JP5287583B2 - 太陽電池用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本願の第1の発明は、ポリエステルフィルム中の環状三量体含有量が該ポリエステルフィルム当り5000ppm以下であり、該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面におけるフィルム表面の環状三量体量が50μg/m2以下である太陽電池用ポリエステルフィルムである。
本願の第2の発明は、アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステル樹脂からなる前記太陽電池用ポリエステルフィルムである。
本願の第3の発明は、該ポリエステルフィルムが最外層と中心層の少なくとも3層を有し、前記最外層は粒子を含有し、前記中心層は実質的に粒子を含まない前記太陽電池用ポリエステルフィルムである。
(1)横延伸工程および/もしくは熱固定工程における風速制御
(2)熱個定後の冷却速度の制御
(3)横延伸工程および/もしくは熱固定工程における炉内空気の調整
(4)溶融工程における滞留時間の制御
(5)タッチロールによる表面環状三量体の除去
本発明のポリエステルフィルムは、単層ポリエステルフィルムであっても良いし、最外層と中心層を有する、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであっても良い。特に、生産性の点から最外層と中心層の3層構成を有することが好ましい。3層構成における層構成として、表裏の最外層の構成は同組成であっても異組成であっても構わないが、2種3層(A層/B層/A層)が平面性の点から好適である。
粒子を電子顕微鏡または光学顕微鏡で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(多孔質シリカの場合は凝集体の粒径)を測定し、その平均値を平均粒子径とする。
前述のように、本発明においては横延伸工程、熱固定工程、冷却工程の条件はフィルム表面の環状三量体の量を低減させるために重要である。一般に、横延伸工程、熱固定工程、冷却工程は、隣接する各ゾーンにて、温度制御された熱風または冷風を吹き付けて処理される。本発明においては、横延伸工程、熱固定工程は表面に析出した環状三量体を速やかに除去するために、風速を10m/秒以上とするのが好ましい。さらに好ましくは20m/秒以上である。風速10m/秒未満では環状三量体が表面に残存しやすい。
ポリエステルフィルム中の環状三量体の含有量は以下の方法で測定した。細砕したフィルム試料100mgを精秤し、ヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロホルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロホルム20mlを加えて希釈する。これにメタノ−ル10mlを加えてポリマ−を沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10mlで定容とした。次いで下記の高速液体クロマトグラフ法で環状三量体を定量した。
装置:L−7000(日立製作所製)
カラム:μ−Bondasphere C18 5μ 100オングストローム 3.9mm×15cm(Waters製)
溶媒:溶離液A:2%酢酸/水(v/v)
溶離液B:アセトニトリル
グラジエントB%:10→100%(0→55分)
流速:0.8ml/分
温度:30℃
検出器:UV−259nm
フィルム2枚の抽出したい面同士を向かい合わせ、1枚につき25.2cm×12.4cm面積を抽出できるようスペーサーをはさんで枠に固定した。エタノール30mlを抽出面間に注入し、25℃で3分間、フィルム表面の環状三量体を抽出した。抽出液を蒸発乾固した後、得られた抽出液の乾固残渣をジメチルホルムアミド200μlに定容した。次いで高速液体クロマトグラフィーを用いて下記に示す方法で予め求めておいた検量線から環状三量体を定量した。
装置:ACQUITY UPLC(Waters製)
カラム:BEH−C18 2.1×150mm(Waters製)
移動相:溶離液A:0.1%ギ酸(v/v)
溶離液B:アセトニトリル
グラジエントB%:10→98→98%(0→25→30分)
流速:0.2ml/分
カラム温度:40℃
検出器:UV−258nm
不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−51O型)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも300個の粒子について各粒子の外周をトレースし、画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、これらの平均を平均粒子径とした。
ポリエステルをパラクロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒を使用して溶解し、温度30℃にて測定した。
試料フィルムと厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムを蒸着したフィルムの蒸着面を重ね合わせ、0.1MPaの圧力で5分間プレスした。次いでアルミニウム蒸着フィルムを剥がし取り、試料フィルムのプレス面を非接触表面形状計測システム(VertScan R5500H−M100)を用いて高さデータを採取した。
・測定モード:PHASEモード
・対物レンズ:50倍
・1×Tubeレンズ
・測定面積:92×70μm
次いで等高線表示モードにて、測定面が高さによって色分けされた画像を表示させた。この時、表面形状のうねりを除去するため面補正(4次関数補正)を行った。等高線表示モードでは、測定範囲内の平均高さを0nmとし、高さ最高値を5nm、高さ最低値を−5nmに設定し、深さ2nm以上の凹み部分が青色から青紫色に表示されるように表示させた。この操作を繰り返し、1mm2当たりの凹み数を求めた。
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、高純度テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03質量部、トリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kg/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻した。
15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。
重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は5μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、高純度テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03質量部、トリエチルアミンを0.16質量部と平均粒径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、生成PETに対し、2000ppmとなるよう添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kg/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻した。
15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。
重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%とIrganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrganox 1425として0.02mol%を加えて、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(1Torr)としてさらに275℃、13.3Paで固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステル(A)を得た。この際溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
平均粒子径が2.5μmの多孔質シリカ粒子をエチレングリコール中に仕込み、さらに95%カット径が30μmのビスコースレーヨン製フィルターで濾過処理を行ない、多孔質シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを得た。
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%とIrganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrganox 1425として0.02mol%と前記シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、生成PETに対し、2000ppmとなるよう添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(1Torr)としてさらに275℃、13.3Paで固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)をそれぞれ回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で固相重合を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)を得た。
ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)をそれぞれポリエステル樹脂(c)及びポリエステル樹脂(d)に替え、それぞれのポリエステル樹脂を実施例1と同様に固相重合を行い、ポリエステル樹脂(C)及びポリエステル樹脂(D)を得た。ポリエステル原料として、ポリエステル樹脂(C)及びポリエステル樹脂(D)を用い、予熱工程、横延伸工程、熱固定工程、冷却工程内の風速を10m/秒とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程の風速を20m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程の風速を30m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。
押し出し機の吐出量を調整し、フィルム厚さ188μmとした以外は実施例2と同様にして太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。この時の押し出し機内における溶融樹脂の滞留時間は10分間であった。
冷却工程の風速を5m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程、冷却工程内の熱風および冷風をフィルターを通さず循環させた以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。
固相重合を行っていないポリエステル樹脂(c)及びポリエステル樹脂(d)を用いた以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程内の熱風の風速を5m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用ポリエステルフィルムを得た。
Claims (3)
- ポリエステルフィルム中の環状三量体含有量が該ポリエステルフィルム当り5000ppm以下であり、
該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面におけるフィルム表面の環状三量体量が50μg/m2以下である太陽電池用ポリエステルフィルム。 - アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステル樹脂からなる請求項1に記載の太陽電池用ポリエステルフィルム。
- 該ポリエステルフィルムが最外層と中心層の少なくとも3層を有し、
前記最外層は粒子を含有し、
前記中心層は実質的に粒子を含まない請求項1又は2に記載の太陽電池用ポリエステルフィルム。
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