JP2012163057A - ロッカーアームの構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロッカーアーム57の支持孔67を支える転がり軸受68は、外周のシェル69の内側に複数のニードル70が装着された形式であり、同外周のシェル69が前記支持孔67に固定され、カムフォロア58は、ロッカーアーム57の左右一対の腕部66に保持されたカムフォロア軸72の周りに、複数のころ73を介して支持される外輪74を備え、前記外輪74及びころ73の左右方向の位置は前記腕部66によって規制され、前記外輪74の外径Drは、前記支持孔67の内径Dhと同等かそれ以下としたことを特徴とするロッカーアーム57の構造。
【選択図】 図6
Description
内燃機関(15)のカム軸(53)と、吸気ポート(42)又は排気ポート(43)を開閉するバルブ(45,47)との間に設けられた動弁系のロッカーアーム(57)の構造において、
前記ロッカーアーム(57)は、シリンダヘッド(22)に支持されたロッカー軸(56)を介して揺動自在に支持されるための支持孔(67)を備え、前記カム軸(53)のカム(54A,54B)からの押力を受けるカムフォロア(58)を備え、前記支持孔(67)及びカムフォロア(58)が転がり軸受構造により支持され、
前記支持孔(67)を支える転がり軸受(68)は、外周のシェル(69)の内側に複数のニードル(70)が装着されたシェルニードル形式であり、同外周のシェル(69)が前記支持孔(67)に固定され、
前記カムフォロア(58)は、ロッカーアーム(57)の左右一対の腕部(66)に保持されたカムフォロア軸(72)の周りに、複数のころ(73)を介して支持される外輪(74)を備え、前記外輪(74)及びころ(73)の左右方向の位置は前記腕部(66)によって規制され、
前記外輪(74)の外径(Dr)は、前記支持孔(67)の内径(Dh)と同等かそれ以下としたことを特徴とするロッカーアーム(57)の構造に関するものである。
前記ロッカーアーム(57)には、カム軸(53)の回転時におけるカムノーズ(54a)の先端の移動を妨げないよう逃げ部(78)が形成してあることを特徴とするものである。
前記ロッカーアーム(57)のうち、排気側ロッカーアーム(57B)において、カム軸(53)には同ロッカーアーム(57B)と係合するデコンプ装置(65)が設けられ、同デコンプ装置(65)に設けてあるデコンプカム(84)のデコンプ軸部(86)が排気カム(54B)のカムノーズ(54a)の反対側のベース円部分(54b)の外周面の内側に支持され、デコンプカム(84)が排気側ロッカーアーム(57B)の腕部(66E)の突出部(66Ea)に対してデコンプ作用を行うことを特徴とするものである。
前記排気側ロッカーアーム(57)の腕部(66)は前記デコンプカムに当接する側の腕部(66E)に比して他方の側の腕部(66I)を幅狭くしたことを特徴とするものである。
前記内燃機関(15)は燃焼室(40)の前方にカム軸(53)とロッカー軸(56)を配置した内燃機関(15)であって、シリンダ軸線方向視平面投影図(図5)において、各ロッカーアーム(57)に関して、ロッカー軸(56)の軸線(56x)とカムフォロア軸(72)の軸線(72x)間の寸法(F)を、ロッカー軸(56)の軸線(56x)とカム軸(53)の軸線(53x)間の寸法(C)より小さくしたことを特徴とするものである。
前記ロッカー軸(56)はシリンダヘッド(22)に対して回転不能に締付け固定されることを特徴とするものである。
カムフォロア(58)のカムフォロア軸(72)を中実の細径軸とし、外輪(74)の半径方向の厚さをコロ(73)の直径より小さくしたことを特徴とするものである。
隣り合うロッカーアーム(57)のそれぞれにおいて、腕部(66)の幅を左右で異なる幅とし、外側の腕部(66E)に比して、内側の腕部(66I)を幅狭の腕部としたことを特徴とするものである。
前記内燃機関(15)はシリンダ軸線が前上がりの前傾エンジンで、シリンダヘッド(22)のロッカー軸支持ボス部(55)に近接して、車両搭載状態でロッカー軸支持ボス部(55)からロッカーアーム(57)の支持孔(67)の端面に通じる給油ガイド壁(76A,76B)を形成したことを特徴とするものである。
前記給油ガイド壁(76A,76B)は、シリンダヘッドカバー(23)の給油孔(75)に向かって、左右に並んでいる吸気側ロッカーアーム(57A)と排気側ロッカーアーム(57B)の左右方向外側に位置するロッカー軸支持ボス部(55)に近接して設けられることを特徴とするものである。
前記支持孔(67)及びカムフォロア(58)を共に転がり軸受構造としたので、摩擦損失を低減することができる。また、カムフォロア(58)の外輪(74)の外径(Dr)の大きさは前記支持孔(67)の内径(Dh)の大きさに対して同等かそれ以下としたので、ロッカーアーム(57)の長さを短く保ったまま、支持孔(67)と外輪収容部(79)との間の肉厚(80)を確保でき、シェルニードル形式転がり軸受(68)の圧入に必要な剛性を確保でき、かつ、圧入後シェル内面の真円度を向上でき、耐久性向上が可能であると共に、ロッカーアーム(57)の重心を揺動支点に近づけることができるので、シェル(69)の負荷を低減することが出来る。
前記逃げ部(78)が設けてあるので、小径の外輪(74)を有するカムフォロア(58)においても、カムノーズ(54a)とロッカーアーム(57)との接触を防止することが出来る。
ロッカーアーム(57)の腕部(66E)の突出部(66Ea)と外輪(74)との段差を小さくできるので、排気カム(54B)のベース円部分(54b)の外周面からのデコンプカム(84)の突出寸法を小さくすることができ、デコンプカム(84)を小型化することが出来る。
前記排気側ロッカーアーム(57B)のデコンプカム(84)が当接する側の腕部(66E)に比して他方の側の腕部(66I)を幅狭くしてあるので、荷重の掛からない方の腕部を軽量化することができる。
各ロッカーアーム(57)のカムフォロア軸(72)を夫々のロッカー軸(56)に近づけて設けてあるので、ロッカーアーム(57)の長さの短縮化を図ることができる。また、レバー比(ロッカー軸(56)からタペットネジ(59)への距離とロッカー軸(56)からカムフォロア軸(72)への距離の比)を大きくとることができ、カム高さを低くすることができる。更に、ロッカーアーム(57)を介して転がり軸受(68)が受けるカム山反力の方向のバラツキを一定方向にすることができて、ロッカーアーム(57)の不規則な動きもおさえられ、アーム揺動による振動も低減可能となり、軸受の耐久性を更に向上することができる。
ロッカー軸(56)が固定されていることによって、シェル(69)内のニードルが確実に回動することができるので、ニードル(70)とロッカー軸(56)とが共回りすることによる局部当たりを防止することができ、ニードル(70)とロッカー軸(56)の耐久性を向上することが出来る。
両ロッカーアーム(57)のカムフォロア(58)の間隔を近づけることができ、カム軸(53)のカム(54A,54B)の間隔を狭くすることができて、動弁装置(51)を小型化することができる。
給油ガイド壁(76A,76B)により、支持孔(67)の転がり軸受(68)への給油量の増加が可能となり、支持孔(67)の転がり軸受(68)の耐久性を向上させることができる。
ロッカー軸支持ボス部(55)は、吸気バルブ(45)の頂部のほぼ真上のシリンダヘッドカバー(23)に1箇所設けられている動弁系の給油孔(75)に向かって、左右方向に離れているが、給油孔(75)から供給され、吸気バルブ(45)の頂部でタペットネジ(59)に打たれて飛散する潤滑油を給油ガイド壁(76L,76R)で受けて給油するので、ロッカーアーム(57)の支持孔(67)への給油が可能となり、シリンダヘッドカバー(23)内の給油構造の簡素化を図りながら支持孔(67)の転がり軸受(68)への給油量を増やすことができる。
図6(a)は同図(b)のA矢視図(右面図)、
図6(b)は排気側ロッカーアーム57Bを前方から見た図(図5参照)、
図6(c)は同図(b)のC矢視図(左面図)、
図6(d)は同図(c)のD−D断面図、
図6(e)は同図(c)のE−E断面図である。
図10において、動弁室50内の装置を潤滑するために、上方の給油孔75(図3)から吸気バルブ45の頂部へ向けて潤滑油が噴射される。この潤滑油は、タペットネジ59で打たれて四方へ飛散し周囲の装置や壁の表面に撒き散らされ、表面を流下する。上方から流下する潤滑油を受けて、ロッカー軸支持ボス部55からロッカーアーム57A,57Bの支持孔67の端面に導く給油ガイド壁76A,76Bが、シリンダヘッド22のロッカー軸支持ボス部55に近接して形成してある。この給油ガイド壁76A,76Bにより、支持孔67の転がり軸受68への給油量の増加が可能となるので、転がり軸受68の耐久性を向上させることができる。図の太線の矢印は、上方の給油孔75から支持孔67の端面に至る潤滑油の流れを示している。
動弁系の給油孔75は、内燃機関15が車両に搭載されている状態で、吸気バルブ45の頂部のほぼ真上に位置するシリンダヘッドカバー23に1箇所設けられている。ロッカー軸支持ボス部55は、動弁系の給油孔75に向かって、左右方向に離れているが、給油孔75から供給され、吸気バルブ45の頂部でタペットネジ59に打たれて飛散する潤滑油を、給油ガイド壁76L,76Rで受けてロッカーアーム57の支持孔67へ導くので、ロッカーアーム57の支持孔67への給油が可能となり、シリンダヘッドカバー23内の給油構造の簡素化を図りながら支持孔67の転がり軸受68への給油量を増やすことができる。
(1)前記支持孔67とカムフォロア58を共に転がり軸受構造としたので、摩擦損失を低減することができる。また、カムフォロア58部分の外輪74の外径Drの大きさを、支持孔67の内径Dhの大きさと同等かそれ以下として小さくしたので、アーム長を短くでき、支持孔(67)と外輪収容部(79)との間の肉厚(80)を確保でき、かつロッカーアーム57の重心を揺動支点に近づけることができるので、シェルの負荷を低減することが出来る。
(2)ロッカーアーム57には、カム軸53の回転時のカムノーズ54aの先端の移動を妨げないよう逃げ部78が形成してあるので、小径の外輪74を有するカムフォロア58においても、カムノーズ54aとロッカーアーム57との接触を防止することが出来る。
(3)カム軸53にはデコンプ装置65が設けられ、デコンプカム84が排気側ロッカーアーム57Bの腕部66Eの突出部66Eaに対してデコンプ作用を行うようになっている。突出部66Eaとカムフォロア58の外輪74との段差を小さくできるので、排気カム54Bのベース円部分54bの外周面からのデコンプカム84の突出寸法を小さくすることができ、デコンプカム84を小型化することが出来る。
(4)排気側ロッカーアーム57Bのデコンプカム84に当接する側の腕部66Eに比して他方の側の腕部66Iを幅狭くしたので、荷重の掛からない方の腕部を軽量化することができる。
(5)シリンダ軸線方向視図において、各ロッカーアーム57に関して、ロッカー軸56の軸線56xとカムフォロア軸72の軸線72xとの間の寸法Fを、ロッカー軸56の軸線56xとカム軸53の軸線53xとの間の寸法Cより小さくしてある。これによって、カムフォロア軸72を夫々のロッカー軸56に近づけることができるので、ロッカーアーム57の長さの短縮化を図ることができる。
(6)前記ロッカー軸56はシリンダヘッド22に対して固定されていることによって、シェル69内のニードル70が確実に回動することができるので、ニードル70とロッカー軸56とが共回りすることによる局部当たりを防止することができ、ニードル70とロッカー軸56の耐久性を向上することが出来る。
(7)カムフォロア58のカムフォロア軸72を中実の細径軸とし、外輪74の半径方向の厚さをコロ73の直径より小さくしてあるので、ロッカーアーム57を小型化することができる。
(8)隣り合うロッカーアーム57のそれぞれにおいて、外側の腕部66Eに比して内側の腕部66Iを幅狭の腕部としたので、カムフォロア58の間隔を近づけることができ、動弁装置51を小型化することができる。
(9)ロッカー軸支持ボス部55からロッカーアーム57の支持孔67の端面に通じる給油ガイド壁76A,76Bを形成したので、支持孔67の転がり軸受68への給油量の増加が可能となり、転がり軸受68の耐久性を向上させることができる。
(10)吸気バルブ45の頂部のほぼ真上のシリンダヘッドカバー23に1箇所設けられている動弁系の給油孔75に向かって、ロッカー軸支持ボス部55は左右方向に離れているが、吸気バルブ45の頂部でタペットネジ59に打たれて飛散する潤滑油を給油ガイド壁76L,76Rで受けて給油するので、シリンダヘッドカバー23内の給油構造の簡素化を図りながら支持孔67の転がり軸受68への給油量を増やすことができる。
Claims (10)
- 内燃機関(15)のカム軸(53)と、吸気ポート(42)又は排気ポート(43)を開閉するバルブ(45,47)との間に設けられる動弁系のロッカーアーム(57)の構造において、
前記ロッカーアーム(57)は、シリンダヘッド(22)に支持されたロッカー軸(56)を介して揺動自在に支持されるための支持孔(67)を備え、前記カム軸(53)のカム(54A,54B)からの押力を受けるカムフォロア(58)を備え、前記支持孔(67)及びカムフォロア(58)が転がり軸受構造により支持され、
前記支持孔(67)を支える転がり軸受(68)は、外周のシェル(69)の内側に複数のニードル(70)が装着された形式であり、同外周のシェル(69)が前記支持孔(67)に固定され、
前記カムフォロア(58)は、ロッカーアーム(57)の左右一対の腕部(66)に保持されたカムフォロア軸(72)の周りに、複数のころ(73)を介して支持される外輪(74)を備え、前記外輪(74)及びころ(73)の左右方向の位置は前記腕部(66)によって規制され、
前記外輪(74)の外径(Dr)は、前記支持孔(67)の内径(Dh)と同等かそれ以下としたことを特徴とするロッカーアーム(57)の構造。 - 前記ロッカーアーム(57)には、カム軸(53)の回転時におけるカムノーズ(54a)の先端の移動を妨げないよう逃げ部(78)が形成してあることを特徴とする請求項1に記載のロッカーアーム(57)の構造。
- 前記ロッカーアーム(57)のうち、排気側ロッカーアーム(57B)において、カム軸(53)には同ロッカーアーム(57B)と係合するデコンプ装置(65)が設けられ、同デコンプ装置(65)に設けてあるデコンプカム(84)のデコンプ軸部(86)が排気カム(54B)のベース円部分(54b)の外周面の内側に支持され、デコンプカム(84)が排気側ロッカーアーム(57B)の腕部(66E)の突出部(66Ea)に対してデコンプ作用を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロッカーアーム(57)の構造。
- 前記排気側ロッカーアーム(57)の腕部(66)は前記デコンプカムに当接する側の腕部(66E)に比して他方の側の腕部(66I)を幅狭くしたことを特徴とする請求項3に記載のロッカーアーム(57)の構造。
- 前記内燃機関(15)は燃焼室(40)の前方にカム軸(53)とロッカー軸(56)を配置した内燃機関(15)であって、シリンダ軸線方向視平面投影図(図5)において、各ロッカーアーム(57)に関して、ロッカー軸(56)の軸線(56x)とカムフォロア軸(72)の軸線(72x)間の寸法(F)を、ロッカー軸(56)の軸線(56x)とカム軸(53)の軸線(53x)間の寸法(C)より小さくしたことを特徴とする請求項2に記載のロッカーアーム(57)の構造。
- 前記ロッカー軸(56)はシリンダヘッド(22)に対して回転不能に締付け固定されることを特徴とする請求項5に記載のロッカーアーム(57)の構造。
- カムフォロア(58)のカムフォロア軸(72)を中実の細径軸とし、外輪(74)の半径方向の厚さをコロ(73)の直径より小さくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載のロッカーアーム(57)の構造。
- 隣り合うロッカーアーム(57)のそれぞれにおいて、腕部(66)の幅を左右で異なる幅とし、外側の腕部(66E)に比して、内側の腕部(66I)を幅狭の腕部としたことを特徴とする請求項4に記載のロッカーアーム(57)の構造。
- 前記内燃機関(15)はシリンダ軸線が前上がりの前傾エンジンで、シリンダヘッド(22)のロッカー軸支持ボス部(55)に近接して、車両搭載状態でロッカー軸支持ボス部(55)からロッカーアーム(57)の支持孔(67)の端面に通じる給油ガイド壁(76A,76B)を形成したことを特徴とする請求項1に記載のロッカーアーム(57)の構造。
- 前記給油ガイド壁(76A,76B)は、シリンダヘッドカバー(23)の給油孔(75)に向かって、左右に並んでいる吸気側ロッカーアーム(57A)と排気側ロッカーアーム(57B)の左右方向外側に位置するロッカー軸支持ボス部(55)に近接して設けられることを特徴とする請求項9に記載のロッカーアーム(57)の構造。
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