JP6337683B2 - 電解液、その電解液を用いた二次電池、ならびにその二次電池を用いた電池パックおよび電子機器 - Google Patents

電解液、その電解液を用いた二次電池、ならびにその二次電池を用いた電池パックおよび電子機器 Download PDF

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Description

本技術は、電解液、その電解液を用いた二次電池、ならびにその二次電池を用いた電池パックおよび電子機器に関する。
近年、携帯電話機および携帯情報端末機器(PDA)などの多様な電子機器が広く普及しており、これら電子機器の高性能化、小型化、軽量化、および長寿命化が図られている。これら機器の電源として、電池、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。このような二次電池は、最近では、上記の電子機器に限らず、電気自動車などの電動車両、建築物用又は発電設備用の電力貯蔵用電源などの蓄電装置への適用も検討されている。
二次電池としては、電池容量を得るためにさまざまな充放電原理を利用する二次電池が提案されている。その中でも、特に注目されているのは、電極反応物質の吸蔵放出を利用する二次電池、および電極反応物質の析出溶解を利用する二次電池である。これら二次電池は、鉛電池およびニッケルカドミウム電池などよりも高いエネルギー密度が得ることができる。
二次電池は、正極、負極、および電解液を備えており、その電解液は、溶媒および電解質塩を含んでいる。充放電反応の媒介として機能する電解液は、二次電池の性能に大きな影響を与える。そのため、電解液の組成については、さまざまな検討がなされている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
特開2014−075241 特開2013−211259 特開2012−182071
近年、二次電池が適用される電子機器などはますます高性能化および多機能化しており、二次電池の電池特性についてさらなる改善が求められている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、優れた電池特性を得ることが可能な電解液、二次電池、電池パック、および電子機器を提供することにある。
本技術の一形態に係る電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、ボラジン化合物とを含有する。上記ボラジン化合物は、下記の式(1)で示されるボラジン化合物である。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
上記構成によれば、電解液がボラジン化合物を含有しているので、優れた電池特性を得ることができる。
また、上記ボラジン化合物は、下記の式(2)から(5)で示されるボラジン化合物のうちいずれか1つでもよい。
上記構成によれば、電解液がボラジン化合物を含有しているので、優れた電池特性を得ることができる。
また、上記非水溶媒は、環状カーボネートを含有してもよい。上記ボラジン化合物の含有量は、上記非水溶媒の重量に対して0.1重量%以上10重量%以下でもよい。
上記構成によれば、電解液がボラジン化合物を含有しているので、充放電を繰り返した後の容量維持率(以下、単に「容量維持率」とする)を改善させることができる。また、非水溶媒が環状カーボネートを含有しているので、充放電を繰り返した後の二次電池の膨れ(以下単に「膨れ」ともいう)を抑制することができる。
上記環状カーボネートの含有量は、上記非水溶媒の重量に対して60重量%以上であってもよい。また、上記環状カーボネートは、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン(BC)、および炭酸ビニレン(VC)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
上記構成によれば、非水溶媒が環状カーボネートを含有しているので、二次電池の膨れをより抑制することができる。また、環状カーボネートとして安価に入手可能なものを用いているため、二次電池の膨れを低コストで抑制することができる。
上記電解液は、フッ化ビニリデンを成分とする単独重合体、共重合体、および多元共重合体、ならびにポリフッ化ビニリデン(PVdF)のうち少なくとも1つをさらに含有してもよい。
上記構成によれば、電解液がフッ化ビニリデンを成分とする重合体またはポリフッ化ビニリデンを含有しているため、高分子化合物を添加した場合でも、容量維持率を改善させることができる。
本技術の一形態に係る電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、ボラジン化合物とを含有する。上記ボラジン化合物は、下記の式(6)で示されるボラジン化合物である。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルケニル基またはアルキニル基であり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基であり、前記R1およびR2のうち少なくとも1つは、前記1価の炭化水素基である)
上記構成によれば、上記ボラジン化合物が不飽和炭化水素基を有するため、より優れた電池特性を得ることができる。
本技術の一形態に係る二次電池は、正極と、負極と、電解液とを備える。上記電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、ボラジン化合物とを含有する。上記ボラジン化合物は、下記の式(1)で示されるボラジン化合物である。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
上記構成によれば、電解液がボラジン化合物を含んでいるので、優れた電池特性を得ることができる。
本技術の一形態に係る電池パックは、二次電池と、制御部と、パッケージ体とを具備する。上記制御部は、上記二次電池の充放電を制御する。上記パッケージ体は、上記二次電池と上記制御部とを支持する。上記二次電池は、正極と、負極と、電解液とを有する。上記電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、ボラジン化合物とを含有する。上記ボラジン化合物は、下記の式(1)で示されるボラジン化合物である。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
上記構成によれば、電解液がボラジン化合物を含んでいるので、優れた電池特性を得ることができる。
本技術の一形態に係る電子機器は、二次電池と、受電回路とを具備する。上記二次電池は、正極と、負極と、電解液とを有する。上記電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、ボラジン化合物とを含有する。上記ボラジン化合物は、下記の式(1)で示されるボラジン化合物である。上記受動回路は、上記二次電池から電力の供給を受ける。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
上記構成によれば、電解液がボラジン化合物を含んでいるので、優れた電池特性を得ることができる。
以上のように、本技術によれば、優れた電池特性を得ることができる。
本技術の一実施形態の電解液を用いた二次電池を示す部分破断斜視図である。 図1におけるI−I線方向の概略断面図である。 本技術の一実施形態に係る電池パックの構成を示すブロック図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
[二次電池の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る二次電池の一構成例を示す部分破断斜視図である。図2は、上記二次電池の電極積層構造を模式的に示す図1におけるI−I線方向の断面図である。
以下、本技術をリチウムイオン二次電池に適用した例について説明する。本実施形態の二次電池20は、正極リード15および負極リード16が取り付けられた電極体10と、電極体10を収納するフィルム状の外装部材19とを有し、全体として扁平形状に形成されている。正極リード15および負極リード16は、それぞれ例えば短冊状であり、外装部材19の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード15は、例えばアルミニウム(Al)、ステンレス鋼(SUS)などの金属材料により構成されており、負極リード16は、例えばニッケル(Ni)などの金属材料により構成されている。
[電極体]
図2に示すように、電極体10は、正極11と負極12とをセパレータ13および電解質層14を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ18が貼着されて巻回状態を維持している。
[正極]
正極11は、正極集電体11Aと、正極活物質を含有する正極活物質層11Bとを有する。正極活物質層11Bは、正極集電体11Aの両面に形成されている。正極集電体11Aとしては、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔あるいはステンレス鋼箔などの金属箔を用いることができる。
正極活物質層11Bは、例えば正極活物質、導電剤、結着剤等を含有する。正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子を用いることができる。例えば、LiXMO2(式中、Mは、一種以上の遷移金属を表し、Xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とする、リチウム(Li)と遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物としては、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiNiyCo1-y2(0<y<1)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.52、LiNi0.8Co0.22等がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。
導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックあるいはケチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などであってもよい。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。
正極11は、正極集電体11Aの一端部にスポット溶接または超音波溶接で接続された正極リード15を有している。この正極リード15は金属箔、網目状のものが望ましいが、電気化学的および化学的に安定であり、導通がとれるものであれば金属でなくとも問題はない。
[負極]
負極12は、負極集電体12Aと、負極活物質を含有する負極活物質層12Bとを有する。負極活物質層12Bは、負極集電体12Aの両面に形成される。負極集電体12Aとしては、例えば銅(Cu)箔、ニッケル箔あるいはステンレス鋼箔などの金属箔を用いることができる。
負極活物質層12Bは、例えば負極活物質と、必要に応じて導電剤と結着剤とを含有する。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムを吸蔵および放出可能な炭素材料または金属系材料と炭素系材料との複合材料が用いられる。リチウムを吸蔵および放出可能な炭素材料としては、例えば、易黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などがある。具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭あるいはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られ、さらに導電剤としても機能する。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状あるいは鱗片状のいずれでもよい。
さらに、リチウムを吸蔵および放出可能な材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用することができる。
上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵および放出可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。この種の材料を用いることで、高いエネルギー密度を得ることができる。このような負極材料は、金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。
なお、ここで言う「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、あるいはそれらの2種以上が共存するものがある。
上記した金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、リチウム金属が挙げられる。また、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素あるいは半金属元素としては、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などである。
リチウムと合金を形成することが可能な金属元素あるいは半金属元素により構成される負極材料としては、長周期型周期表における14族の金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が用いられ、例えば、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が用いられる。この種の材料は、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度を得ることができる。
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金あるいは化合物や、スズの単体、合金あるいは化合物や、それらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を有するものが挙げられ、ケイ素に加えて、上記した第2の構成元素を有していてもよい。
ケイ素の合金あるいは化合物の一例としては、SiB2、SiB6、Mg2Si、Ni2Si、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi2、CrSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi2、WSi2、ZnSi2、SiC、Si34、Si22O、SiOv(0<v≦2)あるいはLiSiOなどが挙げられる。
スズの合金としては、例えば、スズ以外に第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの化合物としては、例えば、酸素または炭素を有するものが挙げられ、スズに加えて、上記した第2の構成元素を有していてもよい。スズの合金あるいは化合物の一例としては、SnOw(0<w≦2)、SnSiO3、LiSnOあるいはMg2Snなどが挙げられる。
負極に導電剤を添加する場合は、正極の導電剤として例示したものと同様の導電剤を用いることができる。同様に、負極に結着剤を添加する場合、正極の結着剤として例示したものを用いることができる。
[セパレータ]
セパレータ13は、電池内において正極11と負極12とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、イオンを通過させるものである。セパレータ13は、例えば、合成樹脂またはセラミックなどの多孔質膜であり、2種類以上の多孔質膜が積層された積層膜でもよい。合成樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどが挙げられる。
本実施形態の二次電池20では、充電を行うと、例えば、正極11からリチウムイオンが放出され、セパレータ13に含浸された二次電池を介して負極12に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極12からリチウムイオンが放出され、セパレータ13に含浸された非水電解液を介して正極11に吸蔵される。
[非水電解液]
電解質層14は、非水電解液を含有する。非水電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する非水溶媒と、ボラジン化合物とを含んでいる。
(電解質塩)
電解質塩の例としては、LiMF(Mはリン(P),金属元素、または半金属元素、xは4または6の整数)で表されるフッ素含有リチウム化合物、イミド塩、オキサレート錯体、および、LiMF(R)(nは1または2の整数、Zは1,2、または3の整数、RはO、C、またはCN、Yは1,2、または3の整数)で表されるフッ素含有リチウム化合物などが挙げられる。電解質塩としては、上記のいずれか1種を用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
LiMFの具体例としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、および六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)が挙げられる。これらフッ素含有リチウム化合物は、高いイオン電導性を有する。また、LiMFのフッ素(F)原子を他の元素または原子団で置換してもよい。LiMFのフッ素原子を他の元素または原子団で置換した例としては、LiB(CN)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、およびテトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)などが挙げられる。
イミド塩の具体例としては、LiN(SOF)、LiN(SOCF、およびLiN(SOが挙げられる。これらイミド塩は、高いイオン電導性と化学的安定性を有する。
オキサレート錯体の具体例としては、LiB(C、LiBF(C)、LiPF(C)、およびLiPF(Cが挙げられる。これらオキサレート錯体は、電極表面に安定な被膜を形成し、電解液の分解反応を抑制する。
LiMF(R)の具体例としては、LiPO、LiPOF、LiPF(C、およびLiBF(C)が挙げられる。これらフッ素含有リチウム化合物は、高い化学的安定性を有する。
他の電解質の例としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)が挙げられる。
(非水溶媒)
非水溶媒の例としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート、環状エステル、不飽和結合を有する環状炭酸エステル、ハロゲン化炭酸エステル、環状スルホン酸エステル、酸無水物(カルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物など)、ジシアノ化合物、スルホン化合物、およびリン酸エステルが挙げられる。非水溶媒としては、上記のいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
鎖状カーボネートの具体例としては、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチルメチル(EMC)、および炭酸ジエチル(DEC)が挙げられる。これら鎖状カーボネートは、リチウム塩を溶解し、リチウムイオンを伝導する。
環状カーボネートの具体例としては、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン(BC)、および炭酸ビニレン(VC)が挙げられる。これら環状カーボネートは、リチウム塩を溶解しリチウムイオンを伝導する。
環状エステルの具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンが挙げられる。これら環状エステルは、リチウム塩を溶解し、リチウムイオンを伝導する。
不飽和結合を有する環状炭酸エステルの具体例としては、1,3−ジオキソール−2−オン、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン、および4−エチニル−1,3−ジオキソラン−2−オンが挙げられる。これら環状炭酸エステルは、電極表面に安定な被膜を形成し、電解液の分解反応を抑制する。
ハロゲン化炭酸エステルの具体例としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、および4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが挙げられる。これらハロゲン化炭酸エステルは、電極表面に安定な被膜を形成し、電解液の分解反応を抑制する。
環状スルホン酸エステルの具体例としては、プロパンスルホン、プロペンスルトン、および1,5,2,4−ジオキサジチアン,2,2,4,4−テトラオキシドが挙げられる。これら環状スルホン酸エステルは、電解液の安定性を向上させる。
酸無水物の具体例としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水エタンジスルホン酸、および無水プロパンジスルホン酸が挙げられる。これら酸無水物は、電解液の安定性を向上させる。
ジシアノ化合物の具体例としては、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、およびスベロニトリルが挙げられる。これらジシアノ化合物は、電解液の安定性を向上させる。
スルホン化合物の具体例としては、エチルメチルスルホンおよびn−プロピルメチルスルホンが挙げられる。これらスルホン化合物は、電解液の安定性を向上させる。
リン酸エステルの具体例としては、リン酸トリメチルおよびリン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)が挙げられる。これらリン酸エステルは、電解液の安定性を向上させる。
他の非水溶媒の例としては、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、および2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、ならびにピロリドン類などが挙げられる。
なお、非水溶媒として環状カーボネートを用いる場合、その重量比は、例えば非水溶媒の重量に対して30重量%以上60重量%以下であるが、これに限られない。環状カーボネートの重量比は30重量%以上100重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、50重量%以上70重量%以下である。
(ボラジン化合物)
ボラジン化合物は、典型的には、以下の式(1)で表される構造を有する。
R1およびR2で示す置換基は特に限定されない。例えば、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、のうちのいずれかでもよい。ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかでもよい。1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかでもよい。1価のハロゲン化炭化水素基は、1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基でもよい。アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などでもよい。アルケニル基は、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などでもよい。アルキニル基は、エチニル基、2-プロピニル基などでもよい。シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などでもよい。アリール基は、フェニル基、トリル基、2,6-ジメチルフェニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチル基などでもよい。ボラジン化合物は、不飽和炭化水素基を有するボラジン化合物でもよいし、飽和炭化水素基を有するボラジン化合物でもよい。本実施形態では、例えば、下記の式(2)から(5)で示されるボラジン化合物のうちいずれか1つが用いられる。
これらボラジン化合物を添加することにより、高電圧充電を繰り返した後でも、高い容量維持率を得ることができる。高電圧とは、例えば4.35Vであるが、これに限られない。容量維持率は、例えば、4.35Vで100回充放電を繰り返した(以下100サイクルとする)後の容量維持率とすることができる。高い容量維持率とは、例えば70%以上であるが、これに限られない。
また、ボラジン化合物を添加することにより、高電圧充電を繰り返した後でも、膨れの少ない電池を提供することができる。電池の膨れは、例えば、充放電前の二次電池の厚さと、100サイクル後の二次電池の厚さとを比較して測定することができる。膨れの少ない電池とは、例えば、100サイクル後の厚さの増加率が例えば3割未満である電池を指すが、これに限られない。
また、ボラジン化合物の含有量は、例えば非水溶媒の重量に対して2重量%であるが、これに限られない。ボラジン化合物の含有量は、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。
また、非水電解液には、高分子化合物を添加してもよい。高分子化合物は、非水溶媒を吸収してゲル化するものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)あるいはビニリデンフルオライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイド(PEO)あるいはポリエチレンオキサイド(PEO)を含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)あるいはポリメチルメタクリレート(PMMA)を繰り返し単位として含むものなどが挙げられる。高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ素系高分子化合物が望ましく、中でも、ビニリデンフルオライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とを成分として含む共重合体が好ましい。さらに、この共重合体は、モノメチルマレイン酸エステル(MME)などの不飽和二塩基酸のモノエステル、三フッ化塩化エチレン(PTCFE)などのハロゲン化エチレン、炭酸ビニレン(VC)などの不飽和化合物の環状炭酸エステル、またはエポキシ基含有アクリルビニルモノマーなどを成分として含んでいてもよい。これにより高い特性を得ることができる。
高分子化合物を添加する場合、その含有量は、例えば非水溶媒の重量に対して5重量%であるが、これに限られない。高分子化合物の含有量は、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2重量%以上8重量%以下である。
[外装部材]
外装部材19は、例えば、熱融着層、金属層および外装樹脂層をこの順に積層しラミネート加工などにより貼り合わせた構造を有するラミネートフィルムである。外装部材19は、例えば、熱融着層側を内側として、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
熱融着層は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレンあるいはこれらの共重合体などのポリオレフィン樹脂により構成されている。この種の樹脂材料は、水分透過性が低く、気密性にも優れる。金属層は、箔状あるいは板状のアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルあるいは鉄(Fe)などにより構成されている。外装樹脂層は、例えば熱融着層と同様の樹脂により構成されてもよいし、ポリアミドなどにより構成されてもよい。これにより、破れや突き刺しなどに対する強度を高くすることができる。外装部材19は、熱融着層、金属層および外装樹脂層以外の他の層を備えていてもよい。
外装部材19と正極リード15および負極リード16との間には、正極リード15および負極リード16と、外装部材19の内側との密着性を向上させ、外気の侵入を防止するための密着フィルム17が挿入されている。密着フィルム17は、正極リード15および負極リード16に対して密着性を有する材料により構成されている。正極リード15および負極リード16が上述した金属材料により構成される場合、密着フィルム17は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成される。
なお密着フィルム17は、必要に応じて省略されてもよい。すなわち、外装シート19A,19Bのシール樹脂層191と正極リード15および負極リード16との間に所定の密着性が得られる場合には、密着フィルム17の設置は必ずしも必要ではない。
本実施形態によれば、充放電を繰り返した後の容量維持率が改善され、さらに膨れも抑制された二次電池20を作製することができる。
以下、本技術の実施例について説明する。
(実施例1−1)
以下の手順により、図1および図2に示す二次電池を作製した。
[正極の製造方法]
まず、正極活物質と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤を調整し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒に分散して正極合剤スラリーとした。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体に塗布し乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層を形成し、正極を得た。
[負極の製造方法]
まず、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調整し、この負極合財をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーとした。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体に塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層を形成し、負極を得た。
[セパレータの製造方法]
押出機を用いて無機粒子、可塑剤、各種添加剤を含む樹脂組成物を溶融混練し、Tダイから押出し、キャストロールで冷却固化してシート状に成形したものを高倍率に二軸延伸した。このようにしてセパレータを得た。
[二次電池の組み立て方法]
まず、非水溶媒(炭酸エチレン(EC)、炭酸エチルメチル(EMC)、および炭酸ビニレン(VC))に電解質塩(LiPF6)を溶解させたのち、下記の式(2)で示されるボラジン化合物を添加して前駆溶液を調製した。この前駆溶液を、正極および負極のそれぞれの表面に塗布して電解質層を形成した。続いて、正極集電体および負極集電体にそれぞれ正極リードおよび負極リードを取り付けた。
なお、非水溶媒の組成は、重量比でEC:EMC:VC=58:40:2とした。ボラジン化合物の含有量は、非水溶媒の重量に対して2重量%とした。
続いて、電解質層が設けられた正極と負極とをセパレータを介して積層させてから長手方向に巻回し、その最外周部に保護テープを接着させて電極体を形成した。
最後に、例えば2枚のフィルム状の外装部材の間に電極体を挟みこんだ後、その外装部材の外縁部同士を熱融着などで接着させて減圧下で封止し、電極体を封入した。正極リードおよび負極リードと外装部材との間に、密着フィルムを挿入した。
[二次電池の特性試験]
このようにして得られた二次電池の特性(膨れ特性)を調べた。膨れ特性は以下のようにして調べた。常温環境中(23℃)において充放電前の二次電池の厚さ(mm)を測定し、その二次電池を100回充放電させてから充放電後の厚さ(mm)を測定した。この測定結果から、「膨れ率(%)=充放電後の厚さ÷充放電前の厚さ×100」を算出した。充放電条件は、充電電流=1.5A、充電電圧=4.55V、充電時間=2.5時間、放電電流=0.5A、終止電圧=3Vとした。
実施例1−1に係る二次電池の100サイクル後の膨れ率は102%であった。
(比較例1−1)
上記ボラジン化合物を添加しなかったことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。得られた二次電池の100サイクル後の膨れ率は125%であった。
上記実施例1−1および比較例1−1の結果を、表1にまとめて示す。
表1に示すように、実施例1−1の二次電池の膨れ率は102%であり、試験前と試験後とで二次電池の厚さにほとんど変化がない。ボラジン化合物を添加することにより、負極に良好なSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜が形成され、発生するガスの量が減り、これにより二次電池の膨れが抑制されたものと推定される。電池の膨れが大きい場合、外装部材として固い材料を用いて膨れを抑える必要があるが、その場合、外装部材に割れや亀裂が生じてしまうことがある。一方、実施例1−1の二次電池は、膨れが少ないため、外装部材にさまざまな材料を用いることができる。
(実施例1−2)
非水溶媒の組成を重量比でEC:EMC:VC=28:70:2としたことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。得られた二次電池の100サイクル後の膨れ率は128%であった。
(比較例1−2)
上記ボラジン化合物を添加しなかったこと、および非水溶媒の組成を重量比でEC:EMC:VC=28:70:2としたことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。得られた二次電池の100サイクル後の膨れ率は130%であった。
上記実施例1−2および比較例1−2の結果を、表2にまとめて示す。
表2に示すように、ボラジン化合物を添加することにより、ボラジン化合物を添加しない場合と比較して、膨れ率の低減を図ることができる。実施例1−1と実施例1−2との違いは非水溶媒の重量比のみである。このことから、ボラジン化合物の添加は、非水溶媒の重量比あるいは種類に応じて効果に違いはあるものの、二次電池の膨れ抑制という一定の効果を有するものと推定される。
表1および表2の結果から、非水溶媒の重量比に応じて、二次電池の膨れ率が変化することが分かる。実施例1−2の結果よりも実施例1−1の結果の方が良好であることから、非水溶媒のうち環状カーボネート(ここでは、ECおよびVC)の重量比が大きいほど膨れを抑制する効果が高いと推定される。
(実施例2−1)
実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性(容量維持率)を調べた。
容量維持率は以下のようにして調べた。常温環境中(23℃)において二次電池を2回充放電させて、初期容量として2サイクル目の放電容量(mAh)を測定した。続いて、同環境中においてサイクル数の合計が100回になるまで二次電池を繰り返して充放電させて、100サイクル目の放電容量(mAh)を測定した。最後に、「容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量(mAh)/2サイクル目の放電容量(mAh))×100」を算出した。放電条件は、膨れ特性を調べた場合と同様の条件とした。
実施例2−1に係る二次電池の100サイクル後の容量維持率は81%であった。
(実施例2−2)
ボラジン化合物を下記の式(3)で示すボラジン化合物としたことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は80%であった。
(実施例2−3)
ボラジン化合物を下記の式(4)で示すボラジン化合物としたことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は88%であった。
(実施例2−4)
ボラジン化合物を下記の式(5)で示すボラジン化合物としたことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は87%であった。
(実施例2−5)
高分子化合物としてPVdFの添加したことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。なおPVdFの添加量は、非水溶媒に対して5重量%とした。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は83%であった。
(実施例2−6)
ボラジン化合物を下記の式(4)で示すボラジン化合物としたこと、および高分子化合物としてPVdFの添加したことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。なおPVdFの添加量は、非水溶媒に対して5重量%とした。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は91%であった。
(実施例2−7)
高分子化合物としてPEOの添加したことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。なおPEOの添加量は、非水溶媒に対して5重量%とした。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は73%であった。
(実施例2−8)
ボラジン化合物を下記の式(4)で示すボラジン化合物としたこと、および高分子化合物としてPEOの添加したことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。なおPEOの添加量は、非水溶媒に対して5重量%とした。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は77%であった。
(比較例2−1)
上記ボラジン化合物を添加しなかったことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は63%であった。
(比較例2−2)
上記ボラジン化合物を添加しなかったこと、および高分子化合物としてPVdFの添加したことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。なおPVdFの添加量は、非水溶媒に対して5重量%とした。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は64%であった。
(比較例2−3)
上記ボラジン化合物を添加しなかったこと、および高分子化合物としてPEOの添加したことを除き、実施例1と同様の手順により二次電池を作製してその特性を調べた。なおPEOの添加量は、非水溶媒に対して5重量%とした。得られた二次電池の100サイクル後の容量維持率は61%であった。
上記実施例2−1〜2−8および比較例2−1〜2−3から得られた結果を、表2にまとめて示す。表3において、ボラジン化合物の種類1〜4は、上記()〜()式で示したボラジン化合物にそれぞれ相当する。
実施例2−1〜2−8と比較例2−1〜2−3とを比較すると、ボラジン化合物を添加することで、容量維持率が改善されることが分かる。また、実施例2−1および実施例2−2と、実施例2−3および実施例2−4とを比較すると、不飽和炭化水素基を有するボラジン化合物(種類3および4)を添加した方がより容量維持率を改善できることが分かる。
また、実施例2−5と2−6、および実施例2−7と2−8とを比較すると、高分子化合物を添加した場合でも、不飽和炭化水素基を有するボラジン化合物(種類3および4)を添加した方がより容量維持率を改善できることが分かる。
また、実施例2−5と2−7、および実施例2−6と2−7とを比較すると、高分子化合物としてPEOを添加したときよりもPVdFを添加したときの方がより容量維持率が改善されることが分かる。
すなわち、非水溶媒に高分子化合物を添加する場合、高分子化合物としてはPVdFを用い、ボラジン化合物としては不飽和炭化水素基を有するものを用いることで、容量維持率をより改善できると推定される。
<変形例>
上記の二次電池20はリチウムイオン二次電池として説明したが、これに限られない。例えば、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを有しない金属硫化物、金属酸化物等を使用してもよい。これらの正極活物質は、単独で用いるか、もしくは複数種を混合して用いてもよい。
上記の二次電池20は、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置等の機器に搭載され又は電力を供給するために使用することができる。
電子機器としては、例えばノート型パーソナルコンピュータ、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、コードレスフォン子機、ビデオムービー、デジタルスチルカメラ、電子書籍、電子辞書、音楽プレイヤー、ラジオ、ヘッドホン、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、電動工具、電気シェーバー、冷蔵庫、エアコンディショナ、テレビ、ステレオ、温水器、電子レンジ、食器洗い機、洗濯機、乾燥機、照明機器、玩具、医療機器、ロボット、ロードコンディショナ、信号機等が挙げられる。この場合、二次電池20から電力の供給を受ける受電回路としては、IC部品、発光部品などの各種電気・電子部品、これら部品が実装された回路基板、モータ等のアクチュエータ等が挙げられる。
電動車両としては、例えば鉄道車両、ゴルフカート、電動カート、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)等が挙げられ、これらの駆動用電源又は補助用電源として用いられる。
蓄電装置としては、住宅をはじめとする建築物用又は発電設備用の電力貯蔵用電源等が挙げられる。
以下、代表として電池パックを例に挙げて説明する。
図3は、二次電池を有する電池パックの回路構成例を示すブロック図である。電池パック300は、主として、セル301と、スイッチ部304と、制御部310と、これらを支持するパッケージ体320とを有する。
電池パック300は、正極端子321および負極端子322を有し、充電時には正極端子321および負極端子322がそれぞれ充電器の正極端子および負極端子に接続されることで充電される。また、電子機器の使用時には、正極端子321および負極端子322がそれぞれ電子機器の正極端子および負極端子に接続されることで放電し、電子機器内の受電回路に電力を供給する。
セル301は、複数の二次電池301aを直列および/または並列に接続した組電池で構成される。この二次電池301aは、第1の実施形態で説明された二次電池20が適用される。なお図3では、6つの二次電池301aが、2並列3直列(2P3S)に接続された場合が例として示されているが、その他、n並列m直列(n,mは整数)のように、どのような接続方法でもよい。
スイッチ部304は、充電制御スイッチ302aおよびダイオード302b、ならびに放電制御スイッチ303aおよびダイオード303bを備え、スイッチ制御部314によって制御される。
ダイオード302bは、正極端子321からセル301の方向に流れる充電電流に対しては逆方向であり、負極端子322からセル301の方向に流れる放電電流に対しては順方向である極性を有する。ダイオード303bは、充電電流に対しては順方向であり、放電電流に対しては逆方向である極性を有する。なおスイッチ部304は正極端子321側に設けられているが、負極端子322側に設けられてもよい。
充電制御スイッチ302aは、電池電圧が過充電検出電圧となった場合にOFFとされ、セル301の電流経路に充電電流が流れないように制御部310によって制御される。充電制御スイッチ302aがOFFとされた後、ダイオード302bを介することによって放電のみが可能となる。また、充電時に大電流が流れた場合にOFFとされ、セル301の電流経路に流れる充電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
放電制御スイッチ303aは、電池電圧が過放電検出電圧となった場合にOFFとされ、セル301の電流経路に放電電流が流れないように制御部310によって制御される。放電制御スイッチ303aがOFFとされた後、ダイオード303bを介することによって充電のみが可能となる。また、放電時に大電流が流れた場合にOFFとされ、セル301の電流経路に流れる放電電流を遮断するように、制御部310によって制御される。
温度検出素子308は、例えばサーミスタであり、セル301の近傍に設けられ、セル301の温度を測定して測定温度を温度測定部318へ供給する。温度測定部318では、温度検出素子308を用いて測定された温度に関する情報を制御部310へ供給する。制御部310は、温度測定部318の出力に基づいて異常発熱時の充放電制御や、残容量の算出における補正を行う。
電圧測定部311は、セル301およびそれを構成する各二次電池301aの電圧を測定し、この測定電圧をA/D変換して制御部310へ供給する。電流測定部313は、電流検出抵抗307を用いて電流を測定し、この測定電流を制御部310へ供給する。
スイッチ制御部314は、制御部310によって制御され、電圧測定部311および電流測定部313から入力された電圧および電流を基に、スイッチ部304の充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aを制御する。スイッチ制御部314は、二次電池301aのいずれかの電圧が過充電検出電圧もしくは過放電検出電圧以下になったときに、又は大電流が急激に流れたときに、スイッチ部304の制御信号を送ることにより、過充電および過放電、過電流充放電を防止する。
ここで、リチウムイオン二次電池の場合、過充電検出電圧は例えば4.20V±0.05Vと定められ、過放電検出電圧は例えば2.4V±0.1Vと定められる。
充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aには、例えばMOSFETなどの半導体スイッチが使用される。この場合、MOSFETの寄生ダイオードがダイオード302b,303bとして機能する。充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aとしてPチャンネル型FETを使用した場合、スイッチ制御部314は、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aのそれぞれのゲートに対して制御信号DOおよびCOをそれぞれ供給する。
充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aがPチャンネル型である場合、ソース電位より所定値以上低いゲート電位によってONとされる。すなわち、通常の充電および放電動作では、制御信号COおよびDOをローレベルとされ、充電制御スイッチ302aおよび放電制御スイッチ303aをOFF状態とされる。
メモリ317は、RAMやROMからなり例えば不揮発性メモリであるEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等からなる。メモリ317では、制御部310に演算された数値や、製造工程の段階で測定された各二次電池301aの初期状態における電池の内部抵抗値などが予め記憶され、適宜、書き換えも可能である。また、二次電池301aの満充電容量を記憶させておくことで、制御部310とともに例えば残容量を算出することができる。
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術はこれに限定されることはなく、本技術の技術的思想に基づいて種々の変更が可能である。
例えば以上の実施形態では、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明したが、これに限られず、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウム−二酸化マンガン電池、リチウム−硫化鉄電池およびこれら電池用のセパレータにも、本技術は適用可能である。
また以上の実施形態では、巻回構造を有する二次電池について説明したが、これ以外にも、正極および負極を折り畳んだ構造あるいは積み重ねた構造を有する電池にも同様に適用可能である。加えて、いわゆるコイン型、ボタン型、角型などの電池にも本技術は適用可能である。さらに、二次電池に限定だけでなく、一次電池にも本技術は適用可能である。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
電解質塩と、
非水溶媒と、
下記の式(1)で示されるボラジン化合物と
を含有する電解液。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
(2)
上記(1)記載の電解液であって、
上記ボラジン化合物は、下記の式(2)から(5)で示されるボラジン化合物のうちいずれか1つである
電解液。
(3)
上記(1)または(2)記載の電解液であって、
上記非水溶媒は、環状カーボネートを含有し、
上記ボラジン化合物の含有量は、上記非水溶媒の重量に対して0.1重量%以上10重量%以下である
電解液。
(4)
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の電解液であって、
上記環状カーボネートの含有量は、上記非水溶媒の重量に対して60重量%以上であり、
上記環状カーボネートは、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、および炭酸ビニレンのうち少なくとも1つを含む
電解液。
(5)
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の電解液であって、
フッ化ビニリデンを成分とする単独重合体、共重合体、および多元共重合体、ならびにポリフッ化ビニリデン(PVdF)のうち少なくとも1つをさらに含有する
電解液。
(6)
電解質塩と、
非水溶媒と、
下記の式(6)で示されるボラジン化合物と
を含有する電解液。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルケニル基またはアルキニル基であり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基であり、前記R1およびR2のうち少なくとも1つは、前記1価の炭化水素基である)
(7)
正極と、
負極と、
電解質塩と、
非水溶媒と、
下記の式(1)で示されるボラジン化合物と
を含有する電解液と
を具備する二次電池。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
(8)
二次電池と、
上記二次電池の充放電を制御する制御部と、
上記二次電池と上記制御部とを支持するパッケージ体と
を具備し、
上記二次電池は、
正極と、
負極と、
電解質塩と、
非水溶媒と、
下記の式(1)で示されるボラジン化合物と
を含有する電解液と
を有する
電池パック。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
(9)
正極と、
負極と、
電解質塩と、
非水溶媒と、
下記の式(1)で示されるボラジン化合物と、
を含有する電解液と
を有する二次電池と、
上記二次電池から電力の供給を受ける受電回路と
を具備する電子機器。
(式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
10…電極体
11…正極
12…負極
13…セパレータ
14…電解質層
20…二次電池
300…電池パック

Claims (9)

  1. 電解質塩と、
    非水溶媒と、
    下記の式(1)で示されるボラジン化合物と
    を含有する電解液。

    (式中、R1は、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、R2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
  2. 請求項1記載の電解液であって、
    前記ボラジン化合物は、下記の式(2)から(5)で示されるボラジン化合物のうちいずれか1つである
    電解液。
  3. 請求項1記載の電解液であって、
    前記非水溶媒は、環状カーボネートを含有し、
    前記ボラジン化合物の含有量は、前記非水溶媒の重量に対して0.1重量%以上10重量%以下である
    電解液。
  4. 請求項記載の電解液であって、
    前記環状カーボネートの含有量は、前記非水溶媒の重量に対して60重量%以上であり、
    前記環状カーボネートは、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、および炭酸ビニレンのうち少なくとも1つを含む
    電解液。
  5. 請求項1記載の電解液であって、
    フッ化ビニリデンを成分とする単独重合体、共重合体、および多元共重合体、ならびにポリフッ化ビニリデン(PVdF)のうち少なくとも1つをさらに含有する
    電解液。
  6. 電解質塩と、
    非水溶媒と、
    下記の式(6)で示されるボラジン化合物と
    を含有する電解液。

    (式中、R1およびR2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルケニル基またはアルキニル基であり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基であり、前記R1およびR2のうち少なくとも1つは、前記1価の炭化水素基である)
  7. 正極と、
    負極と、
    電解質塩と、
    非水溶媒と、
    下記の式(1)で示されるボラジン化合物と
    を含有する電解液と
    を具備する二次電池。
    (式中、R1は、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、R2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
  8. 二次電池と、
    前記二次電池の充放電を制御する制御部と、
    前記二次電池と前記制御部とを支持するパッケージ体と
    を具備し、
    前記二次電池は、
    正極と、
    負極と、
    電解質塩と、
    非水溶媒と、
    下記の式(1)で示されるボラジン化合物と
    を含有する電解液と
    を有する
    電池パック。

    (式中、R1は、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、R2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
  9. 正極と、
    負極と、
    電解質塩と、
    非水溶媒と、
    下記の式(1)で示されるボラジン化合物と、
    を含有する電解液と
    を有する二次電池と、
    前記二次電池から電力の供給を受ける受電回路と
    を具備する電子機器。

    (式中、R1は、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、R2は、水素基、ハロゲン基、1価の炭化水素基、および1価のハロゲン化炭化水素基のうちのいずれかであり、前記ハロゲン基は、フッ素基(−F)、塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、およびヨウ素基(−I)のうちのいずれかであり、前記1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、およびそれらの2種類以上が1価となるように結合された基のうちのいずれかであり、前記1価のハロゲン化炭化水素基は、前記1価の炭化水素基のうちの少なくとも一部の水素基がハロゲン基により置換された基である。)
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