[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球(遊技玉ともいう)が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置に設けられた第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bでは、それぞれ、複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄が変動可能に表示(可変表示)される。図1に示す例では、遊技領域の右側方に、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などから構成されていればよい。複数種類の識別情報となる特別図柄としては、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号といった、各々を識別可能な複数種類の図柄が予め用意されていればよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号などから構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。特別図柄の可変表示は「特図ゲーム」ともいい、可変表示ゲームの一例となる。
遊技盤2に形成された遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられ、その画面上にて飾り図柄の可変表示が行われる。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域には、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアが含まれていればよい。このような飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。飾り図柄の可変表示は、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して実行され、可変表示ゲームに含まれる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類といった、複数種類の図柄を含んで構成される。より具体的に、英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されて保留記憶表示が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示では、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)が特定可能に表示される。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上部には、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに特図保留記憶数を特定可能に表示するための表示器として、第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、第2始動領域としての第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1可変状態としての拡大開放状態と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない第2可変状態としての通常開放状態とに変化する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
第1始動領域としての第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出や、第2始動領域としての第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示を実行するための始動条件が成立する。例えば普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件である。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための始動条件である。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
特別可変入賞球装置7は、特定領域としての大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、大入賞口を遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ30が取り付けられている。スティックコントローラ30は、遊技者が把持する操作桿(レバー)を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン31Aが設けられている。トリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタン31Aに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ35A(図2を参照)が内蔵されていればよい。スティックコントローラ30の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作(レバー操作)を検知する傾倒方向センサユニット32が設けられていればよい。傾倒方向センサユニット32は、透過形フォトセンサなどを含んで構成され、操作桿のレバー傾倒方向(例えば、前後左右方向)を検知するものであればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ30の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ30の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示入力を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図2を参照)が設けられていればよい。このように、プッシュボタン31Bは、スティックコントローラ30とは別個の所定位置に設けられており、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を把持しない状態などにおいて指示操作ができるように構成されている。
また、プリペイド機能を備えるプリペイドカード等の遊技用記録媒体としての遊技用カードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示省略)。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板37といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板90(図3)なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12や払出制御基板37などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店、遊技場)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、大入賞口扉用のソレノイド82へと伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。払出制御基板37は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板37は、賞球の払出個数を示すデータが設定された賞球個数コマンドの受信に応じて、球払出装置を駆動して、賞球の払出制御を実行する。賞球個数コマンドは、主基板11から制御信号として伝送される。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサ(フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。さらに、主基板11には、賞球個数コマンドなどを制御信号として払出制御基板37に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input /Output port)105とを備えて構成される。なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板11に搭載されている。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)やトリガボタン31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット32やトリガセンサ35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、入力ポートと出力ポートとを含んで構成される。入力ポートには、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、傾倒方向センサユニット32やトリガセンサ35A、プッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号といった、各種信号が取り込まれる。出力ポートからは、演出制御基板12の外部へと各種信号が伝送される。より具体的に、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
演出制御基板12には、所定の演出出力を初期設定するための設定切替スイッチ300が搭載されている。設定切替スイッチ300により初期設定される演出出力には、スピーカ8L、8Rの音量や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体(発光部材)の発光光量が含まれていればよい。設定切替スイッチ300は、通常、遊技店の係員のみが操作できるものであり、各種の演出出力を複数段階のいずれかに初期設定する。設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、スティックコントローラ30を用いた遊技者による演出出力の設定変更を許容するか制限(禁止または限定)するかが切り替えられる。演出制御用CPU120は、こうした演出出力の設定を示すデータを、設定情報としてRAM122の所定領域などに記憶させればよい。
図3は、パチンコ遊技機1の内部をパチンコ遊技機1の背面から見た背面図である。図3に示すように、主基板11および演出制御基板12は、パチンコ遊技機1の中央に配置されている。払出制御基板37は、パチンコ遊技機1の下方に配置されている。電源基板90は、左下方に配置されている。球払出装置97は、賞球を払い出すための賞球供給路に対応してパチンコ遊技機1の右側方に配置されている。なお、主基板11は基板収納ケース150に収納されており、演出制御基板12は基板収納ケース270に収納されている。これら基板収納ケース150、270は、いずれも透光性を有するアクリル板等の部材により構成されている。設定切替スイッチ300は、図3に示すように、演出制御基板12にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されている。
図4は、演出制御基板12における設定切替スイッチ300の配置例を示している。設定切替スイッチ300は、パチンコ遊技機1を背面から見たときに、演出制御基板12の右上部分に配置され、基板収納ケース270に形成された切欠部270aを介して遊技盤ユニット250の外方から操作可能となっている。パチンコ遊技機1が設置される遊技店では、例えば係員がパチンコ遊技機1の前面扉などを開閉させることができる一方、通常、遊技者は開閉できない。この前面扉を開放したときには、パチンコ遊技機1に設けられた回転軸を軸として、演出制御基板12などが配置された部材を回転させることができる。これにより、係員が演出制御基板12の設定切替スイッチ300を操作可能な状態になる。このように、設定切替スイッチ300は遊技店用の操作部であり、前面扉を開放することが設定切替スイッチ300の操作により演出出力を変更可能にする条件(第1許可条件)となっている。
図5は、設定切替スイッチ300の構成例を示している。図5に示すように、設定切替スイッチ300は、「0」から「F」までの計16個のチャンネルを備えており、ツマミ301を回動操作することでチャンネルを切り替えるスイッチになっている。この実施の形態では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「F」のいずれであるかに応じて、演出出力量が6段階のいずれかに初期設定されるとともに、遊技者による設定変更操作を許容するか否かが切り替えられる。設定切替スイッチ300は直接または所定回路を介して演出制御用CPU120に接続され、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を示す所定信号(スイッチ信号)が演出制御用CPU120に入力されることによりチャンネルの初期設定を読み取ることができる。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータの駆動などにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどに基づいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて第1開始条件が成立する。こうして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。こうして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。なお、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(装飾図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「小当り」(特殊表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。他の一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける有効ライン上に所定の開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されてもよい。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となるときにも、画像表示装置5の表示領域において、開放チャンス目を構成する飾り図柄が確定飾り図柄として停止表示されてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)が実行される。こうしたラウンドの実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンドは、所定の上限回数(例えば「16」または「2」)に達するまで繰返し実行される。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い第1期間(例えば29.5秒間など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。通常開放ラウンドが所定の第1回数(例えば「16」)まで実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態ともいう。通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態とも称される。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い第2期間(例えば0.1秒間など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。短期開放ラウンドが第1回数よりも少ない所定の第2回数(例えば「2」)まで実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態ともいう。短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態とも称される。
通常開放大当り状態では、例えば大入賞口を開放状態とする上限時間が29.5秒間でラウンドの上限回数が「16」となることから、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御(確変制御)されることがある。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変終了条件が成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御(時短制御)されることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、時短状態となる場合を、「非確変」の大当り種別と称する。可変表示結果が「大当り」となり通常開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「確変」の大当り種別と称する。可変表示結果が「大当り」となり短期開放大当り状態に制御された後、確変状態となる場合を、「突確」の大当り種別と称する。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で可変表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、可変表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
画像表示装置5の画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、画像表示装置5の画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのパチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路から出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図6は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS91)。一例として、ステップS91では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS91にて始動入賞が発生した場合には(ステップS91;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS92)。一例として、ステップS92の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶することで、入賞時乱数として格納されればよい。
ステップS92の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS93)。一例として、ステップS93の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドや、始動入賞の発生により増加した特図保留記憶数を通知する保留数通知コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS91にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS91;No)、ステップS93の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を判定する(ステップS21)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、特図プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS101)。一例として、ステップS101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS101;No)、特別図柄プロセス処理を終了する。
ステップS101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶させた特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて、特別図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かや、可変表示結果を「小当り」とするか否かを、所定割合で決定すればよい。
図7(A)は、特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図7(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、特図表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに大当り種別決定用の乱数値と大当り種別決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。このとき、大当り種別が「確変」や「突確」に決定されたことに対応して、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われて確変状態とすることが決定される。一方、大当り種別が「非確変」に決定されたことに対応して、大当り遊技状態の終了後に時短制御が行われて時短状態とすることが決定される。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
図7(B)は、大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
ステップS102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS103)。一例として、ステップS103の処理では、ステップS102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、RAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS104)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特図プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS111)。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。ステップS111の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用乱数MR4などに基づいて、変動パターンを複数パターンのいずれかに所定割合で決定すればよい。
図8(A)は、パチンコ遊技機1において用いられる変動パターンの設定例を示している。図8(A)に示す設定例では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」以外(「非確変」または「確変」)である場合と大当り種別が「突確」あるいは可変表示結果が「小当り」である場合のそれぞれに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
ステップS111の処理では、変動パターン種別を複数種別のいずれかに所定割合で決定してから、変動パターンを決定してもよい。変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されている。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーAまたはスーパーB)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。このように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン種別決定テーブルを選択し、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン種別決定用乱数MR3などに基づいて、変動パターン種別を複数種別のいずれかに所定割合で決定すればよい。
図8(B1)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。図8(B2)は、小当り時における変動パターンの決定例を示している。図8(B3)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。図8(B1)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に、変動パターンPA3−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2や変動パターンPA3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。一方、図8(B3)に示す決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されない変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2や変動パターンPA2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図8(B3)に示す決定例では、スーパーAのリーチ演出まで実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−2の決定割合が、スーパーAのリーチ演出が実行された後にスーパーBのリーチ演出まで実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−3の決定割合よりも高くなるように設定されている。これに対して、図8(B1)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも高くなる一方、大当り種別が「確変」の場合に、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図8(A)に示すように、変動パターンPA2−1〜PA2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図8(B1)や図8(B3)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
こうして決定された変動パターンに対応して、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間が設定される。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。また、変動パターンの決定に対応して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定が行われればよい。一例として、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが行われる。
ステップS111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS112)。例えば、ステップS112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドや、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンド、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS113)、特別図柄プロセス処理を終了する。
特図プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS122)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS123)。
ステップS123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS124)。一例として、ステップS124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるか否かを判定する(ステップS125)。そして、可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合には(ステップS125;Yes)、特図プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS126)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS125;No)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS127)、特別図柄プロセス処理を終了する。なお、ステップS127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
特図プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS131)。当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことや、小当り遊技状態において大入賞口の開放回数が所定の上限回数に達したことなどであればよい。大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS131;No)、大当り時や小当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップ132)、特別図柄プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態や小当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS131;Yes)、大当り終了後または小当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS133)。
一例として、ステップS133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。小当り遊技状態を終了するときには、その小当り遊技状態となる以前の遊技状態に継続して制御すればよい。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS134)、特別図柄プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。
図9は、演出制御用CPU120によって実行される演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。このときには、演出制御基板12を含めたパチンコ遊技機1の全体に対する電力供給が開始されたことに応じて、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた電力供給開始フラグをオン状態にセットする(ステップS71A)。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出カスタマイズ処理を実行する(ステップS75)。演出カスタマイズ処理は、例えば遊技者によるスティックコントローラ30やプッシュボタン31Bの操作に応じて入力されたパスワードから抽出される各種情報に基づいて、パチンコ遊技機1における遊技や演出の実行履歴を示す遊技履歴情報を特定する処理などを含んでいればよい。このパスワードに基づいて特定された遊技履歴情報に対応して、例えば予告演出やリーチ演出といった、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでに実行される所定演出の演出態様を、通常の演出態様とは異なる特別な演出態様に変更してもよい。こうした特別な演出態様に変更された演出は、特典演出と称する。したがって、パスワードのような設定情報に応じて、特典演出の実行制御を有効化または無効化することができる。
ステップS75における演出カスタマイズ処理に続いて、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。ステップS76の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型(可動部材)における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS78)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。ステップS77における演出用乱数更新処理に続いて、演出出力設定処理が実行される(ステップS77)。演出出力設定処理は、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声の音量、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯させるときの光量といった、演出装置の出力量を変更するための処理などを含んでいればよい。ステップS77にて演出出力設定処理を実行した後には、ステップS72の処理に戻る。こうしたステップS74〜S77の処理を実行することなどによって、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1における遊技の進行に応じた演出の実行を制御する。
図10は、図9のステップS75にて実行される演出カスタマイズ処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1では、遊技や演出の実行結果などに基づいて、遊技ポイント(「経験値」や「レベル」、「コイン」など、その名称は任意でよい)といった所定価値を遊技者に付与することができる。遊技ポイントは、パチンコ遊技機1における遊技履歴を示す遊技履歴情報に含まれて、所定の管理サーバにて遊技者ごとに管理されてもよい。管理サーバは、2次元コード読取機能や電気通信ネットワークへの接続機能を有する携帯端末から送信された遊技の結果などに基づいて、遊技者ごとの遊技履歴情報を更新していく。そして、遊技ポイントが所定値に達することにより、例えば所定のデジタルコンテンツ(楽曲や画像、アプリケーションプログラムなど)を提供できるようにしてもよい。
図10に示す演出カスタマイズ処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出カスタマイズの設定を行うためのカスタマイズ画面が画像表示装置5において表示中であるか否かを判定する(ステップS201)。カスタマイズ画面は、例えばデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する所定操作(押下操作など)が検出された場合に画像表示装置5に表示させることができればよい。
ステップS201にてカスタマイズ画面の表示中ではない場合には(ステップS201;No)、カスタマイズ画面の表示を開始するための表示開始条件が成立したか否かを判定する(ステップS202)。演出制御用CPU120は、例えばパチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する所定操作(押下操作など)が検出されたときに、表示開始条件が成立したと判定すればよい。表示開始条件が成立した場合には(ステップS202;Yes)、カスタマイズ画面の表示を開始させるための設定を行う(ステップS203)。一方、表示開始条件が成立していない場合には(ステップS202;No)、簡単スタートの指示があったか否かを判定する(ステップS204)。簡単スタートは、例えば飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、特定の変動中メッセージや予告演出に応じてプッシュボタン31Bに対する所定操作が検出されたときなどに、その開始を指示できればよい。
ステップS204にて簡単スタートの指示があった場合には(ステップS204;Yes)、簡単スタート用の演出設定を行う(ステップS205)。例えば演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に記憶されている履歴記録管理テーブルにおける遊技履歴の記録を読み出し、その読出結果に応じたレベルや経験値、キャラクタなどを設定し、これらの設定を特定可能に報知する。履歴記録管理テーブルには、パチンコ遊技機1における遊技の履歴として、予めミッション対象として定められた遊技内容ごとに達成(既に実行済み)または未達(未だ実行せず)を示すデータが格納されている。履歴記録管理テーブルにおける遊技履歴の記録は、簡単スタートの指示がなくても更新可能であるが、所定条件が成立したときに簡単スタートの指示などによる演出カスタマイズの開始がなければクリア(初期化)される。こうしたパチンコ遊技機1における遊技履歴の内容に応じて、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8から出力される楽曲などの種類、遊技効果ランプ9および装飾用などの点灯パターンが、予め用意された複数種類のいずれかに設定できればよい。演出制御用CPU120は、このような簡単スタートによる演出カスタマイズの設定情報(カスタマイズ設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出カスタマイズが行われていない通常時とは異なる演出態様での演出(特典演出)の実行などを制御できればよい。
ステップS201にてカスタマイズ画面を表示中であると判定された場合には(ステップS201;Yes)、カスタマイズ画面の表示を終了するための表示終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS206)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にて表示の終了を指示する項目が選択されたときや、飾り図柄の可変表示が開始されるときに、表示終了条件が成立したと判定すればよい。表示終了条件が成立した場合には(ステップS206;Yes)、カスタマイズ画面の表示を終了させるための設定を行う(ステップS207)。一方、表示終了条件が成立していない場合には(ステップS206;No)、カスタマイズ画面の表示中に演出カスタマイズの開始要求があったか否かを判定する(ステップS208)。演出制御用CPU120は、例えばパスワードの入力が行われたり、カスタマイズ画面にて簡単スタートを指示する項目が選択されたときに、演出カスタマイズの開始要求があったと判定すればよい。
ステップS208にて演出カスタマイズの開始要求があった場合には(ステップS208;Yes)、演出カスタマイズを開始するために必要となるカスタマイズ情報を取得する(ステップS209)。例えばカスタマイズ画面の表示後にパスワードの入力が行われた場合に、そのパスワードを示すデータをカスタマイズ情報として取得する。このとき取得したカスタマイズ情報に基づいて、演出カスタマイズの指示が有効であるか否かを判定する(ステップS210)。例えば演出制御用CPU120は所定のパスワード解析処理を実行して、入力されたパスワードが有効であるか否かを判定すればよい。ステップS210にて演出カスタマイズの指示が有効ではないと判定された場合には(ステップS210;No)、演出カスタマイズ処理を終了する。一方、演出カスタマイズの指示が有効であると判定された場合には(ステップS210;Yes)、演出カスタマイズを開始するための設定を行う(ステップS211)。例えばステップS211の処理では、パスワードから特定されるレベルや経験値その他の遊技履歴に応じて、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rから出力される楽曲などの種類、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの点灯パターンが、予め用意された複数種類のいずれかに設定されればよい。また、遊技履歴に応じた演出モードを設定して、その演出モードに応じた演出画像の表示などが行われるようにしてもよい。演出制御用CPU120は、このような演出カスタマイズの設定情報(カスタマイズ設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出カスタマイズが行われていない通常時とは異なる演出態様での演出(特典演出)の実行などを制御できればよい。
ステップS208にて演出カスタマイズの開始要求がない場合には(ステップS208;No)、カスタマイズ情報の出力要求があったか否かを判定する(ステップS212)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にてカスタマイズ情報となる2次元コードの表示を指示する項目が選択されたときなどに、カスタマイズ情報の出力要求があったと判定すればよい。
ステップS212にてカスタマイズ情報の出力要求があった場合には(ステップS212;Yes)、カスタマイズ情報を出力する(ステップS213)。例えばステップS213の処理では、履歴記録管理テーブルをチェックして、遊技履歴に応じた所定のコード(2次元コードなど)を画像表示装置5の画面上に表示して出力するための制御が行われる。例えば2次元コードとして、パチンコ遊技機1の機種を示す機種情報や遊技者IDの他に、可変表示回数や大当り回数、レベル、経験値などを特定可能な情報、および、遊技者が所持する端末装置を用いて所定の管理サーバにアクセスするためのネットワークアドレスなどを含むコードが出力されればよい。遊技者は、端末装置を操作して、画像表示装置5の画面上などに表示された2次元コードを撮像させ、端末装置の内部に取り込ませることができればよい。こうした2次元コードなどに基づいて、所定のネットワークアドレス(具体例としてURLやIPアドレスなど)を端末装置により指定してアクセスした管理サーバにて、次回の演出カスタマイズで使用可能なパスワードなどが発行されればよい。なお、パチンコ遊技機1から出力されたコードを遊技者が端末装置に取り込むことにより、次回の演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。あるいは、管理サーバから端末装置にダウンロードされて実行されたアプリケーションプログラムにより、演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。
ステップS212にてカスタマイズ情報の出力要求がない場合には(ステップS212;No)、演出カスタマイズの終了要求があったか否かを判定する(ステップS214)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にて演出カスタマイズの終了を指示する項目が選択されたときなどに、演出カスタマイズの終了要求があったと判定すればよい。ステップS214にて演出カスタマイズの終了要求がない場合には(ステップS214;No)、演出カスタマイズ処理を終了する。一方、演出カスタマイズの終了要求があったと判定された場合には(ステップS214;Yes)、演出カスタマイズを終了するための設定を行う(ステップS215)。例えばステップS215の処理では、履歴記録管理テーブルをクリア(初期化)することにより、遊技履歴情報を消去すればよい。
図11は、図9のステップS76にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。このような可変表示開始設定処理において確定飾り図柄を決定することで、飾り図柄の可変表示結果を、その可変表示結果が導出表示されるより前に決定できる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、所定の演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)から飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図12は、図11のステップS170にて実行される可変表示開始待ち処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS301)。これらの変動開始コマンドを受信していないときには(ステップS301;No)、パチンコ遊技機1における客待ち状態などにてデモンストレーション表示(デモ表示)を含めたデモンストレーション演出を実行するための制御を行う(ステップS302)。一例として、ステップS302の処理では、デモンストレーション演出を実行するために予め用意された演出制御パターンから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯のうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
ステップS302の処理に続いて、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技を開始したことに対応する所定の検出があったか否かを判定する(ステップS303)。パチンコ遊技機1における遊技の開始を検出するために、例えばパチンコ遊技機1の遊技領域に含まれる発射球案内通路では、打球発射装置による遊技球の発射位置に隣接して発射球検出センサが設けられていればよい。発射球検出センサは、発射位置にて発射された直後に移動する遊技球の通過を検出する。発射球検出センサから出力される発射信号(検出信号)は、払出制御基板37に入力され、払出制御基板37を経由して、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/O105へと伝送される。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてから所定時間(1分間など)が経過した後、最初に発射信号が検出されたときに、遊技開始通知コマンドを演出制御基板12に対して伝送させればよい。なお、発射球検出センサは、発射位置に隣接して設置されるものに限定されず、例えば遊技領域の左側方に設けられたガイドレールの出口付近に設置されるものでもよい。また、発射球検出センサを用いた遊技球の検出により遊技の開始を検出するものに限定されず、遊技の開始を検出可能な任意の構成を備えるものであればよい。例えばタッチリング(タッチセンサ)を用いた打球操作ハンドルの操作検出により遊技の開始を検出してもよい。あるいは、パチンコ遊技機1の内部または外部における所定位置に設けられた赤外線センサの遊技者検出(着座検出)により遊技の開始を検出してもよい。現在時刻を特定するためのRTC(リアルタイムクロック回路)を演出制御基板12に設置して、遊技店の開店時刻が経過してから最初に遊技球の発射が検出されることにより、遊技の開始を検出してもよい。
パチンコ遊技機1における遊技の開始を検出する処理として、パチンコ遊技機1における初回の可変表示が開始されたか否かを検出してもよい。例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてから所定時間(1分間など)が経過した後、最初に変動開始コマンドの受信があったと判定されたときに、遊技開始の検出があったと判定してもよい。現在時刻を特定するためのRTCを演出制御基板12に設置して、遊技店の開店時刻が経過してから最初に可変表示の開始が検出されたときに、遊技開始の検出があったと判定してもよい。
ステップS303にて遊技開始の検出があったと判定された場合には(ステップS303;Yes)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた遊技開始判定フラグをオン状態にセットしてから(ステップS304)、可変表示開始待ち処理を終了する。遊技開始判定フラグは、パチンコ遊技機1における遊技が開始されたか否かを示し、図9に示されたステップS78の演出出力設定処理にて参照される。
ステップS303にて遊技開始の検出がなかったと判定された場合には(ステップS303;No)、遊技終了待ち時間として予め定められた所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS305)。遊技終了待ち時間は、例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてからパチンコ遊技機1における遊技を行っていないと判定するまでの待ち時間(1分間など)として予め定められていればよい。遊技終了待ち時間が経過していない場合には(ステップS305;No)、可変表示開始待ち処理を終了する。一方、遊技終了待ち時間が経過した場合には(ステップS305;Yes)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた遊技終了判定フラグをオン状態にセットしてから(ステップS306)、可変表示開始待ち処理を終了する。遊技終了判定フラグは、パチンコ遊技機1における遊技が行われているか否かを示し、図9に示されたステップS78の演出出力設定処理にて参照される。
なお、演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)されてからの経過時間により遊技の終了を判定するものに限定されず、遊技の終了を検出可能な任意の構成を備えるものであればよい。例えば演出プロセスフラグの値が“0”に更新(初期化)された後に発射球検出センサを用いて遊技球が検出されないときに遊技の終了を検出してもよい。あるいは、タッチリング(タッチセンサ)を用いた打球操作ハンドルの操作検出により遊技の終了を検出してもよい。あるいは、パチンコ遊技機1の所定位置に設けられた赤外線センサの遊技者検出により遊技の終了を検出してもよい。
ステップS301にて変動開始コマンドの受信があった場合には(ステップS301;Yes)、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS307)、可変表示開始待ち処理を終了する。
図13は、図11のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS311)。ステップS311の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「小当り」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」、「突確(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。なお、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」となる場合には、ノーマルのリーチ演出が実行される場合に対応した「ノーマル(ハズレ)」の可変表示内容と、スーパーのリーチ演出が実行される場合に対応した「スーパー(ハズレ)」の可変表示内容とがあってもよい。可変表示内容が「小当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「小当り」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる。可変表示内容が「突確(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「小当り」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せとなる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される短期開放チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された短期開放チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の短期開放チャンス目のうちで、最終停止図柄となる飾り図柄の組合せを決定する。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
可変表示内容が「突確(大当り)」である場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄、または、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定する。例えば図8(A)に示す変動パターンのうち、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に対応して変動パターンPC1−1が指定された場合には、可変表示内容が「小当り」である場合と同様にして、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。一方、変動パターンPC2−1が指定された場合には、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合と同様にして、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。
ステップS311の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS501の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS311における最終停止図柄などの決定に続いて、変動中メッセージの有無や、変動中メッセージを報知する場合の報知態様に対応する変動中メッセージ種別を決定する(ステップS312)。演出制御用CPU120は、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された変動中メッセージ種別決定用データを選択して、変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別などを決定すればよい。変動中メッセージ種別決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、変動中メッセージ種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される変動中メッセージ種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中メッセージ種別決定用データを参照することにより、変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別を決定すればよい。
図14は、ステップS312の処理における変動中メッセージ種別(変動中メッセージの有無を含む)の決定例を示している。この実施の形態では、変動中メッセージ種別として、キャラクタ表示とテロップ表示とが予め用意されている。キャラクタ表示の変動中メッセージ種別は、画像表示装置5の画面上に表示したキャラクタのセリフとして、所定のメッセージを報知する変動中メッセージの報知演出である。テロップ表示の変動中メッセージ種別は、画像表示装置5の画面上における所定領域(例えば画面上部のメッセージ表示エリアなど)にてメッセージを示す演出画像(文字画像など)がテロップ表示(スクロール表示)されて所定のメッセージを報知する変動中メッセージの報知演出である。
図14に示す決定例では、可変表示内容に応じて異なる割合で、変動中メッセージを報知しない場合に対応した「メッセージなし」、あるいはキャラクタ表示やテロップ表示の変動中メッセージ種別のいずれかに決定される。例えば可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合には、可変表示内容が「ノーマル(ハズレ)」、「スーパー(ハズレ)」、「大当り」のいずれかである場合よりも高い割合で、キャラクタ表示やテロップ表示の変動中メッセージ種別に決定される。したがって、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」に対応して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない場合には、リーチ状態となる場合よりも高い割合で変動中メッセージの報知が行われる。このように、可変表示内容が特定内容となるか否かに応じて異なる割合で、変動中メッセージの報知が行われるようにしてもよい。なお、可変表示内容に応じて変動中メッセージの有無や種別が決定されるものに限定されず、可変表示内容にかかわらず所定割合で変動中メッセージの有無や種別が決定されてもよい。すなわち、変動中メッセージの有無や種別により可変表示内容が所定内容となる可能性が示唆されるものであってもよいし、そのような可能性が示唆されないものであってもよい。
図13に示すステップS312の処理による決定に基づいて、変動中メッセージを報知しない場合に対応した「メッセージなし」であるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、「メッセージなし」ではなくキャラクタ表示またはテロップ表示の変動中メッセージ種別であると判定された場合には(ステップS313;No)、変動中メッセージ決定処理を実行する(ステップS314)。変動中メッセージ決定処理では、変動中メッセージ種別の決定結果に応じて、飾り図柄の可変表示中に報知される具体的なメッセージの内容などが決定される。
図15は、この実施の形態における変動中メッセージの設定例を示している。図15に示す複数種類の変動中メッセージのうち、変動中メッセージMN1A〜変動中メッセージMN1E、変動中メッセージMN2A〜変動中メッセージMN2C、変動中メッセージMN3A〜変動中メッセージMN3Cは、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)の示唆を目的としない通常メッセージに分類される。一方、変動中メッセージMSA〜変動中メッセージMSFは、大当り期待度の示唆を目的とする特定メッセージに分類される。
変動中メッセージMN1A、変動中メッセージMN2A、変動中メッセージMN3Aは、パチンコ遊技機1における遊技の説明となる内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1B、変動中メッセージMN2B、変動中メッセージMN3Bは、パチンコ遊技機1のモチーフとなるストーリー(物語)の説明となる内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1C、変動中メッセージMN2C、変動中メッセージMN3Cは、遊技説明やストーリー説明に限定されない一般的な内容の通常メッセージである。変動中メッセージMN1Dは、例えば音量や光量といった、演出装置における出力量の設定を示す通常メッセージであり、特に、演出装置の出力量が最小出力量であることを示す通常メッセージである。変動中メッセージMN1Eは、演出カスタマイズによる特典演出の実行制御が有効化されているか否かを示す通常メッセージであり、特に、演出カスタマイズによる特典演出が無効であることを示す通常メッセージである。
この実施の形態では、変動中メッセージ種別がキャラクタ表示とテロップ表示のいずれに決定されたかにかかわらず、共通の変動中メッセージが決定され、変動中メッセージ種別の決定結果に応じて異なる報知態様で報知される。キャラクタ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上に表示したキャラクタのセリフとなってメッセージが報知される。テロップ表示の変動中メッセージ種別に決定された場合には、画像表示装置5の画面上における所定領域(例えば画面上部のメッセージ表示エリアなど)にてメッセージを示す演出画像(文字画像など)がテロップ表示(スクロール表示)される。
図16(A)〜(E)は、変動中メッセージ種別がキャラクタ表示に決定された場合に対応する変動中メッセージの報知例を示している。例えば変動中メッセージMN1Aとして、図16(A)に示すように、「ステップアップ予告はステップが進むほどアツイ!!」という遊技説明となるメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Bとして、図16(B)に示すようなストーリー説明となるメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Cとして、図16(C)に示すような一般メッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Dとして、図16(D)に示すような演出出力設定(この例では音量設定)が最小出力量であることを示唆するメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。変動中メッセージMN1Eとして、図16(E)に示すような演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが、キャラクタCH1のセリフとなって報知される。
図16(F)は、変動中メッセージ種別がテロップ表示に決定された場合に対応する変動中メッセージの報知例を示している。例えば変動中メッセージMN1Eとして、図16(F)に示すような演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが、画像表示装置5の所定領域にてテロップ表示される。
図17は、図13のステップS314にて実行される変動中メッセージ決定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す変動中メッセージ決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」に対応した非リーチであるか否かを判定する(ステップS401)。そして、非リーチである場合には(ステップS401;Yes)、通常メッセージとなる変動中メッセージを決定するために用意された通常メッセージ決定用データを選択する(ステップS402)。通常メッセージ決定用データでは、例えばメッセージ決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、通常メッセージに分類される複数種類の変動中メッセージに、割り当てられていればよい。このときには、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられたグループ選択バッファの格納値であるグループ選択バッファ値を特定する(ステップS403)。この実施の形態では、通常メッセージとなる複数種類の変動中メッセージが予め複数のグループに区分けされ、可変表示が実行されるごとに、変動中メッセージが選択されるグループを切り替える。ステップS401にて非リーチではないと判定された場合には(ステップS401;No)、特定メッセージを選択するか否かに対応した特定メッセージ選択の有無を決定する(ステップS404)。
図18(A)は、ステップS404の処理における特定メッセージ選択有無の決定例を示している。演出制御用CPU120は、特定メッセージ選択の有無を決定するために用意された特定メッセージ有無決定用データを選択する。特定メッセージ有無決定用データでは、例えば特定メッセージ有無決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特定メッセージ選択の有無を示す決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される特定メッセージ選択有無決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、特定メッセージ有無決定用データを参照することにより、特定メッセージ選択の有無を決定すればよい。
図17に示すステップS404の決定に基づいて、特定メッセージの選択があるか否かを判定する(ステップS405)。このとき、特定メッセージの選択がなければ(ステップS405;No)、ステップS402の処理に進み、通常メッセージを決定するための設定を行う。一方、特定メッセージの選択がある場合には(ステップS405;Yes)、特定メッセージとなる変動中メッセージを決定するために用意された特定メッセージ決定用データを選択する(ステップS406)。特定メッセージ決定用データでは、例えばメッセージ決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特定メッセージに分類される複数種類の変動中メッセージに、割り当てられていればよい。
ステップS403、S406の処理を実行した後には、変動中メッセージを決定する(ステップS407)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるメッセージ決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、選択したメッセージ決定用データ(通常メッセージ決定用データまたは特定メッセージ決定用データ)を参照することにより、変動中メッセージを決定すればよい。
図18(B)は、ステップS407の処理による通常メッセージの決定例を示している。通常メッセージとして決定可能な変動中メッセージは、グループ選択バッファ値や演出出力設定、演出カスタマイズの状態(無効または有効)に応じて設定されればよい。図18(B)に示す決定例では、グループ選択バッファ値が「1」であるときに、演出出力設定や演出カスタマイズの状態に応じて、決定可能な変動中メッセージを異ならせている。例えば演出出力設定が最小出力量かつ遊技者調整可である場合には、変動中メッセージMN1Dに決定可能となる一方、最小出力量以外または遊技者調整不可である場合には、変動中メッセージMN1Dに決定不能となる。また、例えば演出カスタマイズが無効である場合には、変動中メッセージMN1Eに決定可能となる一方、演出カスタマイズが有効である場合には、変動中メッセージMN1Eに決定不能となる。グループ選択バッファ値が「2」または「3」であるときには、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eに決定不能となる。したがって、演出出力設定が最小出力量であり遊技者による調整が許容されるときには、所定割合で変動中メッセージMN1Dに決定される。演出カスタマイズが無効であるときには、所定割合で変動中メッセージMN1Eに決定される。
図18(C)は、ステップS407の処理による特定メッセージの決定例を示している。特定メッセージとなる変動中メッセージは、可変表示内容に応じて決定割合が異なっている。したがって、特定メッセージとなる変動中メッセージにおける報知内容により、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)を示唆することができる。
図17に示すステップS407にて変動中メッセージを決定した後には、グループ選択バッファ値を更新してから(ステップS408)、変動中メッセージ決定処理を終了する。例えばステップS408の処理では、グループ選択バッファ値が「1」または「2」であれば、グループ選択バッファ値を1加算するように更新し、グループ選択バッファ値が「3」であれば、グループ選択バッファ値を「1」に更新すればよい。これにより、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eは、飾り図柄の可変表示が3回実行されるごとに、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合、または可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外でも通常メッセージを選択する場合(特定メッセージ選択がない場合)に対応して、所定割合で決定することができる。こうして、例えばステップS407の処理にてグループ選択バッファ値が「1」に対応して変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eが決定された後には、グループ選択バッファ値が更新されて再び「1」になるまでは、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eが決定されない。このように、パチンコ遊技機1における変動中メッセージとして、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージを選択した履歴に応じて、以降の可変表示に対応する変動中メッセージを選択することができる。例えば飾り図柄の可変表示が3回実行されるという、パチンコ遊技機1における所定の遊技ごとに報知される変動中メッセージとして、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージを、所定割合で選択することができる。ただし、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外である場合には、ステップS404の処理にて特定メッセージを選択しないと決定される割合が低い。したがって、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、パチンコ遊技機1における遊技の結果が特定結果となる場合には、こうした特定結果とならない場合よりも低い割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する演出態様にできる。
なお、グループ選択バッファ値を更新するものに代えて、ステップS407の処理により変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eが決定されたときには、所定のメッセージ決定制限フラグをオン状態にセットして、そのメッセージ決定制限フラグがオンである期間は、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージ1Eを決定可能な変動中メッセージに設定しないように制限を設けてもよい。メッセージ決定制限フラグは、例えば可変表示の実行回数が所定回数(10回など)に達したことや、所定時間(5分間など)が経過したこと、デモ表示が開始されたことといった、予め定められたメッセージ決定制限解除条件が成立したときに、クリアされてオフ状態になればよい。
図13に示すステップS313にて変動中メッセージを報知しないメッセージなしであると判定された場合や(ステップS313;Yes)、ステップS314の変動中メッセージ決定処理を実行した後には、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様に対応する予告演出種別を決定する(ステップS315)。演出制御用CPU120は、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出種別決定用データを選択して、予告演出の有無や予告演出種別などを決定すればよい。予告演出種別決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や予告演出種別に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出種別決定用データを参照することにより、予告演出の有無や予告演出種別を決定すればよい。
図19(A)は、ステップS315の処理における予告演出種別(予告演出の有無を含む)の決定例を示している。この実施の形態では、複数の予告演出種別として、ボタン操作、ステップアップ、レバー操作が予め用意されている。ボタン操作の予告演出種別は、プッシュボタン31Bに対する遊技者による所定操作(押下操作など)が検出されたタイミングにて所定の演出動作が行われ、その演出態様などに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。ステップアップの予告演出種別は、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様が複数段階に変化するなどの演出動作が実行されればよい。このように、ステップアップの予告演出種別は、特図ゲームの開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる最終停止図柄が導出表示されるまでに、演出態様が所定の順番に従って1段階から複数段階まで変化(ステップアップ)することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。「ステップアップ」の予告演出では、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り信頼度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り信頼度が高いことを示唆できればよい。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。「ステップアップ」の予告演出における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や表示色、表示柄といった、表示態様の一部または全部が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は段階的に変化したと認識可能なものであればよい。キャラクタ画像の表示によるステップアップの他にも、可動部材が繰返し動作する回数や同時に動作する部材数、動作する部材の種類などを異ならせることにより、大当り信頼度を異ならせてもよい。レバー操作の予告演出種別は、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する遊技者による所定操作(傾倒操作など)が検出されたタイミングにて所定の演出動作が行われ、その演出態様などに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。
図19(B)は、パチンコ遊技機1にて用いられる予告演出種別の設定例を示している。各予告演出種別は、複数の予告演出パターンが分類されて属するグループであって、共通する演出態様を含む予告演出パターンのグループごとに区分けされていればよい。ボタン操作の予告演出種別は、予告演出パターンYKP1−1〜予告演出パターンYKP1−4と、予告演出パターンYKP1Dおよび予告演出パターンYKP1Eが属するグループである。ステップアップの予告演出種別は、予告演出パターンYKP2−1〜予告演出パターンYKP2−4が属するグループである。レバー操作の予告演出種別は、予告演出パターンYKP3−1〜予告演出パターンYKP3−4が属するグループである。
図20および図21は、各種の予告演出が実行される場合に対応した演出実行例を示している。図20(A)〜(D)は、予告演出種別がボタン操作に決定された場合に対応する予告演出の実行例を示している。予告演出種別がボタン操作に決定された場合には、予告演出パターンYKP1−1〜予告演出パターンYKP1−4や予告演出パターンYKP1D、予告演出パターンYKP1Eのうちいずれかの予告演出パターンといった、ボタン操作の予告演出パターンが決定される。ボタン操作の予告演出パターンに対応して予告演出が実行される場合には、例えば図20(A)に示すように、プッシュボタン31Bに対する遊技者の所定操作(押下操作など)を促す促進演出が実行され、所定操作の検出に基づいて、所定のメッセージを報知するなどの演出動作が実行される。例えば予告演出パターンYKP1−2によるメッセージとして、図20(B)に示すような大当り期待度を示唆するメッセージが報知される。一方、予告演出パターンYKP1Dによるメッセージとして、図20(C)に示すような演出出力設定(この例では音量設定)が最小出力量であることを示唆するメッセージが報知される。また、予告演出パターンYKP1Eによるメッセージとして、図20(D)に示すような演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが報知される。
図21(A)は、予告演出種別がステップアップに決定された場合に対応する予告演出の実行例を示している。予告演出種別がステップアップに決定された場合には、予告演出パターンYKP2−1〜予告演出パターンYKP2−4のうちいずれかの予告演出パターンといった、ステップアップの予告演出パターンが決定される。ステップアップの予告演出パターンに対応して予告演出が実行される場合には、例えば図21(A)に示すキャラクタ画像の表示などにより、演出態様を1段階から複数段階まで変化させることができる。ステップアップの予告演出パターンには、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するものや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するものが含まれていない。
図21(B1)および(B2)は、予告演出種別がレバー操作に決定された場合に対応する予告演出の実行例を示している。予告演出種別がレバー操作に決定された場合には、予告演出パターンYKP3−1〜予告演出パターンYKP3−4のうちいずれかの予告演出パターンといった、レバー操作の予告演出パターンが決定される。レバー操作の予告演出パターンに対応して予告演出が実行される場合には、例えば図21(B1)に示すように、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する遊技者の所定操作(傾倒操作など)を促す促進演出が実行され、所定操作の検出に基づいて、所定のメッセージを報知するなどの演出動作が実行される。レバー操作の予告演出パターンには、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するものや、演出カスタマイズが無効であることを示唆するものが含まれていない。
図13に示すステップS315の処理による決定に基づいて、予告演出を実行しない場合に対応した「実行なし」であるか否かを判定する(ステップS316)。このとき、「実行なし」ではなくボタン操作、ステップアップ、レバー操作の予告演出種別のいずれかであると判定された場合には(ステップS316;No)、予告演出パターンを決定する(ステップS317)。例えば演出制御用CPU120は、予告演出種別に応じて予め用意された予告演出パターン決定用データを選択する。予告演出パターン決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出パターン決定用データを参照することにより、予告演出パターンを決定すればよい。
図22(A)は、非リーチ時に対応したボタン操作の予告演出パターン決定例を示している。可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となる非リーチ時には、演出出力設定や演出カスタマイズの状態(無効または有効)に応じた所定割合で、ボタン操作の予告演出パターンが決定される。また、演出出力設定や演出カスタマイズの状態に応じて、決定可能なボタン操作の予告演出パターンを異ならせている。例えば演出出力設定が最小出力量かつ遊技者調整可である場合には、予告演出パターンYKP1Dに決定可能となる一方、最小出力量以外または遊技者調整不可である場合には、予告演出パターンYKP1Dに決定不能となる。例えば演出カスタマイズが無効である場合には、予告演出パターンYKP1Eに決定可能となる一方、演出カスタマイズが有効である場合には、予告演出パターンYKP1Eに決定不能となる。したがって、演出出力設定が最小出力量であり遊技者による調整が許容されるときには、所定割合で予告演出パターンYKP1Dに決定される。演出カスタマイズが無効であるときには、所定割合で予告演出パターンYKP1Eに決定される。
なお、ステップS317の処理にてボタン操作の予告演出パターンを決定したときには、変動中メッセージの場合におけるグループ選択バッファ値と同様に所定のバッファ値を更新して、そのバッファ値が所定値(例えば「1」)であるときに、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eを決定可能な予告演出パターンに設定する一方、バッファ値が所定値以外であるときには、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eを決定可能な予告演出パターンに設定しないようにしてもよい。あるいは、ステップS317の処理により予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eが決定されたときには、所定のパターン決定制限フラグをオン状態にセットして、そのパターン決定制限フラグがオンである期間は、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eを決定可能な予告演出パターンに設定しないように制限を設けてもよい。パターン決定制限フラグは、例えば可変表示の実行回数が所定回数(10回など)に達したことや、所定時間(5分間など)が経過したこと、デモ表示が開始されたことといった、予め定められたパターン決定制限解除条件が成立したときに、クリアされてオフ状態になればよい。
図22(B)は、非リーチ時以外に対応したボタン操作の予告演出パターン決定例を示している。可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外となる場合には、演出出力設定や演出カスタマイズの状態(無効または有効)にかかわらず所定割合で、ボタン操作の予告パターンが決定される。この場合には、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eには決定されないように制限が設けられる。このように、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、パチンコ遊技機1における遊技の結果が特定結果となる場合には、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行しないように制限が設けられる。なお、遊技の結果が特定結果となる場合には、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行しないように制限が設けられるものに限定されず、特定結果とならない場合よりも低い割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出が実行されるように制限が設けられてもよい。例えば変動中メッセージの場合と同様に、非リーチ時以外の場合でも、所定割合で非リーチ時の予告演出パターン決定処理を行うことに決定されたときには、非リーチ時と同様の決定割合で予告演出パターンが決定されてもよい。
こうして、図13に示すステップS317の処理では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となるか否かに応じて、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eに決定可能とするか否かを異ならせたり、それらの決定割合を異ならせたりすることで、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができる。また、図13に示すステップS315の処理では、例えば図19(A)に示すように、可変表示内容に応じて異なる割合でボタン操作の予告演出種別に決定される。予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eは、ボタン操作の予告演出種別に分類されることから、ボタン操作の予告演出種別に決定された場合に選択可能となる一方、ステップアップやレバー操作の予告演出種別に決定された場合には選択することができない。このことからしても、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができる。したがって、予告演出種別の決定割合と予告演出パターンの決定割合との双方により、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができる。なお、予告演出種別の決定割合と予告演出パターンの決定割合とのうちいずれか一方により、遊技の結果が特定結果となるか否かに応じて異なる割合で、特定の設定がされた状態であることを示唆する予告演出を実行することができるようにしてもよい。
図13に示すステップS316の処理にて「実行なし」と判定された場合や(ステップS316;Yes)、ステップS317の処理を実行した後には、簡単スタート指示受付期間を設定する(ステップS318)。簡単スタート指示受付期間は、変動中メッセージMN1Eや予告演出パターンYKP1Eに決定された場合に、演出カスタマイズが無効であることを示唆するメッセージが報知される期間に対応して、プッシュボタン31Bに対する操作を有効に受け付けて、簡単スタートによる演出カスタマイズを開始可能にする期間である。ステップS318の処理に続いて、出力変更指示受付期間を設定する(ステップS319)。出力変更指示受付期間は、変動中メッセージMN1Dや予告演出パターンYKP1Dに決定された場合に、演出出力設定が最小出力量であることを示唆するメッセージが報知される期間に対応して、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する操作を有効に受け付けて、演出出力の設定変更を可能にする期間である。
ステップS319の処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS320)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS314の変動中メッセージ決定処理による変動中メッセージの決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。さらに、演出制御用CPU120は、ステップS317の処理による予告演出パターンの決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS320の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに基づき、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS321)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS322)。このときには、例えばステップS320にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS322の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS323)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS324)、可変表示開始設定処理を終了する。
図23は、図11のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS331)。一例として、ステップS331の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS331にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS331;No)、変動中メッセージ報知期間であるか否かを判定する(ステップS332)。変動中メッセージ報知期間は、例えば図13に示すステップS320の処理にて変動中メッセージの決定結果に応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS332にて変動中メッセージ報知期間であるときには(ステップS332;Yes)、変動中メッセージを報知する制御を行う(ステップS333)。ステップS333の処理では、例えば変動中メッセージの決定結果に応じて選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて変動中メッセージの報知が行われればよい。
ステップS332にて変動中メッセージ報知期間ではないと判定されたときや(ステップS332;No)、ステップS333の処理を実行した後には、予告演出期間であるか否かを判定する(ステップS334)。予告演出期間は、例えば図13に示すステップS320の処理にて予告演出パターンの決定結果に応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS334にて予告演出期間であるときには(ステップS334;Yes)、予告演出を実行するための演出制御を行う(ステップS335)。ステップS335の処理では、例えば予告演出パターンの決定結果に応じて選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて予告演出を実行すればよい。
ステップS334にて予告演出期間ではないと判定されたときや(ステップS334;No)、ステップS335の処理を実行した後には、リーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS336)。リーチ演出期間は、例えば図13に示すステップS320の処理にて変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS336にてリーチ演出期間であるときには(ステップS336;Yes)、リーチ演出を実行するための演出制御を行う(ステップS337)。ステップS336にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(ステップS336;No)、ステップS337の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS338)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップS331にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS331;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS339)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS339;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS339にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS339;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS340)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS341)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS342)、可変表示中演出処理を終了する。
図24は、図9のステップS78にて実行される演出出力設定処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出出力設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、設定切替スイッチ300の変更があったか否かを判定する(ステップS221)。例えば演出制御用CPU120は、ステップS221の処理を実行するごとに、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を読み取って、RAM122の所定領域に格納する。このとき、例えば今回読み取ったスイッチ位置と前回読み取ったスイッチ位置とが異なる場合には、設定切替スイッチ300の変更があったと判定すればよい。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときには、前回読み取ったスイッチ位置の記録がないことから、必ず設定切替スイッチ300の変更があったと判定してもよい。ステップS221にて設定切替スイッチ300の変更があった場合には(ステップS221;Yes)、変更後の状態(スイッチ位置)に対応した設定を行う(ステップS222)。
図25は、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応する設定内容の一例を示している。例えば、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「5」である場合には、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量について、上限音量が「97.0」に初期設定され、遊技者による音量設定(調整)が可能(許容)に設定される。なお、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量に限定されず、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDの光量といった、任意の演出装置の出力量を設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて初期設定できればよい。図24に示すステップS222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応した演出出力量の設定情報(出力量設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出出力量を複数段階(例えば6段階)のいずれかに初期設定できればよい。ここで、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「6」〜「B」のいずれかであり、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)となる場合には、ステップS222の処理にて初期設定された演出出力量で以降の演出などが実行される。
図24に示すステップS221にて設定切替スイッチ300の変更がない場合や(ステップS221;No)、ステップS222の処理を実行した後には、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)であるか否かを判定する(ステップS223A)。遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合には(ステップS223A;Yes)、出力変更の指示があったか否かを判定する(ステップS223B)。演出制御用CPU120は、例えばデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)が検出された場合に、出力変更の指示があったと判定すればよい。また、例えば飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、特定の変動中メッセージや予告演出に応じてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作が検出されたときなどに、出力変更の指示があったと判定すればよい。
ステップS223Bにて出力変更の指示があった場合には(ステップS223B;Yes)、指示に対応した表示と設定を行う(ステップS224)。この実施の形態では、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合に、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿(レバー)を操作することにより、設定切替スイッチ300のスイッチ位置と同様に、演出出力量を6段階のいずれかに設定変更(調整)することができる。画像表示装置5の画面上には、例えばデモ画面のレイヤーに設定変更画面のレイヤーを重畳表示するなどして、設定変更画面の裏ではデモ画面の表示が継続されてもよい(音声出力なども継続される)。
図26は、音量設定変更画面の表示例を示している。演出制御用CPU120は、表示制御部123に所定の表示制御指令を送ることなどにより、RAM122の所定領域に格納されている出力量設定情報に応じた演出出力量を特定可能に示す設定変更画面を、画像表示装置5に表示させる。例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」であり、未だ遊技者による設定変更(調整)が行われていないときには、音量設定が「音量1(最小)」であることに対応して、図26に示す6段階に対応したメモリのうち1つだけを第1表示色(例えば赤色)で表示する一方、残りの5つを第1表示色とは異なる第2表示色(例えば白色)で表示する。そして、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が右に傾倒操作されたことに対応して、音量設定を「音量2」に変更するとともに、音量設定変更画面において第1表示色のメモリを1つ増加させる。このように、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が第1方向(右方向など)に傾倒操作されるごとに、演出出力量の設定が最大に達するまで、複数段階の演出出力量を1段階ずつ増加させるように変更すればよい。一方、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が第1方向とは異なる第2方向(左方向)に傾倒操作されるごとに、演出出力量の設定が最小に達するまで、複数段階の演出出力量を1段階ずつ減少させるように変更すればよい。
図24に示すステップS224の処理では、変更後の演出出力量を報知する確認動作が実行されてもよい。例えば演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから変更後の音量に対応する確認音を出力させる。また、演出制御用CPU120は、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを変更後の光量に対応して点灯させる。
ステップS223Aにて遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合や(ステップS223A;No)、ステップS223Bにて出力変更の指示がなかった場合(ステップS223B;No)、あるいはステップS224の処理を実行した後には、電力供給開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS225)。このとき、電力供給開始フラグがオフであれば(ステップS225;No)、遊技開始判定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS226)。遊技開始判定フラグがオフであれば(ステップS226;No)、遊技終了判定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS227)。遊技終了判定フラグがオフであるときには(ステップS227;No)、演出出力設定処理を終了する。
ステップS225にて電力供給開始フラグがオンである場合や(ステップS225;Yes)、ステップS226にて遊技開始判定フラグがオンである場合(ステップS226;Yes)、あるいはステップS227にて遊技終了判定フラグがオンである場合には(ステップS227;Yes)、オンであると判定された対応するフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS228A)、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)であるか否かを判定する(ステップS228B)。
ステップS228Bにて遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合には(ステップS228B;Yes)、例えばRAM122の所定領域に格納された出力量設定情報に基づいて、演出出力設定が最小出力量であるか否かを判定する(ステップS229)。そして、演出出力設定が最小出力量であるときには(ステップS229;Yes)、最小出力量であることを示唆する演出を実行するための制御を行う(ステップS230)。このときには、ステップS225〜S227の処理によりオンであると判定されたフラグに応じた演出制御パターンを選択することなどにより、状況に応じた示唆を行うことができればよい。
ステップS228Bにて遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合や(ステップS228B;No)、ステップS229にて演出出力設定が最小出力量ではない場合(ステップS229;No)、あるいはステップS230の処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域に格納されたカスタマイズ設定情報に基づいて、演出カスタマイズの設定が無効であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、演出カスタマイズの設定が有効であれば(ステップS231;No)、演出出力設定処理を終了する。
ステップS231にて演出カスタマイズの設定が無効である場合には(ステップS231;Yes)、演出カスタマイズが無効であることを示唆する演出を実行するための制御を行う(ステップS232)。このときには、ステップS225〜S227の処理によりオンであると判定されたフラグに応じた演出制御パターンを選択することなどにより、状況に応じた示唆を行うことができればよい。
なお、演出制御基板12に搭載されたRAM122がバックアップ電源によってバックアップされない場合には、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止するごとに、その記憶内容が消去される。そのため、ステップS225にて電力供給開始フラグがオンである場合に対応してステップS231の処理が実行されたときには、常に演出カスタマイズの設定が無効であると判定され、ステップS232の処理が実行されることになる。一方、ステップS229の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、演出出力設定が最小出力量であると判定される場合と判定されない場合とがある。そこで、ステップS225にて電力供給開始フラグがオンであると判定された場合には、ステップS229の処理による判定を行う一方、ステップS231の処理による判定やステップS232の処理による演出制御は行わないようにしてもよい。あるいは、演出カスタマイズの設定をバックアップRAMに格納して保存したり、RAM122とは異なる不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリなど)に格納するなどして、電力供給が停止しても記憶内容が消去されないようにしてもよい。また、演出出力設定についても、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)を用いた遊技者による出力設定をバックアップRAMに格納して保存したり、RAM122とは異なる不揮発性メモリに格納するなどして、電力供給が停止しても記憶内容が消去されないようにしてもよい。すなわち、ステップS225の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置のみに基づいて演出出力設定が最小出力量であるか否かを判定してもよいし、設定切替スイッチ300のスイッチ位置だけでなくバックアップRAMなどに保存された出力設定にも基づいて演出出力設定が最小出力量であるか否かを判定してもよい。
図27は、電力供給開始時の示唆例を示している。図27に示す例では、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の初期表示が行われているときに、演出出力設定が最小出力量であることを報知するメッセージとなる文字画像や、演出カスタマイズが無効であることを報知するメッセージとなる文字画像を表示させる。このようなメッセージとなる文字画像の表示とともに、あるいは文字画像の表示に代えて、スピーカ8L、8Rによりメッセージとなる音声を出力させてもよい。その他、任意の演出装置を用いて、演出出力設定が最小出力量であることを示唆する演出動作、または演出カスタマイズが無効であることを示唆する演出動作が実行されればよい。例えば、遊技効果ランプ9に含まれる所定の報知ランプを点灯させることにより、演出出力設定が最小出力量であることを報知してもよい。これにより、演出出力設定が最小出力量であることを、遊技店の係員などが容易に認識することができる。
図28(A)は、通常時におけるデモ画面の表示例を示している。例えば演出制御用CPU120は、図12に示す可変表示開始待ち処理において、ステップS302の処理による演出制御を行うことにより、図28(A)に示すようなデモ画面を画像表示装置5に表示させる。このときには、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)やプッシュボタン31Bに対する遊技者による所定操作を有効に検出して、演出カスタマイズに関する各種設定を行うためのカスタマイズ画面を表示可能にしてもよい。演出制御用CPU120は、例えば図10に示すステップS202にてカスタマイズ画面の表示開始条件が成立したと判定すると、ステップS203の処理による設定に基づいて、カスタマイズ画面の表示を開始すればよい。
図28(B1)および(B2)は、遊技開始時または遊技終了時の示唆例を示している。例えば演出制御用CPU120は、図12に示す可変表示開始待ち処理において、ステップS303の処理により遊技開始の検出があったと判定したときに、ステップS304の処理により遊技開始判定フラグをオン状態にセットする。図24に示す演出出力設定処理では、ステップS226の処理にて遊技開始判定フラグがオンであると判定されたときに、ステップS228BやステップS231の処理が実行される。また、図12に示す可変表示開始待ち処理において、ステップS305の処理により遊技終了待ち時間が経過したと判定されたときに、ステップS306の処理により遊技終了判定フラグをオン状態にセットする。図24に示す演出出力設定処理では、ステップS227の処理にて遊技終了判定フラグがオンであると判定されたときに、ステップS228BやステップS231の処理が実行される。
こうしてステップS228Bの処理が実行されたときに、演出出力設定が最小出力量であると判定された場合には、図28(B1)に示すように、演出出力設定が最小出力量であることを報知するメッセージとなる文字画像を表示させる。また、ステップS231の処理が実行されたときに、演出カスタマイズの設定が無効であると判定された場合には、図28(B2)に示すように、演出カスタマイズが無効であることを報知するメッセージとなる文字画像を表示させる。このようなメッセージとなる文字画像は、デモ表示の一部として表示されてもよいし、デモ表示とは別個の報知画像として表示されてもよい。メッセージとなる文字画像の表示とともに、あるいは文字画像の表示に代えて、スピーカ8L、8Rによりメッセージとなる音声を出力させてもよい。その他、任意の演出装置を用いて、演出出力設定が最小出力量であることを示唆する演出動作、または演出カスタマイズが無効であることを示唆する演出動作が実行されればよい。パチンコ遊技機1における遊技開始の検出として、初回の可変表示が開始されたことを検出したときに、演出出力設定が最小出力量であることのメッセージや、演出カスタマイズの設定が無効であることのメッセージを報知してもよい。このように、初回の可変表示が開始されたときには、強制的に特定設定状態であることの示唆を行うようにしてもよい。
パチンコ遊技機1などの遊技機については、例えば出力音量などの演出出力量に関する規制が行われ、その規制の範囲内で演出出力量の設定を変更できる場合がある。しかしながら、演出出力量の設定を変更できることが遊技者に認識されていないため、初期設定のまま遊技が行われてしまい、遊技者の好みに合わない出力設定であるなどの理由から、遊技興趣が減退して遊技機の稼動が低下するおそれがある。また、遊技店では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を調整して、演出出力量が最小出力量となるような初期設定で電源投入される場合があり、演出出力の設定が遊技者の好みに合わない場合が増大するおそれがある。そこで、演出出力設定が最小出力量であるときには、その旨を報知するメッセージとなる文字画像の表示などにより、演出出力設定が最小出力量であることの示唆を行う。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、演出出力設定が最小出力量である場合と、演出カスタマイズの設定が無効である場合に、これらを示唆する演出などが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出出力設定が最小出力量である場合と、演出カスタマイズの設定が無効である場合とのうち、いずれか一方の場合にのみ所定の示唆が行われ、他方の場合には示唆が行われないように構成されたものでもよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1などの遊技機に対する電力供給が開始されたときや、遊技の開始が検出されたとき、遊技の終了が検出されたときに、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることを示唆する報知などを行うものとして説明した。また、変動中メッセージやボタン操作の予告演出といった、パチンコ遊技機1などの遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることに対応した特定演出態様とするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1における任意の遊技中あるいは遊技中以外の所定期間にて、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることなどを示唆できるものであればよい。例えばパチンコ遊技機1における可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態に対応して実行される大当り中演出の演出態様として、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることに対応した特定演出態様が選択されるものとしてもよい。あるいは、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態といった特別遊技状態であるときに、可変表示の実行に対応して、あるいは可変表示の実行に対応することなく、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることなどを示唆できるようにしてもよい。
上記実施の形態では、演出出力設定が最小出力量である場合に、これを示唆する演出などが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、演出出力設定に基づく所定の示唆条件が成立したときに、その条件成立を示唆する演出などが実行されるものであってもよい。例えば、演出出力設定が最大出力量である場合に、これを示唆する演出などが実行されてもよい。あるいは、例えば音量設定が「音量1(最小)」または「音量2」である場合といった、所定量未満(音量3未満など)である場合に、これを示唆する演出などが実行されてもよい。
上記実施の形態では、演出カスタマイズの設定が無効である場合に、これを示唆する演出などが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1などの遊技機における遊技履歴にかかわらず変更可能な任意の演出設定に基づく所定の示唆条件が成立したときに、その条件成立を示唆する演出などが実行されるものであってもよい。例えば、遊技者によるスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)といった操作手段に対する所定操作が検出されたことに応じて、複数種類のキャラクタからいずれかを選択し、選択されたキャラクタに応じた演出が複数回の可変表示にわたり実行可能となる場合に、所定操作が検出されない場合に対応したキャラクタが選択されているときに、これを示唆する演出などが実行されてもよい。
上記実施の形態では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置により、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、設定切替スイッチ300のスイッチ位置にかかわらず、遊技者による設定変更(調整)が常に可能(許容)であるものであってもよい。また、上記実施の形態では、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)といった所定の操作手段に対する所定操作により、設定切替スイッチ300のスイッチ位置による設定と同様の複数段階(6段階など)のいずれかに演出出力量を変更できるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技者による操作に応じて変更可能な演出出力量の範囲と、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて変更可能な演出出力量の範囲とが、所定の対応関係にあってもよいし、一方の範囲が他方の範囲より広い範囲または狭い範囲となるものであってもよい。例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた複数段階ごとに、遊技者による操作に応じて変更可能な演出出力量の範囲として、互いに異なる可変設定範囲が予め定められていてもよい。より具体的な一例として、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「2」のいずれかであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの光量が「30%」〜「70%」の範囲で変更可能となり、スイッチ位置が「3」〜「5」のいずれかであるときには、光量が「60%」〜「100%」の範囲で変更可能となるようにしてもよい。このように、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて変更可能な演出出力量の範囲は、複数段階のスイッチ位置に共通する範囲(重複範囲)を含んでいてもよい。あるいは、設定切替スイッチ300のスイッチ位置ごとに、重複範囲を含まない演出出力量の変更可能範囲が定められていてもよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ30とプッシュボタン31Bとが互いに別個の操作手段として設けられ、それぞれの操作手段に対する所定操作による指示操作が検出された結果に応じて、演出カスタマイズの設定や演出出力量の変更が行われたり、所定の予告演出における演出態様を変化させたりするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばプッシュボタン31Bのみといった、単一の操作手段を備えるものにおいて、その操作手段に対する所定操作による指示入力の検出結果に応じて、各種の設定や変更ができるようにしてもよい。
遊技者による指示入力を検出するための構成は、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bに限定されず、例えば回動操作が可能なジョグダイアルであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による指示入力行為に限定されない任意の動作を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手といった被写体を撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、任意の入力動作を所定操作として検出できるようにしてもよい。すなわち、所定操作を検出するための構成は、任意対象物の動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1における遊技が実行されているときに、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eの報知、あるいは、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eによる予告演出の実行に応じて、出力変更指示受付期間や簡単スタート指示受付期間が設定され、それ以外の期間では遊技者による所定操作に応じた演出出力設定の変更や簡単スタートの指示が行われないものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示といった、遊技の進行に応じた演出が実行されているときでも、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)やプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)に応じて、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更を受け付けることができてもよい。ただし、例えばボタン操作の予告演出やレバー操作の予告演出といった、所定の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合には、設定変更を行うための操作を受け付けないように制限を設けてもよい。これにより、遊技者が意図しない設定変更を防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることで、遊技興趣を向上させることができる。
また、例えば飾り図柄の可変表示が開始されても、ボタン操作の予告演出が開始されるまでの期間といった、遊技の進行に応じた演出が所定態様となるまでの期間において、設定変更を行うための操作を受け付けるようにしてもよい。これにより、設定変更の操作により遊技における演出が妨げられることを防止して、遊技興趣を向上させることができる。
さらに、例えばボタン操作の予告演出といった操作演出の実行が終了してから所定時間が経過したときに、設定変更の操作を受け付けないようにした制限を解除してもよい。これにより、操作演出の実行に伴い設定変更の操作が誤って受け付けられることを防止できる。
加えて、例えば画像表示装置5の画面上に、演出出力量や演出カスタマイズの設定状態を特定可能に表示する表示エリアを設け、ボタン操作の予告演出といった遊技の進行に応じた演出を、こうした表示エリア以外の領域にて実行してもよい。これにより、遊技における演出が妨げられることなく設定変更の操作を受け付けた旨を認識させることができる。
また、例えばスティックコントローラ30やプッシュボタン31Bのような複数の操作手段が設けられた場合に、1の操作手段に対する操作に応じて設定変更の操作を受け付け、他の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行されるときには、こうした設定変更の操作を受け付けないように制限を設けてもよい。これにより、操作演出の実行に伴い設定変更の操作が誤って受け付けられることを防止できる。
その他、設定切替スイッチ300を用いた演出出力量の設定と、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)といった所定の操作手段に対する所定操作に応じた演出出力量の設定に関して、以下のような変形が可能である。
例えば設定切替スイッチ300を操作可能な状態(前面扉を開放した状態)にしたときに、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を切替操作を行うと、演出制御用CPU120は、図24に示すステップS222の処理にて、複数段階のいずれかの段階を第1音量段階または第1光量段階などの第1出力量段階として設定する。例えば図26に示すような音量設定変更画面を表示しているときに、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対して所定操作(傾倒操作など)を行うと、演出制御用CPU120は、図24に示すステップS224の処理にて、複数段階のいずれかの段階を第2音量段階または第2光量段階などの第2出力量段階として設定する。ステップS224の処理において第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)と第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)とに基づいて音量を設定すると、その設定した音量で以降の演出などを実行する。
そして、例えば図24に示すステップS224の処理では、図26に示すような音量設定変更画面において設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)に応じて異なる第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)を示す段階表示が行われてもよい。このように、遊技店用の第1許可条件が成立しているときに行われる第1操作に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)として設定する一方、遊技者用の第2許可条件が成立しているときに行われる第2操作に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)として設定する。こうして設定された第1出力量段階と第2出力量段階とに応じた出力量の演出を所定の演出装置(例えばスピーカ8L、8Rなど)により実行させる一方、遊技者が視認可能な表示領域に表示される表示内容として、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階に応じて異ならせてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
また、例えば図24に示すステップS224の処理では、図26に示すような音量設定変更画面において、図25に示す設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「5」に対応して音量設定が「音量6(最大)」であるときとスイッチ位置が「0」に対応して音量設定が「音量1(最小)」であるときとで異なる初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)が最高段階であるときと最低段階であるときとで異なる初期表示となる段階表示が行われてもよい。このように、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階が最高段階であるときと最低段階であるときとで異ならせてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
あるいは、例えば図24に示すステップS224の処理では、図26に示すような音量設定変更画面において、図25に示す設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「4」のいずれかに対応して音量設定が「音量1(最小)」から「音量5」のいずれかであるときには音量設定が「音量6(最大)」以外の第2音量段階を示すように初期表示を行い、かつ、スイッチ位置が「5」に対応して音量設定が「音量6(最大)」であるときには音量設定が「音量6(最大)」である第2音量段階を示すように初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)が最高段階以外であるときには最高段階以外の第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)を示すように、かつ、第1出力量段階が最高段階であるときには最高段階の第2出力量段階を示すように、初期表示となる段階表示が行われてもよい。このように、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階が最高段階以外であるときには最高段階以外の第2出力量段階を示すように、かつ、第1出力量段階が最高段階であるときには最高段階の第2出力量段階を示すようにしてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
例えば図4や図5に示す設定切替スイッチ300は、遊技店の係員による操作対象として、演出出力量が取り得る複数段階に対応した複数のスイッチ位置のいずれかに物理的に変位する変位部を備える操作装置となる。図24に示すステップS222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が物理的に変更された後において、図26に示すような音量設定変更画面が表示されるときに、設定切替スイッチ300によって新たに設定された演出出力量に応じた演出を所定の演出装置(スピーカ8L、8Rなど)により実行させることを開始してもよい。このように、第1操作の操作対象として、第1出力量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置を設け、第1操作によって変位した変位部の位置に応じた第1出力量段階を第1操作に基づく第1出力量段階として設定し、変位部の位置が変更された後において、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示に対応して、新たに設定された第1出力量段階に応じた演出出力量の演出を所定の演出装置により実行させることを開始してもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
あるいは、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が物理的に変更された後において、図24に示すステップS224の処理により遊技者の所定操作(例えばスティックコントローラ30の操作桿に対する傾倒操作など)に応じて演出出力量の設定変更が行われるときに、設定切替スイッチ300によって新たに設定された演出出力量に応じた演出を所定の演出装置(スピーカ8L、8Rなど)により実行させることを開始してもよい。このように、第1操作の操作対象として、第1出力量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置を設け、第1操作によって変位した変位部の位置に応じた第1出力量段階を第1操作に基づく第1出力量段階として設定し、変位部の位置が変更された後において、第2操作によって設定される第2出力量段階が変更されるときに、第1操作によって新たに設定された第1出力量段階に応じた演出出力量の演出を所定の演出装置により実行させることを開始してもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
例えば図26に示すような音量設定変更画面では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて第1表示色で表示するメモリの初期表示量を異ならせてもよい。このように、第1出力量段階が高い段階であるほど、段階表示における初期表示が示す第2出力量段階を高くしてもよい。これにより、第1出力量段階と第2出力量段階との関係が把握しやすくなり、好適に出力量を調整できる。
例えば図24に示すステップS224の処理では、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)に応じて演出出力設定が変更されたときには、変更後の演出出力量を示す確認演出動作を実行する。一方、例えば図24に示すステップS222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて演出出力設定が変更されたときでも、変更後の演出出力量を示す確認演出動作を実行しないようにしてもよい。このように、第2操作により第2出力量段階が新たに設定されたときに、その新たに設定された第2出力量段階を示す確認演出動作(例えば確認音の出力など)を所定の演出装置により実行し、第1操作により第1出力量段階が新たに設定されたときに、その新たに設定された第1出力量段階を示す確認演出動作を実行しないようにしてもよい。これにより、第2出力量段階を演出動作により確認できるので、好適に出力量を調整できる。
例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「6」〜「B」のいずれかに設定されて、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、演出出力設定を変更するための画面表示を行わないようにしてもよい。このように、第1出力量段階が取り得る複数段階には、第2操作により第2出力量段階を設定することを制限する制限段階が含まれ、この制限段階が第1出力量段階として設定されたときに、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限を行うようにしてもよい。これにより、遊技者側の出力量設定を制限でき、遊技店が意図しない出力量での演出実行を防止できる。
さらに、例えばデモ画面の表示中にスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が所定操作されるなどして、演出出力設定を変更するための第2許可条件が成立している期間において、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応して遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、変更禁止を報知する所定画像を画像表示装置5の画面上に表示するなどして、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であることを、遊技者が認識可能に報知してもよい。このように、第2許可条件が成立している期間において、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限が行われているときには、第2許可条件が成立していることに対応した対応画像を表示し、このような設定制限が行われていないときには、対応画像を表示しないようにしてもよい。これにより、第2出力段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
あるいは、例えばデモ画面の表示中にスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が所定操作されるなどして、演出出力設定を変更するための第2許可条件が成立している期間において、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応して遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、所定操作が行われたことに応じて演出出力設定を変更できない旨のブザー音を、スピーカ8L、8Rから出力させてもよい。このように、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限が行われているときには、第2操作が行われたことに応じて所定演出を実行してもよい。これにより、第2出力段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
例えば図24に示すステップS227の処理により遊技終了判定フラグがオンであると判定されたときには、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)により変更された演出出力設定をクリアして、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた演出出力量の初期設定が行われてもよい。このように、設定中の第2出力量段階を所定タイミングにおいてクリアし、初期設定の段階を第2出力量段階として設定してもよい。そして、第1出力量段階は、第1操作に基づいてのみ変更されてもよい。これにより、第2出力量段階の設定が意図せずに残存したまま他の遊技者による遊技などが行われることを防止できる。
上記実施の形態においては、特図変動時間に対応する飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに実行されるステップS112の処理(図6を参照)などにより、1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。可変入賞装置の内部に進入した遊技球が検出されたときに、演出出力設定が最小出力量であることや、演出カスタマイズの設定が無効であることといった、特定設定状態であることの示唆が行われるようにしてもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、演出制御基板に搭載されたRAMの所定領域に格納されたカスタマイズ設定情報や出力量設定情報などの設定情報に応じて演出の態様を変化させるものにおいて、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、設定情報に基づく特定設定状態である場合に、その特定設定状態の示唆を行う特徴などを備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えばRAM122の所定領域に格納(保持)されたカスタマイズ設定情報や出力量設定情報などの設定情報に応じた制御を行って演出を実行する。そして、例えば演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨の示唆を行うようにする。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS225にて電力供給開始フラグがオンであると判定されたことに対応して、ステップS230やステップS232の処理を実行可能にすることで、遊技機への電力供給が開始されたときに示唆を行うようにしてもよい。これにより、特定設定状態であることを遊技店側で容易に認識することができ、遊技店側に好適な出力設定の変更が可能になる。
例えば図24に示すステップS226にて遊技開始判定フラグがオンであると判定されたことに対応して、ステップS230やステップS232の処理を実行可能にすることで、遊技者が遊技機における遊技を開始したと判定されたときに示唆を行うようにしてもよい。これにより、遊技の開始時に出力設定の変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS227にて遊技終了判定フラグがオンであると判定されたことに対応して、ステップS230やステップS232の処理を実行可能にすることで、遊技者が遊技機における遊技を行っていないと判定されたときに示唆を行うようにしてもよい。これにより、遊技を開始する前に出力設定が変更可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、上記実施の形態では、図17に示すステップS407にて変動中メッセージを決定することで、遊技機による遊技の進行に応じた演出のうちの所定演出の演出態様を複数態様のうちから選択する。ここで、ステップS402の処理で通常メッセージ決定用データが選択された場合には、例えば図18(B)に示すように決定可能な変動中メッセージが設定され、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨を示唆する変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様を選択可能に設定する。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図17に示すステップS407にて変動中メッセージを決定するごとに、ステップS408にてグループ選択バッファ値が「1」〜「3」のいずれかに更新される。ステップS407の処理では、例えば図18(B)に示すように、グループ選択バッファ値が「1」であるときに、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様が選択可能になる。こうして、特定の演出態様を選択した後には、例えば再びグループ選択バッファ値が「1」に更新されるまでは、特定の演出態様が選択されないことになり、特定の演出態様を選択した履歴に応じて、特定の演出態様が選択されてもよい。これにより、設定変更が可能であることを示唆する報知が頻繁に実行されないようにして報知の煩わしさを抑制し、好適に演出態様を選択可能として、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図17に示すステップS401にて非リーチ以外であると判定された場合には、ステップS404にて例えば図18(A)に示すような割合で特定メッセージ選択の有無を決定する。そして、ステップS405にて特定メッセージの選択がないと判定された場合に、ステップS402の処理に進んで通常メッセージ決定用データを選択することで、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様を選択可能に設定する。一方、特定メッセージの選択があると判定された場合には、例えば図18(C)に示すように、特定の演出態様を選択しないように設定する。このように、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、遊技機による遊技の結果が特定結果となる場合に、こうした特定結果とならない場合とは異なる割合で特定の演出態様を選択してもよい。これにより、特定結果となるか否かに応じて出力設定が変更可能であることを好適に示唆して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS312では、飾り図柄の可変表示が開始されるごとに、所定割合で変動中メッセージの有無や変動中メッセージ種別が決定され、例えば図14に示すような決定割合でキャラクタ表示やテロップ表示の変動中メッセージ種別が決定されたときに、ステップS314の変動中メッセージ決定処理を実行することで、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eといった特定の演出態様を所定割合で選択する。このように、例えば飾り図柄の可変表示といった遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を、所定割合で特定の演出態様を含む複数種類の演出態様のうちから選択してもよい。また、図17に示すステップS408にて更新されるグループ選択バッファ値が「1」であるときに、変動中メッセージMN1Dや変動中メッセージMN1Eを所定割合で選択することで、例えば飾り図柄の可変表示が3回実行されるといった遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出態様を、所定割合で特定の演出態様を含む複数種類の演出態様のうちから選択してもよい。これにより、所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を好適に選択して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、上記実施の形態では、図13に示すステップS315にてボタン操作の予告演出種別に決定された後、ステップS317にて予告演出パターンを決定することで、遊技者によるプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)に応じた操作演出の演出態様を複数種類の演出態様のうちから選択する。ここで、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となる非リーチ時には、例えば図22(A)に示すような決定割合で予告演出パターンが決定され、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨を示唆する予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定の演出態様を選択可能に設定する。その後、例えば図23に示すステップS335の予告演出制御が行われることで、プッシュボタン31Bに対する操作に応じた操作演出が実行される。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS317にてボタン操作の予告演出種別に分類された予告演出パターンを決定するごとに、変動中メッセージの場合におけるグループ選択バッファ値と同様にバッファ値の更新が行われ、そのバッファ値が所定値(例えば「1」)であるときに、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定演出態様を選択可能にしてもよい。こうして、特定の演出態様を選択した後には、再びバッファ値が所定値に更新されるまでは、特定の演出態様が選択されないことになり、特定の演出態様を選択した履歴に応じて、特定の演出態様が選択されてもよい。これにより、出力設定が変更可能であることを示唆する報知が頻繁に実行されないようにして報知の煩わしさを抑制し、好適に演出態様を選択可能として、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS317の処理では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外となる場合に、例えば図22(B)に示すような決定割合で予告演出パターンが決定され、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eには決定されないようにしてもよい。あるいは、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」以外となる場合に、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となる場合よりも低い割合で、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定の演出態様を選択可能にしてもよい。このように、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、遊技機における遊技の結果が特定結果となる場合に、こうした特定結果とならない場合とは異なる割合で特定の演出態様を選択してもよい。これにより、特定結果となるか否かに応じて出力設定が変更可能であることを好適に示唆して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図13に示すステップS315では、飾り図柄の可変表示が開始されるごとに、所定割合で予告演出の有無や予告演出種別が決定され、例えば図19(A)に示すような決定割合でボタン操作の予告演出種別が決定されたときに、ステップS317の処理を実行することで、予告演出パターンYKP1Dや予告演出パターンYKP1Eといった特定演出態様を所定割合で選択する。このように、例えば飾り図柄の可変表示といった遊技機における所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を、所定割合で特定の演出態様を含む複数種類の演出態様のうちから選択してもよい。これにより、所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を好適に選択して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS222にて設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて音量設定などの演出出力設定を行った後、ステップS224にてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)に応じた演出出力量の設定変更を行う。そして、ステップS229にて演出出力設定が最小出力量であると判定されたことに対応して、ステップS230の処理を実行することで、演出装置の出力量が所定量未満である旨の示唆を行うようにしてもよい。あるいは、図17に示すステップS407の処理では、演出出力設定が最小出力量である場合に対応して、図18(B)に示すように、変動中メッセージMN1Dを決定可能な変動中メッセージに設定してもよい。あるいは、図13に示すステップS317の処理では、演出出力設定が最小出力量である場合に対応して、図22(A)に示すように、所定割合で予告演出パターンYKP1Dを選択可能に設定してもよい。これにより、演出装置の出力量が変更可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図10に示すステップS204にて簡単スタートの指示ありと判定されたことに対応して、ステップS205の処理を実行することで簡単スタートによる演出カスタマイズの設定が行われる。また、ステップS210にて演出カスタマイズを開始するために取得したカスタマイズ情報が有効であると判定されたことに対応して、ステップS211の処理を実行することでパスワードなどを用いた演出カスタマイズを開始する設定が行われる。一方、図24に示すステップS231の処理において、こうした演出カスタマイズの設定が無効であると判定されたことに対応して、ステップS232の処理を実行することで、演出カスタマイズによる通常時とは異なる特典演出の実行制御が無効化されている旨の示唆を行うようにしてもよい。あるいは、図17に示すステップS407の処理では、演出カスタマイズの設定が無効である場合に対応して、図18(B)に示すように、変動中メッセージMN1Eを決定可能な変動中メッセージに設定してもよい。あるいは、図13に示すステップS317の処理では、演出カスタマイズの設定が無効である場合に対応して、図22(A)に示すように、所定割合で予告演出パターンYKP1Eを選択可能に設定してもよい。これにより、特典演出の実行制御を有効化できることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図24に示すステップS228Bにて設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であると判定されたときには、ステップS230の処理を実行しないように制限することで、遊技者による設定変更が制限されているときには、特定設定状態の示唆に制限を設けるようにしてもよい。あるいは、図17に示すステップS407の処理では、例えば図18(B)に示すように、遊技者による演出出力の設定変更(調整)が不可(禁止)であることに対応して、変動中メッセージMN1Dが決定可能な変動中メッセージに含まれないように設定されてもよい。あるいは、図13に示すステップS317の処理では、例えば図22(A)に示すように、遊技者による演出出力の設定変更(調整)が不可(禁止)であることに対応して、予告演出パターンYKP1Dには決定できないように設定されてもよい。これにより、不要な示唆の実行を防止して、遊技者に混乱を与えないようにすることができる。
<変形例>
以下で説明する第1の実施の形態の変形例により示される本発明は、たとえば、遊技を行うための遊技機に関する。
こうした遊技機において、遊技動作中も操作可能な操作部を設け、遊技者による操作に応じて演出動作の全部又は一部を変更するものが提案されている(特開2009−165770号公報)。
特開2009−165770号公報に記載の技術では、遊技動作中に操作部が操作されたことに応じて、遊技者が意図しない設定変更が行われてしまうおそれがある。
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、遊技者が意図しない設定変更を防止する遊技盤の提供を目的とする。
第1の実施の形態において図1〜図9で説明した構成および処理は、変形例においても同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。以下では、上述した第1の実施の形態との相違点について説明する。
図29は、図9のステップS75にて実行される演出カスタマイズ処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1では、遊技や演出の実行結果などに基づいて、遊技ポイント(「経験値」や「レベル」、「コイン」など、その名称は任意でよい)といった所定価値を遊技者に付与することができる。遊技ポイントは、パチンコ遊技機1における遊技履歴を示す遊技履歴情報に含まれて、所定の管理サーバにて遊技者ごとに管理されてもよい。管理サーバは、2次元コード読取機能や電気通信ネットワークへの接続機能を有する携帯端末から送信された遊技の結果などに基づいて、遊技者ごとの遊技履歴情報を更新していく。そして、遊技ポイントが所定値に達することにより、例えば所定のデジタルコンテンツ(楽曲や画像、アプリケーションプログラムなど)を提供できるようにしてもよい。
図29に示す演出カスタマイズ処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出カスタマイズの設定を行うためのカスタマイズ画面が画像表示装置5において表示中であるか否かを判定する(ステップSG201)。カスタマイズ画面は、例えばデモンストレーション表示(デモ表示)の実行中といった、パチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する所定操作(押下操作など)が検出された場合に画像表示装置5に表示させることができればよい。
ステップSG201にてカスタマイズ画面の表示中ではない場合には(ステップSG201;No)、カスタマイズ画面の表示を開始するための表示開始条件が成立したか否かを判定する(ステップSG202)。演出制御用CPU120は、例えばパチンコ遊技機1における遊技が開始されていない所定期間にて、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する所定操作(押下操作など)が検出されたときに、表示開始条件が成立したと判定すればよい。表示開始条件が成立した場合には(ステップSG202;Yes)、カスタマイズ画面の表示を開始させるための設定を行う(ステップSG203)。一方、表示開始条件が成立していない場合には(ステップSG202;No)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた変更制限フラグがオンであるか否かを判定する(ステップSG204A)。変更制限フラグは、例えばボタン操作の予告演出といった、所定の操作手段に対する所定操作に応じて演出内容(演出内容)を変化させる演出が開始されるときに、オン状態にセットされる(図34のステップSG402を参照)。
ステップSG204Aにて変更制限フラグがオフである場合には(ステップSG204A;No)、簡単スタートの指示があったか否かを判定する(ステップSG204B)。簡単スタートは、例えば飾り図柄の可変表示中といった、パチンコ遊技機1における遊技の実行中でも、プッシュボタン31Bに対する所定操作が検出されたときなどに、その開始を指示できればよい。ただし、ステップSG204Aにて変更制限フラグがオンであると判定された場合には、ステップSG204Bの処理が実行されないことから、簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられる。
ステップSG204Bにて簡単スタートの指示があった場合には(ステップSG204B;Yes)、簡単スタート用の演出設定を行う(ステップSG205)。例えば演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に記憶されている履歴記録管理テーブルにおける遊技履歴の記録を読み出し、その読出結果に応じたレベルや経験値、キャラクタなどを設定し、これらの設定を特定可能に報知する。履歴記録管理テーブルには、パチンコ遊技機1における遊技の履歴として、予めミッション対象として定められた遊技内容ごとに達成(既に実行済み)または未達(未だ実行せず)を示すデータが格納されている。履歴記録管理テーブルにおける遊技履歴の記録は、簡単スタートの指示がなくても更新可能であるが、所定条件が成立したときに簡単スタートの指示などによる演出カスタマイズの開始がなければクリア(初期化)される。こうしたパチンコ遊技機1における遊技履歴の内容に応じて、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8から出力される楽曲などの種類、遊技効果ランプ9および装飾用などの点灯パターンが、予め用意された複数種類のいずれかに設定できればよい。演出制御用CPU120は、このような簡単スタートによる演出カスタマイズの設定情報(カスタマイズ設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出カスタマイズが行われていない通常時とは異なる演出態様での演出(特典演出)の実行などを制御できればよい。
ステップSG201にてカスタマイズ画面を表示中であると判定された場合には(ステップSG201;Yes)、カスタマイズ画面の表示を終了するための表示終了条件が成立したか否かを判定する(ステップSG206)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にて表示の終了を指示する項目が選択されたときや、飾り図柄の可変表示が開始されるときに、表示終了条件が成立したと判定すればよい。表示終了条件が成立した場合には(ステップSG206;Yes)、カスタマイズ画面の表示を終了させるための設定を行う(ステップSG207)。一方、表示終了条件が成立していない場合には(ステップSG206;No)、カスタマイズ画面の表示中に演出カスタマイズの開始要求があったか否かを判定する(ステップSG208)。演出制御用CPU120は、例えばパスワードの入力が行われたり、カスタマイズ画面にて簡単スタートを指示する項目が選択されたときに、演出カスタマイズの開始要求があったと判定すればよい。
ステップSG208にて演出カスタマイズの開始要求があった場合には(ステップSG208;Yes)、演出カスタマイズを開始するために必要となるカスタマイズ情報を取得する(ステップSG209)。例えばカスタマイズ画面の表示後にパスワードの入力が行われた場合に、そのパスワードを示すデータをカスタマイズ情報として取得する。このとき取得したカスタマイズ情報に基づいて、演出カスタマイズの指示が有効であるか否かを判定する(ステップSG210)。例えば演出制御用CPU120は所定のパスワード解析処理を実行して、入力されたパスワードが有効であるか否かを判定すればよい。ステップSG210にて演出カスタマイズの指示が有効ではないと判定された場合には(ステップSG210;No)、演出カスタマイズ処理を終了する。一方、演出カスタマイズの指示が有効であると判定された場合には(ステップSG210;Yes)、演出カスタマイズを開始するための設定を行う(ステップSG211)。例えばステップSG211の処理では、パスワードから特定されるレベルや経験値その他の遊技履歴に応じて、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rから出力される楽曲などの種類、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの点灯パターンが、予め用意された複数種類のいずれかに設定されればよい。また、遊技履歴に応じた演出モードを設定して、その演出モードに応じた演出画像の表示などが行われるようにしてもよい。演出制御用CPU120は、このような演出カスタマイズの設定情報(カスタマイズ設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出カスタマイズが行われていない通常時とは異なる演出態様での演出(特典演出)の実行などを制御できればよい。
ステップSG208にて演出カスタマイズの開始要求がない場合には(ステップSG208;No)、カスタマイズ情報の出力要求があったか否かを判定する(ステップSG212)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にてカスタマイズ情報となる2次元コードの表示を指示する項目が選択されたときなどに、カスタマイズ情報の出力要求があったと判定すればよい。
ステップSG212にてカスタマイズ情報の出力要求があった場合には(ステップSG212;Yes)、カスタマイズ情報を出力する(ステップSG213)。例えばステップSG213の処理では、履歴記録管理テーブルをチェックして、遊技履歴に応じた所定のコード(2次元コードなど)を画像表示装置5の画面上に表示して出力するための制御が行われる。例えば2次元コードとして、パチンコ遊技機1の機種を示す機種情報や遊技者IDの他に、可変表示回数や大当り回数、レベル、経験値などを特定可能な情報、および、遊技者が所持する端末装置を用いて所定の管理サーバにアクセスするためのネットワークアドレスなどを含むコードが出力されればよい。遊技者は、端末装置を操作して、画像表示装置5の画面上などに表示された2次元コードを撮像させ、端末装置の内部に取り込ませることができればよい。こうした2次元コードなどに基づいて、所定のネットワークアドレス(具体例としてURLやIPアドレスなど)を端末装置により指定してアクセスした管理サーバにて、次回の演出カスタマイズで使用可能なパスワードなどが発行されればよい。なお、パチンコ遊技機1から出力されたコードを遊技者が端末装置に取り込むことにより、次回の演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。あるいは、管理サーバから端末装置にダウンロードされて実行されたアプリケーションプログラムにより、演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。
ステップSG212にてカスタマイズ情報の出力要求がない場合には(ステップSG212;No)、演出カスタマイズの終了要求があったか否かを判定する(ステップSG214)。演出制御用CPU120は、例えばカスタマイズ画面にて演出カスタマイズの終了を指示する項目が選択されたときなどに、演出カスタマイズの終了要求があったと判定すればよい。ステップSG214にて演出カスタマイズの終了要求がない場合には(ステップSG214;No)、演出カスタマイズ処理を終了する。一方、演出カスタマイズの終了要求があったと判定された場合には(ステップSG214;Yes)、演出カスタマイズを終了するための設定を行う(ステップSG215)。例えばステップSG215の処理では、履歴記録管理テーブルをクリア(初期化)することにより、遊技履歴情報を消去すればよい。
図30は、図9のステップS76にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップSG170〜SG177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップSG170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップSG171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。このような可変表示開始設定処理において確定飾り図柄を決定することで、飾り図柄の可変表示結果を、その可変表示結果が導出表示されるより前に決定できる。
ステップSG172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、所定の演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)から飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップSG173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップSG174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップSG175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップSG176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップSG177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図31は、図30のステップSG171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップSG311)。ステップSG311の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態の変形例では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「小当り」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」、「突確(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。なお、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」となる場合には、ノーマルのリーチ演出が実行される場合に対応した「ノーマル(ハズレ)」の可変表示内容と、スーパーのリーチ演出が実行される場合に対応した「スーパー(ハズレ)」の可変表示内容とがあってもよい。可変表示内容が「小当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「小当り」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる。可変表示内容が「突確(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「小当り」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて短期開放チャンス目として予め定められた特殊組合せとなる飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される短期開放チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された短期開放チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の短期開放チャンス目のうちで、最終停止図柄となる飾り図柄の組合せを決定する。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
可変表示内容が「突確(大当り)」である場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに応じて、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄、または、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定する。例えば図8(A)に示す変動パターンのうち、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に対応して変動パターンPC1−1が指定された場合には、可変表示内容が「小当り」である場合と同様にして、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。一方、変動パターンPC2−1が指定された場合には、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合と同様にして、リーチ組合せとなる飾り図柄を、最終停止図柄に決定すればよい。
ステップSG311の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップSG501の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップSG311における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様に対応する予告演出種別を決定する(ステップSG315)。演出制御用CPU120は、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出種別決定用データを選択して、予告演出の有無や予告演出種別などを決定すればよい。予告演出種別決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告演出種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や予告演出種別に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出種別決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出種別決定用データを参照することにより、予告演出の有無や予告演出種別を決定すればよい。
図32(A)は、ステップSG315の処理における予告演出種別(予告演出の有無を含む)の決定例を示している。この実施の形態の変形例では、複数の予告演出種別として、ボタン操作、ステップアップ、レバー操作が予め用意されている。ボタン操作の予告演出種別は、プッシュボタン31Bに対する遊技者による所定操作(押下操作など)が検出されたタイミングにて所定の演出動作が行われ、その演出態様などに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。ステップアップの予告演出種別は、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様が複数段階に変化するなどの演出動作が実行されればよい。このように、ステップアップの予告演出種別は、特図ゲームの開始条件(第1開始条件または第2開始条件)が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる最終停止図柄が導出表示されるまでに、演出態様が所定の順番に従って1段階から複数段階まで変化(ステップアップ)することにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。「ステップアップ」の予告演出では、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り信頼度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り信頼度が高いことを示唆できればよい。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。「ステップアップ」の予告演出における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や表示色、表示柄といった、表示態様の一部または全部が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は段階的に変化したと認識可能なものであればよい。キャラクタ画像の表示によるステップアップの他にも、可動部材が繰返し動作する回数や同時に動作する部材数、動作する部材の種類などを異ならせることにより、大当り信頼度を異ならせてもよい。レバー操作の予告演出種別は、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する遊技者による所定操作(傾倒操作など)が検出されたタイミングにて所定の演出動作が行われ、その演出態様などに応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する。
図32(B)は、パチンコ遊技機1にて用いられる予告演出種別の設定例を示している。各予告演出種別は、複数の予告演出パターンが分類されて属するグループであって、共通する演出態様を含む予告演出パターンのグループごとに区分けされていればよい。ボタン操作の予告演出種別は、予告演出パターンYKP1−1〜予告演出パターンYKP1−4が属するグループである。ステップアップの予告演出種別は、予告演出パターンYKP2−1〜予告演出パターンYKP2−4が属するグループである。レバー操作の予告演出種別は、予告演出パターンYKP3−1〜予告演出パターンYKP3−4が属するグループである。
図31に示すステップSG315の処理による決定に基づいて、予告演出を実行しない場合に対応した「実行なし」であるか否かを判定する(ステップSG316)。このとき、「実行なし」ではなくボタン操作、ステップアップ、レバー操作の予告演出種別のいずれかであると判定された場合には(ステップSG316;No)、予告演出パターンを決定する(ステップSG317)。例えば演出制御用CPU120は、予告演出種別に応じて予め用意された予告演出パターン決定用データを選択する。予告演出パターン決定用データでは、例えば可変表示内容などに応じて、予告演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出パターン決定用データを参照することにより、予告演出パターンを決定すればよい。
図32に示すステップSG316の処理にて「実行なし」と判定された場合や(ステップSG316;Yes)、ステップSG317の処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップSG320)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップSG317の処理による予告演出パターンの決定結果に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップSG320の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに基づき、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップSG321)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップSG322)。このときには、例えばステップSG320にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップSG322の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップSG323)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップSG324)、可変表示開始設定処理を終了する。
図33は、図30のステップSG172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップSG331)。一例として、ステップSG331の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップSG331にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップSG331;No)、ボタン操作予告演出期間であるか否かを判定する(ステップSG332)。ボタン操作予告演出期間は、例えば図31に示すステップSG315の処理にてボタン操作の予告演出種別に決定されたことに基づいて、ステップSG320の処理にて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップSG332にてボタン操作予告演出期間であるときには(ステップSG332;Yes)、ボタン操作予告演出制御処理を実行する(ステップSG333)。
ステップSG332にてボタン操作予告演出期間ではないと判定されたときや(ステップSG332;No)、ステップSG333のボタン操作予告演出制御処理を実行した後には、ステップアップ予告演出期間であるか否かを判定する(ステップSG334)。ステップアップ予告演出期間は、例えば図31に示すステップSG315の処理にてステップアップの予告演出種別に決定されたことに基づいて、ステップSG320の処理にて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。なお、図31に示すステップSG315の処理では、ボタン操作、ステップアップ、レバー操作の予告演出種別のいずれかを択一的に決定可能であり、1の予告演出種別に決定されたときには、他の予告演出種別が決定されることはない。そこで、ステップSG332にてボタン操作予告演出期間ではないと判定されたときにのみ、ステップSG334の処理に進むようにしてもよい。
ステップSG334にてステップアップ予告演出期間であるときには(ステップSG334;Yes)、ステップアップの予告演出を実行するための演出制御を行う(ステップSG335)。ステップSG335の処理では、例えば予告演出パターンの決定結果に応じて選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてステップアップの予告演出種別に分類される予告演出を実行すればよい。
ステップSG334にてステップアップ予告演出期間ではないと判定されたときや(ステップSG334;No)、ステップSG335の処理を実行した後には、レバー操作予告演出期間であるか否かを判定する(ステップSG336)。レバー操作予告演出期間は、例えば図31に示すステップSG315の処理にてレバー操作の予告演出種別に決定されたことに基づいて、ステップSG320の処理にて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップSG336にてレバー操作予告演出期間であるときには(ステップSG336;Yes)、レバー操作の予告演出を実行するための演出制御を行う(ステップSG337)。ステップSG337の処理では、例えば予告演出パターンの決定結果に応じて選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてレバー操作の予告演出種別に分類される予告演出を実行すればよい。
ステップSG336にてレバー操作予告演出期間ではないと判定されたときや(ステップSG336;No)、ステップSG337の処理を実行した後には、リーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップSG338)。リーチ演出期間は、例えば図31に示すステップSG320の処理にて変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップSG338にてリーチ演出期間であるときには(ステップSG338;Yes)、リーチ演出を実行するためのリーチ演出制御処理を実行する(ステップSG339)。ステップSG338にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(ステップSG338;No)、ステップSG339の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップSG340)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップSG331にて可変表示時間が経過した場合には(ステップSG331;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップSG341)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップSG341;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップSG341にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップSG341;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップSG342)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップSG343)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップSG344)、可変表示中演出処理を終了する。
図34は、図33のステップSG333にて実行されるボタン操作予告演出制御処理の一例を示すフローチャートである。図34に示すボタン操作予告演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、ボタン操作の予告演出に対応する予告演出期間(ボタン操作予告演出期間)の開始時であるか否かを判定する(ステップSG401)。このとき、予告演出期間の開始時である場合には(ステップSG401;Yes)、変更制限フラグをオン状態にセットする(ステップSG402)。変更制限フラグがオン状態となることにより、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更が行われないように制限が設けられる。
ステップSG401にて予告演出期間の開始時ではないと判定された場合や(ステップSG401;No)、ステップSG402の処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられたボタン操作検出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップSG403)。ボタン操作検出フラグは、ボタン操作予告演出期間となった後にステップSG405の処理でプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)の検出があったと判定されたときに、ステップSG409の処理にてオン状態にセットされる。その後、ステップSG411の処理でボタン操作検出後演出時間が経過したと判定されたときに、ステップSG413の処理にてボタン操作検出フラグがクリアされてオフ状態となる。
ステップSG403にてボタン操作検出フラグがオフである場合には(ステップSG403;No)、ボタン操作検出前演出を実行するための演出制御を行う(ステップSG404)。続いて、ボタン操作の検出があったか否かを判定する(ステップSG405)。例えばステップSG405の処理では、プッシュセンサ35Bからの検出信号に基づいて、プッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)が検出されたときに、ボタン操作の検出があったと判定すればよい。ボタン操作の検出がない場合には(ステップSG405;No)、ボタン操作の予告演出に対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、ボタン操作有効期間の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップSG406)。このとき、ボタン操作有効期間の終了タイミングでなければ(ステップSG406;No)、ボタン操作予告演出制御処理を終了する。
ステップSG405にてボタン操作の検出があったと判定された場合には(ステップSG405;Yes)、ボタン操作検出後演出を開始させるための制御を行う(ステップSG407)。また、ボタン操作検出後演出時間となる所定時間を設定する(ステップSG408)。そして、ボタン操作検出フラグをオン状態にセットしてから(ステップSG409)、ボタン操作予告演出制御処理を終了する。
ステップSG403にてボタン操作検出フラグがオンである場合には(ステップSG403;Yes)、ボタン操作検出後演出を実行するための演出制御を行った後(ステップSG410)、ボタン操作検出後演出時間が経過したか否かを判定する(ステップSG411)。このとき、ボタン操作検出後演出時間が経過していなければ(ステップSG411;No)、ボタン操作予告演出制御処理を終了する。
ステップSG411にてボタン操作検出後演出時間が経過したと判定された場合には(ステップSG411;Yes)、ボタン操作検出後演出を終了させるための制御を行う(ステップSG412)。このときには、ボタン操作検出フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップSG413)。
ステップSG406にてボタン操作有効期間の終了タイミングであると判定された場合や(ステップSG406;Yes)、ステップSG413の処理を実行した後には、予告演出期間を終了させるための設定を行う(ステップSG414)。また、演出後変更制限時間となる所定時間を設定してから(ステップSG415)、ボタン操作予告演出制御処理を終了する。演出後変更制限時間は、ボタン操作の予告演出が実行された後、その予告演出が終了しても操作手段に対する所定操作による演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更が行われないように制限する時間として、予め定められた時間(例えば5秒間)であればよい。
図35は、図33のステップSG339にて実行されるリーチ演出制御処理の一例を示すフローチャートである。図35に示すリーチ演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、リーチ演出の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップSG421)。このとき、リーチ演出の開始タイミングである場合には(ステップSG421;Yes)、変更制限フラグをオン状態にセットする(ステップSG422)。これにより、リーチ演出の実行が開始されるときには、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更が行われないように制限が設けられる。
ステップSG421にてリーチ演出の開始タイミングではない場合や(ステップSG421;No)、ステップSG422の処理を実行した後には、リーチ演出の実行中における各種の操作検出があったか否かを判定する(ステップSG423)。リーチ演出の実行中には、例えばプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)を促すボタン操作誘導演出が実行され、その操作が検出されたことに基づいて、所定の演出画像をカットイン表示するなどの操作検出時演出が実行されることがある。なお、演出制御パターンにおける設定などに基づいて、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する所定操作を有効に検出する操作有効期間となり、その操作有効期間において所定操作が検出されることにより、ステップSG423の処理における各種の操作検出があったと判定すればよい。操作有効期間が開始されるより前や、所定時間が経過して操作有効期間が終了した後、あるいは操作有効期間にて所定操作が検出されたことに基づいて有効期間の終了条件が成立した後には、各種の操作検出が行われないように制御すればよい。ステップSG423にて操作検出があったと判定された場合には(ステップSG423;Yes)、各種の操作検出時演出を実行するための演出制御を行ってから(ステップSG424)、リーチ演出制御処理を終了する。
ステップSG423にて操作検出がないと判定された場合には(ステップSG423;No)、画像表示装置5の画面上に設けられた「中」の飾り図柄表示エリア5Cにおける飾り図柄(中図柄)を導出表示する中図柄導出タイミングとなったか否かを判定する(ステップSG425)。このとき、中図柄導出タイミングではないと判定された場合には(ステップSG425;No)、中図柄導出前演出を実行するための演出制御を行ってから(ステップSG426)、リーチ演出制御処理を終了する。
ステップSG425にて中図柄導出タイミングであると判定された場合には(ステップSG425;Yes)、中図柄導出時演出を実行するための演出制御を行う(ステップSG427)。このときには、リーチ演出期間を終了させるための設定を行う(ステップSG428)。また、演出後変更制限時間となる所定時間を設定してから(ステップSG429)、リーチ演出制御処理を終了する。ステップSG429にて設定される演出後変更制限時間は、図34に示すステップSG415の処理で設定される演出後変更制限時間と同一の時間であってもよいし、リーチ演出に対応して個別に定められた固有の時間であってもよい。
図36は、図9のステップS78にて実行される演出出力設定処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す演出出力設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、設定切替スイッチ300の変更があったか否かを判定する(ステップSG221)。例えば演出制御用CPU120は、ステップSG221の処理を実行するごとに、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を読み取って、RAM122の所定領域に格納する。このとき、例えば今回読み取ったスイッチ位置と前回読み取ったスイッチ位置とが異なる場合には、設定切替スイッチ300の変更があったと判定すればよい。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときには、前回読み取ったスイッチ位置の記録がないことから、必ず設定切替スイッチ300の変更があったと判定してもよい。ステップSG221にて設定切替スイッチ300の変更があった場合には(ステップSG221;Yes)、変更後の状態(スイッチ位置)に対応した設定を行う(ステップSG222)。
例えばROM121の所定領域には、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応する設定内容を示す設定切替制御データが記憶されていればよい。設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「F」のいずれであるかに応じて、演出出力量が6段階のいずれかに初期設定されるとともに、遊技者による設定変更操作を許容するか否かが切り替えられる。一例として、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「5」である場合には、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量について、上限音量が「97.0」に初期設定され、遊技者による音量設定(調整)が可能(許容)に設定される。なお、スピーカ8L、8Rから出力される音声の音量に限定されず、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDの光量といった、任意の演出装置の出力量を設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて初期設定できればよい。図36に示すステップSG222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応した演出出力量の設定情報(出力量設定情報)を、RAM122の所定領域に格納することなどにより、演出出力量を複数段階(例えば6段階)のいずれかに初期設定できればよい。ここで、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「6」〜「B」のいずれかであり、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)となる場合には、ステップSG222の処理にて初期設定された演出出力量で以降の演出などが実行される。一方、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「5」のいずれかであり、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)となっている場合には、ステップSG222の処理にて演出出力量の初期設定が行われた後、遊技者による所定操作などに応じて演出出力量の設定変更を行うことができる。
ステップSG221にて設定切替スイッチ300の変更がない場合や(ステップSG221;No)、ステップSG222の処理を実行した後には、変更制限フラグがオンであるか否かを判定する(ステップSG223)。このとき、変更制限フラグがオフであれば(ステップSG223;No)、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)であるか否かを判定する(ステップSG224)。このとき、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合には(ステップSG224;No)、演出出力設定処理を終了する。一方、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合には(ステップSG224;Yes)、出力変更の指示があったか否かを判定する(ステップSG225)。演出制御用CPU120は、ステップSG223の処理により変更制限フラグがオフであると判定されたときに、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)が検出されたことなどに基づいて、出力変更の指示があったと判定すればよい。出力変更の指示がなければ(ステップSG225;No)、演出出力設定処理を終了する。
ステップSG225にて出力変更の指示があった場合には(ステップSG225;Yes)、指示に対応した表示と設定を行ってから(ステップSG226)、演出出力設定処理を終了する。この実施の形態の変形例では、遊技者による設定変更(調整)が可能(許容)である場合に、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿(レバー)を操作することにより、設定切替スイッチ300のスイッチ位置と同様に、演出出力量を6段階のいずれかに設定変更(調整)することができる。画像表示装置5の画面上には、例えばスピーカ8L、8Rにおける音量といった演出出力量を特定可能に示す出力量設定表示エリア5Jが設けられ、現在の演出出力量に応じた画像表示などが行われる。ステップSG226の処理では、変更後の演出出力量を報知する確認動作が実行されてもよい。例えば演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから変更後の音量に対応する確認音を出力させる。また、演出制御用CPU120は、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを変更後の光量に対応して点灯させる。
ステップSG223にて変更制限フラグがオンである場合には、ステップSG224〜S226の処理を実行せずに、演出後変更制限時間の設定があるか否かを判定する(ステップSG227)。このように、変更制限フラグがオンであるときには、出力変更の指示が受け付けられないように制限を設け、演出出力設定の変更が行われないようにする。ステップSG227にて演出後変更制限時間の設定がない場合には(ステップSG227;No)、演出出力設定処理を終了する。演出後変更制限時間は、ボタン操作などの予告演出が実行された場合や、リーチ演出が実行された場合に、これらの演出が終了することなどに対応して設定される。したがって、ボタン操作などの予告演出やリーチ演出が実行中である期間では、変更制限フラグがオンである一方、演出後変更制限時間の設定が未だ行われていない状態になる。
ステップSG227にて演出後変更制限時間の設定があると判定された場合には(ステップSG227;Yes)、その演出後変更制限時間が経過したか否かを判定する(ステップSG228)。このとき、演出後変更制限時間が経過していなければ(ステップSG228;No)、演出出力設定処理を終了する。一方、演出後変更制限時間が経過した場合には(ステップSG228;Yes)、変更制限フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップSG229)、演出出力設定処理を終了する。
このように、変更制限フラグは、ボタン操作などの予告演出やリーチ演出の実行が終了することなどに対応して設定された演出後変更制限時間が経過したときに、クリアされてオフ状態となる。したがって、ボタン操作などの予告演出やリーチ演出の実行が終了しても、演出後変更制限時間となる所定時間が経過するまでは、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更が行われないように制限が設けられる。
図37は、ボタン操作の予告演出が実行される場合における演出制御例を示すタイミングチャートである。図37(A)は、ボタン操作の予告演出に対応して遊技者によるプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)が検出されない操作検出なしの場合を示している。図37(B)は、ボタン操作の予告演出に対応して遊技者によるプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)が検出された操作検出ありの場合を示している。ボタン操作の予告演出が実行される場合には、図33に示すステップSG332の処理にてボタン操作予告演出期間であると判定されたことに基づくステップSG333の処理として、図34に示すボタン操作予告演出制御処理が実行される。
例えば図37(A)に示すタイミングT10にてボタン操作予告演出期間が開始された場合には、図34に示すステップSG402の処理が実行されることで、変更制限フラグがオン状態にセットされる。そして、ステップSG404の処理が実行されることで、ボタン操作検出前演出が実行される。その後、ステップSG405の処理ではボタン操作の検出ありと判定されず、図37(A)に示すタイミングT11となることで、ステップSG406の処理によりボタン操作有効期間の終了タイミングであると判定される。このときには、ステップSG415の処理が実行されることで、演出後変更制限時間が設定される。
図29に示す演出カスタマイズ処理では、ステップSG204Aの処理により変更制限フラグがオンであると判定されたときに、ステップSG204Bの処理を実行せずに演出カスタマイズ処理を終了する。こうして、変更制限フラグがオンである期間では、遊技者の操作による簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられる。また、図36に示す演出出力設定処理では、ステップSG223の処理により変更制限フラグがオンであると判定されたときに、ステップSG224〜SG226の処理を実行せずにステップSG227の処理に進む。これにより、変更制限フラグがオンである期間では、遊技者の操作による演出出力量の設定変更が受け付けられないように制限が設けられる。例えば図37(A)に示すタイミングT12となったときに、図36に示すステップSG228の処理により演出後変更制限時間が経過したと判定され、ステップSG229の処理により変更制限フラグがクリアされてオフ状態となる。
また、例えば図37(B)に示すタイミングT20にてボタン操作予告演出期間が開始された場合にも、変更制限フラグがオン状態にセットされる。そして、ボタン操作検出前演出が実行される。その後、ボタン操作有効期間の終了タイミングとなるより前のタイミングT21にて、プッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)が検出されてボタン操作検出ありと判定された場合には、図34に示すステップSG407の処理によりボタン操作検出後演出が開始されるとともに、ステップSG408の処理によりボタン操作検出後演出時間が設定される。続いて、ステップSG411にてボタン操作検出後演出時間が経過したと判定されるまで、ステップSG410の処理によりボタン操作検出後演出が実行される。図37(B)に示すタイミングT22となることで、ボタン操作検出後演出時間が経過したときには、ステップSG415の処理が実行されることで、演出後変更制限時間が設定される。これにより、図37(B)に示すタイミングT23となるまで、遊技者の操作による簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられるとともに、遊技者の操作による演出出力量の設定変更が受け付けられないように制限が設けられる。タイミングT23となったときには、図36に示すステップSG228の処理により演出後変更制限時間が経過したと判定され、ステップSG229の処理により変更制限フラグがクリアされてオフ状態となる。
こうして、ボタン操作の予告演出といった、プッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合には、遊技者の操作による簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられ、また、遊技者の操作による演出出力量の設定変更が受け付けられないように制限が設けられる。ただし、飾り図柄の可変表示が開始された後でも、例えば図33に示すステップ332にてボタン操作予告演出期間であると判定されるまでは、変更制限フラグがオフであることから、簡単スタートの指示や演出出力量の設定変更を受け付けることができる。
なお、レバー操作の予告演出種別に分類された予告演出パターンによるレバー操作の予告演出が実行される場合にも、ボタン操作の予告演出が実行される場合と同様に、変更制限フラグをオン状態にセットすればよい。例えば図33に示すステップSG336にてレバー操作予告演出期間であると最初に判定されたときに、変更制限フラグをオン状態にセットする。その後、レバー操作の予告演出が終了することなどに対応して、演出後変更制限時間の設定を行い、この演出後変更制限時間が経過するまでは、変更制限フラグをオン状態に維持する。これにより、レバー操作の予告演出といった、スティックコントローラ30のような操作手段に対する操作に応じた操作演出がされる場合にも、遊技者の操作による簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられ、また、遊技者の操作による演出出力量の設定変更が受け付けられないように制限が設けられる。ただし、飾り図柄の可変表示が開始された後でも、例えば図33に示すステップ336にてレバー操作予告演出期間であると判定されるまでは、変更制限フラグがオフであることから、簡単スタートの指示や演出出力量の設定変更を受け付けることができる。
スティックコントローラ30を用いた操作に応じた演出が実行されるレバー操作の予告演出であるか、プッシュボタン31Bを用いた操作に応じた演出が実行されるボタン操作の予告演出であるかにかかわらず、共通の変更制限フラグをオン状態にセットすることで、遊技者の操作による簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられ、また、遊技者の操作による演出出力量の設定変更が受け付けられないように制限が設けられるようにすればよい。例えば簡単スタートの指示はプッシュボタン31Bに対する押下操作により行われる一方、演出出力量の設定変更はスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する傾倒操作により行われる。このように、複数の操作手段が別個に設けられ、それぞれの操作手段に対する操作に応じた設定変更操作を受け付ける場合に、変更制限フラグがオンである期間では、いずれの操作手段に対する操作であるかにかかわらず、設定変更操作が受け付けられないように制限が設けられる。これにより、操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行されるときに、設定変更操作が誤って受け付けられてしまうことを確実に防止できる。
図38は、リーチ演出が実行される場合における演出制御例を示すタイミングチャートである。リーチ演出が実行される場合には、図33に示すステップSG338の処理にてリーチ演出期間であると判定されたことに基づくステップSG339の処理として、図35に示すリーチ演出制御処理が実行される。
例えば図38に示すタイミングT30にてリーチ演出期間が開始された場合には、図35に示すステップSG422の処理が実行されることで、変更制限フラグがオン状態にセットされる。そして、ステップSG426の処理が実行されることで、中図柄導出前演出が実行される。この中図柄導出前演出の実行中に、ステップSG423にて各種の操作検出ありと判定された場合には、ステップSG424の処理が実行されることで、各種操作検出時演出を実行することができる。その後、図38に示すタイミングT31となることで、ステップSG425の処理により中図柄導出タイミングであると判定される。このときには、ステップSG429の処理が実行されることで、演出後変更制限時間が設定される。これにより、図38に示すタイミングT32となるまで、遊技者の操作による簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられるとともに、遊技者の操作による演出出力量の設定変更が受け付けられないように制限が設けられる。タイミングT32となったときには、図36に示すステップSG228の処理により演出後変更制限時間が経過したと判定され、ステップSG229の処理により変更制限フラグがクリアされてオフ状態となる。
こうして、リーチ演出といった、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作に応じた操作演出を含む演出が実行される場合には、遊技者の操作による簡単スタートの指示が受け付けられないように制限が設けられ、また、遊技者の操作による演出出力量の設定変更が受け付けられないように制限が設けられる。ただし、飾り図柄の可変表示が開始された後でも、例えば図33に示すステップ338にてリーチ演出期間であると判定されるまでは、変更制限フラグがオフであることから、簡単スタートの指示や演出出力量の設定変更を受け付けることができる。
図39は、変更制限フラグがオフであるときの表示例を示している。図39(A)に示すように、画像表示装置5の画面上には、出力量設定表示エリア5Jやモード設定表示エリア5Kが設けられ、演出出力量や演出カスタマイズの設定状態を特定可能にする画像表示などが行われる。図39(A)に示す表示例では、演出出力量が6段階のうちの「2」(第2段階)であることに対応して、出力量設定表示エリア5Jにて2つのメモリを第1表示色(例えば赤色)で表示する一方、残りの4つを第1表示色とは異なる第2表示色(例えば白色)で表示する。このとき、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が右に傾倒操作されたことに対応して、演出出力量を「3」に変更するとともに、図39(B)に示すような出力量設定表示エリア5Jにおいて第1表示色のメモリを1つ増加させる。このように、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が第1方向(右方向など)に傾倒操作されるごとに、演出出力量の設定が最大に達するまで、複数段階の演出出力量を1段階ずつ増加させるように変更すればよい。一方、例えばスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が第1方向とは異なる第2方向(左方向)に傾倒操作されるごとに、演出出力量の設定が最小に達するまで、複数段階の演出出力量を1段階ずつ減少させるように変更すればよい。出力量設定表示エリア5Jでは、演出出力量の変更に応じて第1表示色で表示するメモリの個数を増加または減少させることで、設定変更の操作を受け付けた旨を遊技者が認識可能に表示できる。
また、図39(A)に示す表示が行われているときに、例えばプッシュボタン31Bが押下操作されたことに対応して、簡単スタート用の演出設定を行うとともに、図39(C)に示すようなモード設定表示エリア5Kにおいて演出カスタマイズが開始されたことを示す画像表示を行う。このように、例えばプッシュボタン31Bが押下操作されることで、簡単スタートによる演出カスタマイズの設定を有効とすればよい。モード設定表示エリア5Kでは、演出カスタマイズが開始されたか否かに応じて異なる画像表示を行うことで、設定変更の操作を受け付けた旨を遊技者が認識可能に表示できる。
図40は、ボタン操作の予告演出を実行するときの表示例を示している。例えば図33に示すステップSG332にてボタン操作予告演出期間であると判定された後、図34に示すステップSG403にてボタン操作検出フラグがオフであると判定された場合には、ステップSG404の処理によりボタン操作検出前演出が実行される。これにより、例えば図40(A)に示すように、プッシュボタン31Bを示す演出画像(ボタン画像)を画像表示装置5の画面上に表示させて、プッシュボタン31Bに対する押下操作を遊技者に促すことができる。このとき、ボタン画像は、出力量設定表示エリア5Jやモード設定表示エリア5Kとは異なる表示領域(重複しない領域)に表示される。なお、ボタン操作の予告演出が実行されるときには、変更制限フラグがオンとなることに対応して、出力量設定表示エリア5Jやモード設定表示エリア5Kを縮小または消去してもよい。これにより、ボタン操作の予告演出が実行される場合に、予告演出の演出画像表示と演出出力設定などを示す画像表示とが重複する可能性を低減し、遊技者に煩雑な印象を与えないようにすることができる。
例えば図33に示すステップSG405にてボタン操作検出ありと判定された場合には、ステップSG407の処理などによりボタン操作検出後演出が実行される。これにより、例えば図40(B)に示すように、キャラクタやセリフとなるメッセージを示す演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させて、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告することができる。このときにも、予告演出の演出画像は、出力量設定表示エリア5Jやモード設定表示エリア5Kとは異なる表示領域(重複しない領域)に表示される。これにより、遊技者に煩雑な印象を与えないようにすることができる。
パチンコ遊技機1では、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示といった、所定の遊技が実行されているときでも、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)やプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)に応じて、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更を受け付けることができる。しかしながら、ボタン操作の予告演出やレバー操作の予告演出、あるいはリーチ演出中における各種操作検出時演出のように、各種の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合に、設定変更のための操作を受け付けてしまうと、遊技者が意図しない設定変更が行われてしまい、遊技者に不信感を与えて遊技興趣を減退させるおそれがある。そこで、操作演出が実行される場合には、所定期間にて設定変更の操作を受け付けないように制限を設けることで、意図しない設定変更の発生を防止できる。
この発明は、上記実施の形態の変形例に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態の変形例で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態の変形例で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態の変形例では、ボタン操作の予告演出やレバー操作の予告演出、さらにはリーチ演出といった、各種の操作手段に対する操作に応じた演出が実行される可能性がある全ての演出に対応して、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更といった、全ての設定変更を行うための操作手段に対する操作を受け付けないように制限を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば各種の操作手段に対する操作に応じた演出の一部に対応して、一部の設定変更を行うための操作手段に対する操作を受け付けないように制限を設けるものであってもよい。より具体的に、ボタン操作の予告演出に対応して、演出カスタマイズの設定を有効とする変更を行うためのプッシュボタン31Bに対する押下操作を受け付けないように制限を設ける一方、演出出力量の設定変更を行うためのスティックコントローラ30に対する傾倒操作は受け付けるようにしてもよい。
上記実施の形態の変形例では、操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合に、設定変更の操作を受け付けないように制限を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合には、設定変更の操作を受け付けにくいように制限を設けてもよい。例えば通常時とは異なる特殊な操作パターンに合致する操作が行われた場合にのみ、設定変更の操作が受け付けられるように制限を設けてもよい。こうした特殊な操作パターンは、例えば操作演出を実行するための操作手段に対する操作内容とは大きく異なる操作手順(例えばスティックコントローラ30を所定方向に傾倒するレバー操作とプッシュボタン31Bの押下操作とを同時に複数回組み合わせて行うことなど)を含み、操作演出を実行するために操作する限りでは、この操作パターンに合致する可能性が極めて低いものであればよい。また、特殊な操作パターンは、隠しコマンドとして予め用意され、その操作手順は明確に報知されることがないものであってもよい。
上記実施の形態の変形例では、例えば飾り図柄の可変表示が開始されても、図34に示すステップSG402や図35に示すステップSG422にて変更制限フラグがオン状態にセットされるまでの期間において、設定変更を行うための操作が受け付けられるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば飾り図柄の可変表示が開始されるときに、ボタン操作の予告演出やリーチ演出を実行すると決定されたことに対応して変更制限フラグをオン状態にセットすることなどにより、遊技における演出が所定態様となるより前に、設定変更を行うための操作を受け付けないように制限を設けてもよい。これにより、設定変更を行うための操作により遊技における演出が妨げられることや、操作演出の実行に伴い設定変更操作が誤って受け付けられることを、確実に防止できる。
上記実施の形態の変形例では、ボタン操作の予告演出やリーチ演出の実行が終了した後でも、演出後変更制限時間が経過するまでは変更制限フラグをオンのまま維持して、設定変更を行うための操作が受け付けられないように制限を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、操作手段に対する操作に応じた演出の実行が終了したときに、所定時間が経過しなくても設定変更を行うための操作が受け付けられるようにしてもよい。これにより、設定変更を求める遊技者の意思を迅速に反映させて、遊技興趣を向上させることができる。
上記実施の形態の変形例では、出力量設定表示エリア5Jやモード設定表示エリア5Kが画像表示装置5の画面上に設けられ、例えばボタン操作の予告演出といった、遊技における演出をこれらの表示エリア以外の領域にて実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば共通する表示エリアにて演出出力量の設定表示と遊技における演出とが実行される場合でも、互いに異なるレイヤーに重畳表示させる異などにより、遊技における演出の裏では演出出力量の設定表示が継続されるようにしてもよい。
上記実施の形態の変形例では、図36に示すような演出出力設定処理を実行することにより、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声の音量や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの光量といった、演出装置の出力量を変更可能にするものとして説明した。また、上記実施の形態の変形例では、図29に示すような演出カスタマイズ処理を実行することで、簡単スタートによる演出カスタマイズを有効とする変更が可能なものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出出力量の設定変更と演出カスタマイズを有効とする変更とのうち、いずれか一方のみを行うものであってもよい。また、パチンコ遊技機1などの遊技機における遊技履歴にかかわらず変更可能な任意の演出設定を変更可能なものであってもよい。例えば、遊技者によるスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)といった操作手段に対する所定操作が検出されたことに応じて、複数種類のキャラクタからいずれかを選択し、選択されたキャラクタに応じた演出が複数回の可変表示にわたり実行可能となるものであってもよい。
上記実施の形態の変形例では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置により、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)である場合を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、設定切替スイッチ300のスイッチ位置にかかわらず、遊技者による設定変更(調整)が常に可能(許容)であるものであってもよい。また、上記実施の形態の変形例では、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)といった所定の操作手段に対する所定操作により、設定切替スイッチ300のスイッチ位置による設定と同様の複数段階(6段階など)のいずれかに演出出力量を変更できるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技者による操作に応じて変更可能な演出出力量の範囲と、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて変更可能な演出出力量の範囲とが、所定の対応関係にあってもよいし、一方の範囲が他方の範囲より広い範囲または狭い範囲となるものであってもよい。例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた複数段階ごとに、遊技者による操作に応じて変更可能な演出出力量の範囲として、互いに異なる可変設定範囲が予め定められていてもよい。より具体的な一例として、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「2」のいずれかであるときには、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの光量が「30%」〜「70%」の範囲で変更可能となり、スイッチ位置が「3」〜「5」のいずれかであるときには、光量が「60%」〜「100%」の範囲で変更可能となるようにしてもよい。このように、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて変更可能な演出出力量の範囲は、複数段階のスイッチ位置に共通する範囲(重複範囲)を含んでいてもよい。あるいは、設定切替スイッチ300のスイッチ位置ごとに、重複範囲を含まない演出出力量の変更可能範囲が定められていてもよい。
上記実施の形態の変形例では、パチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ30とプッシュボタン31Bとが互いに別個の操作手段として設けられ、それぞれの操作手段に対する所定操作による指示操作が検出された結果に応じて、演出カスタマイズの設定や演出出力量の変更が行われたり、所定の予告演出における演出態様を変化させたりするものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばプッシュボタン31Bのみといった、単一の操作手段を備えるものにおいて、その操作手段に対する所定操作による指示入力の検出結果に応じて、各種の設定や変更ができるようにしてもよい。
遊技者による指示入力を検出するための構成は、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bに限定されず、例えば回動操作が可能なジョグダイアルであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよい。また、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による指示入力行為に限定されない任意の動作を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手といった被写体を撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、任意の入力動作を所定操作として検出できるようにしてもよい。すなわち、所定操作を検出するための構成は、任意対象物の動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
演出出力量の設定変更や演出カスタマイズを有効とする変更が可能な場合に、以下のような変形がなされてもよい。例えばRAM122の所定領域に格納(保持)されたカスタマイズ設定情報や出力量設定情報などの設定情報に応じた制御を行って演出を実行する。そして、例えば演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨の示唆を行うようにしてもよい。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
遊技機への電力供給が開始されたときや、遊技者が遊技機における遊技を開始したと判定されたとき、遊技者が遊技機における遊技を行っていないと判定されたときに、特定設定状態であることの示唆を行うようにしてもよい。電力供給が開始されたときの示唆により、特定設定状態であることを遊技店側で容易に認識することができ、遊技店側に好適な出力設定の変更が可能になる。遊技を開始したと判定されたときの示唆により、遊技の開始時に出力設定の変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。遊技を行っていないと判定されたときの示唆により、遊技を開始する前に出力設定が変更可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、パチンコ遊技機1などの遊技機における遊技の実行中には、例えば画像表示装置5の画面上に表示したキャラクタのセリフとして、所定のメッセージを報知する変動中メッセージの報知演出が実行されてもよい。こうした変動中メッセージを複数種類のいずれかに決定することで、遊技機による遊技の進行に応じた演出のうちの所定演出の演出態様を複数態様のうちから選択する。そして、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨を示唆する変動中メッセージといった特定の演出態様を選択可能に設定してもよい。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
特定の設定情報が格納(保持)されている旨を示唆する変動中メッセージのような特定の演出態様を選択した後には、例えば所定時間が経過するまで特定の演出態様が選択されないように制限を設けるといった、特定の演出態様を選択した履歴に応じて、特定の演出態様が選択されてもよい。これにより、設定変更が可能であることを示唆する報知が頻繁に実行されないようにして報知の煩わしさを抑制し、好適に設定変更を可能として、遊技興趣を向上させることができる。
例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるといった、遊技機による遊技の結果が特定結果となる場合に、こうした特定結果とならない場合とは異なる割合で特定の演出態様を選択してもよい。これにより、特定結果となるか否かに応じて設定変更が可能であることを好適に示唆して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
例えば飾り図柄の可変表示といった遊技機における所定の遊技(1回の遊技でも複数回の遊技でもよい)ごとに実行される演出の演出態様を、所定割合で特定の演出態様を含む複数態様のうちから選択してもよい。これにより、所定の遊技ごとに実行される演出の演出態様を好適に選択して、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進し、遊技興趣を向上させることができる。
あるいは、図31に示すステップSG315にてボタン操作の予告演出種別に決定された後、ステップSG317にて予告演出パターンを決定することで、遊技者によるプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)に応じた操作演出の演出態様を複数種類の演出態様のうちから選択する。ここで、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」となる非リーチ時には、演出カスタマイズの設定が無効である場合や演出出力設定が最小出力量である場合のように、特定の設定情報が格納(保持)されているときに、その特定の設定情報が格納(保持)されている旨を示唆する予告演出パターンといった特定の演出態様を選択可能に設定してもよい。その後、所定の予告演出制御が行われることで、プッシュボタン31Bに対する操作に応じた操作演出が実行されてもよい。これにより、演出に関する制御の設定変更が可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
図31に示すステップSG315にてボタン操作の予告演出種別に決定された後、ステップSG317にて特定設定状態であることを示唆する予告演出パターンのような特定の演出態様を選択した後には、例えば所定時間が経過するまで特定演出態様が選択されないように制限を設けるといった、特定の演出態様を選択した履歴に応じて、特定の演出態様が選択されてもよい。これにより、設定変更が可能であることを示唆する報知が頻繁に実行されないようにして報知の煩わしさを抑制し、好適に設定変更を可能として、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図36に示すステップSG222にて設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて音量設定などの演出出力設定を行った後、ステップSG224にてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)に応じた演出出力量の設定変更を行う。そして、演出出力設定が最小出力量であると判定されたことなどに対応して、演出装置の出力量が所定量未満であるときには示唆を行うようにしてもよい。あるいは、演出出力設定が最小出力量であることを示す変動中メッセージの報知演出が実行されてもよい。あるいは、図31に示すステップSG317の処理では、演出出力設定が最小出力量である場合に対応して、特定演出態様となる予告演出パターンを所定割合で選択可能に設定してもよい。これにより、演出装置の出力量が変更可能であることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば図29に示すステップSG204Bにて簡単スタートの指示ありと判定されたことに対応して、ステップSG205の処理を実行することで簡単スタートによる演出カスタマイズの設定が行われる。また、ステップSG210にて演出カスタマイズを開始するために取得したカスタマイズ情報が有効であると判定されたことに対応して、ステップSG211の処理を実行することでパスワードなどを用いた演出カスタマイズを開始する設定が行われる。一方、こうした演出カスタマイズの設定が無効であると判定されたことなどに対応して、演出カスタマイズによる通常時とは異なる特典演出の実行制御が無効化されているときに示唆を行うようにしてもよい。あるいは、演出カスタマイズの設定が無効であることを示す変動中メッセージの報知演出が実行されてもよい。あるいは、図31に示すステップSG317の処理では、演出カスタマイズの設定が無効である場合に対応して、特定演出態様となる予告演出パターンを所定割合で選択可能に設定してもよい。これにより、特典演出の実行制御を有効化できることを遊技者が認識しやすくなり、遊技者の好みに応じた出力設定の変更を促進して、遊技興趣を向上させることができる。
例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であると判定されたときには、特定設定状態の示唆に制限を設けるようにしてもよい。あるいは、遊技者による演出出力の設定変更(調整)が不可(禁止)であることに対応して、演出出力設定が最小出力量であることを示す変動中メッセージが決定可能な変動中メッセージに含まれないように設定されてもよい。あるいは、図31に示すステップSG317の処理では、遊技者による演出出力の設定変更(調整)が不可(禁止)であることに対応して、特定演出態様となる予告演出パターンには決定できないように設定されてもよい。これにより、不要な示唆の実行を防止して、遊技者に混乱を与えないようにすることができる。
その他、設定切替スイッチ300を用いた演出出力量の設定と、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)といった所定の操作手段に対する所定操作に応じた演出出力量の設定に関して、以下のような変形が可能である。
例えば設定切替スイッチ300を操作可能な状態(前面扉を開放した状態)にしたときに、設定切替スイッチ300のスイッチ位置を切替操作を行うと、演出制御用CPU120は、図36に示すステップSG222の処理にて、複数段階のいずれかの段階を第1音量段階または第1光量段階などの第1出力量段階として設定する。例えば図39(A)に示すような出力量設定表示エリア5Jが設けられているときに、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対して所定操作(傾倒操作など)を行うと、演出制御用CPU120は、図36に示すステップSG224の処理にて、複数段階のいずれかの段階を第2音量段階または第2光量段階などの第2出力量段階として設定する。ステップSG224の処理において第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)と第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)とに基づいて音量を設定すると、その設定した音量で以降の演出などを実行する。
そして、例えば図36に示すステップSG224の処理では、図39(A)に示すような出力量設定表示エリア5Jにおいて設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)に応じて異なる第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)を示す段階表示が行われてもよい。このように、遊技店用の第1許可条件が成立しているときに行われる第1操作に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)として設定する一方、遊技者用の第2許可条件が成立しているときに行われる第2操作に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)として設定する。こうして設定された第1出力量段階と第2出力量段階とに応じた出力量の演出を所定の演出装置(例えばスピーカ8L、8Rなど)により実行させる一方、遊技者が視認可能な表示領域に表示される表示内容として、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階に応じて異ならせてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
また、例えば図36に示すステップSG224の処理では、図39(A)に示すような出力量設定表示エリア5Jにおいて、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「5」に対応して音量設定が「音量6(最大)」であるときとスイッチ位置が「0」に対応して音量設定が「音量1(最小)」であるときとで異なる初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)が最高段階であるときと最低段階であるときとで異なる初期表示となる段階表示が行われてもよい。このように、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階が最高段階であるときと最低段階であるときとで異ならせてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
あるいは、例えば図36に示すステップSG224の処理では、図39(A)に示すような出力量設定表示エリア5Jにおいて、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「0」〜「4」のいずれかに対応して音量設定が「音量1(最小)」から「音量5」のいずれかであるときには音量設定が「音量6(最大)」以外の第2音量段階を示すように初期表示を行い、かつ、スイッチ位置が「5」に対応して音量設定が「音量6(最大)」であるときには音量設定が「音量6(最大)」である第2音量段階を示すように初期表示を行うことなどにより、第1出力量段階(第1音量段階または第1光量段階など)が最高段階以外であるときには最高段階以外の第2出力量段階(第2音量段階または第2光量段階など)を示すように、かつ、第1出力量段階が最高段階であるときには最高段階の第2出力量段階を示すように、初期表示となる段階表示が行われてもよい。このように、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示を行い、その段階表示における初期表示を、第1出力量段階が最高段階以外であるときには最高段階以外の第2出力量段階を示すように、かつ、第1出力量段階が最高段階であるときには最高段階の第2出力量段階を示すようにしてもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
例えば図4や図5に示す設定切替スイッチ300は、遊技店の係員による操作対象として、演出出力量が取り得る複数段階に対応した複数のスイッチ位置のいずれかに物理的に変位する変位部を備える操作装置となる。図36に示すステップSG222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が物理的に変更された後において、図39(A)に示すような出力量設定表示エリア5Jが配置されるときに、設定切替スイッチ300によって新たに設定された演出出力量に応じた演出を所定の演出装置(スピーカ8L、8Rなど)により実行させることを開始してもよい。このように、第1操作の操作対象として、第1出力量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置を設け、第1操作によって変位した変位部の位置に応じた第1出力量段階を第1操作に基づく第1出力量段階として設定し、変位部の位置が変更された後において、第2操作が行われるときに第2出力量段階を示す段階表示に対応して、新たに設定された第1出力量段階に応じた演出出力量の演出を所定の演出装置により実行させることを開始してもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
あるいは、設定切替スイッチ300のスイッチ位置が物理的に変更された後において、図36に示すステップSG224の処理により遊技者の所定操作(例えばスティックコントローラ30の操作桿に対する傾倒操作など)に応じて演出出力量の設定変更が行われるときに、設定切替スイッチ300によって新たに設定された演出出力量に応じた演出を所定の演出装置(スピーカ8L、8Rなど)により実行させることを開始してもよい。このように、第1操作の操作対象として、第1出力量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置を設け、第1操作によって変位した変位部の位置に応じた第1出力量段階を第1操作に基づく第1出力量段階として設定し、変位部の位置が変更された後において、第2操作によって設定される第2出力量段階が変更されるときに、第1操作によって新たに設定された第1出力量段階に応じた演出出力量の演出を所定の演出装置により実行させることを開始してもよい。これにより、好適に演出装置の出力量を調整できる。
例えば図39(A)に示すような出力量設定表示エリア5Jでは、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて第1表示色で表示するメモリの初期表示量を異ならせてもよい。このように、第1出力量段階が高い段階であるほど、段階表示における初期表示が示す第2出力量段階を高くしてもよい。これにより、第1出力量段階と第2出力量段階との関係が把握しやすくなり、好適に出力量を調整できる。
例えば図36に示すステップSG224の処理では、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)に応じて演出出力設定が変更されたときには、変更後の演出出力量を示す確認演出動作を実行する。一方、例えば図36に示すステップSG222の処理では、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて演出出力設定が変更されたときでも、変更後の演出出力量を示す確認演出動作を実行しないようにしてもよい。このように、第2操作により第2出力量段階が新たに設定されたときに、その新たに設定された第2出力量段階を示す確認演出動作(例えば確認音の出力など)を所定の演出装置により実行し、第1操作により第1出力量段階が新たに設定されたときに、その新たに設定された第1出力量段階を示す確認演出動作を実行しないようにしてもよい。これにより、第2出力量段階を演出動作により確認できるので、好適に出力量を調整できる。
例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置が「6」〜「B」のいずれかに設定されて、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、演出出力設定を変更するための画面表示を行わないようにしてもよい。このように、第1出力量段階が取り得る複数段階には、第2操作により第2出力量段階を設定することを制限する制限段階が含まれ、この制限段階が第1出力量段階として設定されたときに、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限を行うようにしてもよい。これにより、遊技者側の出力量設定を制限でき、遊技店が意図しない出力量での演出実行を防止できる。
さらに、例えばデモ画面の表示中にスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が所定操作されるなどして、演出出力設定を変更するための第2許可条件が成立している期間において、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応して遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、変更禁止を報知する所定画像を画像表示装置5の画面上に表示するなどして、遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であることを、遊技者が認識可能に報知してもよい。このように、第2許可条件が成立している期間において、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限が行われているときには、第2許可条件が成立していることに対応した対応画像を表示し、このような設定制限が行われていないときには、対応画像を表示しないようにしてもよい。これにより、第2出力段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
あるいは、例えばデモ画面の表示中にスティックコントローラ30の操作桿(レバー)が所定操作されるなどして、演出出力設定を変更するための第2許可条件が成立している期間において、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に対応して遊技者による設定変更(調整)が不可(禁止)であるときには、所定操作が行われたことに応じて演出出力設定を変更できない旨のブザー音を、スピーカ8L、8Rから出力させてもよい。このように、第2出力量段階を設定することを制限する設定制限が行われているときには、第2操作が行われたことに応じて所定演出を実行してもよい。これにより、第2出力段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
例えば遊技者が遊技機における遊技を行っていないと判定されたときには、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)により変更された演出出力設定をクリアして、設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じた演出出力量の初期設定が行われてもよい。このように、設定中の第2出力量段階を所定タイミングにおいてクリアし、初期設定の段階を第2出力量段階として設定してもよい。そして、第1出力量段階は、第1操作に基づいてのみ変更されてもよい。これにより、第2出力量段階の設定が意図せずに残存したまま他の遊技者による遊技などが行われることを防止できる。
上記実施の形態の変形例においては、特図変動時間に対応する飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに実行されるステップSG112の処理(図6を参照)などにより、1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
パチンコ遊技機1としては、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行わないものであってもよい。一例として、遊技領域に設けられた始動入賞口を通過(進入)した遊技球が検出されたことに基づいて、遊技領域に設けられた可変入賞装置を閉鎖状態(第2状態)から開放状態(第1状態)へと変化させ、可変入賞装置の内部に進入した遊技球が複数の領域のうちの特定領域(V入賞口)に進入したときに、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるものであってもよい。可変入賞装置を第1状態へと変化させるなどの遊技が行われているときでも所定操作に応じた設定変更の操作を受け付ける一方で、例えば可変入賞装置の内部に進入した遊技球の検出に基づいて操作手段に対する操作に応じた操作演出(例えばV入賞期待度の示唆演出)が実行される場合に、設定変更の操作を受け付けないように制限を設けてもよい。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態の変形例で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。具体的には、例えば図柄の可変表示といった、所定の遊技が実行されているときでも、所定操作に応じて演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更を受け付けるものにおいて、所定の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合には、設定変更を行うための操作を受け付けないように制限を設ける特徴などを備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態の変形例では、例えばRAM122の所定領域に格納(保持)されたカスタマイズ設定情報や出力量設定情報などの設定情報に応じた制御を行って演出を実行する。また、例えば特別図柄や飾り図柄の可変表示といった、遊技の進行に応じた演出が実行されているときでも、スティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)やプッシュボタン31Bに対する所定操作(押下操作など)に応じて、演出出力量の設定変更や演出カスタマイズの設定を有効とする変更を受け付ける。ただし、例えばボタン操作の予告演出やレバー操作の予告演出といった、所定の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行される場合には、設定変更を行うための操作を受け付けないように制限を設ける。これにより、遊技者が意図しない設定変更を防止して、遊技者に不信感を与えないようにすることで、遊技興趣を向上させることができる。
例えば飾り図柄の可変表示が開始されても、ボタン操作の予告演出が開始されるまでの期間といった、遊技の進行に応じた演出が所定態様となるまでの期間において、設定変更を行うための操作を受け付ける。これにより、設定変更の操作により遊技における演出が妨げられることを防止して、遊技興趣を向上させることができる。
例えばボタン操作の予告演出といった操作演出の実行が終了してから所定時間が経過したときに、設定変更の操作を受け付けないようにした制限を解除する。これにより、操作演出の実行に伴い設定変更の操作が誤って受け付けられることを防止できる。
例えば画像表示装置5の画面上に、演出出力量や演出カスタマイズの設定状態を特定可能に表示する出力量設定表示エリア5Jやモード設定表示エリア5Kを設け、ボタン操作の予告演出といった遊技の進行に応じた演出を、こうした表示エリア以外の領域にて実行する。これにより、遊技における演出が妨げられることなく設定変更の操作を受け付けた旨を認識させることができる。
例えばスティックコントローラ30やプッシュボタン31Bのような複数の操作手段が設けられた場合に、1の操作手段に対する操作に応じて設定変更の操作を受け付け、他の操作手段に対する操作に応じた操作演出が実行されるときには、こうした設定変更の操作を受け付けないように制限を設ける。これにより、操作演出の実行に伴い設定変更の操作が誤って受け付けられることを防止できる。
例えば図36に示すステップSG222にて設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて音量設定などの演出出力設定を行った後、ステップSG224にてスティックコントローラ30の操作桿(レバー)に対する所定操作(傾倒操作など)に応じた演出出力量の設定変更を行う。これにより、設定変更の操作に応じて演出出力量を好適に設定することができる。
例えば図29に示すステップSG204Bにて簡単スタートの指示ありと判定されたことに対応して、ステップSG205の処理を実行することで簡単スタートによる演出カスタマイズの設定が行われる。また、ステップSG210にて演出カスタマイズを開始するために取得したカスタマイズ情報が有効であると判定されたことに対応して、ステップSG211の処理を実行することでパスワードなどを用いた演出カスタマイズを開始する設定が行われる。これにより、設定変更の操作に応じて演出カスタマイズの設定を有効とする変更を行い、通常時とは異なる特典演出の実行制御を好適に設定することができる。
例えば設定切替スイッチ300のスイッチ位置に応じて、遊技者による設定変更(調整)を可能(許容)とするか不可(禁止)とするかを指定する。これにより、遊技者の操作に応じた設定変更の許否を好適に設定することができる。
前述したパチンコ遊技機1については、パチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理(情報出力処理)を行なうことを説明した。このような情報出力処理によりパチンコ遊技機1の外部に出力する情報としては、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれてもよい。
パチンコ遊技機1においては、たとえば、第1始動入賞口、第2始動入賞口、大入賞口(特別可変入賞球装置7)、および、普通入賞口(普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B)のような複数種類の入賞口が設けられている。そして、これら入賞口への遊技玉の入賞が、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチのような入賞検出スイッチにより検出され、検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、入賞検出スイッチから入力される検出信号に基づいて、所定期間中における各入賞口に入賞した遊技玉の個数(入賞個数)を計数して記憶する処理を行なうことが可能であり、このような処理をすることにより、所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を記憶する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、このような入賞情報に基づいて、所定期間が経過するごとに、各所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100において計数記憶し、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号により特定する入賞個数としては、たとえば、10分ごと等の所定の経過時間ごとの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、各1回の大当り遊技状態が発生するまでに要する期間ごとの入賞個数に関する情報(大当り遊技状態が発生するごとに出力する)、各日の電源投入時からの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、および、遊技者ごとの入賞個数に関する情報(遊技用カード情報等の遊技者特定情報により遊技者が特定可能な場合に、各遊技者により遊技終了が選択されたときに出力する)のいずれの情報であってもよい。
なお、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号としては、遊技玉がいずれかの入賞口に入賞するごとに出力される、入賞口と入賞個数(1個)とを特定可能な入賞情報信号であってもよい。
また、入賞情報信号をパチンコ遊技機1の外部に出力するその他の例としては、主基板11の一部の出力端子に、パチンコ遊技機1の外部に設けられた試験装置で動作試験をするための接続部品を接続し、現在の遊技状態での最新の入賞情報を示す入賞情報信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ100から当該接続部を介して外部に出力されるようにしてもよい。
このように、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号がパチンコ遊技機1の外部に出力されるので、パチンコ遊技機1の外部において、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を認識することができるようになる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態として、第1の実施の形態で説明したパチンコ遊技機1のような遊技制御を遊技制御の一例とするパチンコ遊技機を封入循環式のパチンコ機(パチンコ遊技機)として構成し、当該パチンコ機とカードユニットとを管理するシステムの例を説明する。なお、以下の第2の実施の形態として説明する遊技機、カードユニット、およびそれらを管理するシステムは、第1の実施の形態として説明した遊技機およびカードユニットのいずれに適用してもよい。
以下で説明する実施の形態により示される本発明は、たとえばパチンコ遊技機やスロットマシン等で代表される遊技機であって、互いに通信する第1制御手段および第2制御手段を備えた遊技機、遊技盤および遊技枠に関する。
従来、たとえば、認証用情報管理装置と通信可能に接続された第1制御手段と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段とを含み、第1制御手段と第2制御手段とは、互いにペアの認証用情報、第2制御手段には、ペアの認証用情報の一方が予め記憶されている遊技機が開示されている(特開2012−100763号公報)。
また、従来、たとえば、遊技機の遊技状態を制御するメインCPUとたとえば可変表示装置を制御するサブCPUとの間で、共通鍵暗号方式による暗号電文の送受信を行なうものがあった(特開2004−89701号公報)。
遊技機において、第1制御手段と第2制御手段とで互いに通信を行なう場合に、両制御手段間の通信が途切れて両者間で通信不能な状態となる可能性がある。このような状況を想定し、両者間で通信不能な状態となった後の復帰手順を予め定めておく必要がある。この場合、一方で生成され、他方へ送信する予定であった所定情報が他方へ到達していなければ、復帰の際には当該所定情報が他方へ送信される復帰処理を定めなければならない。
ところが、このような復帰処理を制御手段が実行するユーザプログラムに含めたのでは、ユーザプログラムを実行する制御手段の制御負担が増大する。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、第1制御手段と第2制御手段との間で通信不能な状態となった後の復帰処理に関する制御負担を軽減することである。
(1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図70に示す送信データバッファ613F、図71に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F,700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bF,171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図73のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図73のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(2) 上記(1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において処理を適切に再開することができる。
(3) 上記(1)または(2)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、前記所定情報を送信する際に、当該所定情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報を併せて送信(図76:払出制御部171Fに対して前回送信した通番(主制御通番=n+1)を含む電源投入通知のコマンドを送信)し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方の前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するときに、前回送信した前記到達確認情報を再送(図76:電源投入通知のコマンドに対する電源投入受信のレスポンスを送信)し、
他方の前記通信制御回路を含む前記第1制御手段または前記第2制御手段は、通信不能な状態から復帰するときに受信した前記到達確認情報と、通信不能となる前に受信した前記到達確認情報とが所定の関係にない場合(図76:主制御通番=n+1と払出制御通番=nとが一致しない場合)に、前記復帰処理によって前記一方の通信制御回路が送信した前記所定情報に基づいた情報の更新処理(図76:リカバリ処理を実行する)を実行する。
上記構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに受信した到達確認情報と、通信不能となる前に受信した到達確認情報とが所定の関係にない場合に、復帰処理によって一方の通信制御回路が送信した所定情報に基づいた情報の更新処理を実行するので、第1制御手段と第2制御手段との通信の負担を軽減することができる。
(4) 上記(1)〜(3)において、
前記情報記憶部は、不揮発性記憶領域(たとえば、図70に示す送信データバッファ613F、図71に示すデータ受信レジスタ713F)と揮発性記憶領域(たとえば、図70に示す送信データバッファ613F以外のレジスタ、図71に示すデータ受信レジスタ713F以外のレジスタ)とを有する。
上記構成によれば、情報記憶部は、不揮発性記憶領域と揮発性記憶領域とを有するので、通信を再開する際のリカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。
(5) 上記(1)〜(4)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図71:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(6) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図70に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図73のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図73のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(7) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図71に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図73のSF292:リカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図73のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図70に示す送信データバッファ613F、図71に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)とを有し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、他方が送信した前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む。
上記構成によれば、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、通信制御回路の暗号化手段で情報記憶部に記憶された情報を暗号化し、他方の復号手段で送信した暗号化情報を復号するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−2) 上記(8−1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−3) 上記(8−1)または(8−2)において、
前記通信制御回路は、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理(たとえば、図73に示す電源投入時に行なわれる認証シーケンスよって暗号鍵および復号鍵が生成される)と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行する(図73に示す認証シーケンス後、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が可能)。
上記構成によれば、通信制御回路が、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方において処理を適切に再開することができる。
(8−4) 上記(8−1)〜(8−3)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図71:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(8−5) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図70に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む前記第2制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−6) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図71に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路171bFで暗号化した情報を通信制御回路161bFで復号する)を含む前記第1制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(9−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図44:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図52に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図54:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき、前記遊技点を前記持点に計数する計数処理手段(図54:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図41:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図54:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図54:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図54:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを含む。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)であって、
前記遊技機からの計数要求に基づき、前記遊技点を持点に計数する計数処理手段(図54:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図41:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図54:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図54:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図54:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを備える。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−3) 本発明は、遊技者所有の有価価値を用いて遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)と通信可能に接続され、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)であって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図44:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図52に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図54:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを備え、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき計数した前記持点を、前記遊技用装置で受付けた記録媒体で特定可能に処理し、前記記録媒体を返却する場合に、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることの通知を前記遊技用装置から受付可能(図54:P台2Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報の通知をCU3Fから受ける。)である。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることの通知を、前記遊技用装置から受けるので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−4) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技用装置は、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する報知手段(たとえば、図41に示す表示器312F)を含む。
上記構成によれば、遊技用装置でも記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−5) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技機は、前記遊技用装置からの通知に基づき、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する表示手段(たとえば、図41に示す可変表示装置278F)を含む。
上記構成によれば、遊技機で記録媒体の取り外し待ち状態であることを視覚的に報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−6) 上記(9−1)または(9−2)において、
前記取り外し待ち状態通知手段は、前記遊技用装置または前記遊技機に接続する装置(たとえば、ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に対して、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知する。
上記構成によれば、遊技機や遊技用装置以外に対して記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知することで、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−7) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図41:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けた場合に、前記遊技用装置が設置されている遊技場を特定可能な遊技場特定情報を前記遊技機に通知する遊技場特定情報通知手段(図47:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「店舗コード」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技場特定情報通知手段により通知された前記遊技場特定情報を記憶する遊技場特定情報記憶手段(図47:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「店舗コード」を記憶する。)と、
前記遊技機と前記遊技用装置とが通信できない通信不能状態から回復した後、通信復旧した場合に、前記遊技場特定情報通知手段により新たに通知された前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する遊技場特定情報比較手段(図55:P台2Fは、CU3Fから「店舗コード」を含むリカバリ要求が送信されてくると、当該「店舗コード」と記憶してある「店舗コード」とが一致するか否かを判定する。)と、
前記遊技場特定情報比較手段により、前記遊技場特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する遊技禁止手段(P台2Fは、CU3Fからの「店舗コード」と、記憶してある「店舗コード」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)とを含む。
上記構成によれば、新たに通知された遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で店舗を移動させる不正を防止することができる。
(9−8) 上記(9−7)において、
前記遊技用装置は、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けたとき、および前記通信復旧したときに、前記遊技用装置に含まれている遊技制御装置(たとえば、図42に示すセキュリティ基板325F)を特定可能な装置特定情報(SC基板ID)を前記遊技機に通知する装置特定情報通知手段(図47:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「SC基板ID」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)をさらに含み、
前記遊技機は、
前記装置特定情報通知手段により通知された前記装置特定情報を記憶する装置特定情報記憶手段(図47:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「SC基板ID」を記憶する。)と、
前記通信復旧した場合に、前記装置特定情報通知手段により新たに通知された前記装置特定情報と、前記装置特定情報記憶手段に記憶した前記装置特定情報と比較する装置特定情報比較手段(P台2Fは、CU3Fからの「SC基板ID」と、記憶してある「SC基板ID」とを比較する。)とをさらに含み、
前記遊技禁止手段は、前記装置特定情報比較手段により、前記装置特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する(不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)。
上記構成によれば、新たに通知された装置特定情報と、装置特定情報記憶手段に記憶した装置特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で遊技機を移動させる不正を防止することができる。
(9−9) 上記(9−7)または上記(9−8)において、
前記遊技機は、
遊技に使用する遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報を読取る遊技場特定情報読取手段(たとえば、P台2Fの回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取る。)をさらに含み、
前記遊技場特定情報比較手段は、前記遊技場特定情報読取手段で読取った前記遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する(読取った識別情報により、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定して、不一致の場合、状態情報応答の「不正検知状態3」のBit0を、“1”にする。)。
上記構成によれば、遊技場特定情報読取手段で読取った遊技媒体に付加されている遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致であれば、遊技媒体に他店舗の遊技玉が混入していることを報知することが可能となる。
以下、図面を参照して第2の実施の形態(以下、単に“実施の形態”という)を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図41を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2Fが併設されている。なお、P台2Fの所定側の側方位置には、該P台2Fに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3Fが1対1に対応設置されている。
P台2Fは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉(遊技玉)を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより、発射モータ18F(図42参照)を駆動させて封入玉を一発ずつ遊技盤26F前面の遊技領域27Fに打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25Fの周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18Fが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25Fの回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27F内に発射される。
打球操作ハンドル25Fの上方には鍵穴10Fが設けられており、遊技場の係員が所持する鍵を挿入して前枠5F(図42参照)の解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより前枠5Fが開放され、ガラス扉(前面部材)6Fの解錠操作(たとえば反時計回り回転)することによりガラス扉6Fが開放される。
図41に示すP台2Fは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27Fの中央に可変表示装置(以下、特別図柄とも言う)278Fが設けられている。また、遊技領域27Fには、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図41に示す遊技領域27Fには、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271Fと、3つの普通入賞口272F,273F,274Fと、3つの始動入賞口275F,276F,277Fとが示されている。特に、始動入賞口276Fは、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278Fは、各始動入賞口275F,276F,277Fに入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいて変動表示する。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271Fが開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27F内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154Fに回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154Fに回収されたパチンコ玉は再度P台2F内の回収経路(図示略)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれる。
P台2Fは、CU3Fを側方位置に設置することでCU3Fから伸びる表示器54FをP台2Fの前面に設けた接続面54Faに嵌合させる。そのため、P台2Fにおける遊技領域27Fの下方位置には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、液晶表示装置で構成されており、持点やカード残額、あるいは可変表示装置278Fの表示と連動した様々な演出画像を遊技者に表示する。また、表示器54Fは、裏面に設けた接続端子(図示せず)をP台2Fの接続面54Faに設けた接続端子54Fbに接続することでP台2Fに嵌合させている。このように、CU3Fの表示器54FをP台2Fの接続面54Faに嵌合させる構成であれば、CU3FとP台2Fとをより強く連結することができ、不正を防止することができる。さらに、表示器54Fとの連結係止を、ガラス扉6Fまたは打球操作ハンドル25Fが設けられた下扉を開かないと解除することができないようにすることで、不正をさらに防止することができる。なお、表示器54Fは、図41に示すようにCU3Fと一体に形成されP台2Fの接続面54Faに嵌合させる構成だけに限定されず、CU3Fから独立して形成されP台2Fの前面に取付けられる構成でもよい。
また、P台2Fの接続面54Faの上方位置に遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器が設けられている。遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171Fによって制御される。この遊技玉数表示器29Fにより、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。なお、遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
さらに、P台2Fにおける遊技玉数表示器29Fの左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28Fが設けられている。詳しくは後述するが、計数ボタン28Fは、1度押下すると、たとえば100玉だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれ、長い期間押下(長押し)すると、現在有している遊技玉を考慮して押下している時間に対応した玉数だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれる。また、計数速度は、カード返却操作を行なう場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
このように、計数ボタン28FをP台側に設けているため、計数ボタン28FをCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2Fは、遊技領域27Fの右上位置および左上位置に、可変表示装置278Fで表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270Fが設けてある。なお、スピーカの位置および個数は、図41に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
このように、パチンコ機2Fは、前述のパチンコ遊技機1のような遊技制御を行なう遊技機を封入循環式パチンコ機として構成したものであり、基本的な遊技制御および演出制御は、前述のパチンコ遊技機1と同様の制御(たとえば、保留記憶情報に基づく可変表示制御、保留記憶情報に基づく大当り遊技制御、および、保留記憶情報に基づく確変制御等の制御)が行なわれる。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図41を参照して、本実施形態に係るCU3Fの構成を説明する。このCU3Fは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(以下、一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3Fは、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を「遊技玉のデータ」に変換する機能を有する。P台2Fでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、「遊技玉のデータ」とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、「遊技玉のデータ」を貯玉や持玉と同様に、単に「遊技玉」と称する。
CU3Fの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302F、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305F、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309Fなどが設けられている。このカード挿入/排出口309Fに挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
CU3Fの前面側には、表示器312Fと、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下単に、カードID、C-IDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319Fと、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320Fで受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312Fは、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(以下、カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312Fの表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319Fを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2Fによる遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、P台2Fによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。なお、再プレイボタン319Fとは別に、持玉を引落すための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319Fは貯玉引落し専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバ801F(図43参照)に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801Fにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801Fに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバ801Fに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28Fが操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
また、遊技者が遊技を終えてCU3Fからカードを返却したときには、CU3Fに記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバ801Fに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3Fにカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3Fに記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
紙幣挿入口302Fに挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3Fの前面側には、さらに、IR(Infrared)感光ユニット(IR受光ユニットとも言う)320Fと、玉貸ボタン(以下、貸出ボタンとも言う)321Fとカード返却ボタン322Fとが設けられている。IR感光ユニット320Fは、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニットである。玉貸ボタン321Fは、挿入されたカードに記録されている残高を引落してP台2Fによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322Fは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図42は、カードユニットとパチンコ機との構成を示すブロック図である。図42を参照して、CU3FとP台2Fとの制御回路の概略を説明する。
CU3Fには、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323Fが設けられている。このCU制御部323Fには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323Fには、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801F(図43参照)と通信を行なうための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、P台2Fの払出制御基板17Fとセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板(SC基板)325Fが設けられている。なお、セキュリティ基板325F上にCU制御部323Fを設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325Fとは別の基板にCU制御部323Fを設けてもよい。CU3FにはP台2F側への接続部(図示略)が設けられるとともに、P台2FにはCU3F側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325FとP台側の払出制御基板17Fとは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325Fには、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとの通信を制御するための通信制御IC325aFと、P台2Fのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bFが設けられている。セキュリティチップ(SC)325bFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。さらに、SC325bFは、不正検知部1325Fを備え、不正検知部1325FがCU制御部323FからP台2Fに通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800F(図43参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800Fから基板制御情報として通知される。通信制御IC325aFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323F、セキュリティチップ(SC)325bF、および通信制御IC325aFの各RAMは、電源断時にもその記憶データが消去されないバックアップRAMで構成されている。なお、このバックアップRAMの代わりに、EEPROMで構成してもよい。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323Fに入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320Fが受光すれば、その受光信号がCU制御部323Fに入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323Fに入力されるとともに、CU制御部323Fからカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記録情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323Fは、カードリーダライタが読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
CU制御部323Fは、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323Fから残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350Fに出力され、表示制御部350Fで表示用データに変換される。CU3Fの前面に設けられる表示器312Fおよび図41に示すようにP台2Fの前面に配置されている表示器54Fに対し、表示制御部350Fで変換した表示用データが出力される。表示器312Fおよび表示器54Fには、その表示用データに応じた画像が表示される。また、表示器312Fの表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350Fを介してCU制御部323Fに入力される。遊技者が玉貸ボタン321Fを操作することにより、その操作信号がCU制御部323Fに入力される。なお、玉貸ボタン321Fは、CU3Fに設ける構成に限定されるものではなく、P台2Fに設けて操作信号をCU制御部323Fに入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。遊技者がカード返却ボタン322Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。
P台2Fには、P台2Fの遊技の進行制御を行なう主制御基板16F、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17F、払出制御基板17Fの指令に基づいて発射モータ18Fを駆動制御する発射制御基板31F、可変表示装置278F(図41参照)などが備えられている。なお、図42では、主制御基板16Fの指令に基づいて可変表示装置を表示制御する表示制御基板(演出制御基板ともいう)の図示を省略している。
主制御基板16Fは、遊技盤26Fに設けてある。主制御基板16Fには主制御部161Fである遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161Fは、遊技盤26Fに設けられている入賞センサ162F、および電波センサ163Fと接続してある。たとえば、主制御部161Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、FPGA(field-programmable gate array)基板を用いる。なお、遊技盤26Fには、さらに可変表示装置278F等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17Fは、前枠5F(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17Fには、払出制御部171Fである払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。たとえば、払出制御部171Fの払出制御用マイクロコンピュータには、FPGA基板を用いる。
また、払出制御基板17Fに対し、発射玉検出スイッチ(図示略)、アウト玉検出スイッチ701F、ファール玉検出スイッチ330F、計数ボタン28F、電波センサ173F、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fが電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173Fは、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aFを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173Fの検出信号が払出制御基板17Fの入力ポート(図示略)を介して払出制御部171Fへ入力される。玉上げスイッチ(上)41aFは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aFが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173Fにより検知する。なお、玉上げスイッチ(上)41aFばかりでなく、発射玉検出スイッチも電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されることになる。しかし、この発射玉検出スイッチにも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されなくなる不都合が生じる。本実施形態では、このような発射玉検出スイッチに対して発信される不正電波も、電波センサ173Fで検出するため、前述の不都合を防止し得る。
ガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠開放検出スイッチ13Fの開放回数は、図示していない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2Fの電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6Fや前枠5Fの開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171Fへ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2F内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
また、払出制御部171Fに接続された遊技玉数表示器29Fにガラス扉6Fや前枠5Fの開放回数等を表示してもよい。具体的に、遊技玉数表示器29Fは、払出制御部171Fからの表示制御信号に従ってガラス扉6Fや前枠5Fの開放回数等を表示する。
主制御基板16Fから払出制御基板17Fに対し、メインチップID(主制御用セキュリティチップID)、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報などが送信される。
メインチップIDは、P台2Fの主制御基板16Fに記録されているチップIDのことであり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。たとえば、入賞口情報には、入賞口の種類が大入賞口271F(図41参照)に3球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して300球払出しを要求する情報や、始動入賞口275Fおよび始動入賞口277F(図41参照)のそれぞれに1球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して20球払出しを要求する情報が含まれる。なお、普通入賞口272Fなどの入賞口に球が入り、賞球の払出しを要求する入賞口情報が払出制御基板17Fに対して送信された後に電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合であれば、払出制御基板17Fが入賞口情報を既に受信しており、当該入賞口情報に基づく賞球の払出しが可能となる。しかし、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合、払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができず賞球の払出しができない。そのため、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも賞球の払出しができるように、継続して入賞口情報を払出制御基板17Fが受信(情報記憶部に書き込み)可能な有効期間を設定する。これにより、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも有効期間内であれば払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができ浮遊玉に基づく賞球の払出しが可能となる。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16Fと払出制御基板17Fとが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16Fから払出制御基板17Fへ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17Fがその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17Fが動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17Fは、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16Fが遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17Fへ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17Fから主制御基板16Fへ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16Fが正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701Fから払出制御基板17Fへアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、後述するように遊技中玉数(遊技領域27Fに浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ330Fからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17Fでは、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチから払出制御基板17Fへ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、遊技中玉数を減算更新する。
CU3Fのセキュリティ基板325FとP台2Fの払出制御基板17Fとが電気的に接続されており、セキュリティ基板325Fから払出制御基板17Fへ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ要求2、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、リカバリ要求を受けてP台2Fのリカバリ情報をCU3Fに通知する。リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。通信開始要求は、P台2Fに対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信開始要求を受けてCU3Fに対して通信開始を応答する。通信終了要求は、P台2Fに対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信終了要求を受けてCU3Fに対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、P台2Fに対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、状態情報要求を受けてP台2Fの状態情報をCU3Fに通知する。カード挿入通知は、P台2Fに対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード挿入通知を受けてCU3Fに対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、P台2Fに対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード返却通知を受けてCU3Fに対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、P台2Fに対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信テスト要求を受けてCU3Fに対してテストデータを応答する。
払出制御基板17Fからセキュリティ基板325Fへ、リカバリ応答、リカバリ応答2、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠5F(遊技枠)には、発射制御基板31F、発射モータ18Fが設けられている。発射制御基板31Fは、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることを検出するタッチリング(以下、タッチセンサとも言う)の入力信号が入力されているときに発射モータ18Fへ励磁出力を発し、発射モータ18Fを駆動させる。
払出制御基板17Fから発射制御基板31Fへ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31Fは、発射モータ18Fを励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27Fへ弾発発射される状態となる。
P台2Fの前面には、CU3Fから伸びた表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fからの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施形態では、P台2Fの前面に設けられるCU3Fから伸びた表示器54FをCU3F側で制御できるように構成されているが、これに代えて、P台2F側に表示器54Fを設けCU3F側から表示制御できるように構成しても、P台2F側に表示器54Fを設けP台2F側で表示制御できるようにP台2F側に表示制御用基板を設ける構成でもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171Fの指令に基づいて表示器54Fを表示制御する。
<パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理>
図43は、パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理を説明するための説明図である。図43に示すP台2Fは、CU3F、ホールサーバ801F、鍵管理サーバ800F、および機歴管理センタ800AFと接続されている。ここで、鍵管理サーバ800Fは、CU3F内部の電子部品のシリアルID(以下、SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800Fは、主制御基板16Fと互いに通信可能なサーバである。機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理する履歴管理システムを含んでいる。なお、セキュリティ基板325Fは、パラレルインタフェイス回路であるPIF回路326Fを介して払出制御部171Fとパラレル接続している。
製造メーカ(遊技機メーカ)が前枠5Fおよび遊技盤26Fを出荷して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図43に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップID、主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せた場合の相手のセキュリティチップIDなどが含まれている。なお、セキュリティチップIDは、機歴管理センタ800AFに登録後、変更、削除することができない。
一方、機歴管理センタ800AFには、製造メーカにより出荷した前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報が入力される。具体的に、機歴管理センタ800AFへの出荷情報の入力は、機歴管理センタ800AFに通信回線などを介して接続された端末から入力する。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。異常の報知として、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。なお、前枠5Fおよび遊技盤26FをセキュリティチップIDに関連付けて記憶した情報は、機歴管理センタ800AFへの出荷情報登録後、変更することができない。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報は、ホールに設置する1日前に、機歴管理センタ800AFに登録されていることが望ましい。
同様に、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を撤去して倉庫に保管した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図43に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26FのセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、ホールまたは倉庫業者により撤去した前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
また、中古業者が遊技盤26Fを別のホールに再販して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図43に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、組合せた前枠5FのセキュリティチップIDなどが含まれている。
一方、機歴管理センタ800AFには、中古業者により再販した遊技盤26Fの移動情報(再販情報)が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された遊技盤26Fの移動情報を、遊技盤26Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
さらに、廃棄業者が設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を廃棄した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図43に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)のセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、廃棄業者により廃棄した前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)の撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図44は、CU3F側とP台2F側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図44を参照して、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施形態においては、P台2F側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3F側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2F側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3F側において管理・記憶している。
図44では、CU3F側のCU制御部323Fに設けられているRAMの記憶データと、P台2F側の払出制御基板17Fに搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ機)2FとCU(カードユニット)3Fとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2F側の払出制御基板17Fは、主制御基板16FからメインチップID(主制御用セキュリティチップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3F側に送信するとともに、払出制御基板17F自体が記憶している払出チップID(払出制御用セキュリティチップID)をCU3F側へ送信する。
CU3F側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3F側とP台2F側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3F側からP台2F側へ送信され、P台2F側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3F側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3F側とP台2F側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2F側からCU3F側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3F側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2Fが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3F側とP台2F側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3F側からP台2F側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2F側において記憶することとなる。
また、CU3F側とP台2F側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が「1」ずつ加算更新され、その通番がCU3F側とP台2F側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3FとP台2Fとの間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、CU3F(一次局)が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、P台2F(二次局)は受信した通番をそのまま送信する。なお、CU3Fは、再送時、通番をカウントアップせず、通番の連続性が成立しない場合、無応答とする。前回最終送信通番は、前回の送受信時に更新された通信番号であり、バックアップされる番号のことである。
本実施形態におけるCU3FとP台2Fとにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3Fは、通番をカウントアップ(+1)してコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信したコマンドの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。そして、P台2Fは、受信したコマンドに対するレスポンスを、受信したコマンドの通番のままでCU3Fに送信する。CU3Fは、受信したレスポンスの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。CU3FおよびP台2Fでは、P台2FからのレスポンスをCU3Fに送信するごとに、このような処理を繰返している。
たとえば、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶するとともに、通番nのままでレスポンスを送信する。CU3F側では返信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶する。次に、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するときに通番をカウントアップ(+1)して通番n+1を送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番n+1を前回最終送信通番として記憶するとともに、通番n+1のままでレスポンスを送信する。P台2F側では送信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信する。CU3F側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番をカウントアップ(+1)して通番n+2のコマンドをP台2F側へ送信する。
P台2F側からCU3F側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2F側の払出制御部171F(図42参照)にあるRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2F側からCU3F側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
なお、バック玉が発生した場合に、そのバック玉を打球発射位置に還元して打球発射位置への玉送りを停止させた状態で打球発射動作を行なってバック玉をすべて遊技領域に発射させるようにし、バック玉が発生してもそのバック玉を加算玉としてカウントしないように制御してもよい。この場合は、「加算玉=賞球玉数×入賞個数」となる。
たとえば、遊技領域27Fに打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16Fから入賞情報が払出制御基板17Fへ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27F内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
あるいは、払出制御部171Fは、計数ボタン28Fの押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
P台2F側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3F側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171FのRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3F側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2F側からCU3F側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17Fは、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3F側に送信する。
CU3F側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(以下単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2F側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2F側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2Fから送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3Fは、P台2Fより逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3Fは、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2F側から遊技玉数カウンタのカウント値(以下、遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3Fは、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3Fは、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3F側で記憶している遊技玉数をP台2F側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3F側で管理している遊技玉数と、P台2F側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施形態では、CU3F側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2F側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3F側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2F側で記憶している遊技玉数がCU3F側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3F側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3Fと接続されるホールサーバ801Fまたはホール用管理コンピュータによって、CU3F側で記憶している遊技玉数とP台2F側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図42に示すように、CU3Fは、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323F(図42参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323F(図42参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323F(図42参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321Fの押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落して遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3F側からP台2F側へ送信される。P台2F側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落してドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2F側からCU3F側へ送信される。CU3F側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図45を参照して、CU(カードユニット)3FとP台(パチンコ機)2Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図45には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2Fに対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してリカバリ情報を通知するものである。
リカバリ要求のコマンドは、CU3Fが認証を完了した後にCU3FからP台2Fに対して送信される。リカバリ要求のコマンドは、CU3FからP台2Fに対してリカバリ情報を要求し、CU3Fが認証完了後、最初に同コマンドを送信する。リカバリ要求は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」および「前回最終送信計数通番」が含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、リカバリ要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番である。「前回最終送信通番」が“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信通番」は、P台2Fにおいて状態情報応答を送信時に、CU3Fにおいて状態情報応答受信時に「通番」をP台2F、CU3F側ともに前回最終送信通番(通番)として記憶する通番である。
「前回最終送信計数通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のレスポンスの計数通番である。「前回最終送信計数通番」は、“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信計数通番」は、P台2Fにおいて状態情報応答を送信時に、CU3Fに状態情報応答受信時に計数通番をP台2F、CU3F側ともに前回最終送信計数通番として記憶する通番である。
P台2Fのリカバリ処理(計数玉数)において、後述する計数履歴シーケンスでセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。不一致の場合には、計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。
P台2FはCU3Fより通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3Fが計数要求に対する計数処理を実施していなかった場合は計数要求玉数=0を、減算レジスタにセットしてP台2Fで実行されるユーザプログラムに通知する。CU3Fが計数処理を実施済の場合はCU3Fに通知した計数要求玉数を、減算レジスタにセットしてユーザプログラムに通知する。なお、P台2Fが保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。また、セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」とP台2Fで保持している「店舗コード」とが不一致の場合、レジスタを介して店舗コード不一致をユーザプログラム側に通知する。なお、P台2Fは、CU3Fよりリカバリ要求のコマンドを受信した場合、レジスタを介してユーザプログラム側に通知する。
リカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fで保持しているリカバリ情報を応答するものである。リカバリ情報は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」、「前回最終送信加算通番」、「玉単価」、「遊技情報格納有無」、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」を含んでいる。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。「前回挿入中カードID」は、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。P台2Fの払出制御部171Fは、CU3Fから送信される情報に基づいて挿入中であったカードIDを記憶保持している。
「前回カード挿入時刻」は、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる加算通番であり、“0”のときは当該加算通番がない場合である。「玉単価」は、P台2Fで遊技している1玉あたりの玉単価(0.01円〜99.99円)である。「遊技情報格納有無」は、遊技情報を格納していない場合“0x00”、遊技情報を格納している場合“0x01”である。
「前回遊技台情報」は、CU3Fに前回通知した遊技台情報であり、「遊技玉数」、「遊技玉情報」、「計数要求玉数」および「計数通番」の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3Fに前回通知した遊技玉数である。「遊技玉情報」は、前回通知した遊技玉情報である。遊技玉情報には、たとえばCU3Fに前回通知した発射玉数、アウト口通過玉数や総賞球玉数などの情報である。「計数要求玉数」は、計数要求する遊技玉数である。「計数通番」は、CU3Fに前回通知した計数通番である。
「前回遊技情報」は、CU3Fに前回通知した遊技情報であり、「遊技情報数」、「遊技情報1」〜「遊技情報n」の情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3Fに前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「遊技情報1」は、CU3Fに前回通知した遊技情報1である。「遊技情報n」は、CU3Fに前回通知した遊技情報nである。遊技情報nには、たとえば、CU3Fに前回通知した種別情報や遊技賞球情報などが含まれる。
なお、「前回最終送信加算通番」は、CU3Fにおいて状態情報要求を送信時、P台2Fにおいて状態情報要求受信時に、CU3F側、P台2Fともに前回最終送信加算通番として記憶する通番である。
P台2Fのリカバリ処理(遊技情報)において、後述する計数履歴シーケンスでセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、「店舗コード」が不一致の場合には、リカバリデータを無しとして処理する。一致している場合には以下の処理を行なう。
遊技情報のリカバリデータがある時は「遊技情報格納有無」を格納有:0x01にし、前回の「遊技玉数」、前回の「遊技玉情報」、前回の「計数要求玉数」、前回の「計数通番」、前回の「遊技情報数」および前回の「遊技情報1〜n」にP台2Fが保持しているリカバリデータをセットする。遊技情報のリカバリデータがない時または前回最終送信通番が0の時は「遊技情報格納有無」を格納無“0x00”にし、前回の「遊技玉情報」、前回の「計数要求玉数」、前回の「計数通番」および前回の「遊技情報数」をALL“0”をセットする。ただし、遊技玉数は前回通知した遊技玉数をセットする。なお、P台2Fが保持している店舗コードが全て“F”(16進数)の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」と、P台2Fで保持している店舗コードと不一致と判定した場合、カード無しとして処理する。つまり、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」をALL“0”をセットする。
P台2Fは、状態情報要求応答時の通番を前回最終送信通番として記憶する。セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して不一致の場合は前回最終送信通番=0として通知する。セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して一致の場合は記憶している前回最終送信通番を通知する。
P台2Fは、状態情報応答の送信時に計数通番を前回最終送信計数通番として記憶する。SC325bから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して不一致の場合は前回最終送信計数通番=0として通知する。セキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」とP台で保持している情報と比較して一致の場合は記憶している前回最終送信計数通番を通知する。
なお、また、CU3Fは、P台2Fより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3Fは、前回遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。ただし、計数玉数のリカバリは実施しない。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU3FまたはP台2Fの交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、P台2Fの表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、P台2Fの表示情報は、可変表示装置278Fの液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、P台2Fに対して、払出制御部171Fが制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。
リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものであり、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信加算通番」および「加算玉数」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。リカバリ要求2は、P台2Fにおいて加算玉リカバリ処理を実施する必要有とCU3Fが判定したときに送信される。CU3Fは、P台2Fより受信したリカバリ応答に含まれる「前回最終送信加算通番」と自身で記憶している「前回最終送信加算通番」とを比較して一致している場合には加算玉リカバリ処理の必要無と判定し、不一致の場合には加算玉リカバリ処理の必要有と判定する。加算玉リカバリ処理の必要有と判定したときにはリカバリ要求2を送信する。
リカバリ要求2に含まれる「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にP台2Fに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの加算通番のデータであり、「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数のデータである。
次に、P台2Fのリカバリ処理について詳しく説明する。P台2Fのリカバリ処理は、P台2Fがリカバリ要求2に基づいて、CU3Fより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう処理である。
リカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fで加算リカバリ情報の処理結果を通知するもので、「通番」、「コマンド」および「リカバリ結果」を含んでいる。「リカバリ結果」は、“0x00”の場合リカバリ結果の処理OK、“0x01”の場合リカバリ結果の処理NGである。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを応答する。
P台2Fのリカバリ処理(加算玉数)を行なう場合、P台2FはCU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」の処理を実施していなかった場合、CU3Fに「リカバリ結果」として処理OKを応答し、CU3Fより通知された加算玉数を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。CU3Fから通知された加算玉数=0の場合、加算玉数=0を加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知してCU3Fに処理OKを応答する。ただし、後述する状態情報要求のCU状態が遊技玉加算要求中(Bit=1)の時に状態情報応答で遊技台状態1が遊技玉加算結果(Bit5=1)と応答した場合,CU3Fに「リカバリ結果」として処理NGを応答し、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知する。
CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」が、P台2Fのチップが保持している「前回最終送信加算通番」と同一の場合、加算玉数=0を、加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知し、CU3Fに「リカバリ結果」として処理NGを応答する。CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」=0の場合は、CU3Fから通知された加算玉数に関わらず加算玉数=0を加算レジスタにセットして、ユーザプログラムに通知してCU3Fに処理OKを応答する。
また、リカバリ処理が完了するタイミング(たとえば、リカバリ完了フラグをセットするタイミング)で、リカバリ結果に係らず、CU3Fより通知された「前回最終送信加算通番」を、レジスタを介してユーザプログラムに通知する。なお、リカバリ要求2の受信がない場合は、P台2Fのチップが保持している「前回最終送信加算通番」を、リカバリ処理が完了するタイミングでユーザプログラムに通知する。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU3FからP台2Fに対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信開始を応答するものである。
通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して正常に通信開始したことを通知するものである。通信開始要求を受信したP台2Fは、それまで記憶していたリカバリ情報をクリアする。通信開始要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3Fは、通信開始要求後、計数通番を“0”(初期値)に、P台2Fも通信開始要求受信後、計数通番を“0”(初期値)にする。
通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して、正常に通信開始したことを通知するものであり、CU3Fが、リカバリ情報をクリアする。通信開始応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU3FからP台2Fに対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信終了を応答するものである。
通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して正常に通信終了したことを通知するものであり、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して、正常に通信終了したことを通知するものであり、CU3FおよびP台2Fが、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。通信終了応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<9.状態情報要求>>
CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2Fに対してCU3Fの状態を要求するものである。CU3Fはこのコマンドを使用して、P台2Fの状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図6に示したCU3F側からP台2F側へ向かう加算玉数が含まれている。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、「加算玉数」、「加算通番」、「計数通番」、「玉単価」および「計数受領時刻」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「CU状態」は、P台2Fに対して通知するCU3Fの状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3Fにカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を表わしている。また、CU3Fのカードストック部に予めストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1が“1”のときカードユニット開店中を、“0”のときカードユニット閉店中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3Fの状態により、P台2Fに対してカードユニット開店状態を通知する。カードユニット開店中を通知するタイミングは、たとえば、開店完了時である。カードユニット閉店中を通知するタイミングは、たとえば、閉店時である。なお、P台2Fは同状態が開店中から閉店中に変化時、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3Fに通知する。
Bit2が“1”のときカード返却準備中を、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CU3Fは、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、P台2Fに対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。P台2Fは、計数ボタン28Fの操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数ボタンを1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3Fに通知する。
Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4が“1”のとき計数玉受領完了を、“0”は計数玉未受領をそれぞれ示している。Bit4は、計数玉受領時に受領完了したことをP台2Fに通知する。つまり、状態情報応答のレスポンス「計数玉数」の送達を確認するために用いている。P台2Fは、計数玉受領完了を受信したときに計数通番もP台2Fと同じ通番かをチェックし、通番が不一致の場合は遊技玉数を減算しないでCU3Fに通知する。
Bit5が“1”のときカード抜き取り待ち中を、“0”はカード抜き取り完了をそれぞれ示している。Bit5は、CU3Fからカード抜き取り待ちとなっている状態をP台2Fに通知する。なお、Bit6〜Bit7は未使用である。
「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数であり、CU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となる。「加算通番」は、加算用シーケンス番号(0〜255)であり、遊技玉加算要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時に受信した計数通番をそのまま通知する。ただし、計数通番の連続性が成立しない場合は計数受領を出さない。
「玉単価」は、P台2Fで遊技する遊技玉の1玉当りの玉単価(0.01円〜99.99円)である。CU3FからP台2Fへ通知する玉単価は、たとえばP台2Fの払出制御基板17FのRAMに記憶される。そして、P台2Fは、所定の条件が成立したときにRAMに記憶された玉単価を状態情報応答にてCU3Fに通知する。具体的には、通信不能な状態から復帰するためのリカバリ情報がCU3FからP台2F対して要求(リカバリ要求コマンドがCU3Fから送信)されたときに、P台2Fは、リカバリ応答のレスポンスに玉単価をセットしてCU3Fに送信する。すなわち、玉単価は、リカバリ応答時にCU3Fに通知する以外は外部に出力されない。P台2Fに記憶された玉単価は、リカバリ要求コマンドがCU3Fから送信された場合のリカバリ応答のレスポンスにセットされ、CU3Fに送信される。これにより、リカバリ前にP台2Fで遊技していた遊技玉の玉単価を正確に把握することができ、リカバリ後に遊技者に対して適正な遊技価値で遊技を再開して貰うことができる。また、P台2Fに記憶された玉単価をリカバリ応答時にCU3Fに通知する以外は外部に出力しないことで、不正に玉単価が変更されないようにセキュリティを確保している。さらに、P台2Fに記憶された玉単価は、P台2Fが遊技玉数を保持している場合、新たな玉単価に上書きすることを禁止している。なお、P台2Fが遊技玉数を保持している場合でも、P台2Fに記憶された玉単価の上書きを許可して、保持している遊技玉数を上書きした玉単価に換算して表示を更新する構成でもよい。
「計数受領時刻」は、CU3FがP台2Fからの計数要求を受領した時刻をP台2Fに通知するための情報であり、CU状態のBit4(遊技玉数計数受領応答)が“1”(完了)である場合にのみ有効である。なお、「計数受領時刻」の情報は、P台2Fに通知されるが払出制御部171FのCPU内のみで処理され、ユーザプログラムへ通知されず外部からアクセス可能なRAM等に記憶されることがない。そのため、「計数受領時刻」の情報は、払出制御部171FのCPU内で削除されるため、セキュリティを確保することができる。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fの情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図6に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
この状態情報応答の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「発射玉数」、「アウトロ通過玉数」、「総賞球玉数」、「計数要求玉数」、「計数通番」、「発射強度」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「遊技玉数」は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。「遊技玉数」は、CU3Fが後述する「総賞球玉数」「発射玉数」および「計数玉数」を使用してCU3Fの保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3Fは、計算したCU3Fの遊技玉数と、P台2Fの遊技玉数とが一致するかをチェックする。
「発射玉数」は、発射個数(送信時に複数発射された玉がある場合は合算する)である。ただし、バック玉数がある場合はバック玉数分を減算する。つまり、「発射玉数」(減算)は、CU3Fが保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3Fは、CU3F自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
「アウト口通過玉数」は、アウト口154Fを通過した玉の個数(送信時に複数の通過玉がある場合は合算する)である。
「総賞球玉数」は、賞球情報1−nの賞球玉数の合計である。この賞球情報1−nとは、たとえば始動口、大入賞口、入賞口(普通入賞口)等の入賞口種別毎の賞球玉数のことである。なお、「総賞球玉数」(加算)は、CU3Fより送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU3Fは保持している遊技玉数に総賞球玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で総賞球玉数のデータを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の加算は行なわない。
「計数要求玉数」は、計数要求した遊技玉の個数である。つまり「計数玉数」(減算)は、CU3Fが保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、P台2FからCU3Fに送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3Fは遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3Fは、CU3F自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
ただし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット開店状態が開店中のときには計数ボタン28Fの操作が行なわれたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、計数ボタン28Fの操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する。
「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。
「発射強度」は、遊技玉の発射強度の情報である。
「遊技台状態」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fの状態を示し、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「遊技台状態3」、および「遊技台エラー状態」の情報を含んでいる。
「遊技台状態1」のBit0は、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、ファン(遊技者)がプレイ中(玉を発射している)か否かを示しており、0”のとき待機中(ファンが球を発射してない状態)、“1”のとき遊技中(ファンが球を発射している状態)である。ただし、遊技玉が有り、発射ハンドル(打球操作ハンドル25F)をタッチした状態(タッチセンサに触れた状態)で遊技中となる。
Bit2は、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。つまり、遊技領域27内の浮遊玉が全て回収されたか否か示している。ただし、発射停止スイッチ(単発打ちスイッチとも言う)による玉の発射停止は除く。“0”のとき遊技未完了(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技完了(全ての玉の行方が確定している状態)である。なお、P台2Fは、玉の発射を停止してから15秒以上遊技の完了を確認できなかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit3は、玉の発射が停止している状態で、全ての発射した玉の行方が確定しているか否かを示している。“0”のとき遊技玉未確定(全ての玉の行方が未確定の状態)、“1”のとき遊技玉確定(全ての玉の行方が確定している状態)を示している。ここで、P台2Fは玉の発射を停止してから、たとえば15秒以上遊技玉の行方が確認出来なかった場合、タイムアウトし、遊技玉確定とする。また、P台2Fは電源オン時またはRAMクリア時は遊技玉の行方が確定している状態(遊技玉確定)にセットする。
Bit4は、遊技玉の計数要求の有無(計数ボタン押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数玉の払出要求がある場合である。P台は、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCU3Fへ送信し、計数要求が受領されたか否かを確認する。“1”のとき計数要求である。Bit5は、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。なお、P台2Fは加算NG応答する場合は加算通番を更新しないで通知する。Bit6は、発射停止スイッチの押下状態を示しており、“0”のときイッチ解除状態、“1”のときスイッチ押下状態である。Bit7は予備である。
「遊技台状態2」のBit0は、大当り情報の大当り1(全ての大当り)を表わし、全ての大当り中“1”をセットする。Bit1は、大当り情報の大当り2(大当り+小当り)を表わし、全ての大当り中および小当り中“1”をセットする。Bit2は、大当り情報の大当り3(出玉大の大当り)を表わし、出玉が大きい大当り中“1”をセットする。Bit3は、大当り情報の大当り4(出玉小の大当り)を表わし、出玉が小さい大当り中“1”をセットする。Bit4は、大当り情報の大当り5(出玉中の大当り)を表わし、出玉が中間の大当り中“1”をセットする。Bit5〜Bit7は予備である。
「遊技台状態3」のBit0は、遊技状態情報の大当り中+時短中を表わし、大当り中および時短中“1”をセットする。Bit1は、遊技状態情報の確変中を表わし、確変中“1”をセットする。Bit2は、遊技状態情報の時短中を表わし、時短中“1”をセットする。Bit3は、遊技状態情報の変動中を表わし、変動中“1”をセットする。Bit4〜Bit7は予備である。
「遊技台エラー状態」は、P台2Fで発生中のエラーコードを示し、Bit0〜Bit5を用いて各エラーコードを表現している。なお、Bit0〜Bit5が全て“0”のときにはエラー無である。Bit6は、エラーが発生している場所を特定する情報であり、“0”のとき払出制御、“1”のとき主制御をそれぞれ表わしている。Bit7は、エラーの出力方法を示し、“0”のとき発報のみ、“1”のとき発報+ホールサーバ801Fへの出力を表わしている。
「不正検知情報」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fで検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板16Fの不正検知情報である。「不正検知状態1」のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき磁気センサ検知不の正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき不正入賞検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3〜Bit7は予備である。
「不正検知状態2」は、払出制御基板17Fの不正検知情報である。「不正検知状態2」のBit0は、“1”のときガラス板開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき枠本体開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3は、“1”のとき近接センサ異常の不正検知情報であることを表わしている。Bit4は、“1”のとき賞球ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。ここで、「ゴト」とは、パチンコ遊技機やスロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。Bit5は、“1”のとき複合ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit6は、“1”のとき不正加算検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit7は、“1”のとき夜間枠開放・監視SW異常検知の不正検知情報であることを表わしている。
「不正検知情報1」は、賞球センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報1」は、「不正検知状態2」のBit4が“1”のとき有効となる。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(発射/OUT不整合玉数)の情報を示すデータである。つまり、発射玉数とアウト玉数(アウト口通過玉数)との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、「不正検知状態2」のBit5が“1”のとき有効となる。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、「不正検知状態2」のBit6が“1”のとき有効となる。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、「不正検知状態2」のBit7が“1”のとき有効となる。
「不正検知情報4」のBit7は、夜間監視スイッチ異常4が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常4発生を表わしている。Bit6は、夜間監視スイッチ異常3が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常3発生を表わしている。Bit5は、夜間監視スイッチ異常2が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常2発生を表わしている。Bit4は、夜間監視スイッチ異常1が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常1発生を表わしている。Bit0〜3は、本体枠開放回数を示す情報で、“0”のとき開放なし、“1”〜“15”は開放回数を表わしている。なお、開放回数は、15回までカウントし、16回以降のカウントは15回でホールドされる。
「加算通番」は、加算用シーケンス番号であり、加算要求時に受信した加算通番をそのまま通知する。ただし、加算通番の連続性が成立しない場合は加算NGを通知する。
「不正検知状態3」は、払出制御基板17Fの不正検知情報である。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。「不正検知状態3」のBit5は、“1”のときP台2Fが過去に接続していたカードユニットが開発用CU3FDであったことを表している(開発用CU接続)。「不正検知状態3」のBit6は、“1”のときP台2Fが過去に接続していたカードユニットが遊技盤開発治具3Eであったことを表している(遊技盤開発治具接続)。「不正検知状態3」のBit7は、“1”のとき接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを表している(遊技機シミュレータ接続)。Bit1〜Bit4は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばP台の回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU3Fに通知する。
「遊技情報」は、CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、P台2Fの情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「カウント情報1」〜「カウント報n」を含んでいる。
「遊技情報数」は、種別情報・カウント情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。「種別情報1」〜「種別情報n」は、遊技種別情報1〜遊技種別情報nをそれぞれ示している。種別情報は、Bit4からBit7までがデータ種別の情報で、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のとき始動口、“2”のとき大入賞口、“3”のとき入賞口、“4”のとき図柄停止回数、“5”のとき大当り、“6”のとき小当りである。Bit0からBit3までがデータ番号の情報で、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときそれぞれのデータ番号を表わしている。たとえば、データ種別が“5”の大当りのとき、データ番号は“1”のとき出玉大、“2”のとき出玉小、“3”のとき出玉中、“4”〜“6”のとき予備である。また、データ種別が“6”の小当りのとき、データ番号は“1”のとき小当り、“2”〜“15”のとき予備である。
「カウント情報1」〜「カウント情報n」は、遊技カウント情報1〜遊技カウント情報nをそれぞれ示している。
ここで、カウント情報は、データ種別が始動口、大入賞口、および小入賞口の場合、Bit4からBit7までが賞球玉数の情報で、遊技情報の種別情報毎に入賞時の賞球玉数を示しており、“1”〜“15”のとき賞球玉数のデータをそれぞれ表わしている。また、Bit0からBit3までが入賞個数の情報で、遊技台情報の種別情報毎に入賞個数(累計)を示しており、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータをそれぞれ表わしている。カウント情報は、データ種別が図柄停止回数の場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが図柄停止回数を示しており、“1”〜“15”のとき図柄停止回数を表わしている。カウント情報は、データ種別が大当り、小当りの場合、Bit4からBit7までが“0”に固定され、Bit0からBit3までが当り回数を示しており、“1”〜“15”のとき当り回数を表わしている。
さらに、状態情報応答のレスポンスには、「発射強度信号」、「通過領域信号」、「変動中信号」、「ハンドルタッチ信号」が含まれている。
「発射強度信号」は、上述の発射強度センサ19の検出結果である発射強度Tを示している。上述したように、本実施の形態においては、発射強度Tは、ハンドル操作量に応じて0(最小値)から99(最大値)まで変化する可変値である。なお、パチンコ玉の発射間隔(はたとえば0.6sec)よりもP台2FとCU3Fとの通信間隔(たとえば200msec)が短い場合には、基本的に1玉ごとに発射強度信号が出力されることになる。また、実際に発射されたか否かを示すデータとセットで発射強度信号が出力されるようにしてもよい。
「通過領域信号」は、上述した通過領域信号を示している。なお、上述したように、本実施の形態においては、通過領域信号は通過領域信号A1〜A8のいずれかである。なお、各通過領域信号には、各通過領域信号が検出された時点の発射強度Tが紐付けされている。
「変動中信号」は、パチンコ玉が始動入賞口275,276、277のいずれかを通過したことに伴って可変表示装置278Fに表示される図柄が変動していることを示している。
「ハンドルタッチ信号」は、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることがタッチセンサによって検出されていることを示している。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2Fに対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、P台2FからCU3Fに対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、P台2Fに対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「カードID」は、CU3Fに挿入されたICカードの識別ID情報であり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU3Fのカード挿入/排出口309F(図1参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、P台2F保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU3Fが設置されている店舗識別コードであり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU3Fが店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU3Fは、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3Fを識別するためのSC基板IDであり、CU3Fが交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台2Fに通知する。P台2Fの払出制御部171Fは、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。なお、「店舗コード」および「SC基板ID」はユーザプログラム側に通知せず、払出制御回路内で削除される。
カード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード挿入/返却通知時のP台2Fの動作について説明する。まず、CU3Fのカード挿入/排出口309Fに会員カードまたは一般カードが挿入されるか、一般0円0玉カードへの入金が行なわれるかすることで、カード挿入通知としてP台2Fに対してカードIDやカード挿入時刻などの情報が通知される。P台2Fは、カード挿入通知があると当該カードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップする。ただし、カード挿入通知コマンドを受信し、且つCU3Fの状態がカード挿入中状態(CU状態のBit0=1)の情報を含む状態情報要求を受信した場合(P台2Fでカード挿入中状態と判断する場合)、P台2FはカードIDやカード挿入時刻などの情報をバックアップしないで応答のみ送信する。また、CU3Fのカード返却ボタン322Fが押下されると、P台2Fに対してカード返却通知が行なわれ、P台2FはバックアップしてあるカードIDやカード挿入時刻などの情報をクリアする。なお、カード挿入中状態が解除される条件は、P台2Fがカード返却通知コマンドを受信した時である。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU3FからP台2Fに対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、P台2FからCU3Fに対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するもので、CU3Fが、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3Fは、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のP台2Fの動作について説明する。カード挿入通知時に、CU3Fで会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行なうと、P台2FはカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行なう。カード返却通知時に、CU3Fで「カード返却」ボタンの押下の操作を行なうと、P台2FはカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行なう。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU3FからP台2Fに対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを応答するものである。
通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。なお、P台2Fに対して通知するテストデータは暗号化していない。通信テスト要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、P台2Fに対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
通信テスト応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを通知するものである。なお、CU3Fに対して通知するテストデータも暗号化していない。通信テスト応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、CU3Fに対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<<17.計数履歴要求、18.計数履歴応答>>
CU3FからP台2Fに対して計数履歴要求のコマンドが送信される。この計数履歴要求のコマンドは、P台2Fに対して計数履歴を要求するものである。この計数履歴要求に対応して、P台2FからCU3Fに対して計数履歴応答のレスポンスが送信される。この計数履歴応答のレスポンスは、CU3Fに対して計数履歴を通知するものである。
計数履歴要求のコマンドは、P台2Fに対して計数履歴を要求するもので、CU3Fが、認証シーケンス後の計数履歴シーケンスでP台2Fに対して送信する。計数履歴要求には、「通番」、「コマンド」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「店舗コード」は、CU3Fが設置されている店舗識別コードであり、P台2Fが保持している遊技玉との紐付に使用する。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台に通知する。「SC基板ID」は、CU3Fを識別するためのSC基板IDであり、CU3Fが交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325Fより情報付加してP台2Fに通知する。
SC基板IDの出荷メーカコードの検知処理について説明する。SC基板IDには、識別コードと出荷メーカコードとが含まれている。P台は、SC基板IDに含まれている出荷メーカコードを検知することで接続しているユニット(商用のCU3Fや開発用ユニットなど)を認識している。
具体的に、P台は、接続するユニットが開発用ユニットなのか、遊技盤開発治具なのかを検知する場合について説明する。これら商用に使用しない開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されていたときの遊技履歴が、その後に接続された商用に使用されるユニット(CU3F)に引き継がれると、開発時に付与した遊技玉で商用時に遊技が可能となる不具合が生じてしまう。そこで、当該不具合を回避するために、P台2Fは、ユニットと接続した際に開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されているか否かを検知し、その結果をリカバリレジスタに記憶する。
P台2Fは、ユニットと接続した際に開発用ユニットや遊技盤開発治具が接続されているか否かを検知するために、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとを比較する。まず、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“なし”の場合、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードがいずれであっても開発用ユニットや遊技盤開発治具と検知しない。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとが一致する場合も、開発用ユニットや遊技盤開発治具と検知しない。
しかし、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードと計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードとで、上位バイトは一致するが下位バイトは異なる場合、開発用ユニットと検知する。また、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが商用ユニットのコードで、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが遊技盤開発治具以外のコードの場合も、開発用ユニットと検知する。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが商用ユニットのコードで、計数履歴要求後のSC基板IDの出荷メーカコードの上位バイトが遊技盤開発治具のコードの場合、遊技盤開発治具と検知する。
なお、P台2Fは、開発用ユニットが接続されていたことの検知をリカバリレジスタのBit4を“1”にすることで記憶し、遊技盤開発治具が接続されていたことの検知をリカバリレジスタのBit5を“1”にすることで記憶する。
また、計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“なし”の場合、P台2Fに記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理が行なわれた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードを上書きする。計数履歴要求前のSC基板IDの出荷メーカコードが“ある”の場合、P台2Fに記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理する遊技玉がなければ、リカバリ処理が行なわれた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードを上書きする。しかし、P台2Fに記憶しているSC基板IDの出荷メーカコードは、リカバリ処理する遊技玉があれば、リカバリ処理が行なわれた後に新たに接続したユニットのSC基板IDの出荷メーカコードへの上書きを禁止する。なお、SC基板IDの出荷メーカコードの上書きの禁止状態は、P台2FのRAMをクリア(特に遊技玉数のクリア)することで解除される。遊技玉数がある場合にSC基板IDの出荷メーカコードの上書きを禁止することで、開発用ユニットで付与した遊技玉数が、その後接続した商用ユニットで遊技可能な遊技玉数としてリカバリ処理されることを防止することができる。
計数履歴応答のレスポンスは、CU3Fに対して計数履歴を通知するもので、P台2Fが、計数履歴要求コマンドを受けてP台2Fで記憶している計数履歴の情報をCU3Fに対して送信する。計数履歴応答には、「通番」、「コマンド」、「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「計数履歴結果」は、P台2Fでの計数履歴処理により計数履歴がP台2Fに記憶されているか否かを示す情報である。ここで、計数履歴は、P台2Fが計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの間にP台2F側から計数要求玉数としてCU3F側に払出した遊技玉数の履歴であり、計数要求時の「カードID」、CU3Fからの計数受領応答(計数応答ON)を受けたときに含まれている「計数受領時刻」および計数要求OFF状態までに払出した計数玉数の累積数「累積計数玉数」の情報も含んでいる。なお、P台2Fでは、過去2回分の履歴(計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの期間の遊技玉数の履歴を1回分とする)を保持している。
計数履歴結果では、“0x00”の場合履歴なし、“0x01”の場合履歴あり(計数履歴1の情報あり)、“0x02”の場合履歴あり(計数履歴2の情報あり)をそれぞれ表している。
「計数履歴1」は、過去2回分の履歴のうち直近の履歴(最終の計数)であり、「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報を含んでいる。「カードID」は計数要求時にCU3Fに挿入されていたカードの識別情報である。「計数受領時刻」は、P台2Fから計数要求のあった遊技玉数をCU3Fが受領した時刻である。「累積計数玉数」は、計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの期間に計数された計数玉数の累計数である。「遊技玉数」は、計数終了時にP台2Fに保持されていた遊技玉数である。
「計数履歴2」は、過去2回分の履歴のうち古い履歴(最終の計数のひとつ前の計数)であり、「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報を含んでいる。「カードID」、「計数受領時刻」、「累積計数玉数」および「遊技玉数」の情報は、「計数履歴1」に含まれる情報と同じ種類の情報であり、詳細な説明を繰返さない。
次に、P台2Fで保持している計数履歴データをCU3Fに出力する条件について説明する。P台2Fは、計数履歴シーケンスにおいてCU3Fから受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」および「SC基板ID」が保持している「店舗コード」および「SC基板ID」と一致する場合、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含めてCU3Fに出力する。また、P台2Fは、CU3Fから受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」が保持している「店舗コード」と一致していれば「SC基板ID」が異なっても、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含めてCU3Fに出力する。これは、店舗内でP台2FとCU3Fとの組合せを変更することを考慮しており、同じ店舗内であればP台2Fに記憶した計数履歴データを別のCU3Fに引継いだとしても不利益を与えないためである。
しかし、P台2Fは、CU3Fから受信した計数履歴要求コマンドに含まれる「店舗コード」が保持している「店舗コード」と異なっていれば「SC基板ID」が一致していても、計数履歴応答のレスポンスに「計数履歴結果」、「計数履歴1」および「計数履歴2」を含んでCU3Fに出力することを禁止する。これは、同じCU3Fであっても別の店舗に移された場合、同じ「SC基板ID」を保持したP台2Fと接続しても計数履歴データを引継いでしまうと当該別の店舗に不利益を与えてしまう可能性があるためである。
もちろん、P台2Fは、CU3Fではなく、遊技盤開発治具や開発用ユニットに接続された場合や、何らユニットと接続されていない場合にはP台2Fに記憶した計数履歴データを出力することはない。計数履歴データの出力を制限することで、P台2Fおよび当該P台2Fを含む遊技用システムのセキュリティを強化している。
<CUとP台との間で処理される主なシーケンス>
次に、図46〜図55に基づいて、CU制御部323Fに搭載されたCPU、および払出制御基板17Fに搭載されたCPUで実行される処理によるCU3FとP台2Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3FとP台2Fとの間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3F(1次局)からP台2F(2次局)に対してコマンドが送信され、P台2Fはそのコマンドに応答してレスポンスをCU3Fに返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3Fを1次局、P台2Fを2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3FからP台2Fへの最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またP台2FからCU3Fへのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3FとP台2Fとの間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。一方、P台2Fは、打球操作ハンドル25Fを操作することによって、1分間に100発のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれるから、打球発射時間間隔は、0.6秒である。その結果、玉を1発発射する間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
それゆえ、P台2FからCU3Fへは、遊技玉数の変化量を通知するためのレスポンスが玉の発射時間間隔よりも短い間隔で次々と送信されることになる。その結果、P台2Fは、遊技玉数の変化量を細やかにCU3Fに対して通知可能となる。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をP台2Fの発射時間間隔と一致させることも考えられる。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3F側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3FがP台2Fに対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをP台2Fに送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをP台2Fに送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までP台2Fに再送する。14回目の再送を行なってもP台2Fからレスポンスを受信できなかった場合、CU3Fは3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3FのコネクタとP台2Fのコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはP台2Fの電源断などの原因が考えられる。CU3Fは、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<P台側の通信回線断検知>>
P台2F側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3FからP台2Fへコマンドが送信され、P台2Fではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3Fに返信する。その後CU3FからのコマンドがP台2Fに送信されてこない状態が3秒間継続した場合、P台2Fは通信断と判断し、発射モータ18Fの駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3FのコネクタとP台2Fのコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3Fの電源断などが考えられる。
なお、P台2F側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図46に示すシーケンス処理は、CU3FとP台2Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3Fの電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2Fでは発射モータ18Fを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、図19に示す計数履歴シーケンスが開始され、CU3FからP台2Fに対して計数履歴要求コマンドが送信されると、P台2Fで記憶している計数履歴データがCU3Fに送信される。計数履歴シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリ情報を要求する。P台2Fは、CU3Fより通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2Fは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3Fが計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3Fが計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2Fは、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3Fの加算リカバリ処理を実施する。CU3Fは、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2Fに対して、リカバリ要求2をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3FとP台2Fとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3Fは、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2Fは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3Fがコマンドを再送したと判断する。CU3Fはコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2Fから通知された時に通番をバックアップする。P台2Fは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3Fに通知する。P台2Fはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3Fに返信する。さらに、CU3Fは、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2Fでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2Fは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3Fへ返信する。これ以降、CU3FとP台2Fとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3Fは、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、状態情報要求のコマンドには、玉単価の情報が含まれる。当該玉単価がP台2Fに送信されることで、P台2Fは遊技玉が1玉4円で遊技を行なっているのか、1玉1円で遊技を行なっているのかを認識することができる。また、状態情報要求のコマンドは、前述したように200ms周期で送信されるため、遊技玉が発射させる600msの周期の間に最大3回玉単価の情報をP台2Fに送信することが可能である。そのため、P台2Fで遊技する遊技玉の1玉ごとに玉単価を変更することが可能となる。玉単価を少数単位(たとえば1玉単位)の遊技玉ごとに管理することが可能となれば、遊技者の要望(たとえば、小額でゆっくり遊技を行ないたい要望や、短時間に残りの遊技玉数を消費したい要望など)にあわせた多彩な遊技を提供することが可能となる。以降に説明するCU3FからP台2Fに送信される状態情報要求のコマンドにも玉単価の情報が含まれるが、説明するシーケンスの内容に当該玉単価の情報が直接関係ない場合は特に明記しない。P台2Fは、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2Fは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、状態情報応答のレスポンスには、玉単価の情報が含まれない。これは、現在P台2Fで遊技している玉単価の情報を不正に変更してCU3Fに送信し、CU3Fで管理している遊技玉の玉単価に対して不正を行なうことを防止している。これにより、遊技用システムのセキュリティを向上させることができる。
CU3Fは、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3FおよびP台2Fの処理について説明する。図47に示すCU3Fは、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fでは、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3Fで記憶してもよい。
CU3Fは、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801Fに問合せて認証している最中であることを表示器312Fに表示するとともにP台2F側の表示器54Fに表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3Fは、表示器312Fに挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2F側の表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fにより表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3Fは、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323FのRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325Fを通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323FのRAM等に記憶する。
CU3Fは、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信することで、カード挿入中である状態をP台2Fに対して通知する。P台2Fは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信することで、遊技許可中である状態をCU3Fに対して通知する。
カード挿入中、CU3Fは、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3Fは、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2Fに記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2Fでのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2Fは、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323FのRAM等に記憶しない。これにより、カード挿入中にカードIDを意図的にP台2Fへ送信されて、P台2Fで記憶しているカードIDを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
図48は、CU3Fにカードが挿入されたときにCU3Fが実行する挿入時処理を示すフローチャート図である。本実施の形態において破線で示すステップは変形例の制御内容を示している。また、実線の矢印は制御の流れを示し、二点差線の矢印は送信される情報の流れを示している。図48において、S1〜S7の各ステップはCU3Fが実行する。またS8〜S10、S12〜S15はP台2Fが実行する。より具体的には、S8〜S10、S12、S13、S15の削除処理は、P台2Fに設けられている演出制御基板が実行し、S14とS15の送信処理は、演出制御部が設けられた演出制御基板が払出制御部171Fへ送信して払出制御部171FがCU3Fへ送信する。
まずCUは、ステップ(以下単にSという)1により、中断中であるか否かの判定を行なう。この中断中であるか否かは、中断操作が行なわれて遊技中断のシーケンスが実行されたか否かにより判断する。中断中である場合には、S2により、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致するか否か判定し、一致しない場合にはS5によりその挿入されたカードを排出して待機中へ移行する。なお、図48では上記「種別」の図示を省略している。
一方、挿入されたカードのC−IDおよび種別と中断操作されたカードのC−IDおよび種別とが一致する場合には、中断操作した遊技者が再びその遊技機に戻ってきて遊技を開始したと判断されるために、制御がS4へ進み、中断状態を解除し、S6により遊技を再開する処理が実行される。
一方、S1により中断中でないと判断された場合には、S3aで既にカードが挿入中であるか否かの判定を行なう。この挿入中であるか否かは、カード挿入/排出口309Fに設けてあるカードリーダがカードを受け付けているか否かにより判断する。S3aにより挿入中でないと判断された場合には、挿入されたカードのC−IDと種別を記憶するとともにP台2Fへ送信する処理がS3により行なわれる。P台2Fでは、そのC−ID,種別を受信し、その受信したC−IDおよび種別とバックアップエリア(たとえば、演出制御基板に設けたバックアップデータ記憶部)に記憶されているC−IDおよび種別とを比較する(S8)。そしてS9によりその比較結果が一致するか否か判定し、一致しない場合には、離席した遊技者とは異なる遊技者が遊技を開始したと判断し、この挿入時処理のサブルーチンプログラムが終了する。
S3aにより挿入中であると判断された場合には、挿入中のカードのC−IDおよび種別と異なるC−IDおよび種別がCU3FやP台2Fに上書き記憶されるのを防止するために、S3での処理をスキップする。
このように、遊技者特定情報(C−ID)を記憶する遊技者特定情報記憶手段(現遊技者遊技履歴データ記憶部)と同一判定処理を行なう同一判定手段(S8、S9)とが遊技機の表示制御手段(演出制御部が設けられた演出制御基板)に設けられているために、通信手段側(払出制御部171F側)には同一判定処理機能を設けなくて事足り、表示制御手段を有する遊技機と表示制御手段を有しない遊技機との間で共通の通信手段を使用でき、通信手段の少品種大量生産か可能になる。
なお、変形例の制御内容として、S15とS7との処理を行なってもよい。S15により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)に記憶されている遊技履歴データとC−IDおよび種別とをCU3Fへ送信した後削除する。CU3Fでは、それを受信して、受信したデータをホールサーバ(上位サーバ)801へ送信する。ホールサーバ801Fでは、その受信した遊技履歴データとC−IDおよび種別とをバックアップ記憶する。
一方、S9により一致すると判定された場合にはS12へ進み、バックアップエリア(バックアップデータ記憶)の遊技履歴データを現エリア(たとえば、演出制御基板に設けたバックアップデータ記憶部)に戻し、その遊技履歴データから新たに遊技履歴データの加算更新を開始する。
なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理を行なってもよい。S9でYESの場合には、制御はS10へ進み、前回のカードが排出されてから所定時間(たとえば20分間)経過したか否かの判断がなされ、経過していないS10により所定時間が経過していると判断された場合には、S13により、バックアップエリア(バックアップデータ記憶部)の遊技履歴データとC−IDおよび種別とを削除する処理がなされる。また、S12の後、S14により、遊技者が同一である旨の通知をCUへ送信する。なお、変形例の制御内容として、S10、S13、S14の処理およびS15、S7の処理を全て行なうように制御してもよい。
カードIDおよび挿入時刻の上書き(更新)する条件についてさらに詳しく説明する。前述したようにカードIDおよび挿入時刻は、カード挿入中には更新することを禁止されている。この禁止する条件として、カード挿入通知のコマンドと状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態との関係について図を用いて説明する。図49は、カード挿入通知のコマンド、状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態、およびカードの挿入状態の関係を説明するための概念図である。
まず、図49(a)では、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信する前に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。図49(a)に示す状態(1)はカード挿入待ち状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信しておらず、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
次に、図49(a)に示す状態(2)はカード挿入準備状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信していないが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合も、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。図49(a)に示す状態(3)はカード挿入中状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。
次に、図49(a)に示す状態(4)はカード返却準備状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信していないが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがまだカードを返却しておらずカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。図49(a)に示す状態(5)はカード返却状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
図49(b)では、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信した後に状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中状態(Bit0=“1”)となる例を示している。図49(b)に示す状態(1)’はカード挿入待ち状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信しておらず、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
次に、図49(b)に示す状態(2)’はカード挿入準備状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信したが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合も、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。図49(b)に示す状態(3)’はカード挿入中状態であり、カード挿入通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中である場合(Bit0=“1”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。
次に、図49(b)に示す状態(4)’はカード返却準備状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信していないが、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがまだカードを返却していないとしてカード挿入中であるとしてカードIDおよび挿入時刻の上書きが禁止される。図49(b)に示す状態(5)’はカード返却状態であり、カード返却通知のコマンドをP台2Fが受信して、CU3Fから送信される状態情報要求のコマンドに含まれるCU状態がカード挿入中でない場合(Bit0=“0”)である。この場合、P台2Fは、CU3Fがカード挿入中でないのでカードIDおよび挿入時刻の上書きが可能である。
このように、カードIDおよび挿入時刻の上書き(更新)する条件を限定することで、カードIDなどを意図的にP台2Fへ送信して、P台2Fで記憶しているカードIDなどを改ざんするなどの不正行為を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図50に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3Fは、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3Fは、玉貸ボタン(貸出ボタン)321Fが押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3F側単独で確定する。その後、CU3Fは加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54Fに表示させる。
次に、CU3Fは、P台2Fに対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3Fは、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3Fは、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、CU3Fに対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図54では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下すると、CU3Fは、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下する操作がなされた段階でCU3F側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3Fは、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2Fに通知する。具体的に、CU3Fは、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3Fは、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図52では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3FからP台2Fへ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図52では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3Fは、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fから送信された通番nに対して、P台2Fから通番n+1が返信されている。CU3Fから送信された計数通番mに対して、P台2Fからは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28Fを押下する。この図52では、計数ボタン28Fを1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信されている。
P台2Fは、計数ボタン28Fの操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2Fは、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323Fは、表示制御部350Fに対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350Fは、その指令を受けてP台2F側の表示器54Fを表示制御する。その結果、表示器54Fには、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を800から700に更新する。この段階で、P台2Fは計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2Fは2度目の計数要求をCU3Fへ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でもP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2Fは計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3Fへ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3Fへ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3Fは、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3Fは、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2Fへ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<計数履歴処理>>
次に、P台2Fで記憶する計数履歴データの処理について説明する。図53は、P台2Fで記憶する計数履歴データの処理を説明するためのシーケンス図である。図53では、当初の遊技玉数が600玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n(図示せず)、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、当該状態情報要求のコマンドを受信する前に送信した状態情報応答のレスポンスから、当該状態情報要求のコマンドに対するレスポンスを送信するまでの間に、遊技者が計数ボタン28Fを操作して計数処理が開始される。
すると、P台2Fでは、通番=n(図示せず)、遊技玉数=600、計数通番=m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ここで、P台2Fでは、計数要求がOFF状態からON状態へ変化するので計数履歴の処理が開始される。具体的には、P台2Fは、計数要求ON状態から計数要求OFF状態までの間にP台2F側から計数要求玉数としてCU3F側に払出した遊技玉数の履歴を1回分の計数履歴として記憶する。すなわち、複数回の計数要求がある場合には、1回目の計数要求として計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴を1回目の計数履歴として記憶する。その後、2回目の計数要求として次に計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの履歴は、2回目の計数履歴として記憶される。なお、計数ボタン28Fを押下している期間にもよるが、計数要求ON状態になってから計数要求OFF状態になるまでの間には、複数の計数要求ON状態を含む状態情報応答のレスポンスがCU3Fに返信されている。記憶する計数履歴の中には、計数要求時の「カードID」、CU3Fからの計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」、計数要求OFF状態までに払出した計数玉数の累積数「累積計数玉数」および計数終了時の「遊技玉数」の情報を含んでいる。
次に、CU3Fは、通番=n+1(図示せず)、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し500玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29Fの表示を600から500に更新する。さらに、遊技者による計数ボタン28Fの操作が継続している場合、P台2Fは、通番=n+1(図示せず)、遊技玉数=500、計数通番=m+2、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。次に、CU3Fは、通番=n+2(図示せず)、計数通番=m+2および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、要求された計数を終えたことを通知する。なお、この段階で計数玉数=100は、仮確定である。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算して、遊技玉数を照合し400玉なら、仮確定していた100玉を確定する。そして、遊技玉数表示器29Fの表示を600から500に更新する。その後、遊技者による計数ボタン28Fの操作が終了している場合、P台2Fは、通番=n+2(図示せず)、遊技玉数=400、計数通番=m+3、計数玉数=100および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。P台2Fは、計数要求OFF状態に変更した時、計数履歴に「累積計数玉数」として100玉+100玉=200玉を計数履歴1として記憶する。また、P台2Fは、計数終了時の「遊技玉数」として、計数要求OFF状態に変更した時の遊技玉数を計数履歴1に記憶する。また、P台2Fは、CU3Fから計数応答ON状態の状態情報応答に含まれる「計数受領時刻」を計数履歴1に記憶する。なお、計数履歴1に新たな履歴を記憶させる場合に、既に計数履歴1が存在しているときは当該計数履歴1を計数履歴2として記憶したうえで、新たな履歴を計数履歴1に記憶させる。なお、P台2Fでは、過去2回分の履歴を保持しているため、計数履歴1および計数履歴2として記憶しているが、過去1回分の履歴または過去3回分以上の履歴を記憶してもよい。
このように、計数履歴を記憶することで計数した遊技玉数をリカバリ処理することが可能となり、さらに過去分を複数記憶することで、リカバリ処理の精度を向上させることができる。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図54は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図54では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2Fの遊技玉数が800玉で、CU3FはP台2Fの遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3Fは、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2Fに通知する。さらに、CU3Fは、P台2Fの遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54F等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28Fを押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2Fは、計数ボタン28Fを押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2Fは、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3Fに通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2Fは、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3Fは、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3Fは、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3Fは、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
P台2Fは、CU3Fからの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54F等に表示する。さらに、P台2Fは、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3Fに通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3Fに送信される。
CU3Fは、遊技者がカード返却ボタン322Fを押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28Fを押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3Fは、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n+3、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3Fに返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3Fに返信後、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3Fは、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2Fから受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801Fなどに報告する。CU3Fは、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309Fにカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3Fに設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3Fは当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801Fへ送信し、ホールサーバ801Fが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3Fから返却されたカードは、カード挿入/排出口309Fから抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309Fから突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3Fは、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309Fの近傍に取付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3Fは、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。そのため、CU3Fは、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。これを受けて、P台2Fは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278Fに表示する。また、P台2Fは、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2Fは、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。なお、CU3Fは、P台2Fに対してカード抜き取り可能状態であることを通知するだけでなく、CU3FまたはP台2Fに接続する装置である、ホールコンピュータ、P台2F上に取付けられた呼び出しランプなどの装置に対してカード抜き取り可能状態であることを通知してもよい。これにより、CU3FやP台2F以外に対してもカード抜き取り可能状態であることを通知することで、カード抜き取り(記録媒体の取り外し)忘れをさらに防止することができる。
カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがON状態であれば、CU3Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309Fからカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがOFF状態となるので、CU3Fは、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
これを受けて、P台2Fは、可変表示装置278Fに表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2Fは、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。
なお、図54で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス>>
次に、図55を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図55は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3FからP台2Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
図55を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3Fは、通番=nを含む状態情報要求をP台2Fに送信している。それを受けて、P台2Fは、遊技台情報をCU3Fに通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3Fに送信する。P台2Fは、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3Fは、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてP台2Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3FからP台2Fへ送信された場合に、P台2Fが電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降P台2Fからの状態情報応答が送信されてこないためにCU3Fは、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。P台2Fが状態情報応答のレスポンスをCU3Fに送信してから、電源断発生までの間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、P台2Fの電源断が復旧してONの状態になってP台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、図56に示す計数履歴シーケンスが開始され、CU3FからP台2Fに対して計数履歴要求コマンドが送信されると、P台2Fで記憶している計数履歴データがCU3Fに送信される。計数履歴シーケンス後、CU3Fは、通番=1および前回最終送信通番=nを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3F側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、P台2Fは、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1、玉単価)をCU3Fへ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1、玉単価)をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、リカバリ応答のレスポンスをCU3Fに送信する際に玉単価を含めて送信し、リカバリ処理を行なう前に遊技していた遊技玉の玉単価をCU3Fに送信する。これにより、リカバリ処理を行なう前に遊技していた遊技玉の玉単価でリカバリ処理後も遊技が可能となる。以降に説明するP台2FからCU3Fに送信されるリカバリ応答のレスポンスにも玉単価の情報が含まれるが、説明するシーケンスの内容に当該玉単価の情報が直接関係ない場合は特に明記しない。
図55において、CU3Fは、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。遊技情報格納がないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。
<<計数履歴シーケンス>>
次に、図56を参照して、P台2Fで記憶している計数履歴をCU3Fに読出す処理について説明する。図56は、P台2Fで記憶している計数履歴をCU3Fに読出す処理の一例を示す図である。まず、CU3Fは、通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含む計数履歴要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、カード挿入通知のコマンドでCU3Fから送信されて記憶している店舗コードと、計数履歴要求のコマンドでCU3Fから送信された店舗コードとを比較する。P台2Fは、比較した結果で店舗コードが一致する場合、記憶している計数履歴1および計数履歴2のデータをCU3Fに送信できるように計数履歴応答のレスポンスにセットする。すると、P台2Fでは、通番=n、計数履歴1および計数履歴2を含む計数履歴応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
一方、P台2Fは、比較した結果で店舗コードが不一致の場合、CU3Fに送信する計数履歴応答のレスポンスに計数履歴なしとしてデータをセットする。図示していないが、P台2Fでは、通番=n、計数履歴なしを含む計数履歴応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
このように、計数履歴シーケンスは、P台2Fで記憶した計数履歴をCU3Fに送信することで計数した遊技玉数をリカバリ処理することが可能となり、さらに複数の過去分(計数履歴1および計数履歴2)をCU3Fに送信することで、リカバリ処理の精度を向上させることができる。なお、CU3Fに送信する複数の計数履歴は、2回分に限定されず3回以上の計数履歴でもよい。
<遊技機の管理>
次に、出荷から廃棄までの遊技機の履歴を管理するシステムについて説明する。図57は、本実施形態に係る遊技機の出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)の流れを説明するための図である。ここで、履歴を管理する遊技機の対象は、前述の封入循環式遊技機(P台2F)に限定されるものではなく、従来のCR遊技機も含まれる。もちろん、当該対象の遊技機には、パチンコ遊技機だけでなく、後述するP台2Fに対応するS台(スロットマシン)2SFや、従来のパチスロなども含まれることは言うまでもない。
図57を参照して、遊技機メーカからホールAに対して遊技機が出荷された場合、遊技機メーカのサーバ(図示せず)は、その出荷された遊技機に関する出荷情報を、通信回線を利用して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該出荷情報をサーバの記憶領域に登録する。
図58は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに出荷情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。
図58を参照して、ホールAは、遊技機メーカに遊技機を発注する際には、売買契約書を遊技機メーカに送付する。遊技機メーカは、ホールAから送付された売買契約書を受取ると、当該売買契約書に従う遊技機の受注を確認する。遊技機メーカは、当該受注を確認すると、保証書と検定通知書の写しをホールAに送付するとともに、遊技機の生産を開始する。遊技機メーカは、生産した遊技機は、遊技機メーカからホールAに出荷される(ホールAに納品される)。また、ホールAに出荷するための遊技機が運送業者に引き渡された後、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する出荷情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該出荷情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図59は、出荷情報の具体的な内容の一例を示す図である。具体的には、図59(a)は、出荷情報として登録される項目を示す図である。図59(b)は、登録種別に含まれる登録分類を示す図である。
図59(a)を参照して、出荷情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、主制御チップID番号(メインチップID)と、主制御製品コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、払出制御チップID番号(払出チップID)と、払出制御製品コードと、出荷日と、事業者コードと、ホールコードと、取消フラグとを含む。
登録種別は、出荷する遊技機が従来のCR遊技機であるか、封入循環式遊技機(P台2F)であるか、および、部品交換した遊技盤であるか、遊技機枠であるかを指定するための情報である。具体的には、図59(b)では、登録種別の番号が「11」〜「14」の場合には、出荷される遊技機はCR遊技機であり、「21」〜「25」の場合には、出荷される遊技機はP台2Fであることを示している。さらに、登録種別番号「11」〜「14」は、それぞれ部品交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤(部品交換)であることを示している。また、登録種別番号「21」〜「25」は、それぞれ交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤の部品、遊技機枠の部品であることを示している。遊技盤の基板または遊技機枠の基板を交換する場合には、基盤を交換した場合に交換後の基板管理番号を設定して登録される。なお、遊技盤、および遊技機枠の製造番号が変更されるような部品交換は、新規の出荷として登録される。なお、登録種別によって、遊技機メーカ名および遊技機の型式名が特定される。
遊技盤製造番号および主基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。
主制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(従来のCR遊技機では設定不要)。主制御製品コードは、主制御チップの製品コードである(従来のCR遊技機では設定不要)。
遊技機枠製造番号および払出基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。なお、払出基板管理番号は、従来のCR遊技機では設定不要である。
払出制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(CR遊技機では設定不要)。払出制御製品コードは、払出制御チップに書込んだ製品コードである(CR遊技機では設定不要)。
出荷日は、遊技機が出荷された日であり、出荷が確定した日付である。事業者コードは、運送業者名を特定するための情報である。ホールコードは、納品先のホール名を特定するための情報である。取消フラグは、出荷情報を登録する場合には「0」が、登録した出荷情報を取消す場合には「1」が設定される。遊技機メーカは、誤った出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録してしまった場合、誤った出荷情報の取消フラグを「1」に設定して、機歴管理センタ800AFに再度登録する。
機歴管理センタ800AFは、取消フラグが「1」に設定された出荷情報を受付けた場合、受付けた出荷情報と同じ内容で、取消フラグが「0」に設定された出荷情報の登録を取消す。つまり、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報が機歴管理センタ800AFの記憶領域から削除される。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができる。
さらに、機歴管理センタ800AFは、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報の受付を所定条件が成立するまで可能とすることができる。つまり、所定条件が成立した以降、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録することができない。
ここで、所定条件としては、たとえば、時刻や期間などがある。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消したい出荷情報を登録した日の午後8時まで、「1」が設定された取消フラグを含む当該出荷情報を受付けるように設定することができる。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができるとともに、所定条件が成立した以降(たとえば、登録日の午後8時以降)に出荷情報を不正に改ざんされることを防止することができる。
なお、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)の場合、主制御チップID番号または払出制御チップID番号が、遊技機の個体を特定するための特定情報となり、遊技機が従来のCR遊技機の場合、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技機枠製造番号、払出基板管理番号の少なくとも1つの番号が遊技機の個体を特定するための特定情報となる。
また、出荷情報を図59(a)のように、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)であっても、従来のCR遊技機であっても同じ形式にすることで、機歴管理センタ800AFにおいて、封入循環式遊技機(P台2F)および従来のCR遊技機の履歴を統一的に管理することができる。
再び、図57を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品され、当該遊技機がホールAに設置された場合、ホールAのサーバ(図示せず)は、通信回線を介してその設置された遊技機に関する設置情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該設置情報と、出荷時に登録された出荷情報とを関連付けてサーバの記憶領域に登録する。
図60は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。具体的には、図60(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータ(図示せず)と機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図60(a)では、主に従来のCR遊技機の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図60(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図60(b)では、主に封入循環式遊技機(P台2F)の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図60(a)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。遊技機メーカが遊技機受渡書の控えを受領すると、遊技機メーカから通信回線を介して遊技機の設置情報が機歴管理センタ800AFに入力され、当該入力された設置情報がサーバの記憶領域に登録される。なお、機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されると、登録した結果が通信回線を介して、または書類として出力される。また、ホールAにおいては、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。
図60(b)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。その後、ホールAにおいて、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線を介して接続可能に構成されていることから、ホールAに設置された遊技機の電源が投入されると自動的にホール用コンピュータから機歴管理センタ800AFに設置情報が送信される。機歴管理センタ800AFは、受信した設置情報と出荷時に登録した出荷情報とを関連付けて記憶領域に登録する。
図61は、図60(a)において機歴管理センタ800AFに入力される設置情報の内容の一例を示す図である。図61を参照して、設置情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、設置日と、ホールコードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、ホールコードと、取消フラグとは、図59で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
上述したように、図60(a)の場合には、主に、ホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定されるため、登録種別の番号は「11」〜「14」となる。設置日は、たとえば、保証書の開店予定日である。
以上から、図60(a)の場合には、機歴管理センタ800AFには、遊技機メーカから入力される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、設置日、および設置先ホール名が登録される。
また、図60(b)の場合には、機歴管理センタ800AFには、ホール用コンピュータから自動的に送信される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、設置日、設置先ホール名、主制御チップID、および払出制御用IDが登録される。なお、機歴管理センタ800AFは、設置情報として上記の一部の情報を受信し、出荷情報と共通する情報については、出荷情報を参照して登録する場合であってもよい。
再び、図57を参照して、ホールAに設置された遊技機が撤去された場合には、ホールAから撤去情報を書類などに記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFに送付された撤去情報に基づき、機歴管理センタ800AFの入力手段(図示していない端末など)から必要な情報を入力することで撤去情報をサーバの記憶領域に登録する。なお、当該書類が機歴管理センタ800AFに送付されない場合には、後述する中古移動情報または廃棄情報が機歴管理センタ800AFに登録されたときに、ホールAから遊技機が撤去されたと判断して、撤去情報を登録してもよい。
図62は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに撤去情報が登録されるまでの流れを示す図である。具体的には、図62(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図62(a)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図62(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図62(b)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図62(a)を参照して、ホールAに設置された遊技機を撤去する場合には、発行された変更承認申請書に基づいて遊技機が撤去される。遊技機が撤去されると、ホールAから撤去情報を含む書類が機歴管理センタ800AFに送付される。機歴管理センタ800AFは、送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録する。
図62(b)を参照して、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていることから、機歴管理センタ800AFは、記憶領域に登録されている設置情報に基づいて、ホールAに設置されているはずの遊技機と通信不能な状態が一定期間(例えば、1カ月間)経過した場合には、当該遊技機が稼働しておらず撤去された状態であると判断して、記憶領域に撤去情報を登録する。なお、図62(a)と同様に、機歴管理センタ800AFは、ホールAから送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録してもよい。
従来のCR遊技機が撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、撤去日、および撤去ホール名が登録される。また、P台2Fが撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
再び、図57を参照して、ホールAから撤去された遊技機が販売業者の倉庫に入庫され、当該入庫された遊技機を別のホールBに出庫する場合には、販売業者が申請書類に中古移動情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、送付された申請書類に基づいて、機歴管理センタ800AFの入力手段から中古移動情報をサーバに登録する。なお、機歴管理センタ800AFと販売業者が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに中古移動情報を入力してもよい。
販売業者から出庫された遊技機が別のホールBに納品され、当該遊技機が別のホールBに設置された場合には、別のホールBにおいても、図60で説明したような流れで設置情報が機歴管理センタ800AFのサーバに登録される。また、ホールBに設置された遊技機が撤去された場合にも、図62で説明したような流れで撤去情報が機歴管理センタ800AFに登録される。
次に、ホールAから撤去された遊技機が処理会社によって回収され、その回収された遊技機が廃棄される場合には、処理会社から廃棄情報を申請書類に記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、自装置内の入力手段から必要な情報を入力することで廃棄情報を記憶領域に登録する。なお、機歴管理センタ800AFと処理会社が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに廃棄情報を入力してもよい。
また、遊技機メーカによってホールAから下取りした遊技機が廃棄される場合には、ホール用コンピュータは、通信回線を介して廃棄される遊技機に関する廃棄情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該廃棄情報をサーバの記憶領域に登録する。
図63は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに廃棄情報が登録されるまでの流れを示す図である。
図63を参照して、遊技機メーカからホールAに遊技機の下取りの受け入れ了承通知がなされると、当該遊技機がホールAから遊技機メーカに引き渡される。遊技機メーカでは、当該遊技機を回収し保管した後、廃棄する場合には処理会社(廃棄業者)に廃棄処理を依頼する。遊技機メーカは、処理会社から遊技機の廃棄処理が完了した旨の連絡(処理明細等)を受けると、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する廃棄情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該廃棄情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図64は、機歴管理センタ800AFに入力される廃棄情報の内容の一例を示す図である。
図64を参照して、廃棄情報は、登録種別と、廃棄日と、遊技盤製造事業者コードと、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造事業者コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、事業者コードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、取消フラグとは、図59で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
廃棄日は、遊技機が廃棄された日である。遊技盤製造事業者コードは、遊技盤を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。遊技機枠製造事業者コードは、遊技機枠を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。事業者コードは、廃棄処理を実施した事業者を特定するための情報である。典型的には、処理会社(廃棄業者)の事業者コードであるが、遊技機メーカで廃棄処理した場合には、遊技機メーカの事業者コードとなる。
従来のCR遊技機が廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、廃棄日、および処理業者名が登録される。また、P台2Fが廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
<前枠および遊技盤の管理>
前述の機歴管理センタでは、遊技機(P台2F)の履歴を管理する構成について説明したが、P台2Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るため、前枠5Fと遊技盤26Fとに分けて履歴を管理することも可能である。そこで、以下に前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理について説明する。
図65は、本実施形態に係る前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を説明するための概略図である。図65に示す機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を図66に示すテーブルに記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理している。機歴管理センタ800AFは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)8001Fと、そのCPU8001Fの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)8002Fと、CPU8001Fのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)8003Fと、I/Oポート(Input /Output Port)8004Fと、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置8005Fとが設けられている。
図66は、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を行なうため、前枠5Fの情報および遊技盤26Fの情報を記憶するテーブルの概略図である。図66に示すテーブルには、払出制御基板17FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する払出側テーブル(図66(a))と、主制御基板16FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する主制御側テーブル(図66(b))とが含まれている。
以下、図65および図66を用いて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を具体的に説明する。まず、出荷・設置時について、(1)半導体チップメーカ190Fは、払出制御用半導体チップ17aFを製造して、前枠5Fの製造メーカである枠メーカ191Fに出荷する。また、(2)半導体チップメーカ190Fは、主制御用半導体チップ16aFを製造して、遊技盤26Fの製造メーカである遊技盤メーカ192Fに出荷する。なお、払出制御用半導体チップ17aFおよび主制御用半導体チップ16aFは同じ半導体チップメーカ190Fが製造する場合に限定されず、別々の半導体チップメーカ190Fが製造してもよい。
(3−1)半導体チップメーカ190Fは、製造した払出制御用半導体チップ17aFの払出制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDを入力して、払出側テーブルを更新する。同様に、(3−2)半導体チップメーカ190Fは、製造した主制御用半導体チップ16aFの主制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDを入力して、主制御側テーブルを更新する。
(4)枠メーカ191Fは、払出制御用半導体チップ17aFを前枠5Fに組込み、前枠5Fを製造する。さらに、枠メーカ191Fは、製造した前枠5Fをホール193Fに出荷して、設置する。(5)枠メーカ191Fは、ホール193Fに設置した前枠5Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。なお、前枠5Fを特定する情報として、図66(a)に示すように、前枠製造番号、払出基板管理番号、払出制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。さらに、前枠5Fを特定する情報に、枠の形式名、製品コード、およびメーカーコードを含んでもよい。
(6)遊技盤メーカ192Fは、主制御用半導体チップ16aFを遊技盤26Fに組込み、遊技盤26Fを製造する。さらに、遊技盤メーカ192Fは、製造した遊技盤26Fをホール193Fに出荷して、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて設置する。(7)遊技盤メーカ192Fは、ホール193Fに設置した遊技盤26Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、遊技盤26Fを特定する情報として、図66(b)に示すように、遊技機の形式名、製品コード、メーカーコード、遊技盤製造番号、主制御基板管理番号、主制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。
(8)ホール193Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。(9)鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、半導体チップメーカ190F、枠メーカ191Fおよび遊技盤メーカ192Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図66(a)に示す(3−1),(5)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに払出側テーブルに含まれるペアの主制御用セキュリティチップIDの情報(図66(a)に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fの管理状態(ステータス)は、払出側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
同様に、機歴管理センタ800AFは、主制御側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図66(b)に示す(3−2),(7)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに主制御側テーブルに含まれるペアの払出制御用セキュリティチップIDの情報(図66(b)に示す(9)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、遊技盤26Fの管理状態(ステータス)は、主制御側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
次に、保管時について、(10)ホール193Fは、新しい前枠5Fおよび遊技盤26Fに入替える場合、設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去して倉庫に保管する。(11)倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した前枠5Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した遊技盤26Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの保管情報として、図66に示すように、遊技機の製造業者、設置元ホール、撤去日、保管日、および保管場所が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fがホール193Fから撤去されると、稼働情報が鍵管理サーバ800Fに送信されなくなる。つまり、撤去された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、倉庫業者194Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる保管日などの情報(図66に示す(11)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「保管」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして撤去する必要はなく、いずれか一方を取外して撤去してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(11)(図66参照)の情報のみが更新される。
次に、再販時について、(12)ホール193Fは、倉庫業者194Fが保管している前枠5Fおよび遊技盤26Fを、中古業者195Fに再販を依頼する。中古業者195Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、当該ホールに設置する。(13)中古業者195Fは、再販した前枠5Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、中古業者195Fは、再販した遊技盤26Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの再販情報として、図66に示すように、設置元ホール、撤去日、設置日、および販社名が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが再販されると、別のホールに設置され、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せてP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。また、鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、中古業者195Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御販テーブルに含まれる販社名などの情報(図66に示す(13)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「再販」と判断し、さらに払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれるペアのセキュリティチップIDの情報(図66に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして再販する必要はなく、いずれか一方を再販してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(13)(図66参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合に限定されず、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販してもよい。また、再販時の再出荷は行なわない。
次に、廃棄時について、(14)ホール193Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを、廃棄業者196Fに廃棄を依頼する。廃棄業者196Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを適切な方法で廃棄する。(15)廃棄業者196Fは、廃棄した前枠5Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、廃棄業者196Fは、廃棄した遊技盤26Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの廃棄情報として、図66に示すように、設置元ホール、引き取り日、および廃棄日が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが廃棄されると、稼働情報は鍵管理サーバ800Fに送信されない。つまり、廃棄された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、廃棄業者196Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図66に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして廃棄する必要はなく、いずれか一方を取外して廃棄してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(15)(図66参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合に限定されず、ホール193Fに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄してもよい。
<機歴管理センタの異常判定>
機歴管理センタ800AFは、前述したように遊技機設置情報および未稼働情報と更新した情報とを照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。具体的に、機歴管理センタ800AFが異常であるか否かを判定する処理について、フローチャートを用いて説明する。図67は、機歴管理センタ800AFが前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。図68は、図67に示すフローチャートで参照するテーブルを説明する図である。
まず、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる情報に基づき、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を判断する(SF211)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図66に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、前回判断した管理状態から今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるか否かを確認する(SF212)。遷移禁止テーブルは、図68(a)に示すように、前回判断した管理状態から遷移が禁止されている管理状態を示している。具体的に、枠メーカ191Fが前枠5Fを製造して出荷した場合、当該前枠5Fが廃棄や再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「出荷」から「廃棄」や「再販」へ遷移することを禁止している。また、一度、設置、保管および再販された前枠5Fが、枠メーカ191Fから出荷されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「設置」、「保管」および「再販」から「出荷」へ遷移することを禁止している。さらに、廃棄された前枠5Fが、出荷、設置、保管および再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「廃棄」から「出荷」、「設置」、「保管」および「再販」へ遷移することを禁止している。なお、前述の遷移禁止テーブルのでは、前枠5Fを例に説明したが、遊技盤26Fについても同様である。
次に、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれないとき(SF212:N)、鍵管理サーバ800Fからの情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの稼働状態を判断する(SF213)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから遊技機設置情報が送信されたときは稼働状態と判断し、鍵管理サーバ800Fから未稼働情報が送信されたとき(遊技機設置情報が送信されないとき)、非稼働状態と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、SF211で今回判断した管理状態、およびSF213で判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているか否かを確認する(SF214)。更新異常テーブル、図68(b)に示すように、SF211で今回判断した管理状態において禁止されている稼働状態を示している。具体的に、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されている場合、営業時間内であれば稼働状態となるが、営業時間外であれば通常未稼働状態であるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「設置」のとき、「営業時間外で稼働」となると異常と判定する。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されていない場合、常に未稼働状態となるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「出荷」,「保管」,「再販」,および「廃棄」のとき、「稼働」となると異常と判定する。
次に、機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているとき(SF214:Y)、異常を報知する(SF215)。SF215で、異常を報知する手段は、機歴管理センタ800AFの表示装置に異常を表示する、音声出力装置から警報音を出力するなど、いずれの手段であってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるとき(SF212:Y)も、異常を報知する(SF215)。
機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれていないとき(SF214:N)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、前枠5Fの履歴情報を払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する払出側テーブルと、遊技盤26Fの履歴情報を主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する主制御側テーブルとを大容量記憶装置8005Fに含み、CPU8001Fが払出側テーブルおよび主制御側テーブルに記憶した情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態の異常を判定する。そのため、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、別々に流通する可能性がある前枠5Fおよび遊技盤26FをそれぞれのセキュリティチップIDに関連付けて履歴を管理することができる。
<主制御部−払出制御部間の通信>
次に、P台2Fにおける主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信についてさらに詳しく説明する。まず、図42に示すP台2Fにおいて、遊技盤26Fに設けられた主制御基板16Fと、前枠5Fに設けられた払出制御基板17Fとの通信は、主制御基板16Fに設けられた主制御部161Fと前枠5Fに設けられた払出制御部171Fとの間で行なわれる。図69は、主制御部161F、払出制御部171F、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。
図69に示す主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、ワンチップで構成されているものとして以下説明するが、複数のチップで同様の機能を構成してもよい。主制御部161Fは、主制御回路161aF、通信制御回路161bF、主制御記憶部161cFを備えている。主制御回路161aFは、主制御部161Fで様々な処理(たとえば、入賞センサ162Fからの信号に基づいて入賞球をカウントしたり、電波センサ163Fからの信号に基づいて不正を検出したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路161bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信を行なうための回路である。主制御記憶部161cFは、主制御部161Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などで構成されている。なお、主制御記憶部161cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
一方、払出制御部171Fは、払出制御回路171aF、通信制御回路171bF、払出制御記憶部171cFを備えている。払出制御回路171aFは、払出制御部171Fで様々な処理(発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを制御したり、計数ボタン28Fからの信号に基づいてCU3Fに対して遊技玉から持玉への変換を要求したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路171bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信、および払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間の暗号通信を行なうための回路である。払出制御記憶部171cFは、払出制御部171Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータなどを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAMなどで構成されている。なお、払出制御記憶部171cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
さらに、通信制御回路161bF,171bFについて詳しく説明する。図70は、払出制御部171Fと暗号通信するための通信制御回路161bFの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路161bFは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、前枠5Fの払出制御部171Fとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて主制御部161Fの情報を、払出制御部171Fに渡し、払出制御部171Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部600Fにて払出制御部171Fとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路161bFは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路161bFは、図70に示すように主制御回路161aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部600Fを有している。
通信制御回路161bFに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ611F、認証割込み設定レジスタ612F、送信データバッファ613F、送信データ数レジスタ614F、情報送信クリアレジスタ615F、主制御遊技情報レジスタ616F、払出制御遊技情報レジスタ617F、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ611Fは、主制御部161FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ612Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ613Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fに送信する遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、送信データバッファ613Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ613Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ613Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要である。送信データバッファ613F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ614Fは、主制御部161F払出制御部171Fへ送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ613F内のデータ数をモニタしている。情報送信クリアレジスタ615Fは、送信データバッファ613Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
主制御遊技情報レジスタ616Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ616Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで暗号化されて払出制御部171Fへ送信される。払出制御遊技情報レジスタ617Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ617Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで復号化されたデータである。
リカバリ通信完了レジスタ618Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信が完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fは、払出制御部171Fと通信を行なっている暗号通信制御部600Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171bFは、主制御部161Fと暗号通信するための構成と、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成とに分けられ、主制御部161Fと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b1F、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b2Fとして以下説明する。
まず、図71は、主制御部161Fと暗号通信するための通信制御回路171b1Fの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路171b1Fは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、遊技盤26Fの主制御部161Fとの相互認証、およびCU3Fの通信制御IC325aFとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて払出制御部171Fの情報を、主制御部161Fに渡し、主制御部161Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部700Fにて主制御部161Fおよび通信制御IC325aFとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路171b1Fは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路171b1Fは、図71に示すように払出制御回路171aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部700Fを有している。
通信制御回路171b1Fに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ711F、認証割込み設定レジスタ712F、データ受信レジスタ713F、受信データ数レジスタ714F、情報受信クリアレジスタ715F、払出制御遊技情報レジスタ716F、主制御遊技情報レジスタ717F、リカバリ要求/完了レジスタ718Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ711Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ712Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
データ受信レジスタ713Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信した遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、データ受信レジスタ713Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該レジスタに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、データ受信レジスタ713Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、データ受信レジスタ713Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。データ受信レジスタ713F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
受信データ数レジスタ714Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ713F内のデータ数をモニタしている。情報受信クリアレジスタ715Fは、データ受信レジスタ713Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
払出制御遊技情報レジスタ716Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ716Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで暗号化されて主制御部161Fへ送信される。主制御遊技情報レジスタ717Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ717Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで復号化されたデータである。
リカバリ要求/完了レジスタ718Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fは、主制御部161Fと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171b1Fには、その他、通信タイムアウト時間設定レジスタ719aF、通信インターバル時間設定レジスタ719bF、および主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFが含まれている。
主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定するレジスタである。当該レジスタを設定することで、データ受信レジスタ713Fへの書込みは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても設定した有効時間(たとえば、5秒から15秒程度)行なうことができる。これにより、たとえば、電源断や断線などにより認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。なお、玉の滞留時間が長いステージを有する遊技機の場合でも、浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶することができるように有効期間を長めに設定することができるものとする。
本来、データ受信レジスタ713Fには、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後、セキュリティの観点から暗号通信制御部700F介して情報を書き込むことができない。しかし、データ受信レジスタ713Fでは、たとえば、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に浮遊玉が入賞したことの情報を書き込む必要があった。そこで、通信制御回路171b1Fは、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFに対して有効時間を設定し、暗号通信制御部700Fで本設定することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても有効期間内であれば暗号通信制御部700Fを介して情報をデータ受信レジスタ713Fに書き込むことができる。なお、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFの設定値は、暗号通信制御部700Fで本設定された後であれば読み出すことができる。
図72は、通信制御IC325aFと暗号通信するための通信制御回路171b2Fの構成を説明するためのブロック図である。通信制御回路171b2Fは、図72に示すように、通信制御IC325aFと暗号通信するために、たとえば認証ステータスレジスタ721F、認証割込み設定レジスタ722F、送信データバッファ723aF、データ受信レジスタ723bF、送信データ数レジスタ724F、受信データ数レジスタ725F、リカバリ通信加算球要求レジスタ726F、リカバリ通信減算球要求レジスタ727F、リカバリ要求/完了レジスタ728F、暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729F、通信タイムアウトタイマ−プリスケーラ設定レジスタ729aFおよび通信タイムアウト時間設定レジスタ729bFなどを有している。
認証ステータスレジスタ721Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ722Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ723aFは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信する業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。データ受信レジスタ723bFは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信した業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。
なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFを不揮発メモリで構成することで、払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファおよびレジスタに書込まれた業務電文は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFに書込まれた業務電文を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、払出制御部171Fや通信制御IC325aFの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bF以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ724Fは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ723aF内のデータ数をモニタしている。受信データ数レジスタ725Fは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ723bF内のデータ数をモニタしている。
リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて加算球が発生した場合に加算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、リカバリ通信完了時のみ更新される。リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて減算球が発生した場合に減算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fも、リカバリ通信完了時のみ更新される。
リカバリ要求/完了レジスタ728Fは、通信制御IC−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729Fは、通信制御IC325aFと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
<リカバリ完了確認処理>
次に、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、電源断などの通信不能な状態から復帰するとき、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、主制御記憶部161cFおよび払出制御記憶部171cFに記憶された所定情報を送信するリカバリ処理を実行する。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理の終了を条件に、ユーザプログラムの実行による所定情報の生成を再開するリカバリ完了確認処理を行なう。具体的に、リカバリ完了確認処理についてフローチャートを用いて説明する。図73は、リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、電源断などの通信不能な状態から復帰させるために電源が投入されると、主制御回路161aFおよび払出制御回路171aFが認証シーケンスの処理を開始し、認証が完了すると主制御部161Fおよび払出制御部171Fのそれぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証結果が書込まれる。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれているか否かを確認する(ステップSF291)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれていない場合(ステップSF291:NO)、ステップSF291の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれている場合(ステップSF291:YES)、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれているか否かを確認する(ステップSF292)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていない場合(ステップSF292:NO)、ステップSF292の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれている場合(ステップSF292:YES)、ユーザプログラムの処理を開始する(ステップSF293)。なお、ユーザプログラムの処理を開始させる手段として、たとえばユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信して当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段や、ユーザプログラムの処理を停止する停止手段を設け、当該停止手段を解除することで当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段などがある。
前述のように、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理が完了するまでユーザプログラムの処理を開始しないため、リカバリ処理によって復帰させる情報が確定する前にユーザプログラムの処理による新たな情報が書込まれないようにすることでユーザプログラムの処理を適切に再開することができる。
<主制御部と払出制御部との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図74を参照して、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図74には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して電源投入通知という名称のコマンドが送信される。この電源投入通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して電源が投入され通信が開始されることを通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して電源投入受信という名称のレスポンスが送信される。この電源投入受信のレスポンスは、主制御部161Fに対して電源投入通知を受信し、通信が開始されることの応答である。
次に、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して遊技状態通知という名称のコマンドが送信される。この遊技状態通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して遊技状態を通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して遊技状態応答という名称のレスポンスが送信される。この遊技状態応答のレスポンスは、主制御部161Fに対して遊技状態通知を受信したことの応答である。
<主制御部と払出制御部との間で処理される主なシーケンス>
次に、図75および図76に基づいて、主制御部161Fおよび払出制御部171Fで実行される処理による主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<通信シーケンス>>
まず、図75を参照して、電源投入時、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理されるシーケンスを説明する。図75に示すシーケンスは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。
また、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信は、主制御部161Fを一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は200msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。払出制御部171Fは、応答を送信してから1秒経過しても主制御部161Fからの要求コマンドが受信できなかった場合に「通信回線断」とし、遊技を停止させる。
さらに、払出制御部171Fは正常なデータを受信した場合のみ、主制御部161Fへ応答コマンドを送信する。主制御部161Fはポーリング間隔時間内に応答コマンドを受信しなかった場合、初回を含めて最大3回までコマンドを再送する。送受信に用いる通番は、主制御部161F、払出制御部171Fともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、前述したように主制御部161Fおよび払出制御部171FのチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタ611F,711Fに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
次に、主制御部161Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。さらに、主制御部161Fは、通番を「n+1」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+1」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。
その後、主制御部161Fは、通番をカウントアップして「n+2」として、遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fへ送信する。そして、払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+2」として、遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fへ返信する。
主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、通番「n」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔、通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+2」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔は、それぞれ200ms間隔である。
<<電源断後のシーケンス>>
次に、図76を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの処理について説明する。図76は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、払出制御部171Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、遊技状態通知が未到達(主制御部161Fから払出制御部171Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図76を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、主制御部161Fは、通番=nを含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信している。それを受けて、払出制御部171Fは、通番=nを含む遊技状態受信を主制御部161Fに送信する。
そして、遊技中において払出制御部171Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む遊技状態通知が主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信された場合に、払出制御部171Fが電源断の状態であるためにその遊技状態通知を受信できない。それ以降、払出制御部171Fからの遊技状態受信が送信されてこないために主制御部161Fは、1秒後に電源断が発生したとして通信を停止する制御を行なう。
その後、電源投入および主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で認証シーケンスが開始されると、主制御部161Fは、通番=1および主制御通番(前回最終送信通番)=n+1を含む電源投入通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、電源断が発生する前に主制御部161Fに送信した遊技状態受信の通番が「n」であったため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nとなる。そのため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nと、主制御部161Fでバックアップしている主制御通番=n+1とが不一致である。払出制御部171Fは、通番が不一致であるとき、主制御部161Fから送信された電源投入通知に含まれるリカバリ遊技情報に基づき払出制御部171Fの情報をリカバリ処理する。その後、払出制御部171Fは、通番=1を含む電源投入受信を主制御部161Fに送信する。
主制御部161Fは、通番=2を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、リカバリ処理後の内容で処理を行なうとともに、通番=2を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。以降同様に、主制御部161Fは、通番=3を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番=3を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。
なお、前述のリカバリ処理は、通番が不一致であったので実施する構成であったが、リカバリ遊技情報に含まれる情報(たとえば、遊技情報数や賞球情報など)が主制御部161Fと払出制御部171Fとで不一致であってもリカバリ処理を行なってもよい。
<不正遊技機接続検知>
次に、CU3Fで検知される不正遊技機検知の仕組みについて説明する。P台2Fに接続可能なカードユニットは、商用で使用されるカードユニット(前述しているCU3Fに相当、以下単にCU3F、商用CUともいう。)に限定されるものではなく、P台2Fの遊技盤を開発するための遊技盤開発治具や、P台2Fの開発に用いる開発用カードユニット(開発用CU)などであってもよい。
しかし、商用CU以外のP台2Fに接続可能なカードユニットを利用して、不正にP台2Fで遊技を行なうことが考えられる。たとえば、商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続したP台2Fに対して多数の遊技玉を貸出して遊技盤開発治具や開発用CUから切離した状態にし、その後P台2Fに商用CUを接続して不正に遊技を行なうことが考えられる。
そこで、本実施の形態では、商用CUに接続したP台2Fが、過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知して商用CUの動作を停止する。具体的に、図を用いて過去に商用CU以外の遊技盤開発治具や開発用CUに接続されていたのか否かを検知する仕組みを説明する。
図77は、遊技盤開発治具に接続していたP台2Fが、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図77に示す遊技盤開発治具3EFは、P台開発用のSC325EbFを有している以外、商用CUと同じCU制御部323Fおよび通信制御IC325aFで構成されている。また、P台開発用のSC325EbFには、遊技盤開発治具であることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325EbFに記憶されている。
図77に示すように遊技盤開発治具3EFにP台2Fを接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として遊技盤開発治具3EFからP台2Fに送信される際に、P台開発用のSC325EbFから識別IDがP台2Fに送信される。P台2Fに送信された識別IDは、払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325EbFのSC基板IDも払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aFの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
SC基板IDは、前述したとおり払出制御回路171aF内のレジスタに格納されるが、払出制御回路171aFで実行されるユーザプログラム171pFには通知されない。そのため、P台2Fは、SC基板IDを払出制御回路171aFから読出すことができず、SC基板IDを不正に複製されることできないためセキュリティ性が高くなっている。払出制御回路171aFのレジスタに記憶されたSC基板ID(識別IDを含む)は、払出制御回路171aFのRAMをクリアすることで消去することができる。
次に、遊技盤開発治具3EFからCU3Fにユニット交換する場合の処理について説明する。遊技盤開発治具3EFに接続されていたP台2Fは、ユニット交換によりCU3Fに接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3Fから送信される。この遊技機電文通知により、SC325bFから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2Fに送信される。なお、SC基板IDをP台2Fに送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3Fにユニット交換してP台2Fの電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3Fから送信されるタイミングであってもよい。つまり、遊技盤開発治具3EFで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図77では、P台開発用のSC325EbFからの識別IDと、商用のSC325bFからの識別IDとを区別するため、P台開発用のSC325EbFからの識別IDを図示し、商用のSC325bFからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bFからの識別IDを受信したP台2Fは、払出制御回路171aFで格納(記憶)している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定する。なお、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3F以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aFは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pFに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続したP台2Fから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit6の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit6の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知する。SC325bFは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、過去に接続した遊技盤開発治具3EFでの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図77では、ユーザプログラム171pFに不正検知状態3のBit6=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pFに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2FからCU3Fに対して不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2FからCU3Fに対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aFは、格納している識別IDが遊技盤開発治具3EFの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)としてユーザプログラム171pFに書込むのではなく、図77で示したように遊技盤開発治具3EFの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pFに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pFが格納している識別IDに基づいて遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2FからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit6(遊技盤開発治具接続)=“1”)ではなく、図77で示したように遊技盤開発治具3EFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が遊技盤開発治具3EFの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pFを介してSC325bFに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFか否かの判定は、P台2FではなくSC325bFで行ない、遊技盤開発治具接続を検知する構成であってもよい。
また、遊技盤開発治具3EFから別の遊技盤開発治具3EFにユニット交換する場合も、図77で説明したように接続したP台2Fから不正検知状態3のBit6=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の遊技盤開発治具3EFは、P台開発用のSC325EbFに遊技機開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit6=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが遊技盤開発治具3EFであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより遊技盤開発治具3EFから別の遊技盤開発治具3EFにユニット交換したと判定した場合、遊技盤開発治具接続のエラーを検知しない。これにより、遊技盤開発治具3EFとP台2Fとの接続を繰返す開発の工程において、遊技盤開発治具接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
図78は、開発用CUに接続していたP台2Fが、ユニット交換により商用CUに接続された場合の検知の仕組みを説明するための図である。まず、図78に示す開発用CU3DFは、開発用のSC325DbFを有している以外、商用CUと同じCU制御部323Fおよび通信制御IC325aFで構成されている。また、開発用のSC325DbFには、開発用CUであることの示す識別IDが埋め込まれている。具体的に、識別IDは、SC基板IDに含まれる識別コードであり、SC基板IDの一部としてSC325DbFに記憶されている。
図78に示すように開発用CU3DFにP台2Fを接続すると、カード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知として開発用CU3DFからP台2Fに送信される際に、開発用のSC325DbFから識別IDがP台2Fに送信される。P台2Fに送信された識別IDは、払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。識別IDとともにSC325DbFのSC基板IDも払出制御回路171aF内のレジスタに格納される。なお、識別IDのみ払出制御回路171aFの別の記憶装置にバックアップする構成でもよい。
次に、開発用CU3DFからCU3Fにユニット交換する場合の処理について説明する。開発用CU3DFに接続されていたP台2Fは、ユニット交換によりCU3Fに接続されると電源投入後の認証シーケンスの処理において遊技機電文通知がCU3Fから送信される。この遊技機電文通知により、SC325bFから識別ID(商用CUであることを表す識別情報)を含むSC基板IDがP台2Fに送信される。なお、SC基板IDをP台2Fに送信するタイミングは、認証シーケンスの処理中に限定されるものではなく、たとえばCU3Fにユニット交換してP台2Fの電源を投入後、遊技者がカードを挿入してカード挿入通知のコマンドが遊技機電文通知としてCU3Fから送信されるタイミングであってもよい。つまり、開発用CU3DFで付与された遊技玉数を、遊技者が不正に使用して遊技することを防止することができるタイミングであれば何れのタイミングであってもよい。なお、図78では、開発用のSC325DbFからの識別IDと、商用のSC325bFからの識別IDとを区別するため、開発用のSC325DbFからの識別IDを図示し、商用のSC325bFからの識別IDを図示していない。
商用のSC325bFからの識別IDを受信したP台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3DFの識別IDか否かを判定する。なお、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDか否かの種別まで判定せずに商用のCU3F以外の接続装置であるか否かを判定するだけでもよい。払出制御回路171aFは、格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDであると判定した場合、ユーザプログラム171pFに格納している識別IDを通知せずに過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことのみを通知し、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続したP台2Fから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit5の情報に基づき、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit5の情報を読出し、当該情報が“1”であれば過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知する。SC325bFは、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、過去に接続した開発用CU3DFでの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、図78では、ユーザプログラム171pFに不正検知状態3のBit5=“1”の情報が書込まれたことを分かりやすく表現するために識別IDがユーザプログラム171pFに書込まれたように図示されているが、前述したように格納している識別ID自体は通知されない。また、P台2FからCU3Fに対して不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDがP台2FからCU3Fに対して送信されたように図示されているが、格納している識別ID自体が通知されるものではない。
もちろん、前述したように払出制御回路171aFは、格納している識別IDが開発用CU3DFの識別IDであると判定した場合、状態情報応答のレスポンスに含まれるフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)としてユーザプログラム171pFに書込むのではなく、図78で示したように開発用CU3DFの識別ID自体の情報をユーザプログラム171pFに書込んでもよい。さらに、ユーザプログラム171pFが格納している識別IDに基づいて開発用CU3DFの識別IDか否かを判定してもよい。また、P台2FからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit5(開発用CU接続)=“1”)ではなく、図78で示したように開発用CU3DFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
さらに、P台2Fは、払出制御回路171aFで格納している識別ID(過去に接続したカードユニットの識別ID)が開発用CU3DFの識別IDか否かを判定せずに、格納している識別IDをユーザプログラム171pFを介してSC325bFに送信するだけの構成でもよい。つまり、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFか否かの判定は、P台2FではなくSC325bFで行ない、開発用CU接続を検知する構成であってもよい。
また、開発用CU3DFから別の開発用CU3DFにユニット交換する場合も、図78で説明したように接続したP台2Fから不正検知状態3のBit5=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信されてくる。しかし、ユニット交換した別の開発用CU3DFは、開発用のSC325DbFに遊技用装置開発メーカコードの出荷メーカコードが設定してあるため、送信されてきた不正検知状態3のBit5=“1”の情報を無視して、過去に接続したカードユニットが開発用CU3DFであったことを検知しないように構成してもよい。つまり、カードユニットは、SCに設定されている出荷メーカコードにより開発用CU3DFから別の開発用CU3DFにユニット交換したと判定した場合、開発用CU接続のエラーを検知しない。これにより、開発用CU3DFとP台2Fとの接続を繰返す開発の工程において、開発用CU接続のエラーを検知する処理が行なわれないので開発やメンテナンスの作業が容易になる。
このように、本実施の形態では、CU3Fに接続したP台2Fが、過去にCU3F以外の遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続されていたのか否かを検知して、CU制御部323Fとの通信を停止してCU3Fの動作を停止させるので、過去にCU3F以外の遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、P台2Fを商用のCU3Fに接続する前に遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに接続して多数の遊技玉を貸出しておき、商用のCU3Fに接続後に貸出された遊技玉を用いて遊技を行なう不正を防止することができる。
次に、商用のCU3FにP台2F以外の遊技機シミュレータを接続した場合について説明する。図79は、商用のCU3Fに遊技機シミュレータを接続した場合の検知の仕組みを説明するための図である。ここで、遊技機シミュレータは、たとえば商用のCU3Fが正常に稼働するかを検査するために接続するための装置であり、検査に必要な信号や情報を仮想的に商用のCU3Fに出力することができる。そのため、商用のCU3Fは、意図的に遊技機シミュレータを接続して不正な遊技情報を送信されることを防止するため、遊技機シミュレータに接続しているのかP台2Fに接続しているのかを検知すること必要となる。
まず、図79に示す遊技機シミュレータ2AFは、P台2Fと同様に払出制御部171AFを有している。払出制御部171AFは、払出制御回路171AaFおよび払出制御回路171AaFで実行されるユーザプログラム171ApFを含んでいる。ユーザプログラム171ApFには、遊技機シミュレータ2AFであることを示す識別IDが埋め込まれている。
図79に示すように商用のCU3Fに遊技機シミュレータ2AFを接続すると、CU3Fと遊技機シミュレータ2AFとの間で遊技機電文通知のコマンドと遊技機電文応答のレスポンスとの通信が行なわれる。たとえば、CU3Fは、遊技機シミュレータ2AFに対してCU3Fの状態を通知する状態情報要求のコマンドを送信する。遊技機シミュレータ2AFは、CU3Fから状態情報要求のコマンドを受信すると、CU3Fに対して遊技情報や遊技台状態などを通知する状態情報応答のレスポンスを送信する。
CU3Fに送信する状態情報応答のレスポンスに遊技機シミュレータ2AFと接続していることをCU3Fに通知するための情報を含めている。具体的に、遊技機シミュレータ2AFは、ユーザプログラム171ApFに埋め込まれている識別IDに基づき、状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”とする。
CU3Fは、接続した遊技機シミュレータ2AFから遊技機電文応答として送信されてくる状態情報応答のレスポンスに含まれる不正検知状態3のBit7の情報に基づき、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。具体的に、SC325bFが、不正検知状態3のBit7の情報を読出し、当該情報が“1”であれば接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知する。SC325bFは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、CU制御部323Fとの通信を停止する。これにより、CU3Fは、接続している遊技機シミュレータ2AFの情報をCU制御部323Fに取込むことなく不正な遊技を行なうことを防止することができる。また、CU3Fは、接続している遊技機が遊技機シミュレータであることを検知すると、音や光により報知したり、上位サーバに検知結果を報知したりしてもよい。
なお、遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して不正検知状態3のBit7=“1”の情報を含む状態情報応答のレスポンスが送信される様子も分かりやすく表現するために識別IDが遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して送信されたように図示されている。
もちろん、遊技機シミュレータ2AFからCU3Fに対して送信する情報もフラグ(不正検知状態3のBit7(遊技機シミュレータ接続)=“1”)ではなく、図79で示したように遊技機シミュレータ2AFの識別ID自体の情報を送信してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3Fに接続する遊技機が、商用のP台2Fなのか、遊技機シミュレータ2AFなのかを検知して、CU制御部323Fとの通信を停止してCU3Fの動作を停止させるので、意図的に遊技機シミュレータ2AFをCU3Fに接続させることで不正に遊技を行なうこと防止することができる。たとえば、遊技機シミュレータ2AFでCU3Fに対して多数の遊技玉を持玉に計数しておき、P台2Fに接続後に計数した待玉を遊技玉として貸出して遊技を行なう不正を防止することができる。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図80は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を「P台」と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、「S台」とも略称する。
上記の遊技用システムは、遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図80を参照して、S台(スロットマシン)2SFは、本体枠2aSFに対して前面扉2bSFがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図80では図示を省略しているが、S台2SFの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2SFでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2SFにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2SFには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2SFの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2LF、2CF、2RF(以下、左リール、中リール、右リールとも言う)が水平方向に並設されており、これらリール2LF、2CF、2RFに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSFに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2LF、2CF、2RFの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSFの各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510Fが設けられている。この表示器510Fは、P台の表示器54Fに相当する表示器であり、表示器54Fと同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510Fは、図42の表示器54Fと同様にCUの表示制御部350Fに接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510Fは、各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図80に示されるスタートスイッチ7SFよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、この表示器510Fの下方部分に7セグ表示器50SFが設けられている。この7セグ表示器50SFは、P台の7セグ表示器50Fに相当する表示器であり、7セグ表示器50Fと同種の各種情報(前面扉2bSFの開放回数など)が表示される。
また、前面扉2bSFには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5SF、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6SF、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7SF、リール2LF、2CF、2RFの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8LF、8CF、8RFがそれぞれ設けられている。
S台2SFにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残高、持点、あるいは遊技場に預入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落すことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5SF、またはMAXBETスイッチ6SFを操作すればよい。本実施形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510Fの遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7SFの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7SFを操作すると、各リール2LF、2CF、2RFが回転し、各リール2LF、2CF、2RFの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8LF、8CF、8RFを操作すると、対応するリール2LF、2CF、2RFの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そしてすべてのリール2LF、2CF、2RFが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2LF、2CF、2RFの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510Fの遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図80に示すとおり、S台2SFには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28SFが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図42参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510Fに行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510Fに表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU3Fへ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2FやS台2SFを経由して状態情報応答としてCU3Fへ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2SFを制御する主制御部(S台の主制御部161Fに相当)によって決定される。S台2SFの主制御部は、P台2Fに搭載された主制御基板16Fに対応するメイン制御基板に搭載されている。主制御部は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって当選役の有無を決定する。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた信号を払出制御部(図42の払出制御部171Fに相当)へ送信する。払出制御部は、その信号に応じた数の遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2SFの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSFに取付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2SFのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSFとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図81は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図81に示す送受信態様は、P台の構成として説明した図44の用語をS台用に置換えたものであり、その態様は、図44を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
また、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、パチンコ遊技機1について前述したような、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号と、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号とが含まれてもよい。なお、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、前述したパチンコ遊技機1のように情報出力回路から外部に出力する構成ではなく、主制御部161Fから払出制御部171Fを介して情報を出力するようにしてもよい。
保留記憶数の情報は、前述したように、主制御基板16Fに設けられた遊技制御用マイクロコンピュータが、加減算処理等のデータ処理をしているため、最新情報を認識している。したがって、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号が、遊技制御用マイクロコンピュータから情報出力回路または払出制御用マイクロコンピュータを介して外部に出力可能である。
また、主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、発射停止信号、電波センサ検出信号、磁石センサ検出信号、不正入賞検出信号、および、遊技状態情報設定完了信号等の各種信号により、各種情報を送信し、払出制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ここで、発射停止信号は、打球操作ハンドル25Fにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき、発射停止スイッチ(操作されると強制的に発射停止制御が実行されるスイッチ)が操作されているとき、打球操作ハンドル25Fが一定回転角度以上回転操作されていないとき、または、カードユニット(CU)3Fとパチンコ機(P台)2Fとが電気的に未接続のとき等の所定の発射停止条件が成立したと遊技制御用マイクロコンピュータで判断したときに出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)163Fからの電波検出信号が主制御基板16Fに入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
磁石センサ検出信号は、異常な磁気(不正磁気)を検出する磁石センサ(磁石スイッチ)が、主制御基板16F(遊技制御用マイクロコンピュータ)に接続されている構成において、磁石を用いて遊技玉の軌道を変える等の磁石を用いた不正遊技に基づいて、磁石センサからの磁気検出信号が主制御基板16Fに入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、磁石センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
不正入賞検出信号は、大入賞口への入賞玉を検出するカウントスイッチが主制御基板16Fに接続されている構成において、大入賞口が閉じている状態で、入賞センサ162Fのうち大入賞口への入賞玉を検出する入賞センサの検出信号により、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、大入賞口内への入賞玉が検出されたことで不正入賞エラーが判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
遊技状態情報設定完了信号は、パチンコ機(P台)2Fの電源投入時において、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信する各種遊技情報(遊技状態情報)の設定が完了したときに出力される。このような遊技状態情報設定完了信号は、たとえば、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)との通信開始のトリガ信号として使用される。
また、払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータから主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、ガラス枠・本体枠開放信号、入賞数異常信号、不正加算検出信号、電波センサ検出信号、近接センサ異常信号、夜間開放検出信号、計数報知要求信号、カード抜き取り待ち中信号、および、省電力移行要求信号等の各種信号により、各種情報を送信し、遊技制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ガラス枠・本体枠開放信号は、前述のガラス扉開放検出スイッチ12Fまたは前枠開放検出スイッチ13Fからの検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより、払出制御用マイクロコンピュータにおいてガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
入賞数異常信号は、主制御基板16Fから払出制御基板17Fに入力される入賞検出信号による入賞個数について、払出制御用マイクロコンピュータにおいて単位時間当りの入賞個数が所定数以上であるか否かを確認することに基づいて、入賞数異常であるか否かを判定し、入賞数異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
不正加算検出信号は、CU3Fへのカード挿入中以外の状態において、払出制御基板17FがCU3Fから持玉の加算要求を受信したときに払出制御用マイクロコンピュータにおいて不正加算エラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)173Fからの電波検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより払出制御用マイクロコンピュータにおいて電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
近接センサ異常信号は、入賞センサ162F、玉上げスイッチ(上)41aF、ファール玉検出スイッチ330F、アウト玉検出スイッチ701F、および、発射玉検出スイッチが玉の通過による静電容量の変化により遊技玉を検出する近接スイッチで構成されており、このような近接スイッチについて、玉検出個数の齟齬に基づいて異常であるか否かを払出制御用マイクロコンピュータにおいて判定し、異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。たとえば、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にしたときに、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出されたときには、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、近接センサが異常であると判定される。
夜間開放検出信号は、次のように払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのいずれかが開放されたと判定されたときに出力される。パチンコ機2Fが電源OFFとされる夜間には、バックアップ電源により動作する前述の計数カウンタにより、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fから出力される検出信号に基づいて、ガラス扉6F、前枠5Fが開放された回数がそれぞれ計数される。そして、パチンコ機2Fの電源投入時において計数カウンタから払出制御基板17Fへ出力されるそれぞれの開放回数の計数値により、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのうちいずれが開放されたかが判定される。なお、ガラス扉6Fと前枠5Fとのうち一方のみの夜間開放を検出して、夜間開放検出信号を出力するようにしてもよい。
計数報知要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、計数ボタンの操作に応じて計数要求があったと判断したときに、計数値を報知する要求をするために出力される。このような計数報知要求信号は、たとえば、主基板による計数に関する音声出力および数値表示を実行するために使用される。
カード抜き取り待ち中信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、CU3Fでカード抜き取り可能状態となったと判断したときに、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報を通知するために出力される。
省電力移行要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき(たとえば所定期間検出していないとき)、遊技玉数が「0」であるとき、CU3Fにカードが未挿入であるとき、または、変動表示が停止中であるとき等の予め定められた省電力制御移行条件が成立したと判断したときに、たとえば、液晶のバックライトの明るさの減少、および、各種ランプの発光停止等の所定の省電力制御をする省電力状態へ移行する作動要求信号として出力される。
なお、前述したパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれる例を示したが、このような入賞情報信号の外部出力は、パチンコ機(P台)2Fにおいて適用してもよい。
また、前述したパチンコ機2Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明した保留記憶個数信号、発射停止信号、および、電波センサ検出信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。また、パチンコ機2Fの払出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明したガラス枠・本体枠開放信号、および、入賞数異常信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図42に示した遊技枠の各種検出スイッチ41aF、701F、33F、発射制御基板31F、および発射モータ18Fは、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施形態では、ドル箱表示する機能が設けられることで、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510Fには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残高、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引落されて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510Fには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5SFの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6SFの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510Fにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、「カード持玉数」とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CU3Fに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示するのが望ましい。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出を行なうことができるとともに、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止することができる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(8) 前述の実施形態においては、ガラス扉6Fの開放検出と前枠5Fの開放検出とを別々のガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fにより検出するものを示したが、その代わりに、共通の検出スイッチにより両者を検出するように構成してもよい。
(9) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作がない場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(10) 計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数されるように制御するのが望ましい。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(11) (A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行なわれるように制御するのが望ましい。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるように制御するのが望ましい。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断するのが望ましい。これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27F内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2LF、2CF、2RFが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2LF、2CF、2RFが停止するまでの期間である。
(13) 大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させてもよく、また発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(14) 図44を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(15) 計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数してから返却操作をして下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28Fを表示させて点滅するような表示であってもよい。
(16) 遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行されるように制御するのが望ましい。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい。」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(17) 遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されないように制御するのが望ましい。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(18) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(19) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(20) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(21) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(22) 本実施形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(23) 図44あるいは図81において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(24) 表示器54Fで行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312Fで行なうようにしてもよい。
(25) CUにおいて、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(26) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(27) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(28) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放して下さい」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(29) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(30) 図46〜図55で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3F、P台2F、S台2SF等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(31) 前述の実施形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(32) 前述の実施形態においては、いわゆる封入循環式遊技機(P台2FおよびS台2SF)を示したが、それに限定されるものではなく、島の上部から遊技媒体(パチンコ玉等)が遊技機に供給されて入賞によりさらに遊技媒体が払出される一般的な遊技機であってもよい。具体的には、玉貯留皿に貯留された玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、入賞することによって玉が玉貯留皿に払い出され、遊技終了時にその玉貯留皿に払い出され玉を用いて景品交換できるパチンコ機でもよい。また、コイン受け皿に貯留されているコインをコイン投入口に投入して賭数を入力設定し、スタートレバーを操作することによりリールが回転して停止することにより1ゲームが終了し、リールの停止時に表示された表示結果入賞が発生している場合には、コインがコイン受け皿に払い出され、遊技終了時にそのコイン受け皿に払い出されコインを用いて景品交換できるスリットマシンでもよい。つまり、遊技媒体(パチンコ玉、コイン)を使用して遊技が可能であり、遊技の結果に応じて遊技者に遊技媒体が払い出される遊技機であってもよい。
(33) 前述の実施形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(34) 前述の実施形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(35) 前述の実施形態では、各種認証鍵を用いて認証を行なっていたが、この各種認証鍵の代わりに、たとえば認証用のID等を用いて認証を行なうようにしてもよい。
(36) 前述の表示器54F、510Fをタッチパネル付きの表示器で構成してもよい。また、P台とCUとの間で送受信される情報は、前述の実施形態で説明されたものに限定されるのではなく、また、どのような情報をP台からCUへ出力するかを遊技機の表示器54F、510Fのタッチパネルでタッチ操作して入力設定できるようにしてもよい。
また、S台2SFにおいても前述のP台2Fと同様にS台2SFから出力された情報を変換してホールコンへ送信するが、変換対象の情報としては、たとえば、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞や各種小役入賞等の入賞情報、リプレイタイム中を示す情報、図81の加算数や減算数、ゲームスタート回数等である。また、変換対象の情報としては、入賞に伴ってコインを払出すようにした場合のその払出枚数でもよい。
(37) 上記実施形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322Fの操作))を有効化する有効化手段」を含む。
ここで、前記有効化手段は、たとえば、「P台側で遊技点0を確認してCUへカード排出操作許可ONを送信する手段」、あるいは、「CUからカード返却通知を受信したときに遊技玉数=0か否かを判定し、0の場合にはCUに対してカード返却応答を返信することによってカード返却を有効とする手段」、さらには、「計数操作等が行なわれることによって遊技玉数=0とし、そのことによって結果的にカード返却を有効とする条件を成立させる手段」を含む概念である。
(38) 払出制御部171Fが、一周フラグが立つ値(=63)を受信したとき異常制御処理として、以下のa〜cに列挙するもののうちから1つまたは2つ以上を採用して実行するように制御してもよい。
a 払出制御部171Fまたはその払出制御部171Fから異常情報を受けた主制御部161Fにより、P台2Fの表示器(たとえば7セグ表示器50Fや識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置)により表示する。
b 払出制御部171Fから異常情報を受信したCU3Fにおいてエラー番号等の異常報知を行なう。
c CU3Fから異常情報を受信したホール用管理コンピュータ等の上位装置においてエラー番号等の異常報知を行なう。
(39) 本実施形態では、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する前枠5Fの履歴情報として、前枠5Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、前枠5Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。同様に、本実施形態では、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する遊技盤26Fの履歴情報として、遊技盤26Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、遊技盤26Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。
(40) 本実施形態では、製造メーカや倉庫業者などが出荷・設置や保管などの作業が完了した後に、機歴管理センタ800AFに接続された端末から必要な情報(図66に示す、たとえば、出荷日、設置日時、撤去日、販社名、や廃棄日などの情報)を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、製造メーカや倉庫業者などが申請書類に必要な情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付することで、機歴管理センタ800AF内の入力手段(たとえば、内部端末など)から必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。なお、機歴管理センタ800AFに接続された端末とは、機歴管理センタ800AFに対して直接接続されている端末(たとえば、機歴管理センタ800AFにある内部端末)でも、通信回線を介して接続されている端末(たとえば、インターネットを介して接続された倉庫業者や中古業者などの端末)でもよい。
(41) 本実施形態では、1つの大容量記憶装置8005Fに払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、複数の大容量記憶装置に分けて払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶しても、払出側テーブルを記憶する大容量記憶装置と、主制御側テーブルを記憶する大容量記憶装置とに分けてもよい。また、大容量記憶装置に記憶した払出側テーブルおよび主制御側テーブルは、それぞれセキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を消去することができる。たとえ、ペアのセキュリティチップIDに関連付けられていても、セキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を別々に消去することができる。これにより、使用される期間が異なる前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fに比べて使用される期間が長い)であっても個別に削除することができるので、それぞれ適切に管理することができる。
(42) 本実施形態では、ホール以外の製造メーカや倉庫業者などが機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、ホール自体が機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。
(43) 本実施形態では、中古業者が前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、設置する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報として再販情報を記憶する例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fを設置しているホールと同じグループの別のホール(たとえば、同じ法人コードのホール)に移動する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの単なる移動として移動情報を履歴情報に記憶する(管理状態(ステータス)を「設置」から「設置」)だけでもよい。つまり、同じ法人コードのホール間で、前枠5Fおよび遊技盤26Fの設置が移動しても異常と判定されない。さらに、同じ法人コードのホール間で、かつ同一県内に限り前枠5Fおよび遊技盤26Fの移動を認め、同じ法人コードのホール間でも他県に移動する場合は、再販と同じ処理を行なうようにしてもよい。
(44) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFをたとえば以下のように設定する。機歴管理センタ800AFには、システムに登録されているユーザで、クリア認証で認証されたものをシステムにログインさせる。ログイン時における認証は、(a)指定されたユーザIDがシステムに存在すること。(b)指定されたユーザがアカウント有効期限内であること。(c)指定されたユーザがアカウントロックされていないこと。(d)入力されたパスワードが指定されたユーザIDのパスワードと合致すること。(e)現在がパスワードの有効期間内にない場合は、ログインさせるがユーザ自身のパスワード変更とログアウトのみ利用可能とし、パスワード変更が必要である旨をメッセージ表示する。なお、パスワードが変更された場合は、新パスワードを利用確認してもらうため、ログアウトする。
機歴管理センタ800AFは、認証に成功した場合、そのユーザのログイン失敗回数・連続ログインエラー日時をクリアする。一方、機歴管理センタ800AFは、認証に失敗した場合、そのユーザが実在する場合、ログイン失敗回数を記録する。なお、ログイン失敗回数が[ログイン試行上限回数]に達する都度(整数倍となる場合)アカウントをロックした日時を設定する。
機歴管理センタ800AFは、(a)ユーザを新規に登録した場合、(b)パスワードをクリアした場合、および(c)パスワードをユーザ自身が変更した場合、パスワードの有効期限を更新・設定する。更新・設定したパスワードは、その時点から[パスワード有効期間]経過までを有効とする。
機歴管理センタ800AFは、同一のセッションにおいて、認証を[ログイン試行上限回数]失敗した場合、ログイン画面ではなく、ログインNG画面に遷移し、ログインを試行させない。
機歴管理センタ800AFは、ログイン時に、当該ユーザのパスワードが[パスワード期限切れ警告期間]以内に期限切れになる場合、パスワード有効期限が切れる可能性があることを警告する。なお、当該警告は、たとえばログイン完了画面に表示するが、ログイン完了画面に表示すべきメッセージが無い場合は、ログイン完了画面を表示せず、HOMEメニューに遷移する。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザのログイン失敗回数が[ユーザ無効化ログイン失敗回数]を超えている場合(恒久的アカウントロック状態)、または(イ)アカウントロック日時から[ログイン試行拒否時間]が経過していない場合(一時アカウントロック状態)、アカウントロックする。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザを新規に登録した場合、または(イ)ユーザ情報画面から有効期間の更新を行った場合、アカウントの有効期限を更新・設定する。なお、アカウント有効開始日からアカウント有効終了日までの期間、アカウントを利用することが可能となる。
機歴管理センタ800AFは、一度に生成可能なアカウント生成最大数を初期導入時にたとえば20に設定してある。ここで、[ログイン試行上限回数]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば5回に設定してある。[ユーザ無効化ログイン失敗回数]は、連続したログイン試行失敗で恒久的にアカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば100回である。[ログイン試行拒否時間]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする期間で、初期導入時は、たとえば30分である。[パスワード有効期間]は、パスワード変更した時に設定されるパスワードの有効期間で、初期導入時は、たとえば90日である。[パスワード期限切れ警告期間]は、アカウントのパスワード切れ間近をメッセージ通知する期間で、初期導入時は、たとえば14日である。
なお、機歴管理センタ800AFは、パスワードの最小文字数を初期導入時、たとえば8文字とし、パスワードの使いまわしを防ぐ世代数(現在を含む)を初期導入時、たとえば3世代とする。また、機歴管理センタ800AFは、ユーザ情報を登録するには、該当ユーザの事業者情報が登録されていることを条件とする。事業者情報には、機歴管理センタ800AFの業務に関わる各事業者の業種および住所等の属性情報が含まれる。
機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を、入力後、基本的に取消しすることができず、誤操作等により誤りが生じた場合は、「機歴全体備考欄」にコメントを記載することで他の人がわかるようにする。ただし、誤投入の可能性があるため、遊技機ステータス更新画面より投入するステータスに限り、取消を可能とする。取消を可能とする場合、限られた人のみ取消しの実行を可能とするよう、権限により制御する。また、機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を変更するために機歴を検索する場合、検索対象を最新の遊技機の管理状態(ステータス)のみを対象に検索を行なう。
機歴管理センタ800AFでは、データの種類と種類毎の保持期間をたとえば以下のように管理している。
(1)アカウント関連のデータ(たとえば、事業者情報、アカウント情報など):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(2)遊技機機種等のマスタ情報(たとえば、遊技機機種マスタなど):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(3)機歴管理の根拠となる情報(たとえば、遊技機チップ出荷情報、遊技機出荷情報など):基本的に管理が開始されるまでは変更を可能とするが、以後は編集を不能とし、永続的に管理する。
(4)機歴情報(たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報):基本的にファクト情報の入力であるので、入力後の変更は認めず、永続的に管理する。
(5)カードユニット鍵管理センタから通知された情報(たとえば、不正検知など):システムで検知した情報であるので、変更は認めず、永続的に管理する。
(6)システムへの入力ジャーナル(たとえば、Web入力ログ、オンライン入力ログ、システム連携入力ファイルなど):入力の種類別・ノード別に14日間を保持する。
(7)システムからの出力ジャーナル(たとえば、Web出力ログ、オンライン出力ログ、システム送信ファイルなど):出力の種類別・ノード別に7日間を保持する。
(8)集信・配信の業務的通信の記録(たとえば、配布スケジュールなど):7日間を目途に情報を保持する。
(9)システムテンポラリファイル(たとえば、CSVアップロードファイルなど):アプリケーションの挙動後に削除する。ただし、異常終了時等を考慮してクリーニングバッチで不要と確認されたら削除する。
(10)長期間ステータス更新を行なっていない機種情報(たとえば、長期間ステータス更新を行っていない機種情報など):2世代保持する。
機歴管理センタ800AFでは、管理状態(ステータス)の異常について、更新前の管理状態(ステータス)と更新後の管理状態(ステータス)との関係が異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。そのため、ファイル出力した情報に基づいて、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対して連絡するなどの報知を行ない、正しい管理状態(ステータス)に更新されるように対応することができる。なお、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対しては、連絡を行なうのみでなく、ヒアリングして、正しい管理状態(ステータス)を確認した上で対応を行なってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、現在、管理状態(ステータス)の異常が発生している前枠5Fおよび遊技盤26Fのすべてを対象に、連絡するなどの報知を行なう。また、異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの最新情報(ファイル出力時点)は、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードすることができる。
機歴管理センタ800AFでは、長期間管理状態(ステータス)の更新を行っていない前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報に対して、「廃棄」や「その他」以外の管理状態(ステータス)となっている前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。なお、長期間管理状態(ステータス)の更新が行なわれていない異常については、バッチ処理によりその処理時点の情報を抽出し、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードする。また、ダウンロードする1つのファイルは、最大件数の閾値(初期構築時:10万レコード)が設定してあり、当該閾値を超えた場合は別ファイルに出力を行なう。さらに、ファイルをダウンロードする際、同日に処理を行なった結果をまとめて圧縮ファイルとして出力を行なう。
(45) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFに撤去情報を入力する構成を説明したが、本発明はこれに限られず、中古移動情報、廃棄情報や下取り情報などが機歴管理センタ800AFに入力されると、機歴管理センタ800AF内で自動的に撤去情報が登録される構成でもよい。当該構成とすることで、ホールから撤去されていると推定して遊技機の履歴を管理することができ、ホールから履歴管理システムに撤去情報を入力する負担を軽減することができる。
(46) 本実施形態では、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷した後に、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成を示したが、本発明はこれに限られず、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷する情報が入力された時点で、自動的に機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成でもよい。当該構成とすることで、出荷状態の履歴が登録されずに忘れられてしまうのを防止することができる。
(47) 本実施形態では、遊技機メーカが出荷した封入循環式パチンコ機(P台2F)またはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fを含む遊技機をホールに設置した場合、機歴管理センタ800AFが、P台2Fから通知された遊技機設置情報(稼働情報)を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合している。そして、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりなど、当該異常を報知する。しかし、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常を報知する構成だけに限定されるものではなく、異常と判断したP台2FまたはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fでの遊技を禁止する構成でもよい。なお、機歴管理センタ800AFは、異常と判断した場合でも、一定期間、当該P台2Fでの遊技を暫定的に許可して、ホールの営業行為を妨げないように構成してもよい。
(48) 本実施の形態では、セキュリティ関連情報を払出制御回路171aF内のレジスタに格納する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、通信制御回路171b内のレジスタ(たとえば、データ受信レジスタ723bF)に格納する構成でもよい。これにより、セキュリティ関連情報は、通信制御回路171b内で暗号化されたまま格納されることになり、よりセキュリティ性が向上する。
(49) 本実施の形態では、図77および図78で示したように、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2FであることをP台自体で判断し、判断結果を示すフラグを商用のCU3Fに送信してSC325bFで検知する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2FであることをP台自体で判断し、P台自体で検知して報知する構成でも、遊技盤開発治具3EFや開発用CU3DFに過去接続していたP台2Fであることを識別IDに基づいてCU3FのSC325bFで判断して検知する構成でもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。