JP2012141534A - 箔画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも電子写真画像形成装置にトナーを装填して支持体上にトナー像の箔転写面を有するプリント物を形成する工程、プリント物の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程、加熱加圧されたプリント物と転写箔を冷却した後、転写箔のベースフィルムを剥がす工程を経て箔画像を形成する箔画像形成方法において、前記トナーは少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを有することを特徴とする箔画像形成方法。
【選択図】なし
Description
プリント物の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程、
加熱加圧されたプリント物と転写箔を冷却した後、転写箔のベースフィルムを剥がす工程を経て箔画像を形成する箔画像形成方法において、
前記トナーは少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを有することを特徴とする箔画像形成方法。
(1)転写箔側に、支持体上のトナーと相溶性のよい接着補助層をもたせることや、プライマー処理などの特別な処理をする
(2)転写箔の接着層と相溶性の良いトナーを用いることで接着性を向上させる
ことなどが考えられる。
本発明の箔画像形成方法は、本発明に係るトナーを電子写真画像形成装置に装填してプリント物を形成する工程、該プリント物のトナー像の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程、加熱されたプリント物と転写箔を冷却した後転写箔のベースフィルムを剥がし箔画像を形成する工程を経て箔画像を形成する方法である。
転写箔としては、市販のホットメルトタイプの転写箔を用いることができる。中でも軟式ビニルまたはプラスチックに転写することを目的とした転写箔が好適に用いられる。
ベースフィルムとしては、転写箔層転写装置の加熱加圧に耐え、ベースフィルムの上に転写箔層を設けることができるものが用いられる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂シートが用いられる。ベースフィルムの厚みは10〜75μmが好ましく、強度と転写箔層の転写性との兼ね合いから、10〜20μmがより好ましい。
転写箔層は、少なくとも離型層、着色層及び接着層で構成される。
離型層は、箔転写時にベースフィルムから転写箔層が離れやすくするために設けるものである。離型層としては、例えば、シリコーン樹脂やオレフィン系樹脂、ワックス等が使用される。
着色層は、トナー像の上に形成されたときに着色或いは反射像を形成する層である。
着色剤層は、少なくとも着色剤とバインダー樹脂から構成される。着色剤は有機顔料、無機顔料、染料等特に限定されない。バインダー樹脂は特に限定されないが、耐熱性の観点からユリア樹脂、メラミン系樹脂等のアミノ系硬化樹脂、セルロース樹脂、アクリル系樹脂等が好ましく用いられる。
反射層は、メタリックな光沢を有する仕上がりの箔画像を形成するために用いるもので、金属等を用いて公知の方法で反射層を設けることにより形成されたものである。反射層を形成する金属材料としては、例えばアルミニウム、スズ、銀、クロム、ニッケル、金等の単体のほかに、ニッケルークロムー鉄合金や青銅、アルミ青銅等の合金をしようすることも可能である。反射層を形成する手段としては、例えば蒸着方やスパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法が挙げられる。また、反射層には、例えば水洗シーライト加工、エッチング加工、レーザ加工等の公知の加工方法を利用して規則的な模様を付与するパターニング処理を施すことも可能である。
接着層は、加熱加圧後、冷却されたときトナー像のトナーと接着する特性を有する主に樹脂を構成材料とする層である。
プリント物は、支持体とトナーで構成される。
支持体としては、電子写真画像形成方法に用いることができるものであれば特に制限はなく、例えば紙、プラスチック、金属、木材、布、天然または合成の皮革等が用いられる。
本発明で用いられるトナーは、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂を含有するものであり、転写箔の転写箔層を良好に転写させる観点から転写箔層の接着層と接着性に優れ、且つトナーフィルミングにも優れるコア・シェル構造のトナーとすることが好ましい。
本発明で用いられるトナーは、結晶性ポリエステル樹脂を含有するものであり、結晶性ポリエステル樹脂により低温定着性を実現させることができる。そして、トナーをコア・シェル構造にしたとき、結晶性ポリエステル樹脂をコアに含有させることが好ましい。尚、本発明で「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定法(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するポリエステル樹脂のことをいうものである。前記結晶性ポリエステル樹脂としては、上述した様に、吸熱ピークを有するポリエステル樹脂であれば特に限定されるものではない。例えば、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合させた構造のポリマーが存在する場合、このポリマーよりなる樹脂が吸熱ピークを示すものであれば、本発明でいう結晶性ポリエステルに該当する。
本発明に使用可能な非晶性ポリエステル樹脂は、非晶性を有するものであれば特に限定されるものではなく、公知の非晶性ポリエステル樹脂を使用することもできる。ここで「非晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定法(DSC)において、その吸熱量変化で吸熱ピークを有さないポリエステル樹脂のことをいうものである。
本発明で使用される離型剤は特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。詳細には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、合成エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス等、及び、これらの変性物を挙げることができる。
本発明に係るトナーを製造する方法としては、乳化凝集法によるトナー製造方法が好ましい。乳化凝集法は、その製造工程で形成粒子の形状分布を制御できることや保管特性やクリーニング性に優れるコア・シェル構造のトナー作製を効率よく行えること、他の製造法に比べて製造時の環境負荷を抑えられる観点から好ましい。以下、乳化凝集法により本発明に係るトナーを作製する方法について説明する。
(1)凝集工程
少なくとも、非晶性ポリエステル樹脂粒子(好ましくは体積基準メディアン径が1μm以下の粒子)を分散させた非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、離型剤を分散させた離型剤分散液、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、必要に応じ着色剤を分散させた着色剤分散液を混合した混合分散液中に凝集剤を添加して加熱を行って凝集粒子を形成する工程
(2)融合工程
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点以上に加熱することにより、凝集粒子中の非晶性ポリエステル樹脂を融合させる工程
(3)冷却工程
融合工程で強固になった凝集粒子を例えば20℃/分以上の冷却速度で急冷させる工程 (4)洗浄/乾燥工程
冷却処理した凝集粒子をろ過等で固液分離するとともに洗浄処理を行った後、乾燥処理する工程
(5)外添処理工程
乾燥処理した凝集粒子表面に酸化セリウム粒子等をはじめとする外添剤を添加する工程 なお、本発明では上述した外添剤を添加する前の段階にある「凝集粒子」のことを「母体粒子」あるいは「トナー母体粒子」ともいう。
(1)トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、測定試料を調製する
(2)測定試料0.02gを界面活性剤溶液20mlで十分なじませた後、超音波分散処理を1分間行って測定試料の分散液を作製する
(3)この測定試料の分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカに、測定濃度5〜10%になるまでピペットで注入する
(4)測定機カウントを2500個に設定して測定を開始する。尚、「マルチサイザー3」のアパーチャー径は20μmのものを使用する。
本発明に係るトナーを現像剤として用いる場合、本発明に係るトナーを単独で用いる一成分系現像剤でも、また、トナーとキャリアからなる二成分系現像剤であっても、いずれも本発明の効果を発現する良好な画像形成を実現することができる。なお、一成分系現像剤として用いる場合、トナー中に磁性金属粒子を含有する磁性一成分現像剤としても、また、トナー中に磁性金属粒子を含有しない非磁性一成分現像剤としても使用することができる。
プリント物は、電子写真画像形成装置にトナーを装填し、支持体上にトナー像を形成することで得ることができる。
(1)感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程
(2)トナーを装填して、静電潜像を現像して感光体上にトナー像を形成する現像工程
(3)感光体上に形成されたトナー像を支持体上に転写する転写工程
(4)支持体上に転写されたトナー像を加熱定着する定着工程。
図3は、プリント物の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程で用いる転写箔層転写装置の一例を示す模式図である。
(1)プリント物の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせる
(2)重ね合わせたプリント物と転写箔を転写箔層転写装置の加熱ロールと加圧ロールの間に挿入し、加熱加圧する
(3)挿入されたプリント物と転写箔は、加熱された状態で排出される
(4)排出されたプリント物と転写箔は冷却された後、プリント物から転写箔のベースフィルムが剥がされ、箔画像が形成される。
加熱ロール:外径100mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上に厚さ3mmのシリコーンゴム層を配置したもの
加圧ロール:外径80mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上厚さ3mmのシリコーンゴム層を配置したもの
熱源:加熱ロールの内部にハロゲンランプを配置(サーミスタにより温度制御)
加熱ロールと加圧ロールのニップ幅:7mm
(加熱加圧ロールの温度設定)
加熱ロールの表面温度:130℃に設定
(搬送速度)
23mm/sec
尚、転写箔層転写装置としては、電子写真画像形成装置の定着装置の温度、圧力条件等を変えることで用いることができる。
〈各種分散液の作製〉
(結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1の作製)
重合単量体として、下記組成の化合物よりなる混合物Dを加熱乾燥した反応容器に、セバシン酸に対して0.014質量%となる量のテトラブトキシチタン(Ti(OBu)4)を触媒として投入した。減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌により180℃で5時間還流処理を行った。その後、減圧蒸留下にて200℃まで昇温を徐々に行いながら3時間撹拌処理し、粘稠状態になったところでGPCにて分子量測定を行い、重量平均分子量が15,000になったところで、減圧蒸留を停止して空冷し、「結晶性ポリエステル樹脂1」を作製した。
セバシン酸 200質量部
1,6−ヘキサンジオール 120質量部
上記手順で作製した「結晶性ポリエステル樹脂1」の融点は90℃であった。
重合単量体として、下記組成の化合物よりなる混合物Eを加熱乾燥した反応容器に、1,10−デカンジカルボン酸に対して0.014質量%となる量のテトラブトキシチタン(Ti(OBu)4)を触媒として投入した。減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌により180℃で5時間還流処理を行った。その後、減圧蒸留下にて200℃まで昇温を徐々に行いながら3時間撹拌処理し、粘稠状態になったところでGPCにて分子量測定を行い、重量平均分子量が15,000になったところで、減圧蒸留を停止して空冷し、「結晶性ポリエステル樹脂2」を作製した。
1,10−デカンジカルボン酸 200質量部
ノナンジオール 140質量部
上記手順で作製した「結晶性ポリエステル樹脂2」の融点は65℃であった。
重合単量体として、下記組成の化合物よりなる混合物Fを加熱乾燥した反応容器に、ピメリン酸に対して0.014質量%となる量のテトラブトキシチタン(Ti(OBu)4)を触媒として投入した。減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌により180℃で5時間還流処理を行った。その後、減圧蒸留下にて200℃まで昇温を徐々に行いながら3時間撹拌処理し、粘稠状態になったところでGPCにて分子量測定を行い、重量平均分子量が15,000になったところで、減圧蒸留を停止して空冷し、「結晶性ポリエステル樹脂3」を作製した。
ピメリン酸 200質量部
1,6−ヘキサンジオール 160質量部
上記手順で作製した「結晶性ポリエステル樹脂3」の融点は52℃であった。
重合単量体として、下記組成の化合物よりなる混合物Gを加熱乾燥した反応容器に、コハク酸に対して0.014質量%となる量のテトラブトキシチタン(Ti(OBu)4)を触媒として投入した。減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌により180℃で5時間還流処理を行った。その後、減圧蒸留下にて200℃まで昇温を徐々に行いながら3時間撹拌処理し、粘稠状態になったところでGPCにて分子量測定を行い、重量平均分子量が15,000になったところで、減圧蒸留を停止して空冷し、「結晶性ポリエステル樹脂4」を作製した。
コハク酸 200質量部
エチレングリコール 110質量部
上記手順で作製した「結晶性ポリエステル樹脂4」の融点は102℃であった。
下記組成の化合物よりなる化合物群を化合物A群とし、加熱乾燥した反応容器に、前記化合物A群及び触媒としてジブチルスズオキシド0.12質量部を投入した。その後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下にして、この雰囲気下で機械撹拌により180℃で6時間還流処理を行った。その後、減圧蒸留にて200℃まで昇温を徐々に行いながら5時間撹拌処理し、粘稠状態になったところでGPCにて分子量測定を行い、重量平均分子量が13,700になったところで、減圧蒸留を停止して空冷し、「非晶性ポリエステル樹脂1」を作製した。「非晶性ポリエステル樹脂1」のガラス転移点は63.0℃であった。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)(BPA−PO) 140質量部
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2)(BPA−E0)
60質量部
イソフタル酸ジメチル 40質量部
テレフタル酸 70質量部
次に、「非晶性ポリエステル樹脂1」を溶融状態のまま、「キャビトロンCD1010(ユーロテック(株)製)」に移送した。また、別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈して濃度0.37質量%に調製した希アンモニア水を投入し、熱交換器で120℃に加熱して前記非晶性ポリエステル樹脂と同時に前記キャビトロンに移送した。この状態で回転子の回転周波数を60Hz、圧力を4.9×105Paの条件に設定してキャビトロンを運転することにより、体積基準メディアン径が0.28μmの非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を作製した。さらに、樹脂粒子濃度が20質量%となる様に水分量を調整し「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」を作製した。
前記「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」の作製で用いた化合物A群を下記化合物よりなる化合物B群に変更した他は同様の条件で重量平均分子量が18,100、ガラス転移点が59.6℃の「非晶性ポリエステル樹脂2」を作製した。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2)
140質量部
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2) 70質量部
イソフタル酸ジメチル 30質量部
テレフタル酸 50質量部
ドデセニルコハク酸 50質量部
次に、作製した「非晶性ポリエステル樹脂2」を前記「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」の作製と同様の条件で、キャビトロンで乳化分散処理することにより、体積基準メディアン径が0.14μmの非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を作製した。さらに、樹脂粒子濃度が20質量%となる様に水分量を調整して「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2」を作製した。
前記「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」の作製で用いた化合物A群を下記化合物よりなる化合物C群に変更した他は同様の条件で重量平均分子量が18,100、ガラス転移点が53.0℃の「非晶性ポリエステル樹脂3」を作製した。すなわち、
化合物C群
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2)
180質量部
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2) 20質量部
テレフタル酸 60質量部
フマル酸 10質量部
ドデセニルコハク酸 60質量部
トリメリット酸 5質量部
次に、作製した「非晶性ポリエステル樹脂3」を前記「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」の作製と同様の条件で、キャビトロンで乳化分散処理することにより、体積基準メディアン径が0.14μmの非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を作製し、さらに、樹脂粒子濃度が20質量%となる様に水分量を調整して「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液3」を作製した。
ベヘン酸ベヘニル(融点71.2℃) 60質量部
イオン性界面活性剤(i−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム) 5質量部
イオン交換水 200質量部
上記成分を混合溶解させた溶液を95℃に加熱し、ホモジナイザ「ウルトラタラックスT50」にて10分間分散処理した後、圧力吐出型「ゴーリンホモジナイザ」で分散処理して離型剤粒子の体積基準メディアン径が210nmの離型剤分散液を調製した。さらに離型剤濃度が20質量%となる様に水分量を調整して「離型剤分散液」を作製した。
非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 560質量部
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 240質量部
離型剤分散液 100質量部
上記成分を丸型ステンレス製容器内に投入し、300質量部のイオン交換水とともに撹拌しながら20℃に調整した後、ホモジナイザ「ウルトラタラックスT50」で十分に混合、分散処理して分散液を調製した。次に、前記分散液中にポリ塩化アルミニウム0.1質量部を添加し「ウルトラタラックスT50」により分散処理を継続した。分散処理を行った後、前記容器を加熱用オイルバスに投入し、撹拌を行いながら容器を45℃まで加熱した。容器を45℃で60分間保持した後、前記分散液中に「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」200質量部を緩やかに添加した。
母体粒子1の作製で用いた、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1、離型剤分散液を、表3のように変更した以外は母体粒子1の作製と同様にして「母体粒子2〜10」を作製した。
上記の「母体粒子1〜10」の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1〜10」を作製した。
フェライトコア粒子100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部を攪拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間攪拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂コート層を形成し、体積基準のメディアン径(D50)が60μmのフェライトキャリアを得た。
村田金箔社製の「メタリックホイルBLタイプ」を準備した。
トナーの電子写真特性の評価は、市販の電子写真画像形成装置「Bizhub500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」に上記で作製したトナーを順次装填し、30℃、80%RH環境下で50万枚連続プリントを実施し、感光体上のトナーフィルミング発生の程度を目視確認するとともに、トナーフィルミングに起因する画像欠陥発生の程度で評価した。尚、○、△を合格とする。
○:50万枚のプリントまで、感光体上にトナーフィルミングが確認されず、画像欠陥発生も無い
△:50万枚のプリントまでに、感光体上にトナーフィルミングは確認されたが、50万枚のプリントまで画像欠陥発生は無い
×:50万枚のプリントまでに、感光体上にトナーフィルミングが観察され、50万枚のプリントまでに画像欠陥発生も有り。
〈プリント物の作製〉
プリント物の作製は、市販の電子写真画像形成装置「Bizhub500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」を用いた。
箔画像は、上記で作製したプリント物のトナー像の箔転写面と「メタリックホイルBLタイプ」の接着層面が接するように重ね合わせ、図3に示す転写箔層転写装置の加熱加圧ロール間を通し、室温まで冷却した後、プリント物から転写箔のベースフィルムを剥離し、トナー像の箔転写面へ転写箔層の転写を行い、箔画像を作製した。
転写箔層の転写性は、上記で作製した箔画像の表面を目視で観察し評価した。尚、○、△を合格とする。
○:トナー像の箔転写面に転写箔層が忠実に転写されている
△:トナー像の箔転写面に転写箔層が転写されていない部分が10%未満ある
×:トナー像の箔転写面に転写箔層が転写されていない部分が10%以上ある。
転写箔層の接着性は、テープ剥離試験で評価した。
(1)「メンディングテープ」(住友3M社製:No.810−3−12相当)を軽く張り付ける
(2)1kPaの圧力でテープを3.5回往復擦り付ける
(3)180°の角度、200gの力でテープを剥がす
(4)剥離後の箔画像を目視で観察する
評価基準
○:箔画像に剥離された部分が無く良好
△:箔画像に剥離された部分が見られるが、実用上問題なし
×:箔画像に剥離された部分が多く、実用上問題有り。
B 加熱加圧する工程
C 箔画像を形成する工程
1 プリント物
2 支持体
3 トナー像
4 箔転写面
10 転写箔
11 ベースフィルム
12 離型層
13 着色層
14 接着層
15 転写箔層
20 箔画像
Claims (7)
- 少なくとも電子写真画像形成装置にトナーを装填して支持体上にトナー像の箔転写面を有するプリント物を形成する工程、
プリント物の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程、
加熱加圧されたプリント物と転写箔を冷却した後、転写箔のベースフィルムを剥がす工程を経て箔画像を形成する箔画像形成方法において、
前記トナーは少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを有することを特徴とする箔画像形成方法。 - 前記結晶性ポリエステル樹脂が脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを反応させて得られるものであり、非晶性ポリエステル樹脂が芳香族ジカルボン酸と多価アルコールとを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の箔画像形成方法。
- 前記トナーの中に占める結晶性ポリエステル樹脂の量は、トナー全質量に対し1質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の箔画像形成方法。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記非晶性ポリエステル樹脂の量に対し、2質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の箔画像形成方法。
- 前記結晶性ポリエステル樹脂の融点は、52℃以上102℃以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の箔画像形成方法。
- 前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移は、51℃以上65℃以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の箔画像形成方法。
- 前記トナーは、その粒子中に離型剤を含有し、該離型剤の融点が前記結晶性ポリエステル樹脂の融点より高いことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の箔画像形成方法。
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