以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を以下に説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施の形態に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行なう呼出しランプ装置などであってもよい。
P台2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図4参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
パチンコ玉の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域をパチンコ玉が通過するように発射強度Tを調整することができる。
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27の中央に可変表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を可変表示可能な可変表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の可変表示を開始させる。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271が開放する。
大入賞口271内には、確変入賞口271aが配置される。大入賞口271に入賞したパチンコ玉がさらに確変入賞口271aにも入賞すると、現在の大当り状態の終了後に大当りが発生する確率が向上する状態(以下、確率変動状態、あるいは単に確変状態ともいう)が発生する。
また、可変表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
P台2における遊技領域27の下方位置には、表示器54が設けられている。表示器54は、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278の表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。なお、表示器54は、図1に示すようにCU(カードユニット)3から独立してP台(パチンコ機)2に取付けられる構成でも、CU(カードユニット)3と一体に形成され、P台(パチンコ機)2の前面に嵌合させる構成でもよい。CU3の表示器54を、P台2の前面に嵌合させる構成であれば、CU3とP台2とをより強く連結することができるので、さらに不正を防止することができる。この場合、表示器54との連結係止を、ガラス扉6または打球操作ハンドル25が設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、さらに不正を防止することができる。
また、この表示器54の下方部分に7セグ表示器50が設けられている。7セグ表示器50は7セグメントLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171によって制御される。この7セグ表示器50により、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。
さらに、P台2における打球操作ハンドル25の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施の形態では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28をP台(パチンコ機)2側に設けているため、計数ボタン28をCU(カードユニット)3側に設ける場合に比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、可変表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
計数ボタン28の右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29は、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
本実施の形態に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の前枠(遊技枠)5とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ機の機種毎に異なるものである一方、前枠5は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技店は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
<カードユニットの構成>
次に、引続き図1を参照して、本実施の形態に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残額、持玉数、あるいは貯玉数等)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319とが設けられている。
表示器312は、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319を操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2による遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。なお、再プレイボタン319とは別に、持玉を引落とすための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319は貯玉引落とし専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801にカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801に記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行なわれる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801に記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320と、玉貸ボタン(貸出ボタンとも言う)321と、カード返却ボタン322とが設けられている。IR感光ユニット320は、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320である。玉貸ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残額を引落としてP台2による遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
次に、図2を参照して、P台2は、額縁状の外枠4に対して、前枠(以下、セルとも言う)5とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。
前枠5における揺動中心とは反対側の端縁付近(遊端側)には、上下1対の係合突起6a、6bが設けられている。この係合突起6a、6bは、図示しないばねによって下方向に押圧されている。一方、外枠4の係合突起6a、6bに対向する位置に、係合受け片7a、7bが設けられている。開放状態の前枠5を外枠4に押付けることにより係合突起6a、6bが係合受け片7a、7bを乗越え、乗越えた状態でばねの付勢力により係合突起6a、6bが下方に移動し、ロック状態となる。
そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して上下1対の係合突起6a、6bが上方に押上げられ、その結果係合受け片7a、7bに対する係合突起6a、6bの係合が解除されてロック解除状態となり、前枠5が開放される。
さらに、前枠5にはガラス扉6用の係合突起8も設けられており、その係合突起8に対向するガラス扉6部分には、係合穴9が設けられている。係合突起8は、図示しないばねによって下方に押圧されており、開放状態のガラス扉6を前枠5に押付けることにより係合穴9の下縁部分によって係合突起8が押上げられて乗越えることにより、ばねの付勢力により係合突起8が押下げられ、係合突起8と係合穴9とが係合されてロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することにより、ばねの付勢力に抗して係合突起8が引上げられ、係合突起8と係合穴9との係合が解除されてロック解除状態となり、ガラス扉6が開放される。
前枠5の下方部分における外枠4と接触する箇所に前枠開放検出スイッチ13が設けられており、前枠5が開放されたことが検出される。また、前枠5の上方部分におけるガラス扉6との接触部分にガラス扉開放検出スイッチ12が設けられており、ガラス扉6が開放されたことがこのガラス扉開放検出スイッチ12により検出される。
ガラス扉開放検出スイッチ12および前枠開放検出スイッチ13の開放回数は、図63(b)に示す計数カウンタ120により計数される。計数カウンタ120は、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2の電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6や前枠5の開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171へ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
遊技盤26の裏面(ガラス扉6と対向する面とは反対側の面)に、主制御基板16が設けられている。外枠4の裏面は閉じられているため、まず前枠5を開放して前枠5から遊技盤26を取外すことで、主制御基板16が遊技盤26から着脱可能な状態になる。つまり、遊技盤26より主制御基板16を取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを交換する作業を行なうためには、前枠5を開放する必要があるため前枠開放検出スイッチ13で当該作業を必ず検出することができる。よって、遊技盤26より主制御基板16を不正に取外す、または主制御基板16に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず前枠開放検出スイッチ13で検出することができる。
さらに、前枠5の裏面に、払出制御基板17が設けられている。払出制御基板17も、まず前枠5を開放してから、前枠5の裏面より取外す必要がある。よって、前枠5の裏面より払出制御基板17を不正に取外す、または払出制御基板17に設けた半導体チップを不正に交換すれば、必ず前枠開放検出スイッチ13で検出することができる。
次に、遊技盤26を前枠5に設置する構成について説明する。図3は、遊技盤26が前枠5に取付けられる前と取付けられた後の様子を示す図である。図3に示すように前枠5の裏面には、取付機構34a、34bがそれぞれヒンジ35a、35bを中心に開閉自在に設けられている。取付機構34a、34bは、コの時型をしており、遊技盤26に対応した幅の底を持つ。遊技盤26を前枠5に対して図3(b)の矢印方向に押し込むことで、図3(a)に示すように遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定される。遊技盤26が取付機構34a、34bにより固定されるときに、遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ32が前枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33と結合する。ここで、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33は、位置ずれに対してフレキシブル性を有するフローティングコネクタである。
また、遊技盤26を前枠5に設置する際に、凸型ドロアコネクタ32が凹型ドロアコネクタ33と結合することで、遊技盤26側の主制御基板16と、前枠5側の払出制御基板17とが接続されることになる。さらに、遊技盤26は決まった位置に固定されるとともに、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33はある程度の位置ずれに対してフレキシブル性を有しているので、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。なお、取付機構34a、34bを設けず、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33のみで、遊技盤26を前枠5に設置する構成であっても、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33自体がフレキシブル性を有するフローティングコネクタであるため、遊技盤26と前枠5との位置関係を意識することなくこれらが結合することができる。ここで、凸型ドロアコネクタ32は、遊技盤26の内部配線(図示せず)を介して主制御基板16に接続され、凹型ドロアコネクタ33は、信号ケーブル36を介して、図2に示す払出制御基板17に接続されている。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図4は、CU3とP台2との構成を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とP台2との制御回路の概略を説明する。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801(図5参照)と通信を行なうための外部通信部(図示省略)が設けられている。CU制御部323には、P台2の払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、CU3のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU3側のセキュリティ基板325とP台2側の払出制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、不正検知部1325を備え、不正検知部1325がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800(図5参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800から基板制御情報として通知される。
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。P台2に対し、表示制御部350で変換した表示用データが送信される。P台2に送信された表示用データは、中継基板14を介して表示器312に入力される。表示器312には、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。遊技者が玉貸ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。なお、玉貸ボタン321は、CU3に設ける構成に限定されるものではなく、P台2に設けて操作信号をCU制御部323に入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17と、払出制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、可変表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けてある。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、および電波センサ163と接続してある。
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/外れを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、4である。主制御部161は、可変表示装置278で新たな可変表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行なうとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの可変表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および可変表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
主制御部161から演出制御部151へ送信される可変表示に関するコマンドには、可変表示の開始を示す可変開始コマンド、可変表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/外れ)、可変表示パターンを特定可能な可変表示時間コマンド、可変表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて可変表示装置278の可変表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて可変表示結果および可変表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに可変表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した可変表示内容に従って可変表示装置278を表示制御する。
演出制御基板15は、前枠5側の中継基板14を介して、表示器54とも接続されている。演出制御部151は、可変表示装置278に対して可変表示等のための表示制御信号を送信するとともに、可変表示装置278の表示と連動する表示を行なうための表示制御信号を表示器54へ送信可能である。なお、中継基板14および表示器54は、CU3側に設けるようにしてもよい。この場合、P台2側の演出制御基板15は、CU3に設けた中継基板14と接続される。
払出制御基板17は、前枠5に設けてある。払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
また、払出制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ903、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33A、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が払出制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して払出制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
主制御基板16から払出制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報が送信される。
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記録されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に払出制御基板17に対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16と払出制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から払出制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17へ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701から払出制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33Aからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ903から払出制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
CU3のセキュリティ基板325とP台2の払出制御基板17とが電気的に接続されており、セキュリティ基板325から払出制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、払出制御基板17からセキュリティ基板325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
前枠5には、払出制御基板17の他、中継基板14、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠5に直接取り付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠5に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、表示器54についても同様である。払出制御基板17の払出制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
払出制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射装置の発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。
発射強度センサ19は、発射モータ18によるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19は、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から99(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19の検出結果は、発射制御基板31経由で払出制御基板17およびCU3に出力される。
前枠5には、表示器54が設けられている。表示器54は、中継基板14を介してCU3の表示制御部350からの表示データ(表示制御信号)を受信する。さらに、表示器54は、中継基板14を介して演出制御基板15からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
中継基板14には演出制御基板15および表示制御部350のうち一方からの表示制御信号を表示器54へ出力して表示器54に演出制御基板15または表示制御部350からの表示制御信号に基づく画像を表示するための切換回路141が搭載されている。
なお、本実施の形態では、P台2側の表示器54がCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台2側に表示器54を表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171の指令に基づいて表示器54を表示制御する。
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技台情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
<パチンコ玉の循環経路>
ここでは、図1および図4を参照して、P台2におけるパチンコ玉の循環経路を概説する。
遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射モータ18が駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉が打球ハンマーにより弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、払出制御部171が設けられている払出制御基板17(図4参照)でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、払出制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
遊技領域27に打込まれた玉のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチ701によって検出される。ファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチ33Aによって検出される。
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ903が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ903によって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ903は、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ18により弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。
そこで、本実施の形態では、発射玉検出スイッチ903の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘等の間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判断できる。
<カードユニットおよびパチンコ機に発生した異常の通知処理>
図5は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図5を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図5の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図5に示される鍵管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、CU3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨を払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、セキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図6は、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図6を参照して、CU(カードユニット)3側とP台(パチンコ機)2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図6では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、P台2側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ機)2とCU(カードユニット)3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とP台2側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からP台2側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2側において記憶することとなる。
CUおよびP台の双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CUおよびP台の双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。P台2側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3がP台2に対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、P台2がCU3に対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3のみが有する。CU3は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3のみが有する。CU3は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をP台2へ送信する。P台2は、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はP台2のみが有する。P台2は、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3へ送信する。CU3は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、P台2およびCU3のそれぞれが、またはP台2が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
P台2側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2側の払出制御部171(図4参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口154を通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をP台2側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、P台2側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とP台2側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図6に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図4参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図4参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321の押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3側からP台2側へ送信される。P台2側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式パチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とP台2との間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図7を参照して、CU(カードユニット)3とP台(パチンコ機)2との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図7には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU3からP台2に対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2に対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、P台2からCU3に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ情報を通知するものである。
リカバリ要求のコマンドは、CU3が認証を完了した後にCU3からP台2に対して送信される。リカバリ要求のコマンドは、CU3からP台2に対してリカバリ情報を要求し、CU3が認証完了後、最初に同コマンドを送信する。リカバリ要求は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回最終送信計数通番」、「店舗コード」および「SC基板ID」が含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にP台2に対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番である。「前回最終送信通番」が“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信通番」は、P台2において状態情報応答を送信時に、CU3において状態情報応答受信時に「通番」をP台2、CU3側ともに前回最終送信通番(通番)として記憶する通番である。
「前回最終送信計数通番」は、前回接続時にP台2に対して最後に送信した状態情報要求のレスポンスの計数通番である。「前回最終送信計数通番」は、“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信計数通番」は、P台2において状態情報応答を送信時に、CU3に状態情報応答受信時に計数通番をP台2、CU3側ともに前回最終送信計数通番として記憶する通番である。
P台2のリカバリ処理(計数玉数)において、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。不一致の場合には、計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。
P台2はCU3より通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3が計数要求に対する計数処理を実施していなかった場合は計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてP台2で実行されるユーザプログラムに通知する。CU3が計数処理を実施済の場合はCU3に通知した計数要求玉数を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。なお、P台2が保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。また、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」とP台2で保持している「店舗コード」とが不一致の場合、レジスタを介して店舗コード不一致をユーザプログラム側に通知する。
リカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してP台2で保持しているリカバリ情報を応答するものである。リカバリ情報は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」、「前回最終送信加算通番」、「遊技情報格納有無」、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」を含んでいる。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。「前回挿入中カードID」は、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。P台2の払出制御部171は、CU3から送信される情報に基づいて挿入中であったカードIDを記憶保持している。
「前回カード挿入時刻」は、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる加算通番であり、“0”のときは当該加算通番がない場合である。「遊技情報格納有無」は、遊技情報を格納していない場合“0x00”、遊技情報を格納している場合“0x01”である。
「前回遊技台情報」は、CU3に前回通知した遊技台情報であり、「遊技玉数」、「遊技玉情報」、「計数要求玉数」および「計数通番」の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3に前回通知した遊技玉数である。「遊技玉情報」は、前回通知した遊技玉情報である。遊技玉情報には、たとえばCU3に前回通知した発射玉数、アウト口通過玉数や総賞球玉数などの情報である。「計数要求玉数」は、計数要求する遊技玉数である。「計数通番」は、CU3に前回通知した計数通番である。
「前回遊技情報」は、CU3に前回通知した遊技情報であり、「遊技情報数」、「遊技情報1」〜「遊技情報n」の情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3に前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「遊技情報1」は、CU3に前回通知した遊技情報1である。「遊技情報n」は、CU3に前回通知した遊技情報nである。遊技情報nには、たとえば、CU3に前回通知した種別情報や遊技賞球情報などが含まれる。
なお、「前回最終送信加算通番」は、CU3において状態情報要求を送信時、P台2において状態情報要求受信時に、CU3側、P台2ともに前回最終送信加算通番として記憶する通番である。
P台2のリカバリ処理(遊技情報)において、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、「店舗コード」が不一致の場合には、リカバリデータを無しとして処理する。一致している場合には以下の処理を行なう。
遊技情報のリカバリデータがある時は「遊技情報格納有無」を格納有:0x01にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」にP台2が保持しているリカバリデータをセットする。遊技情報のリカバリデータがない時または前回最終送信通番が0の時は「遊技情報格納有無」を格納無“0x00”にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」をALL“0”をセットする。ただし、遊技玉数は前回通知した遊技玉数をセットする。なお、P台2が保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
なお、また、CU3は、P台2より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3は、前回遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。ただし、計数玉数のリカバリは実施しない。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU3またはP台2の交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台2の表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台2の表示情報は、可変表示装置278の液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台2に対して、払出制御部171が制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU3からP台2に対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2に対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2からCU3に対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3に対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。
リカバリ要求2のコマンドは、P台2に対して加算リカバリ情報を通知するものであり、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信加算通番」および「加算玉数」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。リカバリ要求2は、P台2において加算玉リカバリ処理を実施する必要有とCU3が判定したときに送信される。CU3は、P台2より受信したリカバリ応答に含まれる「前回最終送信加算通番」と自身で記憶している「前回最終送信加算通番」とを比較して一致している場合には加算玉リカバリ処理の必要無と判定し、不一致の場合には加算玉リカバリ処理の必要有と判定する。加算玉リカバリ処理の必要有と判定したときにはリカバリ要求2を送信する。
リカバリ要求2に含まれる「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にP台2に対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの加算通番のデータであり、「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数のデータである。
次に、P台2のリカバリ処理について詳しく説明する。P台2のリカバリ処理は、P台2がリカバリ要求2に基づいて、CU3より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう処理である。
リカバリ応答2のレスポンスは、CU3に対してP台2で加算リカバリ情報の処理結果を通知するもので、「通番」、「コマンド」および「リカバリ結果」を含んでいる。「リカバリ結果」は、“0x00”の場合リカバリ結果の処理OK、“0x01”の場合リカバリ結果の処理NGである。なお、P台2が加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを応答する。
P台2のリカバリ処理(加算玉数)を行なう場合、P台2はCU3より通知された「前回最終送信加算通番」の処理を実施していなかった場合、CU3に「リカバリ結果」として処理OKを応答し、CU3より通知された加算玉数を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。ただし、後述する状態情報要求のCU状態が遊技玉加算要求中(Bit=1)の時に状態情報応答で遊技台状態1が遊技玉加算結果(Bit5=1)と応答した場合,CU3に「リカバリ結果」として処理NGを応答し、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。
CU3より通知された「前回最終送信加算通番」が、P台2のチップが保持している「前回最終送信加算通番」と同一の場合、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知し、CU3に「リカバリ結果」として処理NGを応答する。
また、リカバリ処理が完了するタイミング(たとえば、リカバリ完了フラグをセットするタイミング)で、リカバリ結果に係らず、CU3より通知された「前回最終送信加算通番」を、レジスタを介してユーザプログラムに通知する。なお、リカバリ要求2の受信がない場合は、P台2のチップが保持している「前回最終送信加算通番」を、リカバリ処理が完了するタイミングでユーザプログラムに通知する。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU3からP台2に対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2に対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、P台2からCU3に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して通信開始を応答するものである。
通信開始要求のコマンドは、P台2に対して正常に通信開始したことを通知するものである。通信開始要求を受信したP台2は、それまで記憶していたリカバリ情報をクリアする。通信開始要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3は、通信開始要求後、計数通番を“0”(初期値)に、P台2も通信開始要求受信後、計数通番を“0”(初期値)にする。
通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信開始したことを通知するものであり、CU3が、リカバリ情報をクリアする。通信開始応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU3からP台2に対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2に対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、P台2からCU3に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して通信終了を応答するものである。
通信終了要求のコマンドは、P台2に対して正常に通信終了したことを通知するものであり、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信終了したことを通知するものであり、CU3およびP台2が、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。通信終了応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<9.状態情報要求>>
CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2に対してCU3の状態を要求するものである。CU3はこのコマンドを使用して、P台2の状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図6に示したCU3側からP台2側へ向かう加算玉数が含まれている。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、「加算玉数」、「加算通番」および「計数通番」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「CU状態」は、P台2に対して通知するCU3の状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3にカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を表わしている。また、CU3のカードストック部に予めストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1が“1”のときカードユニット開店中を、“0”のときカードユニット閉店中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3の状態により、P台2に対してカードユニット開店状態を通知する。カードユニット開店中を通知するタイミングは、たとえば、開店完了時である。カードユニット閉店中を通知するタイミングは、たとえば、閉店時である。なお、P台2は同状態が開店中から閉店中に変化時、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3に通知する。
Bit2が“1”のときカード返却準備中を、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CU3は、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、P台2に対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。P台2は、計数ボタン28の操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数ボタンを1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3に通知する。
Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4が“1”のとき計数玉受領完了を、“0”は計数玉未受領をそれぞれ示している。Bit4は、計数玉受領時に受領完了したことをP台2に通知する。つまり、状態情報応答のレスポンス「計数玉数」の送達を確認するために用いている。
Bit5が“1”のときカード抜き取り待ち中を、“0”はカード抜き取り完了をそれぞれ示している。Bit5は、CU3からカード抜き取り待ちとなっている状態をP台2に通知する。なお、Bit6〜Bit7は未使用である。
「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数であり、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となる。「加算通番」は、加算用シーケンス番号(0〜255)であり、遊技玉加算要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時に受信した計数通番をそのまま通知する。ただし、計数通番の連続性が成立しない場合は計数受領を出さない。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、P台2からCU3に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してP台2の情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図6に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
この状態情報応答の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウトロ通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数要求玉数」「計数通番」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「遊技玉数」は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。「遊技玉数」は、CU3が後述する「総賞球玉数」「発射玉数」および「計数玉数」を使用してCU3の保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3は、計算したCU3の遊技玉数と、P台2の遊技玉数とが一致するかをチェックする。
「発射玉数」は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。ただし、バック玉数がある場合はバック玉数分を減算する。つまり、「発射玉数」(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
「アウト口通過玉数」は、アウト口154を通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。
「総賞球玉数」は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。この賞球情報1−nとは、たとえば始動口、大入賞口、入賞口(普通入賞口)等の入賞口種別毎の賞球玉数のことである。なお、「総賞球玉数」(加算)は、CU3より送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU3は保持している遊技玉数に総賞球玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で総賞球玉数のデータを受信した場合、CU3は遊技玉数の加算は行なわない。
「計数要求玉数」は、計数要求した遊技玉の個数である。つまり「計数玉数」(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台2からCU3に送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
ただし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット開店状態が開店中のときには計数ボタン28の操作が行なわれたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、計数ボタン28の操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する。
「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。
「遊技台状態」は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の状態を示し、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「遊技台状態3」、および「遊技台エラー状態」の情報を含んでいる。
「遊技台状態1」のBit0は、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、ファン(遊技者)がプレイ中(玉を発射している)か否かを示しており、0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。ただし、遊技玉が有り、発射ハンドル(打球操作ハンドル25)をタッチした状態(タッチセンサに触れた状態)で遊技中となる。
Bit2は、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。ただし、発射停止スイッチ(単発打ちスイッチとも言う)による玉の発射停止は除く。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台2は、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認できなかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。“0”のとき遊技玉未確定(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技玉確定(全ての玉の行方が確定している状態)を示している。ここで、P台2は玉の発射を停止してから、たとえば15秒以上遊技玉の行方が確認出来なかった場合、タイムアウトし、遊技玉確定とする。また、P台2は電源オン時またはRAMクリア時は遊技玉の行方が確定している状態(遊技玉確定)にセットする。
Bit4は、遊技玉の計数要求の有無(計数ボタン押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数玉の払出要求がある場合である。P台は、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCU3へ送信し、計数要求が受領されたか否かを確認する。“1”のとき計数要求である。Bit5は、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。なお、P台2は加算NG応答する場合は加算通番を更新しないで通知する。Bit6は、発射停止スイッチの押下状態を示しており、“0”のときイッチ解除状態、“1”のときスイッチ押下状態である。Bit7は予備である。
「遊技台状態2」のBit0は、大当り情報の大当り1(全ての大当り)を表わし、全ての大当り中“1”をセットする。Bit1は、大当り情報の大当り2(大当り+小当り)を表わし、全ての大当り中および小当り中“1”をセットする。Bit2は、大当り情報の大当り3(出玉大の大当り)を表わし、出玉が大きい大当り中“1”をセットする。Bit3は、大当り情報の大当り4(出玉小の大当り)を表わし、出玉が小さい大当り中“1”をセットする。Bit4は、大当り情報の大当り5(出玉中の大当り)を表わし、出玉が中間の大当り中“1”をセットする。Bit5〜Bit7は予備である。
「遊技台状態3」のBit0は、遊技状態情報の大当り中+時短中を表わし、大当り中および時短中“1”をセットする。Bit1は、遊技状態情報の確変中を表わし、確変中“1”をセットする。Bit2は、遊技状態情報の時短中を表わし、時短中“1”をセットする。Bit3は、遊技状態情報の変動中を表わし、変動中“1”をセットする。Bit4〜Bit7は予備である。
「遊技台エラー状態」は、P台2で発生中のエラーコードを示し、Bit0〜Bit5を用いて各エラーコードを表現している。なお、Bit0〜Bit5が全て“0”のときにはエラー無である。Bit6は、エラーが発生している場所を特定する情報であり、“0”のとき払出制御、“1”のとき主制御をそれぞれ表わしている。Bit7は、エラーの出力方法を示し、“0”のとき発報のみ、“1”のとき発報+ホールサーバ801への出力を表わしている。
「不正検知情報」は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2で検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板16の不正検知情報である。「不正検知状態1」のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき磁気センサ検知不の正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき不正入賞検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3〜Bit7は予備である。
「不正検知状態2」は、払出制御基板17の不正検知情報である。「不正検知状態2」のBit0は、“1”のときガラス板開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき枠本体開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3は、“1”のとき近接センサ異常の不正検知情報であることを表わしている。Bit4は、“1”のとき賞球ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。ここで、「ゴト」とは、パチンコ機やスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。Bit5は、“1”のとき複合ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit6は、“1”のとき不正加算検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit7は、“1”のとき夜間枠開放・監視SW異常検知の不正検知情報であることを表わしている。
「不正検知情報1」は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報1」は、「不正検知状態2」のBit4が“1”のとき有効となる。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、「不正検知状態2」のBit5が“1”のとき有効となる。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、「不正検知状態2」のBit6が“1”のとき有効となる。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、「不正検知状態2」のBit7が“1”のとき有効となる。
「不正検知情報4」のBit7は、夜間監視スイッチ異常4が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常4発生を表わしている。Bit6は、夜間監視スイッチ異常3が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常3発生を表わしている。Bit5は、夜間監視スイッチ異常2が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常2発生を表わしている。Bit4は、夜間監視スイッチ異常1が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常1発生を表わしている。Bit0〜3は、本体枠開放回数を示す情報で、“0”のとき開放なし、“1”〜“15”は開放回数を表わしている。なお、開放回数は、15回までカウントし、16回以降のカウントは15回でホールドされる。
「加算通番」は、加算用シーケンス番号であり、加算要求時に受信した加算通番をそのまま通知する。ただし、加算通番の連続性が成立しない場合は加算NGを通知する。
「不正検知状態3」は、払出制御基板17の不正検知情報である。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1〜Bit7は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばP台の回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU3に通知する。
「遊技情報」は、CU3からP台2に対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2の情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「カウント情報1」〜「カウント報n」を含んでいる。
「遊技情報数」は、種別情報・カウント情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。「種別情報1」〜「種別情報n」は、遊技種別情報1〜遊技種別情報nをそれぞれ示している。種別情報は、Bit4からBit7までがデータ種別の情報で、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき始動口、“2”のとき大入賞口、“3”のとき入賞口、“4”のとき図柄停止回数、“5”のとき大当り、“6”のとき小当りである。Bit0からBit3までがデータ番号の情報で、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときそれぞれのデータ番号を表わしている。たとえば、データ種別が“5”の大当りのとき、データ番号は“1”のとき出玉大、“2”のとき出玉小、“3”のとき出玉中、“4”〜“6”のとき予備である。また、データ種別が“6”の小当りのとき、データ番号は“1”のとき小当り、“2”〜“15”のとき予備である。
「カウント情報1」〜「カウント情報n」は、遊技カウント情報1〜遊技カウント情報nをそれぞれ示している。
ここで、カウント情報は、データ種別が始動口、大入賞口、および小入賞口の場合、Bit4からBit7までが賞球玉数の情報で、遊技情報の種別情報毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータをそれぞれ表わしている。また、Bit0からBit3までが入賞個数の情報で、遊技台情報の種別情報毎に入賞個数(累計)を示しており、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータをそれぞれ表わしている。カウント情報は、データ種別が図柄停止回数の場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが図柄停止回数を示しており、“1”〜“15”のとき図柄停止回数を表わしている。カウント情報は、データ種別が大当り、小当りの場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが当り回数を示しており、“1”〜“15”のとき当り回数を表わしている。
さらに、状態情報応答のレスポンスには、「発射強度信号」、「通過領域信号」、「変動中信号」、「ハンドルタッチ信号」が含まれている。
「発射強度信号」は、上述の発射強度センサ19の検出結果である発射強度Tを示している。上述したように、本実施の形態においては、発射強度Tは、ハンドル操作量に応じて0(最小値)から99(最大値)まで変化する可変値である。なお、パチンコ玉の発射間隔(はたとえば0.6sec)よりもP台2とCU3との通信間隔(たとえば200msec)が短い場合には、基本的に1玉ごとに発射強度信号が出力されることになる。また、実際に発射されたか否かを示すデータとセットで発射強度信号が出力されるようにしてもよい。
「通過領域信号」は、上述した通過領域信号を示している。なお、上述したように、本実施の形態においては、通過領域信号は通過領域信号A1〜A8のいずれかである。なお、各通過領域信号には、各通過領域信号が検出された時点の発射強度Tが紐付けされている。
「変動中信号」は、パチンコ玉が始動入賞口275,276、277のいずれかを通過したことに伴って可変表示装置278に表示される図柄が変動していることを示している。
「ハンドルタッチ信号」は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることがタッチセンサによって検出されていることを示している。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2に対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、P台2からCU3に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2に対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「カードID」は、CU3に挿入されたICカードの識別ID情報であり、P台2が保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU3のカード挿入/排出口309(図1参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、P台2保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU3が設置されている店舗識別コードであり、P台2が保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU3が店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU3は、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325より情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3を識別するためのSC基板IDであり、CU3が交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325より情報付加してP台2に通知する。P台2の払出制御部171は、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。
カード挿入応答のレスポンスは、CU3に対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード挿入/返却通知時のP台2の動作について説明する。まず、CU3のカード挿入/排出口309に会員カードまたは一般カードが挿入されるか、一般0円0玉カードへの入金が行なわれるかすることで、カード挿入通知としてP台2に対してカードIDやカード挿入時刻などの情報が通知される。P台2は、カード挿入通知があると当該カードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップする。ただし、カード挿入通知コマンドを受信し、且つCU3の状態がカード挿入中状態(CU状態のBit0=1)の情報を含む状態情報要求を受信した場合(P台2でカード挿入中状態と判断する場合)、P台2はカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する。また、CU3のカード返却ボタン322が押下されると、P台2に対してカード返却通知が行なわれ、P台2はバックアップしてあるカードIDやカード挿入時刻などの情報をクリアする。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU3からP台2に対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、P台2からCU3に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、P台2に対してカード返却を通知するもので、CU3が、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3は、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のP台2の動作について説明する。カード挿入通知時に、CU3で会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行なうと、P台2はカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行なう。カード返却通知時に、CU3で「カード返却」ボタンの押下の操作を行なうと、P台2はカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行なう。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU3からP台2に対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、P台2からCU3に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを応答するものである。
通信テスト要求のコマンドは、P台2に対してテストデータを通知するものである。なお、P台2に対して通知するテストデータは暗号化していない。通信テスト要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、P台2に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
通信テスト応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを通知するものである。なお、CU3に対して通知するテストデータも暗号化していない。通信テスト応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、CU3に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<CUとP台との通信における主なシーケンス>
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3とP台2との間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3(1次局)からP台2(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2はそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3を1次局、P台2を2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3からP台2への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2からCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とP台2との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2は、打球操作ハンドル25を操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2からCU3へは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2は、遊技玉数の変化量を細やかにCU3に対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2の発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3がP台2に対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをP台2に送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2に送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2に再送する。14回目の再送を行なってもP台2からレスポンスを受信できなかった場合、CU3は3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3のコネクタとP台2のコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2の電源断などの原因が考えられる。CU3は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<P台側の通信回線断検知>>
P台2側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3からP台2へコマンドが送信され、P台2ではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。その後CU3からのコマンドがP台2に送信されてこない状態が3秒間継続した場合、P台2は通信断と判断し、発射モータ18の駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3のコネクタとP台2のコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3の電源断などが考えられる。
なお、P台2側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図8に示すシーケンス処理は、CU3とP台2との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2では発射モータ18を停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリ情報を要求する。P台2は、CU3より通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2は、前回最終送信計数通番を参照して、CU3が計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3が計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2は、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3の加算リカバリ処理を実施する。CU3は、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2に対して、リカバリ要求2をP台2へ送信し、P台2に対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2では、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2が加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3とP台2との間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2は、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2から通知された時に通番をバックアップする。P台2は、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3に通知する。P台2はレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2に送信する。P台2は、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、CU3は、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2は、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。これ以降、CU3とP台2との間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2は、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2は、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3およびP台2の処理について説明する。図9に示すCU3は、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3で記憶してもよい。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801に問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにP台2側の表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。P台2では、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2側の表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323のRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325を通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2では、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信することで、カード挿入中である状態をP台2に対して通知する。P台2は、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信することで、遊技許可中である状態をCU3に対して通知する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3からP台2に対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3は、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2に記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2では、それを受けて受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2でのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2は、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323のRAM等に記憶しない。これにより、カード挿入中にカードIDを意図的にP台2へ送信されて、P台2で記憶しているカードIDを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
図10は、CU3にカードが挿入されたときにCU3が実行する挿入時処理を示すフローチャート図である。本実施の形態において破線で示すステップは変形例の制御内容を示している。また、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図10において、S1〜S7の各ステップはCU3が実行する。またS8〜S10、S12〜S15はP台2が実行する。より具体的には、S8〜S10、S12、S13、S15の削除処理は、P台2に設けられている演出制御基板15が実行し、S14とS15の送信処理は、演出制御部151が設けられた演出制御基板15が払出制御部171へ送信して払出制御部171がCU3へ送信する。
まずCUは、ステップ(以下単にSという)1により、中断中であるか否かの判定を行なう。この中断中であるか否かは、中断操作が行なわれて遊技中断のシーケンスが実行されたか否かにより判断する。中断中である場合には、S2により、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致するか否か判定し、一致しない場合にはS5によりその挿入されたカードを排出して待機中へ移行する。なお、図10では上記「種別」の図示を省略している。
一方、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致する場合には、中断操作した遊技者が再びその遊技機に戻ってきて遊技を開始したと判断されるために、制御がS4へ進み、中断状態を解除し、S6により遊技を再開する処理が実行される。
一方、S1により中断中でないと判断された場合には、S3aで既にカードが挿入中であるか否かの判定を行なう。この挿入中であるか否かは、カード挿入/排出口309に設けてあるカードリーダがカードを受け付けているか否かにより判断する。S3aにより挿入中でないと判断された場合には、挿入されたカードのC−IDと種別を記憶するとともにP台2へ送信する処理がS3により行なわれる。P台2では、そのC−ID,種別を受信し、その受信したC−IDおよび種別とバックアップエリア(たとえば、図4に示す演出制御基板15に設けたバックアップデータ記憶部)に記憶されているC−IDおよび種別とを比較する(S8)。そしてS9によりその比較結果が一致するか否か判定し、一致しない場合には、離席した遊技者とは異なる遊技者が遊技を開始したと判断し、この挿入時処理のサブルーチンプログラムが終了する。
S3aにより挿入中であると判断された場合には、挿入中のカードのC−IDおよび種別と異なるC−IDおよび種別がCU3やP台2に上書き記憶されるのを防止するために、S3での処理をスキップする。
このように、遊技者特定情報(C−ID)を記憶する遊技者特定情報記憶手段(現遊技者遊技履歴データ記憶部)と同一判定処理を行なう同一判定手段(S8、S9)とが遊技機の表示制御手段(演出制御部151が設けられた演出制御基板15)に設けられているために、通信手段側(払出制御部171側)には同一判定処理機能を設けなくて事足り、表示制御手段を有する遊技機と表示制御手段を有しない遊技機との間で共通の通信手段を使用でき、通信手段の少品種大量生産か可能になる。
なお、変形例の制御内容として、S15とS7との処理を行なってもよい。S15により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)に記憶されている遊技履歴データとC−IDおよび種別とをCU3へ送信した後削除する。CU3では、それを受信して、受信したデータを上位サーバ801へ送信する。上位サーバ801では、その受信した遊技履歴データとC−IDおよび種別とをバックアップ記憶する。
一方、S9により一致すると判定された場合にはS12へ進み、バックアップエリア(バックアップデータ記憶)の遊技履歴データを現エリア(たとえば、図4に示す演出制御基板15に設けたバックアップデータ記憶部)に戻し、その遊技履歴データから新たに遊技履歴データの加算更新を開始する。
なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理を行なってもよい。S9でYESの場合には、制御はS10へ進み、前回のカードが排出されてから所定時間(たとえば20分間)経過したか否かの判断がなされ、経過していないS10により所定時間が経過していると判断された場合には、S13により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)の遊技履歴データとC−IDおよび種別とを削除する処理がなされる。また、S12の後、S14により、遊技者が同一である旨の通知をCUへ送信する。なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理およびS15、S7の処理を全て行なうように制御してもよい。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図11に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3は、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3は、玉貸ボタン(貸出ボタン)321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54に表示させる。
次に、CU3は、P台2に対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3は、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3は、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2は、CU3に対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図12では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319を押下すると、CU3は、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319を押下する操作がなされた段階でCU3側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3は、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2に通知する。具体的に、CU3は、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3は、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2は、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2は、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信し、P台2は、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図13では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3からP台2へ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図13では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3は、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3から送信された通番nに対して、P台2から通番n+1が返信されている。CU3から送信された計数通番mに対して、P台2からは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28を押下する。この図13では、計数ボタン28を1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3からP台2へ送信されている。
P台2は、計数ボタン28の操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2は、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてP台2側の表示器54を表示制御する。その結果、表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、P台2に対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2は、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を800から700に更新する。この段階で、P台2は計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2は2度目の計数要求をCU3へ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でもP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、P台2に対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2は、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29の表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2は計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3へ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3へ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3は、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3は、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2へ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(自動計数)>>
閉店時、カードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っている場合、店員が遊技玉の残っているP台2を回り1台1台に店舗カードを挿入して計数操作を行なって残った遊技玉を回収する必要があり、閉店時の作業が煩雑であった。また、従来のように物理的な遊技玉が払出される遊技機とカードユニットとの構成であれば、残った遊技玉を回収してカードユニットをリセットする作業を行なうだけで閉店時の作業を行なうことができる。しかし、本実施の形態のようにP台2とCU3とが相互認証して通信を行ない遊技玉(遊技点)を管理する構成では、カードユニットを単にリセットする作業だけでは残った遊技玉を回収することができず閉店時の作業を行なうことができない。そこで、図14を参照して、閉店時の遊技玉の自動計数処理について説明する。
図14は、遊技場が閉店した時に自動的に行なう計数処理を説明するためのシーケンス図である。まず、CU3は、カード持玉=0玉でストックカードが無い状態である。一方、P台2は、遊技玉=50玉でCU3にカードが挿入されていないことを認識している。そして、CU3は、通番=n、CU開店状態=ON、カード挿入状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3およびP台2が設置されている遊技場において閉店が設定されたときに、カードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っていると判断すると、以下に説明する処理を行なう。なお、カードが挿入されていないことは、状態情報要求のコマンドに含まれるカード挿入状態=OFFの情報から判断することができ、P台2に遊技玉が残っていることは、状態情報応答のレスポンスに含まれる遊技玉数=50の情報から判断することができる。
CU3は、通番=n+1、カードID=0、カード挿入時刻=0を含むカード挿入通知のコマンドをP台2へ送信する。つまり、仮想カードであるカードID=0のカードが、CU3のカードリーダにカード挿入時刻=0に挿入されたことをP台2に対して通知する。このように仮想カードがCU3に挿入されるので、店員が遊技玉の残っているP台2を回り1台1台に店舗カードを挿入する作業が不要になる。これを受けてP台2は、CU3にカードが挿入されたと認識して以下の処理が実行される。それを受けて、P台2は、通番=n+1を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。
次に、CU3はP台2に対して、CU開店状態OFFを通知する。具体的には、通番=n+2、CU開店状態=OFF、カード返却準備状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求をP台2へ送信する。
なお、遊技場における閉店設定は、たとえば、当該遊技場に設置されているホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801から各CU3へ閉店する旨の閉店コマンドを一斉配信することによりCU制御部323が遊技場での営業の終了を判定して行なわれる。具体的には、ホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801を係員が閉店操作することにより、各CU3へ閉店する旨の閉店コマンドが一斉配信される。また、ホール用管理コンピュータまたはホールサーバ801に閉店時間を設定記憶させておき、その閉店時刻になれば自動的に各CU3へ閉店コマンドが一斉配信されるように制御してもよい。他の方法としては、店員による営業終了のリモコン操作によって営業終了信号をIR感光ユニット320に送信し、CU制御部323が遊技場での営業の終了を判定するようにしてもよい。さらなる他の方法としては、各CU3に時計機能を設け、閉店時間(たとえば10時)である場合にその閉店時間の所定時間(たとえば20分)経過後の時間(たとえば10時20分)が時計機能により計時されたときに、各CU3からCU開店状態=OFFを含む状態情報要求をP台2へ送信するように制御してもよい。
それを受けたP台2では、通番=n+2、現時点における遊技玉数=50、受信した計数通番mに対して「1」加算更新したm+1の計数通番、計数玉数=50および計数要求=ONを含む状態情報応答をCU3へ送信する。つまり、P台2は、CU3に対して残っている遊技玉の計数を要求するため、遊技玉数=50、計数受付要求、および計数通番カウントアップの情報をCU3に通知し、前回最終送信計数通番更新、および計数玉要求状態ONの情報をバックアップする。
それを受けたCU3は、P台2から送られてきた計数玉数=50を持玉数に加算する。なお、持玉数に加算した計数玉数=50は確定しておらず、CU3は、現時点の持玉数=0としたまま、前回最終送信計数通番更新の情報をバックアップする。そして、CU3は、計数玉受け取りを通知するため、P台2へ返信する。具体的には、通番=n+3、CU開店状態=OFF、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1、および計数応答=ONを含む状態情報要求をP台2へ送信する。P台2から受け取った計数玉は、仮想カードであるカードID=0、カード挿入時刻=0のカードの持玉数としてCU3の記憶手段(たとえばRAMなど)に記憶させる。
それを受信したP台2では、計数玉数を遊技玉数から減算して(遊技玉数=50−計数玉数=50)、遊技玉数=0の表示を行なう。そして、P台2は、計数玉数を遊技玉数から減算し、残った遊技玉が無く(遊技玉数=0)計数要求が不要である状態(計数要求状態OFF)を通知するため、通番=n+3、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答をCU3へ送信する。
残った遊技玉をすべて計数した場合、CU3に挿入されている仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)を返却する処理が行なわれる。具体的に、CU3は、仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)を返却したことをP台2に通知するため、通番=n+4を含むカード返却通知をP台2へ送信する。これを受信したP台は、CU3に挿入された仮想カードが返却されたと認識し、通番=n+4、カードID=0、およびカード挿入時刻=0を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に送信する。
次に、CU3は、CU状態がカード挿入状態=OFFになったことをP台2に通知する。具体的にCU3は、通番=n+5、およびカード挿入状態=OFFを含む状態情報要求をP台2へ送信する。これを受けて、P台2は、通番=n+5、遊技玉数=0、計数通番=m+1、および計数玉数=0を含む状態情報応答をCU3に送信する。
このように、遊技場における閉店時の計数処理の場合には、店員がカードを挿入して計数ボタン28の押下操作を行なうことなく、自動的に計数処理が実行されるとともに、残った遊技玉数のすべてが一括して仮想カード(カードID=0、カード挿入時刻=0)の持玉数に計数されCU3の記憶手段に保管することができる。なお、CU3は、残った遊技玉数を計数した持玉数を、P台2またはCU3の識別情報とともに上位サーバ801に送信してもよい。上位サーバ801では、CU3から送られてきた持玉数を日付、P台2またはCU3別に記憶しておくことで、後日、当該持玉を遊技者に返却することが可能になる。また、CU3は、閉店直前に挿入されていたカードIDを、計数した持玉数(残った遊技玉)と関連付けて上位サーバ801に送信してもよい。残った遊技玉は、閉店直前に挿入されていたカードIDの遊技者の遊技玉である可能性が高いため、計数した持玉数の持ち主を特定する作業を軽減することができ、後日、計数した持玉数を遊技者に返却することがさらに容易に行なうことができる。
前述の実施例では、カードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っている場合の閉店処理を説明したが、カードが挿入されている場合の閉店処理は後述する「遊技玉計数(カード返却)」(図15参照)の処理と同じ処理が実行される。ただし、残った遊技玉の計数処理について、店員が計数ボタン28の押下操作を行なって計数処理しても、閉店設定により自動的に計数処理してもよい。いずれにしても、カードが挿入されている場合、閉店処理によりカードが返却され抜き取り待ち状態となるので、当該カードを店員が回収する必要がある。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図15は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図15では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2の遊技玉数が800玉で、CU3はP台2の遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3は、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。なお、CU3は、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2に通知する。さらに、CU3は、P台2の遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28を押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2は、計数ボタン28を押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2は、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3に通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、この段階でP台2は計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2は、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3は、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3は、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3は、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
P台2は、CU3からの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54等に表示する。さらに、P台2は、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3に通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3に送信される。
CU3は、遊技者がカード返却ボタン322を押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28を押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3は、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n+3、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3に返信後、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3は、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2から受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801などに報告する。CU3は、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309に挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309にカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3に設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3は当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801へ送信し、ホールサーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3から返却されたカードは、カード挿入/排出口309から抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309から突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3は、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309の近傍に取り付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3は、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2に通知する。そのため、CU3は、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。これを受けて、P台2は、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278に表示する。また、P台2は、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカ270で「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2は、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがON状態であれば、CU3は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309からカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがOFF状態となるので、CU3は、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。
これを受けて、P台2は、可変表示装置278に表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2は、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
なお、図15で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス1>>
次に、図16を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図16は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への状態情報要求のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2の電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3からP台2へコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
図16を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3は、通番=nを含む状態情報要求をP台2に送信している。それを受けて、P台2は、遊技台情報CU3に通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3に送信する。P台2は、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3は、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてP台2に電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3からP台2へ送信された場合に、P台2が電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降P台2からの状態情報応答が送信されてこないためにCU3は、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。P台2が状態情報応答のレスポンスをCU3に送信してから、電源断発生までの間、P台2において遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、P台2の電源断が復旧してONの状態になってP台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2は、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にP台2からCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、P台2は、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にP台2からCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。なお、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
図16において、CU3は、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図29(a)に基づいて後述する。遊技情報格納がないため、CU3は、リカバリ要求2をP台2に送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2に送信する。なお、CU3が通信開始要求のコマンドをP台2に送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2は、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、P台2は、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、P台2との通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2に送信する。それを受けたP台2では、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3に通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3は、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス2>>
次に、図17を参照して、電源断/通信回線断により状態情報応答が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図17は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへ状態情報応答のレスポンスが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2の電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報応答が未到達(P台2からCU3へコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
図17を参照して、遊技中において電源断が発生した後に、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答がP台2からCUへ送信された場合に、CUが電源断の状態であるためにその状態情報応答をCUが受信できない。それ以降CU3からの状態情報要求が送信されてこないためにP台2は、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171が発射制御基板31へ停止コマンドを送信し、発射制御基板31が発射モータ18の回転駆動を停止する。この3秒間の間、P台2において遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
一方、CU3では、電源断が発生したために、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なう。その際、現時点における持玉数をカードに記憶させて排出する。なお、CUの故障等が原因で持玉数をカードに記憶させることができない場合は、定期的に(たとえば5秒毎に)CU3から持玉数を受信してバックアップ記憶しているホールサーバ801の記憶データ(持玉数)を基に遊技者に損失補填するようにしてもよい。その後、CU3の電源断が復旧してONの状態になってCU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信通番=n−1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2は、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=n−1と、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとを比較判定する。その結果、両者が不一致であるので、電源断の発生前に最後に送信した状態情報応答がCU3へ到達していないものと判断する。そこで、P台2は、CU3に対して未通知の遊技情報を有しているとして遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。つまり、前回遊技台情報である遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23をリカバリ応答に含めてCU3へ送信する。なお、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
CU3は、リカバリ応答に含まれる遊技情報に基づいてリカバリ処理を実行する。ただし、通信回線断を検知する直前に遊技玉の加算要求を送信していないため、加算リカバリ処理は不要である。このため、リカバリ応答を受信した後、リカバリ要求2を送信することなく、通信開始要求を送信する。CU3は、この通信開始要求の送信前に、第1チェック処理を実行する。第1チェック処理では、リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323によって、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かがチェックされる。この第1チェック処理は、図29(a)に基づいて後述する。CU3は、リカバリ要求2をP台2に送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2に送信する。なお、CU3は、P台2から受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをP台2に送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2は、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、P台2は、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、P台2との通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2に送信する。それを受けたP台2では、電源断の発生前にCU3にまで到達しなかった状態情報応答に含まれる未通知の遊技台情報(遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3に通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3は、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
なお、再挿入されたカードのカードIDがカード情報読取処理により適正に読取られた場合に、その読取ったカードIDとリカバリ応答に含まれているカードIDとを照合して一致しているか否かをCU3のCU制御部323が判定するとともに、電源断発生前の遊技開始時に挿入されたカードの挿入時刻をCU制御部323のRAMが記憶しておりその記憶しているカードの挿入時刻とリカバリ応答に含まれているカード挿入時刻とを比較して一致するか否かをCU3のCU制御部323が判定してもよい。その場合、両者一致すると判定し、加算リカバリが無い場合には、CU3は、通信開始要求をP台2へ送信する。それを受けたP台2では、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3へ返信する。
本実施例では、この遊技者の同一性を判断するときの遊技者を特定可能な遊技者特定情報として、カードIDとカード挿入時刻とを用いている。このカードIDは、会員の遊技者個人を特定する会員用カードのカードIDばかりでなく、ビジターとして来店した遊技者が用いるビジターカードのカードIDも含む。このビジターカードの場合には、不特定の遊技者に使用されるものであり、特定の遊技者個人を特定するものではない。つまり、このカードIDの場合には、電源断/通信回線断の発生前に遊技を行なっていた遊技者と電源断復旧後に遊技を行なおうとしている遊技者とが同一の遊技者であるか否かは特定できるが、その遊技者がどの特定の個人であるかまでは特定できない。よって、上記「遊技者特定情報」とは、特定の遊技者個人を特定するものに限らず、電源断/通信回線断の発生前に遊技を行なっていた遊技者と電源断復旧後に遊技を行なおうとしている遊技者との同一性が判別できる情報をも含む広い概念である。
<<異常系シーケンス3>>
次に、図18を参照して、電源断/通信回線断により状態情報応答が未到達となったときの遊技玉数の別のリカバリ処理について説明する。図18は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへ状態情報応答のレスポンスが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断/通信回線断線(たとえば、CU3の電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報応答が未到達(P台2からCU3へコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が不一致の場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。この電源のOFF,ONは、たとえばCU3の故障、または電源を手動でOFF,ONする、あるいはCU3をカードユニットホルダから抜き差しすることによっても、電源がOFF,ONとなる。
図18を参照して、遊技中において電源断が発生した後に、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答がP台2からCUへ送信された場合に、CUが電源断の状態であるためにその状態情報応答をCUが受信できない。それ以降CU3からの状態情報要求が送信されてこないためにP台2は、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171が発射制御基板31へ停止コマンドを送信し、発射制御基板31が発射モータ18の回転駆動を停止する。この3秒間の間、P台2において遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
一方、CU3では、電源断が発生したために、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なう。その後、CU3の電源断が復旧してONの状態になり、さらにCU3を交換して新たなCU3が動作を開始する。
なお、CU交換前に稼働していたCU3が持玉数を記憶していたときには、その持玉数を別のカード(たとえば、CU内部のカード)に記憶させて排出するようにしてもよい。その際に、CUの故障等が原因で持玉数をカードに記憶させることができない場合は、定期的に(たとえば5秒毎に)CU3から持玉数を受信してバックアップ記憶しているホールサーバ801の記憶データ(持玉数)を基に遊技者に損失補填するようにしてもよい。
交換後のCU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。しかし、CU3は、交換したため前回最終送信通番を有していない。それを受けたP台2では、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2は、交換後のCU3から送信される前回最終送信通番=0と、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとを比較判定する。その結果、両者が不一致であるので、リカバリ処理を行なうためP台2に格納してある遊技情報をCU3へ送信する。具体的に、P台2は、交換後のCU3に対してリカバリ処理を行なうため遊技情報を有しているとして遊技情報格納有を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。このリカバリ応答でCU3に通知するリカバリ情報には、前回最終送信通番=n、挿入されていたカードのカードID、カード挿入時間、前回遊技台情報として前回最終送信加算通番=mおよび前回遊技台情報が含まれている。前回遊技台情報には、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含んでいる。なお、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図29(a)に基づいて後述する。CU3は、リカバリ要求2をP台2に送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2に送信する。なお、CU3は、P台2から受信した前回遊技台情報を使用してリカバリ処理(遊技玉数=480、加算玉数累計=+3、減算玉数累計=+23)を行ない、前回最終送信通番を更新して、当該データおよびカードID、カード挿入時刻をバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをP台2に送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2は、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、P台2は、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、P台2との通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2に送信する。それを受けたP台2では、未通知の遊技台情報(遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3は、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回挿入中だったカードの挿入待ち、または店員リモコン操作(遊技玉計数)待ちの状態となる。この状態でカードが挿入されると、CU3は、その挿入されたカードのIDをカードリーダライタにより読み取る。そして、読み取ったカードIDと、リカバリ応答に基づいて記憶しているリカバリカードID(前回挿入されていたカードのカードID)とが一致しているか否かを判定する。一致していると判定した場合には、遊技を再開させるための店員のリモコン操作待ちとなる。リモコン操作があれば、店舗コードおよびSC基板ID等を含むカード挿入通知のコマンドがCU3からP台2へ送信される。P台2では、通信断以前の前回のカード挿入時に受信した店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップしており、そのバックアップしているデータとCU3から送信されてきた店舗コードおよびSC基板IDとを比較して一致するか否か判別する。一致していれば、遊技が再開可能となる。なお、リモコン操作を待つことなく、店舗コードおよびSC基板ID等を含むカード挿入通知のコマンドがCU3からP台2へ送信されるようにしてもよい。不一致の場合には、たとえばP台2の遊技玉数データを無効にする等のエラー処理が行なわれる。あるいは、これに代えて、またはこれに加えてエラー報知がなされるようにしてもよい。さらには、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なうようにしてもよい。
なお、状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス4>>
次に、電源断/通信回線断により加算要求が未到達となったときの加算玉数のリカバリ処理について説明する。図19は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への加算要求のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算要求が未到達(CU3からP台2への加算要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図19では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
しかし、P台2は、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する。ここでは、前回最終送信加算通番=mが送信される。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回最終送信加算通番と、記憶している前回最終送信加算通番と一致しているか否かを判断する。CU3は、P台2のリカバリデータの最終送信加算通番=mに比べて、バックアップしているCU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1の方が大きい値(新しい)の場合(不一致)、前回の状態情報要求のコマンドが未到達であったと判断して加算リカバリ処理を行なう。
具体的な加算リカバリ処理としては、P台2に対して加算玉数=125玉のリカバリを要求する。そのため、CU3は、リカバリ要求2(加算玉数=125、前回最終送信加算通番=m+1)をP台2へ送信する。
P台2は、リカバリ要求2に含まれる加算玉数への加算処理を実施し、前回最終送信加算通番を更新して、当該テータをバックアップする。このタイミングで、電源断によって実現されなかった加算処理が実現され、CU3側とP台2側とで遊技玉数が整合する。さらに、P台2では、加算処理がOKであった旨をリカバリ応答2としてCU3へ返信する(リカバリ応答2(処理結果=処理OK))。それを受けたCU3は、加算要求状態をクリアする。なお、リカバリ応答2を受信したCU3のCU制御部323は、前述のリカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第3チェック処理を実行する。この第3チェック処理は、図30に基づいて後述する。
さらに、CU3は、通信開始要求をP台2へ送信する。それを受けたP台2では、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3へ返信する。また、CU3は、状態情報要求をP台2へ送信する。それを受けたP台2では、未通知の遊技台情報(遊技玉数=175)を状態情報応答でCU3に通知する。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス5>>
次に、電源断/通信回線断により加算応答が未到達となったときの加算玉数のリカバリ処理について説明する。図20は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの加算応答のレスポンスが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算応答が未到達(P台2からCU3への加算応答のレスポンスが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図20では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができない。P台2が通信回線断を検知するには、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できない期間が必要である。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、P台2では、CU3へ状態情報応答のレスポンスを返信するとともに、前回最終送信加算通番を更新し、更新したデータおよび遊技玉数=175のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番=n+1を含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答(前回最終送信通番=n+1、前回最終送信加算通番=m+1))。このリカバリ情報としては、前回最終送信通番=n+1、カードID、カード挿入時刻および前回最終送信加算通番=m+1が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報のカードID、およびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの前回最終送信加算通番=m+1と、CU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致した場合、加算リカバリ処理を要求せず、加算要求状態をクリアする。また、リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図29(a)に基づいて後述する。
CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの前回最終送信加算通番=m+1と、CU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致するか否かにより、加算リカバリ処理を行なうか否かの加算リカバリ処理判定を行なっている。加算リカバリ処理判定では、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの前回最終送信加算通番=m+1と、CU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致する場合、加算リカバリ処理を行なわないと判定し、それ以外の場合加算リカバリ処理を行なうと判定する。
CU3は、基本的に加算リカバリ処理判定で加算リカバリ処理を行なわないと判定した場合、リカバリ要求2のコマンドをP台2に送信することはない。しかし、CU3は、加算リカバリ処理判定で加算リカバリ処理を行なわないと判定した場合にも関わらず、誤ってリカバリ要求2のコマンドがP台2に送信されてしまうとリカバリ処理が行なわれ、本来と異なる遊技玉数に変更されてしまう不都合が生じる。
そこで、本実施の形態では、CU3が加算リカバリ処理判定の判定後にリカバリ要求2のコマンドをP台2に送信した場合、P台2は、リカバリ要求2のコマンドに含まれる前回最終送信加算通番と、P台2で記憶している前回最終送信加算通番とが一致するか否かを判定して加算リカバリ処理を行なうか否かの再判定を行なう。
具体的に、CU3は、通番=2、前回最終送信加算通番=m+1、および加算玉数=125を含むリカバリ要求2のコマンドをP台2へ送信する。それを受けたP台2は、CU3のリカバリ要求2のコマンドに含まれる前回最終送信加算通番=m+1と、P台2で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致するので、加算リカバリ処理を行なわないと判定して処理NGの情報をCU3に通知する。そのため、P台2は、通番=2、処理結果=処理NGを含むリカバリ応答2をCU3に送信する。
さらに、CU3は、通信開始要求をP台2へ送信する。それを受けたP台2では、通信開始応答をCU3へ返信する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス6>>
次に、電源断/通信回線断により加算応答が未到達となったときの加算玉数の別のリカバリ処理について説明する。図21は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの加算応答のレスポンスが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算応答が未到達(P台2からCU3への加算応答のレスポンスが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図21では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、P台2は、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができない。P台2が通信回線断を検知するには、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できない期間が必要である。
そのため、P台2では、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、加算要求を処理する。ところが、何らかの原因(たとえば、遊技玉数が上限値に達しているなど)によって、遊技玉を加算できない状況が発生する。この場合、P台2は、通番=n+1、遊技玉数=50、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、P台2では、遊技玉加算異常が発生しているので、CU3からの加算玉を処理することができず、前回最終送信加算通番=mのままで更新していない。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。なお、P台2では、遊技玉加算異常の状態である。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番=n+1を含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答(前回最終送信通番=n+1、前回最終送信加算通番=m))。このリカバリ情報としては、前回最終送信通番=n+1、カードID、カード挿入時刻および前回最終送信加算通番=mが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報のカードID、およびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、P台2のリカバリデータの前回最終送信加算通番=mと、CU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが不一致の場合、加算リカバリ処理を要求する。そのため、CU3は、前回最終送信加算通番=m+1、加算玉数=125を含むリカバリ要求2をP台2に送信する。
それを受けてP台2は、遊技玉加算異常により、遊技玉加算が処理されていないこと(遊技玉加算NG)をリカバリ応答2で通知する。リカバリ応答2には、リカバリ結果=処理NGが含まれている。
それを受けたCU3は、リカバリ結果=処理NGを含むリカバリ応答2を受信した場合、遊技玉加算要求状態をクリアしてOFF状態にして、後述する第3チェックを行なう。さらに、CU3は、通信開始要求をP台2へ送信する。それを受けたP台2では、通信開始応答をCU3へ返信する。
さらに、CU3は、遊技玉加算要求状態がクリアされてOFF状態になっているため、P台2に再度加算要求を通知せずに、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=m+1を含む状態情報要求をP台2に送信する。それを受けたP台2は、加算異常状態のため、リカバリ要求2の加算玉数=125を遊技玉数=50に加算できない場合、加算せずに現時点の遊技玉数=50をCU3に通知する。具体的に、P台2は、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答をCU3に送信する。なお、加算通番は、遊技玉加算結果がNGであるため、状態情報要求で送信されてきた「m+1」に更新せずに「m」のままである。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。CU3は、P台2から送信される状態情報応答に含まれる現時点の遊技玉数=50の情報に基づき、確定させた貯玉の消費を取消す処理を行なう。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス7>>
次に、電源断/通信回線断により加算要求が未到達となったときの加算玉数の別のリカバリ処理について説明する。図22は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への加算要求のコマンドが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、加算要求が未到達(CU3からP台2への加算要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が不一致の場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図22では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=125とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
しかし、P台2は、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2で電源断が復旧し、さらにP台2を交換して新たなP台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。なお、CU3は、P台2が交換されても加算リカバリは実施する。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する。しかし、P台2は、新たに交換したため前回最終送信加算通番はバックアップしておらず、初期値“0”をCU3に送信することになる。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回最終送信加算通番と、記憶している前回最終送信加算通番と一致しているか否かを判断する。CU3は、P台2のリカバリデータの最終送信加算通番=0と、バックアップしているCU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが不一致の場合、前回の状態情報要求のコマンドが未到達であったと判断して加算リカバリ処理を行なう。具体的な加算リカバリ処理としては、P台2に対して加算玉数=125玉のリカバリを要求する。そのため、CU3は、リカバリ要求2(加算玉数=125、前回最終送信加算通番=m+1)をP台2へ送信する。
P台2は、リカバリ要求2に含まれる加算玉数への加算処理を実施し、前回最終送信加算通番を更新して、当該テータをバックアップする。さらに、P台2では、加算処理がOKであった旨をリカバリ応答2としてCU3へ返信する(リカバリ応答2(処理結果=処理OK))。それを受けたCU3は、加算要求状態をクリアする。なお、リカバリ応答2を受信したCU3のCU制御部323は、前述のリカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第3チェック処理を実行する。この第3チェック処理は、図30に基づいて後述する。
さらに、CU3は、通信開始要求をP台2へ送信する。それを受けたP台2では、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3へ返信する。また、CU3は、状態情報要求をP台2へ送信する。それを受けたP台2では、未通知の遊技台情報(遊技玉数=175)を状態情報応答でCU3に通知する。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス8>>
次に、電源断/通信回線断により計数応答が未到達となったときの計数玉数のリカバリ処理について説明する。図23は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの計数応答のレスポンスが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、計数応答が未到達(CU3からP台2への計数応答のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図23では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その後、P台2では、計数ボタン28が押下され、CU3に対して計数要求を送信する。具体的には、P台2は、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2では、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3に通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
それを受けてCU3は、計数玉数を持玉数に加算して持玉数=100にし、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータをバックアップする。しかし、P台2は、状態情報要求のコマンドを受信した後に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、P台2は、CU3からの通番=n+1、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドを受信することができない。つまり、P台2は、CU3からの計数応答が未到達となる。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信計数通番=m+1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2は、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=m+1と、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致しているので、通信断の前にP台2からCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していると判断できる。この場合には、P台2は、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行し、計数要求状態をOFFにする。つまり、P台2は、この時点で遊技玉数=500から遊技玉数=400に更新される。また、P台2は、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3へ返信する。なお、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図29(a)に基づいて後述する。なお、CU3は、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3は、リカバリ要求2をP台2に送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2に送信する。なお、CU3は、P台2から受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをP台2に送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2は、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、P台2は、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、P台2との通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2に送信する。それを受けたP台2では、未通知の遊技台情報(遊技玉数=400)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=400を含む。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス9>>
次に、電源断/通信回線断により計数要求が未到達となったときの計数玉数のリカバリ処理について説明する。図24は、電源断、通信回線断線があって、パチンコ機からカードユニットへの計数要求のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、計数要求が未到達(P台2からCU3への計数要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図24では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その後、P台2では、計数ボタン28が押下され、CU3に対して計数要求を送信する。具体的には、P台2は、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2では、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3に通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
しかし、CU3は、状態情報応答のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。つまり、CU3は、P台2からの計数要求が未到達となる。それ以降、CU3からの状態情報要求が送信されてこないために、P台2は、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171が発射制御基板31へ停止コマンドを送信し、発射制御基板31が発射モータ18の回転駆動を停止する。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信計数通番=m、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2は、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=mと、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致していないので(不一致)、通信断の前にP台2からCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していないと判断できる。この場合には、P台2は、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行せず、計数要求状態をOFFにする。つまり、P台2は、電断発生直前に送信した計数要求を取り消し、この時点で遊技玉数=500のまま維持する。また、P台2は、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3へ返信する。なお、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図29(a)に基づいて後述する。CU3は、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3は、リカバリ要求2をP台2に送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2に送信する。なお、CU3は、P台2から受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをP台2に送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2は、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、P台2は、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、P台2との通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2に送信する。それを受けたP台2では、未通知の遊技台情報(遊技玉数=500)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=500を含む。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス10>>
次に、電源断/通信回線断により計数応答が未到達となったときの計数玉数の別のリカバリ処理について説明する。図25は、電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への計数応答のレスポンスが未到達のときの処理の別の一例を示す図である。特に、電源断、通信回線断線により、計数応答が未到達(CU3からP台2への計数応答のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図25では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。その後、P台2では、計数ボタン28が押下され、CU3に対して計数要求を送信する。具体的には、P台2は、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100、計数通番m+1および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、P台2では、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3に通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
それを受けてCU3は、計数玉数を持玉数に加算する処理を実行するが、何らかの異常が発生して加算処理ができない。このため、CU3からは計数通番=mおよび計数応答=OFF(計数異常状態のため)を含む状態情報要求のコマンドが送信される。ところが、P台2は、状態情報要求のコマンドを受信した後に、電源断が発生し、動作が停止している。そのため、P台2は、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。つまり、P台2は、CU3からの計数応答が未到達となる。
CU3は、P台2が停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、P台2で電源断が復旧し、P台2が動作を開始する。P台2が動作を開始すると、まず、CU3とP台2との間で認証シーケンスが開始され、P台2からCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信計数通番=m、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2へ送信する。つまり、CU3は、P台2に対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2では、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2は、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=m(計数異常のため“m”のままの更新されていない)と、P台2内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致していないので(不一致)、通信断の前にP台2からCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していないと判断できる。この場合には、P台2は、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行せず、計数要求状態をOFFにして、前回最終送信計数通番を1つ減らす(−1)。P台2は、この時点で電断発生前の計数要求を取り消して遊技玉数=500のまま維持する。また、P台2は、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3へ返信する。なお、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図29(a)に基づいて後述する。CU3は、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3は、リカバリ要求2をP台2に送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2に送信する。なお、CU3は、P台2から受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをP台2に送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2は、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、P台2は、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、P台2との通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2に送信する。それを受けたP台2では、未通知の遊技台情報(遊技玉数=500)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=500を含む。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図29(b)に基づいて後述する。
<<加算要求異常>>
次に、加算要求異常の処理について説明する。図26は、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉加算結果異常のときの処理の一例を示す図である。特に、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉の加算結果が異常である場合の処理を説明するためのシーケンス図が示してある。
この図26では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信する。それを受けて、P台2は、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が持玉払出ボタンを押下する。そのため、CU3は、持玉・貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ送信して、持玉・貯玉を遊技玉に変換した情報(加算玉数=125玉)を通知する。その際、CU3は、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+125(加算玉数)=175、更新した前回最終送信加算通番および加算要求状態ONのデータをバックアップする。
その後、P台2で遊技玉を加算する処理に異常が発生する。そのため、P台2は、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。P台2は、CU3に対して遊技玉加算結果=NG、前回最終送信加算通番の情報を通知する。
遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを受信したCU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ再送する。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるが、通番は更新されn+1からn+2へカウントアップし、加算通番はm+1のままで状態情報要求のコマンドを再送する。
しかし、P台2は、遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2は、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+2、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
さらに、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを再度受信したCU3は、通番=n+3、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ2回目の再送を行なう。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるが、通番は更新されn+2からn+3へカウントアップし、加算通番はm+1のままで状態情報要求のコマンドを再送する。
P台2は、まだ遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、P台2は、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、状態情報要求のコマンドを2回再送しても、P台2から遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスの応答を受信する場合、P台2で遊技玉を加算する処理に異常が発生しているとして、加算異常復旧待ちの状態となる。
P台2において加算異常が復旧後、CU3は、通番=n+X、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2へ再送を行なう。P台2では、加算異常が復旧しているので、遊技玉への加算処理を実施して遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)+125(加算玉数)=175とし、前回最終送信加算通番を更新して、当該データをバックアップする。
遊技玉への加算処理を実施後、P台2は、通番=n+X、遊技玉数=175、加算通番=m+1および遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答をCU3に送信する。これを受けて、CU3は、加算要求状態をOFFにする。
<加算通番に関する動作>
図27は、加算通番に関するP台2およびCU3の動作を説明するための概念図である。遊技玉の加算要求が発生していないときには、CU3とP台2との間で、図27の(1)〜(4)に示すような通常通番および加算通番を含む電文が送受信される。
(1)では、CU3からP台2に対して、通常通番n、加算通番mを含む電文が送信される。(1)の電文を受信したP台2は、(2)のように、受信した電文と同じ通常通番nおよび加算通番mを含む(2)の電文を返信する。
(2)の電文を受信したCU3は、通常通番が1つ更新された(3)の電文(通常通番n+1、加算通番m)を送信する。(3)の電文を受信したP台2は、受信した電文と同じ通常通番nおよび加算通番mを含む(4)の電文を返信する。
このようにCU3は、P台2から電文を受信するごとに、通常通番を1つ更新して次の電文を送信する。一方、P台2は通常通番を更新しない。また、加算要求が発生しない限り、加算通番は更新されない。
次に、加算要求(玉貸し操作や貯玉引き落とし操作による)が発生したときには、CU3からP台2に対して加算通番が1つ更新された(5)の要求電文が送信される(通常通番n+2、加算通番m+1)。この要求電文には加算要求ビットをONにしたデータも含まれている。なお、CU3は、この段階で既に加算要求に対する処理(カード残高の引き落としや貯玉の引き落とし)を確定させている。
P台2は、(5)の要求電文を受信し、加算通番が前回から1つ更新されていることに基づいて加算要求を認識する。その上で、今回の加算要求を承諾するか否かを判定する。この判定は、たとえば、P台2の払出制御部171が行なう。払出制御部171は、P台2側で遊技玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。遊技玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、遊技玉が既に予め定めた上限値に達している場合である。
要求を承諾する場合には、(6)の2つの電文のうちの承諾電文を送信し、要求を拒否する場合には、(6)の2つの電文のうちの拒否電文を送信する。承諾電文では、加算通番が(5)の要求電文に含まれていた加算通番m+1とされている。一方、拒否電文では、加算通番が(6)よりも1つ前に送受信した電文に含まれる加算通番mとされている。なお、通常通番は、承諾電文および拒否電文のいずれも(5)の要求電文に含まれていたn+2である。
CU3は、直前の送信電文に含めた加算通番をバックアップ記憶するエリアと、受信電文に含まれる通常通番をバックアップ記憶するエリアとを備えている。これらのエリアは、たとえば、CU3のCU制御部323のマイクロコンピュータ内に設けられている。(6)の電文を受信したCU3のCU制御部323は、バックアップ記憶している加算通番と、(6)の電文に含まれる加算通番とを比較判定する。その結果、記憶している加算通番と送信されてきた電文に含まれる加算通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が承諾されたと判定する。これに対して、送信されてきた加算通番の方が1つ遅れている場合(この例ではm)には、要求が拒否されたと判定する。
図27の(5)’は、要求電文がノイズその他の要因によりP台2に到達しなかった場合について示している。この場合、P台2はCU3からの電文到達を待つため、P台2からCU3に対して電文が送信されることはない。CU3は、(5)’の要求電文を送信してから所定期間(200ms)だけ待機し、P台2からの応答がないので、同じ要求電文(5)’’を再送する。
<計数通番に関する動作>
図28は、計数通番に関するP台2およびCU3の動作を説明するための概念図である。計数要求が発生していないときには、CU3とP台2との間で、図28の(1)〜(3)に示すような通常通番および計数通番を含む電文が送受信される。
(1)では、CU3からP台2に対して、通常通番n、計数通番mを含む電文が送信される。(1)の電文を受信したP台2は、(2)のように、受信した電文と同じ通常通番nおよび計数通番mを含む(2)の電文を返信する。
(2)の電文を受信したCU3は、通常通番が1つ更新された(3)の電文(通常通番n+1、計数通番m)を送信する。このようにCU3は、P台2から電文を受信するごとに、通常通番を1つ更新して次の電文を送信する。一方、P台2は通常通番を更新しない。また、計数要求が発生しない限り、計数通番は更新されない。
次に、計数要求(計数操作の検出)が発生したときには、P台2からCU3に対して計数通番が1つ更新された(4)の要求電文が送信される(通常通番n+1、計数通番m+1)。この要求電文には計数要求ビットをONにしたデータも含まれている。なお、P台2は、この段階では計数処理を実行していない。
P台2は、(4)の要求電文を受信し、計数通番が前回から1つ更新されていることに基づいて計数要求を認識する。その上で、今回の計数要求を承諾するか否かを判定する。この判定は、たとえば、CU3のCU制御部323が行なう。CU制御部323は、計数処理(持玉の加算処理)が可能であるか否かを判定する。計数処理が可能でない場合とは、たとえば、持玉を用いた処理(ワゴンサービスなど)の途中である場合である。
要求を承諾する場合には、(5)の2つの電文のうちの承諾電文を送信し、要求を拒否する場合には、(5)の2つの電文のうちの拒否電文を送信する。承諾電文では、計数通番が(4)の要求電文に含まれていた計数通番m+1とされている。一方、拒否電文では、計数通番が(4)よりも1つ前に送受信した電文に含まれる計数通番mとされている。なお、通常通番は、承諾電文および拒否電文のいずれも(5)の要求電文から更新されており、n+2である。
P台2は、直前の送信電文に含めた計数通番と通常通番とをバックアップ記憶するエリアを備えている。このようなエリアは、たとえば、P台2の払出制御部171のマイクロコンピュータ内に設けられている。(5)の電文を受信したP台2の払出制御部171は、バックアップ記憶している計数通番と、(5)の電文に含まれる計数通番とを比較判定する。その結果、記憶している計数通番と送信されてきた電文に含まれる計数通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が承諾されたと判定する。これに対して、送信されてきた計数通番の方が1つ遅れている場合(この例ではm)には、要求が拒否されたと判定する。
図28の(4)’は、要求電文がノイズその他の要因によりP台2に到達しなかった場合について示している。この場合、CU3は、(3)の電文を送信してから所定期間(200ms)だけ待機し、P台2からの応答がないので、同じ電文(3)を再送する。再送されてきた(3)の電文を受けたP台2は、その電文に含まれる通常通番がn+1であり、先に(4)’の要求電文を送信しているにも関わらず、通常通番が変化していないことから、(4)’の要求電文が到達しなかったと判定する。そして、P台2は、(4)’と同じ要求電文(4)’’を再送する。
以上、説明したように、本実施の形態では、通常通番とは別の要求通番(加算通番、計数通番)が電文に含められて送信される。これらの要求通番は、通信相手に対して加算要求や計数要求等の動作を要求するときに加算更新され、それ以外では、電文の送受信が行なわれても加算更新されない。
これに対して、通常通番は、通信相手に対する要求の有無に関わらず、CU3から電文が送信されるごとに更新される(なお、通常の通番は、CU3およびP台2の双方で互いに更新する動作をしてもよい。)。
このため、通常通番の場合、送信した要求電文が相手に届いたか否かを相手先からの受信電文に含まれる通番を用いて判定できるものの、その受信電文が要求承諾を示す承諾電文であるのか、要求拒絶を示す拒否電文であるのかまでは特定できない。
ところが、上記のとおり、本実施の形態のように加算通番や計数通番といった要求通番を利用して、要求通番を更新した要求電文を送信し、これに対する応答として要求電文に含まれていた要求通番と同じ要求通番を含む電文を受信した場合には、その通番の値によって、送信した要求電文が相手に届いたか否かのみならず、相手から返信されてきた電文が承諾電文であるのか否かまでを特定できる。もちろん、本実施の形態のように、要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータが含まれるため、このデータを判定することでも、受信電文が承諾電文であるのか拒否電文であるのかを特定できる。しかしながら、要求通番を利用すれば、このような要求ビットを電文から削除することも可能である。これによって電文データ量を削減でき、また、電文データの要求ビットを判定する処理も不要とすることができる。
なお、本実施の形態では、要求が発生したときの要求通番に対する更新値を+1としているが、これは一例であって、+2や+3、−1や−2などの他の更新値を採用してもよい。
<第1〜第3チェック処理>
次に、図29(a)、(b)、図30に基づいて、CU制御部323により実行される第1チェック処理、第2チェック処理および第3チェック処理について説明する。
まず図29(a)を参照して、第1チェック処理を説明する。ステップS(以下単にSという)300により、遊技台情報の格納があるか否かの判断がなされる。これは、P台2から送信されてきたリカバリ応答の中に遊技台情報が含まれているか否かを判断するものであり、前述した図17、図18の場合に遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)が含まれているために、S300によりYESの判断がなされる。遊技台情報が含まれていないと判断された場合にはこの第1チェック処理が終了する。
遊技台情報の格納があると判断された場合には制御がS301へ進み、その受信した遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)に含まれている加算玉数が予め定められた閾値N1以上であるか否かの判断がなされる。この閾値N1は、CU3とP台2との間での状態情報要求と状態情報応答との1周期(200ms)の間に入賞に伴う遊技玉の加算数の最大(たとえば大当り時の最大加算玉数120)よりも少し大きい値(たとえば125)に設定されている。したがって、正常な場合には、受信した加算玉数がこの閾値N1よりも小さな値になっている筈である。ところが、閾値N1よりも大きな加算玉数となっているということは、オフライン中にP台2に不正等が行なわれて不正に増加した加算玉数および遊技玉数を含む遊技台情報がリカバリ応答としてCU3へ送信されてきた虞がある。その場合には、制御がS304へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312により報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801の代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がS305へ進み、CU制御部323がリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320に入力されるまでCU制御部323が制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323がリセット状態となって電源投入(図8参照)と同じ状態に復帰する。
S301、S303のチェック処理の結果異常判定されたとしても、その原因が通信断後にCU3またはP台2を新たなものに交換し、その後通信を復旧させたことにより、CU3側が記憶している情報とリカバリ処理時にP台2から送信されてくる情報とが全く食い違っていることに起因する場合がある。このような不正行為ではないにも拘らず異常判定する場合があり、そのために、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット待ち状態を解除できるようにし、遊技場の係員による人為的な判断を介在させて正常な対応ができるようにしている。
一方、S301によりNOの判断がなされた場合には制御がS302へ進み、CU制御部323が記憶している遊技玉数に対してP台から受信した加算玉数を加算するとともに減算玉数を減算してその算出結果であるR1を算出する演算が行なわれる。すなわち、P台2から受信した遊技台情報に含まれている加算玉数が適正であると判断された場合には、その加算玉数と減算玉数とを用いて最新の遊技玉数R1を算出するのである。次にS303により、その算出されたR1−受信した遊技玉数の絶対値すなわちR1と受信した遊技玉数との差を演算し、その差が予め定められた閾値N2以上であるか否かの判断がなされる。本来、R1と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU側とP台側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N2と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N2以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がS304以降に進む。
一方、R1と受信した遊技玉数との差が閾値N2未満であった場合には、受信した遊技玉数が適正な値であると判断され、その受信した遊技玉数を新たな遊技玉数としてCU制御部323のRAMが記憶する。
次に図29(b)に基づいて第2チェック処理を説明する。通信開始応答直後の状態情報要求に対して返信されてくるP台2からの状態情報応答に含まれている遊技台情報(具体的には今回遊技台情報)の中の加算玉数が予め定められた閾値N3以上であるか否かの判断がS310により行なわれる。この受信した加算玉数は、P台がCU3へ最後に状態情報応答を送信してからP台に電源断が発生するまであるいはP台が通信回線断を検知して遊技が停止するまでの間において変動した加算玉数であり、このような比較的短い限られた期間内の加算玉数の変動量はそれほど大きな値にはならず、ある決まった上限の範囲内となる。故に、その上限(たとえば120)よりも少し大きな値(たとえば125)を閾値N3と定めている。そして、受信した加算玉数がその閾値N3以上の場合には、制御がS314へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312により報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801の代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がS315へ進み、CU制御部323がリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320に入力されるまでCU制御部323が制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323がリセット状態となって電源投入(図8参照)と同じ状態に復帰する。
一方、S310によりNOの判断がなされた場合には制御がS311へ進み、CU制御部323が記憶している遊技玉数に対して受信した加算玉数を加算するとともに受信した減算玉数を減算してR2を算出する演算が行なわれる。なお、ここでいう「記憶している遊技玉数」とは、前述したように、S303によりNOの判断がなされたときのP台2から受信した遊技玉数のことである。そして、S312により、そのR2とP台2から受信した遊技玉数との差が予め定められた閾値N4以上であるか否かの判断がなされる。本来、R2と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU側とP台側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N4と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N4以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がS314以降に進む。
S312によりNOの判断がなされた場合には制御がS313へ進み、CU制御部323は、P台2から受信した遊技玉数を初期値の遊技玉数として記憶した後、この第2チェック処理の制御が終了する。
このS313の処理がなされた後には、CU3とP台2との間で通常の状態情報要求および状態情報応答の送受信が行なわれるのであり、その際、CU制御部323は、S313により初期値の遊技玉数として記憶された遊技玉数を初期値として、加算玉数と減算玉数とに基づいて現在の遊技玉数を算出し、その現在の遊技玉数に基づいてP台2から送信されてくる遊技玉数との差が予め定められた誤差玉数(たとえば5)を超えているか否か判定し、超えている場合には異常判定して、前述のS304、S305、S314、S315と同様の制御を行なう。
次に、図30に基づいて第3チェック処理の制御を説明する。CU制御部323は、P台2からリカバリ応答2を受信した直後にこの第3チェック処理を実行する(図19、図21、図22参照)。
このリカバリ要求2およびリカバリ応答2は、前述したように、CU3がP台2に対して遊技玉数の加算要求を出力したにも拘らずP台2がその遊技玉加算要求に従った遊技玉の加算処理を行なっていない場合にその遊技玉数の加算リカバリを行なうためのものである。そして、P台2からCU3へ送られてくるリカバリ応答2によりその加算リカバリの処理が正常に行なわれたか否かの処理結果が通知される。CU制御部323は、S320により、そのリカバリ結果が処理NGであるか否かの判断を行なう。処理NGすなわち加算リカバリが正常に行なわれなかった場合には、制御がS324へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312により報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801の代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がS325へ進み、CU制御部323がリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320に入力されるまでCU制御部323が制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323がリセット状態となって電源投入(図8参照)と同じ状態に復帰する。
一方、リカバリ結果が処理OKであった場合には制御がS321へ進み、CU制御部323が現在記憶している遊技玉数に対してP台2へ送信した加算玉数を加算する処理を行なう。これは、CU3が出力した遊技玉加算要求での加算玉数分の加算リカバリがP台2において正常に行なわれたために、その加算玉数を遊技玉数に加算して現時点における正常な遊技玉数を算出するための処理である。
次に制御がS322へ進み、その加算後の遊技玉数に対してP台2から送信されてきた加算玉数を加算するとともに減算玉数を減算してR3を算出する演算が行なわれる。この加算玉数と減算玉数とは、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)であり、リカバリ応答にその前回遊技台情報が含まれていない場合には、加算玉数と減算玉数とは共にゼロであり、その結果、加算後の遊技玉数=R3を算出することとなる。
次にS323により、その算出されたR3とCU3が受信した遊技玉数との差が予め定められた閾値N2以上であるか否かの判断がなされる。本来、R1と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU側とP台側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N2と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N2以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がS324以降に進む。
一方、R1と受信した遊技玉数との差が閾値N2未満であった場合には、受信した遊技玉数が適正な値であると判断され、その受信した遊技玉数を新たな遊技玉数としてCU制御部323が記憶する。
以上説明したように、P台2からCU3へ、遊技台情報として前回遊技台情報が先に送信され、その後今回遊技台情報が送信され、CU3側において両遊技台情報を区別可能となるように送信されるために、CU制御部323においては、その両遊技台情報のそれぞれの適性を判別することが可能となる。その結果、P台2から送られてくる前回遊技台情報中のたとえば遊技玉数データは、CU制御部323が現時点で記憶している遊技玉数データと大きな差はない筈であり、また、その後に送られてくる今回遊技台データ中のたとえば遊技玉数データも、CU3が受信した前回遊技台情報中の遊技玉数データとそれほど大きな差はない筈である。もし、これらのデータの差に大きな開きがある場合には、不正に遊技玉数データが水増しされていると異常判別することができる。
仮に、前回遊技台データと今回遊技データとを合算した合算データがP台2からCU3へ一括送信される場合には、前回遊技台データと今回遊技台データとをそれぞれ個別に判別する場合に比べて大まかな判別しかできず、その分不正を判別しにくくなる。このような不都合を防止するべく、遊技台データを2段階で送信してCU制御部323においてそれら両データを区別できるようにし、それぞれの遊技台データについての木目細かな異常判別を可能とし、異常判別しやすくしている。
なお、前述した第1チェック処理〜第3チェック処理においては、先に加算玉数の適否を判定した後、適正である場合にその加算玉数に基づいて現在の遊技玉数を算出してその遊技玉数とP台2から送信されてきた遊技玉数を比較して送信されてきた遊技玉数が適正であるか否かの判定を行なっているが、単に、P台2から送信されてきた遊技玉数をCU3が記憶している遊技玉数と比較してその適否判定を行なうようにしてもよい。
さらに、CU3は、リカバリ処理以前に記憶している最終の遊技玉数(以下「CU遊技玉数」と言う)と、P台2から受信した前回遊技台情報中の遊技玉数(以下「P台前回遊技玉数」と言う)と、P台2から受信した最新遊技台情報中の遊技玉数(以下「P台最新遊技玉数」と言う)との3者間で比較判定して適否判定を行なうようにしてもよい。3者間での比較判定の具体例としては、CU遊技玉数とP台前回遊技玉数とを比較判定して正しければそのP台前回遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定する。あるいは、CU遊技玉数とP台前回遊技玉数とを比較判定して正しければCU遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定する。さらには、先にP台前回遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定して正しければCU遊技玉数とP台前回遊技玉数とを比較判定し、さらにCU遊技玉数とP台最新遊技玉数とを比較判定する。
なお、上記の第1チェック処理〜第3チェック処理は、CU3やP台2の交換(入替え)が行なわれていないときに実行するのが望ましい。通信断時に交換(入替え)が行なわれているときには、リカバリ処理でCU側とP台側との遊技玉数が大幅に相違するのが一般的であるために、それが原因で上記の第1チェック処理〜第3チェック処理の結果エラー判定されるためである。ゆえに、通信断後にCU3またはP台2を交換した場合に、通信復旧時におけるリカバリ処理において第1チェック処理〜第3チェック処理を行なわないように制御してもよい。具体的には、リカバリ応答としてP台2から送信されてくる前回最終送信通番とCU制御部323が記憶している前回最新送信通番との差が2以上の場合に、CU3またはP台2が交換されたとCU制御部323が判断し、CU制御部323が第1チェック処理〜第3チェック処理を行なわないように制御する。
さらに、CU3またはP台2の交換であるか否かに拘らず、リカバリ時にはCU3側で前回遊技台データおよび今回遊技台データのチェックを一切行なわないように制御してもよい。このようにすれば、CU3またはP台2の交換に起因したチェック異常判定が生ずる煩わしさを防止することができる。
<要求通番に関する動作>
次に、図6〜図28で示した通信シーケンスで説明した通番の更新方法は一例であり、当該方法に限定されるものではない。たとえば、以下に説明するような通番の更新方法を図6〜図28で示した通信シーケンスに適用してもよい。
<<通番および要求通番をともに更新>>
図31は、要求通番に関するP台2およびCU3の動作を説明するための概念図である。図31に示すA装置およびB装置の一方はP台2であり他方はCU3である。相手方に対しての要求が発生する装置をA装置とし、A装置からの要求を受信する装置をB装置としている。
A装置がCU3でB装置がP台2の場合には、要求通番は加算通番であり、要求は遊技玉の加算要求である。この場合の具体的な通信シーケンスは図11に示したとおりである。
A装置がP台2でB装置がCU3の場合には、要求通番は計数通番であり、要求は遊技玉の計数要求である。この場合の具体的な通信シーケンスは図13に示したとおりである。
ここでは、これらの双方の場合を概念化して説明する。A装置は、B装置に対する要求がない間は、(1)のとおり、要求通番mが更新されていない電文を送信する。ただし、通常の通番nは電文の送信ごとに更新する。B装置は、これを受信して、(2)のとおり電文を返信する。この電文では、通常の通番がn+1に更新されている。しかし、要求通番はmのまま更新されていない。
A装置で要求が発生しない間は、(1)(2)のように、通常の通番を更新しつつ、双方で電文を送信し合う。この間は、相手から受けた電文に含まれる通常の通番を見て、直前に送信した電文が相手にまで到達したか否かを判定する。
A装置で要求が発生すると、A装置は要求通番をm+1に更新し、(3)に示すように更新後の要求通番m+1を含む要求電文をB装置へ送信する。このとき、通常の通番もn+2に更新されている。なお、この要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータも含まれている。
要求通番m+1を含む要求電文を受信したB装置は、要求を承諾するか否かを判定する。たとえば、計数要求であれば、CU3側で持玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。あるいは、加算要求であれば、P台2側で遊技玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。持玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、持玉を用いた処理(ワゴンサービスなど)の途中である場合である。また、遊技玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、遊技玉が既に予め定めた上限値に達している場合である。
要求を承諾する場合には、(4)の上に記載のとおり、要求通番をm+2に更新した承諾電文をA装置へ送信する。これに対して、要求を拒絶する場合には、(4)の下に記載のとおり、要求通番がm+1のまま更新されていない拒絶電文(拒否電文ともいう。以下、同じ。)をA装置へ送信する。通常の通番は、いずれの場合にもn+3に更新される。
A装置は、直前の送信電文に含めた要求通番を記憶する記憶手段を備えている。(4)の電文を受信したA装置は、記憶手段に記憶している要求通番と、(4)の電文に含まれる要求通番とを比較判定する。その結果、記憶している要求通番と送信されてきた電文に含まれる要求通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が拒否されたと判定する。これに対して、記憶している要求通番に所定数(この例では1)を加えた値と送信されてきた電文に含まれる要求通番とが同じ(この例ではm+2)であれば(換言すると、送信されてきた要求通番が1つ進んでいれば)、要求が承諾されたと判定する。なお、要求が承諾されたと判定した場合には、さらに要求通番を1つ更新し、具体的な要求値(計数玉数や加算玉数)を含む電文をB装置へ送信する。一方、要求が拒否されたと判定した場合には、受信した要求通番を含む電文をB装置へ送信する。
仮に、(3)の要求電文がノイズその他の要因によりB装置に到達しなかった場合について、図31の(3)’に示している。この場合、B装置は(2)の電文を送信してから所定の待機時間(たとえば、200ms)が経過したときに無応答と判定して、(2)の電文を再送する。その結果、(3)’を送信したA装置には(2)の電文が届く。すると、A装置は、要求通番m+1の要求電文を送信したにも関わらず、これに対する返信電文の要求通番が要求承諾および要求拒否のいずれにも該当しないため(要求電文に含めた要求通番より1遅れた要求通番であるため)、要求電文が到達していないと判定する。なお、このような判定は、通常の通番の方を利用してすることも可能である。すなわち、要求通番に含めた通常の通番はn+3であるのに対して、返信電文に含まれる通常の通番はn+2であるため、このような状況に基づいて要求電文の未到達と判定できる。
A装置は、要求電文が到達していないと判定したときには、(3)の要求電文を再送する。
以上、説明したように、本実施の形態では、通常の通番とは別に要求通番が電文に含められて送信される。この要求通番は、通信相手に対して加算要求や計数要求等の動作を要求するときを契機として更新が開始され、要求動作の終了時あるいは要求に対する拒絶の際に更新が停止する。それ以外の間では、電文の送受信が行なわれても更新されない。
これに対して、通常の通番は、通信相手に対する要求の有無に関わらず、電文がやりとりされるごとに更新される(なお、通常の通番は、A装置およびB装置の一方でのみ更新され、他方は相手から受けた通番をそのまま返信する動作をしてもよい。)。
このため、通常の通番の場合、送信した要求電文が相手に届いたか否かを相手先からの受信電文に含まれる通番を用いて判定できるものの、その受信電文が要求承諾を示す承諾電文であるのか、要求拒絶を示す拒絶電文であるのかまでは特定できない。
ところが、上記のとおり、本実施の形態のように要求通番を利用した場合には、要求通番によって、送信した要求電文が相手に届いたか否かのみならず、相手から返信されてきた電文が承諾電文であるのか拒絶電文であるのかまでを特定できる。もちろん、本実施の形態のように、要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータが含まれるため、このデータを判定することでも、受信電文が承諾電文であるのか拒絶電文であるのかを特定できる。しかしながら、要求通番を利用すれば、このような要求ビットを電文から削除することも可能である。これによって電文データ量を削減でき、また、電文データの要求ビットを判定する処理も不要とすることができる。
<<通番と要求通番とのうち、一方のみ更新>>
図32は、通常の通番および要求通番に関するP台2およびCU3の動作の変形例を説明するための図である。この変形例は、要求通番が更新されるときには通常の通番は更新されていない点で、図31に示した例と相違する。
つまり、この変形例は、通常の通番と要求通番とのうち、要求が発生していないときには通常の通番のみが更新されて電文がやりとりされる。ところが、要求が発生すると、通常の通番の更新が停止して要求通番のみが更新される。その後、要求に対する一連の処理が終了するか、若しくは要求に対する拒絶電文が送信されるときに要求通番の更新が停止して、代わりに通常の通番の更新が開始される。
このため、図32の(1)(2)に示される、要求発生前の電文のやりとりでは、通常の通番がn、n+1に更新されている一方で要求通番mは更新されていない。ところが、要求の発生によって送信される(3)の要求電文では、通常の通番がn+1のままで更新されていない一方、要求通番がm+1に更新されている。同様に、要求電文に対する(4)の承諾電文および拒絶電文のいずれも、通常の通番はn+1のままで更新されていない。
この場合でも、(4)の電文を受信したA装置は、その電文に含まれる要求通番を判定することによって、その電文が承諾電文であるか拒絶電文であるかを判断できる。
また、(3)’に示すように、要求電文がB装置に届かずにB装置から(2)の電文が再送されてきた場合にも、A装置は、要求通番に基づいて要求電文が到達しなかったことを判定できる。
この変形例のように、要求発生時から要求に対する処理が終了するまで、通常の通番の更新を停止しても、その間は、要求通番が通常の通番の機能を肩代わりするために、何ら問題が生じない。また、その間は、通常の通番を更新したり、通常の通番を照合したりする処理が不要になるという効果も奏される。
<鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵>
次に、鍵管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵について説明する。図33は、鍵管理サーバから通信制御IC325aまでの間の通信に使用される暗号鍵を説明するための図である。まず、鍵管理サーバから通信制御IC325aまでの間の通信に使用される暗号鍵には、主に基板出荷鍵、基板初期鍵、基板認証鍵、本認証鍵、仮認証鍵、有効鍵(商用)、通信鍵1(セッション鍵)および通信鍵2(セッション鍵)がある。基板出荷鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、出荷以前での通信テスト電文の暗号にのみ使用される。基板初期鍵は、CU制御部−SCの通信に利用され、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323が受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。基板初期鍵を用いた認証用通信(基板初期鍵モード)は限られた期間のみ許容(時限的運用)される。ここで、基板初期鍵モードは、前述したように、ホールサーバと少なくとも1回は正常に通信して、基板初期鍵を取得する必要があるため、セキュリティ性は担保されている。
ここで、「限られた期間」とは、たとえば、2日間という限定的期間である。このように、時限的運用を可能にすることによって、ホールにシステムを導入した段階ですぐに鍵管理サーバとの鍵交換ができない場合であっても、システムの導入直後からホールは営業を開始することが可能となる。なお、限定的期間としては、たとえば、毎朝9時〜17時までの間という具合に、1日の中での定めた期間を設定してもよい。
なお、前述の基板初期鍵モードは、基板初期鍵を用いた認証用通信を限られた期間可能にする制限を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用できる金額(カード残額、あるいは現金)を制限してもよい。あるいは、可変表示装置における図柄の変動回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。または、大当たりの累積回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。その他、現金を投入することによる遊技のみを許容してカード残額を使用した遊技ができないようにしてもよく、持玉を使用した遊技のみに制限するようにしてもよい。
基板認証鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、鍵管理サーバより基板セキュリティ情報の一部として受信する暗号鍵である。基板認証鍵を用いた認証用通信を行なうことで、基板初期鍵を用いた時限的運用から恒久的運用(通常運用)に通信モード(基板認証鍵モード)が切換わる。この基板認証鍵は、CU制御部のRAMとSCのRAMとに記憶される。
基板初期鍵を用いた時限的運用および基板認証鍵を用いた恒久的運用のいずれについても、ホールサーバに記憶された有効鍵をCU制御部323が受信し、SC325bがその有効鍵を通信制御IC325aに対して設定することによりP台とCUとの間の通信が可能となることで実現される。
本認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、鍵管理サーバから受信した更新情報から、SC325bにより生成されてSC325bのRAMに記憶されるとともに、通信制御IC325aにおいてもSC325bと同様に更新情報から生成されて通信制御IC325aのRAMに記憶される。なお、この本認証鍵は、鍵管理サーバなどから本認証鍵そのものを取得するようにしてもよい。また、鍵管理サーバなどから更新情報を受信することなくCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら生成してもよい。さらに、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから本認証鍵を生成するようにしてもよい。
仮認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、本認証鍵が生成されるまでの間(又は設定された許容時間(たとえば2日)が経過するまでの間)、SC325bと通信制御IC325aとの間での暗号通信に使用される。この仮認証鍵による暗号通信(仮認証鍵モード)は限られた期間(たとえば2日)のみ許容(時限的運用)される。SC325bおよび通信制御IC325aは、製造段階から仮認証鍵をそれぞれのROMに記憶している。有効鍵(商用)は、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由でSC325bが受信し、通信制御IC325aに対して送信(設定)する鍵である。有効鍵が設定されることによってP台との通信が可能になる。なお、有効鍵は、通信制御IC325a活性化用のデータである。換言すると、有効鍵は、CUとP台との間の通信を許可するための許可情報である。
通信鍵1(セッション鍵)は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられ、SC325bが何らかの変数を用いて、毎営業日作成している。該変数として、たとえば、カウンタ値(乱数)や日時情報などを用いてもよい。通信鍵2(セッション鍵)は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられる。
なお、前述に説明した鍵は、鍵のデータがそれぞれの部分にそのまま埋込まれている構成であっても、鍵のデータを生成するための情報がそれぞれの部分に記憶されていて、該情報を利用いて鍵のデータを生成する構成であってもよい。
次に、暗号鍵の取得方法と、取得した暗号鍵を用いて暗号通信を行なう方法について説明する。まず、SC325bは、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由で有効鍵を取得する。SC325bは、取得した有効鍵を通信制御IC325aに対して送信(設定)することで、P台との通信が可能になる。CU制御部323はホールサーバとの最初の通信時に基板初期鍵を受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。SC325bは、取得した基板初期鍵を用いてCU制御部323と暗号認証を行ない、該基板初期鍵を用いて時限的にCU制御部323と暗号通信を行なう。また、電源投入時にCU制御部323から送られてきた接続要求を受信したホールサーバは、当該ホールサーバが設置されている遊技場を識別するための統一店舗コードをCU制御部323へ返信する。具体的には、ホールサーバのCPUの制御にしたがってホールサーバの入出力インターフェイスからCU制御部323へ統一店舗コードが送信される。
一方、CU制御部323とSC325bとの間では、両者に初期情報として記憶されている基板メーカコードを用いた認証が行なわれる。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325を製造したメーカを特定するコードのことである。基板メーカコードを用いた認証に成功したことを条件として、基板接続要求と基板接続応答とのやり取りが行なわれる(図39参照)。CU制御部323からSC325bへ送信される基板接続要求の中に上記統一店舗コードが含まれており、基板接続要求を受信することによりSC325bが統一店舗コードを取得する。
次に、CU制御部323は、鍵管理サーバに対して基板セキュリティ情報を要求し、鍵管理サーバがホールサーバを介して送信してきた基板セキュリティ情報を受信することで、該基板セキュリティ情報に含まれる基板認証鍵を取得する。CU制御部は、取得した基板認証鍵を用いてSCと暗号認証を行ない、該基板認証鍵を用いてSCと暗号通信を行なう。なお、CU制御部323は、基板認証鍵を取得後すぐに基板初期鍵から基板認証鍵に鍵を変更するのではなく、後述するように遊技機が非稼動状態になっていることを条件にして鍵を変更する。
この基板認証鍵は、鍵管理サーバなどから取得する代わりに、CU制御部323が自ら生成してもよく、また、鍵管理サーバなどから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323が自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから基板認証鍵を生成するようにしてもよい。
次に、SC325bは、記憶してある仮認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。そして、SCは、基板認証鍵を用いてCU制御部と暗号通信を行なうことで鍵管理サーバから取得した更新情報を仮認証鍵で復号し、基板問合せ番号を照会する。SCは、照会した基板問合せ番号が一致した場合、更新情報から本認証鍵を生成し、生成した本認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。なお、本認証鍵は、通信制御IC325aにおいても出荷時から記憶されているものではなく、SC325bと同様に更新情報から生成される。
次に、SCは、CU制御部に対して通信鍵1を通知し、以降のCU制御部との間の通信を、通信鍵1を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。また、SCは、通信制御ICに対して有効鍵を設定することで、通信制御ICから通信鍵2の通知を受け、以降の通信制御ICとの間の通信を、通信鍵2を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。
<CU制御部とSCとの間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に、図4に示したCU3内での通信について説明する。特に、CU制御部323と、セキュリティ基板325のセキュリティチップ(SC)325bとの間の通信について説明する。まず、図34、図35を参照して、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図34、図35には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU制御部323からSC325bに対して基板接続要求という名称のコマンドが送信される。この基板接続要求のコマンドは、SC325bに対して遊技機(P台2)との接続を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板接続応答という名称のレスポンスが送信される。この基板接続応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板接続要求の応答を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板出荷鍵要求のコマンドが送信される。この基板出荷鍵要求のコマンドは、SC325bに対して基板出荷鍵を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板出荷鍵応答のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板出荷鍵を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板メーカコード認証要求1のコマンドが送信される。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325を製造したメーカを特定するコードであり、CU制御部323とSC325bとに記憶されている。この基板メーカコード認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板メーカコードの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板メーカコード認証応答1のレスポンスが送信される。この基板メーカコード認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板メーカコード認証要求2のコマンドが送信される。この基板メーカコード認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板メーカコード認証応答2のレスポンスが送信される。この基板メーカコード認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板メーカコードの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板シリアルID認証要求1のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板シリアルID認証応答1のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板シリアルID認証要求2のコマンドが送信される。この基板シリアルID認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板シリアルIDの認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板シリアルID認証応答2のレスポンスが送信される。この基板シリアルID認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板シリアルIDの認証情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板初期鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板初期鍵認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板初期鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板初期鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板初期鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板初期鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板初期鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板初期鍵認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板初期鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板初期鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板初期鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板初期鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板認証鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板認証鍵認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板認証鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板認証鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板認証鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板認証鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板認証鍵認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板認証鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板認証鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板認証鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板出荷鍵認証要求1のコマンドが送信される。この基板出荷鍵認証要求1のコマンドは、SC325bに対して基板出荷鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証鍵認証応答1のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵認証応答1のレスポンスは、CU制御部323に対して基板出荷鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板出荷鍵認証要求2のコマンドが送信される。この基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、SC325bに対して基板出荷鍵の認証を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板出荷鍵認証応答2のレスポンスが送信される。この基板出荷鍵認証応答2のレスポンスは、CU制御部323に対して基板出荷鍵の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してバージョン情報通知のコマンドが送信される。このバージョン情報通知のコマンドは、SC325bに対して基板認証鍵のバージョンを通知するものである。SC325bからCU制御部323に対してバージョン情報応答のレスポンスが送信される。このバージョン情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対してバージョン情報を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板認証結果通知のコマンドが送信される。この基板認証結果通知のコマンドは、SC325bに対してCU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板認証結果応答のレスポンスが送信される。この基板認証結果応答のレスポンスは、CU制御部323に対してCU制御部323とSC325bとの間の認証結果を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドが送信される。このセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ基板問合せ情報を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対してセキュリティ基板問合せ結果のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板問合せ結果のレスポンスは、CU制御部323に対してセキュリティ基板問合せ情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してセキュリティ基板情報通知のコマンドが送信される。このセキュリティ基板情報通知のコマンドは、SC325bに対してセキュリティ基板情報を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対してセキュリティ基板情報結果のレスポンスが送信される。このセキュリティ基板情報結果のレスポンスは、CU制御部323に対してセキュリティ基板情報を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対してカウンタ情報要求のコマンドが送信される。このカウンタ情報要求のコマンドは、SC325bに対してカウンタ情報を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対してカウンタ情報応答のレスポンスが送信される。このカウンタ情報応答のレスポンスは、CU制御部323に対してカウンタ情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して通信鍵要求のコマンドが送信される。この通信鍵要求のコマンドは、SC325bに対して通信鍵を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して通信鍵応答のレスポンスが送信される。この通信鍵応答のレスポンスは、CU制御部323に対して通信鍵を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドが送信される。この遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、SC325bに対して遊技機チップの問合せ情報を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して遊技機チップ問合せ結果のレスポンスが送信される。この遊技機チップ問合せ結果のレスポンスは、CU制御部323に対して遊技機チップの問合せ情報を通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して遊技機チップ情報通知のコマンドが送信される。この遊技機チップ情報通知のコマンドは、SC325bに対して遊技機チップ情報の照合結果を通知するものである。SC325bからCU制御部323に対して遊技機チップ情報結果のレスポンスが送信される。この遊技機チップ情報結果のレスポンスは、CU制御部323に対して遊技機チップ照合結果を受信したことを通知するものである。
CU制御部323からSC325bに対して基板状態要求のコマンドが送信される。この基板状態要求のコマンドは、SC325bに対して基板状態を要求するものである。SC325bからCU制御部323に対して基板状態応答のレスポンスが送信される。この基板状態応答のレスポンスは、CU制御部323に対して基板状態を通知するものである。
<CU制御部とSCとの通信における主なシーケンス>
次に、図36〜図46に基づいて、CU制御部323におけるCPUで実行される処理と、セキュリティチップ(SC)325bで実行される処理とを説明する。
まず、図36を参照して、CU制御部323の電源投入・ホール設置時の立上の処理を説明する。この図36は、CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板初期鍵を用いたホール設置時の立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323は、上位装置より(具体的にはホールサーバより)基板初期鍵A、基板初期鍵AのMAC鍵、有効鍵(商用/P台出荷用)を取得する。ここで、基板初期鍵Aは、遊技場に納入されてから最初に上位装置へ通信する時、ホールサーバからダウンロードしてCU制御部323に記憶する暗号鍵であり、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバに記憶されている基板情報(基板シリアルIDと基板認証鍵)が取得されるまで、CU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。なお、基板初期鍵Aは、基板メーカコードを用いて復号され、一方、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板メーカコードを用いて復号される。これらの復号は、AES(Advanced Encryption Standard)の暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行ない、基板初期鍵認証が完了した場合に認証OKとなる。なお、基板初期鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行ない、セキュリティ基板情報を取得することができた場合に取得OKとなる。セキュリティ基板情報は、鍵管理センタの鍵管理サーバから取得し、基板シリアルIDや基板認証鍵などを含んでいる。なお、セキュリティ基板情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。基板認証鍵は、鍵管理センタに設置された鍵管理サーバからダウンロードしてCU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。鍵管理サーバは、基板シリアル番号等に対応付けて基板認証鍵を記憶している。
セキュリティ基板情報問合せシーケンスでセキュリティ基板情報を取得することができた場合、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、業務電文通信用の通信鍵を交換する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵交換シーケンスでは、基板情報取得シーケンスで基板情報を取得できた場合、基板認証鍵を暗号鍵に用いるが、基板情報を取得できなかった場合、基板初期鍵を時限的に暗号鍵に用いる。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)を利用して運用される。このときの通信は、前述したように、時限的な通信であり、一定期間(たとえば、2日)のみ許容される。以上の処理を経て行なわれる通信モードが制限通信モード(基板初期鍵モード(基板初期鍵運用))である。この時限運用のまま一定期間(たとえば、2日)がオーバーした場合には仮運用が停止されるとともに、オーバーしたことがSC325bからCU制御部323、ホールサーバを経由して鍵管理サーバへ通知される。
その後、CU3は、P台2に対して、リカバリ要求を行ない、P台2は、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻を含むリカバリ応答のレスポンス(リカバリ応答)をCU3に返信する。
次に、図37を参照して、CU制御部323の電源投入・通常立上の処理を説明する。この図37は、CU3が遊技場に設置された後、通常に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板認証鍵を用いた立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323は、上位装置より(具体的には鍵管理サーバより、ホールサーバを経由して)基板シリアルID鍵、基板認証鍵バージョン、基板認証鍵A、基板認証鍵AのMAC鍵を取得する。なお、基板シリアルID鍵は、基板初期鍵で復号され、基板初期鍵Aは、基板シリアルIDを用いて復号され、さらに、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板シリアルIDを用いて復号される。これらの復号は、AESの暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板認証鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、鍵の更新が有る場合にのみ、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行なう。
基板認証鍵認証シーケンスで基板認証鍵を認証でき鍵更新が無かった場合や、鍵更新が有り、セキュリティ基板情報問合せシーケンスで認証ができると、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板認証鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成することができた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機チップ情報をさらに取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)が利用される。このときの通信は、制限通信モードのような制限のない通常通信モード(基板認証鍵モード(基板認証鍵運用))である。
次に、図38を参照して、CU制御部323の電源投入・工場出荷時立上の処理を説明する。この図38は、CU3が遊技場に出荷される前の工場出荷時のシーケンスを示し、特に、基板出荷鍵を用いた工場出荷立上シーケンスについて説明する。当該シーケンスは、工場出荷時、上位装置に接続していない状態のCU制御部323およびSC325bにおける処理である。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行なう。しかし、工場出荷時の段階のため未だ遊技場にCU3が設置されていないため、遊技場のホールサーバより基盤初期鍵をCU制御部323が取得できておらず、その結果、基板初期鍵認証の結果がNGとなる。
その後、CU制御部323は、基板初期鍵認証シーケンスが認証NGとなったため、CU制御部323は、SC325bにセキュリティ基板325のテストに用いる基板出荷鍵を要求する、基板出荷鍵要求のコマンドをSC325bに送信する。SC325bは、CU制御部323から基板出荷鍵要求のコマンドを受信後、基板出荷鍵を含む基板出荷鍵応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にSC325bより取得した基板出荷鍵を用い、基板出荷鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板出荷鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
基板出荷鍵認証シーケンスで基板出荷鍵を認証できた場合、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板出荷鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU3は、P台2に対して、通信テスト要求を行ない、P台2は通信テスト応答をCU3に送信する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と通信テスト電文のみの通信が可能となる。この通信テスト電文の通信を行なうことにより工場出荷時の通信テストが行われる。この工場出荷時の通信テストに合格したCU3が遊技場に納入されて最初の電源立上時のシーケンスが図36で説明したホール設置立上シーケンスであり、その後基板認証鍵の取得後に実行されるシーケンスが図37で説明した通常立上シーケンスである。
次に、図39を参照して、基板メーカコードの認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して、基板メーカコードの認証を要求する基板メーカコード認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板メーカコード認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323は、SC325bに対して、チャレンジコードを要求する。
基板メーカコード認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板メーカコードに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板メーカコード認証応答1のレスポンスでCU制御部323に通知する。
基板メーカコード認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し、生成したレスポンスコードを基板メーカコード認証要求2のコマンドでSC325bに通知する。具体的には、基板メーカコードを鍵として受信したチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成する。
基板メーカコード認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メーカコードを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板メーカコード認証応答2のレスポンスでCU制御部323に通知する。このとき、CU制御部323は、基板メーカコード認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
一方、チャレンジコードが一致しなければチェック結果がNG(不適正)であるとする。その場合に、n回際認証を繰り返し、n回連続でNGの場合にSC325bが無応答状態(HALT)となり、基板認証鍵と本認証鍵とがクリアされる(図52参照)。この無応答状態(HALT)となった後には、SC325bが通信制御IC325aと認証を行なうことはなく、工場で修理を行なうこととなる。
CU制御部323は、SC325bにCU制御部固有情報(統一店舗コード、台番、現在時刻)を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、統一店舗コード、台晩、現在時刻の情報を保持し、前回の統一店舗コードが一致しているときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けた(OK)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
一方、前回の統一店舗コードと不一致であるときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けていない(NG)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信し、RAMに記憶されている基板認証鍵をクリアするとともに、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モード(図36参照)に遷移する。このとき、CU制御部323は、基板接続要求結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
次に、図40を参照して、基板初期鍵または基板出荷鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、図40に示すように、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モードの状態の場合には、図40において基盤初期鍵を用いた認証が行われるが、基板出荷鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板出荷鍵モードの状態の場合には、図40において基盤出荷鍵を用いた認証が行われることになる。よって、図40の「/」はいずれか一方を表す記号である。CU制御部323は、SC325bに対して、認証情報を要求する基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板初期鍵/基板出荷鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板出荷鍵を用いて、暗号化してある。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bは、CU制御部323に対して、認証結果を基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答2のレスポンスで返信する。このとき、CU制御部323は、基板初期鍵認証結果、基板出荷鍵認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
次に、図41を参照して、基板シリアルIDおよび基板認証鍵の認証シーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323とSC325bとの通信は、基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板認証鍵モードの状態において、CU制御部323は、SC325bに対して、基板シリアルIDの認証を要求する基板シリアルID認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板シリアルID認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323は、SC325bに対して、チャレンジコードを要求する。
基板シリアルID認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板シリアルIDに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板シリアルID認証応答1のレスポンスでCU制御部323に通知する。
基板シリアルID認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成し)、生成したレスポンスコードを基板シリアルID認証要求2のコマンドでSC325bに通知する。
基板シリアルID認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)、チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板シリアルID認証応答2のレスポンスでCU制御部323に通知する。なお、チェック結果がNGの場合、SC325bは、CU制御部323に対してチェック結果を、基板認証結果通知および基板認証結果応答での認証結果に含め、NGを通知する。このとき、CU制御部323は、基板シリアルID認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証鍵のバージョン情報を通知するためにバージョン情報通知のコマンドを送信する。なお、バージョン情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
バージョン情報通知のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して基板認証鍵のバージョン情報を受信したことを通知するために、バージョン情報応答のレスポンスを返信する。なお、バージョン情報応答のレスポンスは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて暗号化してもよい。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、認証情報を要求する基板認証鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板認証鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板認証鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板認証鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板認証鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
基板認証鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bは、CU制御部323に対して、認証結果を基板認証鍵認証応答2のレスポンスで返信する。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証結果を通知するために、基板認証結果通知のコマンドを送信する。なお、基板認証結果通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。基板認証結果通知のコマンドは、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果をSC325bに対して通知する。
基板認証結果通知のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果を通知するために、基板認証結果応答のコマンドを送信する。なお、基板認証結果応答のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。このとき、CU制御部323は、基板認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
次に、図42は、セキュリティ基板情報の問合せを行なう場合の処理を説明するための図である。図42を参照して、まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、CU制御部323とホールサーバとが復号できない鍵(以下「秘匿用鍵」と言う)で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325の情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、セキュリティ基板情報を受信したときに必要な処理を実施する。
その後、CU制御部323は、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信すると、セキュリティ基板情報をSC325bに通知する。具体的に、CU制御部323は、問合せ結果である基板シリアルIDおよび基板認証鍵を含むセキュリティ基板情報通知のコマンドをSC325bに送信する。なお、送信するセキュリティ基板情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
SC325bは、セキュリティ基板情報通知のコマンドを受信後、問合せ番号を確認して、セキュリティ基板情報通知のコマンドを正常に受信したことをCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板情報結果のレスポンスを返信する。なお、鍵更新情報は、次回リセット時に使用される。返信するセキュリティ基板情報結果のレスポンスは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用いる。
その後、CU制御部323は、受信結果がOKの場合には、基板シリアルID鍵および基板認証鍵Aを保存して、次回リセット時に認証鍵情報として使用する。また、CU制御部323は、基板情報問合せおよび基板情報通知の認証ログ情報を取得する。
次に、図43を参照して、遊技機チップ情報問合せシーケンスの処理を説明する。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して遊技機チップ情報を問合せる遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に通信鍵を用いる。
一方、SC325bは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得する。その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、遊技機チップ情報の取得を完了しているので、遊技機チップ問合せ結果=OKの情報を含む遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に返信する。遊技機チップ情報には、主制御チップID、払出制御チップIDなどが含まれている。なお、返信する遊技機チップ問合せ結果のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
その後、CU制御部323は、返信された遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信した場合、上位装置(鍵管理サーバまたはホールサーバ:図33参照)に、主制御チップ番号および払出制御チップ番号を含む遊技機チップ情報を問合せ、上位装置からの応答を待つ。遊技機チップ情報問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を持たずに、次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。遊技機チップ情報の問合せには時間(たとえば2時間程度)がかかるため、その間遊技機の稼働を停止しておくわけにはいかないために、上位装置からの応答を持たずに次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。なお、遊技機チップ情報問合せ中は、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)が行なわれても、再度遊技機チップ問合せ指示通知の要求は出されない。
その後、CU制御部323は、上位装置から遊技機チップ情報の照合結果を受信すると、当該照合結果をSC325bに通知する。具体的に、CU制御部323は、照合結果を含む遊技機チップ情報通知のコマンドをSC325bに送信する。なお、送信する遊技機チップ照合結果通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
SC325bは、遊技機チップ情報通知のコマンドを受信後、照合結果がOKのとき、遊技機メーカコードおよび型式コードをCU制御部323に通知するため、遊技機チップ情報結果のレスポンスを返信する。なお、返信する遊技機チップ情報結果のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
同時に、CU制御部323は、SC325bからの遊技機チップ情報結果に含まれる遊技機チップ情報問合せ、遊技機チップ情報照合結果などの認証ログを取得する。
次に、図44を参照して、基板認証鍵認証異常のシーケンスの処理を説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に鍵管理サーバより取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。ここで、基板認証鍵認証が認証NGとなった場合には、SC325bは、認証異常として、基板認証鍵情報をクリアする。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。このとき、基板初期鍵認証シーケンスの通信は、暗号鍵として基板初期鍵を用いて、暗号化してある。
この基板初期鍵認証シーケンスの認証が認証OKのときは、その後は図36に示したホール設置時立上シーケンスの処理と同様に、セキュリティ基板情報問合せシーケンス、通信鍵交換シーケンス、遊技機チップ情報問合せシーケンスなどの処理が行われ、遊技機と業務電文通信が可能となる。以後の通信は、暗号鍵として、通信鍵を用いて、暗号化してある。
なお、SC325bは、基板認証鍵シーケンスの認証が認証NGになったことを示す「基板認証鍵更新異常」のアラームを鍵管理サーバ801に通知する。
次に、図45は、セキュリティ基板情報の問合せタイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325の情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行する。
その後、CU制御部323は、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信する前に、セキュリティ基板情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3はP台2の状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。態情報要求のコマンドを受信したSC325bは通信制御IC325a経由でP台2の遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bは、CU3に対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bは、セキュリティ基板情報を鍵管理センタに問合せを要求する旨の「基板問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記のセキュリティ基板問合せに対して、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に再度返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は鍵管理サーバのみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)にセキュリティ基板325の情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
次に、図46は、遊技機チップ情報の問合せ(照合)タイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報(具体的には遊技機チップ情報)を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
一方、SC325bは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得し、その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323に通知するために、遊技機チップ問合せ結果(認証OK)のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。遊技機チップ情報を問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、セキュリティ基板情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、遊技機チップ情報を受信したときに必要な処理を実施する。
しかしながら、その後、CU制御部323は、上位装置から遊技機チップ情報の問合せ結果(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を受信する前に、遊技機チップ情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3はP台2の状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。状態情報要求のコマンドを受信したSC325bは通信制御IC325a経由でP台2の遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bは、CU3に対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bは、遊技機チップ情報の鍵管理センタへの問合せを要求する旨の「チップ情報問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記の遊技機チップ情報問合せに対して、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323に通知するために、遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に再度返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で鍵管理サーバ)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
以上の図36〜図46に基づいて説明したCU制御部323とSC325bとの間でのシーケンスにおいて、特徴的な部分を以下にまとめて説明する。
CU3が遊技場に入荷されて設置された後に実行されるシーケンスとして、「基板初期鍵認証シーケンス」がある(図36参照)。この「基板初期鍵認証シーケンス」は、遊技場に搬入されて設置された最初の電源投入時においては、上位装置(ホールサーバ)から基板初期鍵をダウンロード取得し、その基板初期鍵を用いて認証されるシーケンスである。この基板初期鍵認証シーケンスの認証結果がOKであることを条件として、この基板初期鍵を用いて「セキュリティ基板情報問合せシーケンス」が実行される(図36参照)。このセキュリティ基板情報問合せシーケンスにより基板認証鍵が上位装置(鍵管理サーバ)からダウンロード記憶され、以降、この基板認証鍵を利用して各種認証シーケンスや通信鍵交換シーケンス等が実行されてその通信鍵を用いて遊技機と業務電文通信が実行される(図37参照)。
一方、基板初期鍵を用いてのセキュリティ基板情報問合せシーケンス(図36参照)を実行した結果、基板認証鍵を取得できない場合がある。この基板認証鍵は、CUメーカがCU3を遊技場に出荷するときにそのCU3の基板認証鍵を鍵管理サーバへ送信して鍵管理サーバに記憶してもらい、遊技場に搬入されたCUがその事前に鍵管理サーバに記憶されている基板認証鍵をダウンロード記憶するのであるが、CUメーカから鍵管理サーバへの基板認証鍵の送信が何らかの理由により遅れている場合がある。また、遊技場に搬入されて設置されたCU3がセキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行して基板認証鍵をダウンロードしようとしたときに鍵管理サーバとCU3との間で不測の事態が発生して通信不能のオフライン状態となっている場合もある。このような場合には、基板認証鍵をダウンロードすることができない。
基板認証鍵をダウンロードできない場合に、それ以降の遊技機との業務電文通信等の実稼動の運用が一切できないとなれば、遊技場における稼動率の低下等の運用上の問題が生じる。そこで、このような不測の事態が発生した場合には、仮の認証鍵である基板初期鍵を利用して実稼動の仮運用ができるように制御される。具体的には、上位装置(具体的にはホールサーバ)より取得済の基板初期鍵を用いて、通信鍵交換シーケンスを実行し、乱数と時刻データとを用いて通信鍵(セッション鍵)を生成し、CU制御部323とSC325bとの間でその通信鍵(セッション鍵)を共有し、その通信鍵(セッション鍵)を使用して業務電文通信を行なって実稼動制御が行なわれる。この基板初期鍵を利用して交換した通信鍵による実稼動制御は、あくまで基板初期鍵が仮の鍵であり基板認証鍵が取得できない不安定な状態であるために、一定の期間だけ許容される仮運用の制御がなされる。具体的には、2日間のみこの基板初期鍵を用いた実稼動制御を許容し、3日目の電源立上げ時においても基板認証鍵を取得できなかったときには、それ以降の制御を停止させ、異常が発生した旨を報知するとともにホールサーバやホール用管理コンピュータへ異常発生した旨の通知を行なうように制御する。なお、基板初期鍵での一定の期間(たとえば2日)だけ許容される仮運用の時限制御は、基板初期鍵がホールサーバに記憶されているものであるため、少なくともCU制御部323がホールサーバに接続されていることが担保されている状態で許容される。
また、前述の「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」は、図40に示した工場出荷時すなわち未だ遊技場に搬入されていない段階でも実行される。この段階で基板初期鍵認証シーケンスを実行した場合には、未だ基板初期鍵が取得されていないために、基板初期鍵を用いたこの基板初期鍵認証シーケンスの実行の結果NGの認証結果が導出される。すると、図40に示した基板出荷鍵要求、基板出荷鍵応答以降の各シーケンスが実行され、遊技機と通信テスト電文の通信が実行される状態となる。すなわち、「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」により、基板初期鍵が取得されている段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かを判断しているのであり、本来相互認証を行なう機器認証シーケンスを、基板初期鍵が取得された段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かの判別にも有効利用している。
<通信制御ICとセキュリティチップとの通信における主なシーケンス>
次に、図47は、SC325bと通信制御IC325aとの間の業務電文シーケンスの処理を説明する図である。図47を参照して、CU3の電源投入後のSC325bおよび通信制御IC325aの処理について説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、SC325bおよび通信制御IC325aが起動される。SC325bは、起動するとCU制御部323と認証が実施され、通信制御IC325aは、起動すると遊技機と認証が実施される。
その後、SC325bおよび通信制御IC325aは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用い、通信制御IC認証シーケンスを行なう。図33に基づいて説明した「仮認証鍵モード」の場合には仮認証鍵を用い、本認証鍵が生成され後の本認証鍵モードの場合には本認証鍵を用いる。
その後、SC325bおよび通信制御IC325aは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用い、セキュリティ情報更新シーケンスを行なう。さらに、SC325bおよび通信制御IC325aは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用い、遊技機チップ情報認証シーケンスを行なう。
その後、SC325bは、通信制御IC325aに対して通信鍵を要求する通信鍵要求のコマンドを送信する。通信鍵要求のコマンドは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用いて、暗号化してある。
通信鍵要求のコマンドを受信した通信制御IC325aは、遊技機と業務電文を通信するための通信鍵(セッション鍵)を生成し、生成した通信鍵を通信鍵応答のレスポンスでSC325bに通知する。なお、返信する通信鍵応答のレスポンスは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用いて、暗号化してある。通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この現在時刻のデータは、通信制御IC325a自ら生成してもよくまた他の装置からもらい受けてもよい。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、前述の相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。
なお、上記の処理終了以降、遊技機と業務電文通信が可能となる。
図48は、「基板認証鍵による認証」の具体的制御を説明するためのフローである。図48を参照して、以下説明する一連の処理は、CU制御部323とSC325bとの間において行なわれる。
ステップS201において、チャレンジレスポンス方式を用い、基板シリアルIDを使用した認証処理(単体認証)が行なわれる(図41の基板シリアルID認証要求/応答1,2参照)。
そして、ステップS201の単体認証が完了すると、次のステップS202において鍵バージョンのチェックが行なわれる(図41のバージョン情報通知/応答参照)。
そして、ステップS202の鍵バージョンのチェックが完了すると、次のステップS203において、基板認証鍵を使用した機器認証が行なわれる(図41の基板認証鍵認証要求/応答1,2参照)。
そして、ステップS203の機器認証処理が完了すると、次のステップS204において、ステップS201〜S203の認証結果を相互に通知を行ない、次のステップS205に処理が進む(図41の基板認証結果通知/応答参照)。
ステップS205において、通知された認証結果が正常か否かを判断され、認証結果が正常である場合にはステップS206に処理が進み、認証結果が正常でない場合にはステップS207に処理が進む。
ステップS206において、CU制御部323がSC325bから取得するセキュリティ基板情報を有しているか否かがさらに判断され、取得するセキュリティ基板情報を有している場合には、ステップS209に処理が進み、取得するセキュリティ基板情報を有していない場合には、ステップS210に処理が進む。
ステップS209においては、CU制御部323−SC325b間の基板認証鍵の認証処理について、さらにセキュリティ基板情報の問合せ処理へ遷移し、処理が終了する。一方、ステップS210は、基板認証鍵モードの認証を正常に終了し、処理が終了する。なお、この場合には、CU制御部323−SC325b間は遊技機チップ情報の照合の処理が行なわれる。
一方、ステップS205において、認証結果が正常でない場合には、ステップS206に処理が進み。このステップS206においてこのリトライ回数が3回目か否かが判断され、リトライ回数が3回目である場合には、ステップS208に処理が進み、リトライ回数が3回目でない(リトライ回数が1回目か2回目である)場合には、処理がステップS201に戻り、再度認証処理が行なわれる。
ステップS208において、SC325b基板認証異常として、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)まで待機状態となる。リセット動作後において、再度基板初期鍵を暗号鍵として認証処理を行なうモード(基板初期鍵モード)で起動され、各認証処理が行なわれ、処理が終了する。この場合には、その日の営業は1日中この基板初期鍵モードで運用され、翌日の電源立上時に再度鍵管理サーバに対しセキュリティ基板情報取得要求を出し、セキュリティ基板情報の取得を試みる(図45)。また、ステップS208aに示したように、翌日の電源立上を待つことなくこの時点でセキュリティ基板情報の問合せ処理を再度実行してもよい。この場合には、基板初期鍵モードでの運用により遊技を進行させつつセキュリティ基板情報の問合せ処理も並行して進行させる。
図49(a)は、CU制御部−SC間での通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの一例である。図49(a)を参照して、ステップS211において、CU制御部323は鍵管理サーバに基板認証鍵の要求を行ない、次のステップS212に処理が進む。
そして、ステップS212において、CU制御部323は鍵管理サーバから送られてきたセキュリティ基板情報の中から基板認証鍵を取得するとともに、セキュリティ基板情報中の更新情報をSC325bへ送信し、次のステップS213に処理が進む。
ステップS213において、CU制御部323は遊技機が非稼動状態か否かの判定を行なう。次のステップS214のモード切替処理を行なったときにはその切替処理の実行中遊技機との加減算玉数の通信処理ができなくなるため、ステップS214のモード切替処理を行なう前に遊技機が非稼動状態か否かの判定を行なうのである。遊技機が非稼動状態か否かは、CUに遊技者のカードが挿入されていないか挿入されているかで判断する。カードが挿入されていない場合には遊技機が非稼働状態と判断する一方、カードが挿入されている場合には遊技機が稼働状態と判断する。CU制御部323に対応する遊技機が非稼動状態である場合には、ステップS214に処理が進み、CU制御部323に対応する遊技機が非稼動状態でない場合には、遊技機が非稼動状態になるまでステップS213の処理が行なわれる。
ステップS214において、CU制御部323は、ステップS212において取得した基板認証鍵に基づいて、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板初期鍵モード)から基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板認証鍵モード)へ通信モードを切替て、処理が終了する。
図49(b)は、SC−通信制御IC間での通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの一例である。図49(b)を参照して、ステップS216において、SC325bがCU制御部323からの更新情報を取得する。前述したようにCU制御部323はステップS212により更新情報をSC325bへ送信する。それを受けたSC325bは、その更新情報を取得する。次に、ステップS217においてSC325bは、取得した更新情報から本認証鍵を生成する。次に、前述のステップS213と同様に、ステップS218においてSC325bは、遊技機が非稼動状態か否かの判定を行ない、非稼動状態であることを条件として、ステップS219の処理を実行する。ステップS219においてSC325bは、生成した本認証鍵に基づいて、SC325bと通信制御IC325aとの通信モードについて仮認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(仮認証鍵モード)から本認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(本認証鍵モード)へ切替える。
このような実施の形態によれば、CUの正当性が鍵管理サーバに登録された基板認証鍵によって認証される前に通常の通信モードとなってカード残額等を用いたP台での遊技が可能となることを防止できる。さらに、鍵管理サーバに登録された基板認証鍵を受信できないときでも、制限通信モードとなり、P台での遊技が許容されるため、柔軟な運用が可能となる。しかも、その場合には通常通信モードに比べて所定の制限の下で遊技が許容されるものとなるため、鍵管理サーバに記憶された基板認証鍵での認証が必要とされることなく運用が続けられてしまうことを防止できる。
図50(a)(b)は、通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの他の例である。CU制御部−SC間での通信モードの切替処理を示す図50(a)を参照して、ステップS221において、CU制御部323は鍵管理サーバにセキュリティ基板情報の要求を行ない、次のステップS222に処理が進む。
そして、ステップS222において、CU制御部323が鍵管理サーバに要求したセキュリティ基板情報をホールサーバが鍵管理サーバから取得し、そのセキュリティ基板情報の中から基板認証鍵をホールサーバが取得する。次に、ステップS223においてホールサーバは、前述のステップS213と同様の趣旨より、セキュリティ基板情報を要求したCU制御部323に対応する遊技機が非稼動状態か否か判定する。遊技機が非稼動状態になったときにホールサーバはステップS224において、取得した基板認証鍵をCU制御部323へ送信し、それを受けたCU制御部323はセキュリティ基板情報中の更新情報をSC325bへ送信する。次に、ステップS225においてCU制御部323は、ステップS2224において取得した基板認証鍵に基づいて、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板初期鍵モード)から基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板認証鍵モード)へ通信モードを切替て、処理が終了する。
次に、SC−通信制御IC間での通信モードの切替処理を示す図50(b)を参照して、ステップS226において、SC325bがCU制御部323からの更新情報を取得する。前述したようにCU制御部323はステップS224により更新情報をSC325bへ送信する。それを受けたSC325bは、その更新情報を取得する。次に、ステップS227においてSC325bは、取得した更新情報から本認証鍵を生成する。次に、ステップS228においてSC325bは、生成した本認証鍵に基づいて、SC325bと通信制御IC325aとの通信モードについて仮認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(仮認証鍵モード)から本認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(本認証鍵モード)へ切替える。
このような実施の形態によれば、制限通信モードにおいてホールサーバが鍵管理サーバから基板認証鍵を受信したときでも、P台が稼動中のときには、即座にその基板認証鍵がCUに送信されて通常通信モードに切り換わるのではなく、遊技機が非稼働状態になったことを条件にして基板認証鍵がホールサーバからCUに送信されて通常通信モードに切り換わるため、制限通信モードにおいて提供されていた遊技に何らかの影響を与えてしまい、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
<SC325bとCU制御部323との認証動作>
次に、統一店舗コードのチェック、基板メーカコードの認証についてさらに詳しく説明する。
まず、図51を参照して、SC325bによる統一店舗コードのチェック処理を説明する。この処理は、SC325bが、基板接続要求時に通知される統一店舗コードと前回通知された統一店舗コードをチェックして、不一致の場合に設置された店舗が変わったと判断する認証動作である。SC325bは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードであるか否かを判断する(ステップS1101)。なお、統一店舗コードのダミーコードは、たとえば、すべてのデータが“0xFF”である。このダミーコードは、CU3が遊技場(店舗)に設置される前の出荷時の段階で通常の統一店舗コードの代わりに用いられるものであり、出荷時の段階でSC325bに既に記憶されている。そして出荷時にダミーコードをCU制御部323経由でSC325bに入力して、SC325bがその入力されたダミーコードと記憶しているダミーコードとを一致判定して認証する。また、ダミーコードは、新装開店の遊技場(ホール)のため未だ統一店舗コードを取得していない場合に仮の店舗コードとして当該遊技場のホールサーバにデフォルトとして記憶されている。そして、新装開店の遊技場に設置されたCU3にホールサーバからダミーコードをダウンロードさせてSC325bがそのダウンロードされたダミーコードと記憶しているダミーコードとを一致判定して認証し、P台2による遊技を可能にする。
正規の統一店舗コードを取得したホールサーバはCU制御部323へその統一店舗コードを送信する。それを受けたCU制御部323は、次の電源投入時における基板接続要求時にその統一店舗コードをSC325bへ送信する。それを受けたSC325bは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードであると判断した場合(ステップS1101:YES)、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードに記憶を更新するが、基板認証鍵、本認証鍵情報を初期化しないで、前回の各認証モードを引継いで動作する。その後、SC325bは、認証ログ情報を保存する(ステップS1106)。基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化は、或る遊技場に設置されていたCU3が他の遊技場に移設されたときに必要となる処理であるが、SC325bに記憶されているダミーコードを統一店舗コードに更新する場合には、前述した新装開店の遊技場が正規に統一店舗コードを取得してその統一店舗コードをCU3にダウンロードした場合であり、店舗が代わったわけではなく、基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化は不要である。逆にこのような場合に基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化すると、再度基板認証鍵の取得要求が必要となり、1営業日での基板初期鍵運用(時限運用)が多くなり、時限運用猶予期間が少なくなる不都合が生じる。このような不都合を回避するために基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化を行なわないように制御している。
一方、SC325bは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードでないと判断した場合(ステップS1101:NO)、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致しているか否かを判断する(ステップS1102)。
SC325bは、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致していると判断した場合(ステップS1102:YES)、認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移、あるいは、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移する(ステップS1103)。なお、SC325bは、前回の認証モードが基板認証鍵モードである場合、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移し、前回の認証モードがそれ以外の認証モードである場合、基板初期鍵認証シーケンスへ遷移する。
一方、SC325bは、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致していないと判断した場合(ステップS1102:NO)、基板認証鍵情報、および本認証鍵情報を初期化(クリア)する(ステップS1104)。このような統一店舗コードの不一致は、或る遊技場に設置されていたCU3が他の遊技場に移設されたときに生じる。CU3が他の遊技場に移設されたため、前の遊技場で使用していた基板認証鍵情報および本認証鍵情報を初期化(クリア)してセキュリティを担保するのである。なお、SC325bは、CU制御部323から通知される統一店舗コードが変更になった場合、本認証鍵の初期化(クリア)を通信制御IC325aに設定して、仮認証鍵による認証を開始する。なお、SC325bが本認証鍵情報を初期化(クリア)した場合に、通信制御IC325aも本認証鍵情報を初期化(クリア)するように制御してもよく、また、特にそのような制御を行なうことなく次回の通信制御IC325aとの認証のときにSC325bが本認証鍵でないため仮認証鍵での認証に戻るようにしてもよい。
また、SC325bは、ステップS1104で基板認証鍵情報、および本認証鍵情報を初期化(クリア)した後、認証処理を基板初期鍵認証シーケンスおよび仮認証鍵シーケンスへ遷移する(ステップS1105)。
SC325bは、ステップS1103で認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移、あるいは、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移した後、ステップS1104で認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移した後、認証ログ情報を保存する(ステップS1106)。
図52は、基板メーカコードの認証動作を説明するためのフローチャートである。基板メーカコードの認証は、SC325bとCU制御部323とが、それぞれ初期情報として記憶している基板メーカコードを使用した認証を行なう認証動作である。図52を参照して、まず、SC325bとCU制御部323とは、記憶している基板メーカコードを使用したチャレンジ/レスポンス方式による単体認証を行なう。(ステップS1201)。なお、単体認証時に生成するレスポンスコードは、たとえば、記憶している基板メーカコードを鍵にしてチャレンジコードをブロック暗号化した後にハッシュ関数でハッシュ化することで生成される。
SC325bは、生成したチャレンジコードに対してCU制御部323が生成したレスポンスコードをチェックした認証結果が正常か否かの判断を行なう(ステップS1202)。SC325bは、認証結果が正常であると判断した場合(ステップS1202:YES)、既に基板認証鍵で認証済みであるか否かを判断する(ステップS1203)。一方、SC325bは、認証結果が正常でない(異常)と判断した場合(ステップS1202:NO)、n回(たとえば3回)連続して異常であるか否かを判断する(ステップS1204)。
SC325bは、既に基板認証鍵で認証済みであると判断した場合(ステップS1203:YES)、基板認証鍵の認証処理へ遷移し、基板認証鍵認証シーケンスを維持する(ステップS1205)。一方、SC325bは、既に基板認証鍵で認証済みでないと判断した場合(ステップS1203:NO)、基板初期鍵の認証処理へ遷移する(ステップS1206)。
SC325bは、n回連続して異常でないと判断した場合(ステップS1204:NO)、処理をステップS1201に戻す。一方、SC325bは、n回連続して異常であると判断した場合(ステップS1204:YES)、セキュリティを担保するために基板認証鍵情報および本認証鍵情報を初期化(クリア)する(ステップS1207)。これにより、基板認証鍵情報および本認証鍵情報が盗用される不都合を防止できる。その後、SC325bは、基板初期鍵の認証処理へ遷移する(ステップS1208)。
SC325bは、ステップS1205で基板認証鍵認証シーケンスを維持、またはステップS1206、S1208で基板初期鍵の認証処理へ遷移した後、認証ログ情報を保存する(ステップS1209)。
<ヘルスチェック>
次に、本実施の形態に係る遊技用システムでは、たとえばCU3またはP台2と鍵管理サーバとの通信が不通となった場合であっても、安定してCU3またはP台2を稼働させるために時限運用機能を利用して稼働を継続することが可能である。しかし、時限運用機能を意図的に利用して、鍵管理サーバと通信を行なうことなくCU3やP台2を稼働させて不正な営業が行なわれる可能性があった。そこで、本実施の形態では、時限運用機能を利用して稼働しているCU3またはP台2が、鍵管理サーバとの通信が不通となった状態が所定の期間継続した場合、当該時限運用機能を無効にするように構成している。また、本実施の形態では、CU3またはP台2の時限運用機能が無効にされても、鍵管理サーバとの通信が回復し所定の条件を満たせば再び時限運用機能の設定を有効にする構成にしてある。
図53は、本実施の形態に係る遊技用システムにおいて時限運用機能を無効にする処理を説明するための図である。図53を参照して、時限運用機能を無効にする処理について説明する。時限運用機能を無効にする処理は、鍵管理サーバ800−ホールサーバ801間、ホールサーバ801−CU制御部323間、CU制御部323−SC325b間において所定の処理が行なわれる。
まず、CU制御部323およびSC325bを含むCU3がP台2と通信を行なうことで、遊技者がP台2で遊技を行なうことが可能となっている。このとき、たとえばCU制御部323−SC325b間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれており、CU制御部323からの状態情報要求のコマンドも、SC325b間からの状態情報応答のレスポンスも秘匿鍵Aに基づいて暗号化されている。
この秘匿鍵Aは、鍵管理サーバ800からのヘルスチェックにより定期的に更新することで、正常にCU制御部323−SC325b間の通信を行なうことが可能となる。図53に示す鍵管理サーバ800は、CU制御部323−SC325b間で正常に通信を行なっているときに、CU制御部323およびSC325bに対してヘルスチェックを行なうべくヘルスチェック要求のコマンドを送信しているが、鍵管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通のため当該ヘルスチェック要求のコマンドがCU制御部323に到達していない。
鍵管理サーバ800からのヘルスチェックは、たとえば1日1回行なわれ、鍵管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通のため送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られない場合であっても再送信せずに次の日にヘルスチェック要求を送信することになる。
CU制御部323−SC325b間の通信は、鍵管理サーバ800からのヘルスチェックが行なわれず秘匿鍵Aが更新されない場合であっても、時限運用機能のため何ら制限を受けることなく継続して通信を行なうことができる。そのため、CU3とP台2との通信も正常に行なうことができ、CU3やP台2を正常に稼働させてP台2での営業を可能にすることができる。
しかし、鍵管理サーバ800がヘルスチェック要求のコマンドを送信してもCU制御部323に到達しない状態が、たとえば10日間(1日1回ヘルスチェックを行なう場合であれば10回)継続した場合、ヘルスチェック要求時限オーバーと判断される。ヘルスチェック要求時限オーバーと判断されると、SC325bは時限運用機能を無効にして、秘匿鍵Aを用いたCU制御部323−SC325b間の通信を行なうことができなくなる。CU制御部323−SC325b間の通信において秘匿鍵Aを利用できない場合、通信内容が大幅に制限され、CU3とP台2との通信も制限される。そのため、CU3やP台2の稼働を不可にさせたり、大幅に制限を加えて稼働させたりすることができる。
CU制御部323−SC325b間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれておらず、CU制御部323からの状態情報要求のコマンドも、SC325b間からの状態情報応答のレスポンスも秘匿鍵Aに基づいて暗号化されていない。その代わりに、たとえばCU制御部323またはSC325bに保持されている初期鍵Aに基づいて暗号して通信を行なってもよい。その場合、たとえばCU制御部323−SC325b間で通信できるコマンドが大幅に制限される。
以上のように、本実施の形態では、鍵管理サーバとの通信が不通となった状態が所定の期間継続してヘルスチェックできない場合、時限運用機能を無効にするので、時限運用機能を利用して不正にP台2を稼働させて営業することを防止することができる。なお、時限運用機能を無効にする無効条件は、ヘルスチェックできない期間が10日間あることを条件としたが、これに限られずヘルスチェック要求のコマンドを送信してヘルスチェック応答のレスポンスが受信できなかった回数が所定回数になったことを条件にしてもよい。
次に、時限運用機能を無効にした遊技用システムに対して、時限運用機能を有効にするための処理について説明する。図54は、本実施の形態に係る遊技用システムにおいて時限運用機能を有効にする処理を説明するための図である。図54を参照して、時限運用機能を有効にする処理について説明する。時限運用機能を有効にする処理は、鍵管理サーバ800−ホールサーバ801間、ホールサーバ801−CU制御部323間、CU制御部323−SC325b間において所定の処理が行なわれる。
まず、CU制御部323およびSC325bを含むCU3がP台2と通信を行ない、CU制御部323から状態情報要求のコマンドをSC325bに送信し、それを受けてSC325b間から状態情報応答のレスポンスをCU制御部323に送信している。なお、このときCU制御部323およびSC325bは、鍵管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通のため送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られない状態で無効条件が成立して時限運用機能が無効にされている。
その後、鍵管理サーバ800−ホールサーバ801間の回線が復旧して通信可能となった場合、鍵管理サーバ800から送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られる。このような鍵管理サーバ800からのヘルスチェックが可能となった状態が3日間経過し、4日目のヘルスチェック要求を鍵管理サーバ800が行なう。なお、ヘルスチェックが可能となった状態であれば、CU制御部323−SC325b間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれている。
具体的に、鍵管理サーバ800は、ホールサーバ801に対してヘルスチェック要求のコマンドを送信し、当該コマンドを受けたホールサーバ801がCU制御部323に対してヘルスチェック要求のコマンドを送信する。さらに、CU制御部323は、ホールサーバ801からのコマンドを受けて、付加情報としてヘルスチェック要求を含む基板状態要求のコマンドをSC325bに送信する。
SC325bは、CU制御部323から基板状態要求のコマンドを受けると、回線が復旧して正常にヘルスチェックが3日間行なわれたので、無効にしてある時限運用機能を有効にする。時限運用機能を有効にすることで、今後、鍵管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通となりヘルスチェックが行なえなくなっても、CU制御部323およびSC325bは、時限運用機能を利用して秘匿鍵Aに基づく通信を行なうことが可能となる。これにより、CU3およびP台2は、鍵管理サーバ800との通信断などの障害が生じたとしても安定して稼働させることができる。
さらに、SC325bは、基板状態要求のコマンドを受けて、付加情報としてヘルスチェック応答を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。ヘルスチェック応答には、SC325bの状態情報が含まれるとともに、P台2から受信したP台2の状態情報が含まれている。なお、図35には示していないが、SC325bがP台2に対してヘルスチェック要求を行ない、P台2からヘルスチェック応答を受信することで、P台2の状態情報を取得する。
CU制御部323は、SC325bから基板状態応答のレスポンスを受けて、ホールサーバ801に対してヘルスチェック応答のレスポンスを送信する。当該ヘルスチェック応答のレスポンスには、たとえばCU制御部323−SC325b間の認証状態の情報が含まれている。さらに、ホールサーバ801が、CU制御部323からヘルスチェック応答のレスポンスを受けて、鍵管理サーバ800に対してヘルスチェック応答のレスポンスを送信する。
以上のように、本実施の形態では、鍵管理サーバとの回線が復旧し通信が可能となった状態が所定の期間継続してヘルスチェックを行なうことができる場合、無効である時限運用機能を有効にするので、時限運用機能を利用して遊技場の営業を妨げない安定した稼働が可能となる。また、無効である時限運用機能を有効にするために店員が各CU3やP台2を操作する必要が無いため、店員の作業を軽減することができる。なお、時限運用機能を有効にする復帰条件は、ヘルスチェックが可能となった期間が3日間あることを条件としたが、これに限られずヘルスチェック要求のコマンドを送信してヘルスチェック応答のレスポンスが受信できた回数が所定回数になったことを条件にしてもよい。また、時限運用機能を無効にする無効条件であるヘルスチェックできない期間(たとえば10日間)は、時限運用機能を有効にする復帰条件であるヘルスチェックが可能となった期間(たとえば3日間)に比べて長くすることで、時限運用機能の不正利用を防止しつつ、遊技場の営業を妨げない安定したCU3およびP台2の稼働が可能になる。
<主制御部−払出制御部間の通信>
次に、P台2における主制御部161と払出制御部171との間の通信についてさらに詳しく説明する。まず、図4に示すP台2において、遊技盤26に設けられた主制御基板16と、前枠5に設けられた払出制御基板17との通信は、主制御基板16に設けられた主制御部161と前枠5に設けられた払出制御部171との間で行なわれる。図55は、主制御部161、払出制御部171、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。
図55に示す主制御部161および払出制御部171は、ワンチップで構成されているものとして以下説明するが、複数のチップで同様の機能を構成してもよい。主制御部161は、主制御回路161a、通信制御回路161b、主制御記憶部161cを備えている。主制御回路161aは、主制御部161で様々な処理(たとえば、入賞センサ162からの信号に基づいて入賞球をカウントしたり、電波センサ163からの信号に基づいて不正を検出したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路161bは、主制御部161と払出制御部171との間で暗号通信を行なうための回路である。主制御記憶部161cは、主制御部161で実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などで構成されている。なお、主制御記憶部161cはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
一方、払出制御部171は、払出制御回路171a、通信制御回路171b、払出制御記憶部171cを備えている。払出制御回路171aは、払出制御部171で様々な処理(発射制御基板31を介して発射モータ18を制御したり、計数ボタン28からの信号に基づいてCU3に対して遊技玉から持玉への変換を要求したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路171bは、主制御部161と払出制御部171との間で暗号通信、および払出制御部171と通信制御IC325aとの間の暗号通信を行なうための回路である。払出制御記憶部171cは、払出制御部171で実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータなどを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAMなどで構成されている。なお、払出制御記憶部171cはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
さらに、通信制御回路161b,171bについて詳しく説明する。図56は、払出制御部171と暗号通信するための通信制御回路161bの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路161bは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、前枠5の払出制御部171との相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161と払出制御部171との間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて主制御部161の情報を、払出制御部171に渡し、払出制御部171の情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部600にて払出制御部171とのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路161bは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161と払出制御部171との間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路161bは、図56に示すように主制御回路161aで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171との暗号通信を行なうための暗号通信制御部600を有している。
通信制御回路161bに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ611、認証割込み設定レジスタ612、送信データバッファ613、送信データ数レジスタ614、情報送信クリアレジスタ615、主制御遊技情報レジスタ616、払出制御遊技情報レジスタ617、リカバリ通信完了レジスタ618および暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619などを有している。
認証ステータスレジスタ611は、主制御部161のチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ612は、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ613は、主制御部161から払出制御部171に送信する遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、送信データバッファ613を不揮発メモリで構成することで、主制御部161と払出制御部171との間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ613に書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161の処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ613は不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要である。送信データバッファ613以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ614は、主制御部161払出制御部171へ送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ613内のデータ数をモニタしている。情報送信クリアレジスタ615は、送信データバッファ613のデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
主制御遊技情報レジスタ616は、主制御部161から払出制御部171へ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ616に書込まれたデータは、暗号通信制御部600で暗号化されて払出制御部171へ送信される。払出制御遊技情報レジスタ617は、払出制御部171から主制御部161へ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ617に書込まれたデータは、暗号通信制御部600で復号化されたデータである。
リカバリ通信完了レジスタ618は、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信が完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619は、払出制御部171と通信を行なっている暗号通信制御部600で保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171bは、主制御部161と暗号通信するための構成と、通信制御IC325aと暗号通信するための構成とに分けられ、主制御部161と暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b1、通信制御IC325aと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b2として以下説明する。
まず、図57は、主制御部161と暗号通信するための通信制御回路171b1の構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路171b1は、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、遊技盤26の主制御部161との相互認証、およびCU3の通信制御IC325aとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161と払出制御部171との間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて払出制御部171の情報を、主制御部161に渡し、主制御部161の情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部700にて主制御部161および通信制御IC325aとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路171b1は、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161と払出制御部171との間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路171b1は、図57に示すように払出制御回路171aで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171との暗号通信を行なうための暗号通信制御部700を有している。
通信制御回路171b1に含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ711、認証割込み設定レジスタ712、データ受信レジスタ713、受信データ数レジスタ714、情報受信クリアレジスタ715、払出制御遊技情報レジスタ716、主制御遊技情報レジスタ717、リカバリ要求/完了レジスタ718および暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719などを有している。
認証ステータスレジスタ711は、払出制御部171のチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ712は、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
データ受信レジスタ713は、主制御部161から送信され払出制御部171で受信した遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、データ受信レジスタ713を不揮発メモリで構成することで、主制御部161と払出制御部171との間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該レジスタに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、データ受信レジスタ713に書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161の処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、データ受信レジスタ713は不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。データ受信レジスタ713以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
受信データ数レジスタ714は、主制御部161から送信され払出制御部171で受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ713内のデータ数をモニタしている。情報受信クリアレジスタ715は、データ受信レジスタ713のデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
払出制御遊技情報レジスタ716は、払出制御部171から主制御部161へ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ716に書込まれたデータは、暗号通信制御部700で暗号化されて主制御部161へ送信される。主制御遊技情報レジスタ717は、主制御部161から払出制御部171へ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ717に書込まれたデータは、暗号通信制御部700で復号化されたデータである。
リカバリ要求/完了レジスタ718は、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719は、主制御部161と通信を行なっている暗号通信制御部700で保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171b1には、その他、通信タイムアウト時間設定レジスタ719a、通信インターバル時間設定レジスタ719b、および主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cが含まれている。
主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cは、主制御部161と払出制御部171との間の認証が切れた後に、主制御部161の送信データバッファ613のデータをデータ受信レジスタ713に書込むことができる有効時間を設定するレジスタである。当該レジスタを設定することで、データ受信レジスタ713への書込みは、主制御部161と払出制御部171との間の認証が切れた後であっても設定した有効時間(たとえば、5秒から15秒程度)行なうことができる。これにより、たとえば、電源断や断線などにより認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27の釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。なお、玉の滞留時間が長いステージを有する遊技機の場合でも、浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶することができるように有効期間を長めに設定することができるものとする。
本来、データ受信レジスタ713には、主制御部161と払出制御部171との間の認証が切れた後、セキュリティの観点から暗号通信制御部700介して情報を書き込むことができない。しかし、データ受信レジスタ713では、たとえば、主制御部161と払出制御部171との間の認証が切れた後に浮遊玉が入賞したことの情報を書き込む必要があった。そこで、通信制御回路171b1は、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cに対して有効時間を設定し、暗号通信制御部700で本設定することで、主制御部161と払出制御部171との間の認証が切れた後であっても有効期間内であれば暗号通信制御部700を介して情報をデータ受信レジスタ713に書き込むことができる。なお、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cの設定値は、暗号通信制御部700で本設定された後であれば読み出すことができる。
図58は、通信制御IC325aと暗号通信するための通信制御回路171b2の構成を説明するためのブロック図である。通信制御回路171b2は、図58に示すように、通信制御IC325aと暗号通信するために、たとえば認証ステータスレジスタ721、認証割込み設定レジスタ722、送信データバッファ723a、データ受信レジスタ723b、送信データ数レジスタ724、受信データ数レジスタ725、リカバリ通信加算球要求レジスタ726、リカバリ通信減算球要求レジスタ727、リカバリ要求/完了レジスタ728、暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729、通信タイムアウトタイマ−プリスケーラ設定レジスタ729aおよび通信タイムアウト時間設定レジスタ729bなどを有している。
認証ステータスレジスタ721は、払出制御部171のチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ722は、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ723aは、払出制御部171から通信制御IC325aに送信する業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。データ受信レジスタ723bは、通信制御IC325aから送信され払出制御部171で受信した業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。
なお、送信データバッファ723aおよびデータ受信レジスタ723bを不揮発メモリで構成することで、払出制御部171と通信制御IC325aとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファおよびレジスタに書込まれた業務電文は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ723aおよびデータ受信レジスタ723bに書込まれた業務電文を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、払出制御部171や通信制御IC325aの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ723aおよびデータ受信レジスタ723bは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。送信データバッファ723aおよびデータ受信レジスタ723b以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ724は、払出制御部171から通信制御IC325aに送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ723a内のデータ数をモニタしている。受信データ数レジスタ725は、通信制御IC325aから送信され払出制御部171で受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ723b内のデータ数をモニタしている。
リカバリ通信加算球要求レジスタ726は、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて加算球が発生した場合に加算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信加算球要求レジスタ726は、リカバリ通信完了時のみ更新される。リカバリ通信減算球要求レジスタ727は、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて減算球が発生した場合に減算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信減算球要求レジスタ727も、リカバリ通信完了時のみ更新される。
リカバリ要求/完了レジスタ728は、通信制御IC−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729は、通信制御IC325aと通信を行なっている暗号通信制御部700で保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
<リカバリ完了確認処理>
次に、主制御部161と払出制御部171との通信において、電源断などの通信不能な状態から復帰するとき、主制御部161および払出制御部171は、主制御記憶部161cおよび払出制御記憶部171cに記憶された所定情報を送信するリカバリ処理を実行する。そして、主制御部161および払出制御部171は、リカバリ処理の終了を条件に、ユーザプログラムの実行による所定情報の生成を再開するリカバリ完了確認処理を行なう。具体的に、リカバリ完了確認処理についてフローチャートを用いて説明する。図59は、リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御部161および払出制御部171は、電源断などの通信不能な状態から復帰させるために電源が投入されると、主制御回路161aおよび払出制御回路171aが認証シーケンスの処理を開始し、認証が完了すると主制御部161および払出制御部171のそれぞれの認証ステータスレジスタ611,711に認証結果が書込まれる。そして、主制御部161および払出制御部171は、それぞれの認証ステータスレジスタ611,711に認証完了が書込まれているか否かを確認する(ステップS291)。主制御部161および払出制御部171は、それぞれの認証ステータスレジスタ611,711に認証完了が書込まれていない場合(ステップS291:NO)、ステップS291の処理に戻る。
主制御部161および払出制御部171は、それぞれの認証ステータスレジスタ611,711に認証完了が書込まれている場合(ステップS291:YES)、リカバリ通信完了レジスタ618およびリカバリ要求/完了レジスタ718にリカバリ完了を示すフラグが書込まれているか否かを確認する(ステップS292)。主制御部161および払出制御部171は、リカバリ通信完了レジスタ618およびリカバリ要求/完了レジスタ718にリカバリ完了を示すフラグが書込まれていない場合(ステップS292:NO)、ステップS292の処理に戻る。
主制御部161および払出制御部171は、リカバリ通信完了レジスタ618およびリカバリ要求/完了レジスタ718にリカバリ完了を示すフラグが書込まれている場合(ステップS292:YES)、ユーザプログラムの処理を開始する(ステップS293)。なお、ユーザプログラムの処理を開始させる手段として、たとえばユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信して当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段や、ユーザプログラムの処理を停止する停止手段を設け、当該停止手段を解除することで当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段などがある。
前述のように、主制御部161および払出制御部171は、リカバリ処理が完了するまでユーザプログラムの処理を開始しないため、リカバリ処理によって復帰させる情報が確定する前にユーザプログラムの処理による新たな情報が書込まれないようにすることでユーザプログラムの処理を適切に再開することができる。
<主制御部と払出制御部との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図60を参照して、主制御部161と払出制御部171との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図60には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、主制御部161から払出制御部171に対して電源投入通知という名称のコマンドが送信される。この電源投入通知のコマンドは、払出制御部171に対して電源が投入され通信が開始されることを通知するものである。払出制御部171から主制御部161に対して電源投入受信という名称のレスポンスが送信される。この電源投入受信のレスポンスは、主制御部161に対して電源投入通知を受信し、通信が開始されることの応答である。
次に、主制御部161から払出制御部171に対して遊技状態通知という名称のコマンドが送信される。この遊技状態通知のコマンドは、払出制御部171に対して遊技状態を通知するものである。払出制御部171から主制御部161に対して遊技状態応答という名称のレスポンスが送信される。この遊技状態応答のレスポンスは、主制御部161に対して遊技状態通知を受信したことの応答である。
<主制御部と払出制御部との間で処理される主なシーケンス>
次に、図61および図62に基づいて、主制御部161および払出制御部171で実行される処理による主制御部161と払出制御部171との間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<通信シーケンス>>
まず、図61を参照して、電源投入時、主制御部161と払出制御部171との間で処理されるシーケンスを説明する。図61に示すシーケンスは、主制御部161と払出制御部171との通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。
また、主制御部161と払出制御部171との通信は、主制御部161を一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は200msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。払出制御部171は、応答を送信してから1秒経過しても主制御部161からの要求コマンドが受信できなかった場合に「通信回線断」とし、遊技を停止させる。
さらに、払出制御部171は正常なデータを受信した場合のみ、主制御部161へ応答コマンドを送信する。主制御部161はポーリング間隔時間内に応答コマンドを受信しなかった場合、初回を含めて最大3回までコマンドを再送する。送受信に用いる通番は、主制御部161、払出制御部171ともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御部161と払出制御部171との間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、前述したように主制御部161および払出制御部171のチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタ611,711に書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161と払出制御部171との暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161と払出制御部171との通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
次に、主制御部161は、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171に送信する。払出制御部171は、通番をカウントアップせずに「n」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161に返信する。さらに、主制御部161は、通番を「n+1」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171に送信する。払出制御部171は、通番をカウントアップせずに「n+1」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161に返信する。
その後、主制御部161は、通番をカウントアップして「n+2」として、遊技状態通知のコマンドを払出制御部171へ送信する。そして、払出制御部171は、通番をカウントアップせずに「n+2」として、遊技状態受信のレスポンスを主制御部161へ返信する。
主制御部161と払出制御部171との通信において、通番「n」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔、通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+2」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔は、それぞれ200ms間隔である。
<<電源断後のシーケンス>>
次に、図62を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの処理について説明する。図62は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、払出制御部171の電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、遊技状態通知が未到達(主制御部161から払出制御部171へコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図62を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、主制御部161は、通番=nを含む遊技状態通知を払出制御部171に送信している。それを受けて、払出制御部171は、通番=nを含む遊技状態受信を主制御部161に送信する。
そして、遊技中において払出制御部171に電源断が発生した後に、通番=n+1を含む遊技状態通知が主制御部161から払出制御部171へ送信された場合に、払出制御部171が電源断の状態であるためにその遊技状態通知を受信できない。それ以降、払出制御部171からの遊技状態受信が送信されてこないために主制御部161は、1秒後に電源断が発生したとして通信を停止する制御を行なう。
その後、電源投入および主制御部161と払出制御部171との間で認証シーケンスが開始されると、主制御部161は、通番=1および主制御通番(前回最終送信通番)=n+1を含む電源投入通知を払出制御部171に送信する。払出制御部171は、電源断が発生する前に主制御部161に送信した遊技状態受信の通番が「n」であったため、払出制御部171でバックアップしている払出制御通番=nとなる。そのため、払出制御部171でバックアップしている払出制御通番=nと、主制御部161でバックアップしている主制御通番=n+1とが不一致である。払出制御部171は、通番が不一致であるとき、主制御部161から送信された電源投入通知に含まれるリカバリ遊技情報に基づき払出制御部171の情報をリカバリ処理する。その後、払出制御部171は、通番=1を含む電源投入受信を主制御部161に送信する。
主制御部161は、通番=2を含む遊技状態通知を払出制御部171に送信する。払出制御部171は、リカバリ処理後の内容で処理を行なうとともに、通番=2を含む遊技状態受信を払出制御部171に送信する。以降同様に、主制御部161は、通番=3を含む遊技状態通知を払出制御部171に送信する。払出制御部171は、通番=3を含む遊技状態受信を払出制御部171に送信する。
なお、前述のリカバリ処理は、通番が不一致であったので実施する構成であったが、リカバリ遊技情報に含まれる情報(たとえば、遊技情報数や賞球情報など)が主制御部161と払出制御部171とで不一致であってもリカバリ処理を行なってもよい。
<開放検出および接続検出の構成>
次に、本実施形態に係るP台2の開放検出および接続検出の構成について説明する。本実施形態に係るP台2は、ガラス扉6の開放検出、前枠5の開放検出、および前枠5と遊技盤26との接続検出を行なう構成を有している。図63は、本実施形態に係るP台2の開放検出および接続検出を説明するためのブロック図である。図63(a)に示す前枠5と遊技盤26とは、前枠5側に設けた凹型ドロアコネクタ33と遊技盤26側に設けた凸型ドロアコネクタ32とにより電気的に接続されている。前枠5は、ループ状の電力線500により直列に接続された開放検出部53、前枠中継基板52、払出制御基板17および凹型ドロアコネクタ33を有している。つまり、前枠5に設けられている開放検出部53、前枠中継基板52、払出制御基板17および凹型ドロアコネクタ33には電力線500が配線されており、それぞれの接続が切れる(例えば、断線やコネクタ外れなど)と、当該電力線500に電流が流れなくなる。遊技盤26は、凸型ドロアコネクタ32と、主制御基板16とを有している。凸型ドロアコネクタ32を凹型ドロアコネクタ33に接続することで、ループ状の電力線500に主制御基板16も直列に接続される。つまり、遊技盤26に設けられている凸型ドロアコネクタ32、および主制御基板16にも電力線500が配線されており、それぞれの接続が切れる(例えば、断線やコネクタ外れなど)と、当該電力線500に電流が流れなくなる。なお、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33は、接続が外れることで前枠5と遊技盤26との電気的な接続を検出することができる盤接続検出手段に対応する。
電力線500は、前枠5と遊技盤26との間で信号を送受信する信号ケーブル(たとえば、図3に示した信号ケーブル36など)内の配線に含まれている。そして、前枠5の信号ケーブルと遊技盤26の信号ケーブルとは、26ピンまたは32ピンの凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33により接続される。なお、図63(a)には、信号ケーブルは図示しておらず、ループ状の電力線500のみ図示してある。
図63(b)は、開放検出部53の構成を説明するためのブロック図である。開放検出部53は、開放検出スイッチ12a、電流検出器12bおよび計数カウンタ120を有している。開放検出スイッチ12aは、ガラス扉6の開放を検出するガラス扉開放検出スイッチ12および前枠5の開放を検出する前枠開放検出スイッチ13で、ガラス扉6または前枠5が開放されると(OFF状態)ループ状の電力線500の接続が切れるように直列に接続されている。なお、図63(b)では、説明を簡単にするために開放検出スイッチ12aを1つ図示した場合を示したが、実際の構成では、ガラス扉開放検出スイッチ12および前枠開放検出スイッチ13のそれぞれに対応して開放検出スイッチ12aが設けられている。
電流検出器12bは、ループ状の電力線500に対して直列に接続され、ループ状の電力線500に流れる電流を検出している。電流検出器12bは、ループ状の電力線500に流れる電流が検出されなくなると、開放検出スイッチ12aがOFF状態、または凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外れた状態であると検出することができる。電流検出器12bは、開放検出スイッチ12aがOFF状態、または凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外れた状態を検出すると、検出信号を計数カウンタ120に出力する。なお、電流検出器12bは、P台2の電源回路からメイン電源の電力が供給されるとともに、そのメイン電源がOFF(たとえば、夜間)になったとしても動作可能となるようにするためにバックアップ電源の電力が供給されている。
計数カウンタ120は、電流検出器12bからの検出信号に基づき、ガラス扉6の開放回数、前枠5の開放回数、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外された回数を計数する。図64は、図63(b)に示した計数カウンタ120の制御回路を示すブロック図である。図64を参照して、計数カウンタ120は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)10aと、そのCPU10aの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)10bと、CPU10aのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)10cと、I/Oポート(Input/Output Port)10dとが設けられている。
計数カウンタ120は、P台2の電源回路からメイン電源の電力が供給されるとともに、そのメイン電源がOFF(たとえば、夜間)になったとしても動作可能となるようにするためにバックアップ電源の電力が供給されている。また図4に示した払出制御基板17からクロック信号(CLK信号)とチップセレクト信号(CS信号)とが入力されるとともに、計数カウンタ120で計数した検出回数の値を示すデータ信号が払出制御部171へ出力される。
計数カウンタ120は、ガラス扉6の開放回数、前枠5の開放回数、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外された回数の合計を計数して検出回数の値を示すデータ信号を出力する。なお、計数カウンタ120は、ガラス扉6の開放回数、前枠5の開放回数、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外された回数を個別に検出して、計数できるように構成してもよい。また、遊技盤26の電力線500と主制御基板16の電力線500aとの接続部分が主制御接続検出手段として機能させることで、遊技盤26から主制御基板16を取外した回数も、計数カウンタ120で検出することができる。遊技盤26の電力線500と主制御基板16の電力線500aとの接続部分は、ドロアコネクタなどコネクタで接続されていても、直接はんだ付けされて接続されていてもよい。ここで、主制御基板16の電力線500aは、ループ状の電力線500の一部として構成されている。
次に、図65に基づいて、ガラス扉6または前枠5の開放、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続の外れの検出について説明する。図65(a)に示すP台2では、ガラス扉6または前枠5が開放され、開放検出部53と前枠中継基板52とが電気的に切断されている様子が示されている。開放検出部53と前枠中継基板52とが電気的に切断されることでループ状の電力線500に電流が流れなくなり、電流検出器12bがガラス扉6または前枠5の開放を検出することができる。
また、図65(b)に示すP台2では、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外され、凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33とが電気的に切断されている様子が示されている。凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33とが電気的に切断されることでループ状の電力線500に電流が流れなくなり(つまり、電力線500を構成する配線が切断されることにより電流が流れなくなり)、電流検出器12bが凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続の外れを検出することができる。図65に示したように、ガラス扉6または前枠5の開放検出スイッチ12aと、凸型ドロアコネクタ32および凹型ドロアコネクタ33の盤接続検出手段とがループ状の電力線500により直列に接続されている。そのため、開放検出部53は、ガラス扉6または前枠5の開放を検出するだけでなく、前枠5と遊技盤26との接続が外れたことも検出することができる。
次に、図66に基づいて、RAM10cに記憶されているデータの記憶状態と、CS信号およびCLK信号の入力に従ってデータ信号が出力される状態とを説明する。
RAM10c内には、1〜18の18ビット分のデータを記憶する記憶エリアが用意されている。図66のRAM10c内イメージの図において、1と2のビット記憶エリアは、CU3との断線時かあるいは断線されていない正常時かを記憶するエリアであり、正常時においては01が記憶され、電断時においては01以外の値が記憶される。
RAM10c内イメージの図において3〜8のビットデータ記憶エリアは、P台2の電源OFFの開始時点におけるガラス扉6または前枠5の開放回数、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外された(切断された)回数(以下、単に検出回数ともいう)を記憶する記憶値エリアである。この記憶値は、000000〜111110の範囲の値をとり、この範囲を超えたオーバフロー時には111111の値となる。
RAM10c内イメージにおける9〜14のビットデータ記憶エリアは、検出回数の現在値を記憶する現在値記憶エリア(現在値テーブル)である。この現在値は、000000〜111110の範囲の値をとる。この現在値記憶エリア(現在値テーブル)の記憶は、外部からの操作によって初期化されることがない。ただし、図67(c)に基づいて説明するように、P台2の電源がONになっている通常時では、現在値が上限まで達すると再度初期値からカウントアップされてループする。
RAM10c内イメージの図における15と16とのビットデータ記憶エリアは、電断時でない通常時においては01の値をとり、電断時においては10の値をとる。RAM10c内イメージの図における17と18のビットデータ記憶エリアは、検出回数を払出制御部171へ送信した後においては01の値をとり、送信する前においては10の値をとる。
図67(b)に基づいて後に詳しく説明するが、現在値記憶エリア(現在値テーブル)は、電断時(電源OFF時)においては、ガラス扉6または前枠5が開放される、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外される(以下単に、ガラス扉6または前枠5が開放等されるとも言う)毎に、3〜8の記憶エリアに記憶されている記憶値をnと表わす。ガラス扉6または前枠5が開放等される毎にn+1,n+2,…とカウントアップされ、その上限であるn+61までカウントアップされた後にさらにガラス扉6または前枠5が開放等されることにより63の値(一周フラグが立つ値)となり、それ以上のカウントアップは行なわれない状態となる。
そして、P台2の電源立上げ時に、図66に示すように1〜12の12ビットのデータとして払出制御部171へ出力される。このデータ出力は、図示1と2のビットデータが01のときには正常時、01以外のときにはCU3との断線時が示される。3〜8のビットデータでは、前述したオーバフロー時以外のときには、記憶値から現在値を引いた値を差分値としてその差分値(000000〜111110の範囲の値)が出力される。一方オーバフロー時においては、111111の値が出力される。
なお、現在値記憶エリア(現在値テーブル)がその上限であるn+61までカウントアップされた後にさらにガラス扉6または前枠5が開放等されることにより63の値(一周フラグが立つ値)となった後においても、カウントアップを継続してもよい。その場合には、払出制御部171へ出力時に最終カウント値を出力するのではなく前述のオーバフロー時の値「111111」を出力する。
9と10のビットデータは、通常時に01、電断時に10の値となっている。この9と10のビットデータの出力が10となっていることにより、たとえば夜間に計数カウンタ120が交換されたことがわかる。つまり、これら計数カウンタ120が交換されることによりそれら計数カウンタ120にメイン電源とバックアップ電源の両方が供給されない状態が生ずるために、その場合にこの9と10のビットデータが10となり、この10が出力されてくることにより払出制御部171において夜間に不正に計数カウンタ120が交換されたことを判別することが可能となる。
11と12のビットデータは、データを払出制御部171へ送信した後においては01となり送信する前においては10となっている。
次に、払出制御部171へ出力されるデータ信号と、払出制御基板17から入力されるCLK信号およびCS信号との関係を説明する。計数カウンタ120のRAM10cは、遊技場の営業が終了してP台2の電源をOFFにした後翌朝の営業開始時における電源立上げ時までの間における検出回数の現在値を記憶している。そして、P台2の電源が立上げられた後、払出制御部171が検出回数を入手するべくCS信号およびCLK信号を計数カウンタ120へ送信する。
CS信号とCLK信号とを受信した計数カウンタ120のCPU10aは、CS信号の立上げによりデータをCLK信号に合わせてCS信号の立下げまで繰返しループして払出制御部171へ出力する。払出制御部171は、繰返して送信されてきたデータ信号をたとえば3回読取って3回とも同一のデータであった場合に適正なデータ信号を受信したと判定する。
一方、図66に示すように、CS信号の立上がっている期間においてたとえば100μの間CLK信号がなかった場合(ローレベルになっている場合)、次のCLK信号の立上がりに合わせてデータを1ビット目から排出する制御が行なわれる。
この100μは、遊技機メーカが計数カウンタ120のレジスタに入力設定できるように構成されている。なお、遊技場側においてレジスタに入力設定できるように構成してもよい。
また、CS信号とCLK信号とが所定動作した後、一周フラグが立っている場合には計数カウンタ120のRAM10cの記憶値をクリアして値を000000にする制御が行なわれる。たとえば、CS信号がローレベルとなった後CLK信号が所定回数ON,OFFを繰返した段階で、CPU(レジスタ)10aの記憶値をクリアする。
なお、P台2の電源OFF時においてもガラス扉6または前枠5が開放等されることを検出してその計数値を記憶するためにメモリとしてバックアップ可能なRAMを用いているが、P台2が常に電源ONである場合には、RAMの代わりにレジスタを用いてもよい。
次に、図67に基づいて、計数カウンタ120のCPU10aの制御動作を説明する。まず図67(a)を参照して、ステップS(以下単にSと言う)1により、P台2のメイン電源がOFFでバックアップ電源がONになっているか否かの判断がなされる。遊技場における通常の営業時間であればメイン電源がONになっているために、S1によりNOの判断がなされて制御がS7へ進み、ガラス扉6または前枠5の開放に伴う検出信号の立上がりを契機として開放される毎にその開放回数をカウントアップする処理が行なわれ、および凸型ドロアコネクタ32と凹型ドロアコネクタ33との接続が外されたことに伴う検出信号の立上がりを契機として接続が外される毎にその回数をカウントアップする処理が行なわれる。このカウントアップは、図66で説明した現在値記憶領域(現在値テーブル)においてカウントアップされる。この電源ON時における通常時の現在値テーブルのカウントアップの対応が、図67(c)に示されている。現在値テーブルでは、0からカウントアップしてその上限である62までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すというように、カウント値がループするように計数される。そして、このS7によりカウントアップされた現在値テーブルの値が7セグ表示器50により表示される。
一方、遊技場の営業が終了してP台のメイン電源がOFFとなった後翌朝の営業開始時におけるメイン電源の立上げ時点までの間においては、S1によりYESの判断がなされて制御がS2へ進む。S2では、図66に示した現在値記憶領域(現在値テーブル)の値(現在値)を記憶する領域(図66の3〜8)に記憶値として記憶させる制御が行なわれる。次にS3により、以降、現在値テーブルにおいて、記憶値へ戻るまで、検出信号の立上がりを契機として、開放毎または接続が外される毎に現在値テーブルの現在値をカウントアップする制御が行なわれる。このメイン電源がOFFとなっている監視時における現在値テーブルのカウントアップ動作の態様が、図67(b)に示されている。記憶値をnとし、nからカウントアップしてその上限であるn+61までカウントアップし、その状態でさらに検出信号の立上がりがあれば一周フラグが立つ値として63を記憶する。そして、この一周フラグが立つ値まで記憶値が達すると、以降検出信号の立上がりがあってもカウント動作を何ら行なわず記憶値を「63」の値のまま保持する。
次に制御がS4へ進み、メイン電源がONでバックアップ電源がOFFになったか否かの判断がなされ、なるまでS3の動作を繰返し実行する。遊技場において翌朝の営業開始時にP台2のメイン電源を立上げたときに、S4によりYESの判断がなされて制御がS5へ進み、払出制御基板17からの呼出を契機に、RAMの記憶値と現在値とをもとに差分値を算出してその差分値を払出制御基板17へ出力する制御が行なわれる。この出力は、図66に基づいて説明したように、CS信号の立上がり中(ハイレベル中)は同データを常時繰返してループ状に出力する。またCLK信号は、前述したようにたとえば100μsでタイムアウトし、次のCLK信号の立上げに同期して1ビット目からデータを出力する制御が行なわれる。
次にS6により、データ出力(CS、CLK所定動作)後、一周フラグが立っている際には、そのフラグをクリアし、RAMの3〜8のビット記憶領域に記憶されている記憶値を0にクリアする。一方、一周フラグが立っていない場合には記憶値をクリアすることなくそのまま継続する制御が行なわれ、S7へ進む。
なお、前述のS6において、記憶値を0にクリアする前に、その記憶値を現在値に上書き保存した後その記憶値を0にクリアするように制御してもよい。また、記憶値の現在値への上書き保存や記憶値の0クリアを行なうタイミングは、電源投入時を契機にしてもよいが、その他、検出回数データの払出制御部171への送信後等、差分値のデータ等が正常に出力可能であればどのようなタイミングであってもよい。
次に、図68に基づいて、払出制御部171による計数表示処理の具体的制御内容を説明する。まずS10により、P台2の電源投入時に、計数カウンタ120からの差分値等のデータを受信する。次にS11により、その受信した値が一周フラグの立つ値(=63)であるか否かの判定がなされる。受信した値が一周フラグの立つ値(=63)でない場合には制御がS12へ進み、その受信値を7セグ表示器50に表示する制御が行なわれる。一方、受信した値が一周フラグの立つ値(=63)である場合には制御がS13へ進み、エラー番号を7セグ表示器50に表示する制御が行なわれる。このエラー番号は、夜間等のP台2の電源がOFFの期間中において、ガラス扉6や前枠5が開放されて現在値テーブルの計数値が一周する開放回数に達している異常を表わす番号である。次にS14により、CU3へそのエラー番号を送信する制御が行なわれる。CU3では、そのエラー番号を受信し、異常報知ランプ等により異常報知するとともに表示器312によりそのエラー番号を表示し、さらに上位装置(たとえばホール用管理コンピュータやホールサーバ801等)へそのエラー番号を送信する制御を行なう。
また、エラー番号を受信したCU3は、CU3自身であるいは上位装置からの指令を受けて、P台2による遊技を停止させたりあるいは一部の機能を制限させたりする制御を行なってもよい。
<P台の不正検知アラーム>
次に、P台2で不正を検知したことによるアラーム(報知)の制御について説明する。P台2で夜間に前枠5が開放されたり、P台2とCU3との回線断が生じたりする不正を検知した場合、P台2は、P台2自体に設けられた表示器やスピーカなどを用いて報知を行なうように設定しても、CU3(より具体的にはCU制御部323、以下、単にCU3と記載する)が報知を行なうように設定してもよい。たとえば、P台2で不正を検知した場合に、P台2がCU3に対してアラーム設定を要求する通知を行ない、CU3は当該通知に基づきアラーム設定を保持する。CU3は、アラーム設定を保持している間、設けられた表示器やスピーカなどを用いてアラーム報知を行なう。
図69は、電源オン/オフ時にP台の不正検知アラームについて説明するための図である。図69には、P台2で夜間に前枠5が開放されたことを検知する夜間枠開放フラグ、P台2とCU3との回線断が生じたことを検知するP台回線断フラグ、CU3でのアラーム設定状態を示すCUアラーム設定、およびアラーム設定に基づくCU3での報知状態を示すCUアラーム報知の時間変化が図示されている。まず、図69を参照して、本実施の形態以前(従来)のP台の不正検知アラームの制御について説明する。P台2で夜間に前枠5が開放されると前枠開放検出スイッチ13が前枠5の開放を検出して、P台2に対する不正を検知する。図69に示す夜間枠開放フラグは、P台2で夜間に前枠5が開放されたことを検知したタイミングでHレベルとなる。P台2は、不正を検知すると当該不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3に通知する。CU3は、当該通知に基づき図69に示す夜間枠開放のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3は、当該アラーム設定により図69に示す夜間枠開放のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3は、夜間枠開放のアラーム報知(従来)として表示器54で異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
次に、P台2の電源がオフ状態となり、P台2とCU3との通信において回線断が生じると、図69に示すP台回線断フラグがHレベルとなる。そして、P台2は、P台回線断(オフ状態)に基づくアラーム設定の要求をCU3に通知する。つまり、P台2は、CU3との通信が正常であるとき一定の間隔でCU3に対して所定の信号(たとえば、クロック信号)を送信しているが、P台2の電源がオフ状態となりP台2からCU3へ所定の信号が送信できなくなる。このことにより、P台2(特に、払出制御部171)は、CU3(特に、通信制御IC325a)との回線断(オフ状態)を検知し、CU3の通信制御IC325aは、P台2から信号を受取れなくなったことで回線断(オフ状態)の検知に基づくアラーム設定がP台2から通知されたものと見なすことができる。
CU3は、P台2からの通知に基づき図69に示すP台回線断のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3は、P台回線断(オフ状態)のアラーム設定により図69に示す夜間枠開放に替えてP台回線断のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3は、P台回線断のアラーム報知(従来)として表示器54で異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
P台2の電源がオフ状態になると、図69に示す夜間枠開放フラグがリセットされLレベルとなる。なお、図69に示す例では、P台2の電源がオフ状態からオン状態になるまでの間に前枠5が閉じられているので、電源がオン状態になっても夜間枠開放フラグはLレベルのままである。しかし、P台2は、電源がオフ状態の間、夜間枠開放フラグがLレベルになったことにより夜間枠開放のアラーム設定を解除するための解除設定をCU3に通知することができない。そのため、図69に示す夜間枠開放のアラーム設定(従来)は、P台2の電源がオフ状態になった後も解除されずに保持されることになる。
その後、P台2の電源がオン状態となると、図69に示すP台回線断フラグがLレベルとなる。P台2は、P台回線断(オフ状態)のアラーム設定を解除する解除設定の要求をCU3に通知する。つまり、P台2は、オフ状態によりCU3との通信が行なわれていないとき所定の信号が送信されていないが、P台2の電源がオン状態となるとP台2からCU3へ一定の間隔で所定の信号が送信され始める。このことにより、P台2(特に、払出制御部171)は、CU3の通信制御IC325aとの回線復旧を検知し、CU3(特に、通信制御IC325a)は、P台2から信号を受取ることで回線断(オフ状態)の検知に基づくアラーム設定を解除する解除設定がP台2から通知されたものと見なすことができる。
CU3は、P台2からの通知に基づき図69に示すP台回線断のアラーム設定(従来)の解除が行なわれ、当該アラーム設定が解除される。CU3は、P台回線断(オフ状態)のアラーム報知(従来)を停止する。一方、CU3は、P台回線断(オフ状態)のアラーム設定(従来)と無関係に、夜間枠開放のアラーム設定(従来)が継続して維持されている。この夜間枠開放のアラーム設定(従来)は、P台2とCU3との通信が開始されて当該アラーム設定の解除信号がP台2からCU3に通知されるまで保持され続ける(夜間枠開放解除)。そのため、CU3は、図69に示す回線断(オフ状態)のアラーム報知(従来)が停止しても、夜間枠開放のアラーム報知(従来)が継続して行なわれてしまう不具合があった。つまり、回線断(オフ状態)のアラーム報知(従来)と、夜間枠開放のアラーム報知(従来)とが同じ報知手段を利用しているのであれば、店員はP台2の電源をオン状態にしたにもかかわらず報知が継続しているものと誤認する可能性があった。
次に、本実施の形態のP台の不正検知アラームの制御について説明する。本実施の形態では、P台2が不正を検知すると不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3に通知する。CU3は、当該通知に基づき図69に示す夜間枠開放のアラーム設定(本実施)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3は、当該アラーム設定により図69に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を行なう。具体的に、CU3は、夜間枠開放のアラーム報知(本実施)として表示器54で異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
さらに、P台2の電源がオフ状態となり、P台回線断(オフ状態)に基づくアラーム設定の要求をCU3に通知する場合、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する解除設定もCU3に通知したものとみなす。そのため、CU3は、当該通知に基づき図69に示すP台回線断(オフ状態)のアラーム設定(本実施)を行なうとともに、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する。つまり、CU3は、図69に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を停止させてから、回線断(オフ状態)のアラーム報知(本実施)を行なう。よって、CU3は、P台2の電源がオン状態となり、図69に示す回線断(オフ状態)のアラーム設定(本実施)が解除され当該アラーム報知が停止すると、すべてのアラーム報知が停止した状態となる。つまり、本実施の形態は、夜間枠開放のアラーム報知(従来)がP台2の電源がオン状態になった後も継続して行なわれる不具合を改善することができる。たとえ回線断(オフ状態)のアラーム報知と、夜間枠開放のアラーム報知とが同じ報知手段であっても、店員はP台2の電源をオン状態にしたことで報知が停止するので誤認する可能性を軽減することができる。
次に、図70は、断線時にP台の不正検知アラームについて説明するための図である。図70には、P台2で夜間に前枠5が開放されたことを検知する夜間枠開放フラグ、P台2とCU3との回線断が生じたことを検知するP台回線断フラグ、CU3でのアラーム設定状態を示すCUアラーム設定、およびアラーム設定に基づくCU3での報知状態を示すCUアラーム報知の時間変化が図示されている。まず、図70を参照して、本実施の形態以前(従来)のP台の不正検知アラームの制御について説明する。P台2で夜間に前枠5が開放されると前枠開放検出スイッチ13が前枠5の開放を検出して、P台2に対する不正を検知する。図70に示す夜間枠開放フラグは、P台2で夜間に前枠5が開放されたことを検知したタイミングでHレベルとなる。P台2は、不正を検知すると当該不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3に通知する。CU3は、当該通知に基づき図70に示す夜間枠開放のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3は、当該アラーム設定により図70に示す夜間枠開放のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3は、夜間枠開放のアラーム報知(従来)として表示器54で異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
次に、P台2とCU3との通信配線に断線が生じて、P台2とCU3との通信において回線断が生じると図70に示すP台回線断フラグがHレベルとなる。そして、CU3はP台回線断(断線)に基づくアラーム設定の要求をP台2から受取る。つまり、P台2は、CU3との通信が正常であるとき一定の間隔でCU3に対して当該通信配線を介して所定の信号(たとえば、クロック信号)を送信しているが、当該通信配線が断線することでP台2からCU3へ所定の信号が送信できなくなる。このことにより、P台2(特に、払出制御部171)は、CU3(特に、通信制御IC325a)との回線断(断線)を検知し、CU3の通信制御IC325aは、P台2から信号を受取れなくなったことで回線断(断線)の検知に基づくアラーム設定がP台2から通知されたものと見なすことができる。また、CU3は、回線断(断線)の検知に基づくアラーム設定の通知を、設定してある不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定を解除する解除設定の通知と見なして当該設定を解除する。
CU3は、P台2からの通知に基づき図70に示すP台回線断のアラーム設定(従来)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3は、P台回線断(断線)のアラーム設定により図70に示す夜間枠開放に替えてP台回線断のアラーム報知(従来)を行なう。具体的に、CU3は、P台回線断のアラーム報知(従来)として表示器54で異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
P台2とCU3との通信において回線断が生じても、前枠5の開放状態が継続されているので図70に示す夜間枠開放フラグはHレベルのままである。なお、図70に示す例では、通信配線の断線が復旧(断線復旧)してP台2とCU3との通信が開始されても前枠5の開放状態が継続しているので、断線復旧時以降も夜間枠開放フラグはLレベルのままである。
その後、当該通信配線の断線が復旧することでP台2とCU3との通信が行なわれると図70に示すP台回線断フラグがLレベルとなる。CU3は、P台回線断(断線)のアラーム設定を解除する解除設定をP台2から受取る。つまり、P台2は、断線によりCU3との通信が行なわれていないとき所定の信号が送信されていないが、断線が復旧するとP台2からCU3へ一定の間隔で所定の信号が送信され始める。このことにより、P台2(特に、払出制御部171)は、CU3の通信制御IC325aとの回線復旧を検知し、CU3(特に、通信制御IC325a)は、P台2から信号を受取ることで回線断(断線)の検知に基づくアラーム設定を解除する解除設定がP台2から通知されたものと見なすことができる。
CU3は、P台2からの通知に基づき図70に示すP台回線断のアラーム設定(従来)の解除が行なわれ、当該アラーム設定が解除される。CU3は、P台回線断(断線)のアラーム報知(従来)を停止する。一方、CU3は、P台回線断(断線)のアラーム設定(従来)と無関係に、夜間枠開放のアラーム設定(従来)が継続して維持されている。この夜間枠開放のアラーム設定(従来)は、CU3との断線が復旧後も継続して保持され続ける。そのため、CU3は、図70に示す回線断(断線)のアラーム報知(従来)が停止しても、夜間枠開放のアラーム報知(従来)が継続して行なわれてしまう不具合があった。つまり、回線断(断線)のアラーム報知(従来)と、夜間枠開放のアラーム報知(従来)とが同じ報知手段を利用しているのであれば、店員はP台2とCU3との断線が復旧したにもかかわらず報知が継続しているものと誤認する可能性があった。
次に、本実施の形態のP台の不正検知アラームの制御について説明する。本実施の形態では、P台2が不正を検知すると不正(夜間枠開放)に基づくアラーム設定の要求をCU3に通知する。CU3は、当該通知に基づき図70に示す夜間枠開放のアラーム設定(本実施)が行なわれ、当該アラーム設定が保持される。CU3は、当該アラーム設定により図70に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を行なう。具体的に、CU3は、夜間枠開放のアラーム報知(本実施)として表示器54で異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。
さらに、P台2とCU3との通信において回線断が生じて、P台回線断(断線)に基づくアラーム設定の要求をCU3に通知する場合、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する解除設定もCU3に通知する。そのため、CU3は、当該通知に基づき図70に示すP台回線断(断線)のアラーム設定(本実施)を行なうとともに、夜間枠開放のアラーム設定(本実施)を解除する。つまり、CU3は、図70に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を停止させてから、回線断(断線)のアラーム報知(本実施)を行なう。よって、CU3は、通信配線の断線が復旧してP台2とCU3との通信が開始され、図70に示す回線断(断線)のアラーム設定(本実施)が解除され当該アラーム報知が停止すると、すべてのアラーム報知が停止した状態となる。つまり、本実施の形態は、夜間枠開放のアラーム報知(従来)が断線復旧後も継続して行なわれる不具合を改善することができる。たとえ回線断(断線)のアラーム報知と、夜間枠開放のアラーム報知とが同じ報知手段であっても、店員はP台2の電源をオン状態にしたことで報知が停止するので誤認する可能性を軽減することができる。
なお、P台2において前枠5の開放状態がCU3との断線が復旧後も継続している場合(夜間枠開放保持)、P台2とCU3との通信が開始されて当該夜間枠開放に基づくアラーム設定がP台2からCU3に再度通知される。CU3は、再度通知されたP台回線断(断線)のアラーム設定により図70に示す夜間枠開放のアラーム報知(本実施)を行なう。具体的に、CU3は、夜間枠開放のアラーム報知(本実施)として表示器54で異常を報知したり、上位サーバに異常信号を送信して報知を行なったりする。つまり、回線断(断線)のアラーム報知と、夜間枠開放のアラーム報知とが同じ報知手段であっても、店員はP台2とCU3との断線が復旧したことで報知が停止し、その後P台2とCU3との通信が開始されてから回線断(断線)に基づくアラーム設定による報知が行なわれるので両方の報知を誤認する可能性を軽減することができる。
さらに、P台2とCU3との断線が復旧した後P台2とCU3との通信が開始されるまでの時間が短い場合、前述の構成であっても店員が両方の報知を誤認する可能性がある。そこで、P台2は、回線断(断線)のアラーム設定を解除してから所定の期間を経過後に、改めて夜間枠開放のアラーム設定を行ないCU3に通知する。これにより、P台2とCU3との断線が復旧した後P台2とCU3との通信が開始されるまでの時間が短い場合でも店員が両方の報知を誤認することを確実に防止することができる。
前述の実施の形態では、P台2に対する不正の検知として夜間に前枠5が開放されることを検知する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、P台2に対する不正の検知であれば賞球ゴト検知、不正加算検知、不正入賞検知、および電波センサ検知などであってもよい。また、前述の実施の形態では、P台2で不正を検知しアラーム設定の要求をCU3に通知する場合について説明したが、P台2で不正を検知し当該検知結果をCU3に通知することでCU3でアラーム設定を行なう構成でもよい。さらに、前述の実施の形態では、P台回線断をP台2で検知しアラーム設定の要求をCU3に通知する場合について説明したが、CU3でP台回線断を検知してアラーム設定を行なってもよい。
<カードユニットが行なう集計処理>
次に、本実施の形態に係るCU3は、P台2から受信した状態情報応答のレスポンスを用いて、パチンコ玉が各領域を通過した回数および割合を発射強度別に集計する集計処理を行なうことについて説明する。
図71は、CU3(より具体的にはCU制御部323)が行なう集計処理の手順を示すフローチャートである。
ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10にて、CU3は、P台2より状態情報応答のレスポンスを受信したか否かを判定する。状態情報応答のレスポンスを受信した場合(S10にてYES)は処理がS11に移され、そうでない場合(S10にてNO)は処理がS15に移される。
S11にて、CU3は、発射強度の補正処理を行なう。なお、この処理は、ハンドル操作量が略零(ハンドル非操作時の値)である場合の発射強度Tを0(最小値)に補正する処理である。この補正処理を行なうことによって、打球操作ハンドル25の遊びやガタ等によりハンドル操作量と発射強度Tとの間にばらつきが存在する場合であっても、発射強度Tを正確に検出することができる。
図72は、発射強度の補正処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
S111にて、CU3は、P台2の電源投入直後であるか否かを判定する。たとえば、CU3は、電源投入時の接続シーケンスの処理が行なわれている場合に、P台2の電源投入直後であると判定する。
P台2の電源投入直後である場合(S111にてYES)、CU3は、S112にて、現時点の発射強度Tを初期発射強度T0として内部メモリに記憶する。初期発射強度T0とは、ハンドル操作量が0である時の発射強度Tである。すなわち、CU3は、P台2の電源投入直後はハンドル操作量が0であるものとし、その値を内部メモリに記憶する。その後、処理はS114に移される。
一方、P台2の電源投入直後でない場合(S111てNO)、CU3は、S113にて、内部メモリに記憶されている初期発射強度T0を読み出す。その後、処理はS114に移される。
S114にて、CU3は、現時点の発射強度Tから初期発射強度T0を減じた値を、補正後の発射強度Tとして算出する。その後、集計処理を行なうために処理は図71のS12に移される。この補正処理後の発射強度Tを用いて以下の集計処理が行なわれるため、集計処理精度が向上される。
図71に戻って、CU3は、S12にて、集計処理を中断すべき期間(以下、集計中断期間という)中であるか否かを判定する。
図73は、発射強度Tの変化と集計中断期間との関係を例示した図である。図73に示す例では、比較的小さい値で安定していた発射強度Tが時刻t1で増加し始め、時刻t3で最大値「99」に達し、時刻t3以降も最大値「99」に維持されている。
発射強度Tが変化するとパチンコ玉の通過領域も変化するが、変化後の発射強度Tで発射されたパチンコ玉の通過領域が検出されるまでにはタイムラグが存在する。そのため、発射強度Tが変化した場合、その後に発射強度Tの変化が安定した(ある値に収束した)としても、しばらくの間(上記のタイムラグに相当する時間)は発射強度Tとパチンコ玉の通過領域との対応関係が不安定となり、集計処理結果の信頼性が低下する可能性がある。そこで、本実施の形態においては、発射強度Tが所定量変化した時点から所定期間が経過する時点までの期間を集計中断期間とする。なお、「所定量」および「所定期間」については、固定値としてもよいし、外部から任意に設定および変更可能な可変値としてもよい。
図73では、集計中断期間を例示してある。図73には、集計中断期間として、期間αが例示されている。この期間αは、発射強度Tがしきい値T1よりも低い値からしきい値T1に達する量(上記の「所定量」)だけ増加した時刻t1から上記の「所定期間」が経過した時刻t4までの期間である。なお、「所定期間」は、期間αの開始時点から、期間αの開始後に発射強度Tが安定しかつ発射強度Tの安定前に発射されたパチンコ玉がすべて遊技領域27を通過し終えると予測される時点までの期間よりも長い期間であることが望ましい。
なお、図73には、他の集計中断期間の例として、期間β,γも例示されている。期間βは、発射強度Tが変化し始めた時点(時刻t1)から次に発射強度Tが安定し始める時点(時刻t3)までの期間である。期間γは、発射強度Tが変化し始めた後、次に安定し始めた時刻t3から所定期間が経過した時刻t5までの期間である。なお、期間γの設定に用いられる「所定期間」も、期間αの設定に用いられる「所定期間」と同様の考え方で設定することができる。期間β,γの少なくともいずれかを期間αに適宜組み合わせた期間を集計中断期間としてもよい。
図71に戻って、集計中断期間中である場合(S12にてYES)、CU3は、S14にて、集計処理を中断する。その後、処理はS15に移される。
一方、集計中断期間中でない場合(S12にてNO)、CU3は、S13にて、パチンコ玉が各領域を通過した回数および割合を発射強度別に集計する処理を実行する。その後、処理はS15に移される。
図74〜図77は、集計処理の結果で得られる集計データの内容を例示した図である。
図74に示す集計データでは、各領域(具体的には、始動入賞口275,276,277、普通入賞口272,273,274、大入賞口271、確変入賞口271a)の通過回数が、発射強度T別(図74に示す例では発射強度Tの可変領域0〜99を10ごとに区切った領域別、図75〜図77についても同様)に集計されている。
図75、図76に示す集計データでは、各領域(具体的には、始動入賞口275,276,277、普通入賞口272,273,274、大入賞口271)の通過割合が、発射強度T別に集計されている。なお、図75では、各領域の合計通過回数を100パーセントとしたときの各領域の通過割合が発射強度T別に示されている。これに対し、図76では、各領域の発射強度T別の合計通過回数をそれぞれ100パーセントとしたときの各領域の通過割合が発射強度T別に示されている。
図77に示す集計データでは、各領域(具体的には、始動入賞口275,276,277、普通入賞口272,273,274、大入賞口271、確変入賞口271a)の通過回数をそれぞれ100パーセントとしたときの各領域の通過割合が発射強度T別に集計されている。なお、図77において、確変入賞口271aの通過割合を示す欄の括弧内に示された割合は、大入賞口271の通過回数を100パーセントとしたときの確変入賞口271aの通過割合(すなわち、大入賞口271の通過回数に対する確変入賞口271aの通過回数の割合)を発射強度T別に示したものである。
図74〜図77に示すような集計データを参照することにより、発射強度Tとパチンコ玉の通過領域との対応関係(発射強度Tに応じてパチンコ玉がどの領域を通過し易いのか)を適切に把握することができる。そのため、P台2を設置している店舗側では、これらの集計結果を参照してP台2の釘調整を行なうことができる。
なお、図74〜図77に示す集計データは、あくまで例示であれって、これに限定されるものではない。また、必ずしも図74〜図77に示す集計データをすべて集計する必要はなく、必要に応じて適宜選択するようにしてもよい。
図71に戻って、S15にて、CU3は、集計結果の表示要求の有無を判定する。なお、集計結果の表示要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3、P台2、ホールサーバ801などに入力される。集計結果の表示要求があった場合(S15にてYES)は処理がS16に移され、そうでない場合(S15にてNO)は処理が終了する。
S16にて、CU3は、集計結果(図74〜図77に示したような集計データ)を表示する。なお、表示場所は、たとえば表示器54であってもよいし、他の図示しないディスプレイであってもよい。
以上のように、本実施の形態に係るCU3は、P台2から受信した状態情報応答のレスポンスを用いて、パチンコ玉が各領域を通過した回数および割合を発射強度T別に集計する集計処理を行なう。これにより、発射強度Tに応じて、パチンコ玉がどの領域を通過し易いか(あるいは通過し難いか)を把握することができる。そのため、集計結果をP台2の釘調整に利用することができる。
特に、本実施の形態に係るP台2のように、上撃ち構造を有するパチンコ機においては、下撃ち構造を有するパチンコ機に比べて、パチンコ玉が発射されてから遊技領域27に入るまでの距離が短いため、発射強度Tの変化に対してパチンコ玉の通過領域がより大きく変化する傾向にある。このような上撃ち構造を有するP台2において、発射強度Tと通過領域との対応を集計するため、釘調整に非常に有効である。
<カードユニットが行なう発射異常判定処理>
本実施の形態に係るCU3は、P台2から受信した状態情報応答のレスポンスに含まれる発射強度T等の信号を用いて、パチンコ玉の発射異常(カラ打ち異常)の有無を判定する発射異常判定処理を行なう。ここで、カラ打ち異常とは、発射装置にパチンコ玉が供給されていない状態であるのに発射モータ18が作動している異常である。カラ打ち異常は、ハンドル操作量が略零よりも大きい状態で打球操作ハンドル25を固定装置などによって固定したまま遊技者が離席した場合などに生じ得る。
図78は、CU3(より具体的にはCU制御部323)が行なう発射異常判定処理の手順を示すフローチャートである。
S20にて、CU3は、発射強度Tが0(最小値)よりも大きいか否かを判定する。発射強度Tが0よりも大きい場合(S20にてYES)は処理がS21に移され、そうでない場合(S20にてNO)は処理が終了する。
S21にて、CU3は、発射玉数およびアウト口通過玉数が変化しているか否かを判定する。なお、CU3は、遊技開始直後に常に異常と判定されるのを回避するため、発射強度Tが0(最小値)よりも大きいと判定されてから一定時間が経過した後に、発射玉数およびアウト口通過玉数が変化しているか否かを判定する。
発射玉数およびアウト口通過玉数が変化している場合(S21にてYES)、CU3は、S22にて、発射正常である(すなわちカラ打ち異常が生じていない)と判定する。
一方、発射玉数およびアウト口通過玉数の少なくとも一方が変化していない場合(S22にてNO)、CU3は、S23にて、発射異常である(すなわちカラ打ち異常が生じている)と判定する。
このように、本実施の形態に係るCU3は、発射強度Tが0(最小値)よりも大きくかつ発射玉数およびアウト口通過玉数が変化しない場合、パチンコ玉の発射異常であると判定する。そのため、発射異常(カラ打ち異常)を適切に検出することができる。
<カードユニットが行なう打込領域特定処理>
本実施の形態に係るCU3は、P台2から受信した状態情報応答のレスポンスに含まれる発射強度T等の信号を用いて、パチンコ玉が遊技領域27のどの領域に打ち込まれたかを特定する打込領域特定処理を行なう。
図79は、CU3(より具体的にはCU制御部323)が行なう打込領域特定処理の手順を示すフローチャートである。
S30にて、CU3は、打込領域特定要求の有無を判定する。なお、打込領域特定要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3、P台2、ホールサーバ801などに入力される。打込領域特定要求があった場合(S30にてYES)は処理がS31に移され、そうでない場合(S30にてNO)は処理が終了される。
S31にて、CU3は、打込領域を特定するために用いられる「発射強度しきい範囲」を設定する処理(以下、しきい範囲設定処理という)を行なう。
図80は、打込領域と発射強度しきい範囲との対応を例示した図である。図80においては、打込領域が「右打領域」、「左打領域」、「ぶっ込み領域」に分けられている。なお、本実施の形態において、「右打領域」とは遊技領域27の右側の領域であり、「左打領域」とは遊技領域27の左側の領域である。また、「ぶっ込み領域」とは、この領域にパチンコ玉が打ち込まれることでパチンコ玉が始動入賞口276の方へ流れやすいとされる領域である。「ぶっ込み領域」は、一般的には可変表示装置278の左上周辺に配置されるが、釘構成により位置調整が可能である。
図80に示すように、各打込領域に対して、発射強度しきい範囲がそれぞれ設定されている。具体的には、右打領域特定用の発射強度しきい範囲AR(下限値ARlow〜上限値ARhi)、左打領域特定用の発射強度しきい範囲AL(下限値ALlow〜上限値ALhi)、ぶっ込み領域特定用の発射強度しきい範囲AB(下限値ABlow〜上限値ABhi)である。これらの発射強度しきい範囲AR、AL、ABは、CU3の内部メモリ(ROMあるいはRAM)に記憶されている。
図81は、しきい範囲設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
S311にて、CU3は、発射強度しきい範囲の変更要求の有無を判定する。なお、この変更要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3、P台2、ホールサーバ801などに入力される。
変更要求があった場合(S311にてYES)、CU3は、S312にて、発射強度しきい範囲を変更する。なお、具体的な変更(どのしきい範囲をどの程度変更するか)については、たとえば変更要求を行なった店員が手動操作またはダウンロードによって入力した値に従って行なわれる。なお、変更後の発射強度しきい範囲は、CU3の内部メモリに記憶(更新)される。その後、処理は図79のS32に移される。
一方、変更要求がない場合(S311にてNO)、CU3は、S313にて、内部メモリに記憶されている発射強度しきい範囲を読み出す。その後、処理は図79のS32に移される。
図79に戻って、S32にて、CU3は、P台2から発射強度Tを受信する。その後、CU3は、S33にて、受信した発射強度Tと発射強度しきい範囲とを比較した結果で、
パチンコ玉が遊技領域27のどの領域に打ち込まれたかを特定する。具体的には、発射強度Tがしきい範囲ARに含まれる(下限値ARlow以上かつ上限値ARhi未満である)場合、打込領域を「右打領域」と特定する。発射強度Tがしきい範囲ALに含まれる(下限値ALlow以上かつ上限値ALhi未満である)場合、打込領域を「左打領域」と特定する。発射強度Tがしきい範囲ABに含まれる(下限値ABlow以上かつ上限値ABhi未満である場合)、打込領域を「ぶっ込み領域」と特定する。
このように、本実施の形態に係るCU3は、発射強度Tが発射強度しきい範囲に含まれるか否かに応じて、パチンコ玉の打込領域を特定する。これにより、発射強度Tに応じて、遊技者がどの領域を狙って打ち込んでいるかを特定することができる。
なお、本実施の形態では、発射強度Tが発射強度しきい範囲に含まれるか否かに応じてパチンコ玉の打込領域を特定したが、発射強度Tがしきい値以上であるか否かに応じてパチンコ玉の打込領域を特定するようにしてもよい。
また、ぶっこみ領域は右打領域または左打領域の一部と重なっている領域であるので、ぶっこみ領域の発射強度しきい範囲も、右打領域または左打領域の発射強度しきい範囲と、一部、重なっている。このため、打込領域の特定においては、右打領域または左打領域に加えて、ぶっこみ領域と特定される場合がある。
<カードユニットが行なう計測処理>
本実施の形態に係るCU3は、P台2から受信した状態情報応答のレスポンスに含まれる発射強度T等の信号を用いて、遊技者が遊技を開始してから可変表示装置278の図柄が変動し始めるまでの時間を計測する計測処理を行なう。
図82は、CU3(より具体的にはCU制御部323)が行なう計測処理の手順を示すフローチャートである。
S40にて、CU3は、P台2より変動中信号を受信したか否かを判定する。変動中信号を受信している場合(S40にてYES)、処理は終了される。
一方、変動中信号を受信していない場合(S40にてNO)、CU3は、S41にて、発射強度Tが0から増加し始めたか否か(すなわち遊技者が遊技を開始したか否か)を判定する。発射強度Tが0から増加し始めていない場合(S41にてNO)、処理は終了される。
発射強度Tが0から増加し始めた場合(S41にてYES)、CU3は、S42にて、時間計測を開始する。
時間計測を開始した後、CU3は、S43にて、P台2より変動中信号を受信したか否か(すなわち可変表示装置278の図柄が変動し始めたか否か)を判定する。変動中信号を受信していない場合(S43にてNO)、CU3は、処理をS44に移し、時間計測を継続する。その後、処理はS43に戻され、変動中信号を受信するまで時間計測が継続される。
変動中信号を受信した場合(S43にてYES)、CU3は、S45にて、時間計測を終了する。この結果、CU3は、遊技者が遊技を開始してから可変表示装置278の図柄が変動し始めるまでの時間を計測することができる。
このように、本実施の形態に係るCU3は、変動中信号を受信していない状態で発射強度Tが略零から増加し始めた時点(すなわち遊技者が遊技を開始した時点)から、次に変動中信号を受信した時点(すなわちパチンコ玉が始動入賞口275,276,277のいずれかに入賞して可変表示装置278の図柄が変動し始めた時点)までの時間を計測する。これにより、遊技者が遊技を始めてから、どの程度の時間でパチンコ玉が始動入賞口275,276,277のいずれかに入賞して可変表示装置278の図柄が変動し始めるのかを把握することができる。
<ホール用管理コンピュータおよび中央管理装置を含むシステム>
次に、ホール用管理コンピュータおよび中央管理装置を含むシステムについて説明する。
図83は、ホール用管理コンピュータ(以下、ホールコンという)900および中央管理装置1000を含むシステムを説明するためのブロック図である。
1つの遊技場には、複数のP台2およびCU3が設置されるとともに、これらの複数のP台2およびCU3に接続されるホールサーバ801およびホールコン900がそれぞれ1つずつ設置されている。
ホールコン900は、ホールサーバ801に直接接続されている。ホールコン900は、図示しない演算装置および内部メモリを備え、当該内部メモリに記憶されたデータ等に基づいて所定の演算処理を実行するように構成される。ホールサーバ801は、複数のCU3と接続されており、複数のCU3からの出力信号を取りまとめてホールコン900に送信する。
中央管理装置1000は、各遊技場とは別の場所に設置される。中央管理装置1000は、複数の遊技場にそれぞれ設置される複数のホールコン900と通信可能に接続される。中央管理装置1000は、各遊技場のCU3が上述の集計処理によって集計した複数の集計データ(図74〜図77参照)を、P台2の機種別に、複数の遊技場から取得して管理する。
<ホールコンが行なうまとめ集計処理>
ホールコン900は、自店(自らが設置された遊技場)内の各CU3が行なった集計処理の結果(上述の図74〜図77参照)を機種別および遊技機別に集約する処理(以下、まとめ集計処理という)を行なう。
図84は、ホールコン900が行なうまとめ集計処理の手順を示すフローチャートである。
S50にて、ホールコン900は、自店内の各CU3が行なった集計処理の結果を、遊技機の機種および台番号に対応付けて集約する。なお、集約するタイミングについては、たとえば各CU3が集計処理を行なう毎に集約するようにしてもよいし、当日の営業終了時に一括して集約するようにしてもよい。
S51にて、ホールコン900は、集約されたデータを用いて、まとめ集計処理を実行する。
図85は、まとめ集計処理の結果で得られる、まとめ集計データの内容を例示した図である。図85に示すように、ホールコン900は、各CU3による集計処理の結果(上述の図74〜図77に例示した集約データ参照)を、遊技機の機種(機種X、機種Y、機種Z…)別および台番号(001,002…)別に集約する。さらに、ホールコン900は、図85に示すように、機種別の合計および平均も併せて集計する。
図84に戻って、S52にて、ホールコン900は、まとめ集計結果の表示要求の有無を判定する。なお、まとめ集計結果の表示要求は、たとえば自店の店員によって入力される。まとめ集計結果の表示要求があった場合(S52にてYES)は処理がS53に移され、そうでない場合(S52にてNO)は処理が終了する。
S52にて、ホールコン900は、まとめ集計結果を表示する。なお、表示場所は、たとえば図示しないディスプレイであってもよい。
以上のように、本実施の形態に係るホールコン900は、自店内の各遊技機の集計処理の結果を、機種別および遊技機(台番号)別に集約する。この集約結果を参照することで、自店内の各遊技機の釘調整の状態を一括して把握することができる。そのため、この集約結果を、自店内の各遊技機の釘調整の全体のバランスを決めるのに有効に利用することができる。
<ホールコンが行なうしきい範囲記憶処理>
ホールコン900は、自店内の各CU3がしきい値範囲設定処理(図81のフロー参照)を行なう際に用いられる発射強度しきい範囲(図80参照)を、各CU3から取得して機種別および遊技機別に記憶する処理(以下、しきい範囲記憶処理という)を行なう。
図86は、しきい範囲記憶処理によってホールコン900の内部メモリに記憶されるデータを例示した図である。図86に示すように、ホールコン900は、各打込領域に対する発射強度しきい範囲を、遊技機の機種(機種X、機種Y、機種Z…)別および台番号(001,002…)別に記憶する。
これにより、遊技場内の各遊技機の釘調整の状態(発射強度しきい範囲)を一括して管理することできる。
<ホールコンが行なう他店機種別表示処理>
ホールコン900は、他店(自らが設置された遊技場とは別の遊技場)の機種別の集計データを中央管理装置1000から取得して表示する処理(以下「他店機種別表示処理」という)を行なう。
図87は、ホールコン900が行なう他店機種別表示処理の手順を示すフローチャートである。
S60にて、ホールコン900は、他店機種別データ表示要求があるか否かを判定する。なお、この他店機種別データ表示要求は、たとえば遊技場の店員によってCU3、P台2、ホールサーバ801などに入力される。他店機種別データ表示要求がない場合(S60にてNO)は処理が終了する。
他店機種別データ表示要求がある場合(S60にてYES)、ホールコン900は、S61にて、中央管理装置1000から他店機種別データを取得する。
図88は、他店機種別データを模式的に例示した図である。図88に示すように、他店機種別データには、他店(Aホール、Bホール、Cホール…)の集計データが、各機種(機種X、機種Y、機種Z…)別に層別されている。なお、他店機種別データの各欄には、上述の図74〜図77に例示したような集計データが入力されている。
図87に戻って、ホールコン900は、S62にて、中央管理装置1000から取得した他店機種別データを用いて、他の遊技場の機種別の集計データを表示する。なお、表示場所は、たとえば、ホールコン900に接続された図示しないディスプレイとしてもよいし、いずれかのP台2の表示器54であってもよい。
このように、本実施の形態に係るホールコン900は、他店の機種別の集計データを中央管理装置1000から取得して表示する機種別表示処理を行なう。これにより、他店の機種別の釘調整の状態を参考にして、自らの遊技場の釘調整を行なうことができる。
なお、ホールコン900が中央管理装置1000から取得するデータは、図88に示すものに限定されない。
たとえば、中央管理装置1000が各遊技場のまとめ集計データ(図85参照)を集約して遊技場の所在地域別の平均データを算出する場合には、当該地域別の平均データをホールコン900が中央管理装置1000から取得し、自店の釘調整等に活用するようにしてもよい。これにより、たとえば自店と同じ地域にある他店がどのような釘調整を行なっているのかを参考にして、自店の遊技場の釘調整を行なうことができる。
また、中央管理装置1000が他店のホールコン900に記憶されているしきい範囲記憶処理の結果(図86参照)を集約したデータを保有している場合には、当該他店のデータを自店のホールコン900が中央管理装置1000から取得(ダウンロード)して記憶しておくようにしてもよい。これにより、他店の発射強度しきい範囲の設定状況を参考にして、自店の発射強度しきい範囲を設定することができる。また、ホールコン900が、中央管理装置1000から取得した他店のデータに基づいて、自店の発射強度しきい範囲を自動設定するようにしてもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図89は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を“P台”と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、“S台”とも略称する。
遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図89を参照して、スロットマシン(以下、遊技機、またはS台と略称することもある)2Sは、本体枠2aSに対して前面扉2bSがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図89では図示を省略しているが、S台2Sの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2Sでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2Sにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2Sには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2Sの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2L、2C、2Rの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSの各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510が設けられている。この表示器510は、P台の表示器54に相当する表示器であり、表示器54と同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510は、図4の表示器54と同様にCUの表示制御部350に接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510は、各リール2L、2C、2Rを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図89に示されるスタートスイッチ7Sよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、前面扉2bSには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5S、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6S、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7S、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rがそれぞれ設けられている。
S台2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残額、持点、あるいは遊技場に預け入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落とすことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5S、またはMAXBETスイッチ6Sを操作すればよい。本実施の形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510の遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7Sの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7Sを操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510の遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図1に示すとおり、S台2Sには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28Sが設けられている。なお、玉貸ボタン、カード返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図4参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510に行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510に表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号がCU3へ直接入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2やS台(スロットマシン)2Sを経由して状態情報応答としてCU3へ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2Sを制御する主制御部(S台の主制御部161に相当)によって決定される。この決定は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって決定される。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2Sの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSに取り付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2Sのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。基板取付盤は、図3に示した遊技盤26に対応する盤であり、遊技盤26に設けられた凸型ドロアコネクタ32と同様のコネクタを備えている。
S台2Sの本体枠2aS内の所定位置(たとえば、リール2L、2C、2Rの下方)には、基板取付盤を取り付けるための取付機構と、基板取付盤側の凸型ドロアコネクタを接続するためのコネクタが設けられている。この取付機構およびコネクタは図3に示した取付機構34a、34bおよび凹型ドロアコネクタ33と同様の構造であって、基板取付盤を容易に取付機構に固定できるように工夫されている。凹型ドロアコネクタから延びる配線は、リール2L、2C、2Rや各種操作スイッチ(ボタン)などに接続されている。
また、S台2Sは、図63と同様に、P台2の前枠5に相当する前面扉2bSの開放検出、および本体枠2aSと基板取付盤との接続検出を行なう構成を有しており、ループ状の電力線500にメイン制御基板も直列に接続されている。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図90は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図90に示した送受信態様は、P台の構成として説明した図6の用語をS台用に置き換えたものであり、その態様は、図6を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、加算通番と計数通番とはそれぞれ別のデータとして電文フォーマットに規定されているが、これらを要求通番として共通化してもよい。特に、遊技玉の加算と遊技玉の計数とは逆の処理であるため、両処理が同時に発生することは考えにくく、その観点からも両通番を共通化して電文データ量を削減することは可能である。
また、本実施の形態では、要求通番は、予め定めた上限値に達するまで、新たな要求が発生した場合には、先に更新済みの値を元にして通番更新が行なわれる。しかながら、このような制御に代えて、1つの要求に対応する処理がすべて終了した場合には、要求通番を予め定めた初期値に初期化するようにしてもよい。たとえば、図13の例の場合には、計数完了を示す最後の状態情報応答に含める計数通番をm+6ではなく、予め定めた初期値にすることが考えられる。
また、加算通番や計数通番といった要求通番、さらには通常の通番は、1ずつカウントアップされるのではなく、P台2およびCU3の双方が記憶している所定の規則に従って更新(加算更新、減算更新、その他の演算式による更新)するものであってもよい。この場合、通番は、1,2,3といった“連続する番号”ではなく、A、B、Cなどといった概念で更新されるデータとなる。
(2) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の前枠に対応する。ただし、S台には、図4に示した前枠の各種検出スイッチ41a、701、33、発射制御基板31、および発射モータ18は、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施の形態では、上記のとおりドル箱表示する機能が設けられているため、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510あるいは表示器29Sには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残額、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引き落とされて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5Sの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6Sの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510あるいは表示器29Sにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。
また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、“カード持玉数”とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(4) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(5) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(6) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(7) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(8) 大当り中は、遊技玉数が満タンと判断するための判断基準値を上げてもよい。つまり、大当り中とそうでないときとで、満タン判断の判断基準値を異ならせてもよい。これによって、大当り中に遊技玉数が急激に多くなり、すぐに満タン判断がなされて発射停止してしまうことを防止できる。
(9) 大当りが発生したときの遊技玉数を記憶しておき、大当り中は、満タンの判断基準値を超えた場合であっても、大当りが発生してから増加した遊技玉数が許容値(たとえば、1000玉)以内であれば、満タン判定しないものとしてもよい。
(10) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作が無い場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(11) 「所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理が可能となるように処理する記録媒体処理手段」の「所定の処理」は、たとえば、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理(カードで特定可能に記録された持玉を引き落として遊技玉に変換する処理や持玉共有処理、あるいはワゴンサービス処理等)を意味する。あるいはまた、「所定の処理」とは、景品交換用の景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理であってもよい。
また、上述した「持点として所定の処理が可能となるように処理するための記録媒体処理操作」とは、たとえば、カードの返却操作である。また、「所定の処理」とは、カードの返却操作を検出したときに、CUに挿入されているカードに持点を特定可能に記録し、当該カードを返却する処理である。ここで、「特定可能に記録」とは、カードに直接、持点を記録することの他、カードには持点を記録せずにカードのIDと持点とをCUに接続されたサーバに送信し、サーバ内でIDと持点とを対応付けて記憶するような方式を含む。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるようにしてもよい。また、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断してもよく、遊技中球数(遊技領域27内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、判断してもよい。さらに、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(13) 図13を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(14) 図15の計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数して下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28を表示させて点滅するような表示であってもよい。また、カード返却準備状態ONを受けたP台2は、遊技玉数表示器29の遊技玉を点滅表示させるなどしてもよく、あるいは、遊技玉数表示器29を画像表示装置で構成した場合には、上記実施の形態として説明したメッセージを遊技玉数表示器29に表示して計数操作を促すようにしてもよい。
(15) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(16) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(17) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカ270から出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(18) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(19) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(20) 本実施の形態では、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(21) 表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(22) CU3において、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(23) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(24) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放してください」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(25) 玉貸ボタン、カード返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(26) 本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(27) 図8〜図28で示したシーケンス制御は、CU3、P台2、S台2S等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3、P台2、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。また、図31、図32に示した要求通番の制御は、CU3の内部のCU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用してもよい。
たとえば、遊技玉の加算要求に関する処理を、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323が送信し、これに対する承諾または拒否電文をSC325bがP台2側の応答に基づいて通信制御IC325a経由で返信する。
遊技玉の加算要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323経由でセキュリティチップ(SC)325bが送信し、これに対する承諾または拒否電文を通信制御IC325aがP台2側の応答に基づいて返信する。
計数要求に関する処理を、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間に適用した場合には、計数要求電文をSC325bがP台2側の要求に基づいて通信制御IC325a経由でCU制御部323に送信し、これに対する承諾または拒否電文をCU制御部323が返信する。
計数要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用した場合には、計数要求電文を通信制御IC325aがP台2側の要求に基づいて送信し、これに対する承諾または拒否電文をセキュリティチップ(SC)325bがCU制御部323の指示に基づいて返信する。
(28) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(29) 前述の実施の形態では、カードIDと挿入時刻とが一致することを条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶しているが、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)が経過するまでに通信が開始されたことを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御してもよい。具体的には、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)を計時するタイマをCU制御部323に設け、遊技機とCU3との通信の開始時(復旧時)に該タイマが未だ計時中(タイムアップしていない状態)であるか否か判定し、計時中との判定結果であることを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するように制御する。
また、挿入時刻の代わりに、CU3とP台2との間で用いられた最終通番等の一致を条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するようにしてもよい。
(30) 前述の実施の形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(31) 前述の実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(32) 本実施の形態では、遊技場から離れた鍵管理センタに鍵管理サーバを設置した。しかしながら、鍵管理サーバは遊技場内に設置してもよい。これにより、遊技場外に鍵管理サーバを設置する場合と比較すると、CUと鍵管理サーバとの通信を高速化し易く、また、通信障害の発生率を低減できる。
(33) CU制御部323は、ホールサーバ801を介して鍵管理サーバ800から基板セキュリティ情報(基板認証鍵や更新情報を含む)を受信する。しかしながら、これに代えて、鍵管理サーバ800とCU制御部323との間にホールサーバ801を介することなく、鍵管理サーバ800からCU制御部323へ基板セキュリティ情報が送信される構成とてもよい。たとえば、鍵管理サーバ800とCUとを直接、回線接続することや、鍵管理サーバ800と各CUとの間にホールサーバ801と異なる中継用の通信装置を設けることが考えられる。
(34) 前述の実施の形態では、遊技の中断操作(簡易離席操作または食事休憩操作)に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込み排出することで、中断処理を行ない、その後、遊技を中断した遊技者が戻ってきて、そのカードを再度元のCU3に挿入し、持玉を遊技玉に変換する操作により、125玉ずつ遊技玉に変換されて遊技が可能になるものを示した。しかし、それに代えて、中断操作時に自動計数された計数玉を遊技玉や持玉とは別の預かり玉(C−IDと挿入時刻も記憶)としてCU3が記憶し、持玉加算せず、持玉を記録させることなくカードを排出することで中断処理を行ない。その排出カードが再挿入されると、預かり玉がすべて一括で自動的にP台の遊技玉に変換されて遊技可能となるように制御してもよい。あるいは、この場合の預かり玉は、中断操作に基づいてP台からCUへと送信され、CU側またはホールサーバ側で記憶しておき、カードが再度挿入されたときにCUまたはホールサーバから自動的にP台側へ預かり玉の情報が送信されて遊技玉としてP台側に記憶されるものとしてもよい。また、この場合に預かり玉の情報を送信する際には、遊技玉の加算指令としてCUからP台に送信してやればよい。
さらに、上記実施の形態では、中断操作に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込んで排出したとき、そのカードに中断中フラグを記録しておくことによって、そのカードでは景品交換できないようにした。このように景品交換を禁止する手法としては、カードの中断中フラグを利用する以外の次のような手法を採用することも考えられる。
まず、中断操作が行なわれたときに、CUからホールサーバにその情報(カードIDを含む)を送信し、ホールサーバ側で中断中の遊技者のカードを中断カードとして記憶する。景品交換時にはPOSなどからホールサーバに問合せをし、景品交換に用いられているカードが中断カードであるか否かをホールサーバが判定する。あるいは、全中断カード情報を予めホールサーバからPOS側に送信しておいてもよい。その上で、景品交換に用いられているカードが中断カードであれば、当該カードを用いた景品交換を禁止する。
(35) 上記実施の形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322の操作))を有効化する有効化手段」を含む。
(36) 本実施の形態では、遊技情報の一例として、持玉、遊技玉、カードの残額、貯玉、その他、玉数情報や遊技台情報を挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、遊技機での遊技に関連したその他の情報をも含む。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを可変表示装置278や表示器54などの可変表示手段(可変表示装置)に表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のカードIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際にはサーバからCUあるいはP台へダウンロードするようにしてもよい。
(37) 遊技玉数表示器29では、玉の発射または計数動作に連動して玉数が1つずつ減っていく表示がなされる。また、遊技玉数表示器29では、玉貸操作等に応じて玉数が1つずつあるいは所定単位数ずつ増加する表示がなされる。遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、単に遊技玉数をデジタル表示するのではなく、遊技玉数の変化が弾球によるものであるのか、計数によるものであるのか、入賞の発生によるものであるのか、貯玉の引き落としによるものであるのか、貸出操作によるものであるか、など、その種類に応じた画像を遊技玉数の表示更新と併せて表示するようにしてもよい。
また、計数操作が行われた場合、遊技玉数表示器29では、計数動作に連動した計数表示が行われるが、遊技玉数表示器29を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、表示器54と同様に、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示を行なうようにしてもよい。この場合、先の表示器54の表示の変形例として説明したように、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示(たとえば、棒グラフの表示)や、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したりすることが考えられる。
(38) 図15に示したように、上記の実施の形態では、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されることによって、計数処理完了後に有効化されてカード返却処理に移行する。
一方、待機期間が経過しても計数操作が検出されない場合の処理としては、たとえば、先のカード返却操作を無効とすることが考えられる。この場合、CU3あるいはP台2側の表示器には待機期間が経過しても計数操作が検出されないため、カード返却操作が無効化された旨を表示してもよい。
あるいは、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されるか否かに関わらず、無効化してもよい。この場合には、カード返却操作が検出された後の計数操作に応じて全遊技玉を計数し終えた後、再度、カード返却操作を実行することによってカード返却処理を実行するものとしてもよい。あるいは、全遊技玉の計数を終えたとき、または、その前後で、カード返却操作を促す表示をCU3あるいはP台2側の表示器で行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉が1点でも残っていると、図15に示した処理が実行される。しかしながら、カード返却操作が検出されたときに残っている遊技玉の数が2以上の予め定めた数であるときに、図15に示した処理が実行されるようにしてもよい。
また、カード返却操作が検出された後の計数操作では遊技玉の計数表示速度を通常時よりも早くしてもよい。たとえば、通常の計数操作では遊技玉が1つずつ計数される表示をする一方、カード返却操作が検出された後の計数操作では、遊技玉が複数ずつまとめて計数される表示、あるいは、全遊技玉が一括して計数される表示をするようにすることが考えられる。
さらに、カード返却操作が検出された後の計数操作では全遊技玉が計数対象とされるのではなく、通常の計数操作のときよりも多い数の所定数の遊技玉が計数対象とされるものとしてもよい。たとえば、通常時には1回の計数操作で最大100点の遊技玉が計数対象とされるが、カード返却操作が検出された後の計数操作では、それよりも多い200点の遊技玉が計数対象とされるようにしてもよい。この場合でも、事前にカード返却操作があった場合にはカード返却操作がなかった場合に比べると、全遊技玉を計数するための計数操作回数が減り、早期に全遊技玉を計数完了させることができる。
また、遊技玉が残っている状態でカード返却操作が検出された場合には、計数操作の検出がなくても、全遊技玉の計数を開始させ、その後にカード返却処理に移行するようにしてもよい。この場合、全遊技玉の計数を開始させるときに、全遊技玉の計数を開始させる旨をP台2あるいはCU3で表示してもよい。あるいは、全遊技玉の計数を開始させてもよいか否かを確認するメッセージを表示し、所定操作(たとえば、P台2あるいはCU3のタッチパネルでの操作、再度のカード返却操作など)が検出されたことを条件として、全遊技玉の計数を開始させるようにしてもよい。
また、遊技中(玉の発射中)の場合に検出されたカード返却操作を無効にしてもよいが、カード返却操作を無効にするのではなく、P台側の方で遊技中の計数操作に基づいた計数の処理を無効にしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉数が0であるか否かをCU3が判定している。しかしながら、このような判定をP台2が行なうようにしてもよい。この場合、たとえば、カード返却操作が検出されたときに、カード返却操作有を示すデータをCU3からP台2へ送信し、それを受けたP台2が自ら記憶している遊技玉数が0であるか否かを判定する。0であれば、遊技玉数が0であることまたはカード返却を許可するデータをCU3へ送信する一方、0でなければ、遊技玉数が0でないことまたはカード返却の待機あるいはカード返却の禁止を示すデータをCU3へ送信する。
また、上記実施の形態では、計数ボタンの操作が検出されたときに、その操作の検出前にカード返却操作が検出されているか否かをP台2が判定する。しかしながら、このような判定手段をCU3が備えるようにしてもよい。この場合、たとえば、P台2は、計数ボタンの操作が検出されたときに、その旨を示すデータをCU3へ送信する。それを受けたCU3は、そのデータを受信する前の所定期間内にカード返却操作があったか否かを判定するようにすることが考えられる。
また、上記の実施の形態では、計数操作をP台2が検出する一方、カード返却操作をCU3が検出するが、計数操作をCU3が検出する一方、カード返却操作をP台2が検出する構成としてもよく、両操作共にP台2あるいはCU3が検出する構成としてもよい。また、計数ボタンおよびカードカード返却ボタンの取り付け位置は、双方共にCU3としてもP台2としてもよく、一方がCU3またはP台2としてもよい。
(39) 持玉または遊技玉の数の変化の有無をCUまたはP台でチェックし、所定期間、持玉または遊技玉の数が変化しない場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(40) あるいは、カードがCUに挿入されていないにも関わらず、遊技者の遊技玉が変化した場合には、CUまたはP台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてカードを排出した後に、遊技盤に引っ掛かっていた玉が入賞して遊技玉が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
(41) 本実施の形態において、CU3はP台2からの前回遊技台情報と最新遊技台情報とを自ら記憶しているデータと比較判定して、P台2側のデータに不正水増しのないことを確認してデータを補正する。仮に、CU3側でエラー判定されると、このような状況は、単にCU3の交換が要因(交換後のCU3には比較対象の正規のデータが記憶されていない)であって、不正行為に基づくものではない可能性もあるため、ホールの店員が確認の上で、リモコン等の携帯型端末装置でエラーを解除する。ただし、このように、CU3が新たなものに交換されていたときには、当該CU3は上記のエラー判定を一切しないようにしてもよい。また、あるいは、CU3には、交換されたものであるか否かに関わらず、上記のエラー判定機能を設けないようにしてもよい。
(42) 本実施の形態において、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体であるカードを、遊技開始時にカード挿入/排出口309に挿入し、遊技終了後にカード挿入/排出口309から抜き取る構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、カードを、遊技開始時にカード読み取り部に載置し、遊技終了後にカード読み取り部から外す構成であってもよい。つまり、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段に対して、遊技開始時に記録媒体受付手段に取り付け、遊技終了後に記録媒体受付手段から取り外す構成であればよい。
(43) 本実施の形態において、CU3は、P台2に対してカード抜き取り待ち中の情報を通知し、当該情報の通知を受けたP台2が「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278に表示するなど、カードの抜き取りの報知を行なう構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、CU3は、P台2に対してカード抜き取り待ち中の情報を通知しつつ、表示器54および/または表示器312に「カード抜き取って下さい」と表示するように制御してCU側でカードの抜き取りの報知を行なう構成であってもよい。
(44) 本実施の形態において、P台2は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでカードの抜き取りの報知を継続する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、P台2は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、一定期間カードの抜き取りの報知を行なっても、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでの間、カードの抜き取りの報知を間欠的に行なってもよい。
(45) 本実施の形態において、P台2は、カードを受付けたとき、および通信復旧したときに、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2で保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、P台2は、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」と、P台2で保持している「店舗コード」との一致判定を行なう、またはCU3のセキュリティ基板325から通知された「SC基板ID」と、P台2で保持している「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成であってもよい。
(46) 本実施形態では、ループ状の電力線500が主制御基板16内にも配線(電力線500a)されているので、遊技盤26の電力線500と主制御基板16の電力線500aとの接続部分が主制御接続検出手段として機能し、遊技盤26と主制御基板16との電気的な接続検出することができる例(図63(a)参照)を示した。しかし、これに限られず、たとえば、主制御基板16に設けた主制御部161の主制御用半導体チップ16a内にもループ状の電力線500の配線を行なってもよい。これにより、主制御用半導体チップ16aの取替えも検出することができる。
(47) 本実施形態では、ループ状の電力線500が払出制御基板17内にも配線されているので、前枠5と払出制御基板17との接続部分が払出制御接続検出手段として機能し、前枠5と払出制御基板17との電気的な接続検出することができる例(図63(a)参照)を示した。しかし、これに限られず、たとえば、払出制御基板17に設けた払出制御部171の払出制御用半導体チップ17a内にもループ状の電力線500の配線を行なってもよい。これにより、払出制御用半導体チップ17aの取替えも検出することができる。ここで、払出制御基板17、払出制御部171、および払出制御用半導体チップ17aなどが払出制御手段に含まれる。
(48) 本実施の形態では、上述の集計処理、発射強度の補正処理、発射異常判定処理、打込領域特定処理、および計測処理を行なう主体をいずれもP台2からの信号を直接受信可能なCU3としたが、これらの処理を行なう主体はCU3に限定されるものではない。
たとえば、必要に応じて、これらの処理の全部または一部を行なう主体を、P台2からの信号を台端末や島端末などを介して間接的に取得可能なホールコン900、ホールサーバ801、あるいは中央管理装置1000としてもよい。たとえば、ホールコン900が、各遊技機の集計処理(図71のフロー)を直接行なうようにしてもよい。
また、必要に応じて、これらの処理の全部または一部を行なう主体を、各P台2に対して設けられた呼び出しランプ(図示省略)としてもよい。呼び出しランプは、遊技機ごとに設けられ、遊技者によってボタン操作されることで遊技場の係員を呼出す機能、および、大当り回数や大当り間の変動回数などの遊技履歴を表示する機能などを有する装置である。
(49) また、パチンコ玉にICタグを付けるようにしてもよい。これにより、発射時、および、いずれかの入賞領域(入賞口またはゲート)の通過時に、いずれのパチンコ玉であるかを特定することが可能となる。このため、集計処理において、ICタグによって特定された同じパチンコ玉の発射強度Tと通過領域との対応関係を特定することができる。その結果、より正確に、発射強度に応じてパチンコ玉がどの領域を通過する傾向にあるのかを把握することができる。
(50) 遊技者によって打球操作ハンドル25が固定されていると、上述の発射強度の補正処理を行なうことができない。そこで、打球操作ハンドル25が固定されていることを検出して報知するようにしてもよい。また、発射強度が一定値に安定している場合は、打球操作ハンドル25が固定されていると判定するようにしてもよい。
(51) たとえば、遊技者が打球操作ハンドル25に触れているか否かは、タッチセンサで検知可能である。
そのため、たとえば、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていないことが検知された時に、上述の発射強度の補正処理を行なうようにしてもよい。
また、発射異常判定処理において、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていないことが検知され、かつ打球操作ハンドル25が固定されていることが検出された場合に、発射異常であると判定するようにしてもよい。
(52) 本実施の形態ではホールコン900がCU3経由でP台2の情報を取得する構成であったが、ホールコン900がCU3を経由せずにP台2の情報をP台2から直接取得する構成であってもよい。
(53) 払出制御部171が、一周フラグが立つ値(=63)を受信したとき異常制御処理として、以下のa〜cに列挙するもののうちから1つまたは2つ以上を採用して実行するように制御してもよい。
a 払出制御部171またはその払出制御部171から異常情報を受けた主制御部161により、P台2の表示器(たとえば7セグ表示器50や識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置)により表示する。
b 払出制御部171から異常情報を受信したCU3においてエラー番号等の異常報知を行なう。
c CU3から異常情報を受信したホール用管理コンピュータ等の上位装置においてエラー番号等の異常報知を行なう。
(54) 本実施の形態では、CU3の状態がカード挿入中状態中にカード挿入通知コマンドを受信した場合、P台2はカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、CU3の状態がカード挿入中状態中にカード挿入通知コマンドを受信した場合、警告を表示器54等に表示して報知を行なったり、上位サーバに当該旨の報知を行なったりしてもよい。
(55) 本実施の形態では、「閉店」設定されるとカードが挿入されておらずP台2に遊技玉が残っている遊技機に対して、カードID=0、カード挿入時刻=0の仮想カードが挿入されたとみなして、残った遊技玉を計数し当該カードに記憶して返却する計数処理が行なわれる構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、挿入されたとみなされる仮想カードのカードIDを、閉店直前に挿入されていたカードのカードIDとして計数処理を行ない、残った遊技玉を閉店直前に挿入されていたカードと自動的に関連付ける構成であってもよい。
(56) 本実施の形態では、CU3でリカバリ要求が不要であると判断されたにも拘らずリカバリ要求2のコマンドがP台2に送信された場合、P台2で再度リカバリ処理の判定を行ない不要の場合に処理NGをCU3に通知する構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、P台2で再度リカバリ処理の判定を行ない不要の場合に、警告を表示器54等に表示して報知を行なったり、上位サーバに当該旨の報知を行なったりしてもよい。
(57) 本実施の形態では、鍵管理サーバ800がヘルスチェック要求のコマンドを送信してもCU制御部323に到達しない状態が、たとえば10日間継続した場合、ヘルスチェック要求時限オーバーと判断され、CU3またはP台2の時限運用機能が無効にされる構成を説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、CU3またはP台2の時限運用機能が無効にされるまでの日数を表示器54に表示させたり、複数の制限レベルを有する時限運用機能を段階的に無効するようにしたりしてもよい。
(58) 本実施の形態では、P台2に対する不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、P台2に対する不正に基づくアラーム設定とP台2に対する別の不正に基づくアラーム設定との関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用しても、P台2に対する複数の不正に基づくアラーム設定とP台回線断に基づくアラーム設定との三つ以上の関係において、アラーム設定の設定および解除の制御に適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。