JP7196970B1 - 二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール - Google Patents

二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール Download PDF

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Abstract

【課題】 PET容器由来の再生原料を使用したフィルムであり、再生原料中の異物量が多くても、得られるフィルムの生産性が良好なで破断なく長尺化が可能で、地球環境にやさしい二軸配向ポリエステルフィルムを巻き取ってなるフィルムロールを提供すること。【解決手段】 PET容器由来の再生原料を使用し、下記(1)~(3)を満たす二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムをロール状に巻き取ってなる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。(1)150℃30分で測定した時のフィルム長手方向の熱収縮率が0.5%以上2.0%以下。(2)JIS K 7142-1996 A法に基づいて測定した屈折率から算出したフィルムの面配向係数(ΔP)が0.16以上0.17以下。(3)フィルムロール1000m2あたりにの最大長さが1.3mm以上の異物数が1個以上。【選択図】なし

Description

本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムをロール状に巻き取ってなる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロールに関する。さらに詳しくは、PET容器由来の再生原料を使用し、地球環境にやさしく、異物の多いPET容器由来の再生原料を使用しても製膜性が良好であり、生産性に優れる二軸配向ポリエステルフィルムロールに関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表される芳香族ポリエステルは、優れた力学特性、耐薬品性などを有しており繊維、フィルムなどの成型品として広く使用されている。特にPET樹脂は安価であり、さらに衛生的な面でも優れていることから、食品容器や飲料用の容器として幅広く使用されている。近年の環境問題の高まり、および省資源の面から、使用済みのPET容器については、以前からリサイクルが行われており、その活用方法が注目されている。
また、PET容器由来の再生原料を用いることによりCO削減につながるとも言われており、地球環境の面からも少しでもPET容器由来の再生原料の使用率を高めたいという要望がある。
PET容器由来の再生原料は、飲料用PETボトルやサラダや野菜等の容器で使用されているA-PETを回収して作製されている。しかし、市場に出てゴミとなった物を回収して再生原料としているので、化石燃料由来のPET原料と比較し、原料中に含まれる異物量が多くなる。そのため、得られる二軸配向ポリエステルフィルムは異物起因の破断が多くなり、生産性が悪化してしまうことが課題である。ここで言う異物とは、例えばPETボトルの帯ラベルや砂利、消費者がPETボトルに充填していた農薬や殺虫剤等の薬品類などのPET樹脂以外の物質のことを指す。異物起因の破断を抑制するためには、溶融樹脂をろ過精度の高いフィルターに通して製膜する方法が挙げられる。この手段により、異物が十分に除去されるので異物起因の破断は減少するが、フィルターに異物が堆積することによって目詰まりが発生する。そのため、フィルターを早い周期で交換する必要があり、結果的に生産性が悪化してしまう。さらに、目開きサイズの異なるフィルターを複数回に分けて使用することで段階的に異物を除去する方法もあるが、溶融ラインが長くなり、再生原料の分子量が低下し、結果的に得られる二軸配向ポリエステルフィルムの力学強度の低下にもつながる。
一方で、回収したPET容器で汚れ等が無くきれいな状態の物だけを選別して再生原料にすると異物の問題は解決できる。しかし汚れたPET容器をリサイクルできないと環境に悪い。
特許文献1ではPETボトル再生原料を使用した二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。特許文献1では再生原料のフィルター背圧上昇係数が化石燃料由来のPET原料と同等まで抑えられており、得られる二軸配向ポリエステルフィルムも異物の少ないものとなっている。しかし、回収したPET容器をきれいな状態のもののみ、選別して使用している場合は環境対策効果としては不十分である。また、再生原料の作製時に十分な濾過工程を実施している場合であっても、フィルター交換のサイクルが短くなり、生産性が低下してしまうことが予想される。
特開2014-65282号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち本発明の目的は、PET容器由来の再生原料を使用したフィルムであり、再生原料中の異物量が多くても、得られるフィルムの生産性が良好で破断なく長尺化が可能で、地球環境にやさしい二軸配向ポリエステルフィルムを巻き取ってなるフィルムロールを提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、原料としてPET容器由来の再生原料を使用しても、特定の延伸条件範囲を選択し、フィルムの面配向度をコントロールすることによって、再生原料中の異物量が多くても得られるフィルムの生産性が良好となり破断なく長尺化ができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
[1]PET容器由来の再生原料を使用し、下記(1)~(3)を満たす二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムをロール状に巻き取ってなる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
(1)150℃30分で測定した時のフィルム長手方向の熱収縮率が0.5%以上2.0%以下。
(2)JIS K 7142-1996 A法に基づいて測定した屈折率から算出したフィルムの面配向係数(ΔP)が0.16以上0.17以下。
(3)フィルムロール1000mあたりに最大長さが1.3mm以上の異物数が1個以上。
[2]前記[1]に記載のPET容器由来の再生原料が、メカニカルリサイクルポリエステル樹脂及び/またはケミカルリサイクルポリエステル樹脂であることを特徴とする[1]に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
[3]フィルム幅方向で800mm辺りの厚みムラが18%以下であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
[4]フィルム長手方向の破断強度が180MPa以上260MPa以下、破断伸度が80%以上170%以下であることを特徴とする前記[1]~[3]のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
[5]フィルムロール8000mあたりに最大長さが1.0mm以上の異物数が16個以上あることを特徴とする前記[1]~[4]のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートのフィルムロール。
[6]巻長が10000m以上である前記[1]~[5]のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールは、原料としてPET容器由来の再生原料を使用し、フィルム長手方向の熱収縮率、面配向係数(ΔP)、異物数を所定の範囲内とすることで、再生原料中の異物量が多くても得られるフィルムの生産性が良好で長尺化が可能な、地球環境にやさしい二軸配向ポリエステルフィルムロールが得られる。
本発明における対数パターンのTD延伸方式を示す概略図である。 本発明における多段延伸パターンのTD延伸方式を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で好ましく使用されるPET容器由来の再生原料は、ポリエチレンテレフタレートを主体とし、リサイクル元の容器形態は限定されず、若干の着色成分を含んでいても良い。以下、ペットボトルをリサイクル使用したポリエステル樹脂を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
[ペットボトルをリサイクル使用したポリエステル樹脂]
本発明おけるペットボトルをリサイクル使用したポリエステル樹脂としては、市場や社会から回収された使用済みペットボトルを選別、粉砕、洗浄して表面の汚れ、異物を十分に取り除いた後に高温下に曝して、樹脂内部に留まっている汚染物質等を高度に洗浄した後に再度ペレット化する物理的再生法により得られたポリエステル樹脂(以下、メカニカルリサイクルポリエステル樹脂と称する場合がある)及び、使用済みの包装容器に含まれるポリエステル樹脂をモノマーレベルまで分解した後に汚染物質等の除去を行い、再度重合を行うことにより得られるポリエステル樹脂(以下、ケミカルリサイクルポリエステル樹脂と称する場合がある)のいずれも好適に用いることができる。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは下記のペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂を用いることで、フィルム中のリサイクル原料比率を上げることができ、環境配慮されたフィルムを得ることが可能となる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに使用されるペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートを主体とする容器のリサイクル品を主体とするものであり、例えば、茶飲料、清涼飲料などの飲料用容器のリサイクル品が好ましく使用でき、適宜配向されていても良く、無色のものが好ましいが、若干の着色成分を含んでいても良い。
本発明で好ましく使用されるPET容器由来再生原料は、通常の重合法及び固相重合法で製造、成型されたポリエステルであり、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主体とするものであり、他のポリエステル成分、共重合成分を含んでいても差し支えない。触媒としてアンチモン、ゲルマニウム、チタンなどの金属化合物、安定剤としてのリン化合物などを含んでいてもよい。
通常ペットボトル用のポリエステルには触媒としてゲルマニウムが用いられることが多く、ペットボトル再生原料を使用してフィルム化すれば、フィルム中にゲルマニウムが1ppm以上含まれるものとなる。しかしながら、あくまでも触媒の含有量であるので、通常高々100ppm以下であり、普通は50ppm以下である。
以下、メカニカルリサイクルポリエステル樹脂とケミカルリサイクルポリエステル樹脂について説明する。
[メカニカルリサイクルポリエステル樹脂]
集められた使用済のリサイクルペットボトルは、他の材料やごみが混ざらないように選別され、ラベルなどを除去した後、粉砕されフレークとなる。これらのフレークには、異物が付着、混入している場合が多くある。また、薬品や溶剤などの化学物質を消費者が使用済みのPETボトルに充填して使用している場合も考えられる。例えば、食器などの洗剤、殺虫剤、除草剤、農薬や各種オイル類などが考えられる。通常の洗浄ではPETボトル表面に吸着した化学物質を十分に取り除くことができないため、アルカリ洗浄を行うことが好ましい。この洗浄工程で用いるアルカリ金属水酸化物の溶液としては水酸化ナトリウム溶液、または水酸化カリウム溶液を用いる。このような洗浄工程では、アルカリ洗浄の前に予備洗浄を行っても良い。
アルカリ洗浄を行わないと、原料の樹脂中に異物として残存してしまうため、これらが混入して製膜時の破断のきっかけとなり生産性を低下させてしまうばかりか、フィルム中に異物として残り、フィルムの外観や、後に行われる印刷工程での印刷抜けの原因となりうる。
上記洗浄工程で用いるアルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度は、温度、時間、攪拌の状態にもよるが、通常は1~10重量%の範囲である。また、洗浄に要する時間は10~100分の範囲であり、効果を高めるため攪拌しながら行うのが好ましい。
アルカリ洗浄に続いて、すすぎ洗浄、乾燥を行うことが好ましい。アルカリ洗浄やすすぎ洗浄は数回繰り返して行っても良い。アルカリ洗浄工程において洗浄で用いるアルカリ金属水酸化物の水溶液成分がフレークに残存することにより、その後のペレット造粒工程における溶融押出工程やフィルム製膜時における溶融押出工程を経由することにより、最終的に得られるフィルムの物性に影響を与えることがある。
最終的にこれらのペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂を使用して得られるフィルム中のナトリウム及びカリウムの濃度が0ppmより大きく150ppm以下であることが好ましく、より好ましくは3~120ppmであり、更に好ましくは5~80ppmである。フィルム中に含まれるナトリウムまたはカリウム濃度が150ppmより高くなるとフィルムの耐熱性、熱安定性が低下したり、着色したりするので好ましくない。また、全くない状態であるとジエチレングリコールの生成を抑えるなどの効果が薄れるため好ましくない。また、ペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂には若干量はこれらの成分が含有されている場合があり全くなしとするのは困難である。
このような洗浄工程では、アルカリ金属水酸化物の水溶液により、ペットボトルフレークの一部が加水分解される。また、ペットボトルを成形する際の加熱により樹脂の重合度が低下する。さらに、回収したペットボトルを再利用するため粉砕した後、再度溶融してペレット化する際に加わる熱や水分の影響により重合度が低下する。そのままでも再利用できるが、使用する用途によっては重合度が低下した場合、成形性や強度、透明性や耐熱性などが劣り、そのままでは再利用することができないことがある。
そのような場合、低下した重合度を回復させるため、粉砕して洗浄されたPETボトルのフレークもしくはフレークを溶融し、ペレット化したものを固相重合することが好ましい。
固相重合工程では、洗浄したフレーク、もしくはフレークを溶融押出してペレット化したものを180~245℃、好ましくは200~240℃の窒素ガス、希ガスなどの不活性気体中で連続固相重合することにより行うことができる。
最終的にペットボトルを含む、市場や社会からリサイクルされたポリエステル樹脂として、極限粘度が0.55~0.90dl/g、好ましくは0.60~0.85dl/gとなる条件で、フレーク、またはペレットの条件を調整して行うのが望ましい。
フレークをペレット化する工程について説明する。フレークを脱気手段および濾過手段を有する押出機を用いて溶融、押出、冷却、造粒する。
押出機における溶融工程では通常260~300℃、好ましくは265~295℃で溶融混練することにより行うことができる。投入するペットボトルを粉砕したフレークは十分に乾燥しておく必要があり、5~200、好ましくは10~100ppm、更には15~50ppmとなる条件で乾燥を行うことが好ましい。フレークに含まれる水分が多い場合、溶融工程で加水分解反応が進み、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が低下する。脱気手段として、樹脂の溶融帯域に少なくとも1箇所の真空ベントを有しているものが好ましい。
また、該押出機は、濾過手段として溶融樹脂の粒径25μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは10μm以上の固形異物を濾過して除去できるフィルターを有しているのが好ましい。
フィルターを通過した溶融樹脂はダイスを経由し、水中で冷却された後、所望の形状のペレットに切断され造粒される。
[ポリエステル樹脂組成物]
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムは下記のポリエステル樹脂を主成分として含むポリエステル樹脂組成物からなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーである。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレートが挙げられ、機械的特性および耐熱性、コストなどの観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ここでの主成分とはポリエステル樹脂組成物中の含有率が80重量%以上であることを意味し、90重量%以上であることが好ましく、95重量%以上がより好ましく、98重量%以上が最も好ましい。
また、これらのポリエステル樹脂には、本発明の目的が損なわれない範囲であれば、他の成分が共重合されていてもよい。具体的には、共重合成分としては、ジカルボン酸成分では、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4-ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体等が挙げられる。また、ジオール成分としてはジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールも挙げられる。共重合量としては、構成する繰り返し単位あたり10モル%以内が好ましく、5モル%以内がより好ましく、3モル%以下が最も好ましい。
本発明のPET容器由来の再生原料を、温度285℃、フィルター濾過径20μm、濾過速度6g/分で溶融押し出しした際のフィルター背圧上昇係数の下限は好ましくは10MPa/kg・cmであり、より好ましくは20MPa/kg・cmであり、特に好ましくは30MPa/kg・cmである。
尚、ここでいうフィルター背圧上昇係数とは、樹脂を溶融押し出しした際の濾過フィルターの目詰まりのしにくさを表しており、下記式で求められる。
K=ΔP/(Q/S)

ここで、K:フィルター背圧上昇係数、ΔP=P1-P0
P1:押し出し4時間後の圧力(MPa)、P0:押し出し開始時の圧力(MPa)、Q:押し出し吐出量(kg/hr)、S:フィルター濾過面積(cm
上述した条件にて溶融押し出しした際のフィルター背圧上昇係数を10MPa/kg・cm以上とすることで、実質的にPET容器の選別をしていない状態の再生原料であることを表しており、環境対応効果が十分に得られる。
本発明のPET容器由来の再生原料を、温度285℃、フィルター濾過径20μm、濾過速度6g/分で溶融押し出しした際のフィルター背圧上昇係数の上限は好ましくは100MPa/kg・cmであり、より好ましくは90MPa/kg・cmであり、特に好ましくは80MPa/kg・cmである。100MPa/kg・cm以下とすることで、二軸配向ポリエステルフィルムの生産条件の調整のみで、生産性を良好なものにできる。
[ケミカルリサイクルポリエステル樹脂]
本発明で用いられるケミカルリサイクルポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、具体的には例えば、特開2000-169623号に記載の如く、回収された使用済みペットボトルを選別、粉砕、洗浄して異物を取り除いた後に、解重合を行うことによりPET樹脂の原料または中間原料まで分解、精製したものを重合して新たなPET樹脂とするものある。解重合にはエチレングリコール(EG)を加えて触媒の存在下で、樹脂製造時の中間原料であるビス-2-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)にまで戻し、これを精製した後、PETに再重合する方法や、特開2000-302707号公報に記載の如くポリエチレンテレフタレートを酸化した鉄を必須成分とする触媒の存在下に非水系有機溶媒中で加熱処理してテレフタル酸とエチレングリコールを生成した後、再度重合する方法が挙げられる。
ケミカルリサイクルポリエステル樹脂の特徴は解重合/再重合の間に異物、異種材質が取り除かれ、バージン樹脂と同等に品質の高いポリエステル樹脂に再生できるため、前述したメカニカルリサイクルポリエステル樹脂と比べ、衛生性に優れているため、食品包装用途として特に好ましく用いることができる。
本発明で用いるケミカルリサイクルポリエステル樹脂は、使用済みペットボトルを減容圧縮したベールを出発原料としている。このペットボトルベールは、現在市町村が採用している公知の方法によって製造される。ペットボトルベールの替わりに他のポリエチレンテレフタレート廃棄物やペットボトルのフレークを出発原料として用いることができる。
ペットボトル廃棄物を減容圧縮したペットボトルベールを粉砕機に投入し、温水もしくは常温水又は洗剤を含有する温水もしくは常温水を注入して水中粉砕する。
次に、粉砕機から排出されるペットボトルのフレークと洗浄水の混合物は直ちに比重分離処理を行って、金属、石、ガラス、砂とフレークとを分離する。次いで、フレークと洗浄水とを分離し、フレークはイオン交換水で濯ぎ、遠心脱水する。
上記前処理工程で得られた粗製ポリエチレンテレフタレートフレークを解重合、溶融すると同時に加水分解させて重合度の低いポリエチレンテレフタレート溶融物とし、過剰のエチレングリコールによって解重合し粗製BHETと粗製エチレングリコールの二種混合溶液を得る。
解重合反応終了後の粗製BHETと粗製エチレングリコールの二種混合溶液を降温し、濾過して高融点沈殿物としての未反応の線状及び環状オリゴマー、ポリエチレンテレフタレート以外の残存異プラスチッの凝固物、金属等の固形異物を除去し、次いで吸着・イオン 交換処理を施して、着色物と溶存イオンを除去することにより、粗製BHET中に含まれる異物を取り除く。
前記前精製工程を経て得られた粗製BHETと粗製エチレングリコールの二種混合溶液に蒸留・蒸発操作を施してエチレングリコールを分離・留出させて濃縮BHETを得る、もしくは二種混合溶液を10℃以下まで冷却してBHETを晶析させた後エチレングリコールとBHETを固液分離することにより濃縮BHETを得て、この濃縮BHETを190℃を越え250℃以下の温度で且つ蒸発器内での濃縮BHETの滞留時間が10分以下となるように真空蒸発させて精製ビス-β-ヒドロキシエチルテレフタレートを得る。
上記のようにして高純度の精製BHETを得たのち、この精製BHETを溶融重縮合反応器に仕込んで高純度ポリエチレンテレフタレートポリマーを得る。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂のうち、メカニカルリサイクルポリエステル樹脂、ケミカルリサイクルポリエステル樹脂以外の化石燃料由来のポリエステル樹脂の製造方法としては、まず、前述のジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成誘導体とを主たる出発原料として、常法に従い、エステル化またはエステル交換反応を行った後、さらに高温・減圧下で重縮合反応を行うことによって製造する方法等が挙げられる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂の極限粘度として
は、製膜性や再回収性などの点から0.50~0.90dl/gの範囲が好ましく、より
好ましくは0.55~0.80dl/gの範囲である。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムはポリエステル樹脂組成物以外に、従来公知の添加剤、例えば滑剤、安定剤、着色剤、酸化防止剤、静電防止剤、紫外線吸収剤等を含有しても良い。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルム全体を100質量%としたとき、前記ポリエステル樹脂組成物の含有量は、99.5質量%以上が好ましく、より好ましくは99.6質量%であり、最も好ましくは99.7質量%である。
前記滑剤は、フィルムの動摩擦係数を調整することができるものであり、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナなどの無機系滑剤のほか、有機系滑剤が挙げられる。シリカ、炭酸カルシウムが好ましく、透明性と滑り性を両立する観点から、中でも多孔質シリカが最も好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムにおける滑剤含有量の下限は、好ましくは100質量ppmであり、より好ましくは300質量ppmであり、最も好ましくは500質量ppmである。100質量ppm以上とすることで、フィルムの滑り性を良好なものとすることができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムにおける滑剤含有量の上限は、好ましくは10000質量ppmであり、より好ましくは6000質量ppmであり、最も好ましくは2000質量ppmである。10000質量ppm以下とすることで、フィルムの透明性を良好なものとすることができる。
[二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法]
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを得るための方法として、特に限定はなくTダイ方式やインフレーション方式など適宜選択することができる。
本発明のフィルムは少なくとも1層の単層構造でもよく、2層以上の積層構造であってもよい。2層、3層、4層、5層であってもかまわない。
冷却ロール温度の上限は好ましくは40℃であり、より好ましくは20℃以下である。40℃以上であると溶融したポリエステル樹脂組成物が冷却固化する際の結晶化度が高くなりすぎず、延伸がより容易となるほか、結晶化による透明性の低下も抑制することができる。
冷却ロールの温度の下限は好ましくは0℃である。0℃以上であると、溶融したポリエステル樹脂組成物が冷却固化する際の結晶化抑制効果を十分に発揮できる。また、冷却ロール温度を上記の範囲とする場合、結露防止のため冷却ロール付近の環境の湿度を下げておくことが好ましい。
未延伸シートの厚みは15~2500μmの範囲が好適である。より好ましくは600μm以下であり、最も好ましくは400μm以下である。
次に延伸方法について説明する。延伸方法は、同時二軸延伸でも逐次二軸延伸でも可能である。
長手方向(以下、MD方向ともいう)の延伸温度の下限は好ましくは90℃であり、より好ましくは100℃であり、特に好ましくは110℃である。110℃以上であると、延伸応力を下げることができるので、異物起因による破断を抑制することができる。
MD方向の延伸温度の上限は好ましくは140℃であり、より好ましくは130℃であり、特に好ましくは120℃である。140℃以下であると、結晶化により延伸応力が増大し、結果的に異物起因による破断を抑制することができるばかりだけでなく、フィルムの力学強度も良好なものとなる。
MD方向の延伸倍率の下限は好ましくは2.5倍であり、より好ましくは2.8倍であり、特に好ましくは3.1倍である。2.5倍以上であると、フィルムの力学強度が良好なものとなるばかりだけでなく、厚みムラも良好となりロールとした際の巻き品質の向上につながる。
MD方向延伸倍率の上限は好ましくは4.0倍である、より好ましくは3.8倍であり、特に好ましくは3.6倍である。4.0倍以下であると、延伸応力を下げることができるので、異物起因による破断を抑制することができる。
MD方向への延伸工程と、その後に続く幅方向(以下、TD方向ともいう)への延伸工程への間にMD方向へのリラックス工程があることが好ましい。
MDリラックス率の下限は好ましくは1%であり、より好ましくは3%であり、特に好ましくは5%である。1%以上であると、フィルム中の非晶成分が緩和され、その後に続くTD延伸工程での延伸応力を下げることができ、結果的に異物起因による破断を抑制することができる。
MDリラックス率の上限は好ましくは10%であり、より好ましくは8%であり、特に好ましくは6%である。10%以下であると、収縮によるシワを抑制することができ、フィルムの品位を向上させることができるばかりか、配向緩和による力学強度の低下を抑制することができる。
MDリラックスの方法は特に限定されないが、例えば熱風ヒーターで加熱した後にロール間の速度差を利用してリラックス処理を施す方法が挙げられる。
TD方向の延伸温度の下限は好ましくは90℃であり、より好ましくは100℃であり、特に好ましくは110℃である。110℃以上であると、延伸応力を下げることができるので、異物起因による破断を抑制することができる。
TD方向の延伸温度の上限は好ましくは140℃であり、より好ましくは130℃であり、特に好ましくは120℃である。140℃以下であると、結晶化により延伸応力が増大し、結果的に異物起因による破断を抑制することができるばかりだけでなく、フィルムの力学強度も良好なものとなる。
TD方向の延伸倍率の下限は好ましくは2.5倍であり、より好ましくは3.0倍であり、特に好ましくは3.5倍である。2.5倍以上であると、フィルムの力学強度が良好なものとなるばかりだけでなく、厚みムラも良好となりロールとした際の巻き品質の向上につながる。
TD方向延伸倍率の上限は好ましくは5.0倍である、より好ましくは4.5倍であり、特に好ましくは4.0倍である。5.0倍以下であると、延伸応力を下げることができるので、異物起因による破断を抑制することができる。
TD方向の延伸パターンは対数形あるいは多段延伸であることが好ましい。具体的には図1および図2に記載の通りであり、対数形のTD延伸パターンは通常の直線形に対して、延伸前半に大きく延伸し、延伸後半にゆるやかに延伸するTD延伸パターンとなっている。このようなTD延伸パターンを用いることで、フィルム延伸応力が低い前半で延伸の大部分を完了することができ、延伸時にかかる延伸応力を低くすることができる。結果的に、異物による破断を抑制することができる。
次に、対数形のTD延伸パターンを採用する場合の詳細について述べる。対数形のTD延伸パターンとは前述した通り、延伸前半に大きく延伸し、延伸後半にゆるやかに延伸するTD延伸パターンのことを指しており、TD延伸ゾーンの数Nとし、第N延伸エリアでの延伸角度θNとした場合、各延伸ゾーンでの延伸角度はθn>θn+1となる条件で幅方向に延伸する。(θn=θn+1の場合が通常の直線での延伸となる)
延伸角度θnから延伸角度θn+1へ延伸角度が変化する際の変化量も目的とする性能を得るために適宜選択できる。ただし、{(θn-θn+1)/θn}×100(単位;%)で表す角度変化率が50%を超えて大きい場合には、所定の最大倍率まで延伸するために必然的にTD延伸初期の延伸倍率極端に大きくする必要が生じるため、延伸初期の延伸応力が大きくなりすぎ、逆に製膜性を悪化させる恐れがある。角度変化率が0%の場合には、θ1=θ2なので従来のテンターでの延伸条件と同じであるので、対数型のTD延伸パターンを採用する場合は、角度変化率は0.5%以上50%以下の範囲内が好ましく、1%以上30%以下の範囲がより好ましく、1.5%以上20%以下の範囲内が特に好ましい。対数型のTD延伸パターンにおける延伸角度を上記範囲内とすることで、フィルム延伸応力が低い前半で延伸の大部分を完了することができ、延伸時にかかる延伸応力を低くすることができる。結果的に、異物による破断を抑制することができる。
次に、TDでの多段延伸について述べる。多段延伸は通常の1段延伸に対して2段以上の延伸工程を施すことであり、TD延伸時にかかる延伸応力を低くすることができる。結果的に、異物による破断を抑制することができる。
TD多段延伸は2段延伸以上5段延伸以下であることが好ましい。多段延伸により、各々の延伸温度を変更し、延伸応力を変化させることが可能であり、TD延伸時の延伸応力を低くすることができ好ましい。図2のように、多段延伸においては各段階の延伸において2℃以上の温度差をつけて1段目の延伸から最終段目の延伸にかけて温度を低下させる温度パターンとすることが好ましい。
延伸段数の下限は好ましくは2段延伸以上である。2段延伸以上であると、延伸応力を下げることができ、異物起因の破断を抑制することができる。
延伸段数の上限は好ましくは5段以下である。5段延伸以下であると、設備が大きくなりすぎることを防ぐことができる。
また、多段延伸を行う場合、各延伸段階の後に定長とするゾーンを適宜設けることができる。各延伸段階の後に定長とするゾーンを設けることで、延伸時に発生した内部応力を定長ゾーンで緩和することにより、次の延伸を行う際の延伸応力をより低減でき、フィルムの破断を抑制することができる。
熱固定温度の下限は好ましくは170℃であり、より好ましくは180℃であり、特に好ましくは190℃である。170℃以上であると熱収縮率を小さくすることができる。
熱固定温度の上限は好ましくは230℃であり、より好ましくは220℃であり、特に好ましくは210℃である。230℃以下であると、二軸配向ポリエステルフィルムが脆くなることによる力学強度の低下を抑制することができる。
TDリラックス率の下限は好ましくは0.5%であり、より好ましくは1.0%であり、特に好ましくは2.0%である。0.5%以上であるとTD方向の熱収縮率を低く保つことができる。
TDリラックス率の上限は好ましくは10%であり、より好ましくは8%であり、特に好ましくは6%である。10%以下であると弛みなどが生じることを防止でき、平面性を向上させることができる。
前記の好ましい製膜条件を採用することにより、異物を含有する二軸配向ポリエステルフィルムの製膜において破断することなく連続的に長尺のフィルムを得ることができると共に、下記の好ましいフィルム特性を満足することができる。
[二軸配向ポリエステルフィルムの構成及び特性]
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みの下限は好ましくは5μmであり、より好ましくは10μmであり、特に好ましくは15μmである。5μ以上とすることで、異物起因の破断を抑制することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの厚みの上限は好ましくは100μmであり、より好ましくは70μmであり、特に好ましくは40μmである。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの面配向係数(ΔP)の下限は好ましくは0.160であり、より好ましくは0.161であり、特に好ましくは0.162である。0.160以上とすることで、力学強度を十分に高く保つことができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのΔPの上限は好ましくは0.170であり、より好ましくは0.169であり、特に好ましくは0.168である。0.170以下とすることで、延伸工程での延伸応力を抑制することができ、結果的に延伸工程での異物起因の破断を抑制することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのMD方向の破断強度の下限は好ましくは180MPaであり、より好ましくは185MPaであり、特に好ましくは190MPaである。180MPa以上であると、製袋品としたときの力学強度が十分なものとなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのMD方向の破断強度の上限は260MPaであり、より好ましくは255MPaであり、特に好ましくは250MPaである。260MPa以下であると、実質的に延伸工程での異物起因の破断を抑制することができ、製膜性が良好なものとなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのMD方向の破断伸度の下限は好ましくは80%であり、より好ましくは90%であり、特に好ましくは100%である。80%以上であると、実質的に延伸工程での異物起因の破断を抑制することができ、製膜性が良好なものとなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのMD方向の破断伸度の上限は170%であり、より好ましくは160%であり、特に好ましくは150%である。170%以下であると、製袋品としたときの力学強度が十分なものとなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのMD方向の熱収縮率の下限は好ましくは0.5%であり、より好ましくは0.8%であり、特に好ましくは1.1%である。0.5%以上であると、フィルムが脆く、力学強度が低下することを抑制できる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムのMD方向の熱収縮率の上限は好ましくは2.0%であり、より好ましくは1.7%であり、特に好ましくは1.4%である。2.0%以下であると、実質的に延伸工程での異物起因の破断を抑制することができ、製膜性が良好なものとなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールの幅方向で800mmあたりの厚みムラの上限は好ましくは18%であり、より好ましくは16%であり、特に好ましくは14%である。18%以下であると、ロールとしたときの巻き品質が良好なものとなる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールの1000mあたりの最大長さが1.3mm以上の異物数が1個以上である。最大長さが1.3mm以上の異物が1000m2あたりに1個以上存在していると、従来の製膜条件では延伸時にこれらの異物がきっかけとなり破断しやすく、安定的な製膜が困難となるのに対し、本発明に記載の製膜条件を用いてフィルムの熱収縮率、面配向度を所定の範囲となるよう延伸することで、上記の如く異物が存在していたとしても、安定した延伸が可能となる。
一方、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールの1000mあたりの最大長さが1.3mm以上の異物数の下限は10個以下であることが好ましい。1.3mm以上の異物が10個を超えて多くなると、印刷後の欠点が増えてしまい、二次加工工程の歩留まりを低下させてしまう恐れがある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールの8000mあたりの最大長さが1.0mm以上の異物数が16個以上である。最大長さが1.0mm以上の異物が8000m2あたりに16個以上存在している場合、従来のフィルムでは破断のきっかけが多く存在することになり、長尺の連続製膜が困難となるのに対し、本発明に記載の製膜条件を用いてフィルムの熱収縮率、面配向度を所定の範囲となるよう延伸することで、上記の如く異物が存在していたとしても、安定した延伸性を確保することができ、長尺のフィルムロールを得ることが可能となる。
一方、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールの8000mあたりの最大長さが1.0mm以上の異物数の上限は80個以下であることが好ましい。1.0mm以上の異物が80個を超えて多くなると、印刷後の欠点が増えてしまい、二次加工工程の歩留まりを低下させてしまう恐れがある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムには、印刷層を積層しても良い。印刷層を形成する印刷インクとしては、水性および溶媒系の樹脂含有印刷インクが好ましく使用できる。ここで印刷インクに使用される樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂およびこれらの混合物が挙げられる。印刷インクには帯電防止剤、光遮断剤、紫外線吸収、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、消泡剤、架橋剤、耐ブロッキング剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を含有させてもよい。
印刷層を設けるための印刷方法としては、特に限定されず、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷方法が使用できる。印刷後の溶媒の乾燥には、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法が使用できる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、無機薄膜層や金属箔などのガスバリア層を設けることができる。
ガスバリア層として無機薄膜層を用いる場合の無機薄膜層としては、金属または無機酸化物からなる薄膜である。無機薄膜層を形成する材料は、薄膜にできるものなら特に制限はないが、ガスバリア性の観点からアルミニウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物等の無機酸化物が好ましく挙げられる。特に、薄膜層の柔軟性と緻密性を両立できる点からは、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの複合酸化物が好ましい。
この複合酸化物において、酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合比は金属分の質量比でAlが20~70%の範囲であることが好ましい。一方、70%以下であると無機薄膜層を柔らかくすることができ、印刷やラミネートといった二次加工の際に薄膜が破壊されてガスバリア性が低下することを抑制することができる。なお、ここでいう酸化ケイ素とはSiOやSiO等の各種ケイ素酸化物またはそれらの混合物であり、酸化アルミニウムとは、AlOやAL等の各種アルミニウム酸化物またはそれらの混合物である。
無機薄膜層の膜厚は、通常1~100nm、好ましくは5~50nmである。無機薄膜層の膜厚が1nm以下であると、より満足のいくガスバリア性が得られやすくなる。一方、100nm以下であると耐屈曲性や製造コストの点で有利となる。
無機薄膜層を形成する方法としては、特に制限はなく例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD法)、あるいは化学蒸着法(CVD法)等、公知の蒸着法を適宜採用すればよい。以下、無機薄膜層を形成する典型的な方法を、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜を例に説明する。例えば、真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiOとAlの混合物、あるいはSiOとAlの混合物等が好ましく用いられる。これら蒸着原料としては通常粒子が用いられるが、その際各粒子の大きさは蒸着時の圧力が変化しない程度の大きさであることが望ましく、好ましい粒子径は1~5mmである。加熱には抵抗加熱、高周波誘導加熱、電子ビーム加熱、レーザー加熱などの方式を採用することができる。また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。さらに、被蒸着体(蒸着に供する積層フィルム)にバイアスを印加したり、被蒸着体を加熱もしくは冷却するなど、成膜条件も任意に変更することができる。このような蒸着材料、反応ガス、被蒸着体のバイアス、加熱・冷却等は、スパッタリング法やCVD法を採用する場合にも同様に変更可能である。さらに、上記無機薄膜層上に印刷層を積層してもよい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムに無機薄膜層を設ける場合、無機薄膜層の上に保護層を設けることが好ましい。金属酸化物からなるガスバリア層は完全に密な膜ではなく、微小な欠損部分が点在している。金属酸化物層上に後述する特定の保護層用樹脂組成物を塗工して保護層を形成することにより、金属酸化物層の欠損部分に保護相溶樹脂組成物中の樹脂が浸透し、結果としてガスバリア性が安定するという効果が得られる。加えて、保護層そのものにもガスバリア性を持つ材料を使用することで、積層フィルムのガスバリア性能も大きく向上することになる。
前記保護層としては、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、チタン系、イソシアネート系、イミン系、ポリブタジエン系等の樹脂に、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系等の硬化剤を添加したものが挙げられる。保護層を形成させる際に使用する溶媒(溶剤)としては、例えばベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤;メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール誘導体等が挙げられる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムには他素材の層を積層してもよい。その方法として、二軸配向ポリエステルフィルムを製作後に貼り合わせる方法、製膜中に貼り合わせる方法を採用することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、例えば前記二軸配向ポリエステルフィルムにシーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層(シーラント層ともいう)を形成し、包装材料として使用することができる。シーラント層の形成は、通常、押出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性共重合体としては、シーラント接着性が十分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE.LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、ポリプロピレン樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーαーオレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂等を使用できる。
シーラント層は、単層フィルムであってもよく、多層フィルムであってもよく、必要とされる機能に応じて選択すればよい。例えば、防湿性を付与する点では、エチレンー環状オレフィン共重合体やポリメチルペンテン等の樹脂を介在させた多層フィルムが使用できる。また、シーラント層は難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤等の各種添加剤が配合されてもよい。
シーラント層の厚さは、10~100μmが好ましく、20~60μmがより好ましい。
本発明のポリエステルフィルムロールのロール幅の下限は、400mm以上であることが好ましく、二次加工工程における生産性を向上する観点から、1000mm以上であることがより好ましく、1500mm以上であることがさらに好ましい。
一方本発明のポリエステルフィルムロール幅の上限は3000mm幅以下であることが好ましく2500mm以下が更に好ましい。ポリエステルフィルムロールの幅が3000mm幅を超えると、ハンドリングが困難となるほか、ロールのたわみによりフィルムにシワが入りやすくなる。
また本発明のポリエステルフィルムロールの巻き長の下限は1000m以上であることが好ましく、二次加工工程における生産性の観点から、2000m以上であることがより好ましく、4000m以上であることが更に好ましい。
一方本発明のポリエステルフィルムロールの巻き長の下限は100000mであり、好ましくは80000mであり、さらに好ましくは70000mである。
ポリエステルフィルムロールの巻き長が100000mを超えるとロールの重量が大きくなり、ハンドリングが困難となる。
また、本発明のポリエステルフィルムロールは、フィルムを巻き取るコアには紙管、プラスチック製コア、金属製のコア等が好ましく用いられ、用途によって適宜選択することができる。
本発明のポリエステルフィルムロールからフィルムを除去した後のコアの幅方向の隙間差が0.5mm以下である事が好ましい。コアとして特に紙管を用いる場合、フィルムを巻取った後に保管していると、フィルムの歪みや自然収縮等により紙管は変形(歪み)が生じる。その際、幅方向における紙管の歪み差(幅方向の隙間差)が大きいと、フィルムロールの巻芯側に皴が生じてくるので好ましくない。従って、フィルムロールからフィルムを除去した後の紙管に隙間差は、好ましくは0.4mm以下であり、更に好ましくは0.3mm以下である。
また、本発明のポリエステルフィルムロールのコアとして紙管を用いる場合は、フィルムロールからフィルムを除去した後のコアの紙管の扁平耐圧強度は、1700N/100mm以上であることが好ましい。耐圧強度が1700N/100mmより低いと、フィルムを巻き取った後にかかる内部応力で紙管が歪み、ロール巻芯部にシワが生じるので好ましくない。好ましくは1800N/100mm以上であり、更に好ましくは1900N/100mm以上である。耐圧強度は高いほど好ましい。高い紙管の扁平耐圧強度を得る手段としては、紙管の厚さを厚くする、高強度に設計された硬質紙管や超硬質紙管を使用する等の方法が挙げられる。
また、本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムロールにおいて、前述のようにフィルムロールからフィルムを除去した後の紙管の隙間差を0.5mm以下とするためには、巻き取る際に使用するフィルムを巻き取る前の紙管の幅方向の隙間差は、0.3mm以下とすることが好ましく、い。紙管幅方向の歪み差が0.4mm以上であると、フィルムを巻き取る際に歪んでいる位置は斜め方向となるので皴(巻芯皴)が生じ易くなり好ましく無い。紙管の幅方向の隙間差はより好ましくは0.2mm以下であり、更に好ましくは0.1mm以下である。紙管の隙間差を小さくする手段としては、硬度が高く輸送等の運送時の振動で変形し難い紙管を用いる、吸湿して紙管が変形しないように使用するまで防湿袋に入れて紙管を保管する、吸湿して変形しないように温度や湿度が一定の部屋で紙管を保管する方法が挙げられる。
また、本発明のポリエステルフィルムロール表層の幅方向の巻硬度の平均値は500以上850以下が好ましい。500未満であると巻状態が柔巻となり巻芯皴は良い方向になるが、フィルムロール端面にズレが生じてしまい好ましくない。巻硬度が850より高いと、巻状態が硬巻となり、厚みムラによって皴が生じやすくなるので好ましくない。フィルムロール表層の幅方向の巻硬度の平均値は好ましくは550以上800以下であり、更に好ましくは600以上750以下である。特に好ましくは、650を超えて750以下である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
[再生原料の背圧上昇係数]
再生原料ペレットを135℃で12時間乾燥後、温度285℃、フィルター濾過径20μm、吐出量6g/分、吐出時間4時間の条件で押し出し、下記式にてフィルター背圧上昇係数を求めた。
K=ΔP/(Q/S)

ここで、K:フィルター背圧上昇係数、ΔP=P1-P0
P1:押し出し4時間後の圧力(MPa)、P0:押し出し開始時の圧力(MPa)、Q:押し出し吐出量(kg/hr)、S:フィルター濾過面積(cm
[二軸配向フィルムの厚み]
JIS K7130-1999 A法に準拠し、ダイアルゲージを用いて測定した。
[二軸配向フィルムの熱収縮率]
熱収縮率は試験温度150℃、加熱時間15分間とした以外は、JIS-C-2318に準拠した寸法変化試験法で実施した。
[二軸配向フィルムの屈折率]
フィルム幅方向の中央位置から縦5mm×横5mmのサンプルを切り出した。
サンプルについてJIS K 7142-1996 A法により、ナトリウムD線を光源として接触液としてジヨードメタンを用いてアッべ屈折率計(株式会社アタゴ社製 NAR-1T)によりフィルム長手方向の屈折率(Nx)、幅方向の屈折率(Ny)、厚み方向の屈折率(Nz)を測定した。面配向係数(ΔP)は下式により算出した。
面配向係数(ΔP)=[(Nx+Ny)/2]-Nz
[二軸配向フィルムの強伸度]
JIS K 7127に準拠し、フィルムの長手方向に15mm幅、100mm長の試験サンプルを切り出した。引張試験機(株式会社島津製作所社製 オートグラフAG-I)にて、標点間距離50mm、引張速度200mm/minの条件で、試験サンプルを引張試験した。得られた応力―歪み曲線から試験サンプルの破断強度および破断伸度を算出した。
[二軸配向フィルムの製膜性の評価]
各実施例、比較例のフィルム製膜時に破断無く10000mを連続成膜可能であった場合を〇、破断が生じ10000mを連続製膜不可であった場合を×と評価した。
[二軸配向フィルムの異物評価(1000平方メートル)]
幅800mm、巻長1250m(1000平方メートル)で巻き取ったフィルムロールを、巻き返し機を用いて巻き返した。巻き返し時に、欠点検知機(FUTEC社製 F MAX MR)を用いて欠点数を調査した。欠点の最も長い部分が1.3mm以上のサイズの欠点数を求めた。
1.3mm以上の欠点数1個未満:C
1.3mm以上の欠点数1個以上、10個以下:A
[二軸配向フィルムの異物評価(8000平方メートル)]
幅800mm、巻長10000m(8000平方メートル)で巻き取ったフィルムロールを、巻き返し機を用いて巻き返した。巻き返し時に、欠点検知機(FUTEC社製 F MAX MR)を用いて欠点数を調査した。欠点の最も長い部分が1.0mm以上のサイズの欠点数を求めた。
1.0mm以上の欠点数15個以下:C
1.0mm以上の欠点数16個以上、80個以下:A
[幅方向の厚みムラの評価]
フィルムロールから幅方向に800mm、長手方向に40mmサンプリングし、フィルムテスター連続厚み測定器(フジワーク社製)を用いて、5m/秒で連続的に幅方向の厚みを測定した。測定時の最大厚みをTmax.、最小厚みをTmin.、平均厚みをTave.とし、下式からフィルム幅方向の厚みムラを算出した。
厚みムラ={(Tmax.-Tmin.)/Tave.}×100(%)
[フィルター目詰まりの評価]
各実施例、比較例のフィルム製膜時にフィルター交換せずに1週間連続で製膜できた場合を〇、1週間未満でフィルターの目詰まりが生じ、連続で製膜が困難となった場合を×と評価した。
(ポリエステルA:PET容器由来メカニカルリサイクルポリエステル樹脂)
PET容器から内容残留物などの異物を洗い流した後、粉砕してフレークを得た。得られたフレークをフレーク濃度10重量%、85℃、30分の条件で3.5重量%の水酸化ナトリウム溶液で攪拌下、洗浄を行った。アルカリ洗浄後、フレークを取り出し、フレーク濃度10重量%。25℃、20分の条件で蒸留水を用いて攪拌下、洗浄を行った。この水洗を蒸留水で交換してさらに2回繰り返して実施した。水洗後、フレークを乾燥した後、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子をフレークに対して0.10質量部添加した。その後、押出機で溶融し、順次目開きサイズの細かなものにフィルターを変えて2回さらに細かな異物を濾別し、3回目に50μmの最も小さな目開きサイズのフィルターで濾別してポリエステルAを得た。なお、ポリエステルAの背圧上昇係数は96MPa/kg・cmであった。
(ポリエステルB:PET容器由来メカニカルリサイクルポリエステル樹脂)
ポリエステルAと同様の方法でポリエステルBを得た。なお、ポリエステルBの背圧上昇係数は64MPa/kg・cmであった。
(ポリエステルC:PET容器由来メカニカルリサイクルポリエステル樹脂)
ポリエステルAと同様の方法でポリエステルCを得た。なお、ポリエステルCの背圧上昇係数は32MPa/kg・cmであった。
(ポリエステルD:PET容器由来メカニカルリサイクルポリエステル樹脂)
ポリエステルAと同様の方法でポリエステルDを得た。なお、ポリエステルDの背圧上昇係数は10MPa/kg・cmであった。
(ポリエステルE:PET容器由来メカニカルリサイクルポリエステル樹脂)
使用するPET容器をきれいなもののみに選別した以外は、ポリエステルAと同様の方法でポリエステルEを得た。なお、ポリエステルEの背圧上昇係数は8MPa/kg・cmであった。
(ポリエステルF:PET容器由来メカニカルリサイクルポリエステル樹脂)
ポリエステルAと同様の方法でポリエステルFを得た。なお、ポリエステルFの背圧上昇係数は105MPa/kg・cmであった。
(ポリエステルG:PET容器由来ケミカルリサイクルポリエステル樹脂)
後述する二軸配向ポリエステルフィルムの作製において使用するペットボトルより再生されたケミカルリサイクルポリエステル樹脂として、以下の方法を用いて合成したものを用いた。
分別収集・回収されたペットボトルベールを湿式粉砕機に投入し、水1,000リッターに液体台所洗剤500gを加えたものを、上記湿式粉砕機内に循環させながら粉砕を行い、粉砕機に接続している比重分離機によって金属、砂、ガラス等の比重の大きいものを沈殿させ、上層部からフレークを取り出した。このフレークを純水で濯ぎ、遠心脱水して回収フレークとした。
上記回収フレークを未乾燥の状態で溶融したもの30kgを攪拌機付きオートクレーブ中で、予め加熱しておいたエチレングリコール150kg、酢酸亜鉛2水和物150gの混合液中に仕込み、水・酢酸の如きエチレングリコールよりも沸点の低い溜分を除去した後、還流コンデンサーを用いて195~200℃の温度で4時間反応させた。
反応終了後、反応器内容物温度を97~98℃まで降温し、フィルターで熱時濾過して浮遊物及び沈殿物を除去した。
熱時濾過後の濾液を更に冷却し、粗製BHETが完全に溶解していることを確認した後、50~51℃で活性炭床、次いでアニオン/カチオン交換混合床を30分間かけて通し、前精製処理を施した。
上記の前精製処理液を再度攪拌式オートクレーブに仕込み、加熱して余剰のエチレングリコールを198℃で常圧留出させ、濃縮BHETの溶融液を得た。
得られた濃縮BHETの溶融液を、窒素ガス雰囲気下で攪拌しつつ、自然降温した後、オートクレーブから取り出し、濃縮BHETの細片ブロックを得た。
この細片ブロックを再度130℃まで加熱・溶融した後、定量ポンプにて薄膜真空蒸発器に供給し、蒸発、冷却凝縮して精製BHETを得た。
この精製BHETを原料として溶融重合を行い、固有粘度0.696dl/gのケミカルリサイクルポリエステル樹脂Gを得た。なお、ポリエステルGの背圧上昇係数は7MPa/kg・cmであった。
[実施例1]
押出機に、ポリエステルAを投入した。押出機にて樹脂を280℃で融解させた後、溶融樹脂をフィルターメッシュ50μmに通し、続いてフィルターメッシュ100μmに通した。その後280℃のT-ダイスからキャストし、10℃の冷却ロールに静電密着法により密着させて未延伸シートを得た。
次いで、得られた未延伸シートを115℃の温度でMD方向に3.6倍で延伸した。縦延伸直後のフィルムを熱風ヒーターで95℃に設定された加熱炉へ通し、加熱炉の入り口と出口のロール間の速度差を利用して、長手方向に3%リラックス処理を行った。次いでテンターに通して120℃でTD方向に4.6倍延伸し、210℃で3秒間の熱固定処理と1秒間5%の緩和処理を実施して、厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。二軸配向ポリエステルフィルムの樹脂組成、および製膜条件を表1に示した。また、得られたフィルムの物性および評価結果を表1に示した。
[実施例2]
縦延伸直後のリラックス率を0%に変更し、さらにテンターでの延伸方式を3段延伸に変更し、1段目と2段目及び2段目と3段目との間で1mの定長領域を設けた以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例3]
縦延伸直後のリラックス率を0%に変更し、さらにテンターでの延伸パターンを対数形に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。尚、テンターの延伸角度としては1段目の屈折角θ1:12.6°、2段目の屈折角θ2:8.2°、角度変化率34.9%となるよう調整し、トータルの延伸倍率は実施例1と同等になるよう延伸倍率を設定した。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例4]
縦延伸直後のリラックス率を1%に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例5]
縦延伸直後のリラックス率を10%に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例6]
縦延伸倍率を3.9倍に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例7]
縦延伸倍率を2.6倍に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例8]
横延伸倍率を4.9倍に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例9]
横延伸倍率を2.6倍に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例10]
樹脂をポリエステルBに変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例11]
樹脂をポリエステルCに変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例12]
樹脂をポリエステルDに変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[実施例13]
樹脂をポリエステルGに変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。物性および評価結果を表1に示した。
[比較例1]
溶融樹脂を通すフィルターメッシュを20μmと50μmに変更し、縦延伸直後のリラックス率を0%に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。フィルターメッシュの目詰まりが発生し、不良であった。
[比較例2]
溶融樹脂を通すフィルターメッシュを20μmと50μmに変更し、樹脂をポリエステルDに変更し、縦延伸直後のリラックス率を0%に変更した以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。フィルターメッシュの目詰まりが発生し、不良であった。
[比較例3]
樹脂をポリエステルEに変更し、縦延伸直後のリラックス率を0%にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは異物も少なく、フィルターメッシュの目詰まりもなかったが、きれいなPET容器を選別して再生原料としているため、環境対応効果が不十分であった。
[比較例4]
樹脂をポリエステルFに変更し、縦延伸直後のリラックス率を10%にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは異物起因の破断が多く、製膜性が不良であった。
[比較例5]
縦延伸直後のリラックス率を12%にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは面配向係数が低く、力学強度が不良であった。
[比較例6]
縦延伸直後のリラックス率を0%にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは異物起因の破断が多く、製膜性が不良であった。
[比較例7]
縦延伸倍率を4.1倍にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは異物起因の破断が多く、製膜性が不良であった。
[比較例8]
縦延伸倍率を2.3倍にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは面配向係数が低く、力学強度が不良であった。
[比較例9]
横延伸倍率を5.1倍にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは異物起因の破断が多く、製膜性が不良であった。
[比較例10]
横延伸倍率を2.3倍にした以外、実施例1と同様に製膜して厚さ12μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸配向ポリエステルフィルムは面配向係数が低く、力学強度が不良であった。
Figure 0007196970000001
Figure 0007196970000002
Figure 0007196970000003
Figure 0007196970000004
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムロールは、再生原料中の異物量が多くても得られるフィルムの生産性が良好で長尺化が可能であり、食品包装用等の包装用フィルムの分野において広く適用でき、昨今環境負荷低減が強く望まれることから、産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (5)

  1. PET容器由来の再生原料を含有するポリエステル樹脂組成物からなり、該ポリエステル組成物は共重合成分として、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4、4-ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールからなる群より選択されてなる成分を10モル%以下含んでもよいポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル樹脂組成物であり、下記(1)~(3)を満たす二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムをロール状に巻き取ってなる巻長が10000m以上である二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
    (1)150℃30分で測定した時のフィルム長手方向の熱収縮率が0.5%以上2.0%以下。
    (2)JIS K 7142-1996 A法に基づいて測定した屈折率から算出したフィルムの面配向係数(ΔP)が0.16以上0.17以下。
    (3)フィルムロール1000mあたりの最大長さが1.3mm以上の異物数が1個以上。
  2. 請求項1に記載のPET容器由来の再生原料が、メカニカルリサイクルポリエステル樹脂及び/またはケミカルリサイクルポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
  3. フィルム幅方向で800mm当りの厚みムラが18%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
  4. フィルム長手方向の破断強度が180MPa以上260MPa以下、破断伸度が80%以上170%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
  5. フィルムロール8000mあたりの最大長さが1.0mm以上の異物数が16個以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムロール。
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