JP2013087676A - エンジンの動弁装置 - Google Patents

エンジンの動弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013087676A
JP2013087676A JP2011228139A JP2011228139A JP2013087676A JP 2013087676 A JP2013087676 A JP 2013087676A JP 2011228139 A JP2011228139 A JP 2011228139A JP 2011228139 A JP2011228139 A JP 2011228139A JP 2013087676 A JP2013087676 A JP 2013087676A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
intake
exhaust
engine
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011228139A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Yamada
伸一 山田
Masatoshi Ido
正敏 井戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2011228139A priority Critical patent/JP2013087676A/ja
Priority to CN2012103957468A priority patent/CN103046980A/zh
Publication of JP2013087676A publication Critical patent/JP2013087676A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】カムの径を大きくすることなくエンジンの出力性能の向上を図ることが可能な動弁装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るエンジンの動弁装置18は、燃焼室8の吸排気口11、15に設けられたバルブ10、14を作動させるロッカーアーム23、24と、該ロッカーアーム23、24を押圧するカム36、37を有するカムシャフト21と、を備えたエンジンの動弁装置18であって、前記カム36、37には、該カム36、37の径方向外側又は内側に向かって湾曲する異形部42が、ベースサークルとカム山の頂部との間に設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸排気バルブを作動させるためのエンジンの動弁装置に関する。
従来、自動二輪車や自動車等のエンジンにおいては、燃焼室に吸気口と排気口を形成し、この吸気口と排気口をそれぞれ吸気バルブと排気バルブ(以下、「吸排気バルブ」と称する。)によって開閉することで、燃焼室に対する吸排気を行っている。
このような構成のエンジンには、通常、上記した吸排気バルブを作動させるための動弁装置が設けられている。この動弁装置は、例えば、カムを有するカムシャフトと、上記カムによって押圧されて揺動し、上記した吸排気バルブを進退させるロッカーアームと、を備えている。上記したロッカーアームには、カムとの接触部分にローラーベアリングを配置する方式(ローラー式)と配置しない方式(スリッパー式)が存在する(後者について、特許文献1の図2参照)。
ところで、動弁装置の中には、エンジンの始動性を向上させるためのデコンプ機構を備えたものが存在する。このようなデコンプ機構を備えた動弁装置の従来例を、図8を用いて説明する。
動弁装置61は、ベアリング62を介してシリンダヘッド(図示せず)に軸支されるカムシャフト63を備えている。カムシャフト63には、吸気カム64と排気カム65が設けられるとともに、デコンプ機構66が装着されている。デコンプ機構66は、カムシャフト63に挿入され、軸方向一端(図面上右端)にデコンプカム67が設けられるデコンプシャフト68と、デコンプシャフト68の軸方向他端(図面上左端)に取り付けられるデコンプウェイト69と、を備えている。
エンジンの始動時には、デコンプウェイト69に遠心力が作用しないため、デコンプウェイト69が回転しない。そのため、図8に示されるように、デコンプカム67がカムシャフト63の径方向において排気カム65のベースサークル(カムの回転中心からの距離が均一な部分)よりも外側に突出することで、排気バルブ(図示せず)が僅かに開放され、燃焼室内の空気が外部に排出される。これにより、圧縮仕事が小さくなって回転抵抗が低減し、エンジンの始動性の向上が図られる。一方で、エンジンの回転数が一定数まで上昇すると、デコンプウェイト69が遠心力によってデコンプシャフト68とともに回転し、デコンプカム67がカムシャフト63の径方向において排気カム65のベースサークルよりも内側に移動する。
特許第4172186号公報
上記したローラー式のロッカーアームを備えたSOHC(Single OverHead Camshaft)の動弁装置では、特許文献1に示されるようなスリッパー式のロッカーアームを備えた動弁装置と比較して、吸排気カムのベースサークル径を同一とした場合、エンジン出力が低くなる。そのため、ローラー式のロッカーアームを備えた動弁装置によりスリッパー式のロッカーアームを備えた動弁装置と同等のエンジン出力を確保しようとする場合、従来は、吸排気カムのベースサークル径を大きくする必要が有った。しかしながら、このように吸排気カムのベースサークル径を大きくすると、排気カムのベースサークルの径がベアリングの内径よりも大きくなり、デコンプカムを排気カムのベースサークルよりも外側に突出させるためにデコンプシャフトを湾曲させなければならなくなる(図8参照)。これに伴って、デコンプシャフトが傾きやすくなり、動作不良が起こり易くなっていた。これを防止するには、複雑な構成のストッパー機構を設けなければならず、コストアップに繋がっていた。
一方で、ベアリングの内径を排気カムのベースサークルの径よりも大きくすれば、デコンプシャフトを湾曲させなくても、デコンプカムを排気カムのベースサークルよりも外側に突出させることができる。しかしながら、ベアリングの内径と外径を両方とも大きくした場合には、ベアリングの大型化に伴って、シリンダヘッドをクランクケースに締め付けるための締付穴がベアリングの外径部と干渉してしまう。そのため、上記した締付穴の形成位置を外側にずらす必要が生じ、これに伴ってシリンダヘッド、シリンダ及びクランクケースの大型化を招くという問題があった。
また、ベアリングの外径をそのままにしてベアリングの内径のみを大きくすると、ベアリングの耐荷重が不足し寿命が短くなる。したがってこの場合、ベアリング寿命を長くするにはベアリングの熱処理を行うことが必要になるため、コストアップに繋がるという問題があった。更に、このような構成では、吸排気カムのベースサークルが大きくなることに伴って吸排気カムのカム山がベアリングよりもカムの径方向において外側に突出してしまう。そのため、シリンダヘッドのベアリング装着部分を介してシリンダヘッドにカムを挿入する構成の場合、シリンダヘッドのベアリング装着部分に切欠を設けなければ、カムが挿入できなくなる。しかしながら、シリンダヘッドに切欠を設けると、軸受け面積(シリンダヘッドとベアリングの接触面積)が減少し、剛性面で不利になる。
以上のように、従来の動弁装置では、エンジンの出力性能の向上を図るためにカムの径を大きくしてしまっているため、これに伴って、種々の問題が生じていた。
そこで、本発明は上記の事情を考慮し、カムの径を大きくすることなくエンジンの出力性能の向上を図ることが可能な動弁装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンの動弁装置は、燃焼室の吸排気口に設けられたバルブを作動させるロッカーアームと、該ロッカーアームを押圧するカムを有するカムシャフトと、を備えたエンジンの動弁装置であって、前記カムには、該カムの径方向外側又は内側に向かって湾曲する異形部が、ベースサークルとカム山の頂部との間に設けられていることを特徴とする。
このようにカムに異形部を部分的に設けると、カムによって押圧される部材がカムの異形部と接触する際に、バルブの開度が急激に上昇する。これに伴って、カムの径を大きくすることなく、エンジンの出力性能を向上させることができる。
本発明に係るエンジンの動弁装置は、前記カムシャフトを軸支するベアリングと、該ベアリングを装着可能な装着穴が設けられたシリンダヘッドと、を備え、前記装着穴を介して前記シリンダヘッド内に前記カムを挿入するように構成され、該カムは、そのカム山の頂部の径が前記ベアリングの外径よりも小さくなるように形成されていても良い。
このような構成を採用することで、装着穴に切欠を設けなくても、シリンダヘッドにカムを挿入することが可能となる。そのため、軸受け面積(装着穴とベアリングの接触面積)が減少せず、剛性の向上を図ることが可能となる。
本発明に係るエンジンの動弁装置は、前記異形部は、前記カムの回転方向において該カムのカム山の頂部よりも上流側に設けられた隆起部であっても良い。
このような構成を採用することで、バルブが吸排気口を開いていく途中で、カムによって押圧される部材が隆起部と接触することになる。これに伴って、エンジンの出力性能を一層向上させることが可能となる。
本発明に係るエンジンの動弁装置は、SOHC式であって、前記ロッカーアームは、ローラー式であり、前記カムシャフト内に回転可能に収納される直棒状のデコンプシャフトを有するデコンプ機構を備えていても良い。
このように、ローラー式のロッカーアームを用いることで、スリッパー式のロッカーアームを用いる場合と比較して、ロッカーアームとカムの間に生じる摩擦を低減させることが可能となり、これに伴って、燃費の向上を図ることが可能となる。また、デコンプ機構を用いることで、エンジンの始動性を向上させることが可能となる。更に、デコンプシャフトを直棒状とすることで、デコンプシャフトを湾曲させる場合と比較して、デコンプシャフトが傾きにくくなり、動作不良が生じにくくなる。そのため、ストッパーの構成を簡素化することができ、コストダウンを図ることが可能となる。
本発明によれば、カムの径を大きくすることなくエンジンの出力性能の向上を図ることが可能な動弁装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るエンジンを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンにおいて、カムシャフトの中心を通過する断面における動弁装置の側断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンにおいて、ロッカーアームシャフトの中心を通過する断面における動弁装置の平断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンにおいて、カムシャフトの中心を通過する断面における動弁装置の平断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの動弁装置において、吸排気カムの形状を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの動弁装置において、(a)は、デコンプカムが排気カムのベースサークルよりも外側に突出している状態を示す断面図であり、(b)は、デコンプカムが排気カムのベースサークルよりも内側に移動した状態を示す断面図である。 (a)は、カム角度と吸排気バルブの開度の関係を示すグラフ図であり、(b)は、カム角度と吸排気バルブの開度の加速度の関係を示すグラフ図である。 従来例に係るエンジンにおいて、カムシャフトの中心を通過する断面における動弁装置の平断面図である。
以下、図面に基づき、本発明に係る動弁装置18を備えた4サイクルエンジン1(以下、単に「エンジン1」と称する。)の好適な実施形態について説明する。なお、エンジン1の水平方向に対する傾きは、エンジン1の取付対象のレイアウト等に応じて適宜変更されるが、本実施形態では便宜上、図1における左側、右側、手前側、奥側を、それぞれエンジン1の前側(正面側)、後側(背面側)、左側、右側として説明を行う。なお、図2においては図面上の奥側が前側(正面側)であり、図3、図4においては、図面上の上側が前側(正面側)である。
本実施形態のエンジン1は、例えば単気筒型エンジンであり、自動二輪車に取り付けられるものである。図1に示されるように、エンジン1は、クランクケース2と、クランクケース2から上方に延設されるシリンダ3と、シリンダ3の上方に設けられるシリンダヘッド4と、シリンダヘッド4の上面を被覆するシリンダヘッドカバー5と、を備えている。
クランクケース2内には、クランクシャフト(図示せず)が左右方向に軸支されている。クランクシャフトは、シリンダ3内に往復動可能に収納されたピストン6とコンロッド7を介して接続されており、ピストン6の往復動がコンロッド7を介してクランクシャフトの回転に変換されるように構成されている。クランクシャフトは、クラッチや変速装置等を備えた動力伝達装置(図示せず)を介して被駆動部(例えば、自動二輪車の後輪。図示せず。)と接続されており、クランクシャフトの回転が動力伝達装置を介して被駆動部に伝達されることで、被駆動部が回転するように構成されている。
シリンダ3とシリンダヘッド4の間には、燃焼室8が形成されている。燃焼室8の後上部には、吸気バルブ10によって開閉される吸気口11が形成されている。吸気バルブ10は、吸気側バルブスプリング12によって吸気口11を閉止する方向(本実施形態では後上方)に付勢されている。吸気口11は、シリンダヘッド4の後面に開口された吸気ポート13と連通している。吸気ポート13には、エアクリーナ(図示せず)や燃料噴射装置(図示せず)が接続されており、エアクリーナから導入された空気と燃料噴射装置から噴射された燃料が混合された後、吸気ポート13及び吸気口11を介して燃焼室8に導入されるように構成されている。
燃焼室8の前上部には、排気バルブ14によって開閉される排気口15が形成されている。排気バルブ14は、排気側バルブスプリング16によって排気口15を閉止する方向(本実施形態では前上方)に付勢されている。排気口15は、シリンダヘッド4の前面に開口された排気ポート17と連通している。排気ポート17には、排気管(図示せず)が接続されており、燃焼室8からの排気が、排気口15、排気ポート17及び排気管を介して排出されるように構成されている。
次に、上記した吸気バルブ10及び排気バルブ14を作動させるための動弁装置18について説明する。
動弁装置18は、例えばSOHC式であり、シリンダヘッド4の上端に形成されるカムハウジング20と、カムハウジング20に支持されるカムシャフト21と、カムシャフト21に装着されるデコンプ機構22(図4参照)と、カムシャフト21の後上方と前上方にそれぞれ配置される吸気ロッカーアーム23及び排気ロッカーアーム24と、を主体として構成されている。なお、カムハウジング20は、図4において記載が省略されている。
図2に示されるように、カムハウジング20の左壁25と右壁26には側面視で円形を成す装着穴27、28がそれぞれ設けられ、各装着穴27、28には左右一対のボールベアリング30、31が装着されている。図3に示されるように、カムハウジング20には、前後一対の収納部32、33が左右方向に設けられ、後側の収納部32の後方と前側の収納部33の前方には、それぞれ締付穴34、35が上下方向に穿設されている。そして、締付穴34、35に貫通させたボルト(図示せず)を、シリンダ3の締付穴(図示せず)に貫通させた後にクランクケース2に締結させるように構成されている。
図2に示されるように、カムシャフト21は、各装着穴27、28に装着された左右一対のボールベアリング30、31に軸支されている。カムシャフト21の右部には吸気カム36が設けられ、吸気カム36の左方には排気カム37が設けられている。以下、吸気カム36及び排気カム37について説明するが、吸気カム36と排気カム37の形状は同様であるため、図5を用いて同時に説明を行う。
吸気カム36と排気カム37(以下、「吸排気カム36、37」と称する。)は、カムシャフト21の軸心P(吸排気カム36、37の回転中心)からの距離が略均一なベースサークル38と、カムシャフト21の軸心Pから見てベースサークル38とは反対側に設けられ、カムシャフト21の軸心Pからの距離がベースサークル38よりも長いカム山40と、を備えている。
吸排気カム36、37には、ベースサークル38とカム山40の頂部43との間で、且つ、カム山40の頂部43付近の2箇所に、吸排気カム36、37の径方向外側に向かって湾曲する異形部としての隆起部42が設けられている。これに伴って、隆起部42のベースサークル38側には、内向きR状の窪み部41が隆起部42と隣接して設けられている。窪み部41は、ベースサークル38とカム山40の頂部43との真中付近に設けられている。一方の隆起部42は、吸排気カム36、37の回転方向(図5の矢印θ参照)においてカム山40の頂部43よりも上流側に設けられ、他方の隆起部42は、吸排気カム36、37の回転方向においてカム山40の頂部43よりも下流側に設けられている。
カム山40の頂部43の径a(図5参照)は、左側のボールベアリング30の外径b(図4参照)よりも小さくなっている。また、ベースサークル38の径c(図5参照)は、左側のボールベアリング30の内径d(図4参照)よりも小さくなっている。
図4に示されるように、カムシャフト21には、排気カム37の左方に装着部44が凹設されている。装着部44の右端は排気カム37のベースサークル38に隣接しており、装着部44の左端は、カムシャフト21の左端面まで延びている。
カムシャフト21の左端面には、カムスプロケット45が固定されている。カムスプロケット45には、カムチェーン46の上端が巻き掛けられ、カムチェーン46の下端は、クランクシャフトに設けられたカムドライブスプロケット(図示せず)に巻き掛けられている。このような構成により、クランクシャフトの回転がカムチェーン46を介してカムシャフト21に伝達され、カムシャフト21が回転するようになっている。カムスプロケット45には、カムシャフト21の装着部44と対応する位置に挿通穴47が穿設されている。本実施形態では、このカムスプロケット45と排気カム37の間に、左側のボールベアリング30が配置されている。
デコンプ機構22は、カムシャフト21の装着部44に収納される直棒状のデコンプシャフト48を備えている。デコンプシャフト48は、カムシャフト21とともに左側のボールベアリング30に保持されている。デコンプシャフト48の右端部には、排気カム37のベースサークル38と隣接して側面視略半円状のデコンプカム50が設けられている。
デコンプシャフト48の左側部は、カムスプロケット45の挿通穴47に挿通され、デコンプシャフト48の左端部には、デコンプウェイト51が固定されている。デコンプウェイト51は、カムシャフト21の軸方向(本実施形態では左右方向)においてカムスプロケット45よりも外側(本実施形態では左側)に位置している。デコンプシャフト48及びデコンプウェイト51は、カムスプロケット45とともにカムシャフト21の左端面に固定されるストッパー52によって左右方向へのスライドが規制されている。
図1、図3に示されるように、吸気ロッカーアーム23は、吸気ロッカーアームシャフト53に揺動可能に支持されている。吸気ロッカーアームシャフト53は、カムハウジング20の後側の収納部32に装着されて左右方向に延びている。吸気ロッカーアームシャフト53の左端には、円環状の係合溝54が設けられている。
吸気ロッカーアーム23の前端部には、ローラーベアリング55が取り付けられており、このローラーベアリング55の下端が、吸気カム36の上端に当接している。即ち、吸気ロッカーアーム23は、ローラー式のロッカーアームである。吸気ロッカーアーム23の後端部は、吸気バルブ10に連結又は当接しており、吸気ロッカーアーム23の揺動に伴って吸気バルブ10が作動するようになっている。
排気ロッカーアーム24は、排気ロッカーアームシャフト56に揺動可能に支持されている。排気ロッカーアームシャフト56は、カムハウジング20の前側の収納部33に装着されて左右方向に延びている。
排気ロッカーアームシャフト56の左端には、円環状の係合溝57が設けられている。そして、排気ロッカーアームシャフト56の係合溝57に規制プレート58の前端を係合させると共に、吸気ロッカーアームシャフト53の係合溝54に規制プレート58の後端を係合させることで、吸気ロッカーアームシャフト53と排気ロッカーアームシャフト56の間に規制プレート58が架設されている。そして、この規制プレート58をボルト59(図2参照)によってカムハウジング20に固定することで、吸気ロッカーアームシャフト53及び排気ロッカーアームシャフト56の左右方向のスライドが規制されている。
排気ロッカーアーム24の後端部には、ローラーベアリング60が取り付けられており、このローラーベアリング60の下端が、排気カム37の上端に当接している。即ち、排気ロッカーアーム24は、ローラー式のロッカーアームである。排気ロッカーアーム24の前端部は、排気バルブ14に連結又は当接しており、排気ロッカーアーム24の揺動に伴って排気バルブ14が作動するようになっている。
上記の如く構成されたものにおいて、エンジン1の稼働に伴ってクランクシャフトが回転すると、この回転がカムチェーン46を介してカムシャフト21に伝達されて、カムシャフト21の吸排気カム36、37が回転する。これに伴って、吸排気カム36、37が各ロッカーアーム23、24のローラーベアリング55、60を所定のタイミングで押圧し、各ロッカーアーム23、24が各ロッカーアームシャフト53、56を支点にそれぞれ揺動する。これにより、吸気バルブ10及び排気バルブ14が作動し、吸気口11及び排気口15が開閉されて、燃焼室8への吸排気が行われる。
また、エンジン1の始動時には、図6(a)に示されるように、デコンプカム50が排気カム37のベースサークル38よりも外側に突出しており、排気ロッカーアーム24のローラーベアリング60を僅かに持ち上げている。これに伴って、排気ロッカーアーム24の前端(図面上左端)が僅かに押し下げられており、排気バルブ14が排気口15を僅かに開放している。これにより、燃焼室8内の混合気が外部に排出され、圧縮仕事が小さくなって回転抵抗が低減し、エンジン1の始動の容易化が図られる。一方で、エンジン1の回転数が一定数まで上昇すると、デコンプシャフト48及びデコンプウェイト51が遠心力によって回転し、これに伴って、図6(b)に示されるように、デコンプカム50が排気カム37のベースサークル38よりも内側に移動する。
前記のように隆起部42を有する吸排気カム36、37を用いた場合には、各ロッカーアーム23、24のローラーベアリング55、60が吸排気カム36、37の隆起部42と接触する際に、各ローラーベアリング55、60と接触している部分の吸排気カム36、37の径が急激に大きくなる。これに伴って、図7(a)に示されるように、従来例の動弁装置(隆起部を有しない吸排気カムを備えた一般的な動弁装置。図5の二点鎖線X参照。)と比較して、吸排気バルブ10、14の開度が急激に上昇する。そのため、図7(b)に示されるように、吸排気バルブ10、14の開度の加速度の最大値が従来例の動弁装置よりも大きくなり、吸排気カム36、37の径を大きくすることなく、エンジン1の出力性能を向上させることができる。
これに伴って、ボールベアリング30、31を大型化する必要が無くなり、ボールベアリング30と締付穴34、35の干渉を生じさせずに、エンジン1の出力特性を向上させることができる。そのため、締付穴34、35の位置を外側にずらず必要が無く、シリンダ3、シリンダヘッド4及びクランクケース2を小型化することができ、エンジン全体のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、吸排気カム36、37に窪み部41を設けることで、窪み部41がオイル溜まりとして機能するため、ローラーベアリング55、60と吸排気カム36、37の接触部の摩耗を低減することが可能となる。
また、本実施形態の動弁装置18では、カムシャフト21をカムハウジング20に左側から組み付ける際には、カムシャフト21の吸排気カム36、37が左側の装着穴27を通過する必要がある。この点、本実施形態では、吸排気カム36、37のカム山40の頂部43の径a(図5参照)を左側のボールベアリング30の外径b(図4参照)よりも小さくしているため、カム山40と対応する形状の切欠を左側の装着穴27に設けなくても、左側の装着穴27を介してカムハウジング20内に吸排気カム36、37を挿入することが可能となる。そのため、軸受け面積(左側の装着穴27と左側のボールベアリング30の接触面積)が減少せず、剛性の向上を図ることが可能になるとともに、騒音の低減を図ることができる。
また、本実施形態では、吸排気カム36、37のベースサークル38の径c(図5参照)が、左側のボールベアリング30の内径d(図4参照)よりも小さくなっている。そのため、デコンプシャフト48を湾曲させずに直棒状としても、デコンプカム50を排気カム37のベースサークル38よりも外側に突出させることが可能となる。これに伴って、デコンプシャフト48が傾きにくくなり、動作不良が生じにくくなる。そのため、ストッパー52の構成を簡素化することができ、コストダウンを図ることが可能となる。
また、本実施形態では、ローラー式のロッカーアーム23、24を用いているため、スリッパー式のロッカーアームを用いる場合と比較して、ロッカーアーム23、24と吸排気カム36、37の摩擦を低減させることが可能となり、これに伴って、燃費の向上を図ることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、吸排気カム36、37の径を大きくすることによってエンジン1の出力性能を向上させるのではなく、吸排気カム36、37に隆起部42を設けることでエンジン1の出力性能を向上させている。そのため、ローラー式のロッカーアーム23、24及びデコンプ機構22を備えたSOHC式の動弁装置18において、エンジン全体の大型化、剛性の低下、騒音の上昇、動作不良、コストアップ等の新たな問題を生じることなく、エンジン出力の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、吸排気カム36、37のベースサークル38と吸排気カム36、37のカム山40の頂部43との間に隆起部42が配置されているため、少なくとも吸排気口11、15が全閉になっていない状態で、ローラーベアリング55、60と吸排気カム36、37との接触位置を、隆起部42に移行させることが可能となる。
更に本実施形態では、吸排気カム36、37の回転方向において吸排気カム36、37のカム山40の頂部43よりも上流側に隆起部42が設けられているため、吸排気バルブ10、14が吸排気口11、15を開いていく途中で、ローラーベアリング55、60と吸排気カム36、37との接触位置が隆起部42に移行することになる。これに伴って、エンジン1の出力性能を一層向上させることが可能となる。
本実施形態では、左右一対のボールベアリング30、31によってカムシャフト21を軸支する構成について説明したが、他の異なる実施形態では、片側のボールベアリング(例えば、左側のボールベアリング)のみによってカムシャフト21を軸支しても良い。
本実施形態では、吸気カム36と排気カム37の両方に隆起部42を設ける場合について説明したが、他の異なる実施形態では、吸気カム36又は排気カム37のいずれか一方のみに隆起部42を設けても良い。本実施形態では、吸排気カム36、37のカム山40の頂部43の両側に隆起部42を設ける場合について説明したが、他の異なる実施形態では、吸排気カム36、37のカム山40の頂部43の片側にのみ隆起部42を設けても良い。この場合には、吸排気カム36、37の回転方向においてカム山40の頂部43よりも上流側に隆起部42を設けるのが好ましい。
本実施形態では、吸排気カム36、37の径方向外側に向かって湾曲する隆起部42を異形部としたが、他の異なる実施形態では、図5に二点鎖線Yで示されるように、吸排気カム36、37の径方向内側に向かって湾曲する凹部を異形部としても良い。この場合にも、吸排気バルブ10、14の開度の加速度の最大値を従来例の動弁装置よりも大きくすることができる。
本実施形態では、単一のカムシャフト21を備えた動弁装置18、即ち、SOHC式の動弁装置18を用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、一対のカムシャフトを備えた動弁装置、即ち、DOHC式の動弁装置に本発明の構成を適用しても良い。
本実施形態では、ローラー式のロッカーアーム23、24を備えた動弁装置18に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、スリッパー式のロッカーアームを備えた動弁装置に本発明の構成を適用しても良い。つまり、本発明の構成は、あらゆるロッカーアーム式の動弁装置に適用することが可能である。
本実施形態では、単気筒型のエンジン1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、並列2気筒型、並列4気筒型、V型等の他の異なるタイプのエンジンに、本発明の構成を適用しても良い。
本実施形態では、自動二輪車のエンジン1に本発明の構成を適用したが、他の異なる実施形態では、ATV(不整地走行車両)、自動車(四輪車)、雪上車、船外機等のエンジンに、本発明の構成を適用しても良い。つまり、本発明は、4サイクルエンジン全般に適用することが可能である。
1 エンジン
4 シリンダヘッド
8 燃焼室
10 吸気バルブ
11 吸気口
14 排気バルブ
15 排気口
18 動弁装置
21 カムシャフト
27 装着穴
28 装着穴
30 ボールベアリング
31 ボールベアリング
36 吸気カム
37 排気カム
40 カム山
41 窪み部
42 隆起部(異形部)
43 頂部

Claims (4)

  1. 燃焼室の吸排気口に設けられたバルブを作動させるロッカーアームと、該ロッカーアームを押圧するカムを有するカムシャフトと、を備えたエンジンの動弁装置であって、
    前記カムには、該カムの径方向外側又は内側に向かって湾曲する異形部が、ベースサークルとカム山の頂部との間に設けられていることを特徴とするエンジンの動弁装置。
  2. 前記カムシャフトを軸支するベアリングと、該ベアリングを装着可能な装着穴が設けられたシリンダヘッドと、を備え、前記装着穴を介して前記シリンダヘッド内に前記カムを挿入するように構成され、
    該カムは、そのカム山の頂部の径が前記ベアリングの外径よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  3. 前記異形部は、前記カムの回転方向において該カムのカム山の頂部よりも上流側に設けられた隆起部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの動弁装置。
  4. SOHC式であって、
    前記ロッカーアームは、ローラー式であり、
    前記カムシャフト内に回転可能に収納される直棒状のデコンプシャフトを有するデコンプ機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの動弁装置。
JP2011228139A 2011-10-17 2011-10-17 エンジンの動弁装置 Pending JP2013087676A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011228139A JP2013087676A (ja) 2011-10-17 2011-10-17 エンジンの動弁装置
CN2012103957468A CN103046980A (zh) 2011-10-17 2012-10-17 引擎的气门机构

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011228139A JP2013087676A (ja) 2011-10-17 2011-10-17 エンジンの動弁装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013087676A true JP2013087676A (ja) 2013-05-13

Family

ID=48059797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011228139A Pending JP2013087676A (ja) 2011-10-17 2011-10-17 エンジンの動弁装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2013087676A (ja)
CN (1) CN103046980A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016196855A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 スズキ株式会社 V型エンジンのロッカアーム保持構造

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4172186B2 (ja) * 2002-02-27 2008-10-29 スズキ株式会社 エンジンのデコンプ装置
CN100520000C (zh) * 2003-07-10 2009-07-29 雅马哈发动机株式会社 发动机
DE10337430A1 (de) * 2003-08-13 2005-03-17 Fev Motorentechnik Gmbh Verbrennungskraftmaschine mit Schaltnocken
CN2890346Y (zh) * 2005-12-13 2007-04-18 王增善 内燃机的一种配气凸轮及其所对应的缸筒
DE102008061236A1 (de) * 2008-12-09 2010-06-10 Man Diesel Se Verfahren und Ventilnocke zur Ventilsteuerung eines Verbrennungsmotors

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016196855A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 スズキ株式会社 V型エンジンのロッカアーム保持構造

Also Published As

Publication number Publication date
CN103046980A (zh) 2013-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7726271B2 (en) Engine with decompression device
JP5905665B2 (ja) ロッカーアーム装置
US8820284B2 (en) Variable valve gear for internal combustion engine
JP2009092036A (ja) ストローク可変エンジン
US6899073B2 (en) Decompression device for internal combustion engine
JP2009243401A (ja) 4サイクルエンジンにおけるシリンダヘッド構造
JP5756454B2 (ja) 内燃機関のデコンプ装置
US6453861B1 (en) Valve gear of internal combustion engine
JP2013087676A (ja) エンジンの動弁装置
JP2015224577A (ja) エンジン及び車両
JP4023585B2 (ja) 4ストロークサイクル内燃機関のデコンプ装置
JP2006300073A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2008075623A (ja) 開弁特性可変型内燃機関
JP2004285845A (ja) ロッカーアーム軸の回り止め装置
JP3963658B2 (ja) 4ストロークサイクル内燃機関のデコンプ装置
JP6368375B2 (ja) 内燃機関の動弁機構
JP2009162084A (ja) 内燃機関の点火プラグ配置構造
JP2008025487A (ja) 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JP5310467B2 (ja) 動弁装置及びこれを備えた内燃機関
JP6400836B2 (ja) 内燃機関のデコンプ機構
JP2018035693A (ja) エンジンの頭上弁作動機構
JP3139089B2 (ja) 4サイクルエンジン
JP2010084626A (ja) エンジンの可変動弁装置
JP4471893B2 (ja) オイルの噴射孔が設けられたカム軸を備える内燃機関
JP2008082311A (ja) 車両用4サイクルエンジンの潤滑構造