JP5716318B2 - 回収ポリエステル樹脂の再生方法、およびリサイクルポリエステル樹脂を用いた成形品 - Google Patents
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Description
これに対しては、ボトル用途の回収ポリエステル樹脂を固相重合することにより、IVを目標まで増加させることで、再びボトルの成形に用いることができるようなポリエステル樹脂を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
(ここで、エチレングリコール存在下とは、回収ポリエステル樹脂のペレットに接触させるエチレングリコールの添加量が、単位時間あたり、ペレット重量に対し、10ppm〜50,000ppmの範囲である。)
ΔIV≦0.03
ΔAV≦2
(ここで、ΔIVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のIV(dl/g)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂混合物を成形した成形品のIV(dl/g)との差の絶対値を示す。ΔAVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のAV(eq/t)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂混合物を成形した成形品のAV(eq/t)との差の絶対値を示す。)
本発明の再生処理に供される回収ポリエステル樹脂の入手先は、例えば、市販のPETボトル、PETボトル生産時の不良品および屑、市販のフィルム、フィルム製膜時の不良品および屑、タイヤコード生産時の不良品および屑、射出成型や押し出し成型品生産時の不良品および屑などが挙げられるが、これに限定するものではない。
また、リサイクルポリエステル樹脂の使用用途に合わせて、新たにこれらを添加しても良い。飲料ボトル等ではゲルマニウム触媒が失活されている場合もあり、再生処理の速度向上のため新たに触媒を添加しても良い。これらの添加方法はマスターバッチとして加えることが出来る。マスターバッチのポリエステルにリサイクルポリエステル樹脂を用いても良い。
まず、製品および工程から得られた不良品、屑を、品質を復元する再生処理の前に、細かい形状としておく必要がある。形状としては、粗粉砕のフレーク、パウダー、ペレットなどが挙げられる。後の処理の均一性の観点から、粒径も均一にしておくことが好ましい。よって、不良品、屑を数mm程度の適当な大きさに粉砕した後、押出し機にてペレット化したものが好ましいが、これに限定するものではない。
また、回収ポリエステル樹脂の形状、大きさは、再生処理したリサイクルポリエステル樹脂をヴァージンポリエステル樹脂と混合して用いる場合には、成形機への供給安定性を高めるため、ヴァージンポリエステル樹脂の形状、大きさと合わせることが好ましい。一般的にポリエステル樹脂はストランド状に押し出したあとカットされるか、水中で押し出しながらカットされ、縦、横、長さとも1.5〜5mm程度の扁平な俵状、直径1.5〜5mm程度の球状チップとされるので、回収ポリエステル樹脂も同様なペレットであることが好ましい。
押出機は単軸または二軸の押出機を用いて溶融押出しすることが出来るが、二軸押出機が好ましい。さらには、ベント付の二軸押出機が樹脂の熱劣化を防ぐために好ましい。粉砕されたリサイクル屑を均一に押出すためには、前置きの定量フィーダーを有するものや、溶融押出し後にギアポンプを有するものが好ましい。押出温度は樹脂の融点から融点+40℃の範囲が好ましい。樹脂の特性を劣化させずに、樹脂を溶融するための最低限の熱量が与えられることが重要である。
以下に、ペレット形状の回収ポリエステル樹脂(回収ペレット)の再生方法を例にして説明する。なお、他の形状であっても、同様な処理を行うことが出来る。
上記で得られた回収ペレットを、エチレングリコール存在化で加熱処理した後、固相重合することで、品質を再生することが可能となる。
このような予備結晶化は、回収ペレットを乾燥状態で通常120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度で、1分〜4時間加熱することによって行うことができる。またこのような予備結晶化は、真空状態、および不活性ガス雰囲気下で行うことができる。
なお、予備結晶化工程によって固相重合は進行せず、予備結晶化前後での固有粘度の差は、通常0.06dl/g以下である。
得られたリサイクルペレットのAVは、10eq/ton以下となることが好ましい。さらには9eq/ton以下、特には8eq/ton以下が好ましく、特には7eq/ton以下が好ましい。AVの下限は耐加水分解性の面では低い方が好ましい。なお、AVの下限は原理的には0eq/tonであるが、実施例で用いた測定法の場合、−3eq/ton程度までになることがある。その理由は、AVの測定の際、PETが溶媒に完全に溶けきるまでのタイムラグが有るため、本発明の実施例で定義する3点近似法で測定した値を用いて溶解時間0分に外挿した場合に、本来のAVよりも計算上低い値が出るためと推定される。本願発明で定義するAVは、実施例に記載の測定法に基づいた値を採用している。
このようにして得られたリサイクルポリエステル樹脂は、それぞれの用途で用いられるヴァージンポリエステル樹脂と混合して用いることが好ましい。
混合して成形する際は、別々に成形機に供給する方法、ドライブレンド等で混合した後供給する方法がある。簡便性の面からドライブレンドで混合する方法が好ましい。
リサイクルポリエステル樹脂の量の上限は、リサイクルポリエステル樹脂単独で成形することもできるため、特に定める必要はないが、非常に高い品質安定性が求められる場合では70質量%以下、さらには60質量%以下、特には50質量%以下が好ましい。
ΔIV≦0.03
ΔAV≦2
(ここで、ΔIVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のIV(dl/g)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂の混合物を成形した成形品のIV(dl/g)との差の絶対値を示す。ΔAVはヴァージンポリエステル樹脂のみを用いて成形した成形品のAV(eq/t)と、リサイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有したポリエステル樹脂の混合物を成形した成形品のAV(eq/t)との差の絶対値を示す。)
成形品としては、サイクルポリエステル樹脂を15質量%以上含有し、IVが0.60dl/g以上、AVが15eq/ton以下であることが好ましい。AVは10eq/ton以下がより好ましく、さらには7eq/ton以下、特には6eq/ton以下が好ましい。
中でも、タイヤコードなどに代表される高耐久性繊維の場合は、IV0.80dl/g以上、さらには0.85dl/g以上、特には0.90dl/g以上が好ましい。高耐久性フィルムの場合は、IVは0.60dl/g以上であることが好ましい。IVはさらには0.65dl/g以上であることが好ましい。
IVが0.95dl/g、AVが8eq/tであるヴァージンの繊維用PETペレットと、製造例の方法により得られたリサイクルペレットとを、リサイクルペレットが30質量%となるよう混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の押出機に供給し、紡糸装置に供給し溶融紡糸を行った。この際、温度295℃の紡糸口金パック内で溶融ポリマーの濾過、整流を行った。紡糸ノズルは口径1.3mmで、紡糸孔1個が穿設されていた。紡出糸条を65℃の水浴中で冷却された後、100℃の熱媒浴中を通過させて5.0倍に延伸し、ついて130℃のオーブン中を通過させて1.2倍に延伸し、さらに220℃のオーブン中で10%の弛緩処理を行い、モノフィラメントを得た。
上記で得られたモノフィラメントを120℃の飽和水蒸気中で10日間処理後、破断強度を測定し、飽和水蒸気処理する前の破断強度と比較して保持率で表した。
上記で得られたモノフィラメントをアンモニアガス中、135℃で5時間処理後の破断強度を測定し、処理する前の破断強度と比較して保持率で表した。
IVが0.95dl/g、AVが8eq/tであるヴァージンのタイヤコード用PETペレットと、製造例の方法により得られたリサイクルペレットとを、リサイクルペレットが30質量%となるように計量混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の単軸押出機に供給し、孔数190の紡糸口金より溶融吐出し、320℃の加熱領域を通過させた後、20℃の冷却風によって冷却固化させ、紡糸速度550m/分で引き取り、続いて、延伸倍率5.8倍で延伸、3.0%弛緩処理して1100dtex/190フィラメントのポリエステル原糸を得た。ついで、得られたポリエステル原糸に10cmあたり47回の下撚りを加えた後、2本を合糸し、反対方向に10cmあたり47回の上撚りを加えてコードとした。
上記で得られたコードを121℃、0.1MPaの飽和水蒸気中で3日間処理した後の破断強度を測定し、飽和水蒸気で処理しないコードの破断強度と比較し、破断強度の保持率で表した。
上記で得られたコードをレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)からなる接着剤液に浸漬させ、絞りロールで絞った後、120℃のオーブン中で1分間乾燥し、235℃のオーブン中で1分間熱処理し接着処理を施した。該接着処理コードを天然ゴム/SBR=70/30重量部からなる未加硫ゴム組成物に埋め込み、170℃、50kg/cm2で180分加硫してゴム成型体を得た。このゴム成型体からコードを取り出して加硫後の破断強度を測定し、加硫前との保持率で表した。
IVが0.73dl/g、AVが0eq/tであるヴァージンのフィルム用PETペレットと、製造例の方法により得られたリサイクルペレットとを、リサイクルペレットが30質量%となるよう混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し機に供給した。押出し機溶融部、混練り部、ポリマー管、ギアポンプ、フィルターまでの樹脂最高温度は290℃、その後のポリマー管では285℃とし、ダイスよりシート状にして押出した。これらのポリマーは、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度20μm粒子95%カット)を用いて濾過した。また、フラットダイは樹脂温度が285℃になるようにした。なお、押出し機入り口で抜き出したペレットの水分率を測定した結果、水分率は20ppmであった。押し出した樹脂を静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを得た。
フィルムを1cm×4cm片に切断し、130℃で12時間真空乾燥した後、試料1gを純水100mlに入れ、密閉系にして130℃に加熱、加圧した条件下に6時間攪拌した。
ペレットのエチレングリコールによる加熱処理において、ペレットに接触させるエチレングリコール添加量の測定は、ガス採集法、および、ガスクロマトグラフィーにて実施した。
IV測定方法は、ポリエステルを、フェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)混合溶媒を使用して溶解し、オストワルド粘度計を用いて、30℃にて測定した。
AV分析方法について説明する。
A.試料の調整
試料を粉砕し、70℃で24時間真空乾燥を行った後、天秤を用いて0.20±0.0005gの範囲に秤量する。そのときの重量をW(g)とする。試験管にベンジルアルコール10mlと秤量した試料を加え、試験管を205℃に加熱したオイルバスに浸し、ガラス棒で攪拌しながら試料を溶解する。溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれA、B、Cとする。次いで、新たに試験管を用意し、ベンジルアルコールのみを入れ、同様の手順で処理し、溶解時間を3分間、5分間、7分間としたときのサンプルをそれぞれa、b、cとする。
B.滴定
予めファクターの分かっている0.04mol/l水酸化カリウム溶液(エタノール溶液)を用いて滴定する。指示薬はフェノールレッドを用い、黄緑色から淡紅色に変化したところを終点とし、水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を求める。サンプルA、B、Cの滴定量をXA、XB、XC(ml)とする。サンプルa、b、cの滴定量をXa、Xb、Xc(ml)とする。
C.酸価(AV)の算出
各溶解時間に対しての滴定量XA、XB、XCを用いて、最小2乗法により、溶解時間0分での滴定量V(ml)を求める。同様にXa、Xb、Xcを用いて、滴定量V0(ml)を求める。次いで、次式に従い、酸価を求めた。
酸価(eq/t)=[(V−V0)×0.04×NF×1000]/W
NF:0.04mol/l水酸化カリウム溶液のファクター
W:試料重量(g)
(回収ペレットA−1)
PETボトルを粉砕したフレークを押出機により溶融押出しし、3.2mm×2.8mm×1.8mm程度の大きさの円柱状の回収ペレットを得た。この時点で、回収ペレットの品質は、IVが0.68dl/g、AVが15eq/tonであった。
回転型乾燥機内で、上記で得られた回収ペレット(A−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、回収ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、リサイクルペレットの品質は、IVが0.63dl/g、AVが10eq/tonであった。
リサイクルペレットA−2の製造において、エチレングリコール存在化での加熱処理において、エチレングリコール添加量を、ペレット1kgに対し、単位時間あたり13.88g/(hr・ペレットkg)(=13,880ppm)とした以外は同様にし、回収ペレットの処理および固相重合を実施した。固相重合に要した時間は24時間であった。得られたリサイクルペレット(A−3)の品質は、IVが0.95dl/g、AVが4eq/tonであった。
上記で得られた回収ペレット(A−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.95dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は16時間であった。得られたリサイクルペレット(A−4)の品質は、IVが0.95dl/g、AVが12eq/tonであった。
回転型乾燥機内で、上記で得られた回収ペレット(A−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、回収ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、リサイクルペレットの品質は、IVが0.63dl/g、AVが10eq/tonであった。
リサイクルペレットB−2の製造において、エチレングリコール存在化での加熱処理において、エチレングリコール添加量を、ペレット1kgに対して単位時間あたり13.88g/(hr・ペレットkg)(=13,880ppm)とした以外は同様にし、回収ペレットの処理および固相重合を実施した。固相重合に要した時間は12時間であった。得られたリサイクルペレット(B−3)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが5eq/tであった。
上記で得られた回収ペレット(A−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.95dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は6時間であった。得られたリサイクルペレット(B−4)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが13eq/tであった。
フィルム製膜工程における不良品、屑を集め、粉砕後、押出機により溶融押出しし、3.2mm×2.8mm×1.8mm程度の大きさの円柱状の回収ペレット(C−1)を得た。この時点で、回収ペレット(C−1)の品質は、IVが0.66dl/g、AVが15eq/tonであった。
回転型乾燥機内で、上記で得られた回収ペレット(C−1)を、ペレット1kgに対して単位時間あたり0.086g/(hr・ペレットkg)(=86ppm)のエチレングリコール蒸気含有の窒素気流条件下に曝し、回収ペレットとエチレングリコールを6時間接触させた。処理温度は220℃で行った。この時点で、リサイクルペレットの品質は、IVが0.60dl/g、AVが6eq/tであった。
リサイクルペレットC−2の製造において、エチレングリコール存在化での加熱処理において、エチレングリコール添加量を、単位時間あたり、ペレット1kgに対し、13.88g/(hr・ペレットkg)(=13,880ppm)とした以外は同様にし、回収ペレットの処理および固相重合を実施した。固相重合に要した時間は14時間であった。得られたリサイクルペレット(C−3)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが1eq/tであった。
上記で得られた回収ペレット(C−1)を用いて、エチレングリコール処理を行わずに、0.5mmHg、230℃にて固相重合のみを行った。固相重合は、IVがヴァージンペレットと同等(0.73dl/g)となる時点で停止とした。固相重合に要した時間は8時間であった。得られたリサイクルペレット(B−4)の品質は、IVが0.73dl/g、AVが13eq/tであった。
(実施例1)
IVが0.95dl/g、AVが5eq/tである繊維用PETヴァージンペレットと、リサイクルペレット(A−2)とを、リサイクルペレット(A−2)が30質量%となるよう計量混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の押出機に供給し、紡糸装置に供給し溶融紡糸を行った。得られた紡出糸条を65℃の水浴中で冷却させた後、100℃の熱媒浴中を通過させて5.0倍に延伸し、ついて130℃のオーブン中を通過させて1.2倍に延伸し、さらに220℃のオーブン中で10%の弛緩処理を行いモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
実施例1において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−3)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
実施例1において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−4)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
実施例1において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(A−1)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
実施例1において、IVが0.95dl/g、AVが5eq/tである繊維用PETヴァージンペレット100質量%のみを用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例1と同様な方法でモノフィラメントを得た。得られたモノフィラメントの物性(IV、AV)を表2に示す。また、耐加水分解試験、耐アミン分解試験の結果を表2に示す。
(実施例3)
IVが0.95dl/g、AVが5eq/tであるタイヤコード用PETヴァージンペレットと、リサイクルペレット(A−2)とを、リサイクルペレット(A−2)が30質量%となるように計量混合し、135℃で10時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出し樹脂温度が285〜295℃の単軸押出機に供給し、孔数190の紡糸口金より溶融吐出し、320℃の加熱領域を通過させた後、20℃の冷却風によって冷却固化させ、紡糸速度550m/分で引き取り、続いて、延伸倍率5.8倍で延伸、3.0%弛緩処理して1100dtex/190フィラメントのポリエステル原糸を得た。ついで、得られたポリエステル原糸に10cmあたり47回の下撚りを加えた後、2本を合糸し、反対方向に10cmあたり47回の上撚りを加えてコードとした。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
実施例3において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−3)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
実施例3において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(A−4)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
実施例3において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(A−1)30質量%を用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
実施例3において、IVが0.95dl/g、AVが5eq/tであるタイヤコード用PETヴァージンペレット100質量%のみを用いて、溶融紡糸を行ったことを除いて、実施例3と同様な方法でコードを得た。得られたコードの物性(IV、AV)を表3に示す。また、耐加水分解試験、ゴム中の強力劣化試験の結果を表3に示す。
(実施例5)
IVが0.73dl/g、AVが1eq/tであるフィルム用PETヴァージンペレットと、リサイクルペレット(B−2)とを、リサイクルペレット(B−2)が30質量%となるように計量混合し、その混合物を前述の方法にて製膜し、厚さ50μmの二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(B−3)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(C−2)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(C−3)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(B−4)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(A−1)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、リサイクルペレット(C−4)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、用いるリサイクルペレットとして、回収ペレット(C−1)30質量%となるように計量混合した混合レジンを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
実施例5において、IVが0.73dl/g、AVが1eq/tであるフィルム用PETヴァージンペレット100質量%のみを用いて製膜した以外は、実施例5と同様な方法で二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの物性(IV、AV)を表4に示す。また、上記で得られたフィルムについて加水分解試験を行った結果を表4に示す。
Claims (1)
- 回収ポリエステル樹脂をエチレングリコール存在下で、ポリエステルの融点以下の温度で加熱処理し、続いて固相重合することを特徴とする回収ポリエステル樹脂の再生方法。
(ここで、エチレングリコール存在下とは、回収ポリエステル樹脂のペレットに接触させるエチレングリコールの添加量が、単位時間あたり、ペレット重量に対し、10ppm〜50,000ppmの範囲である。)
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