JP4934788B2 - コンデンサ、コンデンサ素子及びその製造方法 - Google Patents

コンデンサ、コンデンサ素子及びその製造方法 Download PDF

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関連出願との関係
この出願は、米国法典第35巻第111条(b)項の規定に従い、2005年7月12日に提出した米国仮出願第60/698008号の出願日の利益を同第119条(e)項(1)により主張する同第111条(a)項の規定に基づく出願である。
本発明は、コンデンサ、コンデンサ素子及びその製造方法、特に固体電解コンデンサ、固体電解コンデンサ素子及びその製造方法に関する。
近年、電気機器のデジタル化、パーソナルコンピュータの高速化に伴い、小型で大容量のコンデンサ、高周波領域において低インピーダンスのコンデンサが要求されている。最近では、電子伝導性を有する導電性重合体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが提案されている。
固体電解コンデンサは、一般に、図1に示すようにエッチング処理された比表面積の大きな金属箔や薄板からなる陽極基体(1)に誘電体の酸化皮膜層(2)を形成し、この外側に対向する電極として固体の半導体層(以下、固体電解質という。)(3)を形成し、さらに導電ペーストなどの導電体層(4)を形成して作製される。通常はさらにマスキング層(5)を設け、適宜、電極リード部(6,7)を付加し、全体を樹脂(8)で封止してコンデンサ(9)となる。
導電ペースト層の形成は、従来、図2に示すように、上記各層を形成した陽極基体(12)を導電ペースト(11)を含む導電ペースト槽上に位置させ(図2(a))、浸漬し(図2(b))、引き上げ(図2(c))、乾燥させて導電ペースト層(13)を形成することにより行なわれている。
この場合、ペーストの組成、浸漬及び乾燥時の温度や時間、浸漬及び引き上げ速度等を一定にすれば、ある程度均一な素子を得ることができるが、最近ではこれらのコンデンサ素子を積層した積層型固体電解コンデンサの需要が増えているため、個々のコンデンサ素子について更なる性能の向上が求められている。
すなわち、電気特性の均一性、及びコンデンサに交流信号を流した時の各種の損失抵抗とリアクタンスの等価直列抵抗値であるESR値(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)の分散(バラツキ)が少なく安定で、かつその平均値が小さいコンデンサ素子が求められている。
本発明の課題は、コンデンサ素子、特に固体電解コンデンサ用コンデンサ素子の製造方法において、ESRのバラツキ(分散)及び平均値を改善する方法、及びこの方法により得られるESRのバラツキが少なく安定で、かつESRの低減されたコンデンサを提供することにある。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、上記のような従来法では導電ペースト層の厚みが不均一となっていること、特に、表面積の小さな素子端面で導電ペースト層の厚みが著しく薄く、コーナー部でも側面における層厚と比較して厚みが不十分になりやすいこと、また、この現象は、先端の浸漬と全体の浸漬を組み合わせることにより解消されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すコンデンサ及びその製造方法に関する。
1.コンデンサ素子の導電ペーストによる被覆処理が、素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬する工程と被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬する工程を含むことを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
2.素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬し、次いで、被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬する前記1に記載のコンデンサ素子の製造方法。
3.被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬し、次いで、素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬する前記1に記載のコンデンサ素子の製造方法。
4.各浸漬工程間に乾燥工程を有する前記1〜3のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
5.素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬し、導電ペースト槽から引き上げてそのまま乾燥させ、次いで、被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬する前記2に記載のコンデンサ素子の製造方法。
6.導電ペーストが銀ペーストである前記1〜5のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
7.コンデンサが固体電解コンデンサ素子である前記1〜6のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の方法で製造されるコンデンサ素子。
9.前記8に記載のコンデンサ素子を用いたコンデンサ。
本発明によれば、電気的特性、特にESR(等価直列抵抗)が安定して低減されたコンデンサ素子を製造することができる。
以下、本発明の方法をより具体的に説明する。
本発明は、導電ペーストによるコンデンサ素子への被覆を、素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬する工程(本明細書において「先端浸漬」工程ともいう。)と被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬する工程(本明細書において「本浸漬」工程ともいう。)を含む多段階で行なうことを特徴とするコンデンサの製造方法及び関連発明を提供する。
すなわち、本発明の典型的な態様では、図3〜4の(a)〜(e)に示すように、導電ペーストで被覆しようとする素子材料(12)を導電ペースト浴槽(11)上に位置させ(図2(a))、素子先端のみを導電ペースト浴槽に浸漬し(同図(b))、引き上げてその先端のみに導電ペースト層(13)を形成し(同図(c))、次いで、被覆しようとするコンデンサ素子の領域全体を導電ペースト槽に浸漬し(図4(d))、引き上げる(図4(e))ことにより所望の領域全体にわたって均一な導電ペースト層(13)の形成を行なう。
また、本発明は上記態様に限定されず、先端浸漬工程と本浸漬工程を含む多段階プロセスであればよい。従って、図3〜4の例に示した順序とは反対に、被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬し、引き上げ、次いで、素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬し、引き上げてもよい。
また、本発明の方法は、これらの浸漬、引き上げ工程のほかに任意の工程を含んでもよく、例えば、図3〜4または上記の変形例として、第1の浸漬〜第2の浸漬の間及び/または第2の浸漬の後に乾燥工程を設けてもよい。また、必要であれば、これら以外の工程を含んでもよい。
[先端浸漬の条件]
先端浸漬の具体的条件は、素子材料の種類や形状、寸法、表面状態、ペーストの組成や温度等にもよるが、一般的に、素子の先端が液面に触れるかわずかに漬かる程度でよい。例えば、先端が直線状である矩形の素子(例えば、後述するような厚みが数十〜数百μmの短冊状素子)を用いる場合は、好ましくは液面から0.05mm〜1.5mmの深さ、より好ましくは0.5mm〜1.0mmの深さに浸漬すればよい。
すなわち、導電性ペーストによる先端被覆は、素子の一方の先端から好ましくは0.05mm〜1.5mmの長さ、より好ましくは0.5mm〜1.0mmの長さの部分に対して行われる。
浸漬時間は、先端へのペーストの付着が十分になされる限りにおいて特に限定されず、通常は1秒以上であり、好ましくは5秒以上、より好ましくは10秒以上である。浸漬時間の上限は、プロセス全体に許容される作業時間にもよるが、通常は1分以内であり、好ましくは30秒以内、より好ましくは20秒以内である。
[本浸漬の条件]
本浸漬の具体的条件は、素子材料の種類や形状、寸法、表面状態、ペーストの組成や温度等にもよるが、浸漬深さは被覆しようとする領域全体が液面に漬かる程度でよい。
被覆しようとする領域が、半導体層やカーボンペーストなどの導電体層である場合は、それら下地となる層を越えない程度にできるだけ下地となる層の全体が被覆されるように浸漬するのが好ましい。
浸漬時間は、所定領域へのペーストの付着が十分になされる限りにおいて特に限定されず、通常は5秒以上であり、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上である。浸漬時間の上限は、被覆面積及びプロセス全体に許容される作業時間にもよるが、通常は3分以内であり、好ましくは2分以内、より好ましくは40秒以内である。
[乾燥条件]
第1の浸漬と第2の浸漬との間に乾燥工程を設ける場合の乾燥条件は、第1の浸漬として本浸漬と先端浸漬のいずれの浸漬を行なうかに依存する。
第1の浸漬として本浸漬を行なう場合、乾燥工程の温度は特に限定されないが、典型的には30〜60℃程度の範囲であり、好ましくは35〜45℃の範囲である。乾燥時間は被覆面積に依存するが、典型的には30秒〜3時間の範囲内であり、好ましくは1分〜1時間の範囲内である。
また、第1の浸漬として先端浸漬を行なう場合、引き続いて行なう乾燥工程の温度は、典型的には30〜60℃程度の範囲であり、好ましくは35〜45℃の範囲である。先端浸漬後の乾燥時間は、通常は10秒以上であり、好ましくは15秒以上であり、より好ましくは30秒以上である。乾燥時間の上限は、被覆面積及びプロセス全体に許容される作業時間にもよるが、通常は1時間以内であり、好ましくは10分以内であり、より好ましくは3分以内である。
先端浸漬後の乾燥時間が不十分であると本発明の効果が十分に発揮されない。また、逆に乾燥に要する時間が長すぎると、先端の導体が膨らむなど、先端の導体形状が悪くなり、後工程(素子の積層工程及び積層した素子の封止工程)で装置トラブルを起こしたり外観不良を引き起こす可能性がある。
また、いずれの方法においても、第2浸漬後に最終的な乾燥工程を設けることが好ましい。最終乾燥は、例えば、風乾と60℃以上、好ましくは80℃以上の熱風乾燥工程を組み合わせて行なうことができる。
上述のように、先端浸漬と本浸漬はいずれを先行して行なってもよいが、本浸漬を先行して行なった場合、濡れたペーストによる被覆面積が大きいため、乾燥工程に比較的長い時間を要し、処理が停滞してしまう。
一方、先端浸漬を先行して行なった場合は、濡れたペーストによる被覆面積がわずかであるため乾燥工程は比較的短時間で済み、また、本浸漬後の乾燥工程は最終乾燥工程と一体化させ得るため、本浸漬を先行して行なう場合と比較して導電ペースト被覆作業全体に要する時間(タクトタイム)が大幅に短縮される。
このため、先端浸漬を先行して行なうこと、特に、先端浸漬後、導電ペースト槽から引き上げたままその場で乾燥を行ない、再び浸漬させて本浸漬を行なうことが好ましい。
なお、図3〜4では素子材料(陽極基体)を単独で示しているが、これらの素子材料を適当な支持部材(「テンポラリーバー」と称する。)に複数個取り付け、テンポラリーバーごとペースト槽上に移動し、これを槽上で上下させることにより浸漬及び引き上げを行なってもよい。
また、本発明で用いる導電ペーストは特に限定されず、特に図2(c)に模式的に示すようなペースト層の持ち上がり現象(液から引き上げた後に表面積の狭い端面から表面積の広い側面にペーストが持ち上がる現象)が発生するものであれば好ましく適用可能である。一般的には、導電粉とバインダーを含む組成物が用いられ、中でも銀粉を含む銀ペーストが好ましく用いられる。
本発明のコンデンサ素子の製造方法は、導電ペーストによる被覆を伴う任意のコンデンサ素子に適用できるが、中でも特に固体電解コンデンサ素子に好適に適用できる。
以下、本発明が適用され得る例として、固体電解コンデンサを例に挙げて詳細に説明する。
(弁作用金属)
本発明において、固体電解コンデンサの陽極基体として用いられる弁作用金属としては、例えばアルミニウム、タンタル、チタン、ニオブ、ジルコニウムおよびこれらを基質とする合金等を挙げることができ、陽極基体の形状としては、平板状の箔や板や棒状等が好ましい。
これらの中でもアルミニウム化成箔が経済性に優れているため実用上多く用いられており、特に矩形のアルミニウム化成箔が好ましく用いられる。
(誘電体皮膜層)
陽極基体の表面に設ける誘電体皮膜層は、弁作用金属の表面部分に設けられた弁作用金属自体の酸化物層であってもよく、弁作用金属箔の表面上に設けられた他の誘電体層であってもよいが、弁作用金属自体の酸化物からなる層であることが特に望ましい。
表面に誘電体皮膜層が形成された平板状の陽極基体の端部の一区画を陽極部とし、残部を陰極部とする。陽極部と陰極部の区分には必要に応じて絶縁樹脂帯(マスキング)を用いても良い。
(固体電解質)
次に、陰極部の誘電体皮膜層上に固体電解質を形成させるが、固体電解質層の種類に特に制限は無く、従来公知の固体電解質が使用できる。中でも、固体電解質として高導電率の導電性高分子を用いて作製する固体電解コンデンサは、従来の電解液を用いた湿式電解コンデンサや二酸化マンガンを用いた固体電解コンデンサに比べて、等価直列抵抗成分が低く、大容量で、かつ小形化が可能で、高周波性能が良好なために好ましい。
本発明の固体電解コンデンサ素子に用いられる固体電解質を形成する導電性重合体は特に限定されないが、好ましくはπ電子共役系構造を有する導電性重合体、例えばチオフェン骨格を有する化合物、多環状スルフィド骨格を有する化合物、ピロール骨格を有する化合物、フラン骨格を有する化合物等で示される構造を繰り返し単位として含む導電性重合体が用いられる。
重合の手法は、電解重合または化学酸化重合、あるいはその両者を組合せてもよい。また、誘電体皮膜上に導電性重合体でない固体電解質層をまず形成し、次いで上記の重合方法で導電性重合体層を形成する方法でもよい。
導電性重合体を形成する例としては、3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマー及び酸化剤を、好ましくは溶液の形態において、別々に前後してまたは一緒に誘電体皮膜上に塗布して形成する方法(特開平2-15611号公報や特開平10-32145号公報)等を利用することができる。
このようにして得られる固体電解コンデンサ素子は、通常、リード端子を接続して、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂ディッピング等による外装を施すことにより、各種用途のコンデンサ製品とする。また、積層して封止することも可能である。
以下に、本発明の代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものでない。
なお、以下の例において等価直列抵抗(ESR)は、ヒューレットパッカード社製LCRメータ4284Aを使用し100kHzにて測定した。
(実施例1)
短軸方向3mm×長軸方向10mm、厚さ約100μmのアルミニウム化成箔(日本蓄電器工業株式会社製、箔種110LJB22B,以下、化成箔と称する。)上にマスキング材(耐熱性樹脂)により幅1mmのマスキングを周状に形成し、陰極部と陽極部を分け、この化成箔の先端側区画部分である陰極部を、電解液としてアジピン酸アンモニウム水溶液を使用して化成し、水洗した。
次いで、陰極部を、3,4−エチレンジオキシチオフェンのイソプロピルアルコール溶液1mol/lに浸漬後、2分間放置し、次いで、酸化剤(過硫酸アンモニウム:1.5mol/l)とドーパント(ナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム:0.15mol/l)の混合水溶液に浸漬し、45℃、5分間放置することにより酸化重合を行った。この含浸工程及び重合工程を全体で12回繰り返し、ドーパントを含む固体電解質層を化成箔の微細孔内に形成した。このドーパントを含む固体電解質層を形成した化成箔を50℃温水中で水洗し、固体電解質層を形成した。固体電解質層の形成後、水洗し、100℃で30分乾燥を行った。その上にカーボンペーストを被覆して素子材料を形成した。
一方、銀粉(平均粒径5.5μm)85質量%とバイトンゴム(フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体からなるフッ素系ゴム)粉末15質量%を混合し導電ペーストの固形分とした。これに、溶媒として酢酸イソアミルを加え、混練して固形分60質量%の粘稠な銀ペーストを調製した。
陰極側が下になるように前記の素子材料を支持部材に取り付け、、上記の銀ペーストを含む銀ペースト槽に向けて支持部材を下降させ、素子材料の陰極側先端0.5mmを銀ペースト中に10秒間浸漬させた。次いで、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ、40℃の雰囲気中に約90秒間維持して乾燥させた。引き続いて、支持部材を下降させて素子材料の陰極側3.3mmを銀ペースト中に30秒間浸漬させた。その後、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ、40℃の雰囲気中で乾燥させた後、85℃で熱風乾燥した。これらの全工程の所要時間は42分であった。
(実施例2)
実施例1と同様にして陰極側が下になるように前記素子材料を支持部材に取り付け、上記の銀ペーストを含む銀ペースト槽に向けて支持部材を下降させて素子材料の陰極側先端3.3mmを銀ペースト中に30秒間浸漬させた。次いで、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ、40℃の雰囲気中に約120秒間維持して乾燥させた。引き続き、支持部材を下降させて素子材料の陰極側先端0.5mmを銀ペースト中に10秒間浸漬させた。その後、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ、40℃の雰囲気中で乾燥させた後、85℃で熱風乾燥した。これらの全工程の所要時間は45分であった。
(比較例)
実施例1と同様に陰極側が下になるように前記の素子材料を支持部材に取り付け、上記の銀ペーストを含む銀ペースト槽に向けて支持部材を下降させて素子材料の陰極側先端3.3mmを銀ペースト中に50秒間浸漬させた。次いで、支持部材を上昇させて素子材料を液から引き上げ、40℃の雰囲気中で乾燥させた後、85℃で熱風乾燥した。これらの全工程の所要時間は42分であった。
(試験例)
このようにして製造したコンデンサ素子を支持部材から切り離し、顕微鏡で観察したところ、実施例1及び2の素子では、端面を含め均一に約80μmの銀ペースト層が形成されていたのに対し、比較例の素子では、素子全体の銀ペースト層の厚さは同等であったが、素子先端部の被覆は極めて薄い状態であった。
また、実施例1で作成したコンデンサ素子4枚をリードフレーム上に積層して定格容量220μF、定格電圧2Vの固体電解コンデンサ各50個を得た。比較例で得られたコンデンサ素子についても同様に4枚をリードフレーム上に積層して定格容量220μF、定格電圧2Vの固体電解コンデンサ各50個を得た。こうして得られた各50個の固体電解コンデンサを250℃のリフロー炉を用いて基板上にハンダ付けを行い、等価直列抵抗を測定した。結果を表1に示す。
また、コンデンサ素子6枚をリードフレーム上に積層して定格容量330μF、定格電圧2Vとしたほかは上記と同様にして固体電解コンデンサ各50個を得た。これらについても同様に250℃のリフロー炉を用いて基板上にハンダ付けを行い、等価直列抵抗を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004934788
Figure 0004934788
以上の例に示されるように、本発明の製造方法によれば、電気的特性、特にESRのバラツキの少ないコンデンサが得られ、また、その平均値も従来品に比較して顕著に改善されている。
本発明の方法は、電気的特性、特にESR(等価直列抵抗)が安定して低減されたコンデンサ素子を製造することができるため、低ESRや高い信頼性が求められる分野及び積層コンデンサの製造等において特に有用である。
固体電解コンデンサ素子の一般的構造を示す断面図。 従来のペースト被覆方法を説明する模式図であり、(a)はペースト槽への浸漬前(左側は正面図、右側はその正中線における断面図)、(b)は浸漬時、(c)は引き上げ後(左側は正面図、右側はその正中線における断面図)を示す。 本発明のペースト被覆方法を説明する模式図であり、(a)はペースト槽への浸漬前(左側は正面図、右側はその正中線における断面図)、(b)は先端浸漬時、(c)は先端浸漬からの引き上げ後(左側は正面図、右側はその正中線における断面図)を示す。 図3に続いて本発明のペースト被覆方法を説明する模式図であり、(d)は本浸漬時、(e)は本浸漬からの引き上げ後(左側は正面図、右側はその正中線における断面図)を示す。
符号の説明
1 陽極基体
2 酸化皮膜層
3 固体電解質層
4 導電体層
5 マスキング層
6 陰極リード部
7 陽極リード部
8 封止樹脂
9 固体電解コンデンサ
11 導電ペースト
12 コンデンサ素子材料
13 導電ペースト層

Claims (9)

  1. コンデンサ素子の導電ペーストによる被覆処理が、素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬する工程と、被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬する工程を含み、それらの浸漬工程で用いる導電ペースト槽が同一であることを特徴とするコンデンサ素子の製造方法。
  2. 素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬する工程が、導電ペースト槽の液面から0.05mm〜1.5mmの深さに素子を浸漬する工程である請求項1に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  3. 素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬し、次いで、被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬する請求項1または2に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  4. 被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬し、次いで、素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬する請求項1または2に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  5. 各浸漬工程間に乾燥工程を有する請求項1〜のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
  6. 素子先端のみを導電ペースト槽に浸漬し、導電ペースト槽から引き上げてそのまま乾燥させ、次いで、被覆しようとする領域全体を導電ペースト槽に浸漬する請求項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  7. 導電ペーストが銀ペーストである請求項1〜のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
  8. コンデンサが固体電解コンデンサ素子である請求項1〜7のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
  9. 被覆前のコンデンサ素子の平面部に対してほぼ平行となるように導電ペーストの被覆面が形成される請求項1〜8のいずれかに記載のコンデンサ素子の製造方法。
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