[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球(遊技玉ともいう)が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、「左」及び「右」の色図柄表示エリア5A、5Bが配置されている。そして、特図ゲームとして第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動が開始されるときには、「左」の色図柄表示エリア5Aにて色図柄の変動(例えば表示色の更新)が開始される。他方、特図ゲームとして第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動が開始されるときには、「右」の色図柄表示エリア5Bにて色図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、色図柄の変動が終了して、色図柄の可変表示結果となる確定色図柄が停止表示される。即ち、色図柄表示エリア5Aは第1特図の変動と同期して変動し、色図柄表示エリア5Bは第2特図の変動と同期して変動する。
「左」及び「右」の色図柄表示エリア5A、5Bにて可変表示される色図柄には、例えば4種類の図柄(例えば「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」など)が含まれていればよい。色図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」の色図柄それぞれに対して、「1」〜「4」の図柄番号が付されている。特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかなどに対応して、予め定められた色図柄が停止表示されればよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第1始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位)を白色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)が成立したときには、例えば第1始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位における表示を除去するとともに、第1始動入賞に対応する各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、白表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた第1始動入賞に対応する表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第2始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位)を白色表示に変化させる。その後、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)が成立したときには、例えば第2始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位における表示を除去するとともに、第2始動入賞に対応する各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、白色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた第2始動入賞に対応する表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。なお、この実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hに8つの表示部位が設けられており、そのうち左側の4つが第1始動入賞に対応する表示部位となっており、右側の4つが第2始動入賞に対応する表示部位となっており、いずれの始動入賞に対応する保留記憶かを特定可能である。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値は、合計保留記憶数ということもあれば、特図保留記憶数ということもある。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。打球供給皿を形成する部材には、遊技者により操作可能な操作部30が取り付けられている。操作部30は、遊技者から見て奥・手前・左・右(前後左右)といった予め定められた複数の方向(例えば4方向)のうちから選択した方向を押下操作することが可能な押しボタンスイッチからなる平面視で円形の操作ボタン32と、操作ボタン32の周囲に設けられて回転操作することが可能なダイヤル(ジョグダイヤル)からなる平面視で環状の操作ダイヤル33という、複数の操作部を含んで構成されている。操作ボタン32は、前後左右の4方向以外に、全体を下方向にも押下操作が可能である。すなわち、遊技者は、操作ボタン32に対して、パチンコ遊技機1に向いた状態で前後左右の4方向から1つの方向を選択的に押下する押下方向選択操作と、方向選択操作以外に操作ボタン32全体を下方に押下する全体押下決定操作とを、行うことができる。また、遊技者は、操作ダイヤル33に対して、右回り(時計回り)あるいは左回り(反時計回り)のうち1つの回転方向へと選択的に回転させる回転方向選択操作を行うことができる。操作ボタン32や操作ダイヤル33に対してなされた遊技者の操作行為は、それぞれ図2に示す操作検出スイッチ31によって検出される。
なお、操作部30は、押下操作や回転操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作部30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。
操作ボタン32において、前方向(奥側)を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の奥側部分)を、前方向部(奥方向部)と称する。操作ボタン32において、後方向(手前側)を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の手前側部分)を、後方向部(手前方向部)と称する。操作ボタン32において、左方向を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の左側部分)を、左方向部と称する。操作ボタン32において、右方向を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の右側部分)を、右方向部と称する。
遊技機用枠3において打球供給皿を形成する部材には、操作部30の他に、所定のカードユニットを介して遊技球の貸出を受ける際に操作する球貸スイッチ91や、プリペイドカードなどの返却を受ける際に操作する返却スイッチ92等が取り付けられている。例えば、球貸スイッチ91や返却スイッチ92は、打球供給皿にて操作部30が取り付けられている面と同一面上にて、その面よりも凹んだ位置に配置されていればよい。これにより、遊技者が操作部30の操作を行っているときに、誤って球貸スイッチ91や返却スイッチ92を押下してしまう事態を防止できる。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。なお、通過ゲート41を遊技球が通過したときに、普図ゲームを実行せずに普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示された後に制御される特定遊技状態としての大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしてラウンド遊技の実行中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンド遊技を終了させる。この実施の形態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンド遊技の実行回数が「15」となる大当り遊技状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような大当り遊技状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉が得られる。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態(「低確低ベース状態」ともいう)に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される時短状態(「低確高ベース状態」ともいう)に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される大当り図柄は、通常大当り図柄(非確変大当り図柄ともいう)と称される。また、通常大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「通常大当り」(「非確変大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率遊技状態としての確変状態に制御される。確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、このような確変状態が、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。これに対して、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。あるいは、確変状態となった後に、可変表示結果が「大当り」となることなく所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を通常状態と同様の可変表示時間に戻す一方で、確変制御は継続して行われるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。なお、大当り図柄「1」〜「7」は一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態に制御されている期間と同一であればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ演出)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーリーチ伴って実行される演出は、ノーマルリーチに伴って実行される演出と異なる。また、スーパーリーチのリーチ演出が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ演出が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するために、所定の演出を繰り返す繰返演出が実行されることがある。
ここで「所定の演出」を繰り返し行うとは、1の可変表示パターンとして最終的に識別情報が停止表示されるまでの間に、実行されている変動表示を一旦終了させて(又は終了させずに)改めて変動を実行している状態に変更することで、新たな変動表示を行うことであり、このような変動表示が行われる可変表示パターンを繰返演出(「擬似連」)と呼ぶ。また「所定の演出」を繰り返し行うには、遊技者から見て同じ演出が繰り返されているようなこと(例えば背景がステップアップする)も含まれるので、全く同じ演出を繰り返すことのみならず、似たような演出を繰り返すことも含まれる。
「所定の演出」は、繰り返しや最終的に識別情報が停止される前に行われる各変動表示のことであり、「繰返演出」はそれらの変動表示を実行する可変表示パターン(本実施形態では「擬似連」としている)である。この実施の形態では、繰返演出として、飾り図柄の可変表示を一旦終了した後に、停止させた飾り図柄の可変表示を改めて開始したり、又は飾り図柄の可変表示を終了させずに再変動を開始したように見せる(例えば左の飾り図柄を停止した後に、右の飾り図柄を低速変動にして停止しそうにするが、該右の飾り図柄を停止せずに高速変動にする)ことで、飾り図柄の可変表示を繰り返す演出が実行される。またこの実施の形態において、繰返演出において繰り返される所定の演出として、繰り返しのタイミングや最終停止図柄の導出表示前に実行される飾り図柄の変動表示(例えば、後述する初回変動、次回変動、次々回変動)が実行される。この実施の形態では、主基板11の側でこれら所定の演出を実行するための変動パターンが決定されることなどに対応して、「擬似連」の可変表示演出を含む各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部又は全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、当該一部又は全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大2回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから一部又は全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける当該一部又は全部にて飾り図柄が再変動する回数(以下、再変動回数ともいう)である。
ここで、一例として、「擬似連」の初回変動において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか1つのみにおいて、飾り図柄が仮停止表示されることがある。また、「擬似連」の初回変動において、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Lとおいて同じ飾り図柄が仮停止表示され、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。さらに、「擬似連」の初回変動において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、所定の特殊組合せの(例えば、左仮停止図柄と中仮停止図柄とが偶数であり、右仮停止図柄が奇数である)擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示されることがある。
また、擬似連変動(再変動)の回数が2回である場合には、飾り図柄の1回目の再変動が開始されてから全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が一旦仮停止するまでの次回変動が行われる。この次回変動では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、「擬似連」の次回変動においても、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか1つのみにおいて、飾り図柄が仮停止表示されたり、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Lとおいて同じ飾り図柄が仮停止表示されるリーチ状態とされても良い。
さらに、擬似連変動の回数が1回である場合には、飾り図柄の1回目の再変動が開始されてから全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて最終図柄が最終停止表示されるまでの最終変動が行われる。同様に、擬似連変動の回数が2回である場合には、飾り図柄の2回目の再変動が開始されてから全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて最終図柄が最終停止表示されるまでの最終変動が行われる。
ここで、「左図柄」は「左」の飾り図柄表示エリア5Lに仮停止表示される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の飾り図柄表示エリア5Cに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の飾り図柄表示エリア5Rに表示される飾り図柄である。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目のいずれかが仮停止表示されることにより、「擬似連」の次回変動又は次々回変動が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば3回、4回や5回といった、1回〜2回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出において、初回変動を含む複数回の変動表示に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型(可動部材)が動作するように制御されてもよい。さらに他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。これらの再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部又は全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性や、「確変大当り」となる可能性などが高まるようにしてもよい。
尚、飾り図柄の可変表示中に擬似連の可変表示演出が行われる場合など、例えば、飾り図柄の擬似連変動を行うタイミングで上記の所定の演出が繰り返された場合において、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Lとおいて同じ飾り図柄が仮停止表示されることで、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの可変表示状態が所定のリーチ状態とならずにハズレ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示されることは、「擬似連ガセ」と称される。
画像表示装置5では、飾り図柄の可変表示中(本例では、可変表示の開始直後から、ハズレ図柄が表示されるまで又はリーチ演出が行われるまで)に、所定の予告演出が実行される。該予告演出としては、繰返演出(擬似連)の実行を確定する擬似連予告(図41(B))や、リーチ演出の実行を確定するリーチ予告(図40(B))が行われる。また該予告演出としては、特定遊技状態(大当り状態)に制御される信頼度が低い低信頼度予告のチョイ熱予告(図40(B))や、該信頼度が高い高信頼度予告の激熱予告(図41(B))も行われる。
そして本発明では、これら予告態様と、繰返演出において一の可変表示の後に行われる該一の可変表示とは別の可変表示(本例では仮停止後の再変動)を行わせるタイミング(再変動タイミング)との間に、所定の関係性が設定されており(図34)、該設定されている関係性に基づいて予告態様と再変動タイミングとが決定されるが(図28,図30〜図33)、これについては後述する。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄「3」、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「通常」の可変表示態様と称され、大当り種別が「通常」であるともいう。こうして「通常」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、大当り遊技状態に制御され、その大当り状態が終了すると、時短状態に制御される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、大当り種別が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後などに、もしくは、大当り種別が「通常」である場合とは異なるリーチ演出が実行された後などに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様に含まれる。この場合の大当り種別は「確変」であるという。
確変状態では、例えば「確変中」といった確変状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、及び/又は、画像表示装置5の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態であることを遊技者が認識できる確変中の演出モードとなるようにしてもよい。
また、プリペイド機能を備えるプリペイドカード等の遊技用記録媒体としての遊技用カードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示省略)。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、電源基板16、払出制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と電源基板16や払出制御基板17との間で伝送される各種の制御信号、及び、演出制御基板12、音声制御基板13やランプ制御基板14とスピーカ8、遊技効果ランプ9、操作検出スイッチ31の間で伝送される各種の制御信号を中継するためドロア中継基板19も搭載されている。さらに、ドロア中継基板19とスピーカ8、遊技効果ランプ9、操作検出スイッチ31の間には、各種の制御信号を中継するため枠中継基板26が設けられる。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホール管理用コンピュータ(ホールコンピュータ)等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板11に搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
電源基板16は、主基板11や演出制御基板12などの各種基板や、画像表示装置5や遊技効果ランプ9やスピーカ8などの演出装置に電力を供給する。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。主基板11は、各種スイッチからの検出信号を受信すると、各種スイッチに応じた賞球の払い出しを実行させるための賞球信号を払出制御基板17に送出する。なお、この賞球信号は、電源基板16を経由して伝送される。払出制御基板17は、賞球信号を受信すると、球払出装置18を駆動して賞球信号に応じた賞球を払い出させる。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。なお、変動パターンは、飾り図柄の可変表示中に「擬似連」の可変表示演出を実行するか否か(つまり、飾り図柄の再変動を行うか否か)のパターン、及び「擬似連」の可変表示演出を実行する場合における可変表示中に実行する再変動の回数のパターン、並びに飾り図柄の変動時間のパターンのパターンを少なくとも含む。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様(大当り種別)が「通常」、「確変」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」及び「大当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンドとして、飾り図柄停止コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしている。これに対して、飾り図柄停止コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、特図ゲームに対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、事前決定結果や、大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されたことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されたことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図11に示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)、あるいは、始動データ記憶部151Cにおける始動データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O105は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。また、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、及び変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、別個独立のものではなく、例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1及び大当り種別決定用の乱数値MR2が、兼用の数値データを持っていたり、兼用の決定値データを持っていたりするといったように一体となっているものであってもよい。また、特図表示結果決定用の乱数値MR1及び変動パターン種別決定用の乱数値MR3が、兼用の数値データを持っていたり、兼用の決定値データを持っていたりするといったように一体となっているものであってもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR4を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR4の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「通常」、「確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンと称される。
図5に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1−0、変動パターンPA1−1−1、変動パターンPA1−2−0が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1−0、変動パターンPA2−1−1、変動パターンPA2−2−0、変動パターンPA2−2−1、変動パターンPB3−1−0、及び変動パターンPB3−1−1が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、変動パターンPA4−1−0、PA4−1−1、PA4−1−2、変動パターンPA4−2−0、変動パターンPA4−2−1、変動パターンPA4−2−2、変動パターンPB5−1−0、変動パターンPB5−1−1、及び変動パターンPB5−1−2が、予め用意されている。
変動パターンPA1−1−0、変動パターンPA1−2−0、変動パターンPA2−1−0、変動パターンPA2−2−0、変動パターンPA3−1−0、変動パターンPA4−1−0、変動パターンPA4−2−0、及び変動パターンPA5−1−0は、飾り図柄の可変表示中において再変動が行われない(つまり、「擬似連」の可変表示演出が実行されない)変動パターンである。また、変動パターンPA1−1−1、変動パターンPA2−1−1、変動パターンPA2−2−1、変動パターンPA3−1−1、変動パターンPA4−1−1、変動パターンPA4−2−1、及び変動パターンPA5−1−1は、飾り図柄の可変表示中において1回再変動が行われる(つまり、「擬似連」の可変表示演出が実行される)変動パターンである。さらに、変動パターンPA4−1−2、変動パターンPA4−2−2、及び変動パターンPA5−1−2は、飾り図柄の可変表示中において「擬似連」の可変表示演出が実行され、2回再変動が行われる変動パターンである。尚、変動パターンPA1−2−0は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される「短縮あり」の変動パターンであり、変動パターンPA1−2−0以外のパターンは、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない「短縮なし」の変動パターンである。
図6は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、に分ければよい。本実施形態においては、複数の変動パターンは、リーチ演出の種類と、可変表示結果と、再変動回数とで分類されている。
図6に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が行われずに「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1−0及び変動パターン種別CA1−2−0が予め用意され、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が1回行われて「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1−1が、予め用意されている。さらに、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が行われずに「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1−0及び変動パターン種別CA2−2−0が予め用意され、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が1回行われて「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1−1及び変動パターン種別CA2−2−1が予め用意されている。可変表示結果が「大当り」の可変表示態様(大当り種別)で再変動が行われない態様に対応して、変動パターン種別CA3−1−0及び変動パターン種別CA3−2−0が予め用意され、可変表示結果が「大当り」の可変表示態様で再変動が1回行われる態様に対応して、変動パターン種別CA3−1−1及び変動パターン種別CA3−2−1が予め用意され、可変表示結果が「大当り」の可変表示態様で再変動が2回行われる態様に対応して、変動パターン種別CA3−1−2及び変動パターン種別CA3−2−2が予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1−0及び変動パターン種別CA1−1−1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない「短縮なし」の変動パターン種別であり、「短縮なし」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA1−2−0は、例えば合計保留記憶数が「3」以上であることや、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われることに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される「短縮あり」の変動パターン種別であり、「短縮あり」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA2−1−0及び変動パターン種別CA2−1−1は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA2−2−0及び変動パターン種別CA2−2−1は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA3−1−0、変動パターン種別CA3−1−1、及び変動パターン種別CA3−1−2は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(大当り)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA3−2−0、変動パターン種別CA3−2−1、及び変動パターン種別CA3−2−2は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(大当り)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される図柄表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、図柄表示結果判定テーブルとして、図7に示す特図表示結果判定テーブル130が、予め用意されている。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。特図表示結果決定テーブル130は、図11に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1を、大当り判定値データやハズレ判定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「通常」や「確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、図11に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに関わらず、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「通常」や「確変」などの大当り種別に割り当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「通常」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「1」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1−0、CA3−1−1、及びCA3−1−2、並びに変動パターン種別CA3−2−0、CA3−2−1、及びCA3−2−2のいずれかに割り当てられている。
ここで、再変動回数が0回(つまり、擬似連なし)の変動パターン種別CA3−1−0及びCA3−2−0よりも、再変動回数が1回の変動パターン種別CA3−1−1及びCA3−2−1の方が多くの決定値が割り当てられている。また、再変動回数が1回の変動パターン種別CA3−1−1及びCA3−2−1よりも、再変動回数が2回の変動パターン種別CA3−1−2及びCA3−2−2の方が多くの決定値が割り当てられている。これらの構成によれば、再変動回数が多くなるほど、特図表示結果が「大当り」となり、大当り制御状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分があってもよい。また、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、大当り種別が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。さらに、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bは、例えば遊技状態が通常状態で合計保留記憶数が「3」未満であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない場合に使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときや、通常状態でも合計保留記憶数が「3」以上であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される場合に使用テーブルとして選択される。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態であるときと、遊技状態が通常状態で合計保留記憶数が「3」以上であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。また、合計保留記憶数が「3」以外の所定数以上であるか否かに応じて、異なる決定テーブルを参照することで変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。さらに、合計保留記憶数が「0」であるときと、合計保留記憶数が「1」であるときと、合計保留記憶数が「2」であるときと、合計保留記憶数が「3」であるときと、合計保留記憶数が「4」であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。加えて、合計保留記憶数が「3」未満であるときには、共通の決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにする一方で、合計保留記憶数が「3」であるときと、合計保留記憶数が「4」であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。あるいは、合計保留記憶数に代えて、第1保留記憶数や第2保留記憶数が所定数以上であるか否かに応じて、異なる決定テーブルを参照することで変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数が所定数(例えば「3」など)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて可変表示時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別に決定される割合が高くなるように各変動パターン種別に対して決定値が割り当てられるようにすればよい。あるいは、遊技状態が確変状態や時短状態であるときにも、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」など)以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。例えば、確変状態や時短状態であるときに合計保留記憶数が所定数未満であればハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bが使用テーブルとして選択される一方で、確変状態や時短状態であるときに合計保留記憶数が所定数以上であればハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cが使用テーブルとして選択されるようにしてもよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0などに割り当てられている。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとでは、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとでは、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとには、再変動回数が2回の変動パターン種別に対して決定値が割り当てられていない。この構成によれば、遊技者は、2回目の再変動が実行されると、特図表示結果が「ハズレ」にならず「大当り」となり、大当り遊技状態に制御されることを認識できる。
また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bでは、変動パターン種別CA1−2−0に対して決定値が割り当てられていない一方で、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cでは、変動パターン種別CA1−2−0に対して決定値が割り当てられている。また、例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cでは、変動パターン種別CA1−1−1、CA2−1−1、及びCA2−2−1に対して決定値が割り当てられていない一方で、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bでは、変動パターン種別CA1−1−1、CA2−1−1、及びCA2−2−1に対して決定値が割り当てられている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
なお、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
この実施の形態では、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照することにより、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA1−2−0や変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0のいずれかに決定することができる。また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bを参照することにより、変動パターン種別CA1−1−1、変動パターン種別CA2−1−1、変動パターン種別CA2−2−1のいずれかに決定することができる。ここで、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA1−2−0は、図6に示すように、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となり、再変動が行われない(つまり、擬似連なしの)場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA1−1−1は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となり、再変動回数が1回(つまり、擬似連あり)の場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となり、再変動が行われない場合に対応した変動パターン種別である。さらに、変動パターン種別CA2−1−1、変動パターン種別CA2−2−1は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となり、再変動回数が1回の場合に対応した変動パターン種別である。したがって、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aやハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か(リーチ演出を行うか否か)、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定することができる。
そして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cにおいて変動パターン種別CA1−1−0や変動パターン種別CA1−2−0に対して割り当てられる決定値は、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bにおいて変動パターン種別CA1−1−0に対して割り当てられる決定値よりも多くなっている。このような設定により、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される場合には、短縮されない場合よりも高い割合で、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としないことに決定される。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間がリーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができ、また、確変状態や時短状態であるときには、通常状態にて合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン決定テーブルとして、図10(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル133Aと、図10(B)に示す大当り変動パターン決定テーブル133Bとが、予め用意されている。
ハズレ変動パターン決定テーブル133Aは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン決定テーブル133Aでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「ハズレ」とする場合に対応した1つ又は複数の変動パターン(ハズレ変動パターン)に割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル133Bは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル133Bでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」とする場合に対応した1つ又は複数の変動パターン(当り変動パターン)に割り当てられている。
本実施形態では、CPU103は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aやハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か(リーチ演出をするか否か)、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定するとして説明した。しかし、これに限定されるのではなく、CPU103は、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、図10(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル133Aや、図10(B)に示す大当り変動パターン決定テーブル133Bを参照して変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定しても良い。また、CPU103は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aやハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か及びリーチ状態とする場合にはリーチの種類(つまり、リーチパターン)を決定し、変動パターン決定用の乱数値MR4と、図10(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル133Aや、図10(B)に示す大当り変動パターン決定テーブル133Bを参照して変動パターンを決定することにより、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定しても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、始動データ記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その入賞(遊技球の検出)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aに記憶される。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その入賞(遊技球の検出)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bに記憶される。
始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が入賞したかを示す始動データを、各遊技球の入賞順を特定可能として記憶する。一例として、始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データ、あるいは、第2始動入賞口への入賞に対応した「第2」の始動データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図17に示すステップS15や図18に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために図17に示すステップS16に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態となり時間短縮制御などが開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態や時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104とは別個に、あるいは、乱数回路104から抽出された数値データを用いて、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、時短制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。本実施形態においては、一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であることに対応したカウント初期値「100」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行われる。これに対して、大当り遊技状態が終了するときに大当り種別バッファ値が「1」である場合には、時短回数カウント値に関わらず、次に大当り遊技状態に制御されるまで時短状態を継続する。しかし、これに限定される訳でなく、大当り遊技状態が終了するときに大当り種別バッファ値が「1」である場合であっても、大当り種別バッファ値が「1」であることに対応したカウント初期値「100」を示すデータが時短回数カウント値として設定された後、可変表示結果が「大当り」となるまでの間、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新され、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態としても良い。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。保留変動回数カウンタは、保留変動において実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動口スイッチ22Aにより第1始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動口スイッチ22Bにより第2始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図8に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「通常」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作部30に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出スイッチ31から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。図12は、演出制御基板12の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御基板12の側において、再変動タイミング決定用の乱数値SR1を示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄決定用の乱数値を示す数値データ、1回目の仮停止で表示される仮停止図柄(以下、第1仮停止図柄という)を決定するために用いられる第1仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データ、2回目の仮停止で表示される仮停止図柄(以下、第2仮停止図柄という)を決定するために用いられる第2仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データなどが、カウント可能に制御されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば図16に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路124とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値SR1を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、乱数回路124により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、演出用乱数の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。また、演出制御基板12に乱数回路124が搭載されていない場合には、演出制御用CPU120がランダムカウンタを用いて、演出用乱数の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
再変動タイミング決定用の乱数値SR1は、仮停止された仮停止図柄を再変動させるタイミングを複数種類タイミングのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドに設定されるEXTデータと、EXTデータに対応した変動パターンを表す情報とが対応付けて記憶されている。また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、制御を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
図13は、ROM121に記憶される再変動タイミング決定テーブルの構成例を示している。再変動タイミング決定テーブル145Aは、変動パターンと、再変動タイミング決定用の乱数値SR1とに基づいて、最初に仮停止された飾り図柄の再変動タイミング(以下、第1再変動タイミングという)を、図14に示すようなタイミングA、タイミングN、タイミングB、及びタイミングCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
この実施の形態では、タイミングAは、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、飾り図柄の可変表示が開始されてから第1仮停止が、「左」及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方において行われることで可変表示状態がリーチ状態となる前までの時間区間に含まれるタイミングである。尚、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rのそれぞれで最初に行われる仮停止を第1仮停止とする。また、第1再変動タイミング後において、「左」、「中」、及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rのそれぞれで最初に行われる仮停止を第2仮停止とする。タイミングAの具体例として、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみにおいて第1仮停止が行われた時から所定時間経過したタイミングであって、「右」の各飾り図柄表示エリア5Rにおいて第1仮停止が行われる前のタイミングを挙げる。
タイミングNは、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて、可変表示の開始された飾り図柄が擬似連チャンス目を構成する3つの第1仮停止図柄の全てが第1仮停止し終えた時刻から所定時間経過するまでの時間区間に含まれるタイミングである。タイミングNの具体例として、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて、可変表示の開始された飾り図柄が擬似連チャンス目を構成する3つの第1仮停止図柄の全てが第1仮停止し終えた時刻から所定時間経過したタイミングを挙げる。
タイミングB及びCは、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が開始されてから、「左」及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方において飾り図柄の第1仮停止が行われることで可変表示状態がリーチ状態となった後に(つまり、図柄がテンパイした後に)、再変動告知演出が終了する終了タイミングである。タイミングB及びCの具体例として、再変動告知演出が終了する終了タイミングを挙げる。なお、再変動告知演出とは、例えば、画像表示装置5の表示領域が割れたような画像を表示する画面割れ演出などを含み、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の再変動表示が開始すること(後述するような、飾り図柄の再変動表示が連続演出タイマの値で定まる途中の段階から開始されること、及びタイミングNで再変動表示が既に内部的に開始されていること、を当然に含む)を遊技者に報知する演出をいう。再変動告知演出は、画面割れ演出に限定されるのではなく、例えば、ブラックアウト又はホワイトアウトなどの少なくとも遊技者の見た目上、飾り図柄の変動表示の状態が一瞬または所定の時間に渡って途切れるものであれば良い。なお、飾り図柄の可変表示が開始されたタイミングを基準とすると、タイミングAは、タイミングNよりも早いタイミングであり、タイミングNは、タイミングBよりも早いタイミングであり、タイミングBは、タイミングCよりも早いタイミングである。
再変動タイミング決定テーブル145Aでは、ハズレ変動パターンに対して、可変表示が開始されたタイミングを基準として早いタイミング程、多くの決定値が割り当てられている。つまり、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、ハズレ変動パターンに対して、タイミングCよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングAの方が多くの決定値が割り当てられている。これに対して、当り変動パターンに対して、可変表示が開始されたタイミングを基準として遅いタイミング程、多くの決定値が割り当てられている。つまり、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、当り変動パターンに対して、タイミングAよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングCの方が多くの決定値が割り当てられている。これらの構成によれば、遅いタイミングで再変動表示が開始される程、大当り遊技状態に対する遊技者の期待感をより向上させることができる。また、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される変動パターンに対して、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングであるタイミングB及びタイミングC並びにタイミングNに対する決定値が割り当てられているのに対して、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される変動パターンに対してタイミングB及びタイミングC並びにタイミングNに対する決定値が割り当てられていない。この構成によれば、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合には、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングに再変動タイミングが決定されないため、可変表示状態がリーチ状態となることで遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を向上させた後に、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることで遊技者を落胆させてしまうことを防止できる。
ここで、PA1−1−1の変動パターンは、「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンであるにも関わらず、非リーチハズレ変動パターンであるため、PA1−1−1の変動パターンは、「擬似連ガセ」の変動パターンと称される。この「擬似連ガセ」の変動パターンPA1−1−1に対して、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングであるタイミングB及びタイミングC並びにタイミングNに対する決定値が割り当てられていないとして説明したが、これに限定される訳ではなく、タイミングCに対する決定値が割り当てられていないが、タイミングA及びタイミングNに対する決定値が割り当てられている構成を採用できる。この構成において、タイミングNに対する決定値の割り当ては、タイミングAに対する決定値の割り当てよりも多い構成を採用できる。これらの構成によれば、再変動タイミングがタイミングAである場合には、大当り遊技状態に対する信頼度が低いが、タイミングAよりもタイミングNの方が高い確率で再変動タイミングとして決定されるので、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方が第1仮停止すると、可変表示状態がリーチ状態となる確率が向上する。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体、操作ボタン32を用いた演出動作の制御を行うために、演出制御パターンを構成するパターンデータが予め複数種類記憶されている。こうした演出制御パターンとしては、例えば図柄変動制御パターン、当り時演出制御パターンなどが含まれていればよい。
図柄変動制御パターンは、飾り図柄の可変表示が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、画像表示装置5の表示領域での飾り図柄の可変表示動作に関する制御内容を示すパターンデータなどから構成され、飾り図柄の変動パターンごとに予め複数用意されたものであればよい。
例えば、飾り図柄の変動パターンが、飾り図柄の再変動を1回行うものである場合には、図柄変動制御パターンは、第1可変表示動作に関する制御内容を示す第1制御パターンデータと、最終可変表示動作に関する制御内容を示す最終制御パターンデータとで構成される。
尚、第1可変表示動作は、図15(A)示すような、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示が開始されてから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて飾り図柄が1回目に仮停止されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作を含む。最終可変表示動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて、2回目の(再変動回数が1回目の場合は1回目)の再変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて確定飾り図柄が停止表示されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作をいう。
また例えば、飾り図柄の変動パターンが、飾り図柄の再変動を2回行うものである場合には、図柄変動制御パターンは、第1制御パターンデータと、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて1回目の再変動表示が開始されてから、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて飾り図柄が2回目に仮停止されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作(以下、第2可変表示動作という)に関する制御内容を示す第2制御パターンデータと、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて2回目の再変動表示が開始されてから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて確定飾り図柄が停止表示されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作(つまり、最終可変表示動作)に関する制御内容を示す図柄変動制御パターンデータ(つまり、最終制御パターンデータ)とで構成される。
図15(A)に示す第1制御パターンデータで表される制御内容に従って制御される第1可変表示動作(以下、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作という)は、右図柄、中図柄、及び左図柄が可変表示を開始してから擬似連チャンス目を構成する組合せで飾り図柄がそれぞれ仮停止する動作である。飾り図柄の変動時間がT時間であるとすると、図15(A)に示す第1可変表示動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて飾り図柄が可変表示を開始した時刻T0を基準としたタイミングNに終了する。このタイミングNは、当該時刻T0から、時間T/2」(飾り図柄の変動時間時間Tの半分)だけ後の時刻である。但し、図15(A)に示す第1可変表示動作の終了タイミングNは、誤差を許容するため又は遊技興趣を高めるため、時刻T0+T/2に対して所定時間前後しても良い。尚、飾り図柄の変動時間時間Tは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて飾り図柄が可変表示を開始した時刻T0から、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて確定飾り図柄が導出表示される時刻までの時間をいう。また、図15(A)に示す最終制御パターンデータで表される制御内容に従って制御される最終可変表示動作は、タイミングNに実行を開始されると、時刻T0から変動時間Tだけ後の時刻(つまり、タイミングNから時間T/2だけ後の時刻)に終了する。尚、最終可変表示動作の終了タイミングは、リーチ演出による演出効果を高めるため、誤差を許容するため又は遊技興趣を高めるため、時刻T0+Tに対して所定時間前後しても良い。
ここで、図15(A)の例において、再変動タイミングがタイミングNであれば、画像表示装置5の表示領域では、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作の全てが行われた後に、最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が開始される。つまり、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動表示が開始した後に、擬似連チャンス目を構成する組合せで飾り図柄が仮停止してから、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の再変動が開始する。
図15(B)に示す第1制御パターンデータに対応する第1可変表示動作は、実際に最後まで実行された場合には、飾り図柄が可変表示を開始してからリーチ状態となった後に(つまり、図柄がテンパイした後に)画面割れ演出を行う動作であり、図15(A)に示したタイミングNよりも遅いタイミングCに終了する。これに対して、図15(B)及び図15(C)に示す最終制御パターンデータは、図15(A)に示す最終制御パターンデータと同様であるので、タイミングCよりも早いタイミングNから最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が開始されれば、時刻T0から変動時間Tだけ後の時刻(つまり、タイミングNから時間T/2だけ後の時刻)に最終可変表示動作が終了する。
ここで、図15(B)の例において、再変動タイミングがタイミングCであれば、画像表示装置5の表示領域では、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作の全てが行われた後に、最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が連続演出タイマの値で定まる途中の段階から(つまり、最終可変表示動作がタイミングNに開始されたとした場合におけるタイミングCの動作から)開始される。つまり、図15(B)の例では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動表示が開始した後に、「左」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同じ仮停止図柄で飾り図柄が仮停止してから(飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に)、画面割れ演出が実行される。その後、画面割れ演出が終了すると、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の再変動が途中から開始する。ここで、図38を参照しながら後述する本実施形態の変形例においては、最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作がタイミングNにおいて内部的に実行される。このため、画面割れ演出が終了すると、連続演出タイマの値で定まる途中の段階の動作から最終可変表示動作が開始されるのではなく、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの動作が、タイミングNにおいて既に内部的に実行されている最終可変表示動作に切り替えられる。尚、連続演出タイマの値で定まる途中段階の動作から最終可変表示動作を開始する場合と、タイミングNから内部的に実行されている最終可変表示動作に動作切替えが行われる場合とで、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの動作に相違は無い又は殆ど無い。再変動タイミングがタイミングBである場合も、再変動タイミングがタイミングCと同様であるので説明を省略する。
ここで、図15(C)の例において、再変動タイミングがタイミングAであれば、画像表示装置5の表示領域において、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作がタイミングAまで(途中まで)行われた後に、第1可変表示動作と最終可変表示動作とを繋ぐ表示動作(以下、繋表示動作という)がタイミングAからタイミングNまで行われる。その後、タイミングNから最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が最初から開始される。なお、繋表示動作は、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を変動表示させる動作であり、繋制御パターンデータで表される制御内容に従って制御される。
つまり、図15(C)の例において再変動タイミングがタイミングAであれば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動表示が開始した後に、例えば、「左」の各飾り図柄表示エリア5Lのみにて飾り図柄が仮停止図柄で仮停止してから「右」の各飾り図柄表示エリア5Rにて飾り図柄が仮停止する前のタイミングで(つまり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前のタイミングで)、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄の再変動表示が行われる(但し、「中」及び「右」の飾り図柄表示エリア5C及び5Rにて飾り図柄の可変表示は継続している)。尚、再変動タイミングがタイミングA(つまり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前のタイミング)であったとしても、画面割れ演出を実行する構成を採用できる。ここで、画面割れ演出では、画像表示装置5で画面が割れたような画像が表示された後に、(遊技者から見て)割れた画面の奥側にあたかも別の画像表示装置が存在し、かつ当該別の画像表示装置では、既にタイミングNに開始した第2可変表示動作又は最終可変表示動作が行われているような画像をも表示される。このため、この構成において実行される画面割れ演出は、タイミングAから実行を開始されると、少なくともタイミングNよりも後の時刻に終了する必要がある。つまり、割れた画面の奥側に存在する別の画像表示装置において、第2可変表示動作又は最終可変表示動作が開始しておらず、飾り図柄が停止又は仮停止しているような画像が表示されることを防止するためである。
なお、本実施形態において、再変動回数が2回の場合には、第1可変表示動作が、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにて飾り図柄の変動表示を開始させた後に、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにて擬似連チャンス目を構成する組合せの仮停止図柄を仮停止させる動作であるとすると、この第1可変表示動作は、時刻T0+T/3において終了する。この第1可変表示動作の終了時刻T0+T/3は、上記のタイミングNに相当するため、第1タイミングNと称される。なお、第1可変表示動作は、図15(B)及び(C)に示したような、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにて飾り図柄が可変表示を開始してからリーチ状態となった後に画面割れ演出を行う動作であっても良い。また、第1再変動タイミングは、上記のタイミングNに相当する第1タイミングNだけでなく、上記のタイミングA、タイミングB、及びタイミングCであっても良い。また、第2可変表示動作が、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、第1タイミングNにおいて飾り図柄を再変動させた後に、擬似連チャンス目を構成する組合せの仮停止図柄で再度仮停止させる動作であり、この第2可変表示動作は、時刻T0+2T/3において終了する。さらに、最終可変表示動作は、時刻T0+2T/3に開始すると、時刻T0+Tおいて終了する。
なお、パチンコ遊技機1が、例えば、確変状態や時短状態などの遊技状態によって演出を異ならせたり、遊技状態が同じであっても賑やかしなどのために演出を通常の演出と異ならせる場合には、パチンコ遊技機1における演出状態を表す複数種類の演出モードに対応して、互いに異なる図柄変動制御パターンが用意されてもよい。こうした複数の図柄変動制御パターンはそれぞれ、最終停止図柄となる確定飾り図柄や可変表示中に仮停止表示される仮停止図柄などを用いて行われる飾り図柄の可変表示において、飾り図柄の表示位置や大きさ、飾り図柄の変動方向や変動速度などのタイムスケジュールを規定していればよい。ここで、最終停止図柄や仮停止図柄などは、主基板11から演出制御基板12へと伝送された変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンなどに基づいて、可変表示の開始時に決定されるものであればよい。
予告演出制御パターンは、予告演出における演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成され、予告演出における演出動作の内容に応じた予告演出パターンごとに予め複数用意されたものであればよい。
当り時演出制御パターンは、特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」となった後に、大当り遊技状態に制御される期間などにおける演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成され、特図表示結果が「大当り」であるかや、大当り種別が「通常」又は「確変」であるかなどに応じて予め複数用意されたものであればよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図16に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図16に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出スイッチ31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図17のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図17に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのパチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路から出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図18は、特別図柄プロセス処理として、図17に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図19は、ステップS100にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、図2に示す第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bのうち、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの個数に対応した第1保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第1保留記憶数を特定すればよい。
ステップS202にて第1保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えば第1保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第1保留記憶数を1加算する(ステップS203)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS204)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS205)。続いて、例えばROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS206)。こうして設定された第1始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS206の処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの値(合計保留記憶数カウント値)を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS209)。そして、始動データ記憶部151Cにおける空きエントリの先頭に、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データを記憶させる(ステップS210)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS211)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1保留記憶数が上限値に達している場合(ステップS202;Yes)、あるいは、ステップS211の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS212)。このとき、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS212;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS212;Yes)、第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの個数に対応した第2保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS213)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第2保留記憶数を特定すればよい。
ステップS213にて第2保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS213;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS213;No)、例えば第2保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第2保留記憶数を1加算する(ステップS214)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS215)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS216)。続いて、例えばROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS217)。こうして設定された第2始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS217の処理を実行した後には、例えば合計保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS220)。そして、始動データ記憶部151Cにおける空きエントリの先頭に、第2始動入賞口への入賞に対応した「第2」の始動データを記憶させる(ステップS221)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS222)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第2始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図18に示すステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理や、特図プロセスフラグの値を“2”に更新する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。さらに、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理や、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する処理などが含まれている。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理や、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理や、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態に制御するための各種の設定を行う処理や、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する処理などが含まれている。
図20及び図21は、図18のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20及び図21に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値などに基づき、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(図20に示すステップS231)。このとき、合計保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;No)、始動データ記憶部151Cから始動データを読み出す(ステップS232)。このときには、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている始動データを読み出せばよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新するとともに、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した始動データが「第1」と「第2」のいずれであるかを判定する(ステップS234)。
ステップS234にて始動データが「第1」であると判定された場合には(ステップS234;第1)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS235)。このときには、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第1保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS236)。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)を「1」に設定する(ステップS237)。
ステップS234にて始動データが「第2」であると判定された場合には(ステップS234;第2)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS239)。このときには、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第2保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS240)。そして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS241)。
ステップS237、S241の処理のいずれかを実行した後には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、図7に示す特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS242)。例えば、ステップS242の処理では、ROM101における特図表示結果決定テーブル130の記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。
CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、ステップS235又はステップS239にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」や「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS243)。そして、ステップS243にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(図21のステップS244)。
ステップS244にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS244;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS246)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、ステップS235又はステップS239にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、「通常」や「確変」といった予め複数用意された大当り種別のいずれかに決定する(ステップS247)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を更新することなどにより、決定された大当り種別を記憶させる(ステップS248)。一例として、大当り種別が「通常」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
ステップS248の処理を実行した後には、大入賞口開放回数最大値(例えば「15」)を設定する(ステップS253)。尚、このステップS253の処理は、ステップS248の処理の後ではなく、後述する図23のステップS291において、大当りフラグがオンであると判別されると(ステップS291;Yes)実行されるとしても良い。
ステップS244にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS244;No)、ステップS253の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS254)。一例として、ステップS244にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS244にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS248における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「通常」とする決定結果に応じて、通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS254にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS255)、特別図柄通常処理を終了する。また、図20のステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS256)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS256におけるデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、例えばROM101における客待ちデモ指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、客待ちデモ指定コマンドの送信設定を行う。こうして設定された客待ちデモ指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図22は、図18のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確変状態や時短状態における時間短縮制御が実行中であることを示す時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS266)。
ステップS266にて時短フラグがオフであるときには(ステップS266;No)、合計保留記憶数カウント値が「3」以上であるか否かを判定する(ステップS267)。そして、合計保留記憶数が「3」未満であれば(ステップS267;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bを選択してセットする(ステップS268)。これに対して、ステップS266にて時短フラグがオンであるときや(ステップS266;Yes)、ステップS267にて合計保留記憶数カウント値が「3」以上であるときには(ステップS267;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを選択してセットする(ステップS269)。なお、ステップS266にて時短フラグがオンであるときにも、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」など)以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる決定テーブルを選択してもよい。例えば、時短フラグがオンである場合に、合計保留記憶数が「0」であればステップS268に進んでハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bを選択してセットする一方、合計保留記憶数が「1」以上であればステップS269に進んでハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを選択してセットしてもよい。
ステップS262、S268、S269の処理のいずれかを実行した後には、例えば特図変動用乱数値バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、ステップS262、S268、S269のいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS270)。変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データは、ステップS270の処理が実行されるときに乱数回路503や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が検出されたときに抽出されたものを、乱数値MR1〜MR2とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS270の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS270にて変動パターン種別を決定した後には、特図表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、ハズレ変動パターン決定テーブル133Aと大当り変動パターン決定テーブル133Bのいずれかを選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS271)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS271にてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS272)。
このステップS272の処理により、再変動の有無、再変動回数、飾り図柄の可変表示状態を所定のリーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間が決定される。
なお、本実施形態においては、CPU103は、ハズレ変動パターン決定テーブル133Aと大当り変動パターン決定テーブル133Bとの内で選択された1つのテーブルと、変動パターン決定用の乱数値MR4とを用いて、再変動回数、リーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間を決定するとして説明した。しかし、これに限定されるのではなく、CPU103は、リーチ状態とするか否かと、飾り図柄の変動時間とを決定するために用いられる変動パターン決定テーブルと、再変動回数の決定に用いられる再変動回数決定テーブルとの2つのテーブルを用いて、再変動回数、リーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間を決定する構成を採用できる。この構成では、ROM101には、変動パターン決定テーブルと再変動回数決定テーブルとが記憶され、主基板11の側において、変動パターン決定用の乱数値MR4だけでなく、再変動回数決定用の乱数値MR5を示す数値データが、カウント可能に制御される。さらにこの構成では、CPU103は、変動パターン決定テーブルと、乱数値MR4とを用いて、リーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間を決定し、再変動回数決定テーブルと、乱数値MR5とを用いて再変動回数を決定する。
なお、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS272の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が検出されたときに抽出されたものを、乱数値MR1、MR2とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS272の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS272の処理では、ステップS270における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS272にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS273)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS274)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS274の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS275)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS275での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS276)、変動パターン設定処理を終了する。
図23は、図18のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。これにより、特別図柄停止処理が終了してから図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されたときに、主基板11から演出制御基板12に対して、大当り種別に応じた当り開始指定コマンドが送信される。ステップS293での設定を行った後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS295)。例えば、ステップS295の処理において、CPU103は、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短状態における特図ゲームの残存回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などを実行すればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS296)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;No)、時短フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304A)。このとき、時短フラグがオンであれば(ステップS304A;Yes)、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304B)。このとき、確変フラグがオフであれば(ステップS304B;No)、遊技制御タイマ設定部153に設けられた時短回数カウンタにおける格納値(時短回数カウント値)を1減算して更新した後(ステップS305)、更新後の時短回数カウント値が“0”であるか否かを判定する(ステップS306)。時短回数カウント値が“0”であれば(ステップS306;Yes)、時短フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS307)。
ステップS304Aにて時短フラグがオフである場合や(ステップS304A;No)、ステップS304Bにて確変フラグがオンである場合(ステップS304B;Yes)、時短回数カウント値が“0”以外である場合(ステップS306;No)、又はステップS307の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS308)。
図24は、図18のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図18に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出すことなどにより、大当り種別を特定する(ステップS312)。続いて、ステップS312にて特定した大当り種別が「確変」であるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、大当り種別が「確変」であれば(ステップS313;Yes)、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS314)。これに対して、CPU103は、大当り種別が「確変」でないと判別すると(ステップS313;Yes)、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する(ステップS315)。ステップS314又はステップS315を実行した後に、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットする(ステップS316)。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS317)、大当り終了処理を終了する。なお、図24の大当り終了処理において、大当り種別が「確変」であるときにも(ステップS313;Yes)、時短回数カウンタを予め定められたカウント初期値にセットし(ステップS315)、図23の特別図柄停止処理において、大当りフラグがオフ状態であると判別されると(ステップS291)、確変フラグがオン状態であると判別されるか否かに関わらず(ステップS304B;Yes及びNo)、時短回数カウント値を値1だけデクリメントした後に(ステップS305)、ステップS306の処理を実行してもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる演出用乱数のうち、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行した後に(ステップS406)、ステップS402から上記処理を繰り返す。ステップS406の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図26は、コマンド解析処理として、図25のステップS405にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。例えば演出制御基板12の側で受信した演出制御コマンドは演出制御コマンド受信用バッファに格納されており、演出制御用CPU120は、この演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを読み出して内容を確認することにより、受信した演出制御コマンドを特定できればよい。
ステップS501にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されたときには(ステップS501;Yes)、第1始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS502)。例えば、ステップS502の処理において、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS501にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS501;No)、第2始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS503)。このとき、第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されれば(ステップS503;Yes)、第2始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS504)。例えば、ステップS504の処理において、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。演出制御用CPU120は、ステップS502、S504の処理のいずれかを実行した後に、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS503にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS503;No)、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS515)。このとき、演出制御用CPU120は、変動開始コマンドを受信したと判定すれば(ステップS515;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた変動開始コマンド受信フラグをオン状態にセットした後に(ステップS516)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS515にて変動開始コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS515;No)、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS519)。このとき、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したと判定すると(ステップS519;Yes)、変動パターン指定コマンドからEXTデータを抽出した後に、抽出されたEXTデータを変動パターン変数に保存した後に(ステップS520)、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS515にて変動パターン指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS519;No)、主基板11から中継基板15を介して受信した他のコマンドに応じた設定を行ってから(ステップS521)、コマンド解析処理を終了する。
図27は、図25のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S165の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板11から伝送される変動開始コマンドとして、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したか否かに応じて、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の可変表示を、開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされたことに対応して、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、変動パターンや可変表示結果などに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄や、仮停止図柄、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする場合にはリーチ状態、飾り図柄の再変動表示を行う場合には再変動タイミング等を決定する処理などが含まれている。また、飾り図柄変動設定処理では、これらの決定結果に基づいて、例えば図柄変動制御パターンといった、各種の演出制御パターンが設定される。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)に対応して、図柄変動制御パターンなどから各種の制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後、例えば図柄変動制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。図柄変動制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、その当り開始指定コマンドから特定される特図表示結果が「大当り」であるときに、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、可変表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した当り時演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS165のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態が終了することなどに対応した当り時演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図28は、図27のステップS161にて実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。この図28に示す飾り図柄変動設定処理には、(a)実施例1,(b)実施例2,(c)実施例3が含まれるが、ここでは(a)実施例1について説明する。
図28(a)に示す飾り図柄変動設定処理(実施例1)において、演出制御用CPU120は、まず、最終停止図柄決定処理を実行する(ステップS551)。図29は、ステップS551にて実行される最終停止図柄決定処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す最終停止図柄決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS751)。このとき、特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(ステップS751;Yes)、例えば変動パターン変数に保存されたEXTデータ(つまり、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータ)を読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS752)。
ステップS752にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS752;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定してから(ステップS753)、最終停止図柄決定処理を終了する。一例として、ステップS753の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS752にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS752;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定してから(ステップS754)、最終停止図柄決定処理を終了する。一例として、ステップS754の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS751にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS751;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS759)。一例として、ステップS759の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
図28(a)のステップS551にて以上のような最終停止図柄決定処理を実行した後には、繰返演出設定処理を実行する(ステップS552)。図30は、ステップS552にて実行される繰返演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す繰返演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、図26のステップS520で値を設定された変動パターン変数の値(つまり、変動パターン指定コマンドのEXTデータ)に対応付けられた変動パターンを表す情報をROM121から検索した後に、検索された情報で表される変動パターンの再変動回数を特定する(ステップS760)。次に、演出制御用CPU120は、再変動回数が’0’より大きいか否か(つまり、擬似連変動を行うことで、例えば、繰返演出を実行するか否か)を判別する(ステップS761)。このとき、演出制御用CPU120は、再変動回数が’0’より多いと判別すると(ステップS761;Yes)、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される再変動タイミング決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS762)。次に、演出制御用CPU120は、抽出された乱数値SR1を示す数値データと、変動パターン変数に基づいて特定された変動パターンとに基づき、図13の再変動タイミング決定テーブル145Aを参照することにより、1回目の再変動タイミング(つまり、第1再変動タイミング)を決定する(ステップS763)。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS763で決定された第1再変動タイミングは、図14に示すようなタイミングAであるか否かを判別する(ステップS764)。このとき、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングAであると判別すると(ステップS764;Yes)、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにおける1回目の仮停止において表示される仮停止図柄(以下、第1左仮停止図柄という)を決定する(ステップS765)。一例として、ステップS765の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左仮停止図柄を決定する。
ステップS764において、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングAでないと判別すると(ステップS764;No)、ステップS763で決定された第1再変動タイミングは、図14に示すようなタイミングNであるか否かを判別する(ステップS766)。このとき、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングNであると判別すると(ステップS766;Yes)、擬似連チャンス目のいずれかを構成する、1回目の仮停止において表示される仮停止図柄を決定する(ステップS767)。一例として、ステップS767の処理では、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される擬似連チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の擬似連チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、仮停止表示されて擬似連チャンス目のいずれかを構成する仮停止図柄を決定すればよい。その後、演出制御用CPU120は、ステップS767で決定された擬似連チャンス目を、「左」、「中」、及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rにおける第1仮停止図柄とする(ステップS768)。
ステップS766において、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングNでないと判別すると(ステップS766;No)、ステップS763で決定された第1再変動タイミングは、図14に示すようなタイミングB又はタイミングCであると判別する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS765と同様に、第1左仮停止図柄を決定する(ステップS769)。その後、演出制御用CPU120は、決定された第1左仮停止図柄と同じ図柄に、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにおける1回目の仮停止において表示される仮停止図柄(以下、第1右仮停止図柄という)を決定することで、リーチ状態を決定する(ステップS770)。
ここで、演出制御用CPU120は、ステップS765又はステップS769で決定される第1左仮停止図柄の図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」であるか否かを判別し、図柄番号が奇数であると判別すると、最終停止図柄が非確変図柄であるか否かを判別する。このとき、演出制御用CPU120は、非確変図柄であると判別すると、例えば、第1左仮停止図柄の図柄番号に値「1」を加算することで、図柄番号を偶数「2」、「4」、「6」、「8」に変更しても良い。この構成によれば、第1右仮停止図柄の図柄番号を偶数に変更するため、第1左仮停止図柄のみが確変図柄で仮停止すること、又は第1左仮停止図柄と第1右仮停止図柄とが確変図柄で仮停止することによりリーチ状態となることがない。このため、遊技者の確変状態に対する期待感を向上させた後に、非確変図柄が最終停止されること、遊技者を落胆させてしまうこと(つまり、なり下がり)を防止できる。
ステップS765、ステップS768、又はステップS770を実行した後に、演出制御用CPU120は、ステップS760で特定された再変動回数が2回であるか否かを判別する(ステップS771)。このとき、演出制御用CPU120は、再変動回数が2回であると判別すると(ステップS771;Yes)、2回目の再変動タイミング(以下、第2再変動タイミングという)をタイミングNに決定する(ステップS772)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS767と同様の処理により、疑似連チャンス目を決定する(ステップS773)。その後、演出制御用CPU120は、決定された疑似連チャンス目を第2仮停止図柄とする(ステップS774)。
ステップS761において、再変動回数が’0’であると判別した場合(ステップS761;No)、ステップS771において、再変動回数が2回でない(つまり、1回である)と判別した場合、又はステップS774を実行した後に、演出制御用CPU120は、変動中フラグをオフ状態として初期化した後に(ステップS775)、繋表示中フラグをオフ状態として初期化した後に(ステップS776)、繰返演出設定処理の実行を終了する。なお、変動中フラグは、飾り図柄の変動表示が開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、飾り図柄の変動表示が終了されることに対応してオフ状態にセットされる。また、繋表示中フラグは、繋表示動作の実行が開始されることに対応してオン状態にセットされ、繋表示動作が終了することに対応してオフ状態にセットされる。
尚、繋表示動作は、第1可変表示動作と第2可変表示動作又は最終可変表示動作とを繋ぐ表示動作をいう。本実施形態において、繋表示動作は、第1可変表示動作の終了後から、第2可変表示動作又は最終可変表示動作の開始(勿論、連続演出タイマの値で定まる途中段階からの開始を含む)までの間に実行される。これに対して後述するような、第2可変表示動作又は最終可変表示動作が内部的に実行開始される実施形態において、繋表示動作は、第1可変表示動作の終了後から、内部的に実行が開始されている第2可変表示動作又は最終可変表示動作への表示切換までの間に実行される。この繋表示動作は、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみにおいて仮停止図柄を表示させ、「中」及び「右」の飾り図柄表示エリア5C及び5Rの双方において飾り図柄を可変表示させる当初状態から、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみにおいて飾り図柄の再変動を開始させる(つまり、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみ低速で可変表示が開始され、「中」及び「右」の飾り図柄表示エリア5C及び5Rにおいて高速で可変表示が開始されている)初期段階と、「左」、「中」、及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rの全て高速な可変表示を行わせる後期期段階と、に段階分可能である。
本実施形態において、演出制御用CPU120は、ステップS763において、第1再変動タイミングのみを複数のタイミング(つまり、タイミングA、タイミングN、タイミングB、及びタイミングC)から決定し、第2再変動タイミングは、ステップS772において常にタイミングNに決定されるとして説明した。
しかし、これに限定される訳ではなく、例えば、演出制御用CPU120は、ステップS763において、第1再変動タイミング及び第2再変動タイミングの双方を、複数のタイミングから一括して決定する(つまり、第1再変動タイミングと第2再変動タイミングとを同じタイミングに決定する)としても良い。
また、これに限定される訳ではなく、例えば、演出制御用CPU120は、ステップS763において第1再変動タイミングを複数のタイミングから決定した後に、図13の再変動タイミング決定テーブル145Aを用いたステップS763の処理と同等の処理を実行することで第2再変動タイミングを、第1再変動タイミングとは別個に決定しても良い。
また、本実施形態において、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングを決定した後に第1仮停止図柄を決定するとして説明したが、これに限定されるのではなく、例えば、第1仮停止図柄を決定した後に第1再変動タイミングを決定する構成を採用できる。この構成では、ROM101には、図31に示すような、擬似連ガセであるか否かと乱数値SR1とに基づいて、第1再変動タイミングを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される再変動タイミング決定テーブル145Bが記憶されている。
ここで、変動パターンが非リーチハズレ変動パターンである(つまり、完全停止時に飾り図柄がリーチ状態とならずにハズレ組合せの最終停止図柄が導出表示される)場合に、擬似連ガセとなる。これに対して、変動パターンがリーチハズレ変動パターン若しくは当り変動パターンである(つまり、完全停止時に飾り図柄がリーチ状態となった後にハズレ組合せの最終停止図柄が導出表示される、又は大当り組合せの最終停止図柄が導出表示される)場合には、擬似連ガセとならない(以下、非擬似連ガセという)。
再変動タイミング決定テーブル145Bは、擬似連ガセに対して、タイミングA(つまり、仮停止時において飾り図柄がリーチ状態となる前のタイミング)にのみ第1再変動タイミングを決定するための決定値が割り当てられている。これに対して、非擬似連ガセに対して、タイミングA、タイミングN、タイミングB、タイミングCのいずれにも第1再変動タイミングを決定するための決定値が割り当てられている。この構成によれば、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合には、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングに再変動タイミングが決定されないため、可変表示状態がリーチ状態となることで特定遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させた後に、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることで遊技者を落胆させることを防止できる。
尚、再変動タイミング決定テーブル145Bは、ハズレ変動パターンに対して、タイミングCよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングAの方が多くの決定値が割り当てられている。これに対して、再変動タイミング決定テーブル145Bは、当り変動パターンに対して、タイミングAよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングCの方が多くの決定値が割り当てられている。これらの構成によれば、遅いタイミングで再変動表示が開始される程、大当り遊技状態に対する遊技者の期待感をより向上させることができる。
第1仮停止図柄が決定された後に第1再変動タイミングが決定される構成において、演出制御用CPU120は、図32に示すような繰返演出設定処理を実行する。演出制御用CPU120は、図30のステップS761を実行した後に、第1仮停止図柄を決定する(ステップS762A)。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左仮停止飾り図柄を決定する。次に、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右仮停止飾り図柄を決定する。さらに、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中仮停止飾り図柄を決定する。
ステップS762Aにおいて第1仮停止図柄が決定された後に、演出制御用CPU120は、決定された第1仮停止図柄の右仮停止図柄と左仮停止図柄とが同じ図柄であるか否かと、変動パターンが非リーチハズレ変動パターンであるか否かと、に基づいて、擬似連ガセか否かを判別する(ステップS762B)。その後、演出制御用CPU120は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される再変動タイミング決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS762C)。次に、演出制御用CPU120は、抽出された乱数値SR1を示す数値データと、擬似連ガセか否かと、に基づき、図31の再変動タイミング決定テーブル145Bを参照することで、第1再変動タイミングを決定する(ステップS763B)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS771の処理から図30に示す処理の実行を継続する。以上で第1仮停止図柄が決定された後に第1再変動タイミングが決定される構成の説明を終了する。
図28(a)のステップS552にて以上のような繰返演出設定処理を実行した後には、予告演出設定処理を実行する(ステップS553)。図33(a)は、ステップS553にて実行される予告演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図33(a)に示す予告演出設定処理において、演出制御用CPU120は、前記ステップS760で特定した再変動回数に基づいて、前記ステップS761と同様の手法で、該再変動回数が’0’より大きいか否か(つまり、擬似連変動を行うことで、例えば、繰返演出を実行するか否か)を判別する(ステップS801)。
次に演出制御用CPU120は、ステップS801で再変動回数が’0’より多くない(即ち0回)と判別すると(NO)、変動パターンがリーチハズレ変動パターン又は当り変動パターンならば、所定確率でリーチ予告(リーチ演出の実行を確定する予告)を設定する(ステップS802)。例えば変動パターンがスーパーリーチならば、ノーマルリーチよりも高確率で、リーチ予告を設定する。ここでスーパーリーチならば、必ずリーチ予告を設定してもよく、またリーチ予告を設定しない場合があってもよい。なお変動パターンが非リーチハズレ変動パターンならば、ステップS802の処理は行わずに、ステップS803に進む。
次に演出制御用CPU120は、所定確率で激熱予告(大当りに制御される信頼度が高い予告)又はチョイ熱予告(大当りに制御される信頼度が低い予告)を設定して(ステップS803)、予告演出設定処理を終了する。例えばスーパーリーチで大当りならば、スーパーリーチでハズレよりも高確率で、激熱予告を設定し、ノーマルリーチで大当りならば、ノーマルリーチでハズレよりも高確率で、チョイ熱予告設定し、非リーチでは激熱予告及びチョイ熱予告を設定しない。なおスーパーリーチや非リーチでチョイ熱予告を設定してもよい。
また演出制御用CPU120は、前記ステップS801で再変動回数が’0’より多いと判別すると(YES)、前記繰返演出設定処理のステップS763で決定された第1再変動タイミングがタイミングA又はタイミングNであるか否かを判定する(ステップS804)。このステップS804で第1再変動タイミングがタイミングA又はタイミングNである(YES)と判定すると、所定確率(例えば1/2の確率)で擬似連予告(擬似連の実行を確定する予告)を設定して(ステップS805)、前記ステップS803に進む。
また演出制御用CPU120は、前記ステップS804で第1再変動タイミングがタイミングA又はタイミングNでない(NO)、即ち第1再変動タイミングがタイミングB又はタイミングCであると判定すると、変動パターンがリーチハズレ変動パターン又は当り変動パターンならば、前記ステップS802と同様の手法で、所定確率で前記リーチ予告を設定し(ステップS806)、所定確率で前記チョイ熱予告を設定して(ステップS807)、予告演出設定処理を終了する。
以上に説明した、図30の繰返演出設定処理及び図32の予告演出設定処理においては、図34に示す再変動タイミング及び予告態様設定テーブルにより設定されている所定の関係性に基づいて、再変動タイミング及び予告態様が決定されている。ここで再変動タイミング及び予告態様設定テーブルは、演出制御基板12のROM121で記憶されており、所定の関係性が設定されているのは、再変動タイミングと予告態様とが整合しないような決定をすることを制限し、再変動タイミングと予告態様とに関係性を持たせることで、該関係性が遊技者に分かり易くなり、遊技の興趣を向上できるようにするためである。この図34には、(a)実施例1,(a’)変形例1,(b)実施例2,及び(b’)変形例2が含まれるが、ここでは(a)実施例1について説明する。
まず再変動タイミングとしてリーチ前のタイミングA又はタイミングNが決定される場合には、予告態様として、擬似連予告,激熱予告,及びチョイ熱予告は決定可能であるが、リーチ予告は決定不能である(即ち決定が制限される)ように設定されている。ここでリーチ予告の決定を制限するのは、リーチ予告をしたのに、リーチが発生する前に擬似連が行われると、遊技者が違和感を抱くからである。これによれば、予告態様と再変動タイミングとの関係性が遊技者に分かり易くなり、遊技の興趣を向上できる。
また再変動タイミングとしてリーチ後のタイミングB又はタイミングCが決定される場合には、予告態様として、リーチ予告,及びチョイ熱予告は決定可能であるが、擬似連予告,及び激熱予告は決定不能である(即ち決定が制限される)ように設定されている。ここで擬似連予告の決定を制限するのは、擬似連予告をしたのに、擬似連が行われる前にリーチが発生すると、遊技者が違和感を抱くからである。これによれば、予告態様と再変動タイミングとの関係性が遊技者に分かり易くなり、遊技の興趣を向上できる。また再変動タイミングとしてリーチ後のタイミングB又はタイミングCが決定される場合には、激熱予告の決定を制限することにより、この場合の信頼度予告はチョイ熱予告又は予告無しとなり、これらチョイ熱予告又は予告無しの後にリーチになることで、大当り発生の期待が持てなくても、その後に擬似連が実行されることで、大当りの期待をより持たせることができる。
なお本例では、図34(a)の決定パターンXに示すように、演出制御用CPU120が繰返演出設定処理を行って再変動タイミングを決定すると共に、同じく演出制御用CPU120が予告演出設定処理を行って予告態様を決定する例(図28(a)を参照)について説明したが、これに限らず、決定パターンYに示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が再変動タイミングを決定し、該決定に基づいて演出制御用CPU120が予告態様を決定するものであってもよく、また決定パターンZに示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が再変動タイミングを決定し、該決定に基づいて同じく遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が予告態様を決定するものであってもよい。
図28のステップS553の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS556)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS557)。このときには、例えば図26のステップ520で設定された変動パターン変数の値に対応した変動パターンに対応した図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS558)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
図35は、図27のステップS162にて実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから(ステップS541)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を、例えば演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS542)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS542;No)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS542にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS542;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種制御データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS543)。ここで、ステップS542の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の制御データを、ステップS543の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS543にて読み出された制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS544)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS544;No)、ステップS543にて読み出された制御データに応じた指令や設定を行うための演出制御指令処理を実行してから(ステップS545)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS544にて終了コードであると判定された場合には(ステップS544;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、当り開始指定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS546)。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS547)、飾り図柄変動中処理を終了する。なお、主基板11から演出制御基板12に対して飾り図柄停止コマンドが送信される場合には、ステップS544にて終了コードであると判定されたときに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて例えば飾り図柄の揺れ変動表示を行うように仮停止表示させ、図27に示すステップS163の飾り図柄変動終了時処理にて飾り図柄停止コマンドを受信したことに応答して、飾り図柄を完全停止させればよい。
図36〜図38は、図35のステップS545にて実行される演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、演出制御用CPU120は、まず、図30のステップS760で特定された再変動回数が0回であるか(つまり、「擬似連」の可変表示演出を実行しないか)否かを判別する(ステップS561)。このとき、演出制御用CPU120は、再変動回数が0回である(つまり、擬似連なし)と判別すると(ステップS561;Yes)、変動中フラグがオン状態であるか否かを判別する(ステップS562)。このとき、演出制御用CPU120は、変動中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS562;No)、飾り図柄の変動表示を開始させて(ステップS563)。変動中フラグをオン状態とする(ステップS564)。
次に演出制御用CPU120は、ステップS553の予告演出設定処理(図33(a))で設定された予告演出(擬似連予告,リーチ予告,激熱予告,チョイ熱予告)が有るか否かを判別し(ステップS564a)、設定された予告演出が無ければ(NO)、演出制御指令処理の実行を終了し、設定された予告演出が有れば(YES)、該設定された予告演出を開始し(ステップS564b)、該予告演出の終了タイミングになると(ステップS564cでYES)、該予告演出を終了すると共に該予告演出の設定を解除して(ステップS564d)、演出制御指令処理の実行を終了する。
また演出制御用CPU120は、ステップS562において、変動中フラグがオン状態であると判別すると(ステップS562;Yes)、変動表示の終了タイミングであるか否かを判別する(ステップS565)。このとき、演出制御用CPU120は、変動表示の終了タイミングでないと判別すると(ステップS565;No)、演出制御指令処理の実行を終了する。これに対して、演出制御用CPU120は、変動表示の終了タイミングであると判別すると(ステップS565;Yes)、飾り図柄の変動表示を、図29のステップS754又はステップS759で決定された最終停止図柄で完全停止させる(ステップS566)。その後、演出制御用CPU120は、変動中フラグをオフ状態としてから(ステップS567)、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS561において、演出制御用CPU120は、再変動回数が0回より多い(つまり、擬似連あり)と判別すると(ステップS561;No)、変動中フラグがオン状態であるか否かを判別する(ステップS568)。このとき、演出制御用CPU120は、変動中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS568;No)、図30のステップS763で決定された第1再変動タイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第1再変動タイミング値という)、第1タイミングNを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第1タイミングN値という)、変動表示を終了するタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値などを設定する。また、再変動回数が2回の場合には、演出制御用CPU120は、図30のステップS772で決定された第2再変動タイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第2再変動タイミング値という)及び第2タイミングN(つまり、第2再変動タイミング)を判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第2再変動タイミング値という)をさらに設定する。さらに、第1可変表示動作が擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄で飾り図柄を仮停止させる動作を含む場合には、演出制御用CPU120は、擬似連チャンス目を表示するタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、チャンス目表示タイミング値という)をさらに設定する。また、第1可変表示動作が飾り図柄の可変表示態様をリーチ状態とした後に画面割れ演出を行う動作を含む場合には、飾り図柄をリーチ状態とするタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、リーチ状態タイミング値という)と、画面割れ演出を行うタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、画面割れ演出実行タイミング値という)とをさらに設定する(ステップS569)。その後、演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示を開始させて(ステップS570)、変動中フラグをオン状態とし(ステップS572)、前記ステップS564a〜ステップS564dと同様の処理を行ってから(ステップS572a〜ステップS572d)、演出制御指令処理の実行を終了する。
演出制御用CPU120は、前記ステップS568において、変動中フラグがオン状態であると判別した場合には(ステップS568;Yes)、図37に進んで、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値であるか否かを判別する(ステップS573)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値であると判別すると(ステップS573;Yes)、繋表示中フラグがオン状態であるか否かを判別する(ステップS574)。
ステップS574において、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグがオン状態であると判別すると(ステップS574;Yes)、例えば、図15(C)に示すように、繋制御パターンに従った繋表示動作を終了させる。次に、演出制御用CPU120は、再変動回数が1回の場合には、最終制御パターンに従って最終可変表示動作を開始させることで飾り図柄の擬似連変動を開始し、再変動回数が2回の場合には、第2制御パターンに従って第2可変表示動作を開始させることで擬似連変動を開始させる(ステップS575)。その後、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグをオフ状態とする(ステップS576)。
ここで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値であると判別した後に(図37のステップS573;Yes)、繋表示中フラグがオン状態であると判別すると(ステップS574;Yes)、例えば、図15(C)に示すように、繋表示動作を終了させるとともに、最終可変表示動作又は第2可変表示動作を開始させる(ステップS575)として説明した。
ここで、第1可変表示動作、第2可変表示動作、最終可変表示動作、及び繋表示動作のいずれにおいても、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにそれぞれ表示される飾り図柄の変動速度は、動作の初期段階(つまり、飾り図柄が変動を開始してから所定時間経過するまでの間)において低速であり、初期段階の後の後期段階において高速である。このため、タイミングNにおいて繋表示動作が後期段階にある場合には、繋表示動作を終了させるとともに、最終可変表示動作又は第2可変表示動作を初期段階から開始させると、繋表示動作における飾り図柄の変動速度と、最終可変表示動作又は第2可変表示動作における飾り図柄の変動速度との相違により、繋表示動作の終了及び最終可変表示動作又は第2可変表示動作の開始を遊技者が認識できてしまう。
よって、ステップS575において、演出制御用CPU120は、タイミングNから所定時間だけ繋表示動作を継続させた後に、後述するステップS580Aに類似した処理を実行することで、タイミングNから所定時間後のタイミングに対応した繋制御パターンデータの制御内容に従って、最終可変表示動作又は第2可変表示動作を後期段階から開始させる。
ステップS574において、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS574;No)、仮にタイミングNから連続演出を実行した場合における、連続演出の実行時間を計時する連続演出タイマをスタートさせる(ステップS577A)。なお、連続演出タイマのタイマ値は、図35のステップS541において、演出制御プロセスタイマとともに更新されても良い。
ステップS573において、演出制御用CPU120が、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値でないと判別した場合(ステップS573;No)、ステップS576を実行した後、又はステップS577Aを実行した後に、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値であるか否かを判別する(ステップS578)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値であると判別すると(ステップS578;Yes)、連続演出タイマがステップS577Aでスタートさせられているか(計時中であるか)否かを判別する(ステップS579A)。
ここで、第1再変動タイミングがタイミングAに決定された場合には、ステップS574の判別において条件式が真(つまり、繋表示中フラグはオン状態)であると判別され(ステップS574;Yes参照)、ステップS579Aの判別において条件式が偽(つまり、連続演出タイマが計時中でない)であると判別される(ステップS579A;No参照)。以下、この理由を説明する。
ステップS574の処理に用いられる繋表示中フラグはオフ状態に初期化される(図30のステップS776参照)。その後、変動表示が開始され(図37のステップS570参照)、タイミングNよりも第1再変動タイミングに決定されたタイミングAの方が先に到来する(ステップS578;Yes参照)。ここで、ステップS579の処理に用いられる連続演出タイマは、仮にタイミングNから連続演出を実行した場合における連続演出の実行時間を計時するタイマである。このため、連続演出タイマは、タイミングAの時点においては計時を行っていない(ステップS579A;No参照)。またこのとき、図15(C)に示すように、第1可変表示動作が終了される。さらに、第2可変表示動作又は最終可変表示動作が開始されるのは現在のタイミングAよりも後のタイミングNであるから、タイミングAからタイミングNまで、これらの動作を繋ぐ繋表示動作が実行され、繋表示中フラグがオン状態に更新される(ステップS581参照)。その後、タイミングNの到来により(ステップS573;Yes参照)、ステップS574の処理で繋表示中フラグがオン状態であると判別され(ステップS574;Yes参照)、繋表示動作が終了された後に、「擬似連」の可変表示演出が開始される(ステップS575参照)。
これに対して、第1再変動タイミングがタイミングN、B、及びCのいずれかに決定された場合には、ステップS574の判別において条件式が偽(つまり、繋表示中フラグはオフ状態)であると判別される(ステップS574;No参照)。以下、第1再変動タイミングがタイミングNに決定された場合を例に挙げて、この理由を説明する。
ステップS574の処理に用いられる繋表示中フラグはオフ状態に初期化された後に(ステップS776参照)、変動表示が開始されてから(ステップS570参照)、タイミングAが到来する。その後、タイミングNが到来し(ステップS573;Yes参照)、初期化状態のままの繋表示中フラグがオフ状態であると判別される(ステップS574;No参照)。このため、繋表示動作に関する処理は実行されない。ここで、連続演出タイマは、仮にタイミングNから連続演出を実行した場合における連続演出の実行時間を計時するタイマであるから、タイミングNの到来によりスタートさせられる(ステップS577A参照)。次に、タイミングNは、第1再変動タイミングであると判別された後に(ステップS578;Yes参照)、連続演出タイマが計測中であると判別され(ステップS579;Yes参照)、連続演出タイマの値で定まる段階の演出から連続演出を開始する(ステップS580A参照)。
ここで図37に戻り、演出制御指令処理の説明を再開する。ステップS579Aにおいて、連続演出タイマが計時中であると判別すると(ステップS579A;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、図15(B)に示すように、連続演出の最初から連続演出タイマのタイマ値だけ後の演出(つまり、連続演出タイマのタイマ値で定められる最終制御パターンデータ又は第2制御パターンデータの制御内容に従った動作)から連続演出を開始する(ステップS580A)。具体的には、演出制御用CPU120は、再変動回数が1回の場合には、最終制御パターンの先頭アドレスに対して連続演出タイマのタイマ値で定まる値だけシフトしたアドレスを算出し、算出されたアドレスから最終制御パターンの制御内容を順次読み出す。その後、演出制御用CPU120は、読み出された制御内容に従って、最終表示動作の最初の動作からタイマ値で表される時間だけ後の表示動作を順次実行させる。同様に、再変動回数が2回の場合には、演出制御用CPU120は、第2制御パターンの先頭アドレスに対して連続演出タイマのタイマ値で定まる値だけシフトしたアドレスを算出し、算出されたアドレスから第2制御パターンを順次読み出す。その後、演出制御用CPU120は、読み出されたパターンに従って、第2表示動作の最初の動作からタイマ値で表される時間だけ後の動作を順次実行させる。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
なお、ステップS580Aにおいて、第1再変動タイミングがタイミングNである場合には、連続演出タイマのタイマ値が値’0’であるため、演出制御用CPU120は、最初の動作から最終表示動作又は第2表示動作を開始させることで、最初から連続演出を開始させる。
ステップS579Aにおいて、連続演出タイマが計時中でないと判別すると(ステップS579A;No)、演出制御用CPU120は、図15(C)に示すように、第1可変表示動作を終了させた後に、繋制御パターンに従って繋表示動作を開始させることで繋演出を実行させる(ステップS581)。その後、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグをオン状態にセットした後に(ステップS582)、演出制御指令処理の実行を終了する。
演出制御用CPU120は、ステップS578において、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値でないと判別すると(ステップS578;No)、図38に進み、演出制御プロセスタイマ値が、リーチ状態タイミング値であるか否かを判別する(ステップS583)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がリーチ状態タイミング値であると判別すると(ステップS583;Yes)、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにおいて図30のステップS769で決定された第1左仮停止図柄で飾り図柄を仮停止させた後に、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにおいて図30のステップS770で決定された第1右仮停止図柄で飾り図柄を仮停止させることでリーチ状態とする(ステップS584)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS583において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がリーチ状態タイミング値でないと判別すると(ステップS583;No)、演出制御プロセスタイマ値が画面割れ演出実行タイミング値であるか否かを判別する(ステップS585)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が画面割れ演出実行タイミング値であると判別すると(ステップS585;Yes)、第1制御パターンに従って画面割れ演出の実行を開始する(ステップS586)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS585において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が画面割れ演出実行タイミング値でないと判別すると(ステップS585;No)、タイマ値がチャンス目表示タイミング値であるか否かを判別する(ステップS587)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がチャンス目表示タイミング値であると判別すると(ステップS587;Yes)、第1制御パターンに従って、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄を、図30のステップS768で決定された擬似連チャンス目で仮停止させる(ステップS588)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS587において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がチャンス目表示タイミング値でないと判別すると(ステップS587;No)、演出制御プロセスタイマ値が第2再変動タイミング値であるか否かを判別する(ステップS589)。尚、再変動回数が2回でない場合には、この判別結果は常に偽になる。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第2再変動タイミング値であると判別すると(ステップS589;Yes)、最終制御パターンに従って最終表示動作の実行を開始させることで、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の2回目の再変動を開始する(ステップS590)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS589において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第2再変動タイミング値でないと判別すると(ステップS589;No)、リーチ演出の開始タイミングであるか否かを判別する(ステップS591)。リーチ演出の開始タイミングは、リーチ変動パターンに対応した最終制御パターンに設定されており、演出制御用CPU120は、これらの最終制御パターンに従って最終可変表示動作を実行することで、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方において同じ最終停止図柄を完全停止させることでリーチ状態とし、リーチ演出が実行される(ステップS592)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理を終了する。
このステップS591で実行されるリーチ演出は再変動タイミングに応じて異なり、具体的には、図13の再変動タイミング決定テーブル145Aに示すように、再変動タイミングが遅いほどスーパーリーチになる割合が高くなっている。これによれば、擬似連における再変動タイミングに応じてリーチ演出が決定されるので、該タイミングに注目を持たせることができて、遊技の興趣を向上できる。なおタイミングBの場合には大当りの信頼度が低いスーパーリーチとなり、タイミングCの場合には大当りの信頼度が高いスーパーリーチとなるようにしても良い。
ステップS591において、演出制御用CPU120は、リーチ演出の開始タイミングでないと判別すると(ステップS591;No)、リーチ演出の終了タイミングであるか否かを判別する(ステップS593)。リーチ演出の終了タイミングは、最終制御パターンに設定されており、演出制御用CPU120は、最終制御パターンに従って最終可変表示動作を実行することで、リーチ演出を終了させる(ステップS594)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理を終了する。
ステップS593において、演出制御用CPU120は、リーチ演出の開始タイミングでないと判別すると(ステップS593;No)、演出制御プロセスタイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値であるか否かを判別する(ステップS595)。このとき、演出制御用CPU120は、タイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値でないと判別すると(ステップS595;No)、演出制御指令処理の実行を終了する。これに対して、演出制御用CPU120は、タイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値であると判別すると(ステップS595;Yes)、ステップS566及びステップS567に相当する処理を順に実行した後に(ステップS596及びステップS597)、演出制御指令処理の実行を終了する。
尚、ステップS565又はステップS595の判定処理で、それぞれの判定条件のいずれも成立しないと判別された場合(ステップS565;No又はステップS595;No)であっても、ステップS543で読み出された各種制御データに応じた画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作などが実行されている。
本実施形態において、再変動タイミングがタイミングB又はタイミングCである場合には、演出制御用CPU120は、ステップS580Aにおいて、再変動タイミングよりも前のタイミングNにおいて計時をスタートさせられた連続演出タイマの値で定められる演出から連続演出を開始するとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、例えば、再変動タイミングがタイミングB又はタイミングCである場合には、演出制御用CPU120は、タイミングNで内部的に実行を開始された最終可変表示動作又は第2可変表示動作へ、画像表示装置5の表示動作を切り替えることで、連続演出を途中の演出から開始する構成を採用できる。
なお、演出制御用CPU120が内部的に最終可変表示動作又は第2可変表示動作を実行させるとは、例えば、第1制御パターンデータを読み込み、読み込まれたデータで表される制御内容に従って画像表示装置5の表示を制御する処理(以下、通常処理という)が実行されるプロセス又はスレッドとは異なるプロセス又はスレッドを生成した後に、生成されたプロセス又はスレッドにおいて、最終制御パターンデータ又は第2制御パターンデータの読み込みを開始するが、読み込まれたデータで表される制御内容に従って画像表示装置5の表示に対する制御を行わない処理(以下、内部処理という)を演出制御用CPU120が実行することをいう。
この内部処理を実行する構成において、演出制御用CPU120は、図37のステップS574において、繋表示中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS574;No)、図39に示すように、第1可変表示動作の次に実行される最終可変表示動作又は第2可変表示動作(以下、次の変表示動作という)の実行を内部的に開始する(ステップS577B)。次に、実行されている内部処理の数を計数する内部処理カウンタの値を値’1’だけインクリメントする(ステップS577C)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS578から図37に示された処理を継続実行する。なお、内部処理カウンタは、図30の繰返演出設定処理において値’0’が代入されることで初期化される。
さらに、上記の内部処理を実行する構成において、演出制御用CPU120は、図37のステップS578において、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値であると判別すると(ステップS578;Yes)、図39に示すように、内部処理カウンタの値が’0’より大きいか否か(つまり、内部処理が実行されているか否か)を判別する(ステップS579B)。このとき、演出制御用CPU120は、内部処理カウンタの値が’0’である(つまり、内部処理が実行されていない)と判別すると(ステップS579B;No)、図37のステップS581及びステップS582の処理を順に実行した後に、演出制御指令処理の実行を終了する。これに対して、演出制御用CPU120は、内部処理カウンタの値が’0’より大きい(つまり、内部処理が実行されている)と判別すると(ステップS579B;Yes)、画像表示装置5の表示動作を、内部で実行されている可変表示動作に切替えることで、飾り図柄の再変動を実行させる(ステップS580B)。つまり、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示を制御する処理を、ステップS580Bの実行前における通常処理から、ステップS580Bの実行前における内部処理へと切り替える。その後、演出制御用CPU120は、内部処理カウンタを値’1’だけデクリメントした後に(ステップS580C)、演出制御指令処理の実行を終了する。
次に、パチンコ遊技機1において実行される各種の演出動作の具体例について、図40及び図41を参照して説明する。
図40は、リーチ予告後にリーチが発生して擬似連が発生する演出動作の一例を表す図である。本例では、再変動1回のリーチ変動パターンにおいて、再変動タイミングとしてリーチ後のタイミングB又はタイミングCが決定されており、予告態様としてリーチ予告及びチョイ熱予告が決定されているものとする。
まず(A)に示すように、「左」,「中」,「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて飾り図柄の変動を開始した後、(B)に示すように、決定されているリーチ予告及びチョイ熱予告を開始して、所定の演出終了タイミングで該リーチ予告及びチョイ熱予告を終了し、(C)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rとに同じ飾り図柄を仮停止することでリーチ(図柄テンパイ)とし、(D)に示すように、画像表示装置5の表示領域に、当該表示領域が割れたような画像を表示する画面割れ演出を行い、その後のタイミングB又はタイミングCにおいて、(E)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5L及び「右」の飾り図柄表示エリア5Rで飾り図柄の再変動を開始し、(F)に示すように、再びリーチとし、図示しないが、その後に大当り図柄又はハズレ図柄を表示する。
このように、リーチ予告が行われると、擬似連が行われることなくリーチとなるので、遊技者に違和感を抱かせることがない。即ち本発明では、遊技者に違和感を抱かせることがないようにするために、図34(a)で説明したように、再変動タイミングとしてリーチ後のタイミングが決定される場合には、擬似連予告を決定することを制限しており、これにより予告態様と再変動タイミングとの関係性が遊技者に分かり易くなり、遊技の興趣を向上できるのである。またチョイ熱予告が行われても、リーチ後に擬似連が行われることで、遊技者に大当りの期待感を持たせることができる。
図41は、擬似連予告後に擬似連が発生してリーチが発生する演出動作の一例を表す図である。本例では、再変動1回のリーチ変動パターンにおいて、再変動タイミングとしてリーチ前のタイミングNが決定されており、予告態様として擬似連予告及び激熱予告が決定されているものとする。
まず(A)に示すように、「左」,「中」,「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて飾り図柄の変動を開始した後、(B)に示すように、決定されている擬似連予告及び激熱予告を開始して、所定の演出終了タイミングで該擬似連予告及び激熱予告を終了し、(C)に示すように、「左」,「中」,「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにチャンス目の飾り図柄(本例では「123」)を仮停止し、その後のタイミングNにおいて、(D)に示すように、「左」,「中」,「右」の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の再変動を開始し、(E)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rとに同じ飾り図柄を仮停止することでリーチとし、図示しないが、その後に大当り図柄又はハズレ図柄を表示する。
このように、擬似連予告が行われると、リーチになることなく擬似連が行われるので、遊技者に違和感を抱かせることがない。即ち本発明では、遊技者に違和感を抱かせることがないようにするために、図34(a)で説明したように、再変動タイミングとしてリーチ前のタイミングが決定される場合には、リーチ予告を決定することを制限しており、これにより予告態様と再変動タイミングとの関係性が遊技者に分かり易くなり、遊技の興趣を向上できるのである。
なお図34(a)に示す実施例1の説明では、再変動タイミングとしてリーチ後のタイミングが決定される場合には、擬似連予告を決定することの制限として、該擬似連予告を設定不可(図33(a)のステップS806を参照)である例について説明したが、これに限らず、図34(a’)に示す変形例1のように、擬似連予告を設定可能ではあるが、その設定割合を低くしたもの(本例では2割)であっても良い。即ち「制限」には、実施例1の如き全部制限のみならず、変形例1の如き一部制限も含まれる。
この場合における予告演出設定処理では、図33(a’)に示す変形例1のように、再変動タイミングがタイミングA又はタイミングNならば(ステップS804でYES)、所定確率(本例では8割)で擬似連予告を設定し(ステップS805a)、該擬似連予告が設定されなかったならば(ステップS805bでNO)、所定確率で(本例では2割)でリーチ予告を設定して(ステップS805c)、前記ステップS803に進む。
そしてこの変形例1において、リーチ後の再変動タイミングが決定される場合に擬似連予告が設定されると、擬似連予告後にリーチが発生してから擬似連が発生することになるが、擬似連予告が行われる多くの場合には、前記図41で説明したように、擬似連予告→再変動→リーチとなるため、擬似連の実行タイミングを分かっている遊技者は、予告態様と再変動タイミングとの関係性を十分に理解することができる。
同様に、図34(a)に示す実施例1の説明では、再変動タイミングとしてリーチ前のタイミングが決定される場合には、リーチ予告を決定することの制限として、該リーチ予告を設定不可(図33(a)のステップS805を参照)である例について説明したが、これに限らず、図34(a’)に示す変形例1のように、リーチ予告を設定可能ではあるが、その設定割合を低くしたもの(本例では2割)であっても良い。即ち「制限」には、実施例1の如き全部制限のみならず、変形例1の如き一部制限も含まれる。
この場合における予告演出設定処理では、図33(a’)に示す変形例1のように、再変動タイミングがタイミングB又はCならば(ステップS804でNO)、所定確率(本例では8割)でリーチ予告を設定し(ステップS806a)、該リーチ予告が設定されなかったならば(ステップS806bでNO)、所定確率で(本例では2割)で擬似連予告を設定して(ステップS806c)、前記ステップS807に進む。
そしてこの変形例1において、リーチ前の再変動タイミングが決定される場合にリーチ予告が設定されると、リーチ予告後に擬似連が発生してからリーチが発生することになるが、リーチ予告が行われる多くの場合には、前記図40で説明したように、リーチ予告→リーチ→再変動→リーチとなるため、擬似連の実行タイミングを分かっている遊技者は、予告態様と再変動タイミングとの関係性を十分に理解することができる。
次に実施例2について説明する。前記実施例1では、図28(a)に示すように、ステップS552で繰返演出設定処理を行ってから、ステップS553で予告演出設定処理を行ったが、実施例2では、図28(b)に示すように、ステップS552’で予告演出設定処理を行ってから、ステップS553’で繰返演出設定処理を行う。この実施例2における再変動タイミング及び予告態様設定テーブルでは、図34(b)に示すような関係性が設定されている。
まず予告態様としてリーチ予告が決定される場合には、再変動タイミングとしてリーチ後のタイミングは決定可能であるが、リーチ前のタイミングは決定不能である(即ち決定が制限される)ように設定されている。ここでリーチ前のタイミングの決定を制限するのは、リーチ予告をしたのに、リーチが発生する前に擬似連が行われると、遊技者が違和感を抱くからである。これによれば、予告態様と再変動タイミングとの関係性が遊技者に分かり易くなり、遊技の興趣を向上できる。ここで本例では、再変動タイミングがリーチ前又はリーチ後である例について説明したが、これに限らず、該再変動タイミングはハズレ表示後であっても良い。そして予告態様としてリーチ予告が決定される場合には、再変動タイミングとしてハズレ表示後が決定されることを制限する旨の関係性を設定すると良い。
また予告態様として擬似連予告が再変動タイミングとしてリーチ前のタイミングは決定可能であるが、リーチ後のタイミングは決定不能である(即ち決定が制限される)ように設定されている。ここでリーチ後のタイミングの決定を制限するのは、擬似連が行われる前にリーチが発生すると、遊技者が違和感を抱くからである。これによれば、予告態様と再変動タイミングとの関係性が遊技者に分かり易くなり、遊技の興趣を向上できる。
さらに予告態様として激熱予告が決定される場合には、再変動タイミングとしてリーチ前のタイミングは決定可能であるが、リーチ後のタイミングは決定不能である(即ち決定が制限される)ように設定されており、予告態様としてチョイ熱予告が決定される場合には、再変動タイミングとしてリーチ前のタイミング及びリーチ後のタイミングを決定可能であるように設定されている。即ち再変動タイミングとしてリーチ後のタイミングB又はタイミングCが決定される場合には、激熱予告の決定を制限することにより、この場合の信頼度予告はチョイ熱予告又は予告無しとなり、これらチョイ熱予告又は予告無しの後にリーチになることで、大当り発生の期待が持てなくても、その後に擬似連が実行されることで、大当りの期待をより持たせることができる。
この図34(b)に示す関係性は、前記図34(a)に示す関係性と比較して、決定順序が異なるのみであり、決定内容は同じである。
なお本例では、図34(b)の決定パターンXに示すように、演出制御用CPU120が予告演出設定処理を行って予告態様を決定すると共に、同じく演出制御用CPU120が繰返演出設定処理を行って再変動タイミングを決定するについて説明したが、これに限らず、決定パターンYに示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が予告態様を決定し、該決定に基づいて演出制御用CPU120が再変動タイミングを決定するものであってもよく、また決定パターンZに示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が予告態様を決定し、該決定に基づいて同じく遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が再変動タイミングを決定するものであってもよい。
また図34(b)に示す実施例2の説明では、予告態様としてリーチ予告が決定される場合には、リーチ前の再変動タイミングを決定することの制限として、該リーチ前の再変動タイミングを設定不可である例について説明したが、これに限らず、図34(b’)に示す変形例2のように、リーチ前の再変動タイミングを設定可能ではあるが、その設定割合を低くしたもの(本例では2割)であっても良い。即ち「制限」には、実施例2の如き全部制限のみならず、変形例2の如き一部制限も含まれる。
この変形例2において、予告態様としてリーチ予告が決定される場合にリーチ前の再変動タイミングが決定されると、リーチ予告後に擬似連が発生してからリーチが発生することになるが、リーチ予告が行われる多くの場合には、前記図40で説明したように、リーチ予告→リーチ→再変動→リーチとなるため、擬似連の実行タイミングを分かっている遊技者は、予告態様と再変動タイミングとの関係性を十分に理解することができる。
同様に、図34(b)に示す実施例2の説明では、予告態様として擬似連予告が決定される場合には、リーチ後の再変動タイミングを決定することの制限として、該リーチ後の再変動タイミングを設定不可である例について説明したが、これに限らず、図34(b’)に示す変形例2のように、リーチ後の再変動タイミングを設定可能ではあるが、その設定割合を低くしたもの(本例では2割)であっても良い。即ち「制限」には、実施例2の如き全部制限のみならず、変形例2の如き一部制限も含まれる。
この変形例2において、予告態様として擬似連予告が決定される場合にリーチ後の再変動タイミングが決定されると、擬似連予告後にリーチが発生してから擬似連が発生することになるが、擬似連予告が行われる多くの場合には、前記図41で説明したように、擬似連予告→再変動→リーチとなるため、擬似連の実行タイミングを分かっている遊技者は、予告態様と再変動タイミングとの関係性を十分に理解することができる。
次に実施例3について説明する。この実施例3では、図28(c)に示すように、ステップS552”で予告演出設定及び繰返演出設定処理処理を行う。このステップS552”の処理では、例えば図34に示す表のいずれかに基づいて、予告態様及び再変動タイミングの決定を行い、具体的には、擬似連予告及びリーチ前の再変動タイミングを決定し、またリーチ予告及びリーチ後の再変動タイミングを決定する。この決定は、演出制御用CPU120か、又は遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103の、いずれかで行われる。
以上に説明した実施例1〜3では、リーチ予告が、リーチが確定する1種類である例について説明したが、これに限らず、リーチが確定する1又は複数のリーチ予告と、リーチが確定しない1又は複数のリーチ予告(例えばステップ1〜5にステップアップするリーチ予告があり、ステップ1,2はリーチが確定せず、ステップ3〜5はリーチが確定するもの)があってもよい。この場合におけるリーチ予告の制限は、リーチが確定するもののみ制限すれば良く、リーチが確定しないものは決定及び実行してもよい。
また、図34に示すように、再変動タイミングがリーチ後である場合には、高信頼度予告である激熱予告をしない例について説明したが、この場合には、リーチの種類を示唆するような予告もしないものとする。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。
上記実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が入賞したかに関わらず、各遊技球の入賞順に従って、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行するようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、図28に示すステップS551の最終停止図柄決定処理、ステップS552の繰返演出設定処理などを実行することにより、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、図28に示すステップS551又はステップS552の処理のいずれかを実行してもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
あるいは、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120により決定された演出制御パターンなどに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。図2に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、いずれの大当り種別に決定された場合でも、大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となるラウンド遊技が実行される大当り種別(突確)があってもよい。また、上記実施の形態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となるものとして説明したが、大当り種別が「突確」である場合のラウンド遊技の実行回数は、第1ラウンド数より少ない第2ラウンド数(例えば「2」)としてもよい。さらに、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われないようにしてもよい。大当り種別が「突確」となる場合や可変表示結果が「小当り」となる場合に代えて、あるいは、これらの場合に加えて、「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。一例として、「突然時短」と「突然通常」は、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別に含まれるものとする。この場合、大当り種別決定テーブル131は、変動特図指定バッファ値に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)を、「突然時短」や「突然非確変」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。そして、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして、開閉板により大入賞口を開放状態とする期間が、第2期間となるラウンド遊技が第2ラウンド数実行され、その終了後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり時短状態に制御されればよい。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして、開閉板により大入賞口を開放状態とする期間が、第2期間となるラウンド遊技が第2ラウンド数実行され、その終了後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり通常状態に制御されればよい。これにより、開閉板により大入賞口を開放状態とする期間が、第2期間となるラウンド遊技が第2ラウンド数実行される大当り遊技状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
前述したパチンコ遊技機1については、パチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理(情報出力処理)を行なうことを説明した。このような情報出力処理によりパチンコ遊技機1の外部に出力する情報としては、遊技玉(遊技球)が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれてもよい。
パチンコ遊技機1においては、たとえば、第1始動入賞口(普通入賞球装置6A)、第2始動入賞口(普通可変入賞球装置6B)、および、大入賞口(特別可変入賞球装置7)のような複数種類の入賞口が設けられている。そして、これら入賞口への遊技玉の入賞が、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、および、カウントスイッチ23のような入賞検出スイッチにより検出され、検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、入賞検出スイッチから入力される検出信号に基づいて、所定期間中における各入賞口に入賞した遊技玉の個数(入賞個数)を計数して記憶する処理を行なうことが可能であり、このような処理をすることにより、所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を記憶する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、このような入賞情報に基づいて、所定期間が経過するごとに、各所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100において計数記憶し、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号により特定する入賞個数としては、たとえば、10分ごと等の所定の経過時間ごとの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、各1回の大当り遊技状態が発生するまでに要する期間ごとの入賞個数に関する情報(大当り遊技状態が発生するごとに出力する)、各日の電源投入時からの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、および、遊技者ごとの入賞個数に関する情報(遊技用カード情報等の遊技者特定情報により遊技者が特定可能な場合に、各遊技者により遊技終了が選択されたときに出力する)のいずれの情報であってもよい。
なお、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号としては、遊技玉がいずれかの入賞口に入賞するごとに出力される、入賞口と入賞個数(1個)とを特定可能な入賞情報信号であってもよい。
また、入賞情報信号をパチンコ遊技機1の外部に出力するその他の例としては、主基板11の一部の出力端子に、パチンコ遊技機1の外部に設けられた試験装置で動作試験をするための接続部品を接続し、現在の遊技状態での最新の入賞情報を示す入賞情報信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ100から当該接続部を介して外部に出力されるようにしてもよい。
このように、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号がパチンコ遊技機1の外部に出力されるので、パチンコ遊技機1の外部において、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を認識することができるようになる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態として、第1の実施の形態で説明したパチンコ遊技機1のような遊技制御を遊技制御の一例とするパチンコ遊技機を封入循環式のパチンコ機(パチンコ遊技機)として構成し、当該パチンコ機とカードユニットとを管理するシステムの例を説明する。なお、以下の第2の実施の形態として説明する遊技機、カードユニット、およびそれらを管理するシステムは、第1の実施の形態として説明した遊技機およびカードユニットのいずれに適用してもよい。
以下で説明する実施の形態により示される本発明は、たとえばパチンコ遊技機やスロットマシン等で代表される遊技機であって、互いに通信する第1制御手段および第2制御手段を備えた遊技機、遊技盤および遊技枠に関する。
従来、たとえば、認証用情報管理装置と通信可能に接続された第1制御手段と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段とを含み、第1制御手段と第2制御手段とは、互いにペアの認証用情報、第2制御手段には、ペアの認証用情報の一方が予め記憶されている遊技機が開示されている(特開2012−100763号公報)。
また、従来、たとえば、遊技機の遊技状態を制御するメインCPUとたとえば可変表示装置を制御するサブCPUとの間で、共通鍵暗号方式による暗号電文の送受信を行なうものがあった(特開2004−89701号公報)。
遊技機において、第1制御手段と第2制御手段とで互いに通信を行なう場合に、両制御手段間の通信が途切れて両者間で通信不能な状態となる可能性がある。このような状況を想定し、両者間で通信不能な状態となった後の復帰手順を予め定めておく必要がある。この場合、一方で生成され、他方へ送信する予定であった所定情報が他方へ到達していなければ、復帰の際には当該所定情報が他方へ送信される復帰処理を定めなければならない。
ところが、このような復帰処理を制御手段が実行するユーザプログラムに含めたのでは、ユーザプログラムを実行する制御手段の制御負担が増大する。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、第1制御手段と第2制御手段との間で通信不能な状態となった後の復帰処理に関する制御負担を軽減することである。
(1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図67に示す送信データバッファ613F、図68に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F,700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bF,171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図70のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図70のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(2) 上記(1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において処理を適切に再開することができる。
(3) 上記(1)または(2)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、前記所定情報を送信する際に、当該所定情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報を併せて送信(図73:払出制御部171Fに対して前回送信した通番(主制御通番=n+1)を含む電源投入通知のコマンドを送信)し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方の前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するときに、前回送信した前記到達確認情報を再送(図73:電源投入通知のコマンドに対する電源投入受信のレスポンスを送信)し、
他方の前記通信制御回路を含む前記第1制御手段または前記第2制御手段は、通信不能な状態から復帰するときに受信した前記到達確認情報と、通信不能となる前に受信した前記到達確認情報とが所定の関係にない場合(図73:主制御通番=n+1と払出制御通番=nとが一致しない場合)に、前記復帰処理によって前記一方の通信制御回路が送信した前記所定情報に基づいた情報の更新処理(図73:リカバリ処理を実行する)を実行する。
上記構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに受信した到達確認情報と、通信不能となる前に受信した到達確認情報とが所定の関係にない場合に、復帰処理によって一方の通信制御回路が送信した所定情報に基づいた情報の更新処理を実行するので、第1制御手段と第2制御手段との通信の負担を軽減することができる。
(4) 上記(1)〜(3)において、
前記情報記憶部は、不揮発性記憶領域(たとえば、図67に示す送信データバッファ613F、図68に示すデータ受信レジスタ713F)と揮発性記憶領域(たとえば、図67に示す送信データバッファ613F以外のレジスタ、図68に示すデータ受信レジスタ713F以外のレジスタ)とを有する。
上記構成によれば、情報記憶部は、不揮発性記憶領域と揮発性記憶領域とを有するので、通信を再開する際のリカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。
(5) 上記(1)〜(4)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図68:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(6) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図67に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図70のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図70のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(7) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図68に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図70のSF292:リカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図70のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図67に示す送信データバッファ613F、図68に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)とを有し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、他方が送信した前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む。
上記構成によれば、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、通信制御回路の暗号化手段で情報記憶部に記憶された情報を暗号化し、他方の復号手段で送信した暗号化情報を復号するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−2) 上記(8−1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−3) 上記(8−1)または(8−2)において、
前記通信制御回路は、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理(たとえば、図70に示す電源投入時に行なわれる認証シーケンスよって暗号鍵および復号鍵が生成される)と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行する(図70に示す認証シーケンス後、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が可能)。
上記構成によれば、通信制御回路が、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方において処理を適切に再開することができる。
(8−4) 上記(8−1)〜(8−3)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図68:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(8−5) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図67に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む前記第2制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−6) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図68に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路171bFで暗号化した情報を通信制御回路161bFで復号する)を含む前記第1制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(9−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図45:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図51に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図52:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき、前記遊技点を前記持点に計数する計数処理手段(図52:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図42:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図52:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図52:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図52:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを含む。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)であって、
前記遊技機からの計数要求に基づき、前記遊技点を持点に計数する計数処理手段(図52:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図42:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図52:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図52:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図52:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを備える。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−3) 本発明は、遊技者所有の有価価値を用いて遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)と通信可能に接続され、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)であって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図45:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図51に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図52:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを備え、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき計数した前記持点を、前記遊技用装置で受付けた記録媒体で特定可能に処理し、前記記録媒体を返却する場合に、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることの通知を前記遊技用装置から受付可能(図52:P台2Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報の通知をCU3Fから受ける。)である。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることの通知を、前記遊技用装置から受けるので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−4) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技用装置は、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する報知手段(たとえば、図42に示す表示器312F)を含む。
上記構成によれば、遊技用装置でも記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−5) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技機は、前記遊技用装置からの通知に基づき、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する表示手段(たとえば、図42に示す可変表示装置278F)を含む。
上記構成によれば、遊技機で記録媒体の取り外し待ち状態であることを視覚的に報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−6) 上記(9−1)または(9−2)において、
前記取り外し待ち状態通知手段は、前記遊技用装置または前記遊技機に接続する装置(たとえば、ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に対して、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知する。
上記構成によれば、遊技機や遊技用装置以外に対して記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知することで、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−7) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図42:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けた場合に、前記遊技用装置が設置されている遊技場を特定可能な遊技場特定情報を前記遊技機に通知する遊技場特定情報通知手段(図48:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「店舗コード」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技場特定情報通知手段により通知された前記遊技場特定情報を記憶する遊技場特定情報記憶手段(図48:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「店舗コード」を記憶する。)と、
前記遊技機と前記遊技用装置とが通信できない通信不能状態から回復した後、通信復旧した場合に、前記遊技場特定情報通知手段により新たに通知された前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する遊技場特定情報比較手段(図53:P台2Fは、CU3Fから「店舗コード」を含むリカバリ要求が送信されてくると、当該「店舗コード」と記憶してある「店舗コード」とが一致するか否かを判定する。)と、
前記遊技場特定情報比較手段により、前記遊技場特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する遊技禁止手段(P台2Fは、CU3Fからの「店舗コード」と、記憶してある「店舗コード」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)とを含む。
上記構成によれば、新たに通知された遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で店舗を移動させる不正を防止することができる。
(9−8) 上記(9−7)において、
前記遊技用装置は、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けたとき、および前記通信復旧したときに、前記遊技用装置に含まれている遊技制御装置(たとえば、図43に示すセキュリティ基板325F)を特定可能な装置特定情報(SC基板ID)を前記遊技機に通知する装置特定情報通知手段(図48:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「SC基板ID」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)をさらに含み、
前記遊技機は、
前記装置特定情報通知手段により通知された前記装置特定情報を記憶する装置特定情報記憶手段(図48:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「SC基板ID」を記憶する。)と、
前記通信復旧した場合に、前記装置特定情報通知手段により新たに通知された前記装置特定情報と、前記装置特定情報記憶手段に記憶した前記装置特定情報と比較する装置特定情報比較手段(P台2Fは、CU3Fからの「SC基板ID」と、記憶してある「SC基板ID」とを比較する。)とをさらに含み、
前記遊技禁止手段は、前記装置特定情報比較手段により、前記装置特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する(不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)。
上記構成によれば、新たに通知された装置特定情報と、装置特定情報記憶手段に記憶した装置特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で遊技機を移動させる不正を防止することができる。
(9−9) 上記(9−7)または上記(9−8)において、
前記遊技機は、
遊技に使用する遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報を読取る遊技場特定情報読取手段(たとえば、P台2Fの回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取る。)をさらに含み、
前記遊技場特定情報比較手段は、前記遊技場特定情報読取手段で読取った前記遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する(読取った識別情報により、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定して、不一致の場合、状態情報応答の「不正検知状態3」のBit0を、“1”にする。)。
上記構成によれば、遊技場特定情報読取手段で読取った遊技媒体に付加されている遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致であれば、遊技媒体に他店舗の遊技玉が混入していることを報知することが可能となる。
以下、図面を参照して第2の実施の形態(以下、単に“実施の形態”という)を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図42を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2Fが併設されている。なお、P台2Fの所定側の側方位置には、該P台2Fに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3Fが1対1に対応設置されている。
P台2Fは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉(遊技玉)を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより、発射モータ18F(図43参照)を駆動させて封入玉を一発ずつ遊技盤26F前面の遊技領域27Fに打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25Fの周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18Fが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25Fの回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27F内に発射される。
打球操作ハンドル25Fの上方には鍵穴10Fが設けられており、遊技場の係員が所持する鍵を挿入して前枠5F(図43参照)の解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより前枠5Fが開放され、ガラス扉(前面部材)6Fの解錠操作(たとえば反時計回り回転)することによりガラス扉6Fが開放される。
図42に示すP台2Fは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27Fの中央に可変表示装置(以下、特別図柄とも言う)278Fが設けられている。また、遊技領域27Fには、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図42に示す遊技領域27Fには、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271Fと、3つの普通入賞口272F,273F,274Fと、3つの始動入賞口275F,276F,277Fとが示されている。特に、始動入賞口276Fは、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278Fは、各始動入賞口275F,276F,277Fに入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいて変動表示する。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271Fが開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27F内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154Fに回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154Fに回収されたパチンコ玉は再度P台2F内の回収経路(図示略)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれる。
P台2Fにおける遊技領域27Fの下方位置には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、液晶表示装置で構成されている。なお、表示器54Fは、図42に示すようにCU(カードユニット)3Fから独立してP台(パチンコ機)2Fに取付けられる構成でも、CU3Fと一体に形成され、P台2Fの前面に嵌合させる構成でもよい。CU3Fの表示器54Fを、P台2Fの前面に嵌合させる構成であれば、CU3FとP台2Fとをより強く連結することができるので、さらに不正を防止することができる。
また、この表示器54Fの下方部分に7セグ表示器50Fが設けられている。7セグ表示器50Fは7セグメントLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171Fによって制御される。この7セグ表示器50Fにより、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。
さらに、P台2Fにおける打球操作ハンドル25Fの左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28Fが設けられている。詳しくは後述するが、計数ボタン28Fは、1度押下すると、たとえば100玉だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれ、長い期間押下(長押し)すると、現在有している遊技玉を考慮して押下している時間に対応した玉数だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれる。
このように、計数ボタン28FをP台側に設けているため、計数ボタン28FをCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
計数ボタン28Fの右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29Fが設けられている。遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29Fは、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
このように、パチンコ機2Fは、前述のパチンコ遊技機1のような遊技制御を行なう遊技機を封入循環式パチンコ機として構成したものであり、基本的な遊技制御および演出制御は、前述のパチンコ遊技機1と同様の制御(たとえば、保留記憶情報(保留データ)に基づく可変表示制御、保留データに基づく大当り遊技制御、および、保留データに基づく確変制御等の制御)が行なわれる。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図42を参照して、本実施形態に係るCU3Fの構成を説明する。このCU3Fは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(以下、一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3Fは、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を「遊技玉のデータ」に変換する機能を有する。P台2Fでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、「遊技玉のデータ」とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、「遊技玉のデータ」を貯玉や持玉と同様に、単に「遊技玉」と称する。
CU3Fの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302F、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305F、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309Fなどが設けられている。このカード挿入/排出口309Fに挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305Fにおいて、遊技者と対向する面には、表示器312Fと、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319Fと、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320Fで受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312Fは、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(以下、カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312Fの表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319Fを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2Fによる遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、P台2Fによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。なお、再プレイボタン319Fとは別に、持玉を引落すための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319Fは貯玉引落し専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバ801F(図44参照)に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801Fにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801Fに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバ801Fに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28Fが操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどがある。
紙幣挿入口302Fに挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3Fの前面側には、さらに、玉貸ボタン(以下、貸出ボタンとも言う)321Fとカード返却ボタン322Fとが設けられている。玉貸ボタン321Fは、挿入されたカードに記録されている残高を引落してP台2Fによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322Fは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図43は、カードユニットとパチンコ機との構成を示すブロック図である。図43を参照して、CU3FとP台2Fとの制御回路の概略を説明する。
CU3Fには、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323Fが設けられている。このCU制御部323Fには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323Fには、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801F(図44参照)と通信を行なうための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、P台2Fの払出制御基板17Fとセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325Fが設けられている。CU3FにはP台2F側への接続部(図示略)が設けられるとともに、P台2FにはCU3F側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325FとP台側の払出制御基板17Fとは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325Fには、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとの通信を制御するための通信制御IC325aFと、P台2Fのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bFが設けられている。セキュリティチップ(SC)325bFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。さらに、SC325bFは、不正検知部1325Fを備え、不正検知部1325FがCU制御部323FからP台2Fに通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800F(図44参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800Fから基板制御情報として通知される。通信制御IC325aFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323F、セキュリティチップ(SC)325bF、および通信制御IC325aFの各RAMは、電源断時にもその記憶データが消去されないバックアップRAMで構成されている。なお、このバックアップRAMの代わりに、EEPROMで構成してもよい。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323Fに入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320Fが受光すれば、その受光信号がCU制御部323Fに入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323Fに入力されるとともに、CU制御部323Fからカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323Fは、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323Fから残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350Fに出力され、表示制御部350Fで表示用データに変換される。表示器312Fに対し、表示制御部350Fで変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312Fが表示する。また、表示器312Fの表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350Fを介してCU制御部323Fに入力される。遊技者が玉貸ボタン321Fを操作することにより、その操作信号がCU制御部323Fに入力される。なお、玉貸ボタン321Fは、CU3Fに設ける構成に限定されるものではなく、P台2Fに設けて操作信号をCU制御部323Fに入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。遊技者がカード返却ボタン322Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。
P台2Fには、P台2Fの遊技の進行制御を行なう主制御基板16F、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17F、払出制御基板17Fの指令に基づいて発射モータ18Fを駆動制御する発射制御基板31F、可変表示装置278F(図42参照)などが備えられている。なお、図43では、主制御基板16Fの指令に基づいて可変表示装置を表示制御する表示制御基板(演出制御基板ともいう)の図示を省略している。
主制御基板16Fは、遊技盤26Fに設けてある。主制御基板16Fには主制御部161Fである遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161Fは、遊技盤26Fに設けられている入賞センサ162F、および電波センサ163Fと接続してある。たとえば、主制御部161Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、FPGA(field-programmable gate array)基板を用いる。なお、遊技盤26Fには、さらに可変表示装置278F等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17Fは、前枠5F(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17Fには、払出制御部171Fである払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。たとえば、払出制御部171Fの払出制御用マイクロコンピュータには、FPGA基板を用いる。
また、払出制御基板17Fに対し、発射玉検出スイッチ(図示略)、アウト玉検出スイッチ701F、ファール玉検出スイッチ330F、計数ボタン28F、電波センサ173F、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fが電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173Fは、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aFを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173Fの検出信号が払出制御基板17Fの入力ポート(図示略)を介して払出制御部171Fへ入力される。玉上げスイッチ(上)41aFは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aFが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173Fにより検知する。なお、玉上げスイッチ(上)41aFばかりでなく、発射玉検出スイッチも電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されることになる。しかし、この発射玉検出スイッチにも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されなくなる不都合が生じる。本実施形態では、このような発射玉検出スイッチに対して発信される不正電波も、電波センサ173Fで検出するため、前述の不都合を防止し得る。
ガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠開放検出スイッチ13Fの開放回数は、図示していない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2Fの電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6Fや前枠5Fの開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171Fへ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2F内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
また、7セグ表示器50Fが払出制御部171Fに接続されており、払出制御部171Fからの表示制御信号に従って7セグ表示器50Fがガラス扉6Fや前枠5Fの開放回数等を表示する。
主制御基板16Fから払出制御基板17Fに対し、メインチップID(主制御用セキュリティチップID)、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報などが送信される。
メインチップIDは、P台2Fの主制御基板16Fに記録されているチップIDのことであり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。たとえば、入賞口情報には、入賞口の種類が大入賞口271F(図42参照)に3球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して300球払出しを要求する情報や、始動入賞口275Fおよび始動入賞口277F(図42参照)のそれぞれに1球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して20球払出しを要求する情報が含まれる。なお、普通入賞口272Fなどの入賞口に球が入り、賞球の払出しを要求する入賞口情報が払出制御基板17Fに対して送信された後に電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合であれば、払出制御基板17Fが入賞口情報を既に受信しており、当該入賞口情報に基づく賞球の払出しが可能となる。しかし、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合、払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができず賞球の払出しができない。そのため、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも賞球の払出しができるように、継続して入賞口情報を払出制御基板17Fが受信(情報記憶部に書き込み)可能な有効期間を設定する。これにより、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも有効期間内であれば払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができ浮遊玉に基づく賞球の払出しが可能となる。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16Fと払出制御基板17Fとが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16Fから払出制御基板17Fへ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17Fがその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17Fが動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17Fは、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16Fが遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17Fへ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17Fから主制御基板16Fへ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16Fが正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701Fから払出制御基板17Fへアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、後述するように遊技中玉数(遊技領域27Fに浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ330Fからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17Fでは、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチから払出制御基板17Fへ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、遊技中玉数を減算更新する。
CU3Fのセキュリティ基板325FとP台2Fの払出制御基板17Fとが電気的に接続されており、セキュリティ基板325Fから払出制御基板17Fへ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ要求2、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、リカバリ要求を受けてP台2Fのリカバリ情報をCU3Fに通知する。リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。通信開始要求は、P台2Fに対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信開始要求を受けてCU3Fに対して通信開始を応答する。通信終了要求は、P台2Fに対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信終了要求を受けてCU3Fに対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、P台2Fに対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、状態情報要求を受けてP台2Fの状態情報をCU3Fに通知する。カード挿入通知は、P台2Fに対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード挿入通知を受けてCU3Fに対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、P台2Fに対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード返却通知を受けてCU3Fに対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、P台2Fに対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信テスト要求を受けてCU3Fに対してテストデータを応答する。
払出制御基板17Fからセキュリティ基板325Fへ、リカバリ応答、リカバリ応答2、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠5F(遊技枠)には、発射制御基板31F、発射モータ18Fが設けられている。発射制御基板31Fは、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることを検出するタッチリング(以下、タッチセンサとも言う)の入力信号が入力されているときに発射モータ18Fへ励磁出力を発し、発射モータ18Fを駆動させる。
払出制御基板17Fから発射制御基板31Fへ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31Fは、発射モータ18Fを励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27Fへ弾発発射される状態となる。
前枠5F(遊技枠)には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fからの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施形態では、P台側の表示器54FがCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54Fを表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171Fの指令に基づいて表示器54Fを表示制御する。
<パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理>
図44は、パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理を説明するための説明図である。図44に示すP台2Fは、CU3F、ホールサーバ801F、鍵管理サーバ800F、および機歴管理センタ800AFと接続されている。ここで、鍵管理サーバ800Fは、CU3F内部の電子部品のシリアルID(以下、SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800Fは、主制御基板16Fと互いに通信可能なサーバである。機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理する履歴管理システムを含んでいる。
製造メーカ(遊技機メーカ)が前枠5Fおよび遊技盤26Fを出荷して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図44に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップID、主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せた場合の相手のセキュリティチップIDなどが含まれている。なお、セキュリティチップIDは、機歴管理センタ800AFに登録後、変更、削除することができない。
一方、機歴管理センタ800AFには、製造メーカにより出荷した前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報が入力される。具体的に、機歴管理センタ800AFへの出荷情報の入力は、機歴管理センタ800AFに通信回線などを介して接続された端末から入力する。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。異常の報知として、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。なお、前枠5Fおよび遊技盤26FをセキュリティチップIDに関連付けて記憶した情報は、機歴管理センタ800AFへの出荷情報登録後、変更することができない。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報は、ホールに設置する1日前に、機歴管理センタ800AFに登録されていることが望ましい。
同様に、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を撤去して倉庫に保管した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図44に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26FのセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、ホールまたは倉庫業者により撤去した前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
また、中古業者が遊技盤26Fを別のホールに再販して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図44に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、組合せた前枠5FのセキュリティチップIDなどが含まれている。
一方、機歴管理センタ800AFには、中古業者により再販した遊技盤26Fの移動情報(再販情報)が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された遊技盤26Fの移動情報を、遊技盤26Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
さらに、廃棄業者が設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を廃棄した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図44に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)のセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、廃棄業者により廃棄した前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)の撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図45は、CU3F側とP台2F側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図45を参照して、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施形態においては、P台2F側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3F側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2F側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3F側において管理・記憶している。
図45では、CU3F側のCU制御部323Fに設けられているRAMの記憶データと、P台2F側の払出制御基板17Fに搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ機)2FとCU(カードユニット)3Fとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2F側の払出制御基板17Fは、主制御基板16FからメインチップID(主制御用セキュリティチップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3F側に送信するとともに、払出制御基板17F自体が記憶している払出チップID(払出制御用セキュリティチップID)をCU3F側へ送信する。
CU3F側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3F側とP台2F側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3F側からP台2F側へ送信され、P台2F側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3F側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3F側とP台2F側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2F側からCU3F側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3F側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2Fが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3F側とP台2F側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3F側からP台2F側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2F側において記憶することとなる。
また、CU3F側とP台2F側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が「1」ずつ加算更新され、その通番がCU3F側とP台2F側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3FとP台2Fとの間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、CU3F(一次局)が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、P台2F(二次局)は受信した通番をそのまま送信する。なお、CU3Fは、再送時、通番をカウントアップせず、通番の連続性が成立しない場合、無応答とする。前回最終送信通番は、前回の送受信時に更新された通信番号であり、バックアップされる番号のことである。
本実施形態におけるCU3FとP台2Fとにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3Fは、通番をカウントアップ(+1)してコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信したコマンドの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。そして、P台2Fは、受信したコマンドに対するレスポンスを、受信したコマンドの通番のままでCU3Fに送信する。CU3Fは、受信したレスポンスの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。CU3FおよびP台2Fでは、P台2FからのレスポンスをCU3Fに送信するごとに、このような処理を繰返している。
たとえば、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶するとともに、通番nのままでレスポンスを送信する。CU3F側では返信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶する。次に、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するときに通番をカウントアップ(+1)して通番n+1を送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番n+1を前回最終送信通番として記憶するとともに、通番n+1のままでレスポンスを送信する。P台2F側では送信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信する。CU3F側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番をカウントアップ(+1)して通番n+2のコマンドをP台2F側へ送信する。
P台2F側からCU3F側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2F側の払出制御部171F(図43参照)にあるRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2F側からCU3F側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
なお、バック玉が発生した場合に、そのバック玉を打球発射位置に還元して打球発射位置への玉送りを停止させた状態で打球発射動作を行なってバック玉をすべて遊技領域に発射させるようにし、バック玉が発生してもそのバック玉を加算玉としてカウントしないように制御してもよい。この場合は、「加算玉=賞球玉数×入賞個数」となる。
たとえば、遊技領域27Fに打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16Fから入賞情報が払出制御基板17Fへ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27F内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
あるいは、払出制御部171Fは、計数ボタン28Fの押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
P台2F側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3F側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171FのRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3F側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2F側からCU3F側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17Fは、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3F側に送信する。
CU3F側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(以下単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2F側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2F側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2Fから送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3Fは、P台2Fより逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3Fは、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2F側から遊技玉数カウンタのカウント値(以下、遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3Fは、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3Fは、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3F側で記憶している遊技玉数をP台2F側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3F側で管理している遊技玉数と、P台2F側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施形態では、CU3F側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2F側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3F側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2F側で記憶している遊技玉数がCU3F側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3F側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3Fと接続されるホールサーバ801Fまたはホール用管理コンピュータによって、CU3F側で記憶している遊技玉数とP台2F側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図43に示すように、CU3Fは、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323F(図43参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323F(図43参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323F(図43参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321Fの押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落して遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3F側からP台2F側へ送信される。P台2F側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落してドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2F側からCU3F側へ送信される。CU3F側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図46を参照して、CU(カードユニット)3FとP台(パチンコ機)2Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図46には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2Fに対してリカバリ情報を要求するものである。P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してリカバリ情報を通知するものである。
CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。これらリカバリ要求2とリカバリ応答2とは、基本的にはリカバリ処理を実行するときにしか送受信されない。具体的には、前述のリカバリ応答を受信したCU3Fがそのリカバリ応答の情報に基づいてリカバリ処理を実行すると判断した場合にのみCU3FがP台2Fにリカバリ要求2のコマンドを送信する。ただし、リカバリ処理を実行しないと判断した場合でもリカバリ要求2が送られた場合に、CU3F側でリカバリ処理を実行するか否かを再度判断してもよい。リカバリ処理は、CU3FやP台2Fに電源断が発生して通信回線断が検知されたときに実行する必要が生じる。本実施形態では、遊技場の営業開始時に電源を立上げたときにもリカバリ処理を実行しているが、営業開始時に電源を立上げ時には実行せずCU3FやP台2Fに電源断が発生して通信回線断が検知されたときに実行するように制御してもよい。
CU3FからP台2Fに対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して通信開始を要求するものである。P台2FからCU3Fに対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信開始を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して通信終了を要求するものである。P台2FからCU3Fに対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信終了を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2Fに対してCU3Fの状態を要求するものである。CU3Fはこのコマンドを使用して、P台2Fの状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図43に示したCU側からP台側へ向かう加算玉数が含まれている。
P台2FからCU3Fに対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fの情報・状態を通知するものである。情報応答のレスポンスには、図43に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2Fに対してカード挿入を通知するものである。P台2FからCU3Fに対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード挿入を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するものである。P台2FからCU3Fに対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。P台2FからCU3Fに対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを応答するものである。
<CUとP台との間で処理される主なシーケンス>
次に、図47〜図53に基づいて、CU制御部323Fに搭載されたCPU、および払出制御基板17Fに搭載されたCPUで実行される処理によるCU3FとP台2Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図47に示すシーケンス処理は、CU3FとP台2Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3Fの電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2Fでは発射モータ18Fを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリ情報を要求する。P台2Fは、CU3Fより通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2Fは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3Fが計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3Fが計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2Fは、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3Fの加算リカバリ処理を実施する。CU3Fは、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2Fに対して、リカバリ要求2をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3FとP台2Fとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3Fは、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2Fは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3Fがコマンドを再送したと判断する。CU3Fはコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2Fから通知された時に通番をバックアップする。P台2Fは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3Fに通知する。P台2Fはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3Fに返信する。さらに、CU3Fは、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2Fでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2Fは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3Fへ返信する。これ以降、CU3FとP台2Fとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3Fは、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fは、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2Fは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fは、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3FおよびP台2Fの処理について説明する。図48に示すCU3Fは、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fでは、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3Fで記憶してもよい。
CU3Fは、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801Fに問合せて認証している最中であることを表示器312Fに表示するとともにP台2F側の表示器54Fに表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3Fは、表示器312Fに挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2F側の表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fにより表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3Fは、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323FのRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325Fを通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323FのRAM等に記憶する。
CU3Fは、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信することで、カード挿入中である状態をP台2Fに対して通知する。P台2Fは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信することで、遊技許可中である状態をCU3Fに対して通知する。
カード挿入中、CU3Fは、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3Fは、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2Fに記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2Fでのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2Fは、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323FのRAM等に記憶しない。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図49に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3Fは、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3Fは、玉貸ボタン(貸出ボタン)321Fが押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3F側単独で確定する。その後、CU3Fは加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54Fに表示させる。
次に、CU3Fは、P台2Fに対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3Fは、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3Fは、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、CU3Fに対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図52では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下すると、CU3Fは、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下する操作がなされた段階でCU3F側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3Fは、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2Fに通知する。具体的に、CU3Fは、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3Fは、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図51では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3FからP台2Fへ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図51では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3Fは、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fから送信された通番nに対して、P台2Fから通番n+1が返信されている。CU3Fから送信された計数通番mに対して、P台2Fからは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28Fを押下する。この図51では、計数ボタン28Fを1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信されている。
P台2Fは、計数ボタン28Fの操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2Fは、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323Fは、表示制御部350Fに対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350Fは、その指令を受けてP台2F側の表示器54Fを表示制御する。その結果、表示器54Fには、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を800から700に更新する。この段階で、P台2Fは計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2Fは2度目の計数要求をCU3Fへ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でもP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2Fは計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3Fへ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3Fへ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3Fは、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3Fは、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2Fへ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図52は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図52では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2Fの遊技玉数が800玉で、CU3FはP台2Fの遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3Fは、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2Fに通知する。さらに、CU3Fは、P台2Fの遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54F等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28Fを押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2Fは、計数ボタン28Fを押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2Fは、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3Fに通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2Fは、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3Fは、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3Fは、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3Fは、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
P台2Fは、CU3Fからの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54F等に表示する。さらに、P台2Fは、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3Fに通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3Fに送信される。
CU3Fは、遊技者がカード返却ボタン322Fを押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28Fを押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3Fは、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n+3、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3Fに返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3Fに返信後、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3Fは、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2Fから受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801Fなどに報告する。CU3Fは、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309Fにカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3Fに設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3Fは当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801Fへ送信し、ホールサーバ801Fが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3Fから返却されたカードは、カード挿入/排出口309Fから抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309Fから突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3Fは、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309Fの近傍に取付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3Fは、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。そのため、CU3Fは、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。これを受けて、P台2Fは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278Fに表示する。また、P台2Fは、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2Fは、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。なお、CU3Fは、P台2Fに対してカード抜き取り可能状態であることを通知するだけでなく、CU3FまたはP台2Fに接続する装置である、ホールコンピュータ、P台2F上に取付けられた呼び出しランプなどの装置に対してカード抜き取り可能状態であることを通知してもよい。これにより、CU3FやP台2F以外に対してもカード抜き取り可能状態であることを通知することで、カード抜き取り(記録媒体の取り外し)忘れをさらに防止することができる。
カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがON状態であれば、CU3Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309Fからカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがOFF状態となるので、CU3Fは、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
これを受けて、P台2Fは、可変表示装置278Fに表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2Fは、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。
なお、図52で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス>>
次に、図53を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図53は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3FからP台2Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
図53を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3Fは、通番=nを含む状態情報要求をP台2Fに送信している。それを受けて、P台2Fは、遊技台情報をCU3Fに通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3Fに送信する。P台2Fは、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3Fは、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてP台2Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3FからP台2Fへ送信された場合に、P台2Fが電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降P台2Fからの状態情報応答が送信されてこないためにCU3Fは、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。P台2Fが状態情報応答のレスポンスをCU3Fに送信してから、電源断発生までの間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、P台2Fの電源断が復旧してONの状態になってP台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3F側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、P台2Fは、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
図53において、CU3Fは、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。遊技情報格納がないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。
<遊技機の管理>
次に、出荷から廃棄までの遊技機の履歴を管理するシステムについて説明する。図54は、本実施形態に係る遊技機の出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)の流れを説明するための図である。ここで、履歴を管理する遊技機の対象は、前述の封入循環式遊技機(P台2F)に限定されるものではなく、従来のCR遊技機も含まれる。もちろん、当該対象の遊技機には、パチンコ遊技機だけでなく、後述するP台2Fに対応するS台(スロットマシン)2SFや、従来のパチスロなども含まれることは言うまでもない。
図54を参照して、遊技機メーカからホールAに対して遊技機が出荷された場合、遊技機メーカのサーバ(図示せず)は、その出荷された遊技機に関する出荷情報を、通信回線を利用して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該出荷情報をサーバの記憶領域に登録する。
図55は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに出荷情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。
図55を参照して、ホールAは、遊技機メーカに遊技機を発注する際には、売買契約書を遊技機メーカに送付する。遊技機メーカは、ホールAから送付された売買契約書を受取ると、当該売買契約書に従う遊技機の受注を確認する。遊技機メーカは、当該受注を確認すると、保証書と検定通知書の写しをホールAに送付するとともに、遊技機の生産を開始する。遊技機メーカは、生産した遊技機は、遊技機メーカからホールAに出荷される(ホールAに納品される)。また、ホールAに出荷するための遊技機が運送業者に引き渡された後、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する出荷情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該出荷情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図56は、出荷情報の具体的な内容の一例を示す図である。具体的には、図56(a)は、出荷情報として登録される項目を示す図である。図56(b)は、登録種別に含まれる登録分類を示す図である。
図56(a)を参照して、出荷情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、主制御チップID番号(メインチップID)と、主制御製品コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、払出制御チップID番号(払出チップID)と、払出制御製品コードと、出荷日と、事業者コードと、ホールコードと、取消フラグとを含む。
登録種別は、出荷する遊技機が従来のCR遊技機であるか、封入循環式遊技機(P台2F)であるか、および、部品交換した遊技盤であるか、遊技機枠であるかを指定するための情報である。具体的には、図56(b)では、登録種別の番号が「11」〜「14」の場合には、出荷される遊技機はCR遊技機であり、「21」〜「25」の場合には、出荷される遊技機はP台2Fであることを示している。さらに、登録種別番号「11」〜「14」は、それぞれ部品交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤(部品交換)であることを示している。また、登録種別番号「21」〜「25」は、それぞれ交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤の部品、遊技機枠の部品であることを示している。遊技盤の基板または遊技機枠の基板を交換する場合には、基盤を交換した場合に交換後の基板管理番号を設定して登録される。なお、遊技盤、および遊技機枠の製造番号が変更されるような部品交換は、新規の出荷として登録される。なお、登録種別によって、遊技機メーカ名および遊技機の型式名が特定される。
遊技盤製造番号および主基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。
主制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(従来のCR遊技機では設定不要)。主制御製品コードは、主制御チップの製品コードである(従来のCR遊技機では設定不要)。
遊技機枠製造番号および払出基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。なお、払出基板管理番号は、従来のCR遊技機では設定不要である。
払出制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(CR遊技機では設定不要)。払出制御製品コードは、払出制御チップに書込んだ製品コードである(CR遊技機では設定不要)。
出荷日は、遊技機が出荷された日であり、出荷が確定した日付である。事業者コードは、運送業者名を特定するための情報である。ホールコードは、納品先のホール名を特定するための情報である。取消フラグは、出荷情報を登録する場合には「0」が、登録した出荷情報を取消す場合には「1」が設定される。遊技機メーカは、誤った出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録してしまった場合、誤った出荷情報の取消フラグを「1」に設定して、機歴管理センタ800AFに再度登録する。
機歴管理センタ800AFは、取消フラグが「1」に設定された出荷情報を受付けた場合、受付けた出荷情報と同じ内容で、取消フラグが「0」に設定された出荷情報の登録を取消す。つまり、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報が機歴管理センタ800AFの記憶領域から削除される。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができる。
さらに、機歴管理センタ800AFは、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報の受付を所定条件が成立するまで可能とすることができる。つまり、所定条件が成立した以降、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録することができない。
ここで、所定条件としては、たとえば、時刻や期間などがある。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消したい出荷情報を登録した日の午後8時まで、「1」が設定された取消フラグを含む当該出荷情報を受付けるように設定することができる。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができるとともに、所定条件が成立した以降(たとえば、登録日の午後8時以降)に出荷情報を不正に改ざんされることを防止することができる。
なお、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)の場合、主制御チップID番号または払出制御チップID番号が、遊技機の個体を特定するための特定情報となり、遊技機が従来のCR遊技機の場合、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技機枠製造番号、払出基板管理番号の少なくとも1つの番号が遊技機の個体を特定するための特定情報となる。
また、出荷情報を図56(a)のように、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)であっても、従来のCR遊技機であっても同じ形式にすることで、機歴管理センタ800AFにおいて、封入循環式遊技機(P台2F)および従来のCR遊技機の履歴を統一的に管理することができる。
再び、図54を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品され、当該遊技機がホールAに設置された場合、ホールAのサーバ(図示せず)は、通信回線を介してその設置された遊技機に関する設置情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該設置情報と、出荷時に登録された出荷情報とを関連付けてサーバの記憶領域に登録する。
図57は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。具体的には、図57(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータ(図示せず)と機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図57(a)では、主に従来のCR遊技機の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図57(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図57(b)では、主に封入循環式遊技機(P台2F)の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図57(a)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。遊技機メーカが遊技機受渡書の控えを受領すると、遊技機メーカから通信回線を介して遊技機の設置情報が機歴管理センタ800AFに入力され、当該入力された設置情報がサーバの記憶領域に登録される。なお、機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されると、登録した結果が通信回線を介して、または書類として出力される。また、ホールAにおいては、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。
図57(b)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。その後、ホールAにおいて、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線を介して接続可能に構成されていることから、ホールAに設置された遊技機の電源が投入されると自動的にホール用コンピュータから機歴管理センタ800AFに設置情報が送信される。機歴管理センタ800AFは、受信した設置情報と出荷時に登録した出荷情報とを関連付けて記憶領域に登録する。
図58は、図57(a)において機歴管理センタ800AFに入力される設置情報の内容の一例を示す図である。図58を参照して、設置情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、設置日と、ホールコードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、ホールコードと、取消フラグとは、図56で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
上述したように、図57(a)の場合には、主に、ホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定されるため、登録種別の番号は「11」〜「14」となる。設置日は、たとえば、保証書の開店予定日である。
以上から、図57(a)の場合には、機歴管理センタ800AFには、遊技機メーカから入力される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、設置日、および設置先ホール名が登録される。
また、図57(b)の場合には、機歴管理センタ800AFには、ホール用コンピュータから自動的に送信される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、設置日、設置先ホール名、主制御チップID、および払出制御用IDが登録される。なお、機歴管理センタ800AFは、設置情報として上記の一部の情報を受信し、出荷情報と共通する情報については、出荷情報を参照して登録する場合であってもよい。
再び、図54を参照して、ホールAに設置された遊技機が撤去された場合には、ホールAから撤去情報を書類などに記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFに送付された撤去情報に基づき、機歴管理センタ800AFの入力手段(図示していない端末など)から必要な情報を入力することで撤去情報をサーバの記憶領域に登録する。なお、当該書類が機歴管理センタ800AFに送付されない場合には、後述する中古移動情報または廃棄情報が機歴管理センタ800AFに登録されたときに、ホールAから遊技機が撤去されたと判断して、撤去情報を登録してもよい。
図59は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに撤去情報が登録されるまでの流れを示す図である。具体的には、図59(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図59(a)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図59(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図59(b)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図59(a)を参照して、ホールAに設置された遊技機を撤去する場合には、発行された変更承認申請書に基づいて遊技機が撤去される。遊技機が撤去されると、ホールAから撤去情報を含む書類が機歴管理センタ800AFに送付される。機歴管理センタ800AFは、送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録する。
図59(b)を参照して、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていることから、機歴管理センタ800AFは、記憶領域に登録されている設置情報に基づいて、ホールAに設置されているはずの遊技機と通信不能な状態が一定期間(例えば、1カ月間)経過した場合には、当該遊技機が稼働しておらず撤去された状態であると判断して、記憶領域に撤去情報を登録する。なお、図59(a)と同様に、機歴管理センタ800AFは、ホールAから送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録してもよい。
従来のCR遊技機が撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、撤去日、および撤去ホール名が登録される。また、P台2Fが撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
再び、図54を参照して、ホールAから撤去された遊技機が販売業者の倉庫に入庫され、当該入庫された遊技機を別のホールBに出庫する場合には、販売業者が申請書類に中古移動情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、送付された申請書類に基づいて、機歴管理センタ800AFの入力手段から中古移動情報をサーバに登録する。なお、機歴管理センタ800AFと販売業者が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに中古移動情報を入力してもよい。
販売業者から出庫された遊技機が別のホールBに納品され、当該遊技機が別のホールBに設置された場合には、別のホールBにおいても、図57で説明したような流れで設置情報が機歴管理センタ800AFのサーバに登録される。また、ホールBに設置された遊技機が撤去された場合にも、図59で説明したような流れで撤去情報が機歴管理センタ800AFに登録される。
次に、ホールAから撤去された遊技機が処理会社によって回収され、その回収された遊技機が廃棄される場合には、処理会社から廃棄情報を申請書類に記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、自装置内の入力手段から必要な情報を入力することで廃棄情報を記憶領域に登録する。なお、機歴管理センタ800AFと処理会社が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに廃棄情報を入力してもよい。
また、遊技機メーカによってホールAから下取りした遊技機が廃棄される場合には、ホール用コンピュータは、通信回線を介して廃棄される遊技機に関する廃棄情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該廃棄情報をサーバの記憶領域に登録する。
図60は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに廃棄情報が登録されるまでの流れを示す図である。
図60を参照して、遊技機メーカからホールAに遊技機の下取りの受け入れ了承通知がなされると、当該遊技機がホールAから遊技機メーカに引き渡される。遊技機メーカでは、当該遊技機を回収し保管した後、廃棄する場合には処理会社(廃棄業者)に廃棄処理を依頼する。遊技機メーカは、処理会社から遊技機の廃棄処理が完了した旨の連絡(処理明細等)を受けると、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する廃棄情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該廃棄情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図61は、機歴管理センタ800AFに入力される廃棄情報の内容の一例を示す図である。
図61を参照して、廃棄情報は、登録種別と、廃棄日と、遊技盤製造事業者コードと、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造事業者コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、事業者コードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、取消フラグとは、図56で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
廃棄日は、遊技機が廃棄された日である。遊技盤製造事業者コードは、遊技盤を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。遊技機枠製造事業者コードは、遊技機枠を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。事業者コードは、廃棄処理を実施した事業者を特定するための情報である。典型的には、処理会社(廃棄業者)の事業者コードであるが、遊技機メーカで廃棄処理した場合には、遊技機メーカの事業者コードとなる。
従来のCR遊技機が廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、廃棄日、および処理業者名が登録される。また、P台2Fが廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
<前枠および遊技盤の管理>
前述の機歴管理センタでは、遊技機(P台2F)の履歴を管理する構成について説明したが、P台2Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るため、前枠5Fと遊技盤26Fとに分けて履歴を管理することも可能である。そこで、以下に前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理について説明する。
図62は、本実施形態に係る前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を説明するための概略図である。図62に示す機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を図63に示すテーブルに記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理している。機歴管理センタ800AFは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)8001Fと、そのCPU8001Fの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)8002Fと、CPU8001Fのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)8003Fと、I/Oポート(Input/Output Port)8004Fと、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置8005Fとが設けられている。
図63は、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を行なうため、前枠5Fの情報および遊技盤26Fの情報を記憶するテーブルの概略図である。図63に示すテーブルには、払出制御基板17FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する払出側テーブル(図63(a))と、主制御基板16FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する主制御側テーブル(図63(b))とが含まれている。
以下、図62および図63を用いて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を具体的に説明する。まず、出荷・設置時について、(1)半導体チップメーカ190Fは、払出制御用半導体チップ17aFを製造して、前枠5Fの製造メーカである枠メーカ191Fに出荷する。また、(2)半導体チップメーカ190Fは、主制御用半導体チップ16aFを製造して、遊技盤26Fの製造メーカである遊技盤メーカ192Fに出荷する。なお、払出制御用半導体チップ17aFおよび主制御用半導体チップ16aFは同じ半導体チップメーカ190Fが製造する場合に限定されず、別々の半導体チップメーカ190Fが製造してもよい。
(3−1)半導体チップメーカ190Fは、製造した払出制御用半導体チップ17aFの払出制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDを入力して、払出側テーブルを更新する。同様に、(3−2)半導体チップメーカ190Fは、製造した主制御用半導体チップ16aFの主制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDを入力して、主制御側テーブルを更新する。
(4)枠メーカ191Fは、払出制御用半導体チップ17aFを前枠5Fに組込み、前枠5Fを製造する。さらに、枠メーカ191Fは、製造した前枠5Fをホール193Fに出荷して、設置する。(5)枠メーカ191Fは、ホール193Fに設置した前枠5Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。なお、前枠5Fを特定する情報として、図63(a)に示すように、前枠製造番号、払出基板管理番号、払出制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。さらに、前枠5Fを特定する情報に、枠の形式名、製品コード、およびメーカーコードを含んでもよい。
(6)遊技盤メーカ192Fは、主制御用半導体チップ16aFを遊技盤26Fに組込み、遊技盤26Fを製造する。さらに、遊技盤メーカ192Fは、製造した遊技盤26Fをホール193Fに出荷して、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて設置する。(7)遊技盤メーカ192Fは、ホール193Fに設置した遊技盤26Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、遊技盤26Fを特定する情報として、図63(b)に示すように、遊技機の形式名、製品コード、メーカーコード、遊技盤製造番号、主制御基板管理番号、主制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。
(8)ホール193Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。(9)鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、半導体チップメーカ190F、枠メーカ191Fおよび遊技盤メーカ192Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図63(a)に示す(3−1),(5)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに払出側テーブルに含まれるペアの主制御用セキュリティチップIDの情報(図63(a)に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fの管理状態(ステータス)は、払出側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
同様に、機歴管理センタ800AFは、主制御側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図63(b)に示す(3−2),(7)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに主制御側テーブルに含まれるペアの払出制御用セキュリティチップIDの情報(図63(b)に示す(9)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、遊技盤26Fの管理状態(ステータス)は、主制御側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
次に、保管時について、(10)ホール193Fは、新しい前枠5Fおよび遊技盤26Fに入替える場合、設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去して倉庫に保管する。(11)倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した前枠5Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した遊技盤26Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの保管情報として、図63に示すように、遊技機の製造業者、設置元ホール、撤去日、保管日、および保管場所が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fがホール193Fから撤去されると、稼働情報が鍵管理サーバ800Fに送信されなくなる。つまり、撤去された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、倉庫業者194Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる保管日などの情報(図63に示す(11)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「保管」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして撤去する必要はなく、いずれか一方を取外して撤去してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(11)(図63参照)の情報のみが更新される。
次に、再販時について、(12)ホール193Fは、倉庫業者194Fが保管している前枠5Fおよび遊技盤26Fを、中古業者195Fに再販を依頼する。中古業者195Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、当該ホールに設置する。(13)中古業者195Fは、再販した前枠5Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、中古業者195Fは、再販した遊技盤26Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの再販情報として、図63に示すように、設置元ホール、撤去日、設置日、および販社名が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが再販されると、別のホールに設置され、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せてP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。また、鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、中古業者195Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御販テーブルに含まれる販社名などの情報(図63に示す(13)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「再販」と判断し、さらに払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれるペアのセキュリティチップIDの情報(図63に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして再販する必要はなく、いずれか一方を再販してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(13)(図63参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合に限定されず、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販してもよい。また、再販時の再出荷は行なわない。
次に、廃棄時について、(14)ホール193Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを、廃棄業者196Fに廃棄を依頼する。廃棄業者196Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを適切な方法で廃棄する。(15)廃棄業者196Fは、廃棄した前枠5Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、廃棄業者196Fは、廃棄した遊技盤26Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの廃棄情報として、図63に示すように、設置元ホール、引き取り日、および廃棄日が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが廃棄されると、稼働情報は鍵管理サーバ800Fに送信されない。つまり、廃棄された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、廃棄業者196Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図63に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして廃棄する必要はなく、いずれか一方を取外して廃棄してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(15)(図63参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合に限定されず、ホール193Fに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄してもよい。
<機歴管理センタの異常判定>
機歴管理センタ800AFは、前述したように遊技機設置情報および未稼働情報と更新した情報とを照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。具体的に、機歴管理センタ800AFが異常であるか否かを判定する処理について、フローチャートを用いて説明する。図64は、機歴管理センタ800AFが前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。図65は、図64に示すフローチャートで参照するテーブルを説明する図である。
まず、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる情報に基づき、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を判断する(SF211)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図63に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、前回判断した管理状態から今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるか否かを確認する(SF212)。遷移禁止テーブルは、図65(a)に示すように、前回判断した管理状態から遷移が禁止されている管理状態を示している。具体的に、枠メーカ191Fが前枠5Fを製造して出荷した場合、当該前枠5Fが廃棄や再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「出荷」から「廃棄」や「再販」へ遷移することを禁止している。また、一度、設置、保管および再販された前枠5Fが、枠メーカ191Fから出荷されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「設置」、「保管」および「再販」から「出荷」へ遷移することを禁止している。さらに、廃棄された前枠5Fが、出荷、設置、保管および再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「廃棄」から「出荷」、「設置」、「保管」および「再販」へ遷移することを禁止している。なお、前述の遷移禁止テーブルのでは、前枠5Fを例に説明したが、遊技盤26Fについても同様である。
次に、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれないとき(SF212:N)、鍵管理サーバ800Fからの情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの稼働状態を判断する(SF213)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから遊技機設置情報が送信されたときは稼働状態と判断し、鍵管理サーバ800Fから未稼働情報が送信されたとき(遊技機設置情報が送信されないとき)、非稼働状態と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、SF211で今回判断した管理状態、およびSF213で判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているか否かを確認する(SF214)。更新異常テーブル、図65(b)に示すように、SF211で今回判断した管理状態において禁止されている稼働状態を示している。具体的に、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されている場合、営業時間内であれば稼働状態となるが、営業時間外であれば通常未稼働状態であるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「設置」のとき、「営業時間外で稼働」となると異常と判定する。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されていない場合、常に未稼働状態となるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「出荷」,「保管」,「再販」,および「廃棄」のとき、「稼働」となると異常と判定する。
次に、機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているとき(SF214:Y)、異常を報知する(SF215)。SF215で、異常を報知する手段は、機歴管理センタ800AFの表示装置に異常を表示する、音声出力装置から警報音を出力するなど、いずれの手段であってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるとき(SF212:Y)も、異常を報知する(SF215)。
機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれていないとき(SF214:N)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、前枠5Fの履歴情報を払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する払出側テーブルと、遊技盤26Fの履歴情報を主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する主制御側テーブルとを大容量記憶装置8005Fに含み、CPU8001Fが払出側テーブルおよび主制御側テーブルに記憶した情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態の異常を判定する。そのため、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、別々に流通する可能性がある前枠5Fおよび遊技盤26FをそれぞれのセキュリティチップIDに関連付けて履歴を管理することができる。
<主制御部−払出制御部間の通信>
次に、P台2Fにおける主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信についてさらに詳しく説明する。まず、図43に示すP台2Fにおいて、遊技盤26Fに設けられた主制御基板16Fと、前枠5Fに設けられた払出制御基板17Fとの通信は、主制御基板16Fに設けられた主制御部161Fと前枠5Fに設けられた払出制御部171Fとの間で行なわれる。図66は、主制御部161F、払出制御部171F、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。
図66に示す主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、ワンチップで構成されているものとして以下説明するが、複数のチップで同様の機能を構成してもよい。主制御部161Fは、主制御回路161aF、通信制御回路161bF、主制御記憶部161cFを備えている。主制御回路161aFは、主制御部161Fで様々な処理(たとえば、入賞センサ162Fからの信号に基づいて入賞球をカウントしたり、電波センサ163Fからの信号に基づいて不正を検出したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路161bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信を行なうための回路である。主制御記憶部161cFは、主制御部161Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などで構成されている。なお、主制御記憶部161cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
一方、払出制御部171Fは、払出制御回路171aF、通信制御回路171bF、払出制御記憶部171cFを備えている。払出制御回路171aFは、払出制御部171Fで様々な処理(発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを制御したり、計数ボタン28Fからの信号に基づいてCU3Fに対して遊技玉から持玉への変換を要求したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路171bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信、および払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間の暗号通信を行なうための回路である。払出制御記憶部171cFは、払出制御部171Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータなどを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAMなどで構成されている。なお、払出制御記憶部171cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
さらに、通信制御回路161bF,171bFについて詳しく説明する。図67は、払出制御部171Fと暗号通信するための通信制御回路161bFの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路161bFは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、前枠5Fの払出制御部171Fとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて主制御部161Fの情報を、払出制御部171Fに渡し、払出制御部171Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部600Fにて払出制御部171Fとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路161bFは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路161bFは、図67に示すように主制御回路161aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部600Fを有している。
通信制御回路161bFに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ611F、認証割込み設定レジスタ612F、送信データバッファ613F、送信データ数レジスタ614F、情報送信クリアレジスタ615F、主制御遊技情報レジスタ616F、払出制御遊技情報レジスタ617F、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ611Fは、主制御部161FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ612Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ613Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fに送信する遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、送信データバッファ613Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ613Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ613Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要である。送信データバッファ613F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ614Fは、主制御部161F払出制御部171Fへ送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ613F内のデータ数をモニタしている。情報送信クリアレジスタ615Fは、送信データバッファ613Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
主制御遊技情報レジスタ616Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ616Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで暗号化されて払出制御部171Fへ送信される。払出制御遊技情報レジスタ617Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ617Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで復号化されたデータである。
リカバリ通信完了レジスタ618Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信が完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fは、払出制御部171Fと通信を行なっている暗号通信制御部600Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171bFは、主制御部161Fと暗号通信するための構成と、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成とに分けられ、主制御部161Fと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b1F、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b2Fとして以下説明する。
まず、図68は、主制御部161Fと暗号通信するための通信制御回路171b1Fの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路171b1Fは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、遊技盤26Fの主制御部161Fとの相互認証、およびCU3Fの通信制御IC325aFとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて払出制御部171Fの情報を、主制御部161Fに渡し、主制御部161Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部700Fにて主制御部161Fおよび通信制御IC325aFとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路171b1Fは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路171b1Fは、図68に示すように払出制御回路171aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部700Fを有している。
通信制御回路171b1Fに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ711F、認証割込み設定レジスタ712F、データ受信レジスタ713F、受信データ数レジスタ714F、情報受信クリアレジスタ715F、払出制御遊技情報レジスタ716F、主制御遊技情報レジスタ717F、リカバリ要求/完了レジスタ718Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ711Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ712Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
データ受信レジスタ713Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信した遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、データ受信レジスタ713Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該レジスタに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、データ受信レジスタ713Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、データ受信レジスタ713Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。データ受信レジスタ713F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
受信データ数レジスタ714Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ713F内のデータ数をモニタしている。情報受信クリアレジスタ715Fは、データ受信レジスタ713Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
払出制御遊技情報レジスタ716Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ716Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで暗号化されて主制御部161Fへ送信される。主制御遊技情報レジスタ717Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ717Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで復号化されたデータである。
リカバリ要求/完了レジスタ718Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fは、主制御部161Fと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171b1Fには、その他、通信タイムアウト時間設定レジスタ719aF、通信インターバル時間設定レジスタ719bF、および主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFが含まれている。
主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定するレジスタである。当該レジスタを設定することで、データ受信レジスタ713Fへの書込みは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても設定した有効時間(たとえば、5秒から15秒程度)行なうことができる。これにより、たとえば、電源断や断線などにより認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。なお、玉の滞留時間が長いステージを有する遊技機の場合でも、浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶することができるように有効期間を長めに設定することができるものとする。
本来、データ受信レジスタ713Fには、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後、セキュリティの観点から暗号通信制御部700F介して情報を書き込むことができない。しかし、データ受信レジスタ713Fでは、たとえば、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に浮遊玉が入賞したことの情報を書き込む必要があった。そこで、通信制御回路171b1Fは、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFに対して有効時間を設定し、暗号通信制御部700Fで本設定することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても有効期間内であれば暗号通信制御部700Fを介して情報をデータ受信レジスタ713Fに書き込むことができる。なお、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFの設定値は、暗号通信制御部700Fで本設定された後であれば読み出すことができる。
図69は、通信制御IC325aFと暗号通信するための通信制御回路171b2Fの構成を説明するためのブロック図である。通信制御回路171b2Fは、図69に示すように、通信制御IC325aFと暗号通信するために、たとえば認証ステータスレジスタ721F、認証割込み設定レジスタ722F、送信データバッファ723aF、データ受信レジスタ723bF、送信データ数レジスタ724F、受信データ数レジスタ725F、リカバリ通信加算球要求レジスタ726F、リカバリ通信減算球要求レジスタ727F、リカバリ要求/完了レジスタ728F、暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729F、通信タイムアウトタイマ−プリスケーラ設定レジスタ729aFおよび通信タイムアウト時間設定レジスタ729bFなどを有している。
認証ステータスレジスタ721Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ722Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ723aFは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信する業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。データ受信レジスタ723bFは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信した業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。
なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFを不揮発メモリで構成することで、払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファおよびレジスタに書込まれた業務電文は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFに書込まれた業務電文を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、払出制御部171Fや通信制御IC325aFの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bF以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ724Fは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ723aF内のデータ数をモニタしている。受信データ数レジスタ725Fは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ723bF内のデータ数をモニタしている。
リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて加算球が発生した場合に加算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、リカバリ通信完了時のみ更新される。リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて減算球が発生した場合に減算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fも、リカバリ通信完了時のみ更新される。
リカバリ要求/完了レジスタ728Fは、通信制御IC−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729Fは、通信制御IC325aFと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
<リカバリ完了確認処理>
次に、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、電源断などの通信不能な状態から復帰するとき、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、主制御記憶部161cFおよび払出制御記憶部171cFに記憶された所定情報を送信するリカバリ処理を実行する。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理の終了を条件に、ユーザプログラムの実行による所定情報の生成を再開するリカバリ完了確認処理を行なう。具体的に、リカバリ完了確認処理についてフローチャートを用いて説明する。図70は、リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、電源断などの通信不能な状態から復帰させるために電源が投入されると、主制御回路161aFおよび払出制御回路171aFが認証シーケンスの処理を開始し、認証が完了すると主制御部161Fおよび払出制御部171Fのそれぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証結果が書込まれる。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれているか否かを確認する(ステップSF291)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれていない場合(ステップSF291:NO)、ステップSF291の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれている場合(ステップSF291:YES)、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれているか否かを確認する(ステップSF292)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていない場合(ステップSF292:NO)、ステップSF292の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれている場合(ステップSF292:YES)、ユーザプログラムの処理を開始する(ステップSF293)。なお、ユーザプログラムの処理を開始させる手段として、たとえばユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信して当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段や、ユーザプログラムの処理を停止する停止手段を設け、当該停止手段を解除することで当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段などがある。
前述のように、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理が完了するまでユーザプログラムの処理を開始しないため、リカバリ処理によって復帰させる情報が確定する前にユーザプログラムの処理による新たな情報が書込まれないようにすることでユーザプログラムの処理を適切に再開することができる。
<主制御部と払出制御部との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図71を参照して、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図71には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して電源投入通知という名称のコマンドが送信される。この電源投入通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して電源が投入され通信が開始されることを通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して電源投入受信という名称のレスポンスが送信される。この電源投入受信のレスポンスは、主制御部161Fに対して電源投入通知を受信し、通信が開始されることの応答である。
次に、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して遊技状態通知という名称のコマンドが送信される。この遊技状態通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して遊技状態を通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して遊技状態応答という名称のレスポンスが送信される。この遊技状態応答のレスポンスは、主制御部161Fに対して遊技状態通知を受信したことの応答である。
<主制御部と払出制御部との間で処理される主なシーケンス>
次に、図72および図73に基づいて、主制御部161Fおよび払出制御部171Fで実行される処理による主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<通信シーケンス>>
まず、図72を参照して、電源投入時、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理されるシーケンスを説明する。図72に示すシーケンスは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。
また、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信は、主制御部161Fを一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は200msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。払出制御部171Fは、応答を送信してから1秒経過しても主制御部161Fからの要求コマンドが受信できなかった場合に「通信回線断」とし、遊技を停止させる。
さらに、払出制御部171Fは正常なデータを受信した場合のみ、主制御部161Fへ応答コマンドを送信する。主制御部161Fはポーリング間隔時間内に応答コマンドを受信しなかった場合、初回を含めて最大3回までコマンドを再送する。送受信に用いる通番は、主制御部161F、払出制御部171Fともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、前述したように主制御部161Fおよび払出制御部171FのチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタ611F,711Fに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
次に、主制御部161Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。さらに、主制御部161Fは、通番を「n+1」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+1」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。
その後、主制御部161Fは、通番をカウントアップして「n+2」として、遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fへ送信する。そして、払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+2」として、遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fへ返信する。
主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、通番「n」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔、通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+2」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔は、それぞれ200ms間隔である。
<<電源断後のシーケンス>>
次に、図73を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの処理について説明する。図73は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、払出制御部171Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、遊技状態通知が未到達(主制御部161Fから払出制御部171Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図73を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、主制御部161Fは、通番=nを含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信している。それを受けて、払出制御部171Fは、通番=nを含む遊技状態受信を主制御部161Fに送信する。
そして、遊技中において払出制御部171Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む遊技状態通知が主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信された場合に、払出制御部171Fが電源断の状態であるためにその遊技状態通知を受信できない。それ以降、払出制御部171Fからの遊技状態受信が送信されてこないために主制御部161Fは、1秒後に電源断が発生したとして通信を停止する制御を行なう。
その後、電源投入および主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で認証シーケンスが開始されると、主制御部161Fは、通番=1および主制御通番(前回最終送信通番)=n+1を含む電源投入通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、電源断が発生する前に主制御部161Fに送信した遊技状態受信の通番が「n」であったため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nとなる。そのため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nと、主制御部161Fでバックアップしている主制御通番=n+1とが不一致である。払出制御部171Fは、通番が不一致であるとき、主制御部161Fから送信された電源投入通知に含まれるリカバリ遊技情報に基づき払出制御部171Fの情報をリカバリ処理する。その後、払出制御部171Fは、通番=1を含む電源投入受信を主制御部161Fに送信する。
主制御部161Fは、通番=2を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、リカバリ処理後の内容で処理を行なうとともに、通番=2を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。以降同様に、主制御部161Fは、通番=3を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番=3を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。
なお、前述のリカバリ処理は、通番が不一致であったので実施する構成であったが、リカバリ遊技情報に含まれる情報(たとえば、遊技情報数や賞球情報など)が主制御部161Fと払出制御部171Fとで不一致であってもリカバリ処理を行なってもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図74は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を「P台」と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、「S台」とも略称する。
上記の遊技用システムは、遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図74を参照して、S台(スロットマシン)2SFは、本体枠2aSFに対して前面扉2bSFがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図74では図示を省略しているが、S台2SFの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2SFでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2SFにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2SFには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2SFの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2LF、2CF、2RF(以下、左リール、中リール、右リールとも言う)が水平方向に並設されており、これらリール2LF、2CF、2RFに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSFに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2LF、2CF、2RFの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSFの各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510Fが設けられている。この表示器510Fは、P台の表示器54Fに相当する表示器であり、表示器54Fと同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510Fは、図43の表示器54Fと同様にCUの表示制御部350Fに接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510Fは、各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図74に示されるスタートスイッチ7SFよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、この表示器510Fの下方部分に7セグ表示器50SFが設けられている。この7セグ表示器50SFは、P台の7セグ表示器50Fに相当する表示器であり、7セグ表示器50Fと同種の各種情報(前面扉2bSFの開放回数など)が表示される。
また、前面扉2bSFには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5SF、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6SF、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7SF、リール2LF、2CF、2RFの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8LF、8CF、8RFがそれぞれ設けられている。
S台2SFにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残高、持点、あるいは遊技場に預入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落すことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5SF、またはMAXBETスイッチ6SFを操作すればよい。本実施形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510Fの遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7SFの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7SFを操作すると、各リール2LF、2CF、2RFが回転し、各リール2LF、2CF、2RFの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8LF、8CF、8RFを操作すると、対応するリール2LF、2CF、2RFの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そしてすべてのリール2LF、2CF、2RFが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2LF、2CF、2RFの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510Fの遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図74に示すとおり、S台2SFには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28SFが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図43参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510Fに行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510Fに表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU3Fへ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2FやS台2SFを経由して状態情報応答としてCU3Fへ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2SFを制御する主制御部(S台の主制御部161Fに相当)によって決定される。S台2SFの主制御部は、P台2Fに搭載された主制御基板16Fに対応するメイン制御基板に搭載されている。主制御部は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって当選役の有無を決定する。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた信号を払出制御部(図43の払出制御部171Fに相当)へ送信する。払出制御部は、その信号に応じた数の遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2SFの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSFに取付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2SFのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSFとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図75は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図75に示す送受信態様は、P台の構成として説明した図45の用語をS台用に置換えたものであり、その態様は、図45を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
また、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、パチンコ遊技機1について前述したような、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号と、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号とが含まれてもよい。なお、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、前述したパチンコ遊技機1のように情報出力回路から外部に出力する構成ではなく、主制御部161Fから払出制御部171Fを介して情報を出力するようにしてもよい。
保留記憶数の情報は、前述したように、主制御基板16Fに設けられた遊技制御用マイクロコンピュータが、加減算処理等のデータ処理をしているため、最新情報を認識している。したがって、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号が、遊技制御用マイクロコンピュータから情報出力回路または払出制御用マイクロコンピュータを介して外部に出力可能である。
また、主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、発射停止信号、電波センサ検出信号、磁石センサ検出信号、不正入賞検出信号、および、遊技状態情報設定完了信号等の各種信号により、各種情報を送信し、払出制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ここで、発射停止信号は、打球操作ハンドル25Fにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき、発射停止スイッチ(操作されると強制的に発射停止制御が実行されるスイッチ)が操作されているとき、打球操作ハンドル25Fが一定回転角度以上回転操作されていないとき、または、カードユニット(CU)3Fとパチンコ機(P台)2Fとが電気的に未接続のとき等の所定の発射停止条件が成立したと遊技制御用マイクロコンピュータで判断したときに出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)163Fからの電波検出信号が主制御基板16に入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
磁石センサ検出信号は、異常な磁気(不正磁気)を検出する磁石センサ(磁石スイッチ)が、主制御基板16F(遊技制御用マイクロコンピュータ)に接続されている構成において、磁石を用いて遊技玉の軌道を変える等の磁石を用いた不正遊技に基づいて、磁石センサからの磁気検出信号が主制御基板16Fに入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、磁石センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
不正入賞検出信号は、大入賞口への入賞玉を検出するカウントスイッチが主制御基板16Fに接続されている構成において、大入賞口が閉じている状態で、入賞センサ162Fのうち大入賞口への入賞玉を検出する入賞センサの検出信号により、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、大入賞口内への入賞玉が検出されたことで不正入賞エラーが判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
遊技状態情報設定完了信号は、パチンコ機(P台)2Fの電源投入時において、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信する各種遊技情報(遊技状態情報)の設定が完了したときに出力される。このような遊技状態情報設定完了信号は、たとえば、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)との通信開始のトリガ信号として使用される。
また、払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータから主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、ガラス枠・本体枠開放信号、入賞数異常信号、不正加算検出信号、電波センサ検出信号、近接センサ異常信号、夜間開放検出信号、計数報知要求信号、カード抜き取り待ち中信号、および、省電力移行要求信号等の各種信号により、各種情報を送信し、遊技制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ガラス枠・本体枠開放信号は、前述のガラス扉開放検出スイッチ12Fまたは前枠開放検出スイッチ13Fからの検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより、払出制御用マイクロコンピュータにおいてガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
入賞数異常信号は、主制御基板16Fから払出制御基板17Fに入力される入賞検出信号による入賞個数について、払出制御用マイクロコンピュータにおいて単位時間当りの入賞個数が所定数以上であるか否かを確認することに基づいて、入賞数異常であるか否かを判定し、入賞数異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
不正加算検出信号は、CU3Fへのカード挿入中以外の状態において、払出制御基板17FがCU3Fから持玉の加算要求を受信したときに払出制御用マイクロコンピュータにおいて不正加算エラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)173Fからの電波検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより払出制御用マイクロコンピュータにおいて電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
近接センサ異常信号は、入賞センサ162F、玉上げスイッチ(上)41aF、ファール玉検出スイッチ330F、アウト玉検出スイッチ701F、および、発射玉検出スイッチが玉の通過による静電容量の変化により遊技玉を検出する近接スイッチで構成されており、このような近接スイッチについて、玉検出個数の齟齬に基づいて異常であるか否かを払出制御用マイクロコンピュータにおいて判定し、異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。たとえば、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にしたときに、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出されたときには、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、近接センサが異常であると判定される。
夜間開放検出信号は、次のように払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのいずれかが開放されたと判定されたときに出力される。パチンコ機2Fが電源OFFとされる夜間には、バックアップ電源により動作する前述の計数カウンタにより、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fから出力される検出信号に基づいて、ガラス扉6F、前枠5Fが開放された回数がそれぞれ計数される。そして、パチンコ機2Fの電源投入時において計数カウンタから払出制御基板17Fへ出力されるそれぞれの開放回数の計数値により、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのうちいずれが開放されたかが判定される。なお、ガラス扉6Fと前枠5Fとのうち一方のみの夜間開放を検出して、夜間開放検出信号を出力するようにしてもよい。
計数報知要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、計数ボタンの操作に応じて計数要求があったと判断したときに、計数値を報知する要求をするために出力される。このような計数報知要求信号は、たとえば、主基板による計数に関する音声出力および数値表示を実行するために使用される。
カード抜き取り待ち中信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、CU3Fでカード抜き取り可能状態となったと判断したときに、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報を通知するために出力される。
省電力移行要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき(たとえば所定期間検出していないとき)、遊技玉数が「0」であるとき、CU3Fにカードが未挿入であるとき、または、変動表示が停止中であるとき等の予め定められた省電力制御移行条件が成立したと判断したときに、たとえば、液晶のバックライトの明るさの減少、および、各種ランプの発光停止等の所定の省電力制御をする省電力状態へ移行する作動要求信号として出力される。
なお、前述したパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれる例を示したが、このような入賞情報信号の外部出力は、パチンコ機(P台)2Fにおいて適用してもよい。
また、前述したパチンコ機2Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明した保留記憶個数信号、発射停止信号、および、電波センサ検出信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。また、パチンコ機2Fの払出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明したガラス枠・本体枠開放信号、および、入賞数異常信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図43に示した遊技枠の各種検出スイッチ41aF、701F、33F、発射制御基板31F、および発射モータ18Fは、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施形態では、ドル箱表示する機能が設けられることで、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510Fには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残高、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引落されて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510Fには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5SFの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6SFの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510Fにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、「カード持玉数」とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CU3Fに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示するのが望ましい。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出を行なうことができるとともに、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止することができる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(8) 前述の実施形態においては、ガラス扉6Fの開放検出と前枠5Fの開放検出とを別々のガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fにより検出するものを示したが、その代わりに、共通の検出スイッチにより両者を検出するように構成してもよい。
(9) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作がない場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(10) 計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数されるように制御するのが望ましい。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(11) (A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行なわれるように制御するのが望ましい。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるように制御するのが望ましい。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断するのが望ましい。これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27F内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2LF、2CF、2RFが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2LF、2CF、2RFが停止するまでの期間である。
(13) 大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させてもよく、また発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(14) 図45を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(15) 計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数してから返却操作をして下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28Fを表示させて点滅するような表示であってもよい。
(16) 遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行されるように制御するのが望ましい。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい。」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(17) 遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されないように制御するのが望ましい。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(18) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(19) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(20) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(21) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(22) 本実施形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(23) 図45あるいは図75において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(24) 表示器54Fで行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312Fで行なうようにしてもよい。
(25) CUにおいて、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(26) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(27) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(28) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放して下さい」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(29) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(30) 図47〜図53で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3F、P台2F、S台2SF等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(31) 前述の実施形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(32) 前述の実施形態においては、いわゆる封入循環式遊技機(P台2FおよびS台2SF)を示したが、それに限定されるものではなく、島の上部から遊技媒体(パチンコ玉等)が遊技機に供給されて入賞によりさらに遊技媒体が払出される一般的な遊技機であってもよい。具体的には、玉貯留皿に貯留された玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、入賞することによって玉が玉貯留皿に払い出され、遊技終了時にその玉貯留皿に払い出され玉を用いて景品交換できるパチンコ機でもよい。また、コイン受け皿に貯留されているコインをコイン投入口に投入して賭数を入力設定し、スタートレバーを操作することによりリールが回転して停止することにより1ゲームが終了し、リールの停止時に表示された表示結果入賞が発生している場合には、コインがコイン受け皿に払い出され、遊技終了時にそのコイン受け皿に払い出されコインを用いて景品交換できるスリットマシンでもよい。つまり、遊技媒体(パチンコ玉、コイン)を使用して遊技が可能であり、遊技の結果に応じて遊技者に遊技媒体が払い出される遊技機であってもよい。
(33) 前述の実施形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(34) 前述の実施形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(35) 前述の実施形態では、各種認証鍵を用いて認証を行なっていたが、この各種認証鍵の代わりに、たとえば認証用のID等を用いて認証を行なうようにしてもよい。
(36) 前述の表示器54F、510Fをタッチパネル付きの表示器で構成してもよい。また、P台とCUとの間で送受信される情報は、前述の実施形態で説明されたものに限定されるのではなく、また、どのような情報をP台からCUへ出力するかを遊技機の表示器54F、510Fのタッチパネルでタッチ操作して入力設定できるようにしてもよい。
また、S台2SFにおいても前述のP台2Fと同様にS台2SFから出力された情報を変換してホールコンへ送信するが、変換対象の情報としては、たとえば、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞や各種小役入賞等の入賞情報、リプレイタイム中を示す情報、図75の加算数や減算数、ゲームスタート回数等である。また、変換対象の情報としては、入賞に伴ってコインを払出すようにした場合のその払出枚数でもよい。
(37) 上記実施形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322Fの操作))を有効化する有効化手段」を含む。
ここで、前記有効化手段は、たとえば、「P台側で遊技点0を確認してCUへカード排出操作許可ONを送信する手段」、あるいは、「CUからカード返却通知を受信したときに遊技玉数=0か否かを判定し、0の場合にはCUに対してカード返却応答を返信することによってカード返却を有効とする手段」、さらには、「計数操作等が行なわれることによって遊技玉数=0とし、そのことによって結果的にカード返却を有効とする条件を成立させる手段」を含む概念である。
(38) 払出制御部171Fが、一周フラグが立つ値(=63)を受信したとき異常制御処理として、以下のa〜cに列挙するもののうちから1つまたは2つ以上を採用して実行するように制御してもよい。
a 払出制御部171Fまたはその払出制御部171Fから異常情報を受けた主制御部161Fにより、P台2Fの表示器(たとえば7セグ表示器50Fや識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置)により表示する。
b 払出制御部171Fから異常情報を受信したCU3Fにおいてエラー番号等の異常報知を行なう。
c CU3Fから異常情報を受信したホール用管理コンピュータ等の上位装置においてエラー番号等の異常報知を行なう。
(39) 本実施形態では、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する前枠5Fの履歴情報として、前枠5Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、前枠5Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。同様に、本実施形態では、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する遊技盤26Fの履歴情報として、遊技盤26Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、遊技盤26Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。
(40) 本実施形態では、製造メーカや倉庫業者などが出荷・設置や保管などの作業が完了した後に、機歴管理センタ800AFに接続された端末から必要な情報(図63に示す、たとえば、出荷日、設置日時、撤去日、販社名、や廃棄日などの情報)を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、製造メーカや倉庫業者などが申請書類に必要な情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付することで、機歴管理センタ800AF内の入力手段(たとえば、内部端末など)から必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。なお、機歴管理センタ800AFに接続された端末とは、機歴管理センタ800AFに対して直接接続されている端末(たとえば、機歴管理センタ800AFにある内部端末)でも、通信回線を介して接続されている端末(たとえば、インターネットを介して接続された倉庫業者や中古業者などの端末)でもよい。
(41) 本実施形態では、1つの大容量記憶装置8005Fに払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、複数の大容量記憶装置に分けて払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶しても、払出側テーブルを記憶する大容量記憶装置と、主制御側テーブルを記憶する大容量記憶装置とに分けてもよい。また、大容量記憶装置に記憶した払出側テーブルおよび主制御側テーブルは、それぞれセキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を消去することができる。たとえ、ペアのセキュリティチップIDに関連付けられていても、セキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を別々に消去することができる。これにより、使用される期間が異なる前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fに比べて使用される期間が長い)であっても個別に削除することができるので、それぞれ適切に管理することができる。
(42) 本実施形態では、ホール以外の製造メーカや倉庫業者などが機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、ホール自体が機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。
(43) 本実施形態では、中古業者が前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、設置する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報として再販情報を記憶する例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fを設置しているホールと同じグループの別のホール(たとえば、同じ法人コードのホール)に移動する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの単なる移動として移動情報を履歴情報に記憶する(管理状態(ステータス)を「設置」から「設置」)だけでもよい。つまり、同じ法人コードのホール間で、前枠5Fおよび遊技盤26Fの設置が移動しても異常と判定されない。さらに、同じ法人コードのホール間で、かつ同一県内に限り前枠5Fおよび遊技盤26Fの移動を認め、同じ法人コードのホール間でも他県に移動する場合は、再販と同じ処理を行なうようにしてもよい。
(44) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFをたとえば以下のように設定する。機歴管理センタ800AFには、システムに登録されているユーザで、クリア認証で認証されたものをシステムにログインさせる。ログイン時における認証は、(a)指定されたユーザIDがシステムに存在すること。(b)指定されたユーザがアカウント有効期限内であること。(c)指定されたユーザがアカウントロックされていないこと。(d)入力されたパスワードが指定されたユーザIDのパスワードと合致すること。(e)現在がパスワードの有効期間内にない場合は、ログインさせるがユーザ自身のパスワード変更とログアウトのみ利用可能とし、パスワード変更が必要である旨をメッセージ表示する。なお、パスワードが変更された場合は、新パスワードを利用確認してもらうため、ログアウトする。
機歴管理センタ800AFは、認証に成功した場合、そのユーザのログイン失敗回数・連続ログインエラー日時をクリアする。一方、機歴管理センタ800AFは、認証に失敗した場合、そのユーザが実在する場合、ログイン失敗回数を記録する。なお、ログイン失敗回数が[ログイン試行上限回数]に達する都度(整数倍となる場合)アカウントをロックした日時を設定する。
機歴管理センタ800AFは、(a)ユーザを新規に登録した場合、(b)パスワードをクリアした場合、および(c)パスワードをユーザ自身が変更した場合、パスワードの有効期限を更新・設定する。更新・設定したパスワードは、その時点から[パスワード有効期間]経過までを有効とする。
機歴管理センタ800AFは、同一のセッションにおいて、認証を[ログイン試行上限回数]失敗した場合、ログイン画面ではなく、ログインNG画面に遷移し、ログインを試行させない。
機歴管理センタ800AFは、ログイン時に、当該ユーザのパスワードが[パスワード期限切れ警告期間]以内に期限切れになる場合、パスワード有効期限が切れる可能性があることを警告する。なお、当該警告は、たとえばログイン完了画面に表示するが、ログイン完了画面に表示すべきメッセージが無い場合は、ログイン完了画面を表示せず、HOMEメニューに遷移する。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザのログイン失敗回数が[ユーザ無効化ログイン失敗回数]を超えている場合(恒久的アカウントロック状態)、または(イ)アカウントロック日時から[ログイン試行拒否時間]が経過していない場合(一時アカウントロック状態)、アカウントロックする。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザを新規に登録した場合、または(イ)ユーザ情報画面から有効期間の更新を行った場合、アカウントの有効期限を更新・設定する。なお、アカウント有効開始日からアカウント有効終了日までの期間、アカウントを利用することが可能となる。
機歴管理センタ800AFは、一度に生成可能なアカウント生成最大数を初期導入時にたとえば20に設定してある。ここで、[ログイン試行上限回数]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば5回に設定してある。[ユーザ無効化ログイン失敗回数]は、連続したログイン試行失敗で恒久的にアカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば100回である。[ログイン試行拒否時間]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする期間で、初期導入時は、たとえば30分である。[パスワード有効期間]は、パスワード変更した時に設定されるパスワードの有効期間で、初期導入時は、たとえば90日である。[パスワード期限切れ警告期間]は、アカウントのパスワード切れ間近をメッセージ通知する期間で、初期導入時は、たとえば14日である。
なお、機歴管理センタ800AFは、パスワードの最小文字数を初期導入時、たとえば8文字とし、パスワードの使いまわしを防ぐ世代数(現在を含む)を初期導入時、たとえば3世代とする。また、機歴管理センタ800AFは、ユーザ情報を登録するには、該当ユーザの事業者情報が登録されていることを条件とする。事業者情報には、機歴管理センタ800AFの業務に関わる各事業者の業種および住所等の属性情報が含まれる。
機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を、入力後、基本的に取消しすることができず、誤操作等により誤りが生じた場合は、「機歴全体備考欄」にコメントを記載することで他の人がわかるようにする。ただし、誤投入の可能性があるため、遊技機ステータス更新画面より投入するステータスに限り、取消を可能とする。取消を可能とする場合、限られた人のみ取消しの実行を可能とするよう、権限により制御する。また、機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を変更するために機歴を検索する場合、検索対象を最新の遊技機の管理状態(ステータス)のみを対象に検索を行なう。
機歴管理センタ800AFでは、データの種類と種類毎の保持期間をたとえば以下のように管理している。
(1)アカウント関連のデータ(たとえば、事業者情報、アカウント情報など):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(2)遊技機機種等のマスタ情報(たとえば、遊技機機種マスタなど):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(3)機歴管理の根拠となる情報(たとえば、遊技機チップ出荷情報、遊技機出荷情報など):基本的に管理が開始されるまでは変更を可能とするが、以後は編集を不能とし、永続的に管理する。
(4)機歴情報(たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報):基本的にファクト情報の入力であるので、入力後の変更は認めず、永続的に管理する。
(5)カードユニット鍵管理センタから通知された情報(たとえば、不正検知など):システムで検知した情報であるので、変更は認めず、永続的に管理する。
(6)システムへの入力ジャーナル(たとえば、Web入力ログ、オンライン入力ログ、システム連携入力ファイルなど):入力の種類別・ノード別に14日間を保持する。
(7)システムからの出力ジャーナル(たとえば、Web出力ログ、オンライン出力ログ、システム送信ファイルなど):出力の種類別・ノード別に7日間を保持する。
(8)集信・配信の業務的通信の記録(たとえば、配布スケジュールなど):7日間を目途に情報を保持する。
(9)システムテンポラリファイル(たとえば、CSVアップロードファイルなど):アプリケーションの挙動後に削除する。ただし、異常終了時等を考慮してクリーニングバッチで不要と確認されたら削除する。
(10)長期間ステータス更新を行なっていない機種情報(たとえば、長期間ステータス更新を行っていない機種情報など):2世代保持する。
機歴管理センタ800AFでは、管理状態(ステータス)の異常について、更新前の管理状態(ステータス)と更新後の管理状態(ステータス)との関係が異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。そのため、ファイル出力した情報に基づいて、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対して連絡するなどの報知を行ない、正しい管理状態(ステータス)に更新されるように対応することができる。なお、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対しては、連絡を行なうのみでなく、ヒアリングして、正しい管理状態(ステータス)を確認した上で対応を行なってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、現在、管理状態(ステータス)の異常が発生している前枠5Fおよび遊技盤26Fのすべてを対象に、連絡するなどの報知を行なう。また、異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの最新情報(ファイル出力時点)は、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードすることができる。
機歴管理センタ800AFでは、長期間管理状態(ステータス)の更新を行っていない前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報に対して、「廃棄」や「その他」以外の管理状態(ステータス)となっている前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。なお、長期間管理状態(ステータス)の更新が行なわれていない異常については、バッチ処理によりその処理時点の情報を抽出し、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードする。また、ダウンロードする1つのファイルは、最大件数の閾値(初期構築時:10万レコード)が設定してあり、当該閾値を超えた場合は別ファイルに出力を行なう。さらに、ファイルをダウンロードする際、同日に処理を行なった結果をまとめて圧縮ファイルとして出力を行なう。
(45) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFに撤去情報を入力する構成を説明したが、本発明はこれに限られず、中古移動情報、廃棄情報や下取り情報などが機歴管理センタ800AFに入力されると、機歴管理センタ800AF内で自動的に撤去情報が登録される構成でもよい。当該構成とすることで、ホールから撤去されていると推定して遊技機の履歴を管理することができ、ホールから履歴管理システムに撤去情報を入力する負担を軽減することができる。
(46) 本実施形態では、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷した後に、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成を示したが、本発明はこれに限られず、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷する情報が入力された時点で、自動的に機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成でもよい。当該構成とすることで、出荷状態の履歴が登録されずに忘れられてしまうのを防止することができる。
(47) 本実施形態では、遊技機メーカが出荷した封入循環式パチンコ機(P台2F)またはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fを含む遊技機をホールに設置した場合、機歴管理センタ800AFが、P台2Fから通知された遊技機設置情報(稼働情報)を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合している。そして、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりなど、当該異常を報知する。しかし、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常を報知する構成だけに限定されるものではなく、異常と判断したP台2FまたはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fでの遊技を禁止する構成でもよい。なお、機歴管理センタ800AFは、異常と判断した場合でも、一定期間、当該P台2Fでの遊技を暫定的に許可して、ホールの営業行為を妨げないように構成してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。