JP2012137259A - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却器31が収容された冷却器室30の外側に、冷凍装置22が装備された機械室20が設けられ、冷凍装置22と冷却器31とが冷却器室30の外壁30Aを貫通した冷媒管38i,38oにより循環接続される。冷却器室30の外壁30Aは、金属板製の外装部材12と合成樹脂製の内装部材40とが間隔を開けて対向配置され、内装部材40に冷媒管38i,38oを挿通可能な内装側挿通管50が外方を向いて一体形成されているとともに、外装部材12に、冷媒管38i,38oを挿通可能な合成樹脂製の外装側挿通管100が内方を向いて設けられ、両挿通管50,100の突出端同士が緊密に嵌合して結合された状態で内装部材40と外装部材12との間に発泡樹脂からなる断熱材14が発泡充填されて形成される。
【選択図】図17
Description
そして従来、上記した冷媒管の貫通部分を含んだ冷却器室の外壁の形成構造として、特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、冷却器室の外壁の外殻を構成する合成樹脂製の内装部材に対して、冷媒管が挿通される挿通管が外方を向いて一体形成され、同挿通管の先端が、相手の外装部材に開口された窓孔に嵌入された形態で外装部材と内装部材とが間隔を開けて対向配置され、その間に発泡樹脂が発泡充填されるようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、複雑な治具を用いることなく、冷媒管の貫通部分を有する冷却器室の外壁を安定して製造できるようにするところにある。
外装部材と内装部材のそれぞれに設けた外装挿通管と内装側挿通管の突出端同士を緊密に嵌合して結合したことにより、外装部材と内装部材とが所定間隔を維持して繋がった状態にされ、その状態で断熱材が発泡充填されることにより、挿通管の回りに一定厚さの断熱層が形成される。すなわち、複雑な治具を用いることなく、冷媒管の貫通部分を有する冷却器室の外壁を安定して製造することができる。
(1)前記外装側挿通管の後端にはフランジが形成され、この外装側挿通管が前記外装部材に開口された取付孔に挿通されて前記フランジが前記取付孔の外側の孔縁に当てられることにより、前記外装側挿通管が前記外装部材に対して内方を向いて取り付けられており、かつ前記外装部材と前記内装部材の対向面の間には、突っ張り部材が断熱材の発泡充填前において介装されている。
突っ張り部材が介装されていることにより、特に固定手段を設けなくても、外装側挿通管のフランジを外装部材に開口された取付孔の孔縁に密着させた状態で、外装側挿通管を外装部材に対して固定することができる。併せて断熱材を発泡充填した際に、取付孔から断熱材が洩れることが確実に防止できる。
(3)前記内装側挿通管と前記外装側挿通管の突出端のいずれか一方が、他方の内周側に嵌合可能であって、内側に嵌る突出端の外径が、外側の突出端の内径よりも大きい設定とされているとともに、内側の突出端の外周面と、外側の突出端の内周面の少なくともいずれか一方には、先端に向けて次第に薄肉となるようなテーパ面が形成されている。
内装側挿通管と外装側挿通管の突出端同士がテーパ面で案内されつつ次第に嵌合され、テーパ面を越えたところで圧入された状態となって強固に嵌合接続される。
両挿通管内に設けた挿通部に電線を通すようにしたから、機械室側に電線を引き出す部分の構造がすっきりとまとめられる。
本発明の一実施形態を図1ないし図17によって説明する。この実施形態では、2ドア式の横型(テーブル型)冷蔵庫を例示している。
図1ないし図4において、符号10は冷蔵庫本体であって、前面に開口した横長の断熱箱体11により構成されている。この断熱箱体11は、ステンレス鋼板等の金属板製の外箱12(本発明の外装部材に相当。)内に、同じくステンレス鋼板等の金属板製の内箱13を嵌めて、その間に発泡樹脂等の断熱材14(図中では一部概略的に記載)が充填された構造である。冷蔵庫本体10の内部は貯蔵室15とされ、貯蔵室15の前面開口には一対の断熱扉16が観音開き式に装着されている。
ボックス40は、ABS樹脂等の合成樹脂製であって、図5ないし図8に示すように、全体としては手前側(貯蔵室15側)と、下面側に開口した方形の箱形に形成されている。ボックス40の裏面側には、図7に示すように、縦横に走るように補強リブ41が立てられることで補強されている。また、ボックス40の下面開口には、図17に示すように、ドレンパン42がスライドして装着されており、ドレンパン42の最深部にはドレン管42Aが垂設されている。
一方、冷蔵庫本体10である断熱箱体11を形成する場合は、ボックス40が装着された内箱13の外側に、外箱12が間隔を開けて嵌められて同間隔内に発泡樹脂からなる断熱材14が発泡充填されるようになっており、これにより冷却器室30の奥壁30Aが形成され、かつこの奥壁30Aを貫通して、冷却器31に対して出し入れされる入口管38iと出口管38o、及び冷却器室30側に装備された電気部品のリード線(図示せず)の挿通路が形成されるのであるが、この冷却器室30の奥壁30Aの形成構造については後述する。
冷却器31は詳細には、全体の嵩としては、蒸発管33を上下8段でかつ奥行方向に4列に亘って配管可能であるが、本実施形態の冷却器31は冷蔵庫用であることから、蒸発管33は手前側の2列のみが配管されている。なお、蒸発管を4列すべてに亘って配管することにより、冷凍庫用の冷却器とされる。
これは当該冷却器31を上下反転して使用する場合を考慮しており、本実施形態では、機械室20が冷蔵庫本体10の左側に配された形式であるから、図12に示すように、入口管38iと出口管38oとが冷却器31の左側に来る向きで使用され、機械室20が逆に冷蔵庫本体10の右側に配された形式のものでは、入口管38iと出口管38oとが冷却器31の右側に来る上下反転姿勢で使用されるようになっている。
挿通管50は、全体として縦長の長円形断面に形成されており、その内部が仕切板51で上下に仕切られ、仕切板51の上側に、上記した入口管38iと出口管38oとを挿通するべく、全高のほぼ2/3の高さを持った長円形断面をなす配管挿通部52が形成され、下側に、冷却器室30内等に配された電気部品のリード線等を挿通するべく配線挿通部53が形成されている。
図10に示すように、冷却器31における入口管38iと出口管38oの基端側(厳密には入口部37iと出口部37oの後方延出部)には、ポリウレタン樹脂等の硬質合成樹脂製のシールキャップ95が装着され、同シールキャップ95が、上記した配管挿通部52の貯蔵室15側の端部に緊密に嵌着されるようになっている。また、入口管38iと出口管38oに個々に外嵌される断熱スリーブ96が設けられている。
なお、挿通管50の右側面にも、右斜め下方を向いた受け片56が形成されており、これは冷却器31が上下反転姿勢で装着された場合に、冷却器31の左側面に突出した所定段目のU字管33Aを受けることが可能となっている。
さらに、ボックス40の天井面には、冷却器31における左右のエンドプレート34の上端を挟んで位置決めする一対のリブ48が形成されている。
このガイド部材60は金属板製であって、図3及び図12に示すように、冷却器31の正面における全幅領域と、上部側のほぼ全高領域を覆うことが可能なように、後面開放でかつ下面を奥側下がりの傾斜面とした箱状に形成され、その正面板61の中央には、冷却ファン65のファン66を挿通可能な円形孔62が開口されている。
ガイド部材60は、左右両側縁に設けられた取付板63が、冷却器31の左右のエンドプレート34における手前側の端縁に設けられた折曲板35に当てられ、また下縁に設けられた取付板64の左右両端が上記の折曲板35の下端部に当てられてねじ止めされることにより、冷却器31の正面の全面を覆った形態で取り付けられるようになっている。
冷却ファン65は、内箱13の天井面から吊り下げて取り付けられ、ファン66が円形孔62を通してガイド部材60内に配されるようになっている。
また、本体部71の奥側の開口縁において、その左右の側縁からは奥側に所定寸法突出した押付板80が形成され、また、下縁からは奥下がりの斜め姿勢で押付板81が突出形成され、3枚の押付板80,81の突出端が、背面視でU字形をなすように連続して押付縁82を構成している。このU字形の押付縁82が、ガイド部材60の正面板61における左右の側縁から下縁に亘って対向するようになっている。
以下、この外箱12に貫通装着される挿通管100を外装側挿通管100と、ボックス40に一体形成された挿通管50を内装側挿通管50と言う。
外装側挿通管100は、図15にも示すように、上記した取付孔90に緊密に嵌合可能で、内装側挿通管50よりも少し大きい外径を有する縦長の長円形断面に形成されており、長さについては、図16に示すように、断熱箱体11を製造する場合における外箱12とボックス40の背面(補強リブ41の突出端の位置)との間隔Sに、補強リブ41の高さよりも少し低い寸法を加えた程度の寸法である。外装側挿通管100の後端には、取付孔90の外面側の孔縁部に係止する縦長の長円形をなすフランジ101が形成されている。
厚肉部104の内部における前側の略3/4の長さ領域が、上記した内装側挿通管50と同様に仕切板106で仕切られ、その上側が、内装側挿通管50の配管挿通部52と整合した長円形断面をなす配管挿通部107とされ、下側が、同じく内装側挿通管50の配線挿通部53と整合した短寸の長円形断面をなす配線挿通部108とされている。なお、厚肉部104内の残りの後端領域は、全面に開口している。
また、内装側挿通管50の突出端の外周面には、先端に向けて次第に薄肉となるようなテーパ面110が形成されている。
また、図16に示すように、断熱箱体11を形成する際に、外箱12とボックス40の背面との間に介装される突っ張り部材93が備えられている。この突っ張り部材93は、発泡樹脂材によって予めブロック状に形成されており、自然状態では外箱12とボックス40の背面との正規の間隔Sよりも少し大きい幅(厚さ)を以て形成されている。
また突っ張り部材93の復元弾力で、外装側挿通管100のフランジ101が外箱12の取付孔90の外側の孔縁部に密着して押し付けられた状態にあるから、取付孔90から発泡洩れが生じることもない。
この状態から冷却器31は、図12及び図17に示すように、入口管38iと出口管38oとを断熱スリーブ96ともども、内装側挿通管50から外装側挿通管100に亘る配管挿通部52,107に挿通し、また左右のエンドプレート34の上端部をボックス40の天井面の一対のリブ48の間に嵌めて位置決めした状態で、右側の上から2段目のU字管33Aを右側の受け片56Aで受けつつ、奥面に当たるまで押し込まれる。このとき、冷却器31の入口管38iと出口管38oの先端側が、外装側挿通管100の基端側の開口から機械室20側に突出した状態となる。
そののち、冷却ファン65が、ファン66を円形孔62を通してガイド部材60内に収容した形態において、内箱13の天井面から吊り下げて取り付けられる。冷却ファン65から引き出されたリード線も、併せて配線挿通部53,108に通されて、機械室20側に引き出される。
また突っ張り部材93の復元弾力で、外装側挿通管100のフランジ101が外箱12の取付孔90の外側の孔縁部に密着して押し付けられた状態にあるから、取付孔90から発泡洩れが生じることもない。
外装側挿通管100と内装側挿通管50の突出端同士の結合構造は、ガイドとなるテーパ面110を備えた無理嵌め構造としたから、両突出端同士を簡単な構造で以て強固に嵌合接続することができる。
また、挿通管50,100内に電線挿通部53,108を併せて設けたから、機械室20側にリード線を引き出す部分の構造をすっきりとまとめることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)外装部材と内装部材との間に予め介装される突っ張り部材は、挿通管の回りであれば、任意の数並びに配置において設けることができる。
(2)突っ張り部材は、上記実施形態に例示した発泡樹脂材で成形したものに限らず、適度の弾力性を有していれば、他の材質であってもよい。
(3)外装側挿通管は、フランジを接着する等で外装部材に固定されていてもく、その場合は、突っ張り部材を除去することが可能である。
(4)上記実施形態では、外装側挿通管の突出端(接続部)が、内装側挿通部の突出端の外周側に無理嵌めされる場合を例示したが、逆であってもよい。また、圧入をガイドするためのテーパ面は、外装側挿通管と内装側挿通部の両突出端のうちいずれか一方に設ければ良く、または両方に設けてもよい。
(6)上記の場合、冷却器室ボックスが内箱と一体的に形成されていてもよい。
(7)本発明は、冷却器室が貯蔵庫本体の側面に設けられたものに限らず、例えば奥面等の他の面に設けられたものについても同様に適用することが可能である。
(8)本発明は、上記実施形態に例示した冷蔵庫に限らず、冷凍庫、恒温高湿庫等の他の冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
24…凝縮器 30…冷却器室 30A…奥壁(外壁) 31…冷却器 38i…入力管(冷媒管) 38o…出力管(冷媒管) 50…内装側挿通管 52…配管挿通部 53…配線挿通部 90…取付孔 93…突っ張り部材 100…外装側挿通管 101…フランジ 105…接続部(外装側挿通管100の突出端) 107…配管挿通部 108…配線挿通部 110…テーパ面
Claims (5)
- 断熱箱体からなる貯蔵庫本体内には、貯蔵室と、その側方に冷却器が収容された冷却器室が設けられるとともに、その冷却器室の外側に、圧縮機、凝縮器等からなる冷凍装置が装備された機械室が設けられ、前記冷凍装置と前記冷却器とが、前記冷却器室の外壁を貫通した冷媒管により循環接続された冷却貯蔵庫において、
前記冷却器室の外壁は、金属板製の外装部材と合成樹脂製の内装部材とが間隔を開けて対向配置され、
前記内装部材には前記冷媒管を挿通可能な内装側挿通管が外方を向いて一体形成されているとともに、
前記外装部材には、前記冷媒管を挿通可能な合成樹脂製の外装側挿通管が内方を向いて設けられており、
前記内装側挿通管と前記外装側挿通管との突出端同士が緊密に嵌合して結合された状態で前記内装部材と前記外装部材との間に発泡樹脂からなる断熱材が発泡充填されて形成されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記外装側挿通管の後端にはフランジが形成され、この外装側挿通管が前記外装部材に開口された取付孔に挿通されて前記フランジが前記取付孔の外側の孔縁に当てられることにより、前記外装側挿通管が前記外装部材に対して内方を向いて取り付けられており、
かつ前記外装部材と前記内装部材の対向面の間には、突っ張り部材が断熱材の発泡充填前において介装されていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。 - 前記突っ張り部材が、発泡樹脂材を成形したものであることを特徴とする請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記内装側挿通管と前記外装側挿通管の突出端のいずれか一方が、他方の内周側に嵌合可能であって、内側に嵌る突出端の外径が、外側の突出端の内径よりも大きい設定とされているとともに、内側の突出端の外周面と、外側の突出端の内周面の少なくともいずれか一方には、先端に向けて次第に薄肉となるようなテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
- 前記内装側挿通管と前記外装側挿通管との内部には、前記冷却器室に設けられた電気部品から引き出された電線を挿通して前記機械室側に導出する挿通部が対応して区画形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
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