JP4983869B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4983869B2
JP4983869B2 JP2009165451A JP2009165451A JP4983869B2 JP 4983869 B2 JP4983869 B2 JP 4983869B2 JP 2009165451 A JP2009165451 A JP 2009165451A JP 2009165451 A JP2009165451 A JP 2009165451A JP 4983869 B2 JP4983869 B2 JP 4983869B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
silver
solid electrolytic
electrolytic capacitor
capacitor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009165451A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009278122A (ja
Inventor
徹 石野
和芳 遠藤
嘉宏 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemi Con Corp
Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemi Con Corp filed Critical Nippon Chemi Con Corp
Priority to JP2009165451A priority Critical patent/JP4983869B2/ja
Publication of JP2009278122A publication Critical patent/JP2009278122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4983869B2 publication Critical patent/JP4983869B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

この発明は固体電解コンデンサの製造方法に関するもので、特に固体電解質に導電性高分子を用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
従来より、低ESR化を目的として導電性高分子を固体電解質として用いる固体電解コンデンサが知られている。一般に、これら導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリピロール又はポリアニリン等があり、中でもポリチオフェンは、ポリピロール又はポリアニリンと比較して、導電率が高く熱安定性が特に優れていることから近年注目されており、ポリチオフェンを固体電解質として用いた固体電解コンデンサとして特許文献1等に開示されているものがある。
ところで、近年、電子情報機器はデジタル化され、さらに駆動周波数の高速化に伴い駆動電圧の低減化かつ駆動電流の増大化が進んできている。特に、パーソナルコンピューターの心臓部であるマイクロプロセッサの高速化は著しく、駆動電圧は低減の一途をたどっている。このような、マイクロプロセッサに高精度な電力を供給する回路として、電圧制御モジュール(VRM)と呼ばれるDC−DCコンバータが広く使用されている。
ところで、マイクロプロセッサの低電圧化に伴い、マイクロプロセッサの動作を保証する電圧範囲は狭くなってきている。マイクロプロセッサの要求電流は、マイクロプロセッサに課せられる状況により非常に高速で変化するため、DC−DCコンバーターだけでは変化に対応できず、出力側に負荷コンデンサを接続してマイクロプロセッサの負荷変動に対応している。
このような負荷コンデンサに求められる機能は、損失を小さくするため等価直列抵抗(ESR)が小さいことである。そのため、このような負荷コンデンサに用いられる固体電解コンデンサにおいても、さらなる低ESR化が求められることになる。
固体電解コンデンサのESRを低減するための方法の一つとしては、固体電解質層上に形成する陰極層の改良がある。すなわち、陰極層には、固体電解質上にカーボン層を形成して、その上に銀ペースト層を形成して陰極層とするものや、固体電解質層上に直接銀ペースト層を形成するものがあるが、いずれにしても固体電解コンデンサには銀ペースト層は不可欠である。これは、コンデンサ素子が多孔質体であるため、固体電解コンデンサの静電容量を増大させるためには、コンデンサ素子表面の誘電体酸化皮膜を銀ペーストによって接触面積を増大させる必要があるという理由による。
そこで、この陰極層の導電性を向上させることにより、固体電解コンデンサのESRの低減を図る試みがなされている。
一般的に、固体電解コンデンサの陰極層に用いられる銀ペーストとしては、導電材である銀粒子を樹脂などに分散させたもので、高温焼成型とポリマー型に大きく分類される。高温焼成型は500〜900℃程度に加熱することにより銀粒子同士が融着して連続的な導電膜を形成されて、導電性が得られる。一方、ポリマー型は、塗膜性向上と銀粒子の分散性向上と基材との密着性の向上を目的として、樹脂が含まれており、室温から200℃程度の温度で加熱することにより樹脂を硬化させることにより、それと同時に金属粒子同士が接触して導電膜が形成されて、導電性が現れるようになるものである。
このような銀ペーストに関しては、従来より、固体電解コンデンサの低ESR化を目的として、陰極層に改良を加えたものが知られている。例えば、特許文献2では、粒径10〜500Åの金属微粒子に若干の有機化合物が含有された膜厚0.01〜5μmの導電膜層を、電解質層の上に形成する技術が開示されている。
特開平2−15611号公報 特開平11−135377号公報
特許文献2に開示の技術では、導電膜層を形成するのに150〜300℃での熱処理が必要とされており、熱処理温度は低く設定できるものの高温焼結型の銀ペーストに分類される。そして、導電膜層には若干の有機化合物以外は金属であるため熱をかけてもESRが劣化するおそれがないため、耐熱性に優れたものにできると開示されている。
しかし、特許文献2で開示された技術は、例えば耐熱性の高い二酸化マンガンを固体電解質として用いた固体電解コンデンサに用いた場合には有効であると考えられるが、導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサでは、熱処理によって導電性高分子そのものが劣化し、導電性高分子の導電性が低下してしまう場合があるため、この特許文献2で開示された技術をそのまま用いるのは困難であった。
そこで、導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサでは、熱処理温度が低いポリマー型の銀ペーストを用いて陰極層を形成することも考えられるが、ポリマー型の銀ペーストは銀粒子を接触させているだけであるので、銀粒子同士を融着させる高温焼成型の銀ペーストに比べ、導電率が悪いという欠点があり、固体電解コンデンサの低ESR化の要求に十分に応えられるものではなかった。
この発明では、導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサに使用できるように、熱処理温度が低く、しかも導電率が良好な銀ペーストを用い、ESRを低減することができる固体電解コンデンサ、およびそのような固体電解コンデンサの製造方法について検討してなされたものである。
この発明の固体電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜を形成したコンデンサ素子に、導電性高分子からなる固体電解質層と、150〜160℃の温度範囲で第一の熱処理をし、170℃〜190℃の温度範囲で第二の熱処理をした酸化銀ナノ粒子と有機銀化合物の混合ペーストとからなる陰極層を形成したことを特徴とする固体電解コンデンサである。
また、この発明は、誘電体酸化皮膜を形成したコンデンサ素子に、導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、酸化銀ナノ粒子と有機銀化合物の混合ペーストを塗布し、さらに150〜160℃の温度範囲での第一の熱処理、および、170℃〜190℃の温度範囲での第二の熱処理を行ったことにより陰極層を形成したことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法である。
本発明の混合ペーストに含まれる酸化銀ナノ粒子は150℃以上に加熱すると、酸化銀から銀に還元する。この際、還元されたナノサイズの銀粒子は互いに融着を起こし、多孔質状で立体的に融着した構造の銀塗膜になる。また、有機銀化合物は、150〜200℃の温度範囲で分解し、有機物成分と銀となる。そして分解された有機物成分は熱せられることにより揮散し、銀成分のみが残留することになる。この残留した銀成分は非常に活性な銀微粒子となる。これらの酸化銀ナノ粒子と有機銀化合物を混合したものは、酸化銀の還元によって得られた銀粒子が融着するが、前述したように多孔質状となっており、隙間が存在する。そこでこの隙間を、有機銀化合物から分解した銀が埋め、緻密な銀塗料膜が形成される。このように、銀同士が融着し、さらに隙間を充填する構造となるために、導電経路が十分に形成され、陰極層の導電率が向上する。
また、熱処理は150〜200℃の比較的低温の領域で行われるため、導電性高分子を固体電解質に用いた場合でも、導電性高分子の劣化を引き起こすことはない。
前記熱処理を、150〜160℃の温度範囲で第一の熱処理を行った後に、170〜190℃の温度範囲で第二の熱処理を行うと好適である。
170〜190℃の温度で熱処理をした場合には、急激な焼結とガス揮散が陰極層の内部で進行し、陰極層の表面の凹凸が大きくなり、リードフレームとの接触抵抗の増加を引き起こすという不都合や、場合によっては、陰極層にマイクロクラックを発生させ、陰極層の導電経路を断絶してしまい、陰極層そのものの導電性を悪化させる不都合が有り、結果として固体電解コンデンサのESRを増加させてしまうことがある。その一方で、150〜160℃による熱処理を行った場合には、有機物成分が揮散しないで若干残っているものがあるため、銀ペースト層の表面に黒い斑点として、残留してしまう。そして、残留した有機物成分は、陰極層の接続されるリードフレームとの接触抵抗を増加し、結果として固体電解コンデンサのESRの上昇を招く。
そこで、150〜160℃の温度範囲で第一の熱処理を行って、陰極層の表面に凹凸やマイクロクラックが形成しないように焼結する。さらに、陰極層の表面に残留した有機物成分は、170〜190℃の熱処理によって揮散させることによって、陰極層の外見形状が良好で、しかも内部にマイクロクラックを有さず、さらに、リードフレームとの密着性も良好な陰極層を得ることができる。
以上の様に、この発明では、導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサでも、導電性高分子の導電性を損なうことなく、導電性の高い陰極層を形成することができ、固体電解コンデンサの低ESR化を達成することができる。
固体電解コンデンサの内部構造を示す断面図で、陰極層としてカーボン層を形成せず、銀ペースト層のみで構成した構造の固体電解コンデンサを示す。 固体電解コンデンサの内部構造を示す断面図で、陰極層としてカーボン層と銀ペースト層から構成した構造の固体電解コンデンサを示す。
次にこの発明の実施に形態について図1とともに説明する。
コンデンサ素子1はタンタル微粉末を直方体形状に成型し、焼結して形成されたものである。このコンデンサ素子1にはタンタルよりなる陽極導出線が植設され、外部に導出されている。このコンデンサ素子1のタンタルの表面には、リン酸水溶液に浸漬して陽極酸化することにより誘電体酸化皮膜が形成される。
このようなコンデンサ素子1を形成するには、タンタルの他、アルミニウム、ニオブ、チタン等の弁作用金属の粉末を用いることができる。
このコンデンサ素子1に導電性高分子層2を形成するために、まずコンデンサ素子1を重合性モノマー溶液に浸漬する。
このような重合性モノマー溶液の重合性モノマーとしては、チオフェン又はその誘導体であると好適である。チオフェンの誘導体としては次に掲げる構造のものを例示できる。このようなチオフェン又はその誘導体は、ポリピロール又はポリアニリンと比較して、導電率が高いとともに熱安定性が特に優れているため、低ESRで耐熱特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができる。

XはOまたはS
XがOのとき、Aはアルキレン、又はポリオキシアルキレン
Xの少なくとも一方がSのとき、Aはアルキレン、ポリオキシアルキレン、置換アルキレン、置換ポリオキシアルキレン:ここで、置換基はアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基
チオフェンの誘導体の中でも、3、4−エチレンジオキシチオフェンを用いると好適である。3、4−エチレンジオキシチオフェンは、酸化剤と接触することで、緩やかな重合反応によってポリ−(3、4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)を生成するため、3、4−エチレンジオキシチオフェンのモノマー溶液を微細な構造を有するコンデンサ素子の内部にまで浸透した状態で重合させることができる。この結果、コンデンサ素子の内部にまで導電性高分子層を形成することができるようになり、固体電解コンデンサの静電容量の増大を図ることができる。
重合性モノマー溶液は、上記のような重合性モノマーを所定の溶媒で希釈したものである。希釈することによって重合性モノマー溶液の粘性が低くなり、コンデンサ素子の内部にまで重合性モノマーが浸透しやすくなる。溶媒としては各種有機溶媒を用いることができるが、重合性モノマーとして、3、4−エチレンジオキシチオフェンを用いた場合は、イソプロピルアルコールが適当である。
コンデンサ素子を重合性モノマー溶液に所定時間浸漬した後、コンデンサ素子を重合性モノマー溶液より引き上げ、大気中で放置する。この大気中への放置によって重合性モノマー溶液のイソプロピルアルコールが揮発し、3、4−エチレンジオキシチオフェンがコンデンサ素子に付着した状態となる。
さらに、コンデンサ素子を酸化剤溶液に浸漬する。酸化剤溶液は純水等の所定溶媒に、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩やスルホン酸塩を溶解した溶液を用いることができる。この酸化剤溶液への浸漬によって、重合性モノマーの重合が進行し、高分子化する。
以上のような工程によって、コンデンサ素子の内部にまで、導電性高分子を形成する。そして、導電性高分子の重合を終えたコンデンサ素子を純水による流水で洗浄する。その後コンデンサ素子を乾燥し、1回の重合を終える。
以上のような、重合性モノマー溶液への浸漬から乾燥までの工程を複数回繰り返し、所望の厚さの導電性高分子層を得て、固体電解質層とする。
なお、コンデンサ素子は多孔質体であるため、固体電解質層を形成した後でも、コンデンサ素子の内部は完全には充填されない場合があり、隙間を有する構造となっている。また、化学重合により形成した導電性高分子層は、化学重合が進行する方向を制御することが困難であるため、導電性高分子層はその表面に微細な凹凸を有する構造となる。
さらに、純水洗浄、乾燥まで行った後、固体電解質層2の上に銀ペーストを塗布する。この銀ペーストは、酸化銀ナノ粒子を4.0、有機銀化合物であるネオデカン酸銀を3.0の比率で添加し、所定の有機溶媒に混合した混合ペーストである。
なお、銀ペーストに用いられる有機銀化合物としてはネオデカン酸銀の他、ピバリン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸等の三級脂肪酸の銀塩を用いることができる。
この銀ペーストの酸化銀はナノオーダーの微細な粒子であるため、前述したコンデンサ素子の隙間は表面の凹凸に入り込み、固体電解質層との接触面積を十分に確保することができる。
そして、銀ペースト層をまず150〜160℃の温度範囲で30分間焼結し、銀ペースト層を硬化させる。そして170〜190℃の温度範囲で30分間熱処理することにより、銀ペースト層表面の残留有機物成分を揮散させる。
この熱処理により、銀粒子同士が融着した構造となり、銀ペースト層内部で導電経路が確保され、銀ペースト層3全体の導電率が向上することになる。また、上記の温度範囲では銀ペースト層3にマイクロクラックが発生することもない。従って、マイクロクラックによって、導電経路が遮断されることがなく、この点からも銀ペースト層3の抵抗率を低減させることができる。
以上のように、銀ペースト層3を形成した後、この銀ペースト層3の上に導電性接着材により陰極リード線5を接合するとともに、前記陽極体から引出した陽極線に陽極リード線4を溶接等の手段により接合する。さらに、トランスファーモールドにより樹脂外装7を行い、前記陰極リード線及び陽極リード線を所定の位置に折曲げてチップ状の固体電解コンデンサを完成した。
なお、以上の実施の形態では、導電性高分子層からなる固体電解質層に、直接銀ペースト層を塗布して陰極層とする例を示したが、図2に示すように、固体電解質層の上にカーボン層を形成し、さらにその上に銀ペースト層を形成して、陰極層としてもよい。
カーボン層は、カーボン粉末と樹脂バインダーとを混合したカーボンペーストを塗布し、乾燥することにより形成することができる。カーボン層を形成した場合には、カーボン層の樹脂バインダーが、固体電解質層とカーボン層、およびカーボン層と銀ペースト層との密着強度を向上させるように作用し、固体電解質層、カーボン層、銀ペースト層が強固に密着する。その結果、固体電解コンデンサを熱的負荷が加わったり、長時間使用した場合でも、それぞれの層の界面での接触抵抗が増加することがなく、全体として固体電解コンデンサの使用時におけるESR特性の悪化を低減することができる。
(実施例1)
次にこの発明のより具体的な実施例に基づいて説明する。
コンデンサ素子として、大きさが1.0×3.5×4.9mm3のタンタル焼結体を用い、陽極線としてタンタル線を用いた焼結体を、90℃に加熱した0.4%リン酸水溶液中で、15Vの直流電圧を240分間印加して陽極酸化を行い、終了後に脱イオン水の流水により洗浄、その後に乾燥を行いコンデンサ素子とした。
次に、このコンデンサ素子をイソプロピルアルコール50gと3、4−エチレンジオキシチオフェン50gとを混ぜ合わせてなるモノマー溶液に7分間浸漬し、次に遷移金属イオンを含む酸化剤としてp−トルエンスルホン酸第二鉄40gを60gのブタノールに溶解させて得た酸化剤溶液に15分間浸漬し、化学酸化重合を行い、コンデンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性高分子層を形成した。そして、コンデンサ素子に付着した余分なモノマーや酸化剤を除去するために、ブタノールによる洗浄を5分間行った後、105℃で5分間乾燥した。次いで、前記コンデンサ素子を60℃に加熱した0.4%のリン酸水溶液中で、13Vの直流電圧をで30分間印加して、皮膜の欠陥部を修復する再化成を行い、その後に脱イオン水の流水により洗浄して乾燥を行った。その後前記高分子層が所望の厚さになるまで、モノマー溶液への浸漬−乾燥までの重合回数を4回繰り返した。
次に、コンデンサ素子の導電性高分子層の上に、銀ペーストを塗布した。この銀ペーストとしては、藤倉化成社製ドータイト(商品名)XA−9501を原液のまま用いた。
コンデンサ素子に銀ペーストを塗布した後、150℃で30分間熱処理を行い、さらに180℃で30分熱処理を行って銀ペースト層の硬化を行った。
さらに、陽極線を陽極リードフレームに溶接するとともに、銀ペースト層に陰極リードフレームを導電性接着材によって接合する。そしてコンデンサ素子を全体を樹脂でモールドし、リードフレームを所定位置で切断して、陽極外部端子、陰極外部端子とし、さらに外部端子を樹脂外装に沿って折り曲げて、チップ型の固体電解コンデンサとした。
(実施例2)
実施例1と同様にしてコンデンサ素子に導電性高分子からなる固体電解質層まで形成し、さらに固体電解質層の上にカーボン層を形成した。
次に、コンデンサ素子のカーボン層の上に、銀ペーストを塗布した。この銀ペーストとしては、藤倉化成社製ドータイト(商品名)XA−9501を原液のまま用いた。
コンデンサ素子に銀ペーストを塗布した後、150℃で30分間熱処理を行い、さらに180℃で30分熱処理を行って銀ペースト層の硬化を行った。
さらに、陽極線を陽極リードフレームに溶接するとともに、銀ペースト層に陰極リードフレームを導電性接着材によって接合する。そしてコンデンサ素子を全体を樹脂でモールドし、リードフレームを所定位置で切断して、陽極外部端子、陰極外部端子とし、さらに外部端子を樹脂外装に沿って折り曲げて、チップ型の固体電解コンデンサとした。
(従来例)
従来例として、実施例2と同様にして、導電性高分子層の形成を行い、さらにコンデンサ素子にカーボン層を形成した後、さらにカーボン層の上に平均粒径5μmの銀粉をバインダーと混合した銀ペーストを塗布し、さらに200℃にて熱処理して硬化することにより陰極層を形成し、その後の工程を実施例と同様に形成したチップ型固体電解コンデンサを用意した。
(試験結果)
以上のようにして作製した固体電解コンデンサの初期の電気的測定および半田リフロー条件(250℃、5秒間)にて熱的ストレスを印加した後の電気的特性の測定を行った。その結果を次の表に示す。
この表1に示した結果から判るように、本発明の製造方法により製造した実施例1、実施例2の固体電解コンデンサは、従来例の固体電解コンデンサよりもESRが低くなっていることが判る。また、固体電解質層の上にカーボン層を形成した実施例2に比べ、カーボン層を形成せずに固体電解質層の上に直接銀ペースト層を形成した実施例1の方が、固体電解コンデンサのESRが低減していることが判る。しかしながら、実施例2はESRの値がリフロー前後で大きな違いはないが、実施例1はリフロー後のESRの上昇が実施例2に比べると大きい。従って、熱安定性の観点では実施例2が優れていると評価できる。
本発明の固体電解コンデンサは、導電性高分子を固体電解質に用いた固体電解コンデンサでも、導電性高分子の導電性を損なうことなく、導電性の高い陰極層を形成することができるものであり、低ESR化を達成した固体電解コンデンサとして有用である。
1 コンデンサ素子
2 導電性高分子層
3 カーボン層
4 銀ペースト層
5 陽極リード線
6 陰極リード線
7 外装樹脂

Claims (2)

  1. 誘電体酸化皮膜を形成したコンデンサ素子に、導電性高分子からなる固体電解質層と、
    酸化銀ナノ粒子と有機銀化合物との混合ペーストを150〜160℃の温度範囲で第一の熱処理をした後、170℃〜190℃の温度範囲で第二の熱処理をした陰極層と、を形成したことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 誘電体酸化皮膜を形成したコンデンサ素子に、導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、酸化銀ナノ粒子と有機銀化合物の混合ペーストを塗布し、さらに150〜160℃の温度範囲での第一の熱処理により酸化銀を銀に還元した後、170℃〜190℃の温度
    範囲での第二の熱処理により有機銀化合物を揮散させて陰極層を形成したことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
JP2009165451A 2009-07-14 2009-07-14 固体電解コンデンサ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4983869B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009165451A JP4983869B2 (ja) 2009-07-14 2009-07-14 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009165451A JP4983869B2 (ja) 2009-07-14 2009-07-14 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003342504A Division JP2005109247A (ja) 2003-09-30 2003-09-30 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009278122A JP2009278122A (ja) 2009-11-26
JP4983869B2 true JP4983869B2 (ja) 2012-07-25

Family

ID=41443194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009165451A Expired - Fee Related JP4983869B2 (ja) 2009-07-14 2009-07-14 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4983869B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003017369A (ja) * 2001-06-29 2003-01-17 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサの製造方法
JP2003092232A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサの製造方法
JP4301763B2 (ja) * 2001-10-31 2009-07-22 藤倉化成株式会社 銀化合物ペースト

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009278122A (ja) 2009-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI478189B (zh) 固體電解電容器及其製造方法
JP4845645B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2009505412A (ja) ポリマーベースの固体コンデンサおよびその製造方法
JP5933397B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ
JP4944359B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2007150252A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP4553770B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP5020020B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
EP1654745B1 (en) Chip solid electrolyte capcitor and production method of the same
JPH11329900A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP3671828B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP4983869B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5965100B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2005109247A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4926131B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ
JP2005294385A (ja) 固体電解コンデンサ
JP3864651B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2012069789A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法および固体電解コンデンサ
JP4934788B2 (ja) コンデンサ、コンデンサ素子及びその製造方法
JP2007048936A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP4699082B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5116130B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2003092232A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2004128035A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JP2003297687A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120327

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120409

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees