JP2012180591A - プレコート金属板用下地処理剤、それを塗布した塗装下地処理金属板、及びそれを使用したプレコート金属板 - Google Patents

プレコート金属板用下地処理剤、それを塗布した塗装下地処理金属板、及びそれを使用したプレコート金属板 Download PDF

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Abstract

【課題】様々なタイプのプレコート金属板用に好適な新しい下地処理剤と、その下地処理剤を塗布して処理された塗装下地処理金属板、及びその塗装下地処理金属板を使用したプレコート金属板を提供すること。
【解決手段】本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、水中に、固形分として、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカとともに、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を含有し、処理剤としてのpHが2.0〜6.5であることを特徴とする。本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、プレコート金属板の耐食性を更なる向上のために、リン酸化合物を含んでもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、プレコート金属板の製造において下地金属板の処理に用いられる下地処理剤と、その下地処理剤を塗布して処理された塗装下地処理金属板、及びその塗装下地処理金属板を使用したプレコート金属板に関する。
加工後に塗装されていた従来のポスト塗装製品に代わって、特に家電、建材、自動車などの産業分野では、着色した有機皮膜で予め被覆したプレコート金属板を使用して、塗装を必要とせずに加工するだけで製品を製造する技術が普及してきている。代表的なプレコート金属板の構成は、下地処理を施した金属板(めっきした金属板を含む)に、プライマー層とトップ層からなる2層構造の有機皮膜を被覆したもので、美観を有しながら、加工性を有し、耐食性が良好であるという特性を有している。
従来のプレコート金属板では、一般に、下地処理層の上に形成したプライマー層が主に下地金属板の防錆性(耐食性)に寄与し、プライマー層の上に形成したトップ層が意匠性(加工部を含めた金属板全体の着色性、隠蔽性)を担っている。着色層であるトップ層は、溶剤系の塗料により、およそ20μm程度の膜厚で形成されている。下地処理層は、従来はクロメート処理により形成されていたが、クロメート処理皮膜から溶出する可能性のある6価クロムの毒性問題から、近年はクロメート処理に代わるノンクロメート処理による下地処理皮膜が一般に用いられるようになっている。
金属板上に上述の3つの処理層(下地処理層、プライマー層、トップ層)を設けたプレコート金属板は、建材や自動車、あるいは屋外に設置される空調室外機のように、過酷な環境での使用にも耐えるように設計されており、高価であった。しかしながら、ユーザーニーズの多様化により、屋内に設置される家電や内装建材等の穏和な使用条件での耐久性を有すれば充分に目的を達する分野での意匠性金属板の需要もあり、より低価格の製品が求められるようになってきた。
穏和な条件での使用に特化した、安価に製造できる意匠性金属板として、例えば、特許文献1には、厚さ5μm以下の着色樹脂層を設けた着色鋼板が、特許文献2には特定の粗度を有する鋼板表面に発色皮膜を有する着色鋼板が開示されている。しかしながら、これらの着色鋼板はクロメート処理剤による下地皮膜を設けることで耐食性を担保する設計となっているため、昨今のノンクロム化ニーズに応えることができない。
このように、下地金属板の上に設けられる処理層の構造(3層あるいは2層)にかかわらず、下地処理層のノンクロム化ニーズに応えるため、クロメート処理剤に代わる非クロメート系の下地処理剤が求められている。
特許文献3には、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカを同時に含有するプレコート金属板用のノンクロメート型下地処理剤が開示されている。この特許文献には、上記の必須成分以外にポリエステル樹脂成分を含有する処理剤も記載され、ポリエステル樹脂の添加は、プレコート金属板の加工密着性の向上に寄与すると説明されている。この特許文献は、実施例から明らかなように、プライマー層を含む3層構造の処理層を形成したプレコート金属板を主な対象としている。
特許文献4には、下地金属板上に黒色塗膜を設けた、プレコート金属板として用いられるクロメートフリー黒色塗装金属板が開示されており、この塗装金属板は黒色塗膜の下層に下地処理層を有することが好ましいと記載されている。黒色塗膜の下層の下地処理層は、シランカップリング剤、有機樹脂、ポリフェノール化合物(タンニン酸)を含む場合に、耐食性を最も高めることができると記載され、有機樹脂としては、ポリエステル樹脂を用いるのが好ましいことが記載されている。実施例中には、更にその他成分としてシリカを含有する下地処理剤が1例だけ示されている。
特許文献5には、プレコート金属板ではなく、飲料の自動販売機においてスチール缶、アルミ缶、ガラス瓶などよりも搬送抵抗の大きな角筒型PETボトルの搬送をも可能にする移送用潤滑表面処理鋼板が記載され、特定の潤滑皮膜と下地処理の組み合わせにより、特に顕著な滑り性と耐久性が得られると説明されている。下地処理には、シランカップリング剤、ポリエステル樹脂、タンニン酸、及びシリカからなる下地処理剤が用いられている。下地処理層の上の潤滑皮膜は、皮膜の厚みの3倍以上の最大長径を有するフッ素系固体潤滑剤を含有するポリウレタン樹脂皮膜である。
特開平5−16292号公報 特開平2−93093号公報 特開2001−089868号公報 国際公開第2010/137726号パンフレット 特開2006−299406号公報
本発明の目的は、プレコート金属板用の新しい下地処理剤を提供することであり、より詳しくいえば、下地処理層の上に、プライマー層なしに直接トップ層が形成される、新しいタイプのプレコート金属板用にも好適な、これまでにない下地処理剤を提供することである。本発明の更なる目的は、その下地処理剤を塗布して処理された塗装下地処理金属板、及びその塗装下地処理金属板を使用したプレコート金属板を提供することである。
発明者が上述のようなプレコート金属板用の新しい下地処理剤の開発を思い立った経緯は、次のとおりである。
上述のとおり、プレコート金属板に対するユーザーニーズの多様化により、3つの処理層を有し過酷な使用条件にも耐えるように設計された従来のノンクロメート型プレコート金属板以外に、穏和な条件での使用に特化したプライマー層なしに直接トップ層が形成される新しいタイプの、ノンクロメート型の安価なプレコート金属板が最近になって登場してきた。この新タイプのプレコート金属板用の下地処理剤として、固形分としてタンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカに加えて、ポリエステル樹脂を含む、特許文献3に記載されたタイプのノンクロメート型下地処理剤を用いたところ、プレコート金属板製造の実操業で、定常状態での長期の使用において、処理剤中に沈殿が発生するという課題に遭遇した。
プレコート金属板の製造に当たり、下地処理剤を連続ラインで使用する際には、下地処理剤を循環させ、ロールコーターやスプレーにて金属板上に塗布するのが一般的である。これらの塗布工程において、定常状態で下地処理剤に沈殿が発生すると、操業上種々の問題が生じる。まず、下地処理剤パン中に堆積した沈殿物を下地処理剤とともにロールコーターがすくい上げて金属板上に塗布したり、沈殿物が混入した下地処理剤をスプレー塗布することにより、固形物が金属板上に異物となって付着したりして、外観不良となる(商品価値が著しく損なわれる)。また、粘着性の沈殿物がロールコーター表面に付着したり、スプレーの目詰まりを発生したりすることで、頻繁にロール交換やスプレーのメンテナンスを行う必要が生じ、作業性が著しく低下する。更に、沈殿が激しい場合には「上澄み」液(実際の下地処理剤)の構成成分比率が本来の下地処理剤のそれから大きく変化してしまい、下地処理剤としての本来の性能が発現できない事態に至る。
これらの問題の原因は、次のように考えられた。前述したようにプレコート金属板の製造に当たり、下地処理剤を連続ラインで使用する際には、下地処理剤を循環させ、ロールコーターやスプレーにて金属板上に塗布するのが一般的である。特許文献3のポリエステル樹脂を含む下地処理剤はpHが4程度の酸性を示すため、操業が長時間にわたると、例えば亜鉛めっき鋼板上に塗布する場合には亜鉛がイオンとなって、金属板表面から少しずつ下地処理剤中に溶出し、循環している下地処理剤中の亜鉛濃度が上昇していく。また、金属板は通常、脱脂・水洗・熱風乾燥工程を経た直後に下地処理剤の塗布工程に至るため、塗布工程進入時の金属板の温度は概ね高く、下地処理剤の温度は徐々に上昇していく。下地処理剤は一定の速度で金属板上に塗布・消費され、それに見合った量の新しい下地処理剤が循環系に供給されるため、これらが釣り合ったところで、下地処理剤中の金属のコンタミ濃度や温度は定常値となる。操業条件にもよるが、定常状態において、温度は概ね最大40℃、金属コンタミ(亜鉛の場合)の濃度は概ね最大100ppmとなる。これらから、下地処理剤の使用時に沈殿を生じさせないようにするには、上述の定常状態程度の金属コンタミや上昇した温度のもとで沈殿を発生せず、下地処理剤が安定であることが極めて重要であることを発明者は見いだした。
また、上述したような長時間にわたる操業において、亜鉛はイオンとなって下地処理剤中に溶解していく。亜鉛のイオン化に処理剤中の水素イオンが消費されるため、亜鉛イオン濃度の上昇に伴い下地処理剤のpHは徐々に上昇する傾向にある。pHが上昇することは、後述するように沈殿を生じ操業安定性に悪影響を及ぼす原因のひとつになることも判っている。
下地処理剤における沈殿は、金属コンタミの存在下で高温になるに従い、下地処理剤中のシランカップリング剤やタンニン酸等の配位能を有する構成成分が、金属板から溶出した金属イオンと反応し、下地処理剤中に安定に存在し難くなり、ポリエステル樹脂とともに沈殿してくるものと、本発明者は考えた。ところが研究を進めるにつれて、ポリエステル樹脂の種類によって沈殿の発生しやすさに差があることを、発明者は見出した。
このようにポリエステル樹脂の種類により沈殿の発生しやすさに差が現れる原因に関し、下地処理剤における沈殿発生のメカニズムについて、上述した各知見の組み合わせに基づき、発明者は以下のように推定する。
シランカップリング剤及びタンニン酸は反応性の高い化合物であるため、下地処理剤中でそれらの一部が反応して溶解性に劣る反応生成物となり、これが会合し凝集物となって沈殿する。下地処理剤中に溶出したZnイオンが存在する場合には、Znイオンと上記反応生成物が反応し、高分子量化し、反応生成物の電荷が更に失われる方向に進むため、溶解度が更に低下し沈殿の発生が助長される。しかし、この系に特定のポリエステル樹脂が存在すると、この反応生成物がポリエステル樹脂エマルションの疎水性部分に疎水性相互作用にて吸着し、反応生成物どうしが会合して凝集するのを妨げるため、沈殿が抑制される。ポリエステル樹脂による沈殿抑制効果の程度は、ポリエステル樹脂エマルション自身の下地処理剤中での安定性に依存していると発明者は推定する。すなわち、ポリエステル樹脂構造中に含まれ、ポリエステル樹脂エマルション自身の安定性を担保するために重要な役割を担っている親水性官能基を制御することによって、発明者は下地処理剤の安定性(沈殿抑制)を向上させることができると考えた。
これらの知見をよりどころに、更に検討を重ねた結果、発明者は、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカに加え、ポリエステル樹脂を含有している下地処理剤のプレコート金属板製造の実操業時の安定性は、ポリエステル樹脂として、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を使用することにより改善されることを見いだして、本発明を完成するに至った。スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を使用することで実操業時の処理剤の安定性が改善できる理由としては、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基はカルボキシル基やアミノ基等の他の親水性官能基に比べ、高い親水性を有しているため、ポリエステル樹脂エマルションの下地処理剤中での安定性を高位に保持するためと推定している。更に、下地処理剤のpHが変動したりZnイオン等のイオン性物質が混入したりする場合においても、その安定性を損ないにくいという特長に由来していると推定している。
本発明の要旨を、その好ましい実施形態とともに示せば、次のとおりである。
(1)水中に、固形分として、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカとともに、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を含有し、処理剤としてのpHが2.0〜6.5であることを特徴とする、プレコート金属板用下地処理剤。
(2)前記スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂の数平均分子量が5000〜20000であることを特徴とする、上記(1)に記載のプレコート金属板用下地処理剤。
(3)前記スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂の粒子径が20〜150nm、ガラス転移温度(Tg)が0〜30℃で且つ水酸基価が5〜13であることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載のプレコート金属板用下地処理剤。
(4)当該処理剤中のタンニン又はタンニン酸の質量濃度(g/L)をTA、シランカップリング剤の質量濃度(g/L)をSC、微粒シリカの質量濃度(g/L)をSI、ポリエステル樹脂の質量濃度(g/L)をPRとしたとき、TA/SC=0.025〜40、(TA+SC)/SI=0.1〜20、(TA+SC)/PR=0.1〜10を同時に満たし、且つ固形成分の合計の濃度(TA+SC+SI+PR)が10〜200g/Lであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤。
(5)当該処理剤中に、リン酸化合物を更に含有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤。
(6)当該処理剤中のタンニン又はタンニン酸の質量濃度TA(g/L)とリン酸化合物の質量濃度PA(g/L)との比が、TA/PA=1〜40であることを特徴とする、上記(5)に記載のプレコート金属板用下地処理剤。
(7)前記シランカップリング剤がグリシジルエーテル基を有することを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤を用いて形成した下地処理層を有することを特徴とする塗装下地処理金属板。
(9)前記下地処理剤を用いて形成した下地処理層の付着量が10〜1000mg/m2であることを特徴とする、上記(8)に記載の塗装下地処理金属板。
(10)上記(8)又は(9)に記載の塗装下地処理金属板の上に、上層皮膜層を有することを特徴とするプレコート金属板。
(11)前記上層皮膜層の厚さが10μm以下であることを特徴とする、上記(10)に記載のプレコート金属板。
(12)前記下地処理層と前記上層皮膜層との間に、防錆顔料を添加した下層皮膜層を有することを特徴とする、上記(10)又は(11)に記載のプレコート金属板。
本発明によれば、長時間の連続使用に供されても安定に使用可能な新しいプレコート金属板用下地処理剤が提供される。本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、下地処理層の上に、プライマー層なしに直接トップ層が形成される、新しいタイプのプレコート金属板用にも好適に使用することが可能である。よって、本発明は、広範な用途に適応した各種プレコート金属板の利用に大きく資するものである。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、水中に、固形分として、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカとともに、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を含有し、処理剤としてのpHが2.0〜6.5であることを特徴とする。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤において、タンニン又はタンニン酸は、本発明の下地処理剤を利用して製造したプレコート金属板において、下地処理層とその上に形成する塗膜との加工密着性を向上させるのに有効である。プレコート金属板が、下地処理層の上に、プライマー層なしに10μm以下の薄膜のトップ層が直接形成される、新しいタイプのプレコート金属板である場合は、その耐食性を向上させる上でも有効である。タンニン又はタンニン酸は、加水分解できるタンニンでも縮合タンニンでもよく、これらの一部が分解されたものでもよい。タンニン又はタンニン酸は、ハマメタタンニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバランのタンニン、ジビジビのタンニン、アルガロビラのタンニン、バロニアのタンニン、カテキンなど特に限定するものではないが、塗膜の加工密着性向上の観点から、「タンニン酸:AL」(富士化学工業製)が好ましい。タンニン又はタンニン酸は、1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤が含有するシランカップリング剤としては、種々のシラン化合物を用いることができる。シランカップリング剤として用いることができる化合物の例としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(メチルジエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどを挙げることができるが、グリシジルエーテル基を有するシランカップリング剤、例えば、グリシジルエーテル基を有するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを使用すると、塗膜の加工密着性は特に向上する。更に、トリエトキシタイプのシランカップリング剤を使用すると、下地処理剤の保存安定性を向上させることができる。これは、トリエトキシシランが水溶液中で比較的安定であり、重合速度が遅いためであると考えられる。シランカップリング剤は1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
下地処理剤中のタンニン又はタンニン酸の質量濃度(g/L)をTA、シランカップリング剤の質量濃度(g/L)をSCとしたとき、TA/SCは、0.025〜40が好適である。この範囲を逸脱すると、どちらの成分が多い場合でも、塗膜の加工密着性やプレコート金属板の耐食性が低下する。TA/SCは、好ましくは0.03〜35、より好ましくは0.04〜30、最も好ましくは0.05〜20である。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤が含有する微粒シリカとは、微細な粒径を持つために水中に分散させた場合に安定に水分散状態を維持できるシリカを総称して言うものである。微粒シリカは、本発明の下地処理剤を利用して製造したプレコート金属板の耐食性を向上させるとともに、塗膜の密着性を向上させるのに有効である。使用可能な微粒シリカとしては、特に制限はないが、例えば、一次粒子径が5〜50nmのコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等のシリカ微粒子であることが好ましい。微粒シリカとしては、例えば、「スノーテックスN」、「スノーテックスC」、「スノーテックスUP」、「スノーテックスPS」(いずれも日産化学工業製)、「アデライトAT−20Q」(旭電化工業製)など市販のシリカゲル、又はアエロジル#300(日本アエロジル製)などの粉末シリカ、などを用いることができる。微粒シリカは、必要とされる性能に応じて、適宜選択すればよい。微粒シリカとして、「スノーテックスC」のようにpHが4以上でも安定に分散できるものを使用すると、下地処理剤の保存安定性を向上させることができる。これは、処理剤のpHを4以上に調整することができるため、低pHで反応性の高いシランカップリング剤の反応を抑制できるためであると考えられる。ここに、本発明においては、pHが4以上で安定なシリカ利用のメリットは保存安定性である。よって、操業安定性のために液をpH2〜6.5にすることと矛盾はしない。微粒シリカは1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
下地処理剤中の微粒シリカの質量濃度(g/L)をSI、タンニン又はタンニン酸及びシランカップリング剤の合計の質量濃度(g/L)を(TA+SC)としたとき、(TA+SC)/SIは、0.1〜20の範囲にあるのが好適である。0.1未満では、下地処理層の凝集力が低下して塗膜の加工密着性が低下し、20を超えると、塗膜の加工密着性が劣る。(TA+SC)/SIは、0.2〜15がより好ましく、0.4〜10が最も好ましい。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を含有する。この下地処理剤の必須成分であるシランカップリング剤が水性組成物である処理剤中で安定に存在するためには、処理剤のpHが2.0〜6.5程度の弱酸性であることが必要である。本発明の下地処理剤で使用するスルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂は、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として持つモノマーを共重合させて製造され、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基の部分が高い親水性を示すため、酸性の液体中でも安定であることができる。
このように、本発明では、ポリエステル樹脂が弱酸性の処理剤中で安定に存在していることにより、シランカップリング剤の安定性が確保でき、ひいては下地処理剤の安定性を確保することができる。
本発明の下地処理剤で使用するスルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂は、数平均分子量が5000〜20000程度であるのが好ましい。5000未満では、塗膜の加工密着性やプレコート金属板の耐食性が低下する場合があり、20000を超えると、下地処理剤の安定性が低下する場合がある。スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂のより好ましい数平均分子量は8000〜15000、最も好ましくは10000〜15000である。ポリエステル樹脂の数平均分子量は、樹脂試料4mgを、4mlのテトラヒドロフラン(テトラブチルアンモニウムクロライド5mM添加)に溶解した後、0.2μmのメンブランフィルターでろ過した樹脂試料溶液のゲル浸透クロマトグラフィー分析により測定することができる。装置はTOSOH HLC−8220で示差屈折率検出器を用い、40℃で測定する。数平均分子量は標準ポリスチレン換算値とし、分子量1000未満に相当する部分を省いて算出する。
本発明の下地処理剤で使用するポリエステルに含まれるスルホン酸塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニウム塩やエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン類の塩、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)などのアルカリ金属の塩であることが好ましい。最も好ましいスルホン酸塩基は、下地処理剤の安定性の観点からスルホン酸Na塩基である。
本発明で使用するスルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を製造する方法は、特に限定されない。例えば、ポリカルボン酸成分およびポリオール成分からなるポリエステル原料とともに、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として有するポリカルボン酸を重縮合反応させて得られた生成物を水に分散させて、水性エマルションとして得ることができる。
スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として有するポリカルボン酸としては、例えば、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等のジカルボン酸や、スルホン酸塩基がアンモニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、リチウム、ナトリウム、カリウム塩基等である上記のポリカルボン酸を用いることができる。
前記ポリカルボン酸成分としては、上述のスルホン酸基またはスルホン酸塩基を有するポリカルボン酸以外に、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を有しないポリカルボン酸を用いることができる。ポリカルボン酸成分は、1種を使用してもよく、2種以上(例えば、スルホン酸基を有する2種以上のポリカルボン酸の組み合わせ、スルホン酸基を有しない2種以上のポリカルボン酸の組み合わせ、スルホン酸基を有するポリカルボン酸とスルホン酸基を有しないポリカルボン酸との組み合わせ)を併用してもよい。
前記ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、トリエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−3−メチル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノール−A、ダイマージオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を有しないポリオールを用いることができる。ポリオール成分も、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含有するジカルボン酸の使用量は、全ポリカルボン酸成分又は全ポリオール成分に対し、2〜7モル%であることが好ましい。2モル%未満であると、ポリエステル樹脂エマルション自身の安定性が低下し下地処理剤の安定性が低下する場合がある。7モル%超であると、下地処理剤で処理したプレコート金属板の耐食性が低下する場合がある。スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含有するジカルボン酸の使用量は、全ポリカルボン酸成分又は全ポリオール成分に対し、3〜5モル%であるのがより好ましい。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤で使用するスルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂は、粒子径が20〜150nmの粒状樹脂として水中に分散されていることが好ましく、粒子径は30〜150nmであることが更に好ましい。ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が0〜30℃、水酸基価が5〜13であることも好ましい。このようなポリエステル樹脂が下地処理剤中に存在することによって、沈殿の発生が抑制される。この沈殿発生抑制効果は、シランカップリング剤とタンニン酸との反応生成物がポリエステル樹脂の疎水性部分に疎水性相互作用により吸着して、反応性の高い化合物であるシランカップリング剤及びタンニン酸の一部が反応して生じた溶解性に劣る反応生成物どうしが会合して凝集するのを妨げるためと考えられる。
ポリエステル樹脂のTgが0℃未満では、皮張り現象が起こることでポリエステル樹脂の処理剤中での安定性が低下し、結果として上述の沈殿抑制効果が失われ沈殿が生じやすくなる。
ここで、皮張り現象について説明する。ガラス転移温度(Tg)は水中に分散したポリエステル樹脂粒子どうしの融着のし易さの指標となる。Tgが高いほど樹脂粒子どうしの融着は生じにくく、Tgが低いほど樹脂粒子どうしの融着が生じ易い。皮張り現象とは、パンに入れた下地処理剤の表面で水分の蒸発が生じ、樹脂粒子が濃縮し、そして凝集(融着)して凝固していき、その結果、処理剤の液表面にポリエステル樹脂が皮を張ったような状況になることを指す。すなわち、ポリエステル樹脂のTgが低いほどこのような皮張り現象が生じ易く、一定以上のTgであることが皮張り現象の抑制という観点では好ましい。更に、ポリエステル樹脂粒子は表面に電荷をもっており、粒子どうしが反発しあって安定に分散しているが、処理剤中のZnイオンにより、この電荷が中和され、反発する力が減少して、凝集、融着し易くなる。つまり、皮張り現象が起こり易くなる。
ポリエステル樹脂の粒子径が適正範囲外であるとやはり皮張り現象が起こり易くなる。粒子径が20nm未満では、隣り合う粒子の数が多くなるため、処理剤の粘度が高く、粒子自体の動きが鈍くなるため凝集し易く、その結果、皮張りとなる。一方、粒子径が150nmを超えると処理剤の最表面では空気層に曝される粒子の面積が大きく、その部分では水分の蒸発が促進されるため、結果として凝集し易くなり、皮張りとなる。結果として同様に、ポリエステル樹脂の処理剤中での安定性が低下し、上述の沈殿抑制効果が失われ沈殿が生じやすくなる。
ポリエステル樹脂のTgが30℃超では、形成した下地処理層の性能が低下する場合がある(プレコート金属板の塗膜の加工密着性が、Tgが上記の好ましい範囲内にあるポリエステル樹脂の場合に比べて低下する場合がある)。
特許文献3には、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカとともに、ポリエステル樹脂を含有するプレコート金属板用下地処理剤が、塗膜の加工密着性向上に有効と記載されているにもかかわらず、特許文献3の実施例に記載されたポリエステル樹脂(ファインテックスES−650(大日本インキ化学工業製))を使用した処理剤を実操業に供したところ、定常状態での長期の使用において、処理剤中に沈殿が発生するという問題に直面したことは、既に述べたとおりである。特許文献3の実施例のポリエステル樹脂を本明細書中に記載した方法にて測定したところ、粒子径は300nm、ガラス転移温度(Tg)は40〜50℃であった。特許文献3の実施例は、下地処理した金属板への塗装皮膜の密着性の検証に主眼を置いたものであったことから、処理剤の「保存」安定性までは確認しているものの、長期の操業で処理剤中に生じる沈殿の有無までは確認されていない。これは、特許文献3の出願時には長期の操業で処理剤中に沈殿が生じる現象が認識されていなかったことを示している。
本願発明の下地処理剤で使用するスルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂のTgは、より好ましくは1〜28℃、更に好ましくは3〜25℃、最も好ましくは15〜25℃である。
スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂の水酸基価が5未満であると、エマルション粒子表面の電荷が不足し、液中での安定性(分散性)が低下するため容易に沈殿を生じてしまい、充分な沈殿抑制の効果が発現できない。ポリエステル樹脂の水酸基価が13超では、疎水性相互作用が得られにくいため、反応生成物がポリエステル樹脂になじむ(吸着する)ことができず、沈殿が生じ易くなる。
下地処理剤中のポリエステル樹脂の質量濃度(g/L)をPR、タンニン又はタンニン酸及びシランカップリング剤の合計の質量濃度(g/L)を(TA+SC)としたとき、(TA+SC)/PRは0.1〜10であることが好ましい。0.1未満では、塗膜の加工密着性が低下する場合があり、10を超えると、ポリエステル樹脂の添加効果が認められない場合がある。より好ましくは、0.15〜5、最も好ましくは0.2〜2である。
本発明の下地処理剤においては、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、微粒シリカ、及びポリエステル樹脂の合計の質量濃度(g/L)を(TA+SC+SI+PR)としたとき、(TA+SC+SI+PR)は10〜200g/Lであることが好ましい。(TA+SC+SI+PR)が10g/L未満では、所望の付着量が得られ難く、一方、200g/Lを超えると、濃度が高すぎて下地処理剤の安定性(保存安定性、操業安定性)が劣るようになる。
本発明の下地処理剤は、pHが2.0〜6.5である必要があり、2.5〜6.0であることがより好ましい。pH2.0未満であるとZnの溶出が多くなり、処理液中のZn濃度が高まるため沈殿も生じやすくなる。一方、6.5を超えた中性領域では微粒子シリカやシランカップリング剤の安定性が低下し、ゲル化を起こしやすくなる。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、防錆剤としてのリン酸化合物を更に含むことで、プレコート金属板の耐食性を向上させることができる。これは、タンニン酸、シランカップリング剤、シリカ、及びポリエステル樹脂を含む特許文献3の下地処理剤を使用し、プライマー層を設けずに作製されたプレコート金属板では、プライマー層を設けたものに比べて、耐食性だけが見劣りすることが示されている(特許文献3、実施例7、8(表1、3)参照)ことに鑑み、下地処理層と上層皮膜層との間にプライマー層がないプレコート金属板の場合に、更には上層皮膜層の厚みが10μm以下の薄膜である場合に、殊に有効である。
しかしながら、リン酸化合物から下地処理剤中で放出されるリン酸イオンは、下地処理剤中に含まれるシランカップリング剤の縮合速度を高めたり、亜鉛めっき鋼板上に塗布する場合には下地処理剤中への亜鉛の溶出量が増大したりすることによって、下地処理剤の安定性を低下させる。操業条件にもよるが、リン酸化合物を含む下地処理剤中の亜鉛めっきの濃度は概ね最大300ppmとなる。このような場合において、下地処理剤の長期操業安定性を確保する上で、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を用いることは特に有効である。
リン酸化合物としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等のリン酸類、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のアンモニウム塩、Na、Mg、Al、K、Ca、Mn、Ni、Zn、Fe等との金属塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸類及びそれらの塩、フィチン酸等の有機リン酸類及びそれらの塩等を挙げることができる。リン酸化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤がリン酸化合物を含む場合、本発明の下地処理剤における基本的な耐食性向上成分であるタンニン又はタンニン酸の質量濃度TA(g/L)と、リン酸化合物の質量濃度PA(g/L)との比は、TA/PA=1〜40であるのが好ましい。TA/PAが1未満の場合、塗膜の加工密着性や処理剤の安定性が低下する場合があり、TA/PAが40を超える場合、リン酸化合物の添加による所期の耐食性向上効果が得られない。TA/PAのより好ましい範囲は、3〜20である。
弱酸性である本発明の下地処理剤を、亜鉛を含むめっき層を形成した金属板(例えば亜鉛めっき鋼板)の下地処理のために長時間操業していると、亜鉛が金属板表面から少しずつ溶出し、処理剤中の亜鉛濃度が上昇していく。前述のとおり、定常状態において、下地処理剤中の亜鉛濃度は概ね最大100ppmとなる。従って、本発明の下地処理剤は、亜鉛イオンが100ppm混入したときに沈殿を生じないことが好ましい。下地処理剤がリン酸化合物を含む場合は、下地処理剤中の亜鉛濃度は概ね最大300ppmとなるため、亜鉛イオンが300ppm混入したときに沈殿を生じないことが好ましい。
更に、本発明の下地処理剤(リン酸化合物を含まない)は、亜鉛イオンが100ppm混入したときのpHの上昇変動が1.5以下であることが望ましい。亜鉛イオンを均一に100ppm溶解したときのpHの上昇変動が1.5を越える処理剤は、pH緩衝能力に劣るため、操業中の処理剤中に局部的に極度なpH上昇が起こりやすく、操業時の安定性に悪影響を及ぼすことが多い。下地処理剤のpHの上昇変動を1.5以下にするためには、処理剤中のタンニン又はタンニン酸の質量濃度(TA)を5g/L以上とすることが有効である。これは、タンニン又はタンニン酸のプロトン解離によるpH緩衝効果によるものと考えられる。
リン酸化合物を含む下地処理剤の場合は、亜鉛イオンが300ppm混入したときのpHの上昇変動が2以下であることが望ましい。亜鉛イオンを均一に300ppm溶解したときのpHの上昇変動が2を超える処理剤は、pH緩衝能力に劣るため、操業中の処理剤中に局部的に極度なpH上昇が起こりやすく、操業時の安定性に悪影響を及ぼすことが多い。下地処理剤のpHの上昇変動を2以下にするためには、処理剤中のタンニン又はタンニン酸の質量濃度(TA)を5g/L以上とすることが有効である。これは、タンニン又はタンニン酸のプロトン解離によるpH緩衝効果によるものと考えられる。
操業時の下地処理剤の安定性の評価として、Znコンタミ時の沈殿発生の有無は、以下の方法で判定した。サンプル処理剤中に所定量の亜鉛粉末(粒径: 約0.3〜1.5mm(14〜50 mesh ASTM))を添加し40℃で3時間攪拌溶解し、亜鉛濃度100ppm(リン酸化合物を含む下地処理剤の場合は300ppm)の処理剤溶液を作製した。500mlのふた付きポリエチレン瓶にこの液を300ml入れ、40℃恒温槽中で3日間静置した。その後、300メッシュのフィルターで濾過して沈殿物を回収し、純水で洗浄後、沈殿物を110℃オーブン中で充分に(概ね2時間)乾燥ののち、デシケーター中で常温まで戻したあと重量を測定した。沈殿物の重量が1mg未満のとき、「沈殿なし」と判定した。
本発明の下地処理剤に用いるポリエステル樹脂のTg、水酸基価、及び粒子径は、次に説明する方法で測定した。
樹脂には、Tg(ガラス転移温度)付近で状態の変化と共に比熱が変化する性質がある。これを利用し、標準物質と測定サンプルを同一昇温条件で加熱していった時に生じる測定サンプルの比熱変化(Tg付近で吸熱する)を測定するのがDSC法である。本発明では、ポリエステル樹脂のTgをこのDSC法により測定した。
具体的には、サンプルのポリエステル樹脂エマルション1g程度を直径50mmのテフロン(登録商標)シャーレに取る。これを50℃雰囲気のオーブンに2時間入れて水分を蒸発させる。次いで、減圧デシケーターにて24時間放置して乾燥サンプルを作る。このサンプルを粉砕して、その約10mgを熱分析装置用のアルミ製カップに取る。標準物質としてアルミナ粉末を用い、同様に約10mgをアルミ製カップに取る。これらのカップを熱分析装置にセットし、−50℃に冷却してから、20℃/minの昇温速度で測定を開始する。サンプル樹脂と標準物質の吸発熱データを収集し、得られたデータを解析(熱変化を生じたところの温度を読み取る(測定装置(セイコー電子株式会社製DSC−210)付属の解析ソフト使用))し、ポリエステル樹脂のTg(℃)を求めた。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、JIS K 1557−1のプラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方、に記載されているA法(アセチル化法)に準じて測定した。測定サンプルは、Tgの測定と同様に50℃で樹脂エマルションの水分を蒸発させ、更に減圧デシケーターで24時間放置して乾燥したものを使用した。水酸基価を求めるための滴定を電位差滴定計(京都電子製AT420)で行って終点を求め、所定の計算式にて水酸基価を算出した。
ポリエステル樹脂の粒子径は、次のようにして測定した。サンプル樹脂のエマルションを、ポリエステル樹脂の固形分が0.1%になるように純水で希釈した。希釈したエマルションを1Lガラスビーカーに500g程度入れ、ビーカーを超音波洗浄器(600W、40kHz)中に浸して、エマルション粒子を1分間超音波分散した。これは2次粒子的に凝集した粒子を解すための前処理として実施した。分散処理後のエマルションを測定サンプルとして、粒度分布測定装置(日機装株式会社製ナノトラックUPA−EX150)にて粒径測定を行った。粒径は装置付属の解析ソフトより算出される平均粒径とした。
本発明の下地処理剤のpHは、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製pHメーターHM−30G)を用いて測定した。
本発明の下地処理剤中への100ppmもしくは300ppmのZnイオン混入時のpHの変動は、以下の方法で測定した。最初に、サンプルの処理剤の初期のpHをpHメーターにて測定した。その後、処理剤に所定量の亜鉛粉末(粒径:約0.3〜1.5mm(14〜50mesh ASTM))を添加し、40℃で3時間攪拌溶解し、亜鉛100ppmもしくは300ppm溶液を作製して、この溶液のpHをpHメーターで測定した。この値から先に測定した初期値を引き、pHの上昇変動値とした。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、固形成分を水中に分散又は溶解させて得ることができる。固形成分の分散媒又は溶媒としての水には、場合により、主成分の水の量を上回らない範囲(すなわち50質量%を超えない範囲)で、有機溶媒が含まれていてもよい。水に含まれる有機溶媒は、水に可溶性であるのが好ましい。また、有機溶媒は、労働衛生上の観点から、労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則で定義される有機溶剤(労働安全衛生法施行令の別表第六の二に掲げられた有機溶剤)を、水と有機溶媒の合計量の5質量%を超えて含有しないことが好ましい。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、塗装して用いられる任意の金属板の下地処理に用いることができる。そのような金属板の例としては、鉄、鉄基合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金などを材料とする金属板を挙げることができる。金属板上にめっきしためっき金属板を使用することもできる。中でも本発明の適用において最も好適なものは、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板である。
亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−チタンめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコンめっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼板、更にはこれらのめっき層に少量の異種金属元素または不純物としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものが含まれる。
アルミニウム系めっき鋼板としては、アルミニウム又はアルミニウムとシリコン、亜鉛、マグネシウムの少なくとも1種とからなる合金をめっきした鋼板、例えば、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム−シリコンめっき鋼板、アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−シリコン−マグネシウムめっき鋼板等が挙げられる。
本発明のプレコート金属板用下地処理剤は、上記のめっきと他の種類のめっき、例えば鉄めっき、鉄−りんめっき、ニッケルめっき、コバルトめっき等と組み合わせた複層めっきを施した鋼板にも適用可能である。
いずれのめっき鋼板の場合も、めっき方法は特に限定されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法、分散めっき法、真空めっき法等のいずれの方法でもよい。
本発明の塗装下地処理金属板は、本発明のプレコート金属板用下地処理剤を用いて形成した下地処理層を有することを特徴とする。
本発明の下地処理剤を用いて金属板に下地処理層を形成するには、下地処理剤を金属板に塗布し、加熱、乾燥する。下地処理剤中には、その性能が損なわれない範囲内で、pH調整のために酸、アルカリ等を添加してもよい。加熱温度としては、50〜250℃がよい。50℃未満では、水分の蒸発速度が遅く充分な成膜性が得られないので、防錆力が不足する。250℃を超えると、有機物であるタンニン酸やシランカップリング剤のアルキル部分が熱分解等のため変性を起こし、密着性や耐食性が低下する。加熱温度は70〜160℃がより好ましい。加熱・乾燥方法に特に制限はなく、熱風、誘導加熱、近赤外線、直火等を単独もしくは組み合わせて使用することができる。例えば、熱風乾燥を利用する場合、加熱・乾燥時間は1秒〜5分が好ましい。
下地処理剤の塗布方法は、特に限定されず、一般に公知の塗装方法、例えば、ロールコート、エアースプレー、エアーレススプレー、浸漬などを利用する方法が可能である。
本発明の下地処理剤の金属板への付着量は、固形分にして10〜1000mg/m2であるのが好ましい。10mg/m2未満では充分な加工密着性と耐食性が確保されず、1000mg/m2を超えると加工密着性が低下することがある。下地処理剤の金属板へのより好ましい付着量は30〜800mg/m2、最も好ましくは50〜600mg/m2である。
本発明のプレコート金属板は、本発明のプレコート金属板用下地処理剤を用いて形成した下地処理層を備えた塗装下地処理金属板の上に、上層皮膜層を有することを特徴とする。
本発明のプレコート金属板で、下地処理層上に被覆する上層皮膜層のベース樹脂は、水系、溶剤系、粉体系等のいずれの形態のものでもよい。樹脂の種類としては一般に公知のもの、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリブチラール系樹脂、メラミン系樹脂等をそのまま、あるいは組み合わせて使用することができる。
上層皮膜層には、着色顔料を添加してもよい。着色顔料としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)、アルミナ(Al23)、カオリンクレー、カーボンブラック、酸化鉄(Fe23、Fe34)等の無機顔料や、有機顔料などの、一般に公知の着色顔料を用いることができる。
上層皮膜層には、前述の着色顔料以外に、必要に応じて防錆顔料を添加してもよい。防錆顔料としては、一般に公知のもの、例えば、(1)リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウムなどのリン酸系防錆顔料、(2)モリブデン酸カルシウム、モリンブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウムなどのモリブデン酸系防錆顔料、(3)酸化バナジウムなどのバナジウム系防錆顔料、(4)水分散性シリカ、フュームドシリカなどの微粒シリカ、などを用いることができる。上層皮膜層には、必要に応じ、更にそのほかの添加剤を添加することも可能である。
上層皮膜層の厚さは、プレコート金属板の用途に応じ、様々である。一般には、プレコート金属板における上層皮膜層の厚さは1〜25μm程度である。1μm未満であるとプレコート金属板の耐食性が悪くなり、25μm超では塗膜の加工性が劣る。
屋内に設置される家電や内装建材等の穏和な環境での使用を意図したプレコート金属板の場合は、本発明によるプレコート金属板の上層皮膜層として、例えば特許文献4に記載されたような着色塗膜を形成することができる。穏和な環境での使用を意図したプレコート金属板の着色塗膜は、10μm以下、好ましくは2〜10μmの膜厚で形成される。10μm以下の膜厚で形成される着色塗膜は、環境対応の観点から水系の塗料から形成されるものであることが好ましい。
上層皮膜の塗布は、一般に公知の塗布方法、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、エアースプレー、エアーレススプレー、浸漬、バーコート、刷毛塗りなどの方法で行うことができる。
本発明のプレコート金属板では、下地処理層と上層皮膜層との間に、防錆顔料を添加した皮膜層を下層皮膜層(プライマー層)として設けてもよい。
下層皮膜層のベース樹脂は、水系、溶剤系、粉体系等のいずれの形態のものでもよい。また、下層皮膜層は接着剤層であってもよい。樹脂の種類としては、一般に公知のもの、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリブチラール系樹脂、メラミン系樹脂等をそのまま、あるいは組み合わせて使用することができる。防錆顔料としては任意のものを使用できるが、一般に公知のもの、例えば、(1)リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウムなどのリン酸系防錆顔料、(2)モリブデン酸カルシウム、モリンブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウムなどのモリブデン酸系防錆顔料、(3)酸化バナジウムなどのバナジウム系防錆顔料、(4)水分散シリカ、ヒュームドシリカなどの微粒シリカ、などを用いることができる。防錆顔料の添加量は1〜40質量%が好適である。1質量%未満であると耐食性効果が少なく、40質量%を超えると塗膜の加工性が低下して不適である。
防錆顔料を含む下層皮膜層の厚さは、一般に1〜25μm程度がよい。1μm未満であると防錆効果が不充分であり、25μmを超えると塗膜の加工性が劣る。防錆顔料を含む皮膜層の塗布は、一般に公知の塗布方法、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、エアースプレー、エアーレススプレー、浸漬、バーコート、刷毛塗りなどで行うことができる。
次に、実施例により本発明を更に説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1. 試験板の作製
1.1 供試材
・電気亜鉛めっき鋼板(EG)
板厚0.6mm、亜鉛付着量片面当たり20g/m2(両面めっき)
・溶融亜鉛めっき鋼板(GI)
板厚0.6mm、亜鉛付着量片面当たり60g/m2(両面めっき)
・冷間圧延鋼板(冷延)
板厚0.6mm
1.2 前処理
供試材をアルカリ脱脂剤のFC−E6406(日本パーカライジング製)を用いて、濃度20g/L、温度60℃の水溶液に10秒間浸漬し、純水で水洗した後、乾燥した。
1.3 下地処理
・下地処理剤での処理(実施例1〜349、比較例1〜58)
表1〜12の「下地処理層」の欄に示す組成(含有量はg/L単位)の下地処理剤を、ロールコーターにて所定の付着量となるように供試材に塗布し、熱風乾燥炉で到達板温度が70℃、150℃になるように乾燥した。各下地処理剤の固形分のうち、タンニン酸、シランカップリング剤、シリカ、リン酸化合物、ポリエステル樹脂としては、次のものを使用した。
(a)タンニン酸
タンニン酸AL(富士化学工業製)
(b)シランカップリング剤
シランカップリング剤A: γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤B: γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
シランカップリング剤C: メチルトリクロロシラン
シランカップリング剤D: γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
(c)シリカ
ST−N: スノーテックスN(日産化学工業製)
アエロジル: アエロジル#300(日本アエロジル製)
ST−C: スノーテックスC(日産化学工業製)
(d)リン酸化合物
リン酸化合物A:リン酸
リン酸化合物B:リン酸二水素アンモニウム
また、実施例及び比較例のリン酸化合物を含まない各下地処理剤に亜鉛粉末(粒径: 約0.3〜1.5mm(14〜50 mesh ASTM)を濃度が100ppm(リン酸化合物を含む下地処理剤の場合は300ppm)となるように添加し、40℃で3時間攪拌して溶解した後の下地処理剤のpH上昇変動が1.5(リン酸化合物を含む下地処理剤の場合は2)を超えたものには、表の「Zn100ppmでのpH変動が1.5超」の欄(リン酸化合物を含む下地処理剤の場合は「Zn300ppmでのpH変動が2超」の欄)に○を記した。なお、原板が冷延鋼板の場合については前記調査を行わなかった(表の欄には「−」と記した。)。
(e)ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、表1〜12に示した粒子径、Tg、水酸基価、数平均分子量のものを使用した。スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むものは、「スルホン酸(塩)基含有」の欄に○、含まないものには×と記載した。スルホン酸塩基としては、スルホン酸Na基を用いた。
1.4 下層皮膜処理
下地処理した供試材に、必要に応じてプライマー塗料として以下に示す塗料をロールコーターで所定の膜厚になるように塗布し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉で到達板温が220℃になるように硬化乾燥して、下層皮膜層を形成した。
・ポリエステルA
日本ペイント製P641プライマー塗料、防錆顔料として亜リン酸亜鉛系を使用。
・ポリエステルB
日本ペイント製P641プライマー塗料、防錆顔料としてV/P(バナジン酸/リン酸)系を使用。
・ポリエステルC
日本ペイント製P641プライマー塗料、防錆顔料としてMo系を使用。
・ポリエステルD
日本ペイント製P641プライマー塗料、防錆顔料としてカルシウムシリケート系を使用。
・ウレタン
日本ペイント製P108プライマー塗料、防錆顔料として亜リン酸亜鉛系を使用。
・エポキシ
日本ペイント製P304プライマー塗料、防錆顔料として亜リン酸亜鉛系を使用。
1.5 上層皮膜処理
必要に応じて下層皮膜処理した供試材もしくは下層皮膜処理していない供試材にトップ塗料として以下に示す塗料をロールコーターで所定の膜厚になるように塗布し、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉で到達板温が所定の温度になるように硬化乾燥して、上層皮膜層を形成した。
・溶剤系
日本ペイント製FL100HQ(ポリエステル系、色は白)、到達板温220℃
・水系A
東洋紡績製水性ポリエステル樹脂(バイロナールMD−1200)、日本サイテックインダストリーズ製メラミン樹脂(サイメル303)、三菱化学製カーボンブラック(MA100)、日産化学工業製コロイダルシリカ(スノーテックスN)、三井化学製ポリエチレンワックス(ケミパールW500)を各々固形分質量%で60%/10%/10%/15%/5%になるように配合した水系塗料、到達板温220℃
・水系B
三井化学製水性ポリウレタン樹脂(タケラックWS−5000)、日本サイテックインダストリーズ製メラミン樹脂(サイメル303)、三菱化学製カーボンブラック(MA100)、日産化学工業製コロイダルシリカ(スノーテックスN)、三井化学製ポリエチレンワックス(ケミパールW500)を各々固形分質量%で65%/5%/10%/15%/5%になるように配合した水系塗料、到達板温220℃
2. 評価
2.1 塗膜加工密着性試験1
塗装後の板を、塗装面に1mm角の碁盤目をカッターナイフで入れ、塗装面が凸となるようにエリクセン試験機で7mm押し出した後に、JIS K 5400の8.2及び8.5記載の方法に準じてテープ剥離試験に供した。テープ剥離の評価はJIS K 5400の8.5記載の評価の例の図によって行い、評点10点の時に◎、8点以上10点未満の時に○、6点以上8点未満の時に△、6点未満の時に×と評価した。
2.2 塗膜加工密着性試験2
塗装後の板に180℃折り曲げ加工(20℃雰囲気で、0T加工)を施し、加工部の塗膜を20倍ルーペで観察し、塗膜の割れの有無を調べた。また、加工部に粘着テープを貼り付け、これを勢い良く剥離した時の塗膜残存状態を目視にて観察した。塗膜の割れの評価は、塗膜割れの全くない時を◎、塗膜に極小さな割れ1〜3個程度ある時を○、塗膜に極小さな割れが全面にある時を△、塗膜に目視でも明確な大きな割れが加工部全面にある時を×として評価した。また、テープ剥離後の塗膜残存状態の評価は、塗膜が全く剥離せずにめっき鋼板上に残存している場合を◎、塗膜が部分的に僅かに剥離している場合を○、塗膜が部分的に激しく剥離している場合を△、折り曲げ加工部のほぼ全面にわたって塗膜の剥離が認められる場合を×と評価した。
2.3 耐食性試験
試験板の端面をテープシールした後、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験(SST)を120時間及び240時間行い、錆発生状況を観察し、下記の評価基準で評価した。なお、原板が冷延鋼板の場合については耐食性試験を行わなかった。
◎:錆発生なし。
○:錆発生面積が1%未満。
△:錆発生面積が1%以上、2.5%未満。
×:錆発生面積が2.5%以上
2.4 下地処理剤の保存安定性試験
各実施例に使用する下地処理剤を40℃オーブン中で所定時間保管した後、これを用いて該実施例の条件で各塗装金属板を作製し、2.2に示した塗装加工密着性試験2を行った。新鮮な下地処理剤を使用した場合と比較して、塗膜加工密着性能の低下が見られない最大の保管時間を、その下地処理剤の保存安定性として評価した。
2.5 下地処理剤の操業安定性試験(1)
リン酸化合物を含有しない下地処理剤については、実施例及び比較例の各下地処理剤の溶液に、亜鉛粉末(粒径: 約0.3〜1.5mm(14〜50 mesh ASTM)を濃度が100ppmとなるように添加し、40℃で3時間攪拌して溶解した。その後、溶液300mlを500mlのふた付きポリ容器に入れて、40℃の恒温槽中で3日間静置した。恒温槽から取り出した溶液を#300メッシュのフィルターで濾過し沈殿物を回収し、純水で洗浄後、沈殿物を110℃オーブン中で充分に(概ね2時間)乾燥したのち、デシケーター中で常温まで戻したあと重量を測定した。沈殿物の重量が1mg未満のとき、沈殿無しと判定した。評価は、恒温槽中で3日間静置後の溶液に目視で異常がなく、かつ沈殿無しの場合には◎、溶液に若干の濁りが見られるが沈殿無しの場合には◎○、100mg未満の沈殿がある場合には○、100mg以上250mg未満の沈殿が発生した場合には○△、250mg以上500mg未満の沈殿が発生した場合には△、500mg以上の沈殿が発生した場合には×と評価した。リン酸化合物を含有する下地処理剤については、亜鉛粉末を濃度300ppmとなるように添加し、それ以外はリン酸化合物を含有しない下地処理剤と同じ方法、同じ基準で試験した。なお、原板が冷延鋼板の場合については試験を行わなかった。
2.6 下地処理剤の操業安定性試験(2)
(操業時に配管による下地処理液の循環が充分でなく、下地処理液中に滞留が発生した場合を想定。)
2.5の試験方法において、亜鉛粉末を40℃で3時間攪拌しながら溶解する工程を省略した。すなわち、実施例及び比較例の各下地処理剤の溶液300mlを500mlのふた付きポリ容器に入れ、亜鉛粉末(粒径: 約0.3〜1.5mm(14〜50 mesh ASTM)を濃度がリン酸化合物を含有しない下地処理剤は100ppmとなるように、リン酸化合物を含有する下地処理剤は300ppmとなるように添加し、そのまま静かに40℃の恒温槽中で3日間静置した。恒温槽から取り出したのち、溶液を#300メッシュのフィルターで濾過し沈殿物を回収し、純水で洗浄後、沈殿物を110℃オーブン中で充分に(概ね2時間)乾燥したのち、デシケーター中で常温まで戻したあと重量を測定した。沈殿物の重量が1mg未満のとき、沈殿無しと判定した。評価は、恒温槽中で3日間静置後の溶液に目視で異常がなく、かつ沈殿無しの場合には◎、溶液に若干の濁りが見られるが沈殿無しの場合には◎○、100mg未満の沈殿がある場合には○、100mg以上250mg未満の沈殿が発生した場合には○△、250mg以上500mg未満の沈殿が発生した場合には△、500mg以上の沈殿が発生した場合には×と評価した。なお、原板が冷延鋼板の場合については試験を行わなかった。
評価結果を表13〜24に示す。
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本発明の実施例はいずれの評価試験においても評点△以上(保存安定性は40℃、3時間以上)の優れた加工密着性、耐食性、処理剤安定性(保存安定性、操業安定性)を示した。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想定し得ることは明らかであり、それらについても当然に発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (12)

  1. 水中に、固形分として、タンニン又はタンニン酸、シランカップリング剤、及び微粒シリカとともに、スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂を含有し、処理剤としてのpHが2.0〜6.5であることを特徴とする、プレコート金属板用下地処理剤。
  2. 前記スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂の数平均分子量が5000〜20000であることを特徴とする、請求項1に記載のプレコート金属板用下地処理剤。
  3. 前記スルホン酸基、またはスルホン酸塩基を置換基として含むポリエステル樹脂の粒子径が20〜150nm、ガラス転移温度(Tg)が0〜30℃で且つ水酸基価が5〜13であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプレコート金属板用下地処理剤。
  4. 当該処理剤中のタンニン又はタンニン酸の質量濃度(g/L)をTA、シランカップリング剤の質量濃度(g/L)をSC、微粒シリカの質量濃度(g/L)をSI、ポリエステル樹脂の質量濃度(g/L)をPRとしたとき、TA/SC=0.025〜40、(TA+SC)/SI=0.1〜20、(TA+SC)/PR=0.1〜10を同時に満たし、且つ固形成分の合計の濃度(TA+SC+SI+PR)が10〜200g/Lであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤。
  5. 当該処理剤中に、リン酸化合物を更に含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤。
  6. 当該処理剤中のタンニン又はタンニン酸の質量濃度TA(g/L)とリン酸化合物の質量濃度PA(g/L)との比が、TA/PA=1〜40であることを特徴とする、請求項5に記載のプレコート金属板用下地処理剤。
  7. 前記シランカップリング剤がグリシジルエーテル基を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載のプレコート金属板用下地処理剤を用いて形成した下地処理層を有することを特徴とする塗装下地処理金属板。
  9. 前記下地処理剤を用いて形成した下地処理層の付着量が10〜1000mg/m2であることを特徴とする、請求項8に記載の塗装下地処理金属板。
  10. 請求項8又は9に記載の塗装下地処理金属板の上に、上層皮膜層を有することを特徴とするプレコート金属板。
  11. 前記上層皮膜層の厚さが10μm以下であることを特徴とする、請求項10に記載のプレコート金属板。
  12. 前記下地処理層と前記上層皮膜層との間に、防錆顔料を添加した下層皮膜層を有することを特徴とする、請求項10又は11に記載のプレコート金属板。
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