JP2012217887A - 多結晶シリコン破砕物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平行な軸線回りに互いに逆回転する一対のロール間に塊状の多結晶シリコンを挟み込むことにより破砕する破砕工程を有し、各ロール3には、外周面上に複数の破砕歯5が半径方向外方に突出して設けられ、各破砕歯5は、先端面15が球面状に形成されるとともに、側面16が円錐面状又は円柱面状に形成されており、破砕工程は、両ロール3の対向部間における破砕歯5の先端面15どうしの対向距離Gに対する投入される破砕前の多結晶シリコンの最大辺の長さの比で特定される破砕比を1.0以上1.5未満に設定して破砕する。
【選択図】 図1
Description
この多結晶シリコンの破砕は、図7に示すように、多結晶シリコンのロッドRを数mm〜数cmの大きさの塊Cにするものであり、ロッドRを熱衝撃等によって適宜の大きさに砕いた後に、ハンマーで直接叩き割る方法が一般的であるが、作業者の負担が大きく、棒状の多結晶シリコンから所望の大きさの塊を得るには非効率である。
両ロールの破砕歯の対向距離に合わせて、各破砕歯のサイズや配置を調整することで、微細粉の発生を防止しながら、多結晶シリコン破砕物を細分化することができる。
第1実施形態の破砕方法は、図1に示す破砕手段1により、平行な軸線回りに互いに逆回転する一対のロール間に、塊状の多結晶シリコンを挟み込んで破砕する破砕工程を有して行われる。
破砕手段1は、ハウジング2内に二つのロール3がその回転軸線4を水平方向に向けて平行に配置されており、両ロール3の外周面に複数の破砕歯5が半径方向外方に向けて突設されている。この場合、各ロール3の外周面は、図2に示すように、均一な円弧面ではなく、軸方向に沿う長尺な平坦面6を周方向に連結して構成された多面体状に形成されており、各平坦面6の両端部にねじ穴7が設けられ、これら平坦面6に、破砕歯ユニット8が一つずつ固定されている。
破砕歯5は、超硬合金により、図5に示すように、柱状部13とその基端部で拡径する若干の厚さのつば部14とが一体に形成された形状とされている。柱状部13は、その先端面15が球面状に形成されるとともに、側面16が円錐面状又は円柱面状に形成されている。つば部14は、円形板の両側部を柱状部13の長手方向と平行に切除した形状とされ、その切除した部分により、平面部17が180°反対向きに形成されている。
また、各破砕歯ユニット8は、隣接する破砕歯ユニット8の破砕歯5がロール3の周方向に連続して並ばないように、図4に示すように、破砕歯5が千鳥状に配列した状態に取り付けられる。
一方、両ロール3の間では、図6に示すように、その対向部(両ロール3の破砕歯どうしが最も近接する位置)において両ロール3にそれぞれ設けられる破砕歯5の先端面15どうしが対向するように配置されている。
なお、この図6においては、千鳥状に配列されている破砕歯5のうち、同一円周上に配置される一列の破砕歯5を実線で示し、他の列の破砕歯5を二点鎖線で示している。
また、ハウジング2内には、両ロール3の両端部にロール3の軸線4と直交して配置される一対の仕切り板31がハウジング2の内壁面との間に一定の間隔をおいて平行に設けられている。これら仕切り板31は、ハウジング2に固定されており、両ロール3の半分以上を係合するように、ロール3の直径よりも若干大きい径の円弧状にくり抜いた2個の切欠32が形成され、これら切欠32内に各ロール3の両端部を係合した状態で、両ロール3の間に架け渡されるように配置されている。この仕切り板31をロール3に係合した状態では、仕切り板31の切欠32の内周面とロール3の外周面との間には、ロール3の回転を阻害しない程度に若干の隙間が形成され、また、ロール3の両端部に設けられている破砕歯ユニット8固定用のねじ26が仕切り板31の外側方に配置され、両仕切り板31がロール3の対向部からその上下の空間を挟んだ状態としている。そして、これら仕切り板31に挟まれた空間が多結晶シリコン破砕空間33とされ、ハウジング2の上面には、その破砕空間33の真上に配置されるように投入口34が設けられる。これら仕切り板31も、ハウジング2と同様にポリプロピレン等の樹脂製、あるいは金属製のものにテトラフルオロエチレンのコーティングをしたものが用いられる。
なお、このハウジング2には、両ロール3を回転駆動するギヤボックス(図示略)等が備えられ、ギヤボックスには排気手段(図示略)が接続されて、ハウジング2及びギヤボックスの内部空間が排気されるようになっている。
また、破砕比を1.0以上1.5未満の範囲に設定することにより、投入される多結晶シリコンが過剰に押しつぶされることがなく、微細粉が生じることを防止することができる。
したがって、この破砕手段1では多結晶シリコンを所望の大きさの塊に破砕することができ、微細粉の発生を防止して、ロス率を低減することができる。
第1実施形態の破砕方法は、単体の破砕工程を行う構成とされていたが、第2実施形態の破砕方法は、破砕工程を4回繰り返して行われる。
第2実施形態の1次から4次の破砕工程は、第1実施形態の破砕工程と同様の破砕手段1を用いて、平行な軸線回りに逆回転する一対のロール3間に多結晶シリコンを挟み込むことにより破砕するものである。また、第2実施形態の破砕方法においては、各破砕工程の間には、先の工程から流れてきた多結晶シリコン破砕物を大小のサイズに分級する分級工程を有しており、2回目以降の破砕工程では、これら分級工程により分級されたサイズの大きい多結晶シリコン破砕物の最大辺の長さに合わせて、破砕比が1.0以上1.5未満となるように、破砕歯5の対向距離Gを調整して破砕を行う。また、各破砕工程における破砕歯どうしの対向距離Gは、表1に示すように、多結晶シリコン破砕物が投入される順に(破砕回数を重ねる毎)に小さくなるように設けられており、前後の破砕工程についてみると、後の破砕工程の対向距離Gが、前の破砕工程の対向距離Gよりも小さくなるように設定されている。また、各破砕工程の破砕歯5は、柱状部13の直径D、破砕歯5の固定カバー11の表面からの突出高さH、隣接する破砕歯どうしの間隔Lは、破砕回数を重ねる毎に小さくなるように設定されている。
次に、1次破砕工程で破砕された多結晶シリコン破砕物は、分級工程で大小のサイズ毎に分級される。例えば、篩い等の選別手段によって最大辺の長さが60mm未満の破砕物と、60mm以上の破砕物とに分級される。そして、分級された60mm以上90mm以下の破砕物が、両ロール3を回転させた状態の2次破砕手段に投入される。2次破砕工程においては、1次破砕工程と同様に、両ロール3の破砕歯5の間で破砕されて少量の微粉が生じるが、大部分は、最大辺の長さが75mm以下の破砕物に破砕される。そして、選別手段により分級され、最大辺の長さが60mm以上75mm以下の破砕物が3次破砕手段に投入される(3次破砕工程)。このように、破砕と分級とが4次破砕工程まで繰り返されることにより、破砕物の多くが5〜60mmの大きさに生成される。
例えば、上記実施形態で説明した破砕歯の対向距離等の諸寸法は、必ずしもこれに限定されるものではない。
2 ハウジング
3 ロール
4 回転軸線
5 破砕歯
6 平坦面
7 ねじ穴
8 破砕歯ユニット
11 固定カバー
13 柱状部
14 つば部
15 先端面
16 側面
17 平面部
21 破砕歯固定孔
22 ねじ挿入孔
23 嵌合孔
24 平面部
25 拡径部
26 ねじ
31 仕切り板
32 切欠
33 破砕空間
34 投入口
Claims (3)
- 平行な軸線回りに互いに逆回転する一対のロール間に塊状の多結晶シリコンを挟み込むことにより破砕する破砕工程を有し、各ロールには、外周面上に複数の破砕歯が半径方向外方に突出して設けられ、各破砕歯は、先端面が球面状に形成されるとともに、側面が円錐面状又は円柱面状に形成されており、前記破砕工程は、両ロールの対向部間における前記破砕歯の先端面どうしの対向距離に対する投入される破砕前の多結晶シリコンの最大辺の長さの比で特定される破砕比を1.0以上1.5未満に設定して破砕することを特徴とする多結晶シリコン破砕物の製造方法。
- 請求項1記載の破砕工程を複数回繰り返して行われる製造方法であって、各破砕工程の間に、多結晶シリコン破砕物を大小のサイズに分級する分級工程を有し、該分級工程により分級されたサイズの大きい多結晶シリコン破砕物を2回目以降の破砕工程で破砕するとともに、該2回目以降の破砕工程では、投入される多結晶シリコン破砕物の最大辺の長さに合わせて、前記破砕比が1.0以上1.5未満となるように、前記破砕歯の対向距離を調整して破砕することを特徴とする多結晶シリコン破砕物の製造方法。
- 各破砕工程の前記破砕歯の対向距離に合わせて、各破砕歯の直径および突出高さ、隣接する破砕歯どうしの間隔を調整することを特徴とする請求項2に記載の多結晶シリコン破砕物の製造方法。
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