JP6634671B2 - 二次電池、電動車両、蓄電システム、および製造方法 - Google Patents

二次電池、電動車両、蓄電システム、および製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電池の安全機構等に関し、特に、電池内でガスが発生するような異常時においても、電池の熱暴走等を防いで電池を安全に停止させることができる二次電池、電動車両、蓄電システム、および製造方法に関する。
近年、電子機器や自動車等の電源として用いられる電池には、小型化および軽量化が強く要求されており、電池の外装体に関しても、従来の金属缶に代わり、ラミネートフィルムを使用するものが多くなってきている。ラミネートフィルムとしては、金属薄膜としてアルミニウムを、熱融着性樹脂フィルムとして電池外側表面にナイロン(登録商標)を、内側表面にポリエチレンやポリプロピレンを用いたものなどが一般的である。フィルム外装電池は、このようなラミネートフィルムからなる外装体(「フィルム外装体」ともいう)の内部に、電池要素を電解液とともに収納したものである。電池要素からは正極および負極の電極タブが引き出され、各電極タブは、フィルム外装体の外側に延出する構成となっている。
ところで、フィルム外装電池における安全対策の1つとして、従来、フィルム外装体内でガスが発生しその圧力が所定以上となった場合に圧力開放を行う圧力開放機構を設けることが提案されている。例えば特許文献1では、意図しない位置でガスの放出が行なわれないよう、再現性よくガス抜き機構を動作させることを目的として、フィルム外装体に、優先的に剥離する突出形状の熱溶着部を形成することが開示されている。
同文献の構成によれば、ガスが発生してフィルム外装体が膨張した場合に、この突出形状の熱溶着部において応力集中が発生し、それにより、当該部分が優先的に剥離することとなるので、再現性よくガス抜き機構を動作させることが可能となる。
特開2002−298795号
上記特許文献1のように、異常時に、電池内のガスを適宜放出して圧力開放を行うことは電池の安全性の1つの観点として重要である。他方、リチウムイオン電池等においては、電池内部の特定部材が発熱しその発熱がさらに他の部材の発熱を引き起こす「熱暴走」が起こる可能性があるので、熱暴走の発生を防止して電池をより安全に停止させることができる安全機構の開発が望まれる。
本願発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電池内でガスが発生するような異常時においても電池の熱暴走等の発生を防いで電池を安全に停止させることが可能な二次電池、電動車両、蓄電システム、および製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一形態に係る電池は、次のとおりである:
電池要素と、
前記電池要素を電解質とともに収容する外装体と、
前記電池要素に接続された正極および負極の電極タブと、
を備える二次電池であって、
さらに、
前記外装体の外周の封止部から突出部または離間した位置において外装体の内部の互いに対向する面どうしを部分的に溶着した剥離可能シール部と、
その一方が前記電極タブに固定され、他方が前記剥離可能シール部に当接する第1のコンタクト部材と、
を備えている、二次電池。
(用語の説明)
「二次電池」には、ラミネートフィルムなどのフィルム外装体を用いるもの(フィルム外装電池)に加え、金属缶や樹脂ケースのような硬質の容器を外装体として用いるものも含まれる。電池の外形形状としては、扁平型(薄型)、角型、円筒型等が挙げられる。
「フィルム外装体」とは、可撓性を有するフィルムで構成され電池要素を収容する外装体のことをいい、2枚のフィルムを対向配置して互いに溶着することにより電池要素を密閉するものであってもよいし、1枚のフィルムを折り返して対向した面どうしを溶着することにより電池要素を密閉するものであってもよい。
「フィルム外装電池」とは、電池要素を電解質(一例で電解液。ゲル状のものを含む。)とともにフィルム外装体に収容した電池のことをいい、一般的には、全体として偏平な形状をしている。例えば電動車両用の電池では、容量が大きいこと、内部抵抗が低いこと、放熱性が高いこと等が要求されるところ、フィルム外装電池はこれらの点で有利である。1つのフィルム外装電池を「電池セル」または単に「セル」を称することもある。
「外装体」に関し、単に外装体と言った場合には、可撓性を有しないもの(例えばハードケース)と、上記フィルム外装体のように可撓性を有するものとの両方を含む。
「電源部」(組電池)は、車両や所定のシステム等に利用可能なものであって、複数の二次電池(セル)を備える。複数のセルは、幾つかのセルごとにサブアセンブリして搭載されてもよいし、そうでなくてもよい。幾つかのセルごとにサブアセンブリして搭載するものとしては、例えば、幾つかのセルを所定のケース内に収容した「電池パック」を作製し、それを1つまたは2つ以上搭載するような構成であってもよい。
本発明によれば、電池内でガスが発生するような異常時においても、電池の熱暴走を防いで発火や異常発熱を未然に防止できる二次電池、電動車両、蓄電システム、および製造方法等を提供できる。
フィルム外装電池の斜視図である。 図1の電池の断面の一部を示す断面図である。 本発明の一形態に係る電池の電極タブ周辺の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の一形態にフィルム外装電池の短絡機構の一例を示す図である。 図4の短絡機構の斜視図である。 フィルム外装電池の短絡機構の他の一例を示す図である。 フィルム外装電池の短絡機構のさらに他の一例を示す図である。 フィルム外装電池の短絡機構の別の一例を示す図である。 フィルム外装電池の短絡機構のさらに別の一例を示す図である。 図9の短絡機構の斜視図である。 フィルム外装電池の通電遮断機構の一例を示す図である。 フィルム外装電池の通電遮断機構の他の一例を示す図である。 短絡機構と通電遮断機構を有する構成の一例を示す図である。 製造方法の一例を示す図である。 蓄電システムの模式図である。 電動車両の模式図である。
1.フィルム外装電池の基本的な構成
フィルム外装電池の基本的な構成について、図1〜図3を参照して説明する。なお、後述するように本発明に係る電池は外装体内に異常時に電極タブどうしを短絡させる短絡機構等が設けられていることを特徴の1つとするが、説明の都合上、図2、図3ではそれらの図示は省略している。
以下ではフィルム外装電池を例に挙げて説明するが、本発明は、ガスの発生により膨張して剥離する溶着部を有するものであれば、必ずしもフィルム外装電池に限定されるものではない点に留意されたい。本発明自体は、必ずしも積層型の電池に限らず捲回型の電池にも適用しうるものである。本発明の技術的思想の1つとしては、ガスが所定以上発生したことをトリガとして作動する電極タブの短絡機構および/または通電遮断機構(詳細下記)を用いて電池を安全に停止させる点にある。したがって、そのような技術を適用しうるものであれば、二次電池の形状および構造はどのようなものであってもよい。例えば、円筒型、捲回型、偏平捲回ラミネート型、積層ラミネート型等の電池が挙げられる。
本発明の一形態に係るフィルム外装電池50は、図1〜図3に示すように、電池要素20と、それを電解液と一緒に収容するフィルム外装体10と、電池要素20に接続されるとともにフィルム外装体10の外部に引き出された正極タブ21および負極タブ25(以下、これらを単に「電極タブ」ともいう)とを備えている。
電池要素20は、それぞれ電極材料が両面に塗布された金属箔からなる複数の正極と複数の負極とがセパレータを間に挟んで交互に積層されたものである。電池要素20の全体的な外形は、特に限定されるものではないが、この例では偏平な略直方体である。
詳細な図示は省略するが、正極および負極はそれぞれ外周の一部に部分的に突出した延長部を有している。正極の延長部と負極の延長部とは、正極および負極を積層したときに互いに干渉しないように位置をずらして互い違いに配置されている。すべての負極の延長部は一つに集められて負極タブと接続され、同様に、正極の関しても、すべての正極の延長部が一つに集められて正極タブと接続される。このように延長部どうし積層方向に1つに集められた部分は「集電部」などとも呼ばれる。図3では、正極および負極の集電部が符号18a、18bで例示されている。集電部18a、18bと電極タブ21、25との接続は、抵抗溶接、超音波溶接、レーザー溶接、カシメ、導電性接着剤による接着等を採用することができる。
電極タブ21、25としては種々の材質を採用しうるが、一例として、正極タブ21がアルミニウムまたはアルミニウム合金で、負極タブ25が銅またはニッケルである。負極タブ25の材質が銅の場合、表面にニッケルめっきが施されてもよい。
電池要素の各要素に関しては、具体的には以下のようなものを採用してもよい。
<セパレータ>
セパレータとしては、有機材料からなるウェブおよびシート、例えば、セルロースなどの織布、不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリイミド、多孔性ポリフッ化ビニリデン膜等の多孔性ポリマー膜、またはイオン伝導性ポリマー電解質膜等を用いることができる。これらは単独または組み合わせで使用することができる。
また、セパレータとして、セラミックやガラスなどの無機材料からなるセパレータを使用することもできる。無機セパレータとしては、アルミナ、アルミナ−シリカ、チタン酸カリウム等のセラミック短繊維からなる不織布セパレータ、または、織物、不織布、紙または多孔質のフィルムからなる基材と耐熱性含窒素芳香族重合体およびセラミック粉末を含む層とからなるセパレータ、または、表面の一部に耐熱層が設けられており、この耐熱層が、セラミック粉末を含有する多孔質薄膜層、耐熱性樹脂の多孔質薄膜層、またはセラミック粉末と耐熱性樹脂の複合体からなる多孔質薄膜層セパレータ、または、セラミック物質の1次粒子の一部が焼結もしくは溶解再結晶結合されてなる2次粒子がバインダーによって結合されてなる多孔膜の層を備えるセパレータ、または、ポリオレフィン多孔質膜から成る基材層と、この基材層の片面又は両面に形成された耐熱絶縁層を備え、この耐熱絶縁層が、耐酸化性セラミックス粒子と耐熱性樹脂を含むセパレータ、または、セラミックス物質とバインダーが結合して形成される多孔性膜を含み、セラミックス物質として、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、チタン酸化物(TiO)、シリコン(Si)の窒化物、アルミニウム(Al)の水酸化物、ジルコニウム(Zr)のアルコキシド化物、チタン(Ti)のケトン化合物を用いたセパレータ、または、ポリマー基材と、このポリマー基材に形成されたAl、MgO、TiO、Al(OH)、Mg(OH)、Ti(OH)のセラミック含有コーティング層を含むセパレータなどが挙げられる。
<負極>
負極は、金属箔で形成される負極集電体と、負極集電体の両面に塗工された負極活物質とを有する。負極活物質は負極用結着材によって負極集電体を覆うように結着される。負極集電体は、負極端子と接続する延長部を有して形成され、この延長部には負極活物質は塗工されない。
本実施形態における負極活物質は、特に制限されるものではなく、例えば、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る炭素材料(a)、リチウムと合金可能な金属(b)、およびリチウムイオンを吸蔵、放出し得る金属酸化物(c)等が挙げられる。
炭素材料(a)としては、例えば、炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物等が挙げられる。ここで、結晶性の高い炭素は、電気伝導性が高く、銅などの金属からなる負極集電体との接着性および電圧平坦性が優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。
金属(b)としては、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La、またはこれらの2種以上の合金等が挙げられる。また、これらの金属又は合金は2種以上混合して用いてもよい。また、これらの金属又は合金は1種以上の非金属元素を含んでもよい。
本実施形態では、負極活物質としてスズ若しくはシリコンを含むことが好ましく、シリコンを含むことがより好ましい。その理由として、スズやシリコンは1原子あたり最大4.4個のLi原子を収蔵できるため容量が大きく、また元素自体が多方面で使用されている実績があり、取り扱いが容易なためである。さらにシリコンは、スズよりも軽い元素であるため、単位重量あたりの容量が高い。
金属酸化物(c)としては、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウム、またはこれらの複合物等が挙げられる。本実施形態では、負極活物質として酸化スズ若しくは酸化シリコンを含むことが好ましく、酸化シリコンを含むことがより好ましい。これは、酸化シリコンは、比較的安定で他の化合物との反応を引き起こしにくいからである。また、金属酸化物(c)に、窒素、ホウ素およびイオウの中から選ばれる一種または二種以上の元素を、例えば0.1〜5質量%添加することもできる。こうすることで、金属酸化物(c)の電気伝導性を向上させることができる。
金属酸化物(c)は、その全部または一部がアモルファス構造を有することが好ましい。アモルファス構造の金属酸化物(c)は、他の負極活物質である炭素材料(a)や金属(b)の体積膨張を抑制することができる。このメカニズムは明確ではないが、金属酸化物(c)がアモルファス構造であることにより、炭素材料(a)と電解液の界面への皮膜形成に何らかの影響があるものと推定される。また、アモルファス構造は、結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する要素が比較的少ないと考えられる。なお、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有することは、エックス線回折測定(一般的なXRD測定)にて確認することができる。具体的には、金属酸化物(c)がアモルファス構造を有しない場合には、金属酸化物(c)に固有のピークが観測されるが、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有する場合が、金属酸化物(c)に固有ピークがブロードとなって観測される。
また、金属(b)はシリコンであり、金属酸化物(c)は酸化シリコンであることが好ましい。つまり、負極活物質は、シリコン、酸化シリコン及び炭素材料の複合体(以下、Si/SiO/C複合体とも称す)からなることが好ましい。また、あらかじめ、負極活物質が、リチウムを化学的・熱的にドープした材料を用いることも可能である。例えば、化学的ドープは、リチウム金属あるいはリチウム化合物を含んだ溶媒と還元剤を用いて、活物質に強制的にリチウムをドープする方法で得られることが出来る。また、熱ドープは、負極活物質とリチウム金属を接触させ、全体を温めることによって、負極活物質にリチウムをドープさせることが出来る。
Si/SiO/C複合体において、例えば、酸化シリコンの全部または一部がアモルファス構造であり、シリコンはその全部または一部が酸化シリコン中に分散している。このようなSi/SiO/C複合体は、例えば、特開2004−47404号公報で開示されているような方法で作製することができる。すなわち、Si/SiO/C複合体は、例えば、酸化シリコンをメタンガスなどの有機物ガスを含む雰囲気下でCVD処理を行うことで得ることができる。このような方法で得られるSi/SiO/C複合体は、シリコンを含む酸化シリコンからなる粒子の表面がカーボンで被覆された形態となる。また、シリコンは酸化シリコン中にナノクラスター化している。
Si/SiO/C複合体において、炭素材料、シリコンおよび酸化シリコンの割合は、特に制限はない。炭素材料は、Si/SiO/C複合体に対し、2質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは2質量%以上30質量%以下である。シリコンは、Si/SiO/C複合体に対し、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上50質量%以下とすることがより好ましい。酸化シリコンは、Si/SiO/C複合体に対し、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、40質量%以上70質量%以下とすることがより好ましい。
また、Si/SiO/C複合体は、炭素材料、シリコンおよび酸化シリコンの混合物からなることができる。例えば、Si/SiO/C複合体は、それぞれの炭素材料、シリコンおよび酸化シリコンが粒子状のものを混合して得ることができる。例えば、シリコンの平均粒子径は、炭素材料の平均粒子径および酸化シリコンの平均粒子径よりも小さい構成とすることができる。このようにすれば、充放電時に伴う体積変化の大きいシリコンが相対的に小粒径となり、体積変化の小さい炭素材料や酸化シリコンが相対的に大粒径となるため、デンドライト生成および合金の微粉化がより効果的に抑制される。また、充放電の過程で大粒径の粒子、小粒径の粒子、大粒径の粒子の順にリチウムが吸蔵、放出されることとなり、この点からも、残留応力、残留歪みの発生が抑制される。シリコンの平均粒子径は、例えば20μm以下とすることができ、15μm以下とすることが好ましい。
負極用結着剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸等を用いることができる。中でも、結着性が強いことから、ポリイミドまたはポリアミドイミドが好ましい。使用する負極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、負極活物質100質量部に対して、5〜25質量部が好ましい。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
<正極>
正極は、金属箔で形成される正極集電体と、正極集電体の両面に塗工された正極活物質とを有する。正極活物質は正極用結着剤によって正極集電体を覆うように結着される。正極集電体は、正極端子と接続する延長部を有して形成され、この延長部には正極活物質は塗工されない。
正極活物質としては、LiMnO、LixMn(0<x<2)、LiMnO、LixMn1.5Ni0.5(0<x<2)等の層状構造を持つマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、LiCoO、LiNiOまたはこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの、LiNi1/3Co1/3Mn1/3などの特定の遷移金属が半数を超えないリチウム遷移金属酸化物、これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの、LiFePOなどのオリビン構造を有するもの、等が挙げられる。また、これらの金属酸化物に、Al、Fe,P,Ti,Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La等により一部置換した材料も使用することができる。特に、LiαNiβCoγAlδ(1≦α≦2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)またはLiαNiβCoγMnδO2(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)が好ましい。正極活物質は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ラジカル材料等を正極活物質として用いることも可能である。
正極用結着剤としては、負極用結着剤と同様のものと用いることができる。使用する正極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、正極活物質100質量部に対して、2〜15質量部が好ましい。
正極集電体としては、負極集電体と同様のものを用いることができる。
正極活物質の塗工層には、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子が挙げられる。
<電解液>
本実施形態で用いる電解液は、リチウム塩(支持塩)と、この支持塩を溶解する非水溶媒を含む非水電解液を用いることができる。
非水溶媒としては、炭酸エステル(鎖状又は環状カーボネート)、カルボン酸エステル(鎖状又は環状カルボン酸エステル)、リン酸エステル等の非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
炭酸エステル溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類;プロピレンカーボネート誘導体が挙げられる。
カルボン酸エステル溶媒としては、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
これらの中でも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の炭酸エステル(環状または鎖状カーボネート類)が好ましい。
リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等が挙げられる。
また、非水電解液に含有できる溶媒としては、その他にも、例えば、エチレンサルファイト(ES)、プロパンサルトン(PS)、ブタンスルトン(BS)、Dioxathiolane−2,2−dioxide(DD)、スルホレン、3−メチルスルホレン、スルホラン(SL)、無水コハク酸(SUCAH)、無水プロピオン酸、無水酢酸、無水マレイン酸、ジアリルカーボネート(DAC)、2,5−ジオキサヘキサンニ酸ジメチル、2,5−ジオキサヘキサンニ酸ジメチル、フラン、2,5−ジメチルフラン、ジフェニルジサルファイド(DPS)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン、クロロエチレンカーボネート、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、ジエチルエーテル、フェニルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、テトラヒドロピラン(THP)、1,4−ジオキサン(DIOX)、1,3−ジオキソラン(DOL)、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルジフルオロアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、メチルフォルメイト、エチルフォルメイト、エチルブチレート、イソプロピルブチレート、メチルイソブチレート、メチルシアノアセテート、ビニルアセテート、ジフェニルジスルフィド、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、アジポニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、イソブチロニトリル、ビフェニル、チオフェン、メチルエチルケトン、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、カーボネート電解液、グライム、エーテル、アセトニトリル、プロピオンニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)イオン液体、ホスファゼン、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、又は、これらの化合物の一部の水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。
本実施形態における支持塩としては、LiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO等の通常のリチウムイオン電池に使用可能なリチウム塩を用いることができる。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
非水溶媒は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
<外装体>
外装体としては、電解液に安定で、かつ十分な水蒸気バリア性を持つものであれば、適宜選択することができる。例えば、積層ラミネート型の二次電池の場合、外装体としては、アルミニウムと樹脂のラミネートフィルムを用いることが好ましい。外装体は、単一の部材で構成してもよいし、複数の部材を組み合わせて構成してもよい。
本実施形態では、図1に示すように、フィルム外装体10は、第1のフィルム11とそれに対向配置された第2のフィルム12とで構成されるものであってもよい。フィルム外装体10の輪郭形状は特に限定されるものではないが、四角形であってもよく、この例では長方形となっている。両フィルム11、12は、電池要素20の周囲で互いに熱溶着されて接合されている。これにより、フィルム外装体10の周縁部が熱溶着部15となっている。
熱溶着部15のうち短辺側の一辺から、正極タブ21および負極タブ25が引き出されている。正極タブ21および負極タブ25は平行であることが一形態において好ましいが、本発明はこれに限定されない。なお、図3のように、一方のフィルム11にカップ部が形成されるとともに他方のフィルム12にはカップ部が形成されていない構成としてもよいし、両方のフィルム11、12にカップ部を形成する構成(不図示)としてもよい。
2−1.電極タブの短絡機構
本発明の一形態に係るフィルム外装電池は、フィルム外装体が所定以上に膨張した場合に予め設定された溶着部(これを「剥離可能シール部」という)が剥離し、その剥離をきっかけとして電池の電気的接続状態の切替えが行われるものである。この電気的接続状態の切替機構としては、大別すると、(i)異常時に電極タブどうしを計画的に短絡させる「短絡機構」と、(ii)異常時に、電極タブを非通電状態として電池を機能させなくする「通電遮断機構」とがある。以下、幾つかの例を図面を参照しながら説明する。
以下の説明中、図面に同一の部材が複数描かれている場合に、その説明として、例えば「部材A1、A2は金属製で、長方形に形成されている。」のような記載をすることがあるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、両部材が厳密に同じ材料、同じ形状に形成されていなくてもよいことは当業者であれば理解されよう。
(第1の実施形態)
図4、図5は第1の実施形態のフィルム外装電池の例を示している。この例では、フィルム外装体10の内部に、フィルム外装体10の内部の互いに対向する面どうしを部分的に溶着した剥離可能シール部115が形成されている。この剥離可能シール部115と、後述する第1のコンタクト部材111および第2のコンタクト部材113とにより、本実施形態の短絡機構110Aが構成されている(図4(a)、図5参照)。
剥離可能シール部115は、フィルム外装体10内でガスが発生してフィルム外装体10が所定以上に膨張した際に、他の溶着部(ここではフィルムの周縁の熱溶着部15)に優先して剥離する溶着部である。剥離可能シール部115は、このように優先的な剥離が行われるものである限り、どのような形状であっても構わないが、本実施形態では、比較的シール面積の小さいシール部として設けられている。
剥離可能シール部115の輪郭形状は、限定されるものではないが、円形、楕円形、多角形、矩形、三角形、もしくは線状、または、それらのうち少なくとも2つの組合せ等であってもよい。剥離可能シール部115は、電極タブ21、25の間の領域に形成されている。図4の例では、具体的には、剥離可能シール部115は電極タブ21、25の間のちょうど中間付近に位置している。
剥離可能シール部115が優先的に剥離するための原理としては、どのようなものであっても構わないが、例えば、剥離可能シール部115に応力が集中することにより当該部分が優先的に剥離するもの、または、熱溶着の強度を部分的に低くすることで当該部分が優先的に剥離するもの、または、これらの組合せ等であってもよい。
剥離可能シール部115が完全に剥離する設定圧力は、フィルム外装体10のサイズやフィルムの可撓性などにも依存するが、一例で、大気圧からの上昇分として0.05MPa〜1.00MPa、より好ましくは、0.1MPa〜0.2MPaであってもよい。この圧力が低すぎると、一時的に大電流が流れたり一次的に高温になったりしたときなどであっても後述する短絡機構等が作動してしまい、電池が動作しなくなるという不具合を招く。一方、開放圧力が高すぎると、意図しない他の部位でフィルム外装体10が開口してしまう可能性もある。
剥離可能シール部115は、周縁の熱溶着部15を形成する工程の中でその熱溶着部15と同時に形成してもよいし、それとは別の工程で形成してもよい。
(架橋構造の剥離可能シール部)
なお、本発明の一形態においては、特許4232038号に開示されるような架橋構造のシール部(熱溶着部)を利用することもできる。この構造では、フィルムの熱溶着部の一部に架橋処理された樹脂からなる架橋構造部が形成されていることを1つ特徴とするも。このような構成によれば、熱溶着部に引き剥がし応力が作用した際、架橋構造部が形成された領域では他の領域と比較して小さな力で剥離する。したがって、電池の内圧上昇によって熱溶着部に引き剥がし応力が作用すると、架橋構造部が形成された領域において、対向する外装フィルムの界面で優先的に剥離が進行する。その結果、剥離位置および圧力開放位置が特定され、このことから開放圧力の設定も容易になる。
架橋構造部は、対向するフィルムのうちいずれか一方の樹脂層に形成すればよい。架橋構造部は、優先的に剥離させたい領域を少なくとも含むような領域に形成されていればよい。一方のフィルムの樹脂層にこのような架橋構造部を形成し、その架橋構造部が、それに対向する相手方のフィルムの樹脂層と溶着される。
架橋構造部を形成するための手法としては従来公知の種々のものを利用しうるが、例えば、樹脂層に電子線を照射することによって形成することができる。熱溶着性樹脂の架橋方法としては、樹脂に架橋剤を添加する方法もあるが、電子線を利用することによって、電子線を遮蔽するマスクを用いて容易に、特定の位置のみに選択的に架橋構造部を形成することができる。そのような樹脂層のとしては、熱溶着が可能でありかつ電子線の照射によって架橋構造部を形成できる組成のものが用いられる。そのような樹脂組成物であれば、単独の樹脂、複数種の樹脂の混合物、あるいは、電子線分解型の樹脂であっても電子線反応性化合物を添加(混合・塗布等も含む。以下同様。)した樹脂組成物を用いてもよい。
(コンタクト部材について)
第1および第2のコンタクト部材111、113は、いずれも、基本的には、弾性変形可能な導電性材料(例えば金属材料)である。この例では、各コンタクト部材111、113はそれぞれの基端部が電極タブ21、25上に接続されている。具体的には、各コンタクト部材111、113は、それぞれ対応する電極タブ21、25に片持ち梁状に保持され、先端側が弾性的に屈曲するように構成されている。コンタクト部材111、113は、力が加わっていない状態でストレート状の部材であってもよい。
コンタクト部材111、113と電極タブ21、25との接続は、抵抗溶接、超音波溶接、レーザー溶接、カシメ、導電性接着剤による接着等を採用することができる。または、コンタクト部材と電極タブとを機械的に接続の固定具を利用してもよい。当然ながら、溶接や接着等による方式と、機械的に接続する方式との組合せであってもよい。このような固定具としては、例えば、ネジ/ボルト、リベット、ハトメのような機械的固定具(メカニカルファスナー)等が挙げられる。材質は、樹脂製または金属製のいずれであってもよい。なお、部材どうしの接続に関する上記説明は、本明細書中の他の実施形態におけるコンタクト部材と電極タブとの接続に適用可能であり、さらにはそれ以外に、任意の部材どうしの接続にも適用しうるものであることは、当業者であれば容易に理解できよう。
図4(a)に示されているように、コンタクト部材111、113は、弾性的に屈曲した状態で組み立てられる。具体的には、一方のコンタクト部材111はその先端側の一部が剥離可能シール部115の外周部の一部に押し当たって湾曲しており、他方のコンタクト部材113はそれとは反対方向に湾曲し、先端側の一部が剥離可能シール部115の反対側の一部に押し当たっている。換言すれば、コンタクト部材111、113は、その先端側が互いに近接する方向に付勢された状態で組み立てられている。コンタクト部材111、113間には剥離可能シール部115が存在しているので、電気的な接続はこの状態では行なわれない。
コンタクト部材111、113は、フィルム外装電池の厚み方向に直交する平面(電極タブが延在する面と平行な面)内で屈曲変形するように構成されていることも好ましい。この理由は、コンタクト部材111、113が電池の厚み方向に屈曲する構成の場合、コンタクト部材111、113の可動域を確保するためにある程度のスペースが必要となり、それが電池の薄型化に弊害を及ぼす可能性もあるが、本実施形態のような構成によれば、電池の薄型化の弊害とならないためである。
後述するように、コンタクト部材111、113は、通常時は電気的に接続されておらず、異常時に、セルの電気エネルギーを逃がすために互いに電気的に接続される部材である。したがって、セルの電気エネルギーを熱エネルギーとして効率的に逃がすことができるように、少なくとも一方のコンタクト部材111、113の一部またはコンタクト部材111、113間に抵抗部材(不図示)が設けられていることが好ましい。そのような構成に代えてまたはそのような構成とともに、コンタクト部材111、113の少なくとも一方が、抵抗材料で構成されることにより、それらの部材自体が抵抗として機能する構成とすることも好ましい。この場合、コンタクト部材111、113とは別に抵抗部材を設ける必要がなく部品点数の削減や構成の簡素化の点で有利となりうる。
(動作)
上述のように構成された本実施形態の短絡機構110Aは次のように動作する。まず、高温下での使用や過充電等といった異常によってフィルム外装体10内にガスが発生して外装体10が膨張し始めると、剥離可能シール部115付近においても、対向するフィルムどうしが互いに離れる方向に変形し始める。そして外装体10が所定以上に膨張すると剥離可能シール部115が剥離する。これにより、コンタクト部材111、113の間に介在していた部材が無くなることから、各コンタクト部材111、113がその弾性力によって元の形状に戻り、その一部が互いに接触する。その結果、電極タブ21、25間が短絡し、セルのエネルギーが逃がされる。特には、短絡機構110Aとして抵抗部材(不図示)が設けられている場合、電気エネルギーを熱エネルギーとして効率的に逃がすことができる。
以上説明したような本実施形態の構成によれば、異常時に電池内にガスが発生して外装体10が所定上に膨張した場合に、剥離可能シール部115の剥離をきっかけとして電極タブ21、25間の計画的な短絡を引き起こすことができる。その結果、セルのエネルギーを逃がすことができ、電池を安全に停止させることができる。
以上の実施形態の構成における基本的な技術思想は、電池内でガスが所定以上発生した場合に剥離可能シール部が剥離し、その結果、剥離可能シール部によって変形または移動が制限されていた部材(例えば符号111、113。2つの部材が必須ということではない。)が変形または移動できるようになり、当該部材の変形または移動により、電極タブどうしが電気的に接続されるというものである。これを実現するための具体的な構成としては種々のものが想定される。以下、幾つかの例を挙げて説明する。
(第2の実施形態)
上記実施形態は一対のコンタクト部材111、113を利用するものであったが、本発明の他の形態では1つのコンタクト部材のみが用いられる。この一例を図6に示す。
図6の短絡機構110Bでは、一対のコンタクト部材111、113ではなく、1つのコンタクト部材111−2のみが使用されている。このコンタクト部材111−2は、上記実施形態同様、その基端側の一部が一方の電極タブ21に固定されており、片持ち梁状に保持されている。コンタクト部材111−2は、第1の実施形態のようにストレート状のものであってもよいが、この例では、先端側がわずかに曲げられて屈曲している。そして、この屈曲部が剥離可能シール部115に引っ掛かるように構成されている。コンタクト部材111−2の先端111−2aは、概ね、他方の電極タブ25の集電部18bの方に向かって曲げられている。
このように構成された本実施形態の短絡機構110Bでは、フィルム外装体10が所定以上に膨張した場合に、剥離可能シール部115が先ず剥離する。これにより、コンタクト部材111−2の変形を阻止する部材が無くなることから、コンタクト部材111−2がその弾性力によって変形し、コンタクト部材111−2の先端111−2aが集電部18bの一部に当接する(図6(b)参照)。
集電部18bは、それに接続された電極タブ25と同電位であるので、この状態はすなわち、電極タブ21、25間が短絡することを意味する。したがって、上記実施形態と同様、電極タブ21、25間の短絡によりセルのエネルギーを逃して電池を安全に停止させることができる。
なお、このような構成においても、セルの電気エネルギーを熱エネルギーとして効率的に逃がすことができるように、コンタクト部材111−2の一部またはコンタクト部材111−2と集電部18bとの間に抵抗部材(不図示)が設けられていることが好ましい。前述したのと同様、コンタクト部材111−2を抵抗材料で構成してそれ自体が抵抗として機能するようにしてもよい。
当然ながら、コンタクト部材111−2の形状は適宜変更可能であり、例えば、ストレート形状のコンタクト部材を用いてもよい。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、屈曲したコンタクト部材が他方の電極タブに電気的に接続された集電部に当接する構成を説明したが、図7に示すように、屈曲したコンタクト部材111−3が、図6とは反対方向に付勢されており、剥離可能シール部115が剥離すると、その先端が、他方の電極タブ25に接続されたコンタクト部材113−3に当接するように構成されていてもよい。
コンタクト部材113−3は、必ずしもコンタクト部材113−3のように長い部材(別の言い方をすれば容易に撓むことができる部材)である必要はない。より短く形成され、コンタクト部材113−3が押し当たった際に良好にそれを受け止めることができる程度の剛性を備えたものであってもよい。
このような短いコンタクト部材と電極タブとの接続に関しても、抵抗溶接、超音波溶接、レーザー溶接、カシメ、導電性接着剤による接着等を採用することができる。また、セルの電気エネルギーを熱エネルギーとして効率的に逃がすことができるように、この短いコンタクト部材を抵抗材料で構成してそれ自体が抵抗として機能するようにしてもよい。
(第4の実施形態)
図8は、基本的には短絡の原理が図7の構成と共通する短絡機構110Dを有する構成を示しているが、この例では、剥離可能シール部116の形状がこれまで説明してきたものと異なっている。
この剥離可能シール部116は、フィルム外装体の周縁の熱溶着部15から内側に向かって延在する突出形状の熱溶着部となっている。このような剥離可能シール部116の場合、フィルム外装体10が膨張した際にこの部分で応力集中が生じることとなり、その結果、当該剥離可能シール部116が先端側から徐々に剥離していくこととなる。
剥離可能シール部116の具体的な形状は種々変更可能であり、例えば、図に示すような先端が円弧状に形成されたもののほか、先端側に向かって幅が狭まるような形状(半円、半楕円、台形、三角形等)であってもよい。
初期状態では、コンタクト部材111−4が、弾性変形した状態で、所定の付勢力で剥離可能シール部116の先端部付近に押し付けられている。限定されるものではないが、本実施形態では、剥離可能シール部116の先端形状に合わせて、コンタクト部材111−4の先端側も円弧状にカーブしている。
異常時にフィルム外装体内にガスが発生して外装体が膨張し始めると、剥離可能シール部116に応力が集中して先端側から徐々に剥離していく。そして、剥離可能シール部116が所定の位置まで剥離した段階で、コンタクト部材111−4とコンタクト部材113−4とが当接して、電極タブ間が短絡する。
この実施形態では、剥離可能シール部116の一部に、ガス放出孔116hが形成されている。ガス放出孔116hは、フィルムを貫通する孔として形成されており、シール部116の剥離がガス放出孔116hにまで到達すると、外装体の内部と外部とが当該放出孔116hを介して連通し、これにより、内部のガスがこの孔経由で外部に放出される。
なお、このようなガス放出孔116hは必ずしも必須ではなく、本発明の一態様においては省略することも可能である。また、この実施形態では突出形状のシール部116に設けているが例えば図4のような、周縁の熱溶着部から離れた剥離可能シール部115等に設けてもよい。
(第5の実施形態)
これまでの実施形態では、片持ち梁状に保持された弾性コンタクト部材(113等)を利用する短絡機構について説明したが、図9、図10に示すような伸縮性コンタクト部材114を利用することもできる。
図9、図10の短絡機構110Eでは、バネ状の伸縮性コンタクト部材114が設けられている。コンタクト部材114は、その長さ方向に伸縮自在な本体部114aと、その基端部(図10の図示右側端部)に設けられた取付部材114bと、本体部114aの先端部に取り付けられた当接部材114cとを有している。なお、この形態では、伸縮自在のコンタクト部材を利用する点が特徴の1つであり、当接部材および取付部材は必須の構成ではない。
本体部114aの基端側は、図10に示すように、取付部材114bが電極タブ21に接続されることにより、電極タブ21上に固定されている。この状態で、本体部114aは、反対の電極タブ25の方に向かって延び出している。伸縮性コンタクト部材114はやや圧縮された状態で配置され、その先端(当接部材114c)が剥離可能シール部117に付勢された状態で当接している。
伸縮性コンタクト部材114が延びるその先には、電極タブ25上に配置されたコンタクト部材113−5が形成されている。コンタクト部材113−5は、一例として、電極タブ25の面に接合される平坦部とその平坦部の縁から立ち上がったコンタクト部とを有する形状であってもよい。
剥離可能シール部117の形状は、単なる線状であってもよいが、本実施形態のように略コの字状であってもよい。こうすることで、伸縮性コンタクト部材114の先端の当接部材114cを良好に受けることができる。
取付部材114b/コンタクト部材113−5と電極タブとの接続に関しても、抵抗溶接、超音波溶接、レーザー溶接、カシメ、導電性接着剤による接着等を採用することができる。また、セルの電気エネルギーを熱エネルギーとして効率的に逃がすことができるように、コンタクト部材114の一部、コンタクト部材113−5、またはそれらの間に抵抗部材が設けられていることも好ましい。
高温下での使用や過充電等といった異常によってフィルム外装体内が所定以上に膨張すると剥離可能シール部117先ず剥離する。これにより、伸縮性コンタクト部材114の先端を押さえている部材が無くなるので、伸縮性コンタクト部材114が伸長し、その先端の当接部材114cがコンタクト部材113−5に当接する。これにより、電極タブ間が短絡する。
2−2.通電遮断機構
(第6の実施形態)
上記実施形態はいずれも、フィルム外装体が膨張して剥離可能シール部が剥離した際に、電極タブどうしを短絡させる短絡機構を備えるものであったが、本発明は、他にも、フィルム外装体が膨張して剥離可能シール部が剥離した際に、電極タブを非通電状態とする通電遮断機構を備えるものであってもよい。
図11の通電遮断機構210Aでは、フィルム外装体10内において、電極タブ25が途中で切り離されており、一対の電気的接続部材211−1、213−1を用いて電極タブ25の電通状態が維持されている。
電気的接続部材211−1としては、例えば、図11(b)に示すように、電極タブ25の上面に接合される平坦部211−1aと、そこから電極タブ25に沿う方向に延び出した延出部211−1bとを有するものであってもよい。もう一方の電気的接続部材213−1についてもこれと同様の構成として平坦部213−1aおよび延出部213−1bを有していてもよい。限定されるものではないが、一方の電気的接続部材213−1の延長部213−1bが、他方の延出部211−1bよりも薄く形成され、より撓みやすく構成されていてもよい。
図11(a)に示すように、電気的接続部材211−1の延長部211−1bの背面側に剥離可能シール部215aが形成され、電気的接続部材213−1の延長部213−1aの背面側に別の剥離可能シール部215bが形成されている。そして、各剥離可能シール部215a、215bの位置は、初期状態において延長部213−1bを弾性的に変形させて延長部どうしが互いに接触するような位置に設定されている(図11(a)参照)。
上記のような構成によれば、剥離可能シール部215a、215bの剥離前では通電状態が維持される。しかし、外装体が所定以上に膨張すると剥離可能シール部215a、215bが剥離し、これにより、電気的接続部材211−1、213−1の延長部211−1b、213−1bどうしを当接させておく部材が無くなるので、延長部どうしが離れ(図11(b)参照)、その結果、電極タブ25の通電が遮断される。
(第7の実施形態)
通電遮断機構としては、図12Aに示すようなものを利用してもよい。この通電遮断機構210Bでは、一対の電気的接続部材211−2、213−2については図11と基本的に共通しているが、それらを互いに当接させる手段が異なっている。すなわち、バネ状の弾性体214がやや押し縮められた状態で、電気的接続部材211−2、213−2の延長部と剥離可能シール部215cとの間に配置されている。
バネ状の弾性体214が、一方の電気的接続部材213−2の延長部を他方の電気的接続部材211−2の延長部に向けて付勢することで、延長部どうしが互いに当接して電極タブ25の通電状態が維持される。一方、外装体が所定以上に膨張すると剥離可能シール部215cが剥離し、これにより、圧縮されていた弾性体214の端部を押さえておく部材が存在しなくなるので、弾性体214による電気的接続部材の延長部に対する付勢作用が無くなり、延長部どうしが離れ、その結果、電極タブ25の通電が遮断される。
なお、通電遮断機構と短絡機構との両方を備える構成としてもよい。図12Bに例示する構成では、異常時に電極タブ21、25間を短絡させる短絡機構110Bが設けられるとともに、電極タブ25の通電を遮断する遮断機項210Bが設けられている。このような構成は、より確実に電池の機能を停止させることができるものであり、一形態として、好ましい。
(製造方法について)
(1)短絡機構を備えるフィルム外装電池の製造方法
この方法は、電池要素を用意するステップと;外装体内でガスが発生し当該外装体が所定以上に膨張した場合に、正極の電極タブと負極の電極タブとを電気的に短絡させる短絡機構を設けるステップとを有する。そして、短絡機構を設けるステップでは具体的には次のような工程を行う:
a1:外装体の膨張時に優先的に剥離する剥離可能シール部を形成する工程と、
a2:一方の電極タブに固定され、前記剥離可能シール部が剥離するまでは当該剥離可能シール部に弾性的に当接し、剥離可能シール部が剥離すると変形して、他方の電極タブまたはそれに電気的に接続された部材に当接する第1のコンタクト部材を形成する工程。
(2)通電遮断機構を備えるフィルム外装電池の製造方法
この方法は、電池要素を用意するステップと;外装体内でガスが発生し当該外装体が所定以上に膨張した場合に、電極タブを非通電状態とする通電遮断機構を設けるステップとを有する。そして、通電遮断機構を設けるステップとしては、具体的には次のような工程を行う:
a1:外装体の膨張時に優先的に剥離する剥離可能シール部を形成する工程と、
a2:その剥離可能シールが剥離するまでは互いの一部が当接しており、剥離すると変形して当接していた一部どうしが互いに離れる、一対の電気的接続部材を形成する工程。
(3)短絡機構/通電遮断機構の製造方法
本発明の一形態として説明した短絡機構(一例として図6の短絡機構110B)は、次のような方法で製造することが可能である。これについて図13を参照して説明するが、同図に示される構成が図6から少し変更されているので、まず、この点を説明する。
図13には、電池要素を構成する複数の正極、負極、セパレータ(符号は省略)、および、正極および負極の延長部18a′、18b′が描かれている。符号141は正極の延長部18a′に接続される薄板状の導電性材料であり、その上面の一部に予めコンタクト部材111−2が設けられている。一方、符号145は負極の延長部18b′に接続される薄板状の導電性材料であり、その上面の一部には、コンタクト部材111−2の先端が当接する当接部145aが予め設けられている。
正極および負極のそれぞれの延長部18a′、18b′を例えば超音波接合等を用いて集電する工程において、上記導電性材料141、145をそれぞれ、正極の延長部18a′と正極タブ21との間、負極の延長部18b′と負極タブ25との間に挟み込む。
そして、例えば超音波接合を実施することで、正極の複数の延長部18a′と導電性材料141と正極タブ21とが接合され、負極の複数の延長部18b′と導電性材料145と正極タブ25とが接合される。
このような製造方法によれば、従来より電池の製造で行なわれている電極の延長部(集電部)と電極タブとの接合工程のなかで、短絡機構の製造工程も行うことができるので、作業効率がよい。なお、ここでは、短絡機構の製造の場合を例示したが、このような製造方法は通電遮断機構の製造にも応用可能である。
<その他の発明について>
図14は、本発明の一形態に係る二次電池を利用した蓄電システムの模式図である。蓄電システム1は、その規模の大小は何ら限定されるものではないが、少なくとも1つの二次電池(例えばフィルム外装電池50)を有する電源部1Aと、その充放電の監視・制御などを行う制御装置1Bとを備えている。このような蓄電システム1としては、例えばバックアップ電源であってもよく、大型施設用、事業所用、家庭用など種々のものとすることができる。
図15は、本発明の一形態に係る二次電池を利用した電動車両の模式図である。電動車両2は、少なくとも1つの二次電池(例えばフィルム外装電池50)を有する電源部2Aと、その充放電の監視・制御などを行う制御装置2Bとを備えている。
本発明の一形態に係る二次電池は、例えば、電源を必要とするあらゆる産業分野に利用可能である。一例として、携帯電話、ノートパソコンなどのモバイル機器の電源として利用でき;電気自動車、ハイブリッドカー、電動バイク、電動アシスト自転車などの電動車両の電源として利用でき;電車や衛星や潜水艦などの移動用輸送用媒体の電源として利用でき;電力を貯める蓄電システムとして利用できる。
(付記)
本出願は以下の発明を開示する:
1.電池要素(20)と、
前記電池要素(20)を電解質とともに収容する外装体(10)と、
前記電池要素(20)に接続された正極および負極の電極タブ(21、25)と、
を備える二次電池(50)であって、
前記外装体の外周の封止部から突出部(封止部から突出した突出部、116等)または離間した位置(115等)において、外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが、直接的に溶着された、または、他の部材を介して互いに接合された剥離可能シール部(115、116)と、
その一方が前記電極タブ(21)に固定され、他方が前記剥離可能シール部に当接する第1のコンタクト部材(111、114)と、
を備えている、二次電池(50)。
「直接的に溶着された、または、他の部材を介して互いに接合された」とは、剥離可能なシール部が、例えば、フィルム外装体の内面(樹脂層)どうしを溶着させて形成されたものであってもよいし、そうではなく、他の部材を介在させた状態で融着または接着して接合されたものであってもよいことを意味する。これは、いずれの形態であったとしても、「剥離可能シール部」が他のシール部(封止のためのシール部)よりも優先的に剥離するようになっていれば、本発明による作用効果は同様に得られるためである。
2.前記第1のコンタクト部材(111、114)は、前記電極タブに片持ち梁状に保持された部材(111)である、上記記載の二次電池。
3.前記第1のコンタクト部材(111、114)は、伸縮自在な弾性部材(114)である、上記記載の二次電池。
4.前記第1のコンタクト部材(111、114)は、
前記剥離可能シール部が剥離するまでは当該剥離可能シール部に弾性的に当接し、前記剥離可能シール部が剥離すると変形して、他方の電極タブ(25)またはそれに電気的に接続された部材(113、18b)に当接するように構成されている、
上記記載の二次電池。
5. 他方の電極タブに電気的に接続された前記部材(113、18b)として、前記電極タブに取り付けられた第2のコンタクト部材(113、113−3〜−5)を有する、上記記載の二次電池。
6.他方の電極タブに電気的に接続された前記部材(113、18b)が、前記他方の電極タブが接続される、前記電池要素の集電部(18b)である、上記4に記載の二次電池。
7.前記剥離可能シール部(115、116)は、前記外装体が膨張したときに優先的に剥離するように構成されている、上記記載の二次電池。
8.前記剥離可能シール部(116)に、
さらに、当該剥離可能シール部が剥離すると開口して外装体の内部と外部とを連通させるガス放出孔(116h)が形成されている、上記記載の二次電池。
9.前記剥離可能シール部(115、116)と、
前記第1のコンタクト部材(111、114)と、
を有する短絡機構(110A)が設けられている、上記記載の二次電池。
10.前記短絡機構(110A)が、電気的接続上、前記電極タブの間に配置された抵抗部材を有している、上記記載の二次電池。
なお、「電気的接続上、前記電極タブの間に配置された」とは、物理的な位置関係が「電極タブの間」という意味ではなく、電気回路として捉えたときに「電極タブの間」に抵抗部材が設けられていることを意味する。
11.電池要素(20)と、
前記電池要素(20)を電解質とともに収容する外装体(10)と、
前記電池要素(20)に接続された正極および負極の電極タブ(21、25)と、
を備えるフィルム外装電池(50)であって、
さらに、
前記電極タブの少なくとも一方が切り分けられており、
前記外装体の外周の封止部から突出部または離間した位置において外装体の内部の互いに対向する面どうしを部分的に溶着した剥離可能シール部(115、116)と、
切り分けられた前記電極タブの一方に設けられた第1の部材(211−1)、および、切り分けられた前記電極タブの他方に設けられ前記第1の部材に一部が接する第2の部材(213−1)と、
を備えている、二次電池。
12.電池要素(20)と、
前記電池要素(20)を電解質とともに収容する外装体(10)と、
前記電池要素(20)に接続された正極および負極の電極タブ(21、25)と、
を備える二次電池(50)であって、
さらに、
前記外装体の外周の封止部から突出部または離間した位置において、外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが、直接的に溶着された、または、他の部材を介して互いに接合された第1の剥離可能シール部(115、116)と、
その一方が前記電極タブ(21)に固定され、他方が前記溶着部に当接する第1のコンタクト部材(111、114)と、
を備え、かつ、
前記電極タブの少なくとも一方が切り分けられており、
前記外装体の外周の封止部から突出部または離間した位置において、外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが、直接的に溶着された、または、他の部材を介して互いに接合された、前記第1の剥離可能シール部とは別の第2の剥離可能シール部(115、116)と、
切り分けられた前記電極タブの一方に設けられた第1の部材(211−1)、および、切り分けられた前記電極タブの他方に設けられ前記第1の部材に一部が接する第2の部材(213−1)と、を備えている、二次電池。
13.上記記載の二次電池を複数を有する電源部を備える電動車両。
14.上記記載の二次電池を複数を有する電源部を備える蓄電システム。
15.電池要素を用意するステップと、
外装体の外周の封止部から突出部または離間した位置において外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが直接的または間接的に接合された剥離可能シール部(115、116)を形成するステップと、
その一方が前記電極タブ(21)に固定され、他方が前記溶着部に当接する第1のコンタクト部材(111、114)を設けるステップとを含む、二次電池の製造方法。
この方法では、外装体内でガスが発生し当該外装体が所定以上に膨張した場合に、正極の電極タブと負極の電極タブとを電気的に短絡させる短絡機構を設けるステップと、を有する。そして、前記短絡機構を設けるステップは、
(a1)前記外装体の膨張時に優先的に剥離する剥離可能シール部を形成する工程と、
(a2)一方の前記電極タブに固定され、前記剥離可能シール部が剥離するまでは当該剥離可能シール部に弾性的に当接し、前記剥離可能シール部が剥離すると変形して、他方の電極タブまたはそれに電気的に接続された部材に当接する第1のコンタクト部材を形成する工程と、を含む。
1 蓄電システム(蓄電設備)
2 電動車両
10 フィルム外装体
11、12 ラミネートフィルム
15 熱溶着部
18a、18b 集電部
18a′、18b′ 電極の延長部
20 電池要素
21、25 電極タブ
110A〜110E 短絡機構
111、111−2、111−3、111−4 コンタクト部材
113、113−3、113−4、113−5 コンタクト部材
114 伸縮性コンタクト部材
115、116、117 剥離可能シール部
116h ガス放出孔
141、145 導電性材料
145a 当接部
210A、210B 通電遮断機構
211−1、211−2 電気的接続部材
213−1、211−2 電気的接続部材
214 弾性体
215a〜215c 剥離可能シール部

Claims (14)

  1. 電池要素と、
    前記電池要素を電解質とともに収容する外装体と、
    前記電池要素に接続された正極および負極の電極タブと、
    を備える二次電池であって、
    前記外装体の外周の封止部から突出または離間した位置において、外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが、直接的に溶着された、または、他の部材を介して互いに接合された剥離可能シール部と、
    その一方が前記電極タブに固定され、他方が前記剥離可能シール部に当接する第1のコンタクト部材と、
    を備え、
    前記第1のコンタクト部材は、前記外装体の膨張に伴って前記剥離可能シール部が剥離するまでは当該剥離可能シール部に弾性的に当接し、前記剥離可能シール部が剥離すると変形して、他方の電極タブまたはそれに電気的に接続された部材に当接し、これにより、前記電極タブどうしを短絡させるように構成されている、
    二次電池。
  2. 前記第1のコンタクト部材は、前記電極タブに片持ち梁状に保持された部材である、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記第1のコンタクト部材は、伸縮自在な弾性部材である、請求項1に記載の二次電池。
  4. 他方の電極タブに電気的に接続された前記部材として、前記電極タブに取り付けられた第2のコンタクト部材を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
  5. 他方の電極タブに電気的に接続された前記部材が、前記他方の電極タブが接続される、前記電池要素の集電部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池。
  6. 前記剥離可能シール部は、前記外装体が膨張したときに優先的に剥離するように構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池。
  7. 前記剥離可能シール部に、
    当該剥離可能シール部が剥離すると開口して外装体の内部と外部とを連通させるガス放出孔が形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池。
  8. 前記剥離可能シール部と、前記第1のコンタクト部材と、を有する短絡機構が設けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の二次電池。
  9. 前記短絡機構が、電気的接続上、前記電極タブの間に配置された抵抗部材を有している、請求項8に記載の二次電池。
  10. 電池要素と、
    前記電池要素を電解質とともに収容する外装体と、
    前記電池要素に接続された正極および負極の電極タブと、
    を備える二次電池であって、
    前記電極タブの少なくとも一方が切り分けられており、
    前記外装体の外周の封止部から突出または離間した位置において外装体の内部の互いに対向する面どうしを部分的に溶着した剥離可能シール部と、
    切り分けられた前記電極タブの一方に設けられた第1の部材、および、切り分けられた前記電極タブの他方に設けられ前記第1の部材に一部が接する第2の部材と、
    を備え、
    (i)前記剥離可能シール部が剥離していない状態では前記第1の部材と前記第2の部材との当接状態が維持され、(ii)前記外装体の膨張に伴って前記剥離可能シール部が剥離した状態では、前記第1の部材と前記第2の部材とが当接していない状態となり、これにより、前記一方の電極タブの通電が遮断されるように構成されている、
    二次電池。
  11. 電池要素と、
    前記電池要素を電解質とともに収容する外装体と、
    前記電池要素に接続された正極および負極の電極タブと、
    を備える二次電池であって、
    前記外装体の外周の封止部から突出または離間した位置において、外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが、直接的に溶着された、または、他の部材を介して互いに接合された第1の剥離可能シール部と、
    その一方が前記電極タブに固定され、他方が前記第1の剥離可能シール部に当接する第1のコンタクト部材と、
    を備え、かつ、
    前記電極タブの少なくとも一方が切り分けられており、
    前記外装体の外周の封止部から突出または離間した位置において、外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが、直接的に溶着された、または、他の部材を介して互いに接合された、前記第1の剥離可能シール部とは別の第2の剥離可能シール部と、
    切り分けられた前記電極タブの一方に設けられた第1の部材、および、切り分けられた前記電極タブの他方に設けられ前記第1の部材に一部が接する第2の部材と、
    を備え、
    前記第1のコンタクト部材は、前記外装体の膨張に伴って前記第1の剥離可能シール部が剥離するまでは当該第1の剥離可能シール部に弾性的に当接し、前記剥離可能シール部が剥離すると変形して、他方の電極タブまたはそれに電気的に接続された部材に当接し、これにより、前記電極タブどうしを短絡させ、かつ、
    (i)前記第2の剥離可能シール部が剥離していない状態では前記第1の部材と前記第2の部材との当接状態が維持され、(ii)前記第2の剥離可能シール部が剥離すると前記第1の部材と前記第2の部材とが当接していない状態となり、これにより、前記電極タブの通電が遮断されるように構成されている、
    二次電池。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池を複数有する電源部を備える電動車両。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池を複数有する電源部を備える蓄電システム。
  14. 電池要素を用意するステップと、
    外装体の外周の封止部から突出または離間した位置において外装体の内部の互いに対向する面の一部どうしが直接的または間接的に接合された剥離可能シール部を形成するステップと、
    その一方が電極タブに固定され、他方が前記剥離可能シール部に当接する第1のコンタクト部材を設けるステップと
    を含み、
    前記第1のコンタクト部材は、前記外装体の膨張に伴って前記剥離可能シール部が剥離するまでは当該剥離可能シール部に弾性的に当接し、前記剥離可能シール部が剥離すると変形して、他方の電極タブまたはそれに電気的に接続された部材に当接し、これにより、前記電極タブどうしを短絡させるものである、
    二次電池の製造方法。
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