JP2004057666A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】故障を確実に回避可能であると共に、斬新な動きを見せて遊技の興趣を高めることが可能な電動役物を備えたパチンコ機を提供する。
【解決手段】第2種特別電動役物34a,34bの各開閉部材35a,35bは、大入賞口33に入賞する遊技球の進行方向と同じ向きである大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動される。そして、大入賞口33に入賞する遊技球は、傾動された各開閉部材35a,35bの下側を通過して大入賞口33内に誘導される。大入賞口33の入口が閉じられるときに大入賞口33に入賞しようとする遊技球は、大入賞口33の入口とは反対側へ傾動されて下垂されてくる各開閉部材35a,35bに当接し、その各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の外側へ弾き出される。
【選択図】 図3
【解決手段】第2種特別電動役物34a,34bの各開閉部材35a,35bは、大入賞口33に入賞する遊技球の進行方向と同じ向きである大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動される。そして、大入賞口33に入賞する遊技球は、傾動された各開閉部材35a,35bの下側を通過して大入賞口33内に誘導される。大入賞口33の入口が閉じられるときに大入賞口33に入賞しようとする遊技球は、大入賞口33の入口とは反対側へ傾動されて下垂されてくる各開閉部材35a,35bに当接し、その各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の外側へ弾き出される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に係り、例えば、パチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パチンコ機の遊技盤には大入賞口が設けられており、その大入賞口の入口が開き又は拡大されると、多数の遊技球が容易に入賞可能になっている。そして、大入賞口の入口を開き又は拡大するための特別電動役物として、以下の2つの形式が広く使用されている。
▲1▼大入賞口の左右両側に1組の翼状(羽根状)の開閉部材が設けられ、各開閉部材の下端部にはそれぞれ回動支軸が取付固定されている。そして、各回動支軸がソレノイド等の駆動部材によって回動されると、通常は直立状態にある両開閉部材がそれぞれの回動支軸を中心として左右に回転することで、両開閉部材が大入賞口から左右外側に向かって開き、大入賞口の入口が開き又は拡大される。
【0003】
▲2▼大入賞口の前面側(遊技者側)に扉状の開閉部材が設けられ、その開閉部材の下端部には回動支軸が取付固定されている。そして、回動支軸がソレノイド等の駆動部材によって回動されると、通常は直立状態にある開閉部材が回動支軸を中心として回転することで、開閉部材が大入賞口の前面外側に向かって開き、大入賞口の入口が開き又は拡大される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記2つの形式の特別電動役物には、以下の問題点があった。
[1]開閉部材が開かれると、遊技盤面の上方から流下してきた遊技球は、開閉部材の上面に衝突した後に、開閉部材の上面を転動して大入賞口の入口へ誘導されるようになっている。
そのため、遊技球が衝突した衝撃が開閉部材の回動支軸に印加され、その衝撃力により回動支軸が破損するおそれや、その衝撃力が回動支軸から駆動部材に伝搬して駆動部材に大きな負荷が印加され、駆動部材が故障するおそれがあった。
【0005】
[2]開閉部材が開かれたとき、複数個の遊技球が同時に大入賞口の入口へ誘導されると、当該入口と開閉部材との間に遊技球が詰まり、開閉部材が直立状態に戻らなくなる故障が起こることがあった。尚、このように遊技球が詰まった状態は、一般に「球噛み」と呼ばれている。
そして、大入賞口の入口と開閉部材との間に詰まっている遊技球に別の遊技球が衝突すると、詰まっていた遊技球が大入賞口内に強引に押し込まれて入賞することがあり、本来なら大入賞口の入口が閉じている筈で遊技球の入賞が不可能なときに、遊技球が入賞してしまうおそれがあった。
【0006】
[3]前記2つの形式の特別電動役物は長年にわたって広く使用されているため、昨今では一般的になり過ぎてマンネリとなり、遊技者に飽きられている。そのため、遊技者が新鮮味を覚えて関心を抱き、遊技に対する興味が喚起されるような、斬新な特別電動役物が要求されている。
【0007】
ところで、前記各問題点は、大入賞口の入口を開き又は拡大するための特別電動役物だけでなく、大入賞口以外の入賞口の入口を開き又は拡大するための普通電動役物についても同様に問題となっている。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、故障を確実に回避可能であると共に、斬新な動きを見せて遊技の興趣を高めることが可能な電動役物を備えた遊技機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段・作用および発明の効果】
(請求項1)
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、遊技媒体を入賞させるための入賞口と、その入賞口の入口を開き又は拡大して遊技媒体の入賞を容易にするための電動役物とを備えた遊技機において、前記電動役物は、開閉部材と、その開閉部材を駆動するための駆動手段とを備え、前記駆動手段によって駆動された開閉部材が入賞口の入口の内側へ傾動されることにより、当該入口が開き又は拡大されることをその要旨とする。
【0009】
請求項1に記載の発明では、入賞口に入賞する遊技媒体の進行方向と同じ向きである入賞口の入口の内側へ開閉部材が傾動される。そして、入賞口に入賞する遊技媒体は、傾動された開閉部材を通過して入賞口内に誘導される。そのため、入賞口に入賞する遊技媒体が、開閉部材に衝突することはほとんどない。また、入賞口に入賞する遊技媒体が開閉部材に衝突したとしても、その衝突による衝撃力はごく小さなものであり、その衝撃力は駆動手段に対してほとんど影響を与えない。従って、請求項1に記載の発明によれば、入賞口に入賞した遊技媒体の衝撃力によって起こる電動役物の故障を確実に回避できる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明では、入賞口の入口が閉じられるときに入賞口に入賞しようとする遊技媒体は、入賞口の入口とは反対側へ傾動されてくる開閉部材に当接し、その開閉部材によって入賞口の外側へ弾き出される。従って、請求項1に記載の発明によれば、入賞口の入口と開閉部材との間に遊技媒体が詰まることがなく、遊技媒体が詰まって開閉部材が元の状態に戻らなくなる故障を確実に回避できる。
そして、請求項1に記載の発明による電動役物は、過去に例が無く斬新であるため、遊技者が新鮮味を覚えて関心を抱き、遊技に対する興味が喚起されることから、遊技の興趣を高めることができる。
【0011】
(請求項2)
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記開閉部材の上端部には回動支軸が取り付けられており、前記開閉部材が前記回動支軸から下垂されると、その下垂された前記開閉部材によって入賞口の入口が閉じ又は縮小され、前記駆動手段によって当該回動支軸が回動され、前記開閉部材が入賞口の入口の内側へ傾動されると、その傾動された前記開閉部材によって当該入口が開き又は拡大されることをその要旨とする。
従って、請求項2に記載の発明によれば、遊技媒体は傾動された開閉部材の下側を通過して入賞口内に誘導されるため、遊技媒体が開閉部材に衝突することがほとんどなくなり、請求項1に記載の発明の作用・効果を更に確実に得ることができる。
【0012】
(請求項3)
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記入賞口は、遊技媒体を受けて当該入賞口の入口へ誘導するための遊技媒体受面を備え、前記開閉部材によって入賞口の入口が閉じ又は縮小されている状態では、前記遊技媒体受面に遊技媒体が停留されないように、前記遊技媒体受面の大きさが設定されていることをその要旨とする。
従って、請求項3に記載の発明によれば、遊技媒体受面に遊技媒体が停留しないため、入賞口の入口と開閉部材との間に遊技媒体が詰まるのを確実に回避可能になり、請求項1に記載の発明の作用・効果を更に確実に得ることができる。
【0013】
(用語の説明)
尚、上述した[特許請求の範囲]および[課題を解決するための手段および発明の効果]に記載した構成要素と、後述する[発明の実施の形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「遊技機」は、第2種パチンコ機10に該当する。
「遊技媒体」は、遊技球に該当する。
「入賞口」は、大入賞口33に該当する。
「電動役物」は、第2種特別電動役物34a,34bに該当する。
「駆動手段」は、第2種特別電動役物ソレノイド42a,42b、クランク47a,47bから構成されている。
「遊技媒体受面」は、球受面33b,33cに該当する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機を第2種パチンコ機に具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
[全体の主要構成]
図1は、本実施形態における第2種パチンコ機10の正面図である。
第2種パチンコ機(遊技機)10には、略矩形状の前枠11が開閉可能に取り付けられている。前枠11には、ガラス枠12が開閉可能に取り付けられている。ガラス枠12には、所定間隔(例えば、5〜10mm程度)だけ前後方向に離間させて2枚のガラス板13a,13bが嵌め込まれている。ガラス枠12および各ガラス板13a,13bの後面側(遊技者とは反対側)には、遊技盤14が設けられており、各ガラス板13a,13bと遊技盤14とは平行に配置されている。
【0015】
前枠11の右下方には、発射ハンドル15aが回動可能に取り付けられている。遊技者が発射ハンドル15aを握って回動操作したことに基づいて、発射モータ(図示略)が駆動され、発射ハンドル15aの回動角度に応じた発射速度で遊技球(遊技媒体)が遊技盤14へ発射される。また、遊技者が、発射ハンドル15aに設けられた発射停止スイッチ15bを操作したことに基づいて、発射モータが停止されて遊技球の発射も停止される。
【0016】
ガラス枠12の上方の前枠11には、枠ランプ18aが設けられている。
ガラス枠12の下方の前枠11の前面側には、上受皿パネル16が開閉可能に取り付けられている。
上受皿パネル16の左側上部には、遊技球が賞球(賞媒体)や貸球として供給される賞球・貸球供給口17が形成されている。
上受皿パネル16における賞球・貸球供給口17の供給側には、賞球・貸球供給口17から供給された遊技球(賞球、貸球)を収容するための上受皿19が設けられている。
【0017】
上受皿19の下方には、上受皿19の収容可能数を超えた遊技球を排出する下受皿排出口19aが形成されている。
下受皿排出口19aの排出側には、下受皿排出口19aから排出された遊技球を収容しておくための下受皿20が設けられている。
上受皿19の上部右方には、上受皿19に収容された遊技球を下受皿排出口19aから下受皿20へ排出させるための上受皿球抜きレバー19bがスライド可能に設けられている。
下受皿20の下方には、下受皿20に収容された遊技球を下受皿球抜孔20aから球箱(図示略)へ排出させるための下受皿球抜きレバー20bがスライド可能に設けられている。
【0018】
上受皿19内の遊技球は、上受皿19の右方に開口された導入口(図示略)から上受皿19の背面側に設けられた発射装置(図示略)へ供給され、発射装置に設けられた発射モータによって遊技盤14へ発射されるようになっている。
前枠11の左側には、遊技機外装置部分(CRカードサンド)22が取り付けられている。遊技機外装置部分22には、プリペイドカードを挿入するためのスリット22aなどが設けられている。つまり、第2種パチンコ機10は、現金ではなくプリペイドカードを使用して遊技を行うタイプであり、このタイプは一般に「CR機」と呼ばれている。
【0019】
[遊技盤14の主要構成]
図2は、第2種パチンコ機10から取り外した遊技盤14を表側から見た正面図である。
遊技盤14の左方には、遊技盤14に発射された遊技球を遊技領域へ案内するためのガイドレール21が設けられている。
遊技盤14の中央部上寄り左右には、LEDによって装飾された装飾風車25a,25bが設けられている。遊技盤14の上部左右両端には、コーナー飾りランプ18b,18cが設けられている。遊技盤14の中央部左右両端には、サイド飾りランプ18d,18eが設けられている。
【0020】
遊技盤14の略中央部には、可変入賞装置32が設けられている。可変入賞装置32の上端部中央には、天入賞口31が開口されている。可変入賞装置32には、大入賞口33および第2種特別電動役物34a,34bが設けられている。第2種特別電動役物34a,34bは、大入賞口33の両側に左右対称の開閉部材35a,35bを備えている。
可変入賞装置32の下方には、3つの第2種始動口27a〜27cが横方向に並べられて設けられている。
可変入賞装置32の左側には左袖入賞口24aが設けられ、可変入賞装置32の右側には右袖入賞口24bが設けられている。左袖入賞口24aの左側下方には、左下入賞口29aが設けられている。右袖入賞口24bの右側下方には、右下入賞口29bが設けられている。
【0021】
可変入賞装置32の左右にはそれぞれ、普通の風車23a〜23dが設けられている。
遊技盤14には、多くの釘(図示略)が打ち込まれており、遊技盤14に発射された遊技球は、それら釘の間を乱舞しながら遊技盤14面を流下(落下)する。
遊技盤14の最下部中央には、遊技盤14面を流下した遊技球のうち、各入賞口24a,24b,29a,29b,31,33および第2種始動口27a〜27cのいずれにも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口49が設けられている。
【0022】
[可変入賞装置32の構成]
図3は、可変入賞装置32の斜視図である。
可変入賞装置32の筺体は、遊技球の衝突にも影響を受けないような、十分な強度を備えた合成樹脂材料によって形成されている。
可変入賞装置32の上部には大入賞口33が開口されており、大入賞口33の左右両側の入口には左右対称の開閉部材35a,35bを備えている。
そして、大入賞口33における各開閉部材35a,35b間の空間により、大入賞口33の入賞空間33aが構成されている。
開閉部材35a,35bは翼状(羽根状)をなし、各開閉部材35a,35bの上端部にはそれぞれ回動支軸36a,36bが取付固定されている。
【0023】
大入賞口33の左右入口の下部側はそれぞれ、当該左右入口の上部側よりも左右両側に張り出しており、その張り出した部分により各球受面33b,33cが形成されている。
図3(B)に示すように、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂して大入賞口33の入口が閉じられた状態では、各球受面33b,33cの横方向の幅が狭くなり、その幅は遊技球の半径よりも小さくなるように設定されている。大入賞口33の内部には、大入賞口スイッチ37a,37b、ハウジング38、特定領域39、一般領域40が設けられている。
【0024】
遊技球は、後述するように傾動された開閉部材35a,35bの下側を通過して大入賞口33に入賞した後、大入賞口スイッチ37a,37bによって個数がカウントされ、前面側(遊技者側)が開放されているハウジング38内を通過してから、特定領域39または一般領域40に入賞して遊技盤14の裏面側へ送られる。
特定領域39内には、特定領域39に入賞した遊技球を検出するための特定領域スイッチ39aが設けられている。
尚、大入賞口33およびハウジング38の前面側は開放されているが、それら前面側とガラス板13bとの間隔は遊技球が通過不能な程度に狭く設定されているため、大入賞口33およびハウジング38の前面側から遊技球が出入りすることはない。
【0025】
図4は、可変入賞装置32から取り出した第2種特別電動役物34a,34bの斜視図である。
第2種特別電動役物34aは、開閉部材35a、回動支軸36a、第2種特別電動役物ソレノイド42a、クランク47aなどから構成されている。また、第2種特別電動役物34bは、開閉部材35b、回動支軸36b、第2種特別電動役物ソレノイド42b、クランク47bなどから構成されている。
各ソレノイド42a,42bのプランジャ43a,43bの先端部にはそれぞれ、各クランク47a,47bを介して回動支軸(シャフトピン)36a,36bが取り付けられている。
【0026】
各ソレノイド42a,42bは、通電されるとプランジャ43a,43bを退縮させ、通電が停止されると内部に備えられたバネ(図示略)の復元力によりプランジャ43a,43bを伸長させるようになっている。
また、各ソレノイド42a,42bは、板状の固定材48の背面側に取付固定され、第2種特別電動役物34a,34bは一体物として構成されている。
そして、固定材48の表面側が可変入賞装置32の背面側に取付固定されることにより、第2種特別電動役物34a,34bは可変入賞装置32に取り付けられるようになっている。
【0027】
図4(A)は、各ソレノイド42a,42bの各プランジャ43a,43bが伸長している状態を示す。
プランジャ43aが伸長すると、クランク47aは時計回り(矢印α方向)に回動され、そのクランク47aの回動に伴って、回動支軸36aも時計回りに回動され、その結果、開閉部材35aは鉛直下方向に下垂された位置に保持される。
また、プランジャ43bが伸長すると、クランク47bは反時計回り(矢印β方向)に回動され、そのクランク47bの回動に伴って、回動支軸36bも反時計回りに回動され、その結果、開閉部材35bは鉛直下方向に下垂された位置に保持される。
そして、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂されると、図3(A)に示すように、下垂した各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口が閉じられ、大入賞口33への遊技球の入賞が不可能になる。
【0028】
図4(B)は、各ソレノイド42a,42bの各プランジャ43a,43bが退縮している状態を示す。
プランジャ43aが退縮すると、クランク47aは反時計回り(矢印β方向)に回動され、そのクランク47aの回動に伴って、回動支軸36aも反時計回りに回動され、その結果、開閉部材35aは水平位置に保持される。
また、プランジャ43bが退縮すると、クランク47bは時計回り(矢印α方向)に回動され、そのクランク47bの回動に伴って、回動支軸36bも時計回りに回動され、その結果、開閉部材35bは水平位置に保持される。
そして、各開閉部材35a,35bが水平位置に保持されると、図3(B)に示すように、各開閉部材35a,35bは大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動されることになり、その傾動された各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口が開かれ、大入賞口33への遊技球の入賞が可能になる。
【0029】
[第2種パチンコ機10の電気的構成]
図5は、本実施形態における第2種パチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図である。
第2種パチンコ機10には、主基板(電子制御装置)100が設けられており、この主基板100には、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)110が搭載されている。マイクロコンピュータ110には、遊技の制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM114と、メインCPU112が各種制御プログラムを実行する際にROM114から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する当たりに関するデータなどの各種データを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。また、RAM116は、停電などの電源遮断時における遊技状態を電源復帰後に再現するために、電源遮断時においてメインCPU112が処理したデータや各装置および各基板へ送り出した制御コマンドをバックアップする。
【0030】
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。電源基板80、賞球(賞媒体)の払い出しや貸球の貸し出しなどを制御する払出制御基板200、遊技盤14に設けられたランプ類を制御するランプ制御装置75、遊技中の効果音などを再生(発音)する音声再生装置79aを制御する音声制御装置79、第2種始動口27a〜27cへの遊技球の入賞をそれぞれ検出するための第2種始動口スイッチ28a〜28c(尚、図5ではスイッチを「SW」と表記する)、遊技盤情報(入賞、当たり、遊技停止など)をパチンコホール(遊技場)の管理室などに設けられたコンピュータ(以下、「ホールコンピュータ」という。図示略)へ送り出すための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0031】
払出制御基板200には、主基板100から送り出される制御コマンドを入力して動作するマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)210が搭載されており、マイクロコンピュータ210には、賞球の払い出しや貸球の貸し出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払い出しや貸球の貸し出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する賞球の個数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52、払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0032】
発射モータ駆動基板15cには、発射モータ15e、発射スイッチ15d、発射停止スイッチ15bが電気的に接続されている。
発射ハンドル15aが操作されると、発射スイッチ15dは発射ハンドル15aの回転角度に応じた検出信号を生成し、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出される。すると、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動信号が出力され、発射モータ15eはその駆動信号に従って、発射ハンドル15aの回転角度に応じた発射速度で遊技球を発射する。
【0033】
また、発射ハンドル15aが操作されて発射スイッチ15dがオフされると、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出される。すると、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
また、発射停止スイッチ15bが操作されると、その発射停止スイッチ15bの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
【0034】
遊技枠中継基板53には、下受皿20が賞球で満杯になったことを検出するための満杯検出スイッチ20cおよびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。
センサ中継基板54には、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0035】
賞球ユニット62は、賞球払出センサ62a,62bおよび賞球払出モータ62cを備える。賞球の払出機構(図示略)は、賞球の払い出しを効率良く行うために2カ所に設けられており、各払出機構は賞球払出モータ62cによって駆動される。また、賞球払出センサ62aは一方の払出機構に設けられており、賞球払出センサ62bは他方の払出機構に設けられている。各賞球払出センサ62a,62bの検出信号は、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して主基板100へ送り出され、その信号に基づいてメインCPU112は、払い出された賞球の個数をカウントする。
払出中継基板55には、貸球がなくなったことを検出するための貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62c、貸球を供給する貸球ユニット63が電気的に接続されている。
【0036】
盤面中継基板51には、次に記載するものが電気的に接続されている。大入賞口スイッチ37a,37b、各袖入賞口24a,24bのいずれかへの遊技球の入賞を検出するための袖入賞口スイッチ24c、各下入賞口29a,29bのいずれかへの遊技球の入賞を検出するための下入賞口スイッチ29c、天入賞口31への遊技球の入賞を検出するための天入賞口スイッチ31a、大入賞口中継基板50である。
大入賞口中継基板50には、特定領域スイッチ39a、第2種特別電動役物ソレノイド42a,42b(尚、図5ではソレノイドを「SL」と表記する)が電気的に接続されている。
CR接続基板56には、プリペイドカードを読み取る装置などを備える遊技機外装置部分22が電気的に接続されている。
【0037】
電源基板80は、主電源70から交流(AC)24V(50Hz/60Hz)の電源供給を受け、その交流電源から各種電圧の直流電源を生成し、その直流電源を各基板56,100,200および各装置75,79へ供給する。
そして、主基板100のメインCPU112には、第2種始動口スイッチ28a〜28cの検出信号が入力され、盤面中継基板51を介して各スイッチ24c,29c,31a,37a,37bの検出信号が入力され、大入賞口中継基板50から盤面中継基板51を介して特定領域スイッチ39aの検出信号が入力され、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して各賞球払出センサ62a,62bの検出信号が入力される。
各スイッチ24c,28a〜28c,29c,31a,39a,37a,37bは、例えば、発光素子から受光素子へ投射される投射光を遊技球が遮ったことに基づいて遊技球を検出する光学式センサや、鋼球である遊技球が通過したことを電磁誘導を用いて検出する検流器などによって構成されている。
【0038】
[第2種パチンコ機10の動作]
主基板100のメインCPU112は、ROM114に記録(記憶)されているプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理に基づいて、以下の動作を実行する。
メインCPU112は、第2種始動口スイッチ28a〜28cの検出信号に基づいて、遊技盤14に発射された遊技球が第2種始動口27a〜27cのいずれかに入賞したことを検出すると、賞球ユニット62を駆動制御し、所定個数の遊技球を賞球・貸球供給口17から払い出させる。
【0039】
また、メインCPU112は、第2種始動口27a〜27cのいずれかに遊技球が入賞したことを検出すると、第2種特別電動役物ソレノイド42a,42bに駆動制御信号を所定時間t(例えば、0.5秒間)だけ出力し、各ソレノイド42a,42bに通電させる。
すると、各ソレノイド42a,42bへの通電によって各プランジャ43a,43bが退縮され、各開閉部材35a,35bが大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動されて大入賞口33の入口が開かれる。その後、所定時間tが経過すると、各ソレノイド42a,42bへの通電が停止されて各プランジャ43a,43bが伸長され、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂されて大入賞口33の入口が閉じられる。
【0040】
つまり、第2種始動口27a〜27cのいずれにもに遊技球が入賞していない通常時には、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂され、大入賞口33の入口が閉じられている。
そして、第2種始動口27a〜27cのいずれかに遊技球が入賞すると、所定時間tだけ各開閉部材35a,35bが大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動され、当該時間tだけ大入賞口33の入口が開かれる。
このとき、傾動された開閉部材35a,35bの下側を通過した遊技球が大入賞口33に入賞すると、その遊技球は大入賞口スイッチ37a,37bによって検出される。
【0041】
そして、メインCPU112は、大入賞口スイッチ37a,37bの検出信号に基づいて、大入賞口33に入賞した遊技球の個数をカウントし、そのカウントした個数に従って賞球ユニット62を駆動制御し、所定個数の遊技球を賞球・貸球供給口17から払い出させる。
大入賞口スイッチ37a,37bを通過した遊技球は、ハウジング38内を通過した後に、特定領域39または一般領域40に入賞して遊技盤14の裏面側へ送られる。
【0042】
このとき、メインCPU112は、特定領域スイッチ39aの検出信号に基づいて、特定領域39に遊技球が入賞したことを検出すると、大当たり遊技状態(特別遊技状態)を発生させる。
この大当たり遊技状態において、メインCPU112は、各開閉部材35a,35bの傾動による大入賞口33の開閉動作を所定回数(例えば、10回)だけ繰り返させ、大入賞口33への多数の遊技球の入賞を可能にする。
【0043】
そして、メインCPU112は、大入賞口33の開閉動作を所定回数繰り返させている最中に、大入賞口33に入賞した遊技球の個数が所定個数(例えば、10個)に達すると、大入賞口33の開閉動作を停止して大入賞口33を閉じ、大当たり遊技状態を終了する。
尚、第2種パチンコ機10では、前記のように大入賞口33の開閉動作が所定回数繰り返される期間が「1ラウンド」の遊技と呼ばれている。
【0044】
[実施形態の作用・効果]
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
(1)各開閉部材35a,35bは、大入賞口33に入賞する遊技球の進行方向と同じ向きである大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動される。そして、大入賞口33に入賞する遊技球は、傾動された各開閉部材35a,35bの下側を通過して大入賞口33内に誘導される。
そのため、大入賞口33に入賞する遊技球が、各開閉部材35a,35bに衝突することはほとんどない。また、大入賞口33に入賞する遊技球が各開閉部材35a,35bに衝突したとしても、その衝突による衝撃力はごく小さなものであり、その衝撃力は、各開閉部材35a,35bに接続された部材(各回動支軸36a,36b、各クランク47a,47b、各ソレノイド42a,42b)に対してほとんど影響を与えない。
従って、本実施形態によれば、大入賞口33に入賞した遊技球の衝撃力によって起こる第2種特別電動役物34a,34bの故障を確実に回避できる。
【0045】
(2)大入賞口33の入口が閉じられるときに大入賞口33に入賞しようとする遊技球は、大入賞口33の入口とは反対側へ傾動されて下垂されてくる各開閉部材35a,35bに当接し、その各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の外側へ弾き出される。
そのため、本実施形態によれば、大入賞口33の入口と各開閉部材35a,35bとの間に遊技球が詰まることがなく、遊技球が詰まって各開閉部材35a,35bが下垂された状態に戻らなくなる故障を確実に回避できる。
そして、本実施形態では、大入賞口33の入口と各開閉部材35a,35bとの間に詰まっている遊技球に別の遊技球が衝突し、詰まっていた遊技球が大入賞口33内に強引に押し込まれるような状況は起こりえないため、本来なら大入賞口33の入口が閉じている筈で遊技球の入賞が不可能なときに遊技球が入賞してしまう事態を確実に回避できる。
【0046】
(3)本実施形態の第2種特別電動役物34a,34bは、過去に例が無く斬新であるため、遊技者が新鮮味を覚えて関心を抱き、遊技に対する興味が喚起されることから、遊技の興趣を高めることができる。
【0047】
(4)大入賞口33の左右入口の下部側はそれぞれ、当該左右入口の上部側よりも左右両側に張り出しており、その張り出した部分により各球受面33b,33cが形成されている。
そのため、遊技盤14面の上方から流下してきた遊技球は、各球受面33b,33cに衝突し易くなる。そして、各球受面33b,33cに衝突した遊技球は、各球受面33b,33c上を転動して大入賞口33の入口へ誘導され、大入賞口33の入口が開かれているときには大入賞口33に入賞する。
従って、各球受面33b,33cを設けることにより、大入賞口33への遊技球の入賞を容易にすることができる。
尚、可変入賞装置32の筺体は、遊技球の衝突にも影響を受けないような、十分な強度を備えた合成樹脂材料によって形成されている。
そのため、遊技球が各球受面33b,33cに衝突しても、各球受面33b,33cが破損または変形することはない。
【0048】
また、図3(B)に示すように、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂して大入賞口33の入口が閉じられた状態では、各球受面33b,33cの横方向の幅が狭くなり、その幅は遊技球の半径よりも小さくなるように設定されている。
そのため、各球受面33b,33cに衝突した遊技球は、大入賞口33の入口が閉じられた状態では、各球受面33b,33c上に乗っても停留することなく下方へ落下する。
逆に言うと、大入賞口33の入口が閉じられた状態で各球受面33b,33c上に遊技球が停留しないように、各球受面33b,33cの大きさが設定されている。
従って、大入賞口33の入口と各開閉部材35a,35bとの間に遊技球が停留して詰まることがなく、前記(2)の作用・効果を確実に得ることができる。
【0049】
[別の実施形態]
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
[1]上記実施形態では、各開閉部材35a,35bを駆動するのに各ソレノイド42a,42bを用いている。
しかし、ソレノイドではなく、電動モータを用いて各開閉部材35a,35bを駆動するようにしてもよい。
【0050】
[2]上記実施形態では、各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口を完全に開くか又は閉じるようにしている。
しかし、各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口を拡大するか又は縮小するようにしてもよい。この場合、大入賞口33の入口を拡大すると、遊技球の通過が容易になる。また、大入賞口33の入口を縮小すると、遊技球の通過が不可能ではないものの困難になる。
【0051】
[3]上記実施形態は本発明を第2種パチンコ機10の大入賞口33に適用したものであるが、本発明を第1種パチンコ機または第3種パチンコ機の大入賞口に適用してもよい。
また、本発明は、各種パチンコ機における大入賞口の入口を開き又は拡大するための特別電動役物だけでなく、各種パチンコ機における大入賞口以外の入賞口の入口を開き又は拡大するための普通電動役物に適用してもよい。
さらに、本発明は、各種パチンコ機に限らず、スロットマシンなどの他の遊技機に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態における第2種パチンコ機10の正面図。
【図2】第2種パチンコ機10から取り外した遊技盤14の正面図。
【図3】第2種パチンコ機10の備える可変入賞装置32の斜視図。
【図4】可変入賞装置32から取り出した第2種特別電動役物34a,34bの斜視図。
【図5】第2種パチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図。
【符号の説明】
10…第2種パチンコ機
27a〜27c…第2種始動口
28a〜28c…第2種始動口スイッチ
32…可変入賞装置
33…大入賞口
33b,33c…球受面
34a,34b…第2種特別電動役物
35a,35b…開閉部材
36a,36b…回動支軸
42a,42b…第2種特別電動役物ソレノイド
47a,47b…クランク
100…主基板
112…メインCPU
114…ROM
116…RAM
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に係り、例えば、パチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パチンコ機の遊技盤には大入賞口が設けられており、その大入賞口の入口が開き又は拡大されると、多数の遊技球が容易に入賞可能になっている。そして、大入賞口の入口を開き又は拡大するための特別電動役物として、以下の2つの形式が広く使用されている。
▲1▼大入賞口の左右両側に1組の翼状(羽根状)の開閉部材が設けられ、各開閉部材の下端部にはそれぞれ回動支軸が取付固定されている。そして、各回動支軸がソレノイド等の駆動部材によって回動されると、通常は直立状態にある両開閉部材がそれぞれの回動支軸を中心として左右に回転することで、両開閉部材が大入賞口から左右外側に向かって開き、大入賞口の入口が開き又は拡大される。
【0003】
▲2▼大入賞口の前面側(遊技者側)に扉状の開閉部材が設けられ、その開閉部材の下端部には回動支軸が取付固定されている。そして、回動支軸がソレノイド等の駆動部材によって回動されると、通常は直立状態にある開閉部材が回動支軸を中心として回転することで、開閉部材が大入賞口の前面外側に向かって開き、大入賞口の入口が開き又は拡大される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記2つの形式の特別電動役物には、以下の問題点があった。
[1]開閉部材が開かれると、遊技盤面の上方から流下してきた遊技球は、開閉部材の上面に衝突した後に、開閉部材の上面を転動して大入賞口の入口へ誘導されるようになっている。
そのため、遊技球が衝突した衝撃が開閉部材の回動支軸に印加され、その衝撃力により回動支軸が破損するおそれや、その衝撃力が回動支軸から駆動部材に伝搬して駆動部材に大きな負荷が印加され、駆動部材が故障するおそれがあった。
【0005】
[2]開閉部材が開かれたとき、複数個の遊技球が同時に大入賞口の入口へ誘導されると、当該入口と開閉部材との間に遊技球が詰まり、開閉部材が直立状態に戻らなくなる故障が起こることがあった。尚、このように遊技球が詰まった状態は、一般に「球噛み」と呼ばれている。
そして、大入賞口の入口と開閉部材との間に詰まっている遊技球に別の遊技球が衝突すると、詰まっていた遊技球が大入賞口内に強引に押し込まれて入賞することがあり、本来なら大入賞口の入口が閉じている筈で遊技球の入賞が不可能なときに、遊技球が入賞してしまうおそれがあった。
【0006】
[3]前記2つの形式の特別電動役物は長年にわたって広く使用されているため、昨今では一般的になり過ぎてマンネリとなり、遊技者に飽きられている。そのため、遊技者が新鮮味を覚えて関心を抱き、遊技に対する興味が喚起されるような、斬新な特別電動役物が要求されている。
【0007】
ところで、前記各問題点は、大入賞口の入口を開き又は拡大するための特別電動役物だけでなく、大入賞口以外の入賞口の入口を開き又は拡大するための普通電動役物についても同様に問題となっている。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、故障を確実に回避可能であると共に、斬新な動きを見せて遊技の興趣を高めることが可能な電動役物を備えた遊技機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段・作用および発明の効果】
(請求項1)
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、遊技媒体を入賞させるための入賞口と、その入賞口の入口を開き又は拡大して遊技媒体の入賞を容易にするための電動役物とを備えた遊技機において、前記電動役物は、開閉部材と、その開閉部材を駆動するための駆動手段とを備え、前記駆動手段によって駆動された開閉部材が入賞口の入口の内側へ傾動されることにより、当該入口が開き又は拡大されることをその要旨とする。
【0009】
請求項1に記載の発明では、入賞口に入賞する遊技媒体の進行方向と同じ向きである入賞口の入口の内側へ開閉部材が傾動される。そして、入賞口に入賞する遊技媒体は、傾動された開閉部材を通過して入賞口内に誘導される。そのため、入賞口に入賞する遊技媒体が、開閉部材に衝突することはほとんどない。また、入賞口に入賞する遊技媒体が開閉部材に衝突したとしても、その衝突による衝撃力はごく小さなものであり、その衝撃力は駆動手段に対してほとんど影響を与えない。従って、請求項1に記載の発明によれば、入賞口に入賞した遊技媒体の衝撃力によって起こる電動役物の故障を確実に回避できる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明では、入賞口の入口が閉じられるときに入賞口に入賞しようとする遊技媒体は、入賞口の入口とは反対側へ傾動されてくる開閉部材に当接し、その開閉部材によって入賞口の外側へ弾き出される。従って、請求項1に記載の発明によれば、入賞口の入口と開閉部材との間に遊技媒体が詰まることがなく、遊技媒体が詰まって開閉部材が元の状態に戻らなくなる故障を確実に回避できる。
そして、請求項1に記載の発明による電動役物は、過去に例が無く斬新であるため、遊技者が新鮮味を覚えて関心を抱き、遊技に対する興味が喚起されることから、遊技の興趣を高めることができる。
【0011】
(請求項2)
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記開閉部材の上端部には回動支軸が取り付けられており、前記開閉部材が前記回動支軸から下垂されると、その下垂された前記開閉部材によって入賞口の入口が閉じ又は縮小され、前記駆動手段によって当該回動支軸が回動され、前記開閉部材が入賞口の入口の内側へ傾動されると、その傾動された前記開閉部材によって当該入口が開き又は拡大されることをその要旨とする。
従って、請求項2に記載の発明によれば、遊技媒体は傾動された開閉部材の下側を通過して入賞口内に誘導されるため、遊技媒体が開閉部材に衝突することがほとんどなくなり、請求項1に記載の発明の作用・効果を更に確実に得ることができる。
【0012】
(請求項3)
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記入賞口は、遊技媒体を受けて当該入賞口の入口へ誘導するための遊技媒体受面を備え、前記開閉部材によって入賞口の入口が閉じ又は縮小されている状態では、前記遊技媒体受面に遊技媒体が停留されないように、前記遊技媒体受面の大きさが設定されていることをその要旨とする。
従って、請求項3に記載の発明によれば、遊技媒体受面に遊技媒体が停留しないため、入賞口の入口と開閉部材との間に遊技媒体が詰まるのを確実に回避可能になり、請求項1に記載の発明の作用・効果を更に確実に得ることができる。
【0013】
(用語の説明)
尚、上述した[特許請求の範囲]および[課題を解決するための手段および発明の効果]に記載した構成要素と、後述する[発明の実施の形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「遊技機」は、第2種パチンコ機10に該当する。
「遊技媒体」は、遊技球に該当する。
「入賞口」は、大入賞口33に該当する。
「電動役物」は、第2種特別電動役物34a,34bに該当する。
「駆動手段」は、第2種特別電動役物ソレノイド42a,42b、クランク47a,47bから構成されている。
「遊技媒体受面」は、球受面33b,33cに該当する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機を第2種パチンコ機に具体化した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
[全体の主要構成]
図1は、本実施形態における第2種パチンコ機10の正面図である。
第2種パチンコ機(遊技機)10には、略矩形状の前枠11が開閉可能に取り付けられている。前枠11には、ガラス枠12が開閉可能に取り付けられている。ガラス枠12には、所定間隔(例えば、5〜10mm程度)だけ前後方向に離間させて2枚のガラス板13a,13bが嵌め込まれている。ガラス枠12および各ガラス板13a,13bの後面側(遊技者とは反対側)には、遊技盤14が設けられており、各ガラス板13a,13bと遊技盤14とは平行に配置されている。
【0015】
前枠11の右下方には、発射ハンドル15aが回動可能に取り付けられている。遊技者が発射ハンドル15aを握って回動操作したことに基づいて、発射モータ(図示略)が駆動され、発射ハンドル15aの回動角度に応じた発射速度で遊技球(遊技媒体)が遊技盤14へ発射される。また、遊技者が、発射ハンドル15aに設けられた発射停止スイッチ15bを操作したことに基づいて、発射モータが停止されて遊技球の発射も停止される。
【0016】
ガラス枠12の上方の前枠11には、枠ランプ18aが設けられている。
ガラス枠12の下方の前枠11の前面側には、上受皿パネル16が開閉可能に取り付けられている。
上受皿パネル16の左側上部には、遊技球が賞球(賞媒体)や貸球として供給される賞球・貸球供給口17が形成されている。
上受皿パネル16における賞球・貸球供給口17の供給側には、賞球・貸球供給口17から供給された遊技球(賞球、貸球)を収容するための上受皿19が設けられている。
【0017】
上受皿19の下方には、上受皿19の収容可能数を超えた遊技球を排出する下受皿排出口19aが形成されている。
下受皿排出口19aの排出側には、下受皿排出口19aから排出された遊技球を収容しておくための下受皿20が設けられている。
上受皿19の上部右方には、上受皿19に収容された遊技球を下受皿排出口19aから下受皿20へ排出させるための上受皿球抜きレバー19bがスライド可能に設けられている。
下受皿20の下方には、下受皿20に収容された遊技球を下受皿球抜孔20aから球箱(図示略)へ排出させるための下受皿球抜きレバー20bがスライド可能に設けられている。
【0018】
上受皿19内の遊技球は、上受皿19の右方に開口された導入口(図示略)から上受皿19の背面側に設けられた発射装置(図示略)へ供給され、発射装置に設けられた発射モータによって遊技盤14へ発射されるようになっている。
前枠11の左側には、遊技機外装置部分(CRカードサンド)22が取り付けられている。遊技機外装置部分22には、プリペイドカードを挿入するためのスリット22aなどが設けられている。つまり、第2種パチンコ機10は、現金ではなくプリペイドカードを使用して遊技を行うタイプであり、このタイプは一般に「CR機」と呼ばれている。
【0019】
[遊技盤14の主要構成]
図2は、第2種パチンコ機10から取り外した遊技盤14を表側から見た正面図である。
遊技盤14の左方には、遊技盤14に発射された遊技球を遊技領域へ案内するためのガイドレール21が設けられている。
遊技盤14の中央部上寄り左右には、LEDによって装飾された装飾風車25a,25bが設けられている。遊技盤14の上部左右両端には、コーナー飾りランプ18b,18cが設けられている。遊技盤14の中央部左右両端には、サイド飾りランプ18d,18eが設けられている。
【0020】
遊技盤14の略中央部には、可変入賞装置32が設けられている。可変入賞装置32の上端部中央には、天入賞口31が開口されている。可変入賞装置32には、大入賞口33および第2種特別電動役物34a,34bが設けられている。第2種特別電動役物34a,34bは、大入賞口33の両側に左右対称の開閉部材35a,35bを備えている。
可変入賞装置32の下方には、3つの第2種始動口27a〜27cが横方向に並べられて設けられている。
可変入賞装置32の左側には左袖入賞口24aが設けられ、可変入賞装置32の右側には右袖入賞口24bが設けられている。左袖入賞口24aの左側下方には、左下入賞口29aが設けられている。右袖入賞口24bの右側下方には、右下入賞口29bが設けられている。
【0021】
可変入賞装置32の左右にはそれぞれ、普通の風車23a〜23dが設けられている。
遊技盤14には、多くの釘(図示略)が打ち込まれており、遊技盤14に発射された遊技球は、それら釘の間を乱舞しながら遊技盤14面を流下(落下)する。
遊技盤14の最下部中央には、遊技盤14面を流下した遊技球のうち、各入賞口24a,24b,29a,29b,31,33および第2種始動口27a〜27cのいずれにも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口49が設けられている。
【0022】
[可変入賞装置32の構成]
図3は、可変入賞装置32の斜視図である。
可変入賞装置32の筺体は、遊技球の衝突にも影響を受けないような、十分な強度を備えた合成樹脂材料によって形成されている。
可変入賞装置32の上部には大入賞口33が開口されており、大入賞口33の左右両側の入口には左右対称の開閉部材35a,35bを備えている。
そして、大入賞口33における各開閉部材35a,35b間の空間により、大入賞口33の入賞空間33aが構成されている。
開閉部材35a,35bは翼状(羽根状)をなし、各開閉部材35a,35bの上端部にはそれぞれ回動支軸36a,36bが取付固定されている。
【0023】
大入賞口33の左右入口の下部側はそれぞれ、当該左右入口の上部側よりも左右両側に張り出しており、その張り出した部分により各球受面33b,33cが形成されている。
図3(B)に示すように、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂して大入賞口33の入口が閉じられた状態では、各球受面33b,33cの横方向の幅が狭くなり、その幅は遊技球の半径よりも小さくなるように設定されている。大入賞口33の内部には、大入賞口スイッチ37a,37b、ハウジング38、特定領域39、一般領域40が設けられている。
【0024】
遊技球は、後述するように傾動された開閉部材35a,35bの下側を通過して大入賞口33に入賞した後、大入賞口スイッチ37a,37bによって個数がカウントされ、前面側(遊技者側)が開放されているハウジング38内を通過してから、特定領域39または一般領域40に入賞して遊技盤14の裏面側へ送られる。
特定領域39内には、特定領域39に入賞した遊技球を検出するための特定領域スイッチ39aが設けられている。
尚、大入賞口33およびハウジング38の前面側は開放されているが、それら前面側とガラス板13bとの間隔は遊技球が通過不能な程度に狭く設定されているため、大入賞口33およびハウジング38の前面側から遊技球が出入りすることはない。
【0025】
図4は、可変入賞装置32から取り出した第2種特別電動役物34a,34bの斜視図である。
第2種特別電動役物34aは、開閉部材35a、回動支軸36a、第2種特別電動役物ソレノイド42a、クランク47aなどから構成されている。また、第2種特別電動役物34bは、開閉部材35b、回動支軸36b、第2種特別電動役物ソレノイド42b、クランク47bなどから構成されている。
各ソレノイド42a,42bのプランジャ43a,43bの先端部にはそれぞれ、各クランク47a,47bを介して回動支軸(シャフトピン)36a,36bが取り付けられている。
【0026】
各ソレノイド42a,42bは、通電されるとプランジャ43a,43bを退縮させ、通電が停止されると内部に備えられたバネ(図示略)の復元力によりプランジャ43a,43bを伸長させるようになっている。
また、各ソレノイド42a,42bは、板状の固定材48の背面側に取付固定され、第2種特別電動役物34a,34bは一体物として構成されている。
そして、固定材48の表面側が可変入賞装置32の背面側に取付固定されることにより、第2種特別電動役物34a,34bは可変入賞装置32に取り付けられるようになっている。
【0027】
図4(A)は、各ソレノイド42a,42bの各プランジャ43a,43bが伸長している状態を示す。
プランジャ43aが伸長すると、クランク47aは時計回り(矢印α方向)に回動され、そのクランク47aの回動に伴って、回動支軸36aも時計回りに回動され、その結果、開閉部材35aは鉛直下方向に下垂された位置に保持される。
また、プランジャ43bが伸長すると、クランク47bは反時計回り(矢印β方向)に回動され、そのクランク47bの回動に伴って、回動支軸36bも反時計回りに回動され、その結果、開閉部材35bは鉛直下方向に下垂された位置に保持される。
そして、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂されると、図3(A)に示すように、下垂した各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口が閉じられ、大入賞口33への遊技球の入賞が不可能になる。
【0028】
図4(B)は、各ソレノイド42a,42bの各プランジャ43a,43bが退縮している状態を示す。
プランジャ43aが退縮すると、クランク47aは反時計回り(矢印β方向)に回動され、そのクランク47aの回動に伴って、回動支軸36aも反時計回りに回動され、その結果、開閉部材35aは水平位置に保持される。
また、プランジャ43bが退縮すると、クランク47bは時計回り(矢印α方向)に回動され、そのクランク47bの回動に伴って、回動支軸36bも時計回りに回動され、その結果、開閉部材35bは水平位置に保持される。
そして、各開閉部材35a,35bが水平位置に保持されると、図3(B)に示すように、各開閉部材35a,35bは大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動されることになり、その傾動された各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口が開かれ、大入賞口33への遊技球の入賞が可能になる。
【0029】
[第2種パチンコ機10の電気的構成]
図5は、本実施形態における第2種パチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図である。
第2種パチンコ機10には、主基板(電子制御装置)100が設けられており、この主基板100には、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)110が搭載されている。マイクロコンピュータ110には、遊技の制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM114と、メインCPU112が各種制御プログラムを実行する際にROM114から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する当たりに関するデータなどの各種データを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。また、RAM116は、停電などの電源遮断時における遊技状態を電源復帰後に再現するために、電源遮断時においてメインCPU112が処理したデータや各装置および各基板へ送り出した制御コマンドをバックアップする。
【0030】
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。電源基板80、賞球(賞媒体)の払い出しや貸球の貸し出しなどを制御する払出制御基板200、遊技盤14に設けられたランプ類を制御するランプ制御装置75、遊技中の効果音などを再生(発音)する音声再生装置79aを制御する音声制御装置79、第2種始動口27a〜27cへの遊技球の入賞をそれぞれ検出するための第2種始動口スイッチ28a〜28c(尚、図5ではスイッチを「SW」と表記する)、遊技盤情報(入賞、当たり、遊技停止など)をパチンコホール(遊技場)の管理室などに設けられたコンピュータ(以下、「ホールコンピュータ」という。図示略)へ送り出すための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0031】
払出制御基板200には、主基板100から送り出される制御コマンドを入力して動作するマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)210が搭載されており、マイクロコンピュータ210には、賞球の払い出しや貸球の貸し出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払い出しや貸球の貸し出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する賞球の個数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52、払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0032】
発射モータ駆動基板15cには、発射モータ15e、発射スイッチ15d、発射停止スイッチ15bが電気的に接続されている。
発射ハンドル15aが操作されると、発射スイッチ15dは発射ハンドル15aの回転角度に応じた検出信号を生成し、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出される。すると、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動信号が出力され、発射モータ15eはその駆動信号に従って、発射ハンドル15aの回転角度に応じた発射速度で遊技球を発射する。
【0033】
また、発射ハンドル15aが操作されて発射スイッチ15dがオフされると、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出される。すると、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
また、発射停止スイッチ15bが操作されると、その発射停止スイッチ15bの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
【0034】
遊技枠中継基板53には、下受皿20が賞球で満杯になったことを検出するための満杯検出スイッチ20cおよびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。
センサ中継基板54には、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0035】
賞球ユニット62は、賞球払出センサ62a,62bおよび賞球払出モータ62cを備える。賞球の払出機構(図示略)は、賞球の払い出しを効率良く行うために2カ所に設けられており、各払出機構は賞球払出モータ62cによって駆動される。また、賞球払出センサ62aは一方の払出機構に設けられており、賞球払出センサ62bは他方の払出機構に設けられている。各賞球払出センサ62a,62bの検出信号は、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して主基板100へ送り出され、その信号に基づいてメインCPU112は、払い出された賞球の個数をカウントする。
払出中継基板55には、貸球がなくなったことを検出するための貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62c、貸球を供給する貸球ユニット63が電気的に接続されている。
【0036】
盤面中継基板51には、次に記載するものが電気的に接続されている。大入賞口スイッチ37a,37b、各袖入賞口24a,24bのいずれかへの遊技球の入賞を検出するための袖入賞口スイッチ24c、各下入賞口29a,29bのいずれかへの遊技球の入賞を検出するための下入賞口スイッチ29c、天入賞口31への遊技球の入賞を検出するための天入賞口スイッチ31a、大入賞口中継基板50である。
大入賞口中継基板50には、特定領域スイッチ39a、第2種特別電動役物ソレノイド42a,42b(尚、図5ではソレノイドを「SL」と表記する)が電気的に接続されている。
CR接続基板56には、プリペイドカードを読み取る装置などを備える遊技機外装置部分22が電気的に接続されている。
【0037】
電源基板80は、主電源70から交流(AC)24V(50Hz/60Hz)の電源供給を受け、その交流電源から各種電圧の直流電源を生成し、その直流電源を各基板56,100,200および各装置75,79へ供給する。
そして、主基板100のメインCPU112には、第2種始動口スイッチ28a〜28cの検出信号が入力され、盤面中継基板51を介して各スイッチ24c,29c,31a,37a,37bの検出信号が入力され、大入賞口中継基板50から盤面中継基板51を介して特定領域スイッチ39aの検出信号が入力され、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して各賞球払出センサ62a,62bの検出信号が入力される。
各スイッチ24c,28a〜28c,29c,31a,39a,37a,37bは、例えば、発光素子から受光素子へ投射される投射光を遊技球が遮ったことに基づいて遊技球を検出する光学式センサや、鋼球である遊技球が通過したことを電磁誘導を用いて検出する検流器などによって構成されている。
【0038】
[第2種パチンコ機10の動作]
主基板100のメインCPU112は、ROM114に記録(記憶)されているプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理に基づいて、以下の動作を実行する。
メインCPU112は、第2種始動口スイッチ28a〜28cの検出信号に基づいて、遊技盤14に発射された遊技球が第2種始動口27a〜27cのいずれかに入賞したことを検出すると、賞球ユニット62を駆動制御し、所定個数の遊技球を賞球・貸球供給口17から払い出させる。
【0039】
また、メインCPU112は、第2種始動口27a〜27cのいずれかに遊技球が入賞したことを検出すると、第2種特別電動役物ソレノイド42a,42bに駆動制御信号を所定時間t(例えば、0.5秒間)だけ出力し、各ソレノイド42a,42bに通電させる。
すると、各ソレノイド42a,42bへの通電によって各プランジャ43a,43bが退縮され、各開閉部材35a,35bが大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動されて大入賞口33の入口が開かれる。その後、所定時間tが経過すると、各ソレノイド42a,42bへの通電が停止されて各プランジャ43a,43bが伸長され、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂されて大入賞口33の入口が閉じられる。
【0040】
つまり、第2種始動口27a〜27cのいずれにもに遊技球が入賞していない通常時には、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂され、大入賞口33の入口が閉じられている。
そして、第2種始動口27a〜27cのいずれかに遊技球が入賞すると、所定時間tだけ各開閉部材35a,35bが大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動され、当該時間tだけ大入賞口33の入口が開かれる。
このとき、傾動された開閉部材35a,35bの下側を通過した遊技球が大入賞口33に入賞すると、その遊技球は大入賞口スイッチ37a,37bによって検出される。
【0041】
そして、メインCPU112は、大入賞口スイッチ37a,37bの検出信号に基づいて、大入賞口33に入賞した遊技球の個数をカウントし、そのカウントした個数に従って賞球ユニット62を駆動制御し、所定個数の遊技球を賞球・貸球供給口17から払い出させる。
大入賞口スイッチ37a,37bを通過した遊技球は、ハウジング38内を通過した後に、特定領域39または一般領域40に入賞して遊技盤14の裏面側へ送られる。
【0042】
このとき、メインCPU112は、特定領域スイッチ39aの検出信号に基づいて、特定領域39に遊技球が入賞したことを検出すると、大当たり遊技状態(特別遊技状態)を発生させる。
この大当たり遊技状態において、メインCPU112は、各開閉部材35a,35bの傾動による大入賞口33の開閉動作を所定回数(例えば、10回)だけ繰り返させ、大入賞口33への多数の遊技球の入賞を可能にする。
【0043】
そして、メインCPU112は、大入賞口33の開閉動作を所定回数繰り返させている最中に、大入賞口33に入賞した遊技球の個数が所定個数(例えば、10個)に達すると、大入賞口33の開閉動作を停止して大入賞口33を閉じ、大当たり遊技状態を終了する。
尚、第2種パチンコ機10では、前記のように大入賞口33の開閉動作が所定回数繰り返される期間が「1ラウンド」の遊技と呼ばれている。
【0044】
[実施形態の作用・効果]
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
(1)各開閉部材35a,35bは、大入賞口33に入賞する遊技球の進行方向と同じ向きである大入賞口33の入賞空間33a側(入口の内側)へ傾動される。そして、大入賞口33に入賞する遊技球は、傾動された各開閉部材35a,35bの下側を通過して大入賞口33内に誘導される。
そのため、大入賞口33に入賞する遊技球が、各開閉部材35a,35bに衝突することはほとんどない。また、大入賞口33に入賞する遊技球が各開閉部材35a,35bに衝突したとしても、その衝突による衝撃力はごく小さなものであり、その衝撃力は、各開閉部材35a,35bに接続された部材(各回動支軸36a,36b、各クランク47a,47b、各ソレノイド42a,42b)に対してほとんど影響を与えない。
従って、本実施形態によれば、大入賞口33に入賞した遊技球の衝撃力によって起こる第2種特別電動役物34a,34bの故障を確実に回避できる。
【0045】
(2)大入賞口33の入口が閉じられるときに大入賞口33に入賞しようとする遊技球は、大入賞口33の入口とは反対側へ傾動されて下垂されてくる各開閉部材35a,35bに当接し、その各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の外側へ弾き出される。
そのため、本実施形態によれば、大入賞口33の入口と各開閉部材35a,35bとの間に遊技球が詰まることがなく、遊技球が詰まって各開閉部材35a,35bが下垂された状態に戻らなくなる故障を確実に回避できる。
そして、本実施形態では、大入賞口33の入口と各開閉部材35a,35bとの間に詰まっている遊技球に別の遊技球が衝突し、詰まっていた遊技球が大入賞口33内に強引に押し込まれるような状況は起こりえないため、本来なら大入賞口33の入口が閉じている筈で遊技球の入賞が不可能なときに遊技球が入賞してしまう事態を確実に回避できる。
【0046】
(3)本実施形態の第2種特別電動役物34a,34bは、過去に例が無く斬新であるため、遊技者が新鮮味を覚えて関心を抱き、遊技に対する興味が喚起されることから、遊技の興趣を高めることができる。
【0047】
(4)大入賞口33の左右入口の下部側はそれぞれ、当該左右入口の上部側よりも左右両側に張り出しており、その張り出した部分により各球受面33b,33cが形成されている。
そのため、遊技盤14面の上方から流下してきた遊技球は、各球受面33b,33cに衝突し易くなる。そして、各球受面33b,33cに衝突した遊技球は、各球受面33b,33c上を転動して大入賞口33の入口へ誘導され、大入賞口33の入口が開かれているときには大入賞口33に入賞する。
従って、各球受面33b,33cを設けることにより、大入賞口33への遊技球の入賞を容易にすることができる。
尚、可変入賞装置32の筺体は、遊技球の衝突にも影響を受けないような、十分な強度を備えた合成樹脂材料によって形成されている。
そのため、遊技球が各球受面33b,33cに衝突しても、各球受面33b,33cが破損または変形することはない。
【0048】
また、図3(B)に示すように、各開閉部材35a,35bが鉛直下方向に下垂して大入賞口33の入口が閉じられた状態では、各球受面33b,33cの横方向の幅が狭くなり、その幅は遊技球の半径よりも小さくなるように設定されている。
そのため、各球受面33b,33cに衝突した遊技球は、大入賞口33の入口が閉じられた状態では、各球受面33b,33c上に乗っても停留することなく下方へ落下する。
逆に言うと、大入賞口33の入口が閉じられた状態で各球受面33b,33c上に遊技球が停留しないように、各球受面33b,33cの大きさが設定されている。
従って、大入賞口33の入口と各開閉部材35a,35bとの間に遊技球が停留して詰まることがなく、前記(2)の作用・効果を確実に得ることができる。
【0049】
[別の実施形態]
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
[1]上記実施形態では、各開閉部材35a,35bを駆動するのに各ソレノイド42a,42bを用いている。
しかし、ソレノイドではなく、電動モータを用いて各開閉部材35a,35bを駆動するようにしてもよい。
【0050】
[2]上記実施形態では、各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口を完全に開くか又は閉じるようにしている。
しかし、各開閉部材35a,35bによって大入賞口33の入口を拡大するか又は縮小するようにしてもよい。この場合、大入賞口33の入口を拡大すると、遊技球の通過が容易になる。また、大入賞口33の入口を縮小すると、遊技球の通過が不可能ではないものの困難になる。
【0051】
[3]上記実施形態は本発明を第2種パチンコ機10の大入賞口33に適用したものであるが、本発明を第1種パチンコ機または第3種パチンコ機の大入賞口に適用してもよい。
また、本発明は、各種パチンコ機における大入賞口の入口を開き又は拡大するための特別電動役物だけでなく、各種パチンコ機における大入賞口以外の入賞口の入口を開き又は拡大するための普通電動役物に適用してもよい。
さらに、本発明は、各種パチンコ機に限らず、スロットマシンなどの他の遊技機に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態における第2種パチンコ機10の正面図。
【図2】第2種パチンコ機10から取り外した遊技盤14の正面図。
【図3】第2種パチンコ機10の備える可変入賞装置32の斜視図。
【図4】可変入賞装置32から取り出した第2種特別電動役物34a,34bの斜視図。
【図5】第2種パチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図。
【符号の説明】
10…第2種パチンコ機
27a〜27c…第2種始動口
28a〜28c…第2種始動口スイッチ
32…可変入賞装置
33…大入賞口
33b,33c…球受面
34a,34b…第2種特別電動役物
35a,35b…開閉部材
36a,36b…回動支軸
42a,42b…第2種特別電動役物ソレノイド
47a,47b…クランク
100…主基板
112…メインCPU
114…ROM
116…RAM
Claims (3)
- 遊技媒体を入賞させるための入賞口と、その入賞口の入口を開き又は拡大して遊技媒体の入賞を容易にするための電動役物とを備えた遊技機において、
前記電動役物は、開閉部材と、その開閉部材を駆動するための駆動手段とを備え、
前記駆動手段によって駆動された開閉部材が入賞口の入口の内側へ傾動されることにより、当該入口が開き又は拡大されることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記開閉部材の上端部には回動支軸が取り付けられており、
前記開閉部材が前記回動支軸から下垂されると、その下垂された前記開閉部材によって入賞口の入口が閉じ又は縮小され、
前記駆動手段によって当該回動支軸が回動され、前記開閉部材が入賞口の入口の内側へ傾動されると、その傾動された前記開閉部材によって当該入口が開き又は拡大されることを特徴とする遊技機。 - 請求項1または請求項2に記載の遊技機において、
前記入賞口は、遊技媒体を受けて当該入賞口の入口へ誘導するための遊技媒体受面を備え、
前記開閉部材によって入賞口の入口が閉じ又は縮小されている状態では、前記遊技媒体受面に遊技媒体が停留されないように、前記遊技媒体受面の大きさが設定されていることを特徴とする遊技機。
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-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002223091A patent/JP2004057666A/ja not_active Withdrawn
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