JP2012133364A - スペーサー形成用感光性樹脂組成物、これを用いて製造された表示装置用スペーサー及びこれを備えた表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部圧力による変形の少ない硬い特性を有するスペーサー形成用感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(A−11)〜(A−13)を含む化合物を共重合して得られる共重合体に(A−14)を反応させて得られるスペーサー形成用感光性樹脂組成物;(A−11)は下記式1で表される化合物;(A−12)は(A−11)及び(A−13)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物;(A−13)は不飽和結合とカルボキシル基を有するカルボン酸;(A−14)は1分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物。
(R1は水素原子、アルキル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基、ハロゲン原子またはアルコキシ基;R2は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基またはアルコキシ基)
【選択図】なし
【解決手段】下記(A−11)〜(A−13)を含む化合物を共重合して得られる共重合体に(A−14)を反応させて得られるスペーサー形成用感光性樹脂組成物;(A−11)は下記式1で表される化合物;(A−12)は(A−11)及び(A−13)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物;(A−13)は不飽和結合とカルボキシル基を有するカルボン酸;(A−14)は1分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物。
(R1は水素原子、アルキル基、アリル基、フェニル基、ベンジル基、ハロゲン原子またはアルコキシ基;R2は水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基またはアルコキシ基)
【選択図】なし
Description
本発明はスペーサー形成用感光性樹脂組成物、これを用いて製造された表示装置用スペーサー及びこれを備えた表示装置に関する。
一般的な表示装置は上下基板の一定間隔を保持するために、一定の直径を持つシリカビーズまたはプラスチックビーズなどを使用してきた。ところが、これらのビーズが基板上に無作為に分散されてピクセル内部に位置される場合、開口率が低下され、光漏れ現象が生じるという問題があった。かかる問題点を解決するために、表示装置の内部にフォトリソグラフィによって形成されたスペーサーを使用し始め、現在大部分の表示装置に使われているスペーサーはフォトリソグラフィによって形成されている。
フォトリソグラフィによるスペーサーの形成方法は、基板上に感光性樹脂組成物を塗布し、マスクを通じて紫外線を照射した後、現象過程を経てマスクに形成されたパターンどおり基板上の所望する位置にスペーサーを形成することである。
最近、スマートフォン及びタブレットPCの大衆化でタッチパネルの需要が増加することによって、表示装置を構成するカラーフィルター基板とアレイ基板の間の間隔を保持するスペーサーの基本的な特性である弾性回復率とともに外部圧力による画素変形のない硬い(hard)特性が要求されている。しかしながら、既存のスペーサー形成用感光性樹脂組成物の場合、弾性回復率は充分具現しているが、外部圧力による画素変形のない硬い特性は満足するほど具現されていない実状である。
よって、本発明は、既存のスペーサーと類似の弾性回復率を有するとともに、外部圧力による変形の少ない硬い特性を有するスペーサー形成用感光性樹脂組成物を提供することにその目的がある。
また、本発明は、高弾性回復率を有するとともに、外部圧力による変形の少ない硬い特性を有する表示装置用スペーサーを提供することに他の目的がある。
また、本発明は、上記スペーサーを備える高品質の表示装置を提供することにまた他の目的がある。
また、本発明は、高弾性回復率を有するとともに、外部圧力による変形の少ない硬い特性を有する表示装置用スペーサーを提供することに他の目的がある。
また、本発明は、上記スペーサーを備える高品質の表示装置を提供することにまた他の目的がある。
上記目的を達成するために、本発明は、バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び溶剤(D)を含み、
上記バインダー樹脂は、下記(A−11)〜(A−13)を含む化合物を共重合して得られる共重合体に(A−14)をさらに反応させて得られる不飽和基含有第1樹脂を含むことを特徴とするスペーサー形成用感光性樹脂組成物を提供する。
上記バインダー樹脂は、下記(A−11)〜(A−13)を含む化合物を共重合して得られる共重合体に(A−14)をさらに反応させて得られる不飽和基含有第1樹脂を含むことを特徴とするスペーサー形成用感光性樹脂組成物を提供する。
(A−11): 下記式1で表される化合物、
(式中、R1は位置によってそれぞれ独立に、水素原子(但し、原子数は化学的構造上可能な範囲内で0〜2個の範囲で選択され、水素原子数0のR1は隣接する水素原子数0のR1とともに二重結合を構成することを意味する)、アルキル基(炭素数1〜12)、アリル基、フェニル基、ベンジル基、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、R2は水素原子(原子数0または1)、ヒドロキシ基、アルキル基(炭素数1〜12)または炭素数1〜8のアルコキシ基である。)
(A−12):(A−11)及び(A−13)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物、
(A−13): 不飽和結合とカルボキシル基を有するカルボン酸、
(A−14): 1分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物。
上記(A−11)は、下記式2〜9で表される化合物から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
上記不飽和基含有第1樹脂は(A−11)〜(A−13)のそれぞれから導かれる繰り返し単位の割合が上記共重合体を構成する繰り返し単位の合計モル数に対してモル分率で、
(A−11)から導かれる繰り返し単位が2〜30モル%であり、
(A−12)から導かれる繰り返し単位が2〜95モル%であり、
(A−13)から導かれる繰り返し単位が2〜70モル%であり、
上記(A−14)は、上記共重合体の(A−13)から導かれる繰り返し単位に対して5〜80モル%で反応させることが好ましい。
(A−11)から導かれる繰り返し単位が2〜30モル%であり、
(A−12)から導かれる繰り返し単位が2〜95モル%であり、
(A−13)から導かれる繰り返し単位が2〜70モル%であり、
上記(A−14)は、上記共重合体の(A−13)から導かれる繰り返し単位に対して5〜80モル%で反応させることが好ましい。
上記バインダー樹脂(A)は、下記(A−21)及び(A−22)を含む化合物を共重合反応して得られる共重合体である不飽和基含有第2樹脂をさらに含むことができる。
(A−21):不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物、
(A−22):下記式10a及び10bからなる群から選ばれるエポキシ基と不飽和結合を有する脂肪族多環式化合物。
(式10a及び10b中、Rはそれぞれ独立に、水素原子または水酸基に置換もしくは非置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはそれぞれ独立に、単一結合またはヘテロ原子を含むか含まない炭素数1〜6のアルキレン基である。)
上記不飽和基含有第2樹脂は、(A−21)及び(A−22)のそれぞれから導かれる繰り返し単位の割合が上記共重合体を構成する繰り返し単位の合計モル数に対してモル分率で、
(A−21)から導かれる繰り返し単位が5〜75モル%、
(A−22)から導かれる繰り返し単位が25〜95モル%であることが好ましい。
(A−21)から導かれる繰り返し単位が5〜75モル%、
(A−22)から導かれる繰り返し単位が25〜95モル%であることが好ましい。
上記バインダー樹脂(A)は、固形分を基準で、質量分率で不飽和基含有第1樹脂10〜95質量%と不飽和基含有第2樹脂5〜90質量%からなることが好ましい。
上記バインダー樹脂(A)の含有量はスペーサー形成用感光性樹脂組成物中の全体固形分に対して5〜90質量%で含まれることが好ましい。
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記感光性樹脂組成物を所定のパターンで形成した後、露光及び現像して形成されたことを特徴とする表示装置用スペーサーを提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記スペーサーを備えたことを特徴とする表示装置を提供する。
上記の本発明に係るスペーサー形成用感光性樹脂組成物は、スペーサーの形成に適用時、既存のスペーサーと類似の弾性回復率を有するとともに、外部圧力による変形の少ない硬い特性を有する。これにより、上記のスペーサー形成用感光性樹脂組成物は表示装置用スペーサー及び表示装置の製造に有用に使用することができる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明に係るスペーサー形成用感光性樹脂組成物(以下、略して「感光性樹脂組成物」ともいう)は、バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び溶剤(D)を含んでなる。上記感光性樹脂組成物は、選択的に、添加剤(E)をさらに含んでなることができる。
本発明に係るスペーサー形成用感光性樹脂組成物(以下、略して「感光性樹脂組成物」ともいう)は、バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び溶剤(D)を含んでなる。上記感光性樹脂組成物は、選択的に、添加剤(E)をさらに含んでなることができる。
バインダー樹脂(A)
上記バインダー樹脂(A)は、通常、光や熱の作用による反応性を有するとともに、アルカリ溶解性を有している。
上記バインダー樹脂(A)は、通常、光や熱の作用による反応性を有するとともに、アルカリ溶解性を有している。
本発明によれば、上記バインダー樹脂は、下記(A−11)〜(A−13)を含む化合物を共重合して得られる共重合体に(A−14)をさらに反応させて得られる不飽和基含有第1樹脂を含む。
(A−11): 下記式1で表される化合物、
(式中、R1は位置によってそれぞれ独立に、水素原子(但し、原子数は化学的構造上可能な範囲内で0〜2個の範囲で選択され、水素原子数0のR1は隣接する水素原子数0のR1とともに二重結合を構成することを意味する)、アルキル基(炭素数1〜12)、アリル基、フェニル基、ベンジル基、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基であり、R2は水素原子(原子数0または1)、ヒドロキシ基、アルキル基(炭素数1〜12)または炭素数1〜8のアルコキシ基である。)
(A−12):(A−11)及び(A−13)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物、
(A−13): 不飽和結合とカルボキシル基を有するカルボン酸、
(A−14): 1分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物。
上記バインダー樹脂(A)は、上記化合物のほかに他の単量体を追加してともに重合可能である。即ち、上記バインダー樹脂(A)は上記の(A−11)〜(A−13)の以外の単量体がさらに含まれて共重合されることができ、この場合にも本発明に含まれる。
本発明によるバインダー樹脂(A)は、上記式1で表される化合物の重合(これは共重合も含む概念である)で得られる繰り返し単位を含む不飽和基含有樹脂である。
また、上記バインダー樹脂(A)は上記式1で表される化合物(A−11)、不飽和結合を有する化合物(A−12)及び不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物(A−13)を含む化合物を共重合して得られる共重合体に、1分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物(A−14)をさらに反応させて得られる不飽和基含有樹脂であることが好ましい。
上記でバインダー樹脂(A)の構造を製造方法によって特定したが、これはバインダー樹脂(A)の構造を明確に説明するためのものであるだけであり、上記説明した製造方法でバインダー樹脂(A)を製造した場合に限って本発明に該当すると制限するのではなく、本発明で特定している構造のバインダー樹脂を他の方法で製造して組成物の成分として使用する場合も本発明に含まれる。
上記式1で表される化合物(A−11)は、ロジン骨格を有する化合物のカルボキシル基にエポキシ基を含む不飽和化合物を反応させることにより不飽和基の(メタ)アクリロイル基を導入したものである。上記ロジン骨格を有する化合物としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸 、レボピマール酸、ピマール酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸などがあり、これらは天然で、通常混合物で存在する。上記エポキシ基を含む不飽和化合物としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレートや、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどがある。
上記(A−11)は下記式2〜9で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、上記(A−11)の市販品としては、荒川化学社製の2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート[ビームセット101]、[ビームセット102]、[ビームセット115]、または新中村化学社製の[K100A]、[UNIRESIN K900B]などが挙げられる。
また、本明細書に記載した(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/またはメタクリレートを意味する。
上記(A−11)及び(A−13)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物(A−12)としては、重合可能な不飽和二重結合を有する化合物であれば、特に制限されない。具体的には、上記(A−12)はメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸の非置換もしくは置換アルキルエステル化合物、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、シクロペンテニル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレート、シクロヘプテニル(メタ)アクリレート、シクロオクテニル(メタ)アクリレート、メンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ピナニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ピネニル(メタ)アクリレートなどの脂環式置換基を有する不飽和カルボン酸エステル化合物、オリゴエチレングリコールモノアルキル(メタ)アクリレートなどのグリコール類のモノ飽和カルボン酸エステル化合物、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族環を含む置換基を有する不飽和カルボン酸エステル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物(A−13)としては、重合可能な不飽和二重結合を有するカルボン酸化合物であれば、特に制限されない。
上記不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物(A−13)としては、例えば不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸または不飽和トリカルボン酸のように、分子中に二つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸などが挙げられる。
上記不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
上記不飽和多価カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などが挙げられる。
上記多価カルボン酸は、酸無水物であることもでき、上記不飽和多価カルボン酸無水物としては、例えばマレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物などが挙げられる。
また、上記不飽和多価カルボン酸は、それのモノ(2−メタクリロイルオキシアルキル)エステルであることもでき、例えば、こはく酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)などが挙げられる。
上記不飽和多価カルボン酸は、それの両末端がジカルボキシル重合体であるモノ(メタ)アクリレートであることもでき、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。
また、上記不飽和多価カルボン酸は、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシル基を有する不飽和アクリレートであることもでき、例えば、α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸などが挙げられる。
これらのうち、共重合反応性が高い点で、アクリル酸、メタクリル酸、無数マレイン酸などが好ましく用いられる。
上記例示した(A−13)はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記1分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物(A−14)は、バインダー樹脂に光/熱硬化性を付与する。
上記(A−14)としては、具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に係るバインダー樹脂(A)が、上述のように、(A−11)〜(A−13)化合物を共重合して得られる共重合体(A−11〜 A−13以外の単量体がさらに含まれて共重合される場合も本発明に含まれる)に(A−14)をさらに反応させて得られる不飽和基含有第1樹脂を含む場合、上記共重合体において(A−11)〜(A−13)それぞれから導かれる繰り返し単位の割合は、上記の共重合体を構成する繰り返し単位の合計モル数に対してモル分率で以下の範囲にあることが好ましい。
(A−11)から導かれる繰り返し単位 : 2〜30モル%、
(A−12)から導かれる繰り返し単位 : 2〜95モル%、
(A−13)から導かれる繰り返し単位 : 2〜70モル%。
(A−11)から導かれる繰り返し単位 : 2〜30モル%、
(A−12)から導かれる繰り返し単位 : 2〜95モル%、
(A−13)から導かれる繰り返し単位 : 2〜70モル%。
上記(A−14)は、上記共重合体で(A−13)から導かれる繰り返し単位のモル数に対して5〜80モル%で反応させることが好ましい。
特に、上記の繰り返し単位の割合が以下の範囲であることがより好ましい。
(A−11)から導かれる繰り返し単位 : 5〜30モル%、
(A−12)から導かれる繰り返し単位 : 5〜80モル%、
(A−13)から導かれる繰り返し単位 : 5〜65モル%。
特に、上記の繰り返し単位の割合が以下の範囲であることがより好ましい。
(A−11)から導かれる繰り返し単位 : 5〜30モル%、
(A−12)から導かれる繰り返し単位 : 5〜80モル%、
(A−13)から導かれる繰り返し単位 : 5〜65モル%。
上記(A−14)は、上記共重合体で(A−13)から導かれる繰り返し単位のモル数に対して10〜80モル% 反応させることが特に好ましい。
上記(A−11)〜(A−13)の構成割合が上記範囲であると、現象性、可溶性及び耐熱性の均衡が良好であるので好ましい共重合体が得られ、上記(A−14)の組成比が上記範囲内であると、十分な光硬化性や熱硬化性が得られて感度と鉛筆硬度が両立され、信頼性に優れるので好ましい。
本発明に係るバインダー樹脂(A)が、(A−11)〜(A−13)化合物を共重合して得られる共重合体に(A−14)をさらに反応させて得られる不飽和基含有第1樹脂を含む場合、これの製造方法の一例は下記のとおりである。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに(A−11)〜(A−13)の合計量に対して質量基準で0.5〜20倍量の溶剤(D)を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素に置き換える。その後、溶剤(D)を40〜140℃に昇温し、(A−11)〜(A−13)の所定量、(A−11)〜(A−13)の合計量に対して質量基準で0〜20倍量の溶剤(D)及びアゾビスイソブチロニトリルやベンゾイルペルオキシドなどの重合開始剤を(A−11)〜(A−13)の合計モル数に対して0.1〜10モル%添加した溶液(室温または加熱下で撹拌溶解)を滴下ロートから0.1〜8時間にかけて上記フラスコに滴下し、40〜140℃で1〜10時間をさらに撹拌する。
また、上記工程で溶剤を用いる場合には、溶剤として通常のラジカル重合反応のときに使用する溶剤を用いることができ、具体的には、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエチル、ジエチレングリコールジメチルエチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロホルム、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記工程で用いる重合開始剤としては、通常用いられる重合開始剤を添加することができ、特に限定されない。具体的には、例えばジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物と、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などの窒素化合物などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、分子量や分子量分布を制御するために、例えばn−ドデシルメルカプト、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸メチルなどのメルカプト系連鎖移動剤、α−メチルスチレンダイマーなどを連鎖移動剤として使用することもできる。α−メチルスチレンダイマーやメルカプト化合物の使用量は(C1)〜(C4)の合計量に対して質量基準で0.005〜5%である。
また、上記の重合条件は製造設備や重合による発熱量などを考慮して投入方法や反応温度を適切に調整することができる。
上記のように実施することにより、上記(A−11)〜(A−13)を共重合して得られる共重合体を製造することができる。
続いて、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置き換え、上記共重合体中の(A−13)から導かれる繰り返し単位に対してモル分率で5〜80モル%の(A−14)、カルボキシル基とエポキシ基の反応触媒として、例えばトリスジメチルアミノメチルフェノールを(A−11)〜(A−14)の合計量に対して質量基準で0.01〜5%、及び重合禁止剤として、例えばヒドロキノンを(A−11)〜(A−14)の合計量に対して質量基準で0.001〜5%をフラスコ内に仕込んで、60〜130℃で1〜10時間反応させることで、上記の共重合体と(A−14)を反応させることができる。また、上記工程は、上述の共重合条件と同様に製造設備や重合による発熱量などを考慮して投入方法や反応温度を適切に調整することができる。
以上のように、(A−11)〜(A−13)を共重合して得られる共重合体に上記(A−14)をさらに反応させることで、不飽和基含有第1樹脂を製造することができる。
上記のように実施することで得られる不飽和基含有第1樹脂は、それのポリスチレン換算の重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にあることが好ましく、5,000〜50,000の範囲にあるとより好ましい。不飽和基含有第1樹脂の重量平均分子量が3,000〜100,000の範囲にあると、画素変形のない硬い(hard)特性を示すことになる。
上記不飽和基含有第1樹脂の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は1.5〜6.0であることが好ましく、1.8〜4.0であるとより好ましい。分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]が 1.5〜6.0であると、現象性に優れるので好ましい。
上記不飽和基含有第1樹脂は単独でバインダー樹脂(A)として使用することができ、必要によっては他の樹脂と混合して使用することもできる。
好ましくは、本発明に係るバインダー樹脂(A)は下記(A−21)及び(A−22)を含む化合物を共重合反応して得られる共重合体である不飽和基含有第2樹脂をさらに含むことができる。
(A−21): 不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物、
(A−22): 下記式10a及び10bからなる群から選ばれるエポキシ基と不飽和結合を有する脂肪族多環式化合物。
(A−21): 不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物、
(A−22): 下記式10a及び10bからなる群から選ばれるエポキシ基と不飽和結合を有する脂肪族多環式化合物。
上記不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物(A−21)は、上述の不飽和基含有第1樹脂の(A−13)で説明したようなものを選択して使用することができるので、これに対する詳細な説明は略する。
上記式10a及び10bにおいてRは、具体的には、水素原子と、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基と、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−n−プロピル基、2−ヒドロキシ−n−プロピル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、1−ヒドロキシ−イソプロピル基、2−ヒドロキシ−イソプロピル基、1−ヒドロキシ−n−ブチル基、2−ヒドロキシ−n−ブチル基、3−ヒドロキシ−n−ブチル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基などの水酸基含有アルキル基であることができる。その中でもRは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基または2−ヒドロキシエチル基であることが好ましく、とりわけ水素原子またはメチル基であることがさらに好ましい。
上記式10a及び10bにおいてXは、具体的には、単一結合と、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基と、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、チオメチレン基、チオエチレン基、チオプロピレン基、アミノメチレン基、アミノエチレン基、アミノプロピレン基などのヘテロ原子含有アルキレン基であることができる。その中でも、Xは単一結合、メチレン基、エチレン基、オキシメチレン基またはオキシエチレン基であることが好ましく、とりわけ単一結合またはオキシエチレン基であることがさらに好ましい。
上記式10aで表される化合物としては、具体的に下記式11〜25の化合物を例示することができる。
上記式10bで表される化合物としては、具体的に下記式26〜40で表される化合物を例示することができる。
上記式10aで表される化合物及び式10bで表される化合物として例示された化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記不飽和基含有第2樹脂において上記(A−21)及び(A−22)の共重合体には、上記(A−21)及び(A−22)のほかに上記(A−21)及び(A−22)と重合可能な不飽和結合を有する化合物がともに共重合されることができる。
上記(A−21)及び(A−22)と重合可能な不飽和結合を有する化合物は、具体例としては、2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸αビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリルロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、マレイミド、ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類、及びポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体類などが挙げられる。
上記不飽和基含有第2樹脂が、上記のように(A−21)及び(A−22)を共重合して得られる共重合体(A−21及びA−22以外の単量体がさらに含まれて共重合される場合も本発明に含まれる)である場合、上記共重合体において(A−21)及び(A−22)それぞれから導かれる繰り返し単位の割合は、上記の共重合体を構成する繰り返し単位の合計モル数に対してモル分率で以下の範囲にあることが好ましい。
(A−21)から導かれる繰り返し単位 ; 5〜75モル%、
(A−22)から導かれる繰り返し単位 ; 25〜95モル%。
(A−21)から導かれる繰り返し単位 ; 5〜75モル%、
(A−22)から導かれる繰り返し単位 ; 25〜95モル%。
特に上記繰り返し単位の割合が以下の範囲にあると、さらに好ましい。
(A−21)から導かれる繰り返し単位 ; 10〜70モル%
(A−22)から導かれる繰り返し単位 ; 30〜90モル%
(A−21)から導かれる繰り返し単位 ; 10〜70モル%
(A−22)から導かれる繰り返し単位 ; 30〜90モル%
上記繰り返し単位の割合が上記範囲にあると、現象性、耐溶剤性、耐熱性及び機械強度が良好な感光性樹脂組成物の製造が可能になる。
上記不飽和基含有第2樹脂は、上述の不飽和基含有第1樹脂の共重合体の製造方法と類似しているので、これを参照すれば容易に製造することができる。
上記不飽和基含有第2樹脂は、酸価が20〜200(KOHmg/g)の範囲であることが好ましい。酸価が上記範囲にあると、優秀な弾性回復率を有するスペーサーの製造が可能になる。
上記不飽和基含有第2樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は3,000〜100,000であり、好ましくは5,000〜50,000である。上記不飽和基含有第2樹脂の重量平均分子量が上記範囲にあると、現象時に膜減りが防止されてパターンの形成が良好になるので好ましい。
上記不飽和基含有第2樹脂の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は1.5〜6.0であることが好ましく、1.8〜4.0であることがより好ましい。上記分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]が上記範囲内にあると、現象性に優れるので好ましい。
上記バインダー樹脂(A)に上述の不飽和基含有第1樹脂及び不飽和基含有第2樹脂を混合使用する場合、上記バインダー樹脂(A)は固形分を基準として質量分率で不飽和基含有第1樹脂10〜95質量%と不飽和基含有第2樹脂5〜90質量%からなることが好ましい。
上記不飽和基含有第1樹脂及び不飽和基含有第2樹脂の含量が上記範囲内にあると、優秀な弾性回復率を有するとともに、外部圧力による変形の少ない硬い特性を有するスペーサーの製造が可能になる。
上記バインダー樹脂(A)の含有量は感光性樹脂組成物中の全体固形分に対して、通常5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%の範囲である。バインダー樹脂(A)の含有量が上記の基準で5〜90質量%であると、現像液への溶解性が十分であって現象性が優秀になり、優秀な弾性回復率を有するとともに、外部圧力による変形の少ない硬い特性を有するスペーサーの製造が可能になる。
本発明で固形分とは、溶剤を除いた成分の合計を意味する。
本発明で固形分とは、溶剤を除いた成分の合計を意味する。
光重合性化合物(B)
上記光重合性化合物(B)は、光、及び後述する光重合開始剤の作用で重合できる化合物であって、単官能モノマー、2官能モノマー、その他の多官能モノマーなどが挙げられる。
上記光重合性化合物(B)は、光、及び後述する光重合開始剤の作用で重合できる化合物であって、単官能モノマー、2官能モノマー、その他の多官能モノマーなどが挙げられる。
上記単官能モノマーの具体例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
上記2官能モノマーの具体例としては1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
その他の多官能モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記で例示した光重合性化合物(B)の中でも、2官能以上の多官能モノマーが好ましく用いられる。特に好ましくは5官能以上の多官能モノマーである。上記で例示した光重合性化合物(B)はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記光重合性化合物(B)は、固形分を基準で、バインダー樹脂(A)及び光重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、1〜90質量部、好ましくは 10〜80質量部の範囲で用いられる。光重合性化合物(B)が上記基準の範囲にあると、スペーサーパターンの強度や平滑性が良好になるので好ましい。
光重合開始剤(C)
上記光重合開始剤(C)は当分野で一般的に用いられているものであれば、関係なく適用することができる。
上記光重合開始剤(C)は当分野で一般的に用いられているものであれば、関係なく適用することができる。
例えば上記光重合開始剤(C)としては、トリアジン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物及びオキシム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用することができる。上記の光重合開始剤(C)を含有する感光性樹脂組成物は高感度であり、この組成物を用いて形成されるスペーサーパターンの強度や表面平滑性が良好になる。
上記トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
上記アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
また、上記アセトフェノン系化合物としては、例えば下記式41で表される化合物が挙げられる。
上記式41中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基によって置換できるフェニル基、炭素数1〜12のアルキル基によって置換できるベンジル基、または炭素数1〜12のアルキル基によって置換できるナフチル基を示す。
上記式41で表される化合物の具体例としては、2−メチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−エチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−プロピル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−ブチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)エタン−1−オン、2−メチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−エチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−エチル−2−アミノ(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−2−メチルアミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−ジメチルアミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オン、2−メチル−2−ジエチルアミノ(4−モルホリノフェニル)プロパン−1−オンなどが挙げられる。
上記ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール、4,4',5,5'位置のフェニル基がカルボアルコキシ基によって置換されたビイミダゾール化合物などが挙げられる。これらの中でも、2,2'ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾールが好ましく用いられる。
上記オキシム化合物としては、0−エトキシカルボニル−α−オキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、下記式42、43、44などが挙げられる。
また、本発明の効果を損傷しない程度であれば、当分野で通常に使われているその他の光重合開始剤などを追加で併用することができる。その他の光重合開始剤としては、例えばベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、アントラセン系化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。
上記ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
上記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、0−ベンゾイルベンゾ酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルスルフィド、3,3',4,4'−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
上記チオキサントン系化合物としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
上記アントラセン系化合物としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
また、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを、その他の光重合開始剤として挙げられる。
また、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを、その他の光重合開始剤として挙げられる。
また、光重合開始剤(C)として連鎖移動基を有する光重合開始剤を使用することもできる。このような光重合開始剤としては、例えば日本国特許公表2002−544205号公報に記載されているものが挙げられる。
上記の連鎖移動基を有する光重合開始剤としては、例えば下記式45〜50で表される化合物が挙げられる。
上記光重合開始剤(C)には光重合開始補助剤(C−1)を組み合わせて使用することもできる。上記光重合開始剤(C)に光重合開始補助剤(C−1)を併用すると、これらを含有する感光性樹脂組成物はさらに高感度になって、スペーサーの形成時に生産性の向上が図れるので好ましい。
上記光重合開始補助剤(C−1)としては、アミン化合物、カルボン酸化合物が好ましく用いられる。
上記光重合開始補助剤(C−1)のうち、アミン化合物の具体例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの脂肪族アミン化合物と、4−ジメチルアミノベンゾ酸メチル、4−ジメチルアミノベンゾ酸エチル、4−ジメチルアミノベンゾ酸イソアミル、4−ジメチルアミノベンゾ酸2−エチルへキシル、ベンゾ酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーケトン)、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族アミン化合物などが挙げられる。この中でも、上記アミン化合物としては、芳香族アミン化合物が好ましく用いられる。
上記光重合開始補助剤(C−1)のうち、カルボン酸化合物の具体例としては、フェニルチオ酢酸、メチルフェニルチオ酢酸、エチルフェニルチオ酢酸、メチルエチルフェニルチオ酢酸、ジメチルフェニルチオ酢酸、メトキシフェニルチオ酢酸、ジメトキシフェニルチオ酢酸、クロロフェニルチオ酢酸、ジクロロフェニルチオ酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸などの芳香族ヘテロ酢酸類が挙げられる。
光重合開始剤(C)の使用量は、バインダー樹脂(A)及び光重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、0.1〜40質量部、好ましくは1〜30質量部であり、上記光重合開始補助剤(C−1)の使用量は、上記基準で0.1〜50質量部、好ましくは 1〜40質量部である。
上記光重合開始剤(C)の使用量が上記範囲にあると、感光性樹脂組成物が高感度化になってこの組成物を使用して形成したスペーサーの強度や平滑性が良好になるので好ましい。また、光重合開始補助剤(C−1)の使用量が上記範囲にあると、感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、この組成物を使用して形成されるスペーサーパターンの生産性が向上するので好ましい。
溶剤(D)
上記溶剤(D)は、当分野で通常に使われているものであれば、関係なく適用することができる。
上記溶剤(D)は、当分野で通常に使われているものであれば、関係なく適用することができる。
上記溶剤(D)の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、及びエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテルプロピレングリコールプロピルメチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテルなどのプロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類、メトキシブチルアルコール、エトキシブチルアルコール、プロポキシブチルアルコール、ブトキシブチルアルコールなどのブチルジオールモノアルキルエーテル類、メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、プロポキシブチルアセテート、ブトキシブチルアセテートなどのブタンジオールモノアルキルエーテルアセテート類、メトキシブチルプロピオネート、エトキシブチルプロピオネート、プロポキシブチルプロピオネート、ブトキシブチルプロピオネートなどのブタンジオールモノアルキルエーテルプロピオネート類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテルなどのジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ピランなどの環状エーテル類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。ここで例示した溶剤(D)は、それぞれ単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
上記溶剤(D)は、塗布性及び乾燥性を考慮したとき、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、ブタンジオールアルキルエーテルアセテート類、ブタンジオールモノアルキルエーテル類、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が好ましく用いられ、さらに好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、メトキシブチルアセテート、メトキシブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどが用いられる。
上記溶剤(D)の含有量は、それを含む感光性樹脂組成物に対して質量分率で60〜90質量%、好ましくは70〜85質量%である。溶剤(D)の含有量が上記範囲にあると、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター(ダイコーター、カーテンフローコーターとも呼ばれる)、インクジェットなどの塗布装置で塗布する際に塗布性が良好になるので好ましい。
上記の本発明に係る感光性樹脂組成物は必要によって充填剤、他の高分子化合物、硬化剤、レべリング剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、連鎖移動剤などの添加剤(E)をさらに含有することができる。
上記充填剤の具体例としては、ガラス、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
上記他の高分子化合物の具体例としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂と、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
上記硬化剤は芯部硬化及び機械的な強度を向上するために用いられ、硬化剤の具体例としては、エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
上記硬化剤のうち、エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、その他の方向族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、またはこのようなエポキシ樹脂のブロム化誘導体、エポキシ樹脂及びそのブロム化誘導体以外の脂肪族、脂環族または芳香族エポキシ化合物、ブタジエン(共)重合体エポキシド、イソプレン(共)重合体エポキシド、グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
上記硬化剤のうち、オキセタン化合物の具体例としては、カルボネートビスオキセタン、キシレンビスオキセタン、アジピン酸ビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロへキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
上記硬化剤は、硬化剤とともにエポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合することができる硬化補助化合物を併用することができる。上記硬化補助化合物としては、例えば、多価カルボン酸類、多価カルボン酸無数物類、酸発生剤などが挙げられる。
上記カルボン酸無水物類はエポキシ樹脂硬化剤として市販されているものを使用することができる。上記エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、 商品名「アデカハードナーEH−700」(株式会社ADEKA製)、商品名「リカシットHH」(新日本理化(株)製)、商品名「MH−700」(新日本理化(株)製)などが挙げられる。上記例示した硬化剤は単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
上記レべリング剤としては、市販されている界面活性剤を使用することができ、例えば、シリコン系、フッ素系、エステル系、陽イオン系、陰イオン系、非イオン系及び両性などの界面活性剤などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、第3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類などの他に、商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(EFKA CHEMICALS社製)、PB821(味の素(株)製)などが挙げられる。
上記密着促進剤としてはシラン系化合物が好ましく、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記酸化防止剤としは、具体的に、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,2'−メチルレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリール3,3'−チオジプロピオネート、ペンタエリトリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート),1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、ペンタエリトリトルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート],2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、具体的に、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
上記凝集防止剤としては、具体的に、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、具体的に、ドデシルメルカプタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、溶剤(D)にバインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び必要に応じて用いられるその他の添加剤を添加混合する方法で製造することができるが、本発明がこのような方法を限定するものではない。
本発明によれば、上記感光性樹脂組成物を所定のパターンで形成した後、露光及び現像して形成される表示装置用スペーサーとこれを備えた表示装置を提供する。
上記表示装置用スペーサーは、例えば感光性樹脂組成物を以下のような方法で基材上に塗布し、光硬化及び現像してパターンを形成することで製造することができる。
まず、感光性樹脂組成物を基板(通常はガラス)または予め形成された感光性樹脂組成物の固形分からなる層上に塗布した後、加熱乾燥することで溶剤などの揮発成分を除去して平滑な塗膜を得る。
塗布方法としては、例えばスピンコート、流延塗布法、ロール塗布法、スリット&スピンコートまたはスリットコート法などによって実施することができる。
塗布後に加熱乾燥(プリベーク)、または減圧乾燥後に加熱して溶剤などの揮発成分を揮発させる。ここで、加熱温度は、通常70〜200℃、好ましくは80〜130℃である。加熱乾燥後の塗膜の厚さは通常1〜8μm程度である。
このように実施して得られた塗膜に、目的とするパターンを形成するためのマスクを通じて紫外線を照射する。このとき、露光部全体に均一に平行光線が照射され、またマスクと基板の正確な位置合わせが実施されるために、マスクアライナやステッパーなどの装置を使用することが好ましい。紫外線を照射すると、紫外線が照射された部位が硬化される。
上記紫外線としては、g線(波長:436nm)、h線、i線(波長:365nm)などを使用することができる。紫外線の照射量は必要に応じて適切に選択することができ、本発明がこれを限定するのではない。
硬化が終了した塗膜を現像液に接触させて非露光部を溶解させて現像すると、目的とするパターン形状を有するスペーサーが得られる。
上記現象方法は、液添加法、浸漬法、スプレー法などのいずれかの方法を用いてもよい。また、現象時に基板を所定の角度に傾斜しても良い。
上記現像液は、通常アルカリ性化合物と界面活性剤を含有する水溶液である。
上記アルカリ性化合物は、無機または有機アルカリ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。これらの無機及び有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
上記アルカリ性化合物は、無機または有機アルカリ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。また、有機アルカリ性化合物の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。これらの無機及び有機アルカリ性化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。アルカリ現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
上記アルカリ現像液中の界面活性剤は、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤または陽イオン系界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
上記非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビートル脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
上記陰イオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムや、オレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムや、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムや、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。
上記陽イオン系界面活性剤の具体例としては、ステアリールアミン塩酸塩や、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアミン塩または第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
これらの界面活性剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記現像液中の界面活性剤の濃度は、通常0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
現象後に水洗し、また必要に応じて150〜230℃で10〜60分のポストベークを実施することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物を使用し、以上のような各工程を経て基板上またはカラーフィルター基板上にパターンを形成することができる。このパターンは表示装置に用いられるフォトスペーサーとして有用である。
したがって、このように実施して得られるパターンを有するスペーサーは液晶表示装置などの表示装置に有用に使用することができ、特にタッチパネルに適用する場合、既存のスペーサーと類似の弾性回復率を有するとともに、外部圧力による変形の少ない硬い特性を有する。
以下、実施例をもって本発明をより具体的に説明するが、本発明が下記の実施例に限られるものではない。また、以下の実施例、比較例において含有量を示す「%」及び「部」は、特段の言及がないかぎり質量基準である。
<合成例1> 不飽和基含有第1樹脂Aの合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温させ、ビニルトルエン47.2g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.50モル)、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート[荒川化学社製のビームセット101]44.5g(0.1モル)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下して100℃で5時間をさらに撹拌した。続いて、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート30g[0.20モル(本反応に使用したメタクリル酸に対して40モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びヒドロキノン0.145gをフラスコ内に投入して110℃で6時間を反応させ、固形分の酸価が99mgKOH/gである不飽和基含有第1樹脂Aを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は28,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温させ、ビニルトルエン47.2g(0.40モル)、メタクリル酸43.0g(0.50モル)、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート[荒川化学社製のビームセット101]44.5g(0.1モル)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下して100℃で5時間をさらに撹拌した。続いて、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート30g[0.20モル(本反応に使用したメタクリル酸に対して40モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びヒドロキノン0.145gをフラスコ内に投入して110℃で6時間を反応させ、固形分の酸価が99mgKOH/gである不飽和基含有第1樹脂Aを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は28,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。
このとき、上記分散樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定はHLC−8120GPC(東ソー社製)装置を使用し、コラムはTSK−GELG4000HXLとTSK−GELG2000HXLを直列接続して使用し、コラム温度は40℃、移動相溶媒はテトラヒドロフラン、流速は1.0mL/分、注入量は50μL、検出器RIを使用し、測定試料の濃度は0.6質量%(溶媒=テトラヒドロフラン)、校正用標準物質はTSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500(東ソー社製)を使用した。
上記で得られた重量平均分子量及び数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)にした。
上記で得られた重量平均分子量及び数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)にした。
<合成例2>不飽和基含有第1樹脂Bの合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温させ、ビニルトルエン35.4g(0.30モル)、アクリル酸36.0g(0.50モル)、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート[荒川化学社製のビームセット101]89.0g(0.20モル)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下して100℃で5時間をさらに撹拌した。続いて、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート22.5g[0.15モル(本反応に使用したアクリル酸に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びヒドロキノン0.145gをフラスコ内に投入して110℃で6時間を反応させ、固形分の酸価が123.7mgKOH/gである不飽和基含有第1樹脂Bを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は20,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温させ、ビニルトルエン35.4g(0.30モル)、アクリル酸36.0g(0.50モル)、2−ヒドロキシプロピルデヒドロアビエチン酸アクリレート[荒川化学社製のビームセット101]89.0g(0.20モル)、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下して100℃で5時間をさらに撹拌した。続いて、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート22.5g[0.15モル(本反応に使用したアクリル酸に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びヒドロキノン0.145gをフラスコ内に投入して110℃で6時間を反応させ、固形分の酸価が123.7mgKOH/gである不飽和基含有第1樹脂Bを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は20,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
<合成例3>不飽和基含有第2樹脂Cの合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、70℃に昇温させ、メタクリル酸60.0g(0.25モル)、4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート240.0g[0.75モル(式11及び式26で表される化合物を50:50のモル比で混合した混合物)]、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下し、70℃で4時間をさらに撹拌した。固形分の酸価が110mgKOH/gである不飽和基含有第1樹脂Dを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は13,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、70℃に昇温させ、メタクリル酸60.0g(0.25モル)、4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート240.0g[0.75モル(式11及び式26で表される化合物を50:50のモル比で混合した混合物)]、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下し、70℃で4時間をさらに撹拌した。固形分の酸価が110mgKOH/gである不飽和基含有第1樹脂Dを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は13,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。
<合成例4>不飽和基含有樹脂Dの合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温させ、ベンジルメタクリレート88.1g(0.50モル)、メタクリル酸43.0g(0.50モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下し、100℃で5時間をさらに撹拌した。続いて、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート30g[0.20モル(本反応に使用したメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びヒドロキノン0.145gをフラスコ内に投入して110℃で6時間を反応させ、固形分の酸価が94mgKOH/gである樹脂Dを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は30,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gを仕込み、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温させ、ベンジルメタクリレート88.1g(0.50モル)、メタクリル酸43.0g(0.50モル)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート136gを含む混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を、滴下ロートから2時間にかけてフラスコに滴下し、100℃で5時間をさらに撹拌した。続いて、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート30g[0.20モル(本反応に使用したメタクリル酸のカルボキシル基に対して50モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9g及びヒドロキノン0.145gをフラスコ内に投入して110℃で6時間を反応させ、固形分の酸価が94mgKOH/gである樹脂Dを得た。GPCによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は30,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
<実施例1〜7、比較例1〜4>
下記表1に示した各成分を混合してスペーサー形成用感光性樹脂組成物を製造した。このときの各成分の含量は質量部を示す。
下記表1に示した各成分を混合してスペーサー形成用感光性樹脂組成物を製造した。このときの各成分の含量は質量部を示す。
上記表1で使用した各成分は以下のとおりである。
(A)バインダー樹脂A−A:合成例1で製造された不飽和基含有第1樹脂A
(A)バインダー樹脂A−B:合成例2で製造された不飽和基含有第1樹脂B
(A)バインダー樹脂A−C:合成例3で製造された不飽和基含有第2樹脂C
(A)バインダー樹脂A−D:合成例4で製造された不飽和基含有樹脂D
(B)光重合性化合物:ジペンタエリトリトルヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA:日本化学(株)製)
(C)光重合開始剤C−A:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1(4−モルホリノフェニル)ブタノン(Irgacure 369:Ciba Specialty Chemical社製)
(C)光重合開始剤C−B:2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(Irgacure−907; Ciba Specialty Chemical社製 )
(C−1)光重合開始補助剤C−1:4,4'−ジ(N,N'−ジメチルアミノ−)−ベンゾフェノン(EAB−F:保土谷化学(株)製)
(D)溶剤D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D)溶剤D−2:3−エトキシエチルプロピオネート
(D)溶剤D−3:3−メトキシ−1−ブタノール
(D)溶剤D−4:3−メトキシブチルアセテート
(F)添加剤(酸化防止剤):1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(Irganox3114:Ciba Specialty Chemical社製)
(A)バインダー樹脂A−A:合成例1で製造された不飽和基含有第1樹脂A
(A)バインダー樹脂A−B:合成例2で製造された不飽和基含有第1樹脂B
(A)バインダー樹脂A−C:合成例3で製造された不飽和基含有第2樹脂C
(A)バインダー樹脂A−D:合成例4で製造された不飽和基含有樹脂D
(B)光重合性化合物:ジペンタエリトリトルヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA:日本化学(株)製)
(C)光重合開始剤C−A:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1(4−モルホリノフェニル)ブタノン(Irgacure 369:Ciba Specialty Chemical社製)
(C)光重合開始剤C−B:2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(Irgacure−907; Ciba Specialty Chemical社製 )
(C−1)光重合開始補助剤C−1:4,4'−ジ(N,N'−ジメチルアミノ−)−ベンゾフェノン(EAB−F:保土谷化学(株)製)
(D)溶剤D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D)溶剤D−2:3−エトキシエチルプロピオネート
(D)溶剤D−3:3−メトキシ−1−ブタノール
(D)溶剤D−4:3−メトキシブチルアセテート
(F)添加剤(酸化防止剤):1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(Irganox3114:Ciba Specialty Chemical社製)
<実験例>
縦横2インチのガラス基板(イーグル2000:コーニング社製)を中性洗剤、水及びアルコールで順次洗浄した後、乾燥した。このガラス基板上に上記実施例及び比較例で製造された感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコーティングした後、クリーンオーブンの中で90℃で3分間プリベークした。上記プリベークした基板を常温に冷却した後、石英ガラス製のフォトマスクとの間隔を10μmにして露光機(TME−150RSK:トプコン(株)製)を使用して100mJ/cm2の露光量(405nm基準)で光を照射した。
縦横2インチのガラス基板(イーグル2000:コーニング社製)を中性洗剤、水及びアルコールで順次洗浄した後、乾燥した。このガラス基板上に上記実施例及び比較例で製造された感光性樹脂組成物をそれぞれスピンコーティングした後、クリーンオーブンの中で90℃で3分間プリベークした。上記プリベークした基板を常温に冷却した後、石英ガラス製のフォトマスクとの間隔を10μmにして露光機(TME−150RSK:トプコン(株)製)を使用して100mJ/cm2の露光量(405nm基準)で光を照射した。
このときの重合性樹脂組成物に対する照射は、超高圧水銀燈からの放射光を、光学フィルター(LU0400:朝日分光(株)製)を通過させ、400nm以下の光をカットして使用した。
このときのフォトマスクは以下のパターンが同一平面上に形成されたフォトマスクが使用された。
1辺が10μmの正四角形の投光部(パターン)を有し、当該正四角形の間隔が100μmである。
光照射の後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に上記塗膜を25℃で100秒間浸漬して現像し、水洗後にオーブンの中で、220℃で20分間ポストベークを実施した。得られた膜厚は3μmであった。膜厚は、膜厚測定装置(DEKTAK 6M:Veeco社製)を使用して測定した。
このように実施して得られたパターンを下記のように物性評価を実施し、その結果を下記表2に示した。
− 透過率 −
上記で得られた硬化膜の400nmでの透過率(%)を顕微鏡分光測定装置(OSP−SP200:OLYMPUS社製)を使用して測定した。透過率は膜厚3.0μmでの透過率に換算して下記表2に示した。透過率は100%に近接するほど良好である。
上記で得られた硬化膜の400nmでの透過率(%)を顕微鏡分光測定装置(OSP−SP200:OLYMPUS社製)を使用して測定した。透過率は膜厚3.0μmでの透過率に換算して下記表2に示した。透過率は100%に近接するほど良好である。
− 線幅、断面形状 −
上記で得られた硬化膜を走査型電子顕微鏡(S−4200;(株)日立製作所製造)を使用して線幅を測定し、断面形状を下記のように評価した。
断面形状は基板に対するパターンの角度が90°未満のときは順テーパーとして、90°以上のときは逆テーパーとして判断した。
順テーパーであると、表示装置の形成時にITO配線の断線が生じにくいため好ましい。
上記で得られた硬化膜を走査型電子顕微鏡(S−4200;(株)日立製作所製造)を使用して線幅を測定し、断面形状を下記のように評価した。
断面形状は基板に対するパターンの角度が90°未満のときは順テーパーとして、90°以上のときは逆テーパーとして判断した。
順テーパーであると、表示装置の形成時にITO配線の断線が生じにくいため好ましい。
− 機械特性(総変位量及び回復率)−
上記で得られた硬化膜をダイナミック趙微小硬度計(DUH−W201;(株)島津製作所製造)を使用して、その総変位量(μm)及び弾性変位量(μm)を下記の測定条件に従って測定し、測定した数値を使用して下記のように回復率(%)を算出した。総変位量が少なく、且つ回復率が大きいと、硬いと判断した。
回復率(%)=[弾性変位量(μm)]/[総変位量(μm)]×100
測定条件:
試験モード;負荷−除荷試験
試験力 ;5gf[SI単位換算値;49.0mN]
負荷速度;0.45gf/sec[SI単位換算値;4.41mN/sec]
維持時間;5sec
圧子;円錐台圧子(直径50μm)
上記で得られた硬化膜をダイナミック趙微小硬度計(DUH−W201;(株)島津製作所製造)を使用して、その総変位量(μm)及び弾性変位量(μm)を下記の測定条件に従って測定し、測定した数値を使用して下記のように回復率(%)を算出した。総変位量が少なく、且つ回復率が大きいと、硬いと判断した。
回復率(%)=[弾性変位量(μm)]/[総変位量(μm)]×100
測定条件:
試験モード;負荷−除荷試験
試験力 ;5gf[SI単位換算値;49.0mN]
負荷速度;0.45gf/sec[SI単位換算値;4.41mN/sec]
維持時間;5sec
圧子;円錐台圧子(直径50μm)
− 耐溶剤性 −
上記で得られたパターンを30℃のN−メチルピロリドンに30分間浸漬し、浸漬前後の膜厚及び透過率(測定波長;400nm)を測定し、以下の式に従って変化を求めた。また、以下のような方法で密着性をともに測定した。
膜厚変化(%)=[浸漬後の膜厚(μm)/浸漬前の膜厚(μm)]×100
透過率変化(%)=[浸漬後の透過率(%)/浸漬前の透過率(%)]×100
膜厚変化及び透過率変化がそれぞれ90〜103%であれば良好である。
上記で得られたパターンを30℃のN−メチルピロリドンに30分間浸漬し、浸漬前後の膜厚及び透過率(測定波長;400nm)を測定し、以下の式に従って変化を求めた。また、以下のような方法で密着性をともに測定した。
膜厚変化(%)=[浸漬後の膜厚(μm)/浸漬前の膜厚(μm)]×100
透過率変化(%)=[浸漬後の透過率(%)/浸漬前の透過率(%)]×100
膜厚変化及び透過率変化がそれぞれ90〜103%であれば良好である。
− 耐溶剤密着性 −
耐溶剤密着性は耐溶剤性試験での浸漬後の基板を、市販されているセロハンテープを使用して、剥離試験を実施した後、剥離されず基板上に残った正四角形の数で耐溶剤密着性を評価した。
数値が大きいほど密着性に優れて良好と言える。
耐溶剤密着性は耐溶剤性試験での浸漬後の基板を、市販されているセロハンテープを使用して、剥離試験を実施した後、剥離されず基板上に残った正四角形の数で耐溶剤密着性を評価した。
数値が大きいほど密着性に優れて良好と言える。
− 耐熱性 −
上記で得られたパターンを230℃ のクリーンオーブンに1時間放置し、加熱前後の膜厚及び透過率(測定波長;400nm)を測定し、以下の式に従って変化を求めた。また、以下のように密着性をともに測定した。
膜厚変化(%)=[加熱後の膜厚(μm)/加熱前の膜厚(μm)]×100
透過率変化(%)=[加熱後の透過率(%)/加熱前の透過率(%)]×100
膜厚変化及び透過率変化がそれぞれ90〜103%である場合は良好である。
上記で得られたパターンを230℃ のクリーンオーブンに1時間放置し、加熱前後の膜厚及び透過率(測定波長;400nm)を測定し、以下の式に従って変化を求めた。また、以下のように密着性をともに測定した。
膜厚変化(%)=[加熱後の膜厚(μm)/加熱前の膜厚(μm)]×100
透過率変化(%)=[加熱後の透過率(%)/加熱前の透過率(%)]×100
膜厚変化及び透過率変化がそれぞれ90〜103%である場合は良好である。
− 耐熱密着性 −
耐熱密着性は耐熱性試験での加熱後の基板を、市販されているセロハンテープを使用して、剥離試験を実施した後、剥離されず基板上に残った正四角形の数で耐熱密着性を評価した。
数値が大きいほど密着性に優れて良好である。
耐熱密着性は耐熱性試験での加熱後の基板を、市販されているセロハンテープを使用して、剥離試験を実施した後、剥離されず基板上に残った正四角形の数で耐熱密着性を評価した。
数値が大きいほど密着性に優れて良好である。
上記表2で示すように、本発明に係る不飽和基含有第1樹脂を含むバインダー樹脂を使用した実施例1〜7の場合、これを使用しなかった比較例1及び2に比べてパターン形状が良好であり、弾性回復率に優れており、且つ総変位量が少ない機械的特性を有するのみならず、耐溶剤性及び耐熱性に優れていることが確認できた。
また、実施例においても、不飽和基含有第1樹脂と不飽和基含有第2樹脂を混合するが、その混合割合が本発明の好ましい範囲内である実施例3〜5の場合、その混合割合が本発明の好ましい範囲から外れている実施例6に比べてパターン形状が良好であり、弾性回復率に優れており、且つ総変位量が少ない機械的特性を有するのみならず、耐溶剤性及び耐熱性に優れていることが確認でき、不飽和基含有第1樹脂を単独で使用した実施例1及び2に比べてパターン形状が良好で、弾性回復率に優れており、総変位量が少ない機械的特性を有することが確認できた。
Claims (9)
- バインダー樹脂(A)、光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)及び溶剤(D)を含み、
前記バインダー樹脂は、下記(A−11)〜(A−13)を含む化合物を共重合して得られる共重合体に(A−14)をさらに反応させて得られる不飽和基含有第1樹脂を含むことを特徴とするスペーサー形成用感光性樹脂組成物。
(A−11):下記式1で表される化合物、
(A−12):(A−11)及び(A−13)と共重合可能な不飽和結合を有する化合物、
(A−13): 不飽和結合とカルボキシル基を有するカルボン酸、
(A−14):1分子中に不飽和結合とエポキシ基を有する化合物。 - 前記不飽和基含有第1樹脂は、(A−11)〜(A−13)それぞれから導かれる繰り返し単位の割合が前記共重合体を構成する繰り返し単位の合計モル数に対してモル分率で、
(A−11)から導かれる繰り返し単位が2〜30モル%であり、
(A−12)から導かれる繰り返し単位が2〜95モル%であり、
(A−13)から導かれる繰り返し単位が2〜70モル%であり、
前記(A−14)は、前記共重合体の(A−13)から導かれる繰り返し単位に対して5〜80モル%反応させることを特徴とする請求項1または2に記載のスペーサー形成用感光性樹脂組成物。 - 前記バインダー樹脂(A)は、下記(A−21)及び(A−22)を含む化合物を共重合反応して得られる共重合体である不飽和基含有第2樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスペーサー形成用感光性樹脂組成物。
(A−21): 不飽和結合とカルボキシル基を有する化合物、
(A−22): 下記式10a及び10bからなる群から選ばれるエポキシ基と不飽和結合を有する脂肪族多環式化合物。
- 前記不飽和基含有第2樹脂は、(A−21)及び(A−22)それぞれから導かれる繰り返し単位の割合が前記共重合体を構成する繰り返し単位の合計モル数に対してモル分率で、
(A−21)から導かれる繰り返し単位が5〜75モル%であり、
(A−22)から導かれる繰り返し単位が25〜95モル%であることを特徴とする請求項4に記載のスペーサー形成用感光性樹脂組成物。 - 前記バインダー樹脂(A)は、固形分を基準で質量分率で不飽和基含有第1樹脂10〜95質量%と不飽和基含有第2樹脂5〜90質量%からなることを特徴とする請求項4または5に記載のスペーサー形成用感光性樹脂組成物。
- 前記バインダー樹脂(A)の含有量は、スペーサー形成用感光性樹脂組成物中の全体固形分に対して5〜90質量%で含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスペーサー形成用感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を、所定のパターンで形成した後、露光及び現像して形成されたことを特徴とする表示装置用スペーサー。
- 請求項8に記載のスペーサーを備えたことを特徴とする表示装置。
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