JP2012114128A - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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【課題】 導電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサにおいて、ESRやLCが低く、ショート不良数の少ない固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 固体電解質層が陽極酸化皮膜3の表面に形成された第一の固体電解質層4と、第一の固体電解質層4の表面に形成された第二の固体電解質層5からなり、第一の固体電解質層4として、少なくとも1つのスルホン基及び少なくとも1つのアミノ基、または少なくとも1つのスルホン基及び少なくとも1つのイミノ基を有する有機酸をドーパントとして含む導電性高分子により形成され、第二の固体電解質層5として、少なくとも1つのスルホン基を有する高分子の有機酸をドーパントとして含む導電性高分子により形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に係り、特に等価直列抵抗(ESR)が低く、製造工程中のショート不良数の少ない、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
近年、デジタル機器の小型化、高機能化が進み、機器に供給される電源にも高周波での駆動への対応が要求されている。それに伴い、ノイズ対策や電源電圧の平滑化が必要となり、電子回路における電解コンデンサの役割が重要になってきている。このような中で、小型で静電容量が大きく、インピーダンスが低い、固体電解コンデンサに対する需要が高まっている。
コンデンサのインピーダンスは、一般に自己共振点よりも低周波の領域では静電容量とESRによって決定され、一方、高周波の領域では等価直列インダクタンス(ESL)とESRの影響が強くなる。固体電解コンデンサでは、陽極としてアルミニウムやタンタルを用い、固体電解質として導電性高分子を用いることにより、積層セラミックコンデンサに匹敵する低いESRを実現することが可能である。これは、導電性高分子が二酸化マンガンなどの他の種類の固体電解質や液体の電解質と比較して、比抵抗値が10分の1〜100分の1程度であることにより得られる特性である。
特許文献1には、コンデンサにおける導電性高分子層の形成に用いる溶液にポリマー微粒子を添加することで、工程数を減少させる技術が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の技術では、化学酸化重合を繰り返すことで固体電解質層が形成されているが、化学酸化重合の性質上、緻密で密着性に優れた固体電解質層を形成することは難しい。従って、固体電解質層の比抵抗値が高くなる場合があり、積層セラミックコンデンサに匹敵する低いESRを実現することは困難であった。
このような課題を解決するものとして、特許文献2には、誘電体酸化皮膜を形成したコンデンサ素子を、ポリスチレンスルホン酸などの高分子スルホン酸をドーパントとして含むポリエチレンジオキシチオフェンなどからなる導電性高分子の分散液中に浸漬し、引き上げた後に熱処理を行うことで緻密な固体電解質層を形成する技術が記載されている。
特開平9−306788号公報 特開2005−109252号公報
しかし、上記従来の技術は、主に水溶液からなる導電性高分子の分散液を使用するため、陽極導体にタンタルを用いる固体電解コンデンサの直方体の形状を有するタンタルペレットに対しては、水溶液の界面張力や粘弾性、レベリング性などの問題から、直方体の稜線部や角部の、固体電解質層の厚みが面の中央部と比較して薄くなってしまうという課題があった。このようなことから、グラファイトや銀ペーストなどの素子陰極部を形成する材料と陽極酸化皮膜が直接接触してしまう場合があり、漏れ電流(LC)の増加抑制や電気的な短絡(ショート不良)の抑制に対する効果が十分に得られないという課題があった。
従って、本発明は導電性高分子を固体電解質とする固体電解コンデンサにおいて、緻密な導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、且つ、固体電解コンデンサの陽極酸化皮膜に対し均一に固体電解質層を形成することにより、ESRやLCが低く、ショート不良数の少ない固体電解コンデンサ及びその製造方法の提供を目的とする。
すなわち、本発明の固体電解コンデンサは、多孔質化された弁作用金属からなる陽極導体と、前記陽極導体の表面に形成された陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜の表面に形成された導電性高分子からなる固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に形成されたグラファイト層と、前記グラファイト層の表面に形成された銀層からなる素子陰極部で構成される固体電解コンデンサであって、前記固体電解質層が前記陽極酸化皮膜の表面に形成された第一の固体電解質層と、前記第一の固体電解質層の表面に形成された第二の固体電解質層からなり、前記第一の固体電解質層は、少なくとも1つのスルホン基及び少なくとも1つのアミノ基、または少なくとも1つのスルホン基及びイミノ基を有する有機酸をドーパントとして含む導電性高分子により形成され、前記第二の固体電解質層は、少なくとも1つのスルホン基を有する高分子の有機酸をドーパントとして含む導電性高分子により形成されていることを特徴とする。
また、本発明の固体電解コンデンサは、少なくとも1組の前記第一の固体電解質層と前記第二の固体電解質層が交互に積層されていることを特徴とする。
また、本発明の固体電解コンデンサは、前記第二の固体電解質層を形成する前記有機酸の分子量が10,000以上500,000以下であることを特徴とする。
また、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、前記第一の固体電解質層は化学酸化重合または電解酸化重合にて形成し、前記第二の固体電解質層は少なくとも1つの前記スルホン基を有する高分子の有機酸をドーパントとして含む前記導電性高分子の分散液に浸漬した後、温度80℃以上260℃以下で熱処理する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、第一の固体電解質層の表面に形成された第二の固体電解質層からなり、第一の固体電解質層は、少なくとも1つのスルホン基及び少なくとも1つのアミノ基、または少なくとも1つのスルホン基及びイミノ基を有する有機酸をドーパントとして含む導電性高分子により形成され、第二の固体電解質層は、少なくとも1つのスルホン基を有する高分子の有機酸をドーパントとして含む導電性高分子により形成されていることにより、ESRやLCが低く、ショート不良数の少ない固体電解コンデンサを得ることができる。
これは、第一の固体電解質層を形成する導電性高分子にドーパントとして含まれるアミノ基、またはイミノ基が導電性高分子の水溶液中でプラスに帯電し、第二の固体電解質層を形成する導電性高分子にドーパントとして含まれるスルホン基を有する高分子の有機酸が、導電性高分子の水溶液中でマイナスに帯電して分散していることを利用したものである。これら、アミノ基またはイミノ基と、スルホン基が電荷の極性の違いで互いに引き合うことにより、従来技術では形成することが難しい、直方体のタンタルペレットの稜線部や角部にも、緻密で均一な厚みをもった第二の固体電解質層を形成させることを可能にするものである。
本発明により、従来技術では形成することが難しい、直方体のタンタルペレットの稜線部や角部にも、緻密で均一な厚みをもった第二の固体電解質層を形成させることによって、ESRやLCが低く、ショート不良数の少ない固体電解コンデンサの提供が可能となる。
本発明の固体電解コンデンサにおける実施の形態の模式断面を示した図。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の固体電解コンデンサにおける実施の形態の模式断面を示した図である。
図1において、陽極導体は弁作用金属の焼結体2であり、タンタルやニオブ、またはアルミなどの弁作用金属のワイヤー1を導出させている。その焼結体2の形状は一般的に直方体であり、焼結体2は多孔質化を行っている。この焼結体2の表面には陽極酸化により陽極酸化皮膜3を形成する。
次に焼結体2を、モノマーである、アニリン、ピロール、チオフェン、またはそれらの誘導体などを含んだ溶液に浸漬する。
その後、ドーパントとして、p−アミノベンゼンスルホン酸、アミノエチルスルホン酸、4−アミノアゾベンゼン−4’−スルホン酸、アミノスルホン酸、6−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、7−アミノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸、メタフェニレンジアミン−4−スルホン酸、7−アミノナフタレン−1,3,5−トリスルホン酸、3−[(アミノイミノメチル)チオ]−1−プロパンスルホン酸、N−(n−アルキル)ベンジルイミン−m−スルホン酸水溶液などを含んだ溶液と、酸化剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液などの過酸化物や、上記ドーパントの鉄塩などの溶液を含んだ水溶液に浸漬することで第一の固体電解質層4を形成する。
また、ここでは第一の固体電解質層4を化学酸化重合で形成する例を説明しているが、上記のモノマーを含んだ溶液とドーパントを含んだ溶液を混合した溶液中で電解酸化させて、電解酸化重合で形成することも可能である。
次に、上記の第一の固体電解質層4を形成した焼結体2を、ポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリエステルスルホン酸、またはそれらの誘導体などをドーパントとして含むポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、またはそれらの誘導体などからなる導電性高分子の分散液に浸漬し、一定の速度で引き上げた後、熱処理を行うことで、第二の固体電解質層5を形成する。
この場合、導電性高分子の分散液中の溶媒を揮発させるために80℃以上で乾燥することが必要である。なお、より高い温度で熱処理するほど第二の固体電解質層の結晶性が高まり抵抗が低くなるが、260℃より高い温度で乾燥すると導電性高分子の分解が発生するため、温度80℃以上260℃以下で熱処理することが望ましい。
また、分散液が安定した粘度や粒径を維持するために、分子量が10,000以上500,000以下のポリスチレンスルホン酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリエステルスルホン酸、またはそれらの誘導体をドーパントとして使用することが望ましい。
その後、第二の固体電解質層5を備えた焼結体2を、グラファイトペーストに浸漬し、グラファイト層6を形成し、さらに、銀ペーストに浸漬し、銀層7を形成し、素子陰極部を形成する。次に、素子陰極部と両面がメッキ処理されたリードフレーム8を導電性接着剤9で接着し、ワイヤー1とリードフレーム8aをレーザー溶接で溶接し、リードフレーム8、リードフレーム8aの一部分を除く素子の露出部を熱可塑性樹脂でモールド成形することで外装樹脂10を形成し、本発明の固体電解コンデンサを得る。
なお、上記実施の形態と同様に、第一の固体電解質層と第二の固体電解質層を形成し、これらの工程を2回以上繰り返し行って、陽極酸化皮膜の表面に第一の固体電解質層と第二の固体電解質層を交互に複数積層させた固体電解コンデンサを得ても良い。
以下に本発明の実施例を詳述する。
前述した実施の形態に係る固体電解コンデンサを以下の方法にて作製し、その電気的特性を測定した。
(実施例1)
まず、約30,000(μFV/g:CV/g)のタンタル粉末に直径0.4mmのタンタルからなるワイヤーを埋め込んだ、縦3.5mm、横3.0mm、高さ1.5mmのプレス体を、温度1,500℃で焼結し、タンタル焼結体を作製した。この焼結体をリン酸水溶液中で30Vの電圧を印加して陽極酸化を行い、陽極酸化皮膜を形成した。
さらに、p−アミノベンゼンスルホン酸とペルオキソ二硫酸アンモニウムをモル比率が2:1の割合で混合させた20mass%の水溶液に、陽極酸化皮膜で被覆された焼結体を浸漬し、次いで、室温で乾燥させた後、3,4−エチレンジオキシチオフェンに浸漬した。さらに、室温で保持して3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合を行い、焼結体の陽極酸化皮膜の表面の約90%に厚さが約1μmのポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンからなる第一の固体電解質層を形成した。
続いて、焼結体をエタノールと水に順に浸漬することで洗浄し、乾燥した後に、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)により測定した、分子量が約100,000のポリスチレンスルホン酸における一部のスルホン基に、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンをドーピングした導電性高分子を、水溶液中で安定的に分散させた分散液に焼結体を浸漬し、一定の速度で引き上げた。その後、150℃で熱処理をすることで、第一の固体電解質層の表面に、厚さが約4μmの第二の固体電解質層を形成させ、陽極酸化皮膜の表面に第一の固体電解質層と第二の固体電解質層を合わせた約5μmの厚みを有した固体電解質層を形成した。
ここで、分散液の中に存在している導電性高分子の荷電状態を表す電位、すなわち、ゼータ電位を電気泳動光散乱測定法(レーザードップラー法)で測定した。測定値は−50mVを示していた。また、電気泳動光散乱測定法により測定した導電性高分子の平均粒子径が300nmであった。
次に、第二の固体電解質層を形成した焼結体を、粒子径が約10nmのカーボンブラックと樹脂と有機溶剤からなるグラファイトペーストに浸漬し、一定の速度で引き上げた後、150℃の熱処理を施すことでグラファイト層を形成し、さらに、粒子径が約10μmの扁平状の銀フィラーと樹脂と有機溶剤からなる銀ペーストに浸漬し、一定の速度で引き上げた後、150℃の熱処理を施すことで銀層を形成し、素子陰極部とした。
次に、素子陰極部と、銅を基体としてその両面をNi、Agの順序でメッキ処理した、厚み30μmの陰極端子となるリードフレームを導電性接着剤で接着した。さらにタンタルからなるワイヤーと陽極端子となるリードフレームをレーザーを用いて溶接した。それぞれのリードフレームの一部分を除く素子露出部を、溶融した熱可塑性樹脂でモールド成形することで外装樹脂を形成させ、固体電解コンデンサを作製した。
(実施例2)
実施例1と同様に、第一の固体電解質層と第二の固体電解質層を形成し、これらの工程を3回ずつ繰り返し、陽極酸化皮膜の表面に第一の固体電解質層と第二の固体電解質層が交互に3層ずつ積層され、第一の固体電解質層と第二の固体電解質層を合わせた厚みが約15μmの固体電解質層を形成した。それ以降の工程は実施例1と同様に行い固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
実施例1と同様に、陽極酸化皮膜を形成し、N−(n−アルキル)ベンジルイミン−m−スルホン酸とペルオキソ二硫酸アンモニウムをモル比率が2:1の割合で混合した20mass%の水溶液に、陽極酸化皮膜を形成した焼結体を浸漬し、次いで室温で乾燥させた。その後、3,4−エチレンジオキシチオフェンに浸漬し、さらに室温状態で保持させ3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合を行い、焼結体に形成した陽極酸化皮膜の表面の約90%に、厚さが約1μmのポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンからなる第一の固体電解質層を形成した。それ以降の工程は実施例1と同様に行い固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
実施例1と同様に、第一の固体電解質層を形成し、第二の固体電解質層を形成しないで、第一の固体電解質層の表面にグラファイト層を形成し、以降の工程は実施例1と同様に行い固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
実施例1と同様に、陽極酸化皮膜を形成し、アミノ基またはイミノ基を含まない有機スルホン酸として、p−トルエンスルホン酸をドーパントとして含む導電性高分子を化学酸化重合で形成し、第一の固体電解質層とした。それ以降の工程は実施例1と同様に行い固体電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
実施例1と同様に、第一の固体電解質層を形成し、平均分子量が7,000のポリスチレンスルホン酸における一部のスルホン基に、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンをドーピングした導電性高分子を含んだ分散液に焼結体を浸漬し、一定の速度で引き上げた。その後、温度150℃で熱処理をすることで、第二の固体電解質層を形成した。以降の工程は実施例1と同様に行い固体電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
実施例1と同様に、第一の固体電解質層を形成し、平均分子量が600,000のポリスチレンスルホン酸における一部のスルホン基に、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンをドーピングした導電性高分子を含んだ分散液に焼結体を浸漬し、一定の速度で引き上げた。その後、温度150℃で熱処理をすることで、第二の固体電解質層とし、以降は実施例1と同様に行い固体電解コンデンサを作製した。
実施例1、2、3及び比較例1、2、3、4の条件で、それぞれ作製した50個の固体電解コンデンサについて電気特性を測定した。測定項目は、ESR、ショート不良率の2項目である。ESRは交流インピーダンスブリッジ法により測定している。ESRは印加した基準信号の周波数が100kHz、電圧が1Vrms、DCバイアスは1.5Vとしている。また、ショート不良率については固体電解コンデンサの定格電圧である6.3Vの信号を印加し、30秒後の値を測定し、LCの基準値を超えたものを不良と判定した。作製した50個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、表1に示す。
Figure 2012114128
表1において、従来技術で作製した比較例1の積層固体電解コンデンサはESRが55mΩであったのに対し、本発明の実施例1、2、3は共に16%以上低くなっており、本発明の効果が確認できた。
また、アミノ基またはイミノ基を含まない、p−トルエンスルホン酸をドーパントとして含む導電性高分子で、第一の固体電解質層を形成した比較例2のショート不良数が16%であった。これに対し、本発明の実施例1、2、3は共にショート不良が発生しておらず、第二の固体電解質層が均一な厚みで形成されているため、LCを抑制する効果が確認できた。
また、分子量が10,000以上500,000以下の範囲外であるポリスチレンスルホン酸をドーパントとして含む第二の固体電解質層を形成した比較例3、4は、本発明の実施例1、2、3と比較してESRやショート不良率が高くなっていた。これは、分子量が低い場合は分散液中の導電性高分子が凝集し、分子量が高い場合は分散液の粘度が高くなり、形成が不均一になるためと考えられる。
以上示したように、上記の手段により、本発明の固体電解コンデンサは、導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサにおいて、緻密な導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、且つ、固体電解コンデンサの陽極酸化皮膜に対し均一な厚みの固体電解質層を形成することにより、ESRやLCが低く、ショート不良数の少ない固体電解コンデンサを実現するこができる。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
1 ワイヤー
2 焼結体
3 陽極酸化皮膜
4 第一の固体電解質層
5 第二の固体電解質層
6 グラファイト層
7 銀層
8、8a リードフレーム
9 導電性接着剤
10 外装樹脂

Claims (4)

  1. 多孔質化された弁作用金属からなる陽極導体と、前記陽極導体の表面に形成された陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜の表面に形成された導電性高分子からなる固体電解質層と、前記固体電解質層の表面に形成されたグラファイト層と、前記グラファイト層の表面に形成された銀層からなる素子陰極部で構成される固体電解コンデンサであって、前記固体電解質層が前記陽極酸化皮膜の表面に形成された第一の固体電解質層と、前記第一の固体電解質層の表面に形成された第二の固体電解質層からなり、前記第一の固体電解質層は、少なくとも1つのスルホン基及び少なくとも1つのアミノ基を有する有機酸、または少なくとも1つのスルホン基及びイミノ基を有する有機酸を、ドーパントとして含む導電性高分子により形成され、前記第二の固体電解質層は、少なくとも1つのスルホン基を有する高分子の有機酸をドーパントとして含む導電性高分子により形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記第一の固体電解質層と前記第二の固体電解質層の少なくとも1組が、交互に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記第二の固体電解質層を形成する前記有機酸の分子量は、10,000以上500,000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記第一の固体電解質層は、化学酸化重合または電解酸化重合にて形成し、前記第二の固体電解質層は、少なくとも1つの前記スルホン基を有する高分子の有機酸をドーパントとして含む前記導電性高分子の分散液に浸漬した後、温度80℃以上260℃以下で熱処理する工程を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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