以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るパチンコ機1(封入球式遊技機)は、遊技内容や外形サイズ等、周知のパチンコ機と同様でありホール(パチンコ遊技場)における現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがない遊技機となっている。本実施形態に係るパチンコ機1では、遊技機内に予め封入された遊技球を用いて遊技を行うようになっている。そして、精算システム等を介してカード等の記憶媒体から入力された貸球数のデータに基づく遊技球の数(持球数のデータ)に対応して遊技球が発射可能となり、遊技球を発射すると発射された遊技球の数に対応して持球数のデータが減算される。また、発射された遊技球が遊技領域内の入賞口に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合、実際の遊技球を払い出すことはなく、持球数のデータに賞球の数が加算される。また、持球数のデータが「0」になると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態でカード等の記憶媒体に記憶された金額のデータや貯球のデータ等に基づいて、持球数のデータに数値(貸球数もしくは再プレイ球数)が加算されると、再び遊技球の発射が可能となる。また、発射された遊技球は、遊技機内で回収されて再び発射可能な状態となって遊技機内で循環するようになっている。即ち、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技領域に発射された遊技球を回収して、再び遊技に供する封入球式遊技機である。
先ず、図1及び図2を参照して実施形態のパチンコ機1を構成する本体枠2と扉枠3について説明する。図1は、パチンコ機1を構成する扉枠3を示す正面斜視図である。図2は、パチンコ機1を構成する本体枠2を示す正面斜視図である。
本実施形態に係るパチンコ機1は、図1及び図2に示すように、矩形枠状に構成されてホール側の島設備に設置される外枠(図示しない)と、該外枠に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠2と、該本体枠2に開閉自在に軸支される扉枠3と、を備えて構成されている。
扉枠3は、遊技盤4に形成されて遊技球が打ち込まれる遊技領域5を遊技者が視認し得る遊技窓6と、該遊技窓6の下方に配置され且つ遊技者の操作に基づいて遊技領域5に遊技球の打ち込みを行う操作ハンドル7と、を有する。遊技窓6には、本体枠2に対して扉枠3を閉塞した状態で、本体枠2側に装着される遊技盤4の前面(案内レール8によって区画形成された遊技領域5)を視認可能に被覆する透明板9が取り付けられている。操作ハンドル7は、遊技者の回動操作に基づいて、本体枠2の裏面に取り付けられた打球発射装置20の発射モータ23(図3参照)を駆動することで、遊技領域5への遊技球の打ち込みを行うようになっている。なお、操作ハンドル7は、回動操作するとONとなるマイクロスイッチ(図示しない)と、該マイクロスイッチがONとなっている状態で押圧操作するとマイクロスイッチがOFF状態となる発射停止スイッチ86(図11に符号のみ記載)と、操作ハンドル7の外周表面に施された導電性のメッキを介して遊技者の操作ハンドル7への接触を検知するタッチスイッチ87(図11に符号のみ記載)と、を備えている。打球発射装置20については後述する。
また、扉枠3には、遊技窓6の下辺部分(非封入球式となる周知のパチンコ機の上皿に相当する部分)に操作パネル部10が設けられている。操作パネル部10の上端側には、遊技を行うための持球の貸し出しを指示する球貸指令入力手段としての球貸ボタン(押しボタン式スイッチ)11と、パチンコ遊技を終了して精算を指示する精算指令入力手段としての精算ボタン(押しボタン式スイッチ)12と、精算システムとなるカードユニット機200(図11参照)を介した球貸用の記憶媒体となるカードの残度数を表示する残度数表示部13と、が配設されている。また、操作パネル部10には、パチンコ機1で管理されている現在の持球数を表示する遊技機持球数表示部14と、球貸ボタン11による操作が有効状態である等の情報を表示する情報表示部15と、が配設されている。遊技機持球数表示部14は、数字の「8」を表示可能に配置した7セグメントLEDを横一列に3個並設してなり3桁の数値(持球数)が表示可能である。情報表示部15は、4個を横一列に上下2段で並設した計8個のドットLEDからなり、各ドットLEDの点灯・消灯によって各種情報を遊技者に認識させる。また、扉枠3の前面側には、遊技領域5の視認を妨げない位置に、遊技領域5の外周部分を光装飾する装飾ランプ16や、遊技に応じた効果音等の音を発生するスピーカ17等が設けられている。
一方、本体枠2は、矩形枠状の外枠内に丁度収まるように、概略矩形板状に構成されると共に、その前面側に遊技盤4を嵌め込んで収容するための方形状の収容開口部18が形成されている。そして、本体枠2に対して扉枠3を閉塞することで、本体枠2に収容された遊技盤4の前面(案内レール8によって区画形成された遊技領域5)が扉枠3の遊技窓6から前側に臨むようになっている。
そして、上記した本体枠2及び扉枠3を備えたパチンコ機1において、本体枠2の収容開口部18に嵌め込まれた遊技盤4の前面側(遊技領域5)で遊技が行われることになる。即ち、パチンコ機1は、遊技盤4の案内レール8で囲まれた遊技領域5内に遊技球を発射して遊技を行うものであり、当該遊技領域5には、多数の障害釘(図示しない)と、始動入賞口や大入賞口等の各種入賞口等(図11中に、遊技領域5内に配置された上側の始動入賞口に入賞した遊技球を検出する上始動口スイッチ90と、遊技領域5内に配置された下側の始動入賞口に入賞した遊技球を検出する下始動口スイッチ91と、遊技領域5内に配置されたゲートを通過した遊技球を検出するゲートスイッチ92と、遊技領域5の左側に配置された入賞口に入賞した遊技球を検出する左入賞口スイッチ93と、遊技領域5の右側の上部及び下部に配置された入賞口に入賞した遊技球を検出する右上・右下入賞口スイッチ94と、遊技領域5内に配置された普通図柄及び特別図柄表示用LEDの基板95と、遊技領域5内に配置された普通電動役物用のソレノイド96と、遊技領域5内に配置された大入賞口用のソレノイド97と、大入賞口に入賞した遊技球を検出する大入賞口カウントスイッチ98と、を符号でのみ記載)が設けられ、各種入賞口への入賞に応じて所定数の賞球が付与されるようになっている。具体的に、封入球式遊技機となる本実施形態のパチンコ機1では、遊技球1個の打ち込みに応じて持球数のデータから「1」が減算される一方、各種入賞口への入賞に応じた賞球の数が持球数のデータに加算されて、これに対応する持球数が遊技機持球数表示部14に表示される。
また、遊技領域5の下端部分には、いずれの入賞口にも入賞することなく最下端まで流下した遊技球を受け入れて遊技盤4の裏面側へ排出するアウト口19が設けられている。遊技盤4の裏面には、各種入賞口に入賞した遊技球やアウト口19に流入した遊技球をそれぞれ回収してこれら遊技球を後述のアウト・セーフ球回収路31に向けて誘導する回収樋(図示しない)が装着されている。
なお、上記したように本実施形態のパチンコ機1では、賞球の払い出しは行われず、出球数、入球数、差球数、持球数等は、実際の遊技球の個数ではなく、データ上の数値となる。即ち、実際に使用される遊技球は、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、持球数は、例えば、遊技領域5に発射される遊技球を検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球を検知してカウントしたファール球数、遊技領域5に発射されて回収された遊技球を検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、ホール側から借りた貸球数等の数値から入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
即ち、扉枠3を開放して遊技球が外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(ファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数(積算値)=入球数−貸球数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、出球数−入球数=差球数、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+差球数となる。このようにパチンコ機1による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球をこぼしたり、遊技球を下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。
次に、本体枠2の裏面側に設けられる打球発射装置20、循環経路30、及び球クリーニング機構60について図3乃至図10を参照して説明する。図3は、パチンコ機1を構成する本体枠2を示す背面斜視図である。図4は、遊技盤4の下側部分と本体枠2の裏面側下部に設けられる各種構成部材を示す正面図である。図5は、打球発射装置20と循環経路30と球クリーニング機構60とを示す斜視図である。図6は、打球発射装置20と循環経路30を形成する第一及び第二の球通路形成部材33,37とを示す正面図である。図7は、打球発射装置20と循環経路30を形成する第一及び第二の球通路形成部材33,37とを示す上面図である。図8は、打球発射装置20を構成する発射レール21と第二の球通路形成部材37とを示す斜視図である。図9は、打球発射装置20を構成する発射レール21と第二の球通路形成部材37とを示す背面図である。図10(A)は、送風装置62を構成するケーシング65及び第一のダクト形成部材69を示す正面図である。図10(B)は、送風装置62を構成するケーシング65及び第一のダクト形成部材69を示す斜視図である。
図3に示すように、本体枠2の裏面側下部には、遊技盤4に設けられた案内レール8の発射案内路8a(図2参照)に遊技球を発射するための球発射装置20(球発射手段)が設けられている。球発射装置20は、図4乃至図9に示すように、発射案内路8aに連通状に設けられた発射レール21と、該発射レール21起点近傍の球発射位置にある遊技球を発射する発射用ハンマー22と、該発射用ハンマー22の駆動源となる発射モータ23と、を備えており、発射ベース枠80に発射用ハンマー22を回動自在に軸支すると共に、その発射用ハンマー22に往復回動を付与する発射モータ23を発射ベース枠80に取り付け、さらに発射用ハンマー22に復帰する付勢力を付与する付勢バネ(図示しない)の付勢力を調節するスライド杆81及びスライド部材82(共に図6参照)が発射ベース枠80に設けられることで構成される。また、発射モータ23のモータ軸の先端には、逆回転防止カム83が固定されている。逆回転防止カム83の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス84に揺動自在に固定されるストッパー片85と係合して発射モータ23の逆方向の回転を防止している。
そして、発射用ハンマー22は、前述した操作ハンドル7の回動操作に基づく発射モータ23の駆動によって作動(往復回動)するようになっている。また、発射レール21起点近傍の球発射位置には、発射用ハンマー22によって打ち込まれる遊技球の有無を検出するための発射球確認スイッチ24が配置され、発射レール21先端側の位置には、発射レール21から発射された遊技球を検出するための発射球検出スイッチ25が配置されている。これにより、発射球確認スイッチ24で遊技球の検出が非検出に切り換わった後に発射球検出スイッチ25で遊技球の通過が検出されると、遊技球1個が発射用ハンマー22によって発射されたことを検出するようになっている。
なお、発射球確認スイッチ24は、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体としての遊技球を検出するフラット型式の近接スイッチから構成される。発射球検出スイッチ25は、発光及び受光の一対のセンサからなり遊技球の通過に伴う遮光によって遊技球を検出する透過型フォトセンサから構成される。また、発射球確認スイッチ24及び発射球検出スイッチ25の各取付部分には、それぞれ当該スイッチ24,25のメンテナンス作業を容易にするための開閉板部材26,27が設けられている。開閉板部材26,27は、それぞれ支軸28を中心として左右横並びで回転(開閉)可能に取り付けられている(図2参照)。そして、遊技者側からみて右側に配された開閉板部材26には、スイッチ取付部26aが形成されると共に該スイッチ取付部26aに発射球確認スイッチ24が一体的に取り付けられ、開閉板部材26を開放することで発射球確認スイッチ24と発射レール21上のメンテナンス作業を容易にする。一方、遊技者側からみて左側に配された開閉板部材27には、当該開閉板部材27の閉塞状態で発射球検出スイッチ25との干渉を避けるための開口部27aが形成され、開閉板部材27を開放することで発射球検出スイッチ25のメンテナンス作業を容易にする。
また、本体枠2の裏面側下部には、図6に示すように、循環経路30の球通路を構成するアウト・セーフ球回収路31及びファール球回収路32が形成された第一の球通路形成部材33と、回収合流路34、配列通路35、及び発射送出路36が順次に連通して形成された第二の球通路形成部材37と、が設けられている。そして、発射レール21によって構成された発射通路、案内レール8によって構成された発射案内路8a、遊技領域5、各種入賞口、アウト口19、遊技盤4裏面の回収樋、アウト・セーフ球回収路31、ファール球回収路32、回収合流路34、配列通路35、及び発射送出路36によって遊技球の循環経路30が構成されるようになっている。なお、第二の球通路形成部材37によって形成される循環経路30としての回収合流路34(厳密には、アウト・セーフ球回収路31及びファール球回収路32の各球流出口の直下に配される後述の球流入口42より下流側の通路部)、配列通路35、及び発射送出路36は、それぞれ遊技球を1個ずつ順次搬送する通路形状に形成されている。また、遊技盤4裏面の回収樋、アウト・セーフ球回収路31、ファール球回収路32、回収合流路34、配列通路35、及び発射送出路36によって本発明に係る球誘導通路が構成されている。
アウト・セーフ球回収路31は、前述したように遊技盤4裏面に装着された回収樋と連通して配置され、回収樋によって回収されたセーフ球(各種入賞口に入賞した遊技球)及びアウト球(アウト口19に流入した遊技球)を受け入れて回収合流路34に誘導するようになっている。また、アウト・セーフ球回収路31の通路途中には、当該アウト・セーフ球回収路31を通過した遊技球、言い換えれば遊技領域5内に打ち込まれた遊技球(アウト球及びセーフ球)を検出するためのアウト・セーフ球検出スイッチ40が設けられている。アウト・セーフ球検出スイッチ40は、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体としての遊技球を検出する貫通型式の近接スイッチから構成される。
ファール球回収路32は、遊技盤4に形成されたファール球回収口38(図4参照)から回収されたファール球を受け入れて回収合流路34に誘導するようになっている。ファール球回収口38は、発射レール21と案内レール8の外レール部の下部との間に設けられた落下口であり、発射レール21(打球発射装置20)から発射された遊技球が遊技領域5内に打ち込まれることなく案内レール8を逆流した場合、当該遊技球は、ファール球回収口38に入りファール球として回収される。また、ファール球回収路32の通路途中には、当該ファール球回収路32を通過した遊技球、言い換えれば遊技領域5内に打ち込まれることなくファールになった遊技球(ファール球)を検出するためのファール球検出スイッチ41が設けられている。ファール球検出スイッチ41は、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体としての遊技球を検出する貫通型式の近接スイッチから構成される。
回収合流路34は、ほぼSの字状に蛇行して形成され、その上端の球流入口42がアウト・セーフ球回収路31及びファール球回収路32の各球流出口の直下に臨んで連通状に形成されている。また、回収合流路34の下流側の通路途中には、回収合流路34に回収された遊技球の容量を確認するための球容量確認スイッチ43(球容量確認手段)が設けられている。球容量確認スイッチ43は、高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体としての遊技球を検出するフラット型式の近接スイッチから構成される。
配列通路35は、回収合流路34の下流部の球出口に連通して設けられ且つ複数の遊技球を互いに接した状態で配列貯留するようになっている。配列通路35は、一端側が下り勾配をなす回収合流路34の球出口に連通する一方、他端側が上り勾配をなす発射送出路36の球入口に連通するU字状の通路形状に形成されており、該U字状の通路内において、スプロケット状の回転体よりなる循環球送り部材44(図8及び図9参照)が軸45を中心として回転可能に組み付けられている。循環球送り部材44の外周には、複数(実施形態中では2つ)の球受け部46が所定の角度(実施形態中では180度)を隔てて形成されている。この循環球送り部材44は、循環球送りモータ47(図5参照:電気的駆動源)を駆動源として回転され、配列通路35の遊技球を1個ずつ発射送出路36に向けて送り出すようになっている。即ち、循環球送りモータ47の出力軸は、循環球送り部材44の軸45にトルク伝達可能に結合されている。
発射送出路36は、上り勾配をなす配列通路35の上端部の球出口と連通して上り勾配をなす入口通路部48と、該入口通路部48の上端の頂部から球発射装置20(発射レール21)の球発射位置側に向けて緩やかな下り勾配をなす送出通路部49と、を備えてほぼへの字状をなしている。送出通路部49の通路途中には、当該送出通路部49を通過した遊技球を検出して循環球送りモータ47による遊技球の打球発射装置20への送り込みを制御するための第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51(第一及び第二の送出球検出手段)が横並びで設けられている。発射待機球スイッチ50,51は、それぞれ高周波発振回路の検出コイルのインピーダンスの変化によって金属体としての遊技球を検出するフラット型式の近接スイッチから構成される。なお、第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51による球検出に基づいて遊技球を打球発射装置20へ送り込む制御については後で詳述する。
また、本体枠2の裏面側下部には、循環経路30を循環する遊技球に付着したゴミ等を除去するための球クリーニング機構60が設けられている。球クリーニング機構60は、循環経路30となる発射送出路36の入口通路部48内に遊技球と接触可能に設けられた導電性を有する導電性ブラシ61と、該導電性ブラシ61の配置部分から発射送出路36の入口通路部48内に人工風を吹き込む送風装置62(送風手段)と、を備えている。
導電性ブラシ61は、図9に示すように、発射送出路36の上壁側に3個横並びで設けられ、そのブラシ先端部分が発射送出路36の入口通路部48の上壁部分に穿設されたブラシ挿通口63を通して若干、入口通路部48内に挿入した状態で配置される。これにより、入口通路部48を通過する遊技球は、その入口通路部48内の通過に伴って導電性ブラシ61の先端部分が擦り付けられ、外周表面に付着したゴミ等の付着物が取り除かれるようになっている。また、導電性ブラシ61には、アース配線64(図6参照)が接続されている。これにより、導電性ブラシ61が遊技球に擦り付けられる際、付着物の除去に加えて遊技球の表面に帯電した静電気が取り除かれるようになっている。なお、このような導電性ブラシ61は、回収合流路34の下流部における上壁側にも2個横並びで設けられており、発射送出路36(入口通路部48)側の導電性ブラシ61と同様に、通路(この場合は、回収合流路34の下流部)内を通過する遊技球に対して、付着物及び静電気の除去を行うようになっている。
送風装置62は、図10に示すように、電気製品の電源、基板等の排熱(冷却)用の周知の送風ファンであり、ほぼ円形のケーシング65内にファンと該ファンを回転するモータ(共に図示しない)とを備えて構成されている。ケーシング65の外周部分には、送風装置62を第二の球通路形成部材37(回収合流路34を形成する部分)の裏面側にビス止めするためのビス止めボス66と、人工風を吹き出すための送風口67と、が形成されている。また、送風口67には、当該送風口67から吹き出された人工風を発射送出路36側に誘導する送風ダクト68が取り付けられる。送風ダクト68は、筐体形状をなす第一のダクト形成部材69と、該第一のダクト形成部材69の筐体開口を覆うようにして組み付けられる平板形状をなす第二のダクト形成部材70と、の組付体から構成される。第一のダクト形成部材69には、第二のダクト形成部材70を一体的に組み付けるためのビス止めボス71と、第二の球通路形成部材37側(発射送出路36の近傍部位)に設けられた風入口72(図6参照)と連結されて送風口67から吹き出された人工風を発射送出路36及び回収合流路34に送り込む風出口73と、が形成されている。
これにより、送風装置62の送風口67から吹き出された人工風は、送風ダクト68の風出口73から第二の球通路形成部材37の風入口72に送り込まれる。そして、風入口72に送り込まれた人工風は、発射送出路36の入口通路部48上壁側の導電性ブラシ61(ブラシ先端部分を挿通するブラシ挿通口63)の配置位置と隣接して設けられた3つの吹出口74から入口通路部48内に吹き込まれると共に、回収合流路34の下流部の上壁側の導電性ブラシ61の配置位置と隣接して設けられた3つの吹出口77から回収合流路34内に吹き込まれる。その結果、送風装置62からの人工風が回収合流路34内及び入口通路部48内の遊技球に吹き付けられることで、遊技球が回収合流路34及び入口通路部48を通過するのに伴って、当該遊技球の外周表面に付着したゴミ等の付着物を取り除くことができる。また、このとき、回収合流路34内及び入口通路部48内の遊技球は、前述したように導電性ブラシ61が擦り付けられることでも付着物の除去が行われるため、遊技球が回収合流路34内及び入口通路部48を通過する際の球クリーニングを2つの方法(導電性ブラシ61を遊技球に擦り付ける方法と、送風装置62の人工風を遊技球に吹き付ける方法)で行うことになり、球クリーニング効果を大幅に高めることができる。具体的には、導電性ブラシ61の擦り付けによって遊技球の外周表面から付着物を剥がし、人工風の吹き付けによって剥がれた付着物を完全に遊技球から取り除くことで、遊技球を確実にクリーニングすることができる。然も、遊技球表面の静電気を除去することにより、ゴミ、特に乾いたゴミの付着性を低下させることができ、このような遊技球に人工風を吹き付けることで遊技球に付着した付着物が効率的に除去される。また、送風装置62から回収合流路34内及び入口通路部48内に吹き込まれる人工風は、遊技球の外周表面に付着した付着物を除去すると同時に、遊技球の擦り付けによって導電性ブラシ61に付着する付着物もそのブラシ先端部分から吹き飛ばして、導電性ブラシ61をクリーニングするようになっている。このため、テープ状の研磨紙を用いて遊技球の付着物を除去する構成のように、使い古されたテープ部分を除々に巻き取っていき、最終的に新たな研磨紙に交換するようなメンテナンス作業を頻繁に行う必要がないので、遊技球の付着物を除去する構成に対するメンテナンスの周期を飛躍的に長くできる。
なお、発射送出路36の入口通路部48の下壁部を形成する第二の球通路形成部材37の部分(吹出口74が形成された上壁部との対向部分)には、発射送出路36内に吹き込まれた送風装置62の人工風、及び当該人工風の吹き付けによって除去された遊技球表面の付着物を入口通路部48(循環経路30)の外部に排出するための2つの排気口75が形成されている。また、回収合流路34の下壁部を形成する第二の球通路形成部材37の部分(吹出口77が形成された上壁部との対向部分)にも同様の排気口78(図6参照)が形成されている。しかして、入口通路部48内及び回収合流路34内に吹き込まれた送風装置62の人工風は、入口通路部48及び回収合流路34(循環経路30)内にこもることなく、スムーズな人工風の流れ、言い換えれば人工風の吹き付けによるスムーズな遊技球のクリーニングを招来することができる。また、このような構成によれば、除去された遊技球表面の付着物は、入口通路部48及び回収合流路34(循環経路30)外に排出されるため、付着物が入口通路部48及び回収合流路34(循環経路30)内に残留して再度、遊技球表示に付着するような不具合を回避することができる。
また、風出口73側となる第一のダクト形成部材69の外周壁下部には、スリット状に3つの通気口76が一列に形成されており、送風口67から吹き出された人工風は、風出口73から発射送出路36(入口通路部48)及び回収合流路34に送り込まれると共に、通気口76からも若干、送風装置62の外部に吹き出されるようになっている。なお、3つの通気口76は、送風装置62を第二の球通路形成部材37(回収合流路34を形成する部分)の裏面側にビス止めした状態で、循環球送り部材44の駆動源となる循環球送りモータ47の近接した上方位置に配される。これにより、通気口76から吹き出された人工風は、循環球送りモータ47にあたり当該循環球送りモータ47を冷却するようになっている。即ち、送風装置62の人工風は、循環経路30(発射送出路36の入口通路部48及び回収合流路34)内の遊技球をクリーニングする作用に加えて、循環経路30内で遊技球を循環する機能の電気的駆動源(循環球送りモータ47)を冷却する作用も兼ね備えている。
しかして、上記したパチンコ機1においては、循環経路30内で遊技球が循環使用されると共に、該循環使用される遊技球に付着した付着物が球クリーニング機構60によって除去されることになる。打球発射装置20に供給された遊技球は、打球発射装置20により遊技盤4の前面下側から内外2本の案内レール8の間を通って遊技領域5内に発射される。そして、遊技領域5内に発射された遊技球は、遊技領域5内を流下し、その一部の遊技球が遊技領域5内に配置された各種入賞口(例えば、通常入賞口、始動入賞口、大入賞口等)に入賞し、遊技盤4の裏面側に導かれてセーフ球となり、遊技盤4裏面の回収樋を通ってアウト・セーフ球回収路31に誘導される。
一方、遊技領域5内を流下した後にいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域5下端のアウト口19に流入してアウト球となり、遊技盤4裏面の回収樋を通ってアウト・セーフ球回収路31に誘導される。そして、遊技盤4裏面の回収樋を通ってアウト・セーフ球回収路31に誘導されたアウト球及びセーフ球は、それぞれアウト・セーフ球回収路31の通路途中に設けられたアウト・セーフ球検出スイッチ40によって検出された後、回収合流路34内に送り込まれる。
また、打球発射装置20によって発射されたにも拘わらず遊技領域5を流下せずに案内レール8を逆流した遊技球は、ファール球となってファール球回収口38に入り、ファール球回収路32に誘導される。そして、ファール球回収口38からファール球回収路32に誘導されたファール球は、ファール球回収路32の通路途中に設けられたファール球検出スイッチ41によって検出された後に回収合流路34内に送り込まれ、アウト球及びセーフ球と一緒に合流して回収される。
その後、回収合流路34内に送り込まれた遊技球(アウト球、セーフ球、及びファール球)は、ほぼSの字状に蛇行して形成された回収合流路34内を流下し、回収合流路34下流側の通路途中に設けられた球容量確認スイッチ43によって検出された後に配列通路35に送り込まれる。そして、配列通路35内に送り込まれた遊技球は、循環球送り部材44の球受け部46内に嵌り込み、循環球送りモータ47の駆動に基づく循環球送り部材44の回転動作に伴って1個ずつ上り勾配をなす発射送出路36の入口通路部48側に送り出される。このとき、入口通路部48内で搬送される遊技球は、その入口通路部48内の通過に伴って導電性ブラシ61の先端部分が擦り付けられることで、外周表面に付着したゴミ等の付着物が取り除かれると共に、外周表面に帯電した静電気が取り除かれる。また、これと同時に、入口通路部48内を通過する遊技球に対して、送風装置62からの人工風が吹き付けられる。これにより、入口通路部48内を通過して導電性ブラシ61で付着物が剥がされ且つ静電気が除去された遊技球に人工風を吹き付けることになる。従って、静電気を除去されることによりゴミ、特に乾いたゴミの付着性が低下し、然も外周表面の付着物が剥がされた遊技球に対して、人工風を吹き付けることになるため、遊技球に付着した付着物を効率的に除去することができる。また、遊技球から吹き飛ばされたゴミ等の付着物は、入口通路部48の下壁部に形成された人工風の排気口75から外部に排出されるため、除去された付着物が入口通路部48(循環経路30)内に残留して再度、遊技球表示に付着するような不具合を回避することができる。なお、このような遊技球に対する付着物及び静電気の除去は、遊技球が回収合流路34の下流部から配列通路35に送り込まれる際も同様に、回収合流路34内の導電性ブラシ61で行われるものである。
また、循環球送り部材44の球受け部46内に嵌り込んだ遊技球が循環球送り部材44の回転動作に伴って1個ずつ入口通路部48側に送り出される際、当該遊技球は、このような循環球送り部材44による送り込み動作によっても外周表面の付着物が若干なりとも取り除かれるようになっている。具体的に、本実施形態における循環球送り部材44の外周には、遊技球を受け入れる球受け部46が180度を隔てて2つ形成されている。このため、循環球送り部材44の回転動作によって連続的に遊技球を送り込む場合でも、1つ目の遊技球を送り込んだ後に次の遊技球を送り込むまでには若干のインターバルが設けられることになる。そして、このインターバル期間中、即ち、球受け部46以外となる循環球送り部材44の外周部分が入口通路部48最下端の遊技球と当接する期間で、入口通路部48内に停留された遊技球が若干配列通路35側に戻る動きをする。従って、循環球送り部材44の回転動作により、遊技球が1個ずつ入口通路部48内で押し上げられる動きと、遊技球が入口通路部48内を若干下る動きとが交互に繰り返されることになり、このような入口通路部48内での遊技球の上下動によって遊技球に若干の衝撃力を加えることができ、当該衝撃力によって遊技球外周表面の付着物を若干なりとも取り除くようになっている。
その後、入口通路部48を通過した遊技球は、ほぼへの字状をなす発射送出路36の頂点部、言い換えれば発射送出路36を構成する入口通路部48と送出通路部49との連通部分を境として、下り勾配となる送出通路部49を自重によって自然流下する。そして、送出通路部49を自然流下する遊技球は、送出通路部49の通路途中に設けられた第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51によって検出された後に打球発射装置20側に送り込まれ、打球発射装置20を構成する発射レール21の起点近傍となる球発射位置に導出される。その後は、再度、打球発射装置20から遊技領域5に発射されることで、遊技球が循環使用される。また、打球発射装置20によって打ち込まれた後に循環経路30を通って回収された遊技球(循環経路30を通って再度球発射位置に導出された遊技球)は、発射送出路36(入口通路部48)内で付着物と静電気とが除去されているので、打球発射装置20に至るまでに再び帯電してゴミ等の付着物が付く可能性は低い。このため、付着物が付いた状態で発射されることに起因して生じる遊技球のムラ飛びを確実に防止することができる。
次に、パチンコ機1及びその一側に隣接して配置されるカードユニット機200の制御の概要について、図11に示すブロック図を参照して説明する。パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板グループと周辺基板グループとで分担されており、このうち主基板グループが遊技動作を制御しており、周辺基板グループが演出動作を制御している。これら基板類は、いずれもパチンコ機1の背面側に設置されており、通常、本体枠2の施錠を解除した上で本体枠2を開放しない限り前面側から視認されたり操作されたりすることはない。
図11において、主基板グループは、主制御基板100と遊技球管理制御基板110とから構成されており、周辺基板グループは、周辺制御基板120から構成されている。主制御基板100は、中央演算装置としてのCPU101をはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM102や読み書き可能メモリとしてのRAM103等を備えている。このうち、CPU101は、ROM102に格納されている遊技制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる各種遊技を制御する。また、CPU101は、周辺基板グループや遊技球管理制御基板110に送信するコマンドを作成する。また、RAM103には、主制御基板100で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
主制御基板100には、上始動口スイッチ90、下始動口スイッチ91、ゲートスイッチ92、左入賞口スイッチ93、右上・右下入賞口スイッチ94、及び普通図柄・特別図柄表示用LED基板95がパネル中継端子板140を介して接続されており、パネル中継端子板140には、普通電動役物ソレノイド96、大入賞口ソレノイド97、及び大入賞口カウントスイッチ98が大入賞口中継端子板141を介して接続されている。これにより、主制御基板100には、これらスイッチ類から検出信号が入力される。具体的には、遊技球が遊技領域5を流下する過程でゲートを通過すると、その通過がゲートスイッチ92により検出され、そして検出信号が主制御基板100に入力される。また、遊技球が上側の始動入賞口に入賞すると、上始動口スイッチ90から主制御基板100に検出信号が入力され、遊技球が下側の始動入賞口に入賞すると、下始動口スイッチ91から主制御基板100に検出信号が入力され、遊技球が左側の入賞口に入賞すると、左入賞口スイッチ93から主制御基板100に検出信号が入力され、遊技球が右上・右下の入賞口に入賞すると、右上・右下入賞口スイッチ94から主制御基板100に検出信号が入力される。また、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞すると、大入賞口カウントスイッチ98から主制御基板100に検出信号が入力される。
そして、CPU101は、これら入力された検出信号に応じた処理を実行する。即ち、CPU101は、入力された検出信号に基づいて各種ソレノイド96,97及び普通図柄・特別図柄表示LED基板95に対し、それぞれの駆動信号を出力すると共に、入賞に応じた賞球の付与(本実施形態では、賞球数が持球数データに加算される)を指示する賞球コマンドを遊技球管理制御基板110に対して出力する。また、CPU101は、機能分離中継端子板142を介して周辺制御基板120に演出コマンド信号を出力する。なお、周辺制御基板120は、主制御基板100と同様に、中央演算装置としてのCPUをはじめ、読み出し専用メモリとしてのROM、読み書き可能メモリとしてのRAMを備えており、周辺制御基板120のCPUは、ROMに格納されている演出制御プログラムを実行することにより、主制御基板100から受信された演出コマンドに基づく処理を実行する。また、図示しないが、周辺制御基板120には、扉枠3及び遊技盤4(遊技領域5)に設けられる光装飾手段(例えば、装飾ランプ16等)、扉枠3に設けられる音発生手段(例えば、スピーカ17等)、及び遊技盤4(遊技領域5)に設けられる演出手段(例えば、装飾図柄表示用の液晶表示器等)が接続されており、主制御基板100側から入力された演出コマンド信号に基づいて、光装飾手段、音発生手段、及び演出手段に対し、それぞれの駆動信号を出力する。
遊技球管理制御基板110は、中央演算装置としての管理CPU111をはじめ、読み出し専用メモリとしての管理ROM112や読み書き可能メモリとしての管理RAM113を備えている。このうち、管理CPU111は、管理ROM112に格納されている管理制御プログラムを実行し、この実行に伴いパチンコ機1で行われる持球数の管理を制御する。また、管理CPU111は、主制御基板100やカードユニット機200等に送信するコマンドを作成する。また、管理RAM113には、遊技球管理制御基板110で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
遊技球管理制御基板110には、主制御基板100が主ドロワー中継端子板143を介して接続されると共に、カードユニット機200と電源基板130と外部端子板144とが接続されている。これにより、遊技球管理制御基板110は、主制御基板100及びカードユニット機200との間で各種データのやり取りを可能にすると共に、電源基板130から電源が供給される。なお、電源基板130から供給される電源は、遊技球管理制御基板110を介して主制御基板100乃至周辺制御基板120にも供給される。また、外部端子板144には、図示しない外部コンピュータ(例えば、ホールコンピュータや島設備内のコンピュータ等)が接続されており、当該外部コンピュータに所要の情報(例えば、セーフ球、アウト球、賞球、大当り回数、枠開放等)を伝達可能となっている。
また、遊技球管理制御基板110には、送風装置62、循環球送りモータ47、第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51、球容量確認スイッチ43、発射球確認スイッチ24、発射球検出スイッチ25、ファール球検出スイッチ41、及びアウト・セーフ球検出スイッチ40がセンサ中継基板145を介して接続されると共に、球貸ボタン11、精算ボタン12、残度数表示部13、及び遊技機持球数表示部14と情報表示部15とを実装した電子上皿表示基板146が接続されている。さらに、遊技球管理制御基板110には、扉枠3の開放を検知するための扉枠開放スイッチ147と本体枠2の開放を検知するための本体枠開放スイッチ148とが接続されると共に、打球発射装置20(発射モータ23と発射停止スイッチ86及びタッチスイッチ87が接続されたハンドル中継端子板149)が接続されている。
これにより、遊技球管理制御基板110は、発射用ハンマー22によって発射された遊技球を検出する発射球確認スイッチ24及び発射球検出スイッチ25、遊技領域5内に打ち込まれた遊技球(アウト球及びセーフ球)を検出するアウト・セーフ球検出スイッチ40、ファールになった遊技球(ファール球)を検出するファール球検出スイッチ41、回収合流路34に回収された遊技球の容量を確認する球容量確認スイッチ43、循環球送りモータ47による遊技球の打球発射装置20への送り込みを制御する第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51等から入力される信号に基づいて、それぞれに対応する信号を主制御基板100、外部端子板144、カードユニット機200等に出力する。
カードユニット機200に挿入されるプリペイドカード(ICカードや磁気カード等の記録媒体)に対する遊技球管理制御基板110の管理制御について説明する。先ず、パチンコ遊技に際し、カードユニット機200のカード差込口にプリペイドカードが挿入されと、遊技球管理制御基板110は、そのカードに記録されている持球数データ(残度数)を残度数表示部13に表示する。ここで、遊技者によって球貸ボタン11が操作されると、予め設定された個数や数値をプリペイドカードの残度数から引き落とし、その引き落とした個数や数値に対応する個数や数値(球貸手数料として、設定された割合、例えば1割から4割程度だけ減算された個数や数値の場合もある)を持球数データとして管理RAM113の遊技機球数記憶領域に記憶すると共にこれを遊技機持球数表示部14に表示する。
ここで、遊技者が発射ハンドル7を操作することで発射モータ23が作動し、発射用ハンマー22によって球発射位置にある遊技球が遊技領域5に打ち出されると、これが発射球確認スイッチ24及び発射球検出スイッチ25の球検出に基づいて遊技球1個ずつの遊技領域5内への打ち込みが検知される。そして、遊技球管理制御基板110は、このような遊技球1個ずつの打ち込み検知に応じて、管理RAM113の遊技機球数記憶領域に記憶した持球数データから逐次「1」を減算していくと共にこれを遊技機持球数表示部14に表示する。また、遊技球の打ち込みにおいて、当該遊技球が発射案内路8aを逆流してファール球となった場合、そのファール球は、ファール球回収口82に入ってファール球回収路32に送り込まれ、ファール球検出スイッチ41によって検出される。そして、遊技球管理制御基板110は、このようにファール球検出スイッチ41によりファール球が1個検出される毎に、管理RAM113の遊技機球数記憶領域に記憶した持球数データに「1」を加算すると共にこれを遊技機持球数表示部14に表示することで、ファール球を持球数データから減算するという不具合を回避するようになっている。
打球発射装置20によって打ち出された遊技球が遊技領域5内の各種入賞口(始動入賞口や大入賞口等)に入賞した場合、当該遊技球は、入賞口毎に設けられた各種入賞検出スイッチ(上始動口スイッチ90、下始動口スイッチ91、左入賞口スイッチ93、右上・右下入賞口スイッチ94、大入賞口カウントスイッチ98)によって検出され、遊技球管理制御基板110は、このような各種入賞検出スイッチによる遊技球の入賞に応じて、管理RAM113の遊技機球数記憶領域に記憶した持球数データから各種入賞口毎で予め設定された賞球数の値を加算していくと共にこれを遊技機持球数表示部14に表示する。各種入賞口に入賞した遊技球(セーフ球)は、いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口19に流入した遊技球(アウト球)と共に遊技盤4裏面の回収樋を通ってアウト・セーフ球回収路31に送り込まれ、アウト・セーフ球検出スイッチ40によって検出される。また、アウト・セーフ球回収路31を通った遊技球は、ファール球回収路32を通った遊技球と共に回収合流路34に送り込まれ、球容量確認スイッチ43によって検出される。そして、遊技球管理制御基板110は、このような球容量確認スイッチ43による遊技球の検出に基づいて、配列通路35(循環球送り部材44)に送り込む遊技球が確保されているか否か、言い換えれば循環経路30内で遊技球の循環が適正に行われているか否かを検知する。
その後、循環球送り部材44の回転動作に伴って1個ずつ発射送出路36の入口通路部48に送り出された遊技球は、発射送出路36の頂点部を境として送出通路部49を自然流下して、打球発射装置20の球発射位置に導出される。このとき、送出通路部49を自然流下する遊技球は、第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51によって検出される。そして、遊技球管理制御基板110は、このような第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51による遊技球の検出に基づいて、循環球送り部材44を回転させる循環球送りモータ47の駆動を制御することで、回収合流路34側から発射送出路36側への遊技球の送り込みを制御する。この発射送出路36側への遊技球の送り込み制御については後で詳述する。
その後は、遊技を終了すべく遊技者によって精算ボタン12が操作されると、遊技球管理制御基板110は、管理RAM113の遊技機球数記憶領域に記憶している持球数データを、カードユニット機200に挿入されているプリペイドカード(ICカードや磁気カード等の記録媒体)の持球数データとして書き込む(このとき、既にプリペイドカードに持球数データが記憶されている場合は、その持球数データに今回遊技の持球数データを加算する)と共に、残度数表示部13と遊技機持球数表示部14との表示をリセットしてカードユニット機200からのプリペイドカードの抜き出しを行う。
次に、遊技球管理制御基板110(球循環制御手段)による循環球送りモータ47の駆動制御、言い換えれば第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51による球検出に基づいた打球発射装置20側への遊技球の送り込み制御について、図12を参照して説明する。図12は、第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51による球検出に基づいた遊技球の送り込み制御を示す説明図である。
先ず、打球発射装置20(発射モータ23の駆動に基づいた発射用ハンマー22の作動)による遊技球の打ち込みを停止した状態では、図12(A)に示すように、送出通路部49に配置された第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51のうち循環球送り部材44側(入口通路部48寄り)に位置する第一発射待機球スイッチ50上に、送出通路部49内に停留された最後部の遊技球が位置する状態となる。この状態は、送出通路部49内に最も遊技球が停留された状態であり、各発射待機球スイッチ50,51が共に遊技球の検出状態(ON)となる。遊技球管理制御基板110は、このような発射待機球スイッチ50,51による遊技球の検出状況(各発射待機球スイッチ50,51が共にON)に基づいて、送出通路部49内に停留された遊技球が満杯であることを検知する。そして、循環球送りモータ47の駆動(循環球送り部材44の回転動作)を停止することで、回収合流路34側から発射送出路36側(言い換えれば、発射送出路36の入口通路部48側から送出通路部49側)への遊技球の送り込みを停止する。
なお、第一発射待機球スイッチ50は、発射送出路36の頂点部T(入口通路部48と送出通路部49との境目)から遊技球ほぼ1個分の距離A1を空けた位置に配置されている。このため、遊技球の打ち込み停止状態では、送出通路部49内に停留された最後部の遊技球と入口通路部48内に停留された最前部の遊技球との間に、ほぼ遊技球1個分のスペースが空いた状態となる。従って、打球発射装置20側に自然流下する送出通路部49内の遊技球と、循環球送り部材44によって押し上げられる入口通路部48内の遊技球との間には、少なくとも遊技球1個分のスペースを常時確保することができる。これにより、循環球送り部材44による遊技球の送り込み動作が起因して入口通路部48内に停留する遊技球に必要以上に圧力をかけるような不具合を回避することができ、打球発射装置20に遊技球をスムーズに送り込むことができる。但し、第一発射待機球スイッチ50の配置位置は、入口通路部48と送出通路部49との境目となる発射送出路36の頂点部Tから遊技球ほぼ1個分の距離A1を空けた位置に限定するものではなく、頂点部Tから少なくとも遊技球1個分以上の距離を空けた位置に配置されていればよく、これによって、入口通路部48内及び送出通路部49内に停留する遊技球に必要以上に圧力をかけるような不具合を回避することができる。
その後、打球発射装置20による遊技球の打ち込みが行われると、図12(B)に示すように、送出通路部49内に停留された遊技球が1個ずつ打球発射装置20(発射レール21起点近傍の球発射位置)側に送り込まれ、第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51上に遊技球がなくなることで、各発射待機球スイッチ50,51が共に遊技球の非検出状態(OFF)となる。遊技球管理制御基板110は、このような発射待機球スイッチ50,51による遊技球の検出状況(各発射待機球スイッチ50,51が共にOFF)に基づいて、送出通路部49内に停留する遊技球が減少して打球発射装置20に供給する遊技球が不足気味であることを検知する。そして、循環球送りモータ47を駆動(循環球送り部材44を回転動作)することで、回収合流路34側から発射送出路36側(言い換えれば、発射送出路36の入口通路部48側から送出通路部49側)へ遊技球を送り込む。
なお、送出通路部49に配置された第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51のうち打球発射装置20側に位置する第二発射待機球スイッチ51は、その前端部が第一発射待機球スイッチ50の後端部から遊技球ほぼ3個分の距離A2を空けた位置に配置されている。このため、循環球送り部材44による遊技球の送り込み動作は、送出通路部49内での遊技球の満杯状態から3個の遊技球が減少した時点で開始される。即ち、遊技球管理制御基板110は、送出通路部49内での遊技球の満杯状態から3個の遊技球が減少したときに打球発射装置20に供給する遊技球が不足気味であることを検知するようになっている。
その後は、打球発射装置20による遊技球の打ち込み速度(遊技球1個を遊技領域5に打ち込む速度)よりも速い速度で、循環球送り部材44が遊技球1個を入口通路部48側から送出通路部49側へ送り込むことにより、図12(C)に示すように、入口通路部48内で停留される遊技球が徐々に増加していく。図12(C)中には、図12(B)に示す状態よりも遊技球が1個多く入口通路部48内で停留された状態を示し、これに伴って打球発射装置20側に位置する第二発射待機球スイッチ51上に遊技球が停留されて第二発射待機球スイッチ51が遊技球の検出状態(ON)となった場合を例示している。なお、このとき、第一発射待機球スイッチ50上には遊技球が停留されておらず、第一発射待機球スイッチ50は、遊技球の非検出状態(OFF)となっている。その後、循環球送り部材44による遊技球の入口通路部48側から送出通路部49側への送り込みが継続され、前記図12(A)に示したように、循環球送り部材44側に位置する第一発射待機球スイッチ50上にも遊技球が停留されると、各発射待機球スイッチ50,51が共に遊技球の検出状態(ON)となる。そして、遊技球管理制御基板110は、このような発射待機球スイッチ50,51による遊技球の検出状況(各発射待機球スイッチ50,51が共にON)に基づいて、循環球送りモータ47の駆動(循環球送り部材44の回転動作)を停止して入口通路部48側から送出通路部49側への遊技球の送り込みを停止する。
ところで、以上説明したように、本実施形態では、送出通路部49内に2個の球検出スイッチ(第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51)を設け、当該2個の球検出スイッチによる遊技球の検出に基づいて、遊技球管理制御基板110が循環球送りモータ47(循環球送り部材44)による遊技球の打球発射装置20への送り込みを制御するようになっている。具体的には、ほぼ遊技球3個分の距離A2を設けた各発射待機球スイッチ50,51の配置関係によって、各発射待機球スイッチ50,51上の遊技球がなくなり各発射待機球スイッチ50,51が共にOFFとなった時点、即ち送出通路部49内での遊技球の満杯状態から3個の遊技球が減少した時点で、循環球送り部材44による遊技球の送り込みを開始するようになっている。
即ち、本実施形態における遊技球の送り込み制御としては、遊技球の打ち込みに応じて送出通路部49内で停留する遊技球が3個減少する毎に、入口通路部48側から送出通路部49側へ遊技球を送り込むようになっている。このため、遊技領域5内に遊技球を打ち込む際、この遊技球の打ち込みに応じて循環球送りモータ47の起動と停止を頻繁に繰り返すことがないので、循環球送りモータ47の駆動負担を軽減することができる。また、1個の球検出スイッチで送出通路部49内の遊技球を検出して遊技球の送り込み制御を行う構成とした場合には、球検出スイッチが瞬間的に誤検出を生じて遊技球の送り込みに異常が生じる虞がある。これに対して、本実施形態のように、打球発射装置20側に遊技球を送り込む送出通路部49内に球検出スイッチを2個設けた構成では、いずれか一方の球検出スイッチで瞬間的に誤検出が生じても他方の球検出スイッチで正常な検出を行わせることで、瞬間的な誤検出から生じる異常発生を回避することができ、より確実に遊技球の送り込み制御を行うことができる。
なお、上記した実施形態では、送出通路部49内に設けた2個の球検出スイッチ(発射待機球スイッチ50,51)を、ほぼ遊技球3個分の距離A2を設けた配置関係としているが、これに限定するものではなく、例えば、図13に示す変形例の構成としてもよい。図13は、変形例における第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51’による球検出に基づいた遊技球の送り込み制御を示す説明図である。但し、変形例における第二発射待機球スイッチ51’は、前述した実施形態の第二発射待機球スイッチ51と同一の構成部材からなり、送出通路部49内での配置位置だけが異なっている。
変形例の構成としては、図13(A)〜(C)に示すように、送出通路部49に配置された第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51’のうち循環球送り部材44側(入口通路部48寄り)に位置する第一発射待機球スイッチ50は、前述した実施形態と同一の位置、即ち発射送出路36の頂点部T(入口通路部48と送出通路部49との境目)から遊技球ほぼ1個分の距離A1を空けた位置に配置されている。一方、打球発射装置20側に位置する第二発射待機球スイッチ51’は、その前端部が第一発射待機球スイッチ50の後端部から遊技球ほぼ6個分の距離A3を空けた位置に配置されている。
そして、打球発射装置20(発射モータ23の駆動に基づいた発射用ハンマー22の作動)による遊技球の打ち込みを停止した状態では、図13(A)に示すように、送出通路部49に配置された第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51’のうち循環球送り部材44側(入口通路部48寄り)に位置する第一発射待機球スイッチ50上に、送出通路部49内に停留された最後部の遊技球が位置する状態となる。この状態は、送出通路部49内に最も遊技球が停留された状態であり、各発射待機球スイッチ50,51が共に遊技球の検出状態(ON)となる。遊技球管理制御基板110は、このような発射待機球スイッチ50,51による遊技球の検出状況(各発射待機球スイッチ50,51’が共にON)に基づいて、送出通路部49内に停留された遊技球が満杯であることを検知する。そして、循環球送りモータ47の駆動(循環球送り部材44の回転動作)を停止することで、回収合流路34側から発射送出路36側(言い換えれば、発射送出路36の入口通路部48側から送出通路部49側)への遊技球の送り込みを停止する。
その後、打球発射装置20による遊技球の打ち込みが行われると、図13(B)に示すように、送出通路部49内に停留された遊技球が1個ずつ打球発射装置20(発射レール21起点近傍の球発射位置)側に送り込まれ、第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51’上に遊技球がなくなることで、各発射待機球スイッチ50,51’が共に遊技球の非検出状態(OFF)となる。遊技球管理制御基板110は、このような発射待機球スイッチ50,51’による遊技球の検出状況(各発射待機球スイッチ50,51’が共にOFF)に基づいて、送出通路部49内に停留する遊技球が減少して打球発射装置20に供給する遊技球が不足気味であることを検知する。そして、循環球送りモータ47を駆動(循環球送り部材44を回転動作)することで、回収合流路34側から発射送出路36側(言い換えれば、発射送出路36の入口通路部48側から送出通路部49側)へ遊技球を送り込む。
このとき、変形例の構成では、前述したように第二発射待機球スイッチ51’の前端部が第一発射待機球スイッチ50の後端部から遊技球ほぼ6個分の距離A3を空けた位置に配置されている。このため、循環球送り部材44による遊技球の送り込み動作は、送出通路部49内での遊技球の満杯状態から6個の遊技球が減少した時点で開始される。即ち、遊技球管理制御基板110は、送出通路部49内での遊技球の満杯状態から6個の遊技球が減少したときに打球発射装置20に供給する遊技球が不足気味であることを検知するようになっている。
その後は、打球発射装置20による遊技球の打ち込み速度(遊技球1個を遊技領域5に打ち込む速度)よりも速い速度で、循環球送り部材44が遊技球1個を入口通路部48側から送出通路部49側へ送り込むことにより、図13(C)に示すように、入口通路部48内で停留される遊技球が徐々に増加していく。図13(C)中には、図13(B)に示す状態よりも遊技球が2個多く入口通路部48内で停留された状態を示し、これに伴って打球発射装置20側に位置する第二発射待機球スイッチ51’上に遊技球が停留されて第二発射待機球スイッチ51’が遊技球の検出状態(ON)となった場合を例示している。なお、このとき、第一発射待機球スイッチ50上には遊技球が停留されておらず、第一発射待機球スイッチ50は、遊技球の非検出状態(OFF)となっている。その後、循環球送り部材44による遊技球の入口通路部48側から送出通路部49側への送り込みが継続され、前記図13(A)に示したように、循環球送り部材44側に位置する第一発射待機球スイッチ50上にも遊技球が停留されると、各発射待機球スイッチ50,51’が共に遊技球の検出状態(ON)となる。そして、遊技球管理制御基板110は、このような発射待機球スイッチ50,51’による遊技球の検出状況(各発射待機球スイッチ50,51’が共にON)に基づいて、循環球送りモータ47の駆動(循環球送り部材44の回転動作)を停止して入口通路部48側から送出通路部49側への遊技球の送り込みを停止する。
以上説明したように、変形例の構成では、送出通路部49内の2個の球検出スイッチ(第一及び第二の発射待機球スイッチ50,51’)をほぼ遊技球6個分の距離A3を設けて配置している。これにより、各発射待機球スイッチ50,51’上の遊技球がなくなり各発射待機球スイッチ50,51’が共にOFFとなった時点、言い換えれば、送出通路部49内での遊技球の満杯状態から6個の遊技球が減少した時点で、循環球送り部材44による遊技球の送り込みを開始するようになっている。即ち、変形例における遊技球の送り込み制御としては、遊技球の打ち込みに応じて送出通路部49内で停留する遊技球が6個減少する毎に、入口通路部48側から送出通路部49側へ遊技球を送り込むようになっている。このため、前述した実施形態に示した送出通路部49内での遊技球の満杯状態から3個の遊技球が減少した時点で循環球送り部材44による遊技球の送り込みを開始する構成に比べて、遊技球の送り込み開始の間隔(遊技球の打ち込み時における循環球送りモータ47の駆動停止期間)を長くとることができ、結果として循環球送りモータ47の駆動負担をより一層軽減することができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、循環球送り部材によって遊技球が送り込まれる発射送出路(送出通路部)内に2つの送出球検出手段(第一及び第二の送出球検出手段)を設け、当該2つの送出球検出手段を個々の配置位置で個別の遊技球の有無を検出する所定の間隔を置いて配置する。そして、2つの送出球検出手段によりそれぞれ遊技球の検出があると発射送出路(送出通路部)内に充分の遊技球が停留されていると判断して循環球送り部材による遊技球の送り込みを停止する。一方、2つの送出球検出手段によりそれぞれ遊技球の検出がないと発射送出路(送出通路部)内に充分の遊技球が停留されていないと判断して循環球送り部材による遊技球の送り込みを開始する。このため、遊技を継続的に行う場合でも、循環球送り部材を作動させる電気的駆動源の起動と停止を頻繁に繰り返す必要がなくなり、電気的駆動源の負担を軽減することができ、駆動循環機能の性能低下を抑制することができるので、循環球送り部材による正常な遊技球の送り込みを継続的に行うことができる。
また、第一及び第二の送出球検出手段のうち循環球送り部材側に位置する第一の送出球検出手段は、入口通路部と送出通路部との境目となる発射送出路の頂点部から少なくとも遊技球1個分以上の距離を空けた位置に配置されている。この場合、遊技球の打ち込み停止状態では、送出通路部内に停留された最後部の遊技球と入口通路部内に停留された最前部の遊技球との間に、少なくとも遊技球1個分以上のスペースを空けることができる。従って、球発射手段側に自然流下する送出通路部内の遊技球と、循環球送り部材によって押し上げられる入口通路部内の遊技球との間には、少なくとも遊技球1個分以上のスペースを常時確保することができる。これにより、循環球送り部材による遊技球の送り込み動作が起因して入口通路部内に停留する遊技球に必要以上に圧力をかけるような不具合を回避することができ、球発射手段に遊技球をスムーズに送り込むことができる。
また、回収合流路の通路途中には、当該回収合流路内の遊技球を検出することで回収合流路に回収された遊技球の容量を確認する球容量確認手段が設けられている。この場合、配列通路側となる循環球送り部材に遊技球を送り込む回収合流路内に球容量確認手段を設けることで、循環球送り部材に送り込む遊技球が回収合流路に充分回収されているか否かを事前に確認することができる。
また、電気的駆動源と近接する位置に配された通気口を通して当該電気的駆動源に人工風を吹き付ける送風手段を備える。この場合、循環球送り部材を作動させる電気的駆動源に対して人工風を吹き付けることで電気的駆動源を冷却することができ、ひいては電気的駆動源の発熱に伴う駆動循環機能の性能低下を抑制できる。
また、循環球送り部材は、外周に複数の球受け部が所定の角度を隔てて形成されたスプロケット状の回転体から構成され、電気的駆動源は、軸を中心として回転体を回転させるモータから構成される。この場合、モータの駆動に基づいて回転するスプロケット状の回転体によって駆動球送り部材を構成することで、比較的単純な構成で且つ確実に遊技球の駆動循環機構を構成することができる。