JP2012133035A - 加熱装置、画像形成装置、加熱部材および装着方法 - Google Patents

加熱装置、画像形成装置、加熱部材および装着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転して記録媒体を加熱する加熱部材自体の強度が低くても、加熱部材の回転を妨げる力に抗して加熱部材を回転させることができる装置を提供する。
【解決手段】記録媒体を加熱する加熱ロール51と、加熱ロール51を加圧するエンドレスベルトと、加熱ロール51に装着され、外力を受けて回転するギヤユニット53と、を有し、加熱ロール51は、ギヤユニット53および加熱ロール51の少なくともいずれかの変形に起因するギヤユニット53との摩擦力により、ギヤユニット53が回転するのに伴って回転する。
【選択図】図9

Description

本発明は、加熱装置、画像形成装置、加熱部材および装着方法に関する。
近年、記録媒体を加熱する装置として、記録媒体を加熱する加熱部材と加熱部材を加圧する加圧手段との間に記録媒体を通過させる装置が提案されている。
加熱装置の一形態として、例えば特許文献1に記載の定着装置は、以下のように構成されている。すなわち、内部にハロゲンランプが配置された定着ロール(加熱部材)と、エンドレスベルトと、エンドレスベルトを介して定着ロールを押圧する圧力部材と、で主要部が構成されている。定着ロールはモータにより回転させられ、この回転によりエンドレスベルトも従動回転する。そして、転写装置により記録媒体に転写されたトナー像を、記録媒体が定着ロールとエンドレスベルトとの間を通過する間に、定着ロールとエンドレスベルトとの間に作用する圧力と、ハロゲンランプにより定着ロールを通じて与えられる熱と、により定着する。
特開平11−133776号公報
回転して記録媒体を加熱する加熱部材が、この加熱部材の表面から受けた力によってこの加熱部材の回転中心側に撓むような加熱部材であっても、加熱部材を破損させることなく当該加熱部材に駆動力を伝達させて回転させることができる装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、記録媒体を加熱する加熱部材と、前記加熱部材を加圧する加圧手段と、前記加熱部材に装着され、外力を受けて回転する回転手段と、を有し、前記加熱部材は、前記回転手段および当該加熱部材の少なくともいずれかの変形に起因する当該回転手段との摩擦力により、当該回転手段が回転するのに伴って回転することを特徴とする加熱装置である。
請求項2に記載の発明は、前記回転手段は、外力を受けて回転する回転部材と、当該回転部材の回転に伴い変形する弾性部材と、を有し、前記加熱部材は、前記弾性部材が前記回転部材の回転に伴い変形することに起因して当該弾性部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置である。
請求項3に記載の発明は、前記弾性部材は、前記加熱部材の外側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、前記ねじりコイルばねは、前記回転部材の回転に伴い前記コイル部の内径が小さくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の加熱装置である。
請求項4に記載の発明は、前記加熱部材は円筒形状であり、前記弾性部材は、前記加熱部材の内側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、前記ねじりコイルばねは、前記回転部材から力を受けることにより前記コイル部の外径が大きくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の加熱装置である。
請求項5に記載の発明は、前記回転手段は、前記加熱部材の外側に配置され、外周部に外力を受ける歯が形成された回転部材であり、前記加熱部材は、前記加圧手段から加圧されて変形することに起因して前記回転部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置である。
請求項6に記載の発明は、前記回転手段は、前記加熱部材の外側に配置され、外周部に外力を受ける歯が形成された回転部材であり、前記加熱部材は、当該加熱部材と前記回転手段を構成する部材との線膨張係数の差に起因して当該加熱部材と当該回転手段を構成する部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置である。
請求項7に記載の発明は、画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって形成された前記画像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記画像が転写された当該記録媒体を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段は、前記記録媒体を加熱する加熱部材と、前記加熱部材を加圧する加圧手段と、前記加熱部材に回転可能に装着され、外力を受けて回転する回転手段と、を有し、前記加熱部材は、前記回転手段および当該加熱部材の少なくともいずれかの変形に起因する当該回転手段との間に生じる摩擦力により、当該回転手段が回転するのに伴って回転することを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記回転手段は、外力を受けて回転する回転部材と、当該回転部材の回転に伴い変形する弾性部材と、を有し、前記加熱部材は、前記弾性部材が前記回転部材の回転に伴い変形することに起因して当該弾性部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記弾性部材は、前記加熱部材の外側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、前記ねじりコイルばねは、前記回転部材の回転に伴い前記コイル部の内径が小さくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記加熱部材は円筒形状であり、前記弾性部材は、前記加熱部材の内側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、前記ねじりコイルばねは、前記回転部材から力を受けることにより前記コイル部の外径が大きくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、加熱されるとともに対向する対向部材から加圧され、当該対向部材との間で記録媒体を加熱加圧する加熱加圧部と、外力を受けて回転する回転手段が装着される被装着部であって、当該回転手段の変形および当該被装着部の変形の少なくともいずれかに起因して当該回転手段との間に生じる摩擦力であって、当該回転手段が回転するのに伴って回転することが可能な摩擦力が生じる当該被装着部と、を有することを特徴とする加熱部材である。
請求項12に記載の発明は、外周部に外力を受ける突部が形成された回転部材と、当該回転部材の内側に取り付けられるねじりコイルばねと、を有する回転手段を、加熱部材の外周面に装着する装着方法であって、前記回転手段の前記ねじりコイルばねのコイル部の内径が前記加熱部材の外周面との間に生じる摩擦力により大きくなる方向に当該回転手段を回転させながら当該加熱部材の外周面に当該回転手段を装着することを特徴とする装着方法である。
請求項1の発明によれば、回転して記録媒体を加熱する加熱部材が、この加熱部材の表面から受けた力によってこの加熱部材の回転中心側に撓むような加熱部材であっても、加熱部材を破損させることなく加熱部材に駆動力を伝達させて回転させることができる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、より簡易な構成で加熱部材を回転させる摩擦力を生じさせることができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、加熱部材を回転させる摩擦力をより的確に生じさせることができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、加熱部材を回転させる摩擦力をより的確に生じさせることができる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、より簡易な構成で加熱部材を回転させる摩擦力を生じさせることができる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、より簡易な構成で加熱部材を回転させる摩擦力を生じさせることができる。
請求項7の発明によれば、回転して記録媒体を加熱する加熱部材が、この加熱部材の表面から受けた力によってこの加熱部材の回転中心側に撓むような加熱部材であっても、加熱部材を破損させることなく加熱部材に駆動力を伝達させて回転させることができる。
請求項8の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、より簡易な構成で加熱部材を回転させる摩擦力を生じさせることができる。
請求項9の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、加熱部材を回転させる摩擦力をより的確に生じさせることができる。
請求項10の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、加熱部材を回転させる摩擦力をより的確に生じさせることができる。
請求項11の発明によれば、回転して記録媒体を加熱する加熱部材が、この加熱部材の表面から受けた力によってこの加熱部材の回転中心側に撓むような加熱部材であっても、加熱部材を破損させることなく加熱部材に駆動力を伝達させて回転させることができる。
請求項12の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べて、容易に回転手段を加熱部材に装着することができる。
本発明の実施の形態が適用される画像形成装置の概略構成を示した図である。 第1の実施形態に係る定着装置の構成を示す概略正面図であり、用紙搬送方向下流側から、図1のII方向に見た図である。 図2のIII−III部における断面図である。 エンドレスベルトが支持された状態を説明するための図であり、図2におけるIV部の拡大図である。 ギヤユニットの斜視図である。 ギヤユニットを構成する部品を示す図である。 ギヤユニットを加熱ロールに装着した状態を示す図である。 図7のVIII部の拡大図である。 ギヤユニットの断面図である。 (a)は、ねじりコイルばねが変形する前の状態を示す図であり、(b)は、ねじりコイルばねが変形した後の状態を示す図である。 実験結果における応力分布の説明図である。 実験結果における基体の変位の分布を+Z、+Y側から見た場合の説明図である。 図12と同一の実験結果において基体の変位の分布を−Z、−Y側から見た場合の説明図である。 図12と同一の実験結果において、基体の変位の分布をY軸方向に二倍にして強調した状態の説明図である。 図13と同一の実験結果において、基体の変位の分布をY軸方向に二倍にして強調した状態の説明図である。 実験結果において、加熱ロールと加圧ロールとの接触領域における変形状態の説明図である。 実験結果において、加熱ロールと加圧ロールとの接触領域における変形状態の説明図である。 加熱ロールと加圧ロールとの接触領域における変形状態の説明図である。 (a)は、ねじりコイルばねおよび加熱ロールの他の形状を示す斜視図であり、(b)は断面図である。 第2の実施形態に係るギヤおよびねじりコイルばねを示す斜視図である。 (a)は、第3の実施形態に係るギヤおよびねじりコイルばねを示す斜視図であり、(b)は断面図である。 (a)は、第4の実施形態に係るギヤおよびねじりコイルばねを示す斜視図であり、(b)は断面図である。 第5の実施形態に係るギヤおよび加熱ロールを示す断面図である。 (a)は、第7の実施形態に係るギヤおよび加熱ロールなどを示す断面図であり、(b)は、第7の実施形態に係る保持部材などを示す断面図である。 第8の実施形態に係る定着装置の構成を示す概略正面図であり、用紙搬送方向下流側から、図1のII方向に見た図である。 図25のXXVI−XXVI部における断面図である。 加熱ベルトの拡大断面図である。 加熱ベルトが支持された状態を説明するための図であり、図25におけるXXVIII部の拡大図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態が適用される画像形成装置1の概略構成を示した図である。
画像形成装置1は、記録媒体(以下、代表して「用紙」と記す場合もある。)上に画像を形成する画像形成部10と、画像形成部10に対して用紙を供給する用紙供給部70と、画像形成部10にて画像が形成された用紙を積載する積載部77と、を備えている。また、画像形成装置1は、画像形成部10にて画像が形成された用紙を搬送する用紙搬送部80と、上述した各部の動作を制御する制御部90と、を備えている。
画像形成部10は、略一定の間隔を置いて並列的に配置されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kを備えている。各画像形成ユニット11は、感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電器13と、後述する光学系ユニット20によるレーザ照射によって形成された静電潜像を予め定められた色成分トナーで現像し可視化する現像器14とを備えている。また、画像形成部10には、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの現像器14に対して各色のトナーを供給するためのトナーカートリッジ19Y,19M,19C,19Kが設けられている。そして、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの下方には、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に対してレーザ光を照射する光学系ユニット20が配置されている。
また、画像形成部10は、画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト31上に多重転写させる中間転写ユニット30と、中間転写ユニット30上に重畳されて形成されたトナー像を用紙に転写する二次転写ロール41と、用紙上に形成されたトナー像を加熱および加圧して定着する定着装置50とを備えている。
光学系ユニット20は、図示しない半導体レーザ、変調器の他、半導体レーザから出射されたレーザ光(LB-Y,LB-M,LB-C,LB-K)を偏向走査するポリゴンミラー21と、レーザ光を通過するガラス製のウィンドウ22と、各構成部材を密閉するための直方体状のフレーム23とを備えている。
中間転写ユニット30は、中間転写体である像保持体の一例としての中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31を駆動するドライブロール32と、中間転写ベルト31に略一定のテンションを付与するテンションロール33とを備えている。また、中間転写ユニット30は、各感光体ドラム12と中間転写ベルト31を挟んで対向して感光体ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写ベルト31上に転写するための複数(本実施の形態においては4つ)の一次転写ロール34と、中間転写ベルト31を介して二次転写ロール41に対向して設けられたバックアップロール35とを備えている。
中間転写ベルト31は、ドライブロール32、テンションロール33、複数の一次転写ロール34およびバックアップロール35などの複数の回転部材に、複数の一次転写ロール34の並び方向の長さがこれら複数の一次転写ロール34の回転軸を含む平面に略直交する方向の長さよりも長くなるように張りかけられるとともに略一定のテンションで張りかけられており、駆動モータ(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール32により、矢印方向に予め定められた速度で循環駆動される。この中間転写ベルト31は、例えば、ゴムまたは樹脂にて成形されたものが使用される。
また、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31上に存在する残留トナー等を除去するクリーニング装置36を備えている。クリーニング装置36は、クリーニングブラシ36aと、クリーニングブレード36bとを備えており、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト31の表面から残留トナーや紙粉等を除去する。
このように、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31がドライブロール32やテンションロール33などに複数の一次転写ロール34の並び方向に細長くなるように張りかけられており、この細長く張りかけられた中間転写ベルト31の長手方向の一方の端部に、バックアップロール35が配置され、長手方向の他方の端部に、クリーニング装置36が配置された細長の形状である。
二次転写ロール41は、中間転写ベルト31を介してバックアップロール35を押圧することにより中間転写ベルト31との間で二次転写部位を形成し、この二次転写部にて用紙上にトナー像を二次転写する。二次転写ロール41は中間転写ベルト31上に形成されたトナー像を用紙に転写するために、トナー帯電極性とは反対極性の電荷を用紙に与えて静電気力にて中間転写ベルト31上のトナー像を用紙に転写させる。それゆえ、二次転写ロール41とバックアップロール35との間に予め定められた転写電界が生成されるようになっている。
定着装置50は、中間転写ユニット30、二次転写ロール41などによって二次転写された用紙上の画像(トナー像)を、加熱ロール51とエンドレスベルト52などにより、熱および圧力を用いて用紙に定着させる装置である。この定着装置50については後で詳述する。
用紙供給部70は、画像が記録される用紙を収容する用紙収容部71と、用紙収容部71から用紙を取り上げて搬送路74へ供給する供給ロール72と、供給ロール72から供給された用紙を1枚ずつ分離して搬送するフィードロール73とを備えている。また、用紙供給部70は、フィードロール73により1枚ずつに分離された用紙を二次転写位置に向けて搬送する搬送路74と、搬送路74を介して搬送された用紙に対し、二次転写位置に向けてタイミングを合わせて搬送するレジストロール75とを備えている。
用紙搬送部80は、定着装置50から送り出された用紙をニップしつつ積載部77の方へ搬送するとともに、この用紙を必要に応じてスイッチバック方式で反転させる反転ロール81と、反転ロール81によって反転された用紙を二次転写位置に向けて再び搬送するための反転搬送ユニット82と、を備えている。また、用紙搬送部80は、定着装置50と反転ロール81との間に配置されて、用紙の進行方向を切り替える切り替えゲート83を備えている。
画像形成装置1は、制御部90により回転駆動が制御される駆動モータ91と、駆動モータ91の回転駆動力を伝達する伝達ギヤ92,93,94などを備えており(図2も参照)、反転ロール81は、伝達ギヤ92,93,94などを介して駆動モータ91の回転駆動力が伝達される。反転搬送ユニット82は、複数の搬送ロールを備えており、反転ロール81によって反転された用紙を二次転写位置に向けて再び搬送する。切り替えゲート83は、定着装置50から送り出された用紙の進行方向を、反転ロール81に導くように定めたり、反転ロール81で反転された用紙を反転搬送ユニット82に導くように定めたりして、用紙の進行方向を切り替える。
以上のように構成された画像形成装置1は、以下のように作用する。
図示しない画像読み取り装置によって読み取られた原稿の画像や、図示しないパーソナルコンピュータ等から受信した画像データは、予め定められた画像処理が施され、画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、光学系ユニット20に出力される。
光学系ユニット20は、入力された色材階調データに応じて、半導体レーザ(図示せず)から出射されたレーザ光を、f−θレンズ(不図示)を介してポリゴンミラー21に出射する。ポリゴンミラー21では、入射されたレーザ光を各色の階調データに応じて変調し、偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12に照射する。
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12では、帯電器13で帯電された表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト31上に多重転写される。
一方、用紙供給部70では、画像形成のタイミングに合わせて供給ロール72が回転して用紙収容部71に収容されている用紙を取り上げ、フィードロール73により1枚ずつ分離された後、搬送路74を経てレジストロール75に搬送され、一旦、停止される。その後、トナー像が形成された中間転写ベルト31の移動タイミングに合わせてレジストロール75が回転し、バックアップロール35および二次転写ロール41によって形成される二次転写位置に搬送される。二次転写位置にて下方から上方に向けて搬送される用紙には、圧接力および予め定められた電界を用いて、4色が多重されているトナー像が副走査方向に順次、転写される。そして、各色のトナー像が転写された用紙は、定着装置50によって熱および圧力で定着処理を受けた後に、用紙搬送部80にて積載部77に積載されるか、反転されて再度二次転写位置に向けて送られる。
<第1の実施形態>
次に、第1の実施形態に係る定着装置50について詳述する。
図2は、第1の実施形態に係る定着装置50の構成を示す概略正面図であり、用紙搬送方向下流側から、図1のII方向に見た図である。図3は、図2のIII−III部における断面図である。図4は、エンドレスベルト52が支持された状態を説明するための図であり、図2におけるIV部の拡大図である。
定着装置50は、用紙を加熱する加熱部材の一例としての加熱ロール51と、加熱ロール51を加圧する加圧手段の一例であって当該加圧手段の一部を構成するエンドレスベルト52と、加熱ロール51に装着されて、外力を受けて回転する回転手段の一例としてのギヤユニット53と、を有している。また、加圧手段の他の例としては回転軸の一例としてのシャフトと当該シャフトの外周に形成された弾性体層(例えば、ゴム層)とを有する加圧ロールであっても良い。そして、定着装置50は、用紙を加熱する加熱装置の一形態として機能する。なお、以下では、加圧手段の一例であって当該加圧手段の一部を構成するとともに、加熱ロール51と対向する部材である対向部材の一例として、エンドレスベルト52を例に取り説明するが、エンドレスベルト52に換えて加圧ロールを用いても良い。
先ずは、加熱ロール51について説明する。
加熱ロール51は、図2においては左右方向、図1においては紙面に直交する方向(手前側および奥側のいずれか一方から他方に向かう方向)に伸びる軸を回転軸として回転する部材であり、薄肉円筒の基体511と、基体511の周囲に形成された耐熱性弾性体層512(図3参照)と、耐熱性弾性体層512の表面に形成された離型層513と、を有する。加熱ロール51は、画像形成装置1の本体フレーム(不図示)に固定又は着脱される定着装置用のフレームであるメインフレーム50aに取り付けられて、回転軸方向の両端部側にそれぞれに配置されたボールベアリングなどの軸受け部材514を介して、メインフレーム50aに対して回転可能に支持されている。なお、回転軸は物理的な実態を有する形態の軸でも良いし物理的な実態を有さない形態の仮想的な軸であっても良い。
基体511は、薄肉円筒の部材である。また、基体511は、加熱ロール51とエンドレスベルト52との接触により弾性変形するとともにエンドレスベルト52と接触していない状態では自らの剛性で復元する材質であり、かつ熱伝導率の高い材質で成形されている。このような特性を示す材質としては、鉄、ニッケル、ニッケル鋼、ステンレス鋼(SUS(Stainless Used Steel))、ニッケル−コバルト合金、銅、金、ニッケル−鉄合金等を例示することができる。基体511がこのような特質を有することにより、加熱ロール51は、エンドレスベルト52と接触することで弾性変形して、用紙搬送方向に沿った接触領域であるニップ部N(図3参照)の面積を広くし、またエンドレスベルト52との間で自らの弾性力にてニップ部Nにある用紙に圧力を加えるとともに、エンドレスベルト52と接触していない状態では、自らの剛性で円筒形状に復元する。また、基体511のニップ部Nに対応する内面側(薄肉円筒状の内側)には、当該基体511を内面側から支持する部材が配置されていない。しかしながら、基体511は、加熱ロール51とエンドレスベルト52との接触により弾性変形するとともにエンドレスベルト52と接触していない状態では自らの剛性で復元する材質であるので、基体511のニップ部Nに対応する内面側に支持する部材が配置されていなくても、エンドレスベルト52と接触すると弾性変形して、エンドレスベルト52と接触していない状態では、自らの剛性で円筒形状に復元する。ただし、必要に応じて支持する部材を配置させても差し障りない。なお、ニップ部Nは、加熱ロール51がエンドレスベルト52を介して圧力パッド54から加圧され、エンドレスベルト52との間で用紙を加熱加圧する加熱加圧部の一例である。
本実施形態に係る基体511は、材質はニッケルを用い、外径が直径25mmで、肉厚が0.1mmとなるように成形されている。なお、外径は、直径が25mmを例示したが、これに限定されず、20mmから30mmの範囲であればよく、又、肉厚は、0.1mmを例示したが、これに限定されず、0.05mmから0.2mmの範囲であればよい。材質がニッケルで、肉厚が0.1mmの円筒形状の基体511は、任意の方法により成形され、例えば、電鋳や深絞り加工等により成形することを例示することができる。
耐熱性弾性体層512は、耐熱性の高い弾性体で成形されている。耐熱性の高い弾性体であればどのような材料を用いることも可能であり、特に、ゴム硬度が5°から20°(JIS−A)程度のゴム、エラストマ等の弾性体を用いるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を例示することができる。
離型層513は、耐熱性の樹脂で成形されている。耐熱性の樹脂であればどの樹脂を用いてもよく、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を用いることができるが、離型層513のトナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体)等が使用できる。離型層513の厚さは、5から30μmがよい。
定着装置50は、加熱ロール51の内部に配置され、発熱源として機能するハロゲンヒータ515と、加熱ロール51の表面の温度を検出する温度センサ516と、を有している。上述した制御部90は、この温度センサ516による温度検出値に基づいてハロゲンヒータ515の点灯を制御し、加熱ロール51の表面温度が予め定められた定着温度(例えば、170℃)を維持するように調整する。
次に、エンドレスベルト52について説明する。
エンドレスベルト52は、原形が直径30mmの円筒形状に形成された無端ベルトであり、ベース層と、このベース層の加熱ロール51側の面または両面に被覆された離型層(不図示)とから構成されている。ベース層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のポリマーやSUS、ニッケル、銅等の金属により形成され、その厚みは、30から200μmがよい。ベース層の表面に被覆される離型層としては、フッ素樹脂、例えばPFA、PTFE、FEPで形成され、その厚みは5から100μmがよい。
また、エンドレスベルト52の内周面は、後述する圧力パッド54との摺擦抵抗を低減するため、表面粗さRa(算術平均粗さ)を0.4μm以下に設定している。また、エンドレスベルト52の外周面は、加熱ロール51からの駆動力を受け易いように、表面粗さRaを1.2から2.0μmに設定している。
次に、エンドレスベルト52を支持する構成について述べる。
定着装置50は、エンドレスベルト52を回転可能に支持する圧力パッド54(図3参照)およびエッジガイド55(図4参照)と、エンドレスベルト52の内周面と圧力パッド54との摺擦抵抗を小さくする低摩擦シート56(図3参照)と、圧力パッド54と低摩擦シート56とを保持する金属製のホルダ57(図3参照)と、を有している。
圧力パッド54は、エンドレスベルト52の内側において、エンドレスベルト52を介して加熱ロール51に押圧される状態で配置され、加熱ロール51とエンドレスベルト52との間にニップ部Nを形成するように機能する。圧力パッド54は、用紙搬送方向長さ(エンドレスベルト52と加熱ロール51の移動方向における長さ)の広いニップ部Nを確保するためのプレニップ部材54aと、加熱ロール51に歪みを与えるための剥離ニップ部材54bと、を有している。プレニップ部材54aは、ニップ部Nの入口側に配置され、剥離ニップ部材54bは、ニップ部Nの出口側に配置されている。
プレニップ部材54aは、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体や板バネ等にて構成され、加熱ロール51側の面は、ほぼ加熱ロール51の外周面に倣う凹形状で形成されている。
剥離ニップ部材54bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で成形されている。剥離ニップ部材54bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が略一定の曲率半径を有する凸曲面状に成形されている。
エッジガイド55は、図4に示すように、ホルダ57の回転軸方向の両端部に配設されている。そして、エッジガイド55それぞれは、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部551と、ベルト走行ガイド部551の回転軸方向の外側に設けられ、エンドレスベルト52の内径よりも大きな外径で形成されたフランジ部552と、を有している。また、エッジガイド55は、フランジ部552の回転軸方向の外側に設けられ、エッジガイド55を定着装置50のメインフレーム50aに位置決めして固定するための保持部553を有している。
ホルダ57は、回転軸方向の両端部がエッジガイド55のフランジ部552の内側面に固定され支持されている。また、エッジガイド55のベルト走行ガイド部551は、ホルダ57の回転軸方向の端部の一部の領域と、回転軸方向にオーバーラップするように配置されている。
そして、エンドレスベルト52は、ニップ部Nとその近傍を除いて、回転軸方向の両側部の内周面がベルト走行ガイド部551の外周面に支持され、ベルト走行ガイド部551の外周面に沿って回転する。したがって、ベルト走行ガイド部551は、エンドレスベルト52がスムーズに回転することができるように静止摩擦係数の小さな材質で形成され、さらには、エンドレスベルト52から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成されている。また、フランジ部552は、ホルダ57の回転軸方向の両端部に配置されたフランジ部552の内側面同士の間隔がエンドレスベルト52の幅と略一致するように配置され、エンドレスベルト52の回転軸方向への移動(ベルトウォーク)を規制している。このように、エンドレスベルト52は、エッジガイド55によって回転方向および回転軸方向の移動が規制されるように設定されている。
また、エッジガイド55それぞれは、図2に示すように、引張りバネ59によって加熱ロール51側に付勢されて支持されている。本実施の形態では、加熱ロール51は、エンドレスベルト52を介して総荷重50〜250N(5.1〜25.5kgf)で圧力パッド54により押されている。そして、この構成により、エンドレスベルト52は加熱ロール51の回転に従動して回転する。
低摩擦シート56は、プレニップ部材54aおよび剥離ニップ部材54bのエンドレスベルト52と接する面に設けられている。また、低摩擦シート56は、エンドレスベルト52内周面と圧力パッド54との摺擦抵抗(摩擦抵抗)を低減するために摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質で成形されている。また、エンドレスベルト52内周面に塗布された潤滑剤が、エンドレスベルト52との摺動部に入り込めるように、低摩擦シート56のエンドレスベルト52側の表面には、微小な凹凸が形成されている。この凹凸の粗さは、Ra(算術平均粗さ)が5から30μmである。これは、凹凸の粗さがRa=5μmより小さければ、エンドレスベルト52との摺動部に充分な潤滑剤を入り込ませ難いため適当ではなく、その一方で、Ra=30μmより大きければ、凹凸の跡がOHPやコート紙を定着した際に光沢むらとして目立つために好ましくないことに基づくものである。さらには、低摩擦シート56は、潤滑剤が滲み込んで裏面から漏れ出ないように、潤滑剤に対する浸潤性のない(難通過性)ように成形されている。具体的には、フッ素樹脂からなる多孔質樹脂繊維布をベース層として圧力パッド54側の面にPET樹脂シートをラッピングさせたもの、シンタード成形したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート等により成形されることを例示することができる。なお、低摩擦シート56は、プレニップ部材54aや剥離ニップ部材54bと別体に構成しても、プレニップ部材54aや剥離ニップ部材54bと一体的に構成してもよい。
ホルダ57は、圧力パッド54と、低摩擦シート56とを保持するとともに、加熱ロール51の回転軸方向に伸びて、エンドレスベルト52の内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材58を保持する。潤滑剤塗布部材58は、耐熱性フェルトで構成され、例えば粘度300csのアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤が3g程度含浸されている。そして、潤滑剤塗布部材58はエンドレスベルト52内周面に対して接触するように配置され、耐熱性フェルトからの浸透圧により、潤滑剤を適量ずつエンドレスベルト52内周面に供給する。なお、潤滑剤塗布部材58は、耐熱性フェルトからの潤滑剤の供給が過多にならないように、耐熱性フェルトのエッジ部がエンドレスベルト52内周面に接触するように構成されている。これにより、エンドレスベルト52と低摩擦シート56との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート56を介したエンドレスベルト52と圧力パッド54との摺擦抵抗をさらに低減して、エンドレスベルト52の円滑な回転を図っている。
次に、ギヤユニット53について説明する。
図5は、ギヤユニット53の斜視図である。図6は、ギヤユニット53を構成する部品を示す図である。図7は、ギヤユニット53を加熱ロール51に装着した状態を示す図である。図8は、図7のVIII部の拡大図である。図9は、ギヤユニット53の断面図である。なお、図8においては、後述するねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との相対位置を分かり易くするために、後述するギヤ531を2点鎖線にて示している。
ギヤユニット53は、ハス歯531aが外周に形成された回転部材の一例としてのギヤ531と、ギヤ531の内側に装着される弾性部材の一例としてのねじりコイルばね532と、ねじりコイルばね532の回転軸方向の移動を抑制するキャップ533と、を有している。ギヤユニット53は、図1,図2に示すように、伝達ギヤ92、93、94などを介して駆動モータ91の回転駆動力が伝達され、突部の一例としてのハス歯531aを介して外力を受ける。
ギヤ531は、耐熱性が高い樹脂で成形される部材であり、本実施形態に係るギヤ531は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)のグラスファイバー入りが用いられている。ギヤ531は、内側にねじりコイルばね532が装着される装着部531bと、この装着部531bよりも回転軸方向の一方の端部の外側に、装着部531bから回転半径方向の内側に突出して円周方向全体に亘って形成された凸部531cとを、有している。また、ギヤ531の装着部531bの回転軸方向の一方の端部側には、回転半径方向の外側に凹んだ半径方向凹部531dが形成されている。また、ギヤ531の回転軸方向の他方の端部側には、回転軸方向の端面から回転軸方向に凹んだ軸方向凹部531eが形成されている。
ねじりコイルばね532は、線径がφ0.8のSUS材にて成形されている。また、ねじりコイルばね532のコイル部532aは、左巻に巻かれており、その巻数は9である。また、ねじりコイルばね532の一方の端部は、コイル部532aから回転半径方向の外側に突出するように折り曲げられており、コイル部532aから突出する突出部532bが形成されている。ねじりコイルばね532がギヤ531に装着される際には、この突出部532bがギヤ531の半径方向凹部531dに挿入される。これにより、ねじりコイルばね532の、ギヤ531に対する移動が抑制される。そして、ねじりコイルばね532のコイル部532aの内径は、加熱ロール51の基体511の外径よりも小さくなるように成形されている。つまり、ギヤユニット53が加熱ロール51に嵌め合わせられる場合には、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511とはしまりばめにて嵌合される。他方、ねじりコイルばね532のコイル部532aの外径は、ギヤ531の装着部532bの内径よりも小さくなるように成形されている。つまり、ねじりコイルばね532がギヤ531に装着された場合には、コイル部532aの外径とギヤ531の装着部531bの内径との間に隙間が生じる。
キャップ533は、孔533aが形成された円盤状の部材であり、耐熱性が高い樹脂、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)で成形されている。孔533aの内径は、ねじりコイルばね532の内径と略同じに形成されている。そして、キャップ533は、ギヤ531に形成された軸方向凹部531eに嵌合され、ねじりコイルばね532の回転軸方向の移動を抑制する。
以上のように構成されたギヤユニット53を加熱ロール51に装着する際には、軸受け部材514を加熱ロール51の基体511に嵌合した後に、回転軸方向の一方の端部側、つまりギヤ531に形成された凸部531c側から加熱ロール51の基体511に嵌め込む(図9参照)。そして、2つの軸受け部材514およびギヤユニット53が装着された加熱ロール51を、U字状の孔が形成されたメインフレーム50aに嵌合する。
そして、ギヤユニット53が装着された加熱ロール51の回転軸方向の外側には、ギヤユニット53および加熱ロール51の、回転軸方向の移動を規制するとともに、回転動作を円滑に行わせるスラストベアリングなどのスラスト軸受け部材517(図2参照)が配置されている。スラスト軸受け部材517は、画像形成装置1の本体フレーム(不図示)に固定された定着装置用のフレームであるサブフレーム50b(図2参照)に取り付けられている。
次に、ギヤユニット53が加熱ロール51に装着されている場合の、ギヤユニット53から加熱ロール51への回転駆動力の伝達について説明する。
図10(a)は、ねじりコイルばね532が変形する前の状態を示す図であり、図10(b)は、ねじりコイルばね532が変形した後の状態を示す図である。
ギヤ531のハス歯531aを介して駆動モータ91から回転駆動力が伝達されると、ギヤ531が回転する。ギヤ531が回転すると、ギヤ531の半径方向凹部531dを介して、ギヤ531の回転力がねじりコイルばね532の突出部532bに伝達される。例えば、図7で見た場合の矢印A方向(反時計回転方向)にギヤ531が回転した場合には、ねじりコイルばね532の突出部532bが同じく矢印A方向に回転する。かかる場合、上述したように、ねじりコイルばね532は加熱ロール51の基体511にしまりばめにて嵌合され、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に接触力(摩擦力)が生じることから、コイル部532aにおける、突出部532bが設けられている回転軸方向の一方の端部側は、他方の端部側に対して矢印A方向に相対的に回転する。つまり、ねじりコイルばね532は左巻であることから、ねじりコイルばね532がコイル部532aの内径が小さくなるように(締まるように)変形する(図10(b)参照)。また、加熱ロール51の基体511におけるギヤユニット53が装着される部位である被装着部は、軸受け部材514と近い位置であり、かつ軸受け部材514に対してニップ部Nとは反対側の位置であるので、被装着部における基体511の変形は小さい。
その結果、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間の摩擦力が、ギヤ531が回転する前よりも大きくなる。
ここで、上述したように、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511とはしまりばめにて嵌合されるが、加熱ロール51の基体511の外径の大きさに対する、ねじりコイルばね532のコイル部532aの内径の大きさは、以下のように設定されている。すなわち、上述した定着温度のときにねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力は、加熱ロール51とエンドレスベルト52との間に生じる摩擦力に抗して加熱ロール51が回転するのに必要な摩擦力(以下、「必要摩擦力」と称する場合もある。)よりも小さくなるように設定されている。そして、ねじりコイルばね532が、ギヤ531から力を受けて締まる方向に回転することで増大した摩擦力が、この必要摩擦力以上となるように設定されている。
それゆえ、ギヤ531が駆動モータ91から回転駆動力を受けて図7で見た場合の矢印A方向に回転した場合には、ギヤユニット53を介して駆動モータ91から回転駆動力が伝達されて、加熱ロール51は、エンドレスベルト52との間に生じる摩擦力に抗して回転する。
一方、図7で見た場合の矢印B方向(時計回転方向)にギヤ531が回転した場合には、ねじりコイルばね532の突出部532bが同じく矢印B方向に回転し、コイル部532aにおける回転軸方向の一方の端部側が、他方の端部側に対して矢印B方向に相対的に回転する。つまり、ねじりコイルばね532が、コイル部532aの内径が大きくなるように(緩むように)変形する。その結果、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間の摩擦力が、ギヤ531が回転する前よりも小さくなる。それゆえ、ギヤ531が駆動モータ91から回転駆動力を受けて図7で見た場合の矢印B方向に回転した場合には、加熱ロール51は、エンドレスベルト52との間に生じる摩擦力により回転せず、ギヤユニット53のみが回転する。
以上のように構成された定着装置50は、以下のように作用する。
制御部90が、定着装置50にて定着動作を行わせるべく、駆動モータ91を図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合には、ギヤユニット53のギヤ531も時計回転方向(図7においては矢印A方向)に回転する。かかる場合、ギヤユニット53のねじりコイルばね532は、ギヤ531から力を受けてコイル部532aの内径が小さくなるように変形し、加熱ロール51も時計回転方向に回転する。そして、加熱ロール51の回転によりエンドレスベルト52も従動回転する。
そして、画像形成装置1の二次転写位置においてトナー像が転写された用紙がニップ部Nを通過する際に、用紙上のトナー像が、ニップ部Nに作用する圧力と、加熱ロール51から供給される熱とによって定着される。つまり、用紙上のトナー像を、加熱ロール51とエンドレスベルト52とで、加圧および加熱することで用紙に定着させる。本実施形態の定着装置50では、ほぼ加熱ロール51の外周面に沿う凹形状のプレニップ部材54aによりニップ部Nを広くしているため、ニップ部がニップ部Nよりも狭い場合よりも定着がより良好に行われる。加えて、加熱ロール51の外周面に対し突出させて剥離ニップ部材54bを配置することにより、ニップ部Nの出口において加熱ロール51の歪みが局所的に大きくなるように構成されているので、用紙が、加熱ロール51から容易に剥離される。
他方、制御部90が、定着装置50にて定着した用紙を反転させて再度二次転写位置に向けて搬送するべく、駆動モータ91を図1で見た場合の反時計回転方向に回転した場合には、ギヤユニット53のギヤ531も反時計回転方向(図7においては矢印B方向)に回転する。かかる場合、ギヤユニット53のねじりコイルばね532は、ギヤ531から力を受けてギヤ531と共に反時計回転方向に回転する。ねじりコイルばね532の反時計回転方向(図7においては矢印B方向)の回転により、コイル部532aの内径が大きくなるように変形するので、加熱ロール51は回転しない。それゆえ、エンドレスベルト52も回転しない。
以上説明したように、本実施形態に係る定着装置50においては、ギヤ531が駆動モータ91から回転駆動力を受けて回転した場合にねじりコイルばね532のコイル部532aの内径が小さくなるように変形することで、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力により、加熱ロール51が回転する。つまり、例えば、ギヤ531に設けられた凸部と加熱ロール51の基体511に形成された切り欠きとが嵌め合わされ、駆動モータ91からの回転駆動力が、この基体511に形成された切り欠きを介して伝達されるのではない。もし、この基体511に形成された切り欠きを介して加熱ロール51を回転させる場合には、この切り欠きが、加熱ロール51がエンドレスベルト52との間に生じる摩擦力に抗して回転するほどの力を受けなければならないので、その力に耐え得る強度が基体511自体に必要となる。しかしながら、本実施形態に係る定着装置50においては、加熱ロール51の基体511の外周面に生じる摩擦力により加熱ロール51を回転させるので、基体511に形成された切り欠きのみを介して回転させる構成の場合よりも、加熱ロール51の基体511自体の強度は低くてもよい。したがって、円筒形状の基体511の肉厚は、基体511に形成された切り欠きを介してのみ回転駆動力を伝達する構成の場合よりも薄くてもよい。そのため、エンドレスベルト52や加圧ロールなどと接触すると弾性変形し、エンドレスベルト52や加圧ロールなどと接触していない状態では自らの剛性で円筒形状に復元する程度の剛性であっても、基体511を破損させることなく回転駆動力が伝達される。そして、加熱ロール51の基体511の肉厚が薄いと、加熱ロール51の熱容量が小さくなるので、上述した定着温度に早期に到達する。更に、加圧手段の一例として加圧ロールを用いた場合には、前述のエンドレスベルト52や圧力パッド54を用いた場合と比べて、ニップ部の形状が平坦に近づき(曲率が小さくなり)、用紙として厚紙を搬送させた場合の厚紙カールや封筒を搬送させた場合の封筒皺が軽減される。
加熱ロール51の基体511の肉厚を薄くするために、基体511の回転軸方向の両端部に、基体511よりも高い強度を有し基体511を支持する支持部材を結合し、この支持部材に形成した切り欠きを介して駆動モータ91からの回転駆動力を伝達することも考えられる。しかしながら、かかる構成では、本実施形態に係る定着装置50のように基体511の外周面に生じる摩擦力により加熱ロール51を回転させる構成よりも、部品点数も多くて複雑な構成になってしまうとともに、支持部材の分の熱容量が増えるので定着温度に到達するのが遅くなる。また、加熱ロール51は、エンドレスベルト52を介して圧力パッド54により加圧されながら回転するので、つまり、基体511は回転軸方向に撓みながら回転するので、その変形に耐えられるように基体511と支持部材とを結合しなければならない。一方、基体511と支持部材とを溶接するなどして強固に結合すると、この結合により基体511の変形が妨げられるので、ニップ部Nでは凹み、エンドレスベルト52と接触していない状態では自らの剛性で復元するという基体511の弾性変形を利用した良好な定着処理の実行が困難となる。また、基体511と支持部材との結合部に応力集中が生じ、この結合部から破損するおそれもある。本実施形態に係る構成によれば、これらの不具合が生じることなく、エンドレスベルト52を介して圧力パッド54により加圧される力に抗して加熱ロール51が回転する。
また、例えば、定着装置50にて一方の面に画像が定着された用紙を反転搬送ユニット82を介して反転するために駆動モータ91が反時計回転方向に回転した場合には、ギヤユニット53は回転するが、上述したように加熱ロール51およびエンドレスベルト52は回転しない。それゆえ、定着処理を行う必要がないときに加熱ロール51およびエンドレスベルト52が回転する構成よりも加熱ロール51およびエンドレスベルト52の劣化が抑制される。また、加熱ロール51を、図1で見た場合の時計回転方向にのみ回転させ、反時計回転方向には回転しないようにワンウェイクラッチを備える構成よりも、ワンウェイクラッチを必要としない分、構成がより簡易になる。
また、定着装置50に紙詰まりが生じた場合などにおいて、ユーザが用紙を用紙搬送方向に引っ張る際の負荷が小さくなる。つまり、加熱ロール51を用紙搬送方向、図1で見た場合の時計回転方向に回転させる場合、ねじりコイルばね532は、コイル部532aの内径が大きくなるように変形するので、ギヤユニット53は回転せずに加熱ロール51のみが回転し易くなる。それゆえ、用紙を用紙搬送方向に引っ張る際に、ギヤユニット53、伝達ギヤ92,93,94、駆動モータ91などを回転させる必要がないので、用紙を引っ張る際の力は小さくなる。
なお、上述した実施形態に係るねじりコイルばね532の仕様について、線径φ0.8のSUS材、コイル部532aの巻数は9であることを例示したが、特にかかる仕様に限定されない。ねじりコイルばね532の仕様は、このねじりコイルばね532を加熱ロール51に単に装着した状態では加熱ロール51との間に生じる摩擦力が上述した必要摩擦力よりも小さく、ギヤ531からの回転力を受けてねじりコイルばね532が締まる方向に回転することで、加熱ロール51との間に生じる摩擦力が上述した必要摩擦力以上となるように設定することが好ましい。例えば、線径φ1.0のSUS材で、コイル部532aの巻数が8であってもよい。また、ねじりコイルばね532をコイル状に成型する前の線材は丸でも四角でもよい。
また、ねじりコイルばね532の材質としてはSUS材を例示しているが、複数あるSUS材の種類の中でも、基体511の材質であるニッケルの線膨張係数よりも小さな値の線膨張係数を有するSUS材および大きな値の線膨張係数を有するSUS材のどちらを選択してもよい。もし、基体511の材質であるニッケルの線膨張係数よりも大きな値の線膨張係数を有するSUS材、例えばSUS304を選択した場合、ねじりコイルばね532のコイル部532aの内径の大きさを以下のように設定するとよい。すなわち、ねじりコイルばね532の材質の線膨張係数と加熱ロール51の基体511の材質の線膨張係数との差を考慮して、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けて変形することで生じる基体511との間の摩擦力が、定着温度以上の温度で必要摩擦力以上となるようにねじりコイルばね532の内径を設定するとよい。
上述した実施形態に係るギヤユニット53のねじりコイルばね532の回転軸方向の他方の端部側の形状を以下のように変更してもよい。
図19(a)は、ねじりコイルばね532および加熱ロール51の他の形状を示す斜視図であり、(b)は断面図である。
図19に示すように、ねじりコイルばね532の回転軸方向の他方の端部は、コイル部532a(図6参照)から回転半径方向の内側に突出するように折り曲げられており、コイル部532aから突出する内側突出部532cが形成されている。また、加熱ロール51の基体511の回転軸方向の他方の端部に、ねじりコイルばね532の内側突出部532cを挿入するための切り欠き511aを形成する。そして、ギヤユニット53を加熱ロール51に装着する際に、ねじりコイルばね532の内側突出部532cを基体511の切り欠き511aに挿入する。
以上の構成にすることで、用紙上のトナー像を定着するべく、駆動モータ91が図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合に、ギヤユニット53が加熱ロール51に対して空回りし難くなる。
なお、この構成にする場合においても、定着処理を実行するべく加熱ロール51の表面温度が上述した定着温度まで上昇したきときには、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けて締まる方向に回転することで、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力が必要摩擦力よりも大きくなるように設定し、ねじりコイルばね532の内側突出部532cと基体511の切り欠き511aとの間に生じる圧力では加熱ロール51が回転しないようにすることが重要である。
なお、本実施形態に係るギヤユニット53を加熱ロール51に装着する際には、ギヤユニット53のねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511の外周面との間に生じる摩擦力によりねじりコイルばね532のコイル部532aの内径が大きくなる方向にギヤユニット53を回転させながら装着するとよい。つまり、図7においては、ギヤユニット53を矢印B方向に回転させながら装着するとよい。このように装着することにより、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力が、図7の矢印A方向に回転させながら装着する場合よりも小さくなるので、ギヤユニット53を装着し易くなる。
上述した実施形態においては、加熱ロール51に嵌合され、外力を受けて回転する回転手段の一例として、ギヤ531と、このギヤ531の回転に伴い変形する弾性部材の一例としてのねじりコイルばね532と、を有するギヤユニット53を例示し、加熱ロール51は、ねじりコイルばね532がギヤ531の回転に伴い変形することに起因してねじりコイルばね532との間に生じる摩擦力により回転する。しかしながら、ギヤ531の回転に伴い変形して、加熱ロール51との間に必要摩擦力を生じさせる物であれば、ねじりコイルばね532以外の弾性部材、例えばゴムなどを用いてもよい。弾性部材を用いることにより、弾性部材を用いない構成と比べて、より的確に加熱ロール51を回転させることができる。
(実験例)
次に、実験例について説明する。実験は、加圧手段の一例として加圧ロールを用い、計算機による模擬実験、いわゆるコンピュータシミュレーションで行った。なお、実験では、実施の形態と異なり、加熱ロール51および加圧ロールの軸方向をZ軸方向とし、加圧ロールの中心軸から加熱ロール51の中心軸に向かう方向を+Y軸方向とし、Z軸方向およびY軸方向と直交する方向をX軸方向とし、左手系のXYZ軸を仮定している。
実験では、加熱ロール51の構成として、基体511の軸方向の長さを250mm、外径を直径φ25mmとし、材料を鉄とした。
また、実験では、加圧ロールとして、軸方向の長さが250mmで直径φ12mmの鉄のシャフトの周りにゴム層が形成された加圧ロールを採用した。ゴム層は、軸方向の長さが200mm、外径がφ25mmとし、現在市販されているベルト式の加圧部材の定着領域部分の部材のヤング率に相当する1.6MPaのゴム層としてモデル化した。なお、市販のベルト式の定着装置は、例えば、特開2002−148971号公報や特開2002−148972号公報等に記載されており、従来公知であるため、詳細な説明は省略する。
そして、加圧ロールのシャフトの両端部に、接触圧力、いわゆるニップ圧として、加熱ロール51の中心軸に向かう+Y方向に100Nの力を付加した場合において、加熱ロール51に作用する応力や、変位を測定した。なお、応力としては、部材の降伏の判断等に使用されるミーゼス応力(または、フォン・ミーゼス応力)を採用した。
(実験例1)
実験例1では、基体511の肉厚が0.10mmとして実験を行った。
(比較例1)
比較例1では、基体511の肉厚が0.16mmとして実験を行った。
以下、図11〜図18に実験結果を示す。なお、図11〜図18においては、基体511を「素管」と記す。
図11は実験結果における応力分布の説明図であり、図11Aは実験例1の説明図、図11Bは比較例1の説明図である。
図12は実験結果における基体511の変位の分布を+Z、+Y側から見た場合の説明図であり、図12Aは実験例1の説明図、図12Bは比較例1の説明図である。
図13は図12と同一の実験結果において基体511の変位の分布を−Z、−Y側から見た場合の説明図であり、図13Aは実験例1の説明図、図13Bは比較例1の説明図である。
図14は図12と同一の実験結果において、基体511の変位の分布をY軸方向に二倍にして強調した状態の説明図であり、図14Aは実験例1の説明図、図14Bは比較例1の説明図である。
図15は図13と同一の実験結果において、基体511の変位の分布をY軸方向に二倍にして強調した状態の説明図であり、図15Aは実験例1の説明図、図15Bは比較例1の説明図である。
図16は実験結果において、加熱ロール51と加圧ロールとの接触領域における変形状態の説明図であって、図16AのXVI−XVI線断面図であり、図16Aは実験例1の説明図、図16Bは比較例1の説明図である。
図17は実験結果において、加熱ロール51と加圧ロールとの接触領域における変形状態の説明図であって、図17AのXVII−XVII線断面図であり、図17Aは実験例1の説明図、図17Bは比較例1の説明図である。
図18は実験結果において、加熱ロール51と加圧ロールとの接触領域における変形状態の説明図であって、図18AのXVIII−XVIII線断面図であり、図18Aは実験例1の説明図、図18Bは比較例1の説明図である。
なお、図11〜図18では、実験結果として、加熱ロール51および加圧ロールが軸方向中央を境界にして、軸方向に対して対称な結果となったため、軸方向の長さが半分、すなわち、軸方向中央〜+Z側の軸方向端部までのハーフサイズの部分を図示し、軸方向中央〜−Z側の軸方向端部までの範囲は図示を省略している。
本実験例では、加圧ロールのゴム層の軸方向の長さが200mmで、加熱ロール51の基体511の軸方向長さが250mmであり、ゴム層の軸方向端部が、基体511の端から25mmの位置に接触している。図11Aに示す実験例1では、基体511の端部で、軸方向内側の部分まで、応力が集中した状態となっているのに対し、図11Bに示す比較例1では加圧ロールのゴム層が接触する領域に沿ってほぼ均一に応力が作用していることが確認された。
また、図12B〜図15Bに示す比較例1では、+Y方向の変位が小さく、3次元的な歪みも小さく、ほとんど円筒形状を保持しているのに対して、図12A〜図15Aに示す実験例1では、軸方向中央側にいくほど加圧ロールと接触する側では加圧ロールに押されて+Y方向の変位が大きくなり、この変形に伴って断面形状が円形からX方向に長い楕円形に歪む。
したがって、図16Bに示すように、比較例1に示すような従来の加熱ロール51では、基体511はほとんど変形せずに、主として加圧ロールのゴム層が変形することで、定着領域が形成されているのに対し、図16Aに示すように、実験例1では、加圧ロールのゴム層だけでなく、加熱ロール51の基体511も変形することで、定着領域が形成されている。このとき、図16に示すように、定着領域は、比較例1では、加圧ロール側に凹むように湾曲した形状となるのに対し、実験例1では、X軸方向、すなわち、媒体搬送方向に沿って、ほぼ平坦状となっている。
同様に、図17に示す軸方向の中央から端寄りの位置や、図18に示す軸方向の中央部においても、比較例1では、主として加圧ロールのゴム層が凹んだ形状の定着領域が形成されるのに対して、実験例1では、加熱ロール51と加圧ロールとが共に変形して、ほぼ平坦状の定着領域が形成されている。
<第2の実施形態>
第2の実施形態においては、ギヤ531と、ねじりコイルばね532とをユニット化していない点に特徴がある。以下では、第1の実施形態との差異点について述べ、同じ構成部品については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図20は、第2の実施形態に係るギヤ531およびねじりコイルばね532を示す斜視図である。
図20に示すように、第2の実施形態に係るギヤ531は、外周部にハス歯531aが形成された、基本円筒状の部材である。そして、ギヤ531の内周面には、内周面から回転半径方向の外側に、円周方向にはねじりコイルばね532の線径よりも若干大きくなるように凹んだ半径方向凹部531fが回転軸方向全体に亘って形成されている。また、円筒状のギヤ531の内径の大きさは、加熱ロール51の基体511の外径の大きさよりも大きくなるように成形されている。つまり、ギヤ531は、加熱ロール51の基体511に対してすきまばめにて嵌合される。
第2の実施形態に係るねじりコイルばね532は、第1の実施形態に係るねじりコイルばね532に対して、回転軸方向の一方の端部に形成された突出部532bの向きが異なる。すなわち、第2の実施形態に係るねじりコイルばね532の一方の端部は、コイル部532aから回転軸方向の外側に突出する突出部532dが設けられている。
そして、ギヤ531およびねじりコイルばね532を、加熱ロール51に装着する際には、先ず、ギヤ531を加熱ロール51の基体511に嵌合する。その後、ねじりコイルばね532を、図20で見た場合の時計回転方向に回転させながら基体511に装着する。その際、ねじりコイルばね532の突出部532dを、ギヤ531の半径方向凹部531fに挿入する。なお、ねじりコイルばね532の突出部532dとギヤ531の半径方向凹部531fとは、すきまばめにて嵌合される寸法関係でも、しまりばめにて嵌合される寸法関係でもよい。
以上のようにギヤ531およびねじりコイルばね532を構成したとしても、ギヤ531およびねじりコイルばね532は、加熱ロール51に装着され、駆動モータ91からの回転駆動力を受けて回転する回転手段として機能する。そして、制御部90が、定着装置50にて定着動作を行わせるべく、駆動モータ91を図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合には、ねじりコイルばね532は、ギヤ531から力を受けてコイル部532aの内径が小さくなるように変形し、加熱ロール51も時計回転方向に回転する。そして、加熱ロール51の回転によりエンドレスベルト52も従動回転する。これにより、トナー像が転写された用紙がニップ部Nを通過する際に、用紙上のトナー像が、ニップ部Nに作用する圧力と、加熱ロール51から供給される熱とによって定着される。他方、制御部90が、定着装置50にて定着した用紙を反転させて再度二次転写位置に向けて搬送するべく、駆動モータ91を図1で見た場合の反時計回転方向に回転した場合には、ねじりコイルばね532はコイル部532aの内径が大きくなるように変形するので、加熱ロール51は回転しない。それゆえ、エンドレスベルト52も回転しない。
このように、本実施形態に係る定着装置50においても、ギヤ531が駆動モータ91から回転駆動力を受けてねじりコイルばね532のコイル部532aの内径が小さくなるように変形することで、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力により加熱ロール51が回転するので、加熱ロール51自体の強度が低くてもよい。それゆえ、円筒形状の基体511の肉厚は、基体511に形成された切り欠きを介して回転駆動力を伝達する構成の場合よりも薄くてもよい。そして、加熱ロール51の基体511の肉厚が薄いと、加熱ロール51の熱容量が小さくなるので、上述した定着温度に早期に到達する。
また、基体511の回転軸方向の両端部に基体511よりも高い強度を有し基体511を支持する支持部材を結合し、この支持部材に形成した切り欠きを介して駆動モータ91からの回転駆動力を伝達する構成よりも、部品点数が少なくなるのでより簡易な構成となるとともに、支持部材がない分の熱容量が減るので定着温度に到達するのが早くなる。また、例えば、定着装置50にて一方の面に画像が定着された用紙を反転搬送ユニット82を介して反転するために駆動モータ91が反時計回転方向に回転する場合など、定着処理を行う必要がないときには加熱ロール51およびエンドレスベルト52は回転しないので、これらが回転する構成よりも加熱ロール51およびエンドレスベルト52の劣化が抑制される。また、定着装置50に生じた紙詰まりを解消するためにユーザが用紙を用紙搬送方向に引っ張る際の負荷が小さくなる。
<第3の実施形態>
第2の実施形態においては、ギヤ531の半径方向凹部531fとねじりコイルばね532の突出部532dとを介して、ギヤ531の回転力がねじりコイルばね532に伝達されるが、第3の実施形態においては、ギヤ531とねじりコイルばね532との間に生じる摩擦力によりギヤ531の回転力がねじりコイルばね532に伝達される点に特徴がある。以下では、第2の実施形態との差異点について述べ、同じ構成部品については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図21(a)は、第3の実施形態に係るギヤ531およびねじりコイルばね532を示す斜視図であり、(b)は断面図である。
図21に示すように、第3の実施形態に係るギヤ531は、加熱ロール51の基体511の回転軸方向の端部に嵌合されており、ねじりコイルばね532は、加熱ロール51の基体511およびギヤ531の外周面に両者に跨るように嵌合されている。
より具体的には、第3の実施形態に係るギヤ531は、外周部にハス歯531aが形成された円筒状部位に、内径が略同一で外径が異なる円筒体を回転軸方向に同軸に結合した部材である。つまり、ギヤ531は、外周部にハス歯531aが形成された円筒状部位である第1の円筒部531gと、この第1の円筒部531gに連続して形成され、外径が加熱ロール51の基体511の外径と略同一に成形された第2の円筒部531hと、この第2の円筒部531hに連続して形成され、外径が加熱ロール51の基体511の内径よりも小さく成形された第3の円筒部531iと、を有する。そして、第3の円筒部531iが加熱ロール51の基体511の内側にすきまばめにて嵌め込まれており、ギヤ531は、加熱ロール51に対して回転可能であり、加熱ロール51は、ギヤ531に対して回転可能である。
第3の実施形態に係るねじりコイルばね532は、第1の実施形態に係るねじりコイルばね532に対して、回転軸方向の一方の端部側に設けられた突出部532bが設けられていない点、およびコイル部532aの巻き方向が右巻でその巻数が第1の実施形態に係るねじりコイルばね532の巻数よりも多い点が異なる。すなわち、第3の実施形態に係るねじりコイルばね532の内面とギヤ531の第2の円筒部531hの外周面との間に摩擦力が生じることでねじりコイルばね532のギヤ531に対する移動が抑制される。また、ねじりコイルばね532が加熱ロール51の基体511のみならずギヤ531にも跨る分、第1の実施形態に係るねじりコイルばね532の巻数よりも多くされており、第3の実施形態に係るねじりコイルばね532の巻数は13である。
以上のように第3の実施形態に係るギヤ531およびねじりコイルばね532を構成したとしても、ギヤ531およびねじりコイルばね532は、加熱ロール51に装着され、駆動モータ91からの回転駆動力を受けて回転する回転手段として機能する。そして、制御部90が、定着装置50にて定着動作を行わせるべく、駆動モータ91を図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合には、ねじりコイルばね532は、ギヤ531の第1の円筒部531gの外周との間に生じる摩擦力により、コイル部532aの内径が小さくなるように変形し、ギヤ531と共に回転する。そして、コイル部532aと加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力により、加熱ロール51も時計回転方向に回転する。加熱ロール51の回転によりエンドレスベルト52も従動回転する。これにより、トナー像が転写された用紙がニップ部Nを通過する際に、用紙上のトナー像が、ニップ部Nに作用する圧力と、加熱ロール51から供給される熱とによって定着される。他方、制御部90が、定着装置50にて定着した用紙を反転させて再度二次転写位置に向けて搬送するべく、駆動モータ91を図1で見た場合の反時計回転方向に回転した場合には、ねじりコイルばね532はコイル部532aの内径が大きくなるように変形するので、加熱ロール51は回転しない。それゆえ、エンドレスベルト52も回転しない。
このように、本実施形態に係る定着装置50においても、ギヤ531が駆動モータ91から回転駆動力を受けることに起因してねじりコイルばね532のコイル部532aの内径が小さくなるように変形することで、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力により加熱ロール51が回転するので、加熱ロール51自体の強度が低くてもよい。それゆえ、円筒形状の基体511の肉厚は、基体511に形成された切り欠きを介して回転駆動力を伝達する構成の場合よりも薄くてもよい。そして、加熱ロール51の基体511の肉厚が薄いと、加熱ロール51の熱容量が小さくなるので、上述した定着温度に早期に到達する。
また、基体511の回転軸方向の両端部に基体511よりも高い強度を有し基体511を支持する支持部材を結合し、この支持部材に形成した切り欠きを介して駆動モータ91からの回転駆動力を伝達する構成よりも、部品点数が少なくなるのでより簡易な構成となるとともに、支持部材がない分の熱容量が減るので定着温度に到達するのが早くなる。また、例えば、定着装置50にて一方の面に画像が定着された用紙を反転搬送ユニット82を介して反転するために駆動モータ91が反時計回転方向に回転する場合など、定着処理を行う必要がないときには加熱ロール51およびエンドレスベルト52は回転しないので、これらが回転する構成よりも加熱ロール51およびエンドレスベルト52の劣化が抑制される。また、定着装置50に生じた紙詰まりを解消するためにユーザが用紙を用紙搬送方向に引っ張る際の負荷が小さくなる。
また、第3の実施形態に係るねじりコイルばね532はコイル部532aのみから構成されるので、ねじりコイルばね532自体の生産性が向上するとともに、ねじりコイルばね532の取り付け方向性がない、つまり、どちらの端部からでも加熱ロール51に装着してもよいので、組み立て性が向上する。
<第4の実施形態>
第2の実施形態においては、ギヤ531とねじりコイルばね532とが回転軸方向に並んで配置されているが、第4の実施形態においては、ねじりコイルばね532は、ギヤ531の内側であって加熱ロール51の基体511の内側に配置されている点に特徴がある。以下では、第2の実施形態との差異点について述べ、同じ構成部品については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図22(a)は、第4の実施形態に係るギヤ531およびねじりコイルばね532を示す斜視図であり、(b)は断面図である。
第4の実施形態に係るギヤ531は、第2の実施形態に係るギヤ531に対して以下の点が異なる。つまり、第2の実施形態に係るギヤ531が、その内周面に、内周面から回転半径方向の外側に凹んだ半径方向凹部531fが回転軸方向全体に亘って形成されているのに対して、第4の実施形態に係るギヤ531は、内周面から回転半径方向の外側に凹んだ半径方向凹部531jが回転軸方向の端部側の一部にのみ形成されている。
また、第4の実施形態に係るねじりコイルばね532は、第2の実施形態に係るねじりコイルばね532に対して以下の点が異なる。つまり、第2の実施形態に係るねじりコイルばね532が、回転軸方向の一方の端部に突出部532dが形成されているのに対して、第4の実施形態に係るねじりコイルばね532の回転軸方向の他方の端部は、コイル部532aから回転半径方向の外側に突出するように突出部532eが形成されている。この突出部532eがギヤ531の半径方向凹部531jに挿入されて、ギヤ531の回転駆動力が、この突出部532eおよび半径方向凹部531jを介してねじりコイルばね532に伝達される。
また、第4の実施形態に係るねじりコイルばね532は、加熱ロール51の基体511の内側に嵌め込まれ、ねじりコイルばね532の外周と加熱ロール51の基体511の内周面との間に生じる摩擦力により加熱ロール51が回転駆動するように以下のように成形されている。すなわち、第4の実施形態に係るねじりコイルばね532は加熱ロール51の基体511の内側に嵌め込まれているので、ねじりコイルばね532の形状は、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けて変形することで、変形する前よりもコイル部532aの外径が大きくなり、加熱ロール51の基体511の内周面との間に生じる摩擦力が増大するように設定されている。より具体的には、第4の実施形態に係るねじりコイルばね532は、しまりばめにて加熱ロール51の基体511に嵌合されるように、ねじりコイルばね532のコイル部532aの外径は、加熱ロール51の基体511の内径よりも大きく成形されている。また、ねじりコイルばね532の形状は、ギヤ531から力を受けて変形することで加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力が、上述した必要摩擦力よりも大きくなるように設定されている。例えば、ねじりコイルばね532の材質はSUS材、線径はφ0.9、巻数は9であることを例示することができる。
以上のように第4の実施形態に係るギヤ531およびねじりコイルばね532を構成したとしても、ギヤ531およびねじりコイルばね532は、加熱ロール51に装着され、駆動モータ91からの回転駆動力を受けて回転する回転手段として機能する。そして、制御部90が、定着装置50にて定着動作を行わせるべく、駆動モータ91を図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合には、ねじりコイルばね532は、ギヤ531から力を受けてコイル部532aの外径が大きくなるように変形し、加熱ロール51も時計回転方向に回転する。加熱ロール51の回転によりエンドレスベルト52も従動回転する。これにより、トナー像が転写された用紙がニップ部Nを通過する際に、用紙上のトナー像が、ニップ部Nに作用する圧力と、加熱ロール51から供給される熱とによって定着される。他方、制御部90が、定着装置50にて定着した用紙を反転させて再度二次転写位置に向けて搬送するべく、駆動モータ91を図1で見た場合の反時計回転方向に回転した場合には、ねじりコイルばね532はコイル部532aの外径が小さくなるように変形するので、加熱ロール51は回転しない。それゆえ、エンドレスベルト52も回転しない。
このように、本実施形態に係る定着装置50においても、ギヤ531が駆動モータ91から回転駆動力を受けることに起因してねじりコイルばね532のコイル部532aの外径が大きくなるように変形することで、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力により加熱ロール51が回転するので、加熱ロール51自体の強度が低くてもよい。それゆえ、円筒形状の基体511の肉厚は、基体511に形成された切り欠きを介して回転駆動力を伝達する構成の場合よりも薄くてもよい。そして、加熱ロール51の基体511の肉厚が薄いと、加熱ロール51の熱容量が小さくなるので、上述した定着温度に早期に到達する。
また、基体511の回転軸方向の両端部に基体511よりも高い強度を有し基体511を支持する支持部材を結合し、この支持部材に形成した切り欠きを介して駆動モータ91からの回転駆動力を伝達する構成よりも、部品点数が少なくなるのでより簡易な構成となるとともに、支持部材がない分の熱容量が減るので定着温度に到達するのが早くなる。また、例えば、定着装置50にて一方の面に画像が定着された用紙を反転搬送ユニット82を介して反転するために駆動モータ91が反時計回転方向に回転する場合など、定着処理を行う必要がないときには加熱ロール51およびエンドレスベルト52は回転しないので、これらが回転する構成よりも加熱ロール51およびエンドレスベルト52の劣化が抑制される。また、定着装置50に生じた紙詰まりを解消するためにユーザが用紙を用紙搬送方向に引っ張る際の負荷が小さくなる。
なお、上述した第4の実施形態に係るねじりコイルばね532において、ねじりコイルばね532の材質を、加熱ロール51の基体511の材質であるニッケルの線膨張係数よりも大きな値の線膨張係数を有する材質、例えばSUS304とするとともに、ねじりコイルばね532の形状を、ギヤ531から力を受けて変形した場合に基体511との間に生じる摩擦力が、定着動作を行う定着温度以上の温度となったときに、上述した必要摩擦力よりも大きくなるように設定してもよい。
つまり、ねじりコイルばね532の材質の線膨張係数と加熱ロール51の基体511の材質の線膨張係数との差を考慮して、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けて変形することで生じる基体511との間の摩擦力が、定着温度より低い温度では必要摩擦力よりも小さく、定着温度以上の温度で必要摩擦力以上となるように、ねじりコイルばね532の形状を設定する。
このようにねじりコイルばね532の仕様を設定することで、定着動作を行うべき定着温度以上では、ギヤ531の回転に応じて加熱ロール51が回転するので定着が行われる。他方、定着温度より低い温度では、ギヤ531が回転しても加熱ロール51は回転しない。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置1は、4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kを備えているため、電源投入後の上述した定着温度に到達していない段階で、各色濃度などの調整のために中間転写ベルト31に一度画像を形成し、その色濃度を計測する計測処理を行う。この計測処理は、画像形成装置1のウォームアップ時間短縮のために、定着装置50の加熱開始と同時、もしくはそれよりも前に開始し、定着装置50の加熱と並行して行う。また、本実施形態に係る画像形成装置1においては、省スペース化などのために、4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K、中間転写ベルト31などを駆動する駆動源を、定着装置50の加熱ロール51を回転駆動する駆動源と同じ、駆動モータ91としている。そのため、電源投入後の上述した定着温度に到達していない段階で行う計測処理のために、駆動モータ91を駆動すると、定着装置50のギヤ531も回転する。
これに対して、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けて変形することで生じる基体511との間の摩擦力が、定着温度より低い温度では必要摩擦力よりも小さく、定着温度以上の温度で必要摩擦力以上となるように、ねじりコイルばね532の仕様を設定することで、定着温度に到達していない段階で計測処理を行うために駆動モータ91を駆動しても、加熱ロール51は回転しない。よって、エンドレスベルト52も回転しない。それゆえ、駆動モータ91には、電源投入後の上述した定着温度に到達していない低温時に、潤滑剤塗布部材58から高粘度の潤滑剤が供給されて、定着温度に到達している時よりも大きい、エンドレスベルト52の内周面と低摩擦シート56との間に生じる摩擦力に抗してエンドレスベルト52を回転させるのに必要な駆動トルクを必要としない。また、定着温度に到達していない低温時に、加熱ロール51およびエンドレスベルト52が回転することに起因して生じ易くなる、加熱ロール51、エンドレスベルト52、低摩擦シート56などの劣化が抑制される。
<第5の実施形態>
第5の実施形態においては、外周部にハス歯531aが形成された円筒状のギヤ531の内周面と加熱ロール51の基体511の外周面との間に生じる摩擦力で加熱ロール51を回転させる点に特徴がある。以下では、第1の実施形態との差異点について述べ、同じ構成部品については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図23は、第5の実施形態に係るギヤ531および加熱ロール51を示す断面図である。
第5の実施形態に係るギヤ531は、図23に示すように、基本円筒状の部材であり、その外周部にハス歯531aが形成されている。そして、ギヤ531の内周面の内径の大きさが以下のように定められている。加熱ロール51がエンドレスベルト52を介して圧力パッド54から押されることに起因して弾性変形することで、上述した定着温度以上の温度領域において、基体511との間に生じる摩擦力が、上述した必要摩擦力以上となるように設定されている。つまり、ギヤ531の内周面と加熱ロール51の基体511の外周面との間に生じる摩擦力が、エンドレスベルト52を介して圧力パッド54から押される前は必要摩擦力よりも小さく、圧力パッド54から押されて変形することで、定着温度以上の温度領域において必要摩擦力以上となるように、ギヤ531の内周面の内径の大きさを設定する。なお、ギヤ531の内周面と基体511の外周面との間に生じる摩擦力が、圧力パッド54から押されて変形することで、定着温度以上の温度領域において、必要摩擦力以上となるのであれば、例えば、エンドレスベルト52を介して圧力パッド54から押される前では、ギヤ531の内周面の内径の大きさが基体511の外周面の大きさよりも小さくてもよいし大きくてもよい。
以上のように第5の実施形態に係るギヤ531および加熱ロール51を構成したとしても、ギヤ531は、加熱ロール51に装着され、駆動モータ91からの回転駆動力を受けて回転する回転手段として機能する。そして、制御部90が、定着装置50にて定着動作を行わせるべく、駆動モータ91を図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合には、加熱ロール51はエンドレスベルト52を介して圧力パッド54から加圧されて変形しているので、ギヤ531の内周面と基体511の外周面との間に生じる摩擦力により、加熱ロール51も時計回転方向に回転する。加熱ロール51の回転によりエンドレスベルト52も従動回転する。これにより、トナー像が転写された用紙がニップ部Nを通過する際に、用紙上のトナー像が、ニップ部Nに作用する圧力と、加熱ロール51から供給される熱とによって定着される。
このように、本実施形態に係る定着装置50においては、加熱ロール51がエンドレスベルト52を介して圧力パッド54から加圧されて変形することで、ギヤ531の内周面と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力により加熱ロール51が回転するので、加熱ロール51自体の強度が低くてもよい。それゆえ、円筒形状の基体511の肉厚は、基体511に形成された切り欠きを介して回転駆動力を伝達する構成の場合よりも薄くてもよい。そして、加熱ロール51の基体511の肉厚が薄いと、加熱ロール51の熱容量が小さくなるので、上述した定着温度に早期に到達する。また、基体511の回転軸方向の両端部に基体511よりも高い強度を有し基体511を支持する支持部材を結合し、この支持部材に形成した切り欠きを介して駆動モータ91からの回転駆動力を伝達する構成よりも、部品点数が少なくなるのでより簡易な構成となるとともに、支持部材がない分の熱容量が減るので定着温度に到達するのが早くなる。
<第6の実施形態>
第6の実施形態においては、定着温度以上の温度となった場合に、ギヤ531の材質の線膨張係数と加熱ロール51の基体511の材質の線膨張係数との差に起因する変形によりギヤ531の内周面と加熱ロール51の基体511の外周面との間に生じる摩擦力で加熱ロール51を回転させる点に特徴がある。以下では、第5の実施形態との差異点について述べ、同じ構成部品については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第6の実施形態に係るギヤ531は、図23に示すような、外周部にハス歯531aが形成された基本円筒状の部材である。そして、ギヤ531の材質および内周面の内径の大きさが以下のように定められている。すなわち、ギヤ531の材質は、耐熱性が高い材質であって、加熱ロール51の基体511の材質であるニッケルの線膨張係数よりも小さな値の線膨張係数を有する材質、例えばSUS430とする。ギヤ531の内周面の内径の大きさは、基体511の外周面との間に生じる摩擦力が、定着温度より低い温度の場合には、上述した必要摩擦力よりも小さく、定着温度以上の温度の場合に、上述した必要摩擦力以上となるように設定する。つまり、定着温度より低い温度では、ギヤ531の内周面と基体511の外周面との間に生じる摩擦力が必要摩擦力よりも小さく、定着温度以上の温度領域となった場合に、ギヤ531の材質の線膨張係数と加熱ロール51の基体511の材質の線膨張係数との違いに起因して基体511の外周面の外径の熱膨張量がギヤ531の内周面の内径の熱膨張量よりも大きくなり、両者の間に生じる摩擦力が必要摩擦力以上となるように、ギヤ531の内周面の内径の大きさを設定する。
以上のように第6の実施形態に係るギヤ531および加熱ロール51を構成したとしても、ギヤ531は、加熱ロール51に装着され、駆動モータ91からの回転駆動力を受けて回転する回転手段として機能する。そして、制御部90が、定着装置50にて定着動作を行わせるべく、駆動モータ91を図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合には、ギヤ531の材質の線膨張係数と加熱ロール51の基体511の材質の線膨張係数との差に起因する変形によりギヤ531の内周面と加熱ロール51の基体511の外周面との間に生じる摩擦力が必要摩擦力以上であるので、加熱ロール51も時計回転方向に回転する。加熱ロール51の回転によりエンドレスベルト52も従動回転する。これにより、トナー像が転写された用紙がニップ部Nを通過する際に、用紙上のトナー像が、ニップ部Nに作用する圧力と、加熱ロール51から供給される熱とによって定着される。
このように、本実施形態に係る定着装置50においては、加熱ロール51およびギヤ531が熱変形することで、ギヤ531の内周面と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力により加熱ロール51が回転するので、加熱ロール51自体の強度が低くてもよい。それゆえ、円筒形状の基体511の肉厚は、基体511に形成された切り欠きを介して回転駆動力を伝達する構成の場合よりも薄くてもよい。そして、加熱ロール51の基体511の肉厚が薄いと、加熱ロール51の熱容量が小さくなるので、上述した定着温度に早期に到達する。また、基体511の回転軸方向の両端部に基体511よりも高い強度を有し基体511を支持する支持部材を結合し、この支持部材に形成した切り欠きを介して駆動モータ91からの回転駆動力を伝達する構成よりも、部品点数が少なくなるのでより簡易な構成となるとともに、支持部材がない分の熱容量が減るので定着温度に到達するのが早くなる。
なお、上述した第6の実施形態の特徴点に、さらに、第5の実施形態の特徴点を加えてもよい。すなわち、定着動作を行う定着温度以上の温度となった場合の、ギヤ531の材質の線膨張係数と加熱ロール51の基体511の材質の線膨張係数との差に起因する変形と、加熱ロール51がエンドレスベルト52を介して圧力パッド54から押されることに起因する変形とが共に生じることで、ギヤ531の内周面と加熱ロール51の基体511の外周面との間に生じる摩擦力が上述した必要摩擦力以上となるように設定してもよい。
また、上述した第1から第6の実施形態の特徴点を組み合わせてもよい。例えば、上述した第1の実施形態の特徴点に、さらに、第5の実施形態の特徴点を加えてもよい。すなわち、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けてコイル部532aの内径が小さくなる変形と、加熱ロール51がエンドレスベルト52を介して圧力パッド54から押されることに起因する変形と、が共に生じることで、ねじりコイルばね532と加熱ロール51の基体511との間に生じる摩擦力が上述した必要摩擦力以上となるように設定してもよい。
<第7の実施形態>
第1から第6の実施形態においては、スラスト軸受け部材517を用いて、ギヤユニット53、ギヤ531、ねじりコイルばね532および加熱ロール51の、回転軸方向の移動を規制する態様であるが、第7の実施形態は、これらの部材の回転軸方向の移動を規制する態様が異なる。以下では、第1の実施形態との差異点について述べ、同じ構成部品については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図24(a)は、第7の実施形態に係るギヤ531および加熱ロール51などを示す断面図であり、(b)は、第7の実施形態に係る保持部材520などを示す断面図である。
第7の実施形態に係るギヤ531は、外周部にハス歯531aが形成され、内側にはねじりコイルばね532が装着される装着部531bが形成された円筒状部位である第4の円筒部531kと、この第4の円筒部531kの回転軸方向の一方の端部側に連続して形成された第5の円筒部531mと、第4の円筒部531kの回転軸方向の他方の端部側に連続して形成された第6の円筒部531nと、を有する。第5の円筒部531mの内径は、加熱ロール51の基体511の外径よりも大きく、第5の円筒部531mに基体511がすきまばめにて嵌め込まれる。他方、第5の円筒部531mの外径は、加熱ロール51をメインフレーム50aに対して回転可能に支持する軸受け部材514aが嵌合されるように成形されている。そして、第5の円筒部531mの外周面には、この外周面から回転半径方向の内側に円周方向には全域に亘って凹んだ凹部531mhが設けられている。第6の円筒部531nの内径は、加熱ロール51の基体511の内径よりも小さく、ハロゲンヒータ515が内側を通ることが可能なようにハロゲンヒータ515の外径よりも大きい。他方、第6の円筒部531nの外径は、第4の円筒部531kの内径より大きくハス歯531aの底径よりも小さい。
軸受け部材514aは、例えばボールベアリングであり、外周面はメインフレーム50aに嵌合される。そして、その外周面には、外周面から回転半径方向の外側に突出した突出部514acが設けられている。他方、軸受け部材514aの内周面は、第5の円筒部531mの外周面に嵌合される。そして、軸受け部材514aがギヤ531に嵌合された後に、第5の円筒部531mの外周面に形成された凹部531mhにC形状のリング518が嵌め込まれることで、軸受け部材514aは、ギヤ531の第4の円筒部531kの端面とリング518とで、回転軸方向の移動が規制される。
以上のように構成されたギヤユニット53、軸受け部材514a、加熱ロール51の組み付け方法を説明する。先ず、ギヤ531の第5の円筒部531m側から、ねじりコイルばね532の外径が小さくなる方向に回転させながら、ねじりコイルばね532を第4の円筒部531kの装着部531bに装着することでギヤユニット53を組み立てる。そして、軸受け部材514aをギヤ531の第5の円筒部531mの外周面に嵌合し、リング518を凹部531mhに嵌め込むことで、ギヤユニット53、軸受け部材514aおよびリング518から構成されるギヤアッシーとする。その後、このギヤアッシーを、ねじりコイルばね532の内径が大きくなる方向に回転させながら、加熱ロール51の基体511に嵌合する。
図24(b)に示すように、加熱ロール51の回転軸方向の一方の端部側には、加熱ロール51を保持する保持部材520が設けられている。保持部材520には、加熱ロール51の基体511が内側に嵌合される基体嵌合面520aと、外周面にこの外周面から回転半径方向の外側に突出した突出部514acが設けられた軸受け部材514aが外側に嵌合される軸受け嵌合面520bと、が形成されている。軸受け嵌合面520bには、この軸受け嵌合面520bから回転半径方向の内側に円周方向には全域に亘って凹んだ凹部520bhが設けられている。また、保持部材520は、基体嵌合面520aの回転軸方向の一方の端部側に位置して基体嵌合面520aから回転半径方向の内側に突出した内側突出部520cと、軸受け嵌合面520bの回転軸方向の一方の端部側に位置して軸受け嵌合面520bから回転半径方向の外側に突出した外側突出部520dと、を有している。内側突出部520cの内径は、加熱ロール51の基体511の内径よりも小さく、ハロゲンヒータ515が内側を通ることが可能なようにハロゲンヒータ515の外径よりも大きい。
このように構成された保持部材520を加熱ロール51に組み付ける前に、保持部材520に軸受け部材514aを嵌合し、軸受け嵌合面520bの外周面に形成された凹部520bhにC形状のリング518を嵌め込んで、軸受け部材514aの回転軸方向の移動を、外側突出部520dとリング518とで規制する状態にする。その後、軸受け部材514aが嵌合された保持部材520を加熱ロール51に嵌合する。
そして、軸受け部材514aが嵌合された保持部材520が回転軸方向の一方の端部側に、ギヤアッシーが回転軸方向の他方の端部側に嵌合された加熱ロール51を、U字状の孔が形成されたメインフレーム50aに嵌合する。その際、2つの軸受け部材514aの外周面に設けられた突出部514acが、それぞれメインフレーム50aの内側に位置するように嵌め込む。これにより、加熱ロール51およびギヤユニット53の、回転軸方向の移動が規制される。
その他、ギヤユニット53、ギヤ531、ねじりコイルばね532および加熱ロール51の、回転軸方向の移動を規制する態様は、以下の構成でよい。すなわち、加熱ロール51の基体511の内径を回転軸方向の全域に亘って略一定とし、外径を、回転軸方向の中央部から両端部それぞれに向けて徐々に大きくなるようにする。言い換えれば、基体511の内径を回転軸方向の全域に亘って略一定とし、基体511の肉厚を、回転軸方向の中央部から両端部それぞれに向けて徐々に厚くなるようにする。これにより、基体511の外径は、軸受け部材514aの内側よりも外側の方が大きくなるので、加熱ロール51の回転軸方向の移動が抑制される。また、基体511の外径は、ギヤユニット53、ギヤ531、あるいはねじりコイルばね532の内側の位置よりも外側の位置の方が大きくなるので、基体511に対して、ギヤユニット53、ギヤ531、あるいはねじりコイルばね532が外側へ向かおうとする移動が抑制される。
<第8の実施形態>
第1から第7の実施形態に係る定着装置50においては、エンドレスベルト52と接触することで弾性変形してニップ部Nを形成し、エンドレスベルト52と接触していない状態では自らの剛性で円筒形状に復元する基体511を有する加熱ロール51を、摩擦力を用いて回転させているが、第8の実施形態に係る定着装置60においては、基体511よりも剛性が低い物を摩擦力を用いて回転させる点が異なる。以下では、第1の実施形態との差異点について述べ、同じ構成部品については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図25は、第8の実施形態に係る定着装置60の構成を示す概略正面図であり、用紙搬送方向下流側から、図1のII方向に見た図である。図26は、図25のXXVI−XXVI部における断面図である。図27は、加熱ベルト61の拡大断面図である。図28は、加熱ベルト61が支持された状態を説明するための図であり、図25におけるXXVIII部の拡大図である。
第8の実施形態に係る定着装置60は、無端状の周面を有する加熱部材の一例としての加熱ベルト61と、加熱ベルト61の外周面に接触するように配置され、加熱ベルト61を加圧する加圧手段の一例としての加圧ロール62と、を有している。そして、加熱ベルト61には、外力を受けて回転する回転手段の一例としてのギヤユニット53が装着される。
加熱ベルト61は、図27に示すように、内周面側から順に、耐熱性の高いシート状部材からなる基層611と、弾性層612と、外周面となる表面離型層613とが積層されて構成されている。また、各層の間には接着のためのプライマー層等が設けられる場合がある。
基層611としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等のフレキシブルで機械的強度に優れ、耐熱性が高い材料が用いられる。厚さは、10から150μmの範囲であればよい。これは、厚さが10μmより小さい場合には加熱ベルト61としての強度が得られず、厚さが150μmより大きい場合には、フレキシブル性が損なわれ、また熱容量が大きくなって定着温度まで到達する時間が長くなるからである。本実施形態では、厚さ80μmのポリイミド樹脂からなるシート状部材を使用している。
弾性層612としては、耐熱性、熱伝導性に優れたシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が用いられる。厚さは、10から500μmの範囲であればよい。これは、以下の理由による。カラー画像を印刷する場合、特に写真画像等の印刷時には、用紙上で大きな面積領域に亘ってベタ画像が形成されることが多い。そのため、用紙やトナー像の凹凸に加熱ベルト61の表面(表面離型層613)が追従できない場合には、トナー像に加熱ムラが発生して、伝熱量が多い部分と少ない部分とで定着画像に光沢ムラが発生する。すなわち、伝熱量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低くなる。この現象は、弾性層612の厚さが10μmより小さい場合に生じ易い。そこで、弾性層612の厚さは、10μm以上に設定するとよい。一方、弾性層612が500μmより大きい場合には、弾性層612の熱抵抗が大きくなり、定着装置60のクイックスタート性能が低下する。そこで、弾性層612の厚さは、500μm以下に設定するとよい。本実施形態では、ゴム硬度15°(JIS−A:JIS−K A型試験機)、厚さ200μmのシリコーンゴムを使用している。
また、弾性層612のゴム硬度としては、高すぎると用紙やトナー像の凹凸に追従しきれず定着画像に光沢ムラが発生し易い。そこで、弾性層612のゴム硬度としては50゜(JIS−A:JIS−K A型試験機)以下がよい。
さらに、弾性層612の熱伝導率λに関しては、λ=6×10−4から2×10−3[cal/cm・sec・deg ]がよい。熱伝導率λが6×10−4[cal/cm・sec・deg ]よりも小さい場合には熱抵抗が大きく、加熱ベルト61の表層(表面離型層613)における温度上昇が遅くなる。一方、熱伝導率λが2×10−3[cal/cm・sec・deg ]よりも大きい場合には、硬度が過度に高くなったり、圧縮永久歪みが悪化する。そのため、熱伝導率λは6×10−4から2×10−3[cal/cm・sec・deg ]に設定するのがよい。
表面離型層613は、用紙上に転写された未定着トナー像と直接的に接触する層であるため、離型性および耐熱性に優れた材料を使用する必要がある。したがって、表面離型層613を構成する材料としては、例えばテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が用いられる。
また、表面離型層613の厚さは、5から50μmがよい。表面離型層613の厚さが5μmよりも小さい場合には、塗膜時に塗りムラが生じて離型性の悪い領域が形成されたり、耐久性が不足したりするといった問題が発生するおそれがあるからである。また、表面離型層613が50μmを超える場合には、熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の材質で形成された表面離型層613では硬度が高くなりすぎ、弾性層612が有する機能を低下させるからである。なお、本実施形態では、厚さ30μmのPFAを使用している。
ここで、表面離型層613におけるトナー離型性を向上するため、表面離型層613にトナーオフセット防止のためのオイル(離型剤)を塗布するオイル塗布機構を加熱ベルト61に接触させて配置してもよい。特に、低軟化物質を含有しないトナーを用いた場合には効果的である。
加圧ロール62は、図26に示したように、芯材(コア)としての金属製の円筒状部材621と、円筒状部材621の表面にシリコーンゴム、発泡シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性を有する弾性層622と、最外表面の表面離型層623とで構成されている。そして、加圧ロール62は、加熱ベルト61の回転軸と略平行に配置されるとともに、両端部が引張りバネ59によって加熱ベルト61側に付勢されて支持されている。本実施の形態では、加圧ロール62は、加熱ベルト61を介して総荷重50〜250N(5.1〜25.5kgf)で圧力パッド64に付勢されている。そして、加圧ロール62は加熱ベルト61が回転するのに伴い、従動回転する。
次に、加熱ベルト61を支持する構成について述べる。
定着装置60は、加熱ベルト61を回転可能に支持する圧力パッド64(図26参照)およびエッジガイド65(図28参照)と、加熱ベルト61の内周面と圧力パッド64との摺擦抵抗を小さくする低摩擦シート66(図26参照)と、圧力パッド64と低摩擦シート66とを保持する金属製のホルダ67(図26参照)と、を有している。
圧力パッド64は、加圧ロール62の外表面形状に沿う凹状曲面を有しており、加熱ベルト61の内側において、加熱ベルト61を介して加圧ロール62に押圧される状態で配置され、加熱ベルト61と加圧ロール62との間にニップ部Nを形成する。圧力パッド64は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性材料や、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)や液晶ポリマー(LCP)等の耐熱性樹脂等で形成されている。そして、圧力パッド64は、加熱ベルト61の回転軸方向において、用紙が通過する領域よりも広い領域に亘って設けられ、この圧力パッド64の長手方向の略全長に亘って加圧ロール62が押圧されるように構成されている。
低摩擦シート66は、圧力パッド64の加熱ベルト61と接する面に設けられている。また、低摩擦シート66は、加熱ベルト61の内周面と圧力パッド64との摩擦抵抗を低減するために摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質で成形されている。また、加熱ベルト61の内周面に塗布された潤滑剤が、加熱ベルト61との摺動部に入り込めるように、低摩擦シート66の加熱ベルト61側の表面には、微小な凹凸が形成されている。この凹凸の粗さは、Ra(算術平均粗さ)が5から30μmである。これは、凹凸の粗さがRa=5μmより小さければ、エンドレスベルト52との摺動部に充分な潤滑剤を入り込ませ難いため適当ではなく、その一方で、Ra=30μmより大きければ、凹凸の跡がOHPやコート紙を定着した際に光沢むらとして目立つために好ましくないことに基づくものである。さらには、低摩擦シート66は、潤滑剤が滲み込んで裏面から漏れ出ないように、潤滑剤に対する浸潤性のない(難通過性)ように成形されている。具体的には、フッ素樹脂からなる多孔質樹脂繊維布をベース層として圧力パッド64側の面にPET樹脂シートをラッピングさせたもの、シンタード成形したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート等により成形されることを例示することができる。なお、低摩擦シート66は、圧力パッド64と別体に構成しても、圧力パッド64と一体的に構成してもよい。
ホルダ67は、加熱ベルト61の回転軸方向に伸びている部材であり、上述した圧力パッド64および低摩擦シート66と、加熱ベルト61の回転軸方向に伸びて加熱ベルト61の内周面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材68と、を保持する。また、ホルダ67は、画像形成装置1の本体フレーム(不図示)に固定された定着装置60用のフレームであるメインフレーム60aに嵌め込まれる被嵌合部67aを、回転軸方向の両端部それぞれに備えている。被嵌合部67aは、図28に示すように、基本的には円筒形状であり、回転軸方向の最端部に、回転半径方向の外側に向かって折り曲げられた縁部67abが設けられている。また、被嵌合部67aの内径は、ハロゲンヒータ515が内側を通ることが可能なようにハロゲンヒータ515の外径よりも大きい。尚、ハロゲンヒータ515に換えて、電磁誘導方式の加熱部材を用いる場合には、加熱ベルト61の内側に電磁誘導用のコイル等が通ることが可能なように構成させる。
潤滑剤塗布部材68は、耐熱性フェルトで構成され、例えば粘度300csのアミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤が3g程度含浸されている。そして、潤滑剤塗布部材68は加熱ベルト61の内周面に対して接触するように配置され、耐熱性フェルトからの浸透圧により、潤滑剤を適量ずつ加熱ベルト61の内周面に供給する。なお、潤滑剤塗布部材68は、耐熱性フェルトからの潤滑剤の供給が過多にならないように、耐熱性フェルトのエッジ部が加熱ベルト61の内周面に接触するように構成されている。これにより、加熱ベルト61と低摩擦シート66との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート66を介した加熱ベルト61と圧力パッド64との摺擦抵抗をさらに低減して、加熱ベルト61の円滑な回転を図っている。
エッジガイド65は、加熱ベルト61の回転軸方向の両端部それぞれに設けられている。そして、エッジガイド65は、図28に示すように、加熱ベルト61の内周面を支持する支持部材651と、支持部材651を保持するとともに、本体フレーム(不図示)に固定された定着装置60用のフレームであるサブフレーム60bに嵌め込まれる保持部652と、を有している。保持部652は、図28に示すように、基本的には円筒形状であり、回転軸方向の外側の端部に、回転半径方向の外側に向かって折り曲げられた縁部652aが設けられているとともに、外周面には、この外周面から回転半径方向の内側に円周方向には全域に亘って凹んだ凹部652bが2つ設けられている。また、保持部652の内径は、保持部652を、ホルダ67の外側から加熱ベルト61の内側に挿入可能なように、ホルダ67の被嵌合部67aの縁部67abの外径よりも大きい。支持部材651は、例えばニードルベアリングであり、後述するように加熱ベルト61がねじりコイルばね532から締め付けられる際に加熱ベルト61がつぶれて円形を確保できなくなるのを抑制するために、加熱ベルト61を介してねじりコイルばね532と対向するように配置される。また、支持部材651は、保持部652の外周面に嵌合された後、保持部652の2つの凹部652bそれぞれにC形状のリング653が嵌め込まれることで、回転軸方向の移動が規制される。
そして、加熱ベルト61は、エッジガイド65の支持部材651に支持されながら回転する。
第8の実施形態に係るギヤユニット53は、第1の実施形態に係るギヤユニット53と同様に、ギヤ531と、ねじりコイルばね532と、キャップ533と、を有している。そして、ねじりコイルばね532の仕様が以下を満足する点が異なる。すなわち、第8の実施形態に係るねじりコイルばね532は、しまりばめにて加熱ベルト61に嵌合されるように、ねじりコイルばね532のコイル部532aの内径は、支持部材651に支持された加熱ベルト61の外径よりも小さく成形されている。そして、ねじりコイルばね532は、上述した定着温度のときにねじりコイルばね532と加熱ベルト61との間に生じる摩擦力が、加熱ベルト61と加圧ロール62との間に生じる摩擦力に抗して加熱ベルト61が回転するのに必要な必要摩擦力よりも小さく、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けて内径が小さくなるように変形することで増大した摩擦力が、この必要摩擦力以上となるように設定されている。
また、第8の実施形態に係るギヤユニット53にて加熱ベルト61に回転駆動力を伝達するために、第8の実施形態に係る定着装置60においては、加熱ベルト61を介してねじりコイルばね532と対向する位置に支持部材651を備え、ねじりコイルばね532がギヤ531から力を受けて内径が小さく変形したとしても加熱ベルト61の形状を保持する点が第1の実施形態に係る定着装置50とは異なる。
以上のように構成された定着装置60は、以下のように作用する。
制御部90が、定着装置60にて定着動作を行わせるべく、駆動モータ91を図1で見た場合の時計回転方向に回転した場合には、ギヤユニット53のギヤ531も時計回転方向に回転する。かかる場合、ギヤユニット53のねじりコイルばね532は、ギヤ531から力を受けてコイル部532aの内径が小さくなるように変形し、加熱ベルト61も時計回転方向に回転する。そして、加熱ベルト61の回転により加圧ロール62も従動回転する。
そして、画像形成装置1の二次転写位置においてトナー像が転写された用紙がニップ部Nを通過する際に、用紙上のトナー像が、ニップ部Nに作用する圧力と、加熱ベルト61から供給される熱とによって定着される。つまり、用紙上のトナー像を、加熱ベルト61と加圧ロール62とで、加圧および加熱することで用紙に定着させる。本実施形態の定着装置60では、ほぼ加圧ロール62の外周面に沿う凹形状の圧力パッド64によりニップ部Nを広くしているため、ニップ部が狭い場合よりも定着がより良好に行われる。
他方、制御部90が、定着装置60にて定着した用紙を反転させて再度二次転写位置に向けて搬送するべく、駆動モータ91を図1で見た場合の反時計回転方向に回転した場合には、ギヤユニット53のギヤ531も反時計回転方向に回転する。かかる場合、ギヤユニット53のねじりコイルばね532は、ギヤ531から力を受けてコイル部532aの内径が大きくなるように変形するので、加熱ベルト61は回転しない。それゆえ、加圧ロール62も回転しない。
以上説明したように、本実施形態に係る定着装置60においては、ギヤ531が駆動モータ91から回転駆動力を受けて回転した場合にねじりコイルばね532のコイル部532aの内径が小さくなるように変形することで、ねじりコイルばね532と加熱ベルト61との間に生じる摩擦力により、加熱ベルト61が回転する。つまり、例えば、ギヤ531と加熱ベルト61とを接着剤にて接着し、ギヤ531と加熱ベルト61とを一体として回転させるのではない。もし、ギヤ531と加熱ベルト61とを接着剤にて接着する場合には、加熱ベルト61が加圧ロール62との間に生じる摩擦力に抗して回転する力に耐え得るほど強力な接着力を有する接着剤を用いなければならない。しかしながら、本実施形態に係る定着装置60においては、加熱ベルト61の外周面に生じる摩擦力により加熱ベルト61を回転させるので、接着剤を用いる必要がないので、接着剤を用いる構成よりもコストダウンを図れる。また、接着部分でギヤ531から加熱ベルト61が剥がれることもないので、接着剤を用いる構成よりも製品の信頼性が向上するとともに耐久性が向上する。
また、例えば、定着装置60にて一方の面に画像が定着された用紙を反転搬送ユニット82を介して反転するために駆動モータ91が反時計回転方向に回転する場合など、定着処理を行う必要がないときには加熱ベルト61および加圧ロール62は回転しないので、これらが回転する構成よりも加熱ベルト61および加圧ロール62の劣化が抑制される。また、定着装置60に生じた紙詰まりを解消するためにユーザが用紙を用紙搬送方向に引っ張る際の負荷が小さくなる。
なお、上記第8の実施形態においては、加熱ベルト61の回転軸方向の両端部を、エッジガイド65の支持部材651で支持しているが、加熱ベルト61がねじりコイルばね532による締め付け力に耐え得る剛性を有しているのであれば、支持部材651で支持する必要はない。かかる場合には、上記実施形態からエッジガイド65を省略してもよい。
また、上述した第1から第3の実施形態、および第7の実施形態の特徴点を、第8の実施形態に定着装置60に適用してもよい。
また、上述した第1から第8の実施形態においては、用紙を加熱する加熱ロール51あるいは加熱ベルト61に生じる摩擦力を利用して加熱ロール51あるいは加熱ベルト61を回転させるという特徴点を、転写された用紙上のトナー像を圧力と熱とによって定着する定着装置50あるいは定着装置60に適用した場合を例示したが、記録媒体に接触してこの記録媒体に熱を伝える他の装置にも適用してよい。例えば、インクジェット方式の画像形成装置に用いられ、インクを突出させるインクヘッドの記録媒体搬送方向の上流側に設けられて、記録媒体に熱を加える装置や、インクヘッドの記録媒体搬送方向の下流側に設けられて、記録媒体に塗布されたインクを乾燥する装置および記録媒体にしわがよるのを防止する装置にも適用してもよい。
1…画像形成装置、10…画像形成部、20…光学系ユニット、30…中間転写ユニット、41…二次転写ロール、50,60…定着装置、51…加熱ロール、52…エンドレスベルト、53…ギヤユニット、61…加熱ベルト、62…加圧ロール、70…用紙供給部、80…用紙搬送部、90…制御部、91…駆動モータ、531…ギヤ、532…ねじりコイルばね、533…キャップ

Claims (12)

  1. 記録媒体を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材を加圧する加圧手段と、
    前記加熱部材に装着され、外力を受けて回転する回転手段と、を有し、
    前記加熱部材は、前記回転手段および当該加熱部材の少なくともいずれかの変形に起因する当該回転手段との摩擦力により、当該回転手段が回転するのに伴って回転することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記回転手段は、外力を受けて回転する回転部材と、当該回転部材の回転に伴い変形する弾性部材と、を有し、
    前記加熱部材は、前記弾性部材が前記回転部材の回転に伴い変形することに起因して当該弾性部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記弾性部材は、前記加熱部材の外側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、
    前記ねじりコイルばねは、前記回転部材の回転に伴い前記コイル部の内径が小さくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の加熱装置。
  4. 前記加熱部材は円筒形状であり、
    前記弾性部材は、前記加熱部材の内側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、
    前記ねじりコイルばねは、前記回転部材から力を受けることにより前記コイル部の外径が大きくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の加熱装置。
  5. 前記回転手段は、前記加熱部材の外側に配置され、外周部に外力を受ける歯が形成された回転部材であり、
    前記加熱部材は、前記加圧手段から加圧されて変形することに起因して前記回転部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  6. 前記回転手段は、前記加熱部材の外側に配置され、外周部に外力を受ける歯が形成された回転部材であり、
    前記加熱部材は、当該加熱部材と前記回転手段を構成する部材との線膨張係数の差に起因して当該加熱部材と当該回転手段を構成する部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  7. 画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によって形成された前記画像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記画像が転写された当該記録媒体を加熱する加熱手段とを備え、
    前記加熱手段は、
    前記記録媒体を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材を加圧する加圧手段と、
    前記加熱部材に回転可能に装着され、外力を受けて回転する回転手段と、を有し、
    前記加熱部材は、前記回転手段および当該加熱部材の少なくともいずれかの変形に起因する当該回転手段との間に生じる摩擦力により、当該回転手段が回転するのに伴って回転することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記回転手段は、外力を受けて回転する回転部材と、当該回転部材の回転に伴い変形する弾性部材と、を有し、
    前記加熱部材は、前記弾性部材が前記回転部材の回転に伴い変形することに起因して当該弾性部材との間に生じる摩擦力により回転することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記弾性部材は、前記加熱部材の外側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、
    前記ねじりコイルばねは、前記回転部材の回転に伴い前記コイル部の内径が小さくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記加熱部材は円筒形状であり、
    前記弾性部材は、前記加熱部材の内側にコイル部が配置されたねじりコイルばねであり、
    前記ねじりコイルばねは、前記回転部材から力を受けることにより前記コイル部の外径が大きくなるように変形することで当該回転部材から力を受ける前よりも前記加熱部材との間に生じる摩擦力を大きくすることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 加熱されるとともに対向する対向部材から加圧され、当該対向部材との間で記録媒体を加熱加圧する加熱加圧部と、
    外力を受けて回転する回転手段が装着される被装着部であって、当該回転手段の変形および当該被装着部の変形の少なくともいずれかに起因して当該回転手段との間に生じる摩擦力であって、当該回転手段が回転するのに伴って回転することが可能な摩擦力が生じる当該被装着部と、
    を有することを特徴とする加熱部材。
  12. 外周部に外力を受ける突部が形成された回転部材と、当該回転部材の内側に取り付けられるねじりコイルばねと、を有する回転手段を、加熱部材の外周面に装着する装着方法であって、
    前記回転手段の前記ねじりコイルばねのコイル部の内径が前記加熱部材の外周面との間に生じる摩擦力により大きくなる方向に当該回転手段を回転させながら当該加熱部材の外周面に当該回転手段を装着することを特徴とする装着方法。
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