JP6024791B2 - 太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
第1の発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を有し、前記被覆層がオキサゾリン基を有する樹脂と、カルボン酸基を含有する水性アクリル樹脂もしくはカルボン酸基を含有する水性ポリエステル樹脂とを含み、オキサゾリン基を有する樹脂以外のカルボン酸基を含有する水性アクリル樹脂もしくはカルボン酸基を含有する水性ポリエステル樹脂の配合割合が5〜60重量%であり、ポリエステルフィルム中の環状三量体含有量が該ポリエステルフィルム当り5000ppm以下であり、該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面におけるフィルム表面の環状三量体量が50μg/m2以下である太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法であって、ポリエステルを溶融押出して得た未配向シートを得る工程、温度制御された熱風の風速を10m/秒以上とする横延伸工程及び熱固定工程を含む、太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法である。
第2の発明は、アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステル樹脂からなる前記太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法である。
第3の発明は、該ポリエステルフィルムが最外層と中心層の少なくとも3層を有し、前記最外層は粒子を含有し、前記中心層は実質的に粒子を含まない前記太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法である。
第4の発明は、前記被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおける1655cm−1のピーク強度(P1)と1580cm−1のピーク強度(P2)の比(P1/P2)と被覆層の膜厚D[nm]が下記式[1]を満たす前記太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法である。
0.05≦(P1/P2)/D≦0.25・・・・・・[1]
さらに、本発明の好ましい態様では、フィルム表面に被覆層を有するため、長期の防湿性維持により好適である。
本発明におけるポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂より構成されるフィルムであり、主に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする。
(1)横延伸工程および/もしくは熱固定工程における風速制御
(2)熱固定後の冷却速度の制御
(3)横延伸工程および/もしくは熱固定工程における炉内空気の調整
(4)溶融工程における滞留時間の制御
(5)タッチロールによる表面環状三量体の除去
粒子を電子顕微鏡または光学顕微鏡で写真を撮り、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で、300〜500個の粒子の最大径(多孔質シリカの場合は凝集体の粒径)を測定し、その平均値を平均粒子径とする。
無機薄膜層による防湿機能を長期に保持する点から、無機薄膜層との中間層としてポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を設けることが望ましい。これにより、無機薄膜層の密着性が向上するため防湿機能の長期保持に好適である。
0.05≦(P1/P2)/D≦0.25・・・・・・[1]
以下、フィルムの製造方法を例示するが、特にこれに限定されるものではない。
本発明で用いるフィルムとしては、前記ポリエステルを溶融押出し、または溶液押出して得た未配向シートを、必要に応じ、長手方向または幅方向の一軸方向に延伸し、あるいは二軸方向に逐次二軸延伸または同時二軸延伸し、熱固定処理を施した、二軸配向ポリエステルフィルムが好適である。
前述のように、本発明においては横延伸工程、熱固定工程、冷却工程の条件はフィルム表面の環状三量体の量を低減させるために重要である。一般に、横延伸工程、熱固定工程、冷却工程は、隣接する各ゾーンにて、温度制御された熱風または冷風を吹き付けて処理される。本発明においては、横延伸工程、熱固定工程は表面に析出した環状三量体を速やかに除去するために、風速を10m/秒以上とするのが好ましい。さらに好ましくは20m/秒以上である。風速10m/秒未満では環状三量体が表面に残存しやすい。
本発明のバリア性ポリエステルフィルムは上記ポリエステルフィルムの被覆層のさらにその上に無機薄膜層を積層した積層体とすることが好ましい。無機薄膜層には無機酸化物、例えばシリカ、アルミナ、またはアルミナとシリカの混合物が用いられる。特に、薄膜層の柔軟性と緻密性を両立できる点から、アルミナとシリカの複合酸化物を用いることが好ましい。アルミナとシリカの混合比は、金属分の重量比で、Alが、20〜70%の範囲が好ましい。
太陽電池保護シートは、太陽電池モジュールの光入射面、その反対面、もしくは両面に用いられるもので、1層、もしくは2層以上の積層構成からなるシートであり、具体的にはフロントシート、バックシートと称されるものである。太陽電池保護シートは、好適には各機能を有した複数の樹脂シートが積層されたものである。太陽電池素子は湿度により劣化を受けるため、通常、これらの保護シートは防湿機能(バリア機能)を有している。本発明のバリア性ポリエステルフィルムは長期にバリア性を維持しうる点で、太陽電池保護シートの構成部材として好適である。
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
樹脂0.1gに対し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒25mLを用い、30℃で測定した。
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製、DSC6200)を使用して、樹脂サンプル10mgを25〜300℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
樹脂0.03gをテトラヒドロフラン10mlに溶かし、GPC−LALLS装置低角度光散乱光度計LS−8000(東ソー株式会社製、テトラヒドロフラン溶媒、リファレンス:ポリスチレン)を用い、カラム温度30℃、流量1ml/分、カラム(昭和電工社製shodex KF−802、804、806)を用い、数平均分子量を測定した。
樹脂を重クロロホルムに溶解し、ヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行ってその積分比より各組成のモル%比を決定した。
オキサゾリンを含有する樹脂を凍結乾燥し、これを1H−NMRにて分析し、オキサゾリン基に由来する吸収ピーク強度、その他のモノマーに由来する吸収ピーク強度から、オキサゾリン価を算出した。
ポリエステルフィルム中の環状三量体の含有量は以下の方法で測定した。細砕したフィルム試料100mgを精秤し、ヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロホルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロホルム20mlを加えて希釈する。これにメタノ−ル10mlを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルホルムアミド10mlで定容とした。次いで下記の高速液体クロマトグラフ法で環状三量体を定量した。
装置:L−7000(日立製作所製)
カラム:μ−Bondasphere C18 5μ 100オングストローム 3.9mm×15cm(Waters製)
溶媒:溶離液A:2%酢酸/水(v/v)
溶離液B:アセトニトリル
グラジエントB%:10→100%(0→55分)
流速:0.8ml/分
温度:30℃
検出器:UV−258nm
フィルム2枚の抽出したい面(非被覆層面)同士を向かい合わせ、1枚につき25.2cm×12.4cm面積を抽出できるようスペーサーをはさんで枠に固定した。エタノール30mlを抽出面間に注入し、25℃で3分間、フィルム表面の環状三量体を抽出した。抽出液を蒸発乾固した後、得られた抽出液の乾固残渣をジメチルホルムアミド200μlに定容した。次いで高速液体クロマトグラフィーを用いて下記に示す方法で予め求めておいた検量線から環状三量体を定量した。
装置:ACQUITY UPLC(Waters製)
カラム:BEH−C18 2.1×150mm(Waters製)
移動相:溶離液A:0.1%ギ酸(v/v)
溶離液B:アセトニトリル
グラジエントB%:10→98→98%(0→25→30分)
流速:0.2ml/分
カラム温度:40℃
検出器:UV−258nm
不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−51O型)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも300個の粒子について各粒子の外周をトレースし、画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、これらの平均を平均粒子径とした。
蒸着した試料フィルムと厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムとを蒸着面を重ね合わせ、0.1MPaの圧力で5分間プレスした。次いで試料フィルムのプレス面を非接触表面形状計測システム(VertScan R5500H−M100)を用いて高さデータを採取した。
・測定モード:PHASEモード
・対物レンズ:50倍
・1×Tubeレンズ
・測定面積:92×70μm
次いで等高線表示モードにて、測定面が高さによって色分けされた画像を表示させた。この時、表面形状のうねりを除去するため面補正(4次関数補正)を行った。等高線表示モードでは、測定範囲内の平均高さを0nmとし、高さ最高値を5nm、高さ最低値を−5nmに設定し、深さ2nm以上の凹み部分が青色から青紫色に表示されるように表示させた。この操作を繰り返し、1mm2当たりの凹み数を求めた。
蒸着したフィルムを121℃、100%RH、30分間処理後、40℃にて1日間乾燥した。湿熱処理前および湿熱処理後の試料について、JIS K7129 B法に準じて、水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W3/33MG MOCOM社製)を用い、温度40℃、湿度100%RHの雰囲気下で水蒸気透過度を測定した。なお、バリア性フィルムへの調湿は、基材層側から無機薄膜層側に水蒸気が透過する方向とした。処理前の水蒸気透過度を100%としたときの、処理後の水蒸気透過度の維持率を下記ランクにより評価した。
◎:バリア維持率が90%以上
○:バリア維持率が80%以上
△:バリア維持率が70%以上
×:バリア維持率が70%未満
実施例および比較例で得られた被覆層面について、全反射吸収赤外分光法で測定し、基材フィルムから特異的に得られる吸光度を対照としてオキサゾリン由来の吸光度(1655cm−1のピーク (P1))とポリエチレンテレフタレート由来の吸光度(1580cm−1のピーク強度(P2))の強度比(P1/P2)を求めた。
すなわち、下記に示す条件により全反射吸収赤外分光法で測定し、オキサゾリン基由来の 吸光度は1655±10cm−1の領域に吸収極大を持つ吸収ピークの高さの値とし、PET由来の吸光度は1580±10cm−1の領域に吸収極大を持つ吸収ピークの高さの値とした。1655cm−1のピークについては、ピークがショルダーになることから、ベースラインは1600cm−1と1800cm−1を結ぶ線とした。一方、1580cm−1のピークのベースラインについては、ピークの両側の袖を結ぶ線とした。
装置:Varian社製 FTS−60A/896
1回反射ATRアタッチメント:SPECTRA TECH社製 Silver Gate
光学結晶:Ge
入射角:45°
分解能:4cm−1
積算回数:128回
なお、被覆層の厚さが薄く、十分な感度が得られない場合は、使用する1回反射アタッチメントを、より入射角が大きい(65度)アタッチメント(例えばエス・ティ・ジャパン社製 VeeMax)に代えて測定しても良い。
当該試料を斜め切削し、被覆層表面から被覆層/基材フィルム界面の高さ測定をSPMで行うことにより、膜厚測定を実施した。
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、高純度テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03質量部、トリエチルアミンを0.16質量部添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kg/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻した。
15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。
重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は5μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、高純度テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコールを64.4質量部からなるスラリーを仕込み、攪拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.03質量部、トリエチルアミンを0.16質量部と平均粒径2.5μmのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、生成PETに対し、2000ppmとなるよう添加した。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.5kg/cm2、240℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エステル化反応缶内を常圧に戻した。
15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃の減圧下で固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。
重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%とIrganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrganox 1425として0.02mol%を加えて、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(1Torr)としてさらに275℃、13.3Paで固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステル(A)を得た。この際溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
平均粒子径が2.5μmの多孔質シリカ粒子をエチレングリコール中に仕込み、さらに95%カット径が30μmのビスコースレーヨン製フィルターで濾過処理を行ない、多孔質シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを得た。
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%とIrganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrganox 1425として0.02mol%と前記シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを、生成PETに対し、2000ppmとなるよう添加した。次いで、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(1Torr)としてさらに275℃、13.3Paで固有粘度が0.65dl/gに到達するまで重縮合反応を行った。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化しポリエステルを得た。この際、溶融樹脂が約275℃に保たれ状態で濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は20μmステンレス焼結体フィルターで樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行った。
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を備えたフラスコに、イソプロピルアルコール460.6部を仕込み、緩やかに窒素ガスを流しながら80℃に加熱した。そこへ予め調製しておいたメタクリル酸メチル126部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン210部およびメトキシポリエチレングリコールアクリレート84部からなる単量体混合物と、ABN−E(日本ヒドラジン工業株式会社製の重合開始剤:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))21部およびイソプロピルアルコール189部からなる開始剤溶液を、それぞれ滴下ろうとにより2時間かけて滴下した。反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を80±1℃に保った。滴下終了後も5時間同じ温度に保った後冷却し、オキサゾリン基を有する樹脂(A−1)を得た。得られたオキサゾリン基を有する樹脂(A−1)のオキサゾリン価は220g−solid/eq.であった。
(A−1)と同様の方法で組成の異なるオキサゾリン基を有する樹脂(A−2)を得た。得られたオキサゾリン基を有する樹脂(A−2)のオキサゾリン価は130g−solid/eq.であった。
攪拌機、温度計、および部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート194.2質量部、ジメチルイソフタレート184.5質量部、ジメチル−5−ナトリウムスルホイソフタレート14.8質量部、ネオペンチルグリコール229.1質量部、エチレングリコール136.6質量部、およびテトラーnーブチルチタネート0.2質量部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なった。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(B−1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(B−1)は、淡黄色透明であった。得られた共重合ポリエステル樹脂(B−1)の還元粘度を測定したところ,0.55dl/gであった。DSCによるガラス転移温度は65℃であった。
攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(B−1)30質量部、エチレングリコールn−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水55質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分30質量%の乳白色のポリエステル水分散体(C−1)を作製した。同様にポリエステル樹脂(B−1)の代わりにポリエステル樹脂(B−2)、(B−3)を使用して、水分散体を作製し、それぞれ水分散体(C−2)、(C−3)とした。
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管および温度計を備えたフラスコに、2−ブタノン405部,イソプロピルアルコール210部を仕込み、緩やかに窒素ガスを流しながら80℃に加熱した。そこへ予め調製しておいたアクリル酸メチル282部、アクリル酸18部からなる単量体混合物と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル15部および2−ブタノン85部からなる開始剤溶液を、それぞれ滴下ロートにより2時間かけて滴下した。反応中は窒素ガスを流し続け、フラスコ内の温度を80±1℃に保った。滴下終了後も5時間同じ温度に保った後、5%アンモニア水94部,水606部を添加し,さらにフラスコを加熱し2−ブタノン,イソプロピルアルコールを溜去し固形分27%のアクリル樹脂溶液(D−1)を得た。
(1)塗布液の調整
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 86.10質量%
イソプロパノール 7.50質量%
オキサゾリン基を有する樹脂 (A−1) 6.40質量%
ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)をそれぞれ回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で固相重合を行い、固有粘度0.75dl/gのポリエステル樹脂(A)及びポリエステル樹脂(B)を得た。
次に(2)で得られたフィルムの被覆面へ蒸着するために、蒸着源として、3mm〜5mm程度の粒子状SiO2(純度99.9%)とAl2O3(純度99.9%)を用いて、電子ビーム蒸着法で、得られた塗布フィルム上に酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の複合無機酸化物層の形成を行った。
ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)をそれぞれポリエステル樹脂(c)及びポリエステル樹脂(d)に替え、それぞれのポリエステル樹脂を実施例1と同様に固相重合を行い、ポリエステル樹脂(C)及びポリエステル樹脂(D)を得た。ポリエステル原料として、ポリエステル樹脂(C)及びポリエステル樹脂(D)を用い、予熱工程、横延伸工程、熱固定工程、冷却工程内の風速を10m/秒とした以外は実施例1と同様にしてフィルム厚さ50μmのフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程の風速を20m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmのフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程の風速を30m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmのフィルムを得た。
押し出し機の吐出量を調整し、フィルム厚さ188μmとした以外は実施例2と同様にしてフィルムを得た。この時の押し出し機内における溶融樹脂の滞留時間は10分間であった。
冷却工程の風速を5m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmのフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程、冷却工程内の熱風および冷風をフィルターを通さず循環させた以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmのフィルムを得た。
塗布液を表2に示したように変更した以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。
コートせずに、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。
固相重合を行っていないポリエステル樹脂(c)及びポリエステル樹脂(d)を用いた以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmのフィルムを得た。
予熱工程、横延伸工程、熱固定工程内の熱風の風速を5m/秒とした以外は実施例2と同様にしてフィルム厚さ50μmのフィルムを得た。
Claims (4)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面に被覆層を有し、
前記被覆層がオキサゾリン基を有する樹脂と、カルボン酸基を含有する水性アクリル樹脂もしくはカルボン酸基を含有する水性ポリエステル樹脂とを含み、オキサゾリン基を有する樹脂以外のカルボン酸基を含有する水性アクリル樹脂もしくはカルボン酸基を含有する水性ポリエステル樹脂の配合割合が5〜60重量%であり、
ポリエステルフィルム中の環状三量体含有量が該ポリエステルフィルム当り5000ppm以下であり、
該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面におけるフィルム表面の環状三量体量が50μg/m2以下である太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法であって、
ポリエステルを溶融押出して得た未配向シートを得る工程、
温度制御された熱風の風速を10m/秒以上とする横延伸工程及び熱固定工程を含む、
太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法。 - アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステル樹脂からなる請求項1に記載の太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法。
- 該ポリエステルフィルムが最外層と中心層の少なくとも3層を有し、
前記最外層は粒子を含有し、
前記中心層は実質的に粒子を含まない請求項1又は2に記載の太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法。 - 前記被覆層の全反射赤外吸収スペクトルにおける1655cm−1のピーク強度(P1)と1580cm−1のピーク強度(P2)の比(P1/P2)と被覆層の膜厚D[nm]が下記式[1]を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池用無機薄膜形成基材ポリエステルフィルムの製造方法。
0.05≦(P1/P2)/D≦0.25・・・・・・[1]
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