以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態に係る管理システム、および端末装置を以下に説明する。特に、管理システム、および端末装置の例示として電子マネーを用いた決済管理システム(例えば、遊技に使用可能な電子マネーを決済する決済管理システム)、および端末装置(例えば、パチンコ遊技機に接続されたカードユニット)について説明するが、もちろん同様の構成を提供することが可能な管理システム、および端末装置であれば特に適用を制限するものではない。例えば、買い物などで付加されるポイントが記録される会員カードを受付ける端末と、当該ポイントを管理する管理システムなどが考えられる。
<パチンコ遊技機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行なう呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図4参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
パチンコ玉の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域をパチンコ玉が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
P台2は、CU3を側方位置に設置することでCU3から伸びる表示器54をP台2の前面に設けた接続面54aに嵌合させる。そのため、P台2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。また、表示器54は、裏面に設けた接続端子(図示せず)をP台2の接続面54aに設けた接続端子54bに接続することでP台2に嵌合させている。このように、CU3の表示器54をP台2の接続面54aに嵌合させる構成であれば、CU3とP台2とをより強く連結することができ、不正を防止することができる。さらに、表示器54との連結係止を、ガラス扉6または打球操作ハンドル25が設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、不正をさらに防止することができる。なお、表示器54は、図1に示すようにCU3と一体に形成されP台2の接続面54aに嵌合させる構成だけに限定されず、CU3から独立して形成されP台2の前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台2の接続面54aの上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171によって制御される。この遊技玉数表示器29により、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2における遊技玉数表示器29の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合に比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の前枠(遊技枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、前枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図4参照)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU3の前面側には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
CU3の前面側には、さらに、後述する電子決済システムで用いる電子決済カード502を受付けるための電子マネー受付部330が設けられている。電子マネー受付部330は、電子決済カード502に記録されている情報を読出し、書込むことが可能である。例えば、電子決済カード502にはICチップが搭載され、電子マネー受付部330は、近距離無線通信により当該ICチップの情報を読出したり、当該ICチップに情報を書込んだりする。なお、電子決済カード502および電子マネー受付部330は、当該構成に限定されるものではなく、例えば、電子マネー受付部330は、電子決済カード502のICチップに対して電気的に接触させて当該ICチップの情報を読出したり、当該ICチップに情報を書込んだりしてもよい。また、以下で説明する電子マネー受付部330は、電子決済カード502をかざすことで、電子決済カード502に記録されている情報を読出し、書込むことができる。しかし、電子マネー受付部330は、当該構成に限定されるものではなく、例えば、電子決済カード502に記録されている情報を読出し、書込む際に、電子決済カード502を固定してもよい。電子決済カード502を固定する方法として、電子マネー受付部330に挿入口を設け、当該挿入口に電子マネー受付部330を挿入して固定する方法、電子マネー受付部330に保持部材を設け、当該保持部材で電子マネー受付部330を固定する方法などがある。さらに、電子マネー受付部330は、電子決済カード502に記録されている情報を読出し、書込む期間のみ電子決済カード502を固定しても、遊技期間(例えば、返却操作が行われるまでの期間)、電子決済カード502を固定してもよい。
次に、図2を参照して、P台2は、額縁状の外枠4に対して、前枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前枠5における揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないバネによって下方向に押圧されている。一方、外枠4の係合突起6a、6bに対向する位置に、係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の前枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でバネの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、前枠5が開放される。
さらに、前枠5にはガラス扉6用の係合突起8も設けられており、その係合突起8に対向するガラス扉6部分には、係合穴9が設けられている。係合突起8は、図示しないバネによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6を前枠5に押付けることにより係合穴9の下縁部分によって係合突起8が押上げられて乗越えることにより、バネの付勢力により係合突起8が押下げられ、係合突起8と係合穴9とが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、バネの付勢力に抗して係合突起8が引上げられ、係合突起8と係合穴9との係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6が開放される。
前枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に前枠開放検出スイッチ13が設けられており、前枠5が開放されたことが検出される。また、前枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分にガラス扉開放検出スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこのガラス扉開放検出スイッチ12により検出される。
ガラス扉開放検出スイッチ12および前枠開放検出スイッチ13の開放回数は、図示しない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6や前枠5の開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず前枠5を開放して前枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行なうためには、前枠5を開放する必要があるため前枠開放検出スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず前枠開放検出スイッチ13で検出することができる。
さらに、前枠5の裏面に、払出制御基板(枠制御基板)17が設けられている。払出制御基板17も、まず前枠5を開放してから、前枠5の裏面より取外す必要がある。よって、前枠5の裏面より払出制御基板17を不正に取外す、または払出制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず前枠開放検出スイッチ13で検出することができる。
次に、遊技盤26を前枠5に設置する構成について説明する。図3は、遊技盤26が前枠5に取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図3に示すように前枠5の裏面には、取付機構34a、34bがそれぞれヒンジ35a、35bを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34a、34bは、コの時型をしており、遊技盤26に対応した幅の底を持つ。遊技盤26を前枠5に対して図3(b)の矢印方向に押し込むことで、図3(a)に示すように遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定される。遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ32が前枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33と結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33は、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26を前枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタ32が凹型ドロアコネクタ33と結合することで、遊技盤26側の主制御基板16と、前枠5側の払出制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33はある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34a、34bを設けず、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33のみで、遊技盤26を前枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と前枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ32は、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主制御基板16に接続され、凹型ドロアコネクタ33は、信号ケーブル36を介して、図2に示す払出制御基板17に接続されている。
<カードユニットとパチンコ遊技機との構成>
図4は、CU3とP台2との構成を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801(図5参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323には、P台2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、CU3のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU3側のセキュリティ基板325とP台2側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800(図5参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU3の前面に設けられる表示器312および図1に示すようにP台2の前面に配置されている表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。なお、表示器54に送信される表示用データは、まず中継基板14に入力される。表示器312および表示器54には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
CU制御部323は、電子マネー受付部330およびカードリーダライタ331と接続され、電子マネー受付部330およびカードリーダライタ331の動作の制御を行っている。電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざすと、電子決済カード502に記録されている情報を電子マネー受付部330で読出してCU制御部323に入力し、電子決済カード502に書込む情報をCU制御部323が出力する。具体的に、電子マネー受付部330は、電子決済カード502に記録されている認証鍵と、CU制御部323に記憶されている認証鍵とに基づく認証処理により通信が許可された場合に、電子決済カード502に記録されている電子マネーの金額の情報を読出したり、書込んだりすることができる。また、電子決済カード502は、電子マネーの金額の情報が直接に記録されておらず、CU制御部323と通信可能なサーバに記憶されている電子マネーの金額の情報にアクセス可能なID情報が記録されている場合でもよい。電子決済カード502に当該ID情報のみが記録されている場合、電子マネー受付部330は、ID情報を電子決済カード502から読出し、読出したID情報を用いてCU制御部323がサーバにアクセスすることで、電子決済カード502の電子マネーの金額の情報を特定することができる。
カードリーダライタ331は、会員カードまたは一般カードから情報を読取ったり、会員カードまたは一般カードに情報を書込んだりするための装置である。カードリーダライタ331が読取ったカードに記録されている情報は、CU制御部323に入力され、カードに書込む情報はCU制御部323から出力される。なお、遊技者がカード挿入/排出口309にカードを挿入することなく入金操作(例えば、現金による入金、電子決済カード502の電子マネーによる入金など)により遊技を開始している場合に、遊技に使用しなかった残額や残った持玉は、CU3に予め格納されているストックカード332に記録して一般カードとして返却することも可能である。もちろん、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざして、遊技に使用しなかった残額や残った持玉を電子決済カード502に記録してもよい。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
演出制御基板15は、CU3の中継基板14を介して、表示器54とも接続されている。演出制御部151は、可変表示装置278に対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278の表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。なお、中継基板14および表示器54は、P台2側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2側の演出制御基板15は、CU3を介さずに直接P台2側の中継基板14と接続される。
払出制御基板17は、前枠5に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33A、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33Aからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
CU3のセキュリティ基板325とP台2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
前枠5には、払出制御基板17の他、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠5に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。払出制御基板17の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射装置の発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
発射強度センサ19は、発射モータ18によるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19は、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19の検出結果は、発射制御基板31経由で払出制御基板17およびCU3に出力される。
P台2の前面には、CU3から伸びた表示器54および中継基板14が設けられている。表示器54は、中継基板14を介してCU3の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板14を介して演出制御基板15からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14には演出制御基板15および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板15または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台2の前面に設けられるCU3から伸びた表示器54をCU3側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台2側に表示器54を設けCU3側から表示制御できるように構成しても、P台2側に表示器54を設けP台2側で表示制御できるようにP台2側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<パチンコ玉の循環経路>
ここでは、図1および図4を参照して、P台2におけるパチンコ玉の循環経路を概説する。
遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射モータ18が駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉が打球ハンマーにより弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171が設けられている払出制御基板17(図4参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
遊技領域27に打込まれた玉のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチ701によって検出される。ファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチ33Aによって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ903が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ903によって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ903は、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ18により弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、発射玉検出スイッチ903の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘等の間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判断できる。
<カードユニットおよびパチンコ遊技機に発生した異常の通知処理>
図5は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図5を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図5の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図5に示される鍵管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、CU3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。なお、セキュリティ基板325は、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路326を介してパラレル信号で払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨をPIF回路326を介して払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、PIF回路326を介してセキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とパチンコ遊技機側との送受信態様>
次に、図6は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図6を参照して、CU(カードユニット)3側とP台(パチンコ遊技機)2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図6では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ遊技機)2とCU(カードユニット)3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
CUおよびP台の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CUおよびP台の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。P台2側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3がP台2に対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3のみが有する。CU3は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3のみが有する。CU3は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をP台2へ送信する。P台2は、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はP台2のみが有する。P台2は、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3へ送信する。CU3は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、P台2およびCU3のそれぞれが、またはP台2が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
P台2側からCU3側へは、最新遊技機情報(カウント中の遊技機情報)が送信される。この最新遊技機情報は、P台2側の払出制御部171(図4参照)のRAMの最新遊技機情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技機情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技機情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口154を通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技機情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技機情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技機情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技機情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技機情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図6に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図4参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図4参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチンコ遊技機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図7を参照して、CU(カードユニット)3とP台(パチンコ遊技機)2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図7には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU3からP台2に対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、P台2からCU3に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ情報を通知するものである。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU3からP台2に対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2に対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2からCU3に対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3に対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU3からP台2に対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、P台2からCU3に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して通信開始を応答するものである。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU3からP台2に対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、P台2からCU3に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して通信終了を応答するものである。
<<9.状態情報要求>>
CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を要求するものである。CU3はこのコマンドを使用して、P台2の状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図6に示したCU3側からP台2側へ向かう加算玉数が含まれている。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、P台2からCU3に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図6に示した最新遊技機情報や遊技玉数が含まれている。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2に対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、P台2からCU3に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2に対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「カードID」は、CU3に挿入されたICカードの識別ID情報であり、P台2が保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU3のカード挿入/排出口309(図1参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、P台2保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU3が設置されている店舗識別コードであり、P台2が保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU3が店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU3は、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325より情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3を識別するためのSC基板IDであり、CU3が交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325より情報付加してP台2に通知する。P台2の払出制御部171は、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。なお、「店舗コード」および「SC基板ID」はユーザプログラム側に通知せず、払出制御回路内で削除される。
カード挿入応答のレスポンスは、CU3に対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード挿入/返却通知時のP台2の動作について説明する。まず、CU3のカード挿入/排出口309に会員カードまたは一般カードが挿入されるか、一般0円0玉カードへの入金が行なわれるかすることで、カード挿入通知としてP台2に対してカードIDやカード挿入時刻などの情報が通知される。P台2は、カード挿入通知があると当該カードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップする。ただし、カード挿入通知コマンドを受信し、且つCU3の状態がカード挿入中状態(CU状態のBit0=1)の情報を含む状態情報要求を受信した場合(P台2でカード挿入中状態と判断する場合)、P台2はカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する。また、CU3のカード返却ボタン322が押下されると、P台2に対してカード返却通知が行なわれ、P台2はバックアップしてあるカードIDやカード挿入時刻などの情報をクリアする。なお、カード挿入中状態が解除される条件は、P台2がカード返却通知コマンドを受信した時である。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU3からP台2に対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、P台2からCU3に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するもので、CU3が、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3は、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のP台2の動作について説明する。カード挿入通知時に、CU3で会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行なうと、P台2はカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行なう。カード返却通知時に、CU3で「カード返却」ボタンの押下の操作を行なうと、P台2はカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行なう。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU3からP台2に対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、P台2からCU3に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを応答するものである。
<<17.計数履歴要求、18.計数履歴応答>>
CU3からP台2に対して計数履歴要求のコマンドが送信される。この計数履歴要求のコマンドは、P台2に対して計数履歴を要求するものである。この計数履歴要求に対応して、P台2からCU3に対して計数履歴応答のレスポンスが送信される。この計数履歴応答のレスポンスは、CU3に対して計数履歴を通知するものである。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3とP台2との間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3を1次局、P台2を2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とP台2との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2からCU3へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2は、遊技玉数の変化量を細やかにCU3に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3がP台2に対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをP台2に送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2に送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2に再送する。14回目の再送を行なってもP台2からレスポンスを受信できなかった場合、CU3は3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3のコネクタとP台2のコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2の電源断などの原因が考えられる。CU3は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<P台側の通信回線断検知>>
P台2側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3からP台2へコマンドが送信され、P台2ではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。その後CU3からのコマンドがP台2に送信されてこない状態が3秒間継続した場合、P台2は通信断と判断し、発射モータ18の駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3のコネクタとP台2のコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3の電源断などが考えられる。
なお、P台2側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図8に示すシーケンス処理は、CU3とP台2との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2では発射モータ18を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=255を含む計数履歴要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、通番=255、履歴の有無を示す計数履歴結果、記憶している計数履歴1および計数履歴2のデータを含む計数履歴応答のレスポンスをCU3に返信する。次に、CU3は、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリ情報を要求する。P台2は、CU3より通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2は、前回最終送信計数通番を参照して、CU3が計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3が計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2は、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技機情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技機情報を使用してCU3の加算リカバリ処理を実施する。CU3は、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2に対して、リカバリ要求2をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2が加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2から通知された時に通番をバックアップする。P台2は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3に通知する。P台2はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、CU3は、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、状態情報要求のコマンドには、玉単価の情報が含まれる。当該玉単価がP台2に送信されることで、P台2は遊技玉が1玉4円で遊技を行なっているのか、1玉1円で遊技を行なっているのかを認識することができる。また、状態情報要求のコマンドは、前述したように200ms周期で送信されるため、遊技玉が発射させる600msの周期の間に最大3回玉単価の情報をP台2に送信することが可能である。そのため、P台2で遊技する遊技玉の1玉ごとに玉単価を変更することが可能となる。玉単価を少数単位(たとえば1玉単位)の遊技玉ごとに管理することが可能となれば、遊技者の要望(たとえば、小額でゆっくり遊技を行ないたい要望や、短時間に残りの遊技玉数を消費したい要望など)にあわせた多彩な遊技を提供することが可能となる。以降に説明するCU3からP台2に送信される状態情報要求のコマンドにも玉単価の情報が含まれるが、説明するシーケンスの内容に当該玉単価の情報が直接関係ない場合は特に明記しない。
P台2は、それを受けて、遊技機情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2は、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスには、玉単価の情報が含まれない。これは、現在P台2で遊技している玉単価の情報を不正に変更してCU3に送信し、CU3で管理している遊技玉の玉単価に対して不正を行なうことを防止している。これにより、遊技用システムのセキュリティを向上させることができる。
CU3は、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3およびP台2の処理について説明する。図9に示すCU3は、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3で記憶してもよい。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か(例えば、暗証番号によるパスワード認証など)、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801に問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにP台2側の表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2側の表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323のRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325を通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信することで、遊技許可中である状態をCU3に対して通知する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3は、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2に記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2では、それを受けて受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2でのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2は、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323のRAM等に記憶しない。これにより、カード挿入中にカードIDを意図的にP台2へ送信されて、P台2で記憶しているカードIDを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
図10は、CU3にカードが挿入されたときにCU3が実行する挿入時処理を示すフローチャート図である。本実施の形態において破線で示すステップは変形例の制御内容を示している。また、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図10において、S1〜S7の各ステップはCU3が実行する。またS8〜S10、S12〜S15はP台2が実行する。より具体的には、S8〜S10、S12、S13、S15の削除処理は、P台2に設けられている演出制御基板15が実行し、S14とS15の送信処理は、演出制御部151が設けられた演出制御基板15が払出制御部171へ送信して払出制御部171がCU3へ送信する。
まずCUは、ステップ(以下単にSという)1により、中断中であるか否かの判定を行なう。この中断中であるか否かは、中断操作が行なわれて遊技中断のシーケンスが実行されたか否かにより判断する。中断中である場合には、S2により、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致するか否か判定し、一致しない場合にはS5によりその挿入されたカードを排出して待機中へ移行する。なお、図10では上記「種別」の図示を省略している。
一方、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致する場合には、中断操作した遊技者が再びその遊技機に戻ってきて遊技を開始したと判断されるために、制御がS4へ進み、中断状態を解除し、S6により遊技を再開する処理が実行される。
一方、S1により中断中でないと判断された場合には、S3aで既にカードが挿入中であるか否かの判定を行なう。この挿入中であるか否かは、カード挿入/排出口309に設けてあるカードリーダがカードを受け付けているか否かにより判断する。S3aにより挿入中でないと判断された場合には、挿入されたカードのC−IDと種別を記憶するとともにP台2へ送信する処理がS3により行なわれる。P台2では、そのC−ID,種別を受信し、その受信したC−IDおよび種別とバックアップエリア(たとえば、図4に示す演出制御基板15に設けたバックアップデータ記憶部)に記憶されているC−IDおよび種別とを比較する(S8)。そしてS9によりその比較結果が一致するか否か判定し、一致しない場合には、離席した遊技者とは異なる遊技者が遊技を開始したと判断し、この挿入時処理のサブルーチンプログラムが終了する。
S3aにより挿入中であると判断された場合には、挿入中のカードのC−IDおよび種別と異なるC−IDおよび種別がCU3やP台2に上書き記憶されるのを防止するために、S3での処理をスキップする。
このように、遊技者特定情報(C−ID)を記憶する遊技者特定情報記憶手段(現遊技者遊技履歴データ記憶部)と同一判定処理を行なう同一判定手段(S8、S9)とが遊技機の表示制御手段(演出制御部151が設けられた演出制御基板15)に設けられているために、通信手段側(払出制御部171側)には同一判定処理機能を設けなくて事足り、表示制御手段を有する遊技機と表示制御手段を有しない遊技機との間で共通の通信手段を使用でき、通信手段の少品種大量生産か可能になる。
なお、変形例の制御内容として、S15とS7との処理を行なってもよい。S15により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)に記憶されている遊技履歴データとC−IDおよび種別とをCU3へ送信した後削除する。CU3では、それを受信して、受信したデータをホールサーバ(上位サーバ)801へ送信する。ホールサーバ801では、その受信した遊技履歴データとC−IDおよび種別とをバックアップ記憶する。
一方、S9により一致すると判定された場合にはS12へ進み、バックアップエリア(バックアップデータ記憶)の遊技履歴データを現エリア(たとえば、図4に示す演出制御基板15に設けたバックアップデータ記憶部)に戻し、その遊技履歴データから新たに遊技履歴データの加算更新を開始する。
なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理を行なってもよい。S9でYESの場合には、制御はS10へ進み、前回のカードが排出されてから所定時間(たとえば20分間)経過したか否かの判断がなされ、経過していないS10により所定時間が経過していると判断された場合には、S13により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)の遊技履歴データとC−IDおよび種別とを削除する処理がなされる。また、S12の後、S14により、遊技者が同一である旨の通知をCUへ送信する。なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理およびS15、S7の処理を全て行なうように制御してもよい。
カードIDおよび挿入時刻の上書き(更新)する条件についてさらに詳しく説明する。前述したようにカードIDおよび挿入時刻は、カード挿入中には更新することを禁止されている。この禁止する条件として、カード挿入通知のコマンドと状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態との関係について図を用いて説明する。図11は、カード挿入通知のコマンド、状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態、およびカードの挿入状態の関係を説明するための概念図である。
まず、図11(a)では、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信する前に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。図11(a)に示す状態(1)はカード挿入待ち状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信しておらず、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2は、CU3がカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
次に、図11(a)に示す状態(2)はカード挿入準備状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信していないが、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合も、P台2は、CU3がカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。図11(a)に示す状態(3)はカード挿入中状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信して、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合、P台2は、CU3がカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。
次に、図11(a)に示す状態(4)はカード返却準備状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2が受信していないが、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2は、CU3がまだカードを返却しておらずカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。図11(a)に示す状態(5)はカード返却状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2が受信して、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2は、CU3がカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
図11(b)では、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信した後に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。図11(b)に示す状態(1)’はカード挿入待ち状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信しておらず、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2は、CU3がカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
次に、図11(b)に示す状態(2)’はカード挿入準備状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信したが、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合も、P台2は、CU3がカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。図11(b)に示す状態(3)’はカード挿入中状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2が受信して、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合、P台2は、CU3がカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。
次に、図11(b)に示す状態(4)’はカード返却準備状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2が受信していないが、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2は、CU3がまだカードを返却していないとしてカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。図11(b)に示す状態(5)’はカード返却状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2が受信して、CU3から送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2は、CU3がカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
このように、カードIDおよび挿入時刻の上書き(更新)する条件を限定することで、カードIDなどを意図的にP台2へ送信して、P台2で記憶しているカードIDなどを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図12に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3は、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3は、玉貸ボタン(貸出ボタン)321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させる。
次に、CU3は、P台2に対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3は、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3は、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2は、CU3に対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図13では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319を押下すると、CU3は、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319を押下する操作がなされた段階でCU3側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3は、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2に通知する。具体的に、CU3は、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3は、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2は、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図14では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3からP台2へ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図14では、挿入された記録媒体(会員カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3は、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3から送信された通番nに対して、P台2から通番n+1が返信されている。CU3から送信された計数通番mに対して、P台2からは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28を押下する。この図14では、計数ボタン28を1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3からP台2へ送信されている。
P台2は、計数ボタン28の操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2は、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてP台2側の表示器54を表示制御する。その結果、表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、P台2に対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2は、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を800から700に更新する。この段階で、P台2は計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2は2度目の計数要求をCU3へ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でもP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、P台2に対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2は計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3へ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3へ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3は、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3は、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2へ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(自動計数)>>
閉店時、カードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っている場合、店員が遊技玉の残っているP台2を回り1台1台に店舗カードを挿入して計数操作を行なって残った遊技玉を回収する必要があり、閉店時の作業が煩雑であった。また、従来のように物理的な遊技玉が払出される遊技機とカードユニットとの構成であれば、残った遊技玉を回収してカードユニットをリセットする作業を行なうだけで閉店時の作業を行なうことができる。しかし、本実施の形態のようにP台2とCU3とが相互認証して通信を行ない遊技玉(遊技点)を管理する構成では、カードユニットを単にリセットする作業だけでは残った遊技玉を回収することができず閉店時の作業を行なうことができない。そこで、図15を参照して、閉店時の遊技玉の自動計数処理について説明する。
図15は、遊技場が閉店した時に自動的に行なう計数処理を説明するためのシーケンス図である。まず、CU3は、カード持玉=0玉でストックカードが無い状態である。一方、P台2は、遊技玉=50玉でCU3にカードが挿入されていないことを認識している。そして、CU3は、通番=n、CU開店状態=ON、カード挿入状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3およびP台2が設置されている遊技場において閉店が設定されたときに、カードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っていると判断すると、以下に説明する処理を行なう。なお、カードが挿入されていないことは、状態情報要求のコマンドに含まれるカード挿入状態=OFFの情報から判断することができ、P台2に遊技玉が残っていることは、状態情報応答のレスポンスに含まれる遊技玉数=50の情報から判断することができる。
CU3は、通番=n+1、カードID=0、カード挿入時刻=0を含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。つまり、仮想カードであるカードID=0のカードが、CU3のカードリーダにカード挿入時刻=0に挿入されたことをP台2に対して通知する。このように仮想カードがCU3に挿入されるので、店員が遊技玉の残っているP台2を回り1台1台に店舗カードを挿入する作業が不要になる。これを受けてP台2は、CU3にカードが挿入されたと認識して以下の処理が実行される。それを受けて、P台2は、通番=n+1を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、CU3はP台2に対して、CU開店状態OFFを通知する。具体的には、通番=n+2、CU開店状態=OFF、カード返却準備状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求をP台2へ送信する。
なお、遊技場における閉店設定は、たとえば、当該遊技場に設置されているホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801から各CU3へ閉店する旨の閉店コマンドを一斉配信することによりCU制御部323が遊技場での営業の終了を判定して行なわれる。具体的には、ホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801を係員が閉店操作することにより、各CU3へ閉店する旨の閉店コマンドが一斉配信される。また、ホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801に閉店時間を設定記憶させておき、その閉店時刻になれば自動的に各CU3へ閉店コマンドが一斉配信されるように制御してもよい。他の方法としては、店員による営業終了のリモコン操作によって営業終了信号をIR感光ユニット320に送信し、CU制御部323が遊技場での営業の終了を判定するようにしてもよい。さらなる他の方法としては、各CU3に時計機能を設け、閉店時間(たとえば10時)である場合にその閉店時間の所定時間(たとえば20分)経過後の時間(たとえば10時20分)が時計機能により計時されたときに、各CU3からCU開店状態=OFFを含む状態情報要求をP台2へ送信するように制御してもよい。
それを受けたP台2では、通番=n+2、現時点における遊技玉数=50、受信した計数通番mに対して「1」加算更新したm+1の計数通番、計数玉数=50および計数要求=ONを含む状態情報応答をCU3へ送信する。つまり、P台2は、CU3に対して残っている遊技玉の計数を要求するため、遊技玉数=50、計数受付要求、および計数通番カウントアップの情報をCU3に通知し、前回最終送信計数通番更新、および計数玉要求状態ONの情報をバックアップする。
それを受けたCU3は、P台2から送られてきた計数玉数=50を持玉数に加算する。なお、持玉数に加算した計数玉数=50は確定しておらず、CU3は、現時点の持玉数=0としたまま、前回最終送信計数通番更新の情報をバックアップする。そして、CU3は、計数玉受け取りを通知するため、P台2へ返信する。具体的には、通番=n+3、CU開店状態=OFF、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1、および計数応答=ONを含む状態情報要求をP台2へ送信する。P台2から受け取った計数玉は、仮想カードであるカードID=0、カード挿入時刻=0のカードの持玉数としてCU3の記憶手段(たとえばRAMなど)に記憶させる。
それを受信したP台2では、計数玉数を遊技玉数から減算して(遊技玉数=50−計数玉数=50)、遊技玉数=0の表示を行なう。そして、P台2は、計数玉数を遊技玉数から減算し、残った遊技玉が無く(遊技玉数=0)計数要求が不要である状態(計数要求状態OFF)を通知するため、通番=n+3、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答をCU3へ送信する。
残った遊技玉をすべて計数した場合、CU3に挿入されている仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)を返却する処理が行なわれる。具体的に、CU3は、仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)を返却したことをP台2に通知するため、通番=n+4を含むカード返却通知をP台2へ送信する。これを受信したP台は、CU3に挿入された仮想カードが返却されたと認識し、通番=n+4、カードID=0、およびカード挿入時刻=0を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に送信する。
次に、CU3は、CU状態がカード挿入状態=OFFになったことをP台2に通知する。具体的にCU3は、通番=n+5、およびカード挿入状態=OFFを含む状態情報要求をP台2へ送信する。これを受けて、P台2は、通番=n+5、遊技玉数=0、計数通番=m+1、および計数玉数=0を含む状態情報応答をCU3に送信する。
このように、遊技場における閉店時の計数処理の場合には、店員がカードを挿入して計数ボタン28の押下操作を行なうことなく、自動的に計数処理が実行されるとともに、残った遊技玉数のすべてが一括して仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)の持玉数に計数されCU3の記憶手段に保管することができる。なお、CU3は、残った遊技玉数を計数した持玉数を、P台2またはCU3の識別情報とともにホールサーバ801に送信してもよい。ホールサーバ801では、CU3から送られてきた持玉数を日付、P台2またはCU3別に記憶しておくことで、後日、当該持玉を遊技者に返却することが可能になる。また、CU3は、閉店直前に挿入されていたカードIDを、計数した持玉数(残った遊技玉)と関連付けてホールサーバ801に送信してもよい。残った遊技玉は、閉店直前に挿入されていたカードIDの遊技者の遊技玉である可能性が高いため、計数した持玉数の持ち主を特定する作業を軽減することができ、後日、計数した持玉数を遊技者に返却することがさらに容易に行なうことができる。
前述の実施例では、カードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っている場合の閉店処理を説明したが、カードが挿入されている場合の閉店処理は後述する「遊技玉計数(カード返却)」(図17参照)の処理と同じ処理が実行される。ただし、残った遊技玉の計数処理について、店員が計数ボタン28の押下操作を行なって計数処理しても、閉店設定により自動的に計数処理してもよい。いずれにしても、カードが挿入されている場合、閉店処理によりカードが返却され抜き取り待ち状態となるので、当該カードを店員が回収する必要がある。
<<計数履歴処理>>
次に、P台2で記憶する計数履歴データの処理について説明する。図16は、P台2で記憶する計数履歴データの処理を説明するためのシーケンス図である。図16では、当初の遊技玉数が600玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n(図示せず)、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、当該状態情報要求のコマンドを受信する前に送信した状態情報応答のレスポンスから、当該状態情報要求のコマンドに対するレスポンスを送信するまでの間に、遊技者が計数ボタン28を操作して計数処理が開始される。
すると、P台2では、通番=n(図示せず)、遊技玉数=600、計数通番=m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ここで、P台2では、計数要求がOFF状態からON状態へ変化するので計数履歴の処理が開始される。具体的には、P台2は、計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの間にP台2側から計数要求玉数としてCU3側に払出した遊技玉数の履歴を1回分の計数履歴として記憶する。すなわち、複数回の計数要求がある場合には、1回目の計数要求として計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴を1回目の計数履歴として記憶する。その後、2回目の計数要求として次に計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴は、2回目の計数履歴として記憶される。なお、計数ボタン28を押下している期間にもよるが、計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの間には、複数の計数要求ON状態を含む状態情報応答のレスポンスがCU3に返信されている。記憶する計数履歴の中には、計数要求時の「カードID」、CU3からの計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」、計数要求OFF状態までに払出した計数玉数の累積数「累積計数玉数」および計数終了時の「遊技玉数」の情報を含んでいる。
次に、CU3は、通番=n+1(図示せず)、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台2は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し500玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29の表示を600から500に更新する。さらに、遊技者による計数ボタン28の操作が継続している場合、P台2は、通番=n+1(図示せず)、遊技玉数=500、計数通番=m+2、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。次に、CU3は、通番=n+2(図示せず)、計数通番=m+2および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台2は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し400玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29の表示を600から500に更新する。その後、遊技者による計数ボタン28の操作が終了している場合、P台2は、通番=n+2(図示せず)、遊技玉数=400、計数通番=m+3、計数玉数=100および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。P台2は、計数要求OFF状態に変更した時、計数履歴に「累積計数玉数」として100玉+100玉=200玉を計数履歴1として記憶する。また、P台2は、計数終了時の「遊技玉数」として、計数要求OFF状態に変更した時の遊技玉数を計数履歴1に記憶する。また、P台2は、CU3から計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」を計数履歴1に記憶する。なお、計数履歴1に新たな履歴を記憶させる場合に、既に計数履歴1が存在しているときは当該計数履歴1を計数履歴2として記憶したうえで、新たな履歴を計数履歴1に記憶させる。なお、P台2では、過去2回分の履歴を保持しているため、計数履歴1および計数履歴2として記憶しているが、過去1回分の履歴または過去3回分以上の履歴を記憶してもよい。
このように、計数履歴を記憶することで計数した遊技玉数をリカバリ処理することが可能となり、さらに過去分を複数記憶することで、リカバリ処理の精度を向上させることができる。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図17は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図17では、挿入された記録媒体(会員カードまたはビジターカード)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技機に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2の遊技玉数が800玉で、CU3はP台2の遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3は、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、CU3は、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2に通知する。さらに、CU3は、P台2の遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28を押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2は、計数ボタン28を押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2は、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3に通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、この段階でP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2は、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3は、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3は、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3は、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
P台2は、CU3からの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54等に表示する。さらに、P台2は、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3に通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3に送信される。
CU3は、遊技者がカード返却ボタン322を押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28を押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3は、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3に返信後、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3は、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2から受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801などに報告する。CU3は、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309に挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309にカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3に設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3は当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801へ送信し、ホールサーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3から返却されたカードは、カード挿入/排出口309から抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309から突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3は、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309の近傍に取り付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3は、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2に通知する。そのため、CU3は、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。これを受けて、P台2は、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278に表示する。また、P台2は、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカ270で「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2は、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがON状態であれば、CU3は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309からカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがOFF状態となるので、CU3は、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
これを受けて、P台2は、可変表示装置278に表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2は、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
なお、図17で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵>
次に、鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵について説明する。図18は、鍵管理サーバから通信制御IC325aまでの間の通信に使用される暗号鍵を説明するための図である。まず、鍵管理サーバから通信制御IC325aまでの間の通信に使用される暗号鍵には、主に基板出荷鍵、基板初期鍵、基板認証鍵、本認証鍵、仮認証鍵、有効鍵(商用)、通信鍵1(セッション鍵)および通信鍵2(セッション鍵)がある。基板出荷鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、出荷以前での通信テスト電文の暗号にのみ使用される。基板初期鍵は、CU制御部−SCの通信に利用され、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323が受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。基板初期鍵を用いた認証用通信(基板初期鍵モード)は限られた期間のみ許容(時限的運用)される。ここで、基板初期鍵モードは、前述したように、ホールサーバと少なくとも1回は正常に通信して、基板初期鍵を取得する必要があるため、セキュリティ性は担保されている。
ここで、「限られた期間」とは、たとえば、2日間という限定的期間である。このように、時限的運用を可能にすることによって、ホールにシステムを導入した段階ですぐに鍵管理サーバとの鍵交換ができない場合であっても、システムの導入直後からホールは営業を開始することが可能となる。なお、限定的期間としては、たとえば、毎朝9時〜17時までの間という具合に、1日の中での定めた期間を設定してもよい。
なお、前述の基板初期鍵モードは、基板初期鍵を用いた認証用通信を限られた期間可能にする制限を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用できる金額(カード残額、あるいは現金)を制限してもよい。あるいは、可変表示装置における図柄の変動回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。または、大当たりの累積回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。その他、現金を投入することによる遊技のみを許容してカード残額を使用した遊技ができないようにしてもよく、持玉を使用した遊技のみに制限するようにしてもよい。
基板認証鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、鍵管理サーバより基板セキュリティ情報の一部として受信する暗号鍵である。基板認証鍵を用いた認証用通信を行なうことで、基板初期鍵を用いた時限的運用から恒久的運用(通常運用)に通信モード(基板認証鍵モード)が切換わる。この基板認証鍵は、CU制御部のRAMとSCのRAMとに記憶される。
基板初期鍵を用いた時限的運用および基板認証鍵を用いた恒久的運用のいずれについても、ホールサーバに記憶された有効鍵をCU制御部323が受信し、SC325bがその有効鍵を通信制御IC325aに対して設定することによりP台とCUとの間の通信が可能となることで実現される。
本認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、鍵管理サーバから受信した更新情報から、SC325bにより生成されてSC325bのRAMに記憶されるとともに、通信制御IC325aにおいてもSC325bと同様に更新情報から生成されて通信制御IC325aのRAMに記憶される。なお、この本認証鍵は、鍵管理サーバなどから本認証鍵そのものを取得するようにしてもよい。また、鍵管理サーバなどから更新情報を受信することなくCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら生成してもよい。さらに、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから本認証鍵を生成するようにしてもよい。
仮認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、本認証鍵が生成されるまでの間(又は設定された許容時間(たとえば2日)が経過するまでの間)、SC325bと通信制御IC325aとの間での暗号通信に使用される。この仮認証鍵による暗号通信(仮認証鍵モード)は限られた期間(たとえば2日)のみ許容(時限的運用)される。SC325bおよび通信制御IC325aは、製造段階から仮認証鍵をそれぞれのROMに記憶している。有効鍵(商用)は、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由でSC325bが受信し、通信制御IC325aに対して送信(設定)する鍵である。有効鍵が設定されることによってP台との通信が可能になる。なお、有効鍵は、通信制御IC325a活性化用のデータである。換言すると、有効鍵は、CUとP台との間の通信を許可するための許可情報である。
通信鍵1(セッション鍵)は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられ、SC325bが何らかの変数を用いて、毎営業日作成している。該変数として、たとえば、カウンタ値(乱数)や日時情報などを用いてもよい。通信鍵2(セッション鍵)は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられる。
なお、前述に説明した鍵は、鍵のデータがそれぞれの部分にそのまま埋込まれている構成であっても、鍵のデータを生成するための情報がそれぞれの部分に記憶されていて、該情報を利用いて鍵のデータを生成する構成であってもよい。
次に、暗号鍵の取得方法と、取得した暗号鍵を用いて暗号通信を行なう方法について説明する。まず、SC325bは、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由で有効鍵を取得する。SC325bは、取得した有効鍵を通信制御IC325aに対して送信(設定)することで、P台との通信が可能になる。CU制御部323はホールサーバとの最初の通信時に基板初期鍵を受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。SC325bは、取得した基板初期鍵を用いてCU制御部323と暗号認証を行ない、該基板初期鍵を用いて時限的にCU制御部323と暗号通信を行なう。また、電源投入時にCU制御部323から送られてきた接続要求を受信したホールサーバは、当該ホールサーバが設置されている遊技場を識別するための統一店舗コードをCU制御部323へ返信する。具体的には、ホールサーバのCPUの制御にしたがってホールサーバの入出力インターフェイスからCU制御部323へ統一店舗コードが送信される。
一方、CU制御部323とSC325bとの間では、両者に初期情報として記憶されている基板メーカコードを用いた認証が行なわれる。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325を製造したメーカを特定するコードのことである。基板メーカコードを用いた認証に成功したことを条件として、基板接続要求と基板接続応答とのやり取りが行なわれる(図24参照)。CU制御部323からSC325bへ送信される基板接続要求の中に上記統一店舗コードが含まれており、基板接続要求を受信することによりSC325bが統一店舗コードを取得する。
次に、CU制御部323は、鍵管理サーバに対して基板セキュリティ情報を要求し、鍵管理サーバがホールサーバを介して送信してきた基板セキュリティ情報を受信することで、該基板セキュリティ情報に含まれる基板認証鍵を取得する。CU制御部は、取得した基板認証鍵を用いてSCと暗号認証を行ない、該基板認証鍵を用いてSCと暗号通信を行なう。なお、CU制御部323は、基板認証鍵を取得後すぐに基板初期鍵から基板認証鍵に鍵を変更するのではなく、後述するように遊技機が非稼動状態になっていることを条件にして鍵を変更する。
この基板認証鍵は、鍵管理サーバなどから取得する代わりに、CU制御部323が自ら生成してもよく、また、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323が自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから基板認証鍵を生成するようにしてもよい。
次に、SC325bは、記憶してある仮認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。そして、SCは、基板認証鍵を用いてCU制御部と暗号通信を行なうことで鍵管理サーバから取得した更新情報を仮認証鍵で復号し、基板問合せ番号を照会する。SCは、照会した基板問合せ番号が一致した場合、更新情報から本認証鍵を生成し、生成した本認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。なお、本認証鍵は、通信制御IC325aにおいても出荷時から記憶されているものではなく、SC325bと同様に更新情報から生成される。
次に、SCは、CU制御部に対して通信鍵1を通知し、以降のCU制御部との間の通信を、通信鍵1を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。また、SCは、通信制御ICに対して有効鍵を設定することで、通信制御ICから通信鍵2の通知を受け、以降の通信制御ICとの間の通信を、通信鍵2を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。
<CU制御部とSCとの間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に、図4に示したCU3内での通信について説明する。特に、CU制御部323と、セキュリティ基板325のセキュリティチップ(SC)325bとの間の通信について説明する。まず、図19、図20を参照して、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図19、図20には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU制御部323からSC325bに対して基板接続要求という名称のコマンドが送信される。この基板接続要求のコマンドは、SC325bに対して遊技機(P台2)との接続を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板接続応答という名称のレスポンスが送信される。この基板接続応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板接続要求の応答を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板出荷鍵要求のコマンドが送信される。この基板出荷鍵要求のコマンドは、SC325bに対して基板出荷鍵を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板出荷鍵応答のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板出荷鍵を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板メーカコード認証要求1のコマンドが送信される。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325を製造したメーカを特定するコードであり、CU制御部323とSC325bとに記憶されている。この基板メーカコード認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板メーカコードの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板メーカコード認証応答1のレスポンスが送信される。この基板メーカコード認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板メーカコード認証要求2のコマンドが送信される。この基板メーカコード認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板メーカコード認証応答2のレスポンスが送信される。この基板メーカコード認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板メーカコードの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板シリアルID認証要求1のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板シリアルID認証応答1のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板シリアルID認証要求2のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板シリアルID認証応答2のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板初期鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板初期鍵認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板初期鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板初期鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板初期鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板初期鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板初期鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板初期鍵認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板初期鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板初期鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板初期鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板初期鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板認証鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板認証鍵認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板認証鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板認証鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板認証鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板認証鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板認証鍵認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板認証鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板認証鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板認証鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板出荷鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板出荷鍵認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板出荷鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板出荷鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板出荷鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板出荷鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板出荷鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板出荷鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してバージョン情報通知のコマンドが送信される。このバージョン情報通知のコマンドは、SC325bに対して基板認証鍵のバージョンを通知するものである。SC325bからCU制御部323に対してバージョン情報応答のレスポンスが送信される。このバージョン情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対してバージョン情報を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板認証結果通知のコマンドが送信される。この基板認証結果通知のコマンドは、SC325bに対してCU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証結果応答のレスポンスが送信される。この基板認証結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対してCU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してセキュリティ基板情報問合せ指示通知のコマンドが送信される。このセキュリティ基板情報問合せ指示通知のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ基板情報問合せ要求1を指示するものである。SC325bからCU制御部323に対してセキュリティ基板情報問合せ要求1のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板情報問合せ要求1のレスポンスは、CU制御部323に対してセキュリティ基板情報問合せ情報1を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してセキュリティ基板情報通知のコマンドが送信される。このセキュリティ基板情報通知のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ情報1を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対してセキュリティ基板情報通知応答のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板情報通知応答のレスポンスは、CU制御部323に対してセキュリティ情報1を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して初期ベクタ値要求のコマンドが送信される。この初期ベクタ値要求のコマンドは、SC325bに対して初期ベクタ値を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して初期ベクタ値応答のレスポンスが送信される。この初期ベクタ値応答のレスポンスは、CU制御部323に対して初期ベクタ値を通知するものである。なお、初期ベクタ値は、CU制御部323とSC325bとの通信を暗号化するために用いる情報であり、上りベクタ値と下りベクタ値とを含む。
CU制御部323からSC325bに対して通信鍵要求のコマンドが送信される。この通信鍵要求のコマンドは、SC325bに対して通信鍵を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して通信鍵応答のレスポンスが送信される。この通信鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対して通信鍵を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してセキュリティ基板情報問合せ指示通知2のコマンドが送信される。このセキュリティ基板情報問合せ指示通知2のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ基板情報問合せ要求2を指示するものである。SC325bからCU制御部323に対してセキュリティ基板情報問合せ要求2のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板情報問合せ要求2のレスポンスは、CU制御部323に対して遊技機制御基板情報(主制御基板番号や枠制御基板番号(払出制御基板番号))の問い合わせ情報を含むセキュリティ基板情報問合せ情報2を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してセキュリティ基板情報通知2のコマンドが送信される。このセキュリティ基板情報通知2のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ情報2を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対してセキュリティ基板情報通知2応答のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板情報通知2応答のレスポンスは、CU制御部323に対してセキュリティ情報2を受信したことを通知するものである。セキュリティ基板情報通知2応答のレスポンスに含まれる受信結果は、主制御基板の照合結果および枠制御基板(払出制御基板17)の照合結果を併せた遊技機照合結果を含んでいる。そのため、遊技機照合結果は、データが“0x00” であれば主制御基板の照合結果がOKで枠制御基板を照合結果もOKであることを表し、“0x01” であれば主制御基板の照合結果がOKで枠制御基板を照合結果は照合中であることを表し、“0x02” であれば主制御基板の照合結果が照合中で枠制御基板を照合結果はOKであることを表し、“0x03” であれば主制御基板の照合結果が照合中で枠制御基板を照合結果も照合中であることを表している。また、遊技機照合結果は、データが“0x04” であれば主制御基板の照合結果がOKで枠制御基板を照合結果はNGであることを表し、“0x05” であれば主制御基板の照合結果がNGで枠制御基板を照合結果はOKであることを表し、“0x07” であれば主制御基板の照合結果がNGで枠制御基板を照合結果は照合中であることを表し、“0x08” であれば主制御基板の照合結果が照合中で枠制御基板を照合結果はNGであることを表している。このように、遊技機照合結果は、主制御基板および枠制御基板の照合結果を個別に表した情報としてCU制御部323に対して通知される。このように、鍵管理サーバ800から取得した主制御基板および枠制御基板のそれぞれの照合結果を個別に表した情報として出力するので、いずれの制御手段が照合されなかったのかを容易に判断することができる。
CU制御部323からSC325bに対してセキュリティ基板情報通知3のコマンドが送信される。このセキュリティ基板情報通知3のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ情報3を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対してセキュリティ基板情報通知3応答のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板情報通知3応答のレスポンスは、CU制御部323に対してセキュリティ情報3を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板状態要求のコマンドが送信される。この基板状態要求のコマンドは、SC325bに対して基板状態および遊技機の状態を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板状態応答のレスポンスが送信される。この基板状態応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板状態および遊技機の状態を通知するものである。
<CU制御部とSCとの通信における主なシーケンス>
次に、図21〜図28に基づいて、CU制御部323におけるCPUで実行される処理と、セキュリティチップ(SC)325bで実行される処理とを説明する。
まず、図21を参照して、CU制御部323の電源投入・ホール設置時の立上の処理を説明する。この図21は、CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板初期鍵を用いたホール設置時の立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323は、上位装置より(具体的にはホールサーバより)基板初期鍵A、基板初期鍵Aのメッセージ認証コード(たとえば、MAC鍵など、以下単にMAC鍵ともいう)、有効鍵(商用/P台出荷用)を取得する。ここで、基板初期鍵Aは、遊技場に納入されてから最初に上位装置へ通信する時、ホールサーバからダウンロードしてCU制御部323に記憶する暗号鍵であり、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバに記憶されている基板情報(基板シリアルIDと基板認証鍵)が取得されるまで、CU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。なお、基板初期鍵Aは、基板メーカコードを用いて復号され、一方、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板メーカコードを用いて復号される。これらの復号は、DES(Data Encryption Standard)、AES(Advanced Encryption Standard)やIDEA(International Data Encryption Algorithm)などの暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、その後、CU制御部323は、統一店舗コード、遊技台番号(遊技機番号)および現在時刻の情報を少なくとも含む基板接続要求のコマンドをSC325bに送信する。SC325bは、受信した統一店舗コード、遊技台番号および現在時刻の情報を保持する。さらに、SC325bは、接続結果およびセキュリティ情報を含む基板接続応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。CU制御部323は、SC325bから取得したセキュリティ情報を鍵管理センタに送信する。
具体的に、CU制御部323は、SC325bにCU制御部固有情報(統一店舗コード、台番、現在時刻)を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、統一店舗コード、台番、現在時刻の情報を保持し、前回の統一店舗コードが一致しているときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けた(OK)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
一方、前回の統一店舗コードと不一致であるときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けていない(NG)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信し、RAMに記憶されている基板認証鍵をクリアするとともに、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モード(図25参照)に遷移する。このとき、CU制御部323は、基板接続要求結果などのセキュリティ情報をSC325bから取得する。
次に、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行ない、基板初期鍵認証が完了した場合に認証OKとなる。なお、基板初期鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行ない、セキュリティ基板情報を取得することができた場合に取得OKとなる。セキュリティ基板情報は、鍵管理センタの鍵管理サーバから取得し、基板シリアルIDや基板認証鍵などを含んでいる。なお、セキュリティ基板情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。基板認証鍵は、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバからダウンロードしてCU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。鍵管理サーバは、基板シリアル番号等に対応付けて基板認証鍵を記憶している。
セキュリティ基板情報問合せシーケンスでセキュリティ基板情報を取得することができた場合、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、業務電文通信用の通信鍵を交換する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵交換シーケンスでは、基板情報取得シーケンスで基板情報を取得できた場合、基板認証鍵を暗号鍵に用いるが、基板情報を取得できなかった場合、基板初期鍵を時限的に暗号鍵に用いる。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機制御基板情報を取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスを行ない、遊技機制御基板情報を問合せ/通知する。遊技機制御基板情報には、主制御基板番号や枠制御基板番号などが含まれている。なお、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスの詳細な処理については、後述する。また、CU制御部323からSC325bへ通知するセキュリティ情報3がある場合のみセキュリティ基板情報問合せ3シーケンスを行なう。
次に、CU制御部323は、SC325bに対してセキュリティ基板および遊技機の状態を要求するため基板情報要求のコマンドをSC325bへ送信する。SC325bは、基板状態=運用可を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、CU制御部323は、セキュリティ基板の運用が不可の場合、それぞれの基板状態にあった処理が行なわれる。具体的に、CU制御部323は、基板状態=通信鍵要求(運用不可)を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、通信鍵交換シーケンスへ処理を戻す。つまり、SC325bは、通信鍵交換シーケンスにおいて正常に通信鍵を生成できていないと判断した場合、基板状態=通信鍵要求(運用不可)を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
CU制御部323は、基板状態=セキュリティ基板情報問合せ指示通知2要求(運用不可)を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスへ処理を戻す。つまり、SC325bは、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスにおいて正常に主制御基板番号や枠制御基板番号を取得することができていないと判断した場合、基板状態=セキュリティ基板情報問合せ指示通知2要求(運用不可)を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
CU制御部323は、基板状態=運用不可を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、基板状態要求をSC325bに対して繰返し送信する。つまり、SC325bは、通信鍵交換シーケンスやセキュリティ基板情報問合せ2シーケンス以外で正常でないと判断した場合、基板状態=運用不可を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)を利用して運用される。このときの通信は、前述したように、時限的な通信であり、一定期間(たとえば、2日)のみ許容される。以上の処理を経て行なわれる通信モードが制限通信モード(基板初期鍵モード(基板初期鍵運用))である。この時限運用のまま一定期間(たとえば、2日)がオーバーした場合には仮運用が停止されるとともに、オーバーしたことがSC325bからCU制御部323、ホールサーバを経由して鍵管理サーバへ通知される。
その後、CU3は、P台2に対して、計数履歴要求を行ない、P台2は、計数履歴結果、計数履歴1、計数履歴2を含む計数履歴応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、図22を参照して、CU制御部323の電源投入・通常立上の処理を説明する。この図22は、CU3が遊技場に設置された後、通常に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板認証鍵を用いた立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323は、上位装置より(具体的には鍵管理サーバより、ホールサーバを経由して)基板シリアルID鍵、基板認証鍵バージョン、基板認証鍵A、基板認証鍵AのMAC鍵を取得する。なお、基板シリアルID鍵は、基板初期鍵で復号され、基板初期鍵Aは、基板シリアルIDを用いて復号され、さらに、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板シリアルIDを用いて復号される。これらの復号は、DES、AESやIDEAなどの暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323は、統一店舗コード、遊技台番号および現在時刻の情報を少なくとも含む基板接続要求のコマンドをSC325bに送信する。SC325bは、受信した統一店舗コード、遊技台番号および現在時刻の情報を保持するとともに、受信した統一店舗コードと前回保持した統一店舗コードとの比較を行う。SC325bは、受信した統一店舗コードと前回保持した統一店舗コードとが不一致の場合、基板初期鍵シーケンスに遷移する。さらに、SC325bは、接続結果およびセキュリティ情報を含む基板接続応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。CU制御部323は、SC325bから取得したセキュリティ情報を鍵管理センタに送信する。次に、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板認証鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、鍵の更新が有る場合にのみ、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行なう。
基板認証鍵認証シーケンスで基板認証鍵を認証でき鍵更新が無かった場合や、鍵更新が有り、セキュリティ基板情報問合せシーケンスで認証ができると、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板認証鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成することができた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機制御基板情報をさらに取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスを行ない、遊技機制御基板情報を問合せ/通知する。遊技機制御基板情報には、主制御基板番号や枠制御基板番号などが含まれている。なお、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスの詳細な処理については、後述する。また、CU制御部323からSC325bへ通知するセキュリティ情報3がある場合のみセキュリティ基板情報問合せ3シーケンスを行なう。
次に、CU制御部323は、SC325bに対してセキュリティ基板および遊技機の状態を要求するため基板情報要求のコマンドをSC325bへ送信する。SC325bは、基板状態=運用可を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、CU制御部323は、セキュリティ基板の運用が不可の場合、それぞれの基板状態にあった処理が行なわれる。具体的に、CU制御部323は、基板状態=通信鍵要求(運用不可)を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、通信鍵交換シーケンスへ処理を戻す。つまり、SC325bは、通信鍵交換シーケンスにおいて正常に通信鍵を生成できていないと判断した場合、基板状態=通信鍵要求(運用不可)を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
CU制御部323は、基板状態=セキュリティ基板情報問合せ指示通知2要求(運用不可)を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスへ処理を戻す。つまり、SC325bは、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスにおいて正常に主制御基板番号や枠制御基板番号を取得することができていないと判断した場合、基板状態=セキュリティ基板情報問合せ指示通知2要求(運用不可)を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
CU制御部323は、基板状態=運用不可を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、基板状態要求をSC325bに対して繰返し送信する。つまり、SC325bは、通信鍵交換シーケンスやセキュリティ基板情報問合せ2シーケンス以外で正常でないと判断した場合、基板状態=運用不可を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)が利用される。このときの通信は、制限通信モードのような制限のない通常通信モード(基板認証鍵モード(基板認証鍵運用))である。
次に、図23を参照して、CU制御部323の電源投入・工場出荷時立上の処理を説明する。この図23は、CU3が遊技場に出荷される前の工場出荷時のシーケンスを示し、特に、基板出荷鍵を用いた工場出荷立上シーケンスについて説明する。当該シーケンスは、工場出荷時、上位装置に接続していない状態のCU制御部323およびSC325bにおける処理である。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行なう。しかし、工場出荷時の段階のため未だ遊技場にCU3が設置されていないため、遊技場のホールサーバより基板初期鍵をCU制御部323が取得できておらず、その結果、基板初期鍵認証の結果がNGとなる。
その後、CU制御部323は、統一店舗コード、遊技台番号および現在時刻の情報を少なくとも含む基板接続要求のコマンドをSC325bに送信する。SC325bは、受信した統一店舗コード、遊技台番号および現在時刻の情報を保持する。さらに、SC325bは、接続結果およびセキュリティ情報を含む基板接続応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。CU制御部323は、取得したセキュリティ情報送信する鍵管理センタと接続されていないので、SC325bから取得したセキュリティ情報を破棄する。次に、CU制御部323は、基板初期鍵認証シーケンスが認証NGとなったため、CU制御部323は、SC325bにセキュリティ基板325のテストに用いる基板出荷鍵を要求し、SC325bから基板出荷鍵を取得する。そして、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にSC325bより取得した基板出荷鍵を用い、基板出荷鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板出荷鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
基板出荷鍵認証シーケンスで基板出荷鍵を認証できた場合、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板出荷鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機制御基板情報を取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスを行ない、遊技機制御基板情報を問合せ/通知する。遊技機制御基板情報には、主制御基板番号や枠制御基板番号などが含まれている。なお、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU3は、P台2に対して、通信テスト要求を行ない、P台2は通信テスト応答をCU3に送信する。
次に、CU制御部323は、SC325bに対してセキュリティ基板および遊技機の状態を要求するため基板情報要求のコマンドをSC325bへ送信する。SC325bは、基板状態=運用可を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、CU制御部323は、セキュリティ基板の運用が不可の場合、それぞれの基板状態にあった処理が行なわれる。具体的に、CU制御部323は、基板状態=通信鍵要求(運用不可)を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、通信鍵交換シーケンスへ処理を戻す。つまり、SC325bは、通信鍵交換シーケンスにおいて正常に通信鍵を生成できていないと判断した場合、基板状態=通信鍵要求(運用不可)を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
CU制御部323は、基板状態=セキュリティ基板情報問合せ指示通知2要求(運用不可)を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスへ処理を戻す。つまり、SC325bは、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスにおいて正常に主制御基板番号や枠制御基板番号を取得することができていないと判断した場合、基板状態=セキュリティ基板情報問合せ指示通知2要求(運用不可)を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
CU制御部323は、基板状態=運用不可を含む基板状態応答のレスポンスを受信した場合、基板状態要求をSC325bに対して繰返し送信する。つまり、SC325bは、通信鍵交換シーケンスやセキュリティ基板情報問合せ2シーケンス以外で正常でないと判断した場合、基板状態=運用不可を含めた基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と通信テスト電文のみの通信が可能となる。この通信テスト電文の通信を行なうことにより工場出荷時の通信テストが行われる。この工場出荷時の通信テストに合格したCU3が遊技場に納入されて最初の電源立上時のシーケンスが図21で説明したホール設置立上シーケンスであり、その後基板認証鍵の取得後に実行されるシーケンスが図22で説明した通常立上シーケンスである。
次に、図24を参照して、基板メーカコードの認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して、基板メーカコードの認証を要求する基板メーカコード認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板メーカコード認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323は、SC325bに対して、チャレンジコードを要求する。
基板メーカコード認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板メーカコードに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板メーカコード認証応答1のレスポンスでCU制御部323に通知する。
基板メーカコード認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し、生成したレスポンスコードを基板メーカコード認証要求2のコマンドでSC325bに通知する。具体的には、基板メーカコードを鍵として受信したチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成する。
基板メーカコード認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メーカコードを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板メーカコード認証応答2のレスポンスでCU制御部323に通知する。このとき、CU制御部323は、基板メーカコード認証結果などのセキュリティ情報をSC325bから取得し、取得したセキュリティ情報を鍵管理センタに送信する。
一方、チャレンジコードが一致しなければチェック結果がNG(不適正)であるとする。その場合に、n回際認証を繰り返し、n回連続でNGの場合にSC325bが無応答状態(HALT)となり、基板認証鍵と本認証鍵とがクリアされる。この無応答状態(HALT)となった後には、SC325bが通信制御IC325aと認証を行なうことはなく、工場で修理を行なうこととなる。
CU制御部323は、SC325bにCU制御部固有情報(統一店舗コード、台番、現在時刻)を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、統一店舗コード、台番、現在時刻の情報を保持し、前回の統一店舗コードが一致しているときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けた(OK)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
一方、前回の統一店舗コードと不一致であるときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けていない(NG)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信し、RAMに記憶されている基板認証鍵をクリアするとともに、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モード(図25参照)に遷移する。このとき、CU制御部323は、基板接続要求結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
次に、図25を参照して、基板初期鍵または基板出荷鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、図25に示すように、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モードの状態の場合には、図25において基板初期鍵を用いた認証が行われるが、基板出荷鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板出荷鍵モードの状態の場合には、図25において基板出荷鍵を用いた認証が行われることになる。よって、図25の「/」はいずれか一方を表す記号である。CU制御部323は、SC325bに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数を暗号化し、MAC鍵でアルゴリズム(たとえば、ハッシュ関数を用いてH−MACアルゴリズムなど)を算出して、認証情報を要求する基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板初期鍵/基板出荷鍵を用いて、暗号化してもよい。基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数を復号化し、MACをチェックする。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板出荷鍵を用いて、暗号化してある。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bは、CU制御部323に対して、認証結果を基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答2のレスポンスで返信する。このとき、CU制御部323は、基板初期鍵認証結果、基板出荷鍵認証結果などのセキュリティ情報をSC325bから取得する。
次に、図26を参照して、基板シリアルIDおよび基板認証鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323とSC325bとの通信は、基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板認証鍵モードの状態において、CU制御部323は、SC325bに対して、基板シリアルIDの認証を要求する基板シリアルID認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板シリアルID認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323は、SC325bに対して、チャレンジコードを要求する。
基板シリアルID認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板シリアルIDに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板シリアルID認証応答1のレスポンスでCU制御部323に通知する。
基板シリアルID認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成し)、生成したレスポンスコードを基板シリアルID認証要求2のコマンドでSC325bに通知する。
基板シリアルID認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)、チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板シリアルID認証応答2のレスポンスでCU制御部323に通知する。なお、チェック結果がNGの場合、SC325bは、CU制御部323に対してチェック結果を、基板認証結果通知および基板認証結果応答での認証結果に含め、NGを通知する。このとき、CU制御部323は、基板シリアルID認証結果などのセキュリティ情報をSC325bから取得し、取得したセキュリティ情報を鍵管理センタに送信する。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証鍵のバージョン情報を通知するためにバージョン情報通知のコマンドを送信する。なお、バージョン情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
バージョン情報通知のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して基板認証鍵のバージョン情報を受信したことを通知するために、バージョン情報応答のレスポンスを返信する。なお、バージョン情報応答のレスポンスは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて暗号化してもよい。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数を暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、認証情報を要求する基板認証鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板認証鍵認証要求1のコマンドは基板認証鍵で暗号化したが、暗号鍵に基板初期鍵または基板出荷鍵を用いて暗号化してもよい。基板認証鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数を復号化し、MACをチェックする。
基板認証鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板認証鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板認証鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
基板認証鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bは、CU制御部323に対して、認証結果を基板認証鍵認証応答2のレスポンスで返信する。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証結果を通知するために、基板認証結果通知のコマンドを送信する。なお、基板認証結果通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。基板認証結果通知のコマンドは、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果をSC325bに対して通知する。
基板認証結果通知のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果を通知するために、基板認証結果応答のコマンドを送信する。なお、基板認証結果応答のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。このとき、CU制御部323は、基板認証結果などのセキュリティ情報をSC325bから取得し、取得したセキュリティ情報を鍵管理センタに送信する。
次に、図27は、セキュリティ基板情報の問合せを行なう場合の処理を説明するための図である。図27を参照して、まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板情報問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板情報問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板情報問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号などを含むセキュリティ基板情報問合せ情報1)をCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板情報問合せ要求1のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信するセキュリティ基板情報問合せ要求1のレスポンスは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用いてセキュリティ基板情報問合せ情報1を暗号化している。当該暗号鍵は、CU制御部323とホールサーバとが復号できない鍵(以下「秘匿用鍵」と言う)である。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板情報問合せ要求1のレスポンスを受信したCU制御部323は、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板情報問合せ情報1を問合せ、上位装置からの応答を待つ。なお、CU制御部323およびSC325bは、セキュリティ基板情報を問合せ中、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信鍵交換シーケンス等)を実行可能である。CU制御部323は、セキュリティ基板情報(例えば、基板シリアルID鍵、基板認証鍵A、セキュリティ情報1等)を上位装置から受信することで、セキュリティ基板情報問合せ情報1の問合せに関する処理を実行可能となる。
CU制御部323は、上位装置からセキュリティ基板情報を受信すると、セキュリティ基板情報をSC325bに通知する。具体的に、CU制御部323は、問合せ結果であるセキュリティ情報1を含むセキュリティ基板情報通知のコマンドをSC325bに送信する。なお、送信するセキュリティ基板情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
SC325bは、セキュリティ基板情報通知のコマンドを受信後、問合せ番号を確認して、セキュリティ基板情報通知のコマンドを正常に受信したことをCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板情報通知応答のレスポンスを返信する。なお、鍵更新情報は、次回リセット時に使用される。返信するセキュリティ基板情報通知応答のレスポンスは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用いる。
その後、CU制御部323は、受信結果がOKの場合には、基板シリアルID鍵および基板認証鍵Aを保存して、次回リセット時に認証鍵情報として使用する。また、CU制御部323は、SC325bから取得したセキュリティ情報を上位装置に送信する。さらに、CU制御部323は、基板情報問合せおよび基板情報通知のセキュリティ情報を取得し、取得したセキュリティ情報を鍵管理センタに送信する。
次に、図28を参照して、セキュリティ基板情報問合せ2シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して遊技機制御基板情報を問合せるセキュリティ基板情報問合せ指示通知2のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板情報問合せ指示通知2のコマンドは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に通信鍵を用いる。
一方、SC325bは、通信制御ICから遊技機制御基板情報を取得する。その後、セキュリティ基板情報問合せ指示通知2のコマンドを受信したSC325bは、遊技機制御基板情報の取得を完了しているので、セキュリティ基板情報問合せ情報2、問合せ情報取得結果=OKの情報を含むセキュリティ基板情報問合せ要求2のレスポンスをCU制御部323に返信する。SC325bからCU制御部323に返信される情報には、セキュリティ基板情報問合せ情報2以外に遊技機メーカコードおよび型式コードなどが含まれている。セキュリティ基板情報問合せ情報2には、遊技機制御基板情報である主制御基板番号(主制御チップID)、枠制御基板番号(払出制御チップID)などが含まれている。なお、返信するセキュリティ基板情報問合せ要求2のレスポンスは、セキュリティ基板情報問合せ情報2のうち主制御基板番号および枠制御基板番号を秘匿用鍵で暗号化し、その他の情報は通信鍵で暗号化してある。
その後、CU制御部323は、返信されたセキュリティ基板情報問合せ要求2のレスポンスを受信した場合、上位装置(鍵管理サーバまたはホールサーバ:図40参照)に、主制御基板番号および枠制御基板番号を含むセキュリティ基板情報問合せ情報2を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報問合せ情報2の問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を持たずに、次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行することが可能である。セキュリティ基板情報問合せ情報2の問合せには時間(たとえば2時間程度)がかかるため、その間遊技機の稼働を停止しておくわけにはいかないために、上位装置からの応答を持たずに次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。なお、セキュリティ基板情報問合せ情報2の問合せ中は、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)が行なわれても、再度セキュリティ基板情報問合せ指示通知2の要求は出されない。
その後、CU制御部323は、上位装置からセキュリティ基板情報問合せ情報2の問い合わせ結果を受信すると、当該問合せ結果を含むセキュリティ情報2をSC325bに通知する。具体的に、セキュリティ情報2には、セキュリティ基板情報問合せ情報2の問い合わせ結果である遊技機照合結果を含んでいる。なお、CU制御部323は、通信鍵を暗号鍵に用いてセキュリティ情報2を暗号化している。
SC325bは、セキュリティ基板情報通知2のコマンドを受信後、受信結果およびセキュリティ情報をCU制御部323に通知するため、セキュリティ基板情報通知2応答のレスポンスを返信する。なお、返信するセキュリティ基板情報通知2応答のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
CU制御部323は、SC325bから取得したセキュリティ情報を上位装置に送信する。同時に、CU制御部323は、セキュリティ基板情報問合せ情報2の問合せ情報や遊技機照合結果などのセキュリティ情報を取得し、取得したセキュリティ情報を鍵管理センタに送信する。
以上の図21〜図28に基づいて説明したCU制御部323とSC325bとの間でのシーケンスにおいて、特徴的な部分を以下にまとめて説明する。
CU3が遊技場に入荷されて設置された後に実行されるシーケンスとして、「基板初期鍵認証シーケンス」がある(図25参照)。この「基板初期鍵認証シーケンス」は、遊技場に搬入されて設置された最初の電源投入時においては、上位装置(ホールサーバ)から基板初期鍵をダウンロード取得し、その基板初期鍵を用いて認証されるシーケンスである。この基板初期鍵認証シーケンスの認証結果がOKであることを条件として、この基板初期鍵を用いて「セキュリティ基板情報問合せシーケンス」が実行される(図27参照)。このセキュリティ基板情報問合せシーケンスにより基板認証鍵が上位装置(鍵管理サーバ)からダウンロード記憶され、以降、この基板認証鍵を利用して各種認証シーケンスや通信鍵交換シーケンス等が実行されてその通信鍵を用いて遊技機と業務電文通信が実行される(図22参照)。
一方、基板初期鍵を用いてのセキュリティ基板情報問合せシーケンス(図27参照)を実行した結果、基板認証鍵を取得できない場合がある。この基板認証鍵は、CUメーカがCU3を遊技場に出荷するときにそのCU3の基板認証鍵を鍵管理サーバへ送信して鍵管理サーバに記憶してもらい、遊技場に搬入されたCUがその事前に鍵管理サーバに記憶されている基板認証鍵をダウンロード記憶するのであるが、CUメーカから鍵管理サーバへの基板認証鍵の送信が何らかの理由により遅れている場合がある。また、遊技場に搬入されて設置されたCU3がセキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行して基板認証鍵をダウンロードしようとしたときに鍵管理サーバとCU3との間で不測の事態が発生して通信不能のオフライン状態となっている場合もある。このような場合には、基板認証鍵をダウンロードすることができない。
基板認証鍵をダウンロードできない場合に、それ以降の遊技機との業務電文通信等の実稼動の運用が一切できないとなれば、遊技場における稼動率の低下等の運用上の問題が生じる。そこで、このような不測の事態が発生した場合には、仮の認証鍵である基板初期鍵を利用して実稼動の仮運用ができるように制御される。具体的には、上位装置(具体的にはホールサーバ)より取得済の基板初期鍵を用いて、通信鍵交換シーケンスを実行し、乱数と時刻データとを用いて通信鍵(セッション鍵)を生成し、CU制御部323とSC325bとの間でその通信鍵(セッション鍵)を共有し、その通信鍵(セッション鍵)を使用して業務電文通信を行なって実稼動制御が行なわれる。この基板初期鍵を利用して交換した通信鍵による実稼動制御は、あくまで基板初期鍵が仮の鍵であり基板認証鍵が取得できない不安定な状態であるために、一定の期間だけ許容される仮運用の制御がなされる。具体的には、2日間のみこの基板初期鍵を用いた実稼動制御を許容し、3日目の電源立上げ時においても基板認証鍵を取得できなかったときには、それ以降の制御を停止させ、異常が発生した旨を報知するとともにホールサーバやホール用管理コンピュータへ異常発生した旨の通知を行なうように制御する。なお、基板初期鍵での一定の期間(たとえば2日)だけ許容される仮運用の時限制御は、基板初期鍵がホールサーバに記憶されているものであるため、少なくともCU制御部323がホールサーバに接続されていることが担保されている状態で許容される。
また、前述の「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」は、図25に示した工場出荷時すなわち未だ遊技場に搬入されていない段階でも実行される。この段階で基板初期鍵認証シーケンスを実行した場合には、未だ基板初期鍵が取得されていないために、基板初期鍵を用いたこの基板初期鍵認証シーケンスの実行の結果NGの認証結果が導出される。すると、図25に示した基板出荷鍵要求、基板出荷鍵応答以降の各シーケンスが実行され、遊技機と通信テスト電文の通信が実行される状態となる。すなわち、「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」により、基板初期鍵が取得されている段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かを判断しているのであり、本来相互認証を行なう機器認証シーケンスを、基板初期鍵が取得された段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かの判別にも有効利用している。
<不正遊技機接続検知>
次に、CU3で検知される不正遊技機検知の仕組みについて説明する。P台2に接続可能なカードユニットは、商用で使用されるカードユニット(前述しているCU3に相当、以下単にCU3、商用CUともいう。)に限定されるものではなく、P台2の遊技盤を開発するための遊技盤開発治具や、P台2の開発に用いる開発用カードユニット(開発用CU)などであってもよい。
しかし、商用CU以外のP台2に接続可能なカードユニットを利用して、不正にP台2で遊技を行なうことが考えられる。たとえば、商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続したP台2に対して多数の遊技玉を貸出して遊技盤開発治具や開発用CUから切離した状態にし、その後P台2に商用CUを接続して不正に遊技を行なうことが考えられる。
そこで、本実施の形態では、商用CUに接続したP台2が、過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知して商用CUの動作を停止する。具体的に、図を用いて過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知する仕組みを説明する。
図29は、遊技盤開発治具に接続していたP台2が、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図29に示す遊技盤開発治具3Eは、P台開発用のSC325Ebを有している以外、商用CUと同じCU制御部323および通信制御IC325aで構成されている。また、P台開発用のSC325Ebには、遊技盤開発治具であることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325Ebに記憶されている。
図29に示すように遊技盤開発治具3EにP台2を接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として遊技盤開発治具3EからP台2に送信される際に、P台開発用のSC325Ebから識別IDがP台2に送信される。P台2に送信された識別IDは、払出制御回路171a内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325EbのSC基板IDも払出制御回路171a内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
SC基板IDは、前述したとおり払出制御回路171a内のレジスタに格納されるが、払出制御回路171aで実行されるユーザプログラム171pには通知されない。そのため、P台2は、SC基板IDを払出制御回路171aから読出すことができず、SC基板IDを不正に複製されることできないためセキュリティ性が高くなっている。払出制御回路171aのレジスタに記憶されたSC基板ID(識別IDを含む)は、払出制御回路171aのRAMをクリアすることで消去することができる。
次に、遊技盤開発治具3EからCU3にユニット交換する場合の処理について説明する。遊技盤開発治具3Eに接続されていたP台2は、ユニット交換によりCU3に接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3から送信される。この遊技機電文通知により、SC325bから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2に送信される。なお、SC基板IDをP台2に送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3にユニット交換してP台2の電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3から送信されるタイミングであってもよい。つまり、遊技盤開発治具3Eで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図29では、P台開発用のSC325Ebからの識別IDと、商用のSC325bからの識別IDとを区別するため、P台開発用のSC325Ebからの識別IDを図示し、商用のSC325bからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bからの識別IDを受信したP台2は、払出制御回路171aで格納(記憶)している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かを判定する。なお、P台2は、払出制御回路171aで格納している識別IDが遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3Eの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”とする。
CU3は、接続したP台2から遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知する。具体的に、SC325bが、不正検知状態3のBit6の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知する。SC325bは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知すると、CU制御部323との通信を停止する。これにより、CU3は、過去に接続した遊技盤開発治具3Eでの情報をCU制御部323に取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3は、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図29では、ユーザプログラム171pに不正検知状態3のBit6=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2からCU3に対して不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2からCU3に対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3Eの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)としてユーザプログラム171pに書込むのではなく、図29で示したように遊技盤開発治具3Eの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pが格納している識別IDに基づいて遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2からCU3に対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)ではなく、図29で示したように遊技盤開発治具3Eの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2は、払出制御回路171aで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3Eの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pを介してSC325bに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eか否かの判定は、P台2ではなくSC325bで行ない、遊技盤開発治具接続を検知する構成であってもよい。
また、遊技盤開発治具3Eから別の遊技盤開発治具3Eにユニット交換する場合も、図29で説明したように接続したP台2から不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の遊技盤開発治具3Eは、P台開発用のSC325Ebに遊技機開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit6=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより遊技盤開発治具3Eから別の遊技盤開発治具3Eにユニット交換したと判定した場合、遊技盤開発治具接続のエラーを検知しない。これにより、遊技盤開発治具3EとP台2との接続を繰返す開発の工程において、遊技盤開発治具接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
図30は、開発用CUに接続していたP台2が、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図30に示す開発用CU3Dは、開発用のSC325Dbを有している以外、商用CUと同じCU制御部323および通信制御IC325aで構成されている。また、開発用のSC325Dbには、開発用CUであることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325Dbに記憶されている。
図30に示すように開発用CU3DにP台2を接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として開発用CU3DからP台2に送信される際に、開発用のSC325Dbから識別IDがP台2に送信される。P台2に送信された識別IDは、払出制御回路171a内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325DbのSC基板IDも払出制御回路171a内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
次に、開発用CU3DからCU3にユニット交換する場合の処理について説明する。開発用CU3Dに接続されていたP台2は、ユニット交換によりCU3に接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3から送信される。この遊技機電文通知により、SC325bから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2に送信される。なお、SC基板IDをP台2に送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3にユニット交換してP台2の電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3から送信されるタイミングであってもよい。つまり、開発用CU3Dで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図30では、開発用のSC325Dbからの識別IDと、商用のSC325bからの識別IDとを区別するため、開発用のSC325Dbからの識別IDを図示し、商用のSC325bからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bからの識別IDを受信したP台2は、払出制御回路171aで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3Dの識別IDか否かを判定する。なお、P台2は、払出制御回路171aで格納している識別IDが開発用CU3Dの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aは、格納している識別IDが開発用CU3Dの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが開発用CU3Dであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”とする。
CU3は、接続したP台2から遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが開発用CU3Dであったことを検知する。具体的に、SC325bが、不正検知状態3のBit5の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが開発用CU3Dであったことを検知する。SC325bは、過去に接続したカードユニットが開発用CU3Dであったことを検知すると、CU制御部323との通信を停止する。これにより、CU3は、過去に接続した開発用CU3Dでの情報をCU制御部323に取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3は、過去に接続したカードユニットが開発用CU3Dであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図30では、ユーザプログラム171pに不正検知状態3のBit5=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2からCU3に対して不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2からCU3に対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aは、格納している識別IDが開発用CU3Dの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)としてユーザプログラム171pに書込むのではなく、図30で示したように開発用CU3Dの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pが格納している識別IDに基づいて開発用CU3Dの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2からCU3に対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)ではなく、図30で示したように開発用CU3Dの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2は、払出制御回路171aで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3Dの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pを介してSC325bに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが開発用CU3Dか否かの判定は、P台2ではなくSC325bで行ない、開発用CU接続を検知する構成であってもよい。
また、開発用CU3Dから別の開発用CU3Dにユニット交換する場合も、図30で説明したように接続したP台2から不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の開発用CU3Dは、開発用のSC325Dbに遊技用装置開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit5=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが開発用CU3Dであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより開発用CU3Dから別の開発用CU3Dにユニット交換したと判定した場合、開発用CU接続のエラーを検知しない。これにより、開発用CU3DとP台2との接続を繰返す開発の工程において、開発用CU接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
このように、本実施の形態では、CU3に接続したP台2が、過去にCU3以外の遊技盤開発治具3Eや開発用CU3Dに接続されていたのか否かを検知して、CU制御部323との通信を停止してCU3の動作を停止させるので、過去にCU3以外の遊技盤開発治具3Eや開発用CU3Dに接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、P台2を商用のCU3に接続する前に遊技盤開発治具3Eや開発用CU3Dに接続して多数の遊技玉を貸出しておき、商用のCU3に接続後に貸出された遊技玉を用いて遊技を行なう不正を防止することができる。
次に、商用のCU3にP台2以外の遊技機シミュレータを接続した場合について説明する。図31は、商用のCU3に遊技機シミュレータを接続した場合の検知の仕組みを説明するための図である。ここで、遊技機シミュレータは、たとえば商用のCU3が正常に稼働するかを検査するために接続するための装置であり、検査に必要な信号や情報を仮想的に商用のCU3に出力することができる。そのため、商用のCU3は、意図的に遊技機シミュレータを接続して不正な遊技情報を送信されることを防止するため、遊技機シミュレータに接続しているのかP台2に接続しているのかを検知すること必要となる。
まず、図31に示す遊技機シミュレータ2Aは、P台2と同様に払出制御部171Aを有している。払出制御部171Aは、払出制御回路171Aaおよび払出制御回路171Aaで実行されるユーザプログラム171Apを含んでいる。ユーザプログラム171Apには、遊技機シミュレータ2Aであることを示す識別IDが埋め込まれている。
図31に示すように商用のCU3に遊技機シミュレータ2Aを接続すると、CU3と遊技機シミュレータ2Aとの間で遊技機電文通知のコマンドと遊技機電文応答のレスポンスとの通信が行なわれる。たとえば、CU3は、遊技機シミュレータ2Aに対してCU3の状態を通知する状態情報要求のコマンドを送信する。遊技機シミュレータ2Aは、CU3から状態情報要求のコマンドを受信すると、CU3に対して遊技情報や遊技機状態などを通知する状態情報応答のレスポンスを送信する。
CU3に送信する状態情報応答のレスポンスに遊技機シミュレータ2Aと接続していることをCU3に通知するための情報を含めている。具体的に、遊技機シミュレータ2Aは、ユーザプログラム171Apに埋め込まれている識別IDに基づき、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”とする。
CU3は、接続した遊技機シミュレータ2Aから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7の情報に基づき、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。具体的に、SC325bが、不正検知状態3のBit7の情報を読出し、当該情報が“1”であれば接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。SC325bは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、CU制御部323との通信を停止する。これにより、CU3は、接続している遊技機シミュレータ2Aの情報をCU制御部323に取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3は、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、遊技機シミュレータ2AからCU3に対して不正検知状態3のBit7=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDが遊技機シミュレータ2AからCU3に対して送信されたように図示されている。
もちろん、遊技機シミュレータ2AからCU3に対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”)ではなく、図31で示したように遊技機シミュレータ2Aの識別ID自体の情報を送信してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3に接続する遊技機が、商用のP台2なのか、遊技機シミュレータ2Aなのかを検知して、CU制御部323との通信を停止してCU3の動作を停止させるので、意図的に遊技機シミュレータ2AをCU3に接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、遊技機シミュレータ2AでCU3に対して多数の遊技玉を持玉に計数しておき、P台2に接続後に計数した待玉を遊技玉として貸出して遊技を行なう不正を防止することができる。
<電子決済システム>
本実施の形態に係る遊技用システムでは、電子マネーなどを用いた電子決済システムを組み合わせることができる。なお、以下に記載する電子決済システムは、封入循環式パチンコ機(P台2)、メダル不要のスロットマシン(S台2S)の遊技用システムに限定されるのではなく、パチンコ玉が払出されるパチンコ遊技機、メダルが払出されるスロットマシンなどの遊技機にも適用することができる。図32は、本実施の形態に係る遊技用システムに電子決済システムを組み合わせた場合の概略図である。図32に示す電子決済システムを組み合わせた遊技用システムでは、前述した会員カードや一般カードの他に電子決済カード502の電子マネーを用いてCU3に入金することができる。なお、電子決済システムでは、電子決済カード502以外に、電子決済機能(電子マネーを用いた決済など)を有する携帯機器(例えばスマートフォンなど)や他の機器(例えば、時計など)などを利用することも可能である。以下の説明では、電子決済カード502を例に説明するが、電子決済機能を有する携帯機器や他の機器などで代用することも可能である。
電子決済カード502は、登録した会員の情報、入金した電子マネーの金額の情報などを記録させるICチップを含んでおり、決済端末(例えば、遊技用装置や店舗のレジなど)で当該ICチップから情報を読み出し、情報を書き込むことが可能である。決済端末がICチップから情報を読み出し、情報を書き込む方式は、接触または非接触のいずれの方式でもよい。また、電子決済カード502自体に電子マネーの金額を記録させる場合に限定されず、電子マネーの金額の情報はサーバなどに記憶させておき、当該記憶と関連付けられた情報(例えば、カードID、記憶領域を示すアドレスなど)を電子決済カード502に記録しておいてもよい。つまり、電子決済カード502は、電子マネーの金額を特定可能な情報(例えば、カードID、電子マネーの金額など)が記録された記録媒体であればよい。
まず、電子決済カード502を利用する場合、会員登録を行い新たにカードを発行する必要がある。以下の会員登録では、新たにホールの会員となるとともに電子決済カードの会員登録を行うことで、複数のホールで使用することができる共通の会員カードの機能を有する電子決済カード502を発行する場合について説明する。なお、共通の会員カードではなく、一店舗しか使用できない会員カードの機能を有する電子決済カード502として発行することも可能である。ここで、会員登録には、既に会員登録している電子決済カード502に新たにホールの会員登録を追加する登録、既にホールの会員登録しているカードに電子決済カード502の会員登録を追加する登録、登録したホールとは別のホールの会員登録を追加する登録などの様々な登録の種類が考えられる。
ホール500には、会員登録が未登録の電子決済カード502が予め用意されており、電子決済カード502に記録された決済ID(K−ID)のみが決済管理センタ600のサーバ601に予め記憶してある。なお、電子決済カード502の決済IDは、前述のカードIDと共通のIDであり、カードIDとしても機能するものとする。また、会員登録が未登録の電子決済カード502であっても、電子決済カード502に電子マネーを入金したり、入金した電子マネーを用いて決済したりする利用のみは可能である。ホール500などに設置されている会員登録機501で未登録の電子決済カード502を読取り会員登録を開始する。会員登録の際には、身分証(例えば、自動車運転免許証など)が必要となる。詳しい会員登録の方法については後述する。
登録した会員情報(例えば、氏名、性別、住所、電話番号など)は、会員登録機501から無線機器(例えば、無線ルータ(RT)など)を介してホール500内のサーバに送信され、さらにホール500外の会員登録情報サーバ700に送信される。会員登録情報サーバ700に送信された会員情報は、会員情報サーバ703に記憶される。会員登録情報サーバ700には、会員情報を記憶する会員情報サーバ703と、決済IDに対するホールの会員番号を照会したり、会員番号を発番したりする発番情報サーバ702とを有している。なお、複数のホールを運営している企業などの場合、ホール500外に会員登録情報サーバ700を設け複数のホールからの会員情報を一括で管理している。そのため、ホール500内のサーバで会員情報を記憶するとともに、会員登録情報サーバ700でも記憶されている。もちろん、ホール500外に会員登録情報サーバ700を設けず、ホール500内のサーバで会員情報を管理してもよい。また、ホール500外の会員登録情報サーバ700で会員情報を管理する場合は、ホール500内のサーバで会員情報を記憶しないようにしてもよい。
一方、登録した会員情報は、ネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。なお、決済管理センタ600は、ネットワークを介して他の装置と通信するための通信インターフェイス(図示しない)を含む。決済管理センタ600に送信された会員情報は、サーバ601に記憶される。サーバ601は、会員情報を記憶するとともに、後述する決済情報などのマネー管理情報も記憶している。決済管理センタ600では、予め記憶してある決済IDに対応して登録した会員情報が記憶される。電子決済カード502は、決済管理センタ600に会員情報を登録することで、電子マネーの決済以外に、クレジットカードによる電子マネーの入金、マネー管理情報の閲覧やポイントの付与などの処理が利用可能となる。また、決済管理センタ600に会員情報(属性情報)を登録することで、決済管理センタ600に登録した会員が会員登録情報サーバ700に登録する場合に、決済管理センタ600に登録した会員情報(属性情報)を利用することができる。さらに、決済管理センタ600は、電子マネーの利用を許可できない決済ID(ネガティブフラグ:ネガフラグ)のリスト(ネガティブリスト:ネガリスト)を、予めCU3の電子マネー受付部330や決済端末520など送信しておくことで、オフラインであっても電子マネー受付部330や決済端末520などでネガフラグとなった電子決済カード502の不正利用をチェックすることができる。携帯機器503についても電子決済カード502と同様に会員登録を行うことができる。なお、ネガフラグは、狭義の意味では電子マネーの利用を許可できない決済IDを電子マネーの利用を許可できる決済IDから区別するための情報であるが、当該情報が付加された決済ID(電子マネーの利用を許可できない決済ID)自体もネガフラグ(広義のネガフラグ)ともいう。具体的に、決済IDの最終ビットが「0」なら電子マネーの利用を許可できる決済ID、「1」なら電子マネーの利用を許可できない決済IDとする場合、「1」の最終ビットが狭義のネガフラグで、「1」の最終ビットを含む決済ID自体が広義のネガフラグである。
具体的に、決済管理センタ600は、決済IDが不正使用された場合(例えば、現金が入金されていないにも関わらず電子マネーの金額が入金された場合など)、当該決済IDによる決済承認処理を禁止するとともに、今後同じ決済IDからの決済承認要求を受付けないために電子マネーの利用を許可できない決済ID(ネガフラグ)のリスト(ネガリスト)を作成し保存している。そのため、電子マネー受付部330や決済端末520などは、決済管理センタ600とオンラインで接続されている場合、決済管理センタ600に送信した決済情報の決済IDがネガリストに含まれていれば決済承認処理が行われずに、エラーが決済管理センタ600から送信される。しかし、電子マネー受付部330や決済端末520などは、決済管理センタ600との接続がオフラインの場合、決済情報の決済IDがネガリストに含まれているか否かを確認することができない。そこで、決済管理センタ600は、電子マネー受付部330や決済端末520などに対して予めネガリストを送信する。ネガリストの送信は、定期的に送信しても、電子マネー受付部330や決済端末520などからの更新要求に基づいて送信してもよい。ネガリストを受信した電子マネー受付部330や決済端末520などは、決済情報の決済IDがネガリストに含まれていれば電子マネーの利用を禁止することができる。
さらに、決済端末等によってはオフラインなどでネガリストが届いていない場合が考えられる。この場合、ネガリストが届いている決済端末等で電子決済カード502を受付け、当該電子決済カード502の決済IDがネガリストに含まれていれば、利用不可情報(禁止情報)が当該電子決済カード502に書込まれるので、ネガリストが届いていない他の決済端末等でも電子マネーの利用が許可されないようにすることができる。なお、ネガリストを用いて電子決済カード502の使用を禁止する内容については、後段で図を用いて詳細に説明する。なお、電子決済カード502の使用を禁止する場合、電子決済カード502の使用をすべて禁止しても、一部(例えば、電子マネーの機能(例えば、電子マネーを利用してカードユニットに入金し、玉貸して遊技すること)のみ禁止して、会員カードとしての機能(例えば、持玉や貯玉を払出して遊技すること)は使用可能としてもよい)を禁止してもよい。また、電子決済カード502の使用とは、ホール内、ホール外に限らず電子決済カード502に記録された情報を利用することであり、例えばカードユニットへ入金したり、商品の購入代金を支払ったりするなどが考えられる。ここで、電子決済カード502に記録された情報には、識別情報である決済IDや、価値情報である電子マネーの金額、ポイント数、持玉数、貯玉数などが含まれている。電子決済カード502に記録された情報を利用するとは、電子決済カード502に直接記録されている価値情報(例えば、電子マネーに、玉数、ポイントなど)を使用する場合に限定されず、識別情報(例えば、決済ID、会員カードIDなど)に対応付けて管理装置等で管理されている価値情報を使用する場合も含まれる。ここで、利用不可情報(禁止情報)は、電子マネーの利用を許可できない決済IDを電子マネーの利用を許可できる決済IDから区別するための情報(狭義のネガフラグ)であっても、狭義のネガフラグとは別に電子決済カード502に記録される情報であってもよい。
次に、ホール500での電子決済カード502の利用について説明する。まず、遊技用装置であるCU3での利用として、電子決済カード502への入金(チャージ)、電子決済カード502からCU3への入金、持玉の管理、貯玉の管理などの利用がある。電子決済カード502への入金など遊技に使用する以外の決済情報は、ネットワークを介して決済管理センタ600に送信され記憶される。一方、遊技に使用するため電子決済カード502の電子マネーの金額を減算する決済情報(減算の決済情報)は、通信ボックス504(T−BOX)を介して遊技決済センタ820に送信される。遊技決済センタ820に送信された減算の決済情報は、サーバ821に記憶される。サーバ821は、減算の決済情報を記憶するとともに、通信ボックス504を介してホール500から送信されてくる遊技機の制御・運用情報も記憶している。遊技決済センタ820では、ホールの遊技に利用された決済情報を管理し、ホール内の決済情報をネットワークを介して決済管理センタ600に送信する。なお、ホール500内での持玉の管理や貯玉の管理に関する情報は、ホール500内のサーバで管理されている。
次に、プリペイドカード精算機505で電子決済カード502が利用できる(プリカ精算)。従来、プリペイドカード(既存プリカ)を購入して遊技を行い、遊技終了後に残額をプリペイドカード精算機505で精算し、小銭など返却していた。しかし、電子決済カード502を用いることで、プリペイドカード精算機505は、プリペイドカードの残額を小銭ではなく、電子決済カード502で精算することができる。電子決済カード502で電子マネーの決済情報は、ネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。
次に、景品交換時に電子決済カード502を利用できる。電子決済カード502は、会員カードの機能として遊技で獲得した持玉を記録することも可能で、記録している持玉を景品交換端末506のリーダで読み取り、遊技者が希望する景品と交換する。景品と交換した情報は、景品交換端末506からPOS端末に送信されホール500内のサーバに送信される。なお、遊技者が希望する景品が必要とする持玉に対して、記録している持玉が少ないとき、景品交換に必要な持玉と記録している持玉との差玉を金額換算して電子決済カード502に記録してある残額から差し引くこともできる。この時、電子決済カード502で消費した電子マネーの決済情報は、ネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
次に、ホール内の自動販売機507で電子決済カード502が利用できる。自動販売機507に電子決済カード502のリーダが取り付けてあり、購入したい商品(例えば、缶コーヒー)ボタンを押下した後の一定期間に電子決済カード502をリーダにかざすことで、商品の代金が電子決済カード502の残額から引き落とされ、商品購入の決済を行うことができる。商品購入の決済情報は、ネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。
次に、ホール500外での電子決済カード502の利用について説明する。飲食店などの食券機540で電子決済カード502が利用できる。食券機540に電子決済カード502のリーダが取り付けてあり、購入したい食券ボタンを押下した後の一定期間に電子決済カード502をリーダにかざすことで、食券の代金が電子決済カード502の残額から引き落とされ、食券を購入することができる。食券購入の決済情報は、ネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。
次に、店舗での決済端末520で電子決済カード502が利用できる。書店などの店舗に設置された決済端末520で電子決済カード502が利用できる。店員が決済端末520に購入金額を入力し、電子決済カード502を決済端末520のリーダにかざすことで、商品の購入代金が電子決済カード502の残額から引き落とされ、商品を購入することができる。商品購入の決済情報は、ネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。
次に、コンビニ店の決済端末530で電子決済カード502が利用できる。コンビニ店のレジに電子決済カード502の決済端末530が内蔵されており、購入した商品の代金を支払う際に電子決済カード502を選択した場合、店員が決済方法を電子決済カード502にして、電子決済カード502をリーダにかざすことで、商品の購入代金が電子決済カード502の残額から引き落とされ、商品を購入することができる。商品購入の決済情報は、店舗サーバ531、コンビニ本部サーバ532を経てネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。なお、コンビニ店の決済端末530では、電子決済カード502への入金(チャージ)が可能である。電子決済カード502へ入金した決済情報も、店舗サーバ531、コンビニ本部サーバ532を経てネットワークを介して決済管理センタ600に送信される。
遊技決済センタ820は、各ホールでの決済情報を記憶するとともに、決済処理の制御・運転情報についてもサーバ821で記憶する。遊技決済センタ820は、決済管理センタ600に接続されるとともに、基幹システム810とも接続されている。基幹システム810は、ホールの加盟店情報、請求情報などを記憶するサーバ811を有している。なお、本実施の形態では、決済管理センタ600、遊技決済センタ820および基幹システム810をそれぞれ独立に設ける構成について説明したが、一つのセンタにまとめても、一つのセンタ内に複数のサーバを設けて構成してもよい。
<会員登録>
図33は、電子決済カード502の会員登録する手順を示す概略図である。図33を用いて新規に会員登録する場合の手順について説明する。会員登録は、会員登録機501を用いて行う。会員登録機501は、ホール500のカウンタなどに設置されており、会員登録を希望する遊技者が操作して会員登録を行う端末である。会員登録機501は、例えば7インチ液晶タッチパネルを搭載したタブレット型の携帯端末で、遊技者はタッチペンなどを利用して会員登録に必要な情報を入力する。また、会員登録機501は、表示画面の裏面に電子決済カード502から情報を読取ったり、書込んだりすることができるリードライタ部(図示せず)を有しており、例えば電子決済カード502を当該リードライタ部にかざすと電子マネーの金額や決済IDを読み出すことができる。さらに、会員登録機501は、表示画面の裏面にカメラ(図示せず)が内蔵されており、身分証を撮影することができる。
まず、図33(a)に示す会員登録機501では、会員登録メニューとして「新規会員登録をされる方」、「他店で会員登録済みの方」、「登録内容を変更されたい方」、「再発行される方」、「退会される方」の選択ボタンが画面に表示されている。新規に会員登録を希望する遊技者は、会員登録メニューから「新規会員登録をされる方」を選択する。
「新規会員登録をされる方」のメニューを選択すると図33(b)に示す「カードまたは携帯読取」ページに進む。「カードまたは携帯読取」ページでは、電子決済カード502または携帯端末をリードライタ部(R/W部)にかざすことを促すメッセージが表示され、電子決済カード502または携帯端末をリードライタ部にかざすことで電子決済カード502または携帯端末の決済IDを読取ることができ、会員登録機501の表示画面に読取った決済IDが表示される。なお、新規で会員登録を行う場合、未登録の電子決済カード502または専用アプリをダウンロードした携帯機器503を準備しておく必要がある。また、会員登録機501は、読取った決済IDが正規のIDか否かを確認するために決済管理センタ600で読取った決済IDを照会する。会員登録機501は、決済管理センタ600で照会した結果、問題ない場合に「次へ」の選択ボタンを選択可能にする。
遊技者が、「次へ」の選択ボタンを選択すると図33(c)に示す「利用約款」ページに進む。会員登録機501は、会員登録の際に同意が必要な利用約款を画面に表示し、「利用約款に同意」の選択ボタンを表示する。遊技者が、会員登録機501に表示された利用約款を読み、「利用約款に同意」の選択ボタンを選択した場合、会員登録機501は、「免許証読み取り」のページに進む。
図33(d)に示す「免許証読み取り」のページでは、カメラで自動車運転免許証などの身分証550を撮影する旨と、撮影に必要な操作が会員登録機501の画面に表示される。会員登録機501は、撮影した身分証のデータに対してOCR処理を行い身分証550に記載された内容をテキストデータとして読取り、読取った結果を画面に表示する。遊技者は、身分証550から読取った内容を会員登録機501の表示画面で確認し、問題がなければ会員登録機501の表示画面の「次へ」の選択ボタンを選択する。
遊技者が、「次へ」の選択ボタンを選択すると図33(e)に示す「会員属性入力」ページに進む。会員登録機501は、会員属性として「氏名(カナ)」、「性別」、「郵便番号」、「住所(カナ)」、「電話番号」、「携帯番号」、「暗証番号」などを入力させる画面を表示する。なお、会員属性のうち「氏名(漢字)」、「生年月日」、「住所」などは、身分証550のテキストデータを流用して予め入力されている。遊技者は、入力が必要な会員属性を入力し終えた時点で、会員登録機501の表示画面の「次へ」の選択ボタンを選択する。
遊技者が、「次へ」の選択ボタンを選択すると図33(f)に示す「会員属性確認」ページに進む。なお、「会員属性入力」ページで入力が必要な会員属性が入力されていない場合は、再度「会員属性入力」ページが表示され未入力欄が強調されて表示される。「会員属性確認」ページでは、「会員属性入力」ページで入力した会員属性が会員登録機501の画面に表示される。遊技者は、「会員属性確認」ページの内容に問題がなければ、会員登録機501の表示画面の「次へ」の選択ボタンを選択する。
遊技者が、「次へ」の選択ボタンを選択すると図33(g)に示す「登録担当者入力」ページに進む。会員登録機501は、登録担当者の確認画面が表示され、登録担当者情報の入力待ち状態となる。遊技者は、登録担当者の確認画面が表示された状態で、ホール店員に会員登録機501を返却するとともに、身分証550をホール店員に提示する。ホール店員は、会員登録機501に表示されている会員属性の内容と、提示された身分証550の内容とを確認して問題がなければ、登録担当者情報を入力し、会員登録機501の表示画面の「登録」の選択ボタンを選択する。登録担当者情報は、会員登録の確認を許可されたホール店員にそれぞれ割り当てられている。そのため、後に会員登録を確認したホール店員が誰であったのかを検証することが可能である。
ホール店員が、「登録」の選択ボタンを選択すると図33(h)に示す「会員登録完了」ページに進む。会員登録機501は、会員登録が完了した旨を表示するとともに、会員登録の情報をホール500内のサーバを介して会員登録情報サーバ700に送信する。さらに、会員登録機501は、会員登録の情報を決済管理センタ600に対しても送信する。
次に、ある店舗で新規で会員登録した遊技者が、他の店舗でも会員登録を行う場合の操作について説明する。まず、図33(a)に示す会員登録機501の会員登録メニューから「他店で会員登録済みの方」を選択する。「他店で会員登録済みの方」のメニューを選択すると図33(b)に示す「カードまたは携帯読取」ページに進む。「カードまたは携帯読取」ページでは、電子決済カード502または携帯機器503をリードライタ部にかざすことを促すメッセージが表示され、電子決済カード502または携帯機器503をリードライタ部にかざすことで電子決済カード502または携帯機器503の決済IDが読取られ、会員登録機501の表示画面に決済IDが表示される。会員登録機501は、読取った決済IDに基づいて決済管理センタ600から会員属性の情報を取得する。なお、決済管理センタ600から会員属性の情報を取得する場合、会員登録機501は、新規の会員登録の際に決めてある暗証番号の入力が必要である。以降の処理は、決済管理センタ600から読取った会員属性の情報に基づき新規の会員登録の処理と同様の処理を行うことで他店での会員登録が完了するため、詳細な手順の説明を省略する。
次に、新規で会員登録した内容を変更したい場合の操作について説明する。まず、図33(a)に示す会員登録機501の会員登録メニューから「登録内容を変更されたい方」を選択する。「登録内容を変更されたい方」のメニューを選択すると図33(b)に示す「カードまたは携帯読取」ページに進む。「カードまたは携帯読取」ページでは、電子決済カード502または携帯機器503をリードライタ部にかざすことを促すメッセージが表示され、電子決済カード502または携帯機器503をリードライタ部にかざすことで電子決済カード502または携帯機器503の決済IDが読取られ、会員登録機501の表示画面に決済IDが表示される。会員登録機501は、読取った決済IDに基づいて決済管理センタ600から会員属性の情報を取得する。なお、決済管理センタ600から会員属性の情報を取得する場合、会員登録機501は、新規の会員登録の際に決めてある暗証番号の入力が必要である。決済管理センタ600から読取った会員属性の情報のうち変更したい情報を遊技者が変更し、以降の処理は、変更した会員属性の情報に基づき新規の会員登録の処理と同様の処理を行うことで登録内容の変更が完了するため、詳細な手順の説明を省略する。
<電子マネーの入金>
会員登録された電子決済カード502に電子マネーを入金(チャージ)する処理について説明する。図34は、CU3を用いて電子決済カード502に電子マネーを入金する処理を説明するための概略図である。まず、図34(a)に示すように、CU3は、会員カードが挿入されていない状態で紙幣挿入口302に紙幣が挿入されると、入金情報が一旦ストックカード332に記録され、表示器312に金額が表示される。なお、入金情報は、ストックカード332に記憶されるとともに、CU制御部323のRAMなどにも記憶される。もちろん、入金情報をCU制御部323のRAMなどに記憶させておき、ストックカード332を排出させる場合に、CU制御部323のRAMなどに記憶している入金情報をストックカード332に記憶させてもよい。例えば、1万円札を紙幣挿入口302に挿入すると、表示器312に「10000円」と表示される。
CU3を用いて電子決済カード502に電子マネーを入金する方法には、2つの方法があり、1つはメニュー選択から電子マネーの入金(チャージ)を選択する方法(「メニュー選択」による方法)と、カード返却に代えて電子決済カード502に電子マネーを入金する方法(「返却ボタン押下」による方法)とがある。
まず、「メニュー選択」による方法について説明する。CU3は、紙幣挿入口302から入金された金額を表示器312に表示するとともに、図34(b)に示すようなメニュー画面が表示される。当該メニュー画面には、「お知らせ」、「チャージ」の選択ボタンが表示される。CU3は、遊技者が「チャージ」の選択ボタンを押下すると、図34(c)に示すように表示器312に「カードをかざしてください。」と表示する。なお、この時点で電子決済カード502へ電子マネーを入金することを中止できるように「キャンセル」の選択ボタンも表示器312に表示される。ここで、「キャンセル」の選択ボタンを押下した場合、図34(a)に示す状態に戻る。なお、遊技者が「チャージ」の選択ボタンを押下してから電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざして入金する場合を説明したが、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざすことで、電子決済カード502へ電子マネーを入金してもよい。
次に、CU3は、遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざした場合、図34(d)に示すようにストックカード332に記録された10000円が電子決済カード502の電子マネーとして入金され、入金中(チャージ中)である旨の表示を表示器312に表示する。そして、CU3は、図34(d)に示すように電子決済カード502への電子マネーの入金が完了すると、「チャージ完了」の表示を行うとともに、電子決済カード502に入金した電子マネーの金額を表示する。例えば、図34(d)に示す場合では、電子決済カード502に入金した電子マネーの金額として「10000円」が表示され、遊技者に電子決済カード502に10000円が確かにチャージされたことを報知している。さらに、CU3は、図34(d)に示すようにチャージが完了すると、「カードをお取りください。」とのメッセージを表示する。遊技者は、当該表示後に、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざすことをやめる。
CU3は、チャージが完了すると、電子決済カード502へ入金された電子マネーの金額を含む決済情報を通信ボックス504を介して遊技決済センタ820に送信する。
一方、「返却ボタン押下」による方法について説明する。CU3は、紙幣挿入口302から入金された金額が表示器312に表示されている状態で遊技者がカード返却ボタン322を押下した場合、図34(e)に示すような画面が表示器312に表示される。当該画面には、「カード返却」、「チャージ」、「キャンセル」の選択ボタンが表示され、「カード返却または、残額をチャージするか選択してください。」とのメッセージが表示される。CU3は、遊技者が「チャージ」の選択ボタンを押下すると、図34(c)に示すように表示器312に「カードをかざしてください。」と表示する。一方、CU3は、遊技者が「カード返却」の選択ボタンを押下すると、カード挿入/排出口309から一般カードとしてストックカード332が排出される。なお、CU3は、遊技者が「キャンセル」の選択ボタンを押下すると、カード返却および電子決済カード502に電子マネーを入金することを中止することができる。なお、「キャンセル」の選択ボタンを押下した場合、図34(a)に示す状態に戻る。
図34(e)で遊技者が「チャージ」の選択ボタンを押下して以降の処理は、「メニュー選択」による方法で説明した操作と同じであるため詳細な説明を省略する。なお、電子決済カード502に電子マネーを入金する場合に、電子決済カード502に入金できる上限金額(例えば、50000円)以上の電子マネーを入金しようとすると表示器312にエラーメッセージを報知するようにしてもよい。また、CU3は、遊技決済センタ820との通信がオフライン状態であっても、電子決済カード502への電子マネーのチャージを可能にしてもよい。これにより、電子決済カード502の利便性が向上する。ただし、CU3は、通信ボックス504との通信がオフライン状態のとき、電子決済カード502への電子マネーのチャージを制限する。なお、チャージ制限として、電子決済カード502への電子マネーのチャージを禁止する、高額(例えば、10000円以上)の電子マネーのチャージを禁止するなどが考えられる。これにより、CU3を用いて電子マネーを不正にチャージすることを防止できる。電子決済カード502への電子マネーのチャージを制限する場合、図34(b)に示す「チャージ」の選択ボタンをクレーで表示し、押下できないようにする。さらに、図34に示したように電子決済カード502に電子マネーをチャージする場合、後述するような暗証番号入力は不要である(図38(b)参照)。もちろん、電子決済カード502に電子マネーをチャージする場合も、暗証番号入力するようにしてもよい。
<電子決済カードからの入金>
次に、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金する処理について説明する。図35は、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金する処理を説明するための概略図である。まず、CU3は、電子決済カード502を用いて遊技する場合、図35(a)に示すようなメニュー画面が表示される。当該メニュー画面には、「電子マネー移行」、「電子マネー入金」の選択ボタンが表示される。CU3は、遊技者が「電子マネー入金」の選択ボタンを押下すると、図35(b)に示すように表示器312に「カードをかざしてください。」と表示する。なお、この時点で電子決済カード502の電子マネーをCU3に入金することを中止できるように「キャンセル」の選択ボタンも表示器312に表示される。ここで、「キャンセル」の選択ボタンを押下した場合、図35(a)に示す状態に戻る。
次に、CU3は、遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざした場合、図35(c)に示すように電子決済カード502にチャージされている金額がCU3に入金され、入金中(チャージ中)である旨の表示を表示器312に表示する。なお、電子マネーの入金された金額(入金情報)は、ストックカード332およびCU制御部323のRAMなどに記憶される。ここで、CU3は、入金で可能な上限金額(例えば、10000円)が設定してあり、電子マネー受付部330にかざした電子決済カード502に上限金額より多い電子マネーの金額(例えば、30000円)があっても上限金額以下の電子マネーの金額を入金することになる。さらに、同じ電子決済カード502でCU3に入金できる1日の上限金額を例えば50000円に制限してもよい。具体的には、決済管理センタ600は、電子決済カード502の決済IDに基づいてCU3に入金される電子マネーの入金額を監視し、1日の上限金額を超えた場合にCU3へ入金した決済情報を受け付けない。なお、CU3に入金できる1日の上限金額を同じホール内に限定してもよいし、電子決済カード502が利用可能なすべてのホールとしてよい。CU3に入金可能な電子マネーの金額にこのような上限金額を設けることで、のめり込みを防止することや射幸心を抑制することが可能になる。また、遊技者に貸出す遊技球を25玉で100円(税抜)とした場合、消費税の税率が8%であれば25玉で108円(税込)となる。玉貸し操作をする際に、プリペイドの残額から25玉貸出すたびに108円単位で減算した場合、10000円のプリペイドの残額に対して玉貸し操作を行ない減算していくと最後に64円が貸出せずに残額として残ることになる。なお、遊技者に貸出す遊技球を25玉で108円(税込)とする場合について説明したが、遊技者に貸出す遊技球の数を減らして消費税分を徴収してもよい。具体的に、CU3は、消費税の税率が8%であれば、100円で23玉を遊技者に貸出すように設定してもよい。
つまり、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金する場合に、電子決済カード502にチャージされている10000円分の電子マネーを単純にCU3に入金すると遊技後に必ず64円の残額が残ることになる。具体的に、図36は、電子決済カード502にチャージされている10000円分の電子マネーをCU3に入金した場合の処理を説明するための概略図である。図36(a)および図36(b)の操作は、図35(a)および図35(b)で示した操作と同じであるため詳細な説明を省略する。CU3は、遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざした場合、図36(c)に示すように電子決済カード502にチャージされている10000円分の電子マネーの金額がCU3へ入金され入金中(チャージ中)である旨の表示を表示器312に表示する。そして、CU3は、図36(c)に示すようにCU3への入金が完了すると、「チャージ完了」と表示するとともに、CU3へ入金した金額である「10000円」を表示する。
CU3に10000円が入金された状態で、25玉で108円(税込)の単位で玉貸し操作を行ない遊技を行う(図36(d)に示す消費動作)と、最後64円分が貸出せずに残額として残ることになる(端数カード挿入状態、またはCU制御部323のRAMに記憶された状態)。CU3は、64円の残額が残っていることを図36(e)に示すように「残額:64円」と表示器312に表示する。この状態で、遊技を終了する場合、カード返却ボタン322を押下して、64円の残額をストックカード332に書き込み一般カードとして排出するか、後述する電子決済カード502に64円の残額をチャージする必要がある。
しかし、残った残額が少額であるため、CU3に残額を残したまま放置されたり、排出された一般カードを取り忘れたりする可能性が高くなる。CU3に残額が残った状態、一般カードが取り忘れた状態になると、次の遊技者が遊技機を利用することができず遊技機の稼働率が低下する虞がある。また、CU3の残額を処理したり、取り忘れの一般カードを回収したりする作業が必要となりホール店員の業務が煩雑になる。
そこで、本実施の形態では、図35(c)に示すように、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金する場合に、遊技に使用する遊技玉を貸出す際に電子マネーの金額から減算する電子マネーの単位額を例えば108円として、当該単位額で割切れる電子マネーの金額、例えば9936円(9936円÷108円=92)をCU3に入金する。ここで、電子マネーの単位額とは、CU3に入金する場合に入金することができる金額の最低単位である。つまり、電子マネーの単位額は、1回の玉貸し単位(例えば25玉)の遊技球を貸出し(遊技点の加算)を行うときに減算される金額でもある。CU3は、遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざした場合、図35(c)に示すように電子決済カード502にチャージされている10000円分の電子マネーのうち9936円分の金額(単位額で割切れる電子マネーの金額)がCU3へ入金され、入金中(チャージ中)である旨の表示を表示器312に表示する。そして、CU3は、図35(c)に示すようにCU3への入金が完了すると、「チャージ完了」と表示するとともに、CU3へ入金した金額である「9936円」を表示する。これにより、遊技者がCU3へ入金した金額を知ることができ利便性が向上する。なお、CU3へ入金した金額の報知は、表示器312に「9936円」と表示する場合に限定されず、CU3へ入金した金額が特定可能であればスピーカ270から入金金額を音声で報知したり、携帯端末に電子メールで入金金額を送信して報知したりしてもよい。
電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金する場合に、電子決済カード502にチャージされている10000円分の電子マネーのうち9936円分の金額(単位額で割切れる電子マネーの金額の最大金額)がCU3へ入金される場合を説明したが、遊技者が指定した金額に対して単位額で割切れる電子マネーの金額の最大金額でもよい。例えば、電子決済カード502に10000円分の電子マネーがチャージされている場合に、遊技者が5000円分の金額をCU3へ入金することを指定すると、指定した5000円分の金額に対して単位額(108円)で割切れる最大金額の4968円分の金額がCU3に入金される。なお、遊技者に貸出す遊技球の数を減らして消費税分を徴収する(例えば23玉で100円(税込))設定であれば、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金する場合に、遊技に使用する遊技玉を貸出す際に電子マネーの金額から減算する電子マネーの単位額を例えば100円として、当該単位額で割切れる電子マネーの金額、例えば10000円をCU3に入金する。
CU3に9936円が入金された状態で、25玉で108円(税込)の単位で玉貸し操作を行ない遊技を行う(図35(d)に示す消費動作)と、最後に貸出せずに残る残額は0円となる(0円0玉状態)。CU3は、残額が0円となるので、残額を表示器312に表示することなく、図35(e)に示すように「ご利用ありがとうございました。」のメッセージが表示器312に表示されて処理が終了する。これにより、CU3は、単位額(例えば、108円)で割切れる電子マネーの金額(例えば、9936円)が入金されるので、CU3に端数の残額が生じ難く、終了(台移動などを含む)時や精算時に残額をストックカード332に書込み一般カードとして排出したり、電子決済カード502に残額をチャージしたりする処理が不要となる。そのため、CU3は、終了時や精算時に係る処理の煩雑さが解消され利便性が向上する。また、CU3に端数の残額が生じ難いので、残額をストックカード332に書込み一般カードとして排出したり、電子決済カード502に残額をチャージしたりする処理を減らすことができ、CU3に残額が残った状態、返却された一般カードの取り忘れや電子マネーへのチャージ忘れによる稼働率の低下を防止できる。これらの処理を行うホール店員の業務を軽減できたりすることができる。
なお、CU3は、電子マネーの単位額を例えば108円と設定すると説明したが、電子マネーの単位額を複数の単位額の中から選んでCU制御部323で設定することができるようにしてもよい。例えば、CU3は、電子マネーの単位額を100円、108円、110円、500円、540円、550円など複数用意しておき、ホール側がその中から選択して電子マネーの単位額を540円と設定する。また、電子マネーの単位額は、消費税率の変更にあわせて変更することが可能で、例えば消費税率が8%から10%に変更された場合108円を110円に変更することができるようにしてもよい。さらに、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3が500円(税抜)分すなわち125玉の貸出を行なうように設定されている場合、電子マネーの単位額も540円と設定する。電子マネーの単位額、遊技者に貸出す遊技球を変えずに消費税分を徴収するのか(例えば25玉で108円(税込))、遊技者に貸出す遊技球の数を減らして消費税分を徴収するのか(例えば23玉で100円(税込))などの設定は、CU3毎に設定することも可能であるが、管理装置でホール内の設定を一括して設定できるようにしてもよい。
遊技者がCU3へ電子マネーで再入金する場合、前回入金に利用した電子決済カード502以外の再入金を制限してもよい。複数の電子決済カード502での再入金を認めた場合に、CU3に残った電子マネーを返却するときに、どの電子決済カード502に返却したらよいのかが問題になるとともに、セキュリティが低下する虞がある。また、遊技者がCU3へ電子マネーで再入金する場合に、前回入金に利用した電子決済カード502をかざして、別の電子決済カード502での再入金を許可すると、別の電子決済カード502で再入金を行えるようにしてもよい。これにより、電子マネーがチャージされている別の電子決済カード502を利用して再入金することが可能となるので、セキュリティを担保しつつ、遊技者の利便性が向上する。
遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3が100円(税抜)分すなわち25玉の貸出を行なうように設定されている場合、P台2には遊技玉として25玉のデータが加算されることになる。しかし、本実施の形態に係る電子決済システムは、封入循環式パチンコ機(P台2)、メダル不要のスロットマシン(S台2S)の遊技用システムに限定されるのではなく、パチンコ玉が払出されるパチンコ遊技機、メダルが払出されるスロットマシンなどの遊技機にも適用することができる。そのため、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、カードユニットのノズルから25玉の実際の遊技玉(パチンコ玉)が払出されてもよい。また、パチンコ玉が払出されるパチンコ遊技機などに接続されるカードユニットに対して本実施の形態に係る電子決済システムを適用してもよい。
<カード返却の処理>
CU3に一般カードが挿入されている状態でカード返却ボタン322が押下された場合の処理について説明する。図37は、カード返却ボタン322が押下された場合の処理について説明するための概略図である。まず、図37(a)に示すCU3は、P台2での遊技終了後、遊技者がカード返却ボタン322を押下した場合に、挿入している一般カードを返却する処理を行う。ただし、CU3に入金する方法により、一般カードの返却方法が異なる。つまり、現金を挿入してCU3に入金した場合と、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金した場合とで処理が異なる。
現金を挿入してCU3に入金した場合、CU3は、カード返却ボタン322が押下されると図37(e)に示すように「ご利用ありがとうございました。」のメッセージが表示器312に表示されて、残りの持玉や残額が一般カードに記録されてカード挿入/排出口309から排出される。なお、現金を挿入してCU3に入金した場合でなくても、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金しない場合であればよく、残額のある一般カードをCU3に挿入してP台2で遊技が行われている場合も同様の処理で返却される。なお、追加入金しなければ玉貸しが行なえない端数(例えば、残高64円)のカードを返却することがある。もちろん、端数のカードを返却しないようにしてもよい。
次に、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金した場合、CU3は、カード返却ボタン322が押下されると図37(b)に示すように残額(残高)の金額(例えば、5940円)と選択画面が表示される。当該選択画面には、「カード返却」、「電子マネー移行」の選択ボタンが表示され、「カード返却または、残額をチャージするか選択してください。」とのメッセージが表示される。なお、この時点でカード返却の処理を中止できるように「キャンセル」の選択ボタンも表示器312に表示される。ここで、「キャンセル」の選択ボタンを押下した場合、図37(a)に示す状態に戻る。
次に、CU3は、遊技者が「電子マネー移行」の選択ボタンを押下すると、図37(c)に示すように表示器312に「カードをかざしてください。」と表示する。なお、この時点でカード返却の処理を中止できるように「キャンセル」の選択ボタンも表示器312に表示される。ここで、「キャンセル」の選択ボタンを押下した場合、図37(a)に示す状態に戻る。また、遊技者が「電子マネー移行」の選択ボタンを押下さずに、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざすだけで、CU3の残額を電子決済カード502の電子マネーとして移行してもよい。
次に、CU3は、遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざした場合、図37(d)に示すようにCU3の残額(残高)(例えば、5940円)が電子決済カード502の電子マネーとしてチャージ中(移行中)である旨の表示を表示器312に表示する。そして、CU3は、図37(d)に示すようにCU3の残額を電子決済カード502の電子マネーとして移行することが完了すると、「移行完了」の表示を行うとともに、電子決済カード502の電子マネーとして移行した金額である「5940円」を表示する。これにより、CU3に記憶している電子マネーの金額をすべて使い切る必要がないので、遊技者の利便性が向上する。さらに、CU3は、図37(d)に示すように移行が完了すると、「カードをお取りください。」とのメッセージを表示する。遊技者は、当該表示後に、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざすことをやめる。なお、電子マネーを移行できる電子決済カード502を、いずれの電子決済カード502でも可能としてもよいが、電子決済カード502の所有者以外によるCU3の残額に対する盗難を防止するためには、CU3に電子マネーをチャージした電子決済カード502と同じ決済IDの電子決済カード502を電子マネー受付部330にかざした場合に限り電子マネーを移行できるように制限してもよい。
なお、電子決済カード502にチャージされている電子マネーをCU3に入金した場合であっても、図37(b)に示す選択画面で「カード返却」を選択し、電子決済カード502を電子マネー受付部330にかざすと、現金を挿入してCU3に入金した場合と同様、図37(e)に示すように「ご利用ありがとうございました。」のメッセージが表示器312に表示されて、残りの持玉や残額が一般カードに記録されてカード挿入/排出口309から排出される。例えば、「カード返却」のボタン選択と電子決済カード502をかざすとの操作に基づき、CU3に記憶している電子マネーの金額(CU3へ入金した金額)を、カードリーダライタ331で電子決済カード502と異なるストックカード332に記録する。そして、カードリーダライタ331は、CU3に記憶している電子マネーの金額を記録したストックカード332を一般カードとしてカード挿入/排出口309から排出する。これにより、CU3に記憶している電子マネーの金額を電子決済カード502以外(例えば、一般カード)で特定可能にすることか可能となるので、電子決済カード502の電子マネーの金額を複数の遊技者に分配するなど、遊技者の利便性が向上する。なお、CU3の残額を一般カードに記録させて排出させることができる電子決済カード502を、いずれの電子決済カード502でも可能としてもよいが、電子決済カード502の所有者以外によるCU3の残額に対する盗難を防止するためには、CU3に電子マネーをチャージした電子決済カード502と同じ決済IDの電子決済カード502を電子マネー受付部330にかざした場合に限りCU3の残額を遊技者所有の一般カードに記録させて排出させることができるように制限してもよい。ここで、CU3の残額を精算する操作として「電子マネー移行」および「カード返却」を説明したが、終了操作(例えば、リモコンにより強制的に遊技を停止する操作、遊技機をリセットする操作など)によってもCU3の残額を電子決済カード502の電子マネーに移行したり、ストックカード332に記憶させて排出したりする場合がある。
CU3に記憶している電子マネーの残額(CU3へ入金した金額)を、カードリーダライタ331でストックカード332に記録して、一般カードとして排出する場合、現金で入金した金額の残額と、電子マネーで入金した金額の残額とを区別して記録する。つまり、一旦電子マネーとして記録された金額は、現金として払い戻しができないようにする必要があるため、一般カードにCU3の残額を記録する際も、明確に現金で入金した金額の残額と、電子マネーで入金した金額の残額とを区別しておく。なお、現金で入金した金額の残額は、一般カードに記憶された後、精算機で現金として払い戻すことができる。一方、電子マネーで入金した金額の残額は、一般カードに記憶された後、精算機で現金として払い戻すことができないが、ホール外でも電子マネーとして利用できるようにしてもよい。もちろん、一般カードに記憶された電子マネーは、ホール内での利用に限定してもよく、ホール外で利用するためには精算機で携帯端末など別の記録媒体に電子マネーを移行させるようにしてもよい。以上のように、電子マネーで入金した金額の残額を一般カードに記憶された後、精算機で現金として払い戻すことができないとしたが、精算機の設定により現金として払い戻すことができるようにしてもよい。
<会員カードとしての処理>
電子決済カード502は、会員カードの機能が一体となったカードであるため、会員カードとしての機能、例えば持玉や貯玉による再プレイなどの処理を行うことが可能である。図38は、電子決済カード502の会員カードの機能を利用してサーバに問い合わせを行う処理を説明するための概略図である。まず、CU3は、待機中に遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざすと、電子決済カード502に記録されている決済IDに基づいてホールの会員登録が行われているか否かを会員登録情報サーバ700やホール用管理コンピュータなどのサーバに問い合わせる。CU3は、図38(a)に示すようにサーバ問い合わせ中画面表示を表示器312に表示する。CU3は、問い合わせの結果、決済IDに基づいてホールの会員登録が行われている場合、図38(b)に示すように会員カード挿入状態となる。
CU3は、会員カード挿入状態になると、図38(b)に示すように「会員利用中 暗証番号を入力してください。」とのメッセージを表示器312に表示する。CU3は、遊技者が正しい暗証番号を入力する(暗証番号入力完了)と、決済IDの会員が会員登録情報サーバ700やホール用管理コンピュータなどのサーバで認証され、決済IDの会員カードを利用するモードにログインした状態となる。そして、CU3は、持玉や貯玉を管理しているホール用管理コンピュータに対して問い合わせを行い、図38(c)に示すように「会員利用中 貯玉:1500玉、持玉:3000玉」とのメッセージを表示器312に表示する。なお、電子決済カード502に電子マネーの残高がある場合、表示器312に「会員利用中 貯玉:1500玉、持玉:3000玉、残高:5000円」のメッセージを表示してもよい。
決済IDの会員カードを利用するモードにログインしている状態では、CU3は、貯玉の払出しや持玉の払い出しを従来通り行うことができ、再プレイボタン319を押すだけで、貯玉や持玉を利用した再プレイが可能となる。また、CU3は、決済IDの会員カードを利用するモードにログイン中、再プレイの度に電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざす必要がなく、再プレイボタン319を押すだけでよい。つまり、カード返却ボタン322が押下されて決済IDの会員カードを利用するモードからログアウトするまで、再プレイボタン319を押すだけで再プレイを行うことができる。具体的に、遊技者が再プレイを押下すると、図38(c)に示す「持玉:3000玉」から玉数が減算され封入循環式パチンコ機であるP台2の遊技玉数のカウントが増加する。なお、封入循環式パチンコ機でない遊技機であれば図38(c)に示す「持玉:3000玉」から玉数が減算されると遊技玉が上皿に貸出される。遊技者が再プレイを押下した場合、持玉を優先して使用し、持玉が0玉になった時点で貯玉を減算する。もちろん、遊技者が再プレイを押下した場合に、減算する対象を持玉か貯玉かのいずれかを選択して減算するようにしてもよい。
なお、CU3が、決済IDに基づいて会員登録情報サーバ700やホール用管理コンピュータなどのサーバに問い合わせを行う場合の制約条件として、以下の制約条件が考えられる。
1)CU3にストックカード332がない場合、サーバへのログインが不可となり、決済IDに基づくサーバへの問い合わせが不可となる。
2)CU3とサーバとの通信がオフラインの場合、サーバへのログインが不可となり、決済IDに基づくサーバへの問い合わせが不可となる。
3)決済IDの会員カードを利用するモードにログイン中、一般カードおよび会員カードのカード挿入/排出口309への挿入を不可とする。
4)決済IDの会員カードを利用するモードにログイン時に、通信ボックス504を介して遊技決済センタ820に問い合わせを行うことで現金の入金や電子決済カード502への電子マネーのチャージが可能となる。
次に、CU3が、決済IDの会員カードを利用するモードからログアウトする処理について説明する。CU3は、遊技者がカード返却ボタン322を押下するとログアウトが開始される。具体的に、CU3は、ログアウト時の貯玉、持玉の情報に更新するためホール用管理コンピュータなどのサーバに問い合わせを行う。CU3は、図38(d)に示すようにサーバ問い合わせ中画面表示を表示器312に表示する。CU3は、サーバへの問い合わせが終了するとログアウト処理が完了し、図38(e)に示すように「ログアウト ご利用ありがとうございました。」とのメッセージを表示器312に表示し、待機中状態に戻る。
次に、CU3が待機中ではなく一般カードが既にカード挿入/排出口309に挿入されている場合に、決済IDに基づいてサーバに問い合わせることができない。そのため、一般カードの残額および持玉を電子決済カード502にチャージして、決済IDに基づいてサーバに問い合わせが行えるように処理する必要がある。図39は、一般カードが挿入されている場合に、決済IDに基づいてサーバに問い合わせを行うことを可能にする処理を説明するための概略図である。まず、CU3は、一般カードが挿入されていると、図39(a)に示すように「一般カード 残額:1000円 持玉:1000玉」とのメッセージを表示器312に表示する。また、CU3は、一般カード挿入中、遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざしても、決済IDの会員カードを利用するモードにログインする処理を行うことはない。
しかし、CU3は、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざすと、図39(b)に示すようなメニュー画面が表示される。当該メニュー画面には、「お知らせ」、「持玉チャージ」の選択ボタンが表示される。CU3は、遊技者が「持玉チャージ」の選択ボタンを押下すると、図39(b)に示すように表示器312に「カードをかざしてください。」と表示する。なお、この時点で持玉チャージを中止できるように「キャンセル」の選択ボタンも表示器312に表示される。ここで、「キャンセル」の選択ボタンを押下した場合、図39(a)に示す状態に戻る。また、メニュー画面には「持玉チャージ」のみが表示されているが、「持玉および電子マネーチャージ」の選択ボタンを表示してもよい。この「持玉および電子マネーチャージ」の選択ボタンを押下すると、一般カードに記録された持玉とCU3に入金されている電子マネーとを電子決済カード502にチャージすることができる。
次に、CU3は、遊技者が電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざした場合、図39(c)に示すように一般カードに記録された持玉を電子決済カード502の決済IDに基づく会員の持玉としてチャージ中である旨の表示を表示器312に表示する。そして、CU3は、図39(c)に示すように決済IDに基づく会員の持玉としてチャージが完了すると、持玉数として「1000玉」の表示を行うとともに、「カードをお取りください。」との表示を行う。なお、図39(b)および図39(c)の処理を利用することで、電子決済カード502を用いてCU3の持玉を分け与える(持玉共有)することができる。具体的に、CU3は、一般カードに記録された持玉の全部または一部を電子決済カード502にチャージしてもよい。
持玉チャージ後、CU3は、図39(d)に示すように「一般カード 残額:1000円 持玉:0玉」とのメッセージを表示器312に表示する。つぎに、一般カードの残額(1000円)を電子決済カード502の電子マネーとしてチャージするには、図37で説明した操作を行なうことで処理することができる。そのため、図39(e)では、残額チャージとして、「図37に示した一般カード残額のチャージ処理」と記載するだけで詳細な説明を繰り返さない。なお、図39(d)および図39(e)の処理を利用することで、電子決済カード502を用いてCU3の残額を分け与える(残額共有)することができる。具体的に、CU3は、一般カードに記録された残額の全部または一部を電子決済カード502にチャージしてもよい。
CU3は、挿入中の一般カードの残額が0円および持玉が0玉となると、一般カードを排出することなく回収(例えば、入金等の際に情報を記憶させたストックカード332の記録を消去して、当該カードを一般カードとして排出しない。)して、図39(f)に示すように待機中に戻る。CU3は、待機中、待機画面を表示器312に表示する。図39では、CU3が一般カードの持玉を決済IDに基づく会員の持玉としてチャージした後に、残額を電子決済カード502の電子マネーとしてチャージする例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一般カードの持玉を電子決済カード502にチャージする操作と、残額を電子決済カード502の電子マネーとしてチャージする操作の順序を入れ替えてもよい。また、一般カードの持玉を電子決済カード502にチャージする操作のみ行っても、残額を電子決済カード502の電子マネーとしてチャージする操作のみ行ってもよい。
なお、CU3は、図39(f)に示すように待機中に戻ることで、図38で示したように決済IDに基づいてホールの会員登録が行われているか否かを会員登録情報サーバ700やホール用管理コンピュータなどのサーバに問い合わせることが可能となる。つまり、CU3は、一般カードが既にカード挿入/排出口309に挿入されている場合に、決済IDに基づいてサーバに問い合わせると一般カードと会員カードとを二重に挿入していることになる。そのため、CU3は、一般カードが既にカード挿入/排出口309に挿入されている場合、決済IDに基づいてサーバに問い合わせを制限している。
制限を解除するためには、前述したように一般カードの残額および持玉を電子決済カード502にチャージするか、一般カードをそのまま排出する必要がある。また、CU3とサーバとの通信がオフラインの場合も、サーバへのログインが不可となり、決済IDに基づくサーバへの問い合わせが不可となる。
<暗証番号の認証>
電子決済カード502は、前述したように会員カードとしても機能し、例えば貯玉の払出しや持玉の払い出しを従来通り行うことができる。電子決済カード502を用いて会員カードを利用するモードにログインした状態では、CU3は、再プレイボタン319を押すだけで、貯玉や持玉を利用した再プレイを可能になる。会員カードを利用するモードにログインするには、図38(b)に示すように暗証番号の入力が必要となる。以下に、入力した暗証番号を認証する処理について詳しく説明する。図40は、CU3と会員情報サーバ703との通信がオンライン状態の場合に入力した暗証番号を認証する処理について説明するためのシーケンス図である。なお、遊技者が貯玉や持玉を利用して再プレイを行う場合に会員カードを利用するモードにログインする必要があると説明したが、会員カードを利用するモードにログインするという構成でなくてもよい。例えば、会員カードを利用するモードにログインするのではなく、単に再プレイを行う場合に暗証番号の認証する、または再プレイを行う度に暗証番号の認証するような構成でもよい。
まず、CU3は、遊技者が電子決済カード502をカード挿入/排出口309に挿入前または電子マネー受付部330にかざす前まで、表示器312に待機中の画面を表示させている。次に、電子決済カード502がカード挿入/排出口309に挿入または電子マネー受付部330にかざされることで、CU3は、電子決済カード502を受付ける。なお、受付けた電子決済カード502には、20,000円分の電子マネーが残額として記録されている。CU3は、受付けた電子決済カード502に対してローカルチェックを行う。ローカルチェックは、受付けた電子決済カード502が受付可能なカードか否かを簡単にチェックするための処理である。具体的に、ローカルチェックでは、遊技者が誤って別のカード(例えば、別の電子決済カードやキャッシュカード)を挿入していないか否か、受付けた電子決済カード502の決済IDがCU3に記憶しているネガリストに含まれているか否か、電子決済カード502に利用不可情報(禁止情報)が記録されているか否かなどをチェックしている。
CU3は、ローカルチェックで受付けた電子決済カード502に問題がない場合(OKの場合)、受付けた電子決済カード502の決済IDを上位サーバ(会員情報サーバ703など)に問合わせる処理を行い、表示器312に問合せ中画面を表示させるための画面切替通知を表示器312に送信する。表示器312は、画面切替通知に基づき問合せ中画面を表示する。一方、CU3は、通信ボックス504(T−BOX)を介して遊技決済センタ820に受付けた電子決済カード502の決済IDを問合わせる。具体的に、CU3は、通信ボックス504を介して遊技決済センタ820に受付けた電子決済カード502の決済IDの情報を含むカード挿入信号を送信する。遊技決済センタ820は、CU3で受付けた電子決済カード502の決済IDが最新のネガリストに含まれていないか否かなどを判定し、カード挿入判定結果通知をCU3に送信する。遊技決済センタ820は、受付けた電子決済カード502の使用について問題ない(OK)と判定した場合、カード挿入判定結果通知に履歴情報を含めて送信する。
CU3は、カード挿入判定結果通知に含まれる履歴情報に基づき、記録されている電子マネーの情報を更新する。例えば、インターネットで電子決済カード502の決算IDに電子マネーを入金(チャージ)していた場合、電子決済カード502自体にはまだ記録されていないのでCU3で受付けたタイミングで履歴情報を使用して電子決済カード502の電子マネーの情報を更新する。また、CU3は、受付けた電子決済カード502の使用に問題ある(NG)との判定(例えば、受付けた電子決済カード502の決済IDが最新のネガリストに含まれているなど)がされた場合、電子決済カード502に利用不可情報(禁止情報)を記録する。なお、CU3は、記憶しているネガリストに受付けた電子決済カード502の決済IDが含まれていると判定(ローカルチェックでのチェック)した場合でも、電子決済カード502に利用不可情報(禁止情報)を記録する。
さらに、CU3は、会員情報サーバ703に受付けた電子決済カード502の決済IDを問合わせる。具体的に、CU3は、会員情報サーバ703に受付けた電子決済カード502の決済IDの情報を含むカード挿入通知を送信する。会員情報サーバ703は、受付けた電子決済カード502の決済IDの会員登録の有無について判定を行い、その判定結果をカード挿入結果としてCU3に送信する。受付けた電子決済カード502の決済IDが会員情報サーバ703に会員登録されていると判定され、次に決済IDの会員カードを利用するモードにログインするためにはパスワード認証(P認証)をCU3で行う必要がある。そのため、会員情報サーバ703は、パスワード認証待ちの状態を示す「滞留」状態の情報を含むカード挿入結果をCU3に送信する。一方、受付けた電子決済カード502の決済IDが会員情報サーバ703に会員登録されていないと判定された場合、会員情報サーバ703は、「NG」の情報を含むカード挿入結果をCU3に送信する。なお、CU3は、「NG」や「滞留」の情報を含むカード挿入結果を受信した場合でも、エラーやシステムがダウンすることがなく対応する。
CU3が「NG」の情報を含むカード挿入結果を受信した場合、CU3は受付けた電子決済カード502を会員カードとして取り扱うことなく、単に電子マネーカードとして取り扱う。つまり、受付けた電子決済カード502は、会員として記録されている持玉や貯玉を遊技に使用することができず、チャージされている電子マネーの金額をCU3に入金して遊技を行うことしかできない。一方、CU3が「滞留」の情報を含むカード挿入結果を受信した場合、CU3はパスワード認証の処理を実行する。まず、CU3は、表示器312に対して暗証入力画面を表示するように暗証入力画面通知を送信する。表示器312は、図38(b)に示すように「会員利用中 暗証番号を入力してください。」とのメッセージを表示するとともに、タッチ操作で暗証番号を入力できるようにテンキーが表示される。なお、表示器312はタッチパネル機能が付加された表示器として説明するが、暗証番号を入力するテンキーを別途設けてもよい。また、図38(b)に示すように「会員利用中 暗証番号を入力してください。」とのメッセージを表示器312に表示してCU3がパスワード認証を行う場合として、電子決済カード502をCU3に挿入したとき以外に、貯玉を持玉や遊技玉に変換するときや持玉や遊技玉を貯玉に変換するときなどに行ってもよい。
表示器312は、タッチ操作で入力された暗証番号の情報(例えば、4桁の入力値)をCU3に送信する。CU3は、暗証番号の情報を表示器312から受信した場合、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせる。会員情報サーバ703は、CU3からの問い合わせに基づいて、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を読み出し、CU3に送信する。なお、会員情報サーバ703から受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を読み出すタイミングは、CU3からの問い合わせ時に限定されず、暗証番号の情報の入力時や再プレイボタン319の押下時などの他のタイミングでもよい。CU3は、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と、入力された暗証番号の情報とを比較して正否を判定する。CU3は、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と入力された暗証番号の情報とが一致する場合、暗証番号の照合がOKであると判定する。一方、CU3は、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と入力された暗証番号の情報とが一致しない場合、暗証番号の照合がNGであると判定する。
CU3は、遊技者が正しい暗証番号を入力する(暗証番号入力完了)とパスワード認証がOKとなり、決済IDの会員がオンライン状態で会員登録情報サーバ700に認証されたことになる。つまり、決済IDの会員カードを利用するモードにログインした状態となる。CU3は、決済IDの会員カードを利用するモードにログインすることで、使用の制限を解除して持玉や貯玉を用いた遊技を可能にする。そして、CU3は、持玉や貯玉を管理しているホール用管理コンピュータに対して問い合わせを行い、カード情報を確定する。CU3は、カード情報を確定した場合、当該カード情報を表示器312に表示する。通知するカード情報には、カード種別表示として「電子決済カード」、電子マネー残高として「20,000円」、持玉として「3000玉」、持玉数表示として「使用可」、貯玉数(過去の貯玉数)として「1500玉」、貯玉数表示として「使用可」、会員エラーコードとして「なし」の情報などが含まれている。なお、CU3は、会員カードを利用するモードにログインした場合、会員登録情報サーバ700や持玉管理サーバなどのサーバに対して問い合わせを行い、必要なカード情報を取得して表示器312に表示してもよい。また、カード情報を確定させるためにCU3がホール用管理コンピュータなどに問い合わせるタイミングは、パスワード認証後のタイミングに限定されるものとはなく、パスワード認証前のタイミングでもよい。
表示器312は、CU3からカード情報を受信した場合、カード情報応答をCU3に送信し、受信したカード情報の内容を表示する。表示器312は、図38(c)に示すように挿入中画面として「会員利用中 貯玉:1500玉、持玉:3000玉」のメッセージを表示する。なお、表示器312は、電子決済カード502に電子マネーの残高も合わせて挿入中画面に「会員利用中 貯玉:1500玉、持玉:3000玉、残高:20,000円」のメッセージを表示してもよい。
図40で示したパスワード認証では、CU3が暗証番号の情報を表示器312から受信した場合、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせて、暗証番号の正否を判定(パスワード認証)していた。しかし、CU3と会員情報サーバ703との通信がオフライン状態の場合、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせることができず、暗証番号の正否を判定(パスワード認証)することができない。そこで、本実施の形態に係る電子決済カード502には暗証番号の情報が記録してあり、CU3と会員情報サーバ703との通信がオフライン状態の場合、決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせることなく、記録してある暗証番号の情報を使用して暗証番号の正否を判定(パスワード認証)することができる。なお、電子決済カード502に記録してある暗証番号の情報は、電子決済カード502の会員登録時やパスワード設定時などに電子決済カード502に記録される。具体的に、図41は、CU3と会員情報サーバ703との通信がオフライン状態の場合に入力した暗証番号を認証する処理について説明するためのシーケンス図である。
まず、CU3は、遊技者が電子決済カード502をカード挿入/排出口309に挿入前または電子マネー受付部330にかざす前まで、表示器312に待機中の画面が表示される。次に、電子決済カード502がカード挿入/排出口309に挿入または電子マネー受付部330にかざされることで、CU3は、電子決済カード502を受付ける。なお、受付けた電子決済カード502には、20,000円分の電子マネーが残額として記録されている。CU3は、受付けた電子決済カード502に対してローカルチェックを行う。
CU3は、ローカルチェックで受付けた電子決済カード502に問題がない場合(OKの場合)、受付けた電子決済カード502の決済IDを上位サーバ(会員情報サーバ703など)に問合わせる処理を行い、表示器312に問合せ中画面を表示させるための画面切替通知を表示器312に送信する。表示器312は、画面切替通知に基づき問合せ中画面を表示する。一方、CU3は、通信ボックス504を介して遊技決済センタ820に受付けた電子決済カード502の決済IDを問合わせる。遊技決済センタ820は、CU3で受付けた電子決済カード502の使用について問題ないか否かを判定し、カード挿入判定結果通知をCU3に送信する。遊技決済センタ820は、受付けた電子決済カード502の使用が問題ない(OK)と判定した場合、カード挿入判定結果通知に履歴情報を含めて送信する。
CU3は、カード挿入判定結果通知に含まれる履歴情報に基づき、記録されている電子マネーの情報を更新する。また、CU3は、受付けた電子決済カード502の使用に問題ある(NG)と判定されたカード挿入判定結果通知を受信した場合、電子決済カード502に禁止情報を記録する。
さらに、CU3は、会員情報サーバ703に受付けた電子決済カード502の決済IDを問合わせる。しかし、CU3と会員情報サーバ703との通信がオフライン状態である場合、会員情報サーバ703で受付けた電子決済カード502の決済IDの会員登録の有無の判定することができない。そこで、CU3は、電子決済カード502に暗証番号の情報が記憶してあるか否かを確認する。電子決済カード502に暗証番号の情報が記憶してあれば、CU3は、会員情報サーバ703に会員登録済みであると判断して、制限パスワード認証の処理を実行する。
制限パスワード認証の処理では、まずCU3が、表示器312に対して暗証入力画面を表示するように暗証入力画面通知を送信する。表示器312は、図38(b)に示すように「会員利用中 暗証番号を入力してください。」とのメッセージを表示するとともに、タッチ操作で暗証番号を入力できるようにテンキーが表示される。
表示器312は、タッチ操作で入力された暗証番号の情報(例えば、4桁の入力値)をCU3に送信する。CU3は、暗証番号の情報を表示器312から受信した場合、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせることができないので(オフライン状態のため)、電子決済カード502に記憶してある暗証番号の情報を使用して、入力された暗証番号の情報とを比較して正否を判定する(制限パスワード認証)。なお、電子決済カード502に記憶してある暗証番号の情報と、会員情報サーバ703に記憶してある暗証番号の情報とは同じものである。CU3は、電子決済カード502に記憶してある暗証番号の情報と入力された暗証番号の情報とが一致する場合、暗証番号の照合がOKであると判定する。一方、CU3は、電子決済カード502に記憶してある暗証番号の情報と入力された暗証番号の情報とが一致しない場合、暗証番号の照合がNGであると判定する。
CU3は、遊技者が正しい暗証番号を入力する(暗証番号入力完了)と制限パスワード認証がOKとなる。しかし、CU3と会員情報サーバ703との通信がオフライン状態で、電子決済カード502に記憶してある暗証番号を用いてパスワード認証を行ったので、制限された会員カードのモードにログインした状態となる。つまり、電子決済カード502の決済IDの会員が、オンライン状態で会員登録情報サーバ700に認証された訳ではなく、CU3は持玉や貯玉を用いた遊技ができないように遊技を制限する。なお、CU3は、持玉や貯玉を管理しているホール用管理コンピュータに対して問い合わせることができるので、持玉として「3000玉」および貯玉数として「1500玉」のカード情報を得ることはできるものとする。ただし、持玉および貯玉の使用が不可であるため、持玉数表示および貯玉数表示のカード情報は「使用不可」の情報となる。もちろん、制限された会員カードのモードでログインした場合は、ホール用管理コンピュータに対して持玉や貯玉を問い合わせなくてもよい。また、会員エラーコードのカード情報は、「使用制限」の情報となる。さらに、図41に示すシーケンス図では、CU3と通信ボックス504(T−BOX)との通信がオンライン状態の場合について説明したが、オフライン状態であってもCU3でのローカルチェックで問題がなければ電子決済カード502を使用することは可能である。また、前述の例では、持玉や貯玉がホール用管理コンピュータなどで管理されている場合について説明したが、電子決済カード502に持玉や貯玉の情報が直接記憶してあってもよい。電子決済カード502に持玉や貯玉の情報が直接記憶してあれば、CU3とホール用管理コンピュータとの通信がオフライン状態であっても、持玉や貯玉を用いて遊技を行うことが可能となる。
表示器312は、CU3からカード情報を受信した場合、カード情報応答をCU3に送信し、受信したカード情報の内容を表示する。ただし、表示器312は、持玉数表示および貯玉数表示のカード情報が「使用不可」であるので、挿入中画面として「会員利用中−制限中 貯玉:0玉、持玉:0玉、残高:20,000円」のメッセージを表示する。なお、表示器312は、遊技者に現在所有している持玉数および貯玉数を知らせるために、「会員利用中−制限中 貯玉:1500玉(使用不可)、持玉:3000玉(使用不可)、残高:20,000円」のメッセージを表示してもよい。また、制限された会員カードのモードにログインした場合、CU3は、電子決済カード502に記録されている電子マネーを使用すること(第1特定処理)ができるが、持玉や貯玉を用いた遊技(第2特定処理)を制限する。つまり、CU3が会員情報サーバ703に記憶されている暗証番号の受信の有無に関わらず、電子決済カード502に記録されている電子マネーを使用すること(第1特定処理)ができる。ただし、遊技玉を持玉として計数して電子決済カード502に記憶することや、持玉を貯玉にすることについては制限しないとしてもよい。
図40および図41では、受付けた電子決済カード502の決済IDが会員登録情報サーバ700に会員登録されている場合で、パスワード認証(制限パスワード認証を含む)がOKとなる場合について説明した。次に、受付けた電子決済カード502の決済IDが会員登録情報サーバ700に会員登録されていない場合(電子マネーカードとして使用される場合)や、パスワード認証(制限パスワード認証を含む)がNGとなる場合(暗証番号を忘れた場合、不正に使用される場合など)について説明する。図42は、会員登録されていない場合およびパスワード認証がNGとなった場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
まず、CU3は、遊技者が電子決済カード502をカード挿入/排出口309に挿入前または電子マネー受付部330にかざす前まで、表示器312に待機中の画面が表示される。次に、電子決済カード502がカード挿入/排出口309に挿入または電子マネー受付部330にかざされることで、CU3は、電子決済カード502を受付ける。なお、受付けた電子決済カード502には、20,000円分の電子マネーが残額として記録されている。CU3は、受付けた電子決済カード502に対してローカルチェックを行う。
CU3は、ローカルチェックで受付けた電子決済カード502に問題がない場合(OKの場合)、受付けた電子決済カード502の決済IDを上位サーバ(会員情報サーバ703など)に問合わせる処理を行い、表示器312に問合せ中画面を表示させるための画面切替通知を表示器312に送信する。表示器312は、画面切替通知に基づき問合せ中画面を表示する。一方、CU3は、通信ボックス504を介して遊技決済センタ820に受付けた電子決済カード502の決済IDを問合わせる。遊技決済センタ820は、CU3で受付けた電子決済カード502の使用について問題ないか否かを判定し、カード挿入判定結果通知をCU3に送信する。遊技決済センタ820は、受付けた電子決済カード502の使用が問題ない(OK)と判定した場合、カード挿入判定結果通知に履歴情報を含めて送信する。
CU3は、カード挿入判定結果通知に含まれる履歴情報に基づき、記録されている電子マネーの情報を更新する。また、CU3は、受付けた電子決済カード502の使用に問題ある(NG)と判定されたカード挿入判定結果通知を受信した場合、電子決済カード502に禁止情報を記録する。
さらに、CU3は、会員情報サーバ703に受付けた電子決済カード502の決済IDを問合わせる。会員情報サーバ703は、受付けた電子決済カード502の決済IDの会員登録の有無の判定を行い、その判定結果をカード挿入結果としてCU3に送信する。受付けた電子決済カード502の決済IDが会員情報サーバ703に会員登録されていると判定された場合、決済IDの会員カードを利用するモードにログインした状態とするためにCU3でパスワード認証(P認証)を行う必要がある。そのため、会員情報サーバ703は、パスワード認証待ちの状態を示す「滞留」状態の情報を含むカード挿入結果をCU3に送信する。一方、受付けた電子決済カード502の決済IDが会員情報サーバ703に会員登録されていないと判定された場合、会員情報サーバ703は、「NG」の情報を含むカード挿入結果をCU3に送信する。
CU3が「NG」の情報を含むカード挿入結果を受信した場合、CU3は受付けた電子決済カード502を会員カードとして取り扱うことなく、単に電子マネーカードとして取り扱う。そのため、以下のパスワード認証の処理を実行せずにカード情報確定の処理へ進む。なお、CU3が「NG」の情報を含むカード挿入結果を受信した場合、CU3は、電子マネーカードとしても利用できないように取り扱っても、あるいは、一定の金額(例えば、10,000円など)の電子マネーまでの使用が可能なように取り扱ってもよい。一方、CU3が「滞留」の情報を含むカード挿入結果を受信した場合、CU3はパスワード認証の処理を実行する。まず、CU3は、表示器312に対して暗証入力画面を表示するように暗証入力画面通知を送信する。表示器312は、図38(b)に示すように「会員利用中 暗証番号を入力してください。」とのメッセージを表示するとともに、タッチ操作で暗証番号を入力できるようにテンキーが表示される。
表示器312は、タッチ操作で入力された暗証番号の情報(例えば、4桁の入力値)をCU3に送信する。CU3は、暗証番号の情報を表示器312から受信した場合、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせる。会員情報サーバ703は、CU3からの問い合わせに基づいて、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を読み出し、CU3に送信する。CU3は、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と、入力された暗証番号の情報とを比較して正否を判定する。CU3は、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と入力された暗証番号の情報とが一致する場合、暗証番号の照合がOKであると判定する。一方、CU3は、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と入力された暗証番号の情報とが一致しない場合、暗証番号の照合がNGであると判定する。
CU3は、遊技者が間違った暗証番号が入力(例えば、3回間違った暗証番号が入力)されるとパスワード認証をNGと判定して、決済IDの会員が会員登録情報サーバ700で認証されていないとする。つまり、決済IDの会員カードを利用するモードにログインできない状態となる。そして、CU3は、持玉や貯玉を管理しているホール用管理コンピュータに対して問い合わせを行うことなく、カード情報を確定する。CU3は、カード情報を確定した場合、当該カード情報を表示器312に表示する。持玉や貯玉の問い合わせを行わないので、通知するカード情報には、カード種別表示として「電子決済カード」、電子マネー残高として「20,000円」、会員エラーコードとして「使用禁止」の情報などが含まれるだけである。
表示器312は、CU3からカード情報を受信した場合、カード情報応答をCU3に送信し、受信したカード情報の内容を表示する。ただし、表示器312は、受付けた電子決済カード502を会員未登録の電子マネーカードとして表示し、挿入中画面として「会員未登録 残高:20,000円」のメッセージを表示する。なお、表示器312は、遊技者に会員登録すると持玉および貯玉を利用できることを認識させるために、「会員未登録 貯玉:0玉(使用不可)、持玉:0玉(使用不可)、残高:20,000円」のメッセージを表示してもよい。
次に、電子決済カード502の電子マネー残高をCU3に入金する決済を行った場合の処理について説明する。図43は、電子決済カード502の電子マネー残高を用いて決済を行う場合の処理を説明するためのシーケンス図である。CU3は、図40に示したように遊技決済センタ820から履歴情報を含むカード挿入判定結果通知を受信することで記録されている電子マネーの情報を更新することができ、表示器312に電子マネー残高が20,000円であることを表示させる。さらに、CU3は、遊技者が電子決済カード502からCU3への入金操作(a)を行なった場合、図35(c)に示すように電子決済カード502にチャージされている金額がCU3に入金(具体的には、CU制御部323のRAMや内部のストックカード332などにチャージされた金額が記憶される。)され、入金中(チャージ中)である旨の表示を表示器312に表示させる。具体的に、表示器312は、遊技者が電子マネー入金の操作を行なって10,000円の電子マネーをCU3に入金する場合、図43に示すように10,000円の電子マネーの入金操作信号をCU3に送信する。CU3は、表示器312からの操作信号に基づき電子決済カード502の電子マネー残高から10,000円の電子マネーをCU3に入金する決済情報を、通信ボックス504(T−BOX)を介して遊技決済センタ820に送信する。
遊技決済センタ820では、CU3から受信した決済情報を処理する決済処理を実行して、当該決済処理に問題がなければ決済認証の情報をCU3に送信する。CU3は、遊技決済センタ820から決済認証の情報を受信した場合、電子決済カード502に記録されている電子マネー残高から10,000円分の電子マネーを減算して、表示器312に10,000円分の電子マネーを減算する旨の表示情報を送信する。表示器312は、当該表示情報を受けて、電子マネー残高の20,000円から10,000円分の電子マネーを減算して、電子マネー残高の10,000円に表示を更新する。なお、遊技決済センタ820は、決済処理に問題があれば決済認証NGの情報をCU3に送信する。CU3は、遊技決済センタ820から決済認証NGの情報を受信した場合、電子決済カード502に記録されている電子マネー残高から10,000円分の電子マネーを減算せずに、表示器312に電子マネー入金ができない旨の表示情報を送信する。表示器312は、当該表示情報を受けて、電子マネー入金NGの表示と電子マネー残高の20,000円を表示する。
さらに、CU3は、遊技者が電子決済カード502からCU3への入金操作(b)を行なった場合、電子決済カード502にチャージされている金額がCU3に入金され、入金中(チャージ中)である旨の表示を表示器312に表示させる。なお、入金操作(a)を行った際はCU3と遊技決済センタ820との通信がオンライン状態であったが、入金操作(b)を行う際にはCU3と遊技決済センタ820との通信がオフライン状態である。電子決済カード502に記録された電子マネーの決済は、CU3と遊技決済センタ820との通信がオンライン状態であっても、オフライン状態であっても同様に決済処理を行うことが可能であるが、決済情報を遊技決済センタ820に送信できるか否かで異なる。そのため、表示器312は、入金操作(a)の際と同様に、遊技者が電子マネー入金の操作を行なって10,000円の電子マネーをCU3に入金する場合、10,000円の電子マネーの入金操作信号をCU3に送信する。しかし、CU3は、表示器312からの操作信号に基づき電子決済カード502の電子マネー残高から10,000円の電子マネーをCU3に入金する決済情報を、通信ボックス504(T−BOX)を介して遊技決済センタ820に送信することができない。ここで、CU3は、決済情報を、通信ボックス504(T−BOX)を介して遊技決済センタ820に送信する場合を説明したが、通信ボックス504(T−BOX)を介さずに遊技決済センタ820に直接送信してもよい。
そこで、CU3は、遊技決済センタ820から決済認証の情報を受けずに決算処理を行い、電子決済カード502に記録されている電子マネー残高から10,000円分の電子マネーを減算して、表示器312に10,000円分の電子マネーを減算する旨の表示情報を送信する。表示器312は、当該表示情報を受けて、電子マネー残高の10,000円から10,000円分の電子マネーを減算して、電子マネー残高の0円に表示を更新する。なお、CU3は、決済処理に問題があれば、電子決済カード502に記録されている電子マネー残高から10,000円分の電子マネーを減算せずに、表示器312に電子マネー入金ができない旨の表示情報を送信する。表示器312は、当該表示情報を受けて、電子マネー入金NGの表示と電子マネー残高の10,000円を表示する。なお、CU3は、遊技決済センタ820との通信がオンライン状態に復旧したとき、オフライン状態のときに決算処理した情報を遊技決済センタ820に送信する。遊技決済センタ820は、オフライン状態のときに決算処理した情報を受信することで、電子決済カード502に記録されている電子マネー残高を更新することができる。
次に、遊技者または店員が電子決済カード502に記録されている電子マネーを入金した決済を確認するために決済履歴を表示する処理を行う場合、遊技者または店員は、表示器312に表示された決済履歴のボタンを操作する。当該ボタンを操作すると、表示器312は、決済履歴要求の信号をCU3に送信する。CU3は、決済履歴要求の信号を受信した場合、記憶手段に記憶している電子マネーの決済履歴情報を表示器312に送信して、当該決済履歴情報を表示器312に表示させる。なお、決済履歴情報には、入金操作(a)の決済情報と入金操作(b)の決済情報とが含まれている。この入金操作(a)の決済情報には、10,000円分の電子マネーを電子決済カード502からCU3に入金したこと、CU3と遊技決済センタ820との通信がオンライン状態で決済処理を行ったことなど情報が含まれている。入金操作(b)の決済情報には、10,000円分の電子マネーを電子決済カード502からCU3に入金したこと、CU3と遊技決済センタ820との通信がオフライン状態で決済処理を行ったことなど情報が含まれている。なお、電子マネーの決済履歴情報がCU3の記憶手段に記憶されていない場合、CU3は、通信ボックス504(T−BOX)を介して遊技決済センタ820に電子マネーの決済履歴情報を問い合わせてもよい。
前述したようにCU3は、CU3と遊技決済センタ820との通信が可能である場合に電子決済カード502に記録されている電子マネーを使用した決済情報と、CU3と遊技決済センタ820との通信が不通である場合に電子決済カード502に記録されている電子マネーを使用した決済情報とを特定可能に出力することができる。つまり、表示器312は、入金操作(a)で10,000円分の電子マネーをCU3にオンライン状態で入金した情報と、入金操作(b)で10,000円分の電子マネーをCU3にオフライン状態で入金した情報とに分けて決済履歴として表示することができる。もちろん、当該決済履歴を表示器312で特定可能に出力するのではなく、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801などに出力してもよい。ホール用管理コンピュータやホールサーバ801などでは、電子決済カード502の決済履歴を収集および集計することで、電子決済カード502を使用した遊技の金額や頻度などの情報を管理することができる。
また、決済履歴情報には、CU3と遊技決済センタ820との通信がオンライン状態かオフライン状態かを特定可能にする情報だけではなく、CU3と会員情報サーバ703との通信がオンライン状態かオフライン状態か、またパスワード認証か制限パスワード認証かの情報などを含んでもよい。例えば、CU3は、入金操作(x)で10,000円分の電子マネーをパスワード認証の電子決済カード502からCU3に入金した情報と、入金操作(y)で10,000円分の電子マネーを制限パスワード認証の電子決済カード502からCU3に入金した情報とをそれぞれ特定可能な決済履歴情報として出力してもよい。
以上のように、本実施の形態は、電子決済カード502を受付ける複数のCU3と、CU3と通信可能に接続される会員登録情報サーバ700とを備える管理システムである。会員登録情報サーバ700は、暗証番号(秘匿情報)を電子決済カード502に記録された決済ID(識別情報)に対応付けて記憶する。CU3は、受付けた電子決済カード502に記録された決済IDを特定し、受付けた電子決済カード502の暗証番号の入力を受付ける。CU3は、特定した電子決済カード502の決済IDに対応して会員登録情報サーバ700に記憶されている暗証番号を受信し、入力で受付けた暗証番号の正否を判定し、暗証番号が正当であると判定された場合に、受付けた電子決済カード502の使用の制限を解除する。CU3は、会員登録情報サーバ700により暗証番号を受信できた場合には当該暗証番号に基づいて入力で受付けた暗証番号の正否を判定する一方、会員登録情報サーバ700により暗証番号を受信できない場合には電子決済カード502に記録されている暗証番号に基づいて入力で受付けた暗証番号の正否を判定する。このような構成によれば、電子決済カード502を使用した場合のセキュリティ性を高めつつ、遊技者の利便性を向上させることができる。
<ネガリスト(ネガティブリスト)>
本実施の形態に係る電子決済システムにおいて、ネガリストを用いて電子決済カード502の使用を禁止(一部の禁止(例えば、電子マネーのみ使用禁止など)も含む)する構成について説明する。なお、当該構成については、電子決済システムに限定されるものではなく、管理サーバに通信可能に接続された端末装置において、識別情報が記録された記録媒体を特定可能認識させ何らかの物やサービスを提供するシステムであれば同様に適用することができる。例えば、買い物をすることにより付加される会員ポイントを記録する会員カードを認識する端末装置とその管理サーバなどが考えられる。
まず、決済管理センタ600から管理装置禁止情報である使用禁止リスト(ネガリスト)が端末装置であるCU3に送信される場合について説明する。図44は、使用禁止リストを決済管理センタ600からCU3に送信する場合を説明する図である。図44に示す決済管理センタ600は、電子決済カード502の不正利用に基づく使用を禁止する要求情報(例えば、記録された情報を改ざんしたカードが使用された場合にホールなどからの使用禁止要求など)、電子決済カード502の使用を禁止する要求情報(例えば、電子マネーをチャージした金額を銀行引落としとした場合に、引き落としできなかった銀行からの使用禁止要求など)を外部(ホールや銀行など)から受付けた場合、予め定められた条件(例えば、記録された情報を改ざんの有無、チャージした金額を回収(銀行引落としやクレジット決済など)できなかった場合など)に基づき使用禁止の要求があった電子決済カード502の決済ID(K−ID)を使用禁止リストに記憶する。使用禁止リストは、サーバ601に記憶されるとともに、ホール500の決済端末でもあるCU3やコンビニ店の決済端末530(図32参照)に送信され、それぞれの端末に記憶される。使用禁止リストの送信は、インターネットなどの通信回線を利用して送信され、予め定められた送信スケジュール(例えば、1日1回、午後2:00に送信するなど)で送信しても、決済端末からの送信要求に基づいて送信してもよい。なお、使用禁止リストを送信する際は、セキュリティを確保するために決済管理センタ600と相互認証された決済端末に対してのみ送信したり、使用禁止リストを暗号化して送信したりするなど対策を行うことが望ましい。
使用禁止リストを受信したCU3は、電子決済カード502や携帯機器503が電子マネー受付部330にかざされると、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDを読出して、受付けた電子決済カード502や携帯機器503の許可(OK)、不許可(NG)を判断している。なお、CU3は、特定手段である電子マネー受付部330に電子決済カード502や携帯機器503がかざされるタイミングで、電子決済カード502や携帯機器503に記録された識別情報である決済IDを読出して特定する。具体的に、CU3は、電子決済カード502や携帯機器503から読出した決済IDが正規の識別情報(例えば、パリティチャックで判断)であれば許可(OK)、正規の識別情報でなければ不許可(NG)と判断する。しかし、CU3は、読出した決済IDが正規の識別情報であっても、使用禁止リストに含まれていれば不許可(NG)と判断する。以下、説明を簡単にするため、使用禁止リストに含まれていなければ許可(OK)、使用禁止リストに含まれていれば不許可(NG)と説明する。ここで、電子決済カード502や携帯機器503が電子マネー受付部330にかざされることは、電子決済カード502や携帯機器503の受付であり、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDを読出して特定する処理である。この受付後に、前述で定義した電子決済カード502や携帯機器503の使用(例えば、電子マネーを利用してカードユニットに入金し、玉貸して遊技することなど)が行われる。以下の説明では、電子決済カード502や携帯機器503の受付タイミングで、読出した決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かを判断する。しかし、読出した決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かの判断を、電子決済カード502や携帯機器503の使用(例えば、電子マネーを利用してカードユニットに入金し、玉貸して遊技することなど)のタイミングで行ってもよい。もちろん、電子決済カード502や携帯機器503の受付自体により使用される場合(例えば、受付部にカードをかざしただけで購入代金の電子マネーが減算される場合など)、受付タイミングで読出した決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かを判断してもよい。
次に、使用制限なしの電子決済カード502や携帯機器503を受付けた場合は、使用禁止リストに決済IDが含まれていないので使用が許可(OK)される。なお、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かを判断する場合、単純にCU3が記憶している使用禁止リストを使用して判断してもよいが、CU3が決済管理センタ600と通信可能であれば、記憶している使用禁止リストが最新のリストか否かを問い合わせ、最新のリストであれば記憶している使用禁止リストを使用して判断してもよい。最新のリストでなければ最新の使用禁止リストを決済管理センタ600に対して送信要求し、最新の使用禁止リストに更新した後に当該使用禁止リストを使用して判断してもよい。もちろん、CU3が決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)は、CU3が記憶している使用禁止リストを使用せずに、使用した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDが決済管理センタ600の使用禁止リストに含まれているか否かを決済管理センタ600で判断し、CU3が決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)にのみ、CU3が記憶している使用禁止リストを使用するようにしてもよい。
次に、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合について説明する。特に、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503が、使用禁止対象となって(使用禁止リストに決済IDは記憶されて)初めて受付けられる場合ついて説明する。つまり、この電子決済カード502や携帯機器503には、後述する禁止情報が記録されていない。まず、CU3は、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざされると、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDを読出し、読出した決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かを判断する。使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503は、使用禁止リストに決済IDが含まれているので使用が不許可(NG)となる。さらに、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可にするとともに、電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報(端末装置禁止情報)を記録する。つまり、電子決済カード502自体や携帯機器503自体に、禁止情報が記録される。例えば、CU3は、電子決済カード502や携帯機器503の決済IDの先頭ビットに使用禁止フラグを設け、当該使用禁止フラグをオフからオンに切替えることで、電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報を記録する。ここで、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報が記録されているとは、禁止情報が電子マネーや決済IDが記録されている記録手段(ICチップなど)と同じ記録手段に記録されている場合に限られず、電子決済カード502や携帯機器503から何らか特定可能に記録されていればよい。例えば、電子マネーや決済IDが記録されているICチップとは別の磁気記録部に禁止情報が記録されていてもよい。
CU3は、使用禁止リストに決済IDが含まれている電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、その旨を表示器312に表示し警告音を報知する。これにより、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を使用した使用者に、当該電子決済カード502や携帯機器503が使用できないことを注意喚起することができる。さらに、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した場合にも、その旨を表示器312に表示し警告音を報知してもよい。報知するタイミングは、電子決済カード502や携帯機器503を受付けたタイミングでもよいが、特にタイミングは問わない。これにより、使用者に対して、当該電子決済カード502や携帯機器503が他の決済端末でも利用できなくなったことについて注意喚起を行うことができる。さらに、CU3は、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを記憶し、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に禁止情報を記録した決済IDを決済管理センタ600に送信する。これにより、決済管理センタ600は、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを把握することができる。また、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した際に、電子決済カード502や携帯機器503に記録されている情報(例えば、電子マネーの残額や使用履歴など)を読出し、禁止情報を記録した決済IDに当該情報を関連付けて記憶する。当該情報は、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に禁止情報を記録した決済IDとともに決済管理センタ600に送信される。禁止情報を記録した時点での電子決済カード502や携帯機器503の情報を記録しておくことで、電子マネーの残額の払い戻しや不正使用の調査などを円滑に実施することができる。
CU3が使用禁止リストを使用して使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の不許可を判断したように、他の決済端末でも使用禁止リストが記憶されていれば同様に使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の不許可を判断することができる。しかし、決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)となり、使用禁止リストを受信することができない、最新の使用禁止リストに更新することができないなどの場合、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の不許可を正しく判断することができないことが考えられる。
そこで、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に記録した禁止情報が有効となる。具体的に、CU3が、決済管理センタ600と通信不能(オフライン)となった場合について説明する。図45は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合の処理を説明するための図である。なお、図45に示すCU3は、決済管理センタ600と通信不能(オフライン)となる場合であっても、CU3にオフラインとなる以前に記憶した使用禁止リストを有しているものとする。なお、オフラインの場合、以前に記憶した使用禁止リストを有しても当該リストを使用しないようにしてもよい。オフラインの場合、最新の使用禁止リストを受信できないため、以前に記憶した使用禁止リストでは使用禁止にできない電子決済カード502や携帯機器503が不正に使用される虞がある。まず、禁止情報が記録されている使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合について説明する。CU3は、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざされると、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDを読出す。CU3は、読出した決済IDが記憶している使用禁止リストに含まれていないかを判断し、含まれていない場合さらに禁止情報が記録されているか否かを判断する。ここで、CU3は、オフライン、オンラインに関わらず使用禁止リストに読出した決済IDが含まれているか否かをまず判断し、オフラインの場合はさらに禁止情報が記録されているか否かを判断する。しかし、CU3は、オフライン、オンラインに関わらず禁止情報が記録されているか否かを判断してもよい。また、CU3は、読出した決済IDが使用禁止リストに含まれているか、禁止情報が記録されているかのいずれか一方の条件を満たせば電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可とする。図45に示す使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503では、禁止情報が記録されているので使用が不許可(NG)となる。さらに、CU3は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、その旨を表示器に表示し警告音を報知する。報知するタイミングは、電子決済カード502や携帯機器503を受付けたタイミングでもよいが、特にタイミングは問わない。これにより、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を使用した使用者やCU3の操作者に、過去に使用が禁止された電子決済カード502や携帯機器503を再度使用しようとする不正使用であることの注意喚起を行うことができる。なお、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合の警告音は、使用禁止リストに決済IDが含まれている電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合の警告音と別の警告音(例えば、報知する音が同じで音量が異なる、報知する音自体が異なるなど)にしてもよい。これにより、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を使用する不正行為を抑止することができる。
なお、使用禁止リストに決済IDが含まれている電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合の報知(第1報知)、および禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合の報知(第2報知)は、警告音だけに限定されず、表示器312での表示(例えば、第1報知と第2報知とで表示背景が異なる、第1報知と第2報知とでキャラクタが異なるなど)、LEDなどのランプ(例えば、第1報知と第2報知とで点灯するランプの数が異なる、第1報知と第2報知とで点滅のパターンが異なるなど)、サーバ(例えば、第1報知と第2報知とでサーバへの報知内容が異なる)への報知などでもよく、他に第1報知と第2報知とで表示する内容が異なるものでもよい。
CU3は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可にするとともに、不正使用した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを記憶する。記憶した決済IDは、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)にCU3から決済管理センタ600に送信される。なお、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を特定することができる情報(例えば、ガードのシリアル番号など)を、決済IDの代わりに決済管理センタ600に送信してもよい。決済管理センタ600は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを収集することで、現在禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の状況を把握することができる。
次に、禁止情報が記録されていない使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合について説明する。この使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503には、禁止情報が記録されていないが、使用禁止リストに決済IDが含まれているので使用が不許可(NG)となる。さらに、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可にするとともに、電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報(端末装置禁止情報)を記録する。
さらに、決済管理センタ600と通信不能(オフライン)となり使用禁止リストを受信できていない決済端末について説明する。特に、ホール外に設けた決済端末が決済管理センタ600と通信不能(オフライン)となり使用禁止リストを受信できていない場合について説明する。図46は、使用禁止リストを記憶していない決済端末の処理を説明するための図である。図46に示す決済端末520は、決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)となり、使用禁止リストが受信できない状態で電子決済カード502や携帯機器503の使用の許可、不許可を判断する。ホール外に設けた決済端末520は、決済管理センタ600と通信不能(オフライン)で使用禁止リストを記憶していないので、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報が記録されているか否かで使用の許可、不許可を判断することになる。そのため、決済端末520は、使用制限なしの電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、当該電子決済カード502や携帯機器503には禁止情報が記録されていないので使用を許可(OK)することになる。
使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503であって、既に禁止情報が記録されている場合、決済端末520は、当該電子決済カード502や携帯機器503が受付部にかざされると、記録された決済IDを読出すとともに、禁止情報が記録されているか否かを判断する。当該電子決済カード502や携帯機器503には禁止情報が記録されているので使用を不許可(NG)とする。なお、決済端末520は、特定手段である受付部に電子決済カード502や携帯機器503がかざされるタイミングで、電子決済カード502や携帯機器503に記録された識別情報である決済IDを読出して特定する。さらに、決済端末520は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、その旨を表示器に表示し警告音を報知する。
決済端末520は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可にするとともに、不正使用した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを記憶する。記憶した決済IDは、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に決済端末520から決済管理センタ600に送信される。なお、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を特定することができる情報(例えば、ガードのシリアル番号など)を、決済IDの代わりに決済管理センタ600に送信してもよい。決済管理センタ600は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを収集することで、現在禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の状況を把握することができる。
次に、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に決済端末(例えば、CU3や決済端末520など)から決済管理センタ600に送信される情報について詳しく説明する。図47は、決済端末から決済管理センタ600に送信される情報を説明するための図である。図47(a)に示すCU3は、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した場合、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを記憶し、禁止情報書き込みリストを作成する。CU3は、作成した禁止情報書き込みリストを決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に決済管理センタ600に送信する。これにより、決済管理センタ600は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを収集し、現在禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の状況を把握するとともに、表示や検索することが可能となる。なお、CU3は、禁止情報書き込みリストを作成せずに、禁止情報を電子決済カード502や携帯機器503に記録する度に禁止情報を記録した決済IDを決済管理センタ600に送信してもよい。
図47(b)に示す決済端末520は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、不正使用した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDと不正使用した日時、店舗や端末情報などを関連付けて不正使用情報を作成する。決済端末520は、作成した不正使用情報を決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に決済管理センタ600に送信する。これにより、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の受付状況(使用した日時や店舗名など)を収集するとともに、表示や検索することが可能となる。
図46では、決済端末520が、決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)となり、使用禁止リストが受信できない状態で電子決済カード502や携帯機器503の使用の許可、不許可を判断する場合について説明したが、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)でも適用できる場合があることを説明する。図32で示したように、決済管理センタ600に通信可能に接続される決済端末には様々な種類の端末が存在する。異なる種類の決済端末では、使用禁止リストを更新するタイミングも異なる場合が考えられる。例えば、ホール500に設置されるCU3は1日に2回で12時間おきに使用禁止リストを更新するが、ホール外に設置された決済端末520は1日に1回しか使用禁止リストを更新しない場合が考えられる。
使用禁止リストの更新するタイミングが異なると、最新の使用禁止リストでは使用が不許可と判断される電子決済カード502や携帯機器503が、更新タイミングの遅い決済端末で使用可能になる可能性がある。そこで、最新の使用禁止リストで使用が不許可と判断された電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録しておくことで、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)でも使用禁止リストの更新するタイミングが異なるシステムでは有効である。具体的に、図48は、使用禁止リストの更新するタイミングが異なるシステムにおいて、使用禁止リストで使用が不許可と判断された電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録する場合について説明するための図である。
図48に示すCU3は、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)で、1日2回(例えば、午前2:00、午後2:00に更新)使用禁止リストを更新する。一方、決済端末520は、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)で、1日1回(例えば、午前2:00に更新)使用禁止リストを更新する。決済管理センタ600は、午前2:00に使用禁止リストAを送信し、CU3および決済端末520において使用禁止リストが使用禁止リストAに更新されている。そして、決済管理センタ600は、午後2:00となり使用禁止リストBを送信するが、CU3では使用禁止リストが使用禁止リストAから使用禁止リストBに更新されるが、決済端末520では使用禁止リストAのままである。CU3および決済端末520で、使用制限なしの電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合は、使用禁止リストAおよび使用禁止リストBのいずれにも決済IDが含まれていないので使用が許可(OK)される。
使用禁止リストBに更新されたタイミングで使用禁止対象となった電子決済カード502や携帯機器503が、使用禁止対象となって初めて受付けられる場合、CU3では、使用禁止リストが使用禁止リストBに更新されているので、使用禁止リストBに決済IDが含まれているとして使用が不許可(NG)となる。しかし、図示していないが決済端末520では、使用禁止リストが使用禁止リストBに更新されていないので、使用禁止リストAに決済IDが含まれていないとして使用が許可(OK)される。
ただし、使用禁止リストBに更新されたタイミングで使用禁止対象となった電子決済カード502や携帯機器503がCU3で受付けられる場合、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可にするとともに、電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報を記録する。なお、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した場合、その旨を表示器312に表示し警告音を報知し、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済ID、記録されている情報を読出して決済管理センタ600に送信する。
CU3で受付けて禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を、決済端末520で受付ける場合、当該電子決済カード502や携帯機器503には禁止情報が記録されているので使用が不許可(NG)となる。さらに、決済端末520は、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、その旨を表示器に表示し警告音を報知し、不正使用した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを記憶して決済管理センタ600に送信する。これにより、使用禁止リストの更新するタイミングが異なる決済端末が混在するシステムであっても、少なくとも最新の使用禁止リストに更新された決済端末で使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503が受付けられれば、以降の使用を禁止することができる。
次に、決済端末が決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)でも使用禁止リストの更新することが可能な構成について説明する。図49は、決済管理センタ600と通信不能な決済端末に対して使用禁止リストを更新する場合を説明するための図である。図49に示すCU3および決済端末520は、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)で、1日2回(例えば、午前2:00、午後2:00に更新)使用禁止リストを更新する。決済管理センタ600は、午前2:00に使用禁止リストAを送信し、CU3および決済端末520において使用禁止リストが使用禁止リストAに更新されている。そして、決済管理センタ600は、午後2:00となり使用禁止リストBを送信するが決済端末520との通信が不能であるため、決済端末520は使用禁止リストBを受信できておらず、使用禁止リストAのままである。一方、CU3は、使用禁止リストBを受信できているので、使用禁止リストが使用禁止リストAから使用禁止リストBに更新されている。
CU3は、使用制限なしの電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、使用禁止リストBに決済IDが含まれていないので使用が許可(OK)する。さらに、CU3は、電子決済カード502や携帯機器503に対して使用禁止リストBを記録する。CU3は、電子決済カード502や携帯機器503に既に使用禁止リストが記録されている場合、既に記録されている使用禁止リストとこれから記録する使用禁止リストと比較し、これから記録する使用禁止リストの方が新しければ電子決済カード502や携帯機器503に使用禁止リストを上書きしてリストを更新する。CU3は、既に記録されている使用禁止リストとこれから記録する使用禁止リストとが同じであれば、電子決済カード502や携帯機器503に対して使用禁止リストを記録しない。逆に、CU3は、既に記録されている使用禁止リストの方が新しければ、CU3で記憶している使用禁止リストを電子決済カード502や携帯機器503に既に記録されている使用禁止リストに更新する。なお、既に記録されている使用禁止リストとこれから記録する使用禁止リストと比較は、使用禁止リストのバージョン情報や更新日付けなどによって判断する。
電子決済カード502や携帯機器503に記録される使用禁止リストは、セキュリティを確保するために暗号化して記録されている。また、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合でも、電子決済カード502や携帯機器503に対して使用禁止リストBを記録する。
決済管理センタ600との通信が不能であるため使用禁止リストBを受信できずに使用禁止リストAのままである決済端末520に、使用禁止リストBが記録された電子決済カード502や携帯機器503を使用する。決済端末520は、電子決済カード502や携帯機器503に既に使用禁止リストBが記録されているので、決済端末520に記憶している使用禁止リストAと比較して新しいと判断して、電子決済カード502や携帯機器503に記録されている使用禁止リストBを読出して、決済端末520に記憶している使用禁止リストAを使用禁止リストBに更新する。
これにより、決済管理センタ600との通信が不能であるため使用禁止リストBを受信できない決済端末520であっても、電子決済カード502や携帯機器503を媒介に最新の使用禁止リストBに更新することか可能となる。
<ネガリスト(ネガティブリスト)からの決済ID削除>
前述の実施の形態に係る電子決済システムでは、ネガリストを用いて電子決済カード502の使用を禁止(一部の禁止(例えば、電子マネーのみ使用禁止など)も含む)する構成について説明した。しかし、ホール500の決済端末でもあるCU3やコンビニ店の決済端末530(図32参照)によっては、記憶することができる使用禁止リストのデータ量に制限がある場合が考えられる。そのため、使用禁止の要求があった電子決済カード502の決済IDを単純に使用禁止リストに記憶するだけでは、電子決済カード502や携帯機器503の使用数が増えるにつれて使用禁止リストのデータ量も大きくなり、使用禁止リストを記憶できない決済端末が生じてしまう虞がある。そこで、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した際に、禁止情報を記録した決済IDを使用禁止リストから削除する。つまり、使用禁止リストには、禁止情報をまだ記録していない電子決済カード502や携帯機器503の決済IDのみを記録するように制限することで、使用禁止の要求があった電子決済カード502の決済IDを単純に使用禁止リストに記憶する場合に比べ、使用禁止リストのデータ量を抑制することができる。
まず、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した際に、禁止情報を記録した決済IDを決済端末の使用禁止リストから削除する場合について説明する。図50は、禁止情報を記録した電子決済カードや携帯機器の決済IDを使用禁止リストから削除する場合の処理を説明するための図である。なお、当該処理については、電子決済システムに限定されるものではなく、管理サーバに通信可能に接続された端末装置において、識別情報が記録された記録媒体を特定可能認識させ何らかの物やサービスを提供するシステムであれば同様に適用することができる。例えば、買い物をすることにより付加される会員ポイントを記録する会員カードを認識する端末装置とその管理サーバなどが考えられる。
図50に示す決済管理センタ600は、電子決済カード502の不正利用に基づく使用を禁止する要求情報(例えば、記録された情報を改ざんしたカードが使用された場合にホールなどからの使用禁止要求など)、電子決済カード502の使用を禁止する要求情報(例えば、電子決済カード502の所有者からの紛失届や盗難届に基づく使用禁止要求、電子マネーをチャージした金額を銀行引落としとした場合に、引き落としできなかった銀行からの使用禁止要求など)を外部(ホールや銀行など)から受付けた場合、予め定められた条件(例えば、記録された情報を改ざんの有無、チャージした金額を回収(銀行引落としやクレジット決済など)できなかった場合など)に基づき使用禁止の要求があった電子決済カード502の決済IDを使用禁止リスト(例えば、K−ID B、K−ID C、K−ID D、K−ID E・・・)に記憶する。使用禁止リストは、サーバ601に記憶されるとともに、ホール500の決済端末でもあるCU3やコンビニ店の決済端末530(図32参照)に送信され、それぞれの端末に記憶される。使用禁止リストの送信は、インターネットなどの通信回線を利用して送信され、予め定められた送信スケジュール(例えば、1日1回、午後2:00に送信するなど)で送信しても、決済端末からの送信要求に基づいて送信してもよい。なお、使用禁止リストを送信する際は、セキュリティを確保するために決済管理センタ600と相互認証された決済端末に対してのみ送信したり、使用禁止リストを暗号化して送信したりするなど対策を行うことが望ましい。
使用禁止リストを受信したCU3は、電子決済カード502や携帯機器503が電子マネー受付部330にかざされると、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDを読出して、受付けた電子決済カード502や携帯機器503の許可(OK)、不許可(NG)を判断している。なお、当該説明でも、使用禁止リストに含まれていなければ許可(OK)、使用禁止リストに含まれていれば不許可(NG)と説明する。ここでも、電子決済カード502や携帯機器503の受付タイミングで、読出した決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かを判断するものとする。
次に、使用制限なしの電子決済カード502や携帯機器503を受付けた場合は、使用禁止リストに決済IDが含まれていないので使用が許可(OK)される。なお、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かを判断する場合、単純にCU3が記憶している使用禁止リストを使用して判断してもよいが、CU3が決済管理センタ600と通信可能であれば、記憶している使用禁止リストが最新のリストか否かを問い合わせ、最新のリストであれば記憶している使用禁止リストを使用して判断してもよい。最新のリストでなければ最新の使用禁止リストを決済管理センタ600に対して送信要求し、最新の使用禁止リストに更新した後に当該使用禁止リストを使用して判断してもよい。もちろん、CU3が決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)は、CU3が記憶している使用禁止リストを使用せずに、使用した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDが決済管理センタ600の使用禁止リストに含まれているか否かを決済管理センタ600で判断し、CU3が決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)にのみ、CU3が記憶している使用禁止リストを使用するようにしてもよい。
次に、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合について説明する。特に、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503が、使用禁止対象となって(使用禁止リストに決済IDが記憶されて)初めて受付けられる場合ついて説明する。つまり、この電子決済カード502や携帯機器503には、後述する禁止情報が記録されていない。まず、CU3は、電子マネー受付部330に例えば決済IDが”K−ID E”の電子決済カード502や携帯機器503がかざされると、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDの”K−ID E”を読出し、読出した決済IDが使用禁止リストに含まれているか否かを判断する。使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503は、使用禁止リストに”K−ID E”の決済IDが含まれているので使用が不許可(NG)となる。さらに、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可にするとともに、電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報(端末装置禁止情報)を記録し、使用禁止リストから”K−ID E”の決済IDを削除する。つまり、電子決済カード502自体や携帯機器503自体に、禁止情報が記録された決済IDは、使用禁止リストへの照会が不要となるため、使用禁止リストから当該決済IDを削除する。例えば、CU3は、電子決済カード502や携帯機器503の決済IDの先頭ビットに使用禁止フラグを設け、当該使用禁止フラグをオフからオンに切替えることで、電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報を記録し、使用禁止フラグをオンに切替えた決済IDの”K−ID E”を使用禁止リストから削除する。これにより、CU3は、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを使用禁止リストから削除するので、使用禁止リストのデータ量を小さくすることができる。
ここで、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報が記録されているとは、禁止情報が電子マネーや決済IDが記録されている記録手段(ICチップなど)と同じ記録手段に記録されている場合に限られず、電子決済カード502や携帯機器503から何らか特定可能に記録されていればよい。例えば、電子マネーや決済IDが記録されているICチップとは別の磁気記録部に禁止情報が記録されていてもよい。また、CU3は、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した後に、禁止情報を記録した決済IDを使用禁止リストから削除している。しかし、使用禁止リストから決済IDを削除するタイミングはこれに限定されず、例えば、CU3は、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録する前に、使用禁止リストから決済IDを削除してもよい。もちろん、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した後に、禁止情報を記録した決済IDを使用禁止リストから削除する方が、禁止情報を電子決済カード502や携帯機器503に確実に記録される可能性が高いためセキュリティ性が向上する。
CU3は、使用禁止リストに決済IDが含まれている電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合、その旨を表示器312に表示し警告音を報知する。これにより、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503を使用した使用者に、当該電子決済カード502や携帯機器503が使用できないことを注意喚起することができる。さらに、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した場合にも、その旨を表示器312に表示し警告音を報知してもよい。報知するタイミングは、電子決済カード502や携帯機器503を受付けたタイミングでもよいが、特にタイミングは問わない。これにより、使用者に対して、当該電子決済カード502や携帯機器503が他の決済端末でも利用できなくなったことについて注意喚起を行うことができる。また、CU3は、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した際に、電子決済カード502や携帯機器503に記録されている情報(例えば、電子マネーの残額や使用履歴など)を読出し、禁止情報を記録した決済IDに当該情報を関連付けて記憶する。当該情報は、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に禁止情報を記録した決済IDとともに決済管理センタ600に送信される。禁止情報を記録した時点での電子決済カード502や携帯機器503の情報を記録しておくことで、電子マネーの残額の払い戻しや不正使用の調査などを円滑に実施することができる。
CU3が使用禁止リストを使用して使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の不許可を判断したように、他の決済端末でも使用禁止リストが記憶されていれば同様に使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の不許可を判断することができる。しかし、決済管理センタ600と通信不能(オフライン)となり使用禁止リストを受信することができない場合、使用禁止リストへの決済IDの照会だけでは使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503の不許可を正しく判断することができない。そこで、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に記録した禁止情報が有効となる。また、前述したように禁止情報が電子決済カード502や携帯機器503に記録された場合、当該電子決済カード502や携帯機器503の決済IDが使用禁止リストから削除され、当該使用禁止リストが更新される。更新された使用禁止リストを受信したCU3も、使用禁止対象の電子決済カード502や携帯機器503に記録した禁止情報が有効となる。具体的に、例えば決済IDが”K−ID A”の電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報が既に記録されている場合、更新された使用禁止リストには、決済IDの”K−ID A”が記憶されていない。そのため、CU3は、電子マネー受付部330に電子決済カード502をかざされると、電子決済カード502や携帯機器503に記録された決済IDの”K−ID A”を読出し、更新された使用禁止リストに含まれていないかを判断するが、含まれていないのでさらに禁止情報が記録されているか否かを判断する。CU3は、禁止情報が電子マネー受付部330に電子決済カード502に記録されている場合、受付けた電子決済カード502や携帯機器503の使用を不許可とする。
さらに、CU3は、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを記憶し、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に禁止情報を記録した決済IDをサーバ601に記憶している使用禁止リストから削除するための決済ID削除情報を決済管理センタ600に送信する。図51は、決済管理センタ600に記憶した使用禁止リストから禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを削除する場合の処理を説明するための図である。図51に示すように、CU3は、決済IDが”K−ID E”の電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報を記録し、使用禁止リストから”K−ID E”の決済IDを削除するとともに、サーバ601に記憶している使用禁止リストから”K−ID E”の決済IDを削除するための”K−ID E”削除情報を生成する。CU3は、生成した”K−ID E”削除情報を、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)に決済管理センタ600に送信する。
決済管理センタ600は、例えばホールAのCU3から”K−ID E”削除情報を受信すると、サーバ601に記憶している使用禁止リストから”K−ID E”の決済IDを削除する。このように、サーバ601に記憶している使用禁止リストから、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを削除することで、サーバ601で記憶する使用禁止リストのデータ量を小さくすることができる。決済管理センタ600は、使用禁止リストから削除した決済IDを削除リストとして使用禁止リストとは別にサーバ601に記憶している。そのため、”K−ID E”削除情報により使用禁止リストから削除された”K−ID E”の決済IDは、削除リストに記録される。また、決済管理センタ600は、”K−ID E”削除情報により”K−ID E”の決済IDを削除した最新の使用禁止リストをサーバ601に記憶するとともに、例えばホールBのCU3などの他の決済端末に対して最新の使用禁止リストを送信する。つまり、ホールBのCU3で受信する最新の使用禁止リストには、”K−ID E”の決済IDの情報が含まれておらず、データ量の小さい使用禁止リストになる。これにより、決済管理センタ600は、削除情報により禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを把握することができるとともに、サーバ601に記憶する使用禁止リストのデータ量を小さくすることができる。さらに、決済管理センタ600は、禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDをサーバ601に記憶する使用禁止リストから削除することができるので、サーバ601から決済端末に送信する使用禁止リストのデータ量を小さくすることができる。
削除リストに使用禁止リストから削除された決済ID(例えば、”K−ID A”や”K−ID E”)を記録することで、何らかの不正により電子決済カード502や携帯機器503から禁止情報を削除されても、サーバ601の削除リストを照会することで使用が禁止されている電子決済カード502や携帯機器503であると判断することができる。そのため、単純にサーバ601の使用禁止リストから禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを削除する構成に比べて、削除リストに使用禁止リストから削除した決済IDを記録する方がセキュリティ性が向上する。もちろん、サーバ601に削除リストを設けずに構成しても、別途サーバを設けて削除リストを記録する構成でもよい。
CU3に記憶されている使用禁止リストの更新タイミングは、サーバ601で記憶されている使用禁止リストが更新されたタイミング(例えば、電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報が書込まれ、削除情報により使用禁止リストが更新されたタイミング)であれば、常に最新の使用禁止リストに保つことができる。しかし、CU3に記憶されている使用禁止リストの更新タイミングはこれに限定されず、営業終了後の所定時間(例えば、深夜2時)や、営業開始前(例えば、朝9時)に使用禁止リストを更新してもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図52は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ遊技機を“P台”と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、“S台”とも略称する。
遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図52を参照して、スロットマシン(以下、遊技機、またはS台と略称することもある)2Sは、本体枠2aSに対して前面扉2bSがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図52では図示を省略しているが、S台2Sの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2Sでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2Sの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSの各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510が設けられている。この表示器510は、P台の表示器54に相当する表示器であり、表示器54と同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510は、図4の表示器54と同様にCUの表示制御部350に接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510は、各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図52に示されるスタートスイッチ7Sよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、前面扉2bSには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5S、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6S、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7S、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rがそれぞれ設けられている。
S台2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残額、持点、あるいは遊技場に預け入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落とすことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5S、またはMAXBETスイッチ6Sを操作すればよい。本実施の形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510の遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7Sの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Sを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510の遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図1に示すとおり、S台2Sには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28Sが設けられている。なお、玉貸ボタン、カード返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図4参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510に行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510に表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号がCU3へ直接入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2やS台(スロットマシン)2Sを経由して状態情報応答としてCU3へ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2Sを制御する主制御部(S台の主制御部161に相当)によって決定される。この決定は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって決定される。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2Sの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSに取り付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2Sのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。基板取付盤は、図3に示した遊技盤26に対応する盤であり、遊技盤26に設けられた凸型ドロアコネクタ32と同様のコネクタを備えている。
S台2Sの本体枠2aS内の所定位置(たとえば、リール2L、2C、2Rの下方)には、基板取付盤を取り付けるための取付機構と、基板取付盤側の凸型ドロアコネクタを接続するためのコネクタが設けられている。この取付機構およびコネクタは図3に示した取付機構34a、34bおよび凹型ドロアコネクタ33と同様の構造であって、基板取付盤を容易に取付機構に固定できるように工夫されている。凹型ドロアコネクタから延びる配線は、リール2L、2C、2Rや各種操作スイッチ(ボタン)などに接続されている。
また、S台2Sは、P台2の前枠5に相当する前面扉2bSの開放検出、および本体枠2aSと基板取付盤との接続検出を行なう構成を有しており、ループ状の電力線にメイン制御基板も直列に接続されている。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図53は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図53に示した送受信態様は、P台の構成として説明した図6の用語をS台用に置き換えたものであり、その態様は、図6を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、加算通番と計数通番とはそれぞれ別のデータとして電文フォーマットに規定されているが、これらを要求通番として共通化してもよい。特に、遊技玉の加算と遊技玉の計数とは逆の処理であるため、両処理が同時に発生することは考えにくく、その観点からも両通番を共通化して電文データ量を削減することは可能である。
また、本実施の形態では、要求通番は、予め定めた上限値に達するまで、新たな要求が発生した場合には、先に更新済みの値を元にして通番更新が行なわれる。しかながら、このような制御に代えて、1つの要求に対応する処理がすべて終了した場合には、要求通番を予め定めた初期値に初期化するようにしてもよい。たとえば、図14の例の場合には、計数完了を示す最後の状態情報応答に含める計数通番をm+2ではなく、予め定めた初期値にすることが考えられる。
また、加算通番や計数通番といった要求通番、さらには通常の通番は、1ずつカウントアップされるのではなく、P台2およびCU3の双方が記憶している所定の規則に従って更新(加算更新、減算更新、その他の演算式による更新)するものであってもよい。この場合、通番は、1,2,3といった“連続する番号”ではなく、A、B、Cなどといった概念で更新されるデータとなる。
(2) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の前枠に対応する。ただし、S台には、図4に示した前枠の各種検出スイッチ41a、701、33、発射制御基板31、および発射モータ18は、不要である。
従来のスロットマシンにはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のスロットマシンのようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、例えばCU3の表示器312にドル箱表示する機能を設けることで、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510あるいは表示器29Sには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残額、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引き落とされて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5Sの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6Sの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、“カード持玉数”とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(4) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるようにしてもよい。また、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断してもよく、遊技中球数(遊技領域27内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、判断してもよい。さらに、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(8) 図6を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(9) 図17の計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数して下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28を表示させて点滅するような表示であってもよい。また、カード返却準備状態ONを受けたP台2は、遊技玉数表示器29の遊技玉を点滅表示させるなどしてもよく、あるいは、遊技玉数表示器29を画像表示装置で構成した場合には、上記実施の形態として説明したメッセージを遊技玉数表示器29に表示して計数操作を促すようにしてもよい。
(10) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(11) 本実施の形態では、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(12) 表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(13) CU3において、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(14) 玉貸ボタン、カード返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(15) 本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(16) 図8〜図17で示したシーケンス制御は、CU3、P台2、S台2S等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(17) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(18) 前述の実施の形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(19) 本実施の形態では、遊技場から離れた鍵管理センタに鍵管理サーバを設置した。しかしながら、鍵管理サーバは遊技場内に設置してもよい。これにより、遊技場外に鍵管理サーバを設置する場合と比較すると、CUと鍵管理サーバとの通信を高速化し易く、また、通信障害の発生率を低減できる。
(20) CU制御部323は、ホールサーバ801を介して鍵管理サーバ800から基板セキュリティ情報(基板認証鍵や更新情報を含む)を受信する。しかしながら、これに代えて、鍵管理サーバ800とCU制御部323との間にホールサーバ801を介することなく、鍵管理サーバ800からCU制御部323へ基板セキュリティ情報が送信される構成とてもよい。たとえば、鍵管理サーバ800とCUとを直接、回線接続することや、鍵管理サーバ800と各CUとの間にホールサーバ801と異なる中継用の通信装置を設けることが考えられる。
(21) 前述の実施の形態では、遊技の中断操作(簡易離席操作または食事休憩操作)に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込み排出することで、中断処理を行ない、その後、遊技を中断した遊技者が戻ってきて、そのカードを再度元のCU3に挿入し、持玉を遊技玉に変換する操作により、125玉ずつ遊技玉に変換されて遊技が可能になるものを示した。しかし、それに代えて、中断操作時に自動計数された計数玉を遊技玉や持玉とは別の預かり玉(C−IDと挿入時刻も記憶)としてCU3が記憶し、持玉加算せず、持玉を記録させることなくカードを排出することで中断処理を行ない。その排出カードが再挿入されると、預かり玉がすべて一括で自動的にP台の遊技玉に変換されて遊技可能となるように制御してもよい。あるいは、この場合の預かり玉は、中断操作に基づいてP台からCUへと送信され、CU側またはホールサーバ側で記憶しておき、カードが再度挿入されたときにCUまたはホールサーバから自動的にP台側へ預かり玉の情報が送信されて遊技玉としてP台側に記憶されるものとしてもよい。また、この場合に預かり玉の情報を送信する際には、遊技玉の加算指令としてCUからP台に送信してやればよい。
さらに、上記実施の形態では、中断操作に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込んで排出したとき、そのカードに中断中フラグを記録しておくことによって、そのカードでは景品交換できないようにした。このように景品交換を禁止する手法としては、カードの中断中フラグを利用する以外の次のような手法を採用することも考えられる。
まず、中断操作が行なわれたときに、CUからホールサーバにその情報(カードIDを含む)を送信し、ホールサーバ側で中断中の遊技者のカードを中断カードとして記憶する。景品交換時にはPOSなどからホールサーバに問合せをし、景品交換に用いられているカードが中断カードであるか否かをホールサーバが判定する。あるいは、全中断カード情報を予めホールサーバからPOS側に送信しておいてもよい。その上で、景品交換に用いられているカードが中断カードであれば、当該カードを用いた景品交換を禁止する。
(22) 本実施の形態では、遊技情報の一例として、持玉、遊技玉、カードの残額、貯玉、その他、玉数情報や遊技機情報を挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、遊技機での遊技に関連したその他の情報をも含む。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを可変表示装置278や表示器54などの可変表示手段(可変表示装置)に表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のカードIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際にはサーバからCUあるいはP台へダウンロードするようにしてもよい。
(23) 遊技玉数表示器29では、玉の発射または計数動作に連動して玉数が1つずつ減っていく表示がなされる。また、遊技玉数表示器29では、玉貸操作等に応じて玉数が1つずつあるいは所定単位数ずつ増加する表示がなされる。遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、単に遊技玉数をデジタル表示するのではなく、遊技玉数の変化が弾球によるものであるのか、計数によるものであるのか、入賞の発生によるものであるのか、貯玉の引き落としによるものであるのか、貸出操作によるものであるか、など、その種類に応じた画像を遊技玉数の表示更新と併せて表示するようにしてもよい。
また、計数操作が行われた場合、遊技玉数表示器29では、計数動作に連動した計数表示が行われるが、遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、表示器54と同様に、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示を行なうようにしてもよい。この場合、先の表示器54の表示の変形例として説明したように、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示(たとえば、棒グラフの表示)や、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したりすることが考えられる。
(24) 図17に示したように、上記の実施の形態では、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されることによって、計数処理完了後に有効化されてカード返却処理に移行する。
一方、待機期間が経過しても計数操作が検出されない場合の処理としては、たとえば、先のカード返却操作を無効とすることが考えられる。この場合、CU3あるいはP台2側の表示器には待機期間が経過しても計数操作が検出されないため、カード返却操作が無効化された旨を表示してもよい。
あるいは、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されるか否かに関わらず、無効化してもよい。この場合には、カード返却操作が検出された後の計数操作に応じて全遊技玉を計数し終えた後、再度、カード返却操作を実行することによってカード返却処理を実行するものとしてもよい。あるいは、全遊技玉の計数を終えたとき、または、その前後で、カード返却操作を促す表示をCU3あるいはP台2側の表示器で行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉が1点でも残っていると、図17に示した処理が実行される。しかしながら、カード返却操作が検出されたときに残っている遊技玉の数が2以上の予め定めた数であるときに、図17に示した処理が実行されるようにしてもよい。
また、カード返却操作が検出された後の計数操作では遊技玉の計数表示速度を通常時よりも早くしてもよい。たとえば、通常の計数操作では遊技玉が1つずつ計数される表示をする一方、カード返却操作が検出された後の計数操作では、遊技玉が複数ずつまとめて計数される表示、あるいは、全遊技玉が一括して計数される表示をするようにすることが考えられる。
さらに、カード返却操作が検出された後の計数操作では全遊技玉が計数対象とされるのではなく、通常の計数操作のときよりも多い数の所定数の遊技玉が計数対象とされるものとしてもよい。たとえば、通常時には1回の計数操作で最大100点の遊技玉が計数対象とされるが、カード返却操作が検出された後の計数操作では、それよりも多い200点の遊技玉が計数対象とされるようにしてもよい。この場合でも、事前にカード返却操作があった場合にはカード返却操作がなかった場合に比べると、全遊技玉を計数するための計数操作回数が減り、早期に全遊技玉を計数完了させることができる。
また、遊技玉が残っている状態でカード返却操作が検出された場合には、計数操作の検出がなくても、全遊技玉の計数を開始させ、その後にカード返却処理に移行するようにしてもよい。この場合、全遊技玉の計数を開始させるときに、全遊技玉の計数を開始させる旨をP台2あるいはCU3で表示してもよい。あるいは、全遊技玉の計数を開始させてもよいか否かを確認するメッセージを表示し、所定操作(たとえば、P台2あるいはCU3のタッチパネルでの操作、再度のカード返却操作など)が検出されたことを条件として、全遊技玉の計数を開始させるようにしてもよい。
また、遊技中(玉の発射中)の場合に検出されたカード返却操作を無効にしてもよいが、カード返却操作を無効にするのではなく、P台側の方で遊技中の計数操作に基づいた計数の処理を無効にしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉数が0であるか否かをCU3が判定している。しかしながら、このような判定をP台2が行なうようにしてもよい。この場合、たとえば、カード返却操作が検出されたときに、カード返却操作有を示すデータをCU3からP台2へ送信し、それを受けたP台2が自ら記憶している遊技玉数が0であるか否かを判定する。0であれば、遊技玉数が0であることまたはカード返却を許可するデータをCU3へ送信する一方、0でなければ、遊技玉数が0でないことまたはカード返却の待機あるいはカード返却の禁止を示すデータをCU3へ送信する。
また、上記実施の形態では、計数ボタンの操作が検出されたときに、その操作の検出前にカード返却操作が検出されているか否かをP台2が判定する。しかしながら、このような判定手段をCU3が備えるようにしてもよい。この場合、たとえば、P台2は、計数ボタンの操作が検出されたときに、その旨を示すデータをCU3へ送信する。それを受けたCU3は、そのデータを受信する前の所定期間内にカード返却操作があったか否かを判定するようにすることが考えられる。
また、上記の実施の形態では、計数操作をP台2が検出する一方、カード返却操作をCU3が検出するが、計数操作をCU3が検出する一方、カード返却操作をP台2が検出する構成としてもよく、両操作共にP台2あるいはCU3が検出する構成としてもよい。また、計数ボタンおよびカードカード返却ボタンの取り付け位置は、双方共にCU3としてもP台2としてもよく、一方がCU3またはP台2としてもよい。
(25) 持玉または遊技玉の数の変化の有無をCUまたはP台でチェックし、所定期間、持玉または遊技玉の数が変化しない場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(26) あるいは、カードがCUに挿入されていないにも関わらず、遊技者の遊技玉が変化した場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてカードを排出した後に、遊技盤に引っ掛かっていた玉が入賞して遊技玉が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
(27) 本実施の形態において、CU3はP台2からの前回遊技機情報と最新遊技機情報とを自ら記憶しているデータと比較判定して、P台2側のデータに不正水増しのないことを確認してデータを補正する。仮に、CU3側でエラー判定されると、このような状況は、単にCU3の交換が要因(交換後のCU3には比較対象の正規のデータが記憶されていない)であって、不正行為に基づくものではない可能性もあるため、ホールの店員が確認の上で、リモコン等の携帯型端末装置でエラーを解除する。ただし、このように、CU3が新たなものに交換されていたときには、当該CU3は上記のエラー判定を一切しないようにしてもよい。また、あるいは、CU3には、交換されたものであるか否かに関わらず、上記のエラー判定機能を設けないようにしてもよい。
(28) 本実施の形態において、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体であるカードを、遊技開始時にカード挿入/排出口309に挿入し、遊技終了後にカード挿入/排出口309から抜き取る構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、カードを、遊技開始時にカード読み取り部に載置し、遊技終了後にカード読み取り部から外す構成であってもよい。つまり、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段に対して、遊技開始時に記録媒体受付手段に取り付け、遊技終了後に記録媒体受付手段から取り外す構成であればよい。
(29) 本実施の形態において、CU3は、P台2に対してカード抜き取り待ち中の情報を通知し、当該情報の通知を受けたP台2が「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278に表示するなど、カードの抜き取りの報知を行なう構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、CU3は、P台2に対してカード抜き取り待ち中の情報を通知しつつ、表示器54および/または表示器312に「カード抜き取って下さい」と表示するように制御してCU側でカードの抜き取りの報知を行なう構成であってもよい。
(30) 本実施の形態において、P台2は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでカードの抜き取りの報知を継続する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、P台2は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、一定期間カードの抜き取りの報知を行なっても、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでの間、カードの抜き取りの報知を間欠的に行なってもよい。
(31) 本実施の形態では、計数履歴シーケンスにおいてP台2は、カードを受付けたときにCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」と、P台2で保持している「店舗コード」との一致判定を行ない、一致している場合には計数履歴のリカバリ処理を行ない、不一致の場合には計数履歴のリカバリ処理を行なわない構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、計数履歴シーケンスにおいてP台2は、カードを受付けたときにCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行なうように構成してもよい。さらに、計数履歴シーケンスで「店舗コード」の一致判定を行なわずに、P台2は、リカバリ要求を受信した時にカードを受付けたときにCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」のうち少なくとも一方と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」のうち少なくとも一方との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成としてもよい。
(32) また、パチンコ玉にICタグを付けるようにしてもよい。これにより、発射時、および、いずれかの入賞領域(入賞口またはゲート)の通過時に、いずれのパチンコ玉であるかを特定することが可能となる。このため、集計処理において、ICタグによって特定された同じパチンコ玉の発射強度Tと通過領域との対応関係を特定することができる。その結果、より正確に、発射強度に応じてパチンコ玉がどの領域を通過する傾向にあるのかを把握することができる。さらに、CU3から送信される玉単価(図8参照)とICタグを付けたパチンコ玉とを関連付けすることで、1玉毎に玉単価を変更することが可能となり、残り玉数や予定時間に応じて臨機応変に玉単価を変更することができ遊技者による遊技の自由度を広げることができる。
(33) 遊技者によって打球操作ハンドル25が固定されていると、上述の発射強度の補正処理を行なうことができない。そこで、打球操作ハンドル25が固定されていることを検出して報知するようにしてもよい。また、発射強度が一定値に安定している場合は、打球操作ハンドル25が固定されていると判定するようにしてもよい。
(34) たとえば、遊技者が打球操作ハンドル25に触れているか否かは、タッチセンサで検知可能である。
そのため、たとえば、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていないことが検知された時に、上述の発射強度の補正処理を行なうようにしてもよい。
また、発射異常判定処理において、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていないことが検知され、かつ打球操作ハンドル25が固定されていることが検出された場合に、発射異常であると判定するようにしてもよい。
(35) 本実施の形態ではホールコン900がCU3経由でP台2の情報を取得する構成であったが、ホールコン900がCU3を経由せずにP台2の情報をP台2から直接取得する構成であってもよい。
(36) 本実施の形態では、CU3の状態がカード挿入中状態中にカード挿入通知コマンドを受信した場合、P台2はカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、CU3の状態がカード挿入中状態中にカード挿入通知コマンドを受信した場合、警告を表示器54等に表示して報知を行なったり、上位サーバに当該旨の報知を行なったりしてもよい。
(37) 本実施の形態では、「閉店」設定されるとカードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っている遊技機に対して、カードID=0、カード挿入時刻=0の仮想カードが挿入されたとみなして、残った遊技玉を計数し当該カードに記憶して返却する計数処理が行なわれる構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、挿入されたとみなされる仮想カードのカードIDを、閉店直前に挿入されていたカードのカードIDとして計数処理を行ない、残った遊技玉を閉店直前に挿入されていたカードと自動的に関連付ける構成であってもよい。
(38) 本実施の形態では、CU3でリカバリ要求が不要であると判断されたにも拘らずリカバリ要求2のコマンドがP台2に送信された場合、P台2で再度リカバリ処理の判定を行ない不要の場合に処理NGをCU3に通知する構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、P台2で再度リカバリ処理の判定を行ない不要の場合に、警告を表示器54等に表示して報知を行なったり、上位サーバに当該旨の報知を行なったりしてもよい。
(39) 本実施の形態では、鍵管理サーバ800がヘルスチェック要求のコマンドを送信してもCU制御部323に到達しない状態が、たとえば10日間継続した場合、ヘルスチェック要求時限オーバーと判断され、CU3またはP台2の時限運用機能が無効にされる構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、CU3またはP台2の時限運用機能が無効にされるまでの日数を表示器54に表示させたり、複数の制限レベルを有する時限運用機能を段階的に無効するようにしたりしてもよい。
(40) 本実施の形態では、P台2に対する不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、P台2に対する不正に基づくアラーム設定とP台2に対する別の不正に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用しても、P台2に対する複数の不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との三つ以上の関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用してもよい。
(41) 本実施の形態では、セキュリティ関連情報を払出制御回路171a内のレジスタに格納する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、通信制御回路171b内のレジスタ(たとえば、データ受信レジスタ723b)に格納する構成でもよい。これにより、セキュリティ関連情報は、通信制御回路171b内で暗号化されたまま格納されることになり、よりセキュリティ性が向上する。
(42) 本実施の形態では、図29および図30で示したように、遊技盤開発治具3Eや開発用CU3Dに過去接続していたP台2であることをP台自体で判断し、判断結果を示すフラグを商用のCU3に送信してSC325bで検知する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、遊技盤開発治具3Eや開発用CU3Dに過去接続していたP台2であることをP台自体で判断し、P台自体で検知して報知する構成でも、遊技盤開発治具3Eや開発用CU3Dに過去接続していたP台2であることを識別IDに基づいてCU3のSC325bで判断して検知する構成でもよい。
(43) 本実施の形態では、図32で示したように電子決済カード502に電子マネーをチャージしたり、電子決済カード502の電子マネーを利用したりすることをホール内に限定しておらず、ホール外で行ってもよい。ホール外で電子決済カード502に電子マネーをチャージしたり、電子決済カード502の電子マネーを利用したりした場合、チャージや利用した場所の属性や利用情報(例えば購入した商品情報など)など決済管理センタ600で入手し記憶できるようにしてもよい。具体的に、決済管理センタ600に送信される決済情報に、利用した場所の属性や利用情報を追加することで、電子マネーで決済した金額、利用した場所、購入した商品等の情報を決済管理センタ600で入手し、管理することができる。これにより、電子決済カード502の利用者にあった広告やホールからの情報発信が可能となる。例えば、利用者がよく商品等を購入している店舗に近いホールのイベント情報を配信したり、利用者が購入した商品に使用されているコンテンツと共通する遊技機の広告などを発信したりすることができる。
(44) 本実施の形態では、電子マネーの単位額をCU3で設定すると説明したが、同じホール内は同じ単位額に設定する必要はなく、同じホール内でもエリアごとに異なる単位額に設定してもよい。また、電子マネーの単位額を複数の単位額の中から選んでCU制御部323で設定することができるようにしておき、CU3毎に異なる単位額に設定してもよい。さらに、ホール内のサーバやホール外のサーバから単位額の情報を送信して、CU3の単位額を設定できるようにしてもよい。
(45) 本実施の形態では、電子決済カード502の決済IDに基づいて決済管理センタ600、会員登録情報サーバ700や遊技決済センタ820での処理を実行する場合について説明したが、複数のIDを利用して処理を実行してもよい。例えば、電子決済カード502に決済IDと会員カードIDとを記憶しておき、決済管理センタ600では、電子決済カード502の決済IDに基づいて処理を実行し、会員登録情報サーバ700では会員カードIDに基づいて処理を実行するようにしてもよい。
(46) 本実施の形態では、現金を入金して電子決済カード502に電子マネーをチャージする例を説明したが、例えば、予め電子決済カード502とクレジットカードとを関連付けておき、電子マネーの残額が設定金額(例えば1000円)以下となると、自動的に設定入金額(例えば、10000円)の電子マネーが電子決済カード502にチャージされ、入金額がクレジットカードから引き落とされるようにしてもよい。
(47) 本実施の形態では、電子決済カード502の電子マネーでCU3に入金する場合、CU3にストックカード332を予め準備しておく必要があると説明したが、CU3にストックカード332がない状態でも電子決済カード502の電子マネーでCU3に入金することができるようにしてもよい。具体的に、CU3に入金した金額がストックカード332に記憶されることなくCU制御部323のRAMにのみ記憶され、この入金された金額を利用して遊技球を貸出すことが可能である。
(48) 本実施の形態では、使用禁止リストに決済IDが含まれている電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合の報知(第1報知)と、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合の報知(第2報知)とが異なることを説明した。しかし、これに限られず同じ報知(例えば、第1報知、第2報知など)を行なう状況であっても決済端末が決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)と決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)とで報知を異ならせてもよい。報知を異ならせる方法として、例えば、警告音(例えば、報知により音量が異なる、報知により音自体が異なる)、表示器312での表示(例えば、報知により表示背景が異なる、報知によりキャラクタが異なるなど)、LEDなどのランプ(例えば、報知により点灯するランプの数が異なる、報知により点滅のパターンが異なるなど)、サーバ(例えば、報知によりサーバへの報知内容が異なる)への報知などがある。これにより、同じ使用禁止リストに決済IDが含まれている電子決済カード502や携帯機器503を受付ける場合でも、報知が行われた時点でオンラインなのかオフラインなのかを知ることができそれぞれの状況に応じて適切な対応を取ることが可能となる。
(49) 本実施の形態では、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)と決済管理センタ600と通信不能な場合(オフライン)とに関わらず、禁止情報を電子決済カード502や携帯機器503に記録する構成(例えば、図44,図45)について説明した。しかし、これに限られず例えば、決済管理センタ600と通信可能な場合(オンライン)のみ禁止情報を電子決済カード502や携帯機器503に記録する構成としてもよい。これにより、常に最新の使用禁止リストに決済IDが含まれている電子決済カード502や携帯機器503に対して禁止情報を記録することができる。
(50) 本実施の形態では、決済管理センタ600が、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の決済IDや、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の受付状況(使用した日時や店舗名など)を収集し、現在禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の状況を把握するとともに、表示や検索することが可能となると説明した。しかし、これに限定されるものではなく、決済管理センタ600が、禁止情報が記録された電子決済カード502や携帯機器503の情報を集計、管理、出力ができるようにして、いずれの端末装置で使用禁止リストに決済IDが含まれているとの判断(ネガリスト判断)や、禁止情報が記録されているか否かの判断(禁止情報判断)が発生したかを特定できるようにしてもよい。
(51) 本実施の形態では、CU3が電子決済カード502や携帯機器503に記録された識別情報である決済IDを特定するタイミングとして、電子マネー受付部330に電子決済カード502や携帯機器503がかざされるタイミングであると説明した。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、電子マネー受付部330に電子決済カード502や携帯機器503がかざさして入金操作を行なったタイミングや、玉貸しボタンを押下したタイミングなどでもよい。
(52) 本実施の形態では、CU3(決済端末)がオフライン時に電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した場合に、使用禁止リストから禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを削除する例を説明した。しかし、これに限定されるものではなく、CU3がオンライン時に電子決済カード502や携帯機器503に禁止情報を記録した場合でも、使用禁止リストから禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを削除してもよい。サーバ601に記憶している使用禁止リストから決済IDを削除するための削除情報は、CU3がオンライン時であれば、CU3の使用禁止リストから禁止情報を記録した電子決済カード502や携帯機器503の決済IDを削除して直ぐに決済管理センタ600に送信することが可能であるが、CU3がオフライン時であれば、次回のオンライン時に送信できるように待機状態となる。
(53) 本実施の形態では、電子決済カード502を使用して会員カードを利用するモードにログインするには、図38(b)に示すように暗証番号の入力が必要となると説明した。しかし、これに限定されず、CU3に暗証番号を入力するのではなく、秘匿された情報(秘匿情報)であれば数字以外に、文字情報や画像情報などをCU3に入力してもよい。パスワード認証では当該秘匿情報の正否を判定すればよい。
(54) 本実施の形態では、CU3が暗証番号の情報を表示器312から受信した場合、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせ、会員情報サーバ703から受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を受信して暗証番号の正否を判定している(パスワード認証)。しかし、これに限定されるものではなく、CU3は、暗証番号の情報を表示器312から受信した場合、受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に送信して問い合わせてもよい。つまり、会員情報サーバ703は、CU3から受信した暗証番号の情報と、受付けた電子決済カード502の決済IDに対応して記憶している暗証番号の情報とを比較して正否を判定してもよい。
(55) 本実施の形態では、電子決済カード502に暗証番号を直接記録している場合について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、電子決済カード502に暗証番号を直接せずに、電子決済カード502に関連付けて暗証番号を記録してあってもよい。例えば、CU3は、会員情報サーバ703との通信がオフライン状態のため受付けた電子決済カード502の決済IDの暗証番号の情報を会員情報サーバ703に問い合わせることができない場合に、電子決済カード502の決済IDに対応させて暗証番号の情報を記憶してある別のサーバから暗証番号の情報を読み出し、入力された暗証番号の情報とを比較して正否を判定してもよい。
(56) 本実施の形態では、電子決済カード502に記録されている暗証番号の情報と、会員情報サーバ703に記憶してある電子決済カード502の暗証番号の情報とは同じであると説明した。しかし、これに限定されるものではなく、電子決済カード502に記録されている暗証番号の情報と、会員情報サーバ703に記憶してある電子決済カード502の暗証番号の情報とが異なってもよい。なお、電子決済カード502に記録されている暗証番号の情報(第2暗証番号)と、会員情報サーバ703に記憶してある電子決済カード502の暗証番号の情報(第1暗証番号)とが異なる場合、CU3と会員情報サーバ703との通信がオフライン状態であれば、表示器312に第2暗証番号を入力するように表示する。また、CU3と会員情報サーバ703との通信がオンライン状態であっても第1暗証番号ではなく第2暗証番号を入力できるようにしておき、遊技者が第2暗証番号で会員カードを利用するモードにログインした場合には、制限された会員カードのモードにログインした状態となるようにしてもよい。
(57) 本実施の形態では、制限された会員カードのモードにログインした場合、CU3は持玉や貯玉を用いた遊技を制限すると説明した。しかし、これに限定されるものではなく、制限された会員カードでは、貯玉を用いた遊技ができないが、持玉を用いた遊技は可能にしてもよい。また、制限された会員カードでは、一定数量(例えば5,000玉)までの持玉や貯玉を用いた遊技が行なえるように制限してもよい。もちろん、制限された会員カードでは、電子決済カード502に記録されている電子マネーをCU3に入金する電子マネー入金を禁止するように制限してもよい。
(58) 本実施の形態では、会員情報サーバ703との通信がオンライン状態の場合、CU3が、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と、入力された暗証番号の情報とを比較して正否を判定する。一方、会員情報サーバ703との通信がオフライン状態の場合、CU3は、電子決済カード502に記憶してある暗証番号の情報と、入力された暗証番号の情報とを比較して正否を判定すると説明した。しかし、これに限定されるものではなく、会員情報サーバ703との通信がオンライン状態の場合でも、CU3は、会員情報サーバ703から受信した決済IDの暗証番号の情報と、入力された暗証番号の情報とを比較して正否を判定し、かつ電子決済カード502に記憶してある暗証番号の情報と、入力された暗証番号とを比較して正否を判定してもよい。つまり、会員情報サーバ703に記録されている決済IDの暗証番号の情報と、電子決済カード502に記憶してある暗証番号の情報と、入力された暗証番号の情報との三つの暗証番号の情報が常に一致していることを担保することができるのでセキュリティ性を向上させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。