JP2012126763A - ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い耐久性や耐加水分解性が求められる用途においても、回収ポリエステル樹脂を使用できるよう、回収ポリエステル樹脂の極限粘度および酸価をこれらの用途で求められるヴァージンポリエステル樹脂並みに再生する。
【解決手段】 回収ポリエステル樹脂をエチレングリコール存在下で、ポリエステルの融点以下の温度で加熱処理した後、固相重合する回収ポリエステル樹脂の再生方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステルの製造方法、特にはその方法を回収ポリエステルに適応した回収ポリエステルの再生方法に関する。詳しくは、回収ポリエステルを再使用しても、製品の品質を損なうことの無いよう、回収ポリエステル樹脂の極限粘度(IV)、および酸価(AV)を、ヴァージンポリエステル樹脂並みに再生することに関する。
近年、PETボトルからのリサイクルが盛んに行われている。しかし、回収ポリエステル樹脂は、ヴァージンポリエステル樹脂と比較し、IV低下など品質が劣化しており、回収ポリエステル樹脂を再使用する用途が限られてくる。
これに対しては、ボトル用途の回収ポリエステル樹脂を固相重合することにより、IVを目標まで増加させることで、再びボトルの成形に用いることができるようなポリエステル樹脂を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
一方、ポリエステル樹脂は近年さまざまな用途で用いられており、釣り糸、漁網などの水産資材、屋外用の高強度ロープや高強度ネット、タイヤコードなどのゴム補強材料、モーター絶縁フィルム、太陽電池のバックシートやフロントシート、屋外装飾用フィルム、屋外用の各種成形品にも用いられている。これらの物品は高い耐久性、特に高い耐加水分解性を必要とするものであり、そのため、高IV、低AVのものが用いられている。例えば、特許文献6にはカルボキシル末端基量の少ない耐加水分解性に優れたポリエステル繊維が開示されている。また、特許文献7、特許文献8にはカルボキシル末端基濃度が小さい、IVが高いフィルムが開示されている。
これらの高い耐久性が求められる用途においても、近年の環境保護、省資源化の観点からPETボトル等からの回収ポリエステル樹脂を使用する要求が高まっている。しかし、前述の特許文献1〜5に記載された技術を用いて、回収ポリエステル樹脂を固相重合してIVを同等にしたものであっても、ヴァージンポリエステル樹脂のみを用いたものと比較すると、耐久性に満足できるものではなかった。これは、固相重合ではAVを十分下げることができないことが原因である。特許文献9では、回収ポリエステル樹脂を一旦、解重合したのち、ヴァージンポリエステルオリゴマーと混合し再重合してカルボキシル末端基濃度を低下させる技術が開示されている。しかし、上記方法では、高い耐久性を要求される用途においては十分な特性を満たすことができなかった。
また、上記の用途においてはヴァージンポリエステルであっても非常に高IV、低AVのものが求められている。このような高IV、低AVのヴァージンポリエステルは溶融重合後に固相重合することによって製造することができるが、一般の用途の溶融重合ポリエステルを十分な低AVのポリエステルとするには固相重合に非常に長時間かかり、IVとAVのバランスが取りにくかったり、これを調整するためには溶融重合で低AVとなるような特別な条件を採用したりするため、工業的な生産に適合しにくいものであった。
特開2000−219728号公報 特開2002−37915号公報 特開2003−96175号公報 特開2003−119268号公報 特開2005−2197号公報 特開平8−144126号公報 特開平8−283545号公報 特開2007−70430号公報 特開2005−206966号公報
本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明は、高い耐久性や耐加水分解性が求められる用途に適合するポリエステル樹脂を効率よく製造する方法を提供するものであり、その方法を回収ポリエステルに適用することにより、これら用途においても回収ポリエステル樹脂を使用できるよう、回収ポリエステル樹脂のIVおよびAVをこれらの用途で求められるヴァージンポリエステル樹脂並みに再生することを目的としている。
本発明者らは、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本願の第一の発明は、固形状のポリエステル樹脂をエチレングリコール存在下で、ポリエステルの融点以下の温度で加熱処理した後、固相重合することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法である。
また、本願の第二の発明は、固相重合後のポリエステル樹脂の極限粘度(IV)を0.60dl/g以上、酸価(AV)を10eq/t以下とする前記のポリエステル樹脂の製造方法である。
また、本願の第三の発明は、固形状のポリエステル樹脂として回収ポリエステル樹脂を用い、当該回収ポリエステルからリサイクルポリエステル樹脂を再生する前記のポリエステル樹脂の製造方法である。
また、本願の第四の発明は、固形状のポリエステル樹脂としてヴァージンポリエステル樹脂を用いる前記のポリエステル樹脂の製造方法である。
また、本願の第五の発明は、ヴァージンポリエステル樹脂と、前記の製造方法により得られたリサイクルポリエステル樹脂からなるポリエステル樹脂混合物を用いて成形した成形品であり、前記リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有し、その成形品の物性が、前記ヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品に対して、以下を同時に満たすことを特徴とする成形品である。
ΔIV≦0.03
ΔAV≦2
(ここで、ΔIVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のIV(dl/g)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂混合物を成形した成形品のIV(dl/g)との差の絶対値を示す。ΔAVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のAV(eq/t)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂混合物を成形した成形品のAV(eq/t)との差の絶対値を示す。)
また、本願の第六の発明は、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有し、IVが0.60dl/g以上、AVが10eq/t以下であることを特徴とするポリエステル樹脂成形品である。
また、本願の発明は、上記成形品が繊維、またはフィルムであることを特徴とする、成形品である。この構成からなるポリエステルフィルムは耐加水分解性、耐候性に優れ、モーター絶縁用フィルム、自動車用フィルム、屋外装飾用フィルムなどの用途に好適である。
本発明により、PETボトルなどからリサイクルされたポリエステルを、背景技術で例示したようなこれまで使用できなかった高耐久性が求められる用途にも使用できるようになる。
また、本発明の技術はPETボトルに代表される市場からリサイクルされた回収ポリエステル樹脂だけでなく、繊維やフィルムの製造工程で発生する樹脂屑、市場に出せない不良品からの回収樹脂屑にも適応でき、二酸化炭素の排出量低減、製造コストの低下にも大きく貢献できる。
本発明は、効率よく高IV,低AVのポリエステルを得るものであり、この方法を回収ポリエステルに適用することにより、回収ポリエステル樹脂を各用途で求められるヴァージンポリエステル樹脂並みの品質に再生することにより、ヴァージンポリエステル樹脂とリサイクルポリエステル樹脂を混合し製品とした場合でも、ヴァージンポリエステル樹脂のみを使用した製品に劣ることのない品質を与えるためのものである。なお、本明細書においては、市場等から回収した再生処理前のポリエステル樹脂を「回収ポリエステル樹脂」、再生処理後のポリエステルを「リサイクルポリエステル樹脂」とする。以下に本発明の詳細を説明する。
(ポリエステル樹脂)
本発明に用いることができるポリエステル樹脂は、テレフタル酸と、エチレングリコールを主原料としていることが好ましい。主原料とは、原料のジカルボン酸成分の80%以上がテレフタル酸であり、グリコール成分の80%以上がエチレングリコールであることを示す。テレフタル酸の比率は好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95%以上である。また、エチレングリコールの比率は好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。
本発明に用いることができるポリエステル樹脂の組成は、以下のような成分をその組成中に含むことができる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸とともに、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
また、グリコール成分としては、エチレングリコールとともに、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロピレングリコールなどが挙げられる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールもまた含むことができる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば、エステル交換法、エステル化法などでジカルボン酸成分とグリコール成分を反応させてプレポリマーとした後、減圧下250〜290℃で重縮合反応させる方法が挙げられる。
この際にはエステル交換反応やエステル化法の触媒、重縮合触媒を適宜用いることができる。
エステル交換反応触媒としてはZn,Cd,Mg,Mn,Co,Ca,Baなどの脂肪酸塩、炭酸塩や、Pb,Zn,Sb,Ge酸化物等が挙げられる。
ポリエステルを重合する際の重縮合触媒としては一般に用いられているものいずれでも良く、例えばAl化合物、Sb化合物、Ge化合物、Ti化合物が挙げられる。
Al化合物は単独では活性が低く、他の金属との組合せにより触媒活性を上げたものが好ましい。Al/Co、Al/Li、Al/Na、Al/Mg等が好ましく用いられる。また、また、Alもしくは他の金属と組み合わせたものにさらに、リン化合物を組合せて触媒活性を向上したものが好ましく、特に好ましいリン化合物はAr−CH2−P(=O)(OH)(Arはアリール基を表し、ヒンダードフェノール構造となったものが特に好ましい)で示される芳香族基を分子内に持つホスホン酸類であり、これらのアルキルエステル、塩化合物も含む。
ゲルマニウム化合物としては二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが挙げられ、これらのうち二酸化ゲルマニウムが好ましい。
チタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、蓚酸チタン、フタル酸チタネート、トリメリット酸チタネート、ピロメリット酸チタネート等が挙げられ、これらのうちテトラ−n−ブトキシチタネート、トリメリット酸チタネートが好ましい。特に耐黄変性、熱安定性の面でトリメリット酸チタネートが好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられ、これらのうち三酸化アンチモンが好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂の使用目的に応じて、無機粒子、蛍光増白剤、紫外線防止剤、赤外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤などの添加物を含んでいても良い。
重縮合後のポリエステルは反応容器から取り出され、冷却して固形状とする。一般的には、ストランド状に取り出されて冷却水中で固化もしくは半固形状とした後にストランドカッターで切断される方法、水中に押し出しながら水中カッターで切断する方法などが採用され、ペレットとなる。このようなペレットを本発明の固形状ポリエステル樹脂として供することができる。
本発明では、このような構成原料から直接得られたポリエステル樹脂を「ヴァージンポリエステル樹脂」と称する。
(回収ポリエステル樹脂)
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、回収ポリエステルを高IV、低AVのポリエステル樹脂として再生する際に好適に用いることができる。
再生処理に供される回収ポリエステル樹脂の入手先は、例えば、市販のPETボトル、PETボトル生産時の不良品および屑、市販のフィルム、フィルム製膜時の不良品および屑、タイヤコード生産時の不良品および屑、射出成型や押し出し成型品生産時の不良品および屑などが挙げられるが、これに限定するものではない。
本発明においては、単にボトル等の市販のPET素材製品から再生したリサイクルポリエステル樹脂を他の各種用途に用いることのみでなく、用途毎に繰り返し再使用することも含んでいる。すなわち、PETボトル生産工程で得られる廃材から再生したリサイクルポリエステル樹脂をPETボトル用途で再使用する、また、フィルム製膜工程で得られる廃材から再生したリサイクルポリエステル樹脂を、フィルム用途で再使用する、ということも含んでいる。他の用途も同様である。
本発明に用いることができる回収ポリエステル樹脂は、先に挙げたジカルボン酸成分、グリコール成分が用いられる。
再生処理に供される回収ポリエステル樹脂に含まれる金属種、添加剤などは、リサイクルポリエステル樹脂の使用用途に応じた特性に影響しない範囲で含有していても構わない。
すなわち、本発明に使用されるリサイクルポリエステル樹脂に含まれる金属成分として、元の用途のポリエステル樹脂の製造の際に触媒として使用されていたゲルマニウム、チタン、アンチモン、アルミニウムなどを含むことができる。
また、その他の金属として、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含んでいてもよい。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムを挙げることができる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カリウムを挙げることができる。
またさらに、元の用途のポリエステル樹脂の使用目的に応じて添加されてあった無機粒子、蛍光増白剤、紫外線防止剤、赤外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤などの添加物を含んでいても良い。
また、リサイクルポリエステル樹脂の使用用途に合わせて、新たにこれらを添加しても良い。飲料ボトル等ではゲルマニウム触媒が失活されている場合もあり、再生処理の速度向上のため新たに触媒を添加しても良い。これらの添加方法はマスターバッチとして加えることが出来る。マスターバッチのポリエステルにリサイクルポリエステル樹脂を用いても良い。
(回収ポリエステル樹脂(回収ペレット)の製造方法)
まず、製品および工程から得られた不良品、屑を、品質を復元する再生処理の前に、細かい形状としておく必要がある。形状としては、粗粉砕のフレーク、パウダー、ペレットなどが挙げられる。後の処理の均一性の観点から、粒径も均一にしておくことが好ましい。よって、不良品、屑を数mm程度の適当な大きさに粉砕した後、押出し機にてペレット化したものが好ましいが、これに限定するものではない。
また、回収ポリエステル樹脂の形状、大きさは、再生処理したリサイクルポリエステル樹脂をヴァージンポリエステル樹脂と混合して用いる場合には、成形機への供給安定性を高めるため、ヴァージンポリエステル樹脂の形状、大きさと合わせることが好ましい。一般的にポリエステル樹脂はストランド状に押し出したあとカットされるか、水中で押し出しながらカットされ、縦、横、長さとも1.5〜5mm程度の扁平な俵状、直径1.5〜5mm程度の球状チップとされるので、回収ポリエステル樹脂も同様なペレットであることが好ましい。
押出機を使用して溶融押出ししてペレット化する場合、以下の方法にて実施することができる。
押出機は単軸または二軸の押出機を用いて溶融押出しすることが出来るが、二軸押出機が好ましい。さらには、ベント付の二軸押出機が樹脂の熱劣化を防ぐために好ましい。粉砕されたリサイクル屑を均一に押出すためには、前置きの定量フィーダーを有するものや、溶融押出し後にギアポンプを有するものが好ましい。押出温度は樹脂の融点から融点+40℃の範囲が好ましい。樹脂の特性を劣化させずに、樹脂を溶融するための最低限の熱量が与えられることが重要である。
(回収ポリエステル樹脂の再生処理)
以下に、本発明の固形状のポリエステル樹脂をエチレングリコール存在下で、ポリエステルの融点以下の温度で加熱処理した後、固相重合する方法に関して詳細に説明する。
なお、以下の説明は、ペレット形状の回収ポリエステル樹脂(回収ペレット)の再生方法を例にして説明するが、他の形状であっても、同様な処理を行うことが出来る。また、固形状ポリエステル樹脂が、溶融重合から得られたヴァージンポリエステル樹脂の場合は「回収ペレット」を「溶融重合後のペレット」と読み替え、「リサイクル」の文言を無視することで、そのまま以下の方法を適応することができる。
上記で得られた回収ペレットを、エチレングリコール存在下で加熱処理した後、固相重合することで、品質を再生することが可能となる。
回収ペレットは、エチレングリコール処理の前に、予め、予備結晶化しておくことが望ましい。
このような予備結晶化は、回収ペレットを乾燥状態で通常120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で、1分〜4時間加熱することによって行うことができる。またこのような予備結晶化は、真空状態、および不活性ガス雰囲気下で行うことができる。
予備結晶化された回収ペレットは、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。
なお、予備結晶化工程によって固相重合は進行せず、予備結晶化前後での固有粘度の差は、通常0.06dl/g以下である。
エチレングリコール存在下での加熱処理は、回収ペレットに何らかの方法でエチレングリコールを接触させればよい。
回収ペレットのエチレングリコール存在下での加熱処理は、常圧下にて、加熱したペレット中に、所定の温度に加熱したエチレングリコール蒸気を噴霧してもよく、また、エチレングリコールを液状のままシャワーさせてもよい。さらに、不活性ガス中に所定の濃度のエチレングリコール蒸気を含有させ、ペレット中に気流させてもよい。しかしながら、以上のような方法に限定されるものではない。
回収ペレットのエチレングリコール存在下での加熱処理においては、エチレングリコールと回収ペレットが均一に接触し得る状態が望ましい。このような処理におけるペレットの状態としては、静置状態でもよく、またレジンが移動している状態でも良い。静置状態としては、金属性あるいはガラス製の筒状の容器にペレットを入れ、ペレット上部あるいは下部からエチレングリコール蒸気あるいは液状のものを吹き付ける、あるいは不活性ガスにより気流させる方法が考えられる。また、レジンが移動している状態を保つことが出来る装置としては、回転型乾燥機、流動床型乾燥機、攪拌翼を有する乾燥機などが挙げられる。レジンが移動している状態にあるところへ、エチレングリコール蒸気あるいは液状のものを吹き付ける、あるいは不活性ガスにより気流させる方法が考えられる。
上記エチレングリコール処理の間、ペレットは、融点より低い温度に加熱した状態を維持しておくことが必要である。温度は130℃〜240℃が望ましく、さらには150〜235℃、特には170〜230℃が望ましい。
また、いずれの方法においても、ペレットに接触させるエチレングリコールの添加量は、単位時間あたり、ペレット重量に対し、10ppm〜50,000ppmの範囲であることが好ましい。添加量の下限は好ましくは20ppm、より好ましくは50ppmである。添加量の上限は好ましくは20,000ppm、より好ましくは15,000ppmであることが好ましい。
エチレングリコール添加量が10ppmより少ない場合、エチレングリコールとの加熱処理におけるAV低減効果が小さく、その後固相重合を実施したとしても、最終的に、目標のAVまで低減できない場合がある。すなわち、ヴァージンポリエステル樹脂とリサイクルポリエステル樹脂からなる混合物を成型した場合において、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したとき、その品質が、ヴァージンポリエステル樹脂のみから成形したものに対して、ΔAV≦2eq/tonとならない。エチレングリコール処理時間を長くすることで目標のAV低減効果を得るためには、エチレングリコール処理時間が非常に長くなるので、生産コストの点で好ましくない。
一方、エチレングリコール添加量が50,000ppmより多い場合、AVがより低減しやすくなるという面では問題ないが、エチレングリコールによるPET鎖の分解頻度が多くなり、IV低下が著しくなってしまい、後工程の固相重合に要する時間が非常に長くなり、生産コストの観点から、好ましくない。
また、上記の処理時間は、1〜10時間が好ましく、さらに好ましくは、2時間〜8時間が望ましい。処理時間が1時間未満となると、処理が不充分となり、AVが目標まで低減できないことがある。また10時間以上となると、IV低下が著しくなってしまい、後工程の固相重合に要する時間が非常に長くなり、生産コストの観点から、好ましくない。
このようにしてエチレングリコール処理されて得られたリサイクルペレットは、処理前に対し、AVが低減される効果が得られる。
以上のように、エチレングリコールでの前処理を行ったペレットを、続いて固相重合する。
固相重合工程は、不活性ガス流通下、または高真空下において、温度が190〜250℃、好ましくは195〜240℃の条件下で行われる。なお、固相重合工程でIVの上昇を妨げない程度のエチレングリコールが含有していても良い。
固相重合の反応時間は、射出成型や押出成型、フィルム用途でのリサイクルの場合、IVが0.5〜1.2dl/g、好ましくは0.6〜1.0dl/gの範囲になるよう、反応を停止する。またさらに、繊維用途でのリサイクルの場合、特にタイヤコード用途でのリサイクルの場合、IVが0.6〜1.4dl/g、好ましくは0.8〜1.2dl/gの範囲になるよう、反応を停止する。
得られたリサイクルペレットのAVは、10eq/ton以下となることが好ましい。さらには9eq/ton以下、特には8eq/ton以下が好ましく、特には7eq/ton以下が好ましい。AVの下限は耐加水分解性の面では低い方が好ましい。なお、AVの下限は原理的には0eq/tonであるが、実施例で用いた測定法の場合、−3eq/ton程度までになることがある。その理由は、AVの測定の際、PETが溶媒に完全に溶けきるまでのタイムラグが有るため、本発明の実施例で定義する3点近似法で測定した値を用いて溶解時間0分に外挿した場合に、本来のAVよりも計算上低い値が出るためと推定される。本願発明で定義するAVは、実施例に記載の測定法に基づいた値を採用している。
エチレングリコール処理ではIVが若干低下し、固相重合においてもAVはある程度低下する。これらのことを考慮して、エチレングリコール処理でのエチレングリコール添加量、処理温度、時間等の調整、固相重合での流通不活性ガス量、真空度、温度、時間等の調整を行うことで、使用用途の要求に合わせたリサイクルペレットを得ることができる。
(リサイクルポリエステル樹脂を使用した成形品)
このようにして得られたリサイクルポリエステル樹脂は、それぞれの用途で用いられるヴァージンポリエステル樹脂と混合して用いることが好ましい。
混合して成形する際は、別々に成形機に供給する方法、ドライブレンド等で混合した後供給する方法がある。簡便性の面からドライブレンドで混合する方法が好ましい。
リサイクルポリエステル樹脂の量は、ヴァージンポリエステル樹脂とリサイクルポリエステル樹脂合計量に対して、15質量%以上であることが好ましい。より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、特に好ましくは28質量%以上である。15質量以上の高いリサイクルポリエステル樹脂の含有量であっても、ヴァージンポリエステル樹脂から得られた成形品と同等の高い耐久性が得られ、本発明の効果を有用に発揮させることが出来る。
リサイクルポリエステル樹脂の量の上限は、リサイクルポリエステル樹脂単独で成形することもできるため、特に定める必要はないが、非常に高い品質安定性が求められる場合では70質量%以下、さらには60質量%以下、特には50質量%以下が好ましい。
また、得られた成形品の物性が、ヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品に対して、以下を同時に満たすことが好ましい。
ΔIV≦0.03
ΔAV≦2
(ここで、ΔIVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のIV(dl/g)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂の混合物を成形した成形品のIV(dl/g)との差の絶対値を示す。ΔAVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のAV(eq/t)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂の混合物を成形した成形品のAV(eq/t)との差の絶対値を示す。)
低AVで高い耐久性が求められる成形品であっても、本発明の再生方法によりその用途に求められるヴァージンポリエステル樹脂と同等なサイクルポリエステル樹脂を用いることができ、リサイクルポリエステル量を多くしても耐久性を落とすことなく品質の安定した成形品を得ることができる。
成形品としては、サイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有し、IVが0.60dl/g以上、AVが15eq/ton以下であることが好ましい。AVは10eq/ton以下がより好ましく、さらには7eq/ton以下、特には6eq/ton以下が好ましい。
中でも、タイヤコードなどに代表される高耐久性繊維の場合は、IV0.80dl/g以上、さらには0.85dl/g以上、特には0.90dl/g以上が好ましい。高耐久性フィルムの場合は、IVは0.60dl/g以上であることが好ましい。IVはさらには0.65dl/g以上であることが好ましい。
本発明の製造方法を用いて製造されたポリエステル樹脂からなる成形品は、その用途に合わせて表面処理やコートなど様々な加工をすることができる。
例えば、繊維であればコロナ処理や易接着樹脂コートなどの易接着加工、撥水加工、撥油加工等の防汚加工、帯電防止加工、染織加工、接着性樹脂の含浸加工など挙げられる。
フィルムであれば、コロナ処理や易接着樹脂コートなどの易接着加工、撥水加工、撥油加工等の防汚加工、帯電防止加工、印刷、バリア性樹脂のコート、ハードコート、バリア性薄膜の蒸着、さらにバリア性フィルム、シーラントフィルムなど他のフィルムとの積層、など挙げられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、各実施例および比較例において用いた評価方法を以下に説明する。
(繊維の紡糸方法)
IVが0.95dl/g、AVが8eq/tであるヴァージンの繊維用PETペレットと、製造例の方法により得られたリサイクルペレットとを、リサイクルペレットが30質量%となるよう混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の押出機に供給し、紡糸装置に供給し溶融紡糸を行った。この際、温度295℃の紡糸口金パック内で溶融ポリマーの濾過、整流を行った。紡糸ノズルは口径1.3mmで、紡糸孔1個が穿設されていた。紡出糸条を65℃の水浴中で冷却された後、100℃の熱媒浴中を通過させて5.0倍に延伸し、ついて130℃のオーブン中を通過させて1.2倍に延伸し、さらに220℃のオーブン中で10%の弛緩処理を行い、モノフィラメントを得た。
(繊維の加水分解試験)
上記で得られたモノフィラメントを120℃の飽和水蒸気中で10日間処理後、破断強度を測定し、飽和水蒸気処理する前の破断強度と比較して保持率で表した。
(耐アミン分解性試験)
上記で得られたモノフィラメントをアンモニアガス中、135℃で5時間処理後の破断強度を測定し、処理する前の破断強度と比較して保持率で表した。
(タイヤコードの紡糸方法)
IVが0.95dl/g、AVが8eq/tであるヴァージンのタイヤコード用PETペレットと、製造例の方法により得られたリサイクルペレットとを、リサイクルペレットが30質量%となるように計量混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の単軸押出機に供給し、孔数190の紡糸口金より溶融吐出し、320℃の加熱領域を通過させた後、20℃の冷却風によって冷却固化させ、紡糸速度550m/分で引き取り、続いて、延伸倍率5.8倍で延伸、3.0%弛緩処理して1100dtex/190フィラメントのポリエステル原糸を得た。ついで、得られたポリエステル原糸に10cmあたり47回の下撚りを加えた後、2本を合糸し、反対方向に10cmあたり47回の上撚りを加えてコードとした。
(コードの加水分解試験)
上記で得られたコードを121℃、0.1MPaの飽和水蒸気中で3日間処理した後の破断強度を測定し、飽和水蒸気で処理しないコードの破断強度と比較し、破断強度の保持率で表した。
(タイヤコード・ゴム中強力劣化試験)
上記で得られたコードをレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)からなる接着剤液に浸漬させ、絞りロールで絞った後、120℃のオーブン中で1分間乾燥し、235℃のオーブン中で1分間熱処理し接着処理を施した。該接着処理コードを天然ゴム/SBR=70/30重量部からなる未加硫ゴム組成物に埋め込み、170℃、50kg/cm2で180分加硫してゴム成型体を得た。このゴム成型体からコードを取り出して加硫後の破断強度を測定し、加硫前との保持率で表した。
(フィルムの製膜方法)
IVが0.73dl/g、AVが0eq/tであるヴァージンのフィルム用PETペレットと、製造例の方法により得られたリサイクルペレットとを、リサイクルペレットが30質量%となるよう混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し機に供給した。押出し機溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂最高温度は290℃、その後のポリマー管では285℃とし、ダイスよりシート状にして押出した。これらのポリマーは、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度20μm粒子95%カット)を用いて濾過した。また、フラットダイは樹脂温度が285℃になるようにした。なお、押出し機入り口で抜き出したペレットの水分率を測定した結果、水分率は20ppmであった。押し出した樹脂を静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを得た。
次に、この未延伸フィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.3倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。引き続いて、テンターで、130℃で幅方向に4.0倍に延伸を行った後、熱固定を235℃で行い、さらに200℃で幅方向に6%弛緩処理を行い、厚さ50μmの二軸配向PETフィルムを得た。
(フィルムの加水分解試験)
フィルムを1cm×4cm片に切断し、130℃で12時間真空乾燥した後、試料1gを純水100mlに入れ、密閉系にして130℃に加熱、加圧した条件下に6時間攪拌した。
上記加水分解前および後の試料を、JISK−7127に規定された方法に従って、引っ張り試験機を用いて25℃、65%RHにて破断伸度を測定し、加水分解前後の破断伸度の保持率で表した。
(エチレングリコール量分析方法)
ペレットのエチレングリコールによる加熱処理において、ペレットに接触させるエチレングリコール添加量の測定は、ガス採集法、および、ガスクロマトグラフィーにて実施した。
(IV分析方法)
IV測定方法は、ポリエステルを、フェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)混合溶媒を使用して溶解し、オストワルド粘度計を用いて、30℃にて測定した。
(AV分析方法)
AV分析方法について説明する。
A.試料の調整
試料を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの重量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したオイルバスに浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA、B、Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみを入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa、b、cとする。
B.滴定
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA、B、Cの滴定量をXA、XB、XC(ml)とする。サンプルa、b、cの滴定量をXa、Xb、Xc(ml)とする。
C.酸価(AV)の算出
各溶解時間に対しての滴定量XA、XB、XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa、Xb、Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従い、酸価を求めた。
酸価(eq/t)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04mol/l水酸化カリウム溶液のファクター
W:試料重量(g)
(リサイクルペレットの製造例)
(回収ペレットA−1)
PETボトルを粉砕したフレークを押出機により溶融押出しし、3.2mm×2.8mm×1.8mm程度の大きさの円柱状の回収ペレットを得た。この時点で、回収ペレットの品質は、IVが0.68dl/g、AVが15eq/tonであった。
(リサイクルペレットA−2)
回転型乾燥機内で、上記で得られた回収ペレット(A−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、回収ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、リサイクルペレットの品質は、IVが0.63dl/g、AVが10eq/tonであった。
さらに、0.5mmHg、230℃にて固相重合を行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.95dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は18時間であった。得られたリサイクルペレット(A−2)の品質は、IVが0.95dl/g、AVが6eq/tonであった。
(リサイクルペレットA−3)
リサイクルペレットA−2の製造において、エチレングリコール存在下での加熱処理において、エチレングリコール添加量を、ペレット1kgに対し、単位時間あたり13.88g/(hr・ペレットkg)(=13,880ppm)とした以外は同様にし、回収ペレットの処理および固相重合を実施した。固相重合に要した時間は24時間であった。得られたリサイクルペレット(A−3)の品質は、IVが0.95dl/g、AVが4eq/tonであった。
(リサイクルペレットA−4)
上記で得られた回収ペレット(A−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.95dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は16時間であった。得られたリサイクルペレット(A−4)の品質は、IVが0.95dl/g、AVが12eq/tonであった。
(リサイクルペレットB−2)
回転型乾燥機内で、上記で得られた回収ペレット(A−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、回収ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、リサイクルペレットの品質は、IVが0.63dl/g、AVが10eq/tonであった。
さらに、0.5mmHg、230℃にて固相重合を行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.73dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は8時間であった。得られたリサイクルペレット(B−2)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが7eq/tonであった。
(リサイクルペレットB−3)
リサイクルペレットB−2の製造において、エチレングリコール存在下での加熱処理において、エチレングリコール添加量を、ペレット1kgに対して単位時間あたり13.88g/(hr・ペレットkg)(=13,880ppm)とした以外は同様にし、回収ペレットの処理および固相重合を実施した。固相重合に要した時間は12時間であった。得られたリサイクルペレット(B−3)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが5eq/tであった。
(リサイクルペレットB−4)
上記で得られた回収ペレット(A−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.95dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は6時間であった。得られたリサイクルペレット(B−4)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが13eq/tであった。
(回収ペレットC−1)
フィルム製膜工程における不良品、屑を集め、粉砕後、押出機により溶融押出しし、3.2mm×2.8mm×1.8mm程度の大きさの円柱状の回収ペレット(C−1)を得た。この時点で、回収ペレット(C−1)の品質は、IVが0.66dl/g、AVが15eq/tonであった。
(リサイクルペレットC−2)
回転型乾燥機内で、上記で得られた回収ペレット(C−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、回収ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、リサイクルペレットの品質は、IVが0.60dl/g、AVが6eq/tであった。
さらに、0.5mmHg、230℃にて固相重合を行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.73dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は10時間であった。得られたリサイクルペレット(C−2)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが2eq/tであった。
(リサイクルペレットC−3)
リサイクルペレットC−2の製造において、エチレングリコール存在下での加熱処理において、エチレングリコール添加量を、単位時間あたり、ペレット1kgに対し、13.88g/(hr・ペレットkg)(=13,880ppm)とした以外は同様にし、回収ペレットの処理および固相重合を実施した。固相重合に要した時間は14時間であった。得られたリサイクルペレット(C−3)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが1eq/tであった。
(リサイクルペレットC−4)
上記で得られた回収ペレット(C−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.73dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は8時間であった。得られたリサイクルペレット(B−4)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが13eq/tであった。
得られた回収ペレット、リサイクルペレットの品質を表1に示す。
(ヴァージンPET樹脂ペレットの製造例)
(PET樹脂ペレットD−1)
撹拌機付きのエステル化反応槽に高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3モル%加え、0.25MPaの加圧下245℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が95%のポリエステルオリゴマーを得た。ついで、酸成分に対して、三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液をアンチモン原子として0.03モル%、および、リン酸トリメチルをリン原子として0.02モル%系内に添加し窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分間攪拌した。次いで、攪拌機付きの重縮合反応槽に移送し、50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Paとしてさらに275℃、13.3Paで重縮合反応を行ない、IVが0.58dl/g、AVが20eq/tonのPET樹脂(D−1)を得た。
(PET樹脂ペレットD−2)
回転型乾燥機内で、上記で得られたPET樹脂ペレット(D−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、ペレットの品質は、IVが0.54dl/g、AVが15eq/tonであった。
さらに、0.5mmHg、230℃にて固相重合を行った。固相重合は、IVが0.74dl/gとなる時点で停止とした。固相重合に要した時間は16時間であった。得られたPET樹脂ペレット(D−2)の品質は、IVが0.74dl/g、AVが2eq/tonであった。
(PET樹脂ペレットD−3)
上記で得られたPET樹脂ペレット(D−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVが0.74dl/gとなる時点で停止とした。固相重合に要した時間は12時間であった。得られたPET樹脂ペレット(D−3)の品質は、IVが0.74dl/g、AVが12eq/tonであった。
(PET樹脂ペレットD−4)
PET樹脂ペレット(D−1)の製造工程において、反応槽に添加するエチレングリコールの量を調整することによりIVが0.58dl/g、AVが12eq/tonのPET樹脂ペレットを得た。得られたペレットを用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVが0.74dl/gとなる時点で停止とした。固相重合に要した時間は20時間であった。得られたPET樹脂ペレット(D−4)の品質は、IVが0.74dl/g、AVが4eq/tonであった。
(PET樹脂ペレットE−1)
3基の連続エステル化反応槽および3基の重縮合反応槽よりなり、かつ第3エステル化反応槽から第1重縮合反応槽への移送ラインに高速攪拌器を有したインラインミキサーが設置された連続式ポリエステル製造装置に高純度テレフタル酸1質量部に対してエチレングリコール0.75質量部をスラリー調製槽に連続的に供給した。調製されスラリーを連続的に供給し第1エステル化槽が反応温度250℃、110kPa、第2エステル化反応槽が260℃、105kPa、第3エステル化反応槽が260℃、105kPaとして、第2エステル化反応槽にエチレングルコール0.015質量部を連続的に投入しポリエステルオリゴマーを得た。該オリゴマーを3基の反応槽よりなる連続重縮合装置に連続的に移送すると共に、該移送ラインに設置されたインラインミキサーに、アルミニウム化合物として塩基性酢酸アルミニウムのエチレングリコール溶液およびリン化合物として3,5-ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル(Irgamod295、BASF社製)のエチレングリコール溶液を、それぞれポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子およびリン原子として0.015モル%および0.036モル%となるように攪拌式のミキサーで攪拌しながら連続的に添加し、初期重縮合反応槽が265℃、9kPa、中期重縮合反応槽が265〜268℃、0.7kPa、最終重縮合反応槽が273℃、13.3Paで重縮合しIV0.58dl/g、AVが20eq/tonのPET樹脂ペレット(E−1)を得た。
(PET樹脂ペレットE−2)
回転型乾燥機内で、上記で得られたPET樹脂ペレット(E−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、ペレットの品質は、IVが0.54dl/g、AVが15eq/tonであった。
さらに、0.5mmHg、230℃にて固相重合を行った。固相重合は、IVが0.74dl/gとなる時点で停止とした。固相重合に要した時間は16時間であった。得られたPET樹脂ペレット(E−2)の品質は、IVが0.74dl/g、AVが1eq/tonであった。
(PET樹脂ペレットE−3)
上記で得られたPET樹脂ペレット(E−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVが0.74dl/gとなる時点で停止とした。固相重合に要した時間は12時間であった。得られたPET樹脂ペレット(E−3)の品質は、IVが0.74dl/g、AVが10eq/tonであった。
(PET樹脂ペレットE−4)
PET樹脂ペレット(E−1)の製法において、反応槽に添加するエチレングリコールの量を調整することによりIVが0.58dl/g、AVが10eq/tonのPET樹脂ペレットを得た。得られたペレットを用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVが0.74dl/gとなる時点で停止とした。固相重合に要した時間は20時間であった。得られたPET樹脂ペレット(E−4)の品質は、IVが0.74dl/g、AVが1eq/tonであった。
得られたPET樹脂ペレットの品質を表1に示す。
Figure 2012126763
(リサイクルペレットを使用した繊維)
(実施例1)
IVが0.95dl/g、AVが5eq/tである繊維用PETヴァージンペレットと、リサイクルペレット(A−2)とを、リサイクルペレット(A−2)が30質量%となるよう計量混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の押出機に供給し、紡糸装置に供給し溶融紡糸を行った。得られた紡出糸条を65℃の水浴中で冷却させた後、100℃の熱媒浴中を通過させて5.0倍に延伸し、ついて130℃のオーブン中を通過させて1.2倍に延伸し、さらに220℃のオーブン中で10%の弛緩処理を行いモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−3)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−4)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(A−1)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
(比較参考例1)
実施例1において、IVが0.95dl/g、AVが5eq/tである繊維用PETヴァージンペレット100質量%のみを用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
Figure 2012126763
(リサイクルペレットを使用したタイヤコード)
(実施例3)
IVが0.95dl/g、AVが5eq/tであるタイヤコード用PETヴァージンペレットと、リサイクルペレット(A−2)とを、リサイクルペレット(A−2)が30質量%となるように計量混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の単軸押出機に供給し、孔数190の紡糸口金より溶融吐出し、320℃の加熱領域を通過させた後、20℃の冷却風によって冷却固化させ、紡糸速度550m/分で引き取り、続いて、延伸倍率5.8倍で延伸、3.0%弛緩処理して1100dtex/190フィラメントのポリエステル原糸を得た。ついで、得られたポリエステル原糸に10cmあたり47回の下撚りを加えた後、2本を合糸し、反対方向に10cmあたり47回の上撚りを加えてコードとした。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
(実施例4)
実施例3において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−3)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例3において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−4)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
(比較例4)
実施例3において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(A−1)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
(比較参考例2)
実施例3において、IVが0.95dl/g、AVが5eq/tであるタイヤコード用PETヴァージンペレット100質量%のみを用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
Figure 2012126763
(リサイクルペレットを使用したフィルム)
(実施例5)
IVが0.73dl/g、AVが1eq/tであるフィルム用PETヴァージンペレットと、リサイクルペレット(B−2)とを、リサイクルペレット(B−2)が30質量%となるように計量混合し、その混合物を前述の方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(実施例6)
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(B−3)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(実施例7)
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(C−2)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(実施例8)
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(C−3)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(比較例5)
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(B−4)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(比較例6)
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(A−1)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(比較例7)
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(C−4)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(比較例8)
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(C−1)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
(比較参考例3)
実施例5において、IVが0.73dl/g、AVが1eq/tであるフィルム用PETヴァージンペレット100質量%のみを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
Figure 2012126763
(ヴァージンペレットを用いたフィルム)
(実施例9)
IVが0.74dl/g、AVが2eq/tonのPET樹脂ペレット(D−2)を用いて、前述のフィルム製造方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表5に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表5に示す。
(比較例9)
IVが0.74dl/g、AVが12eq/tonのPET樹脂ペレット(D−3)を用いて、前述のフィルム製造方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表5に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表5に示す。
(比較参考例4)
IVが0.74dl/g、AVが2eq/tonのPET樹脂ペレット(D−4)を用いて、前述のフィルム製造方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表5に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表5に示す。
(実施例10)
IVが0.74dl/g、AVが2eq/tonのPET樹脂ペレット(E−2)を用いて、前述のフィルム製造方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表5に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表5に示す。
(比較例10)
IVが0.74dl/g、AVが12eq/tonのPET樹脂ペレット(E−3)を用いて、前述のフィルム製造方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表5に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表5に示す。
(比較参考例5)
IVが0.74dl/g、AVが2eq/tonのPET樹脂ペレット(E−4)を用いて、前述のフィルム製造方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表5に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表5に示す。
Figure 2012126763
本発明により、飲料ボトル等から回収されたポリエステル樹脂であっても、高い耐久性や耐加水分解性が求められる用途に使用できるようになり、非常に幅広い用途でリサイクルポリエステル樹脂を使用することができる。また、その混合量も飛躍的に多くすることができる。その結果、廃棄物の低減、二酸化炭素の排出量低減、製造コストの低下にも大きく貢献することができる。

Claims (8)

  1. 固形状のポリエステル樹脂をエチレングリコール存在下で、ポリエステルの融点以下の温度で加熱処理した後、固相重合することを特徴とするポリエステル樹脂の製造方法。
  2. 固相重合後のポリエステル樹脂の極限粘度(IV)を0.60dl/g以上、酸価(AV)を10eq/t以下とする請求項1記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 固形状のポリエステル樹脂として回収ポリエステル樹脂を用い、当該回収ポリエステルからリサイクルポリエステル樹脂を再生する請求項1または2に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  4. 固形状のポリエステル樹脂としてヴァージンポリエステル樹脂を用いる請求項1または2に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  5. ヴァージンポリエステル樹脂と、請求項3に記載の製造方法により得られたリサイクルポリエステル樹脂からなるポリエステル樹脂混合物を用いて成形した成形品であり、前記リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有し、その成形品の物性が、前記ヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品に対して、以下を同時に満たすことを特徴とする成形品。
    ΔIV≦0.03
    ΔAV≦2
    (ここで、ΔIVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のIV(dl/g)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂混合物を成形した成形品のIV(dl/g)との差の絶対値を示す。ΔAVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のAV(eq/t)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂混合物を成形した成形品のAV(eq/t)との差の絶対値を示す。)
  6. リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有し、IVが0.60dl/g以上、AVが10eq/t以下であることを特徴とするポリエステル樹脂成形品。
  7. 成形品が繊維であることを特徴とする、請求項5記載の成形品。
  8. 成形品がフィルムであることを特徴とする、請求項5記載の成形品。

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