JP6036099B2 - Petボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

Petボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

本発明は、二軸配向ポリエステルフィルム関する。更に詳しくは、PETボトル再生原料を多く使用し、耐熱性に優れ、フィルムの生産性、及び品位を損なうことがない地球環境にやさしい二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表される芳香族ポリエステルは、優れた力学特性、耐薬品性などを有しており繊維、フィルムなどの成型品として広く使用されている。特にPET樹脂は安価であり、さらに衛生的な面でも優れていることから、食品容器、特に飲料用の容器として幅広く使用されている。これらの容器は一般に“ペット(PET)ボトル”と称され、その使用量は膨大である。さらに、近年の環境問題の高まり、および省資源の面から、使用済みの飲料PETボトルについては、以前からリサイクルが行われており、その活用方法が注目されている。
また、PETボトル再生原料を用いることによりCO2削減につながるとも言われており、地球環境の面からも少しでもPETボトル再生原料の使用比率を高めたいという要望がある。
リサイクルされたPETボトルは、異物が付着、混入している場合が多く、また、薬品や溶剤などの化学物質を使用済みのPETボトルに充填した場合なども考えられるため、回収されたPETボトルは粉砕したフレークの状態で水洗いされたり、アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて洗浄される場合もある(特許文献1)。
PETボトル再生原料の使用比率を高めたいという要望に対し、異物の混入防止や安全性確保のため、十分な洗浄を施された異物が少なく安全性の高いPETボトル再生原料が望まれる。
一方、リサイクルされたPETボトルから再生されたPETは、元来フィルム用途を意図していないことから溶融時の比抵抗値が高く、フィルムの生産性の面からは不利である。
フィルムに用途においては、押出口金から溶融押出したシート状物を回転冷却ドラム面で急冷する際に、該シート状物とドラム表面との密着性を高めることが必要となる。このシート状物とドラム表面の密着性を高める方法として、押出口金と回転冷却ドラムの間にワイヤー状の電極を設けて高電圧を印加し、未固化のシート状物面に静電気を析出させて、該シートを冷却体表面に密着させながら急冷する方法(静電密着キャスト法)が有効である。
静電密着キャスト法を効果的に行うには、とりもなおさず、シート状物とドラム表面との静電密着性を高めることが必要であり、そのためには、シート状物表面にいかに多くの電荷量を析出させるかが重要である。電荷量を多くするためには、ポリエステルを改質してその比抵抗を低くすることが有効であり、多大の努力が払われている。(特許文献2、3参照)
特開2002−11719号公報 特開昭59−64628号公報 特開2012−91862号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明は、PETボトル再生原料の使用比率を高めたフィルムであり、特にPETボトル再生原料を作る際に使用する洗浄液成分の残存が少なく熱安定性に優れ、異物も少なく、且つ溶融時の比抵抗が安定しており、フィルムの生産性、及び品位を損なうことがない二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを課題とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1. PETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、温度285℃における溶融比抵抗が1.0×10Ω・cm以内であり、該PETボトル再生原料の比率がフィルム中に50%以上96%以下で、フィルムに含まれるナトリウム含有量及びカリウム含有量がいずれも0ppmより大きく150ppm以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
2. フィルム中に少なくともアルカリ土類金属化合物をアルカリ土類金属元素の原子の量として20ppm以上含有し、且つリン化合物をリン原子の量として9ppm以上含有することを特徴とする上記第1に記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
3. アルカリ土類金属化合物をアルカリ土類金属元素の原子の量としてその合計が500ppm以上である高濃度マスターバッチを2.5〜19重量%添加していることを特徴とする上記第1〜第2のいずれかに記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
4. フィルム1m あたりに1mm大以上の異物が1.0個未満であることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
5. フィルムの少なくとも片面に炭素数10〜20のアルキル基を有するアニオン系帯電防止剤が存在することを特徴とする上記第1〜第4のいずれかに記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
6. 第1〜第5のいずれかに記載される二軸配向ポリエステルフィルムからなることを特徴とする容器の胴巻用ラベル。
本発明によれば、PETボトル再生原料の使用比率を高めたフィルムでありながらも、特にPETボトル再生原料を作る際に使用する洗浄液成分の残存が少なく熱安定性に優れ、異物も少なく、且つ溶融時の比抵抗が安定しており、フィルムの生産性、及び品位を損なうことがない二軸配向ポリエステルフィルムの提供を可能とした。
以下、本発明を詳述する。
まず、本発明のフィルムは少なくとも1層の単層構造でもよく、2層以上の積層構造であってもよい。2層、3層、4層、5層であってもかまわない。2層の場合は積層部/基層部、3層の場合は積層部(A)/基層部/積層部(B)であり、3層の場合、積層部(A)と積層部(B)が同じ組成・構成であっても良く、異なった組成、例えば、無粒子層/基層部/粒子含有層の構成であっても良い。また、実質的に同じ厚さであってよく、異なった厚さであってもよい。好ましくは、積層部(A)と積層部(B)が同じ組成に設計することが生産が容易で望ましい。
次に、本発明のフィルムは、これを構成する上記各層の少なくとも一層が二軸に配向していることが好ましい。2層以上の積層構造の内、全部の層が二軸に配向していると特に好ましい。全ての層が無配向や一軸配向では胴巻きラベル用途に使用しづらくあまり好ましくない。
本発明のフィルムを構成するポリエステルは得に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする場合が好ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、他のポリマー、例えばポリエチレン2,6ナフタレートなどを混合しても良いし、共重合ポリエステルであっても良い。共重合成分の例としては、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、トリメリット酸などの多価カルボン酸成分、あるいは、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリオキシアルキルグリコール、p−キレングリコール、1,4−シクロヘキシルジメタノールなどの多価アルコール成分などが挙げられる。また、熱安定剤、改質剤、酸化防止剤などを含んでいても何等差し支えない。
また、二軸配向ポリエステルフィルムの易滑性を向上させるために、例えば、二酸化チタン、微粒子状シリカ、カオリン、炭酸カルシウムなどの無機滑剤、また例えば、長鎖脂肪酸エステルなどの有機滑剤を添加や塗布してもよい。また、必要に応じて、着色剤、静電防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加または塗布してもよい。
本発明のフィルムの少なくとも1層にはオリゴマー含有量が少ないポリエチレンテレフタレート原料が使用されていることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルム中のオリゴマー含有量は、エチレンテレフタレートの環状3量体含有量が9000ppm以下であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルム中のオリゴマーには、未反応テレフタル酸の他、ビス−2ヒドロキシメチルエチルテレフタレート(MHET)、ビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET) 及びエチレンテレフタレートの2〜10量体などが含まれるが、通常最も含有量の多いエチレンテレフタレートの3量体の含有量を確認するのが精度良く測定でき好ましい。エチレンテレフタレートの環状3量体含有量が9000ppm以下であると、ポリエチレンテレフタレートフィルム製膜時の汚れが発生しにくく、特にキャスティングロール上に汚れが発生しにくいため、フィルム製品の製膜途中での異物混入リスクを低減できる効果がある。エチレンテレフタレートの環状3量体含有量は、より好ましくは9000ppm以下であり、更に好ましくは8000ppm以下、特に好ましくは7500ppm以下であり、最も好ましくは6500ppm以下である。しかしながら、極度に純度の高いポリエチレンテレフタレートフィルムを得ることは、コストアップを招くため、4000ppm以上でよく、5000ppm以上であっても構わない。
3層以上の構成とした場合、基層部のポリエステルは実質的に粒子を含まないポリエステルであっても良く、粒子を含んでいても良い。粒子種としては特に制限されるものでなく、例えば、無機粒子として炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、アルミナ、硫酸バリウム、酸化チタンなどポリエステルに不溶な微細粒子でも良く、また、架橋ポリスチレンなどの有機粒子が含まれていても良く、カルシウムあるいはリチウムなどを含む内部粒子を含んでいても良い。
ポリエチレンテレフタレートフィルムのエチレンテレフタレートの環状3量体含有量を9000ppm以下とするためには、エチレンテレフタレートの環状3量体含有量が少ないポリエチレンテレフタレート原料を使用して製膜するとよい。エチレンテレフタレートの環状3量体含有量が6000ppm以下のポリエチレンテレフタレート原料が特に好ましく使用される。エチレンテレフタレートの環状3量体含有量は、更に好ましくは5500ppm以下であり、特に好ましくは5000ppm以下である。しかしながら、オリゴマー含有量の少ないポリエチレンテレフタレートを作成するにはコストが嵩む場合があるので、エチレンテレフタレートの環状3量体含有量は3000ppm以上でよく、4000ppm以上でも構わない。
前記のようなエチレンテレフタレートの環状3量体含有量が少ないポリエチレンテレフタレート原料を合理的に得るためには、通常のポリエチレンテレフタレート重合レジンを固相重合して、重合度を高めて環状3量体をはじめとするオリゴマー含有量を減らすことが合理的である。そして、実はそのような処理がなされたものとしてPETボトル再生原料があり、好適に利用可能である。PETボトル用ポリエチレンテレフタレートレジンは、内容物である飲料を衛生に関連してオリゴマー含有量の少ない固相重合品が用いられることが多く、使用済みPETボトル回収品から再生されたペレットもその特性が受け継がれる。
ここで、該フィルムに好ましく使用されるPETボトルの再生原料は、ポリエチレンテレフタレートを主体とする容器のリサイクル品を主体とするものであり、例えば、茶飲料、清涼飲料などの飲料用容器のリサイクル品が好ましく使用でき、適宜配向されていても良く、無色のものが好ましいが、若干の着色成分を含んでいても良い。
好ましく利用できるPETボトルからなる再生原料は、通常の重合法及び固相重合法で製造、成型されたポリエステルであり、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主体とするものであり、他のポリエステル成分、共重合成分を含んでいても差し支えない。触媒としてアンチモン、ゲルマニウム、チタンなどの金属化合物、安定剤としてのリン化合物などを含んでいてもよい。通常PETボトル用のポリエステルには触媒としてゲルマニウムが用いられることが多く、PETボトル再生原料を使用してフィルム化すれば、フィルム中にゲルマニウムが1ppm以上含まれるものとなる。しかしながら、あくまでも触媒の含有量であるので、通常高々100ppm以下であり、普通は50ppm以下である。
集められた使用済のリサイクルPETボトルは、他の材料やごみが混ざらないように選別され、ラベルなどを除去した後、粉砕されフレークとなる。これらのフレークには、異物が付着、混入している場合が多くある。また、薬品や溶剤などの化学物質を消費者が使用済みのPETボトルに充填して使用している場合も考えられる。例えば、食器などの洗剤、殺虫剤、除草剤、農薬や各種オイル類などが考えられる。通常の洗浄ではPETボトル表面に吸着した化学物質を十分に取り除くことができないため、アルカリ洗浄が取り入れられている。この洗浄工程で用いるアルカリ金属水酸化物の溶液としては水酸化ナトリウム溶液、または水酸化カリウム溶液を用いる。このような洗浄工程では、アルカリ洗浄の前に予備洗浄を行っても良い。
洗浄工程で用いるアルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度は、温度、時間、攪拌の状態にもよるが、通常は1〜10重量%の範囲である。また、洗浄に要する時間は10〜100分の範囲であり、効果を高めるため攪拌しながら行うのが好ましい。
アルカリ洗浄に続いて、すすぎ洗浄、乾燥を行うことが好ましい。アルカリ洗浄やすすぎ洗浄は数回繰り返して行っても良い。
アルカリ洗浄工程において洗浄で用いるアルカリ金属水酸化物の水溶液成分がフレークに残存することにより、その後のペレット造粒工程における溶融押出工程やフィルム製膜時における溶融押出工程を経由することにより、最終的に得られるフィルムの物性に影響を与えることがある。
最終的にこれらのペットボトルリサイクル原料を使用して得られるフィルム中のナトリウム及びカリウムの濃度が0ppmより大きく150ppm以下であることが好ましく、より好ましくは3〜120ppmであり、更に好ましくは5〜80ppmである。
フィルム中に含まれるナトリウムまたはカリウム濃度が150ppmより高くなるとフィルムの耐熱性、熱安定性が低下したり、着色したりするので好ましくない。また、全くない状態であるとジエチレングリコールの生成を抑えるなどの効果が薄れるため好ましくない。また、ペットボトル再生原料には若干量はこれらの成分が含有されている場合があり全くなしとするのは困難である。
このような洗浄工程では、アルカリ金属水酸化物の水溶液により、PETボトルフレークの一部が加水分解される。また、PETボトルを成形する際の加熱により樹脂の重合度が低下する。さらに、回収したPETボトルを再利用するため粉砕した後、再度溶融してペレット化する際に加わる熱や水分の影響により重合度が低下する。そのままでも再利用できるが、使用する用途によっては重合度が低下した場合、成形性や強度、透明性や耐熱性などが劣り、そのままでは再利用することができないことがある。
そのような場合、低下した重合度を回復させるため、粉砕して洗浄されたPETボトルのフレークもしくはフレークを溶融し、ペレット化したものを固相重合することが好ましい。
固相重合工程では、洗浄したフレーク、もしくはフレークを溶融押出してペレット化したものを180〜245℃、好ましくは200〜240℃の窒素ガス、希ガスなどの不活性気体中で連続固相重合することにより行うことができる。
最終的にPETボトル再生原料として、極限粘度が0.55〜0.90dl/g、好ましくは0.60〜0.85dl/gとなる条件で、フレーク、またはペレットの条件を調整して行うのが望ましい。
フレークをペレット化する工程について説明する。
フレークを脱気手段および濾過手段を有する押出機を用いて溶融、押出、冷却、造粒する。
押出機における溶融工程では通常260〜300℃、好ましくは265〜295℃で溶融混練することにより行うことができる。投入するPETボトルを粉砕したフレークは十分に乾燥しておく必要があり、5〜200、好ましくは10〜100ppm、更には15〜50ppmとなる条件で乾燥を行うことが好ましい。フレークに含まれる水分が多い場合、溶融工程で加水分解反応が進み、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が低下する。脱気手段として、樹脂の溶融帯域に少なくとも1箇所の真空ベントを有しているものが好ましい。
また、該押出機は、濾過手段として溶融樹脂の粒径25μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは10μm以上の固形異物を濾過して除去できるフィルターを有しているのが好ましい。
フィルターを通過した溶融樹脂はダイスを経由し、水中で冷却された後、所望の形状のペレットに切断され造粒される。
本発明において、二軸配向ポリエステルフィルムの溶融比抵抗が1.0×10Ω・cm以下であることが好ましいが、そのために使用されるポリエステル系樹脂は、後記測定法による285℃での溶融比抵抗値が1.0×10Ω・cm以下になるよう調整することが好ましい。285℃での溶融比抵抗値が1.0×10Ω・cmを超えるポリエステル系樹脂だけを用いて前述した異常放電を避ける生産条件で、冷却ドラムへ密着性させようとした場合、溶融樹脂シートと冷却ドラムの間で局所的に空気が噛み込んだ状態で冷却される為、シート表面にピンナーバブルが生じ、好ましくない。また、ピンナーバブルの発生を抑制する為に、吐出された溶融樹脂が冷却ドラムで十分密着できる程度まで生産速度を低下させる必要が生じ、生産する費用が増大してしまう。
本発明において使用されるポリエステル系樹脂において、溶融比抵抗値を上述の範囲に制御するには、該樹脂中にアルカリ土類金属化合物とリン化合物を含有させればよい。含有させる方法としてはPETボトルから再生されたPETに対し、アルカリ土類金属化合物とリン化合物を含有させたポリエステル系樹脂を混合するなどで構わない。アルカリ土類金属化合物中のアルカリ土類金属原子(M2)は、樹脂の溶融比抵抗値を低下させる作用を有する。アルカリ土類金属化合物は、通常、多価カルボン酸類と多価アルコール類からエステルを生成する際の触媒として使用されるが、触媒としての必要量以上に積極添加することで、溶融比抵抗値低下作用を発揮させることができる。具体的には、アルカリ土類金属化合物の含有量を、M2基準で20ppm(質量基準、以下同じ)以上、好ましくは22ppm以上、さらに好ましくは24ppm以上とすることが推奨される。他方、アルカリ土類金属化合物の含有量は、M2基準で400ppm以下、好ましくは350ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下とすることが推奨され、これ以上使用しても、その量に見合っただけの効果は得られず、むしろ、この化合物に起因する異物の生成や着色などの弊害が大きくなる。
好ましいアルカリ土類金属化合物の具体例としては、アルカリ土類金属の水酸化物、脂肪族ジカルボン酸塩(酢酸塩、酪酸塩など、好ましくは酢酸塩)、芳香族次カルボン酸塩、フェノール性水酸基を有する化合物との塩(フェノールとの塩など)などが挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど(好ましくはマグネシウム)が挙げられる。より具体的には、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウムなどが挙げられ、中でも、酢酸マグネシウムが好ましく使用される。上記アルカリ土類金属化合物は、単独でまたは2種以上組合せて使用できる。昨今ではマグネシウムをアルカリ土類金属に含めない定義もあるようではあるが、本発明においては、旧来のマグネシウムを含む定義のアルカリ土類金属を意図している。言い換えれば、周期表IIa族の元素を意図している。
リン化合物は、それ自体フィルムの溶融比抵抗値を低下させる作用は有しないが、アルカリ土類金属化合物、および後述するアルカリ金属化合物と組み合わせることにより、溶融比抵抗値の低下に寄与し得る。その理由は明らかではないが、リン化合物を含有させることにより、異物の生成を抑制し、電荷担体の量を増大させることができるのではないかと考えられる。リン化合物の含有量は、リン原子(P)基準で10ppm(質量基準、以下同じ)以上、好ましくは11ppm以上、さらに好ましくは12ppm以上とすることが推奨される。リン化合物の含有量が上記範囲を下回ると、溶融比抵抗値の低下効果が十分でなく、さらに、異物生成量が増加する傾向にある。
他方、リン化合物の含有量は、P基準で600ppm以下、好ましくは550ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下とすることが推奨され、これ以上使用しても、その量に見合うだけの効果は得られず、溶融比抵抗値の低下効果が飽和する。さらに、ジエチレングリコールの生成を促進し、フィルムの物性低下を引き起こす。
上記のリン化合物としては、リン酸類(リン酸、亜リン酸、次亜リン酸など)、およびそのエステル(アルキルエステル、アリールエステルなど)、並びにアルキルホスホン酸、アリールホスホン酸及びそれらのエステル(アルキルエステル、アリールエステルなど)が挙げられる。好ましいリン化合物としては、リン酸、リン酸の脂肪族エステル(リン酸のアルキルエステルなど;例えば、リン酸モノメチルエステル、リン酸モノエチルエステル、リン酸モノブチルエステルなどのリン酸モノC1-6アルキルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジブチルエステルなどのリン酸ジC1-6アルキルエステル、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステルなどのリン酸トリC1-6アルキルエステルなど)、リン酸の芳香族エステル(リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジルなどのリン酸のモノ、ジ、またはトリC6-9アリールエステルなど)、亜リン酸の脂肪族エステル(亜リン酸のアルキルエステルなど;例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリブチルなどの亜リン酸のモノ、ジ、またはトリC1-6アルキルエステルなど)、アルキルホスホン酸(メチルホスホン酸、エチルホスホン酸などのC1-6アルキルホスホン酸)、アルキルホスホン酸アルキルエステル(メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジメチルなどのC1-6アルキルホスホン酸のモノまたはジC1-6アルキルエステルなど)、アリールホスホン酸アルキルエステル(フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチルなどのC6-9アリールホスホン酸のモノまたはジC1-6アルキルエステルなど)、アリールホスホン酸アリールエステル(フェニルホスホン酸ジフェニルなどのC6-9アリールホスホン酸のモノまたはジC6-9アリールエステルなど)などが例示できる。特に好ましいリン化合物には、リン酸、リン酸トリアルキル(リン酸トリメチルなど)が含まれる。これらリン化合物は単独で、または2種以上組合せて使用できる。
さらに、アルカリ土類金属化合物とリン化合物は、アルカリ土類金属原子(M2)とリン原子(P)の質量比(M2/P)で1.2以上5.0以下でフィルム中に含有させることが好ましい。M2/P値が1.2以下では、溶融比抵抗値の低下効果が著しく減少する。より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは1.4以上である。他方、M2/P値が5.0を超えると、溶融比抵抗値の低下効果よりも、異物生成が促進されたり、フィルムが着色するなどの弊害が大きくなり、好ましくない。より好ましくは4.5以下、さらに好ましくは4.0以下である。
このようなポリエステル系樹脂を押出機内で溶融状態にし、異物を除去する為、フィルターでろ過した後、口金から溶融樹脂をシート状に押し出し、静電密着法で冷却ドラムに密着、冷却固化することで、ポリエステル系未延伸樹脂シートを成形する。その後、必要に応じ、縦方向及び、または横方向に延伸する。横方向に延伸する時、クリップでポリエステル系樹脂シートの両端部を把持し、横延伸させる為、ポリエステル系未延伸シートの両端部をクリップで把持できる程の厚みにする必要がある。また、端部の一部に薄い部分が存在する場合、該部分に延伸時の応力が集中し、横延伸時破れが生じる場合があり、それを防止するようなポリエステル系未延伸シートの横方向の厚み分布にする必要がある。この横厚み分布調整方法は、口金のリップ口の間隔を調整することで可能である。但し、口金から溶融樹脂シートが押出され、静電密着法で冷却ドラム上に密着され、冷却固化されて、ポリエステル系未延伸シートに成形されるまでに、ポリエステル系樹脂シートの幅縮みが発生し、両端部の厚みが大きくなることを考慮しての調整が必要である。好ましいポリエステル系未延伸樹脂シートの端部の横厚み分布は、横延伸する時に延伸されない部分(延伸残)の厚みを、該シートの端部方向程、大きくすることである。
本発明において使用される静電密着方法は、ワイヤー状電極、もしくはバンド状電極による静電荷付与方法によるものが好ましい。針状電極は、電極表面から溶融ポリエステル系樹脂に向かって、発生する電気の指向性が強く、異常放電が発生し易く、その事によるシートの破れ、冷却ドラムの傷の発生を防止する製造条件に制御することが困難であるので、好ましくない。
本発明において使用されるワイヤー状電極の直径Φは、0.05〜1.0mmが好ましく、特に0.08〜0.5mmが好ましい。ワイヤー状電極の直径Φが0.05mmよりも小さいと、共振や機械振動による電極ブレを防止する為にワイヤー状電極に掛けている張力に耐えられずワイヤーが切れ、好ましくない。また、直径Φが1.0mmが大きいと、静電荷を溶融樹脂シートに効率良く、均一に加えるには、過大な電圧電流が必要となり、異常放電が極めて発生し易くなる為、好ましくない。
本発明において使用されるワイヤー状電極は、リール等に巻き取り決められた速度で随時新しい電極を供給できるものが好ましい。固定式の電極の場合、溶融した樹脂から発生するモノマー、線状オリゴマーや環状オリゴマー等の昇華物が電極に付着するので、品質の良いポリエステル系未延伸樹脂シートを得ようとすると、加える静電荷量を経時的に上げなければならなく、異常放電の可能性が上がる為、好ましくない。
また、巻き取ったワイヤー状電極をリールから送り出す速度は、0.1〜10m/時間が好ましい。ワイヤー状電極を送り出す速度が、0.1m/時間よりも小さいと、溶融した樹脂から発生するモノマー、線状オリゴマーや環状オリゴマー等の昇華物の電極への堆積付着防止が十分でなく、溶融樹脂シートに対して静電荷を与えることができなく、ピンナーバブルのような表面欠点を含む品質の劣るフィルムしか提供できない為、好ましくない。また、ワイヤー状電極を送り出す速度が10m/時間より大きいと、新しいリールへの交換の頻度が多くなり、生産性が劣り、好ましくない。また、交換の頻度を少なくできる程、大きなリールへワイヤーを巻き取った場合は、現行使用している設備に収めることができなく、大きな設備の改造を伴う為、好ましくない。この電極移動装置を例示すると西田工業株式会社製ワインディング装置等を挙げることができる。
本発明に使用されるワイヤー状電極の材質を例示すると、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、モリブテン、チタン、タンタル、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等が挙げられ、これらの合金を用いても良い。また、これら使用するワイヤー状電極に耐触性、耐酸化性向上を目的として、ワイヤー状電極の表面に金、白金等でメッキ処理を施しても良い。
本発明に使用されるワイヤー状電極は、共振、機械振動、樹脂の随伴空気流、クーロン力等による電極ブレ防止の目的で、ワイヤー状電極に張力を掛けている。ワイヤー状電極に掛ける張力は、電極の材質の保証張力範囲内で電極ブレが起こらない範囲内で実施することができる。具体的には、14.7〜24.5Nの張力をワイヤー状電極に掛けることで、ワイヤー状電極が切断することも、電極ブレも起こらない状態でポリエステル系樹脂シートを製造することが可能である。また、ワイヤー状電極にこのような一定の張力を掛ける装置として、株式会社工進精工所製パーマトルク(HC−4−4−J)等が例示できる。
本発明に使用されるワイヤー状電極の両端部には、異常放電を抑制する放電防止部材を設置することが好ましい。これは、口金から溶融されたポリエステル系樹脂を冷却ドラム上に押出し、ワイヤー状電極で静電印加する場合、ワイヤー状電極から一番近い距離にある厚みの大きいシート端部や押出されたポリエステル系樹脂が覆われていない剥き出しの冷却ドラム部材上に異常放電が選択的に起こるからであり、放電防止部材を該位置に設置することで、異常放電の発生確率を低くすることができる。
また、ポリエステル系樹脂シートを製造する際の異常放電を抑制する為の放電防止部材の位置は、ポリエステル系樹脂シートの端部から内側の5〜30mmの位置に放電防止部材の端部があるように位置させることが好ましい。
本発明に用いられる放電防止部材の素材としては、加工性、耐熱性、絶縁性の点からシリコン系樹脂、フッ素系樹脂が好ましい。
また、本発明に用いられる放電防止部材は、ワイヤー状電極の端部に取り付けられており、口金から溶融されたポリエステル系樹脂シートを冷却ドラム上に押出し、ワイヤー状電極で静電印加する場合、その樹脂シートの幅に合わせて調整ができる可変式が好ましい。
ポリエステル系樹脂シートの生産性を向上させる為、冷却ドラムの回転数を上げ、かつピンナーバブル等の表面欠点のない品質の良いポリエステル系樹脂シートを製造する方法は、ワイヤー状電極に流す電流値を電圧一定の元に上げるか電流一定の元に電圧値を上げる方法とワイヤー状電極に流す電流電圧を一定にし、ワイヤー状電極をポリエステル系樹脂シートに接触させないように徐々に近付ける方法とに大きく分けて二つの方法があるが、これら二つの方法を合わせて行うことが好ましい。即ち、ワイヤー状電極に流す電流電圧を一定にし、ワイヤー状電極を該ポリエステル系樹脂シートに接触しない程度の位置まで近付けても、ピンナーバブル等が発生する場合、ワイヤー状電極に流す電流値を電圧一定の元に上げるか電流一定の元に電圧値を上げるかして、ピンナーバブルのような表面欠点を消滅させるように調整することである。
本発明のポリエステル系樹脂シートを製造する方法において、該ポリエステル系樹脂シートの端部へ気体の吹付けを行い、かつワイヤー状電極による静電密着を行った後に、該ポリエステル系樹脂シートの端部へ針状電極で静電気を付与させている。これは、放電防止部材により遮断されている該ポリエステル系樹脂シートの端部の冷却ドラムとの密着不足を補う為である。針状電極で静電気を付与しないと、該ポリエステル系樹脂シートの端部の冷却ドラムとの密着不良により、シート端部が結晶化してしまい、横延伸時のフィルム破れの発生や横延伸のクリップ把持ができなかったりし、好ましくない。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム1mあたりに1mm大以上の異物が1個未満であることがフィルム品位の観点から好ましく、ポリエステル再生原料を用いながらも品位のよいフィルムであると言える。最も好ましくは0個である。前記の少ない異物の数は後述のPETボトル再生原料のフィルター背圧上昇の小ささと大きな関係を有するものである。
PETボトル再生原料を利用する場合には、フィルター背圧上昇係数が10以下のものが特に好ましい。更に好ましくは5以下、特に好ましくは4以下である。フィルター背圧上昇係数が10を超えるとフィルム製膜工程における押出機フィルター圧力の異常上昇に伴うトラブルや得られたフィルムの透明性低下、異物に起因する粗大突起、フィッシュアイなどの欠点異物が混入することによるフィルム品位の低下などが起こり好ましくない。フィルター背圧上昇係数は0であることが最も好ましいが、実際の製膜性を考慮すれば1以上でもかまわない。
PETボトル再生原料のフィルターは背圧上昇係数を10以下に抑制するためには、フィルターの強化が有効である。特にPETボトルを粉砕したフレーク状のポリエステルを出発原料として、押出機で溶融し、フィルターを通して濾過を行ってペレット化するに際し、混入した異物を製膜工程で用いられるフィルターと同程度の目開きサイズのフィルターを用いて最終的に濾別することが好ましく、製膜工程に供されるペレットに成形される以前に3回以上濾別されることが好ましい。フィルターの目開きサイズは小さいことが好ましいが、不純物が多い段階であまりにも小さい目開きサイズのフィルターを用いると背圧上昇が大きく、工程管理が困難となるので、工程を追って、徐々に目開きサイズの小さなフィルターで順次3回以上濾別することが特に好ましい。例えば1回目200メッシュ、2回目400メッシュ、3回目50μmというふうに徐々に目開きサイズの小さなフィルターに変更して3回以上濾過すればよい。もちろん、最終的にペレット化する直前には例えば20〜60μmといった細かなフィルターで濾過しておけば、フィルムスペックに十分なポリエステル再生原料ができて好ましい。
また製膜工程においても、溶融押出前に2回以上のフィルター濾過を行うことが好ましく、異物の少ないフィルムが得られる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、炭素数10〜20のアルキル基を有するアニオン系帯電防止剤が、少なくとも片面(好ましくは両面)に存在している。このような構成とすることで、フィルムの二次加工時などで静電の発生・蓄積を抑制して、この静電気によってもたらされる種々のトラブルの発生を防止することができる。フィルムの少なくとも片面の相対湿度65%RH下における表面固有抵抗を13logΩ以下とすることは帯電防止性の指標であり、表面固有抵抗が13logΩを超えると、帯電防止性が不十分となり好ましくない。より好ましくは11logΩ以下である。但し、実用上に2logΩ以上で構わない。
上記のアニオン系帯電防止剤は、炭素数10以上20以下のものである。このような分子構造を有する帯電防止剤であれば、例えば、フィルム加工時(フィルム製造時および二次加工時)において、該フィルムが熱を受けた場合にも、帯電防止剤がフィルム表面から飛散・消失してしまうことを抑制できるため、帯電防止効果をより確実に確保できる。
すなわち、炭素数が上記範囲を下回るアニオン系帯電防止剤では、フィルム加工時に受ける熱によって、フィルムから飛散・消失する割合が極めて大きくなり、帯電防止剤をしようすることによる効果が十分に発揮できなくなる場合がある。他方、炭素数が上記範囲を超えるアニオン系帯電防止剤では、帯電防止効果が不十分なものがあり、帯電防止剤を使用することによる効果が十分に確保できない場合がある。アニオン系帯電防止剤の炭素数は、12以上18以下であることが好ましい。
上記アニオン系帯電防止剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール酸化エチレン付加体の硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などの硫酸及びスルホン酸誘導体などのうち、炭素数が10〜20のアルキル基を有するものが挙げられる。より具体的にはアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩などで、炭素数10〜20のアルキル基を有するものが挙げられる。中でも、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネートなどが好適なものとして挙げられる。
なお、本発明のフィルムにおいて、フィルム表面に上記アニオン系帯電防止剤を存在させる方法としては、フィルム表面に帯電防止剤を含む塗布液を塗布する方法(塗布法)を採用することが好ましい。
フィルムの帯電防止策としては、塗布法の他に、フィルムの原料樹脂に帯電防止剤を練り込み、これを用いて製膜する方法(練り込み法)もある。練り込み法を採用したフィルムでは、該フィルム内部から帯電防止剤が表面に滲み出ることによって帯電防止効果が発揮される。しかしながら、ポリエステル系フィルムの場合、ポリエステルのガラス転移温度が一般に高いため、常温付近の温度ではフィルム表面に帯電防止剤が滲み出難いことが多く、帯電防止効果が不十分となる傾向にある。また、ポリエステル系フィルムは製膜温度が比較的高く、さらにポリエステルの有する極性基の反応性が高いこともあって、帯電防止剤が配合されていると、製膜時にポリエステルの劣化が促されて物理的性質の低下が引き起こされたり、着色したりすることがある。
これに対し、塗布法であれば、帯電防止剤をフィルム表面に直接存在させるため、ポリエステルのガラス転移温度の高さによらず帯電防止効果が有効に発揮され、また、帯電防止剤の導入によるフィルム劣化や着色なども防止できる。
フィルム表面に帯電防止剤を含む塗布液を塗布するタイミングは特に制限されず、溶融押出後・延伸前の未延伸フィルムに塗布してもよく、延伸後のフィルム(一軸延伸後あるいは二軸延伸後)のフィルムに塗布してもよい(詳しくは後述する)。
フィルムに塗布する塗布液には、溶剤として炭素数1〜3の低級アルコールと水の混合溶剤を用いることが好ましい。炭素数1〜3の低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどの、水と任意の割合で混合し得るものが好適である。炭素数が多いアルコールは、塗布液を調製した際に水と相分離してしまい、このような塗布液を用いると塗布斑が生じ易くなるため好ましくない。ただし、相分離を起こさない程度であれば、炭素数1〜3の低級アルコールと併用しても構わない。
上記の低級アルコールは、塗布液中、10質量%以上とすることが好ましい。低級アルコール量が10質量%未満の場合には、塗布液の表面張力が大きくなってフィルムへの濡れ性が低下し、塗布斑が生じ易くなり、また、理由は不明であるが、塗布液を塗布後、乾燥して得られる二軸配向フィルムにおいて、急激な温湿度変化が生じた場合に、フィルムの透明性が低下して実用性が損なわれることがある。
また、塗布液中の低級アルコール量は60質量%以下であることが好ましい。低級アルコール量が60質量%を超える場合には、塗布液中の有機溶剤量が多くなることとなるため、フィルム製造工程中に塗布液を塗布する場合、爆発の危険性が生じるために防爆対策を講じる必要がある。なお、低級アルコールと同時に、より炭素数の多いアルコールを併用する場合には、塗布液中のアルコールの総量を60質量%以下とすることが推奨される。
上記塗布液の塗布によるフィルム表面の上記アニオン系帯電防止剤の存在量は、0.001〜0.5g/mであることが好ましい。アニオン系帯電防止剤の存在量が上記範囲を下回ると、帯電防止効果が十分に確保できないことがある。他方、アニオン系帯電防止剤の存在量が上記範囲を超えると、フィルムの透明性や耐ブロッキング性が低下することがある。
フィルムのカラーb値(Co−b値)は10以下が好ましい。更に好ましくは5以下、特に好ましくは3以下である。フィルムのカラーb値(Co−b値)が10を超えると、フィルムからの回収ペレットをフィルム原料として使用した際にフィルム品位の低下が著しく好ましくない。PETボトル再生原料を使用しながらもフィルムのカラーb値(Co−b値)を10以下とするためには、後述のPETボトル再生原料のペレット化工程での濾過強化が有効であり、3回以上の濾過を行うことが好ましい。カラーb値は小さいことが好ましいが、フィルムからの回収ペレットの品位から1.0以上であっても構わない。
フィルムの熱収縮率は熱風150℃30分処理後において、フィルムの流れ方向、幅方向のいずれの方向においても3%以内であることが好ましい。更に好ましくは2%以下である。フィルムの収縮率が3%を超えると寸法安定性に欠き印刷加工時などにおいてフィルムが収縮するなどの不良が起きやすく好ましくない。フィルムの収縮率はなるべく0%に近いことが好ましいが、実際の使用上の要求性能を考慮すれば0.1%以上で構わない。
(ポリエステル樹脂)
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体が用いられてもよいが、なかでもポリエチレンテレフタレートから形成された二軸延伸フィルムが特に好適である。これらの重合体の製法としては、特に限定するものではなく、固相重合または重合体を溶剤抽出等でオリゴマー含有量を低減したポリエステルを使用することが好ましい。
また、本発明で用いられるポリエステルフィルムには、重縮合触媒(エステル交換法の場合には、エステル交換反応触媒も使用される)、燐酸または燐酸化合物などの熱安定剤が必須成分として用いられる。これら以外に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩も適性量含有させておくことが、シート状の溶融ポリエステル樹脂を回転冷却ロール上に静電印加法により密着固化させ、厚みの均一な未延伸シートを得ることができる点から好ましい。
また、フィルムの滑り性、巻き性、耐ブロッキング性などのハンドリング性や、耐摩耗性、耐スクラッチ性などの摩耗特性を改善するために、基材のポリエステルフィルム中に不活性粒子を含有させることが好ましい。その他必要に応じて、ポリエステル樹脂中に各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などが挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムの透明性を維持しながらハンドリング性を要求されるような場合、フィルムの中心層には実質的に粒子を含有させず、表層にのみ微粒子を含有させることとしてもかまわない。
(二軸配向ポリエステルフィルムの製造)
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)フィルムを例にして説明するが、これに限定されるものではない。
PET樹脂、及びPETボトル再生原料を十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、Tダイから約280℃程度の溶融PET樹脂を回転冷却ロールにシート状に溶融押出しし、静電印加法により冷却固化せしめて未延伸PETシートを得る。前記未延伸PETシートは、単層構成でもよいし、共押出し法による複層構成であってもよい。また、高度な透明性が要求される場合には、樹脂中に不活性粒子を実質的に含有させないことも好ましい。
得られた未延伸PETシートを、80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍に延伸して、一軸延伸PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、70〜140℃に加熱された熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き続き、160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜60秒間の熱処理を行ない結晶配向を完了させる。アニオン系帯電防止剤の付与は未延伸段階でも1軸延伸後でも2軸延伸後でも構わないが、最終熱セット前であることが効率的で好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、容器の胴巻き用ラベルとして好適に使用される。ここで言う容器とは、主に比較的大型の1〜4リットル用程度の飲料用PETボトルなどを指しており、フィルムを必要に応じて印刷してラベルカットし、前記のような飲料用PETボトルの胴に巻回して接着剤、溶剤又は熱で接着して装着することが可能である。即ち、本発明で言う胴巻き用ラベルとは、予めラベルの両端を接着してチューブ状若しくはスリーブ状にした上で容器に被せて熱収縮させる態様のラベルとは異なり、熱収縮装着設備を要しないので経済的である。また、ラベルは熱収縮特性を小さくすることができ、比較的高温条件で在庫保管に対しても熱収縮特性等の品質変化が小さく、扱いやすいラベルとなる。
次に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は当然以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた評価方法は以下の通りである。
1.溶融比抵抗値
温度285℃で溶融した試料(チップまたはフィルム)中に一対の電極板を挿入し、120Vの電圧を印加する。その際の電流を測定し、下式に基づいて溶融比抵抗値Si(Ω・cm)を算出する。
Si=(A/I)×(V/io)

ここで、A:電極の面積(cm2)、I:電極間距離(cm)、V:電圧(V)、io:電流(A)である。
2.フィルター背圧上昇係数
ポリエステルペレットを135℃で12時間乾燥後、温度285℃、フィルター濾過径20μm、吐出量6g/分、吐出時間4時間の条件で押出し、30分毎のフィルター圧力変化を記録し下記式にてフィルター背圧上昇係数を求めた。
K=ΔP/(Q/S)

ここで、K:フィルター背圧上昇係数、ΔP=P1−P0
P1:押出し4時間後圧力圧力(MPa)、P0押出し開始時の圧力(MPa)、Q:押出し吐出量(kg/hr)、S:フィルター濾過面積(cm
3.マグネシウムの分析
試料を白金ルツボにて灰化分解し、6mol/L塩酸を加えて蒸発乾固した。1.2mol/L塩酸で溶解し、ICP発光分析(島津製作所製、ICPS−2000)で定量した。
4.リンの分析
試料を炭酸ソーダ共存下において乾式灰化分解するか、硫酸・硝酸・過塩素酸系又は硫酸・過酸化水素水系において湿式分解し、リンを正リン酸とした。次いで、1mol/L硫酸溶液中においてモリブデン酸塩を反応させてリンモリブデン酸とし、これを硫酸ヒドラジンで還元して生ずるヘテロポリ青の830nmの吸光度を吸光光度計(島津製作所製、UV−150−02)で測定して比色定量した。
5.ゲルマニウムの化学分析法
試料2gを白金ルツボにて灰化分解し、10%炭酸水素ナトリウム溶液5mlを加えて蒸発させ、さらに塩酸を加えて蒸発乾固した。電気炉にて400℃から950℃まで昇温し、30分間放置し、融解させた。水10mlに加温溶解させ、ゲルマニウム蒸留装置に移した(水洗7.5ml×2)。塩酸35mlを加え、蒸留して留出液25mlをとった。その中から適当量を分取し、最終濃度1〜1.5mol/Lとなるように塩酸を加えた。0.25%ポリビニルアルコール溶液2.5ml、1%セチルトリメチルアンモニウムクロライド溶液2.5ml及び0.04%フェニルフルオロン(2,3,7−トリヒドロキシ−9−フェニル−6−フルオロン)溶液5mlを添加し、水にて25mlとした。Geとの黄色の錯体を形成させ、505nmの吸光度を吸光光度計(島津製作所製、UV−150−02)で測定して比色定量した。
6.フィルム中の異物
得られたフィルムを250mm×250mmのフィルム片にし、スケール付き顕微鏡で、フィルム面に対して垂直方向から観察した時の1mm以上の直径を有する異物の数を250mm×250mm(0.0625m)の範囲すべてについて計測する。これをフィルム片20枚に対して行い、得られた異物の総数を総観察面積(1.25m)で除し、単位面積1m当たりの異物の個数(個/m)に換算し、小数第1位の桁を四捨五入した。
1.0個/m未満を○、1.0個/mより多い場合を×とした。
7.表面固有抵抗
アドバンテスト社製表面固有抵抗測定器(本体:R8340、試料箱:R12704)を用いて、印加電圧100V、23℃・65%RHの雰囲気下で測定し、測定器の読取値を表面固有抵抗とした。
8.極限粘度(IV)
試料を130℃で一昼夜真空乾燥後、粉砕又は切断し、その80mgを精秤して、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(体積比)の混合溶液に80℃で30分間、加熱溶解した。同じ混合溶液で20mlにした後、30℃で測定した。
9.ポリエチレンテレフタレート中のエチレンテレフタレート環状3量体の含有量
サンプル約100mgを精秤し、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール/クロロホルム=2/3(v/v)、3mLで溶解した。クロロホルム 20mL を加え、メタノ−ル 10mL で再沈した。濾過後、濾液を濃縮乾固し乾固物をN,N−ジメチルホルムアミド、10mLで再溶解した。これを遠心濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供した。

HPLC分析条件
装置: L-7000(日立製作所製)
カラム: μ-Bondasphere C18 5μ 100Å
3.9mm×15cm(Waters製)
溶離液A: 2%酢酸水溶液(v/v%)
溶離液B: アセトニトリル
グラジェントB%: 10%→100%,(0→55min);
100%→100%,(55→56min);
100%→ 10%,(56→60min)
流速: 0.8mL/min
検出: UV−258nm
カラム温度: 30℃
注入量: 10μL

(エチレンテレフタレート環状3量体の分析方法)
別途得られたエチレンテレフタレート環状3量体を用い、70ppmエチレンテレフタレート環状3量体含有量既知のDMF溶液を作成し、上記HPLC分析条件にて分析を行った。得られたクロマトグラムから70ppmのエチレンテレフタレート環状3量体のピーク面積を求め、これとサンプルを上記分析条件で分析することで得られたクロマトグラムのエチレンテレフタレート環状3量体のピーク面積から、HPLC供試液中に含まれるエチレンテレフタレート環状3量体濃度を求めた。得られた供試液中のエチレンテレフタレート環状3量体濃度を用いて、サンプル中に含まれるエチレンテレフタレート環状3量体含有量を求めた。
10.熱収縮率
幅10mmにサンプリングして、200mmの間隔に標線をマークして、標線の間隔を測定(L 0)した後、そのフィルムを紙の間に挟み、150℃の温度に制御した熱風オーブンに入れ、30分処理した後、取り出した後、標線の間隔を測定(L)して、次式から熱収縮率を求めた。

熱収縮率(%)={(L 0−L)/L 0}×100
11.Co−b値
色差計(日本電色工業社製、Z−1001DP)により、カラーb値(Co−b値)を求めた。
12.ピンナーバブル評価
実施例、比較例で得られるフィルムを西田工業株式会社製偏光板を使用して、目視で観察し、フィルム表面に発生するピンナーバブルを下記基準に従って評価した。○のものを合格とした。
○:ピンナーバブルの発生なし。
△:ピンナーバブルの発生が部分的に認められる。
×:ピンナーバブルの発生大。
13.フィルム中のNa(ナトリウム)、K(カリウム)の含有量
ポリエステルフィルムを平滑な金属板上で約5mmの厚みで円板状に成型し、平滑面を蛍光X線分析装置で測定した。なお、接着性改質層がある場合は、予め除去し、試料に供した。また、検量線は予め発光プラズマ分析法で濃度を確認した、標準サンプルを使用して作成したものである。
14.熱酸化安定性パラメータ(TOS)
フィルム試料(上記8.のIV測定法に沿ってIVを測定したデータを[IV]iとする)を冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にした。この粉末を130℃で12時間真空乾燥し、粉末300mgを内径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾燥した。次いで、シリカゲルを入れた乾燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃の塩バスに浸漬して15分間加熱した後の[IV]f1を測定した(既に粉砕されていること以外は、上記8.のIV測定法による)。TOSは、下記のように求めた。ただし、[IV]iおよび[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後のIV(dl/g)を指す。冷凍粉砕は、フリーザーミル(米国スペックス社製、6750型)を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップ又はフィルムと専用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液体窒素を装置に充填して約10分間保持し、次いでRATE10(インパクターが1秒間に約20回前後する)で5分間粉砕を行った。
TOS=0.245{[IV]f1 -1.47−[IV]i -1.47
TOSが0.3以下を○、0.3より大きい場合を×とした。
15.熱安定性パラメータ(TS)
フィルム(上記8.のIV測定法に沿ってIVを測定したデータを[IV]iとする )を1mm辺以下に細砕し、得られたフィルム試料1gを内径約14mmのガラス試験管に入れ130℃で12時間真空乾燥した後、ガラス試験管を真空ラインに接続し、減圧と窒素封入を5回以上繰り返した後に100Torrとなるように窒素を封入して封管した。この試験管を300℃の塩バスに浸漬して2時間溶融状態に維持した後、サンプルを取り出して上記方法にて冷凍粉砕し、真空乾燥後、IV(溶融試験後;[IV]f2)を測定した(既に粉砕されていること以外は、上記8.のIV測定法による)。この[IV]f2から、下記計算式を用いてTSを求めた。
TS=0.245{[IV]f2 -1.47 −[IV]i -1.47
TSが0.3以下を○、0.3より大きい場合を×とした。
(ポリエステルの合成例)
(ポリエステルA)
エステル化反応缶を昇温して200℃に到達した時点で、テレフタル酸[86.4質量部]及びエチレングリコール[64.4質量部]からなるスラリーを仕込み、撹拌しながら、触媒として三酸化アンチモン[0.017質量部]及びトリエチルアミン[0.16質量部]を添加した。次いで加熱昇温を行い、ゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った。
その後、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水塩[0.071質量部]、次いでリン酸トリメチル[0.014質量部]を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温した後、リン酸トリメチル[0.012質量部]、次いで酢酸ナトリウム[0.0036質量部]を添加した。得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、減圧下で260℃から280℃へ徐々に昇温した後、285℃で重縮合反応を行った。重縮合反応終了後、孔径5μm(初期濾過効率95%)のステンレススチール焼結体製フィルターで濾過処理を行った。
次に、空気中に存在する径が1μm以上の異物を、ヘパフィルターで減少させた密閉室内で、上記重縮合反応生成物であるポリエチレンテレフタレート(PET)をペレット化しポリエステルAを得た。
(ポリエステルB、C、D、E)
酢酸マグネシウム4水塩、リン酸トリメチルの添加量を変更した以外はポリエステルAと同じ方法でポリエステルB、C、D、Eを得た。
なお、表1中、無機成分(Mg,P)の含有量は、各原子基準の濃度(単位:ppm;質量基準)である。また、各無機成分の由来は下記の通りである。
Mg:主に酢酸マグネシウム4水塩に由来する。
P:主にリン酸トリメチルに由来する。
(ポリエステルF)
ポリエステルAの製法において、エステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水塩[0.071質量部]、次いでリン酸トリメチル[0.014質量部]を添加し、さらに、15分かけて260℃に昇温した後、リン酸トリメチル[0.012質量部]、次いで酢酸ナトリウム[0.0036質量部]を添加した後、15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、さらに平均粒子径2.50μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを粒子含有量を基準として0.80重量部添加した。このシリカ粒子は、エチレングリコールスラリーを予め調製し、これを遠心分離処理して粗粒部を35%カットし、その後、目開き5μmの金属フィルターでろ過処理を行って得られた粒子である。15分後に、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行い、極限粘度0.62dl/gのポリエステルFを得た。
(ポリエステルG、H)
シリカ粒子のエチレングリコールスラリー中の含有量を変更した以外はポリエステルFと同様の方法でポリエステルG、Hを得た。
(ポリエステルI : PETボトル再生原料)
飲料用PETボトルから残りの飲料などの異物を洗い流した後、粉砕してフレークを得た。得られたフレークをフレーク濃度10重量%、85℃、30分の条件で3.5重量%の水酸化ナトリウム溶液で攪拌下で洗浄を行った。
アルカリ洗浄後、フレークを取り出し、フレーク濃度10重量%、25℃、20分の条件で蒸留水を用いて攪拌下で洗浄を行った。この水洗を蒸留水を交換してさらに2回繰り返し実施した。水洗後、フレークを乾燥した後、押出機で溶融し、順次目開きサイズの細かなものにフィルターを変えて2回更に細かな異物を濾別し、3回目に50μmの最も小さな目開きサイズのフィルターで濾別して、ポリエステルIを得た。
(ポリエステルJ : PETボトル再生原料)
ポリエステルIの洗浄フレークを窒素気流中200℃で窒素と8時間接触させ、固相重合およびフレーク中に含まれる揮発性成分の除去を行って固相重合フレークを得た。
その後、ポリエステルIと同様に押出機に導き溶融、濾過を行いポリエステルJを得た。
(ポリエステルK : PETボトル再生原料)
ポリエステルIの製法において、アルカリ洗浄後、フレークを取り出し、フレーク濃度50重量%、25℃、3分の条件で蒸留水を用いて攪拌下で洗浄を行った後、取り出した。その後、フレークを乾燥した後、押出機で溶融し、順次目開きサイズの細かなものにフィルターを変えて2回更に細かな異物を濾別し、3回目に50μmの最も小さな目開きサイズのフィルターで濾別してポリエステルKを得た。
(ポリエステルL : PETボトル再生原料)
ポリエステルIの製法において、アルカリ洗浄後、金ざるにフレークを取り出し、適量の蒸留水を上からかけ、15秒ほどすすぎを行った以外は同様の方法でポリエステルKを得た。
(ポリエステルM : PETボトル再生原料)
ポリエステルKの製法において、アルカリ洗浄で使用する溶液を水酸化カリウム溶液とした以外は同様の方法でポリエステルLを得た。
(アニオン系帯電防止塗布液の調合)
塗布液1
ドデシルスルホネートに水を加えて希釈し、さらにイソプロパノールを加えて固形分濃度が2質量%の塗布液(ドデシルスルホネート:2質量%、水:63質量%、イソプロパノール:35質量%)を得た。
(実施例1)
原料としてポリエステル(A)を32質量%、ポリエステル(B)を10質量%、ポリエステル(F)を8質量%、ポリエステル(I)を50質量%の比率で混合し、33Paの減圧下、135℃で6時間乾燥した。その後、溶融し、100μmと50μmのフィルターで2回濾過した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度25℃に保った回転冷却金属ロール上でワイヤー電極による静電印加法を用いてシートを急冷密着固化させ、厚さ289μmの未延伸PETシートを得た。
この未延伸PETシートを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に4.0倍延伸して、一軸延伸PETフィルムを得た。
次いで、前記塗布液1をエアナイフ方式で一軸延伸PETフィルムの片面に乾燥後の塗布量が0.008g/mになるように塗布した後、引続いてテンターで、130℃で幅方向に4.2倍に延伸し、フィルムの幅方向の長さを固定した状態で、229℃で2.6秒間加熱し、さらに200℃で2.6秒間5.5%の幅方向の弛緩処理を行ない、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(実施例2)
原料としてポリエステル(A)を2質量%、ポリエステル(B)を10質量%、ポリエステル(F)を8質量%、ポリエステル(I)を80質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(実施例3)
原料としてポリエステル(C)を5質量%、ポリエステル(G)を4質量%、ポリエステル(I)を91質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(実施例4)
原料としてポリエステル(D)を2.5質量%、ポリエステル(H)を2.5質量%、ポリエステル(I)を95質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(実施例5)
原料としてポリエステル(A)を2質量%、ポリエステル(B)を10質量%、ポリエステル(F)を8質量%、ポリエステル(J)を80質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(実施例6)
フィルムの構成を3層とし、中心層はポリエステル(D)を2.5質量%、ポリエステル(I)を97.5質量%、表層はポリエステル(C)を5質量%、ポリエステル(G)を5質量%、ポリエステル(J)を90質量%とし、その厚み比率を表層/中心層/表層=10/80/10とした以外は実施例1と同様に厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(実施例7)
原料としてポリエステル(A)を2質量%、ポリエステル(B)を10質量%、ポリエステル(F)を8質量%、ポリエステル(K)を80質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(比較例1)
原料としてポリエステル(I)を100質量%とした以外は実施例1と同様に厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(比較例2)
原料としてポリエステル(A)を2質量%、ポリエステル(B)を10質量%、ポリエステル(F)を8質量%、ポリエステル(L)を80質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(比較例3)
原料としてポリエステル(A)を2質量%、ポリエステル(B)を10質量%、ポリエステル(F)を8質量%、ポリエステル(M)を80質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様の方法で、厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
(比較例4)
原料としてポリエステル(E)を1質量%、ポリエステル(H)を2.5質量%、ポリエステル(I)を96.5質量%の比率で混合した以外は実施例1と同様に厚さ18μmの二軸延伸PETフィルムを得た。評価結果を表3に示す。
本発明によれば、飲料PETボトルから再生された原料を使用しているにもかかわらず、PETボトル再生原料を作る際に使用する洗浄液成分の残存が少なく熱安定性に優れ、且つフィルムの生産性及びフィルムの品位を損なうことなく、静電気によるトラブルが極めて起こりにくい容器の胴巻きラベル用のフィルムを提供することができる。さらに、製造時に製品とならなかった屑フィルムを回収し、フィルム原料として再利用することができるので、経済的及び環境負荷の面で有用である。

Claims (6)

  1. PETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、温度285℃における溶融比抵抗が1.0×10Ω・cm以内であり、該PETボトル再生原料の比率がフィルム中に50%以上96%以下で、フィルムに含まれるナトリウム含有量及びカリウム含有量がいずれも0ppmより大きく150ppm以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. フィルム中に少なくともアルカリ土類金属化合物をアルカリ土類金属元素の原子の量として20ppm以上含有し、且つリン化合物をリン原子の量として9ppm以上含有することを特徴とする請求項1記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. アルカリ土類金属化合物をアルカリ土類金属元素の原子の量としてその合計が500ppm以上である高濃度マスターバッチを2.5〜19重量%添加していることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. フィルム1mあたりに1mm大以上の異物が1.0個未満であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. フィルムの少なくとも片面に炭素数10〜20のアルキル基を有するアニオン系帯電防止剤が存在することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載される二軸配向ポリエステルフィルムからなることを特徴とする容器の胴巻用ラベル。
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