JP2012222036A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエハのロード時において、ウエハ温度を確実に推定してウエハに対して迅速な熱処理を施す。
【解決手段】熱処理装置1は、ボート12に保持されたウエハWを処理する処理容器3と、処理容器3を加熱するヒータ18Aと、ヒータ18Aを制御する制御装置51とを備えている。ヒータ18Aと処理容器3との間にアウタ温度センサ50が設けられ、処理容器3内にインサイド温度センサ81およびインナ温度センサ82が設けられ、ボート12にプロファイル温度センサ83が設けられている。これら温度センサ50、81、82、83は温度予測部51Aに接続され、温度予測部51Aは、いずれか2つの温度センサ、例えばインサイド温度センサ81およびプロファイル温度センサ83を選択し、選択された温度センサ81、83からの検出温度をT1、T2としたとき、T=T1×(1−α)+T2×α、α>1によりウエハ温度Tを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理体を熱処理する熱処理装置および熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造においては、被処理体例えば半導体ウエハに、酸化、拡散、CVD、アニール等の熱処理を施すために各種の熱処理装置が用いられている。前記熱処理装置としては、多数の半導体ウエハ(以下ウエハ)を一度に熱処理することが可能なバッチタイプの装置が用いられており、中でも縦型熱処理装置がよく知られている。この縦型熱処理装置は、ウエハを多数枚載置した保持部を下部が開口した処理容器内に下方より搬入(ロード)し、処理容器の周囲に設けられた加熱部(ヒータ)により処理容器内部のウエハを加熱処理する熱処理炉を備えている。このような熱処理装置は、ヒータの温度を検出する温度センサと、処理容器内の温度を検出する温度センサが備えられており、夫々の温度センサからの信号に基づいてヒータの出力をウエハがもしくは処理容器内が設定温度になるように制御している。その一つの方法として特許文献2のように追従させる温度を温度センサからの検出値と設定値を混合割合調整部にて夫々の比率で補間して制御する方法がある。また、ウエハの温度を測るためにできるだけウエハの近くウエハと同じように可動する部分に温度センサを設置することが開示されている(特許文献1)。
特開平7−273057号公報 特開2002−353153号公報
近年において、半導体の微細化の要求とともに処理温度の低温度化(100〜400℃)の要求が多くなり、半導体ウエハの温度制御がさらに難しくなってきた。
半導体ウエハでは、処理容器に保持具をロードし設定温度に安定するまでの温度が半導体ウエハの吸収波長の関係から特に100〜400℃の温度帯において前述の温度センサと半導体ウエハの温度差が大きく隔たり、昇温および設定温度に達するまで多くの時間を要する問題があった。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、半導体ウエハのロード時において、被処理体を迅速かつ精度良く設定温度に追従することができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
本実施の形態は、被処理体を処理する処理容器と、処理容器の外側に設けられ、この処理容器を外側から加熱する加熱部と、被処理体を載置して保持するとともに、処理容器内に出し入れされる保持部と、保持部を処理容器へ出し入れするための保持部搬送部と、加熱部と処理容器との間に設けられ、加熱部の温度を検出する第1温度センサと、処理容器内に固定され処理容器内の温度を検出する第2温度センサと、保持部と共に処理容器内に出し入れされる第3温度センサと、加熱部への出力を制御する制御部と、第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのうちいずれか2つの温度センサを選択し、これら二つの温度センサからの検出温度に基づいて、被処理体温度Tを予測する温度予測部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置である。
上記熱処理装置において、温度予測部は、被処理体温度Tを以下の式に基づいて求める。
T=T×(1−α)+T×α
α>1
T1:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのいずれか一つの温度センサの検出温度
T2:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのT1以外のいずれか一つの温度センサの検出温度
α:混合比率
本実施形態は、上記記載の熱処理装置を用いた熱処理方法において、被処理体を保持部に保持する工程と、保持部により被処理体を処理容器内へ入れる工程と、温度予測部において、第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのうちいずれか2つを選択し、これら2つの温度センサからの検出信号に基づいて被処理体の温度を予測する工程と、温度予測部により予測された被処理体の温度に基づいて加熱部の出力を制御する工程と、を備えたことを特徴とする熱処理方法である。
上記熱処理方法において、温度予測部は、被処理体温度Tを以下の式に基づいて求める。
T=T×(1−α)+T×α
α>1
T1:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのいずれか一つの温度センサの検出温度
T2:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのT1以外のいずれか一つの温度センサの検出温度
α:混合比率
本実施形態は、前記選択する2つの温度センサを、予め処理容器内へ保持部を入れる工程を行った第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサからの検出温度データとそのときの被処理体位置の検出温度と比較し、被処理体位置の検出温度に近似する組み合わせから選択し、かつαを決定する工程とを、更に備えたことを特徴とすることを特徴とする熱処理方法である。
以上のように本発明によれば、被処理体の吸収波長が少なく熱応答性の低い温度帯において温度センサがウエハよりも熱応答性が高いために被処理体の温度を追従できないときでも、被処理体温度を予測でき加熱部の出力を制御し迅速にそして精度良く昇温や温度安定の温度制御させることができる。
図1は本発明による熱処理装置および熱処理方法の実施の形態を概略的に示す縦断面図。 図2は図1と同様の図であって、熱処理体のロード時における熱処理装置を示す図。 図3は温度予測部における作用を示す図。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1において、縦型の熱処理装置1は、被処理体(例えば半導体ウエハw以下ウエハwと記す)を一度に多数枚収容して酸化、拡散、減圧CVD等の熱処理を施すことができる縦型の熱処理炉2を備えている。この熱処理炉2は、内周面に発熱抵抗体(以下ヒータと記す)3が設けられ、ヒータ3と空間4を形成するとともに、ウエハwを収納して熱処理する処理容器5とを備えている。ここで、ヒータ3はウエハwを加熱する加熱部として機能する。
また、前記空間33は、縦方向に沿って複数の単位領域、例えば10の単位領域A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10(以下A1〜A10と記す)に区画されている。そしてヒータ3はこの10の単位領域A1〜A10に対応して夫々に出力を制御できるように構成されており、単位領域A1〜A10に対応した温度を測定するヒータ温度センサ(第1温度センサ)Ao1〜Ao10が設けられている。
熱処理炉2はベースプレート6に支持され、このベースプレート6には処理容器5を下方から上方へ挿入するための開口部7が形成されている。
処理容器5は下部にマニホールド8を介してベースプレート6に支持され、さらにマニホールド8から処理容器5へインジェクタ51を通して処理ガスを供給する。ガスインジェクタは図示しないガス供給源と接続されている。また、処理容器5に供給された処理ガスやパージガスは排気ポート52を通して減圧制御が可能な真空ポンプを備えた図示しない排気系に接続されている。
また、マニホールド下部には炉口53を閉塞する蓋体9があり、蓋体9が昇降機構10により昇降移動可能に設けられている。この蓋体9の上部には保温部11が載置され、該保温部11の上部には、ウエハwを多数枚上下方向に所定の間隔で搭載する保持部(以下ボートと記す)12がある。ボート12は、昇降機構10により下降移動により処理容器5から図示しないローディングエリアへ搬出(アンロード)され、ウエハwの移し替え後、昇降機構10により上昇移動により処理容器5内に搬入(ロード)される。
さらに蓋体9にはボート12をその軸心回りに回転する回転機構13が設けられていても良い。
熱処理炉2は断熱材21と、処理容器5を急速に冷却するための冷却ガスの流路22と、流路22から空間4へ冷却ガスを噴出する噴出孔23と、冷却ガスを空間4から排気するための排気口24を設けても良い。この場合、排気口24の先には図示しない熱交換器およびブロアを設け、さらに流路22へ冷却ガスを供給するブロアを設けている。
処理容器5内の各単位領域A1〜A10の温度を検出するための処理容器内温度センサ(第2温度センサ)Ai1〜Ai10を設けている。
さらにウエハwとともにロード・アンロードされる可動温度センサ(第3温度センサ)Ap1〜Ap10を設けている。
ところで従来、上述のヒータ温度センサAo1〜Ao10と処理容器内温度センサAi1〜Ai10からの検出信号ライン31、32を通して制御部35に信号を導入している。そして制御部35においてPID制御やモデル制御の計算した結果をヒータ出力部36に送り、このヒータ出力部36により各ヒータ3へヒータ出力ライン37からヒータ端子38を介して出力を制御していた。
しかし、この方法だと低温度域100〜400℃のウエハwの温度変化に十分に追従できないため、本発明においては可動温度センサAp1〜Ap10の検出温度データを検出信号ライン33を通して取得し、さらにヒータ温度センサAo1〜Ao10と処理容器内温度センサAi1〜Ai10からの夫々の検出温度データを検出信号ライン31、32を通して取得し、温度予測部34にて後述の計算式で計算を行なう。そしてロード時のローディングエリアから処理容器5内でのウエハwの温度変化を温度予測部34において予測し、予測した結果を制御部35に送り、夫々のヒータ3の出力を制御する。
次にウエハwのロード時における温度予測部34の作用について図3により説明する。
ここで図3は温度予測部34における作用を示す図であって、横軸にウエハwのロード時における時間(分)が示され、縦軸に温度が示されている。
夫々の温度センサの動きは、200℃に安定している処理容器内に室温のボートをロードし再び200℃で安定するときの温度変化を表している。このときの各温度センサの挙動は図3の通りでヒータ温度センサ、処理容器内温度センサおよび可動温度センサのいずれもウエハ温度よりかなり離れた挙動を示していることがわかる。さらに全ての温度センサはウエハwの温度よりも高い温度を示しており、従来の0〜100%の混合比率ではウエハwの温度を予測することが難しいことが分かる。
ここで下記の計算式にて合成信号を計算する。
T=T×(1−α)+T×α
α>1
T1:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのいずれか一つの温度
センサの検出温度
T2:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのT1以外のいずれか
一つの温度センサの検出温度
α:混合比率
計算した合成信号の例として、T1を可動温度センサとし、T2を処理容器内温度センサとし、αを1.8としたときに非常に良くウエハ温度の挙動と同期していることが分かる。この温度センサの選択は装置の温度センサの位置の影響を受け、また、温度センサの構成は夫々の装置構成に依存するため予め図3のような温度データを取得し最適値を見つけ出す必要がある。
図3が示すようにウエハをロードしてから200℃に温度が安定するまでに90分を要しており、非常に時間がかかっていた。この算出した予測ウエハ温度によりヒータの制御を行うことで温度安定まで30%〜50%時間短縮することが実現できた。以上のことから、本発明は装置内の温度センサと被処理体との温度差が大きいときに特に効果的に利用するができ、シリコンウエハの吸収波長の少ない低温度域(100〜400℃)における昇温および温度安定でも精度良く迅速に制御することができる。
本実施の形態では単位領域A1〜A10を用いて説明したが、10に分割するだけでなく分割数は幾つの場合でも利用可能であり、さらに実施の形態では均等に分割しているが、これに限らず、温度変化の大きい炉口部を細かい領域に分割しても良い。また、強制的に排気する冷却ガスの排気口や、保温部のエリアに別途取り付けられた温度センサを使用しても良い。
w 半導体ウエハ(被処理体)
1 熱処理装置
2 熱処理炉
3 ヒータ
5 処理容器
10 昇降機構
12 ボート
34 温度予測部
35 制御部
36 ヒータ出力部
Ao1〜Ao10 ヒータ温度センサ
Ai1〜Ai10 処理容器内温度センサ
Ap1〜Ap10 可動温度センサ

Claims (5)

  1. 被処理体を処理する処理容器と、
    処理容器の外側に設けられこの処理容器を外側から加熱する加熱部と、
    被処理体を載置して保持するとともに、処理容器内に出し入れされる保持部と、
    保持部を処理容器へ出し入れするための保持部搬送部と、
    加熱部と処理容器との間に設けられ、加熱部の温度を検出する第1温度センサと、
    処理容器内に固定され処理容器内の温度を検出する第2温度センサと、
    保持部と共に処理容器内に出し入れされる第3温度センサと、
    加熱部への出力を制御する制御部と、
    第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのうちいずれか2つの温度センサを選択し、これら二つの温度センサからの検出温度に基づいて、被処理体温度Tを予測する温度予測部と、を備えたことを特徴とする熱処理装置。
  2. 温度予測部は、被処理体温度Tを以下の式に基づいて求めることを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
    T=T×(1−α)+T×α
    α>1
    T1:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのいずれか一つの温度センサの検出温度
    T2:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのT1以外のいずれか一つの温度センサの検出温度
    α:混合比率
  3. 請求項1記載の熱処理装置を用いた熱処理方法において、
    被処理体を保持部に保持する工程と、
    保持部により被処理体を処理容器内へ入れる工程と、
    温度予測部において、第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのうちいずれか2つを選択し、これら2つの温度センサからの検出信号に基づいて被処理体の温度を予測する工程と、
    温度予測部により予測された被処理体の温度に基づいて加熱部の出力を制御する工程と、
    を備えたことを特徴とする熱処理方法。
  4. 温度予測部は、被処理体温度Tを以下の式に基づいて求めることを特徴とする請求項3記載の熱処理方法。
    T=T×(1−α)+T×α
    α>1
    T1:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのいずれか一つの温度センサの検出温度
    T2:第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサのT1以外のいずれか一つの温度センサの検出温度
    α:混合比率
  5. 前記選択する2つの温度センサを、予め処理容器内へ保持部を入れる工程を行った第1温度センサ、第2温度センサおよび第3温度センサからの検出温度データとそのときの被処理体の検出温度とを比較し、被処理体の検出温度に近似する組み合わせから選択し、かつαを決定する工程を、更に
    備えたことを特徴とする請求項3記載の熱処理方法。
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