JP5599247B2 - 遊技システム、及び、遊技媒体貸出装置 - Google Patents
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Description
ところで、遊技機においては、遊技に使用可能な遊技媒体が尽きてしまうと遊技が止まる。これは特別遊技状態においても同様であり、遊技媒体の不足によって特別遊技状態の機会を逃してしまうことがあった。そこで、特許文献1記載の遊技機は、特別遊技状態において使用可能な遊技媒体の数が所定値以下となった場合に、対価の支払いがなくても臨時に遊技媒体の貸出を行うことで、遊技媒体の不足による遊技の中断を回避する。このように貸し出した遊技媒体の対価は、その後に賞品として獲得された遊技媒体を払い出す際に、貸し出した遊技媒体と同数の遊技媒体をキャンセルすることで精算される。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機が特別遊技状態である場合に遊技媒体を速やかに貸し出して遊技媒体の不足を回避し、好機を逸することなく遊技を継続できるようにし、かつ、貸し出した遊技媒体の対価を確実に徴収できるようにすることを目的とする。
また、上記構成において、前記遊技媒体貸出装置は、前記前借り処理の後に新たな価値媒体が投入された場合には、この新たな価値媒体に対応付けられた価値情報から、前記前借り処理で貸し出した遊技媒体に対応する価値を減算する構成としてもよい。
また、上記構成において、前記遊技媒体貸出装置は、前記遊技機から移行された貯遊技媒体の数を記憶する貯遊技媒体記憶部を備え、前記遊技機が特別遊技状態であり、前記遊技機が使用可能な遊技媒体の残数が所定以下であり、かつ、前記貯遊技媒体記憶部が記憶する貯遊技媒体の数が所定以下の場合に、前記前借り処理を行う構成としてもよい。
この場合、前記遊技媒体貸出装置は、前記遊技機が遊技媒体を前記遊技媒体貸出装置に移行した場合に、この遊技媒体の数から前記前借り処理で貸し出した遊技媒体の数を減算し、減算後の数を前記貯遊技媒体記憶部が記憶する貯遊技媒体の数に加算してもよい。
この場合、1または複数の遊技者で構成されるグループと、各グループに属する遊技者とを対応付けて管理するグループ管理装置を備え、前記貯遊技媒体管理装置は、前記遊技媒体貸出装置が前記前借り処理で貸し出した遊技媒体の数を、前借り処理時に遊技中の遊技者と同じグループに属する他の遊技者の貯遊技媒体数から減算する構成としてもよい。
また、上記構成において、前記遊技機は操作ハンドルの操作に応じて遊技媒体としての遊技球を遊技盤に発射し、遊技盤に設けられた入賞口に入賞した場合に賞球を発生する弾球遊技機であり、前記遊技媒体貸出装置は、前記遊技機が特別遊技状態であり、前記遊技機が発射可能な遊技球の残数が所定以下であり、かつ、前記操作ハンドルの操作量が前記遊技球の入賞を見込める範囲にある場合に、前記前借り処理を行う構成としてもよい。
さらにまた、遊技媒体貸出装置は、遊技機の前面に位置する表示部を備え、前借り処理を行った場合は前記表示部に、前借り処理により貸し出された前記遊技媒体の数を含む情報を表示してもよい。
図1は、本実施形態に係る遊技サービスシステム1の構成を示す図である。
遊技サービスシステム1は、遊技店舗2に導入されている遊技管理システム3と、サービス提供サーバー群4とを備えている。遊技管理システム3は、遊技機の一例たるパチンコ機5から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット6等を備えて構成されている。サービス提供サーバー群4は、遊技管理システム3に対して各種サービスを提供するサーバー群である。
ベンダー系サーバー群4Aには、遊技機メーカーサーバー12Aと、販社・中古機業者サーバー12Bと、カード会社サーバー12Cと、コンテンツプロバイダーサーバー12Dとが含まれている。
遊技機メーカーサーバー12Aは、パチンコ機5を製造する遊技機メーカーが所有するサーバーであり、販社・中古機業者サーバー12Bは、パチンコ機5を販売する販売会社や中古のパチンコ機5を販売する中古機業者が所有するサーバーである。これら遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bからは、製造、或いは販売したパチンコ機5の識別情報(例えば製造番号)と、認証用情報としての遊技機ID(例えば、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61(図2))が遊技機ID管理センターサーバー13Dに送信され、当該遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理される。
カード会社サーバー12Cは、遊技球の貸し出しに供する後述するプリペイド媒体14を製造販売するカード会社によって利用され、プリペイド媒体の製造番号やシリアル番号の照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、かかる照会サービスを利用することで、偽造等された不正なプリペイド媒体を発見できる。
コンテンツプロバイダーサーバー12Dは、コンテンツを配信するプロバイダーによって利用され、各種コンテンツを配信するサーバーである。コンテンツの例としては、例えば遊技機メーカーによって登録されたパチンコ機5のPR(Public Relations)コンテンツや、遊技性能、遊技方法等の説明コンテンツなどが挙げられる。かかるコンテンツは、遊技管理システム3の例えば各CRユニット6に配信され、後述のタッチ液晶モジュール27などに表示されて遊技者に提供される。
コンテンツ配信データセンターサーバー13Aは、TVや映画などの動画や音楽等のエンターテイメントコンテンツを配信するサーバーであり、かかるコンテンツは、遊技管理システム3の各CRユニット6に配信されタッチ液晶モジュール27などに表示される。
プリペイド管理データセンターサーバー13Bは、遊技店舗2で利用されている各プリペイド媒体14の残価値の記録・照会サービスを提供するサーバーである。また第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cは、遊技店舗2の会員となった遊技者ごとに遊技球の貯玉数の記録・照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、これらプリペイド管理データセンターサーバー13B、及び第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが記録しているデータと遊技管理システム3で管理しているデータとの間の整合性を検証可能になっている。
不正情報監視センターサーバー13Eは、何らかの理由で不正と認められたパチンコ機5の識別情報を照会可能に管理するサーバーであり、遊技店舗が、所有のパチンコ機5が不正なものでないかを不正情報監視センターサーバー13Eに問い合わせて確認できる。
遊技管理システム3は、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット6と、精算機7と、管理コンピュータ群8とを備え、CRユニット6、精算機7及び管理コンピュータ群8のそれぞれが店内LAN9、或いは専用通信線10により通信可能に接続されている。
パチンコ機5は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機5は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体14を購入、或いは、プリペイド媒体14に現金をチャージし、該プリペイド媒体14の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機である。そして、かかるパチンコ機5と、当該パチンコ機5と通信可能に接続され、プリペイド媒体14を読み取る上記CRユニット6と、を備えて遊技システム15が構成されている。この遊技システム15では、パチンコ機5は、CRユニット6と電気的に接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
またパチンコ機本体18の右下には、遊技球を遊技盤16の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル26が設けられている。
遊技球発射ハンドル26は時計回りに回動可能であり、パチンコ機5は、遊技者が操作しない状態における停止位置からの遊技球発射ハンドル26の回動量(操作量)を後述する発射制御基板43により検出し、この発射制御基板43の制御により遊技球を発射する発射機構(図示略)を備えている。この発射機構が遊技球を発射する力は可変であり、発射制御基板43の制御により、検出された遊技球発射ハンドル26の操作量が大きいほど強い弾発力で、遊技球を遊技領域に発射させる。
遊技球発射ハンドル26の操作に伴って発射された遊技球が始動入賞口19を通過したことを契機にパチンコ機5は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器24に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機5は、大入賞口21を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
タッチ液晶モジュール27は、パチンコ機本体18の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット6の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
なお、CRユニット6は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。
CRユニット6は、紙幣挿入口28に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群8と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体14に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット6は、プリペイド媒体14として会員カード14Bが挿入されている場合には、会員カード14Bの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、会員カード14Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード14Bが挿入されていない場合には、CRユニット6は、新規にICコイン14Aを発行するとともに、ICコイン14Aの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、このICコイン14Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体14としてのICコイン14Aが新規に発行される。
精算機7は、プリペイド媒体14の残価値を精算する装置であり、この精算機7には、ICコイン14Aのコイン投入口32及び会員カード14Bのカード挿入口33が設けられている。精算機7は、プリペイド媒体14が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群8に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機7は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群8に通知し、管理コンピュータ群8が、そのプリペイド媒体14の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
遊技台計数管理装置35Aは、いわゆるホールコンピュータ(図示では「ホールコン」)と呼ばれる装置であり、各パチンコ機5での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機5のパチンコ機本体18が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット6への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報をCRユニット6から取得して中枢的に管理する。遊技台計数管理装置35Aは、かかる各種の情報を、パチンコ機5からではなくCRユニット6から取得する。すなわち、遊技台計数管理装置35AとCRユニット6とはパラレル信号線10A、及び/或いはホールコンI/F装置36を中継器に備えたシリアル信号線10Bを介して接続されており、CRユニット6がパチンコ機5から逐次情報を受信して遊技台計数管理装置35Aに出力する。
プリペイド媒体14の残価値は、CRユニット6でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイド管理サーバー35Bは、これらチャージ及び玉貸に応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット6が残価値をプリペイド媒体14にチャージした場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。貸出スイッチ25Aの操作に応じてCRユニット6が玉貸を行った場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体14の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイド管理サーバー35Bには、上述した精算機7が店内LAN9を介して接続されており、精算機7にプリペイド媒体14が投入されると、精算機7がプリペイド媒体14の残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
CRユニット6は、会員カード14Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール27に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード14Bの識別情報の正当性を会員・景品管理サーバー35Dに問い合わせる。ただし、会員カード14Bがビジター会員用である場合には、かかる問い合わせは省略しても良い。CRユニット6は、これらの正当性が会員・景品管理サーバー35Dによって認められた場合に限り、当該会員・景品管理サーバー35Dから貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に表示する。またCRユニット6は貯玉が使用されるごとに会員・景品管理サーバー35Dに貯玉使用数を送信し、これにより会員・景品管理サーバー35Dが当該顧客の貯玉数を減算更新する。
なお、以下の説明では、プリペイド媒体14として遊技者が会員カード14Bを使用して遊技を行うものとして説明する。
同一グループに属するグループメンバーは、互いの貯玉数及び持玉数を、タッチ液晶モジュール27により参照できる。
すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品に交換した場合、当該景品カウンターに設置されたPOS端末を含むPOSシステム37から持玉を交換した旨が、プリペイド媒体14の識別情報とともに持玉管理サーバー35Cに入力され、持玉管理サーバー35Cがプリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。この際、POSシステム37では持玉の貸出単価を反映して景品交換が行われ、POSシステム37から持玉管理サーバー35Cに対して貸出単価ごとに交換した持玉数が入力される。持玉管理サーバー35Cは、貸出単価ごとに景品交換された持玉数を減算する。また、このとき、会員カード14Bを利用して遊技を行った顧客会員が景品交換した場合に、当該顧客会員が交換した景品を会員・景品管理サーバー35Dに記録して管理するようにしても良い。
また、顧客会員が持玉を貯玉に交換するときには、会員・景品管理サーバー35Dに、貯玉数がプリペイド媒体14の識別情報とともに送信され、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて管理されている貯玉数が加算更新され、また同様に第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが管理する貯玉数のデータも更新される。ここで、プリペイド媒体14の識別情報に対応付けて複数の貸出単価ごとに持玉数が管理されている場合には、持玉管理サーバー35Cから会員・景品管理サーバー35Dに対して貸出単価ごとの持玉数が送信され、会員・景品管理サーバー35Dは、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて、貸出単価ごとの貯玉数を管理する。
なお、遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード14Bが持玉管理サーバー35Cに記録されている場合に、当該持玉管理サーバー35Cが会員・景品管理サーバー35Dに記録を転送し、当該会員・景品管理サーバー35Dが管理する会員カード14Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
遊技機ID管理サーバー35Fは、所定のIDとパスワードを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスし、パチンコ機5の識別情報(製造番号等)、遊技機ID、及び出荷先情報を上記遊技機ID管理センターサーバー13Dから取得して管理する。
図2は、遊技システム15の機能的構成を示す図である。
パチンコ機5は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。
遊技機メイン基板40は、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機5は、大入賞口21、始動入賞口19、及び他の入賞口20のそれぞれごとに、大入賞口入賞検知センサ44A、始動入賞口入賞検知センサ44B、及び他の入賞口入賞検知センサ44Cを備え、入賞時には、対応する入賞口の入賞検知センサ44A、44B、44Cから検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。
また遊技盤16には、始動入賞口19、他の入賞口20及び大入賞口21のそれぞれごとに、入賞時に点灯して遊技者に通知する大入賞口入賞通知灯46A、始動入賞口入賞通知灯46B、及び他の入賞口入賞通知灯46Cが設けられており、遊技機メイン基板40は、賞球払出指示信号の出力時に、遊技球が入賞した入賞口に対応する入賞通知灯46A、46B、46Cを1回点滅させる。これにより、遊技者が入賞口への入賞を入賞通知灯46A、46B、46Cの点滅で視覚的に把握できる。入賞通知灯46A、46B、46Cの点滅を把握することで、払出制御基板41の誤動作等の理由により賞球が払い出されなかった場合(遊技機管理発射可能玉数表示灯52の表示が更新されなかった場合)でも、遊技者は、これを速やかに把握できる。
遊技機メイン基板40の抽選により特別遊技状態に移行した場合、遊技機メイン基板40は外部端子出力信号を生成して払出制御基板41に出力する。この外部端子出力信号は、特別遊技状態への移行を示す信号、及び、この特別遊技状態の種類を示す信号を含んでいる。上述のように特別遊技状態には様々な状態があり、それぞれ入賞のしやすさや入賞により見込める賞球数等が異なっている。遊技機メイン基板40は、これらの特別遊技状態を区別可能な外部端子出力信号を生成及び出力する。遊技機メイン基板40が出力した外部端子出力信号は、払出制御基板41及び外部端子板54を経由して、CRユニット6に外部端子出力信号Soutとして出力される。
ここで、このパチンコ機5は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機5の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット6から貸出指示信号が入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果をCRユニット6に返信する。
また払出制御基板41には、球磨制御基板53が接続されている。球磨制御基板53は、パチンコ機5に封入されている遊技球の玉磨機構を制御する基板である。払出制御基板41は、遊技球発射時に打ち出し可能な遊技球が無くならないように球磨制御基板53から玉磨状態を取得しながら制御する。さらに、払出制御基板41には、パチンコ機本体18に設けられた各種センサ(前面扉開放センサ、玉数異常検知センサ等)の検知情報を異常情報として遊技機メイン基板40に出力する。
外部端子板54は、遊技情報を示す外部端子出力信号SoutをCRユニット6に一方向に出力する端子板であり、CRユニット6から外部端子板54への信号入力は禁止されている。外部端子板54から出力される遊技情報は、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41が管理する情報である。この遊技情報には、パチンコ機5での大当たり発生を示す大当たり信号、図柄表示部47での図柄の変動停止を示す図柄停止信号、賞球数を示す賞球信号、アウト玉数を示すアウト玉信号、ファウル玉数を示すファウル玉信号等が含まれている。この遊技情報をCRユニット6が取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数を特定し、また、アウト玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板41とは別に差玉を管理し、また、それらの情報を遊技台計数管理装置35Aに出力する。このCRユニット6により管理される差玉は後述する遊技機管理残玉数記憶部86に記憶され、タッチ液晶モジュール27にも随時表示される。
なお、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが遊技機IDに基づいて暗号キーを生成し暗号通信に用いる構成とした、これに限らず、遊技機ID以外の情報を暗号キー生成のためのシード情報として用いる構成としても良い。この場合、遊技機搭載暗号基板56とCRユニット6との間で共通の暗号キーを用いて暗号通信を可能にするために、暗号キーを生成するためのシード情報を、遊技機メーカーが遊技機ID管理センターサーバー13D、及び遊技機ID管理サーバー35Fを通じてCRユニット6が取得し暗号キーを生成可能にする。
このように、パチンコ機5に設けた各セキュリティチップ60A、60B、60Cが遊技機IDに基づいて生成される暗号キーで暗号通信し、またCRユニット6に設けたセキュリティチップ60Dは遊技機ID管理サーバー35Fから受け取った遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する構成とすることで、暗号キー自体がパチンコ機5及びCRユニット6の間で送受されることがない。
また、遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、払出制御基板41とCRユニット6の導通状態を遮断する等して遊技球の発射を禁止することで強制的に遊技不能状態にする。これにより、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正交換された状態での遊技を禁止できる。
すなわち、先ず、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41に実装されたそれぞれのセキュリティチップ60A、60B、60Cが正規のものか否かを判定することで、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが正規のものか否かを判定し(正規基板判定)、次いで、遊技機メイン基板40の主制御CPU40とセキュリティチップ60Bのペア(対)が正しい組み合わせかを判定する(正規CPU判定)ことで行っても良い。
このように、正規基板判定と正規CPU判定を行うことで、基板の不正交換、並びに、遊技機メイン基板40の主制御CPU40Aの不正交換を確実に検知することができる。
また、遊技機メイン基板40の主制御CPU40とセキュリティチップ60Bのペア(対)の判定(正規CPU判定)は、遊技機搭載暗号基板56が遊技機メイン基板40にCPU固有ID61の返信を要求するときに、セキュリティチップ60Bに記録されたCPU固有ID61も合せて返信するように要求し、両者を比較し、一致/不一致を判定することにより行われる。この場合には、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれのセキュリティチップ60A、60B、60CにCPU固有ID61を記録する必要はなく、遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60BにのみCPU固有ID61を予め記録しておけば十分である。
電源モジュール75は、CRユニット6の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール27にも電力を供給する。また、この電源モジュール75の電力が貸出I/F用電源として、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット6との導通状態を検知する。すなわち、払出制御基板41への貸出I/F用電源の入力を遮蔽することでパチンコ機5とCRユニット6とが非導通状態となり、パチンコ機5での遊技球の発射が禁止される。なお、遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、貸出I/F用電源の供給を検知していれば、パチンコ機5が備える電源を駆動電源として駆動しても良い。
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体14や会員カード14Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群8、及びデータ表示器34とのデータ送受等の制御、パチンコ機5に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体14の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、CPU76Aは、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを、プリペイド残価値記憶部83、貸出装置管理持玉数記憶部84、再プレイ可能玉数記憶部85、遊技機管理残玉数記憶部86として機能させる。
プリペイド残価値記憶部83は、プリペイド媒体14の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体14の投入時、或いは発行時にプリペイド管理サーバー35Bから取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
なお、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納する構成に限らず、例えばプリペイド媒体14に記録されている持玉数や会員・景品管理サーバー35Dで管理されている貯玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納しても良い。
また、遊技機管理発射可能玉数から持玉への移行の契機としては、上記の他にも、例えばタッチ液晶モジュール27に設けた移行操作のためのボタンに対するタッチ操作や、休憩時にパチンコ機5をロックするための休憩ボタンが操作されたときなどが挙げられる。この休憩ボタン操作時のパチンコ機5のロック機能によれば、ロック時には、CRユニット6が貸出指示信号を送信しないようにすることでパチンコ機5での遊技球の貸出動作が行われないようになり、また遊技機管理発射可能玉数が持玉に移行して「ゼロ」にクリアされることで、遊技球を用いた遊技ができない状態(ロック状態)に維持される。
また、貸出装置制御基板68には、パラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aと接続するためのパラレルポート92が設けられており、パラレルポート92からの出力が光MOSリレー等の駆動回路を備えた信号変換器93で信号変換され、パラレル出力用コネクタ94に接続されたパラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aに出力される。
そこで、本実施形態の遊技システム15では、パチンコ機5が特別遊技状態に移行していながら、発射可能玉数もプリペイド残価値記憶部83の残価値も不足している場合に、所定の条件のもとに玉貸を実行できる構成となっている。
CRユニット6は、以下の条件(1)〜(6)が全て成立した場合に、自動的に前借りを実行する。
(1)パチンコ機5が特別遊技状態であり、大入賞口21が開放している。
(2)遊技機管理発射可能玉数記憶部48が記憶している発射可能玉数が所定値以下である。
(3)CRユニット6のプリペイド残価値記憶部83が記憶している残価値が所定値以下である。
(4)遊技球を通常通り発射することで、所定以上の遊技球が大入賞口21を通過すること、及び、所定値以上の賞球を獲得することが期待できる。
(5)遊技球発射ハンドル26の操作量(操作位置)が、大入賞口21周辺に遊技球を発射できる操作量(操作位置)である。
(6)既に実行された前借りのうち、精算されていない前借りの累積回数が、設定された上限回数に達していない。
前借りを実行した場合、CPU76Aは、実行中の前借りの回数を示す前借り実行回数を記憶部87に記憶し、さらに、前借りにより貸し出した遊技球の数(前借り玉数)を記憶部87に記憶する。上記の条件(6)として述べたように、前借りは予め設定された上限回数になるまで、続けて複数回実行可能である。前借りで貸し出された全ての遊技球が精算されると、記憶部87に記憶された前借り玉数及び前借り実行回数がクリアされる。
なお、上記の(1)〜(6)に加え、CRユニット6が管理する遊技者の貯玉(再プレイ使用可能玉数)及び持ち玉が、いずれもゼロまたは所定値(例えば、パチンコ機5への払出の最小単位)未満であることを、条件として加えてもよい。パチンコ機5に対する払出が可能な状況では前借り処理を行う必要性が乏しいためである。
遊技球貸出装置65が備えるCPU76Aは、パチンコ機5からシリアル通信I/F90を介して入力される外部端子出力信号Soutを監視し、パチンコ機5の特別遊技状態への移行を検出すると(ステップS11)、この図3に示す動作を開始する。すなわち、パチンコ機5が特別遊技状態に移行している場合(ステップS11;Yes)、CPU76Aは、記憶部87に記憶されている前借り実行回数を参照し、この前借り実行回数が上限回数より少ないか否かを判別する(ステップS12)。
前借り実行回数が上限回数に達していない場合(ステップS12;Yes)、CPU76Aは、パチンコ機5における発射可能玉数を取得し、この発射可能玉数が、予め設定された基準値Nより少ないか否かを判別する(ステップS13)。CPU76Aは、パチンコ機5から入力される外部端子出力信号Soutに基づいて発射玉数、賞球数及びアウト球数を取得し、これらの数と、パチンコ機5に対して玉貸及び持玉の払出を行った数とを照合することにより、パチンコ機5の現在の発射可能玉数を算出できる。このため、CPU76Aは、パチンコ機5の発射可能玉数は遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶されている発射可能玉数を取得する必要は無いが、パチンコ機5の払出制御基板41が、遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶している発射可能玉数を示す信号をCRユニット6に出力してもよい。
プリペイド残価値が基準値Vより少ない場合(ステップS14;Yes)、CPU76Aは、現在発生している特別遊技状態に対して期待できる入賞数(見込み入賞球数)を取得し、この見込み入賞球数が基準値Rpより大きいか否かを判別する(ステップS15)。見込み入賞球数が基準値Rpより大きい場合(ステップS15;Yes)、CPU76Aは、現在発生している特別遊技状態に対して期待できる獲得賞球数(見込み賞球数)を取得し、見込み賞球数が基準値Rwより大きいか否かを判別する(ステップS16)。
CRユニット6は、入賞数と獲得賞球数の期待値を、予め、特別遊技状態の種類ごとに記憶部87に記憶しており、CPU76Aは、現在の特別遊技状態における入賞数と獲得賞球数の期待値を取得して基準値Rp、Rwと比較することで、精算の見込みが高いか否かを判別する(ステップS15、S16)。この判別を行うことで、前借りの後に賞球を獲得できずに精算できない状態、すなわち徴収不能状態を防止できる。
なお、遊技球貸出装置65が、パチンコ機5から入力される外部端子出力信号Soutに基づいて、入賞数と獲得賞球数の期待値を算出することも可能である。この場合、実際にパチンコ機5が稼働している間に発生する各特別遊技状態について、実際のパチンコ機5の遊技特性を反映した正確な期待値を得ることができ、確実に徴収不能状態を防止し、より適切に前借りを行える。
発射可能玉数の基準値Nは、例えばN=1に設定され、この場合は発射可能玉数が完全にゼロにならなければ前借りが行われないので、前借りの頻度を抑えることができるという利点がある。また、基準値Nを1より大きくした場合には、発射可能玉数が減少傾向にある場合に速やかに前借りが行われるので、遊技者が遊技球発射ハンドル26を操作したまま、特に意識せず前借りが実行され、遊技を切れ目なく継続できるという利点がある。この効果は基準値Nが大きいほど顕著になるが、発射可能玉数が数十発あれば前借りの必要性が小さいということができるので、基準値Nは、例えば50程度を上限とする。
プリペイド残価値の基準値Vは、例えばV=1に設定され、この場合は残価値が完全にゼロにならなければ前借りが行われない。一般的な遊技場では、一回の玉貸の最小単位が設定されている。例えば、単価が4円/玉の場合には500円または1000円が玉貸の最小単位であり、単価が1円/玉の場合は100円が玉貸の最小単位である。プリペイド残価値記憶部83の残価値が上記最小単位金額未満の場合、通常の玉貸は不可能であるから、前借りの対象となる。つまり、基準値Vの具体的な値としては、玉貸の単位金額以下とすることが挙げられる。この場合、通常の玉貸が実行可能な場合は前借りが実行されないので、前借りの頻度を抑えることができる。
また、見込み入賞球数に関する基準値Rp及び見込み賞球数に関する基準値Rwは、いずれも、一回の前借りで貸し出される遊技球によって、この遊技球以上の賞球を獲得できることを示す値であればよい。具体的には、一回の前借りで50発の遊技球を貸し出す場合には、基準値Rp及び基準値Rwは、50発の遊技球を発射した場合に50発以上の賞球獲得が見込める値であればよい。
なお、ステップS15、S16における判別は、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。上記のように、大入賞口21への入賞一回につき獲得できる賞球数は、例えば15個と定められているので、見込み入賞球数または見込み賞球数のいずれか一方が基準値を超えていれば、他方も基準値を超えていると見做すことができる。この場合、判別の回数及び必要な基準値が減るので、処理の高速化を図ることができる。
また、ステップS11〜S17において条件を満たさなかった場合(ステップS11〜S17;No)、CPU76Aは前借りを行わずに本処理を終了する。処理終了後、CPU76Aはパチンコ機5が特別遊技状態か否かの監視を継続し、特別遊技状態であればステップS11から処理を実行する。
ここで、特別遊技状態の種類毎の獲得賞球数の期待値ではなく、特別遊技状態において大入賞口21に入賞させて賞球を獲得するために最小限必要な発射球数の期待値を求め、この期待値を超えるように、前借り処理で貸し出す遊技球を設定してもよい。この場合、一回の前借り処理で貸し出す遊技球の数を、効果的かつ最小限の数に抑えられる。
図4は、前借り処理を実行した後の遊技球貸出装置65の動作を示すフローチャートである。この図4に示す動作は、記憶部87が記憶している前借り実行回数が1以上の場合に実行される。
遊技球貸出装置65が備えるCPU76Aは、パチンコ機5から入力される外部端子出力信号Sout及びパチンコ機5に対して玉貸、持玉の払出及び前借りで貸し出した遊技球の数に基づいて、パチンコ機5の現在の発射可能玉数を算出し、この発射可能玉数が、記憶部87が記憶している前借り玉数にマージンMを加えた値より多いか否かを判別する(ステップS31)。そして、前借り玉数にマージンMを加えた値より発射可能玉数が多い場合(ステップS31;Yes)、CPU76Aは前借り玉数精算コマンドを生成し、払出指示信号と同様の経路でパチンコ機5の払出制御基板41へ送信する(ステップS32)。
前借り玉数精算コマンドは、前借り玉数に相当する分だけ、発射可能玉数を持玉に移行することを指示するコマンドである。払出制御基板41の払出制御CPU41Aは、前借り玉数精算コマンドを受信すると、遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶している発射可能玉数から、前借り玉数精算コマンドとともに受信した前借り玉数と同数の玉数を減算し、持玉に移行すべく持玉移行用の信号を生成してCRユニット6へ送信する。
CPU76Aは、パチンコ機5から持玉移行用の信号を受信するまで待機し(ステップS33)、パチンコ機5から持玉移行用の信号を受信し、この持玉移行用の信号によって前借り玉数と同数の発射可能玉数が移行されたことを確認すると(ステップS33;Yes)、記憶部87に記憶している前借り実行回数及び前借り玉数をクリアするとともに、タッチ液晶モジュール27に表示中の前借り実行回数及び前借り玉数の表示を消去する(ステップS34)。
また、図4に示す処理において、前借り玉数精算コマンドを送信する際に、前借り処理で貸し出した発射可能玉数に手数料相当の玉数を加算した数を、前借り玉数として送信してもよい。この場合も、前借り玉数を精算する際に手数料分を徴収できるので、徴収不能状態の発生によって遊技場が被る損失の一部を補償できる。
例えば、遊技者が遊技を終了する際には、CRユニット6の会員カード14Bの返却スイッチ25Bが操作され、この操作を契機としてCRユニット6から発射可能玉数移行要求コマンドが払出制御基板41に出力される。払出制御基板41は、この発射可能玉数移行要求コマンドを受信した場合、発射可能玉数をCRユニット6に価値移行する決済処理を行い、発射可能玉数をゼロにクリアする。ここで、CRユニット6は、価値移行される遊技球の数から、記憶部87に記憶している前借り玉数を減算し、残りを会員カード14Bの持玉数として記録すればよい。この場合、遊技終了に伴って確実に前借り玉数を精算できる。
仮に、決済処理で価値移行される遊技球の数が前借り玉数に満たない場合には、CRユニット6がタッチ液晶モジュール27にメッセージを表示して、前借り玉数の未精算を報知し、追加のプリペイド媒体14または現金の投入による精算を求めるようにしてもよい。この場合、精算が完了してはじめて会員カード14Bを返却する構成としてもよいし、遊技システム15が設置された遊技場のホールスタッフの操作により会員カード14Bを返却する構成としてもよい。
この図5(A)に示す画面110Aには、会員カード14Bに対応付けられた会員番号や会員カード番号、この会員の再プレイ使用可能玉数が表示される会員情報表示部111と、前借り処理を実行したことを示すメッセージ表示部112と、前借り実行回数および前借り玉数を表示する前借り状況表示部113と、玉貸実行や遊技終了を指示するための操作ボタン114とが配置されている。
画面110Aは、CRユニット6のCPU76Aの制御により前借り処理を実行した後でタッチ液晶モジュール27に表示され、遊技者に前借り処理の内容を知らせる。
また,図5(B)に示す画面110Bは、例えば図4に示す処理により前借り玉数が精算された後に表示され、画面110Bには会員情報表示部111、前借り状況表示部113、及び操作ボタン114の他、前借り玉数が精算されたことを示すメッセージ表示部115が配置されている。
このように、前借り処理が行われた場合は、前借り処理の状況がタッチ液晶モジュール27に表示されるので、遊技者に対して前借り処理及び前借り玉数の精算の実行を報知できる。また、遊技者は、前借り玉数が精算されるまで前借り処理の状況を容易に知ることができる。
具体的には、CRユニット6において前借り処理が行われた場合に、CRユニット6が会員・景品管理サーバー35D及び持玉管理サーバー35Cに問い合わせを行い、遊技中の会員と同じグループのグループメンバーの再プレイ使用可能玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に一覧表示する。ここで遊技者である会員のタッチ操作により、グループメンバーが指定され、前借り玉数の精算が指示されると、指定されたグループメンバーの再プレイ使用可能玉数が減算されて前借り玉数が精算される。再プレイ使用可能玉数の減算は、会員・景品管理サーバー35Dが管理する再プレイ使用可能玉数に反映される。なお、再プレイ使用可能玉数(貯玉数)に限らず、持玉管理サーバー35Cが管理する持玉数により前借り玉数を精算してもよい。
この図6(A)に示す画面110Cは、図5(A)に示した画面110Aと同様、CRユニット6により前借り処理が実行された後にタッチ液晶モジュール27に表示される。この画面110Cには、画面110Bには会員情報表示部111、メッセージ表示部112、前借り状況表示部113、及び操作ボタン114の他、前借り玉数の精算を指示する精算指示ボタン116が配置されている。
画面110Dには、グループメンバーごとに、会員番号、名前、及び再プレイ使用可能玉数を表示するメンバー情報表示部117と、そのメンバーから再プレイ使用可能玉数を借りて精算することを指示する精算実行ボタン118とが配置されている。また、精算指示ボタン116はグレーアウトされている。
同じグループに属する複数のメンバーの再プレイ使用可能玉数が一覧表示された画面110Dを元に、遊技者は、メンバーを選択して操作を行うだけで、そのメンバー(会員)の再プレイ使用可能玉数を借りて、自分の前借り玉数を精算できる。
これにより、パチンコ機5が特別遊技状態に移行し、パチンコ機5の発射可能玉数が所定以下の場合に遊技球貸出装置65からパチンコ機5に対して、前借り処理により、貸出の対価を徴収することなく遊技球が貸し出されるので、発射可能玉数が不足して特別遊技状態の機会を逸することなく、遊技を継続できる。また、パチンコ機5は賞球を遊技球貸出装置65に持玉または貯玉として移行する構成であるため、前借り処理で貸し出した遊技球を遊技球貸出装置65において賞球で精算できる。このため、遊技球貸出装置65が確実に前借り玉数を精算できるので、パチンコ機5が遊技球の精算を行う必要がなく、パチンコ機5の構成を複雑化させる必要がない。
また、遊技球貸出装置65は、遊技球の貸出に使用可能な価値情報であるプリペイド価値に対応付けられたプリペイド媒体14が投入された場合に、このプリペイド価値と引き換えにパチンコ機5に遊技球を貸し出し、貸し出しの対価としてプリペイド価値を減算するものであり、プリペイド残価値記憶部83に記憶しているプリペイド媒体14の残価値が基準値Vより少ない場合に前借り処理を実行する。また、遊技球貸出装置65は、再プレイ可能玉数記憶部85(貯玉記憶部)にパチンコ機5から移行された貯玉(再プレイ使用可能玉数)の数を記憶し、この貯玉の数が所定以下の場合に、前借り処理を行う。これらの構成により、不要な前借り処理の実行を抑えることができる。
さらに、遊技球貸出装置65は、前借り処理の後に新たなプリペイド媒体14が投入された場合には、この新たなプリペイド媒体14のプリペイド残価値により、前借り処理で貸し出した遊技球の対価を精算することも可能である。この場合、前借り処理の後に前借り玉数を超える十分な賞球を得られなかった場合であっても、容易に精算できる。
5 パチンコ機(遊技機)
6 CRユニット
14 プリペイド媒体
15 遊技システム
16 遊技盤
18 パチンコ機本体
27 タッチ液晶モジュール
35C 持玉管理サーバー
35D 会員・景品管理サーバー
40 遊技機メイン基板
41 払出制御基板
43 発射制御基板
48 遊技機管理発射可能玉数記憶部
65 遊技球貸出装置(遊技媒体貸出装置)
76A CPU
83 プリペイド残価値記憶部
84 貸出装置管理持玉数記憶部
87 記憶部
Claims (3)
- 遊技媒体を使用して遊技を実行する遊技機と、前記遊技機に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置とを通信可能に接続した遊技システムであって、
前記遊技機は、遊技中の所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行い、抽選結果に基づいて通常の遊技状態と特別遊技状態とを遷移する一方、抽選結果に応じて獲得された遊技媒体の数を示す移行用信号を出力して、獲得された遊技媒体を前記遊技媒体貸出装置に移行し、
前記遊技媒体貸出装置は、
前記遊技機が特別遊技状態であり、かつ、前記遊技機が使用可能な遊技媒体の残数が所定以下の場合に、遊技媒体の貸出の対価を徴収することなく遊技媒体を前記遊技機に貸し出す前借り処理を行い、
前記前借り処理において、前記遊技機が特別遊技状態に移行した場合に獲得される前記遊技媒体数の期待値に対応する数の遊技媒体を貸し出し、
前記前借り処理の後に前記遊技機から遊技媒体が移行された場合に、移行された前記遊技媒体で前記前借り処理で貸し出した遊技媒体を精算することを特徴とする遊技システム。 - 前記遊技機は、遊技媒体を循環利用する封入球式の遊技機であり、抽選結果に応じて獲得された遊技媒体の排出に代えて遊技媒体を前記遊技媒体貸出装置に移行することを特徴とする請求項1記載の遊技システム。
- 遊技媒体を使用して遊技を実行し、遊技中の所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行い、抽選結果に基づいて通常の遊技状態と特別遊技状態とを遷移する一方、抽選結果に応じて獲得された遊技媒体の数を示す移行用信号を出力して、獲得された遊技媒体を前記遊技媒体貸出装置に移行する遊技機に接続され、前記遊技機に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置において、
前記遊技機が特別遊技状態であり、かつ、前記遊技機が使用可能な遊技媒体の残数が所定以下の場合に、遊技媒体の貸出の対価を徴収することなく遊技媒体を前記遊技機に貸し出す前借り処理を行い、
前記前借り処理において、前記遊技機が特別遊技状態に移行した場合に獲得される前記遊技媒体数の期待値に対応する数の遊技媒体を貸し出し、
前記前借り処理の後に前記遊技機から遊技媒体が移行された場合に、移行された前記遊技媒体で前記前借り処理で貸し出した遊技媒体を精算することを特徴とする遊技媒体貸出装置。
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