JP2012217748A - 封入球式遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】封入球式遊技機の異常な入賞を検知すること。
【解決手段】封入球式遊技機たるパチンコ機5は、入賞口39に入賞し当該入賞口39を通じて回収される遊技球を検知する入賞検知センサ44と、前記入賞口39、及び前記アウト口22のいずれかを通じて回収された遊技球であるアウト玉を検知するアウト玉検知センサ50Eと、前記アウト口22を通じて回収された遊技球である外れ玉を検知する外れ玉検知センサ50Bと、を備え、前記アウト玉検知センサ50Eに基づくアウト玉の累積値から前記外れ玉検知センサ50Bに基づく外れ玉の累積値を引いて求めた前記入賞口39への入賞の累計値と、前記入賞検知センサ44に基づく入賞の累計値とに基づいて、前記入賞検知センサ44の入賞検知の異常を判定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、封入球式遊技機における不正検知技術に係り、特に不正行為等による異常な入賞を検知する技術に関する。
一般に、遊技機内部に循環流路(循環経路)を形成して該循環流路内に所定個数の遊技球を封入して、封入した遊技球を繰り返して遊技領域に発射することで遊技を行うようにした封入球式遊技機が知られている。
このような封入球式遊技機では、遊技者が遊技に利用できる遊技球数(いわゆる持玉数)が遊技球本体で管理されており、遊技球が発射されるごとに持玉数が減算更新され、また遊技盤に設けた入賞口に遊技球が入賞するごとに持玉数が加算更新され、持玉数がゼロになると遊技球の発射が禁止される(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−119508号公報
しかしながら、封入球式遊技機では、遊技者の持玉が実球ではなく、データとして管理されるため、実球の払い出しに比べ、賞球の払い出し状況を店員等が把握し難く、ゴト行為と呼ばれる不正行為等に起因して入賞が不正に誘発されて異常な賞球の払い出しが生じていても、遊技店側が発見し難いという問題がある。
すなわち、賞球が実球で払い出される場合、異常に多くの賞球が払い出されれば、持玉の異常な増加を一目で把握できるものの、賞球の払い出しがデータ加算として行われる場合には、封入式遊技機に表示された持玉数表示等を確認する必要がある。このため、持玉数表示を隠されてしまうと、持玉数を目視では把握できなくなってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、異常な入賞を検知できる封入球式遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、遊技領域に入賞口、及びアウト口を設けた遊技盤を遊技機本体に備え、当該遊技機本体に遊技球を封入するとともに、前記遊技領域に向けて前記遊技球を弾発して投入し、前記入賞口、及び前記アウト口を通じて前記遊技球を前記遊技領域から回収し、前記遊技領域への投入に循環利用する封入球式遊技機であって、前記入賞口に入賞し当該入賞口を通じて回収される遊技球を検知する入賞検知センサと、前記入賞口、及び前記アウト口のいずれかを通じて回収された遊技球であるアウト玉を検知するアウト玉検知センサと、前記アウト口を通じて回収された遊技球である外れ玉を検知する外れ玉検知センサと、を備え、前記アウト玉検知センサに基づくアウト玉の累積値から前記外れ玉検知センサに基づく外れ玉の累積値を引いて求めた前記入賞口への入賞の累計値と、前記入賞検知センサに基づく入賞の累計値とに基づいて、前記入賞検知センサの入賞検知の異常を判定することを特徴とする。
また本発明は、上記封入球式遊技機において、前記遊技領域に向けて弾発される遊技球である発射玉を検知する発射玉検知センサと、弾発後に前記遊技領域に至らなかった遊技球であるファウル玉を検知するファウル玉検知センサと、を備え、前記アウト玉の累計値に前記ファウル玉検知センサに基づくファウル玉累計値を加えて求めた前記発射玉の累計値と、前記発射玉検知センサに基づく発射玉の累計値とに基づいて、前記アウト玉検知センサの検知異常を判定することを特徴とする。
また本発明は、上記封入球式遊技機において、前記入賞検知センサ、前記アウト玉検知センサ、及び前記外れ玉検知センサの検知結果を暗号化した信号により取得し、当該信号に基づいて、前記入賞検知センサの入賞検知の異常を判定する遊技機搭載暗号基板を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記封入球式遊技機において、前記遊技機搭載暗号基板は、前記遊技球を貸し出す遊技球貸出装置と通信可能に接続され、前記入賞検知センサの入賞検知が異常であると判定した場合には、その旨を前記遊技球貸出装置に出力することを特徴とする。
本発明によれば、アウト玉検知センサに基づくアウト玉の累積値から外れ玉検知センサに基づく外れ玉の累積値を引いて求めた入賞口への入賞の累計値と、入賞検知センサに基づく入賞の累計値とに基づいて、入賞検知センサの入賞検知の異常を判定する構成とした。
この構成により、不正行為等によって入賞検知センサが異常に入賞を検知している場合には、アウト玉検知センサ及び外れ玉検知センサに基づいて求めた入賞口への入賞の累計値と、入賞検知センサに基づく入賞の累計値とが乖離することから、この乖離を判定することで、入賞検知センサの異常な入賞検知を速やかに検知できる。
本発明の実施形態に係る遊技サービスシステムの全体構成を示す図である。 封入球式遊技機たるパチンコ機の遊技盤を示す模式図である。 Aは発射台の上面図、Bはハンマーにより遊技球が発射される状態を示す図、Cは球抜きされる状態を示す図である。 パチンコ機の下部裏面を示す要部模式図である。 遊技システムの機能的構成を示す図である。 基板間暗号通信の説明図である。 入賞検知異常判定処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技サービスシステム1の構成を示す図である。
遊技サービスシステム1は、遊技店舗2に導入されている遊技管理システム3と、サービス提供サーバー群4とを備えている。遊技管理システム3は、遊技機の一例たるパチンコ機5から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6等を備えて構成されている。サービス提供サーバー群4は、遊技管理システム3に対して各種サービスを提供するサーバー群である。
サービス提供サーバー群4には、大別すると、ベンダー系に属するベンダー系サーバー群4Aと、データセンター系に属するデータセンター系サーバー群4Bとが含まれており、それぞれがインターネット等の広域網11を介して遊技管理システム3と通信可能に接続されている。
ベンダー系サーバー群4Aには、遊技機メーカーサーバー12Aと、販社・中古機業者サーバー12Bと、カード会社サーバー12Cと、コンテンツプロバイダーサーバー12Dとが含まれている。
遊技機メーカーサーバー12Aは、パチンコ機5を製造する遊技機メーカーが所有するサーバーであり、販社・中古機業者サーバー12Bは、パチンコ機5を販売する販売会社や中古のパチンコ機5を販売する中古機業者が所有するサーバーである。これら遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bからは、製造、或いは販売したパチンコ機5の識別情報(例えば製造番号)と、後述する基板間認証に供される認証用情報としての遊技機ID(例えば、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61(図2))と、出荷先とが後述する遊技機ID管理センターサーバー13Dに送信され、当該遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理される。
カード会社サーバー12Cは、遊技球の貸出に供する後述するプリペイド媒体14を製造販売するカード会社によって利用され、プリペイド媒体の製造番号やシリアル番号の照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、係る照会サービスを利用することで、偽造等された不正なプリペイド媒体を発見できる。
コンテンツプロバイダーサーバー12Dは、コンテンツを配信するプロバイダーによって利用され、各種コンテンツを配信するサーバーである。コンテンツの例としては、例えば遊技機メーカーによって登録されたパチンコ機5のPR(Public Relations)コンテンツや、遊技性能、遊技方法等の説明コンテンツなどが挙げられる。係るコンテンツは、遊技管理システム3の例えば各CRユニット6に配信され、後述のタッチ液晶モジュール27などに表示されて遊技者に提供される。
データセンター系サーバー群4Bには、コンテンツ配信データセンターサーバー13Aと、プリペイド管理データセンターサーバー13Bと、第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cと、遊技機ID管理センターサーバー13Dと、不正情報監視センターサーバー13Eとが含まれている。
コンテンツ配信データセンターサーバー13Aは、TVや映画などの動画や音楽等のエンターテイメントコンテンツを配信するサーバーであり、係るコンテンツは、遊技管理システム3の各CRユニット6に配信されタッチ液晶モジュール27などに表示される。
プリペイド管理データセンターサーバー13Bは、遊技店舗2で利用されている各プリペイド媒体14の残価値の記録・照会サービスを提供するサーバーである。また第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cは、遊技店舗2の会員となった遊技者ごとに遊技球の貯玉数の記録・照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、これらプリペイド管理データセンターサーバー13B、及び第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが記録しているデータと遊技管理システム3で管理しているデータとの間の整合性を検証可能になっている。
遊技機ID管理センターサーバー13Dは、パチンコ機5の識別情報と、上記遊技機IDと、当該パチンコ機5の出荷先の遊技店舗2とを対応付けたデータを管理し、また照会可能にするサーバーである。すなわち、どの遊技機IDのどのパチンコ機5がどの遊技店舗2に設置されているかが遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理され、また各遊技店舗2から参照可能になる。係るデータは、遊技機メーカー、販社、或いは中古機業者がパチンコ機5を出荷するごとに遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bから登録され、また遊技店舗2がパチンコ機5を撤去するごとに、対応するパチンコ機5のデータが抹消される。また、データ登録者以外にデータを参照できる者を出荷先の遊技店舗2に限定するために、出荷先の遊技店舗2には、当該出荷先に対応付けられた遊技機IDを参照するためのデータアクセスID及びパスワードが付与されている。遊技店舗2側は、これらを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスすることで、当該遊技店舗2のみが遊技機IDを取得可能になる。
なお、遊技機ID管理センターサーバー13Dの管理データには、他に任意の情報を含めることができ、例えば遊技機メーカー名やパチンコ機5の機種名の情報等を含めても良い。
不正情報監視センターサーバー13Eは、何らかの理由で不正と認められたパチンコ機5の識別情報を照会可能に管理するサーバーである。遊技店舗側は、不正情報監視センターサーバー13Eに問い合わせることで、所有のパチンコ機5が不正なものでないかを確認できる。
次いで、遊技管理システム3を構成する各装置について詳述する。
遊技管理システム3は、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)6と、精算機7と、管理コンピュータ群8とを備え、CRユニット6、精算機7及び管理コンピュータ群8のそれぞれが店内LAN9、或いは専用通信線10により通信可能に接続されている。
パチンコ機5は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機5は、遊技者が、価値を記録した記録媒体たるプリペイド媒体14を購入、或いは、プリペイド媒体14に現金をチャージし、該プリペイド媒体14の残価値を対価として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機であり、パチンコ機5と、当該パチンコ機5と暗号通信可能に接続され、プリペイド媒体14を読み取る上記CRユニット6とを備えて遊技システム15が構成され、パチンコ機5は、CRユニット6と電気的に接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
パチンコ機5は、遊技盤(ゲージ盤)16を備え、この遊技盤16の前面に前面ガラス17を設け、該前面ガラス17を通じて遊技盤16の遊技領域16a(図2)を視認可能に構成したパチンコ機本体18を備えている。
また、このパチンコ機5は、所定個数の遊技球をパチンコ機本体18に封入し、これらの遊技球をパチンコ機本体18の中で循環利用する封入球式遊技機として構成されている。
封入球式のパチンコ機5においては、パチンコ機本体18の外部から遊技球を補充する必要がないため、パチンコ機本体18の正面に、遊技球を一時的に貯留するいわゆる上皿や、上皿からパチンコ機本体18の内部に遊技球を捕球する捕球口、上皿に賞球を排出する排出口等は設けられておらず、係る上皿等が従来配設された箇所(すなわち、前面ガラス17の下)には、タッチ液晶モジュール27が設けられている。
タッチ液晶モジュール27は、パチンコ機本体18の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット6の操作部及び表示部として機能し、係る構成については後述する。
図2は、パチンコ機5の遊技盤16を前面から見て示す模式図である。
この遊技盤16はガイドレール38で囲まれた上記遊技領域16aを備え、この遊技領域16a内に遊技球Pを投入して遊技を行うものであり、この遊技盤16の遊技領域16aは下端部まで上述のガイドレール38で囲われている。遊技盤16には、遊技球Pの通過時に賞球が得られる始動口19や一般入賞口20、常閉状態の大入賞口(いわゆるアタッカー)21等の入賞口39と、いずれの入賞口39にも入賞しなかった遊技球(外れ玉)P2を遊技領域16aから遊技盤16の裏側に導いて回収するアウト口22と、多数の障害釘23と、始動口19への遊技球の入賞(通過)に伴い図柄を変動表示する図柄表示ユニットとしての遊技機液晶表示器24とが設けられている。
遊技盤16の遊技領域16aに投入された遊技球Pは、入賞口39に流入して入賞した遊技球(セーフ玉)P1、上記外れ玉P2のいずれかとなり、これら入賞口39及びアウト口22のいずれかを通過して遊技盤16の裏面側に導かれ、遊技領域16aから遊技盤16の裏面側に移動して回収される。なお、これらセーフ玉P1及び外れ玉P2を総称してアウト玉と言う。
前掲図1に戻り、パチンコ機本体18の正面には、遊技球の貸出操作用の貸出スイッチ25A、プリペイド媒体14の返却(遊技終了の指示)操作用の返却スイッチ25B、遊技機液晶表示器24での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン25C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体18の右下には、遊技球を遊技盤16の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル26が設けられている。遊技球発射ハンドル26の操作に伴って発射ユニット150(図2)が作動し、当該発射ユニット150によって発射された遊技球Pが始動口19を通過したことを契機にパチンコ機5は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器24に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機5は、大入賞口21を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
遊技球Pを発射する発射ユニット150は、図2に示すように、遊技領域16aの下方位置であって前面側から見て遊技盤16のセンターよりやや右寄りに配置され、遊技球Pを弾くためのハンマー150Aを備えて構成されている。ハンマー150Aは上述の回転操作式の遊技球発射ハンドル26の操作で駆動され、遊技者の手を遊技球発射ハンドル26に接触させることで、タッチセンサ(図示略)を介し信号を発射制御基板43(図5)に出力し、発射制御基板43の制御に基づいて発射装置(図示略)がハンマー150Aを作動させて遊技球Pを発射させる。153Aは発射停止スイッチである。ハンマー150Aで弾かれた遊技球Pは、スタートレール38Aにより案内されて、ガイドレール38に沿って遊技領域16a内に発射される。スタートレール38Aとガイドレール38の間には開口155が設けられており、ハンマー150Aで弾かれた遊技球Pのうち、遊技領域16aに到達することなくガイドレール38を逆走し、この開口155に落ちた遊技球(ファウル玉)P3は、ファウルレール38Bで下方へ案内されて通路152Aに落下する。一方、ハンマー150Aの弾球位置には、発射台150Bが設けられている。この発射台150Bは、図3A〜図3Cに示す玉抜き機構を備えている。図3Aは発射台150Bの上面図である。発射台150Bの側縁部には略円弧状の切り欠き150Cが形成され、この切り欠き150Cは玉抜き通路152Bに連絡する。ハンマー150Aに隣接して球抜きアクチュエータ150Dが配置され、この玉抜きアクチュエータ150Dは軸方向に突出自在に玉抜きピン150Eを備えている。ユーザが遊技球発射ハンドル26を操作すると、図3Bに示すようにハンマー150Aが動作して、当該ハンマー150Aにより遊技球Pが発射される。ユーザが遊技球発射ハンドル26から手を離すと、図3Cに示すようにハンマー150Aによる弾球が停止し、玉抜きアクチュエータ150Dが動作し、玉抜きピン150Eが突出して遊技球Pが突き出されて、後述する玉抜き通路152Bに落下し、発射台150Bの上の遊技球Pが球抜きされる。この玉抜き玉P4は玉抜きされて、図2に示すように玉抜きレール38Cで斜め下方へ案内されて通路152Bに落下し、この玉抜き玉P4と上述のファウル玉P3も、すべて通路152A、152Bを通って遊技盤16の裏面側に移動するようになっている。
なお、発射台150Bの玉抜きは、玉抜きピン150Eにより遊技球Pを突き出す構成に限らず、発射台150Bを後退させ、或いは発射台150Bを球抜き通路152B側に傾斜させて行う構成としても良い。
つぎに、遊技球Pの遊技領域16aからの回収経路を説明する。
図4は上述のセーフ玉P1、外れ玉P2、ファウル玉P3、及び球抜き玉P4の回収経路を遊技盤16の裏面から見て示す模式図である。
161は遊技盤16の裏面側に配置された上回収皿(上回収部)であり、遊技盤16の前面の入賞口39からのセーフ玉P1、及び遊技盤16の前面のアウト口22からの外れ玉P2は、すべて入賞口39及びアウト口22を通って遊技盤16の裏面側に移動し、上回収皿161に回収される。そして、これらセーフ玉P1及び外れ玉P2は上回収皿161から遊技盤16の裏面側に配置された上下樋162を通って下回収皿(下回収部)163に回収されて貯留される。下回収皿163には上述の通路152A、152Bを通ってファウルレール38Bに案内されるファウル玉P3や、上述の玉抜きレール38Cに案内される玉抜き玉P4が、セーフ玉P1及び外れ玉P2と合流して回収され、各球は下回収皿163上を徐々に自由落下して揚上待ちレーン164上に一つ一つ整列される。揚上待ちレーン164は研磨揚上ユニット(球研磨装置)171の入口171Aに連なり、研磨揚上ユニット171の入口171Aに流入した遊技球Pは、後述のように研磨揚上ユニット171を揚上して研磨揚上ユニット171の出口171Bに至り、当該出口171Bから自由落下により送り出されて発射待ちレーン165上に整列される。上述の入口171Aには入口球検知センサ172Aが設けられ、入口球検知センサ172Aは揚上待ちレーン164上に整列する遊技球Pの先頭側に配置されている。上述の出口171Bには出口球検知センサ172Bが設けられ、出口球検知センサ172Bは発射待ちレーン165上に整列する遊技球Pの後端側に配置されている。なお、入口171Aと出口171Bの高低差は実機において例えば7〜8cm程度に設定されている。発射待ちレーン165上に整列した遊技球Pは、玉繰り出し機構166を介して通路152Cを通って遊技盤16の表面側に一つ一つ送り出され、適宜に発射台150B上に移動する。
この構成では、すべての遊技球Pが、まず、最下位に位置する下回収皿163に集められ、遊技領域16aの下方域において、一方のスペース(一半部)に配置された研磨揚上ユニット171の入口171Aに至り、ここを揚上し、最上位に位置する出口171B、発射待ちレーン165を経て、他方のスペース(他半部)に配置された発射ユニット150に連絡するため、遊技領域16aの狭隘な下方域に、遊技球Pの回収経路を効率よく纏めて配置できる。
前掲図1に戻り、CRユニット6は、各パチンコ機5の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体14の残価値がゼロでないことを条件に、貸出スイッチ25Aの操作を示す貸出スイッチ押下信号をパチンコ機5から受信した場合に遊技球の貸出(払出)指示信号Skaを出力する。プリペイド媒体14の残価値は、管理コンピュータ群8(より正確には後述するプリペイド管理サーバー35B)に管理されており、CRユニット6は、玉貸完了時に、管理コンピュータ群8との間で貸出玉数に応じてプリペイド媒体14の残価値を減じる処理を行う。なお、CRユニット6は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。
プリペイド媒体14にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン14A及びカード型の会員カード14Bが用いられている。会員カード14Bは、遊技店に会員登録している顧客に貸与される記録媒体であり、ICコイン14Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与される記録媒体である。プリペイド媒体14には、カード会社によって付された、一意に特定するための識別情報が付与されており、この識別情報と残価値とが対応付けられて管理コンピュータ群8により管理されている。
このCRユニット6は、プリペイド媒体14の発行機能を有し、紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を挿入する紙幣挿入口28、ICコイン14Aを投入するコイン投入口29、ICコイン14Aを排出するコイン排出口30、会員カード14Bを挿入する会員カード挿入口31が設けられている。
CRユニット6は、紙幣挿入口28に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群8と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体14に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット6は、プリペイド媒体14として会員カード14Bが挿入されている場合には、会員カード14Bの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、会員カード14Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード14Bが挿入されていない場合には、CRユニット6は、新規にICコイン14Aを発行するとともに、ICコイン14Aの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、このICコイン14Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体14としてのICコイン14Aが新規に発行される。
CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール27に表示し、貸出スイッチ25Aの操作により玉貸が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール27に表示する。また、CRユニット6は、返却スイッチ25Bが操作されたときには、プリペイド媒体14を排出するとともに、プリペイド媒体14の識別情報と残価値とを管理コンピュータ群8に送信し、これにより、CRユニット6から排出されたときのプリペイド媒体14の最終的な残価値が管理コンピュータ群8に記録される。
精算機7は、プリペイド媒体14の残価値を精算する装置であり、この精算機7には、ICコイン14Aのコイン投入口32及び会員カード14Bのカード挿入口33が設けられている。精算機7は、プリペイド媒体14が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群8に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機7は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群8に通知し、管理コンピュータ群8が、そのプリペイド媒体14の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
この遊技管理システム3においては、パチンコ機5ごとにデータ表示器34を備えている。データ表示器34は、対応するパチンコ機5の過去営業日の大当たり情報や、当日の大当たり回数、前回大当たりからの図柄変動回数(スタート回数)といった遊技情報を表示する表示パネル34Aを有する。またデータ表示器34には、表示パネル34Aの他にも、遊技場のホールスタッフを呼び出す呼出ボタンや、パチンコ機5の大当たり状態や確率変動遊技状態、時短遊技状態等の所定の遊技状態を報知するランプ等が設けられている。各データ表示器34は、対応するパチンコ機5と通信するCRユニット6に接続され、パチンコ機5が出力する遊技情報をCRユニット6から取得して表示パネル34Aに表示する。
管理コンピュータ群8は、遊技台計数管理装置35Aと、プリペイド管理サーバー35Bと、持玉管理サーバー35Cと、会員・景品管理サーバー35Dと、コンテンツサーバー35Eと、遊技機ID管理サーバー35Fとを備えている。
遊技台計数管理装置35Aは、いわゆるホールコンピュータ(図示では「ホールコン」)と呼ばれる装置であり、各パチンコ機5での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機5のパチンコ機本体18が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット6への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報をCRユニット6から取得して中枢的に管理する。遊技台計数管理装置35Aは、係る各種の情報を、パチンコ機5からではなくCRユニット6から取得する。すなわち、遊技台計数管理装置35AとCRユニット6とはパラレル信号線10A、及び/或いはホールコンI/F装置36を中継器に備えたシリアル信号線10Bを介して接続されており、CRユニット6がパチンコ機5から逐次情報を受信して遊技台計数管理装置35Aに出力する。
プリペイド管理サーバー35Bは、プリペイド媒体14としてのICコイン14A及び会員カード14Bの各識別情報と残価値を対応付けて記憶し、これらの残価値を管理するサーバーである。CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせ、応答により得られた残価値をタッチ液晶モジュール27に度数表示する。
プリペイド媒体14の残価値は、CRユニット6でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイド管理サーバー35Bは、これらチャージ及び玉貸しに応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット6が残価値をプリペイド媒体14にチャージした場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。貸出スイッチ25Aの操作に応じてCRユニット6が玉貸を行った場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、係る玉貸の代償価値をプリペイド媒体14の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイド管理サーバー35Bには、上述した精算機7が店内LAN9を介して接続されており、精算機7にプリペイド媒体14が投入されると、精算機7がプリペイド媒体14の残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を管理するサーバーである。具体的には、持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を、投入されているプリペイド媒体14の識別情報とともに店内LAN9を介してCRユニット6から取得して管理する。遊技者は、獲得当日に限り、持玉を遊技に使用することができ、CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を持玉管理サーバー35Cに問い合わせ、応答により得られた持玉数をタッチ液晶モジュール27に表示する。このときCRユニット6は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタン(図示せず)をタッチ液晶モジュール27に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の貸出(払出)指示信号Skaをパチンコ機5に出力するとともに、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに使用持玉数を送信する。持玉管理サーバー35Cは、使用持玉数を取得すると、対応するプリペイド媒体14の持玉数を減算更新する。また、CRユニット6は、プリペイド媒体14の排出時には、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに最終的な持玉数を送信し、この持玉数が持玉管理サーバー35Cに記録される。なお、持玉管理サーバー35CとCRユニット6との間の通信障害に備え、遊技者の持玉数をプリペイド媒体14にも記録する構成としても良い。
会員・景品管理サーバー35Dは、顧客会員と景品交換の管理をするサーバーである。顧客会員の管理について詳述すると、顧客の氏名や年齢、性別、職業、携帯電話番号、会員番号、サービス利用のための暗証番号、会員カード14Bの識別情報、顧客が遊技場に預けている再遊技可能な遊技媒体数(いわゆる貯玉数)、遊技履歴に係る情報が管理される。顧客会員には、氏名や年齢等を通知して会員登録を済ました顧客のみならず、会員登録をせずに遊技を行う顧客、いわゆるビジター会員も含まれる。すなわち、ビジター会員には当日限り有効の専用の会員カード14Bが発行され、当該会員カード14BをCRユニット6に挿入して遊技を行うこととなる。
CRユニット6は、会員カード14Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール27に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード14Bの識別情報の正当性を会員・景品管理サーバー35Dに問い合わせる。ただし、会員カード14Bがビジター会員用である場合には、係る問い合わせは省略しても良い。CRユニット6は、これらの正当性が会員・景品管理サーバー35Dによって認められた場合に限り、当該会員・景品管理サーバー35Dから貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に表示する。またCRユニット6は貯玉が使用されるごとに会員・景品管理サーバー35Dに貯玉使用数を送信し、これにより会員・景品管理サーバー35Dが当該顧客の貯玉数を減算更新する。
また、この遊技管理システム3においては、遊技者が持玉を景品や貯玉に交換可能になされており、会員・景品管理サーバー35Dは、この景品交換の管理機能を有する。
すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品に交換した場合、当該景品カウンターに設置されたPOS端末を含むPOSシステム37から持玉を交換した旨が、プリペイド媒体14の識別情報とともに持玉管理サーバー35Cに入力され、持玉管理サーバー35Cがプリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。このとき、会員カード14Bを利用して遊技を行った顧客会員が景品交換した場合に、当該顧客会員が交換した景品を会員・景品管理サーバー35Dに記録して管理するようにしても良い。
また、顧客会員が持玉を貯玉に交換するときには、会員・景品管理サーバー35Dに、貯玉数がプリペイド媒体14の識別情報とともに送信され、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて管理されている貯玉数が加算更新され、また同様に第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが管理する貯玉数のデータも更新される。
なお、遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード14Bが持玉管理サーバー35Cに記録されている場合に、当該持玉管理サーバー35Cが会員・景品管理サーバー35Dに記録を転送し、当該会員・景品管理サーバー35Dが管理する会員カード14Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
コンテンツサーバー35Eは、上記コンテンツプロバイダーサーバー12D、及び上記コンテンツ配信データセンターサーバー13Aのそれぞれから各種コンテンツを取得し、各CRユニット6に配信する。
遊技機ID管理サーバー35Fは、所定のデータアクセスIDとパスワードを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスし、パチンコ機5の識別情報(製造番号等)、遊技機ID、及び出荷先情報を上記遊技機ID管理センターサーバー13Dから取得して管理する。
図5は、遊技システム15の機能的構成を示す図である。
パチンコ機5は、図5に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。
遊技機メイン基板40は、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機5は、始動口19、一般入賞口20及び大入賞口21の入賞口39ごとに遊技球Pの入賞を検知する入賞検知センサ44を備え、検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。遊技機メイン基板40は、始動口19、一般入賞口20及び大入賞口21の各入賞口39ごとに賞球数を対応付けて記憶する入賞口別賞球数記憶部45を備え、入賞口39への入賞が検知されるごとに、当該入賞口39に応じた数の賞球の払い出しを指示する賞球(払出)指示信号Skaを払出制御基板41に出力し、また遊技盤16に賞球数別に設けた賞球通知灯46を点灯する。
また遊技機メイン基板40は、始動口19への入賞の検知を契機として特賞の当落抽選を行い、当落抽選結果を図柄表示部(いわゆる、特別図柄表示器)47に表示する。特賞当選時には、遊技機メイン基板40は遊技状態を特別遊技状態(いわゆる大当たり遊技状態や確率変動状態、時間短縮遊技状態など)に移行させ、特別遊技状態の終了条件成立に伴って通常の遊技状態に移行する。図柄表示部47は、遊技盤16に視認可能に設けられ、例えば7セグメント表示器や多数のLEDランプにより構成されており、表示図柄(7セグ表示や点灯LEDランプの組み合わせ)によって当落抽選結果を表示する。図柄表示部47では、当落抽選結果を示す表示図柄が、遊技機メイン基板40が都度決定する時間の変動表示を経て表示される。また、遊技機メイン基板40は、遊技機液晶表示器24や音源、ランプ等により当落抽選結果に応じた遊技演出を行うべく、どういった演出を行うかを指定し、また図柄の変動時間(当落抽選結果の表示タイミング)等を指定する演出指示信号を、当落抽選結果を示す大当たり発生信号とともに演出用サブ基板42に出力する。
さらに遊技機メイン基板40は、パチンコ機5の外部の器機に出力する信号として、外部端子出力信号Sout、及び汎用信号を出力する。外部端子出力信号Soutは、遊技の進行に伴う自身の動作に関する情報を出力するものである。特に、この外部端子出力信号Soutには、当落抽選に関する当落抽選関連情報、賞球発生に関する賞球関連情報、及び遊技状態に関する遊技状態情報のそれぞれが含まれている。
当落抽選関連情報には、当落抽選契機となる始動口19への入賞を示す始動入賞信号、パチンコ機5での大当たり発生(当選)を示す大当たり信号、当落抽選の結果表示のために図柄を変動表示させている最中であることを示す図柄回転中信号、図柄の変動停止を示す図柄停止信号(いわゆる、スタート信号)が含まれる。
また賞球関連情報には、大入賞口21への入賞を示す大入賞口入賞信号、及び一般入賞口20への入賞を示す周辺入賞信号が含まれている。
遊技状態情報には、パチンコ機5が遊技中に移行した遊技状態(例えば、確率変動遊技状態や時短遊技状態、通常遊技状態、大当たり遊技中である特別遊技状態)を示す遊技状態信号が含まれている。
CRユニット6等の外部の器機にあっては、当該外部端子出力信号Soutを受信することで、出玉関連情報などに基づいて遊技者の持球やパチンコ機5の差玉を管理できる。
なお、後述するファウル玉(戻り玉)検知センサ50A及び外れ玉検知センサ50Bを遊技機メイン基板40に設けた場合には、ファウル玉の発生を示すファウル玉信号、及び外れ玉の発生を示す外れ玉信号も外部端子出力信号Soutに含めて出力される。
遊技機メイン基板40には、パチンコ機本体18に設けられた前面扉の開放等の各種異常情報が払出制御基板41から入力されるように構成されており、これらの異常も上記外部端子出力信号Soutに含めて外部に送信される。その一方で、異常が入力された場合には、遊技機メイン基板40は、音声やランプ、遊技機液晶表示器24などの演出に供する各種の手段を適宜用いて異常を報知する。
この外部端子出力信号Soutは、遊技機メイン基板40から払出制御基板41を経て後述する遊技機搭載暗号基板56に至る第1経路R1を通じて当該遊技機搭載暗号基板56に入力される。この第1経路R1は、シリアル伝送経路であり、外部端子出力信号Soutは遊技機メイン基板40で暗号化されて第1経路R1に出力され、払出制御基板41を通過して遊技機搭載暗号基板56に入力され、この遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6に送信される。
汎用信号は、パチンコ機5の状態を外部の既設の器機(例えばデータ表示器34や管理コンピュータ等)に知らせる汎用的な信号であり、パラレル信号線により伝送される。この汎用信号は、遊技機メイン基板40から払出制御基板41を経て後述する外部端子板54に至る第2経路R2に出力される。この第2経路R2は、パラレル伝送経路であり、第2経路R2の汎用信号は、第1経路R1とは異なり、暗号化せずに出力される。
払出制御基板41は、遊技機メイン基板40の賞球払出指示信号Shに基づいて遊技球を払い出す制御を行い、さらに当該遊技球の発射を管理する基板であり、払出制御CPU41Aを備えている。また、払出制御基板41は、CRユニット6との通電状態に基づいて接続状態を監視し、正常に接続されていない(非導通状態)の場合は、遊技球の発射を禁止し、遊技を不能にする。
ここで、このパチンコ機5は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機5の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でないことを条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット6から貸出(払出)指示信号Skaが後述する遊技機搭載暗号基板56を介して入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果を貸出(払出)結果信号SkbとしてCRユニット6に返信して通知する。
また、払出制御基板41には、発射可能玉数の増減を管理可能にすべく、ファウル玉(戻り玉)検知センサ50A、外れ玉検知センサ50B、発射玉検知センサ50C、玉抜き玉検知センサ50D、及びアウト玉検知センサ50Eの検知信号が入力される。
ファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aは、ファウル玉P3を検知する。ファウル玉P3は、上述のように、発射台150Bに送り込まれてハンマー150Aによって弾発された後、遊技盤16の遊技領域16aに到達することなくガイドレール38を逆走し、ファウルレール38Bを経由して回収された遊技球を指す。換言すれば、ファウル玉は、打ち損じにより遊技に供されなかった遊技球とも言える。ファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aは、図2に示すように、ファウルレール38Bに設けられ、当該ファウルレール38Bを通過する遊技球を検知する通過センサとして構成される。
外れ玉検知センサ50Bは、外れ玉P2を検知する。外れ玉P2とは、上述のように、ハンマー150Aの弾発によって遊技盤16の遊技領域16aに投入された後、いずれの入賞口39にも入賞せずに、遊技盤16の盤面最下部の上記アウト口22(アウト穴)を通過した遊技球を指す。外れ玉検知センサ50Bは、図4に示すように、アウト口22の出口(遊技盤16の裏側)に設けられ、当該アウト口22を通過する遊技球を検知する通過センサとして構成される。
発射玉検知センサ50Cは、発射台160Bに送り出された遊技球(発射玉)を検知するセンサであり、玉繰り出し機構166に設けられ、図2に示すように、通路152Cを通って遊技盤16の表面側の発射台150B上に移動する遊技球を検知する。発射玉検知センサ50Cが遊技球を検知するごとに、当該遊技球が発射されるものとして、払出制御基板41は発射可能玉数を減算する。
玉抜き玉検知センサ50Dは、発射台150Bに送り出された後、遊技中断によって弾発されることなく発射台に残留し、玉抜き機構によって、玉抜きレール38Cを通じてパチンコ機本体18の裏側に回収された玉抜き玉P4を検知するセンサであり、図2に示すように、玉抜きレール38Cに設けられ、当該玉抜きレール38Cを通過する遊技球を検知する通過センサとして構成される。
アウト玉検知センサ50Eは、入賞口39から回収されたセーフ玉P1及びアウト口22から回収された外れ玉P2であるアウト玉を検知する。前掲図4に示すように、遊技盤16の裏側でセーフ玉P1及び外れ玉P2は全て上回収皿161に集められた後、上下樋162を通じて下回収皿(下回収部)163に導かれており、当該上下樋162に、遊技球P(アウト玉)を検知する通過センサとしてアウト玉検知センサ50Eが設けられている。
アウト玉は、遊技盤16の遊技領域16aを経て回収されたセーフ玉P1及び外れ玉P2のいずれかであることから、発射台150Bにセットされた後、実際に遊技に供された遊技球と言える。
これに対して、ファウル玉P3及び玉抜き玉P4は、発射台150Bに送り込まれたものの、打ち損じ、或いは遊技中断によって遊技に供されなかった遊技球であることから、これらは総称して「戻り玉」とも呼ばれる。戻り玉検知時には、払出制御基板41は発射可能玉数を加算更新して、戻り玉を発射可能玉数に戻す。
払出制御基板41が発射可能玉数を加算更新する契機としては、戻り玉の発生時の他に、遊技機メイン基板40から賞球払出指示信号Shを受けたとき、及びCRユニット6から貸出指示信号が入力されたときがある。
払出制御基板41は、これらセーフ玉P1に対応して発生した賞球やセンサ検知によって発射可能玉数を増減するごとに遊技球の増減結果を示す貸出(払出)結果信号Skbを後述する遊技機搭載暗号基板56を通じてCRユニット6に出力し、また、増減結果の発射可能玉数を遊技機管理発射可能玉数表示灯52に外部から視認可能に常時表示する。遊技中の発射可能玉数は、CRユニット6の制御の下、パチンコ機5に設けられたタッチ液晶モジュール27にも表示される。これに加え、遊技機管理発射可能玉数表示灯52を外部から視認可能に設けることで、タッチ液晶モジュール27が故障などしても、遊技者は遊技中の持玉数を把握することができるようになっている。なお、ファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aや外れ玉検知センサ50B等の各検知センサの出力を遊技機メイン基板40に入力し、当該遊技機メイン基板40から払出制御基板41に出力する構成としても良い。また、上記貸出指示は、プリペイド媒体14の残価値を対価とした貸出に限らず、貯玉を用いた再プレイ、持玉の払い出しの利用に基づく指示も含む。このとき、不正防止を目的に1回の貸出あたりの玉数に上限をCRユニット6等に設定することもできる。
払出制御基板41が管理する上記発射可能玉数は、遊技終了時に決済される。すなわち、遊技者が遊技を終了すべく、会員カード14Bの返却スイッチ25Bを操作すると、CRユニット6から発射可能玉数移行要求コマンドが払出制御基板41に出力される。払出制御基板41は、この発射可能玉数移行要求コマンドを受信した場合、発射可能玉数をCRユニット6に価値移行する処理(決済処理)を行い、発射可能玉数をゼロにクリアする。CRユニット6に移行した価値は、当該CRユニット6から持玉管理サーバー35Cに持玉数として出力され、そのパチンコ機5に設定された遊技球の貸出単価とともに記録される。
上記発射制御基板43は、発射許可信号が払出制御基板41から入力されていることを条件に遊技球の発射を制御する基板であり、また遊技球の発射が可能か否かを示す発射状態信号を払出制御基板41に出力する。この発射制御基板43により、図示せぬ発射装置が制御され、遊技球発射ハンドル26の操作量に応じた弾発力で遊技球が発射される。
また払出制御基板41には、球磨制御基板53が接続されている。球磨制御基板53は、上記研磨揚上ユニット(球研磨装置)171を制御する基板である。払出制御基板41は、遊技球発射時に打ち出し可能な遊技球が無くならないように球磨制御基板53から玉磨状態を取得しながら制御する。
さらに、払出制御基板41には、パチンコ機本体18に設けられた各種センサ(前面扉開放センサ、玉数異常検知センサ等)の検知信号が入力され、当該検知信号が遊技機メイン基板40に出力されて異常が判定される。
演出用サブ基板42は、遊技機メイン基板40の演出指示信号に基づいて、遊技機液晶表示器24や図示せぬ音源、台枠ランプを制御して、当落抽選結果に応じた遊技演出を行う回路を搭載した基板であり、遊技機メイン基板40に対して信号を出力することはなく、その動作が遊技機メイン基板40の当落抽選結果に影響を及ぼすことがないように構成されている。演出用サブ基板42は、各表示演出に用いる画像データを記憶し、遊技機メイン基板40の演出指示信号及び演出の進行に合わせて画像データを順次読み出し、この画像データに基づく画像信号を遊技機液晶表示器24に出力して、遊技機液晶表示器24に表示させる。
またパチンコ機5は、上述した部材の他にも、図5に示すように、外部端子板54と、CR基板55と、遊技機搭載暗号基板56とを備え、さらに、パチンコ機本体18には上述したタッチ液晶モジュール27が組み込まれている。
外部端子板54は、遊技機メイン基板40が出力する上記外部端子出力信号Sout及び汎用信号をCRユニット6等に一方向に出力する端子板であり、CRユニット6等の外部から外部端子板54への信号入力は禁止されている。CRユニット6にあっては、外部端子出力信号Soutを取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数(スタート回数)を特定し、また、外れ玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板41とは別に差玉を管理し、また、それらの情報を遊技台計数管理装置35Aに出力する。
CR基板55は、上記貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ操作信号をCRユニット6に出力する基板である。また、このCR基板55には、度数表示器57及び貸出可能ランプ58が接続されており、CR基板55は、CRユニット6から入力されたプリペイド媒体14の残価値を示す度数を度数表示器57に7セグメント等で表示するとともに、CRユニット6からの貸出許可信号の有無に応じて貸出可能ランプ58を点灯する。
上記遊技機搭載暗号基板56は、パチンコ機5が備える各基板の中で、いわゆる主基板に分類される上記遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれの基板との間で相互認証し、また、上記遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41ごとに出力信号の整合性を判定し、さらに、上記遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の出力信号の間での整合性を判定する基板である。相互認証により、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41が不正改造されていない正規のものであることが確認され、また整合性判定により、異常な動作をしていないかが確認されてゴト行為等の不正行為が検知される。
この遊技機搭載暗号基板56は、基板外部から内部の処理動作、処理内容等を特定不可能な、いわゆるブラックボックスとして構成されている。すなわち、遊技機搭載暗号基板56は、汎用CPU56Aを備え、さらに、この汎用CPU56Aと独立して動作して各基板との間で相互認証を実行するセキュリティチップ(遊技機側認証手段)60Aを備えている。セキュリティチップ60Aは、例えばFIFOバッファ付きの専用の半導体チップであり、遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理されている遊技機IDを認証キーに用いて各基板との間で相互認証を実行する。本実施形態では、相互認証の認証キーに遊技機IDを用いることとしているが、認証キーには、相互認証処理中に基板間で共有可能な値(データ)であれば、上記遊技機IDの他にも任意の値を用いることができる。
この遊技機搭載暗号基板56は、さらに、パチンコ機5とCRユニット6とのシリアル通信インターフェース機能を備え、またセキュリティチップ60Aは、汎用CPU56Aと独立して動作し、所定の暗号キー生成アルゴリズムに基づいて遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する機能と、当該暗号キーを用いて所定の暗号通信方式で通信データを暗号化/復号化する機能とを備える。これによりパチンコ機5とCRユニット6の間の通信データがセキュリティチップ60Aにより暗号化/復号化されて暗号通信が行われる。CRユニット6側では、遊技機ID管理サーバー35Fから取得した遊技機IDに基づいて暗号キーが生成される。
CRユニット6とパチンコ機5との間で遊技機搭載暗号基板56を通じて送受される通信データは、主として、改ざん等により出球に影響を及ぼす虞れがあるデータであり、例えば、CRユニット6がパチンコ機5に入力する貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)や上記遊技機ID、払出制御基板41が出力する、玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号Skb、CR基板55がCRユニット6に出力する貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ押下信号などである。
また遊技機搭載暗号基板56は、セキュリティチップ60Aの暗号通信機能を用いて、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の間でも暗号通信を行う。すなわち、遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40との間で、暗号化された上記外部端子出力信号Soutを受信し、また払出制御基板41の間では、暗号化された貸出(払出)指示信号Ska、及び貸出(払出)結果信号Skbを送受する。
外部端子出力信号Soutについては、遊技機搭載暗号基板56で復号化された後、非暗号化状態でCRユニット6にシリアル通信路を通じて送信される。
なお、遊技機搭載暗号基板56と上記外部端子板54を1つの中継基板の上に設けてもよい。
遊技者の貯玉或いは持玉の払出操作はタッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作により行われてCRユニット6に入力される。
上記遊技機IDは、パチンコ機5ごとに固有に割り振られたIDであり、本実施形態では、遊技機メイン基板40に搭載されている主制御CPU40AのCPU固有ID61を用いることとしている。
遊技機メーカーは、パチンコ機5の製造出荷時に、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、認証キーたる遊技機ID(CPU固有ID61)を記録したセキュリティチップ60A、60B、60Cを実装して出荷し、また、遊技機ID管理センターサーバー13Dに、パチンコ機5の識別情報、出荷先、及び遊技機IDを送信して記録し、出荷先の遊技店舗2の遊技機ID管理サーバー35Fから参照可能にする。これらセキュリティチップ60B、60Cは、それぞれ上記遊技機搭載暗号基板56に設けたセキュリティチップ60Aと同じく、遊技機IDに基づいて暗号キーを生成し、当該暗号キーを用いてセキュリティチップ60A、60B、60Cの間の通信を暗号化/復号化して暗号通信する機能を備えている。
なお、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが認証キーに基づいて生成した暗号キーを暗号通信に用いるのではなく、他の共通の情報から暗号キーを生成しても良い。この場合、遊技機搭載暗号基板56とCRユニット6との間の暗号通信を可能にするために、暗号キーを生成するための情報を、遊技機メーカーが遊技機ID管理センターサーバー13D、及び遊技機ID管理サーバー35Fを通じてCRユニット6が取得可能にする。
このように、パチンコ機5に設けた各セキュリティチップ60A、60B、60Cが遊技機IDに基づいて生成される暗号キーで暗号通信し、またCRユニット6に設けたセキュリティチップ60Dは遊技機ID管理サーバー35Fから受け取った遊技機IDに基づいて暗号キーを生成する構成とすることで、暗号キー自体がパチンコ機5及びCRユニット6の外に出ることがない。
パチンコ機5の基板間の相互認証について具体的には、例えばパチンコ機5の毎回の電源投入時に、遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aが主導的に相互認証を行う。すなわち、セキュリティチップ60Aは遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60B、及び払出制御基板41のセキュリティチップ60Cのそれぞれに対して認証開始要求を出力する。この認証開始要求を受けて、セキュリティチップ60Bがセキュリティチップ60A、60Cのそれぞれと遊技機IDを交換し、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが受け取った遊技機IDと自身の遊技機IDとに基づいて認証を行うことで相互認証を行う。またセキュリティチップ60Cも同様に、セキュリティチップ60A、60Bと遊技機IDを交換し、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが受け取った遊技機IDと自身の遊技機IDとに基づいて認証を行うことで相互認証を行う。これにより遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の各基板間で相互認証が行われる。そして各セキュリティチップ60B、60Cは認証結果をセキュリティチップ60Aに出力し、当該セキュリティチップ60Aは、セキュリティチップ60A、60B、60Cのそれぞれの認証結果の不成立の有無に基づいてパチンコ機5における基板間の相互認証結果(成立/不成立)を判定しCRユニット6に出力する。このように相互認証においては、遊技機搭載暗号基板56が主導的に行うことで、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の不正改造などを発見し易くできる。
また、遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、払出制御基板41とCRユニット6の導通状態を遮断する等して遊技球の発射を禁止することで強制的に遊技不能状態にする。これにより、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のいずれかが不正交換された状態での遊技を禁止できる。
遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6に出力された相互認証結果は、遊技台計数管理装置35A及びタッチ液晶モジュール27に出力されるとともに、パチンコ機5に設けたLEDランプ等に直接出力される。このように、相互認証結果をパチンコ機5の外部のみならずパチンコ機5のLEDランプ等にも出力することで、外部との通信線に対する不正行為により、相互認証結果が正常に出力されない場合でも、LEDランプの点灯等で遊技場の管理者にパチンコ機5の相互認証結果を通知することができる。
またパチンコ機5においては、遊技機メイン基板40を遊技盤16に取り付け、払出制御基板41をパチンコ機本体18の本体枠に取り付けて構成されている。この構成においては、パチンコ機本体18の本体枠を機種毎に共通に使用し、遊技盤16を機種毎に設けることで複数の機種が構成されており、実際に、遊技店舗2においてパチンコ機5を入れ替える時には、遊技盤16だけを取り替えるという運用が一般的である。このような場合に、パチンコ機本体18に、本来とは異なる他の遊技盤16を誤って取り付けてしまったときであっても、遊技機搭載暗号基板56により遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の相互認証が不成立となることから、作業者は、上記のような誤取付を容易に察知することができ、誤った組み合わせでのパチンコ機5の稼働を防止できる。
パチンコ機本体18に組み込まれたタッチ液晶モジュール27は、CRユニット6により制御されて当該CRユニット6の表示部及び操作部として機能する。すなわち、CRユニット6が遊技球貸出装置の装置本体に、タッチ液晶モジュール27が遊技球貸出装置の表示部及び操作部にそれぞれ相当し、これらによって遊技球貸出装置65が構成される。
タッチ液晶モジュール27は、遊技球貸出装置65の装置本体たるCRユニット6に互いに通信可能に接続されており、タッチパネルを備えた液晶表示部66を備え、この液晶表示部66の表示画像を制御する画像表示制御信号SgがCRユニット6から入力されている。液晶表示部66に対するタッチ操作は、CRユニット6にタッチ操作入力信号Stとして出力され、当該CRユニット6にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール27は、パチンコ機5に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット6によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット6に出力されており、CRユニット6の表示部及び操作部として構成されている。
また、CRユニット6からタッチ液晶モジュール27には、当該タッチ液晶モジュール27の電力供給線67を介して動作電力が供給されている。すなわち、タッチ液晶モジュール27は、CRユニット6との間でパチンコ機5を介さずに直接的に通信し、また、動作電力もCRユニット6から供給を受ける構成であるため、パチンコ機5が備える電気回路を変更する必要が無く、製造等が容易となる。
CRユニット6は、貸出装置制御基板68と、プリペイド媒体14を読み書きする価値媒体R/W69と、所定の遊技者に対してコンテンツを配信等のサービスを提供すべく遊技者IDを記録した例えば電子決済機能付き携帯電話等に対し遊技者IDを読み書きするID識別媒体R/W70と、紙幣識別機71と、リモコン操作を受け付けるためのリモコン受光部72と、各種異常等を検知するためのセンサ類73と、貸出装置搭載暗号基板74と、電源モジュール75とを備えている。
電源モジュール75は、CRユニット6の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール27にも電力を供給する。また、この電源モジュール75の電力が貸出I/F用電源として、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット6との導通状態を検知する。すなわち、払出制御基板41への貸出I/F用電源の入力を遮蔽することでパチンコ機5とCRユニット6とが非導通状態となり、パチンコ機5での遊技球の発射が禁止される。なお、遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、貸出I/F用電源の供給を検知していれば、パチンコ機5が備える電源を駆動電源として駆動しても良い。
このCRユニット6には、パチンコ機5との接続コネクタとして、外部端子板54及び遊技機搭載暗号基板56との間の通信線を接続するコネクタCAと、タッチ液晶モジュール27との間の通信線を接続するコネクタCBとが、それぞれ別々に設けられている。
貸出装置制御基板68は、制御手段として、各部を制御する主制御用のCPU76Aと、高速I/O(Input/Output)用のCPU76Bとを、それぞれに別々に有している。CPU76Bは、主としてタッチ液晶モジュール27に各種情報を表示するための画像処理や、当該タッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作の受付処理といった、高速なデータのI/Oを要求される処理の制御を主に実行するものである。すなわち、貸出装置制御基板68には、高速I/O部品として、コンテンツサーバー35Eとの通信インターフェースである高速I/F77と、ワンセグ放送(ワンセグ:携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)を受信してタッチ液晶モジュール27に表示するワンセグユニット78と、画像や動画のキャッシュとして機能する画像・動画一時記憶部79と、タッチ液晶モジュール27との間で画像表示制御信号Sgを送受する通信I/Fとである高速通信I/F80と、当該タッチ液晶モジュール27からのタッチ操作信号の入力インターフェースであるシリアル通信I/F81とが設けられており、これらがCPU76Bによって制御される。このように画像処理等のデータの高速I/Oが要求される処理用に専用のCPU76Bを設けることで処理の遅延が防止される。
2つのCPU76AとCPU76Bとは、それぞれCPU間通信I/F82A、82Bによって相互にデータ通信可能に接続され、連携が図られている。
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体14や会員カード14Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群8、及びデータ表示器34とのデータ送受等の制御、パチンコ機5に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体14の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、CPU76Aは、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを、プリペイド残価値記憶部83、貸出装置管理持玉数記憶部84、再プレイ可能玉数記憶部85、遊技機管理残玉数記憶部86として機能させる。
プリペイド残価値記憶部83は、プリペイド媒体14の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体14の投入時、或いは発行時にプリペイド管理サーバー35Bから取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
貸出装置管理持玉数記憶部84は、遊技者の持玉数を記憶する。すなわち、プリペイド媒体14がCRユニット6に投入されたときに、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数が読み出されて貸出装置管理持玉数記憶部84に貸出装置管理持玉数として格納され、またタッチ液晶モジュール27に表示される。この貸出装置管理玉数は、遊技者が持玉を使用するごとに減算更新される。また、この貸出装置管理玉数は、パチンコ機5に記録されている遊技機管理発射可能玉数をパチンコ機5から持玉に移行する操作を遊技者が行ったことを契機に加算更新される。本実施形態では、遊技終了のための返却スイッチ25Bの操作を移行操作とみなし、プリペイド媒体14の返却時に、貸出装置管理玉数を遊技機管理発射可能玉数で加算更新し、更新後の貸出装置管理玉数を持玉管理サーバー35Cに通知し、またプリペイド媒体14に記録する。この移行操作に伴い、遊技機管理発射可能玉数は「ゼロ」にクリアされる。
なお、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納する構成に限らず、例えばプリペイド媒体14に記録されている持玉数や会員・景品管理サーバー35Dで管理されている貯玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納しても良い。
また、遊技機管理発射可能玉数から持玉への移行の契機としては、上記の他にも、例えばタッチ液晶モジュール27に設けた移行操作のためのボタンに対するタッチ操作や、休憩時にパチンコ機5をロックするための休憩ボタンが操作されたときなどが挙げられる。休憩ボタン操作時のパチンコ機5のロックについて簡単に説明すると、ロック時には、CRユニット6が貸出指示信号を送信しないようにすることでパチンコ機5での遊技球の貸出動作が行われないようになり、また遊技機管理発射可能玉数が持玉に移行して「ゼロ」にクリアされることで、遊技球を用いた遊技ができない状態(ロック状態)に維持される。
再プレイ可能玉数記憶部85は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、会員カード14Bの挿入後パスワード認証正常終了時に、会員・景品管理サーバー35Dから取得した貯玉数を初期値として記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する。この貯玉数は、タッチ液晶モジュール27に再プレイ可能玉数として表示され、返却スイッチ25Bの操作時に、再プレイ可能玉数記憶部85に記憶されている貯玉数が会員・景品管理サーバー35Dに送信されて記録される。なお、このキャッシュメモリは、その他、各種情報の記憶部87としても用いられる。
またCPU76Aは、上記CPU76Bが高速I/O部品を制御したのに対して、それよりも低速で良いI/O部品を制御する。すなわち、貸出装置制御基板68には、店内LAN9を介した管理コンピュータ群8との通信インターフェースであるシリアル通信I/F88と、ホールコンI/F装置36を介した遊技台計数管理装置35Aとの通信インターフェースであるシリアル通信I/F89と、パチンコ機5の外部端子板54との通信インターフェースである入力専用のシリアル通信I/F90と、後述する貸出装置搭載暗号基板74との通信インターフェースであるシリアル通信I/F91とを備え、これらがCPU76Aによって制御されている。
また、貸出装置制御基板68には、パラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aと接続するためのパラレルポート92が設けられており、パラレルポート92からの出力が光MOSリレー等の駆動回路を備えた信号変換器93で信号変換され、パラレル出力用コネクタ94に接続されたパラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aに出力される。
上記貸出装置搭載暗号基板74は、貸出装置制御基板68との間で相互認証するとともに、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56を介して入出力される通信データを、当該遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aと同様のアルゴリズムで生成した暗号キーで暗号化/復号化する基板であり、セキュリティチップ(貸出装置側認証手段)60Dと、汎用CPU95とを備えている。すなわちセキュリティチップ60Dは、遊技機ID管理サーバー35Fからパチンコ機5の遊技機IDを取得し、当該遊技機IDに基づいてパチンコ機5と暗号通信するための暗号キーを生成し、この暗号キーを用いて遊技機搭載暗号基板56との間で暗号通信する。また、貸出装置制御基板68にもセキュリティチップ60Eが搭載されており、これらセキュリティチップ60D、60Eはそれぞれ、相互認証するための所定の認証キーを予め保持する。この認証キーはパチンコ機5の認証キーと同じである必要はない。この貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Eは、汎用CPU56Aと独立して動作し、基板外部から内部の処理動作、処理内容等を特定不可能な、いわゆるブラックボックスとして構成されている。
貸出装置搭載暗号基板74と遊技機搭載暗号基板56とは、それぞれCRユニット6の電源モジュール75とパチンコ機5の電源とによって駆動されるが、相互間の通信路の電気的ノイズを低減するために、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56をCRユニット6、及びパチンコ機5から電気的に絶縁する構成としても良い。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56の通信路用に供される専用の所定電圧の直流電源をCRユニット6に設ける構成としても良い。また、専用の直流電源に対して、所定電圧を生成するための電力をパチンコ機5側から電力線PLを介して供給する構成としても良い。
そして、CRユニット6の電源投入時等の所定のタイミングで、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dが主導的にセキュリティチップ60Eと相互認証を行う。すなわち、セキュリティチップ60Dは貸出装置制御基板68のセキュリティチップ60Eに対して認証開始要求を出力する。この認証開始要求を受けて、セキュリティチップ60Eがセキュリティチップ60Dと認証キーを交換し、セキュリティチップ60D、60Eの両者が受け取った認証キーと自身の認証キーとに基づいて認証を行うことで相互認証を行い、貸出装置搭載暗号基板74が認証結果を遊技台計数管理装置35A及びタッチ液晶モジュール27に出力する。このとき、貸出装置搭載暗号基板74は、貸出装置制御基板68が不正に交換される等して相互認証が不成立となった場合には、パチンコ機5への貸出指示信号の出力を遮断する等して強制的に貸出不能状態にする。これにより、貸出装置制御基板68が不正交換された状態での貸出を禁止できる。また、貸出装置搭載暗号基板74が主導的に相互認証を開始することで、貸出装置制御基板68に対する不正が発見し易くなる。
ここで、上述の通り、パチンコ機5においても、遊技機搭載暗号基板56の主導によって遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれが他の2つの基板間で相互認証を行い、当該相互認証の結果が遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74に出力される。
そしてCRユニット6では、貸出装置搭載暗号基板74と貸出装置制御基板68の間の相互認証結果が成立し貸出可能状態になっているとき、パチンコ機5から相互認証結果として相互認証成立の旨が入力されたことを条件に、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56が装置間の相互認証を行う。このときの装置間の相互認証には、例えば上記遊技機ID(CPU固有ID61)を認証キーに用いることができる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dは、遊技機ID管理サーバー35Fから取得して保持している遊技機IDを遊技機搭載暗号基板56のセキュリティチップ60Aに送信し、当該セキュリティチップ60Aは自身に格納されている遊技機IDを貸出装置搭載暗号基板74のセキュリティチップ60Dに送信し、各セキュリティチップ60A、60Dは、受信した遊技機IDと、自身が保持する遊技機IDとに基づいて相互に認証する。そして、装置間の相互認証が成立した場合にだけ、遊技球の貸出動作が可能になる。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74が遊技機搭載暗号基板56の認証を認めなかった場合(パチンコ機5に不正改造の疑いがある場合)、貸出装置搭載暗号基板74は、パチンコ機5への貸出指示信号の出力を禁止し、或いはパチンコ機5との導通状態を非導通状態にするなどして、貸出動作を実行不能にする。一方、遊技機搭載暗号基板56が貸出装置搭載暗号基板74の認証を認めなかった場合(CRユニット6に不正改造の疑いがある場合)、遊技機搭載暗号基板56は、CRユニット6への貸出スイッチ25Aのスイッチ押下信号の出力を禁止するなどして貸出動作を実行不能にする。
これにより、パチンコ機5、及びCRユニット6のそれぞれでの基板間の相互認証で不正が検知されなかった場合でも、さらにパチンコ機5、及びCRユニット6が装置間で相互に認証することで、不正を確実に見つけ出すことができる。また、パチンコ機5、及びCRユニット6の相互認証が不成立の場合には、遊技球の貸出動作が不能となり、封入球式であるパチンコ機5では遊技機を行うことができなくなるから、パチンコ機5又はCRユニット6に不正改造が行われた状態での遊技を確実に防止することができる。
上述したように本実施形態では、パチンコ機5の遊技機メイン基板40、払出制御基板41、及び遊技機搭載暗号基板56と、CRユニット6の貸出装置制御基板68、及び貸出装置搭載暗号基板74は、それぞれセキュリティチップ60A〜60Eの暗号化/復号化機能を用いて、基板間の通信データを暗号化して送受しており、この暗号通信について図6を参照して説明する。
図6は、基板間暗号通信の説明図である。
パチンコ機5では、遊技機搭載暗号基板56、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の各セキュリティチップ60A、60B、60Cが相互に暗号通信ラインLSで接続されている。暗号通信ラインLSでは、各セキュリティチップ60A、60B、60Cが相互に遊技機ID(CPU固有ID61)から所定のアルゴリズムで生成した暗号キーを用いて送受データを暗号化して通信するように構成されている。また同様に、CRユニット6では、貸出装置搭載暗号基板74、及び貸出装置制御基板68のセキュリティチップ60D、60Eの間が相互に暗号通信ラインLSで接続されている。
パチンコ機5、及びCRユニット6のそれぞれでは、基板間の相互認証は暗号通信ラインLSを通じて暗号化データを送受することで行われる。
また、パチンコ機5では、遊技機メイン基板40と、遊技機搭載暗号基板56との間には、それぞれのセキュリティチップ60A、60Bにより基板間で直接暗号化通信する上記第1経路R1が設けられており、この第1経路R1を通じて、遊技機メイン基板40が出力する上記外部端子出力信号Soutが遊技機搭載暗号基板56に暗号化された状態で出力される。この第1経路R1は、上述の通り、払出制御基板41を経由する信号経路であることから、この払出制御基板41が不正改造された基板に交換された場合には、外部端子出力信号Soutが改ざんされる虞れがある。これに対して、このパチンコ機5では、遊技機メイン基板40と、遊技機搭載暗号基板56との間で外部端子出力信号Soutを暗号化して送受することから、払出制御基板41が不正改造基板に交換されても、外部端子出力信号Soutの改ざんを防止できる。
遊技機搭載暗号基板56に入力された外部端子出力信号Soutは、当該遊技機搭載暗号基板56にて復号化された後、非暗号化状態でCRユニット6に出力される。具体的には、遊技機搭載暗号基板56とCRユニット6の貸出装置制御基板68とが非暗号化のシリアル通信経路である第4経路R4により接続されており、この第4経路R4を通じて外部端子出力信号Soutが貸出装置制御基板68に出力される。
また、パチンコ機5では、払出制御基板41と、遊技機搭載暗号基板56との間に、それぞれのセキュリティチップ60A、60Cにより基板間で直接暗号化通信する第3経路R3が設けられている。この第3経路R3を通じて、払出制御基板41と遊技機搭載暗号基板56との間で、貸出(払出)指示信号Ska及び貸出(払出)結果信号Skbが暗号化された状態で送受される。
なお、遊技機メイン基板40と払出制御基板41の間での賞球払出指示信号Sh等の送受は、基板間に設けられた既存のデータ通信線D1を通じて行われる。
一方、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56と、CRユニット6の貸出装置搭載暗号基板74の間には、それぞれのセキュリティチップ60A、60Dにより基板間で直接暗号化通信する第5経路R5が設けられており、この第5経路R5を通じて、貸出(払出)指示信号Ska及び貸出(払出)結果信号Skbが暗号化された状態で送受される。
これにより、CRユニット6からパチンコ機5に入力される貸出(払出)指示信号Skaの不正な改ざんが防止されることとなる。
このように、パチンコ機5にあっては、遊技機メイン基板40、払出制御基板41、及び遊技機搭載暗号基板56が相互に認証することで、正規の基板であることが確認されることから、不正に改造された基板の発見が容易となる。
ところで、ゴト行為等の不正行為により、遊技機メイン基板40の入賞検知センサ44を不正に感知させられた場合、賞球が不正に獲得されることがある。
しかしながら、封入球式のパチンコ機5では、賞球が実球により払い出されずに、発射可能玉数というデータとして管理されるため、異常な賞球が発生していても、実球の払い出しに比べ、賞球の払い出し状況を店員等が把握し難い。
そこで、本実施形態では、入賞検知センサ44に基づく入賞数と、他の検知センサの検知結果に基づいて求められる入賞数とを比較することで、入賞検知センサ44の入賞検知の異常を判定することとしている。
詳述すると、遊技機搭載暗号基板56には、上述のように、遊技機メイン基板40が出力する外部端子出力信号Soutと、払出制御基板41が出力する貸出(払出)結果信号とが入力されている。外部端子出力信号Soutには、入賞検知センサ44の検知に係る信号が含まれており、遊技機搭載暗号基板56は、この外部端子出力信号Soutに基づいて、入賞口39への遊技球Pの入賞数(セーフ玉P1の累計値)の累計値である入賞累計値を計数する。
この外部端子出力信号Soutは、暗号化された状態で専用の第1経路R1を通じて遊技機搭載暗号基板56に入力されることから通信経路途中での改ざんを防止し、入賞検知センサ44の検知に基づく入賞累計値の信頼性が高められている。
一方、貸出(払出)結果信号Skbは、発射可能玉数(いわゆる出玉)が増減するごとに払出制御基板41から出力され、この貸出(払出)結果信号Skbには、上記ファウル玉(戻り玉)検知センサ50A、外れ玉検知センサ50B、発射玉検知センサ50C、玉抜き玉検知センサ50D、及びアウト玉検知センサ50Eのそれぞれの検知結果が含まれている。
遊技機搭載暗号基板56は、この貸出(払出)結果信号Skbに基づいて、ファウル玉P3の累計値であるファウル玉累計値、外れ玉P2の累計値である外れ玉累計値、発射玉(発射台150Bに送り込まれた玉)の累計値である発射玉累計値、玉抜き玉P4の累計値である玉抜き玉累計値、及び、遊技盤16から入賞口39及びアウト口22を通じて回収されたアウト玉の累計値であるアウト玉累計値をそれぞれ計数する。
そして、遊技機搭載暗号基板56は、貸出(払出)結果信号Skbに基づいて得られるこれらの計数値に基づいて、入賞検知センサ44に基づく入賞数に異常が無いか否かを判定する。
この貸出(払出)結果信号Skbについても、暗号化された状態で第3経路R3を通じて遊技機搭載暗号基板56に入力されることから通信経路途中での改ざんを防止し、各累計値の信頼性が高められている。
そして、遊技機搭載暗号基板56は、入賞検知センサ44の検知に基づく入賞累計値と、他の検知センサに基づいて求められた入賞累計値とを比較することで、入賞検知センサ44の入賞検知の異常を判定する。
図7は、入賞検知異常処理のフローチャートである。
遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41の信号出力に対して割り込み許可を与えて、外部端子出力信号Sout、及び貸出(払出)結果信号Skbを取り込む(ステップS1)。遊技機搭載暗号基板56は、この割り込み許可で取り込んだ外部端子出力信号Sout、貸出(払出)結果信号Skbに基づいて、入賞累計値、外れ玉累計値、アウト玉累計値、発射玉累計値、ファウル玉累計値、玉抜き玉累計値を更新する。
なお、これらの累計値は遊技開始時、或いはパチンコ機5の電源投入時にゼロに初期化されている。また、入賞累計値以外の各累計値については、払出制御基板41が計数し、計数結果を貸出(払出)結果信号Skbに含めて遊技機搭載暗号基板56に出力しても良い。
次いで、遊技機搭載暗号基板56は、入賞累計値が異常な値でないか否かを判定すべく、次式(1)に基づいて入賞検知異常判定値n1を算出する(ステップS2)。
入賞検知異常判定値n1=入賞累計値−(アウト玉累計値−外れ玉累計値) (1)
この式(1)において、(アウト玉累計値−外れ玉累計値)の項は、アウト玉検知センサ50E及び外れ玉検知センサ50Bの検知結果に基づいて計算上求められる入賞累計値を示す。したがって、上記式(1)において、入賞検知センサ44が正常動作している場合、入賞検知異常判定値n1の値は、理想的には「ゼロ」になる。
しかしながら、入賞口39に遊技球Pが入賞していないにもかかわらず、入賞検知センサ44が不正に感知させられた場合には、式(1)の入賞累計値の項が大きくなることから、式(1)の値は「ゼロ」よりも大きくなる。
そこで、遊技機搭載暗号基板56は、入賞検知異常判定値n1が判定値Aよりも大きいか否かを判定し(ステップS3)、大きい場合には(ステップS3:Yes)、異常な入賞が発生している旨を出力する(ステップS4)。なお、実際のパチンコ機5では、遊技球Pが入賞口39の入賞検知センサ44、アウト口22の外れ玉検知センサ50B、及びアウト玉検知センサ50Eを通過するタイミングには時間差があることから、遊技球Pが遊技領域16aに継続して投入されている間は、入賞検知異常判定値n1の値が「ゼロ」になるとは限らず、係る時間差を考慮して判定値Aが設定される。
ステップS4の出力は、遊技機搭載暗号基板56と通信可能に接続されているCRユニット6に出力され、当該CRユニット6の警告ランプの点灯や警告音出力、表示部への表示等の各種の警告出力の態様によって店員に通知される。これにより、万が一、パチンコ機5の各部に不正な改造が施され、ステップS4の出力に基づく警告をパチンコ機5が報知不能に成されていたとしても、より確実に警告を報知できる。
ただし、入賞検知センサ44に加えて、アウト玉を検知するアウト玉検知センサ50Eが不正に感知させられている場合、上記式(1)において、(アウト玉累計値−外れ玉累計値)の値が大きくなることから、入賞検知異常判定値n1が小さくなり入賞検知の異常を検知できなくなる。
そこで、アウト玉検知センサ50Eの検知異常を判定すべく、遊技機搭載暗号基板56は、次式(2)に基づいてアウト検知異常判定値n2を算出する(ステップS5)。
アウト検知異常判定値n2
=発射玉累計値−(アウト玉累計値+戻り玉累計値) (2)
式(2)において、(アウト玉累計値+戻り玉累計値)は、アウト玉検知センサ50Eファウル玉(戻り玉)検知センサ50A、及び玉抜き玉検知センサ50Dの検知結果に基づいて算出される発射玉累計値を示す。したがって、上記アウト玉検知センサ50E、及び発射玉検知センサ50Cがいずれも正常動作している場合には、アウト検知異常判定値n2は「ゼロ」になる。
そこで遊技機搭載暗号基板56は、アウト検知異常判定値n2が判定値Bよりも大きいか否かを判定し(ステップS6)、大きい場合には(ステップS6:Yes)、払出制御基板41のセンサ入力に異常が発生している旨を出力する(ステップS7)。なお、発射台150Bへの遊技球Pの送り込みが発射玉検知センサ50Cで検知されてから、ファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aや玉抜き玉検知センサ50D、アウト玉検知センサ50E等で検知されるまでの間に時間差が生じることから、この時間差に応じて判定値Bの値が設定される。
このように、本実施形態によれば、アウト玉検知センサ50Eに基づくアウト玉の累積値から外れ玉検知センサ50Bに基づく外れ玉P3の累積値を引いて求めた入賞累計値と、入賞検知センサ44に基づく入賞累計値とに基づいて、入賞検知センサ44の入賞検知の異常を判定する構成とした。
この構成により、不正行為等によって入賞検知センサ44が異常に入賞を検知している場合、アウト玉検知センサ50E及び外れ玉検知センサ50Bに基づいて求めた入賞累計値と、入賞検知センサ44に基づく入賞累計値とが乖離することから、この乖離を判定することで、入賞検知センサ44の異常な入賞検知を速やかに検知できる。
これに加え、本実施形態によれば、アウト玉累計値に、ファウル玉(戻り玉)検知センサ50Aに基づくファウル玉累計値を加えて求めた発射玉累計値と、発射玉検知センサ50Cに基づく発射玉累計値とに基づいて、アウト玉検知センサ50Eの検知異常を判定する構成とした。
この構成により、万が一、入賞検知センサ44、及びアウト玉検知センサ50Eの両方が同時に不正に感知動作させられてしまい、上記(1)に入賞検知センサ44の異常な入賞検知が検知できなかった場合でも、アウト玉検知センサ50Eの検知異常の発見を通じて、入賞検知センサ44の異常な入賞検知を検知できる。
また本実施形態によれば、入賞検知センサ44、アウト玉検知センサ50E、及び外れ玉検知センサ50Bの検知結果を暗号化した信号(具体的には、外部端子出力信号Sout、貸出(払出)結果信号Skb)により取得し、これらの信号Sout、Skbに基づいて、入賞検知センサ44の入賞検知の異常を判定する遊技機搭載暗号基板56を備える構成とした。
この構成により、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41とは別の遊技機搭載暗号基板56が、これら遊技機メイン基板40及び払出制御基板41を通じて得られる外部端子出力信号Sout、及び貸出(払出)結果信号Skbに基づいて、入賞検知センサ44の入賞検知の異常を判定するため、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41が不正改造等されている場合でも、入賞検知センサ44の入賞検知の異常を判定できる。
さらに、入賞検知センサ44、アウト玉検知センサ50E、及び外れ玉検知センサ50Bの検知結果を含む外部端子出力信号Sout、及び貸出(払出)結果信号Skbが暗号化されて遊技機搭載暗号基板56に入力されるため、これらの信号の改ざんを防止でき、異常判定の信頼性を高められる。
また本実施形態によれば、遊技機搭載暗号基板56は、CRユニット6と通信可能に接続され、入賞検知センサ44の入賞検知が異常であると判定した場合には、その旨をCRユニット6に出力する構成とした。
パチンコ機5は、CRユニット6の接続が遊技動作に必須であることから、上記の構成により、必ず接続されるCRユニット6に異常が出力されることとなり、確実に異常を外部に通知(報知)できる。さらに、パチンコ機5の各種表示部(例えば遊技機液晶表示器24)に異常を表示する構成に比べ、簡単かつ確実に異常を通知(報知)できる。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、ファウル玉P3及び玉抜き玉P4を合わせて戻り玉とする構成とした。しかしながら、発射台150Bへの遊技球の送り出しのタイミングで発射可能玉数(持玉)を減算するのではなく、実際に遊技球が弾発されたタイミングで発射可能玉数(持玉)を減算する構成とした場合には、戻り玉としては、ファウル玉P3だけを用いれば良い。
例えば、上述した実施形態では、異常入賞検知処理を遊技機搭載暗号基板56が行う構成としたが、これに限らない。すなわち、遊技機搭載暗号基板56を搭載していないパチンコ機5にあっては、払出制御基板41が異常入賞検知処理を行っても良い。この場合、払出制御基板41は、入賞累計値を、外部端子出力信号Soutではなく賞球払出指示信号Shに基づいて計数し、また外れた累計値等の他の累計値については、各検知センサ50A〜50Eに基づいて計数する。
5 パチンコ機(封入球式遊技機)
6 CRユニット
16 遊技盤
16a 遊技領域
18 パチンコ機本体
22 アウト口
39 入賞口
40 遊技機メイン基板
41 払出制御基板
44 入賞検知センサ
48 遊技機管理発射可能玉数記憶部
50A ファウル玉(戻り玉)検知センサ
50B 外れ玉検知センサ
50C 発射玉検知センサ
50D 玉抜き玉検知センサ
50E アウト玉検知センサ
56 遊技機搭載暗号基板
60A〜60E セキュリティチップ
65 遊技球貸出装置
56A 汎用CPU
Sh 賞球払出指示信号
Ska 貸出(払出)指示信号
Skb 貸出(払出)結果信号
Sout 外部端子出力信号
P1 セーフ玉
P2 外れ玉
P3 ファウル玉
P4 玉抜き玉
n1 入賞検知異常判定値
n2 アウト検知異常判定値

Claims (4)

  1. 遊技領域に入賞口、及びアウト口を設けた遊技盤を遊技機本体に備え、当該遊技機本体に遊技球を封入するとともに、
    前記遊技領域に向けて前記遊技球を弾発して投入し、前記入賞口、及び前記アウト口を通じて前記遊技球を前記遊技領域から回収し、前記遊技領域への投入に循環利用する封入球式遊技機であって、
    前記入賞口に入賞し当該入賞口を通じて回収される遊技球を検知する入賞検知センサと、
    前記入賞口、及び前記アウト口のいずれかを通じて回収された遊技球であるアウト玉を検知するアウト玉検知センサと、
    前記アウト口を通じて回収された遊技球である外れ玉を検知する外れ玉検知センサと、を備え、
    前記アウト玉検知センサに基づくアウト玉の累積値から前記外れ玉検知センサに基づく外れ玉の累積値を引いて求めた前記入賞口への入賞の累計値と、前記入賞検知センサに基づく入賞の累計値とに基づいて、前記入賞検知センサの入賞検知の異常を判定する
    ことを特徴とする封入球式遊技機。
  2. 前記遊技領域に向けて弾発される遊技球である発射玉を検知する発射玉検知センサと、
    弾発後に前記遊技領域に至らなかった遊技球であるファウル玉を検知するファウル玉検知センサと、を備え、
    前記アウト玉の累計値に前記ファウル玉検知センサに基づくファウル玉累計値を加えて求めた前記発射玉の累計値と、前記発射玉検知センサに基づく発射玉の累計値とに基づいて、前記アウト玉検知センサの検知異常を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の封入球式遊技機。
  3. 前記入賞検知センサ、前記アウト玉検知センサ、及び前記外れ玉検知センサの検知結果を暗号化した信号により取得し、当該信号に基づいて、前記入賞検知センサの入賞検知の異常を判定する遊技機搭載暗号基板を備えた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の封入球式遊技機。
  4. 前記遊技機搭載暗号基板は、
    前記遊技球を貸し出す遊技球貸出装置と通信可能に接続され、前記入賞検知センサの入賞検知が異常であると判定した場合には、その旨を前記遊技球貸出装置に出力する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の封入球式遊技機。
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