JP5428467B2 - 太陽電池用積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明の第1の発明は、最外層と中心層を有する少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、前記積層ポリエステルフィルムは、アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルからなり、前記最外層は粒子を含有し、前記中心層は実質的に粒子を含まず、前記積層ポリエステルフィルムの表面において、高さ1μm以上の突起の数が1000cm2当り100個以下である、太陽電池用積層ポリエステルフィルムである。
本発明の第2の発明は、前記最外層に含まれる粒子が、リン酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムから選ばれる少なくとも1種の無機粒子であり、前記粒子の平均粒子径が0.1〜3.0μmであり、前記最外層における粒子の含有量が0.01〜0.20質量%である前記太陽電池用積層ポリエステルフィルムである。
本発明の第3の発明は、前記粒子が多孔質シリカである前記太陽電池用積層ポリエステルフィルムである。
本発明の第4の発明は、前記太陽電池用積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、共重合ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂及びポリウレタン系樹脂の内、少なくとも1種を主成分とする被覆層を有する被覆層付き太陽電池用積層ポリエステルフィルムである。
本発明の積層ポリエステルフィルムは、最外層と中心層を有する、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムである。特に、生産性の点から最外層と中心層の3層構成を有することが好ましい。3層構成における層構成として、表裏の最外層の構成は同組成であっても異組成であっても構わないが、2種3層(A層/B層/A層)が生産性の点から好適である。
粒子を電子顕微鏡または光学顕微鏡で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(多孔質シリカの場合は凝集体の粒径)を測定し、その平均値を平均粒子径とする。また、積層フィルムの被覆層中の粒子の平均粒子径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、被覆層の断面に存在する粒子の最大径を求めることができる。
実施例及び比較例で得られた積層フィルムの幅1mの製品フィルムロール表層から10mの部分を取り除き、続く長さ1m以上のフィルムを抜き出し、垂直方向に垂らした。次いでフィルムの背面に三波長昼白色蛍光灯(FL20SS EX−N/18P:ナショナル社製)を配置し前面からフィルム面に対し約10°から45°の範囲で角度を変えながら周囲と比べ、輝く点または、白っぽく見える点、または黒っぽく見える点をマーキングした。
前記マーキングした試料を非接触表面形状計測システム(VertScanR550H-M100)を用いて、下記の条件で測定し、断面プロファイルモードから突起の最高点高さを求めた。尚、埃付着由来の突起は除外した。
なお、被覆層を有する試料の場合は溶剤(メチルエチルケトン)を含浸させたキムワイプ(WIPRS S200:クレシア社製)を用いてマーキングした箇所をキズが付かないように擦り、被覆層を除去した後、突起高さを求めた。(この場合の溶剤は、被覆層を溶解し得るものであれば特に限定されない。)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:10倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積:938×696μm
測定は試料の両面について行った。マーキング部の突起は、両面で測定した高さに基づきいずれか高い方を、その面の突起としてカウントした。こうして、フィルム表面1000cm2当たりの突起数を求めた。
実施例及び比較例で得られた積層フィルムから8cm×5cmの面積に切り出し、試料フィルムを作成した。これを大きさ6cm×5cmの底面を有する重さ4.4kgの金属製直方体底面に積層フィルムを固定した。この時、試料フィルムの5cm幅方向と金属直方体の5cm幅方向を合わせ、試料フィルムの長手方向の一辺を折り曲げ、金属直方体の側面に粘着テープで固定した。
次いで、同じ積層フィルムから20cm×10cmの面積に試料フィルムを切り出し、平らな金属板上に長手方向端部を粘着テープで固定した。この上に試料フィルムを貼り付けた金属製直方体の測定面を接するように置き、引っ張りスピード200mm/分、23℃、65%RH条件下で動摩擦係数(μd)を測定した。測定には東洋BALDWIN社製 RTM−100を用い、動摩擦係数(μd)はJIS K−7125に準拠して算出し求めた。
動摩擦係数(μd)が0.7以下の場合をハンドリング性良好、0.7を越える場合をハンドリング性不良とした。
不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−51O型)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも300個の粒子について各粒子の外周をトレースし、画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、これらの平均を平均粒子径とした。
ポリエステルをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒を使用して溶解し、温度30℃にて測定した。
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%とIrganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrganox 1425として0.02mol%を加えて、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(1Torr)としてさらに275℃、13.3Paで固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステル(A)を得た。 この際溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
得られたポリエステルを回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステル(A)を得た。
平均粒子径が2.5μmの多孔質シリカ粒子をエチレングリコール中に仕込み、さらに95%カット径が30μmのビスコースレーヨン製フィルターで濾過処理を行ない、多孔質シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを得た。
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%とIrganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrganox 1425として0.02mol%と前記シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、生成PETに対し、2000ppmとなるよう添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(1Torr)としてさらに275℃、13.3Paで固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
得られたポリエステルを回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステル(B)を得た。
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、高純度テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03質量部、トリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kg/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻した。
15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。
重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は5μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
得られたポリエステルを回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステル(C)を得た。
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、高純度テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03質量部、トリエチルアミンを0.16質量部と前記多孔質シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、生成PETに対し、2000ppmとなるよう添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kg/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻した。
15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。
重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
得られたポリエステルを回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステル(D)を得た。
平均粒子径が2.5μmの多孔質シリカ粒子の代わりに平均粒子径が1.8μmの炭酸カルシウム粒子を用いた以外はポリエステル(B)と同様の方法でポリエステル(E)を得た。
基材フィルム中間層用原料としてポリエステル(A)を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層B層用)に、ポリエステル(A)とポリエステル(B)を多孔質シリカ濃度0.06質量%になるように配合し、押出機1(外層A層用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2つのポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、A層、B層、C層の厚さの比は1.5:7:1.5となるように各押し出し機の吐出量を調整した。次にこの未延伸フィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。
ポリエステル(B)の代わりにポリエステル(E)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用積層ポリエステルフィルムを得た。
A層の多孔質シリカ濃度が0.1質量%になるようにポリエステル(A)とポリエステル(B)を配合した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池裏面用積層ポリエステルフィルムを得た。
A層の多孔質シリカ濃度が0.03質量%になるようにポリエステル(A)とポリエステル(B)を配合した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池裏面用積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例1と同様にして一軸配向PETフィルムを得た。
引き続き、実施例1と同様にして被覆層を有したフィルム厚さ50μmの太陽電池用積層ポリエステルフィルムを得た。
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステルを調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル液を得た。さらに、多孔質シリカ粒子(平均粒子径1.1μm)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル液99.46質量部に前記多孔質シリカ粒子水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、塗布液を得た。
ポリエステル(A)の代わりにポリエステル(C)、ポリエステル(B)の代わりにポリエステル(D)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル(A)とポリエステル(B)を多孔質シリカ濃度0.06質量%になるように配合し、押し出し機1及び2に供給した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル(B)のみを押し出し機2に供給した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用積層ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル(A)を押し出し機1及び2に供給した以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmの太陽電池用積層ポリエステルフィルムを得た。
Claims (3)
- 最外層と中心層を有する、少なくとも3層からなる積層ポリエステルフィルムであって、
前記積層ポリエステルフィルムは、アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化
合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルからなり、
前記最外層は粒子を含有し、前記中心層は実質的に粒子を含まず、
前記最外層は、粒子を含有するポリエステルからなるペレットと、粒子を含有しないポリエステルからなるペレットを混練押出しされたものであり、
前記最外層に含まれる前記粒子は多孔質シリカであり、
前記積層ポリエステルフィルムの表面において、高さ1μm以上の突起の数が1000c
m2当り100個以下である、
太陽電池用積層ポリエステルフィルム。 - 前記最外層に含まれる前記粒子の平均粒子径が0.1〜3.0μmであり、前記最外層における前記粒子の含有量が0.01〜0.20質量%である、請求項1に記載の太陽電池用積層ポリエステルフィルム。
- 請求項1又は2に記載の太陽電池用積層ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、共重合ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂及びポリウレタン系樹脂の内、少なくとも1種を主成分とする被覆層を有する被覆層付き太陽電池用積層ポリエステルフィルム。
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