JP2010021474A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 目標温度の補正値を簡易に生成することができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理装置1は、反応炉の温度を調整するヒータ2と、調整された反応炉内の第1の温度を検出する炉内温度センサ21と、炉内温度センサ21の内側に設けられたインナーチューブ5と、インナーチューブ5の内側に設けられ、反応炉内の第2の温度を検出するプロファイル温度センサ15と、プロファイル温度センサ15により検出された第2の温度に基づいて算出される温度と目標温度とを一致させるように制御した後、炉内温度センサ21により検出される第1の温度と当該目標温度とに基づいて関係係数を算出し、当該関係係数と目標温度とに基づいてヒータ2を制御する温度コントローラ14とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被処理体の温度を制御する熱処理装置に関する。
この種の熱処理装置として、多数の半導体ウェハに対して、酸化、拡散、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)などの熱処理を行うバッチ型熱処理装置が公知である。バッチ型熱処理装置としては、例えば縦型炉が実用されている。縦型炉等のバッチ型熱処理炉は、熱処理の種類、膜種又はその膜種に期待される電気的特性等により、様々な熱処理工程に細分化されて使用されている。各熱処理工程では、熱処理後の半導体ウェハが期待された性能を有するように、温度、ガス流量、圧力等が、各工程に対応して厳密に設定されている。熱処理において、被処理体の温度は、設定された目標温度に一致することが望ましい。したがって、熱処理炉は、様々な値に設定された温度を目標温度として、高精度に温度制御する必要がある。
特許文献1では、目標温度の補正値を取得して、半導体に対して熱処理を行う際の温度制御を行う手法が開示されている。
特許文献2では、複数の入力変化量と複数の出力変化量との関係を関係係数で予め表し、その関係係数を修正する手法が開示されている。
特許第3834216号公報 特開2005−347687号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、目標温度の補正値を得る前段として、干渉行列を取得する必要がある。干渉行列を取得する手順は煩わしく、その取得には時間が掛かかることが多い。また、熟練した技術者が干渉行列を作成する場合においても、補正値にばらつきが生じたり、干渉行列の調整に時間が掛かったりしていた。
本発明は、上述した背景からなされたものであり、目標温度の補正値を簡易に生成することができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る熱処理装置は、反応炉の温度を調整する温度調整手段と、前記温度調整手段により調整された前記反応炉内の第1の温度を検出する第1の温度検出手段と、前記温度調整手段の内側に設けられた筒状部材と、前記筒状部材の内側に設けられ、前記反応炉内の第2の温度を検出する第2の温度検出手段と、前記第2の温度検出手段により検出された第2の温度に基づいて算出される温度と目標温度とを一致させるように制御した後、前記第1の温度検出手段により検出される第1の温度と当該目標温度とに基づいて関係係数を算出し、当該関係係数と目標温度とに基づいて前記温度調整手段を制御する制御手段とを有する。
本発明によれば、目標温度の補正値を簡易に生成することができる。
まず、本発明の第1の実施形態に係る熱処理装置1を説明する。
図1は、熱処理装置1の構成を示す側面断面図である。
図1に示すように、熱処理装置1は、円筒状のヒータ2と、このヒータ2を支持するヒータベース3と、ヒータ2の内側にヒータ2と同心円状に設けられた反応管4及びインナーチューブ5と、反応管4の下方に設けられた円筒フランジ6と、この円筒フランジ6に支持される排気管7と、円筒フランジ6の下方に設けられたキャップ8と、このキャップ8に接続されたガス導入ノズル10と、スペーサ12と、このスペーサ12を介してキャップ8上に設置され支持されているボート11と、ヒータ2に電力を供給する電力供給部13a、13b、13cと、この電力供給部13a、13b、13cを制御する温度コントローラ14と、炉内温度センサ21a、21b、21cとを有する。熱処理装置1は、例えば、縦型熱処理炉である。
なお、電力供給部13a、13b、13c及び炉内温度センサ21a、21b、21cの数は3に限定されず、4以上であってもよい。また、電力供給部13a、13b、13cなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示すときには、電力供給部13と略記することがある。
反応管4(反応炉)は、例えば石英からなり、円筒形状に形成されている。反応管4の内径は、インナーチューブ5の外径よりも大きい。反応管4の上端は閉塞し、下端は開口している。インナーチューブ5(筒状部材)は、反応管4の内側に配置されている。インナーチューブ5は、例えば石英からなり、円筒形状に形成されている。インナーチューブ5の上端及び下端は開口している。インナーチューブ5は、その内側に、後述するボート11により、被熱処理体としての半導体ウェハ(基板)を収納可能に構成されている。
円筒フランジ6は、反応管4及びインナーチューブ5を支持するように設けられている。排気管7は、反応管4とインナーチューブ5との隙間によって形成される筒状空間の下端部と連通している。したがって、反応管4内のガスは、排気管7を介して排出される。
キャップ8は、円筒フランジ6の下端開口部を密閉可能に設けられている。キャップ8は、図示しないエレベータに接続している。キャップ8は、エレベータが下がった場合にはボート11及びスペーサ12をインナーチューブ5の内側から搬出し、エレベータが上がった場合にはボート11及びスペーサ12をインナーチューブ5の内側に搬入する。ボート11は、例えば石英からなり、基板を水平姿勢かつ互いに中心を揃え縦列多段に整列させた状態で保持する。
反応管4、円筒フランジ6及びキャップ8は、密閉された熱処理領域9を形成する。ガス導入ノズル10は、熱処理領域9に連通するように設けられている。したがって、反応ガスは、図示しないガス流量制御器により、ガス導入ノズル10を介して熱処理領域9内に導入される。
ヒータ2には、電力供給部13が接続されている。電力供給部13は、後述する温度コントローラ14に制御されて、所定の電力をヒータ2へ供給する。ヒータ2は、3つの温度調整部を有し、これらの温度調整部により反応管4の温度を調整する。これらの温度調整部を、ヒータ20a、20b、20cと呼ぶ。より具体的には、ヒータ20a、20b、20cには、それぞれ電力供給部13a、13b、13cが接続されている。熱処理領域9のうち、ヒータ20a、20b、20cに対応して分割される領域を、それぞれaゾーン、bゾーン、cゾーンと呼ぶ。
炉内温度センサ21は、反応管4とヒータ2との間に設けられており、熱処理装置1内の温度(第1の温度)を検出する。より具体的には、炉内温度センサ21a、21b、21cは、反応管4の外側において、それぞれaゾーンの温度、bゾーンの温度、cゾーンの温度を検出する。炉内温度センサ21は、例えば、熱電対である。炉内温度センサ21は、検出した温度を、温度コントローラ14に出力する。
温度コントローラ14(制御手段)は、図示しないCPU及びメモリを有し、炉内温度センサ21により検出される温度が所望値に近づくように、電力供給部13を制御する。より具体的には、温度コントローラ14は、PID制御演算に基づいて算出された結果を電源供給部13に出力して、ヒータ2を制御する。なお、詳細な演算式については、後述する。
本実施形態に係る熱処理装置1の動作を示す。ここでは、熱処理の一形態のCVD法により基板上に薄膜を形成する方法を説明する。
ボート11及びスペーサ12が熱処理領域9の外にある状態で、複数の基板がボート11に装填されると、図示しないエレベータの上昇運動により、ボート11が、キャップ8及びスペーサ12を介して熱処理領域9へ搬入される。
搬入後、熱処理領域9が、所望の温度になるようにヒータ2により加熱される。この際、目標温度が、図示しない入力装置などを介して温度コントローラ14に設定される。温度コントローラ14は、後述する補正値を用いて目標温度を補正し、炉内温度センサ21の検出温度と補正後の目標温度とに基づいて算出した結果を電力供給部13に出力する。電力供給部13は、温度コントローラ14により指示された熱を発生するようにヒータ2を通電する。このように、炉内温度センサ21による温度の検出、温度コントローラ14の制御演算、電力供給部13のヒータ通電が繰り返し実行されることにより、熱処理領域9の温度は、設定された目標温度になるように制御される。
ついで、ガスが、所望の流量に制御されてガス導入ノズル10を介して熱処理領域9に導入される。ガスは導入されると、インナーチューブ5の内側を上昇し、インナーチューブ5の上端開口から、反応管4とインナーチューブ5との隙間によって形成される筒状空間に流出して排気管7から排気される。ガスは、熱処理領域9を通過する際に基板と接触する。この際、薄膜が、CVD反応によって基板上に形成される。
既定の処理時間が経過すると、熱処理領域9内が不活性ガスに置換されるとともに、熱処理領域9の温度が基板を搬出できる程度に十分低い温度に下げられる。その後、図示しないエレベータの下降運動によって、ボート11が熱処理領域9から搬出される。
本実施形態に係る熱処理装置1は、熱処理を行う前段階として、目標温度を補正するための補正値を取得する。熱処理装置1は、上述した熱処理の過程において、取得された補正値を用いて目標温度を補正し、補正後の目標温度に基づいて温度制御を行う。
以下、補正値の取得方法を説明する。
図2は、熱処理を行う前段階における熱処理装置1の構成を示す側面断面図である。なお、図2に示された各構成のうち、図1に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図2に示すように、熱処理装置1は、プロファイル温度センサ15−1〜15−8をさらに有する。プロファイル温度センサ15は、熱処理の前段階において、インナーチューブ5の内側に設けられている。プロファイル温度センサ15は、キャップ8を導通している。プロファイル温度センサ15の数は、ヒータ2の分割数(本例では3)より多く、本例では8である。プロファイル温度センサ15−1〜15−8は、熱処理領域9内で、基板が存する領域を網羅するように配置されている。プロファイル温度センサ15−1〜15−8は、反応管4内の温度(第2の温度)を検出し、検出した温度を温度コントローラ14に出力する。
図3は、本実施形態に係る熱処理装置1による補正値取得処理S10を示すフローチャートである。
図3に示すように、ステップ100(S100)において、温度コントローラ14は、目標温度と、プロファイル温度センサ15により検出される温度に基づいて算出される温度(仮想温度)とが一致するように制御する。仮想温度は、プロファイル温度センサ15−1〜15−8により検出された温度のそれぞれが重み付けされて加算された値である。なお、仮想温度については、後で詳述する。
より具体的には、温度コントローラ14は電力供給部13を制御し、電力供給部13はこの制御に基づいて電力をヒータ2へ供給する。ヒータ2では、ヒータ20a、20b、20cが、熱処理領域9を加熱する。プロファイル温度センサ15は、熱処理領域9内の温度を検出して温度コントローラ14に出力する。温度コントローラ14は、プロファイル温度センサ15により検出された温度を受け付けると仮想温度を算出する。温度コントローラ14は、仮想温度が安定すると、ステップ102の処理に進む。
ステップ102(S102)において、温度コントローラ14は、炉内温度センサ21により検出される温度と目標温度との差を取得し、この差を補正値(関係係数)としてメモリなどの記録装置に記憶する。例えば、温度コントローラ14は、炉内温度センサ21aにより検出される温度(aゾーンの検出温度)と目標温度との差をaゾーンの補正値とする。温度コントローラ14は、bゾーン及びcゾーンの補正値も同様にして算出する。温度コントローラ14は、熱処理の際に、この補正値と目標値とに基づいて補正後の目標値を算出し、この補正後の目標値を用いて温度制御を行う。
以下、上述した仮想温度の算出方法及び仮想温度の算出に用いられる重み係数を詳細に説明する。
例えば、温度コントローラ14は、炉内温度センサ21aに対応する仮想温度を、aゾーンの領域に含まれるプロファイル温度センサ15−1、15−2の検出温度の平均値として算出し、炉内温度センサ21bに対応する仮想温度を、bゾーンの領域に含まれるプロファイル温度センサ15−3〜15−6の検出温度の平均値として算出し、炉内温度センサ21cに対応する仮想温度を、cゾーンの領域に含まれるプロファイル温度センサ15−7、15−8の検出温度の平均値として算出するものとする。
温度コントローラ14は、プロファイル温度センサ15の検出温度が、目標温度にどれだけ近づいたかを評価するための評価基準として、目標温度と各検出温度との差の2乗の和を評価式として用いる。例えば、aゾーンについての評価式は、次式で与えられる。
Figure 2010021474
ここで、Yは目標温度を示し、P,Pはプロファイル温度センサ15−1、15−2の検出温度を示す。温度コントローラ14は、この評価式が最小になるように制御する。
また例えば、温度コントローラ14は、炉内温度センサ21aに対応する仮想温度を、プロファイル温度センサ15−1〜15−4の検出温度の平均値として算出し、炉内温度センサ21bに対応する仮想温度を、プロファイル温度センサ15−2〜15−7の検出温度の平均値として算出し、炉内温度センサ21cに対応する仮想温度を、プロファイル温度センサ15−6〜15−8の検出温度の平均値として算出してもよい。
つまり、プロファイル温度センサ15−1〜15−8の検出温度をP〜Pとすると、炉内温度センサ21aに対応する仮想温度Vは、次式で与えられる。
Figure 2010021474
ここで、αa,1〜αa,8は、温度コントローラ14に予め記憶されている重み係数を示す。なお、炉内温度センサ21bに対応する仮想温度V及び炉内温度センサ21cに対応する仮想温度Vも同様にして算出される。
重み係数は、ヒータ2への電力供給量から仮想温度への熱干渉行列について、その対角要素の値がそれ以外の値に比較して大きくなるように設定されている。ここで、熱干渉行列は、複数の入力値(ヒータ2への電力供給量)の変化量に対する複数の出力値(プロファイル温度センサ15の検出温度)の変化量の度合いを数値化して行列として表現したものである。
熱干渉行列の決定は、以下のようになされる。まず、温度コントローラ14は、全てのプロファイル温度センサ15の検出温度が安定するまでヒータ2へ所定の電力供給量が供給されるように制御し、その後、1つのゾーン(例えばaゾーン)のヒータ20aへの電力供給量を変化させる。さらに、時間が十分に経過し、温度が安定すると、温度コントローラ14は、プロファイル温度センサ15の検出温度の変化量を算出する。ヒータ20aへの電力供給量の変化量をΔHとし、プロファイル温度センサ15の検出温度の変化量をΔP〜ΔPとすると、ΔP〜ΔPは次のように表される。
Figure 2010021474
ここで、β1,a〜β8,aは、aゾーンへの電力供給量の変化に対するプロファイル温度センサ15の検出温度の変化の度合いを示す係数である。bゾーン及びcゾーンについても同様である。したがって、プロファイル温度センサ15の検出温度の変化量は、次のように表される。
Figure 2010021474
熱干渉行列をMβとすると、上記の関係式は、次のように行列式で表される。
Figure 2010021474
プロファイル温度センサ15の検出温度P〜Pが、それぞれP+ΔP〜P+ΔPに変化して、仮想温度VがV+ΔVに変化したとする。この場合、(2)式より、次のように表される。
Figure 2010021474
仮想温度V、Vも同様であるので、次式が成立する。
Figure 2010021474
(3)式及び(4)式より、仮想温度の変化量ΔV、ΔV、ΔVは、次のように表される。
Figure 2010021474
(5)式の右辺第1項は、ヒータ2への電力供給量から仮想温度への熱干渉行列を示す。この熱干渉行列の各要素は、(3)式で得られた熱干渉係数と(4)式で仮想温度を定義するために与えた重み係数とがそれぞれ掛け合わされた結果を加算した値である。したがって、ヒータ2への電力供給量から仮想温度への熱干渉行列で示される特性は、(4)式の重み係数に依存する。
(5)式の熱干渉行列において、対角要素の値がそれ以外の値と比較して大きくなるように、(4)式に示される重み係数が設定されるので、ヒータ2が複数に分割された場合においても、精度の高い制御が可能となる。以下、このような重み係数の設定方法の妥当性を説明する。
熱干渉行列が対角行列であり、その対角要素をγ、γ、γとすると、次のように表される。
Figure 2010021474
この場合、ヒータ20a、20b、20cそれぞれに供給された電力の影響は、対応するゾーンの仮想温度のみに及ぶ。例えば、aゾーンでは、仮想温度Vは、ヒータ20aへの電力供給量Hのみに影響を及ぼされる。
温度コントローラ14は、目標温度をYとして炉内温度センサ21aに対応する仮想温度Vを制御する場合、次式の通りPID制御演算を用いて、ヒータ20aへの電力供給量Hを決定する。
Figure 2010021474
したがって、ヒータ2が複数に分割されている構成の下で、温度コントローラ14がPID制御演算を用いる場合においても、制御は高精度に行われる。
次に、(5)式に示される熱干渉行列において、対角要素がγ、γ、γであり、その他の要素が対角要素より小さい値εであるとすると、次のように表される。
Figure 2010021474
この場合、ヒータ20a、20b、20cそれぞれに供給された電力の影響は、対応するゾーンの仮想温度以外にも及ぶ。例えば、aゾーンでは、仮想温度Vは、ヒータ20aへの電力供給量Hだけでなく、電力供給量H、Hにも影響を及ぼされる。ここで、εがγに比較して十分小さい値に設定されていると、温度コントローラ14がPID制御演算を用いる場合においても、制御は高精度に行われる。
次に、プロファイル温度センサ15−1〜15−8の検出温度と仮想温度との関係を決定する方法を説明する。例えば、温度コントローラ14は、炉内温度センサ21aに対応する仮想温度を、aゾーンの領域に含まれるプロファイル温度センサ15−1、15−2の検出温度の平均値として算出し、炉内温度センサ21bに対応する仮想温度を、bゾーンの領域に含まれるプロファイル温度センサ15−3〜15−6の検出温度の平均値として算出し、炉内温度センサ21cに対応する仮想温度を、cゾーンの領域に含まれるプロファイル温度センサ15−7、15−8の検出温度の平均値として算出するものとする。この場合、(4)式より、次式が求められる。
Figure 2010021474
また、(3)式で示される熱干渉行列が、次式のように表されるとする。
Figure 2010021474
この場合、(5)式より、熱変換行列は、次のように表される。
Figure 2010021474
温度コントローラ14は、熱干渉行列の対角要素の値とそれ以外の値とを比較するための閾値を記憶している。この閾値は、例えば0.5である。この場合、上式では、熱干渉行列の1行2列(0.5)及び3行2列(0.67)は、閾値0.5以上であるが、1行2列及び3行2列の値と対角要素の値との間に差はない。したがって、温度コントローラ14は、閾値を0.5より大きい値、例えば0.6に変更する。変更後、温度コントローラ14は、同様の計算を行う。例えば、温度コントローラ14は、次式のように、熱変換行列を求める。
Figure 2010021474
この式では、対角要素は、それ以外の要素の値と比較して大きい値を有する。したがって、温度コントローラ14は、炉内温度センサ21aに対応する仮想温度を、プロファイル温度センサ15−1の検出温度とし、炉内温度センサ21bに対応する仮想温度を、プロファイル温度センサ15−2〜15−7の検出温度の平均値として算出し、炉内温度センサ21cに対応する仮想温度を、プロファイル温度センサ15−7、15−8の検出温度の平均値として算出する。
次に、重み係数の設定方法を説明する。まず、ヒータ2への電力供給量の補正値を求める。温度コントローラ14が炉内温度センサ21を目標温度Yに一致させるように制御してから十分な時間が経過しているとする。この状態でのプロファイル温度センサ15の検出温度をP〜Pとし、ヒータ2への電力供給量をH、H、Hとし、プロファイル温度センサ15の検出温度P〜Pの目標温度Yに対する誤差(目標温度と検出温度との差)をベクトル表示してP0とすると、ヒータ2への電力供給量の補正及び仮想温度V、V、Vは、次のように与えられる。
Figure 2010021474
Figure 2010021474
その後、温度コントローラ14が仮想温度を目標温度Yに一致するように制御してから十分な時間が経過して、仮想温度がそれぞれV+ΔV、V+ΔV、V+ΔVになったとすると、次式が成り立つ。
Figure 2010021474
ここで、誤差P0と仮想温度の変化量ΔV、ΔV、ΔVとの関係について考える。仮に、プロファイル温度センサ15の検出温度P〜Pが誤差P0だけ変化して、全てのプロファイル温度センサ15の検出温度が目標温度Yに一致した場合、(8)式及び重み係数行列Mαのそれぞれの行において重みの総和は1に等しいことより、仮想温度はすべて、目標温度Yに一致する。したがって、次式が成り立つ。
Figure 2010021474
また、誤差P0と仮想温度の変化量ΔV、ΔV、ΔVとの関係については、次式が成り立つ。
Figure 2010021474
また、(5)式から、Mα×Mβが逆行列をもつようにMαにおいて重み係数が設定されていると、次式が成り立つ。
Figure 2010021474
ここで、μa、μb、μcを、重み係数行列Mαの各行の総和を1に等しくする係数として、次式のようにおく。
Figure 2010021474
(11)式を変形して、(7)式に代入すると、次式のようになる。
Figure 2010021474
上式は、(10)式と一致する。このように、重み係数は、(11)式を満たすように決定され、仮想温度は、この重み係数に基づいて算出されればよいことがわかる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る熱処理装置1を説明する。
本発明の第2の実施形態に係る熱処理装置1は、所定の条件が満たされるまで熱干渉行列を更新する点で、第1の実施形態に係る熱処理装置1とは異なる。
図4は、本実施形態に係る熱処理装置1による補正値取得処理S20を示すフローチャートである。なお、図4に示された各処理のうち、図3に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図4に示すように、ステップ200(S200)において、温度コントローラ14は、初期設定を行う。より具体的には、温度コントローラ14は、仮想温度を計算する際に使用する熱干渉行列及び重み係数、仮想温度の安定条件、後述する終了条件について、初期設定を行う。その後、S100の処理で、温度コントローラ14は、目標温度と、プロファイル温度センサ15により検出される温度に基づいて算出される仮想温度とが一致するように制御する。
ステップ202(S202)において、温度コントローラ14は、重み係数の更新を終了する条件が満たされているか否かを判定する。より具体的には、温度コントローラ14は、重み係数の更新前後の値が予め設定された範囲内に収束した場合、終了条件は満たされていると判定する。また例えば、温度コントローラ14は、重み係数の更新前後で、炉内温度センサ21の検出温度が予め設定された範囲内に収束した場合、終了条件は満たされていると判定してもよい。また例えば、温度コントローラ14は、予め設定された時間や更新回数を超えた場合、終了条件は満たされていると判定してもよい。温度コントローラ14は、終了条件が満たされている場合にはS102の処理に進み、そうでない場合にはS204の処理に進む。
ステップ204(S204)において、温度コントローラ14は、プロファイル温度センサ15の検出温度とヒータ2への電力供給量とに基づいて、ヒータ2への電力供給量の変化量とプロファイル温度センサ15の検出温度の変化量との関係を行列を用いて表した熱干渉行列を更新する。例えば、温度コントローラ14は、特許文献2に開示された更新手法を適用して、熱干渉行列を更新する。なお、この場合、入力変化量を電力供給量の変化量とし、出力変化量をプロファイル温度センサ15の検出温度の変化量とすると、これらの関係は熱干渉行列Mβを用いて表される。
ステップ206(S206)において、温度コントローラ14は、更新された熱干渉行列に基づいて、仮想温度を計算する際に用いる重み係数を求める。より具体的には、温度コントローラ14は、S204の処理で更新された熱干渉行列Mβを(11)式に代入して、重み係数行列Mαを算出する。その後、温度コントローラ14は、S202の処理に戻る。
一方、S202の処理で終了条件が満たされていると判定された場合、S102の処理で、温度コントローラ14は、炉内温度センサ21により検出される温度と目標温度との差を取得し、この差を補正値としてメモリなどの記録装置に記憶する。
以上説明したように、本実施形態に係る熱処理装置1は、取得された熱干渉行列を更新するので、修正後の熱干渉行列が正しい値に近づくとともに、最適な重み係数を得ることができる。また、本実施形態に係る熱処理装置1は、熱干渉行列を逐次更新していくので、更新処理が途中で停止された場合においても準最適な重み係数を取得することができる。
熱処理装置1の構成を示す側面断面図である。 熱処理を行う前段階における熱処理装置1の構成を示す側面断面図である。 本実施形態に係る熱処理装置1による補正値取得処理S10を示すフローチャートである。 本実施形態に係る熱処理装置1による補正値取得処理S20を示すフローチャートである。
符号の説明
1 熱処理装置
2 ヒータ
4 反応管
5 インナーチューブ
9 熱処理領域
13 電力供給部
14 温度コントローラ
15 プロファイル温度センサ
20a、20b、20c ヒータ
21a、21b、21c 炉内温度センサ

Claims (1)

  1. 反応炉の温度を調整する温度調整手段と、
    前記温度調整手段により調整された前記反応炉内の第1の温度を検出する第1の温度検出手段と、
    前記温度調整手段の内側に設けられた筒状部材と、
    前記筒状部材の内側に設けられ、前記反応炉内の第2の温度を検出する第2の温度検出手段と、
    前記第2の温度検出手段により検出された第2の温度に基づいて算出される温度と目標温度とを一致させるように制御した後、前記第1の温度検出手段により検出される第1の温度と当該目標温度とに基づいて関係係数を算出し、当該関係係数と目標温度とに基づいて前記温度調整手段を制御する制御手段と
    を有する熱処理装置。
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