JP2012137515A - フレキソ印刷版原版 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線アブレーション層のひび割れやシワの発生を抑えるとともに、その耐傷性を向上させたフレキソ印刷版原版を提供すること。
【解決手段】支持体12と、感光性樹脂層18と、赤外線アブレーション層20とがこの順で積層されており、赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーは、(A)感光性樹脂層18のバインダーポリマーと同じ構造を有するポリマーと、(B)アクリル樹脂と、を含有し、かつ、(B)成分に対する(A)成分の質量比(A/B)が1/3〜3/1の範囲内にあり、さらに、感光性樹脂層18の上に積層されている状態における赤外線アブレーション層20の塑性硬さ(Ha)と、感光性樹脂層18の塑性硬さ(Hb)との差が30mN/mm以下に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレキソ印刷版原版に関し、さらに詳しくは、赤外線アブレーション層を備え、赤外線レーザを用いて赤外線アブレーション層にデジタル化されたネガティブ画像情報を直接描画することによりネガパターンを作製する方式のフレキソ印刷版原版に関するものである。
従来から、印刷版を用いて、包装材やラベル、雑誌等の被刷体に、凸版印刷、凹版印刷、あるいは、平版印刷が行われている。このうち、凸版印刷は、凸版を用いて行われる。この凸版には、材質が柔らかいことから被刷体を選ばず、種々の被刷体に適用可能なフレキソ印刷版がある。
フレキソ印刷版の原版は、ポリエステルフィルムなどからなる支持体の上に感光性の樹脂組成物からなる感光性樹脂層を備えているのが一般的である。フレキソ印刷版は、この原版の感光性樹脂層の面に所定の画像を露光したのち露光されていない部分の樹脂を除去することにより製版されている。
いわゆるアナログ方式のフレキソ印刷版原版は、所定の画像がすでに形成されているネガフィルムが感光性樹脂層の上に載せられ、このネガフィルムを通して感光性樹脂層の面に所定の画像が露光される。これに対し、LAM(Laser ablation mask)方式のフレキソ印刷版原版は、感光性樹脂層の上に赤外線アブレーション層が予め設けられており、赤外線レーザを用いて赤外線アブレーション層にデジタル化されたネガティブ画像情報を直接描画して所望のネガパターンを作製したのち、このネガパターンを通して感光性樹脂層の面に所定の画像が露光される。
フレキソ印刷版原版のうち、LAM方式のフレキソ印刷版原版は、感光性樹脂層の上に予め赤外線アブレーション層が設けられているものであるため、感光性樹脂層と赤外線アブレーション層の密着性が重要になる。
このような課題に対し、例えば特許文献1には、感光性樹脂層のバインダーポリマーと相溶性を有するバインダーポリマーを赤外線アブレーション層に用いることで、感光性樹脂層と赤外線アブレーション層の密着性を高めることが記載されている。
特開2006−163284号公報
ここで、フレキソ印刷版原版は、厚さが数mm程度の非常に薄いもので構成されていることから、その取り扱い中にフレキソ印刷版原版に曲げの力が加わることがある。従来のフレキソ印刷版原版では、このような曲げの力が加わったときに、赤外線アブレーション層にひび割れやシワが発生しやすいという問題があった。また、フレキソ印刷版原版の取り扱い中には、フレキソ印刷版原版の表面(すなわち赤外線アブレーション層)に物理的な接触が生じることがある。従来のフレキソ印刷版原版では、このような接触により赤外線アブレーション層に傷が入りやすいという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、赤外線アブレーション層のひび割れやシワの発生を抑えるとともに、その耐傷性を向上させたフレキソ印刷版原版を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係るフレキソ印刷版原版は、支持体と、感光性樹脂層と、赤外線アブレーション層とが積層されたフレキソ印刷版原版であって、前記赤外線アブレーション層は、バインダーポリマーおよび赤外線吸収物質を含有し、前記赤外線アブレーション層のバインダーポリマーは、(A)前記感光性樹脂層のバインダーポリマーと同じ構造を有するポリマーと、(B)アクリル樹脂と、を含有し、かつ、前記(B)成分に対する前記(A)成分の質量比(A/B)が1/3〜3/1の範囲内にあり、前記感光性樹脂層の上に積層されている状態における前記赤外線アブレーション層の塑性硬さ(Ha)と、前記感光性樹脂層の塑性硬さ(Hb)との差が30mN/mm以下に設定されていることを要旨とするものである。
このとき、前記(B)成分の貯蔵弾性率は、1.0×10〜4.1×10Paの範囲内にあることが好ましい。また、前記(B)成分のガラス転移温度は、48〜85℃の範囲内にあることが好ましい。
そして、前記赤外線アブレーション層のバインダーポリマーは、前記感光性樹脂層に含まれている低分子量成分と相溶するものであることが好ましい。また、前記感光性樹脂層は、水分散ラテックス、ゴム、界面活性剤、光重合性不飽和化合物、および、光重合開始剤を含有する組成物よりなることが好ましい。
本発明に係るフレキソ印刷版原版によれば、赤外線アブレーション層のバインダーポリマーに特定の2種類のポリマーを特定の割合で用いるとともに、赤外線アブレーション層および感光性樹脂層の塑性硬さの関係を規定したことから、フレキソ印刷版原版に曲げの力が加わったときにも赤外線アブレーション層のひび割れやシワの発生が抑えられるとともに、フレキソ印刷版原版の表面に物理的な接触が生じたときにも赤外線アブレーション層に傷がつきにくくなり、赤外線アブレーション層の耐傷性の向上が図られている。
このとき、(B)成分の貯蔵弾性率が特定範囲内にあると、確実に上記効果を奏する。また、(B)成分のガラス転移温度が特定範囲内にあると、確実に上記効果を奏する。
そして、赤外線アブレーション層のバインダーポリマーが感光性樹脂層に含まれている低分子量成分と相溶するものであれば、感光性樹脂層と赤外線アブレーション層の密着性が向上する。また、感光性樹脂層を特定の成分で構成される組成物で形成すれば、感光性樹脂層が柔軟になり、感光性樹脂層と赤外線アブレーション層の密着性が向上する。
本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版原版の断面図である。 図1のフレキソ印刷版原版の塑性硬さの測定方法を説明する断面図である。 図1のフレキソ印刷版原版の製造工程を示した断面図である。 フレキソ印刷版の製造工程を示した断面図である。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版原版の断面図である。図2は、図1のフレキソ印刷版原版の塑性硬さの測定方法を説明する断面図である。図3は、図1のフレキソ印刷版原版の製造工程を示した断面図である。図4は、フレキソ印刷版の製造工程を示した断面図である。
図1に示すように、一実施形態に係るフレキソ印刷版原版10は、支持体12と、感光性樹脂層18と、赤外線アブレーション層20とが積層されたもので構成されている。
支持体12は、その上に積層される感光性樹脂層18および赤外線アブレーション層20を支持するものであり、基材14の表面に接着剤16が塗布されたもので構成されている。支持体12の基材14としては、樹脂製フィルムを挙げることができる。樹脂製フィルムとしては、寸法安定性に優れることから、PETフィルムなどのポリエステルフィルムが好ましい。基材14の厚さとしては、感光性樹脂層18などの積層された層を支持するのに十分な強度が得られるなどの観点から、50〜300μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは50〜200μmの範囲内である。接着剤16は、基材14と感光性樹脂層18との密着性をより高めるためのものである。基材14と感光性樹脂層18との密着性が高い場合には、接着剤16を用いることを省略することができる。
感光性樹脂層18は、接着剤16を介して支持体12に密着されている。感光性樹脂層18は、バインダーポリマーと、光重合性不飽和化合物と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物で構成されている。光重合性不飽和化合物を含有していることから、感光性樹脂層18は光(紫外光)により硬化されるものである。感光性樹脂層18の厚さは、0.01〜10mmの範囲内であることが好ましい。感光性樹脂層18の厚さが0.01mm以上であれば、レリーフ深度を十分に確保できる。一方、感光性樹脂層18の厚さが10mm以下であれば、フレキソ印刷版原版10の重さを抑えることができ、実用上、印刷版として使用することができる。
感光性樹脂層18のバインダーポリマーは、水現像可能にするなどの観点から、疎水性ゴムとともに親水性の水分散ラテックスを含有することが好ましい。水分散ラテックスとは、重合体粒子を分散質として水中に分散したものである。この水分散ラテックスから水を除去することにより、重合体が得られる。水分散ラテックスは、感光性樹脂層18に水現像性を付与することができる。
水分散ラテックスの含有量としては、疎水性ゴムと水分散ラテックスの合計質量に対する割合で20〜90質量%の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは30〜80%の範囲内、さらに好ましくは50〜70%の範囲内である。水分散ラテックスが20質量%以上であると、感光性樹脂層18への水系現像液の浸透性が高くなるため、水現像速度に優れる。一方、水分散ラテックスが90質量%以下であると、画像再現性に優れる。
水分散ラテックスとしては、具体的には、ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックスなどの水分散ラテックス重合体やこれら重合体にアクリル酸やメタクリル酸などの他の成分を共重合して得られる重合体などを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併合して用いても良い。
このうち、硬度の点などから、分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を含有する水分散ラテックス重合体が好ましい。具体的には、ポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスが好ましい。
疎水性ゴムは、感光性樹脂層18のゴム弾性を増加させることができる。これにより、例えば、種々の被刷体に印刷しやすくできるなどの効果が期待できる。
疎水性ゴムとしては、具体的には、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)などを挙げることができる。また、これらのゴムのうち、不飽和結合を有するものについての部分あるいは完全水素添加物などを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併合して用いても良い。このうち、水分散ラテックスと併せて用いたときに感光性樹脂層18の水現像性および乾燥性のバランスに優れるなどの観点から、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)が好ましい。
光重合性不飽和化合物は、光(紫外光)により感光性樹脂層18を硬化できるものである。光重合性不飽和化合物の含有量としては、好ましくは10〜80質量%の範囲内、より好ましくは20〜50質量%の範囲内である。光重合性不飽和化合物の含有量が10質量%以上であれば、架橋密度の不足がなく、良好な画像再現性とインク耐性が得られる。一方、光重合性不飽和化合物の含有量が80質量%以下であれば、レリーフが脆くなく、かつ、フレキソ印刷版の特徴である柔軟性を確保することができる。
光重合性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリルオリゴマー、(メタ)アクリル変性重合体などを挙げることができる。(メタ)アクリル変性重合体としては、例えば(メタ)アクリル変性ブタジエンゴム、(メタ)アクリル変性ニトリルゴムなどを挙げることができる。
エチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物であっても良いし、エチレン性不飽和結合を2つ以上有する化合物であっても良い。
エチレン性不飽和結合を1個だけ有するエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート・3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート・エチル(メタ)アクリレート・プロピル(メタ)アクリレート・ブチル(メタ)アクリレート・イソアミル(メタ)アクリレート・2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート・ラウリル(メタ)アクリレート・ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート・クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート・エトキシエチル(メタ)アクリレート・ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート・ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート・メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート・メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート・2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート・2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を2つ以上有するエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキルジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコール等のエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン等の多価ビニル化合物等を挙げることができる。
光重合開始剤は、光重合性不飽和化合物の光重合を開始させるものであれば特に限定されず、例えば、アルキルフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アントラキノン類、ベンジル類、ビアセチル類等の光重合開始剤を挙げることができる。具体的には、例えば、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、メチル−O−ベンゾイルベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどを挙げることができる。
光重合開始剤の含有量としては、好ましくは0.3〜5質量%の範囲内、より好ましくは0.5〜3質量%の範囲内である。光重合開始剤の含有量が0.3質量%以上であれば、光重合性不飽和化合物の光重合反応が十分に起こり、良好な画像が形成できる。一方、光重合開始剤の含有量が5質量%以下であれば、感度が高すぎないため、露光時間の調節が容易になる。
感光性樹脂層18は、これらの成分の他に、各種の添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、界面活性剤、可塑剤、熱重合禁止剤(安定剤)、紫外線吸収剤、染料、顔料、消泡剤、香料などを挙げることができる。
界面活性剤は、感光性樹脂層18の水現像性を向上させることができる。界面活性剤の含有量としては、水分散ラテックスと疎水性ゴムと界面活性剤の合計質量に対する割合で、0.1〜20質量%の範囲内が好ましい。より好ましくは0.1〜15%の範囲内、さらに好ましくは0.1〜10%の範囲内である。界面活性剤の含有量が0.1%以上であると、水系現像液の感光性樹脂層18への浸透性が高くなり、水現像速度に優れる。一方、界面活性剤の含有量が20質量%以下であると、乾燥性にも優れる。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤が特に好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、具体的には、ラウリン酸ナトリウム・オレイン酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸塩、ラウリル硫酸エステルナトリウム・セチル硫酸エステルナトリウム・オレイル硫酸エステルナトリウム等の高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩・ドデシルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩、アルキルジスルホン酸塩・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム・トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリルスルホン酸塩、ラウリルリン酸モノエステルジナトリウム・ラウリルリン酸ジエステルナトリウム等の高級アルコールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエステルジナトリウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ジエステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併合して用いても良い。なお、具体例としてナトリウム塩を挙げたが、特にナトリウム塩に限定されるものではなく、カルシウム塩、アンモニア塩などでも同様の効果を得ることができる。このうち、より一層、感光性樹脂組成物の水現像性に優れるなどの観点から、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのスルホン酸系界面活性剤が好ましい。
可塑剤は、感光性樹脂層18に柔軟性を付与できる。また、感光性樹脂層18に柔軟性を付与してこれを低硬度にできる結果、光重合性不飽和化合物の含有量を増やすことができるため、インク耐性も向上できる効果を奏する。可塑剤の含有量としては、0.1〜30質量%の範囲内が好ましい。より好ましくは5〜20質量%の範囲内である。可塑剤の含有量が0.1質量%以上であれば、感光性樹脂層18に柔軟性を付与する効果に優れる。これにより、感光性樹脂層18の溶剤インクに対する耐性(耐溶剤インク膨潤性)が向上する。一方、可塑剤の含有量が30質量%以下であれば、感光性樹脂層18の強度を確保できる。
可塑剤としては、液状ゴム、オイル、ポリエステル、リン酸系化合物などを挙げることができる。特に、水分散ラテックスあるいは疎水性ゴムと相溶性が良好なものが好ましい。液状ゴムとしては、例えば液状のポリブタジエン、液状のポリイソプレン、あるいは、これらをマレイン酸やエポキシ基により変性したものなどを挙げることができる。オイルとしては、パラフィン、ナフテン、アロマなどを挙げることができる。ポリエステルとしては、アジピン酸系ポリエステルなどを挙げることができる。リン酸系化合物としては、リン酸エステルなどを挙げることができる。
熱重合禁止剤(安定剤)は、混練時の熱安定性を高める、あるいは、貯蔵安定性を高めることができる。熱重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類のものなどを挙げることができる。熱重合禁止剤の含有量は、0.001〜5質量%の範囲内が一般的である。
感光性樹脂層18は、これに接する赤外線アブレーション層20との密着性に優れるなどの観点から、より柔軟な材料で構成されることが好ましい。この観点から、水分散ラテックス、疎水性ゴム、界面活性剤、光重合性不飽和化合物、および、光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物よりなることが好ましい。また、さらに、可塑剤を含有することが好ましい。
感光性樹脂層18を形成する感光性樹脂組成物は、各成分を混練しながら脱水することにより調製できる。あるいは、予め水分散ラテックスを脱水した後、水分散ラテックスから得られた重合体と、これ以外の成分とを混練することにより調製できる。混練時に用いる混練機としては、2軸押出機、単軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを挙げることができる。
赤外線アブレーション層20は、感光性樹脂層18の表面を覆うマスクとなる部分である。赤外線アブレーション層20は、赤外線レーザにより除去され得る部分であるとともに、除去されなかった部分が紫外光を遮蔽(吸収)してその下の感光性樹脂層18に紫外光が照射されないようにマスクする部分である。赤外線アブレーション層20は、感光性樹脂層18を挟んで支持体12の反対側に、感光性樹脂層18に接して配置されており、感光性樹脂層18に密着されている。紫外光を遮蔽するなどの観点から、赤外線アブレーション層20の厚さとしては、0.1〜5μmの範囲内であることが好ましい。この赤外線アブレーション層20は、バインダーポリマーおよび赤外線吸収物質を含有する樹脂組成物で構成されている。
赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーは、(A)感光性樹脂層18のバインダーポリマーと同じ構造を有するポリマーと、(B)アクリル樹脂と、を含有するものからなる。
(A)成分のポリマーは、感光性樹脂層18のバインダーポリマーの分子構造中における単位構造あるいは繰り返し構造と同じ単位構造あるいは同じ繰り返し構造を有するものである。例えば、感光性樹脂層18のバインダーポリマーがNBR、SBR、BR、SBSの場合、共通の単位構造としてブタジエンに由来する構造を有している。また、このとき、NBR、SBR、SBSがブロック共重合体であれば、共通の繰り返し構造としてポリブタジエンに由来する構造を有している。これらの場合、(A)成分のポリマーとしては、例えば、単位構造としてブタジエンに由来する構造を有しているか、あるいは、繰り返し構造としてポリブタジエンに由来する構造を有しているものを挙げることができる。このようなポリマーとしては、より具体的には、NBR、SBR、BR、SBSなどを挙げることができる。
また、例えば感光性樹脂層18のバインダーポリマーがNBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)の場合、ブタジエンに由来する構造に加えてアクリロニトリルに由来する構造を有している。さらに、NBRがブロック共重合体であれば、ポリアクリロニトリルに由来する構造を有している。したがって、単位構造としてアクリロニトリルに由来する構造を有しているか、あるいは、繰り返し構造としてポリアクリロニトリルに由来する構造を有しているものを挙げることができる。このようなポリマーとしては、より具体的には、NBR、アクリロニトリル−イソプレン共重合体などを挙げることができる。
また、例えば感光性樹脂層18のバインダーポリマーがSBR(スチレン−ブタジエン共重合体)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)の場合、ブタジエンに由来する構造に加えてスチレンに由来する構造を有している。さらに、SBR、SBSがブロック共重合体であれば、ポリスチレンに由来する構造を有している。したがって、単位構造としてスチレンに由来する構造を有しているか、あるいは、繰り返し構造としてポリスチレンに由来する構造を有しているものを挙げることができる。このようなポリマーとしては、より具体的には、SBR、SBS、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン共重合体)などを挙げることができる。
このように、(A)成分のポリマーは、感光性樹脂層18のバインダーポリマーと同じ構造を有することから、赤外線アブレーション層20と感光性樹脂層18の密着性を向上させることができる。
(B)アクリル樹脂は、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルから選択される1種以上のモノマーの重合体あるいは共重合体からなるものである。
(B)アクリル樹脂に対する(A)成分の質量比(A/B)は、1/3〜3/1の範囲内にある。A/B質量比がこの範囲内にあることで、赤外線アブレーション層20のひび割れ、シワの発生防止と、耐傷性との両立が可能となる。A/B質量比が1/3未満((A)成分が少ない)では、赤外線アブレーション層20に曲げの力が加わったときに、ひび割れ、シワが発生する。一方、A/Bが3/1超((A)成分が多い)では、赤外線アブレーション層20に物理的な接触が生じたときにその表面に傷が付きやすく、耐傷性が悪化する。A/B質量比としては、好ましくは1/2〜2/1の範囲内である。
(B)アクリル樹脂の貯蔵弾性率としては、1.0×10〜4.1×10Paの範囲内にあることが好ましい。貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満では、柔らかすぎるため、赤外線アブレーション層20の耐傷性が低下しやすい。一方、貯蔵弾性率が4.1×10Pa超では、硬すぎるため、赤外線アブレーション層20にひび割れ、シワが発生しやすい。(B)アクリル樹脂の貯蔵弾性率としては、より好ましくは1.0×10〜3.5×10Paの範囲内、さらに好ましくは1.0×10〜2.5×10Paの範囲内である。なお、貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて測定した25℃における値である。動的粘弾性測定装置としては、ユービーエム社製「Rheogel−E4000F」を挙げることができる。
また、(B)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、48〜85℃の範囲内にあることが好ましい。Tgが48℃未満では、柔らかすぎるため、赤外線アブレーション層20の耐傷性が低下しやすい。一方、Tgが85℃超では、硬すぎるため、赤外線アブレーション層20にひび割れ、シワが発生しやすい。(B)アクリル樹脂のTgとしては、より好ましくは48〜70℃の範囲内、さらに好ましくは50〜65℃の範囲内である。なお、Tgは、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して測定される値である。
赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーは、さらに、感光性樹脂層18に含まれている低分子量成分と相溶することが好ましい。感光性樹脂層18に含まれている低分子量成分としては、必須成分としての光重合性不飽和化合物や、任意成分としての可塑剤、界面活性剤を挙げることができる。赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーは、低分子量成分の全てと相溶するものであっても良いし、低分子量成分の一部と相溶するものであっても良い。
赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーのうちの(A)成分のみが感光性樹脂層18に含まれている低分子量成分と相溶するものであっても良いし、(B)成分のみが感光性樹脂層18に含まれている低分子量成分と相溶するものであっても良いし、(A)成分と(B)成分の両方が感光性樹脂層18に含まれている低分子量成分と相溶するものであっても良い。
赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーと感光性樹脂層18に含まれている低分子量成分とが相溶するには、バインダーポリマーの分子構造中に低分子量成分の構造と同一の構造を有するか、あるいは、近い構造を有する場合を挙げることができる。また、バインダーポリマーの分子構造中に低分子量成分の極性に近い極性を持つ構造を有する場合を挙げることができる。また、バインダーポリマーの分子構造中に低分子量成分に対して親和性が高い構造を有する場合を挙げることができる。
例えば、感光性樹脂層18の光重合性不飽和化合物が(メタ)アクリルモノマーを含む場合には、赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーとして(B)アクリル樹脂を含むので、赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーと感光性樹脂層18に含まれている低分子量成分は相溶することができる。
また、感光性樹脂層18の低分子量成分として、液状BR、液状NBR、液状SBRなどが含まれる場合には、赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーがBR、NBR、SBRなどのブタジエン系重合体あるいはブタジエン系共重合体であれば、これらは同じ構造を有するため、相溶することができる。
また、赤外線アブレーション層20のバインダーポリマーがBR、NBR、SBRなどのブタジエン系重合体あるいはブタジエン系共重合体の場合には、これらに共通したブタジエン構造に対して極性の似ている脂肪族炭化水素系の可塑剤は、相溶することができる。このような可塑剤としては、パラフィンやナフテンオイルなどを挙げることができる。
赤外線吸収物質としては、赤外線を吸収して熱に変換し得る物質であれば、特に限定されるものではない。赤外線吸収物質としては、具体的には、カーボンブラック、アニリンブラック、シアニンブラックなどの黒色顔料、フタロシアニン、ナフタロシアニン系の緑色顔料、ローダミン色素、ナフトキノン系色素、ポリメチン染料、ジイモニウム塩、アゾイモニウム系色素、カルコゲン系色素、カーボングラファイト、鉄粉、ジアミン系金属錯体、ジチオール系金属錯体、フェノールチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、アリールアルミニウム金属塩類、結晶水含有無機化合物、硫酸銅、酸化コバルトや酸化タングステンなどの金属酸化物、これらの金属の水酸化物、硫酸塩、ビスマス,スズ,テルル,アルミニウムの金属粉などを挙げることができる。このうち、紫外線吸収機能を有するなどの観点から、カーボンブラック、カーボングラファイトなどが好ましい。
赤外線吸収物質の含有量は、使用する赤外線レーザ光線で赤外線アブレーション層20が除去されるような感度を有する範囲となる量であれば良い。赤外線吸収物質の含有量としては、好ましくは0.1〜75質量%の範囲内、より好ましくは1〜50質量%の範囲内である。
赤外線アブレーション層20は、これらの成分の他に、各種の添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収物質、離型剤、染料、顔料、消泡剤、香料などを挙げることができる。界面活性剤としては、上記するものを挙げることができる。また、可塑剤としては、上記するものを挙げることができる。
紫外線吸収物質としては、300〜400nmの領域に吸収を有する物質が好ましい。このような物質としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、カーボンブラック、上記赤外線吸収物質で示される金属あるいは金属酸化物などを挙げることができる。
離型剤は、例えば赤外線アブレーション層20の表面に、後述の保護用のカバーフィルムを設けた場合に、カバーフィルムの剥離性を高めるためのものである。このような離型剤としては、アルキル系化合物やシリコン系化合物を挙げることができる。
赤外線アブレーション層20は、赤外線アブレーション層20を形成する樹脂組成物の各成分を溶剤に溶解させて塗工液を調製し、これを基材に塗工した後、乾燥させて溶剤を除去することにより形成することができる。溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤や、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤や、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤や、酢酸メチルなどのエステル系溶剤や、グリコール系溶剤や、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性の極性溶剤などを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いても良い。塗工液を塗工する基材としては、赤外線アブレーション層20の表面を覆うカバーフィルムなどを挙げることができる。
フレキソ印刷版原版10においては、赤外線アブレーション層20の上に、赤外線アブレーション層20の表面を傷などから保護するためのカバーフィルムが設けられても良い。カバーフィルムは、後述するフレキソ印刷版原版10の製造方法において、プレス前に赤外線アブレーション層20を支持する基材として機能することもできる。
カバーフィルムは、使用時には赤外線アブレーション層20から剥離されるものであるため、剥離性に優れるものであることが好ましい。このようなカバーフィルムとしては、樹脂製フィルムが好ましい。具体的には、PETフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム,ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムなどを挙げることができる。カバーフィルムの赤外線アブレーション層20に接する表面には、シリコーン樹脂などの剥離剤が塗布されていても良い。カバーフィルムの厚さとしては、取り扱い性に優れる、傷などから保護する機能に優れるなどの観点から、25〜200μmの範囲内が好ましい。より好ましくは50〜150μmの範囲内である。
このような構成のフレキソ印刷版原版10においては、赤外線アブレーション層20の塑性硬さ(Ha)と、感光性樹脂層18の塑性硬さ(Hb)との差(Hc)が30mN/mm以下に設定されている。これにより、赤外線アブレーション層20に曲げの力が加わったときに、ひび割れ、シワが発生するのを防止できる。塑性硬さの差(Hc)としては、より好ましくは17mN/mm以下、さらに好ましくは12mN/mm以下である。
各層の塑性硬さは、微小硬度計を用いて測定することができる。赤外線アブレーション層20の塑性硬さ(Ha)については、赤外線アブレーション層20の厚さが微小硬度計による押し込み量(変位量)よりも小さいため、図2に示すように、感光性樹脂層18の上に赤外線アブレーション層20が積層されている状態で、赤外線アブレーション層20の表面で測定する。一方、感光性樹脂層18の塑性硬さ(Hb)は、図2に示すように、感光性樹脂層18の側面で測定する。
フレキソ印刷版原版10は、次のようにして製造することができる。すなわち、図3(a)に示すように、感光性樹脂層18を形成する感光性樹脂組成物を、基材14に接着剤16が塗布されてなる支持体12の接着剤16が塗布された面と、カバーフィルム22に赤外線アブレーション層20を形成する樹脂組成物が塗工されてなる積層体24の赤外線アブレーション層20が形成されている面との間に挟み、感光性樹脂組成物の厚さが所定の厚さになるように所定の温度でプレスすることにより、フレキソ印刷版原版10を製造できる。所定の温度としては、感光性樹脂層18と赤外線アブレーション層20の接着性を確保するなどの観点から、70〜120℃の範囲内が好ましい。
図3(b)に示すものは、赤外線アブレーション層20の上にカバーフィルム22が存在する状態のフレキソ印刷版原版であり、カバーフィルム22を剥がすことにより、図3(c)に示すように、支持体12と、感光性樹脂層18と、赤外線アブレーション層20とが積層されたフレキソ印刷版原版10が得られる。
次に、本発明のフレキソ印刷版原版10を用いてフレキソ印刷版を製造する方法について説明する。フレキソ印刷版30は、本発明に係るフレキソ印刷版原版10の感光性樹脂層18にレリーフ像を形成したものである。
まず、図4(a)に示すように、フレキソ印刷版原版10の支持体12側から紫外線を照射する(裏露光工程)。これにより、図4(b)に示すように、感光性樹脂層18の下側18aが硬化され、いわゆるレリーフ像のためのフロアが形成される。
次いで、図4(c)に示すように、フレキソ印刷版原版10の赤外線アブレーション層20側から赤外線レーザを照射して、赤外線アブレーション層20の所定の部分を除去することにより、感光性樹脂層18の上に所望のネガパターン20aを作製する(描画工程)。これにより、感光性樹脂層18の上に所望の画像マスクが形成される。なお、場合によっては、裏露光工程と、描画工程は、順序を前後しても良い。
次いで、図4(d)に示すように、画像マスクの上から感光性樹脂層18に紫外線を照射する(主露光工程)。これにより、感光性樹脂層18の上側18bで画像マスクに覆われていない部分18cが硬化される。感光性樹脂層18には、硬化部分18a,18cと未硬化部分(18bのうち18cを除いた部分)とが生じている。
次いで、現像液中で画像マスクおよび感光性樹脂層18の未硬化部分(18bのうち18cを除いた部分)を除去する(現像工程)。これにより、図4(e)に示すように、レリーフ像26が形成されたフレキソ印刷版30が得られる。その後、必要に応じて、フレキソ印刷版30を乾燥させる乾燥工程や、乾燥させたフレキソ印刷版材全体に再度紫外線を照射する後露光工程を実施しても良い。
裏露光工程および主露光工程においては、300〜400nmの波長の光を照射できる高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯などを用いることにより紫外線を照射できる。赤外線レーザとしては、ルビーレーザ,アレキサンドライトレーザ,ペロブスカイトレーザ,Nd−YAGレーザ,エメラルドガラスレーザなどの固体レーザ、InGaAsP,InGaAs,GaAsAlなどの半導体を用いた半導体レーザ、ローダミン色素などの色素レーザなどを挙げることができる。
現像液には、水系の現像液を用いると良い。水系の現像液は、水に、必要に応じて界面活性剤やpH調整剤などを添加したもので構成される。感光性樹脂層18の未硬化部分(18bのうち18cを除いた部分)の除去は、例えばスプレー式現像装置やブラシ式洗い出し機などを用いて未硬化部分(18bのうち18cを除いた部分)を洗い出すことにより行うことができる。
本発明のフレキソ印刷版原版10は、赤外線アブレーション層20と感光性樹脂層18の密着性に優れることから、現像工程においてフレキソ印刷版原版10から除去した赤外線アブレーション層20の除去片が現像液中に細かく分散しやすくなり、得られるフレキソ印刷版30への赤外線アブレーション層20の除去片の再付着や、現像液を循環ろ過する際のフィルターの目詰まりを抑えることができる。
このように、本発明のフレキソ印刷版原版10は、感光性樹脂層18の上に赤外線アブレーション層20が予め設けられており、赤外線レーザを用いて赤外線アブレーション層20にデジタル化されたネガティブ画像情報を直接描画して所望のネガパターン20aを作製したのち、このネガパターン20aを通して感光性樹脂層18の面に所定の画像が露光される、いわゆるLAM(Laser ablation mask)方式のフレキソ印刷版原版である。
そして、本発明のフレキソ印刷版原版10によれば、赤外線アブレーション層20と感光性樹脂層18の密着性に優れるとともに、赤外線アブレーション層20に曲げの力が加わったときにも、赤外線アブレーション層20にひび割れ、シワが発生するのを防止でき、さらに、赤外線アブレーション層20に物理的な接触が生じたときにもその表面に傷が付きにくく、耐傷性に優れる。そして、これにより、製版作業性に優れるとともに、安定した画像再現性が得られる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1)
<感光性樹脂層組成物(1)の調製>
水分散ラテックス45.5質量部(固形分としての重合体は25質量部)と、アクリル変性液状BR15質量部と、アクリルモノマー5質量部とを混合し、120℃に加熱した乾燥機で2時間水分を蒸発させて、水分散ラテックスから得られた重合体と光重合性不飽和化合物との混合物を得た。この混合物と、BR30質量部と、界面活性剤2質量部と、可塑剤15質量部とをニーダー中で45分間混練した。その後、ニーダー中に、熱重合禁止剤0.2質量部と、光重合開始剤を1質量部と、紫外線吸収剤0.03質量部とを投入し、5分間混練して、感光性樹脂組成物(1)を調製した。
<赤外線アブレーション層組成物の調製>
アクリル樹脂A75質量部およびNBR25質量部からなるバインダーポリマー100質量部に対し、カーボンブラック100質量部および可塑剤3質量部を加え、さらに溶剤としてメチルイソブチルケトン812質量部を加え、羽攪拌にて混合した。得られた混合液を三本ロールミルを用いて分散させた後、固形分が15質量%となるようにさらにメチルイソブチルケトンを加えることにより、赤外線アブレーション層組成物を調製した。
<フレキソ印刷版原版の作製>
シリコーン系離型剤が塗布されている厚さ125μmのPETフィルム(カバーフィルム)に、乾燥後の塗膜の厚さが1μmとなるように、バーコータで赤外線アブレーション層組成物を塗布し、120℃で5分乾燥させることにより、赤外線アブレーション層/カバーフィルムからなる積層体を得た。
次いで、この積層体の赤外線アブレーション層が形成されている面と、厚さ125μmのPETフィルム(基材)の表面に接着剤を塗布してなる支持体の接着剤が塗布されている面との間に感光性樹脂層組成物(1)を挟み、感光性樹脂層組成物(1)の厚さが1.5mmになるように120℃に加熱したプレス機でプレスすることにより、支持体、感光性樹脂層、赤外線アブレーション層、カバーフィルムがこの順で積層された実施例1のフレキソ印刷版原版を作製した。
(実施例2〜11、比較例1〜7)
赤外線アブレーション層組成物のバインダーポリマーの組成および配合比(質量比)を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様にして、実施例2〜11、比較例1〜7のフレキソ印刷版原版を作製した。
(実施例12)
<感光性樹脂層組成物(2)の調製>
BRに替えてNBR30質量部を用いた以外は実施例1の感光性樹脂層組成物(1)の調製と同様にして、感光性樹脂層組成物(2)を調製した。
<フレキソ印刷版原版の作製>
感光性樹脂層組成物(1)に替えて感光性樹脂層組成物(2)を用い、赤外線アブレーション層組成物のバインダーポリマーの組成および配合比(質量比)を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様にして、実施例12のフレキソ印刷版原版を作製した。
以下に、本実施例において用いた成分を具体的に示す。
<感光性樹脂層組成物の成分>
(バインダーポリマー)
・水分散ラテックス:[(日本ゼオン株式会社製「ニポールLX111NF」)から得られた重合体]
・BR:[日本ゼオン株式会社製、ニポールBR1220]
・NBR:[日本ゼオン株式会社製、ニポール1042]
(低分子量成分)
・アクリル変性液状BR:[大阪有機化学株式会社製、BAC−45]
・アクリルモノマー:[日油株式会社製、1,9−ノナンジオールジメタクリレート]
・界面活性剤:[花王株式会社製、エマール0]
・熱重合禁止剤:[精工化学株式会社製、MEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)]
・光重合開始剤:[チバ・ジャパン株式会社製、イルガキュア651]
・紫外線吸収剤:[チバ・ジャパン株式会社製、チヌビン326]
・可塑剤:[エッソ石油株式会社製、クリストール70]
<赤外線アブレーション層組成物の成分>
(バインダーポリマー)
・アクリル樹脂A:[根上工業(株)社製「プレコート200」、E’=4.1×10Pa、Tg=85℃]
・アクリル樹脂B:[根上工業(株)社製「ハイパールM5000」、E’=2.5×10Pa、Tg=65℃]
・アクリル樹脂C:[根上工業(株)社製「ハイパールM0603」、E’=1.0×10Pa、Tg=48℃]
・アクリル樹脂D:[根上工業(株)社製「ハイパールM6003」、E’=4.0×10Pa、Tg=20℃]
・NBR:[日本ゼオン株式会社製「ニポールDN101」]
・SBR:[旭化成社製「タフデン2100R」、スチレン含有量25質量%]
・BR:[日本ゼオン株式会社製「ニポールBR1220」]
・SBS:[クレイトン社製「D1116」、スチレン含有量23質量%]
(赤外線吸収剤)
・カーボンブラック:[三菱化学株式会社製「MA8」]
(その他の成分)
・可塑剤:[和光純薬工業(株)社製、O−アセチルクエン酸トリブチル]
作製したフレキソ印刷版原版について、下記の測定方法に基づいて、赤外線アブレーション層の塑性硬さ(Ha)と、感光性樹脂層の塑性硬さ(Hb)を測定し、これらの塑性硬さの差(Hc=Ha−Hb)を求めた。
(塑性硬さ)
微小硬度計(Fischer社製「マイクロスコープH100」)を用いて測定した。赤外線アブレーション層の塑性硬さ(Ha)については、赤外線アブレーション層の厚さが微小硬度計による押し込み量(変位量)よりも小さいため、図2に示すように、カバーフィルムを剥がした後の、感光性樹脂層の上に赤外線アブレーション層が積層されている状態で、赤外線アブレーション層の表面で測定した。なお、感光性樹脂層は、基材の表面に接着剤が塗布されてなる支持体の上に積層されている。一方、感光性樹脂層の塑性硬さ(Hb)は、図2に示すように、感光性樹脂層の側面で測定した。この際、圧子は対面角度136°の四角錐型ダイヤモンド圧子、初期荷重は0mN、押し込み最大荷重は0.5mN(定荷重)、最大荷重到達時間は5秒、抜重時間は5秒とした。
また、作製後、24時間常温にて静置させたフレキソ印刷版原版を用いて、ひび割れおよびシワの発生しやすさ、耐傷性、画像再現性の各項目で製品評価を行った。
(ひび割れ、シワ)
作製したフレキソ印刷版原版のカバーシートを剥がし、ESCO社製「CDI Spark2120」のドラム(直径170mm)に赤外線アブレーション層が外側になるように巻き付けて10分間固定した後、これを取り外して平坦な場所に10分間静置した。その後、目視で赤外線アブレーション層の表面を観察した。ひび割れ、シワが確認されたものを「×」、ややシワが残ったものを「△」、ひび割れ、シワが確認されなかったものを「○」とした。評価が「○」のものについては、さらに、円筒状の筒(直径130mm)を用いた以外は同様の条件で評価した。この条件で、ひび割れ、シワが確認されなかったものを「◎」とした。
(耐傷性)
作製したフレキソ印刷版原版の赤外線アブレーション層の表面に20gの荷重で1×1cmの正方形ステンレス製圧子を押し当て、2.5mm/sのスピードで水平方向に沿って距離1cmを1往復させ、引き摺った跡を目視で観察した。赤外線アブレーション層が破れて内側の感光性樹脂層が確認できるものを「×」、赤外線アブレーション層は破れておらず、内側の感光性樹脂層が確認できないものを「○」とした。評価が「○」のものについては、さらに、荷重を40gに変更し、荷重を変更した以外は同様の条件で評価した。この条件で、赤外線アブレーション層が破れなかったものを「◎」とした。
(画像再現性)
ESCO社製「CDI Spark2120」を用いて赤外線アブレーション層に175lpi2%の網点ネガパターンを形成した。次いで、支持体側から、20Wのケミカル灯を15本並べた露光装置で15cmの距離から10秒間露光(裏露光)した。その後、赤外線アブレーション層側から、上記露光装置で15cmの距離から5分間露光(主露光)した。次いで、界面活性剤の入った水系現像液中で50℃で5分間洗い出しを行った後、60℃の熱風で5分間乾燥させた。網点部分を顕微鏡(キーエンス社製「VH8000」)で観察し、175lpi2%の網点ネガパターンが再現されているものを「○」、再現されていないものを「×」とした。
各実施例および各比較例について、赤外線アブレーション層組成物のバインダーポリマーの組成および配合比と、各塑性硬さ(Ha,Hb)および塑性硬さの差(Hc)と、製品評価の結果を表1に示した。なお、各成分の配合割合は質量部で表している。
Figure 2012137515
比較例1〜2では、赤外線アブレーション層のバインダーポリマーとして比較的硬いアクリル樹脂を単独で用いている。このため、感光性樹脂層との塑性硬さの差が大きすぎる。比較例1〜2では、赤外線アブレーション層が硬すぎて、ネガパターン作製時に加わる曲げの力により、目視でひび割れが発生していることが確認された。そのため、画像再現性の評価ができなかった。比較例3では、比較例1〜2よりも柔らかいアクリル樹脂であるが、アクリル樹脂を単独で用いている。比較例3では、ネガパターン作製時に加わる曲げの力により、赤外線アブレーション層にシワが残った。一方、比較例4では、赤外線アブレーション層のバインダーポリマーとして比較的柔らかいアクリル樹脂を単独で用いている。比較例4では、赤外線アブレーション層のひび割れ、シワは確認されなかったが、柔らかすぎたため、耐傷性に劣っている。比較例5〜6では、赤外線アブレーション層のバインダーポリマーとしてゴムを単独で用いている。比較例5〜6では、柔らかすぎたため、耐傷性に劣っている。比較例7は、比較的硬いアクリル樹脂とゴムを混合して用いたものであるが、ゴムの割合が少ないため、感光性樹脂層との塑性硬さの差が大きすぎてひび割れが発生した。そのため、画像再現性の評価ができなかった。
これに対し、実施例によれば、赤外線アブレーション層にひび割れ、シワの発生は確認されず、画像再現性に優れていることが確認できた。さらに、赤外線アブレーション層の耐傷性に優れていることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (5)

  1. 支持体と、感光性樹脂層と、赤外線アブレーション層とが積層されたフレキソ印刷版原版であって、
    前記赤外線アブレーション層は、バインダーポリマーおよび赤外線吸収物質を含有し、
    前記赤外線アブレーション層のバインダーポリマーは、(A)前記感光性樹脂層のバインダーポリマーと同じ構造を有するポリマーと、(B)アクリル樹脂と、を含有し、かつ、前記(B)成分に対する前記(A)成分の質量比(A/B)が1/3〜3/1の範囲内にあり、
    前記感光性樹脂層の上に積層されている状態における前記赤外線アブレーション層の塑性硬さ(Ha)と、前記感光性樹脂層の塑性硬さ(Hb)との差が30mN/mm以下に設定されていることを特徴とするフレキソ印刷版原版。
  2. 前記(B)成分の貯蔵弾性率は、1.0×10〜4.1×10Paの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷版原版。
  3. 前記(B)成分のガラス転移温度は、48〜85℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキソ印刷版原版。
  4. 前記赤外線アブレーション層のバインダーポリマーは、前記感光性樹脂層に含まれている低分子量成分と相溶するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版原版。
  5. 前記感光性樹脂層は、水分散ラテックス、ゴム、界面活性剤、光重合性不飽和化合物、および、光重合開始剤を含有する組成物よりなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版原版。
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