JP3703751B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、メダルに一定の価値が与えられて、ゲームを行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。スロットマシンは、リールがステッピングモータで駆動される構造となっている。そして、メイン基板により、乱数値のサンプリングによる電子抽選が行われて当選役の種類又はハズレが決定されるとともに、この抽選結果に応じてリールの停止制御が行われる。メイン基板は、一般にカシメ止めなどにより密封型のプラスチックケースに封入され、不正改造ができないようになっている。
【0003】
ところで、遊技者は大量のメダルを獲得することを目的としてゲームを行うことから、短期間でメダルを大量に獲得できるボーナスゲームモードに移行する権利が得やすい台を選択してゲームを行おうとするのが一般である。ボーナスゲームモードとしては、ビッグボーナス(以下BB)モードやレギュラーボーナス(以下RB)モードなどがあり、これらのモードへの移行は、電子抽選によりBB又はRBなどの当選役が決定されることにより行われる。
【0004】
しかし、スロットマシンでは、BB又はRBは確率的に稀にしか当選しないように設定されているため、殆どのゲームは通常モードで行われる。このため、最近では、通常モードでのゲームが単調になることを防ぐために、3つのリールの他に配置されたサブリール、液晶パネル、ドットマトリクス表示器、リールの裏側に配置されたバックランプなどの報知手段により、電子抽選で決定された当選役が様々なパターンで報知されるようにした機種が数多く提供されている。
【0005】
このような機種では、上記に示すような報知手段を、メイン基板と別個に設けたサブ基板で制御することにより、様々なパターンの報知を可能にしている。この制御は、メイン基板から電子抽選の結果を表す信号がサブ基板に入力されると、サブ基板は決定された当選役を識別し、これに対応するプログラムに基づいて報知手段を動作させることにより行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、遊技場で新たな機種を設置する場合、設置されていた古い機種と新たな機種とが機種ごと全て入れ替えられる。しかし、古い機種と新たな機種とでは、共通の部品が多いため、例えばメダルの払い出しに用いられるホッパー装置などの部品は、回収された機種から取り外され、新たな機種に取り付けられてリユースされる。
【0007】
しかし、リユースする部品を一旦回収して再び新たな機種に取り付けることは、部品の回収、運搬、取り付けの費用がかかるため、スロットマシンのコストアップの原因となっていた。このため、遊技場に新たな機種を設置するにあたって、共通の部品を備えた古い機種の一部を遊技場に据え置きにし、新たに変更となる部分のみを入れ替えることが現在検討されている。
【0008】
この場合、例えば筐体を2分割にして、一方を分離部分とし、他方を据え置き部分とすることが考えられる。そして、据え置き部分には、ホッパー装置や電源ボックスなどの共通部品を設け、分離部分にはメイン基板やサブ基板など交換が必要な部品を設ける。スロットマシンの設置時には、据え置き部分の前面パネルを新たな機種の前面パネルと交換し、据え置き部分と分離部分とを一体化させる。これにより、リユースする部品を回収する必要がなくなり、スロットマシンのコストダウンが可能になる。
【0009】
上記のように筐体を据え置き部分と分離部分とに分割した場合、据え置き部分に設ける部品の点数が多いほどスロットマシンのコストダウンを可能にすることができるが、メイン基板やサブ基板は機種ごとのペイアウト率やゲーム性を決定づける部分であるため、据え置き部分に設けることができない。しかしながら、メイン基板やサブ基板は、スロットマシンを構成する部品の中ではコストが高いものの1つであり、また、振動などに弱く運搬中に破損しやすいことから、運搬の費用も高い。このため、これらを据え置き部分に設けることが不可能であると、筐体を2分割にしてもコストダウンの効果が薄いという問題がある。
【0010】
上記問題点を解決するために、本発明は新たな機種との入れ替えを行うにあたって、コストダウンを効果的に行うことができるようにしたスロットマシンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のスロットマシンは、外周に複数種類の絵柄が配列されたリールを有する分離部と、ホッパー装置を有するとともに、前記分離部が交換可能に取り付けられる据え置き部とを備えた分離型のスロットマシンにおいて、ハズレ及び複数種類の当選役のうちのいずれかを決定する抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて前記リールの駆動制御を実行し、前記分離部に取り付けられたメイン基板と、前記抽選の結果を報知するための報知制御を実行する際に読み出されるサブプログラムを有し、前記分離部に取り付けられた小型基板と、前記報知を行わせるための報知制御を実行し、前記据え置き部に取り付けられたサブ基板とを備え、前記サブプログラムを前記サブ基板に送信する送信手段を前記小型基板に設け、前記サブプログラムを記憶する記憶手段を前記サブ基板に設けて、前記小型基板と前記サブ基板とが電気的に接続された状態で前記小型基板から前記サブ基板に前記サブプログラムが送信され、前記サブ基板に送信され た前記サブプログラムは前記記憶手段で保存されるものである。
【0012】
なお、前記分離部は、前記リール、前記メイン基板及び前記小型基板が取り付けられた支持枠と、前記支持枠の前面に回動自在に取り付けられ、前記リールの表示窓を有する前面扉とを備えることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本明細書中ではパチスロ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてメダルを用いて説明するが、遊技媒体としてはコインなど他の媒体も含む。また、本明細書中で用いる「メダル(遊技媒体)の投入」には、実際にメダル投入口にメダルを投入することの他に、クレジットされたメダルをベットボタンなどによりベットすることを含む。さらに、当選絵柄を入賞有効ライン上に揃えた状態を入賞、入賞となる前の状態で、電子抽選により当選役が当選されている状態を内部入賞とする。
【0015】
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、分離部11と据え置き部12とから構成されている。遊技場で新たな機種との入れ替えを行う際には、据え置き部12は遊技場に設置されたままにされ継続して使用される据え置き部分とされ、分離部11が入れ替え部分となる。分離部11は前面扉13と分離部本体14とから構成されており、分離部本体14が据え置き部12の開口12aに挿入されて分離部11と据え置き部12とが一体化される。前面扉13は図示しないヒンジにより後述する支持枠30に連結されており、図中矢印の方向に開放可能となっている。
【0016】
前面扉13には4個の表示窓15が設けられており、各々の表示窓15の奥に位置するように、分離部本体14に第1リール16a、第2リール16b、第3リール16c及びサブリール17が回転自在に組み込まれている。周知のように、第1〜第3リール16a〜16cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では表示窓15を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能になる。これにより、各リールの絵柄を一個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本斜め2本の合計5本が設定される。
【0017】
据え置き部12は、据え置き部本体18と前面扉19とから構成されている。前面扉19は、ヒンジ20により据え置き部本体18と連結されており、図中矢印の方向に開放可能となっている。前面扉19には、メダル投入口21、スタートレバー22、ストップボタン23a〜23c、メダル払い出し口24、メダル受け皿25が設けられている。また、前面扉19の前面にはパネル19aが着脱自在に嵌め込まれている。パネル19aにはスロットマシン10の機種名など、機種に対応したデザインが描かれている。
【0018】
ゲームの開始に先立ってメダル投入口21から1枚のメダルを投入したときには中央横一本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。また、メダルは50枚を限度にクレジット(貯留)することが可能になっており、クレジットされているメダルの枚数は、クレジット表示器により表示される。なお、表示窓15から1リール当たり例えば4個ずつの絵柄を観察できるようにしておき、横4本の入賞有効ラインのほかに、各リールごとに絵柄を一個ずつ組み合わせるように折れ曲がった別の入賞有効ラインを設定することも可能である。
【0019】
サブリール17は、スタートレバー22を操作したときに、他のリール16a〜16cとともに回転を始める。サブリール17は後述するサブ基板により駆動及び停止制御されており、ゲームスタート操作時の電子抽選で、BBモードに移行させるBBが内部入賞したときに「BIG」を表示する位置で停止され、RBモードに移行させるRBが内部入賞したときに「REG」を表示する位置で停止される。また、電子抽選でハズレが抽選されたときは、何も表示しない位置で停止される。
【0020】
ストップボタン23a〜23cは、これらを操作することにより、各ボタンに対応した第1〜第3リール16a〜16cが個別に停止される。ストップボタン16a〜16cの上方の操作パネルには、メダルがクレジットされた状態でゲームを行うときに操作される1ベットボタン、MAXベットボタン、ペイアウトボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。これらの操作ボタンの機能はいずれも周知であるのでその詳細については省略する。メダル払い出し口24からは、メダルの払い出しを伴う当選役が入賞されると、当選役ごとに設定された枚数の配当メダルがメダル受け皿25に払い出される。
【0021】
図3に示すように、分離部本体14には、支持枠30、メイン基板31、リール保持枠32、小型基板33が設けられている。また、据え置き部本体18には、ホッパー装置34、電源ボックス35、サブ基板36が設けられている。支持枠30の外周は、据え置き部12の開口12aの内周よりもやや小さくなるように形成されている。据え置き部本体18の内壁面には保持レール18aが形成されており、支持枠30は開口12aから挿入されて保持レール18aに保持される。
【0022】
メイン基板31、リール保持枠32、小型基板33は支持枠30内部に取り付けられている。メイン基板31及び小型基板33は、それぞれ透明なプラスチックで形成された基板ケース37,38に封入されて開放不能となっており、これにより、メイン基板31及び小型基板33に不正な改造が施されることを防止している。メイン基板31が封入された基板ケース37は、支持枠30の背面側上部に取り付けられており、小型基板33が封入された基板ケース38は、支持枠30の側面下部に取り付けられている。
【0023】
また、サブ基板36は、メイン基板31及び小型基板33と同様にプラスチック製の基板ケース40に封入され、基板ケース40は据え置き部本体18の側面に取り付けられている。小型基板33とサブ基板36には、それぞれコネクタ40が取り付けられている。コネクタ40同士はケーブル41により連結されており、これにより、小型基板33とサブ基板36とは電気的に結合された状態になっている。なお、詳しくは図示しないが、基板ケース38及び基板ケース40には、それぞれケーブル40が貫通する孔が設けられている。
【0024】
リール保持枠32は支持枠30に固定されており、その前面側が開放されている。リール保持枠32内部には複数のリール支持部材42が固定されている。リール支持部材42には、第1〜第3リール16a〜16c、及びサブリール17が回転自在に組み付けられている。
【0025】
ホッパー装置34にはメダル投入口21から投入されたメダルが集積される。配当メダルの払い出し信号が入力されると、図示しないモータの駆動により、当選役に応じた枚数の配当コインがメダル出口34aからメダル払い出し口24に送り出される。
【0026】
電源ボックス35には、電源スイッチ35a、シリンダ35b、設定変更ボタン35c、初期設定ボタン35dが設けられている。電源スイッチ35aが操作されると、スロットマシン10の電源のオン/オフが行われる。シリンダ35bには図示しない設定変更キーが差し込まれ、これが所定方向に回転されると、設定変更ボタン35cが操作可能になる。そして、設定変更ボタン35cの1プッシュごとに、6段階のペイアウト率が順次に可変される。初期設定ボタン35dは、分離部11が据え置き部12にセットされたときに操作され、これを操作することにより、スロットマシン10でゲームを行うことができるようになる。
【0027】
図4に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にCPU50及びメモリ51を備えたメイン基板31によって管制される。CPU50には制御部50aの他、後述する電子抽選部61、当選役決定部62が設けられている。メダルセンサ52はメダル投入口21から投入された適正なメダルを検知し、制御部50aに入力する。メダル投入口21の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル受け皿25に排出される。また、セレクタは不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えばゲームの途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入されたメダルについても、メダルセンサ52を経由させずにメダル受け皿25に排出する。
【0028】
なお、ゲームの開始に先立って投入するメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ52で検知されることなくメダル受け皿25に排出される。クレジット機能のオン/オフはペイアウトボタンの1プッシュごとに切替えられる。そして、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルもメダルセンサ52で検知され、50枚を限度にスロットマシン内部にクレジットされる。クレジットされたメダルの枚数はクレジット枚数表示器でデジタル表示される。クレジット機能を用いているときには、前述した1ベットボタンやMAXベットボタンの操作によりメダルの投入操作が行われ、そのベット枚数がクレジット枚数から逐次に減算される。また、ゲームの結果、当たりが得られたときには配当メダルもクレジットされ、ペイアウトボタンを操作したときにクレジットされたメダルが受け皿25に払い出される。
【0029】
制御部50aは、ゲームの開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をメダルセンサ52からの検知信号に基づいて計数し、これにより入賞有効ラインの有効化本数を決定する。ゲームの開始ごとに投入されたメダルのベット枚数は、投入メダル検出センサ53によって積算して計数される。なお、クレジット枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
【0030】
スタート信号センサ54は1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー22が操作されたときにゲームスタート信号を制御部50aに入力する。ゲームスタート信号を受けて、制御部50aはメモリ51のROM領域に格納されたメインプログラムに基づいて第1〜第3リール16a〜16c回転させるとともにゲームの処理を開始する。第1〜第3リール16a〜16cの駆動及び停止制御は、リール駆動コントローラ55によって行われる。それぞれのリールは個別のステッピングモータ56a〜56cの駆動軸に固着され、各ステッピングモータ56a〜56cの駆動を制御することにより各リールの制御が行われる。なお、メモリ51のRAM領域はワーキングエリアとなっており、毎回のゲームごとに利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
【0031】
ステッピングモータ56a〜56cは供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転するから、制御部50aにより駆動パルスの供給個数を制御することによって第1〜第3リール16a〜16cの回転角を制御することができ、また駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。また、各リールには、その基準位置に反射信号部57a〜57cが一体に形成され、その一回転ごとにフォトセンサ58a〜58cがそれぞれの反射信号部の通過を光電検出する。フォトセンサ58a〜58cによるリールごとのリセット信号は制御部50aに入力される。
【0032】
制御部50a内にはステッピングモータ56a〜56cごとにパルスカウンタが設けられ、各々のステッピングモータ56a〜56cに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ58a〜58cからリセット信号が入力されたときに、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
【0033】
メモリ31のROM領域には絵柄テーブルが格納され、絵柄テーブルには、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの絵柄を表す絵柄コードとが対応づけられている。したがって、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞有効ライン上にどの絵柄が移動してきているのかを識別することができ、また、さらにどの程度リールを回転させれば目的の絵柄がその入賞有効ライン上に移動してくるのかを予測することができる。
【0034】
ストップボタンセンサ60a〜60cはストップボタン23a〜23cが操作されたときに制御部30aにリールごとのストップ信号を入力する。スタートレバー22を操作して全リールの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点でストップボタン23a〜23cの操作が有効化される。その後、これらを操作することによってそれぞれ対応する第1〜第3リール16a〜16cの停止制御が開始される。なお、複数のストップボタンを操作したときにはタイミングの早い方のリールだけが停止し、完全に同時操作したときにはいずれのリールも停止しない。
【0035】
制御部50aは、ゲームスタート信号を受けて電子抽選部61を作動させる。電子抽選部61は乱数発生器と乱数値サンプリング回路とを含み、ゲームが開始されるごとに1つの乱数値を抽選する。抽選された乱数値は、当選役決定部62に入力され、入力された値に応じて現在実行されたゲームでどのような当選役を与えるかが決定される。
【0036】
当選役決定部62には、乱数値をその大きさに応じてグループ分けした当選テーブルが複数設けられている。第1当選テーブルは、通常モードで用いられ、通常モードでのゲームでサンプリングされた乱数値が、BBモードに移行する権利を与えるBB、RBモードに移行する権利を与えるRB、所定枚数のメダル払出しだけを行う小役当選絵柄に対応する小役、メダルの投入なしに同じベット数で次回のゲームを行う権利を与えるリプレイ、一切当たりを発生させないハズレなどのいずれの絵柄に属しているかの判定、すなわち当選判定に用いられる。なお、小役当選絵柄は複数種類あり、それぞれに配当メダルが割り当てられている。そして、サンプリングされた乱数値がいずれの当選絵柄に属した値であるかによって当選役の種類と絵柄とが決められる。
【0037】
第2当選テーブルはRBモードで用いられ、RBモードでのゲームで当選にするかハズレにするかの判定、すなわち当選判定に用いられる。第2当選テーブルは、当選確率が高くなるように乱数値のグループ分けがなされているので、通常モード時、つまりは第1当選テーブルよりも当選役が当選されやすくなる。当選役決定部62で決定された当選役の種類を表す当選役決定信号は制御部50aに入力される。
【0038】
ホッパー装置34は、前述したように当選役の種類に応じて規定枚数の配当メダルをメダル受け皿25に払い出すか、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。なお、当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはメモリ51のROM領域に格納されており、制御部50aがこれを読み取ってホッパー装置34を駆動する。また、電源ボックス35の設定変更スイッチ35cや初期設定ボタン35dなどが操作されると、制御部50aは操作に応じてペイアウト率の変更や小型基板33の作動などを行う。なお、ペイアウト率を変えるには、当選テーブルのグループ割り当ての調整により簡単に対応することができる。
【0039】
図5に示すように、小型基板33には転送制御部70及びROM71が設けられている。電源ボックス35の初期設定ボタン35dが操作されると、転送制御部70は、ROM71に格納されたサブリール17の動作させるためのサブプログラムを読み出し、このサブプログラムをケーブル41を介してサブ基板36に入力する。サブ基板36では、入力されたプログラムがCPU72によって読み取られ、CPU72はRAM73に格納されていたサブプログラムを、読み取ったサブプログラムに書き換える。なお、入力されたサブプログラムを読み取る際には、CPU72はROM74の書き換え実行プログラムにしたがって動作する。そして、RAM73に書き込まれたサブプログラムに基づいてサブリール17の駆動及び停止制御が行われる。なお、RAM73には、DRAM、EEPROM、SRAM、フラッシュメモリなど適宜のものを用いてよい。また、ROM71からRAM73への転送時間が長い場合は、適宜の高速転送方式を用いることが好ましい。
【0040】
サブリール17の駆動及び停止制御は、サブリール駆動コントローラ75により行われる。サブリール17はステッピングモータ76の駆動軸に固着されている。ステッピングモータ76の駆動制御は、サブリール17に設けられた反射信号部77、フォトセンサ78、リセット信号発生器79を用いて、CPU72により、第1〜第3リール16a〜16cと同様に行われる。なお、サブリール17の絵柄テーブルはROM74に格納されており、この絵柄テーブルを用いてサブリール17上の絵柄の位置が識別される。
【0041】
制御部50aは、ゲームスタート信号が入力されると、サブリール駆動信号を転送制御部70を介してCPU72に入力する。CPU72はこれを受けて、RAM73のサブプログラムに基づいてサブリール17の駆動を開始させる。そして、当選役決定部62から当選役決定信号が制御部50aに入力されると、制御部50aは当選役決定信号をCPU72に入力する。CPU72は当選役決定信号に示された当選役の種類に応じて、サブリール17の停止制御を行い、当選役決定部62でBB又はRBが決定された場合には、サブリール17を「BIG」又は「REG」を表示する位置で停止させ、ハズレが決定された場合には、何も表示しない位置で停止させる。
【0042】
次に上記のように構成されたスロットマシンの作用について説明する。新たな機種との入れ替えを行う際には、据え置き部12を遊技場に設置したままにしておき、据え置き部12から分離部11を引き出す。分離部11は据え置き部12から分離される。新たに設置する機種の分離部11を据え置き部12の開口12aに挿入し、新たな分離部11と据え置き部12とを一体化する。また、据え置き部12の前面扉19のパネル19aを新たな機種に対応したデザインが描かれたパネル19aに交換する。
【0043】
この後、分離部11の前面扉13及び据え置き部12の前面扉19を開放する。小型基板33及びサブ基板36に、ケーブル41が連結されたコネクタ40を取り付ける。これにより、小型基板33とサブ基板36とが連結される。この後、電源ボックス35の電源スイッチ35aを操作すると、スロットマシン10の電源がオンされる。
【0044】
電源投入後、初期設定ボタン35dを操作する。初期設定ボタン35dが操作されると、ROM71に格納されたサブプログラムが、ケーブル41を介して転送制御部70からCPU72に入力される。CPU72は、ROM74の書き換え実行プログラムにしたがって、入力されたサブプログラムを読み取るとともに、RAM73に格納されているサブプログラムを、新たな機種のサブプログラムに書き換える。これにより、スロットマシン10は遊技可能な状態となり、新たな機種のゲームを行うことができる。この後、前面扉13,19を閉じると、スロットマシン10の設置が完了となる。
【0045】
スロットマシン10では、メイン基板31は電子抽選やペイアウト率の変更などのメダルの払い出しに関わる動作を行うため、その動作の信頼性を高くして、故障がないようにする必要がある。このため、メイン基板31を分離部11に組み込むことにより、新たな機種を設置する際に新しいメイン基板31と交換するようにしている。他方、サブ基板36は、電子抽選の抽選結果の報知に関わる動作を行うため、故障がおきても遊技者へのメダルの払い出しには影響がない。このため、サブ基板36はメイン基板31に比べ、その動作の信頼性は低くてもよいことから、サブ基板36を据え置きとし、ここにプログラムの転送を行うようにしている。
【0046】
上記実施形態では、サブ基板36によりサブリール17の駆動及び停止制御を行うようにしたが、液晶パネル、ドットマトリクス表示器、バックランプ、あるいはスピーカーから出力されるサウンドなど適宜の報知手段の制御を行うようにしてよい。なお、例えば液晶パネルなどのようにROMを備えたものの制御を行う場合には、そのROMをRAMに変更し、サブ基板から液晶パネルのRAMに、必要なデータを転送させることにより、液晶パネルを据え置きとすることが可能になる。
【0047】
上記実施形態では、サブ基板36を据え置きとしたが、メイン基板を据え置きとしてもよい。また、小型基板33からサブ基板36にサブプログラムを入力するようにしたが、メイン基板31のメモリ51にサブプログラムを格納しておき、メイン基板31からサブ基板36にサブプログラムを入力する、あるいは、CD、フレキシブルディスクなど適宜の記憶媒体からサブ基板36にサブプログラムを入力するようにしてもよい。また、サブ基板36に通信により直接データを入力してもよい。この場合、受信機をサブ基板36に設けることにより対応できる。
【0048】
上記実施形態では、スロットマシン10の設置時に初期設定ボタン35dを操作したときのみ、ROM71に格納されたサブプログラムがサブ基板36に入力されるようにしたが、スロットマシン10の電源を投入するたびに入力されるようにしたり、専用のスイッチを操作したときに入力されるようにするなど適宜の操作方法でサブプログラムが入力されるようにしてよい。
【0049】
なお、本発明はリール駆動タイプのスロットマシンに限らず、ビデオタイプのスロットマシンにも等しく適用することができる。さらに、上記実施形態のように、入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本設定されたスロットマシンに限らず、その他の入賞有効ライン数のスロットマシンにも本発明は適用可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、分離部に取り付けられた小型基板と据え置き部に取り付けられたサブ基板とを電気的に接続すると、小型基板からサブ基板にサブプログラムが送信され、サブ基板に送信されたサブプログラムは記憶手段で保存されるので、サブ基板を据え置きにして継続して使用することが可能になり、新たな機種との入れ替えを行うにあたって、スロットマシンのコストダウンを効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を用いたスロットマシンの外観図である。
【図2】 据え置き部と分離部とを分離した状態を示す斜視図である。
【図3】 スロットマシンの内部構成を示す断面図である。
【図4】 スロットマシンの電気的概略構成を示す機能ブロック図である。
【図5】 小型基板及びサブ基板の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
10 スロットマシン
11 分離部
12 据え置き部
31 メイン基板
33 小型基板
36 サブ基板
40 コネクタ
41 ケーブル

Claims (2)

  1. 外周に複数種類の絵柄が配列されたリールを有する分離部と、ホッパー装置を有するとともに、前記分離部が交換可能に取り付けられる据え置き部とを備えた分離型のスロットマシンにおいて、
    ハズレ及び複数種類の当選役のうちのいずれかを決定する抽選を実行するとともに、前記抽選の結果に基づいて前記リールの駆動制御を実行し、前記分離部に取り付けられたメイン基板と、
    前記抽選の結果を報知するための報知制御を実行する際に読み出されるサブプログラムを有し、前記分離部に取り付けられた小型基板と、
    前記報知を行わせるための報知制御を実行し、前記据え置き部に取り付けられたサブ基板とを備え、
    前記サブプログラムを前記サブ基板に送信する送信手段を前記小型基板に設け、
    前記サブプログラムを記憶する記憶手段を前記サブ基板に設けて、
    前記小型基板と前記サブ基板とが電気的に接続された状態で前記小型基板から前記サブ基板に前記サブプログラムが送信され、前記サブ基板に送信された前記サブプログラムは前記記憶手段で保存されることを特徴とするスロットマシン。
  2. 前記分離部は、前記リール、前記メイン基板及び前記小型基板が取り付けられた支持枠と、前記支持枠の前面に回動自在に取り付けられ、前記リールの表示窓を有する前面扉とを備えたことを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。
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