JP2012190639A - 非水電解質電池、電池パック及び電子機器 - Google Patents

非水電解質電池、電池パック及び電子機器 Download PDF

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美貴 須藤
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Abstract

【課題】電池特性の劣化を防止しつつ、電解液の分解により発生するガスによる外装体の膨れを抑制することができる非水電解質電池、これを備えた電池パックおよび電子機器を提供する。
【解決手段】上記非水電解質電池は、電極体10と、外装体19と、選択透過部21とを具備する。電極体10は、第1の電極11と、第2の電極12と、第1の電極11と第2の電極12との間に配置された非水電解質14とを有する。外装体19は、電極体10を収容する。選択透過部21は、外装体19の表面の少なくとも一部に設けられ、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成される。
【選択図】図3

Description

本技術は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質電池、これを備えた電池パックおよび電子機器に関する。
例えば一般的なリチウムイオン二次電池は、リチウム複合酸化物を含む正極と、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な材料を含む負極と、正極と負極との間に介在するセパレータと、非水電解質とを備えている。そして、正極と負極とがセパレータを介在して積層されるか、もしくは積層後に巻回されて柱状の巻回電極が構成される。セパレータは、正極と負極との間を電気的に絶縁する役目と非水電解液を保持する役目を持つ。
電解液が非水電解質で構成される非水電解質電池は、電池内部への水蒸気の侵入により電池特性が劣化することが知られている。また充放電時、過充電時あるいは高温保存時に電解液の分解により水素や二酸化炭素等のガスが発生し、非水電解質二次電池の外装体に膨れが生じることが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
下記特許文献1には、外装体の一部が水素透過膜で形成された非水二次電池が開示されている。また下記特許文献2には、正極と負極と非水電解質とを収納した電池缶を、二酸化炭素ガスの透過速度と水蒸気ガスの透過速度の比が0.024を超える樹脂あるいはゴムよりなる封止部材で封止した、非水電解質二次電池が記載されている。
特開2003−59462号公報 特開2006−302809号公報
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、電池特性の劣化を防止しつつ、電解液の分解により発生するガスによる外装体の膨れを抑制することができる非水電解質電池、これを備えた電池パックおよび電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る非水電解質電池は、電極体と、外装体と、選択透過部とを具備する。
上記電極体は、第1の電極と、第2の電極と、上記第1の電極と上記第2の電極との間に配置された非水電解質とを有する。
上記外装体は、上記電極体を収容する。
上記選択透過部は、上記外装体の表面の少なくとも一部に設けられ、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成される。
上記非水電解質電池は、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成された選択透過部が、外装体の表面の少なくとも一部に設けられている。上記選択部により、外装体内部への水蒸気の透過を禁止できるため、水蒸気の侵入による電池の劣化を防止することができる。また上記選択部により、電解質の分解により発生した二酸化炭素を外装体の外部へ放出することができるため、内圧の上昇による外装体の膨れを抑制することができる。
上記選択透過部は、上記外装体の周囲に設けられてもよい。
例えば、上記外装体は、一対のシール樹脂と、一対の水蒸気バリア層と、一対の外装樹脂とを有する。上記一対のシール樹脂は、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成され、上記電極体を挟み込む。上記一対の水蒸気バリア層は、上記一対のシール樹脂の表面にそれぞれ形成される。上記一対の外装樹脂は、上記一対の水蒸気バリア層の表面にそれぞれ形成される。この場合、上記選択透過部は、上記電極体の周囲において上記一対のシール樹脂が相互に接合された接合部に設けられる。
あるいは、上記外装体は、開口部を有する水蒸気バリア層を含んでもよい。この場合、上記選択透過部は、上記開口部を閉塞するように上記外装体に配置される。
本技術の一形態に係る電池パックは、非水電解質電池と、制御部と、パッケージ体とを具備する。
上記非水電解質電池は、電極体と、外装体と、選択透過部とを有する。上記電極体は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された非水電解質とを有する。上記外装体は、上記電極体を収容する。上記選択透過部は、上記外装体の表面の少なくとも一部に設けられ、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成される。
上記制御部は、上記非水電解質電池の充放電を制御する。
上記パッケージ体は、上記非水電解質電池と上記制御部とを支持する。
本技術の一形態に係る電子機器は、非水電解質電池と、受電回路とを具備する。
上記非水電解質電池は、電極体と、外装体と、選択透過部とを有する。上記電極体は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された非水電解質とを有する。上記外装体は、上記電極体を収容する。上記選択透過部は、上記外装体の表面の少なくとも一部に設けられ、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成される。
上記受電回路は、上記非水電解質電池から電力の供給を受ける。
本技術によれば、電池特性の劣化を防止しつつ、電解液の分解により発生するガスによる外装体の膨れを抑制することができる。
本技術の一実施形態に係る非水電解質電池の内部構造を示す部分破断斜視図である。 図1におけるI−I線方向の概略断面図である。 上記非水電解質電池の要部の概略断面図である。 選択透過部の面積と水蒸気透過率との関係を示す一実験結果である。 選択透過部を構成する各種樹脂材料とガス透過量との関係を示す一実験結果である。 本技術の第2の実施形態に係る非水電解質電池を示す概略図であり、(A)は部分分解斜視図、(B)は正面図である。 本技術の第3の実施形態による非水電解質電池を示す概略斜視図である。 本技術の第3の実施形態による非水電解質電池を示す概略斜視図である。 本技術の一実施形態に係る電池パックの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[非水電解質電池の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る非水電解質電池の一構成例を示す斜視図である。図2は、上記非水電解質電池の電極積層構造を模式的に示す図1におけるI−I線方向の断面図である。
本実施形態の非水電解質電池20は、正極リード15および負極リード16が取り付けられた電極体10と、電極体10を収納するフィルム状の外装部材19とを有し、全体として扁平形状に形成されている。正極リード15および負極リード16は、それぞれ例えば短冊状であり、外装部材19の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード15は、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料により構成されており、負極リード16は、例えばニッケル(Ni)などの金属材料により構成されている。
[電極体]
図2に示すように電極体10は、正極11と負極12とをセパレータ13および非流動性非水電解質である電解質層14を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ18が貼着されて巻回状態を維持している。
正極11は、正極集電体11Aと、正極活物質を含有する正極活物質層11Bとを有する。正極活物質層11Bは、正極集電体11Aの両面に形成されている。正極集電体11Aとしては、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔あるいはステンレス鋼箔などの金属箔を用いることができる。
正極活物質層11Bは、例えば正極活物質、導電剤、結着剤等を含有する。正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子を用いることができる。例えばリチウムイオン電池を構成する場合、LiXMO2(式中、Mは、一種以上の遷移金属を表し、Xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とする、リチウム(Li)と遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物としては、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiNiyCo1-y2(0<y<1)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.52、LiNi0.8Co0.22等がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。
また、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを有しない金属硫化物、金属酸化物等を使用してもよい。これらの正極活物質は、単独で用いるか、もしくは複数種を混合して用いてもよい。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックあるいはケチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。
正極11は、正極集電体11Aの一端部にスポット溶接または超音波溶接で接続された正極リード15を有している。この正極リード15は金属箔、網目状のものが望ましいが、電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。
負極12は、負極集電体12Aと、負極活物質を含有する負極活物質層12Bとを有する。負極活物質層12Bは、負極集電体12Aの両面に形成される。負極集電体12Aとしては、例えば銅(Cu)箔、ニッケル箔あるいはステンレス鋼箔などの金属箔を用いることができる。
負極活物質層12Bは、例えば負極活物質と、必要に応じて導電剤と結着剤とを含有する。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料または金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としては、例えば、易黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などがある。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭あるいはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られ、さらに導電剤としても機能する。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状あるいは鱗片状のいずれでもよい。
さらに、リチウムをドープ・脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用することができる。
上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。この種の材料を用いることで、高いエネルギー密度を得ることができる。このような負極材料は、金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。
なお、ここで言う「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、あるいはそれらの2種以上が共存するものがある。
上記した金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、リチウム金属が挙げられる。また、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素あるいは半金属元素としては、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などである。
リチウムと合金を形成することが可能な金属元素あるいは半金属元素により構成される負極材料としては、長周期型周期表における14族の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が用いられ、例えば、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が用いられる。この種の材料は、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度を得ることができる。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金あるいは化合物や、スズの単体、合金あるいは化合物や、それらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を有するものが挙げられ、ケイ素に加えて、上記した第2の構成元素を有していてもよい。
ケイ素の合金あるいは化合物の一例としては、SiB2、SiB6、Mg2Si、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2、SiC、Si34、Si22O、SiOv(0<v≦2)あるいはLiSiOなどが挙げられる。
スズの合金としては、例えば、スズ以外に第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの化合物としては、例えば、酸素または炭素を有するものが挙げられ、スズに加えて、上記した第2の構成元素を有していてもよい。スズの合金あるいは化合物の一例としては、SnOw(0<w≦2)、SnSiO3、LiSnOあるいはMg2Snなどが挙げられる。
[セパレータ]
セパレータ13は、電池内において正極11と負極12とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、イオンを通過させるものである。セパレータ13は、電池内に配置される際に、耐熱層131が少なくとも正極と対向するように、すなわち、少なくとも耐熱層131が正極11と基材130との間に位置するように配設される。これにより、高充電電圧時における正極近傍の酸化環境および高温環境からセパレータ13を保護することができる。
本実施形態の非水電解質電池20では、充電を行うと、例えば、正極11からリチウムイオンが放出され、セパレータ13に含浸された非水電解質電池を介して負極12に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極12からリチウムイオンが放出され、セパレータ13に含浸された非水電解液を介して正極11に吸蔵される。
[非水電解質]
電解質層14は、非水電解液と、この非水電解液を保持する高分子化合物とを含有しており、いわゆるゲル状となっている。非水電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する溶媒とを含んでいる。電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)などが挙げられる。電解質塩にはいずれか1種を用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン(BC)、炭酸ビニレン(VC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチルメチル(EMC)あるいは炭酸ジエチル(DEC)などの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、溶媒として、環状エステルまたは鎖状エステルの水素の一部または全部がフッ素化された化合物を含むことが好ましい。このフッ素化された化合物としては、ジフルオロエチレンカーボネート(4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)を用いることが好ましい。負極活物質としてケイ素、スズ、ゲルマニウムなどの化合物を含む負極12を用いた場合であっても、充放電サイクル特性を向上させることができ、特にジフルオロエチレンカーボネートがサイクル特性改善効果に優れるからである。
高分子化合物は、溶媒を吸収してゲル化するものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)あるいはビニリデンフルオライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイド(PEO)あるいはポリエチレンオキサイド(PEO)を含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)あるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)を繰り返し単位として含むものなどが挙げられる。高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ素系高分子化合物が望ましく、中でも、ビニリデンフルオライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とを成分として含む共重合体が好ましい。さらに、この共重合体は、モノメチルマレイン酸エステル(MME)などの不飽和二塩基酸のモノエステル、三フッ化塩化エチレン(PTCFE)などのハロゲン化エチレン、炭酸ビニレン(VC)などの不飽和化合物の環状炭酸エステル、またはエポキシ基含有アクリルビニルモノマーなどを成分として含んでいてもよい。より高い特性を得ることができるからである。
[外装部材]
外装部材19は、電極体10を収容する外装体として構成される。外装部材19は、例えば、シール樹脂層、金属層および外装樹脂層をこの順に積層しラミネート加工などにより貼り合わせた構造を有するラミネートフィルムである。外装部材19は、例えば図3に示すように、シール樹脂層191側を内側として、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
図3は、外装部材19の構成を示す概略断面図である。外装部材19は、一対の外装シート19A,19Bを有する。外装シート19A,19Bは、電極体10を挟み込んだ状態で相互に一体化される。外装シート19A,19Bは、シール樹脂層191と、接着層192と、金属層193と、外装樹脂層194とをそれぞれ有する。
シール樹脂層191は、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成される。この種の樹脂としては、含フッ素樹脂、含フッ素エラストマ等が挙げられる。含フッ素樹脂としては、例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE, CTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)が挙げられる。含フッ素エラストマとしては、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)、四フッ化エチレン・プロピレンゴム(FEPM)、四フッ化エチレン・パーフルオロメチルビニルエーテルゴム(FFKM)等が挙げられる。
シール樹脂層191は、熱融着層としての機能も有する。外装シート19Aのシール樹脂層191および外装シート19Bのシール樹脂層191は、電極体10の周縁部で相互に融着される。これにより電極体10の周囲に沿って外装部材19の接合部190が形成される。
接着層192は、シール樹脂層191と金属層193とを相互に接着する接着剤で構成される。金属層193は、箔状あるいは板状のアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルあるいは鉄(Fe)などにより構成される。外装樹脂層194は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレンあるいはこれらの共重合体などのポリオレフィン樹脂により構成される。この種の樹脂材料は、水分透過性が低く、気密性にも優れる。また外装樹脂層194は、ポリアミドなどにより構成されてもよい。これにより、破れや突き刺しなどに対する強度を高くすることができる。
外装部材19と正極リード15および負極リード16との間には、正極リード15および負極リード16と、外装部材19の内側との密着性を向上させ、外気の侵入を防止するための密着フィルム17が挿入されている。密着フィルム17は、正極リード15および負極リード16に対して密着性を有する材料により構成されている。正極リード15および負極リード16が上述した金属材料により構成される場合、密着フィルム17は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成される。
なお密着フィルム17は、必要に応じて省略されてもよい。すなわち、外装シート19A,19Bのシール樹脂層191と正極リード15および負極リード16との間に所定の密着性が得られる場合には、密着フィルム17の設置は必ずしも必要ではない。
[選択透過部]
本実施形態の非水電解質電池20は、外装部材19の表面に設けられた選択透過部21を有する。選択透過部21は、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容する機能を有する。これにより電極体10への水蒸気の侵入による電池特性の劣化を防止することができる。また、過放電・過充電時あるいは高温環境下での保存時において電解質層14の分解により発生する二酸化炭素を外装部材19の外部へ放出することができる。これにより内圧の上昇による外装部材19の膨れを抑制することができる。
本実施形態において選択透過部21は、外装部材19の周囲表面である周面に設けられている。すなわち選択透過部21は、外装部材19の接合部190を形成する外装シート19A,19B各々のシール樹脂層191で構成される。
上述のようにシール樹脂層191は、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成される。これにより接合部190において、外装部材19の内部への水分の侵入を防止しつつ、外装部材19の内部で発生した二酸化炭素の外部への放出が可能となる。一方、接合部190を除く外装部材19の表面領域は金属層193を内包しているため、上記表面領域における水蒸気の透過は金属層193によって規制される。
本実施形態では図3に示すように、選択透過部21の厚みTと奥行きDは、電池の形状や大きさ、仕様等に応じて適宜設定される。選択透過部21の厚みTは、典型的には接合部190におけるシール樹脂層191のトータル厚みをいうが、接合部190におけるシール樹脂層191と接着層192とのトータル厚みであってもよい。選択透過部21の奥行きDは、外装シート19Aのシール樹脂層191と外装シート19Bのシール樹脂層191とが相互に密着する接合幅をいう。本実施形態では、選択透過部21の厚みTは約20μm、奥行きDは約2mmである。
水分透過量の上限値と二酸化炭素透過量の下限値は、選択透過部21の面積によって定められる。ここでいう選択透過部21の面積は、接合部190において非水電解質電池20の外部に面するシール樹脂層191(および接着層192)の周面の総面積をいう。選択透過部21の総面積が大きいほど、許容されるべき水蒸気透過量の上限および二酸化炭素透過量の下限はそれぞれ低くなる。
図4は、選択透過部の面積と水蒸気透過率との関係を示す実験結果である。図中、横軸は選択透過部の面積を示し、縦軸は水蒸気透過率および二酸化炭素透過量をそれぞれ示す。直線L1は、上記面積と水蒸気透過率との関係を示し、直線L2は、上記面積と二酸化炭素透過量との関係を示す。実験では、選択透過部の構成材料をポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)とし、厚みを50μmとした。図4において、二酸化炭素透過量を例えば5872L/day/atmとしたとき、選択透過部の最小面積は2.2mm2となる。
水蒸気および二酸化炭素の透過量は、選択透過部21を構成するシール樹脂層191の種類に応じて異なるが、ポリイミド系の樹脂と比較してフッ素系樹脂の方が、水蒸気と二酸化炭素との選択透過機能が高い。図5はその一例を示す実験結果である。
図5において、サンプル1はポリイミド系樹脂、サンプル2はポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE, CTFE)、サンプル3はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、サンプル4はエチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)である。これらサンプル1〜4について二酸化炭素、水素、水蒸気の透過量を測定した。また、サンプル2〜4については水素の透過量も併せて測定した。
図5の結果から明らかなように、フッ素系樹脂で構成されたサンプル2〜4は、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容することができる。また、サンプル2〜4については二酸化炭素だけでなく、酸素および水素の透過量が水蒸気よりもはるかに大きい。したがってこれらフッ素系の樹脂で選択透過部21を構成することにより、水蒸気の侵入による電池特性の劣化を防止しつつ、二酸化炭素、酸素、水素等の電解質分解ガスを外部へ放出して外装部材19の膨れを抑制することができる。
<第2の実施形態>
図6(A),(B)は本技術の第2の実施形態に係る非水電解質電池を示す概略図であり、(A)は部分分解斜視図、(B)は正面図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
本実施形態の非水電解質電池30は、電極体10と、電極体10を収容する外装部材29と、選択透過部31とを備える。
外装部材29は、一対の外装シート29A,29Bと、シール樹脂層291とを有する。外装シート29A,29Bは、電極体10およびシール樹脂層291を挟み込んだ状態で相互に一体化される。外装シート29A,29Bは、内挿側から順に接着層、水蒸気バリア性を有する金属層、外装樹脂層等をそれぞれ有する。
シール樹脂層291は、外装シート29Bの内面に一体的に接着され、電極体10を埋没させることが可能な適度な厚みを有する。シール樹脂層291は、電極体10を挟み込んだ状態で外装シート29Aと一体的に接合される。
シール樹脂層291は、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成される。この種の樹脂としては、含フッ素樹脂、含フッ素エラストマ等が挙げられる。含フッ素樹脂としては、例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE, CTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)が挙げられる。含フッ素エラストマとしては、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)、四フッ化エチレン・プロピレンゴム(FEPM)、四フッ化エチレン・パーフルオロメチルビニルエーテルゴム(FFKM)等が挙げられる。
選択透過部31は、外装部材29の周囲表面である周面に設けられ、その周面に沿って露出するシール樹脂層201の端面で構成される。このような構成によっても、上述の第1の実施形態と同様に、水蒸気の侵入による電池特性の劣化を防止しつつ、二酸化炭素、酸素、水素等の電解質分解ガスを外部へ放出して外装部材29の膨れを抑制することができる。
<第3の実施形態>
図7および図8は、本技術の第3の実施形態による非水電解質電池を示す概略斜視図である。以下、第1および第2の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
図7に示す非水電解質電池40は、外装部材29の周囲表面である周面の一部に選択透過部41を有する。選択透過部41は、外装部材29の周面の一部に形成した開口部h1を閉塞するように配置された樹脂材料で構成される。上記樹脂材料としては、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂が用いられる。これにより水蒸気の侵入による電池特性の劣化を防止しつつ、二酸化炭素、酸素、水素等の電解質分解ガスを外部へ放出して外装部材29の膨れを抑制することができる。開口部h1は、正極リード15および負極リード16の間に形成される。
図8に示す非水電解質電池50は、外装部材29の表面の一部に選択透過部51を有する。選択透過部51は、外装シート29Aに形成した開口部h2を閉塞するように配置された樹脂材料で構成される。上記樹脂材料としては、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂が用いられる。これにより水蒸気の侵入による電池特性の劣化を防止しつつ、二酸化炭素、酸素、水素等の電解質分解ガスを外部へ放出して外装部材29の膨れを抑制することができる。開口部h2は、外装シート29Aの上面の例えば隅部に形成される。
選択透過部41,51を構成するフッ素系の樹脂としては、例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE, CTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)が挙げられる。含フッ素エラストマとしては、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)、四フッ化エチレン・プロピレンゴム(FEPM)、四フッ化エチレン・パーフルオロメチルビニルエーテルゴム(FFKM)等が挙げられる。
選択透過部41,51は、外装部材29の表面に配置されてもよいし、外装部材29の内部に配置されてもよい。また、選択透過部41,51の位置、形状、大きさ等は特に限定されず、仕様に応じて適宜設定可能である。また、外装部材29の表面に選択透過部が複数設けられてもよい。
<第4の実施形態>
以上のように構成された非水電解質電池は、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置等の機器に搭載され又は電力を供給するために使用することができる。
電子機器としては、例えばノート型パーソナルコンピュータ、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコンディショナ、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い機、洗濯機、乾燥機、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナ、信号機等が挙げられる。この場合、非水電解質電池から電力の供給を受ける受電回路としては、IC部品、発光部品などの各種電気・電子部品、これら部品が実装された回路基板、モータ等のアクチュエータ等が挙げられる。
電動車両としては、例えば鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)等が挙げられ、これらの駆動用電源又は補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用又は発電設備用の電力貯蔵用電源等が挙げられる。
以下、代表として電池パックを例に挙げて説明する。
図9は、二次電池を有する電池パックの回路構成例を示すブロック図である。電池パック300は、主として、セル301と、スイッチ部304と、制御部310と、これらを支持するパッケージ体320とを有する。
電池パック300は、正極端子321および負極端子322を有し、充電時には正極端子321および負極端子322がそれぞれ充電器の正極端子および負極端子に接続されることで充電される。また、電子機器の使用時には、正極端子321および負極端子322がそれぞれ電子機器の正極端子および負極端子に接続されることで放電し、電子機器内の受電回路に電力を供給する。
セル301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続した組電池で構成される。この二次電池301aは、第1の実施形態で説明された非水電解質電池20が適用される。なお図9では、6つの二次電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部304は、充電制御スイッチ302aおよびダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303aおよびダイオード303bを備え、スイッチ制御部314によって制御される。
ダイオード302bは、正極端子321からセル301の方向に流れる充電電流に対しては逆方向であり、負極端子322からセル301の方向に流れる放電電流に対しては順方向である極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対しては順方向であり、放電電流に対しては逆方向である極性を有する。なおスイッチ部304は正極端子321側に設けられているが、負極端子322側に設けられてもよい。
充電制御スイッチ302aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFとされ、セル301の電流経路に充電電流が流れないように制御部310によって制御される。充電制御スイッチ302aがOFFとされた後、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFとされ、セル301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFとされ、セル301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aがOFFとされた後、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFとされ、セル301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
温度検出素子308は、例えばサーミスタであり、セル301の近傍に設けられ、セル301の温度を測定して測定温度を温度測定部318へ供給する。温度測定部318では、温度検出素子308を用いて測定された温度に関する情報を制御部310へ供給する。制御部310は、温度測定部318の出力に基づいて異常発熱時の充放電制御や、残容量の算出における補正を行う。
電圧測定部311は、セル301およびそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して制御部310へ供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310へ供給する。
スイッチ制御部314は、制御部310によって制御され、電圧測定部311および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、セル301のいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったときに、又は大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304の制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
ここで、リチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧は例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧は例えば2.4V±0.1Vと定められる。
充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aには、例えばMOSFETなどの半導体スイッチが使用される。この場合、MOSFETの寄生ダイオードがダイオード部302b,303bとして機能する。充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aとしてPチャンネル型FETを使用した場合、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。
充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aがPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONとされる。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとされ、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをOFF状態とされる。
メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等からなる。メモリ317では、制御部310に演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値などが予め記憶され、適宜、書き換えも可能である。また、二次電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明したが、これに限られず、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム−二酸化マンガン電池、リチウム−硫化鉄電池およびこれら電池用のセパレータにも、本発明は適用可能である。
また以上の実施形態では、巻回構造を有する非水電解質二次電池について説明したが、これ以外にも、正極および負極を折り畳んだ構造あるいは積み重ねた構造を有する電池にも同様に適用可能である。加えて、いわゆるコイン型、ボタン型、角型などの電池にも本発明は適用可能である。さらに、二次電池に限定だけでなく、一次電池にも本発明は適用可能である。
さらに、上記選択透過部を構成するフッ素系の樹脂には二酸化炭素の吸着剤が添加されてもよい。これにより、二酸化炭素の透過機能だけでなく吸収機能も図れるため、内圧の上昇による外装体の膨れをさらに低減することができる。上記吸着剤としては、例えば金属錯体が挙げられる。
10…電極体
11…正極
12…負極
13…セパレータ
14…電解質層
20,30,40,50…非水電解質電池
19,29…外装部材
21,31,41,51…選択透過部
300…電池パック

Claims (7)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された非水電解質とを有する電極体と、
    前記電極体を収容する外装体と、
    前記外装体の表面の少なくとも一部に設けられ、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成された選択透過部と
    を具備する非水電解質電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解質電池であって、
    前記選択透過部は、前記外装体の周囲に設けられる
    非水電解質電池。
  3. 請求項2に記載の非水電解質電池であって、
    前記外装体は、
    水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成された、前記電極体を挟み込む一対のシール樹脂層と、
    前記一対のシール樹脂の表面にそれぞれ形成された一対の水蒸気バリア層と、
    前記一対の水蒸気バリア層の表面にそれぞれ形成された一対の外装樹脂層とを有し、
    前記選択透過部は、前記電極体の周囲において前記一対のシール樹脂層が相互に接合された接合部に設けられる
    非水電解質電池。
  4. 請求項1に記載の非水電解質電池であって、
    前記外装体は、開口部を有する水蒸気バリア層を含み、
    前記選択透過部は、前記開口部を閉塞するように前記外装体に配置される
    非水電解質電池。
  5. 請求項1に記載の非水電解質電池であって、
    前記フッ素系の樹脂は、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびエチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)のいずれかである
    非水電解質電池。
  6. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された非水電解質とを有する電極体と、前記電極体を収容する外装体と、前記外装体の表面の少なくとも一部に設けられ、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成された選択透過部とを有する非水電解質電池と、
    前記非水電解質電池の充放電を制御する制御部と、
    前記非水電解質電池と前記制御部とを支持するパッケージ体と
    を具備する電池パック。
  7. 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された非水電解質とを有する電極体と、前記電極体を収容する外装体と、前記外装体の表面の少なくとも一部に設けられ、水蒸気の透過を規制しつつ二酸化炭素の透過を許容するフッ素系の樹脂で形成された選択透過部とを有する非水電解質電池と、
    前記非水電解質電池から電力の供給を受ける受電回路と
    を具備する電子機器。
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