JP4438348B2 - バイポーラ電池および組電池 - Google Patents

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Description

本発明は、バイポーラ電池、組電池、複合組電池、および組電池または複合組電池を用いた車両に関するものである。
近年、電気自動車の開発が盛んになるにつれて、充電可能な二次電池の開発も活発になってきている。二次電池の中でも、特に、リチウムイオン電池は、小型、軽量、高エネルギー密度、高出力密度といった特徴をもつ高性能の電池であるため、電気自動車に搭載可能な電池として注目が集まっている。
ただし、車両に適用するためには、大出力を確保すべく、複数の二次電池を直列に接続して用いる必要がある。しかしながら、接続部を介して電池を接続した場合、接続部の電気抵抗によって出力が低下してしまうとともに、空間的にも不利益を招く。
この問題を解決するものとして、集電体の両側に正極と負極とをそれぞれ形成したバイポーラ電極を有してなるバイポーラ電池が開発されている(たとえば、特許文献1、2参照)。
特開2000−100471号公報 特開2000−195495号公報
しかしながら、従来のバイポーラ電池にあっては、高電圧に対する絶縁性を充分に確保するのは難しかった。たとえば電子機器などの民生用機器に使用されるようなバイポーラ電池は、たとえ電池の電極に当たるタブが耐えられる電圧であっても、絶縁性の面から、かかる高電圧での使用には適用が困難であった。
したがって、従来のバイポーラ電池は、たとえば車両用の400Vを超えるような高電圧に耐える絶縁が必要となる用途には使用が極めて困難であるという問題があった。
また、上記特許文献1、2に記載のバイポーラ電池に関する技術は、かかる課題については配慮しておらず、これを解決するための具体的な方法を提示するものではない。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、高電圧に耐える絶縁を保証することができるバイポーラ電池および組電池を提供することである。
本発明の目的は、下記の手段により達成される。
(1)集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を介在させて複数直列に接続してなる電池要素と、金属層および当該金属層の前記電池要素側に形成される樹脂層を含み、前記電池要素を被覆するラミネートフィルムと、前記電池要素から前記ラミネートフィルムの外部に引き出されてなるタブとを有し、前記タブおよび前記金属層の間に、ポリ4フッ化エチレン樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂、一般用ポリスチレン樹脂、および高衝撃性ポリスチレン樹脂からなる群より選択される樹脂から構成され、前記樹脂層よりも体積固有抵抗の大きな高抵抗層を有し、前記高抵抗層を構成する樹脂の誘電正接は、印加周波数が10Hz〜1kHz、環境温度が−30〜80℃である場合、1.0×10−3〜5.0×10−1の範囲内にあることを特徴とするバイポーラ電池。
)上記(1)に記載のバイポーラ電池と、前記バイポーラ電池の正極および負極と同一材料から構成され異なる集電体上にそれぞれ形成される正極および負極を備えた電池が前記電池要素における構成単位の数だけ直列に接続されることにより前記バイポーラ電池と同一の電圧を有してなる電池群とを、並列に接続したことを特徴とする組電池。
上記(1)に記載のバイポーラ電池によれば、高電圧に耐える絶縁を保証することが可能となり、たとえば車両に用いても充分な絶縁性能を得ることができる。しかも、高抵抗層として粘弾性を有する材料を使用することにより、バイポーラ電池に入力される振動を低減することが可能となり、優れた防振性能を発揮できる。
上記()に記載の組電池によれば、高エネルギーと高出力とをバランスよく両立させるためにきわめて有効な手段となる。しかも、組電池の重量およびサイズを小さくすることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるバイポーラ電池の平面図、図2は、図1のII−II線に沿う拡大断面図、図3は、図2のIII−III線に沿う拡大断面図である。
図1および図2に示すように、バイポーラ電池1は、電池要素10と、電池要素10を被覆するラミネートフィルム20と、電池要素10からラミネートフィルム20の外部に引き出されてなるタブ30とを有している。
電池要素10は、集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極11を、電解質14を介在させて複数直列に接続して構成されており、積層構造をなしている。積層数は任意に設定可能である。また、電池要素10の積層方向の両端部には、集電体の片面のみに正極または負極が形成された端部電極12、13が設けられている。端部電極12、13は、たとえば接続用リードを介してタブに接続される。
集電体は、製法上、スプレーコートなどの薄膜製造技術により、いかような形状を有するものにも製膜積層して形成し得る必要上、たとえば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などの金属粉末を主成分として、これにバインダ(樹脂)、溶剤を含む集電体金属ペーストを加熱して成形してなるものである。このような集電体は、これら金属粉末を1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。上記バインダとしては、特に制限されるべきものではなく、たとえば、エポキシ樹脂など、従来公知の樹脂バインダ材料を用いることができるほか、導電性高分子材料を用いてもよい。また、集電体としては、上記のような金属粉末とバインダにより形成されてなるもののほかに、上記金属の箔を用いることもできる。これら集電体の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
正極は、正極活物質を含む。このほかにも、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩、導電助剤などが含まれ得る。導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。正極または負極の少なくとも一方に電解質、好ましくは固体高分子電解質が含まれていることが望ましいが、バイポーラ電池の電池特性をより向上させるためには、双方に含まれることが好適である。
上記正極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される、遷移金属とリチウムとの複合酸化物を使用できる。具体的には、LiCoO2などのLi・Co系複合酸化物、LiNiO2などのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMn24などのLi・Mn系複合酸化物、LiFeO2などのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。このほか、LiFePO4などの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V25、MnO2、TiS2、MoS2、MoO3などの遷移金属酸化物や硫化物;PbO2、AgO、NiOOHなどが挙げられる。正極活物質の粒径は、製法上、正極材料を重合させる前の状態でペースト化してスプレーコートなどにより塗布して成膜し得るものであればよい。
正極活物質は、好ましくは、Li・Mn系複合酸化物である。正極活物質としてLi・Mn系複合酸化物を採用することにより、電圧(V)と充電状態(%)との関係を示す充放電プロファイルのグラフを容易に傾けることが可能となる。これにより、電池の電圧を計測すれば、電池の充電状態が判明する。このように電池の充電状態を容易に検知して、電池の過充電または過放電の状態を防止することができ、電池の信頼性を向上させることが可能となる。また、万一過充電または過放電が起きて電池が故障する場合でも反応が穏やかであるため、異常時の信頼性が高いといえる。
正極における、正極活物質、電解質(好ましくは固体高分子電解質)、リチウム塩、導電助剤の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。たとえば、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が少なすぎると、活物質層内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、正極内における電解質、特に固体高分子電解質の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。したがって、これらの要因を考慮して、目的に合致した固体高分子電解質量を決定する。
正極の厚さは、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極活物質層の厚さは10〜500μm程度である。
負極は、負極活物質を含む。また、正極と同様に、イオン伝導性を高めるために電解質、リチウム塩や導電助剤などが含まれ得る。負極活物質の種類以外は、基本的に、正極についての説明で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。ただし、バイポーラ電池では、固体高分子電解質が好適に用いられるため、該固体高分子電解質での反応性を考慮すると、負極活物質としては金属酸化物、金属とリチウムとの複合酸化物、カーボンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
負極活物質は、好ましくは、結晶性炭素材(グラファイト)または非結晶性炭素材(ハードカーボン)である。負極活物質として結晶性炭素材または非結晶性炭素材を採用することにより、充放電プロファイルのグラフを容易に傾けることが可能となる。これにより、電池の電圧を計測すれば、電池の充電状態が判明する。このように電池の充電状態を容易に検知して、電池の過充電または過放電の状態を防止することができ、電池の信頼性を向上させることが可能となる。非結晶性炭素材は、かかる効果が特に顕著であるため、より好ましい。
電解質14としては、固体高分子電解質、または高分子ゲル電解質であっても液絡を防止することができるものであれば利用することができる。また、これらを併用することもできる。さらには、電解質を多層構造とすることもでき、正極側と負極側とで、電解質の種類や成分配合比を変えた層を形成することもできる。
高分子ゲル電解質を用いる場合、該高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液との比率(質量比)が、20:80〜95:5と比較的電解液の比率が小さい範囲であるが、より好ましくは固体高分子電解質である。これは、固体高分子電解質は、高分子ゲル電解質や液体電解質に比して耐熱性に優れ、熱分解したり、高温でガス化したり、発火したりするおそれがなく、また、釘刺し耐性に優れ外部負荷等での破損による液漏れや短絡が生じにくく、さらにコンパクトで形状が自由にできるという固体高分子電解質に固有の特性を有効に利用することができるためである。
上記固体高分子電解質は、イオン伝導性を有する高分子から構成される層であり、イオン伝導性を示すのであれば材料は限定されない。固体高分子電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
また、高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。
なお、ここで、固体高分子電解質と高分子ゲル電解質との違いを以下のように規定する。ポリエチレンオキシド(PEO)などの固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものが高分子ゲル電解質である。また、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものも高分子ゲル電解質にあたる。高分子ゲル電解質を構成するポリマーと電解液の比率は幅広く、ポリマー(高分子)100%を固体高分子電解質、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべて高分子ゲル電解質にあたる。
上記固体高分子電解質は、イオン伝導性を有する高分子であれば、特に限定されるものではない。イオン伝導性を有する高分子としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)などのポリアルキレンオキシド系高分子、これらの共重合体などが挙げられる。なお共重合体は、少なくともイオン伝導性を有する高分子鎖を有するものであればよく、たとえば、ポリフッ化ビニリデンのようなイオン電導性を持たないものとの共重合体であるポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンなどであってもよい。上記ポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252などのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する点で有利である。
上記高分子ゲル電解質は、上記に規定したように、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)としては、通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、たとえば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li210Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
上記リチウム塩としては、たとえば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li210Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
これら固体高分子電解質もしくは高分子ゲル電解質は、電池を構成する高分子電解質のほか、上記したように正極および/または負極にも含まれ得るが、電池を構成する高分子電解質、正極、負極によって異なる高分子電解質を用いてもよいし、同一の高分子電解質を使用してもよいし、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
電解質の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトなバイポーラ電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的な固体高分子電解質層の厚さは10〜100μm程度である。
ラミネートフィルム20は、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池要素10を収容するための電池外装材である。ラミネートフィルム20として、金属を絶縁体としての樹脂フィルムで被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムやアルミラミネートパックなどの電池外装材が使用され得る。
すなわち、ラミネートフィルム20は、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)からなる金属層21と、金属層21の外側に配置され樹脂からなる外側樹脂層22と、金属層21の内側に配置され樹脂からなる内側樹脂層23とを有している。バイポーラ電池1は、電池要素10を真中にしてラミネートフィルム20を上下に被せ、ラミネートフィルム20の周辺部の一部または全部を熱融着により接合することによって、密封した構成とするのが好ましい。この場合、タブ30は、上記熱融着部に挟まれてラミネートフィルム20の外部に露出される構造とされる。本実施形態の内側樹脂層23は、たとえばポリプロピレン系樹脂から構成される。内側樹脂層23は、主として接着用の樹脂として使用される。
タブ30は、バイポーラ電池1全体の電極として機能する。タブに関しては、通常のリチウムイオン電池で用いられる公知の電極タブを用いることができる。たとえば、タブの材料として、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属、あるいはこれらを含む合金が使用され得る。
本実施形態では、図2および図3に示すように、タブ30とラミネートフィルム20の金属層21との間に、内側樹脂層23よりも内部抵抗(体積固有抵抗)が大きい高抵抗層24を有している。
図3に示すように、高抵抗層24は、タブの周囲に接触して取り巻くように形成される。ただし、高抵抗層は、タブ30とラミネートフィルム20の金属層21との間に形成されるのであれば、任意の箇所、および任意の範囲に形成可能である。
たとえば図4に示すように、内側樹脂層23と同一または類似の樹脂から構成される樹脂層25がタブの周囲に接触して取り巻くように形成され、当該樹脂層25の周囲に接触して取り巻くように高抵抗層24が形成されてもよい。ここで、樹脂層25は、内側樹脂層23と同様に、高抵抗層24よりも小さい内部抵抗を有している。
また、図5に示すように、金属層21と、金属層21の外側に配置され樹脂からなる外側樹脂層22と、金属層21の内側に配置され樹脂からなる内側樹脂層23と、内側樹脂層23の内側に配置される高抵抗層24とを有するラミネートフィルム20aが使用されてもよい。すなわち、ラミネートフィルム20aは、上記したラミネートフィルム20の電池要素10側の内面全域に高抵抗層24をさらに形成したものである。この場合、図4の場合と同様に、内側樹脂層23と同一または類似の樹脂から構成される樹脂層25がタブの周囲に接触して取り巻くように形成されるのが好ましい。
このように、高抵抗層は、図3に示したようにタブ側に接して形成されていてもよく、図4に示したようにタブおよび金属層から離れた両者の中間位置に形成されていてもよい。さらには、図5に示したように金属層を含むラミネートフィルムの電池要素10側の内面全域に形成されていてもよい。また、高抵抗層は、少なくとも1層形成されていればよく、2層以上形成されていれば、さらに絶縁性が向上する。高抵抗層が2層以上形成される場合も、各高抵抗層はタブ30と金属層21との間に形成されるのであれば、任意の箇所、および任意の範囲に形成されることができる。高抵抗層は比較的薄くても絶縁効果が高いので、高抵抗層を2層以上形成することはタブまわりの厚さを抑えたい場合に有効である。
上述した高抵抗層24を含む構成により、高電圧に耐える絶縁を保証することが可能となる。すなわち、バイポーラ電池の両端のタブ30、30に高電圧がかかったとしても、タブ30近傍の高抵抗層24により絶縁が確保される。ここでは、高電圧とは、タブが耐えられる最大の電圧をいう。
また、高抵抗層24として粘弾性を有する材料を使用することにより、たとえば車両に搭載された場合においてタブに入力される振動を低減させることが可能となる。これにより、バイポーラ電池の防振性能が大幅に向上する。
高抵抗層24は、好ましくは、樹脂から構成される。これは、樹脂は粘弾性を有しており、耐振動性、耐衝撃性が高いからである。したがって、高抵抗層として樹脂を使用することにより、電池の絶縁性能および防振性能を両立させることが可能となる。しかも、樹脂は他の樹脂との接着性が高いため、電池の気密性、シール性も向上する。
高抵抗層24は、より好ましくは、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびポリアミド系樹脂からなる群より選択される樹脂から構成される。これらは、防水性、防湿性、耐冷熱サイクル性、耐熱安定性、絶縁性、難燃性などの性能を有する樹脂として使用され得るからである。
高抵抗層24は、さらに好ましくは、ポリ4フッ化エチレン樹脂、および一般用ポリスチレン樹脂からなる群より選択される樹脂から構成される。これらは、特に内部抵抗値が高く、絶縁破壊強さが大きいという効果がある。樹脂の内部抵抗が高いということは、当該樹脂材料の耐電圧性が高いということになる。これにより、樹脂の内部に電流が流れにくくなり、絶縁性が向上する。絶縁破壊強さ(次元:V/m)は、ASTM D149、JIS K6911、JIS C2103に準拠する測定方法により得られるものであり、単位長さ当たりの物質が耐えられる電圧を示す。この値が高い材料であるほど、材料の厚さ方向の両端に付加された高電圧に耐えることができ、薄い材料であっても絶縁効果が高く得られるため有効である。
ただし、本発明の高抵抗層24に使用される材料は、上記した樹脂に限定されるものではなく、内側樹脂層23よりも内部抵抗が高い材料であれば使用可能である。すなわち、本発明の高抵抗層24は、石英ガラス箔、ゴム材、セラミックス材、および樹脂からなる群より選択され得る。
高抵抗層24を構成する樹脂の硬度は、好ましくは5〜95(JIS A)の範囲内、より好ましくは20〜90(JIS A)の範囲内にあるとよい。バイポーラ電池1を外部からの振動や衝撃から保護するためには、高抵抗層24を構成する樹脂の硬度が上記範囲内にあることが望ましいからである。下限を設けたのは、柔らかすぎて防振効果が小さくなるとともに、集電体(箔)の間隔を均一に保持するのが困難になることを回避するためであり、上限を設けたのは、硬すぎて防振効果が小さくなることを回避するためである。
また、高抵抗層24を構成する樹脂の誘電正接は、印加周波数が10Hz〜1kHz、環境温度が−30〜80℃である場合、好ましくは1.0×10-3〜5.0×10-1の範囲内、より好ましくは5.0×10-3〜4.0×10-2の範囲内にあるとよい。下限を設けたのは、柔らかすぎて防振効果が小さくなることを回避するためであり、上限を設けたのは、硬すぎて防振効果が小さくなることを回避するためである。なお、印加周波数が10Hz〜1kHzである場合に限定したのは、車両上で振動の低減が必要とされる防振周波数領域だからであり、環境温度が−30〜80℃である場合に限定したのは、車両用の電池として使用するために必要とされる温度範囲だからである。
振動の低減効果は材料の損失正接に影響されるが、この損失正接は動的粘弾性試験によって得ることができる。しかし、材料が比較的柔らかい樹脂である場合、動的粘弾性試験によって損失正接を正確に測定することが困難であるため、損失正接とほぼ対応する誘電正接を用いることにより、動的粘弾性を予想することができる。なお、損失正接が正確に測定できる場合、かかる値をそのまま使用することができることは勿論である。このように、樹脂の誘電正接を規定することにより、粘弾性の観点から、振動の低減効果をより確実に得ることが可能となる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施形態のバイポーラ電池によれば、金属層および当該金属層の電池要素側に形成される樹脂層を含み、電池要素を被覆するラミネートフィルムと、電池要素からラミネートフィルムの外部に引き出されてなるタブとを有し、タブおよび金属層の間に、上記樹脂層よりも内部抵抗が大きい高抵抗層を有するので、高電圧に耐える絶縁を保証することが可能となり、たとえば車両に用いても充分な絶縁性能を得ることができる。しかも、高抵抗層として粘弾性を有する材料を使用することにより、バイポーラ電池の振動を低減することが可能となり、優れた防振性能を発揮できる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態は、上述した第1の実施形態のバイポーラ電池を複数個接続した組電池である。図6(A)〜(C)は、第2の実施形態による組電池の平面図、正面図、および側面図である。
図6に示すように、組電池5は、外部弾性体54で支持された外部ケース53を有している。この組電池5の外部ケース53内には、上述した第1の実施形態によるバイポーラ電池1を複数個直列に接続したものをさらに並列に接続したものが収容されている。なお、組電池5におけるバイポーラ電池1の直列および並列の接続数は、任意に設定可能である。
図6に示す組電池は、たとえば電圧21V、容量50mAhのバイポーラ電池1を2個直列に接続したものをさらに並列に20(=5×4)組接続して、電圧42V、容量1Ahの組電池としたものである。なお、図中の符号「+」および「−」はバイポーラ電池の極性を示す(図7も同様)。
バイポーラ電池1の並列接続部分では、たとえば銅製の導電バー55を介して各電池のタブが接続される。また、バイポーラ電池1の直列接続部分では、各電池のタブ同士がたとえば振動溶着により接続される。なお、組電池5におけるバイポーラ電池1同士の直列および並列の接続部分において、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームなどの各種の接続方法を用いることができる。このような接続方法をとることで、長期的信頼性のある組電池を製造することができる。
また、組電池5の電極として、電極ターミナル51および52が、組電池5の正面に設けられている。電極ターミナル51および52には、バイポーラ電池1の直列接続部分の端部が電極リード56を介して接続される。さらに、バイポーラ電池1の両側部には、バイポーラ電池1の電圧を検知するための検知タブ57が引き出されており、この検知タブ57に接続された検知リード58が、組電池5の正面に取り出されている。
第2の実施形態の組電池によれば、前述した第1の実施形態のバイポーラ電池1を用いて組電池化することで、同じ大きさの組電池であれば従来よりも高エネルギー、高出力の組電池を得ることができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態は、上述した第1の実施形態のバイポーラ電池と、通常の電池を複数個直列に接続したものとを組み合わせた組電池である。図7(A)〜(C)は、第3の実施形態による組電池の平面図、正面図、および側面図である。なお、第2の実施形態の組電池と同様の部分は説明を省略する。
図7に示すように、組電池5aの外部ケース53内には、上述した第1の実施形態によるバイポーラ電池1と、バイポーラ電池ではない通常の電池4を複数個直列に接続した電池群とを、並列に接続したものが収容されている。
通常の電池4は、バイポーラ電池1の正極および負極と同一材料から構成され異なる集電体上にそれぞれ形成される正極および負極を備えた電池である。電池群は、通常の電池4がバイポーラ電池1の電池要素10における構成単位の数だけ直列に接続されることにより、バイポーラ電池1と同一の電圧を有している。ここで、電池要素10における構成単位とは、起電力を発生する機能を持つ最小単位をいい、正極と負極との間に電解質をはさんで構成される単電池に相当する。
なお、バイポーラ電池1を複数個接続したものが、組電池5aにおいて使用されてもよい。ただし、バイポーラ電池1により構成される部分の総電圧と、通常の電池4により構成される部分の総電圧とが等しくなるように設定されなければならないことに注意すべきである。
図7に示す組電池は、たとえば電圧42V、容量50mAhのバイポーラ電池1と、電圧4.2V、容量1Ahの通常の電池4(たとえば通常リチウムイオン電池)を10個直列に接続した電池群とを並列に接続して、組電池としたものである。
第3の実施形態の組電池によれば、バイポーラ電池1が高出力の特性を主に分担し、通常の電池4を直列接続した電池群が高エネルギーの特性を主に分担することができる。したがって、この組電池によれば、高エネルギーと高出力とをバランスよく両立させるためにきわめて有効な手段となる。しかも、組電池の重量およびサイズを小さくすることが可能となる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、前述した第2または第3の実施形態による組電池を複数個接続した複合組電池である。図8(A)〜(C)は、第4の実施形態による複合組電池の平面図、正面図、および側面図である。
図8に示す複合組電池6は、第2の実施の形態による組電池5を複数個積層してプレート63とねじ64により連結し、各組電池5の電極ターミナル51、52を導電バー61および62によって接続して、モジュール化したものである。図8では、たとえば電圧42V、容量1Ahの組電池が6個並列に接続されて、電圧42V、容量6Ahの複合組電池6が構成されている。なお、同様に、第3の実施形態による組電池5aを用いて複合組電池を構成することができる。また、組電池同士は、直列および/または並列で接続され得る。
このように、組電池をモジュール化することによって、電池制御を容易にし、たとえば電気自動車やハイブリッド自動車などの車両搭載用として最適な複合組電池となる。そして、この複合組電池6は、上述した組電池を用いたものであるから長期的信頼性の高いものとなる。
(第5の実施の形態)
第5の実施形態は、上述した第2、第3または第4の実施形態による組電池または複合組電池を搭載し、モータの電源として用いてなる車両である。組電池または複合組電池をモータ用電源として用いる車両として、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車など、車輪をモータによって駆動する自動車が挙げられる。
図9に、複合組電池を搭載した車両の概略図を示す。複合組電池6は、車両7の床下、シートバック裏、あるいはシート下に設置され得る。なお、組電池5、5aも同様にして車両7に搭載され得る。
車両に搭載される組電池5、5aまたは複合組電池6は、前述した特性を有する。このため、組電池5、5aまたは複合組電池6を搭載してなる車両は高い信頼性を有し、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。また、組電池5、5aまたは複合組電池6を使用することにより、電池の設置スペースを小さくすることができ、車両の軽量化をも達成し得る。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
図10は、実施例および比較例のバイポーラ電池の構成と評価結果とを示す。図11は、図10に示す高抵抗層用の樹脂の名称および特性を示す。
(実施例および比較例の構成)
実施例1では、層状をなす構成単位の数が10層、高抵抗層周辺が図3の構造、高抵抗層を構成する樹脂がポリ4フッ化エチレン、正極活物質がLi・Mn系複合酸化物、負極活物質が非結晶性炭素材、であるバイポーラ電池を使用した。
実施例2では、高抵抗層を構成する樹脂がポリ3フッ化塩化エチレンである以外は実施例1と同様の構成であるバイポーラ電池を使用した。
実施例では、高抵抗層を構成する樹脂が一般用ポリスチレンである以外は実施例1と同様の構成であるバイポーラ電池を使用した。
実施例では、高抵抗層を構成する樹脂が高衝撃性ポリスチレンである以外は実施例1と同様の構成であるバイポーラ電池を使用した。
比較例では、高抵抗層を有しないこと以外は実施例4と同様の構成であるバイポーラ電池を使用した。この比較例のバイポーラ電池は、タブと金属層との間に内側樹脂層が位置される従来公知のものである。
また、上記の実施例および比較例において、ラミネートフィルムの内側樹脂層の材料として、ポリプロピレン樹脂(PP)を使用した。また、上記の実施例および比較例において、タブの材料としてSUSを使用し、ラミネートフィルムの金属層の材料としてアルミニウムを使用した。
(試験方法)
1.平均減衰量の測定
バイポーラ電池の略中央部(図1の平面図において略中央部)に、加速度ピックアップを設定し、インパルスハンマーによってハンマリングしたときの加速度ピックアップの振動スペクトルを測定した。加速度ピックアップの設定方法は、JIS B 0908(振動及び衝撃ピックアップの校正方法・基本概念)に準拠した。測定された振動スペクトルをFFT分析器により解析し、周波数(Hz)と加速度(dB)の次元に変換した。得られた周波数に関して、平均化(N=50の平均)、およびスムージングを行い、振動伝達率スペクトルのグラフを得た。振動伝達率スペクトルのグラフの中で、最も振動伝達率の大きいピーク値(dB)の、基準値(dB)に対する低減率(%)を平均減衰量とした。平均減衰量の値が大きいほど、振動が低減されたことを示す。ここで、基準値は、上記した比較例の振動伝達率スペクトルのグラフにおけるピーク値とした。
2.硬度の測定
樹脂の硬度の測定は、JIS K 6301(JIS A)の硬度測定方法に基づいて行った。
3.誘電正接の測定
樹脂の誘電正接の測定は、JIS K 6911の誘電率測定方法に基づいて行った。
4.絶縁性の検査
絶縁抵抗計を用い、タブとラミネートフィルムの金属層との間の抵抗値を測定した。両者の間に500Vの電圧を印加したときに、100MΩ以上の絶縁抵抗を有したバイポーラ電池を合格(○)とし、100MΩに満たない絶縁抵抗しか有さないバイポーラ電池を不合格(×)とした。
(評価結果)
図10に示す評価結果が得られた。
タブとラミネートフィルムの金属層との間に、ラミネートフィルムにおける接着用の樹脂層よりも内部抵抗が大きい高抵抗層を形成したもの(実施例1〜10)は、絶縁性が合格レベルであったが、高抵抗層が設けられていないもの(比較例)は、絶縁性が不合格レベルであった。
また、実施例1〜の場合、平均減衰量として15〜30%が得られ、バイポーラ電池の振動を従来よりも低減することができた。
図12は、バイポーラ電池の振動の低減を示す振動伝達率スペクトルのグラフの一例である。図12は、上記の実施例1および比較例の振動伝達率スペクトルのグラフをあわせて示すものである。図12に示すように、実施例1によれば、100Hz近傍のピークP2aはピークP1aと比較して約15dB、160Hz近傍のピークP2bはピークP1bと比較して約20dB、270Hz近傍のピークP2cはピークP1cと比較して約10dB、低減されたことがわかる。したがって、本発明の高抵抗層を含む構造によれば、車両上でのバイポーラ電池の振動を大幅に低減できた。
本発明の第1の実施形態によるバイポーラ電池の平面図である。 図1のII−II線に沿う拡大断面図である。 図2のIII−III線に沿う拡大断面図である。 高抵抗層周辺の構造の変更例を示す拡大断面図である。 高抵抗層周辺の構造の別の変更例を示す拡大断面図である。 (A)〜(C)は、第2の実施形態による組電池の平面図、正面図、および側面図である。 (A)〜(C)は、第3の実施形態による組電池の平面図、正面図、および側面図である。 (A)〜(C)は、第4の実施形態による複合組電池の平面図、正面図、および側面図である。 組電池または複合組電池を搭載した車両の概略図を示す。 実施例および比較例のバイポーラ電池の構成と評価結果とを示す。 図10に示す高抵抗層用の樹脂の名称および特性を示す。 バイポーラ電池についての振動の低減を説明するための振動伝達率スペクトルのグラフの一例である。
符号の説明
1 バイポーラ電池、
10 電池要素、
11 バイポーラ電極、
12 端部電極、
13 端部電極、
14 電解質、
20 ラミネートフィルム、
21 金属層、
22 外側樹脂層、
23 内側樹脂層、
24 高抵抗層、
30 タブ、
4 通常の電池、
5 組電池、
5a 組電池、
6 複合組電池、
7 車両。

Claims (3)

  1. 集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極を、電解質を介在させて複数直列に接続してなる電池要素と、
    金属層および当該金属層の前記電池要素側に形成される樹脂層を含み、前記電池要素を被覆するラミネートフィルムと、
    前記電池要素から前記ラミネートフィルムの外部に引き出されてなるタブとを有し、
    前記タブおよび前記金属層の間に、ポリ4フッ化エチレン樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレン樹脂、一般用ポリスチレン樹脂、および高衝撃性ポリスチレン樹脂からなる群より選択される樹脂から構成され、前記樹脂層よりも体積固有抵抗の大きな高抵抗層を有し、
    前記高抵抗層を構成する樹脂の誘電正接は、印加周波数が10Hz〜1kHz、環境温度が−30〜80℃である場合、1.0×10−3〜5.0×10−1の範囲内にあることを特徴とするバイポーラ電池。
  2. 前記高抵抗層を構成する樹脂の硬度は、5〜95(JIS A)の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のバイポーラ電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバイポーラ電池と、前記バイポーラ電池の正極および負極と同一材料から構成され異なる集電体上にそれぞれ形成される正極および負極を備えた電池が前記電池要素における構成単位の数だけ直列に接続されることにより前記バイポーラ電池と同一の電圧を有してなる電池群とを、並列に接続したことを特徴とする組電池。
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