して不正を行なうことを防止している。これにより、遊技用システムのセキュリティを向上させることができる。
CU3Fは、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3FおよびP台2Fの処理について説明する。図34に示すCU3Fは、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fでは、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3Fで記憶してもよい。
CU3Fは、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801Fに問合せて認証している最中であることを表示器312Fに表示するとともにP台2F側の表示器54Fに表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3Fは、表示器312Fに挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2F側の表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fにより表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3Fは、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323FのRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325Fを通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323FのRAM等に記憶する。
CU3Fは、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信することで、カード挿入中である状態をP台2Fに対して通知する。P台2Fは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信することで、遊技許可中である状態をCU3Fに対して通知する。
カード挿入中、CU3Fは、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3Fは、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2Fに記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2Fでのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2Fは、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323FのRAM等に記憶しない。これにより、カード挿入中にカードIDを意図的にP台2Fへ送信されて、P台2Fで記憶しているカードIDを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
図35は、CU3Fにカードが挿入されたときにCU3Fが実行する挿入時処理を示すフローチャート図である。本実施の形態において破線で示すステップは変形例の制御内容を示している。また、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図35において、S1〜S7の各ステップはCU3Fが実行する。またS8〜S10、S12〜S15はP台2Fが実行する。より具体的には、S8〜S10、S12、S13、S15の削除処理は、P台2Fに設けられている演出制御基板が実行し、S14とS15の送信処理は、演出制御部が設けられた演出制御基板が払出制御部171Fへ送信して払出制御部171FがCU3Fへ送信する。
まずCUは、ステップ(以下単にSという)1により、中断中であるか否かの判定を行なう。この中断中であるか否かは、中断操作が行なわれて遊技中断のシーケンスが実行されたか否かにより判断する。中断中である場合には、S2により、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致するか否か判定し、一致しない場合にはS5によりその挿入されたカードを排出して待機中へ移行する。なお、図35では上記「種別」の図示を省略している。
一方、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致する場合には、中断操作した遊技者が再びその遊技機に戻ってきて遊技を開始したと判断されるために、制御がS4へ進み、中断状態を解除し、S6により遊技を再開する処理が実行される。
一方、S1により中断中でないと判断された場合には、S3aで既にカードが挿入中であるか否かの判定を行なう。この挿入中であるか否かは、カード挿入/排出口309Fに設けてあるカードリーダがカードを受け付けているか否かにより判断する。S3aにより挿入中でないと判断された場合には、挿入されたカードのC−IDと種別を記憶するとともにP台2Fへ送信する処理がS3により行なわれる。P台2Fでは、そのC−ID,種別を受信し、その受信したC−IDおよび種別とバックアップエリア(たとえば、演出制御基板に設けたバックアップデータ記憶部)に記憶されているC−IDおよび種別とを比較する(S8)。そしてS9によりその比較結果が一致するか否か判定し、一致しない場合には、離席した遊技者とは異なる遊技者が遊技を開始したと判断し、この挿入時処理のサブルーチンプログラムが終了する。
S3aにより挿入中であると判断された場合には、挿入中のカードのC−IDおよび種別と異なるC−IDおよび種別がCU3FやP台2Fに上書き記憶されるのを防止するために、S3での処理をスキップする。
このように、遊技者特定情報(C−ID)を記憶する遊技者特定情報記憶手段(現遊技者遊技履歴データ記憶部)と同一判定処理を行なう同一判定手段(S8、S9)とが遊技機の表示制御手段(演出制御部が設けられた演出制御基板)に設けられているために、通信手段側(払出制御部171F側)には同一判定処理機能を設けなくて事足り、表示制御手段を有する遊技機と表示制御手段を有しない遊技機との間で共通の通信手段を使用でき、通信手段の少品種大量生産か可能になる。
なお、変形例の制御内容として、S15とS7との処理を行なってもよい。S15により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)に記憶されている遊技履歴データとC−IDおよび種別とをCU3Fへ送信した後削除する。CU3Fでは、それを受信して、受信したデータをホールサーバ(上位サーバ)801へ送信する。ホールサーバ801Fでは、その受信した遊技履歴データとC−IDおよび種別とをバックアップ記憶する。
一方、S9により一致すると判定された場合にはS12へ進み、バックアップエリア(バックアップデータ記憶)の遊技履歴データを現エリア(たとえば、演出制御基板に設けたバックアップデータ記憶部)に戻し、その遊技履歴データから新たに遊技履歴データの加算更新を開始する。
なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理を行なってもよい。S9でYESの場合には、制御はS10へ進み、前回のカードが排出されてから所定時間(たとえば20分間)経過したか否かの判断がなされ、経過していないS10により所定時間が経過していると判断された場合には、S13により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)の遊技履歴データとC−IDおよび種別とを削除する処理がなされる。また、S12の後、S14により、遊技者が同一である旨の通知をCUへ送信する。なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理およびS15、S7の処理を全て行なうように制御してもよい。
カードIDおよび挿入時刻の上書き(更新)する条件についてさらに詳しく説明する。前述したようにカードIDおよび挿入時刻は、カード挿入中には更新することを禁止されている。この禁止する条件として、カード挿入通知のコマンドと状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態との関係について図を用いて説明する。図36は、カード挿入通知のコマンド、状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態、およびカードの挿入状態の関係を説明するための概念図である。
まず、図36(a)では、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信する前に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。図36(a)に示す状態(1)はカード挿入待ち状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信しておらず、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
次に、図36(a)に示す状態(2)はカード挿入準備状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信していないが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合も、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。図36(a)に示す状態(3)はカード挿入中状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。
次に、図36(a)に示す状態(4)はカード返却準備状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信していないが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがまだカードを返却しておらずカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。図36(a)に示す状態(5)はカード返却状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
図36(b)では、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信した後に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。図36(b)に示す状態(1)’はカード挿入待ち状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信しておらず、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
次に、図36(b)に示す状態(2)’はカード挿入準備状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信したが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合も、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。図36(b)に示す状態(3)’はカード挿入中状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。
次に、図36(b)に示す状態(4)’はカード返却準備状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信していないが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがまだカードを返却していないとしてカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。図36(b)に示す状態(5)’はカード返却状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
このように、カードIDおよび挿入時刻の上書き(更新)する条件を限定することで、カードIDなどを意図的にP台2Fへ送信して、P台2Fで記憶しているカードIDなどを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図37に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3Fは、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3Fは、玉貸ボタン(貸出ボタン)321Fが押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3F側単独で確定する。その後、CU3Fは加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54Fに表示させる。
次に、CU3Fは、P台2Fに対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3Fは、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3Fは、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、CU3Fに対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図41では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下すると、CU3Fは、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下する操作がなされた段階でCU3F側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3Fは、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2Fに通知する。具体的に、CU3Fは、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3Fは、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図39では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3FからP台2Fへ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図39では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3Fは、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fから送信された通番nに対して、P台2Fから通番n+1が返信されている。CU3Fから送信された計数通番mに対して、P台2Fからは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28Fを押下する。この図39では、計数ボタン28Fを1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信されている。
P台2Fは、計数ボタン28Fの操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2Fは、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323Fは、表示制御部350Fに対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350Fは、その指令を受けてP台2F側の表示器54Fを表示制御する。その結果、表示器54Fには、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を800から700に更新する。この段階で、P台2Fは計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2Fは2度目の計数要求をCU3Fへ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でもP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2Fは計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3Fへ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3Fへ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3Fは、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3Fは、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2Fへ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<計数履歴処理>>
次に、P台2Fで記憶する計数履歴データの処理について説明する。図40は、P台2Fで記憶する計数履歴データの処理を説明するためのシーケンス図である。図40では、当初の遊技玉数が600玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n(図示せず)、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、当該状態情報要求のコマンドを受信する前に送信した状態情報応答のレスポンスから、当該状態情報要求のコマンドに対するレスポンスを送信するまでの間に、遊技者が計数ボタン28Fを操作して計数処理が開始される。
すると、P台2Fでは、通番=n(図示せず)、遊技玉数=600、計数通番=m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ここで、P台2Fでは、計数要求がOFF状態からON状態へ変化するので計数履歴の処理が開始される。具体的には、P台2Fは、計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの間にP台2F側から計数要求玉数としてCU3F側に払出した遊技玉数の履歴を1回分の計数履歴として記憶する。すなわち、複数回の計数要求がある場合には、1回目の計数要求として計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴を1回目の計数履歴として記憶する。その後、2回目の計数要求として次に計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴は、2回目の計数履歴として記憶される。なお、計数ボタン28Fを押下している期間にもよるが、計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの間には、複数の計数要求ON状態を含む状態情報応答のレスポンスがCU3Fに返信されている。記憶する計数履歴の中には、計数要求時の「カードID」、CU3Fからの計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」、計数要求OFF状態までに払出した計数玉数の累積数「累積計数玉数」および計数終了時の「遊技玉数」の情報を含んでいる。
次に、CU3Fは、通番=n+1(図示せず)、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し500玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29Fの表示を600から500に更新する。さらに、遊技者による計数ボタン28Fの操作が継続している場合、P台2Fは、通番=n+1(図示せず)、遊技玉数=500、計数通番=m+2、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。次に、CU3Fは、通番=n+2(図示せず)、計数通番=m+2および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し400玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29Fの表示を600から500に更新する。その後、遊技者による計数ボタン28Fの操作が終了している場合、P台2Fは、通番=n+2(図示せず)、遊技玉数=400、計数通番=m+3、計数玉数=100および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。P台2Fは、計数要求OFF状態に変更した時、計数履歴に「累積計数玉数」として100玉+100玉=200玉を計数履歴1として記憶する。また、P台2Fは、計数終了時の「遊技玉数」として、計数要求OFF状態に変更した時の遊技玉数を計数履歴1に記憶する。また、P台2Fは、CU3Fから計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」を計数履歴1に記憶する。なお、計数履歴1に新たな履歴を記憶させる場合に、既に計数履歴1が存在しているときは当該計数履歴1を計数履歴2として記憶したうえで、新たな履歴を計数履歴1に記憶させる。なお、P台2Fでは、過去2回分の履歴を保持しているため、計数履歴1および計数履歴2として記憶しているが、過去1回分の履歴または過去3回分以上の履歴を記憶してもよい。
このように、計数履歴を記憶することで計数した遊技玉数をリカバリ処理することが可能となり、さらに過去分を複数記憶することで、リカバリ処理の精度を向上させることができる。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図41は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図41では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2Fの遊技玉数が800玉で、CU3FはP台2Fの遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3Fは、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2Fに通知する。さらに、CU3Fは、P台2Fの遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54F等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28Fを押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2Fは、計数ボタン28Fを押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2Fは、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3Fに通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2Fは、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3Fは、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3Fは、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3Fは、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
P台2Fは、CU3Fからの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54F等に表示する。さらに、P台2Fは、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3Fに通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3Fに送信される。
CU3Fは、遊技者がカード返却ボタン322Fを押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28Fを押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3Fは、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n+3、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3Fに返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3Fに返信後、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3Fは、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2Fから受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801Fなどに報告する。CU3Fは、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309Fにカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3Fに設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3Fは当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801Fへ送信し、ホールサーバ801Fが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3Fから返却されたカードは、カード挿入/排出口309Fから抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309Fから突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3Fは、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309Fの近傍に取付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3Fは、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。そのため、CU3Fは、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。これを受けて、P台2Fは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278Fに表示する。また、P台2Fは、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2Fは、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。なお、CU3Fは、P台2Fに対してカード抜き取り可能状態であることを通知するだけでなく、CU3FまたはP台2Fに接続する装置である、ホールコンピュータ、P台2F上に取付けられた呼び出しランプなどの装置に対してカード抜き取り可能状態であることを通知してもよい。これにより、CU3FやP台2F以外に対してもカード抜き取り可能状態であることを通知することで、カード抜き取り(記録媒体の取り外し)忘れをさらに防止することができる。
カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがON状態であれば、CU3Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309Fからカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがOFF状態となるので、CU3Fは、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
これを受けて、P台2Fは、可変表示装置278Fに表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2Fは、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。
なお、図41で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス>>
次に、図42を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図42は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3FからP台2Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
図42を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3Fは、通番=nを含む状態情報要求をP台2Fに送信している。それを受けて、P台2Fは、遊技台情報をCU3Fに通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3Fに送信する。P台2Fは、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3Fは、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてP台2Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3FからP台2Fへ送信された場合に、P台2Fが電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降P台2Fからの状態情報応答が送信されてこないためにCU3Fは、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。P台2Fが状態情報応答のレスポンスをCU3Fに送信してから、電源断発生までの間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、P台2Fの電源断が復旧してONの状態になってP台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、図43に示す計数履歴シーケンスが開始され、CU3FからP台2Fに対して計数履歴要求コマンドが送信されると、P台2Fで記憶している計数履歴データがCU3Fに送信される。計数履歴シーケンス後、CU3Fは、通番=1および前回最終送信通番=nを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3F側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、P台2Fは、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1、玉単価)をCU3Fへ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1、玉単価)をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、リカバリ応答のレスポンスをCU3Fに送信する際に玉単価を含めて送信し、リカバリ処理を行なう前に遊技していた遊技玉の玉単価をCU3Fに送信する。これにより、リカバリ処理を行なう前に遊技していた遊技玉の玉単価でリカバリ処理後も遊技が可能となる。以降に説明するP台2FからCU3Fに送信されるリカバリ応答のレスポンスにも玉単価の情報が含まれるが、説明するシーケンスの内容に当該玉単価の情報が直接関係ない場合は特に明記しない。
図42において、CU3Fは、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。遊技情報格納がないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。
<<計数履歴シーケンス>>
次に、図43を参照して、P台2Fで記憶している計数履歴をCU3Fに読出す処理について説明する。図43は、P台2Fで記憶している計数履歴をCU3Fに読出す処理の一例を示す図である。まず、CU3Fは、通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含む計数履歴要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、カード挿入通知のコマンドでCU3Fから送信されて記憶している店舗コードと、計数履歴要求のコマンドでCU3Fから送信された店舗コードとを比較する。P台2Fは、比較した結果で店舗コードが一致する場合、記憶している計数履歴1および計数履歴2のデータをCU3Fに送信できるように計数履歴応答のレスポンスにセットする。すると、P台2Fでは、通番=n、計数履歴1および計数履歴2を含む計数履歴応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
一方、P台2Fは、比較した結果で店舗コードが不一致の場合、CU3Fに送信する計数履歴応答のレスポンスに計数履歴なしとしてデータをセットする。図示していないが、P台2Fでは、通番=n、計数履歴なしを含む計数履歴応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
このように、計数履歴シーケンスは、P台2Fで記憶した計数履歴をCU3Fに送信することで計数した遊技玉数をリカバリ処理することが可能となり、さらに複数の過去分(計数履歴1および計数履歴2)をCU3Fに送信することで、リカバリ処理の精度を向上させることができる。なお、CU3Fに送信する複数の計数履歴は、2回分に限定されず3回以上の計数履歴でもよい。
<遊技機の管理>
次に、出荷から廃棄までの遊技機の履歴を管理するシステムについて説明する。図44は、本実施形態に係る遊技機の出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)の流れを説明するための図である。ここで、履歴を管理する遊技機の対象は、前述の封入循環式遊技機(P台2F)に限定されるものではなく、従来のCR遊技機も含まれる。もちろん、当該対象の遊技機には、パチンコ遊技機だけでなく、後述するP台2Fに対応するS台(スロットマシン)2SFや、従来のパチスロなども含まれることは言うまでもない。
図44を参照して、遊技機メーカからホールAに対して遊技機が出荷された場合、遊技機メーカのサーバ(図示せず)は、その出荷された遊技機に関する出荷情報を、通信回線を利用して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該出荷情報をサーバの記憶領域に登録する。
図45は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに出荷情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。
図45を参照して、ホールAは、遊技機メーカに遊技機を発注する際には、売買契約書を遊技機メーカに送付する。遊技機メーカは、ホールAから送付された売買契約書を受取ると、当該売買契約書に従う遊技機の受注を確認する。遊技機メーカは、当該受注を確認すると、保証書と検定通知書の写しをホールAに送付するとともに、遊技機の生産を開始する。遊技機メーカは、生産した遊技機は、遊技機メーカからホールAに出荷される(ホールAに納品される)。また、ホールAに出荷するための遊技機が運送業者に引き渡された後、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する出荷情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該出荷情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図46は、出荷情報の具体的な内容の一例を示す図である。具体的には、図46(a)は、出荷情報として登録される項目を示す図である。図46(b)は、登録種別に含まれる登録分類を示す図である。
図46(a)を参照して、出荷情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、主制御チップID番号(メインチップID)と、主制御製品コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、払出制御チップID番号(払出チップID)と、払出制御製品コードと、出荷日と、事業者コードと、ホールコードと、取消フラグとを含む。
登録種別は、出荷する遊技機が従来のCR遊技機であるか、封入循環式遊技機(P台2F)であるか、および、部品交換した遊技盤であるか、遊技機枠であるかを指定するための情報である。具体的には、図46(b)では、登録種別の番号が「11」〜「14」の場合には、出荷される遊技機はCR遊技機であり、「21」〜「25」の場合には、出荷される遊技機はP台2Fであることを示している。さらに、登録種別番号「11」〜「14」は、それぞれ部品交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤(部品交換)であることを示している。また、登録種別番号「21」〜「25」は、それぞれ交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤の部品、遊技機枠の部品であることを示している。遊技盤の基板または遊技機枠の基板を交換する場合には、基盤を交換した場合に交換後の基板管理番号を設定して登録される。なお、遊技盤、および遊技機枠の製造番号が変更されるような部品交換は、新規の出荷として登録される。なお、登録種別によって、遊技機メーカ名および遊技機の型式名が特定される。
遊技盤製造番号および主基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。
主制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(従来のCR遊技機では設定不要)。主制御製品コードは、主制御チップの製品コードである(従来のCR遊技機では設定不要)。
遊技機枠製造番号および払出基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。なお、払出基板管理番号は、従来のCR遊技機では設定不要である。
払出制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(CR遊技機では設定不要)。払出制御製品コードは、払出制御チップに書込んだ製品コードである(CR遊技機では設定不要)。
出荷日は、遊技機が出荷された日であり、出荷が確定した日付である。事業者コードは、運送業者名を特定するための情報である。ホールコードは、納品先のホール名を特定するための情報である。取消フラグは、出荷情報を登録する場合には「0」が、登録した出荷情報を取消す場合には「1」が設定される。遊技機メーカは、誤った出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録してしまった場合、誤った出荷情報の取消フラグを「1」に設定して、機歴管理センタ800AFに再度登録する。
機歴管理センタ800AFは、取消フラグが「1」に設定された出荷情報を受付けた場合、受付けた出荷情報と同じ内容で、取消フラグが「0」に設定された出荷情報の登録を取消す。つまり、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報が機歴管理センタ800AFの記憶領域から削除される。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができる。
さらに、機歴管理センタ800AFは、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報の受付を所定条件が成立するまで可能とすることができる。つまり、所定条件が成立した以降、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録することができない。
ここで、所定条件としては、たとえば、時刻や期間などがある。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消したい出荷情報を登録した日の午後8時まで、「1」が設定された取消フラグを含む当該出荷情報を受付けるように設定することができる。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができるとともに、所定条件が成立した以降(たとえば、登録日の午後8時以降)に出荷情報を不正に改ざんされることを防止することができる。
なお、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)の場合、主制御チップID番号または払出制御チップID番号が、遊技機の個体を特定するための特定情報となり、遊技機が従来のCR遊技機の場合、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技機枠製造番号、払出基板管理番号の少なくとも1つの番号が遊技機の個体を特定するための特定情報となる。
また、出荷情報を図46(a)のように、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)であっても、従来のCR遊技機であっても同じ形式にすることで、機歴管理センタ800AFにおいて、封入循環式遊技機(P台2F)および従来のCR遊技機の履歴を統一的に管理することができる。
再び、図44を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品され、当該遊技機がホールAに設置された場合、ホールAのサーバ(図示せず)は、通信回線を介してその設置された遊技機に関する設置情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該設置情報と、出荷時に登録された出荷情報とを関連付けてサーバの記憶領域に登録する。
図47は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。具体的には、図47(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータ(図示せず)と機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図47(a)では、主に従来のCR遊技機の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図47(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図47(b)では、主に封入循環式遊技機(P台2F)の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図47(a)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。遊技機メーカが遊技機受渡書の控えを受領すると、遊技機メーカから通信回線を介して遊技機の設置情報が機歴管理センタ800AFに入力され、当該入力された設置情報がサーバの記憶領域に登録される。なお、機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されると、登録した結果が通信回線を介して、または書類として出力される。また、ホールAにおいては、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。
図47(b)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。その後、ホールAにおいて、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線を介して接続可能に構成されていることから、ホールAに設置された遊技機の電源が投入されると自動的にホール用コンピュータから機歴管理センタ800AFに設置情報が送信される。機歴管理センタ800AFは、受信した設置情報と出荷時に登録した出荷情報とを関連付けて記憶領域に登録する。
図48は、図47(a)において機歴管理センタ800AFに入力される設置情報の内容の一例を示す図である。図48を参照して、設置情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、設置日と、ホールコードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、ホールコードと、取消フラグとは、図46で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
上述したように、図47(a)の場合には、主に、ホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定されるため、登録種別の番号は「11」〜「14」となる。設置日は、たとえば、保証書の開店予定日である。
以上から、図47(a)の場合には、機歴管理センタ800AFには、遊技機メーカから入力される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、設置日、および設置先ホール名が登録される。
また、図47(b)の場合には、機歴管理センタ800AFには、ホール用コンピュータから自動的に送信される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、設置日、設置先ホール名、主制御チップID、および払出制御用IDが登録される。なお、機歴管理センタ800AFは、設置情報として上記の一部の情報を受信し、出荷情報と共通する情報については、出荷情報を参照して登録する場合であってもよい。
再び、図44を参照して、ホールAに設置された遊技機が撤去された場合には、ホールAから撤去情報を書類などに記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFに送付された撤去情報に基づき、機歴管理センタ800AFの入力手段(図示していない端末など)から必要な情報を入力することで撤去情報をサーバの記憶領域に登録する。なお、当該書類が機歴管理センタ800AFに送付されない場合には、後述する中古移動情報または廃棄情報が機歴管理センタ800AFに登録されたときに、ホールAから遊技機が撤去されたと判断して、撤去情報を登録してもよい。
図49は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに撤去情報が登録されるまでの流れを示す図である。具体的には、図49(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図49(a)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図49(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図49(b)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図49(a)を参照して、ホールAに設置された遊技機を撤去する場合には、発行された変更承認申請書に基づいて遊技機が撤去される。遊技機が撤去されると、ホールAから撤去情報を含む書類が機歴管理センタ800AFに送付される。機歴管理センタ800AFは、送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録する。
図49(b)を参照して、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていることから、機歴管理センタ800AFは、記憶領域に登録されている設置情報に基づいて、ホールAに設置されているはずの遊技機と通信不能な状態が一定期間(例えば、1カ月間)経過した場合には、当該遊技機が稼働しておらず撤去された状態であると判断して、記憶領域に撤去情報を登録する。なお、図49(a)と同様に、機歴管理センタ800AFは、ホールAから送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録してもよい。
従来のCR遊技機が撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、撤去日、および撤去ホール名が登録される。また、P台2Fが撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
再び、図44を参照して、ホールAから撤去された遊技機が販売業者の倉庫に入庫され、当該入庫された遊技機を別のホールBに出庫する場合には、販売業者が申請書類に中古移動情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、送付された申請書類に基づいて、機歴管理センタ800AFの入力手段から中古移動情報をサーバに登録する。なお、機歴管理センタ800AFと販売業者が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに中古移動情報を入力してもよい。
販売業者から出庫された遊技機が別のホールBに納品され、当該遊技機が別のホールBに設置された場合には、別のホールBにおいても、図47で説明したような流れで設置情報が機歴管理センタ800AFのサーバに登録される。また、ホールBに設置された遊技機が撤去された場合にも、図49で説明したような流れで撤去情報が機歴管理センタ800AFに登録される。
次に、ホールAから撤去された遊技機が処理会社によって回収され、その回収された遊技機が廃棄される場合には、処理会社から廃棄情報を申請書類に記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、自装置内の入力手段から必要な情報を入力することで廃棄情報を記憶領域に登録する。なお、機歴管理センタ800AFと処理会社が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに廃棄情報を入力してもよい。
また、遊技機メーカによってホールAから下取りした遊技機が廃棄される場合には、ホール用コンピュータは、通信回線を介して廃棄される遊技機に関する廃棄情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該廃棄情報をサーバの記憶領域に登録する。
図50は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに廃棄情報が登録されるまでの流れを示す図である。
図50を参照して、遊技機メーカからホールAに遊技機の下取りの受け入れ了承通知がなされると、当該遊技機がホールAから遊技機メーカに引き渡される。遊技機メーカでは、当該遊技機を回収し保管した後、廃棄する場合には処理会社(廃棄業者)に廃棄処理を依頼する。遊技機メーカは、処理会社から遊技機の廃棄処理が完了した旨の連絡(処理明細等)を受けると、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する廃棄情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該廃棄情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図51は、機歴管理センタ800AFに入力される廃棄情報の内容の一例を示す図である。
図51を参照して、廃棄情報は、登録種別と、廃棄日と、遊技盤製造事業者コードと、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造事業者コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、事業者コードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、取消フラグとは、図46で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
廃棄日は、遊技機が廃棄された日である。遊技盤製造事業者コードは、遊技盤を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。遊技機枠製造事業者コードは、遊技機枠を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。事業者コードは、廃棄処理を実施した事業者を特定するための情報である。典型的には、処理会社(廃棄業者)の事業者コードであるが、遊技機メーカで廃棄処理した場合には、遊技機メーカの事業者コードとなる。
従来のCR遊技機が廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、廃棄日、および処理業者名が登録される。また、P台2Fが廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
<前枠および遊技盤の管理>
前述の機歴管理センタでは、遊技機(P台2F)の履歴を管理する構成について説明したが、P台2Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るため、前枠5Fと遊技盤26Fとに分けて履歴を管理することも可能である。そこで、以下に前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理について説明する。
図52は、本実施形態に係る前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を説明するための概略図である。図52に示す機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を図53に示すテーブルに記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理している。機歴管理センタ800AFは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)8001Fと、そのCPU8001Fの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)8002Fと、CPU8001Fのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)8003Fと、I/Oポート(Input /Output Port)8004Fと、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置8005Fとが設けられている。
図53は、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を行なうため、前枠5Fの情報および遊技盤26Fの情報を記憶するテーブルの概略図である。図53に示すテーブルには、払出制御基板17FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する払出側テーブル(図53(a))と、主制御基板16FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する主制御側テーブル(図53(b))とが含まれている。
以下、図52および図53を用いて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を具体的に説明する。まず、出荷・設置時について、(1)半導体チップメーカ190Fは、払出制御用半導体チップ17aFを製造して、前枠5Fの製造メーカである枠メーカ191Fに出荷する。また、(2)半導体チップメーカ190Fは、主制御用半導体チップ16aFを製造して、遊技盤26Fの製造メーカである遊技盤メーカ192Fに出荷する。なお、払出制御用半導体チップ17aFおよび主制御用半導体チップ16aFは同じ半導体チップメーカ190Fが製造する場合に限定されず、別々の半導体チップメーカ190Fが製造してもよい。
(3−1)半導体チップメーカ190Fは、製造した払出制御用半導体チップ17aFの払出制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDを入力して、払出側テーブルを更新する。同様に、(3−2)半導体チップメーカ190Fは、製造した主制御用半導体チップ16aFの主制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDを入力して、主制御側テーブルを更新する。
(4)枠メーカ191Fは、払出制御用半導体チップ17aFを前枠5Fに組込み、前枠5Fを製造する。さらに、枠メーカ191Fは、製造した前枠5Fをホール193Fに出荷して、設置する。(5)枠メーカ191Fは、ホール193Fに設置した前枠5Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。なお、前枠5Fを特定する情報として、図53(a)に示すように、前枠製造番号、払出基板管理番号、払出制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。さらに、前枠5Fを特定する情報に、枠の形式名、製品コード、およびメーカコードを含んでもよい。
(6)遊技盤メーカ192Fは、主制御用半導体チップ16aFを遊技盤26Fに組込み、遊技盤26Fを製造する。さらに、遊技盤メーカ192Fは、製造した遊技盤26Fをホール193Fに出荷して、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて設置する。(7)遊技盤メーカ192Fは、ホール193Fに設置した遊技盤26Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、遊技盤26Fを特定する情報として、図53(b)に示すように、遊技機の形式名、製品コード、メーカコード、遊技盤製造番号、主制御基板管理番号、主制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。
(8)ホール193Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。(9)鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、半導体チップメーカ190F、枠メーカ191Fおよび遊技盤メーカ192Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図53(a)に示す(3−1),(5)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに払出側テーブルに含まれるペアの主制御用セキュリティチップIDの情報(図53(a)に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fの管理状態(ステータス)は、払出側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
同様に、機歴管理センタ800AFは、主制御側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図53(b)に示す(3−2),(7)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに主制御側テーブルに含まれるペアの払出制御用セキュリティチップIDの情報(図53(b)に示す(9)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、遊技盤26Fの管理状態(ステータス)は、主制御側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
次に、保管時について、(10)ホール193Fは、新しい前枠5Fおよび遊技盤26Fに入替える場合、設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去して倉庫に保管する。(11)倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した前枠5Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した遊技盤26Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの保管情報として、図53に示すように、遊技機の製造業者、設置元ホール、撤去日、保管日、および保管場所が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fがホール193Fから撤去されると、稼働情報が鍵管理サーバ800Fに送信されなくなる。つまり、撤去された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、倉庫業者194Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる保管日などの情報(図53に示す(11)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「保管」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして撤去する必要はなく、いずれか一方を取外して撤去してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(11)(図53参照)の情報のみが更新される。
次に、再販時について、(12)ホール193Fは、倉庫業者194Fが保管している前枠5Fおよび遊技盤26Fを、中古業者195Fに再販を依頼する。中古業者195Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、当該ホールに設置する。(13)中古業者195Fは、再販した前枠5Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、中古業者195Fは、再販した遊技盤26Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの再販情報として、図53に示すように、設置元ホール、撤去日、設置日、および販社名が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが再販されると、別のホールに設置され、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せてP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。また、鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、中古業者195Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御販テーブルに含まれる販社名などの情報(図53に示す(13)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「再販」と判断し、さらに払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれるペアのセキュリティチップIDの情報(図53に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして再販する必要はなく、いずれか一方を再販してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(13)(図53参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合に限定されず、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販してもよい。また、再販時の再出荷は行なわない。
次に、廃棄時について、(14)ホール193Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを、廃棄業者196Fに廃棄を依頼する。廃棄業者196Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを適切な方法で廃棄する。(15)廃棄業者196Fは、廃棄した前枠5Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、廃棄業者196Fは、廃棄した遊技盤26Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの廃棄情報として、図53に示すように、設置元ホール、引き取り日、および廃棄日が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが廃棄されると、稼働情報は鍵管理サーバ800Fに送信されない。つまり、廃棄された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、廃棄業者196Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図53に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして廃棄する必要はなく、いずれか一方を取外して廃棄してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(15)(図53参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合に限定されず、ホール193Fに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄してもよい。
<機歴管理センタの異常判定>
機歴管理センタ800AFは、前述したように遊技機設置情報および未稼働情報と更新した情報とを照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。具体的に、機歴管理センタ800AFが異常であるか否かを判定する処理について、フローチャートを用いて説明する。図54は、機歴管理センタ800AFが前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。図55は、図54に示すフローチャートで参照するテーブルを説明する図である。
まず、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる情報に基づき、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を判断する(SF211)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図53に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、前回判断した管理状態から今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるか否かを確認する(SF212)。遷移禁止テーブルは、図55(a)に示すように、前回判断した管理状態から遷移が禁止されている管理状態を示している。具体的に、枠メーカ191Fが前枠5Fを製造して出荷した場合、当該前枠5Fが廃棄や再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「出荷」から「廃棄」や「再販」へ遷移することを禁止している。また、一度、設置、保管および再販された前枠5Fが、枠メーカ191Fから出荷されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「設置」、「保管」および「再販」から「出荷」へ遷移することを禁止している。さらに、廃棄された前枠5Fが、出荷、設置、保管および再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「廃棄」から「出荷」、「設置」、「保管」および「再販」へ遷移することを禁止している。なお、前述の遷移禁止テーブルのでは、前枠5Fを例に説明したが、遊技盤26Fについても同様である。
次に、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれないとき(SF212:N)、鍵管理サーバ800Fからの情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの稼働状態を判断する(SF213)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから遊技機設置情報が送信されたときは稼働状態と判断し、鍵管理サーバ800Fから未稼働情報が送信されたとき(遊技機設置情報が送信されないとき)、非稼働状態と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、SF211で今回判断した管理状態、およびSF213で判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているか否かを確認する(SF214)。更新異常テーブル、図55(b)に示すように、SF211で今回判断した管理状態において禁止されている稼働状態を示している。具体的に、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されている場合、営業時間内であれば稼働状態となるが、営業時間外であれば通常未稼働状態であるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「設置」のとき、「営業時間外で稼働」となると異常と判定する。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されていない場合、常に未稼働状態となるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「出荷」,「保管」,「再販」,および「廃棄」のとき、「稼働」となると異常と判定する。
次に、機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているとき(SF214:Y)、異常を報知する(SF215)。SF215で、異常を報知する手段は、機歴管理センタ800AFの表示装置に異常を表示する、音声出力装置から警報音を出力するなど、いずれの手段であってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるとき(SF212:Y)も、異常を報知する(SF215)。
機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれていないとき(SF214:N)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、前枠5Fの履歴情報を払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する払出側テーブルと、遊技盤26Fの履歴情報を主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する主制御側テーブルとを大容量記憶装置8005Fに含み、CPU8001Fが払出側テーブルおよび主制御側テーブルに記憶した情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態の異常を判定する。そのため、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、別々に流通する可能性がある前枠5Fおよび遊技盤26FをそれぞれのセキュリティチップIDに関連付けて履歴を管理することができる。
<主制御部−払出制御部間の通信>
次に、P台2Fにおける主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信についてさらに詳しく説明する。まず、図29に示すP台2Fにおいて、遊技盤26Fに設けられた主制御基板16Fと、前枠5Fに設けられた払出制御基板17Fとの通信は、主制御基板16Fに設けられた主制御部161Fと前枠5Fに設けられた払出制御部171Fとの間で行なわれる。図56は、主制御部161F、払出制御部171F、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。
図56に示す主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、ワンチップで構成されているものとして以下説明するが、複数のチップで同様の機能を構成してもよい。主制御部161Fは、主制御回路161aF、通信制御回路161bF、主制御記憶部161cFを備えている。主制御回路161aFは、主制御部161Fで様々な処理(たとえば、入賞センサ162Fからの信号に基づいて入賞球をカウントしたり、電波センサ163Fからの信号に基づいて不正を検出したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路161bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信を行なうための回路である。主制御記憶部161cFは、主制御部161Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などで構成されている。なお、主制御記憶部161cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
一方、払出制御部171Fは、払出制御回路171aF、通信制御回路171bF、払出制御記憶部171cFを備えている。払出制御回路171aFは、払出制御部171Fで様々な処理(発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを制御したり、計数ボタン28Fからの信号に基づいてCU3Fに対して遊技玉から持玉への変換を要求したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路171bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信、および払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間の暗号通信を行なうための回路である。払出制御記憶部171cFは、払出制御部171Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータなどを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAMなどで構成されている。なお、払出制御記憶部171cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
さらに、通信制御回路161bF,171bFについて詳しく説明する。図57は、払出制御部171Fと暗号通信するための通信制御回路161bFの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路161bFは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、前枠5Fの払出制御部171Fとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて主制御部161Fの情報を、払出制御部171Fに渡し、払出制御部171Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部600Fにて払出制御部171Fとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路161bFは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路161bFは、図57に示すように主制御回路161aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部600Fを有している。
通信制御回路161bFに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ611F、認証割込み設定レジスタ612F、送信データバッファ613F、送信データ数レジスタ614F、情報送信クリアレジスタ615F、主制御遊技情報レジスタ616F、払出制御遊技情報レジスタ617F、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ611Fは、主制御部161FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ612Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ613Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fに送信する遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、送信データバッファ613Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ613Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ613Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要である。送信データバッファ613F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ614Fは、主制御部161F払出制御部171Fへ送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ613F内のデータ数をモニタしている。情報送信クリアレジスタ615Fは、送信データバッファ613Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
主制御遊技情報レジスタ616Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ616Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで暗号化されて払出制御部171Fへ送信される。払出制御遊技情報レジスタ617Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ617Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで復号化されたデータである。
リカバリ通信完了レジスタ618Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信が完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fは、払出制御部171Fと通信を行なっている暗号通信制御部600Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171bFは、主制御部161Fと暗号通信するための構成と、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成とに分けられ、主制御部161Fと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b1F、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b2Fとして以下説明する。
まず、図58は、主制御部161Fと暗号通信するための通信制御回路171b1Fの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路171b1Fは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、遊技盤26Fの主制御部161Fとの相互認証、およびCU3Fの通信制御IC325aFとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて払出制御部171Fの情報を、主制御部161Fに渡し、主制御部161Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部700Fにて主制御部161Fおよび通信制御IC325aFとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路171b1Fは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路171b1Fは、図58に示すように払出制御回路171aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部700Fを有している。
通信制御回路171b1Fに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ711F、認証割込み設定レジスタ712F、データ受信レジスタ713F、受信データ数レジスタ714F、情報受信クリアレジスタ715F、払出制御遊技情報レジスタ716F、主制御遊技情報レジスタ717F、リカバリ要求/完了レジスタ718Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ711Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ712Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
データ受信レジスタ713Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信した遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、データ受信レジスタ713Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該レジスタに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、データ受信レジスタ713Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、データ受信レジスタ713Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。データ受信レジスタ713F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
受信データ数レジスタ714Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ713F内のデータ数をモニタしている。情報受信クリアレジスタ715Fは、データ受信レジスタ713Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
払出制御遊技情報レジスタ716Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ716Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで暗号化されて主制御部161Fへ送信される。主制御遊技情報レジスタ717Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ717Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで復号化されたデータである。
リカバリ要求/完了レジスタ718Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fは、主制御部161Fと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171b1Fには、その他、通信タイムアウト時間設定レジスタ719aF、通信インターバル時間設定レジスタ719bF、および主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFが含まれている。
主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定するレジスタである。当該レジスタを設定することで、データ受信レジスタ713Fへの書込みは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても設定した有効時間(たとえば、5秒から15秒程度)行なうことができる。これにより、たとえば、電源断や断線などにより認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。なお、玉の滞留時間が長いステージを有する遊技機の場合でも、浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶することができるように有効期間を長めに設定することができるものとする。
本来、データ受信レジスタ713Fには、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後、セキュリティの観点から暗号通信制御部700F介して情報を書き込むことができない。しかし、データ受信レジスタ713Fでは、たとえば、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に浮遊玉が入賞したことの情報を書き込む必要があった。そこで、通信制御回路171b1Fは、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFに対して有効時間を設定し、暗号通信制御部700Fで本設定することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても有効期間内であれば暗号通信制御部700Fを介して情報をデータ受信レジスタ713Fに書き込むことができる。なお、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFの設定値は、暗号通信制御部700Fで本設定された後であれば読み出すことができる。
図58は、通信制御IC325aFと暗号通信するための通信制御回路171b2Fの構成を説明するためのブロック図である。通信制御回路171b2Fは、図58に示すように、通信制御IC325aFと暗号通信するために、たとえば認証ステータスレジスタ721F、認証割込み設定レジスタ722F、送信データバッファ723aF、データ受信レジスタ723bF、送信データ数レジスタ724F、受信データ数レジスタ725F、リカバリ通信加算球要求レジスタ726F、リカバリ通信減算球要求レジスタ727F、リカバリ要求/完了レジスタ728F、暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729F、通信タイムアウトタイマ−プリスケーラ設定レジスタ729aFおよび通信タイムアウト時間設定レジスタ729bFなどを有している。
認証ステータスレジスタ721Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ722Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ723aFは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信する業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。データ受信レジスタ723bFは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信した業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。
なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFを不揮発メモリで構成することで、払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファおよびレジスタに書込まれた業務電文は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFに書込まれた業務電文を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、払出制御部171Fや通信制御IC325aFの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bF以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ724Fは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ723aF内のデータ数をモニタしている。受信データ数レジスタ725Fは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ723bF内のデータ数をモニタしている。
リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて加算球が発生した場合に加算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、リカバリ通信完了時のみ更新される。リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて減算球が発生した場合に減算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fも、リカバリ通信完了時のみ更新される。
リカバリ要求/完了レジスタ728Fは、通信制御IC−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729Fは、通信制御IC325aFと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
<リカバリ完了確認処理>
次に、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、電源断などの通信不能な状態から復帰するとき、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、主制御記憶部161cFおよび払出制御記憶部171cFに記憶された所定情報を送信するリカバリ処理を実行する。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理の終了を条件に、ユーザプログラムの実行による所定情報の生成を再開するリカバリ完了確認処理を行なう。具体的に、リカバリ完了確認処理についてフローチャートを用いて説明する。図60は、リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、電源断などの通信不能な状態から復帰させるために電源が投入されると、主制御回路161aFおよび払出制御回路171aFが認証シーケンスの処理を開始し、認証が完了すると主制御部161Fおよび払出制御部171Fのそれぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証結果が書込まれる。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれているか否かを確認する(ステップSF291)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれていない場合(ステップSF291:NO)、ステップSF291の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれている場合(ステップSF291:YES)、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれているか否かを確認する(ステップSF292)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていない場合(ステップSF292:NO)、ステップSF292の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれている場合(ステップSF292:YES)、ユーザプログラムの処理を開始する(ステップSF293)。なお、ユーザプログラムの処理を開始させる手段として、たとえばユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信して当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段や、ユーザプログラムの処理を停止する停止手段を設け、当該停止手段を解除することで当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段などがある。
前述のように、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理が完了するまでユーザプログラムの処理を開始しないため、リカバリ処理によって復帰させる情報が確定する前にユーザプログラムの処理による新たな情報が書込まれないようにすることでユーザプログラムの処理を適切に再開することができる。
<主制御部と払出制御部との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図61を参照して、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図61には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して電源投入通知という名称のコマンドが送信される。この電源投入通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して電源が投入され通信が開始されることを通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して電源投入受信という名称のレスポンスが送信される。この電源投入受信のレスポンスは、主制御部161Fに対して電源投入通知を受信し、通信が開始されることの応答である。
次に、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して遊技状態通知という名称のコマンドが送信される。この遊技状態通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して遊技状態を通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して遊技状態応答という名称のレスポンスが送信される。この遊技状態応答のレスポンスは、主制御部161Fに対して遊技状態通知を受信したことの応答である。
<主制御部と払出制御部との間で処理される主なシーケンス>
次に、図62および図63に基づいて、主制御部161Fおよび払出制御部171Fで実行される処理による主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<通信シーケンス>>
まず、図62を参照して、電源投入時、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理されるシーケンスを説明する。図62に示すシーケンスは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。
また、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信は、主制御部161Fを一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は200msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。払出制御部171Fは、応答を送信してから1秒経過しても主制御部161Fからの要求コマンドが受信できなかった場合に「通信回線断」とし、遊技を停止させる。
さらに、払出制御部171Fは正常なデータを受信した場合のみ、主制御部161Fへ応答コマンドを送信する。主制御部161Fはポーリング間隔時間内に応答コマンドを受信しなかった場合、初回を含めて最大3回までコマンドを再送する。送受信に用いる通番は、主制御部161F、払出制御部171Fともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、前述したように主制御部161Fおよび払出制御部171FのチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタ611F,711Fに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
次に、主制御部161Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。さらに、主制御部161Fは、通番を「n+1」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+1」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。
その後、主制御部161Fは、通番をカウントアップして「n+2」として、遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fへ送信する。そして、払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+2」として、遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fへ返信する。
主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、通番「n」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔、通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+2」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔は、それぞれ200ms間隔である。
<<電源断後のシーケンス>>
次に、図63を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの処理について説明する。図63は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、払出制御部171Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、遊技状態通知が未到達(主制御部161Fから払出制御部171Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図63を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、主制御部161Fは、通番=nを含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信している。それを受けて、払出制御部171Fは、通番=nを含む遊技状態受信を主制御部161Fに送信する。
そして、遊技中において払出制御部171Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む遊技状態通知が主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信された場合に、払出制御部171Fが電源断の状態であるためにその遊技状態通知を受信できない。それ以降、払出制御部171Fからの遊技状態受信が送信されてこないために主制御部161Fは、1秒後に電源断が発生したとして通信を停止する制御を行なう。
その後、電源投入および主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で認証シーケンスが開始されると、主制御部161Fは、通番=1および主制御通番(前回最終送信通番)=n+1を含む電源投入通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、電源断が発生する前に主制御部161Fに送信した遊技状態受信の通番が「n」であったため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nとなる。そのため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nと、主制御部161Fでバックアップしている主制御通番=n+1とが不一致である。払出制御部171Fは、通番が不一致であるとき、主制御部161Fから送信された電源投入通知に含まれるリカバリ遊技情報に基づき払出制御部171Fの情報をリカバリ処理する。その後、払出制御部171Fは、通番=1を含む電源投入受信を主制御部161Fに送信する。
主制御部161Fは、通番=2を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、リカバリ処理後の内容で処理を行なうとともに、通番=2を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。以降同様に、主制御部161Fは、通番=3を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番=3を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。
なお、前述のリカバリ処理は、通番が不一致であったので実施する構成であったが、リカバリ遊技情報に含まれる情報(たとえば、遊技情報数や賞球情報など)が主制御部161Fと払出制御部171Fとで不一致であってもリカバリ処理を行なってもよい。
<不正遊技機接続検知>
次に、CU3Fで検知される不正遊技機検知の仕組みについて説明する。P台2Fに接続可能なカードユニットは、商用で使用されるカードユニット(前述しているCU3Fに相当、以下単にCU3F、商用CUともいう。)に限定されるものではなく、P台2Fの遊技盤を開発するための遊技盤開発治具や、P台2Fの開発に用いる開発用カードユニット(開発用CU)などであってもよい。
しかし、商用CU以外のP台2Fに接続可能なカードユニットを利用して、不正にP台2Fで遊技を行なうことが考えられる。たとえば、商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続したP台2Fに対して多数の遊技玉を貸出して遊技盤開発治具や開発用CUから切離した状態にし、その後P台2Fに商用CUを接続して不正に遊技を行なうことが考えられる。
そこで、本実施の形態では、商用CUに接続したP台2Fが、過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知して商用CUの動作を停止する。具体的に、図を用いて過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知する仕組みを説明する。
図64は、遊技盤開発治具に接続していたP台2Fが、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図64に示す遊技盤開発治具3EFは、P台開発用のSC325EbFを有している以外、商用CUと同じCU制御部323Fおよび通信制御IC325aFで構成されている。また、P台開発用のSC325EbFには、遊技盤開発治具であることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325EbFに記憶されている。
図64に示すように遊技盤開発治具3EFにP台2Fを接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として遊技盤開発治具3EFからP台2Fに送信される際に、P台開発用のSC325EbFから識別IDがP台2Fに送信される。P台2Fに送信された識別IDは、払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325EbFのSC基板IDも払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aFの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
SC基板IDは、前述したとおり払出制御回路171aF内のレジスタに格納されるが、払出制御回路171aFで実行されるユーザプログラム171pFには通知されない。そのため、P台2Fは、SC基板IDを払出制御回路171aFから読出すことができず、SC基板IDを不正に複製されることできないためセキュリティ性が高くなっている。払出制御回路171aFのレジスタに記憶されたSC基板ID(識別IDを含む)は、払出制御回路171aFのRAMをクリアすることで消去することができる。
次に、遊技盤開発治具3EFからCU3Fにユニット交換する場合の処理について説明する。遊技盤開発治具3EFに接続されていたP台2Fは、ユニット交換によりCU3Fに接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3Fから送信される。この遊技機電文通知により、SC325bFから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2Fに送信される。なお、SC基板IDをP台2Fに送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3Fにユニット交換してP台2Fの電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3Fから送信されるタイミングであってもよい。つまり、遊技盤開発治具3EFで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図64では、P台開発用のSC325EbFからの識別IDと、商用のSC325bFからの識別IDとを区別するため、P台開発用のSC325EbFからの識別IDを図示し、商用のSC325bFからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bFからの識別IDを受信したP台2Fは、払出制御回路171aFで格納(記憶)している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定する。なお、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3F以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aFは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pFに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続したP台2Fから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit6の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知する。SC325bFは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、過去に接続した遊技盤開発治具3EFでの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図64では、ユーザプログラム171pFに不正検知状態3のBit6=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pFに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2FからCU3Fに対して不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2FからCU3Fに対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aFは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)としてユーザプログラム171pFに書込むのではなく、図64で示したように遊技盤開発治具3EFの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pFに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pFが格納している識別IDに基づいて遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2FからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)ではなく、図64で示したように遊技盤開発治具3EFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pFを介してSC325bFに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFか否かの判定は、P台2FではなくSC325bFで行ない、遊技盤開発治具接続を検知する構成であってもよい。
また、遊技盤開発治具3EFから別の遊技盤開発治具3EFにユニット交換する場合も、図64で説明したように接続したP台2Fから不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の遊技盤開発治具3EFは、P台開発用のSC325EbFに遊技機開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit6=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより遊技盤開発治具3EFから別の遊技盤開発治具3EFにユニット交換したと判定した場合、遊技盤開発治具接続のエラーを検知しない。これにより、遊技盤開発治具3EFとP台2Fとの接続を繰返す開発の工程において、遊技盤開発治具接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
図65は、開発用CUに接続していたP台2Fが、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図65に示す開発用CU3DFは、開発用のSC325DbFを有している以外、商用CUと同じCU制御部323Fおよび通信制御IC325aFで構成されている。また、開発用のSC325DbFには、開発用CUであることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325DbFに記憶されている。
図65に示すように開発用CU3DFにP台2Fを接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として開発用CU3DFからP台2Fに送信される際に、開発用のSC325DbFから識別IDがP台2Fに送信される。P台2Fに送信された識別IDは、払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325DbFのSC基板IDも払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aFの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
次に、開発用CU3DFからCU3Fにユニット交換する場合の処理について説明する。開発用CU3DFに接続されていたP台2Fは、ユニット交換によりCU3Fに接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3Fから送信される。この遊技機電文通知により、SC325bFから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2Fに送信される。なお、SC基板IDをP台2Fに送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3Fにユニット交換してP台2Fの電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3Fから送信されるタイミングであってもよい。つまり、開発用CU3DFで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図65では、開発用のSC325DbFからの識別IDと、商用のSC325bFからの識別IDとを区別するため、開発用のSC325DbFからの識別IDを図示し、商用のSC325bFからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bFからの識別IDを受信したP台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3DFの識別IDか否かを判定する。なお、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3F以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aFは、格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pFに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続したP台2Fから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit5の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知する。SC325bFは、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、過去に接続した開発用CU3DFでの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図65では、ユーザプログラム171pFに不正検知状態3のBit5=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pFに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2FからCU3Fに対して不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2FからCU3Fに対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aFは、格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)としてユーザプログラム171pFに書込むのではなく、図65で示したように開発用CU3DFの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pFに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pFが格納している識別IDに基づいて開発用CU3DFの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2FからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)ではなく、図65で示したように開発用CU3DFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3DFの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pFを介してSC325bFに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFか否かの判定は、P台2FではなくSC325bFで行ない、開発用CU接続を検知する構成であってもよい。
また、開発用CU3DFから別の開発用CU3DFにユニット交換する場合も、図65で説明したように接続したP台2Fから不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の開発用CU3DFは、開発用のSC325DbFに遊技用装置開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit5=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより開発用CU3DFから別の開発用CU3DFにユニット交換したと判定した場合、開発用CU接続のエラーを検知しない。これにより、開発用CU3DFとP台2Fとの接続を繰返す開発の工程において、開発用CU接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
このように、本実施の形態では、CU3Fに接続したP台2Fが、過去にCU3F以外の遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続されていたのか否かを検知して、CU制御部323Fとの通信を停止してCU3Fの動作を停止させるので、過去にCU3F以外の遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、P台2Fを商用のCU3Fに接続する前に遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続して多数の遊技玉を貸出しておき、商用のCU3Fに接続後に貸出された遊技玉を用いて遊技を行なう不正を防止することができる。
次に、商用のCU3FにP台2F以外の遊技機シミュレータを接続した場合について説明する。図66は、商用のCU3Fに遊技機シミュレータを接続した場合の検知の仕組みを説明するための図である。ここで、遊技機シミュレータは、たとえば商用のCU3Fが正常に稼働するかを検査するために接続するための装置であり、検査に必要な信号や情報を仮想的に商用のCU3Fに出力することができる。そのため、商用のCU3Fは、意図的に遊技機シミュレータを接続して不正な遊技情報を送信されることを防止するため、遊技機シミュレータに接続しているのかP台2Fに接続しているのかを検知すること必要となる。
まず、図66に示す遊技機シミュレータ2AFは、P台2Fと同様に払出制御部171AFを有している。払出制御部171AFは、払出制御回路171AaFおよび払出制御回路171AaFで実行されるユーザプログラム171ApFを含んでいる。ユーザプログラム171ApFには、遊技機シミュレータ2AFであることを示す識別IDが埋め込まれている。
図66に示すように商用のCU3Fに遊技機シミュレータ2AFを接続すると、CU3Fと遊技機シミュレータ2AFとの間で遊技機電文通知のコマンドと遊技機電文応答のレスポンスとの通信が行なわれる。たとえば、CU3Fは、遊技機シミュレータ2AFに対してCU3Fの状態を通知する状態情報要求のコマンドを送信する。遊技機シミュレータ2AFは、CU3Fから状態情報要求のコマンドを受信すると、CU3Fに対して遊技情報や遊技台状態などを通知する状態情報応答のレスポンスを送信する。
CU3Fに送信する状態情報応答のレスポンスに遊技機シミュレータ2AFと接続していることをCU3Fに通知するための情報を含めている。具体的に、遊技機シミュレータ2AFは、ユーザプログラム171ApFに埋め込まれている識別IDに基づき、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続した遊技機シミュレータ2AFから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7の情報に基づき、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit7の情報を読出し、当該情報が“1”であれば接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。SC325bFは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、接続している遊技機シミュレータ2AFの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して不正検知状態3のBit7=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDが遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して送信されたように図示されている。
もちろん、遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”)ではなく、図66で示したように遊技機シミュレータ2AFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3Fに接続する遊技機が、商用のP台2Fなのか、遊技機シミュレータ2AFなのかを検知して、CU制御部323Fとの通信を停止してCU3Fの動作を停止させるので、意図的に遊技機シミュレータ2AFをCU3Fに接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、遊技機シミュレータ2AFでCU3Fに対して多数の遊技玉を持玉に計数しておき、P台2Fに接続後に計数した待玉を遊技玉として貸出して遊技を行なう不正を防止することができる。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図67は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を「P台」と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、「S台」とも略称する。
上記の遊技用システムは、遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図67を参照して、S台(スロットマシン)2SFは、本体枠2aSFに対して前面扉2bSFがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図67では図示を省略しているが、S台2SFの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2SFでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2SFにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2SFには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2SFの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2LF、2CF、2RF(以下、左リール、中リール、右リールとも言う)が水平方向に並設されており、これらリール2LF、2CF、2RFに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSFに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2LF、2CF、2RFの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSFの各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510Fが設けられている。この表示器510Fは、P台の表示器54Fに相当する表示器であり、表示器54Fと同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510Fは、図29の表示器54Fと同様にCUの表示制御部350Fに接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510Fは、各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図67に示されるスタートスイッチ7SFよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、この表示器510Fの下方部分に7セグ表示器50SFが設けられている。この7セグ表示器50SFは、P台の7セグ表示器50Fに相当する表示器であり、7セグ表示器50Fと同種の各種情報(前面扉2bSFの開放回数など)が表示される。
また、前面扉2bSFには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5SF、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6SF、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7SF、リール2LF、2CF、2RFの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8LF、8CF、8RFがそれぞれ設けられている。
S台2SFにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残高、持点、あるいは遊技場に預入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落すことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5SF、またはMAXBETスイッチ6SFを操作すればよい。本実施形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510Fの遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7SFの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7SFを操作すると、各リール2LF、2CF、2RFが回転し、各リール2LF、2CF、2RFの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8LF、8CF、8RFを操作すると、対応するリール2LF、2CF、2RFの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そしてすべてのリール2LF、2CF、2RFが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2LF、2CF、2RFの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510Fの遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図67に示すとおり、S台2SFには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28SFが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図29参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510Fに行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510Fに表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU3Fへ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2FやS台2SFを経由して状態情報応答としてCU3Fへ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2SFを制御する主制御部(S台の主制御部161Fに相当)によって決定される。S台2SFの主制御部は、P台2Fに搭載された主制御基板16Fに対応するメイン制御基板に搭載されている。主制御部は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウェア上で生成される乱数を抽選することによって当選役の有無を決定する。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた信号を払出制御部(図29の払出制御部171Fに相当)へ送信する。払出制御部は、その信号に応じた数の遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2SFの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSFに取付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2SFのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSFとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図68は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図68に示す送受信態様は、P台の構成として説明した図31の用語をS台用に置換えたものであり、その態様は、図31を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
また、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、パチンコ遊技機1について前述したような、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号と、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号とが含まれてもよい。なお、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、前述したパチンコ遊技機1のように情報出力回路から外部に出力する構成ではなく、主制御部161Fから払出制御部171Fを介して情報を出力するようにしてもよい。
保留記憶数の情報は、前述したように、主制御基板16Fに設けられた遊技制御用マイクロコンピュータが、加減算処理等のデータ処理をしているため、最新情報を認識している。したがって、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号が、遊技制御用マイクロコンピュータから情報出力回路または払出制御用マイクロコンピュータを介して外部に出力可能である。
また、主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、発射停止信号、電波センサ検出信号、磁石センサ検出信号、不正入賞検出信号、および、遊技状態情報設定完了信号等の各種信号により、各種情報を送信し、払出制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ここで、発射停止信号は、打球操作ハンドル25Fにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき、発射停止スイッチ(操作されると強制的に発射停止制御が実行されるスイッチ)が操作されているとき、打球操作ハンドル25Fが一定回転角度以上回転操作されていないとき、または、カードユニット(CU)3Fとパチンコ機(P台)2Fとが電気的に未接続のとき等の所定の発射停止条件が成立したと遊技制御用マイクロコンピュータで判断したときに出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)163Fからの電波検出信号が主制御基板16Fに入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
磁石センサ検出信号は、異常な磁気(不正磁気)を検出する磁石センサ(磁石スイッチ)が、主制御基板16F(遊技制御用マイクロコンピュータ)に接続されている構成において、磁石を用いて遊技玉の軌道を変える等の磁石を用いた不正遊技に基づいて、磁石センサからの磁気検出信号が主制御基板16Fに入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、磁石センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
不正入賞検出信号は、大入賞口への入賞玉を検出するカウントスイッチが主制御基板16Fに接続されている構成において、大入賞口が閉じている状態で、入賞センサ162Fのうち大入賞口への入賞玉を検出する入賞センサの検出信号により、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、大入賞口内への入賞玉が検出されたことで不正入賞エラーが判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
遊技状態情報設定完了信号は、パチンコ機(P台)2Fの電源投入時において、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信する各種遊技情報(遊技状態情報)の設定が完了したときに出力される。このような遊技状態情報設定完了信号は、たとえば、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)との通信開始のトリガ信号として使用される。
また、払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータから主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、ガラス枠・本体枠開放信号、入賞数異常信号、不正加算検出信号、電波センサ検出信号、近接センサ異常信号、夜間開放検出信号、計数報知要求信号、カード抜き取り待ち中信号、および、省電力移行要求信号等の各種信号により、各種情報を送信し、遊技制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ガラス枠・本体枠開放信号は、前述のガラス扉開放検出スイッチ12Fまたは前枠開放検出スイッチ13Fからの検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより、払出制御用マイクロコンピュータにおいてガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
入賞数異常信号は、主制御基板16Fから払出制御基板17Fに入力される入賞検出信号による入賞個数について、払出制御用マイクロコンピュータにおいて単位時間当りの入賞個数が所定数以上であるか否かを確認することに基づいて、入賞数異常であるか否かを判定し、入賞数異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
不正加算検出信号は、CU3Fへのカード挿入中以外の状態において、払出制御基板17FがCU3Fから持玉の加算要求を受信したときに払出制御用マイクロコンピュータにおいて不正加算エラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)173Fからの電波検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより払出制御用マイクロコンピュータにおいて電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
近接センサ異常信号は、入賞センサ162F、玉上げスイッチ(上)41aF、ファール玉検出スイッチ330F、アウト玉検出スイッチ701F、および、発射玉検出スイッチが玉の通過による静電容量の変化により遊技玉を検出する近接スイッチで構成されており、このような近接スイッチについて、玉検出個数の齟齬に基づいて異常であるか否かを払出制御用マイクロコンピュータにおいて判定し、異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。たとえば、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にしたときに、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出されたときには、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、近接センサが異常であると判定される。
夜間開放検出信号は、次のように払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのいずれかが開放されたと判定されたときに出力される。パチンコ機2Fが電源OFFとされる夜間には、バックアップ電源により動作する前述の計数カウンタにより、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fから出力される検出信号に基づいて、ガラス扉6F、前枠5Fが開放された回数がそれぞれ計数される。そして、パチンコ機2Fの電源投入時において計数カウンタから払出制御基板17Fへ出力されるそれぞれの開放回数の計数値により、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのうちいずれが開放されたかが判定される。なお、ガラス扉6Fと前枠5Fとのうち一方のみの夜間開放を検出して、夜間開放検出信号を出力するようにしてもよい。
計数報知要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、計数ボタンの操作に応じて計数要求があったと判断したときに、計数値を報知する要求をするために出力される。このような計数報知要求信号は、たとえば、主基板による計数に関する音声出力および数値表示を実行するために使用される。
カード抜き取り待ち中信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、CU3Fでカード抜き取り可能状態となったと判断したときに、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報を通知するために出力される。
省電力移行要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき(たとえば所定期間検出していないとき)、遊技玉数が「0」であるとき、CU3Fにカードが未挿入であるとき、または、変動表示が停止中であるとき等の予め定められた省電力制御移行条件が成立したと判断したときに、たとえば、液晶のバックライトの明るさの減少、および、各種ランプの発光停止等の所定の省電力制御をする省電力状態へ移行する作動要求信号として出力される。
なお、前述したパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれる例を示したが、このような入賞情報信号の外部出力は、パチンコ機(P台)2Fにおいて適用してもよい。
また、前述したパチンコ機2Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明した保留記憶個数信号、発射停止信号、および、電波センサ検出信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。また、パチンコ機2Fの払出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明したガラス枠・本体枠開放信号、および、入賞数異常信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図29に示した遊技枠の各種検出スイッチ41aF、701F、33F、発射制御基板31F、および発射モータ18Fは、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施形態では、ドル箱表示する機能が設けられることで、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510Fには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残高、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引落されて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510Fには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5SFの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6SFの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510Fにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、「カード持玉数」とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CU3Fに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示するのが望ましい。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出を行なうことができるとともに、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止することができる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(8) 前述の実施形態においては、ガラス扉6Fの開放検出と前枠5Fの開放検出とを別々のガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fにより検出するものを示したが、その代わりに、共通の検出スイッチにより両者を検出するように構成してもよい。
(9) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作がない場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(10) 計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数されるように制御するのが望ましい。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(11) (A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行なわれるように制御するのが望ましい。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるように制御するのが望ましい。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断するのが望ましい。これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27F内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2LF、2CF、2RFが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2LF、2CF、2RFが停止するまでの期間である。
(13) 大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させてもよく、また発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(14) 図31を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(15) 計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数してから返却操作をして下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28Fを表示させて点滅するような表示であってもよい。
(16) 遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行されるように制御するのが望ましい。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい。」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(17) 遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されないように制御するのが望ましい。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(18) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(19) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(20) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(21) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(22) 本実施形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(23) 図31あるいは図68において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(24) 表示器54Fで行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312Fで行なうようにしてもよい。
(25) CUにおいて、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(26) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(27) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(28) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放して下さい」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(29) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(30) 図33〜図42で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3F、P台2F、S台2SF等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(31) 前述の実施形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(32) 前述の実施形態においては、いわゆる封入循環式遊技機(P台2FおよびS台2SF)を示したが、それに限定されるものではなく、島の上部から遊技媒体(パチンコ玉等)が遊技機に供給されて入賞によりさらに遊技媒体が払出される一般的な遊技機であってもよい。具体的には、玉貯留皿に貯留された玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、入賞することによって玉が玉貯留皿に払い出され、遊技終了時にその玉貯留皿に払い出され玉を用いて景品交換できるパチンコ機でもよい。また、コイン受け皿に貯留されているコインをコイン投入口に投入して賭数を入力設定し、スタートレバーを操作することによりリールが回転して停止することにより1ゲームが終了し、リールの停止時に表示された表示結果入賞が発生している場合には、コインがコイン受け皿に払い出され、遊技終了時にそのコイン受け皿に払い出されコインを用いて景品交換できるスリットマシンでもよい。つまり、遊技媒体(パチンコ玉、コイン)を使用して遊技が可能であり、遊技の結果に応じて遊技者に遊技媒体が払い出される遊技機であってもよい。
(33) 前述の実施形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(34) 前述の実施形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(35) 前述の実施形態では、各種認証鍵を用いて認証を行なっていたが、この各種認証鍵の代わりに、たとえば認証用のID等を用いて認証を行なうようにしてもよい。
(36) 前述の表示器54F、510Fをタッチパネル付きの表示器で構成してもよい。また、P台とCUとの間で送受信される情報は、前述の実施形態で説明されたものに限定されるのではなく、また、どのような情報をP台からCUへ出力するかを遊技機の表示器54F、510Fのタッチパネルでタッチ操作して入力設定できるようにしてもよい。
また、S台2SFにおいても前述のP台2Fと同様にS台2SFから出力された情報を変換してホールコンへ送信するが、変換対象の情報としては、たとえば、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞や各種小役入賞等の入賞情報、リプレイタイム中を示す情報、図68の加算数や減算数、ゲームスタート回数等である。また、変換対象の情報としては、入賞に伴ってコインを払出すようにした場合のその払出枚数でもよい。
(37) 上記実施形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322Fの操作))を有効化する有効化手段」を含む。
ここで、前記有効化手段は、たとえば、「P台側で遊技点0を確認してCUへカード排出操作許可ONを送信する手段」、あるいは、「CUからカード返却通知を受信したときに遊技玉数=0か否かを判定し、0の場合にはCUに対してカード返却応答を返信することによってカード返却を有効とする手段」、さらには、「計数操作等が行なわれることによって遊技玉数=0とし、そのことによって結果的にカード返却を有効とする条件を成立させる手段」を含む概念である。
(38) 払出制御部171Fが、一周フラグが立つ値(=63)を受信したとき異常制御処理として、以下のa〜cに列挙するもののうちから1つまたは2つ以上を採用して実行するように制御してもよい。
a 払出制御部171Fまたはその払出制御部171Fから異常情報を受けた主制御部161Fにより、P台2Fの表示器(たとえば7セグ表示器50Fや識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置)により表示する。
b 払出制御部171Fから異常情報を受信したCU3Fにおいてエラー番号等の異常報知を行なう。
c CU3Fから異常情報を受信したホール用管理コンピュータ等の上位装置においてエラー番号等の異常報知を行なう。
(39) 本実施形態では、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する前枠5Fの履歴情報として、前枠5Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、前枠5Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。同様に、本実施形態では、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する遊技盤26Fの履歴情報として、遊技盤26Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、遊技盤26Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。
(40) 本実施形態では、製造メーカや倉庫業者などが出荷・設置や保管などの作業が完了した後に、機歴管理センタ800AFに接続された端末から必要な情報(図53に示す、たとえば、出荷日、設置日時、撤去日、販社名、や廃棄日などの情報)を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、製造メーカや倉庫業者などが申請書類に必要な情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付することで、機歴管理センタ800AF内の入力手段(たとえば、内部端末など)から必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。なお、機歴管理センタ800AFに接続された端末とは、機歴管理センタ800AFに対して直接接続されている端末(たとえば、機歴管理センタ800AFにある内部端末)でも、通信回線を介して接続されている端末(たとえば、インターネットを介して接続された倉庫業者や中古業者などの端末)でもよい。
(41) 本実施形態では、1つの大容量記憶装置8005Fに払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、複数の大容量記憶装置に分けて払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶しても、払出側テーブルを記憶する大容量記憶装置と、主制御側テーブルを記憶する大容量記憶装置とに分けてもよい。また、大容量記憶装置に記憶した払出側テーブルおよび主制御側テーブルは、それぞれセキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を消去することができる。たとえ、ペアのセキュリティチップIDに関連付けられていても、セキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を別々に消去することができる。これにより、使用される期間が異なる前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fに比べて使用される期間が長い)であっても個別に削除することができるので、それぞれ適切に管理することができる。
(42) 本実施形態では、ホール以外の製造メーカや倉庫業者などが機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、ホール自体が機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。
(43) 本実施形態では、中古業者が前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、設置する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報として再販情報を記憶する例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fを設置しているホールと同じグループの別のホール(たとえば、同じ法人コードのホール)に移動する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの単なる移動として移動情報を履歴情報に記憶する(管理状態(ステータス)を「設置」から「設置」)だけでもよい。つまり、同じ法人コードのホール間で、前枠5Fおよび遊技盤26Fの設置が移動しても異常と判定されない。さらに、同じ法人コードのホール間で、かつ同一県内に限り前枠5Fおよび遊技盤26Fの移動を認め、同じ法人コードのホール間でも他県に移動する場合は、再販と同じ処理を行なうようにしてもよい。
(44) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFをたとえば以下のように設定する。機歴管理センタ800AFには、システムに登録されているユーザで、クリア認証で認証されたものをシステムにログインさせる。ログイン時における認証は、(a)指定されたユーザIDがシステムに存在すること。(b)指定されたユーザがアカウント有効期限内であること。(c)指定されたユーザがアカウントロックされていないこと。(d)入力されたパスワードが指定されたユーザIDのパスワードと合致すること。(e)現在がパスワードの有効期間内にない場合は、ログインさせるがユーザ自身のパスワード変更とログアウトのみ利用可能とし、パスワード変更が必要である旨をメッセージ表示する。なお、パスワードが変更された場合は、新パスワードを利用確認してもらうため、ログアウトする。
機歴管理センタ800AFは、認証に成功した場合、そのユーザのログイン失敗回数・連続ログインエラー日時をクリアする。一方、機歴管理センタ800AFは、認証に失敗した場合、そのユーザが実在する場合、ログイン失敗回数を記録する。なお、ログイン失敗回数が[ログイン試行上限回数]に達する都度(整数倍となる場合)アカウントをロックした日時を設定する。
機歴管理センタ800AFは、(a)ユーザを新規に登録した場合、(b)パスワードをクリアした場合、および(c)パスワードをユーザ自身が変更した場合、パスワードの有効期限を更新・設定する。更新・設定したパスワードは、その時点から[パスワード有効期間]経過までを有効とする。
機歴管理センタ800AFは、同一のセッションにおいて、認証を[ログイン試行上限回数]失敗した場合、ログイン画面ではなく、ログインNG画面に遷移し、ログインを試行させない。
機歴管理センタ800AFは、ログイン時に、当該ユーザのパスワードが[パスワード期限切れ警告期間]以内に期限切れになる場合、パスワード有効期限が切れる可能性があることを警告する。なお、当該警告は、たとえばログイン完了画面に表示するが、ログイン完了画面に表示すべきメッセージが無い場合は、ログイン完了画面を表示せず、HOMEメニューに遷移する。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザのログイン失敗回数が[ユーザ無効化ログイン失敗回数]を超えている場合(恒久的アカウントロック状態)、または(イ)アカウントロック日時から[ログイン試行拒否時間]が経過していない場合(一時アカウントロック状態)、アカウントロックする。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザを新規に登録した場合、または(イ)ユーザ情報画面から有効期間の更新を行った場合、アカウントの有効期限を更新・設定する。なお、アカウント有効開始日からアカウント有効終了日までの期間、アカウントを利用することが可能となる。
機歴管理センタ800AFは、一度に生成可能なアカウント生成最大数を初期導入時にたとえば20に設定してある。ここで、[ログイン試行上限回数]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば5回に設定してある。[ユーザ無効化ログイン失敗回数]は、連続したログイン試行失敗で恒久的にアカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば100回である。[ログイン試行拒否時間]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする期間で、初期導入時は、たとえば30分である。[パスワード有効期間]は、パスワード変更した時に設定されるパスワードの有効期間で、初期導入時は、たとえば90日である。[パスワード期限切れ警告期間]は、アカウントのパスワード切れ間近をメッセージ通知する期間で、初期導入時は、たとえば14日である。
なお、機歴管理センタ800AFは、パスワードの最小文字数を初期導入時、たとえば8文字とし、パスワードの使いまわしを防ぐ世代数(現在を含む)を初期導入時、たとえば3世代とする。また、機歴管理センタ800AFは、ユーザ情報を登録するには、該当ユーザの事業者情報が登録されていることを条件とする。事業者情報には、機歴管理センタ800AFの業務に関わる各事業者の業種および住所等の属性情報が含まれる。
機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を、入力後、基本的に取消しすることができず、誤操作等により誤りが生じた場合は、「機歴全体備考欄」にコメントを記載することで他の人がわかるようにする。ただし、誤投入の可能性があるため、遊技機ステータス更新画面より投入するステータスに限り、取消を可能とする。取消を可能とする場合、限られた人のみ取消しの実行を可能とするよう、権限により制御する。また、機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を変更するために機歴を検索する場合、検索対象を最新の遊技機の管理状態(ステータス)のみを対象に検索を行なう。
機歴管理センタ800AFでは、データの種類と種類毎の保持期間をたとえば以下のように管理している。
(1)アカウント関連のデータ(たとえば、事業者情報、アカウント情報など):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(2)遊技機機種等のマスタ情報(たとえば、遊技機機種マスタなど):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(3)機歴管理の根拠となる情報(たとえば、遊技機チップ出荷情報、遊技機出荷情報など):基本的に管理が開始されるまでは変更を可能とするが、以後は編集を不能とし、永続的に管理する。
(4)機歴情報(たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報):基本的にファクト情報の入力であるので、入力後の変更は認めず、永続的に管理する。
(5)カードユニット鍵管理センタから通知された情報(たとえば、不正検知など):システムで検知した情報であるので、変更は認めず、永続的に管理する。
(6)システムへの入力ジャーナル(たとえば、Web入力ログ、オンライン入力ログ、システム連携入力ファイルなど):入力の種類別・ノード別に14日間を保持する。
(7)システムからの出力ジャーナル(たとえば、Web出力ログ、オンライン出力ログ、システム送信ファイルなど):出力の種類別・ノード別に7日間を保持する。
(8)集信・配信の業務的通信の記録(たとえば、配布スケジュールなど):7日間を目途に情報を保持する。
(9)システムテンポラリファイル(たとえば、CSVアップロードファイルなど):アプリケーションの挙動後に削除する。ただし、異常終了時等を考慮してクリーニングバッチで不要と確認されたら削除する。
(10)長期間ステータス更新を行なっていない機種情報(たとえば、長期間ステータス更新を行っていない機種情報など):2世代保持する。
機歴管理センタ800AFでは、管理状態(ステータス)の異常について、更新前の管理状態(ステータス)と更新後の管理状態(ステータス)との関係が異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。そのため、ファイル出力した情報に基づいて、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対して連絡するなどの報知を行ない、正しい管理状態(ステータス)に更新されるように対応することができる。なお、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対しては、連絡を行なうのみでなく、ヒアリングして、正しい管理状態(ステータス)を確認した上で対応を行なってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、現在、管理状態(ステータス)の異常が発生している前枠5Fおよび遊技盤26Fのすべてを対象に、連絡するなどの報知を行なう。また、異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの最新情報(ファイル出力時点)は、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードすることができる。
機歴管理センタ800AFでは、長期間管理状態(ステータス)の更新を行っていない前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報に対して、「廃棄」や「その他」以外の管理状態(ステータス)となっている前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。なお、長期間管理状態(ステータス)の更新が行なわれていない異常については、バッチ処理によりその処理時点の情報を抽出し、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードする。また、ダウンロードする1つのファイルは、最大件数の閾値(初期構築時:10万レコード)が設定してあり、当該閾値を超えた場合は別ファイルに出力を行なう。さらに、ファイルをダウンロードする際、同日に処理を行なった結果をまとめて圧縮ファイルとして出力を行なう。
(45) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFに撤去情報を入力する構成を説明したが、本発明はこれに限られず、中古移動情報、廃棄情報や下取り情報などが機歴管理センタ800AFに入力されると、機歴管理センタ800AF内で自動的に撤去情報が登録される構成でもよい。当該構成とすることで、ホールから撤去されていると推定して遊技機の履歴を管理することができ、ホールから履歴管理システムに撤去情報を入力する負担を軽減することができる。
(46) 本実施形態では、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷した後に、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成を示したが、本発明はこれに限られず、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷する情報が入力された時点で、自動的に機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成でもよい。当該構成とすることで、出荷状態の履歴が登録されずに忘れられてしまうのを防止することができる。
(47) 本実施形態では、遊技機メーカが出荷した封入循環式パチンコ機(P台2F)またはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fを含む遊技機をホールに設置した場合、機歴管理センタ800AFが、P台2Fから通知された遊技機設置情報(稼働情報)を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合している。そして、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりなど、当該異常を報知する。しかし、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常を報知する構成だけに限定されるものではなく、異常と判断したP台2FまたはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fでの遊技を禁止する構成でもよい。なお、機歴管理センタ800AFは、異常と判断した場合でも、一定期間、当該P台2Fでの遊技を暫定的に許可して、ホールの営業行為を妨げないように構成してもよい。
(48) 本実施の形態では、セキュリティ関連情報を払出制御回路171aF内のレジスタに格納する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、通信制御回路171b内のレジスタ(たとえば、データ受信レジスタ723bF)に格納する構成でもよい。これにより、セキュリティ関連情報は、通信制御回路171b内で暗号化されたまま格納されることになり、よりセキュリティ性が向上する。
(49) 本実施の形態では、図64および図65で示したように、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2FであることをP台自体で判断し、判断結果を示すフラグを商用のCU3Fに送信してSC325bFで検知する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2FであることをP台自体で判断し、P台自体で検知して報知する構成でも、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2Fであることを識別IDに基づいてCU3FのSC325bFで判断して検知する構成でもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。