JP2012139703A - プレス機械 - Google Patents

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Toyonobu Yamada
豊信 山田
Tadashi Morishima
忠 森島
Katsumi Kinoshita
克己 木下
Takeyuki Akatsuka
剛之 赤塚
Hiroshi Horai
浩 宝来
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Abstract

【課題】プレス運転開始時から優れた加工精度を得ることができるプレス機械を提供する。
【解決手段】本実施形態のプレス機械は、スライドの下死点位置を調節するための位置調節手段と、前記スライドの下死点位置を検出するための位置検出手段と、スライドの下死点位置について目標の下死点位置との差分を補正するための補正データであって、プレス運転開始時の開始時補正データを予め記憶した記憶手段と、プレス運転を制御する制御手段とを備える。前記制御手段は、プレス運転中に、前記位置検出手段により検出された下死点位置と目標の下死点位置との差分を補正するように位置調節手段を制御する。また、前記制御手段は、そのプレス運転開始時に、前記記憶手段から読込んだ前記開始時補正データに基づいて目標の下死点位置との差分を補正するように前記位置調節手段を制御する。
【選択図】図3

Description

本実施形態は、プレス機械に関する。
従来より、プレス機械では、往復動自在なスライドに設けられた上金型と、ボルスタ上に設けられた下金型との間でプレス加工を行うようになっている。このプレス機械において高精度のプレス加工を行うには、ダイハイトの調節つまりスライド下死点でのボルスタ上面からスライド下面までの距離の管理が重要である。そこで、プレス機械は、スライド下面とボルスタ上面の相対距離を調節するための位置調整手段を備えている(位置調整手段につき例えば特許文献1参照)。
この種のプレス機械にあっては、プレス運転中の温度の変化等により下死点位置が変化することから、実際の下死点位置の検出データと目標の下死点位置との偏差を位置調整手段により補正するようにしたものが供されている。
特開平10−15700号公報
ところで、回転電機に用いられる鉄心は、鉄心用鋼板をプレス機械で打ち抜くことにより得られる打抜き板を複数枚積層して形成される。この鉄心を製造する際、各打抜き板には、積層した打抜き板がバラけないようにプレス加工により結束部が形成される。このため、前述したスライドの下死点位置の補正が正確でないと、その「ずれ」がプレス運転中の1ショットであっても、積層された複数の打抜き板の結束状態(積層状態)が損なわれ回転電機全体の品質に影響を及ぼすことになる。従って、プレス運転では、最初の1ショットから、スライドが適正な下死点位置となるよう駆動されることが好ましい。
しかしながら、従来技術では、プレス運転中の下死点位置に係る検出データが用いられるため、1ショット目には、その直前の検出データが無く位置補正を行うことができない。即ち、運転開始時(開始直後)は、プレス速度が設定速度に満たない所謂立上り期間であり、当該設定速度と運転速度との相違に起因して下死点位置の誤差(変化量)も大きくなるが、プレス運転開始直後から適切な下死点位置に位置補正を行うものは、まだ考えられていない。
そこで、プレス運転開始時から優れた加工精度を得ることができるプレス機械を提供する。
本実施形態のプレス機械は、ボルスタと対向するスライドを往復運動させて加工対象物をプレス加工するものであり、前記スライドの下死点位置を調節するための位置調節手段と、前記スライドの下死点位置を検出するための位置検出手段と、スライドの下死点位置について目標の下死点位置との差分を補正するための補正データであって、プレス運転開始時の開始時補正データを予め記憶した記憶手段と、プレス運転を制御する制御手段とを備える。前記制御手段は、プレス運転中に、前記位置検出手段により検出された下死点位置と目標の下死点位置との差分を補正するように位置調節手段を制御する。また、前記制御手段は、そのプレス運転開始時に、前記記憶手段から読込んだ前記開始時補正データに基づいて目標の下死点位置との差分を補正するように前記位置調節手段を制御する。
プレス機械について、手前側のカバー部材等を省略して示す外観と内部構造を説明するための斜視図 プレス機械全体の構成を概略的に示すブロック図 (a)は運転時間と温度上昇に伴う補正量との関係、(b)及び(c)は運転開始からのショット数とプレス速度及び速度上昇に伴う補正量との関係、(d)は運転開始からのショット数と補正後の下死点位置との関係、を夫々説明するための図 回転電機の打抜き板の製造工程を示す図 (a)は回転電機の固定子鉄心の斜視図、(b)は1枚の打抜き板における結束部近傍の拡大断面図、(c)は(b)の打抜き板について複数積層した状態で示す図 補正制御動作の流れを示すフローチャート プレス運転中における複数サイクル分の読取り下死点位置の平均値の算出を説明するための図 プレス連続運転時において目標の下死点位置を0とした場合の散布図であって、プレス運転開始時と停止時における位置補正後の下死点位置を示す図 プレス機械の温度が一定だと場合した場合におけるプレス運転開始時と停止時の下死点位置の変化を説明するための図 プレス機械の温度上昇に伴う下死点位置の変化を説明するための図 プレス速度の変更に伴う下死点位置の変化を説明するための図 最初と最後のショットを除き5ショット毎に下死点位置を補正した場合の下死点位置を示す図 図12において補正が行われた下死点位置の回帰直線を付加した図12相当図
<第1実施形態>
以下、本実施形態について、図1から図13を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、プレス機械10の本体は、上方のクラウン11と、下方のベッド12と、これらを一体的に連結する平面四隅に配設されたコラム13とを備える。これらコラム13には、スライド14が上下動可能に案内されており、当該スライド14は、スライド駆動機構15によって上下に往復動される。図示は省略するが、上型はスライド14に装着され、下型はベッド12上のボルスタ17に装着されている。この上型と下型との上下方向の相対位置、つまりはスライド14の下面とボルスタ17の上面との距離をダイハイトと称する。
前記スライド駆動機構15は、クラウン11内に配設されたクランク軸19とコンロッド20を含むクランク機構18を備える。クランク軸19は、一対の駆動モータ21(図2に1つのみ図示)により減速機(図示略)を介して駆動され、コンロッド20と連動してスライド14を昇降駆動する。尚、説明の便宜上、図1では手前側のコラム13やカバー部材を省略する一方、図2でも、一部の構造(コンロッド20の数等)を省略して模式的に示すものとする。
前記駆動モータ21は、図2に示すドライバ24からの駆動用信号により回転する。この駆動用信号は、後述の制御装置25におけるタッチパネル26を用いて設定されるSPM(プレス速度:Stroke Per Minute)に相応する信号、つまりプレス速度指令信号に対応する。ドライバ24に入力されるフィードバック信号に関しては図示を省略する。また、図1に示す一対のフライホイール22は、駆動モータ21の(クランク機構18)の回転運動エネルギーを蓄える目的で利用され、各フライホイール22の近傍にブレーキ22aが配設される。
前記スライド14の昇降範囲は、クランク機構18の上死点位置から下死点位置である。駆動モータ21は、例えば、プレス運転開始には前記の上死点位置に停止された状態から設定プレス速度(例えば、150SPM)まで所定時間で立上げることができ、停止時にもほぼ同じ時間を要する。
クランク軸19の一方の端部19aには、クランク軸19の回転角度を検出するエンコーダ27が設けられている。制御装置25は、エンコーダ27の検出信号に基づいてプレス速度(SPM)やスライド14の現在の上下方向位置(下死点位置等)を演算する。プレス機械10の本体におけるコラム13には、プレス機械10の温度を検出するための温度検出手段(例えばサーミスタ29)が設けられている。図示は省略するが、プレス機械10には、プレス運転に伴う温度上昇による下死点位置の変化を抑制すべく、冷却油を循環させる冷却装置が設けられている。
尚、本実施形態とは異なり、温度検出手段をスライド14側に設ける等、検出手段の構成につき適宜変更してもよい。また、プレス機械10についても、上記構成に限定されるものではない。例えば、スライド駆動機構15は、クランク機構18に限らず、プレス速度が高速になる程にスライド14の下死点位置の変動量(突っ込み量)が大きくなる傾向にある偏心駆動機構、リンク駆動機構、ねじ駆動機構等であってもよい。かかる構成を採用する場合、クランク機構18で言う上死点位置および下死点位置は、本実施形態においてはスライド14の最上位置および最下位置と読み替えるものとする。
続いて、スライド14の位置を調節するスライド位置調節機構30について説明する。
先ず、コンロッド20は、クランク軸19とスライド14との間を接続するように設けられた駆動軸であり、図2に示す上部駆動軸20aと下部駆動軸20bとを含む。一方、スライド位置調節機構30は、図2に示すクラウン11内に配置されたウオームねじ軸32と、このねじ軸32を駆動する調節モータ33と、上部駆動軸20a及び下部駆動軸20b間に配された機構部31を備える。図示は省略するが、機構部31は、ウオームねじ軸32に噛合するウオームホイールや,スプライン構造等を含み、ウオームねじ軸32の回転に基づいて、上部駆動軸20aと下部駆動軸20bとの上下方向相対位置を調節するように構成されている。
換言すれば、調節モータ33の回転駆動力がウオームねじ軸32を介して機構部31に伝わることで、クランク機構18によるコンロッド20(上下の駆動軸20a,20bを一体として扱う)の上下動中においても、上部駆動軸20aに対する下部駆動軸20bの上下方向の相対位置を変化させる。これにより、スライド位置調節機構30は、スライド14の上下方向の位置について、プレス運転中に、機構部31による調節量分を加減することができ、下死点位置の補正を高精度で円滑にできる位置調整手段として構成されている。
前記調節モータ33は、例えば三相交流サーボモータであり、図2に示す位置制御部34から出力される駆動制御用信号により回転制御される。詳しくは後述するように、駆動制御用信号は、前記タッチパネル26を用いて設定され且つ入出力部36を介して入力された目標の下死点位置(目標値)とエンコーダ27における検出値とを利用して得た偏差信号に相応するものとして生成出力される。また、駆動制御用信号は、調節モータ33の各相用駆動電流信号であり、実質的にはトルク指令信号である。
位置検出部37は、スライド14に取付けられたスケール部材38と、このスケール部材38との上下方向の相対位置関係からスライド14下面の位置を検出可能な位置センサ39と、検出したスライド位置を読取る読取回路40と、タイミングスイッチ回路41とからなる。これらスケール部材38、位置センサ39及び読取回路40は、図2で左右一対をなすように設けられ、スライド14に右または左側への微妙な傾きが存在した場合でも、その平均値を求めることで精度の向上が図られている。もっとも、スライド14とコラム13とのガイド構造や剛性等によっては、必ずしも1対を設けなくてもよく、片側や中央に1つずつ設けるようにしてもよい。
タイミングスイッチ回路41は、エンコーダ27で検出されたクランク角度信号から読取用のタイミング信号を生成出力する。前記タイミングスイッチ回路41は、例えば、クランク角度を180度に設定することにより読取回路40でスライド14の下死点位置を読取るようになっている。尚、位置検出手段は、上記した位置検出部37に限定されるものでなく、センサとしてマグネスケール、リニアスケール等を用いて直線移動量に応じた検出信号が得られる構成であればよい。
次に、プレス機械10の制御系の構成について図2を参照しながら説明する。
前記制御装置25は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、内部にCPU、クロック回路等を有する制御部42、メモリ部43、入出力インターフェイス機能を持つ入出力部36等を備える。制御部42を含む制御装置25は、プレス運転を制御する制御手段に相当する。
入出力部36には、各種データやグラフを表示するための表示出力部(図示しないディスプレイ)が接続されると共に、その表示出力部の前面側に設定入力手段としてのタッチパネル26が接続されている。当該タッチパネル26がタッチ操作されることで、プレス速度、下死点位置の目標値、後述する制御用サイクル数の設定等が可能となっている。
また、入出力部36には、サーミスタ29、読取回路40が接続されると共に、ドライバ24や位置制御部34等が接続されている。制御装置25は、後述の制御プログラム等に従って、上記した各種のアクチュエータを駆動制御することで、加工対象物をプレス加工するようになっている。
前記メモリ部43は記憶手段として、揮発性メモリとしてのRAMや、不揮発性メモリとしてのROM、EEPROM等を含む。前記メモリ部43には、プレス加工に係る制御プログラムが記憶されると共に、前記読取回路40で読取られたスライド14の下死点位置や、エンコーダ27で検出されたSPM(プレス速度)等が記憶される。
さて、本実施形態のプレス機械10では、プレス運転開始から停止までの全てのショットでスライド14が適切な下死点位置まで移動するように駆動され、高精度のプレス加工が行われるようになっている。このスライド14の下死点位置を補正するための構成について図3も参照しながら説明する。
プレス機械10は、前記冷却装置を備える一方、熱平衡に達するまではプレス運転の経過に伴い温度が上昇して下死点位置が変化する。そこで、メモリ部43(例えばEEPROM)には、温度の相違に起因する下死点位置の変化量を補正するように設定された温度用補正テーブルが予め記憶されている。具体的には例えば、プレス機械10の温度(サーミスタ29による検出温度)が一定だと仮定した場合、図9にHVで示す高速運転(例えば150SPM)の領域では下死点位置の変動を10μm以内に抑えられる。もっとも、実際にはプレス運転時間の経過に伴う熱変位により、図10に回帰直線(近似直線)で示すように下死点位置が変化する。そこで、図3(a)に示すように、その時々の温度条件(T1,T2,T3,…)に対応付けられて、目標の下死点位置Hに対する差分を補正するように設定された補正値(δhT1,δhT2,δhT3…)が、補正データとして温度用補正テーブルに格納されている。
また、プレス機械10は、プレス速度に応じて下死点位置が変化する。そこで、メモリ部43には、プレス速度の相違に起因する下死点位置の変化量を補正するように設定された速度用補正テーブルが予め記憶されている。具体的には例えば、プレス機械10の温度が一定だと仮定した場合、図9と図11との対比から明らかなように、前記高速運転の領域HVと、中高速運転(例えば140SPM)の領域MVと、中低速運転(例えば130SPM)の領域MLVとで下死点位置が相違する。特に、図11で左右の両端に位置する低速運転LVにあって、プレス運転開始時(1ショット目)は例えば100SPM、プレス運転停止時(30ショット目)は例えば80SPMである。つまり、プレス運転開始時及び停止時においてプレス速度が相対的に低い所謂立上り期間及び立下り期間は、下死点位置の変化量が相対的に大きくなる。そこで、図3(b)、(c)にその一部(運転開始時)を例示するように、プレス運転速度v1、v2に対応付けられて、プレス運転速度v3の下死点位置Hに対する差分を補正するように設定された補正値(δhv1,δhv2)が、補正データとして速度用補正テーブルに格納されている。速度用補正テーブルには、立上り期間の補正値δhv1,δhv2の他、立下り期間の補正値(図8の最終ショット参照)が格納されると共に、前記中高速運転の領域MV(図11参照)、中低速運転の領域MLV等、各プレス速度に夫々対応する補正値が格納されている。
プレス機械10における温度をT、プレス速度をV、その条件T,Vにおける補正前の下死点位置をh0とした場合、目標の下死点位置H及び補正値δhは、次式で表される。
H=h0+δh ・・・(1)
δh=F(T、V)・・・(2)
前記補正値δhは、プレス速度Vに応じた補正値と、サーミスタ29による検出温度Tに応じた補正値との和である。即ち、温度用補正テーブル及び速度用補正テーブルの補正値は、プレス機械10における各温度T、各プレス速度Vの夫々に左右される下死点位置h0を基に予め設定される。そして、前記立上り期間等のように下死点位置の誤差(変動)が大きい場合に、補正値δh(図3(d)では、δhv1とδhT3との和)を演算することに基づいて、下死点位置に係る制御を行うのである。
前記補正値δhを用いた具体的な制御の流れについて、図6も参照しながら説明する。ここで、プレス機械10における運転開始に先立ち、タッチパネル26にてプレス速度や下死点位置の目標値が予め設定されると共に前記制御用サイクル数が設定されてメモリ部43に記憶される。
ユーザは、タッチパネル26を用いてプレス運転指令を発することで、以下の制御が開始される。即ち、プレス機械10において、制御装置25は、サーミスタ29により温度を検出すると共に、メモリ部43に記憶された温度用補正テーブルから該当する補正値(開始時補正データに相当する)を読込む。また、制御装置25は、その運転開始時の運転速度、つまり1ショット目のプレス速度に対応する補正値(開始時補正データに相当する)を、メモリ部43に記憶された速度用補正テーブルから読込む(ステップA1、A2)。
一方、プレス機械10では、前記プレス運転指令に基づいて、駆動モータ21の駆動によりスライド駆動機構15を介してスライド14を昇降駆動させるプレス連続運転が開始される(ステップA3)。この開始時の1回目のショットについて、制御装置25は、前記検出温度に対応する補正値と運転速度に対応する補正値との和(δh)に基づいて調節モータ33を回転制御することで、スライド14の実際の下死点位置を目標の下死点位置Hに合せるように位置補正する。ここで、図8は当該プレス連続運転時において目標の下死点位置を0とした場合の散布図を示している。同図に示すように、設定されたプレス速度(例えば150SPM)までの立上り期間において、その大きな下死点位置の変動を解消するように補正が行われる。
また、前記タイミングスイッチ回路41はクランク角度が180度に設定されており、プレス連続運転において、読取回路40でスライド14の下死点位置が読取られる(図7のステップB1にてYES、ステップB2)。この読取られた下死点位置は、サイクル毎(各ショット毎)にメモリ部43に記憶される(ステップB3)。制御装置25は、読取った下死点位置について、前記タッチパネル26により設定された制御用サイクル数(例えば5サイクル)分の平均値を算出する(ステップB4)。ここで、制御用サイクル数を(n)とした場合、nサイクル分の下死点位置(例えば、P1,P2,…,Pn)について平均値が算出され、以降の平均値の演算対象(P2,P3,…,Pn+1)は、1サイクルごとにシフトさせるようにして更新される。算出された平均値は、メモリ部43に記憶される(ステップB5)。
前記プレス連続運転では、この算出平均値を用いて制御用サイクル数毎に位置補正制御が行われる。具体的には例えば5サイクル毎に、当該算出平均値と前記下死点位置の目標値との差分(偏差)に対応した制御信号に基づいて調節モータ33を回転制御することで、スライド14の下死点位置を目標の下死点位置Hに合せるように位置補正する。この場合のフィードバック量は、複数サイクルの平均値が用いられるから、以下に説明する1サイクル毎の位置補正制御(サイクル毎の誤差が内在する)に比し、信頼性を高めることができる。
前記タッチパネル26により制御用サイクル数が1に設定されている場合、1サイクル毎に、スライド14の下死点位置が読取られ、スライド14の下死点位置を目標の下死点位置Hに合せるように位置補正する。この場合には、前記プレス連続運転において2ショット目以降に1サイクル毎の位置補正制御が行われる。即ち、1ショット目には、それ以前の下死点位置の読取り(検出)値が存在しないことから、前記補正値δhを用いた位置補正制御が実行され、2ショット目以降に下死点位置の読取り値に基づく位置補正制御が実行される。
図8に示すように、プレス連続運転停止時の立下り期間(30ショット目)においても、その停止時のプレス速度と検出温度に対応する補正値δh(停止時補正データに相当する)に基づいて、スライド14の下死点位置を目標の下死点位置Hに合せるように位置補正する。
尚、プレス連続運転の途中で、プレス速度が変更される場合に下死点位置の変化量が大きくなることから、当該速度変更時にも、前記補正値δhに基づく位置補正制御を実行してもよい。例えば、図11に示すようなプレス速度の領域HV、MV、MLVが設定されている場合には、プレス連続運転開始時と停止時に加え、当該領域に対応する速度変更時(10ショット目、20ショット目)にも前記補正値δhに基づく位置補正を行うようにしてもよい。
以上のように、プレス連続運転において、スライド14の実際の下死点位置の読取り値に基づく位置補正と、温度用補正テーブル及び速度用補正テーブルの補正値に基づく位置補正とが行われる。このため、特に最初と最後のショットの下死点位置の「ずれ」を大幅に抑制することができ、各種の加工対象物に対して高精度のプレス加工を行うことができる。
続いて、加工対象物として回転電機の鉄心用鋼板Zを上記プレス機械10で打ち抜く場合を例に説明する。ここで、図4は、打抜き板50(図5参照)の各製造ステップにおける鋼板Zの平面図を示しており、各ステップ(C1〜)は、プレス機械10のショット数(1ショット〜)に対応する。
即ち、上記構成のプレス機械10により、ステップC1で鋼板Zに対して基準となる隅の穴部51が抜き落とされる。次いで、ステップC2で回転子における磁石挿入穴52を含む複数の穴部が打ち抜かれ、ステップC3で固定子におけるスロット54が打ち抜かれる。そして、ステップC4で固定子における打抜き板50がバラけないよう結束するための結束部53が形成されると共に、固定子の内周縁(回転子)が打ち抜かれる。その後、ステップC5で固定子の外周縁を打ち抜くことで打抜き板50を製造する。こうして、6ショット目以降についてもステップC1〜C5を繰り返すことで複数の打抜き板50を打ち抜き、図5(a)に示すように当該打抜き板50を積層して固定子鉄心55を形成する。
図5(b)、(c)は、打抜き板50の結束部53部分を拡大して示す断面図である。ここで、打抜き板50は、例えば厚さが0.3mmで、断面V字形状の結束部53が他の打抜き板50の結束部53に嵌るように形成される。従って、前述したスライド14の下死点位置の補正が正確でないと、その「ずれ」がプレス連続運転の1ショットであっても、積層された複数の打抜き板50の結束状態(積層状態)が損なわれ回転電機全体の品質に影響を及ぼすことになる。この点、本実施形態によれば、プレス連続運転における最初と最後のショット(プレス加工)でも打抜き板50について優れた加工精度を得ることができ、固定子鉄心55の品質を向上させることができる。
以上説明したように、制御装置25は、プレス運転中に、位置検出部37により検出された下死点位置と目標の下死点位置との差分を補正するようにスライド位置調節機構30を制御すると共に、そのプレス運転開始時とプレス運転停止時には、メモリ部43から読込んだ開始時補正データと停止時補正データに基づいて目標の下死点位置との差分を補正するようにスライド位置調節機構30を制御する。
これによれば、プレス運転中の下死点位置の検出値を利用した補正ができない最初のショットから、開始時補正データに基づいてスライド14の下死点位置を自動調整することができる。従って、2ショット目以降についても、誤差(前記差分)が補正された1ショット目の検出値を利用して、適切な位置補正を行うことができる。また、最後のショットについても目標の下死点位置との差分を補正することができ、全てのショットで下死点変動を極力抑制できる。このため、上記した固定子鉄心55の打抜き板50等のプレス加工に適用することで、加工対象物たる製品の品質と信頼性を向上させることができ、金型の破損等も防止することができる。
前記制御装置25は、プレス速度に対応する補正値を速度用補正テーブルから読込んで、当該補正値に基づきスライド位置調節機構30を制御する。これによれば、プレス機械10でプレス速度が設定速度に到達するまでの間、或は設定速度から停止するまでの間などにおいても、プレス速度に応じてプレス加工を精度よく行うことができる。
前記制御装置25は、サーミスタ29により検出された温度に対応する補正値を前記温度用補正テーブルから読込んで、当該補正値に基づきスライド位置調節機構30を制御する。これによれば、プレス機械10における温度に応じて、プレス加工を精度よく行うことができる。従って、速度用補正テーブルと温度用補正テーブルとの双方の補正値を用いた位置補正を行うことにより、総じて優れた加工精度を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本実施形態では、プレス運転のうち、連続してプレス加工を行うプレス連続運転について説明したが、スライドを寸動動作させる寸動運転についても前記補正値δhに基づきスライド位置調節機構30を制御するようにしてもよい。即ち、速度用補正テーブルと温度用補正テーブルの夫々の補正値は、開始時補正データや停止時補正データの他、寸動時補正データとしても利用する。そして、制御装置25は、前記寸動運転時に、メモリ部43から読込んだ寸動時補正データ(つまり前記補正値δh)に基づいて目標の下死点位置との差分を補正するようにスライド位置調節機構30を制御する。これによれば、寸動運転時においても、その時のプレス速度と温度に応じてプレス加工を精度よく行うことができる。
図8では、プレス連続運転において最初と最後のショットのみ前記補正値δhに基づく補正対象として例示したが、図3(b)に示したように立上り期間(或は立下り期間)の長さ(ショット数)に応じて複数のショットを前記補正値δhに基づく補正対象としてもよい。
また、補正データは、上記した速度用補正テーブルや温度用補正テーブルの補正値に限定されるものではない。つまり、プレス運転開始時、プレス運転停止時及び寸動運転時において、夫々用いられる開始時補正データ、停止時補正データ及び寸動時補正データは、以前行われた設定速度におけるプレス運転での下死点位置との差分で夫々表される補正値であってもよい。当該夫々の補正値をメモリ部43に記憶させ、プレス運転開始時、プレス運転停止時及び寸動運転時の全部あるいは何れかのタイミングでメモリ部43から読み出して目標の下死点位置との差分を補正するのである。
図面中、10はプレス機械、14はスライド、17はボルスタ、25,42は制御手段、29は温度検出手段、30は位置調整手段、37は位置検出手段、43は記憶手段を示す。

Claims (5)

  1. ボルスタと対向するスライドを往復運動させて加工対象物をプレス加工するプレス機械であって、
    前記スライドの下死点位置を調節するための位置調節手段と、
    前記スライドの下死点位置を検出するための位置検出手段と、
    スライドの下死点位置について目標の下死点位置との差分を補正するための補正データであって、プレス運転開始時の開始時補正データが予め記憶された記憶手段と、
    プレス運転を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    プレス運転中に、前記位置検出手段により検出された下死点位置と目標の下死点位置との差分を補正するように位置調節手段を制御すると共に、そのプレス運転開始時には、前記記憶手段から読込んだ前記開始時補正データに基づいて目標の下死点位置との差分を補正するように前記位置調節手段を制御することを特徴とするプレス機械。
  2. 前記補正データは、プレス運転停止時における停止時補正データを含み、
    前記制御手段は、プレス運転停止時に、前記記憶手段から読込んだ前記停止時補正データに基づいて目標の下死点位置との差分を補正するように前記位置調節手段を制御することを特徴とする請求項1記載のプレス機械。
  3. 前記補正データは、前記プレス機械におけるプレス速度の相違に起因する目標の下死点位置との差分を補正するもので、各プレス速度に夫々対応付けられた補正値として速度用補正テーブルに格納され、
    前記制御手段は、前記プレス速度に対応する補正値を前記速度用補正テーブルから読込んで、当該補正値に基づき前記位置調節手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載のプレス機械。
  4. 前記プレス機械の温度を検出するための温度検出手段を備え、
    前記補正データは、前記プレス機械における温度の相違に起因する目標の下死点位置との差分を補正するもので、各温度に夫々対応付けられた補正値として温度用補正テーブルに格納され、
    前記制御手段は、前記温度検出手段により検出された温度に対応する補正値を前記温度用補正テーブルから読込んで、当該補正値に基づき前記位置調節手段を制御することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のプレス機械。
  5. 前記補正データは、前記スライドを寸動動作させる寸動運転時における寸動時補正データを含み、
    前記制御手段は、前記寸動運転時に、前記記憶手段から読込んだ前記寸動時補正データに基づいて目標の下死点位置との差分を補正するように前記位置調節手段を制御することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のプレス機械。
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