JP2012104422A - 非水二次電池とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度が上昇した場合に内部抵抗を上昇させる機能を備え、かつ通常作動時の内部抵抗の低減に適した非水二次電池を提供する。
【解決手段】本発明により提供される非水二次電池は、正負の電極と非水電解液とを備える。それら電極のうち少なくとも一方は、電極活物質を含む電極合剤326と、その電極合剤326を保持する集電体322と、集電体322と電極合剤326との間に介在された導電層324とを有する。導電層324は、導電材と、結着剤としてのPVDFとを含み、NMRに基づく上記PVDFのα晶とβ晶との質量比(α/β)が0.35〜0.56である。
【選択図】図7

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池その他の非水二次電池に関する。詳しくは、電池の温度が上昇した場合に該電池の内部抵抗を高くする機能を備えた非水二次電池およびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池その他の非水二次電池は、車両搭載用電源あるいはパソコンや携帯端末等の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。非水二次電池に関する技術文献として特許文献1,2が挙げられる。
特開2001−357854号公報 特開2006−4739号公報
ところで、電池は誤操作や不正使用等により過充電されると発熱し、さらには過熱に至ることがある。特許文献1には、かかる過充電時の過熱を防止するために、集電体の表面に導電層を設ける技術が記載されている。この導電層は、温度上昇とともに抵抗値が上昇する結晶性熱可塑性樹脂(例えば結晶性ポリエチレン樹脂)と導電剤と結着剤とを必須成分とする。そして、電池内の温度が結晶性熱可塑性樹脂の融点を超えると、導電性塗膜の抵抗が急上昇して集電体と活物質層の間の電流が遮断される(第0012項)。また、特許文献1には、導電剤および結着剤を含むが結晶性熱可塑性樹脂を含まない導電層は、電流の遮断性能に劣ることが示されている(表1、第0033項および第0043項)。
しかし、特許文献1のように結着剤に加えて結晶性熱可塑性樹脂を必須成分として含む導電層では、該導電層を電極活物質と集電体との間に介在させることにより、電池の通常作動時における内部抵抗が高くなりがちであった。通常作動時における内部抵抗が高いことは、電池の出力性能を低下させる要因となり得る。特に、車両駆動電源用の非水二次電池のように高出力が求められる電池では、過充電時の過熱防止と出力性能とを高レベルで両立させることが望ましい。
そこで本発明は、温度が上昇した場合に内部抵抗を上昇させる機能を備えた非水二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)であって、通常作動時の内部抵抗の低減に適した非水二次電池を提供することを一つの目的とする。本発明の他の目的は、かかる非水二次電池を製造する好適な方法を提供することである。
ここに開示される非水二次電池は、正極と負極と非水電解液とを備える。前記正極および前記負極の少なくとも一方は、電極活物質を含む電極合剤と、該電極合剤を保持する集電体と、前記集電体と前記電極合剤との間に介在された導電層とを有する。ここで、前記導電層は、導電材と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを含む。該導電層は、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)スペクトルに基づく前記PVDFのα晶とβ晶との質量比(α/β)が0.35〜0.56である。
上記α/βを満たす導電層は、非水電解液に浸された状態で温度が上昇した場合、適切な温度域において、抵抗が急激かつ大幅に上昇する性質を示すものとなり得る。この性質を利用して、過充電等による温度上昇時に、電池の内部抵抗を高めて該電池の過熱を抑えることができる。したがって、かかる導電層を有する非水二次電池によると、電池の過熱防止性能と他の性能(例えば出力性能)とを高レベルで両立させることができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウム二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、「非水二次電池」とは、非水電解質(典型的には、非水溶媒中に支持塩(支持電解質)を含む電解質)を備えた電池をいう。また、「リチウム二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間のリチウムイオンの移動により充放電する二次電池をいう。一般にリチウムイオン電池と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、電極活物質とは、電荷単体となる化学種(リチウム二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る材料をいう。
ここに開示される技術において、前記導電層は、示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry;DSC)に基づく前記PDVFの融解開始温度Msが130℃以上155℃未満であることが好ましい。また、前記導電層は、DSC測定に基づく前記PVDFの第一吸熱ピーク温度Mが135℃以上160℃以下であることが好ましい(ただし、通常はMs<M)。これらのうち少なくとも一方を満たす導電層によると、電池の通常使用時における性能(例えば、出力性能、耐久性等の少なくとも一つ)と過熱防止性能とを、より高レベルで両立させることができる。上記融解開始温度および第一吸熱ピーク温度の両方を満たす導電層によると、さらに良好な結果が実現され得る。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記導電層は、前記導電材の質量に対して、その1.2倍以上の質量の前記PVDFを含む。かかる組成の導電層によると、温度上昇時における抵抗の上昇幅が十分に確保され得る。したがって、電池の過熱をよりよく防止し得る。
ここに開示されるいずれかの非水二次電池は、前記正極と前記負極との間に介在されたセパレータをさらに具備し得る。好ましい一態様では、前記セパレータは多孔性樹脂層を備え(実質的に該多孔性樹脂層からなるセパレータであってもよい。)、温度が130℃〜135℃まで上昇するとシャットダウンするように構成されている。かかる態様によると、上記導電層による抵抗上昇に加えて、必要に応じて上記セパレータのシャットダウン機能が働くことにより、電池の過熱をさらに高度に防止することができる。
この明細書によると、また、正極と負極と非水電解液とを備えた非水二次電池を製造する方法が提供される。その方法は、電極活物質を含む電極合剤と、該電極合剤を保持する集電体と、前記集電体と前記電極合剤との間に介在された導電層と、を有する導電層付き電極を作製する工程を含む。また、前記導電層付き電極を前記正極および前記負極の少なくとも一方に使用して非水二次電池を構築する工程を含む。ここで、前記導電層付き電極を作製する工程は、導電材とPVDFとを含む導電層形成用組成物を前記集電体に付与して導電層を形成することを含む。また、該導電層を熱処理(好ましくは120℃を超える温度で熱処理)することを含む。また、前記導電層が形成された集電体に前記電極合剤を付与することを含む。かかる製造方法は、ここに開示されるいずれかの非水二次電池の製造方法として好ましく採用され得る。なお、上記熱処理は、上記電極合剤を付与する前に行ってもよく、付与した後に行ってもよく、付与前および付与後に行ってもよい。
ここに開示されるいずれかの非水二次電池(ここに開示されるいずれかの方法により製造された非水二次電池であり得る。)は、通常の温度域(例えば、60℃程度またはそれ以下の温度域)での使用時における性能と過熱防止性能とが高レベルで両立されたものとなり得る。かかる高性能を発揮し得ることから、例えば、車両に搭載される電源として好適である。したがって、ここに開示される非水二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)は、ハイブリッド自動車、電気自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモータ用の電源(典型的には駆動電源)として好適に使用され得る。
例1〜5について、正極抵抗の温度依存性を示すグラフである。 例1,2,6について、正極抵抗の温度依存性を示すグラフである。 例1,2に係る導電層のDSCチャートである。 例4に係る導電層のDSCチャートである。 α/β比と抵抗増加開始温度との関係を示すグラフである。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を示す部分断面図である。 一実施形態に係る導電層付き電極を示す断面図である。 一実施形態に係る非水二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、実際の寸法関係を反映するものではない。
ここに開示される技術は、集電体に電極活物質が保持された形態の電極を備える各種の非水二次電池に広く適用され得る。この種の電池において、ここに開示される技術に係る導電層を集電体と電極活物質(典型的には、該電極活物質を含む電極合剤)との間に介在させることにより、電池の温度上昇時に上記集電体と上記活物質との間の抵抗を上昇させて該電池の過熱を抑制する効果が発揮され得る。以下、主として、正極活物質を含む電極合剤(正極合剤)と集電体との間に上記導電層を有する正極、および該正極を備えるリチウムイオン二次電池を例として本発明をより詳しく説明するが、本発明の適用対象をかかる電極または電池に限定する意図ではない。
電極合剤を保持する集電体としては、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼等のように導電性の良い金属を主体に構成された部材を使用することができる。リチウムイオン二次電池用正極の構成要素としては、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金(アルミニウム合金)製の集電体を好ましく採用し得る。また、リチウムイオン二次電池用負極の構成要素としては、銅または銅を主成分とする合金(銅合金)製の集電体を好ましく採用し得る。集電体の形状は、得られた電極を用いて構築される電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。ここに開示される技術は、例えばシート状の集電体を用いた電極の製造に好ましく適用することができる。上記シート状集電体の厚みは、例えば5μm〜30μmであり得る。かかる電極(電極シート)を用いて構築される電池の好ましい一態様として、シート状の正極および負極を典型的にはシート状のセパレータとともに捲回してなる電極体(捲回電極体)を備える電池が挙げられる。
集電体と電極合剤との間に介在される導電層は、導電材と、結着剤としてのPVDFとを含む。導電材としては、例えばカーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料が好ましく用いられる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いてもよい。これらのうち一種のみを用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末、等を用いることができる。なかでも好ましいカーボン粉末としてアセチレンブラック(AB)が挙げられる。
導電材としてカーボン粉末を使用する場合、該粉末を構成する一次粒子の平均粒径は、凡そ10nm〜200nm(典型的には凡そ15nm〜100nm)の範囲にあることが好ましい。導電層用の導電材としては、一次粒子の平均粒径が比較的小さい導電材の使用が有利である。例えば、一次粒子の平均粒径が15nm〜60nm(例えば20nm〜55nm)のカーボン粉末を好ましく採用し得る。上記一次粒子の平均粒径としては、電子顕微鏡(走査型または透過型のいずれも使用可能である。好ましくは透過型電子顕微鏡)写真により少なくとも30個以上(例えば30〜100個)の一次粒子の粒径を測定し、それらの算術平均として得られる値を採用することができる。
また、導電材として、例えば、嵩密度が例えば0.01〜0.20g/cmのカーボン粉末を用いることができる。導電層用の導電材としては、嵩密度が比較的小さいものが有利である。例えば、嵩密度が0.15g/cm以下(より好ましくは0.10g/cm以下、さらに好ましくは0.08g/cm以下、例えば0.05g/cm以下、典型的には0.01g/cm以上)のカーボン粉末の使用が好ましい。上記嵩密度としては、JIS K1469による測定値を採用することができる。
導電層用の導電材としては、一次粒子がある程度連なった構造のカーボン粉末(例えばアセチレンブラック)が好ましい。一次粒子の連なりの程度(ストラクチャの発達の程度)は、例えば、電子顕微鏡(走査型または透過型のいずれも使用可能である。好ましくは透過型電子顕微鏡)観察により把握することができる。該観察において、一次粒子が連なった鎖の平均長さを粒子の平均直径で割って算出される形状係数が5〜50程度であるカーボン粉末の使用が好ましい。
また、導電層用の導電材としては、例えば、塩酸吸液量が5〜30ml/5gであるカーボン粉末(例えばアセチレンブラック)を用いることができる。ここで、上記塩酸吸液量とは、JIS K1469に規定する方法により測定される量をいい、一次粒子の平均粒径およびストラクチャ構造の発達度合いに関連する量として把握され得る。この塩酸吸液量が比較的多いカーボン粉末を好ましく使用し得る。例えば、10ml/5g以上であるカーボン粉末が好ましく、15ml/5g以上であるカーボン粉末がさらに好ましい。
上述した好ましい一次粒子の平均粒径、嵩密度、ストラクチャの発達の程度および塩酸吸液量のうち一または二以上を満たすカーボン粉末(例えばアセチレンブラック)の使用は、温度上昇時に導電層の抵抗(ひいては電池の内部抵抗)をより大きく上昇させ得るという観点から有利である。なお、ストラクチャの発達の程度は、嵩密度および塩酸吸液量によっても概ね把握することができる。例えば、よりストラクチャが発達したカーボン粒子では、嵩密度はより小さくなる傾向にあり、塩酸吸液量はより多くなる傾向にある。
ここに開示される技術に係る導電層は、上記導電材の他に少なくともPVDFを含む。ここでいうPVDFの概念には、フッ化ビニリデンの単独重合体、フッ化ビニリデンと他のモノマーとの共重合体、それらの変性物、修飾物等が包含され得る。上記共重合体においてフッ化ビニリデンと共重合され得るモノマーは、例えば、フッ化ビニル、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン等のフッ素系モノマー;エチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸等の非フッ素系モノマー;等から選択される一種または二種以上であり得る。上記共重合体におけるフッ化ビニリデンの共重合割合は50質量%以上(典型的には70質量%以上、例えば85質量%以上)であることが好ましい。上記変性物の例としては、フッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体のカルボン酸変性物等が挙げられる。
ここに開示される技術の好ましい一態様において、上記導電層を構成するPVDFは、該PVDFの結晶が、NMRスペクトルに基づくα晶とβ晶との質量比(α/β)が0.35〜0.56(好ましくは0.40〜0.56)であることによって特徴づけられる。この質量比α/βは、19Fを観測核とする固体NMR(19F−NMR)測定により把握することができる。より具体的には、該NMR測定における−78ppm付近がα/2、−95ppm付近がα/2+βの波形分離によりα/βを算出することができる。なお、この明細書においてα/βの好ましい範囲を示す数値は、小数点以下3桁目を四捨五入した値である。したがって、例えば、α/β=0.562は「α/βが0.40〜0.56」の条件を満たすが、α/β=0.568は満たさない。ここに開示される技術の好ましい一態様では、α/βが0.350を超えて0.560以下(例えば、0.400を超えて0.560未満)である。
上記α/βの値が小さすぎると、導電層の温度が上昇したときに、該導電層の抵抗の上昇幅を十分に大きくすることが困難となり得る。一方、上記α/βの値が大きすぎると、導電層の温度が上昇したときに、該導電層を備える電極の抵抗が大きく上昇する温度域が高すぎるという不都合が生じ得る。α/βが上述した好ましい範囲にある導電層によると、後述する実施例に記載の方法により行われる正極抵抗の温度依存性評価において、110℃から140℃まで(例えば115℃から135℃まで、典型的には115℃から130℃まで)上昇する間に正極抵抗を10倍以上高くすることができる。このことは、セパレータとしてオレフィン系多孔質樹脂層(特に、多孔質ポリエチレン樹脂層を含むセパレータ)を備える形態の非水二次電池において特に有意義である。ここに開示される技術の好ましい一態様では、上記正極抵抗を、20℃以内(より好ましくは15℃以内、さらに好ましくは10℃以内、例えば5℃以内)の温度範囲のなかで10倍以上に上昇させることができる。かかる態様によると、電池の温度が所定温度に到達するまで上昇したときに、上記導電層の抵抗を急激に(感度よく)かつ大幅に上昇させることで、該電池の過熱を効果的に抑制することができる。
通常、市販の結着剤用PVDFと導電材とを適当な分散媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤)に分散させた導電層形成用組成物を集電体に塗布し、一般的な条件で(例えば80℃〜120℃で)乾燥させて形成された導電層では、PVDFのα/βは0.30程度となり、ここに開示される好ましい範囲とはならない。ここに開示される技術では、PVDFのα/βがここに開示される好ましい数値範囲にある導電層を得る方法として、例えば、該導電層を適切な温度で熱処理する方法を採用することができる。この熱処理は、処理前に比べてPVDFのα/βの値を上昇させ得る適宜の処理温度Hで、α/βがここに開示される好ましい値となるように(例えば、適宜の処理時間で)実施することができる。
上記熱処理温度Hは、例えばH≧120℃とすることができ、通常はH≧130℃(典型的にはH>130℃)が適当であり、好ましくはH≧135℃、より好ましくはH≧140℃(典型的にはH>140℃)である。熱処理温度Hが低すぎると、所望のα/βが実現されるまでの処理時間が長くなって電池の生産性が低下したり、処理の程度(α/βの値)ムラが生じたりすることがあり得る。上記熱処理温度Hは、また、例えばH≦165℃とすることができ、通常はH≦160℃(典型的にはH<160℃)とすることが適当である。導電層を構成するPVDFが少なくとも完全には融解しない程度の処理条件とすることが好ましい。導電層の形成後にPVDFをいったん完全に融解させてしまうと、該導電層の常温(例えば25℃程度)における抵抗が高くなり、その導電層を備えた非水二次電池の通常作動時における性能(例えば出力性能)を低下させることがあり得る。
なお、上記熱処理前の導電層におけるPVDFの結晶化度は、一般に、概ね20〜30質量%程度であり得る。このPVDFの結晶化度は、上記熱処理後の導電層では、より高い値となり得る。特に限定するものではないが、熱処理後におけるPVDFの結晶化度は、例えば35質量%以上(典型的には35〜45質量%、例えば40質量%前後)であり得る。この結晶化度は、例えば、DSCによる結晶融解熱量により測定することができる。ここに開示される非水二次電池の好ましい一態様では、上記導電層に含まれるPVDFのα/βが上述した好ましい範囲(例えば0.35〜0.56)にあり、かつ、該PVDFの結晶化度が35〜45質量%である。
好ましい一態様では、上記導電層は、該導電層のDSC測定に基づくPVDFの融解開始温度Msが130℃以上(典型的にはMs>130℃)である。Ms≧140(例えばMs>140℃)であってもよい。Msが低すぎると、経時や通常の環境温度の変化によって、電池の通常使用時における導電層の抵抗が上昇しやすくなることがあり得る。また、一般にMs≦155℃(典型的にはMs<155℃、例えばMs≦153℃)であることが適当であり、好ましくはMs≦150℃(より好ましくはMs<150℃)である。Msが高すぎると、導電層の抵抗が上昇し始める温度域が高くなる傾向にある。このため、例えばMsよりも低い温度でシャットダウンする機能を備えたセパレータ(例えば、多孔質ポリエチレン樹脂層を含む単層または多層構造のセパレータ)を用いた非水二次電池では、導電層の抵抗が上昇する前にセパレータのシャットダウン機能が働くこととなり、上記導電層がその機能を十分に発揮できなくなることがあり得る。
好ましい一態様では、上記導電層は、該導電層のDSC測定に基づくPVDFの第一融解ピークに対応する温度(第一融解ピーク温度)Mが135℃以上である(ただし、通常はMs<M)。M≧140(典型的にはM>140℃)であってもよく、さらにM≧140であってもよい。Mが低すぎると、経時や通常の環境温度の変化によって、電池の通常使用時における導電層の抵抗が上昇しやすくなることがあり得る。また、一般にM≦160℃(典型的にはMs<160℃)であることが適当であり、好ましくはMs≦158℃である。Mが高すぎると、導電層の抵抗が大きく上昇する温度域が高くなりすぎることがあり得る。このため、シャットダウン機能を備えたセパレータを用いた非水二次電池では、上記導電層がその機能を十分に発揮できなくなることがあり得る。
なお、上記融解開始温度Msおよび上記第一融解ピーク温度Mは、少なくとも50℃から200℃(例えば25℃から250℃)まで10℃/分の速度で昇温するDSC測定により把握することができる。より具体的には、例えば、後述する実施例に記載の方法により行われるDSC測定によってMsおよびMを求めることができる。上記融解開始温度Msは、例えば、上記熱処理における処理温度Hにより調節することができる。ここに開示される技術の典型的な態様では、導電層の熱処理温度Hと、該導電層におけるPVDFの融解開始温度Msとは概ね同程度である。また、α/βが高くなると第一融解ピーク温度Mは高くなる傾向にあるため、Mの調節はα/βの調節と同様にして実施することができる。
ここに開示される技術における導電層は、例えば、上記導電材(例えばカーボン粉末、好ましくはアセチレンブラック)の質量に対して、その1.0倍以上のPVDFを含むものであり得る(すなわち、PVDF/導電材の質量比Rが1.0以上)。通常は、R≧1.2とすることが適当であり、好ましくはR≧1.5(典型的にはR>1.5)、より好ましくはR≧2.0である。Rが小さすぎると、温度上昇時における抵抗上昇の感度が鈍くなったり、抵抗上昇の幅が小さくなったりすることがあり得る。一方、Rが大きすぎると、通常使用時における導電層の抵抗が高くなる傾向にある。したがって、通常はR≦10(典型的にはR≦5、例えばR≦3)とすることが適当である。導電層全体に占めるPVDFの量は、50質量%を超える量とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上(例えば65質量%以上)である。好ましい一態様では、導電層全体の70質量%以上(例えば、70質量%を超える量)がPVDFである。通常は、導電層全体に占めるPVDFの量を85質量%以下(例えば80質量%以下、典型的には80質量%未満)とすることが適当である。
ここに開示される技術における導電層は、本発明の効果を著しく損なわない限度で、上記導電材および上記PVDF以外の成分(任意成分)を必要に応じて含む組成であり得る。例えば、PVDF以外のポリマー(例えば、正極合剤層の結着剤として後記で例示するポリマーのうちPVDF以外のポリマー)を任意成分として含有し得る。ただし、この任意成分たるポリマーの含有量は、PVDFの質量の1/2以下とすることが好ましく、1/5以下とすることがより好ましい。かかる任意ポリマーの含有量が多すぎると、通常使用時における導電層の抵抗が高くなったり、温度上昇時における抵抗上昇の感度が鈍くなったりすることがあり得る。好ましい一態様では、上記導電層がPVDF以外のポリマーを実質的に含有しないか、該ポリマーの含有量が導電層全体の5質量%以下(さらには3質量%以下)である。例えば、導電材およびPVDFの合計量が導電層全体の95質量%以上(98質量%以上であってもよく、実質的に100質量であってもよい。)を占める組成の導電層であり得る。
集電体の面積当たりの導電層の質量(乾燥質量)は、例えば0.10〜0.50mg/cmとすることができる。通常は、0.20〜0.50mg/cmとすることにより好適な結果が実現され得る。この量が少なすぎると温度上昇時の抵抗上昇幅が小さくなりがちであり、多すぎると通常作動時の内部抵抗が上昇する傾向にある。同様の理由により、導電層の厚さ(乾燥膜厚)は、例えば0.1μm〜3.0μmとすることができ、通常は1.0μm〜2.5μmとすることが適当である。
正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料(例えば、層状構造の酸化物やスピネル構造の酸化物)の一種または二種以上を、特に限定なく使用することができる。好適例として、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物等のリチウム含有複合酸化物が挙げられる。他の好適例として、オリビン型リン酸リチウム等のポリアニオン系材料が挙げられる。
ここで、リチウムニッケル系複合酸化物とは、リチウム(Li)とニッケル(Ni)とを構成金属元素とする酸化物のほか、LiおよびNi以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、LiとNi以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を、原子数換算でNiと同程度またはNiよりも少ない割合(典型的にはNiよりも少ない割合)で構成金属元素として含む酸化物をも包含する意味である。上記LiおよびNi以外の金属元素は、例えば、Co,Al,Mn,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,LaおよびCeからなる群から選択される一種または二種以上の金属元素であり得る。リチウムコバルト系複合酸化物およびリチウムマンガン系複合酸化物についても同様の意味である。ここに開示される技術における好ましい正極活物質として、少なくともNi,CoおよびMnを構成金属元素として含む(例えば、Ni,CoおよびMnの三元素を原子数換算で概ね同量づつ含む)リチウム遷移金属複合酸化物が例示される。
上記正極は、このような正極活物質が、必要に応じて使用される導電材、結着剤(バインダ)等とともに、層状の正極合剤(正極合剤層)として、上記導電層を介して集電体に保持された形態であり得る。正極合剤用の導電材としては、導電層用の導電材と同様、カーボンブラック(アセチレンブラック等)のような炭素材料、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いることができる。
正極合剤用の結着剤としては、各種のポリマー材料を用いることができる。例えば、水系の液状組成物(活物質粒子の分散媒として水または水を主成分とする混合溶媒を用いた水性組成物)を用いて正極合剤層を形成する場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を結着剤として好ましく採用し得る。かかるポリマー材料は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;等が例示される。あるいは、溶剤系の液状組成物(分散媒の主成分が有機溶媒である溶剤系組成物)を用いて正極合剤層を形成する場合には、PVDF、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等の、有機溶剤に分散または溶解するポリマー材料を好ましく用いることができる。このようなポリマー材料は、一種を単独で、あるいは二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、上記ポリマー材料は、結着剤として用いられる他に、正極合剤層形成用組成物の流動性調整剤(例えば増粘剤)その他の添加剤として使用された結果として該合剤層中に含まれることもあり得る。
正極合剤全体に占める正極活物質の割合は、典型的には50質量%以上(例えば50〜95質量%)であり、通常は70〜95質量%(例えば75〜90質量%)程度とすることが好ましい。導電材を使用する組成では、正極合剤全体に占める導電材の割合を、例えば2〜20質量%(好ましくは2〜15質量%)とすることができる。結着剤を使用する組成では、正極合剤全体に占める結着剤の割合を、例えば1〜10質量%(好ましくは2〜5質量%)とすることができる。
ここに開示される正極の好ましい一態様では、後述する実施例に記載の方法により行われる正極抵抗の温度依存性評価において、室温から少なくとも40℃に至るまでの正極抵抗が0.5Ω以下(より好ましくは100mΩ以下、例えば10〜100mΩ)である。かかる正極を備える電池は、通常使用時の内部抵抗が低く抑えられているので、出力性能に優れたものとなり得る。また、上記温度依存性評価において、室温から少なくとも80℃(より好ましくは100℃)に至るまでは正極抵抗が100mΩ以下に維持されることが好ましい。好ましい一態様では、上記温度依存性評価において正極抵抗が100mΩに到達する温度(100mΩ到達温度(T100mΩ))が105℃以上であり、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは115℃以上である。かかる正極を備える電池は、通常使用により到達し得る温度では内部抵抗が大きく上昇することがないので、電池性能の安定性(耐久性)に優れたものとなり得る。一方、T100mΩが高すぎると、電池の構成(例えば、ポリエチレン樹脂の融解によりシャットダウン機能を発揮するセパレータを備えた構成)によっては、導電層がその機能を十分に発揮できなくなることがあり得る。通常は、T100mΩが135℃以下(例えば130℃以下)である正極が好ましい。
ここに開示される正極の好ましい一態様では、上記正極抵抗の温度依存性評価において、正極抵抗1000mΩに到達する温度が140℃以下であることが好ましく、135℃以下であることがより好ましい(ただし、T100mΩ<T1000mΩ)。また、T1000mΩとT100mΩとの差が20℃以下(すなわち、T1000mΩ−T100mΩ≦20℃)であることが好ましく、より好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下(例えば5℃以下)である。かかる正極を備えた電池によると、該電池の温度が所定温度まで上昇した場合に、該電池の抵抗を急激に(感度良く)かつ大幅に上昇させることができる。このことによって電池の過熱を効果的に防止することができる。
上述のように、所定の温度まで上昇すると抵抗が急激に上昇する特性を有する電池によると、この抵抗上昇により活物質と集電体との間で電流を流れにくくして電池の過熱を抑える効果に加えて、あるいは該効果に代えて、例えば、この抵抗上昇を電池の外部(該電池に電気的に接続された充電器等)から容易に検知し得るという効果が実現され得る。このことは、例えば、上記検知シグナルに対応して外部からの電流の供給を強制的に停止する(例えば、充電器のスイッチを切る)処理を行う態様において特に有意義である。
ここに開示される技術を実施するにあたり、導電層のα/βを所定範囲とすることで温度上昇時に抵抗を適切に(過熱の抑制および抵抗上昇の検知の一方または両方に適した態様で)上昇させ得る理由を明らかにする必要はないが、例えば以下のことが考えられる。すなわち本発明者は、電解液に接触した状態にあるPVDFが加熱される場合、α/βが0.3程度またはそれ以下のPVDFとは異なり、α/βが0.35以上のPVDFは、ある温度域になると電解液による膨潤の程度が著しく増す性質を示し、この膨潤(体積増加)により導電層内の導電パスが切れることで抵抗が上昇するものと推察している。このことは、後述する実施例において、抵抗が大きく上昇する温度域がPVDFの融解開始温度よりも低いことによっても支持されている。かかる膨潤による体積増加は、例えば、結晶性熱可塑性樹脂(結晶性PE等)の融解に伴う体積膨張に比べて、より急激な、かつ/または、より大きなものとなり得る。このことが本発明における課題の解決に効果的に寄与しているものと考えられる。
ここに開示される技術における導電層付き電極を作製する好ましい一方法につき、リチウムイオン二次電池用の正極を例として説明する。まず、導電材とPVDFとが適当な液状媒体に分散した形態の導電層形成用組成物(必要に応じて用いられる他の成分を含み得る。)を用意する。上記液状媒体としては、有機溶媒を主成分とするものを好ましく用いることができる。かかる有機溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、キシレン、トルエン等が挙げられる。この組成物を集電体に付与(典型的には塗布)し、乾燥させて導電層を形成する。この乾燥は、必要に応じて加熱下で行うことができる。好ましい一態様では、乾燥温度を凡そ120℃以下(典型的には80℃以上120℃未満)とし、乾燥時間を30秒〜2分程度とする。このようにして乾燥された導電層は、通常、そのままではα/βの値がここに開示される好ましい数値範囲よりも低い。そこで、この導電層を熱処理してα/βを調整する。かかる熱処理の条件は、α/βの値が所望の数値範囲となるように適宜設定することができる。
一方、正極活物質と必要に応じて用いられる導電材および結着剤とが適当な液状媒体に分散した形態の正極合剤組成物を用意する。導電層が設けられた集電体に上記正極合剤組成物を付与し、乾燥させて正極合剤層を形成する。この乾燥は、必要に応じて加熱下で行うことができる。乾燥後、必要に応じて全体をプレスしてもよい。上記正極合剤組成物は、水系であってもよく、溶剤系であってもよい。正極合剤組成物が導電層に接触することによる該導電層の品質変化を抑えるという観点からは、水系の正極合剤組成物を用いることがより好ましい。
なお、上記では上記導電層形成用組成物の乾燥と導電層の熱処理とを別工程として行う例につき説明したが、乾燥と熱処理とを一連の操作として行ってもよい。生産性の観点からは、乾燥と熱処理とを別工程として行うほうが有利である。また、導電層を熱処理する時期は、集電体に正極合剤組成物を付与する前に限定されず、例えば正極合剤層の形成後に行ってもよい。上記熱処理が正極合剤層の品質に影響を及ぼすことを避けるという観点からは、正極合剤組成物の付与前に熱処理を行うことがより好ましい。この場合、正極合剤組成物の乾燥温度は、導電層の熱処理温度Hよりも低温(例えば、Hよりも5℃以上、典型的には10℃以上低い温度)とすることが望ましい。通常は、正極合剤組成物を120℃よりも低い温度で乾燥させることが適当である。
ここに開示される非水二次電池は、上述の導電層付き電極と対極とを、非水電解液とともに容器に収容した構成であり得る。上記導電層付き電極がリチウムイオン二次電池用正極である場合、対極(負極)の活物質としては、一般にリチウムイオン二次電池の負極活物質として機能し得ることが知られている種々の材料から適当なものを採用することができる。好適例として、少なくとも一部にグラファイト構造を有する粒子状のカーボン材料(カーボン粒子)が挙げられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもの等、いずれの炭素材料も使用可能である。グラファイトの表面に非晶質(アモルファス)カーボンが付与されたカーボン粒子等であってもよい。
かかる負極は、典型的には、負極活物質を主成分とする負極合剤層が負極集電体に保持された構成を有する。負極集電体としては、導電性の良い金属(例えば銅)を主体に構成されたシート状部材を好ましく用いることができる。上記負極合剤層は、例えば、負極活物質を適当な溶媒に分散させた液状組成物を負極集電体に付与し、該組成物を乾燥させることにより好ましく作製され得る。負極合剤層は、負極活物質以外の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の一例として、結着剤および/または流動性調整剤として機能し得るポリマーが挙げられる。該ポリマーとしては、正極合剤用の結着剤として例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。この負極は、正極側と同様に、負極集電体と負極合剤との間に導電層を備えるものであり得る。
ここに開示される非水二次電池の好ましい一態様は、正極と負極の間に介在されたセパレータをさらに備える。セパレータとしては、例えば、当該分野において一般的なセパレータと同様のものを特に限定なく用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔質シート、不織布等を用いることができる。好適例として、一種または二種以上のポリオレフィン樹脂を主体に構成された単層または多層構造の多孔性樹脂シートが挙げられる。セパレータの厚みは、例えば15μm〜30μmとすることができる。好ましい一態様では、シャットダウン機能を発揮する(所定温度になると樹脂が融解して細孔が目詰まりすることにより電流を遮断する)多孔性樹脂層を備えた、単層または多層のセパレータを使用する。好ましい一態様では、上記多孔性樹脂層の構成材料がポリエチレン樹脂である。通常は、該セパレータのシャットダウン温度TsがT100mΩよりも高いことが好ましく(すなわち、Ts>T100mΩ)、より好ましくはTs>T1000mΩである。例えば、Ts−T100mΩ≧5℃(より好ましくは、Ts−T1000mΩ≧5℃)を満たす電池が好ましい。
ここに開示される技術をリチウムイオン二次電池に適用する場合、非水電解液としては、従来の一般的なリチウムイオン二次電池用電解液と同様のものを用いることができる。かかる非水電解液は、典型的には、非水溶媒と、該溶媒に溶解してリチウムイオンを供給し得るリチウム化合物(支持電解質)とを含む。上記非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等の、一般にリチウムイオン二次電池用の電解液に使用し得るものとして知られている非水溶媒から選択される一種または二種以上を用いることができる。
ここに開示される技術における電解液用非水溶媒の好適例として、カーボネート類を主体とする非水溶媒が挙げられる。かかる組成の非水電解液は、電池の温度上昇時に、正極の抵抗がより急激に、かつ/または、より大幅に上昇させ得るのに適している。例えば、非水溶媒として一種または二種以上のカーボネート類を含み、それらカーボネート類の合計体積が非水溶媒全体の体積の60体積%以上(より好ましくは75体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上であり、実質的に100体積%であってもよい。)を占める非水電解液を好ましく採用し得る。
上記支持電解質としては、LiPF,LiBF,LiN(SOCF,LiN(SO,LiCFSO,LiCSO,LiC(SOCF,LiClO等の、リチウムイオン二次電池の支持電解質として機能し得ることが知られている各種のリチウム塩から選択される一種または二種以上を用いることができる。なかでもLiPFを好ましく使用し得る。支持電解質(支持塩)の濃度は特に制限されず、例えば従来のリチウムイオン二次電池と同程度とすることができる。通常は、支持電解質を凡そ0.1mol/L〜5mol/L(例えば凡そ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度の濃度で含有する非水電解液を好ましく使用することができる。
以下、ここに開示される技術を適用してなるリチウムイオン二次電池の一実施形態につき、図面を参照しつつその概略構成を説明する。図6に示すリチウムイオン二次電池10は、偏平な角型形状の容器11(典型的には金属製であり、樹脂製であってもよい。)を備える。この容器11の中に、正極シート32、負極シート34および二枚のセパレータシート35を重ね合わせて捲回してなる捲回電極体30が収容されている。正極シート32の断面構造を図7に示す。図示するように、正極シート32は、長尺状の正極集電体(例えばアルミニウム箔)322の両面に、該集電体の長手方向に沿う一方の端部を帯状に残して正極合剤層326が設けられた構成を有する。ここで、正極集電体322と正極合剤層326との間には導電層324が形成されている。正極集電体322のうち導電層324が形成されている範囲は、例えば、正極合剤層326が設けられる範囲よりも若干広い範囲(換言すれば、上記帯状部側に若干はみ出した範囲)とすることができる。
負極シート34は、長尺状の負極集電体(例えば銅箔)の両面に、該集電体の長手方向に沿う一方の端部を帯状に残して負極合剤層が設けられた構成を有する。捲回電極体30は、両電極シート32,34のうち合剤層が設けられていない部分(合剤層非形成部32A,34A)がセパレータシート35の長手方向に沿う一方の端部と他方の端部からそれぞれはみ出すように重ね合わせて捲回し、その捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることにより、容器11の形状に合わせた扁平形状に形成されている。
電極シート32,34には、外部接続用の正極端子14および負極端子16が電気的に接続されている。この接続は、両電極シート32,34の合剤層非形成部32A,34Aのうちセパレータシート35からはみ出した部分をそれぞれ捲回電極体30の径方向に寄せ集め、その寄せ集めた部分に正極端子14および負極端子16をそれぞれ接続(例えば溶接)することにより好適に行うことができる。端子14,16が接続された電極体30を容器11に収容し、その内部に適当な非水電解液を供給した後、容器11を封止することにより、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10が構築される。
ここに開示される非水二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)は、各種用途向けの二次電池として利用可能である。例えば、図8に示すように、自動車等の車両1に搭載される車両駆動用モータ(電動機)の電源として、ここに開示されるいずれかの非水電池100を好適に利用することができる。車両1の種類は特に限定されないが、典型的には、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等である。かかる非水二次電池100は、単独で使用されてもよく、直列および/または並列に複数接続されてなる組電池の形態で使用されてもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<例1>
導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのPVDFとを、ABとPVDFの質量比が28:72となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合して、導電層形成用組成物を調製した。ABとしては、塩酸吸液量18ml/5g、嵩密度0.04g/cm、平均一次粒径38nmのAB粉末(電気化学工業製)を使用した。PVDFとしては、株式会社クレハ製の商品名「KFポリマー#9130」を使用した。厚さ15μmの長尺状アルミニウム箔の両面に上記組成物を、片面当たりの目付量(固形分換算の塗布量、すなわち導電層の乾燥質量)が0.25mg/cmとなるように塗布し、115℃の熱風で約2分間乾燥させて導電層を形成した。次いで、この導電層付き集電体をロール状に巻き取り、145℃のオーブンに入れて5時間の熱処理を行った。このようにして、熱処理済み導電層付き集電体(集電体サンプル1)を得た。
正極活物質としてのニッケル酸リチウムと上記ABとカルボキシメチルセルロース(CMC)とポリエチレンオキサイド(PEO)とを、これら材料の質量比が88:10:1:1となるようにイオン交換水と混合して、スラリー状の水性組成物を調製した。この組成物を上記集電体サンプル1の導電層上に、片面当たりの目付量が5mg/cmとなるようにして両面に塗布し、100℃の熱風で約2分間乾燥させた後、全体の厚みが65μmとなるようにプレスした。このようにして、集電体の両面に上記導電層を介して正極合剤層が保持された正極シート(正極サンプル1)を得た。
<例2>
導電層付き集電体の熱処理条件を150℃で20時間とした点以外は例1と同様にして、熱処理済み導電層付き集電体(集電体サンプル2)を得た。この集電体サンプル2の導電層上に、例1と同様にして正極合剤層を形成することにより、正極サンプル2を得た。
<例3>
例1と同様に導電層形成用組成物を集電体に塗布して乾燥させた後、この導電層付き集電体(集電体サンプル3)に熱処理を施すことなく、該導電層上に例1と同様にして正極合剤層を形成することにより、正極サンプル3を得た。
<例4>
導電層付き集電体の熱処理条件を155℃で5時間とした点以外は例1と同様にして、熱処理済み導電層付き集電体(集電体サンプル4)を得た。この集電体サンプル4の導電層上に、例1と同様にして正極合剤層を形成することにより、正極サンプル4を得た。
<例5>
例1で集電体に用いたものと同じアルミニウム箔(集電体サンプル5)の両面に、導電層を設けることなく直接正極合剤層を形成することにより、正極サンプル5を得た。正極合剤層の形成は例1と同様に行った。
<例6>
PVDFに代えてポリアクリロニトリル(PAN)を使用した点以外は例1と同様にして、熱処理済み導電層付き集電体(集電体サンプル6)を得た。この集電体サンプル6の導電層上に、例1と同様にして正極合剤層を形成することにより、正極サンプル6を得た。
[NMR測定]
上記で得られた各集電体サンプル(ただし、導電層を有しないサンプル5を除く。)から導電層(測定試料)を採取してサンプル管に充填し、以下の条件でNMR測定を行った。
測定装置:ブルカー(BRUKER)社製、型式「Avance 400」
測定方法:シングルパルス法
観測核:19
サンプル管:ジルコニア製固体NMRサンプル管
得られたNMRスペクトルから、上述した方法によりα晶とβ晶との質量比(α/β)を求めた。それらの結果を表1に示す。この表からわかるように、熱処理を行っていないサンプル3に係る導電層はα/βの値が0.35を明らかに下回っていた。120℃以上で熱処理を行ったサンプル1,2,4は、いずれも、熱処理を行っていないサンプル3に比べてα/βの値が高かった。しかし、熱処理条件が厳しすぎる(熱処理温度Hが高すぎる、および/または熱処理時間が長すぎる)サンプル4では、α/βの値が0.56を超えて高くなっていた。
[DSC測定]
上記で得られた各集電体サンプル(ただし、導電層を有しないサンプル5を除く。)から導電層(測定試料)を採取して測定容器に密封し、以下の条件でDSC測定を行った。
試料量:約12mg
測定温度域:25℃〜250℃
昇温速度:10℃/分
測定容器:アルミニウム製パン
得られたDSCチャートから、融解開始温度および第一吸熱ピークを読み取った。それらの結果を表1に示す。また、サンプル1およびサンプル2のDSCチャートを図3に、サンプル4のDSCチャートを図4に示す。
Figure 2012104422
これらの図表に示されるように、α/βが0.35〜0.56(より具体的には0.40〜0.56)の範囲にあるサンプル1およびサンプル2のうち、サンプル1では145℃で融解が始まり、152℃に第一吸熱ピーク(β晶の融解熱に対応する。)、169℃に第二吸熱ピーク(α晶の融解に対応する。)がみられた。サンプル2では149℃で融解が始まり、156℃に第一吸熱ピーク、169℃に第二吸熱ピークがみられた。融解終了温度はいずれも178℃であった。これらのデータは、熱処理温度を145℃(サンプル1)から150℃(サンプル2)へと高くすることにより、融解開始温度および第一吸熱ピーク温度がそれぞれ高温側にシフトすること、および、第二吸熱ピーク温度および融解終了温度は熱処理温度の影響を受けにくいことを示している。
これに対して、α/βが0.56を超えるサンプル4では、融解終了温度はサンプル1,2と同じ178℃であったが、それ以下の温度域ではDSCチャートの様相が大きく異なっていた。例えば、融解開始温度以降のグラフの傾きがサンプル1,2に比べて大きく、第一吸熱ピークおよび第二吸熱ピークは判然としなかった。
なお、サンプル4の融解開始温度は、図5に示すように、融解ピーク前後のグラフがフラットな部分を直線で結び、融解ピークの傾きが負の最大となるポイントにおける接線と上記直線との交点に対応する温度として求めた。他のサンプルについても同様にして融解開始温度を求めた。
[正極抵抗の温度依存性]
上記で得られた各正極サンプルを、4cm×5cmの長方形状部分(測定対象領域)と、その一方の長辺の一端から幅5mmの帯状に引き出された部分(端子部分)とを有する形状に切り出した。上記端子部分から導電層を除去して集電体表面を露出させたものを試験片とした。各正極サンプルから上記試験片2枚を切り出し、それらを上記測定対象領域が重なり(重なり面積20cm)かつ端子部分が該測定対象領域の長辺の一端側および他端側に配置されるように対向接触させた。これを非水電解液とともに2枚のラミネートフィルムで挟んで密封した。このとき、上記端子部分はラミネートフィルムから外部に引き出されるようにした。非水電解液としては、ECとDMCとEMCとを3:3:4の体積比で含む混合溶媒中に1.0Mの濃度でLiPFを含む組成のものを使用した。上記端子部分を交流電源に接続し、上記密封体の測定対象領域を2枚の板状治具で軽く(約25N/cmの圧力で)挟んで恒温槽に入れ、1kHzの交流電流を流しつつ15℃/分の昇温速度で加熱して抵抗値の変化(正極抵抗の温度依存性)を観測した。得られた結果を、温度に対する抵抗値の変化を表すグラフとして図1,2に示す。また、上記正極抵抗の値が100mΩに到達した温度(抵抗値の上昇が始まった温度として把握され得る。)T100mΩおよび抵抗値が1000mΩに到達した温度T1000mΩを表2に示す。
[電池抵抗の測定]
上記で得られた各正極サンプルを用いてリチウムイオン二次電池を構築した。負極としては、厚さ15μmの長尺状銅箔からなる負極集電体の両面に、天然黒鉛とSBRとCMCとを98:1:1の質量比で含む負極合剤層が設けられた構成のものを使用した。セパレータとしては、PP樹脂からなる表層と裏層との間にPE樹脂からなる中間層が配置された三層構造(PP/PE/PP構造)の長尺状多孔質樹脂シートであって、全体の厚みが20μmであり、シャットダウン温度が140℃のものを使用した。上記正極サンプルと上記負極とを二枚の上記セパレータとともに積層し、その積層シートを長尺方向に捲回して捲回電極体を作製した。この電極体を非水電解液とともに外装ケースに収容して、18650型(直径18mm、高さ65mm)リチウムイオン二次電池を構築した。非水電解液としては、ECとDMCとEMCとを3:3:4の体積比で含む混合溶媒中に1.0Mの濃度でLiPFを含む組成のものを使用した。このようにして得られたリチウムイオン二次電池を、各電池に使用した正極サンプルの番号に対応付けて、それぞれ電池サンプル1〜6と称する。
上記で得られた電池サンプル1〜6を25℃の条件下において60%のSOC(State of Charge;充電状態)に調整し、同温度条件下において4Cの放電レートで10秒間放電させたときの電圧降下から電池抵抗を算出した。このようにして得られた各電池の電池抵抗を、例1の電池抵抗の値を1として換算した比率(電池抵抗比)として表2に示す。
Figure 2012104422
表2および図1,2に示されるように、例1〜4,6に係るサンプル1〜4,6の電池は、導電層を有しないサンプル5に比べて、いずれも電池抵抗の値が同等またはそれ以下に抑えられていた。また、例1〜6に係る正極サンプル1〜6は、いずれも、正極抵抗の温度依存性評価において、室温から少なくとも40℃(より具体的には100℃)に至るまで正極抵抗が100mΩ以下(より具体的には80mΩ以下)に維持されていた。そして、α/βが0.35以上(より具体的には0.40以上であるサンプル1,2,4は、所定の狭い(10℃以内、より具体的には5℃以内の)温度域において抵抗が著しく(1000mΩを超えるまで)増加する性質を示した(抵抗上昇幅大)。そのうち、α/βが0.56を超えるサンプル4では、抵抗が大きく上昇する温度域が135℃よりも高く、ポリエチレンの融解によりシャットダウンする機能を備えたセパレータとの組み合わせ使用には適さないものであった。
一方、導電層を有しないサンプル5では、抵抗の目立った上昇はみられなかった。導電層を構成する結着剤としてPVDFに代えてPANを用いたサンプル6においても、今回の試験温度範囲(160℃まで)では抵抗の目立った上昇はみられなかった。α/βが0.35に満たないサンプル3では、サンプル1,2に比べて、温度上昇時の抵抗上昇幅が明らかに小さかった。
さらに、熱処理の温度を調整することによりα/βをそれぞれ0.330(サンプル7)、0.485(サンプル8)、0.575(サンプル9)に調整した集電体サンプルを用いた点以外は正極サンプル1と同様にして作製した正極サンプル7〜9について、上記と同様に正極抵抗の温度依存性を評価することにより、100mΩ到達温度(T100mΩ)を求めた。図5は、正極サンプル1〜4および正極サンプル7〜9のT100mΩをα/βに対してプロットしたグラフである。図示されるように、α/βが0.56を超えるとT100mΩが急に上昇することが確認された。この結果は、α/βの好適範囲の上限を0.56とすることの技術的意義を裏付けるものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 車両
10 リチウムイオン二次電池(非水二次電池)
11 容器
14 正極端子
16 負極端子
30 捲回電極体
32 正極シート(正極、導電材付き電極)
32A 合剤層非形成部
322 正極集電体
324 導電層
326 正極合剤層
34 負極シート(負極)
34A 合剤層非形成部
35 セパレータシート(セパレータ)
100 非水二次電池

Claims (7)

  1. 正極と負極と非水電解液とを備えた非水二次電池であって、
    前記正極および前記負極の少なくとも一方は、電極活物質を含む電極合剤と、該電極合剤を保持する集電体と、前記集電体と前記電極合剤との間に介在された導電層とを有し、
    ここで、前記導電層は、導電材と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを含み、核磁気共鳴スペクトルに基づく前記ポリフッ化ビニリデンのα晶とβ晶との質量比(α/β)が0.35〜0.56である、非水二次電池。
  2. 前記導電層は、示差走査熱量測定に基づく前記ポリフッ化ビニリデンの融解開始温度が130℃以上155℃未満である、請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 前記導電層は、示差走査熱量測定に基づく前記ポリフッ化ビニリデンの第一吸熱ピーク温度が135℃以上160℃以下である、請求項1または2に記載の非水二次電池。
  4. 前記導電層は、前記導電材の質量に対して、その1.2倍以上の質量の前記ポリフッ化ビニリデンを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の非水二次電池。
  5. 前記正極と前記負極との間に介在されたセパレータをさらに備え、
    ここで、前記セパレータは多孔性樹脂層を備え、温度が130℃〜135℃まで上昇するとシャットダウンするように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の非水二次電池。
  6. 車両の駆動電源として用いられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の非水二次電池。
  7. 正極と負極と非水電解液とを備えた非水二次電池を製造する方法であって:
    電極活物質を含む電極合剤と、該電極合剤を保持する集電体と、前記集電体と前記電極合剤との間に介在された導電層と、を有する導電層付き電極を作製する工程;および、
    前記正極および前記負極の少なくとも一方として前記導電層付き電極を使用して非水二次電池を構築する工程;
    を包含し、
    ここで、前記導電層付き電極を作製する工程は:
    導電材とポリフッ化ビニリデンとを含む導電層形成用組成物を前記集電体に付与して導電層を形成すること;
    前記導電層を、120℃を超える温度で熱処理すること;および、
    前記導電層が形成された集電体に前記電極合剤を付与すること;
    を包含する、非水二次電池製造方法。
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