以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る冷蔵庫1の正面図である。
まず、図1における左右方向X、前後方向Yおよび上下方向Zを基準として冷蔵庫1の概要について説明する。左右方向Xのうち、左方を左方X1と称し、右方を右方X2と称する。前後方向Yは、図1の紙面に直交する所定方向であり、前後方向Yのうち、紙面手前側の前方を前方Y1と称し、紙面奥側の後方を後方Y2と称する。上下方向Zのうち、上方を上方Z1と称し、下方を下方Z2と称する。前方Y1は、前述した所定方向における一方側であり、後方Y2は、この一方側とは反対側である。左右方向Xは、前述した所定方向に対する直交方向である。左右方向Xおよび前後方向Yは、上下方向Zに対して交差する交差方向であり、水平方向Hに含まれる。
冷蔵庫1は、本体2と扉3とを含む。図2は、扉3を省略した状態における本体2を前方Y1から見た斜視図である。図2を参照して、本体2は、上下方向Zに長手のボックス状に形成され、前後方向Yに奥行きを有する。本体2内には、冷却保存される食品などの物品を収納する直方体状の収納室4が複数形成される。これらの収納室4は、本体2の内部空間の略上半分を占める冷蔵室4Aと、冷蔵室4Aの下方Z2で左右方向Xに並ぶ製氷室4Bおよび変温室4Cと、製氷室4Bおよび変温室4Cの下方Z2に位置する第1冷凍室4Dと、第1冷凍室4Dの下方Z2に位置する第2冷凍室4Eとに区別される。
冷蔵室4Aには、冷蔵保存される物品が収納される。冷蔵室4A内には、水平方向Hに沿う板状に形成された棚5が配置される。棚5は、たとえば3つ存在し、上下方向Zに間隔を隔てて配置される。これらの棚5によって、冷蔵室4Aは、上下方向Zに並ぶ複数の領域に仕切られる。たとえば上方Z1から2番目の棚5は、前方Y1に配置される前棚5Aと、後方Y2に配置される後棚5Bとに分割される。前棚5Aは、左右方向Xに長手の長方形状のガラス板によって構成され、その前後の2辺だけは樹脂などで被覆されるが、残りの左右の2辺ではガラスの地肌を露出させることによって、見栄えの向上が図られる。一方、後棚5Bは、4辺の全てが樹脂などで被覆された左右方向Xに長手の長方形状のガラス板である。前棚5Aを折り畳んで後方Y2へ移動させることによって、前棚5Aを後棚5Bの下方Y2に収納することができる。冷蔵室4Aの下部において最下位の棚5よりも下方Z2には、野菜などが収納されるボックス状の野菜収納庫6が設けられる。
製氷室4Bは、変温室4Cよりも左方X1に配置される。製氷室4B内では、氷が作られたり、保存されたりする。氷用の水を製氷室4Bに供給する給水タンク7が、たとえば、野菜収納庫6における左方X1の下端部に配置される。変温室4Cは、その室温を任意に変更することによって、冷蔵室や冷凍室のバックアップとして用いることができる。また、変温室4Cでは、冷蔵温度と冷凍温度との間の任意の温度で物品を冷却保存できる。第1冷凍室4Dおよび第2冷凍室4Eには、冷凍保存される物品が収納される。
本体2における前方Y1の側面部2Aには、収納室4と同数の開口部8が形成される。各開口部8は、対応する収納室4に前方Y1から連通し、対応する収納室4を側面部2Aから前方Y1へ露出させる。
扉3は、側面部2Aにおいて、収納室4毎に設けられる。冷蔵室4A用の扉3は、観音開きできるように左右に一対設けられ、製氷室4B、変温室4C、第1冷凍室4Dおよび第2冷凍室4Eについては、扉3が1つずつ設けられ、いずれの扉3も前方Y1へ引き出し可能である(図1参照)。これらの扉3は、対応する収納室4を前方Y1から開閉する。
冷蔵庫1を後方Y2から見た図3を参照して、本体2における後方Y2の外側面部2Bは、上下方向Zに延びる。外側面部2Bの上端部において左右方向Xにおける略中央の領域には、基板ボックス10が設けられる。基板ボックス10は、左右方向Xに長手で前後方向Yに扁平なボックス状に形成される。基板ボックス10には、本体2内の電気部品(後述する)に対して電気的に接続される制御部11が収納される。制御部11は、CPUやROMやRAMなどが実装された基板である。
図4および図5は、いずれも冷蔵庫1のA−A矢視断面の右側面図であるが、図4は、模式的な図であり、図5は、写実的な図である。図4を参照して、本体2は、その外殻を構成する外箱12と、外箱12内に収納される複数の内箱13と、外箱12と内箱13との間に配置される断熱部材14とを含む。
外箱12は、金属製であり、上下方向Zに長手のボックス状に形成され、その前面の全域は、外箱12の内部空間を前方Y1に露出させる開口部12Aである。
内箱13は、樹脂製のボックス状に形成され、その前面の全域は、内箱13の内部空間を前方Y1に露出させる開口部13Aである。内箱13は、全部で2つ存在し、これらの内箱13は、外箱12の内部空間の略上半分に位置する冷蔵内箱15と、外箱12の内部空間の略下半分に位置する冷凍内箱16とに区別される。冷蔵内箱15内には、冷蔵室4Aが形成される。冷蔵内箱15の開口部13Aは、冷蔵室4Aの開口部8である。冷凍内箱16には、製氷室4B、変温室4C、第1冷凍室4Dおよび第2冷凍室4Eが形成される。冷凍内箱16の開口部13Aは、製氷室4B、変温室4C、第1冷凍室4Dおよび第2冷凍室4Eのそれぞれの開口部8に区切られる。
冷凍内箱16内には、上下方向Zに薄く水平方向Hに沿う板状の仕切部材17と、左右方向Xに薄く前後上下に延びる板状の仕切部材18とが設けられる。仕切部材17は、冷凍内箱16の左右方向Xにおける両側壁の間に架設された状態で、製氷室4Bおよび変温室4Cと第1冷凍室4Dとの間に配置される。これにより、仕切部材17は、上下方向Zに隣り合う製氷室4Bと第1冷凍室4Dとの間を仕切り、かつ、上下方向Zに隣り合う変温室4Cと第1冷凍室4Dとの間を仕切る(図2参照)。仕切部材18は、仕切部材17の左右方向Xにおける略中央部と冷凍内箱16の上壁16Aとの間に架設された状態で、製氷室4Bと変温室4Cとの間に配置される。これにより、仕切部材18は、左右方向Xに隣り合う製氷室4Bと変温室4Cとの間を仕切る(図2参照)。
また、冷凍内箱16内には、第1冷凍室4Dと第2冷凍室4Eとの間で水平方向Hに沿って延びる板状の仕切部材19が設けられる。本体2において仕切部材19から前方Y1に間隔を隔てた位置には、左右方向Xに細長い柱状の仕切部材21が設けられる。仕切部材21と仕切部材19とは、隣り合う第1冷凍室4Dと第2冷凍室4Eとの間を仕切る。そのため、第1冷凍室4Dと第2冷凍室4Eとは、仕切部材21および仕切部材19を挟んで隣り合った状態にある。ただし、第1冷凍室4Dと第2冷凍室4Eとの間は仕切部材19および21によって完全に遮断された訳ではなく、第1冷凍室4Dと第2冷凍室4Eとは互いに連通した状態にある。
冷蔵内箱15および冷凍内箱16は、外箱12内で上下方向Zに隣り合って配置される。冷蔵内箱15の下壁15Aは、冷凍内箱16の上壁16Aに対して隙間を隔てて上方Z1に配置される。下壁15Aおよび上壁16Aの互いの前端部の間には、左右方向Xに延びる板状の連結部20が架設される。これにより、冷蔵内箱15と冷凍内箱16とは、互いに連結された状態にある。
断熱部材14は、たとえばウレタンで構成される。本体2の製造の際、発泡性ウレタンが、外箱12と内箱13との隙間や、冷蔵内箱15と冷凍内箱16との隙間に注入された後に発泡し、これらの隙間に充填されて断熱部材14となる。断熱部材14により、外箱12と内箱13との間が断熱され、冷蔵内箱15と冷凍内箱16との間が断熱される。また、断熱部材14は、仕切部材17および18のそれぞれが本体2に組み込まれる前の部品の状態のときに、それぞれの内部空間に予め配置される。これにより、製氷室4Bおよび変温室4Cのそれぞれと第1冷凍室4Dとの間が仕切部材17によって断熱され、製氷室4Bと変温室4Cとの間が仕切部材18によって断熱される。なお、仕切部材17および18のそれぞれにおける断熱部材14として、発泡性ウレタンではなく、発泡スチロールの成形品を用いることができる。また、断熱部材14の断面を示すハッチング(図5参照)は、説明の便宜上、図4では省略される。
冷蔵庫1は、イソブタンなどの冷媒を用いた蒸気圧縮式の冷凍回路によって、各収納室4内の物品を冷却するための冷気を発生させる。冷蔵庫1は、この冷凍回路を構成する圧縮機25、流路26、冷却器27、凝縮器29および乾燥器30などを含む。
圧縮機25には、冷媒を圧縮する部品として公知のものが用いられる。圧縮機25は、本体2の後方Y2の下端部に配置される。流路26は、たとえば金属製のパイプによって構成され、圧縮機25から冷媒を取り出した後に再び圧縮機25に戻す循環流路である。流路26は、図4において点線で示すように本体2および仕切部材17を巡るように配置される。具体的に、流路26は、本体2の断熱部材14の全域や仕切部材17にわたって張り巡らされる。流路26内における冷媒の流れる方向は、点線矢印で示される。
冷却器27は、エバポレータとも呼ばれ、冷却器27には、冷媒を蒸発させる部品として公知のものが用いられる。冷却器27は、本体2において、冷蔵内箱15と冷凍内箱16とで1つずつ設けられる。冷蔵内箱15の冷却器27を、以下では第1冷却器27Aと呼び、冷凍内箱16の冷却器27を、以下では第2冷却器27Bと呼ぶことにする。第1冷却器27Aおよび第2冷却器27Bは、流路26の途中に設けられる。第1冷却器27Aは、たとえばボックス状の第1冷却室31に収容され、第2冷却器27Bは、たとえばボックス状の第2冷却室32に収容される。第1冷却室31は、冷蔵内箱15内に配置される。第1冷却室31には、出口31Aおよび入口31Bが形成され、出口31Aには、回転駆動されるファン33が設けられる。第2冷却室32は、冷凍内箱16内に配置される。第2冷却室32には、出口32Aおよび入口32Bが形成され、出口32Aには、回転駆動されるファン34が設けられる。
凝縮器29は、冷媒を凝縮する部品であって、流路26において圧縮機25と冷却器27と間に設けられる。乾燥器30は、冷媒を乾燥させる部品であって、流路26において凝縮器29と冷却器27との間に設けられる。乾燥器30と冷却器27との間における流路26の一部は、キャピラリチューブとして構成される。
冷媒は、圧縮機25によって圧縮されることで、高温高圧のガス冷媒に変化し、その後、凝縮器29を通過する際に放熱しながら液化する。液化した冷媒は、乾燥器30を通過してからキャピラリチューブを通過する際に減圧され、その後、第1冷却器27Aや第2冷却器27Bにおいて蒸発する。ちなみに、流路26には、第1冷却器27Aを経由せずに第2冷却器27Bにショートカットさせる分岐路26Aが設けられる。そのため、キャピラリチューブで減圧された冷媒の一部は、点線矢印A1で示すように、分岐路26Aを通って第2冷却器27Bに直接向かう。
第1冷却器27Aにおいて冷媒が蒸発する際に、第1冷却室31内における第1冷却器27Aの周囲の空気が冷却されて冷気となる。第1冷却室31内の冷気は、回転するファン33によって出口31Aから第1冷却室31の外に押し出され、実線矢印で示すように、冷蔵内箱15の冷蔵室4A内を流れた後に入口31Bから第1冷却室31内に戻り、第1冷却器27Aによって再び冷却される。冷気は、ファン33の回転中は常に冷蔵室4Aと第1冷却室31との間で循環し、冷蔵室4A内の物品を冷却する。
第2冷却器27Bにおいて冷媒が蒸発する際に、第2冷却室32内における第2冷却器27Bの周囲の空気が冷却されて冷気となる。第2冷却室32内の冷気は、回転するファン34によって出口32Aから第2冷却室32の外に押し出され、1点鎖線の矢印で示すように、冷凍内箱16の第1冷凍室4D内および第2冷凍室4E内を流れた後に入口32Bから第2冷却室32内に戻り、第2冷却器27Bによって再び冷却される。冷気は、ファン34の回転中は常に第1冷凍室4Dおよび第2冷凍室4Eと第2冷却室32との間で循環し、第1冷凍室4Dおよび第2冷凍室4E内の物品を冷却する。冷凍内箱16内における冷気の流量は、冷蔵内箱15内における冷気の流量よりも多くなるように設定されるので、冷凍内箱16内の物品は冷凍保存される。
製氷室4B(図2参照)と第1冷凍室4Dとは常に連通した状態にあるので、第1冷凍室4D内の冷気は、ファン34の回転中は常に製氷室4B内にも流れ込む。これにより、製氷室4Bにおける氷の生成や保存が実現される。
一方、変温室4Cと第1冷凍室4Dとは、仕切部材17の後端部を上下方向Zに貫通した貫通穴17Aを介して連通した状態にあるが、貫通穴17Aは、ダンパと呼ばれる回動可能な板状の開閉部材35によって開閉される。そのため、実線で示すように開閉部材35が水平方向Hに沿った姿勢で貫通穴17Aを閉じた状態では、変温室4Cと第1冷凍室4Dとの間が遮断されるので、第1冷凍室4D内の冷気が変温室4C内に流れ込むことはない。一方、点線で示すように開閉部材35が上方Z1へ回動して貫通穴17Aを開いた状態では、変温室4Cと第1冷凍室4Dとの間が連通するので、第1冷凍室4D内の冷気は、2点鎖線の矢印で示すように、貫通穴17Aを通過して変温室4C内に流れ込み、変温室4C内の物品を冷却する。開閉部材35の開閉時間を変化させて貫通穴17Aの開き具合を調整すると、貫通穴17Aから変温室4Cへ向かう冷気の流量が調整される。これにより、変温室4Cの室温を任意に設定できる。
以上のように第1冷却器27Aや第2冷却器27Bにおいて蒸発した冷媒は、流路26を引き続き流れて圧縮機25に戻り、圧縮機25によって再び圧縮される。つまり、冷媒は、流路26内を流れることによって圧縮機25と冷却器27との間で循環しながら、圧縮、放熱、減圧および蒸発を繰り返す。
第2冷却室32の第2冷却器27Bは、冷凍用の冷気を生成することから、第2冷凍器28の表面には霜が発生し得る。そこで、第2冷却室32には、除霜ヒータ36が設けられる。除霜ヒータ36が通電されて発熱することによって、第2冷却器27Bの表面の霜が溶けて水となって流れ落ちる。たとえば、本体2の下端部には、上方Z1へ開放された蒸発皿37が設けられる。第2冷却器27Bの表面から流れ落ちた水は、第2冷却室32から下方Z2へ延びて蒸発皿37につながった水路38(図5参照)を通って、蒸発皿37に溜まる。蒸発皿37に溜まった水は、圧縮機25によって高温となった冷媒や流路26の熱によって蒸発する。なお、除霜ヒータ36と同様の機能を有する除霜ヒータ(図示せず)が第1冷却室31にも設けられる。
冷蔵庫1の電気的構成を示すブロック図である図6を参照して、冷蔵庫1は、前述した電気部品として、前述した圧縮機25および除霜ヒータ36の他に、ファン駆動モータ41と、ダンパ切換モータ42と、温度センサ43とを含む。ファン駆動モータ41は、ファン33および34のそれぞれに設けられ、対応するファンを回転駆動させる。ダンパ切換モータ42は、開閉部材35を開閉させる。温度センサ43は、各収納室4に設けられ、対応する収納室4の室温を検知する。制御部11は、これらの電気部品に電気的に接続され、圧縮機25、除霜ヒータ36、ファン駆動モータ41およびダンパ切換モータ42の動作を制御したり、温度センサ43の検知結果の入力を受け付けたりする。
以上が冷蔵庫1の概要であり、以下では、まず、冷蔵庫1における仕切部材21の構成について詳しく説明する。仕切部材21の縦断面右側面図である図7を参照して、仕切部材21は、左右方向Xに細長く延びる柱状の本体部51と、前後方向Yに薄く左右方向Xに細長い板状の対向部52とを含む。
本体部51の全体は、気泡を含まない樹脂、たとえばプラスチックによって形成される。本体部51の分解斜視図である図8を参照して、本体部51は、第1部品53と、第2部品54とに分割可能である。つまり、本体部51は、2つのプラスチック部品によって構成されるので、1つのプラスチック部品によって構成される場合に比べて、本体部51を自由な形状に成型できる。第1部品53は、前後方向Yから見て左右方向Xに細長い矩形フレーム状の外部分55と、外部分55内に収容される左右方向Xに細長いボックス状の内部分56と、外部分55と内部分56とを連結する連結部分57(図7参照)とを一体的に含む。
外部分55は、上下方向Zに間隔を隔てて平行に配置される上壁55Aおよび下壁55Bと、上壁55Aおよび下壁55Bの左端部同士の間に架設される左壁55Cと、上壁55Aおよび下壁55Bの右端部同士の間に架設される右壁55Dとを含む。上壁55Aおよび下壁55Bは、上下方向Zに薄く左右方向Xに細長い板状であり、左壁55Cおよび右壁55Dは、左右方向Xに薄い板状である。上壁55Aの後端部は、折り曲げられることによって上方Z1へ一段ずれて配置され、下壁55Bの後端部は、折り曲げられることによって下方Z2へ一段ずれて配置される(図7参照)。上壁55Aの上面部の左右方向Xにおける両端部には、第2ストッパ部55Eが1つずつ設けられる。第2ストッパ部55Eは、左右方向Xから見て略台形状に形成され、その前面55Fは、上壁55Aの前端縁から上下左右に沿って上方Z1へ延びる平坦面である。
図7を参照して、ボックス状の内部分56は、上下方向Zに間隔を隔てて平行に配置される上壁56Aおよび下壁56Bと、上壁55Aおよび下壁55Bの前端部同士の間に架設される位置決め部56Cとを含む。上壁56Aおよび下壁56Bは、上下方向Zに薄く左右方向Xに細長い板状であり、位置決め部56Cは、前後方向Yに薄く左右方向Xに細長い板状である(図8も参照)。上壁56Aの後端縁は、下壁56Bの後端縁よりも後方Y2に配置される。上壁55Aおよび下壁55Bのそれぞれの前端部において前後方向Yでほぼ同じ位置には、これらの壁を上下方向Zに貫通する複数の差込穴56Dが左右方向Xに並んで設けられる。上壁55Aおよび下壁55Bのそれぞれにおいて差込穴56Dよりも後方Yのほぼ同じ位置には、これらの壁を上下方向Zに貫通する複数の係合穴56Eが左右方向Xに並んで設けられる。位置決め部56Cの前面部56Fは、上下左右に沿う平坦面であり、流路26の直径にほぼ相当する距離だけ外部分55の上壁55Aおよび下壁55Bの前端縁から後方Y2に配置される。
内部分56は、上壁55Aおよび下壁55Bの左端部同士の間に架設されて位置決め部56Cの左端部にも連結される左壁56Gと、上壁55Aおよび下壁55Bの右端部同士の間に架設されて位置決め部56Cの右端部にも連結される右壁56Hとを含む(図8参照)。内部分56の内部空間は、上壁56A、下壁56B、左壁56Gおよび右壁56Hの前端縁によって区画された開口部56Iによって後方Y2に開放される。
連結部分57は、前後方向Yから見て、外部分55と内部分56との隙間を埋める略矩形の額縁状に形成される。連結部分57は、上壁55Aおよび上壁56Aの前後方向Yにおける略中央部分同士を連結し、下壁55Bおよび下壁56Bの前後方向Yにおける略中央部分同士を連結する。また、連結部分57は、左壁55Cと左壁56Gとを連結し、右壁55Dと右壁56Hとを連結する。これにより、第1部品53には、内部分56を取り囲むように前方Y1から窪む前溝53Aと、内部分56を取り囲むように後方Y2から窪む後溝53Bとが形成される。連結部分57は、前溝53Aの溝底でもあり、後溝53Bの溝底でもある。
図8を参照して、第2部品54は、左右方向Xに細長いボックス状に形成される。第2部品54は、上下方向Zに間隔を隔てて平行に配置される上壁54Aおよび下壁54Bと、上壁54Aおよび下壁54Bの左端部同士の間に架設される左壁54Cと、上壁54Aおよび下壁54Bの右端部同士の間に架設される右壁54Dとを含む。上壁54Aおよび下壁54Bは、上下方向Zに薄く左右方向Xに細長い板状であり、左壁54Cおよび右壁54Dは、左右方向Xに薄い板状である。上壁54Aの前端部は、下方Z2へ一段ずれて配置され、下壁54Bの前端部は、上方Z1へ一段ずれて配置される(図7も参照)。左壁54Cの前端部は、右方X2へ一段ずれて配置され、右壁54Dの前端部は、左方Y1へ一段ずれて配置される。上壁54Aの前端部の下面部および下壁54Bの前端部の上面部のそれぞれには、複数の係合爪54Eが左右方向Xに並んで設けられる。
右壁54Dの右面部には、右方X2に突出する樋状のガイド部54Fが設けられる。ガイド部54Fには、後方Y2に窪むガイド溝54Gが形成される。ガイド溝54Gは、前方Y1へ露出されるとともに、右壁54Dを貫通して第2部品54の内部空間に連通した状態にある。ガイド部54Fは、左壁54Cの左面部にも形成される。
第2部品54は、前後方向Yに薄く左右方向Xに細長い板状の底壁54Hも含む。底壁54Hは、上壁54Aおよび下壁54Bの後端部同士の間に架設され、左壁54Cおよび右壁54Dの後端部同士の間に架設される。底壁54Hは、第2部品54の内部空間を後方Y2から塞ぐ。第2部品54の内部空間は、上壁54A、下壁54B、左壁54Cおよび右壁54Dの前端縁によって区画された開口部54Iによって前方Y1に開放される。
第2部品54は、左壁54C、右壁54D、ガイド部54Fおよび底壁54Hのそれぞれの略上半分ならびに上壁54Aを有する第1部分58と、左壁54C、右壁54D、ガイド部54Fおよび底壁54Hのそれぞれの略下半分ならびに下壁54Bを有する第2部分59とを有する一体成形品である。底壁54Hにおける略上半分と略下半分との境界部分は、ヒンジ60を構成し、第1部分58と第2部分59とは、ヒンジ60によって互いに連結された状態にある(図7参照)。
未完成状態の第2部品54の斜視図である図9では、成型工程を終えて金型から引き抜かれた直後の半製品の状態の第2部品54が示される。半製品の第2部品54では、上壁54Aの表面部と下壁54Bの表面部とが略面一になるように第1部分58と第2部分59とが互いに展開した状態にある。このように展開した状態で成型できる第2部品54であれば、自由な形状に成型できる。このように展開した状態から、ヒンジ60を中心として第1部分58および第2部分59の少なくとも一方、たとえば黒抜き矢印で示すように第2部分59を回動させることによって半製品を180度折り曲げる。すると、第2部品54が第1部分58に下方Z2から折り重なって、図8に示すように第2部品54が完成する。
完成した第2部品54を第1部品53に対して後方Y2から組み合わせ、第1部品53の内部分56を第2部品54の開口部54Iに前方Y1から嵌め込むと、図7に示すように本体部51が完成する。完成した本体部51では、第2部品54の上壁54A、下壁54B、左壁54Cおよび右壁54Dの前端部が、第1部品53の後溝53Bに後方Y2から嵌まり込んだ状態にある。上壁54Aの係合爪54Eが内部分56の上壁56Aの係合穴56Eに上方Z1から1つずつ係合し、下壁54Bの係合爪54Eが内部分56の下壁56Bの係合穴56Eに下方Z2から1つずつ係合した状態にあるので、第1部品53と第2部品54とは、外れないように互いに連結された状態にある。内部分56の内部空間が、開口部56Iを介して第2部品54の内部空間に連通した状態にあり、これらの内部空間は、本体部51の内部空間51Aを構成する。つまり、本体部51は中空体である。内部空間51Aには、前述した断熱部材14が収容される。
図10は、冷蔵庫1の本体2に組み付けられた状態における本体部51の要部斜視図である。図10を参照して、完成した本体部51は、本体2の冷凍内箱16の左右の両側壁16Bの間に架設され、隣り合う第1冷凍室4Dと第2冷凍室4Eとの間で左右方向Xに延びる。本体部51の第1部品53では、外部分55の上壁55Aおよび下壁55Bのそれぞれの前端縁が、本体2の前方Y1の側面部2Aと前後方向Yにおいてほぼ同じ位置にあり、内部分56の位置決め部56Cが、少なくとも流路26を通せる隙間を隔てて、側面部2Aから後方Y2にずれた位置にある。流路26の一部が、位置決め部56Cの前方Y1を左右方向Xに横切るように配置される。図10では、流路26の一部のうち、上下方向Zに並んで平行に延びる2つの領域が図示される。位置決め部56Cは、その前面部56Fにおいてこれらの流路26に後方Y2から接触することによって、流路26を前後方向Yにおいて位置決めした状態にある。
仕切部材21の対向部52の斜視図である図11を参照して、対向部52の全体は、金属製であり、前後方向Yに薄く左右方向Xに細長い帯状に形成される。対向部52の上端部および下端部には、略直角に折り曲げられて後方Y2へ突出するフランジ部52Aが1つずつ設けられる。対向部52において上下のフランジ部52Aの間の部分は、上下方向Zに沿って左右方向Xに延びる縦部分52Bである。左右方向Xにおける縦部分52Bの両端部は、フランジ部52Aよりも左右方向Xにおいて外側へはみ出して形成され、これらの両端部には、ねじ穴52Cが形成される。
上下のフランジ部52Aのそれぞれには、その後端縁から後方Y1へ突出した複数(ここでは4つまたは5つ)の突出部52Dが、フランジ部52Aの一部として、左右方向Xに並んで設けられる。それぞれの突出部52Dは、フランジ部52Aと同様に上下方向Zに厚さ方向を有する板状であり、上下方向Zから見て左右方向Xに長手の長方形状に形成される。それぞれの突出部52Dには、上下方向Zから見て前方Y1に向けて窪んだ略U字状の切欠き52Eが形成される。切欠き52Eは、突出部52Dを上下方向Zに貫通し、突出部52Dにおいて切欠き52Eに囲まれた部分は、爪部52Fとして、上下方向Zにおける対向部52の内側へ切り起こされた状態にある。対向部52の右側面図である図12を参照して、上方Z1のフランジ部52Aの爪部52Fは、前方Y1かつ下方Z2へ傾斜するように突出部52Dから下方Z2へ切り起こされ、下方Z2のフランジ部52Aの爪部52Fは、前方Y1かつ上方Z1へ傾斜するように突出部52Dから上方Z1へ切り起こされる。
図7に示すように、対向部52は、本体部51に対して前方Y1から取り付けられる。この状態では、対向部52の上方Z1のフランジ部52Aが、本体部51における外部分55の上壁55Aと内部分56の上壁56Aとの間の前溝53Aに対して前方Y1から嵌まり込んだ状態にある。また、下方Z2のフランジ部52Aが、外部分55の下壁55Bと内部分56の下壁56Bとの間の前溝53Aに対して前方Y1から嵌まり込んだ状態にある。
上方Z1のフランジ部52Aの爪部52Fが、内部分56の上壁56Aの差込穴56Dに対して、内部分56の外側である上方Z1から1つずつ差し込まれた状態にある。下方Z2のフランジ部52Aの爪部52Fが、内部分56の下壁56Bの差込穴56Dに対して、内部分56の外側である下方Z2から1つずつ差し込まれた状態にある。これにより、対向部52と本体部51とが、互いに外れないように組み合わされる。爪部52Fが設けられたフランジ部52Aは、金属製なので、破損しにくい。また、爪部52Fは、フランジ部52Aから切り起こされることによって構成されるので、爪部52Fの起き具合、つまり、爪部52Fの傾き具合を調整することによって、上下方向Zにおける爪部52Fの大きさや、差込穴56Dに対する爪部52Fの差込量を任意に設定できる。その結果、爪部52Fを差込穴56Dに深く差し込むことができるので、爪部52Fが差込穴56Dから外れることを防止し、対向部52と本体部51とを強固に組み合わせることができる。
このような本実施形態とは異なり、たとえば、樹脂製の本体部51に爪を設けて対向部52に穴を設けて、この爪を穴に嵌め込んで本体部51と対向部52とを組み合わせる比較例の構成が想定される。この比較例の場合には、爪が破損したり、爪が穴から外れて本体部51と対向部52との間に隙間が生じたりする不具合が生じ得るが、本実施形態では、このような不具合を防止できる。
また、本体部51に取り付けられた対向部52では、縦部分52Bの前側面部が、本体2の前方Y1の側面部2Aと略面一となり、側面部2Aの一部となる(図2参照)。つまり、対向部52の縦部分52Bは、仕切部材21において前方Y1に露出される表面部を構成する。また、縦部分52Bは、本体部51の内部分56の位置決め部56Cに対して前方Y1から対向配置された状態にある。これにより、位置決め部56Cは、本体部51において後方Y2から対向部52に対向する部分に設けられることがわかる。位置決め部56Cの前方Y1に位置する流路26は、対向部52の縦部分52Bと位置決め部56Cの前面部56Fとの間で前後方向Yから挟まれ、縦部分52Bおよび前面部56Fの両方に接触した状態にある。
前述したように、位置決め部56Cは、流路26に後方Y2から接触することによって流路26を前後方向Yにおいて位置決めする。位置決め部56Cは、プラスチックといった気泡を含まない樹脂によって形成されるので、その寸法は、バラツキが少なく安定する。また、気泡を含まない樹脂は、発泡スチロールといった気泡を含む樹脂よりも固い。これにより、位置決め部56Cによって位置決めされる流路26の位置も安定する。そのため、仕切部材21の表面部である対向部52と、冷媒を流す流路26との位置関係の適正化を図れる。そのため、対向部52に対する流路26の密着性を向上させることができる。その結果、比較的高温の冷媒が流れる流路26から対向部52への放熱効果が向上するので、対向部52における結露の発生を防止できる。なお、本体2の側面部2Aに組み付けられたねじ62(図10参照)が、対向部52の左右方向Xの両端部におけるねじ穴52C(図11参照)に組み付けられ、これにより、対向部52を含む仕切部材21全体が本体2に固定される。
図13は、未完成の冷蔵庫1における仕切部材21およびその周辺の要部の断面図である。図13では、本体2の冷凍内箱16の左右の両側壁16Bの間に架設された状態の仕切部材21の右端部周辺が図示される。仕切部材21の左端部周辺も、この右端部周辺とほぼ同じ構成である。側壁16Bにおいて左右方向Xから見て第2部品54のガイド部54Fと重なる位置には、貫通穴16Cが形成される。ガイド部54Fは、貫通穴16Cを通って、冷凍内箱16と外箱12との隙間にはみ出して配置される。ガイド部54Fにおいてガイド溝54Gとは反対側の側面部には、略三角形状に突出した係合部54Jが設けられる。係合部54Jが、側壁16Bにおける貫通穴16Cの周縁部に係合することによって、ガイド部54Fが貫通穴16Cから外れることが防止される。
本体2の製造のために発泡性ウレタンを外箱12と冷凍内箱16との隙間に注入する場合には、その作業に先立って、本体2は、図13に示すように、側面部2Aが下方Z2を向くように、寝かした姿勢にセットされる。このとき、ガイド部54Fのガイド溝54Gは、外箱12と冷凍内箱16との隙間において下方Z2を向いて配置される。この状態で、作業員が、外箱12と冷凍内箱16との隙間に上方Z1からアクセスし、シールガンなどの道具を用いて、ホットメルトシール剤などのシール剤を、側面部2Aの周辺における冷凍内箱16と外箱12との継ぎ目部分61に垂らす(白抜き矢印参照)。この際、ガイド部54Fのガイド溝54Gが下方Z2を向いて配置されるので、垂れ落ちてくるシール剤よってガイド溝54Gが塞がれることを抑制できる。
継ぎ目部分61がシール剤によってシールされた後に、発泡性ウレタンが外箱12と冷凍内箱16との隙間に注入される。発泡性ウレタンは、ガイド溝54Gを通って仕切部材21の本体部51の内部空間51Aにも注入される。その後、発泡性ウレタンは、発泡し、外箱12と冷凍内箱16との隙間や内部空間51Aに充填されて断熱部材14となる(図5参照)。内部空間51Aで断熱部材14が発泡形成されると、仕切部材21が完成する(図7参照)。
図14は、変形例に係る仕切部材21の縦断面右側面図である。図14を参照して、変形例に係る仕切部材21の内部分56の位置決め部56Cは、変形部56Jを含む。変形部56Jは、たとえば、内部分56において位置決め部56C以外の部分である上壁56Aや下壁56Bなどよりも肉薄に形成される。また、変形部56Jは、上下方向Zにおける位置決め部56Cの中央に向かうにつれて前後方向Yに徐々に薄くなるよう形成されてもよい。いずれにせよ、変形部56Jにおいて最も薄い部分の厚さは、1mm以上1.5mm以下であることが好ましい。このような変形部56Jは、前後方向Yに変形できる。前述したように発泡性ウレタンを仕切部材21の本体部51の内部空間51Aに注入して発泡させると、変形部56Jは、断熱部材14の発泡形成の際に生じる発泡圧によって、黒抜き矢印で示すように、前方Y1へ膨らむように変形し、流路26を対向部52に押し付ける。これにより、流路26が対向部52に密着するように対向部52と流路26との位置関係の適正化を図れる。その結果、流路26から対向部52への放熱性が一層向上するので、対向部52における結露の発生を一層防止できる。また、変形部56Jを有する位置決め部56C自体が流路26を対向部52に押し付けるので、たとえば、位置決め部56Cと流路26との間に配置されて流路26を対向部52に押し付けるスポンジなどのシール材(図示せず)を設けずに済む。
図15には、第1冷凍室4Dや第2冷凍室4Eを開閉する引出し式の扉3が示される。この扉3は、たとえば左右方向Xに長手の長方形の板状であり、その後方Y2の側面部3Aには、後方Y2へ突出したパネル部3Bと、ガスケット3Cと、第1ストッパ部3Dとが設けられる。パネル部3Bは、左右方向Xに長手の長方形状に形成され、扉3が第1冷凍室4Dや第2冷凍室4Eを閉じたときに、第1冷凍室4Dや第2冷凍室4Eの開口部8内に入り込む。ガスケット3Cは、たとえばゴム製であり、後方Yから見て、扉3の輪郭に沿ってパネル部3Bを取り囲む額縁状に形成される。第1ストッパ部3Dは、たとえばゴム製であり、パネル部3Bの下端部の左右両端のそれぞれとガスケット3Cとの隙間に1つずつ配置される。それぞれの第1ストッパ部3Dの後端部3Eは、ガスケット3Cよりも後方Y2にはみ出して配置される。後端部3Eの後端面は、上下左右に平坦である。
図16は、冷蔵庫1における仕切部材21およびその周辺の縦断面右側面図である。図16では、扉3の断面を示すハッチングが簡略化されて図示される(後述する図17および図18においても同様)。図16を参照して、仕切部材21の外部分55の上壁55Aにおける左右の第2ストッパ部55Eは、第1冷凍室4Dを開閉する扉3における左右の第1ストッパ部3Dと、左右方向Xおよび上下方向Zのそれぞれにおいて同じ位置にある。この扉3を閉状態にすると、第2ストッパ部55Eの前面55Fが、第1ストッパ部3Dの後端部3Eに後方Y2から接触する。これにより、第1冷凍室4Dを開閉する扉3を閉状態にすると、第1ストッパ部3Dと第2ストッパ部55Eとの接触によって、閉状態の扉3が位置決めされる。
なお、第2冷凍室4Eを開閉する扉3にも第1ストッパ部3Dを設け、外部分55の下壁55Bにも第2ストッパ部55Eを設けてもよい。これにより、第2冷凍室4Eを開閉する扉3を閉状態にすると、第1ストッパ部3Dと第2ストッパ部55Eとの接触によって、閉状態の扉3が位置決めされる。同じ目的のために、製氷室4Bや変温室4Cを開閉する扉3にも第1ストッパ部3Dを設け、仕切部材17にも第2ストッパ部55Eを設けてもよい(図2参照)。そうすれば、閉状態の複数の扉3が位置決めされる。よって、閉状態のそれぞれの扉3と本体2の前方Y1の側面部2Aとの位置関係、つまり、前後方向Yにおける扉3と側面部2Aとの間隔が、ガスケット3Cの厚さのバラツキに影響されること無く、いずれの扉3においても同じになる。これにより、扉3側における冷蔵庫1の外観の向上を図れる。
仕切部材21には、パッキン66が設けられる。図16では、パッキン66は、仕切部材21の外部分55において第2冷凍室4Eを上方Z1から臨む位置にある下壁55Bの後端部に設けられる。パッキン66は、たとえばゴム製であって、左右方向Xに細長く形成される。パッキン66は、下壁55Bの後端部に対して後方Y2から取り付けられて下壁55Bの後端部を上下方向Zから挟む挟持部66Aと、挟持部66Aの下端部の前端から舌状に延び出た接触部66Bとを一体的に含む。下壁55Bに設けられたパッキン66では、接触部66Bが、第2冷凍室4Eを閉じた閉状態の扉3のパネル部3Bの上端部に対して、左右方向Xにおける全域にわたって後方Y2から接触する。これにより、この扉3と仕切部材21との隙間が、パッキン66によって左右方向Xにおける全域にわたって塞がれるので、第2冷凍室4Eの冷気がこの隙間から流出することが防止される。
パッキン66は、図16に示すように下壁55Bだけに設けられてもよいし、図17に示す変形例に係る仕切部材21のように、外部分55において第1冷凍室4Dを下方Z2から臨む位置にある上壁55Aの後端部にも設けられてもよい。上壁55Aの後端部に設けられるパッキン66では、挟持部66Aが、上壁55Aの後端部に対して後方Y2から取り付けられて上壁55Aの後端部を上下方向Zから挟む。また、このパッキン66では、接触部66Bが、第1冷凍室4Dを閉じた閉状態の扉3のパネル部3Bの下端部に対して、左右方向Xにおける全域にわたって後方Y2から接触する。これにより、この扉3と仕切部材21との隙間が、パッキン66によって左右方向Xにおける全域にわたって塞がれるので、第1冷凍室4Dの冷気がこの隙間から流出することが防止される。もちろん、パッキン66は、上壁55Aだけに設けられてもよい。
図18は、比較例に係る仕切部材70およびその周辺の縦断面右側面図である。図18に示す比較例の仕切部材70は、内部空間が前方Y1へ開放されるボックス形状の本体部71と、本体部71に対して内部空間を塞ぐように前方Y1から取り付けられる対向部72と、本体部71の内部区間に配置される断熱部材73とを含む。本体部71は、たとえばプラスチック製であり、対向部72は、金属製である。対向部72と断熱部材73との間には流路26が配置され、流路26は、断熱部材73に後方Y2から接触されることによって位置決めされる。比較例では、流路26を位置決めする断熱部材73が、本実施形態において流路26を位置決めする位置決め部56Cとは異なり、気泡を含む樹脂、たとえば発泡スチロールで形成される。発泡スチロール製の断熱部材73は、寸法がばらつきやすく比較的やわらかいので、流路26を安定して位置決めすることが困難である。そのため、対向部72に対する流路26の密着性が低下することによって、流路26から対向部72への放熱性が低下し、対向部72に結露が発生する虞がある。
本体部71の上壁の上面部には、たとえばゴムのシートで構成されたシール部材74が設けられる。第1冷凍室4Dを開閉する扉3の後側面部の下端部には、下方Z2へ延びる舌状のパッキン75が設けられる。つまり、比較例では、パッキン75が、開閉のために移動する扉3に設けられるので、このパッキン75は、扉3の開閉の際に、シール部材74と擦れて音が生じる虞がある。また、本体部71の下壁の下面部には、パッキン66と同じ構成のパッキン76が設けられるが、このパッキン76は、第2冷凍室4Eからの冷気の流出を防止するために、扉3に接触するのではなく、物品を収納して扉3とともに移動する収納容器77に接触する。これでは、収納容器77は、パッキン76に接触できるように、そのデザインが制限される。
しかし、本実施形態では、図17に示すように、収納室4からの冷気の流出を防止するためのパッキン66が、冷蔵庫1の本体2側の仕切部材21に設けられる。そのため、比較例のような擦れ音発生の不具合を防止できる。また、比較例におけるシール部材74を廃止できるので、デザイン面でも有利である。そして、冷気の流出を防止するために、パッキン66が扉3に直接接触するので、仕切部材21および扉3のぞれぞれの周囲に存在する部材、つまり、前述した収納容器77(図5参照)では、パッキン66や扉3の影響を受けることなく、設計の自由度を向上できる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、仕切部材21において位置決め部56Cによって流路26を位置決めする構成や、パッキン66に関する構成は、仕切部材17や仕切部材18(図2参照)にも適用できる。