JP2017168419A - 多孔質層 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れた非水電解液二次電池用の多孔質層等を提供する。【解決手段】非水電解液二次電池用多孔質層は、無機フィラーと、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とを含み、無機フィラーおよびポリフッ化ビニリデン系樹脂の総重量に対する無機フィラーの含有量が、50重量%以上であり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂における、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、α型結晶の含有量が45モル%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質層に関する。
リチウム二次電池等の非水電解液二次電池(以下、「非水二次電池」とも称する)は、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器に用いる電池として広く使用されている。
リチウムイオン電池を搭載する機器では充電器や電池パックに多種類の電気的保護回路を設け、電池を正常、安全に作動させる対策を施しているが、例えば、これら保護回路の故障や誤作動により、リチウムイオン電池が充電され続けると、発熱を伴う正負極表面での電解液の酸化還元分解や、正極活物質の分解による酸素放出、さらには負極における金属リチウムの析出が起こり、最終的に熱暴走状態に陥ることで、場合によって電池の発火や破裂を引き起こす危険がある。
このような危険な熱暴走状態に至る前に電池を安全に停止させるため、現在ほとんどのリチウムイオン電池には、何らかの不具合で電池内部温度が上昇すると約130℃〜140℃で多孔質基材に開いている細孔が閉塞するシャットダウン機能を有するポリオレフィンを主成分とする多孔質基材が、セパレータとして使用されている。電池内部温度上昇時に当該機能が発現することで、セパレータを透過するイオンを遮断し、電池を安全に停止させることができる。
一方、ポリオレフィンを主成分とする多孔質基材は、電極との接着性が悪いために、電池容量の低下やサイクル特性の低下を引き起こすおそれがあり、前記多孔質基材の電極への接着性を改善する目的で、前記多孔質基材の少なくとも一面に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む多孔質層を積層させたセパレータ、および、その表面にポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む多孔質層を積層させた電極の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、耐熱性粒子として無機粒子を含有し、バインダー樹脂としてポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む多孔質層を多孔質膜(多孔質膜)表面に積層してなるセパレータが開示されている。
特開2008−123996号公報(2008年5月29日公開)
しかしながら、上述した従来の多孔質層を備える非水二次電池は、そのサイクル特性が十分ではなかった。
本発明者は、非水電解液二次電池、特に非水電解液二次電池用セパレータを構成する、無機フィラーとポリフッ化ビニリデン系樹脂とを含む多孔質層において、該ポリフッ化ビニリデン系樹脂の結晶形に着目し、該ポリフッ化ビニリデン系樹脂におけるα型結晶およびβ型結晶の占める割合を特定の範囲とすることにより、前記多孔質層を、サイクル特性に優れた非水二次電池を構成する部材として利用することができることを見出し、本発明に想到した。
本発明は、以下の[1]〜[11]に示す発明を含む。
[1]無機フィラーと、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とを含む多孔質層であって、
前記無機フィラーおよび前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の総重量に対する前記無機フィラーの含有量が、50重量%以上であり、
前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂における、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、前記α型結晶の含有量が45モル%以上である、非水電解液二次電池用多孔質層。
(ここで、α型結晶の含有量は、前記多孔質層の19F−NMRスペクトルにおける、−76ppm付近にて観測される(α/2)の波形分離、および、−95ppm付近にて観測される{(α/2)+β}の波形分離から算出される。)
[2]前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂における、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、前記α型結晶の含有量が45モル%以上、83モル%以下であることを特徴とする、[1]に記載の非水電解液二次電池用の絶縁性多孔質層。
[3]前記無機フィラーおよび前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の総重量に対する前記無機フィラーの含有量が、70重量%以上、99重量%以下である、[1]または[2]に記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
[4]前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体、または、これらの混合物である、[1]〜[3]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
[5]前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が、30万以上、300万以下である、[1]〜[4]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
[6]前記無機フィラーがケイ素(Si)および/またはケイ素化合物を含み、
前記無機フィラーにおける、ケイ素(Si)の含有量が、前記無機フィラーの総重量に対して、2000ppm以下である、[1]〜[5]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
[7]ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一方の面に積層された、[1]〜[6]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層と、を含む積層体。
[8]ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一方の面に積層された、[1]〜[6]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層を含む、非水電解液二次電池用セパレータ。
[9]正極シートまたは負極シートと、前記正極シートまたは前記負極シートの少なくとも一方の面に積層された、[1]〜[6]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層を含む、非水電解液二次電池用電極。
[10]正極、[1]〜[6]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層、および負極がこの順で配置されてなることを特徴とする、非水電解液二次電池用部材。
[11][1]〜[6]の何れか1つに記載の非水電解液二次電池用多孔質層を含む、非水電解液二次電池。
本発明は、サイクル特性に優れる非水二次電池を構成する部材として好適に利用することができるという効果を奏する。また、本発明に係る積層体は、前記多孔質層を含んでおり、サイクル特性に優れる非水二次電池を構成する部材として好適に利用することができるという効果を奏する。さらに、本発明に係る非水二次電池用セパレータ、非水二次電池用電極、非水電解液二次電池用部材および非水電解液二次電池も、前記多孔質層を含んでおり、サイクル特性に優れるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に関して以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、「重量」と「質量」との記載は、同一の意味を示し、「重量%」と「質量%」との記載も、同一の意味を示す。
[実施形態1:多孔質層]
本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用多孔質層(以下、単に多孔質層とも称する)は、無機フィラーと、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とを含む多孔質層であって、前記無機フィラーおよび前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の総重量に対する前記無機フィラーの含有量が、50重量%以上であり、前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂における、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、前記α型結晶の含有量が45モル%以上であることを特徴とする。ここで、α型結晶の含有量は、前記多孔質層の19F−NMRスペクトルにおける、−76ppm付近にて観測される(α/2)の波形分離、および、−95ppm付近にて観測される{(α/2)+β}の波形分離から算出される。
本発明に係る非水電解液二次電池用多孔質層は、非水電解液二次電池において、非水電解液二次電池用セパレータまたは非水電解液二次電池電極を構成する部材として使用される多孔質層である。
本発明に係る多孔質層は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂(PVDF系樹脂)を含む。多孔質層は、内部に多数の細孔を有し、これら細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体或いは液体が通過可能となった層である。また、本発明に係る多孔質層が非水二次電池用セパレータを構成する部材として使用される場合、前記多孔質層は、当該セパレータの最外層として、電極と接着する層となり得る。さらに、本発明に係る多孔質層が、非水二次電池用電極を構成する部材として使用される場合、前記多孔質層は、当該電極の最外層として、非水電解液二次電池用セパレータと接着する層となり得る。
本発明に係る多孔質層におけるPVDF系樹脂の含有量は、多孔質層全体の質量に対して、3質量%以上、50質量%以下が好ましく、5質量%以上、30質量%以下がより好ましい。前記PVDF系樹脂の含有量が3質量%以上であることは、フィラー間の密着性を向上させる観点、すなわち前記多孔質層からのフィラーの脱落防止の観点から好ましく、前記PVDF系樹脂の含有量が50質量%以下であることは、電池特性(特にイオン透過抵抗)および耐熱性の観点から好ましい。
PVDF系樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデンの単独重合体(すなわちポリフッ化ビニリデン);フッ化ビニリデンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(ポリフッ化ビニリデン共重合体);これらの混合物;が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、トリクロロエチレン、フッ化ビニル等が挙げられ、1種類または2種類以上を用いることができる。PVDF系樹脂は、乳化重合または懸濁重合で合成し得る。
PVDF系樹脂は、その構成単位としてフッ化ビニリデンが通常、85モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは98モル%以上含まれている。フッ化ビニリデンが85モル%以上含まれていると、電池製造時の加圧や加熱に耐え得る機械的強度と耐熱性とを確保し易い。
また、多孔質層は、例えば、ヘキサフルオロプロピレンの含有量が互いに異なる2種類のPVDF系樹脂(下記第一の樹脂と第二の樹脂)を含有する態様も好ましい。
・第一の樹脂:ヘキサフルオロプロピレンの含有量が0モル%を超え、1.5モル%以下であるフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはフッ化ビニリデン単独重合体(ヘキサフルオロプロピレンの含有量が0モル%)。
・第二の樹脂:ヘキサフルオロプロピレンの含有量が1.5モル%を超えるフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体。
前記2種類のPVDF系樹脂を含有する多孔質層は、何れか一方を含有しない多孔質層に比べて、電極との接着性が向上する。また、前記2種類のPVDF系樹脂を含有する多孔質層は、何れか一方を含有しない多孔質層に比べて、非水二次電池用セパレータを構成する他の層(例えば、多孔質基材層)との接着性が向上し、これら層間の剥離力が向上する。第一の樹脂と第二の樹脂との混合比(質量比、第一の樹脂:第二の樹脂)は、15:85〜85:15の範囲が好ましい。
PVDF系樹脂は、重量平均分子量が30万〜300万の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が30万以上であると、多孔質層が電極との接着処理に耐え得る力学物性を確保することができ、十分な接着性が得られる傾向がある。一方、重量平均分子量が300万以下であると、塗工成形するときの塗工液の粘度が高くなり過ぎずに成形性に優れる傾向がある。重量平均分子量は、より好ましくは30万〜200万の範囲であり、さらに好ましくは50万〜150万の範囲である。
PVDF系樹脂のフィブリル径は、前記多孔質層を含む非水二次電池のサイクル特性の観点から、10nm〜1000nmの範囲であることが好ましい。
本発明に係る多孔質層は、PVDF系樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体;アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体または共重合体;ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル類;等が挙げられる。
本発明に係る多孔質層は、無機フィラーを含み、その含有量は、前記無機フィラーおよび前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の総重量に対して、50重量%以上である。前記無機フィラーの含有量は、70重量%以上、99質量%以下であることが好ましく、90重量%以上、98重量%以下であることがより好ましい。前記無機フィラーの含有量が、50質量%以上であることが耐熱性の観点から好ましく、前記無機フィラーの含有量が、99質量%以下であることがフィラー間の密着性の観点から好ましい。無機フィラーを含有することで、前記多孔質層を含むセパレータの滑り性や耐熱性を向上し得る。無機フィラーとしては、非水電解液に安定であり、かつ、電気化学的に安定な無機フィラーであれば特に限定されない。電池の安全性を確保する観点からは、耐熱温度が150℃以上のフィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、水酸化ジルコニウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素等の金属水酸化物;アルミナ、ジルコニア等の金属酸化物、およびその水和物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、タルク等の粘土鉱物;等が挙げられる。難燃性付与等の電池安全性向上の観点から、金属水酸化物、金属酸化物の水和物、炭酸塩が好ましく、絶縁性ならびに耐酸化性の観点から金属酸化物が好ましい。
また、前記無機フィラーは、ケイ素(Si)および/またはケイ素化合物を含有していることが好ましい。さらに、前記無機フィラーが、ケイ素(Si)および/またはケイ素化合物を含有する無機フィラーである場合には、前記無機フィラーに含まれるケイ素(Si)の含有量が、前記無機フィラーの総重量に対して、2000ppm以下であることが好ましく、0.01ppm以上、1000ppm以下であることがより好ましく、1ppm以上、500ppm以下であることさらに好ましい。前記Si含有量が、前記無機フィラーの総重量に対して、2000ppmを超えると、無機フィラーとポリフッ化ビニリデン系樹脂との密着性が低下するおそれがあり、結果として、電池特性が低下するおそれがある。
また、前記無機フィラーは、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記無機フィラーの体積平均粒子径は、良好な接着性と滑り性の確保、および積層体の成形性の観点から、0.01μm〜10μmの範囲であることが好ましい。その下限値としては0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。その上限値としては5μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。
前記無機フィラーの形状は、任意であり、特に限定されない。前記無機フィラーの形状は、粒子状であり得、例えば、球形状、楕円形状、板状、棒状、不定形状の何れでもよい。電池の短絡防止の観点から、前記無機フィラーは、板状の粒子や、凝集していない一次粒子であることが好ましい。
フィラーは、多孔質層の表面に微細な凹凸を形成することで滑り性を向上させ得るものであるが、フィラーが板状の粒子や凝集していない一次粒子である場合には、フィラーによって多孔質層の表面に形成される凹凸がより微細になり、多孔質層と電極との接着性がより良好となる。
本発明に係る多孔質層における平均膜厚は、電極との接着性および高エネルギー密度を確保する観点から、多孔質基材の片面において0.5μm〜10μmの範囲であることが好ましく、1μm〜5μmの範囲であることがより好ましい。
本発明に係る多孔質層は、イオン透過性の観点から十分に多孔化された構造であることが好ましい。具体的には、空孔率が30%〜60%の範囲であることが好ましい。また、本発明に係る多孔質層は、平均孔径が20nm〜100nmの範囲であることが好ましい。
本発明に係る多孔質層における表面粗さは、十点平均粗さ(Rz)で、0.8μm〜8.0μmの範囲が好ましく、0.9μm〜6.0μmの範囲がより好ましく、1.0μm〜3.0μmの範囲がさらに好ましい。十点平均粗さ(Rz)は、JIS B 0601−1994(またはJIS B 0601−2001のRzjis)に準じた方法により測定される値である。具体的には、Rzは、小坂研究所社製のET4000を用いて、測定長さ1.25mm、測定速度0.1mm/秒、温湿度25℃/50%RHの条件にて測定される値である。
本発明に係る多孔質層における動摩擦係数は、0.1〜0.6が好ましく、0.1〜0.4がより好ましく、0.1〜0.3がさらに好ましい。動摩擦係数は、JIS K 7125に準じた方法により測定される値である。具体的には、本発明における動摩擦係数は、ヘイドン社製のサーフェイスプロパティテスターを用いて測定される値である。
<PVDF系樹脂の結晶形>
本発明に係る多孔質層に含まれるPVDF系樹脂において、α型結晶およびβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合のα型結晶の含有量は、45モル%以上であり、好ましくは46モル%以上であり、より好ましくは60モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上である。また、好ましくは90モル%以下であり、より好ましくは83モル%以下であり、さらに好ましくは75モル%以下である。言い換えれば、好ましくは46モル%以上、90モル%以下であり、より好ましくは60モル%以上、83モル%以下であり、さらに好ましくは70モル%以上、75モル%以下である。前記α型結晶の含有量が上述の範囲であることによって、前記多孔質層は、サイクル特性に優れた非水二次電池、特に非水二次電池用セパレータまたは非水電解液二次電池用電極を構成する部材として利用され得る。
本発明に係る多孔質層がサイクル特性に優れた非水二次電池を構成する部材として利用され得る理由としては、以下に示す理由が考えられる。
非水電解液二次電池において、充放電時に生じる発熱により、充放電を繰り返す場合には、非水電解液二次電池内の温度が高温となる。通常、非水電解液二次電池用部材としてのPVDF系樹脂を含有する多孔質層においては、融点がα型結晶よりも低いβ型結晶が多く含まれており、充放電を繰り返す場合に生じる高温により、非水電解液二次電池の部材である多孔質層に含まれるバインダー樹脂(PVDF系樹脂)が塑性変形することにより、多孔質層内部の構造の変形および多孔質層における空隙の閉塞などが起こり、結果として、多孔質層のイオン透過率が低下し、前記多孔質層を部材とする非水電解液二次電池のサイクル特性(充放電サイクル後のレート特性)が低下するおそれがある。
一方、本発明に係る多孔質層においては、β型結晶のPVDF系樹脂よりも耐熱性に優れる(融点が高い)α型結晶のPVDF系樹脂割の含有率が、一般の非水電解液二次電池用部材としてのPVDF系樹脂を含む多孔質層におけるα型結晶のPVDF系樹脂割の含有率よりも多い。従って、本発明に係る多孔質層を非水電解液二次電池用部材として使用することによって、充放電を繰り返す場合に生じる高温により引き起こされ得るバインダー樹脂(PVDF系樹脂)の塑性変形を抑制することができると考えられる。その結果、本発明に係る多孔質層は、充放電を繰り返す場合においても、そのイオン透過性は低下せず、前記多孔質層を部材とする非水電解液二次電池の充放電サイクル後のレート特性も低下せず、当該非水電解液二次電池のサイクル特性が向上すると考えられる。
α型結晶のPVDF系樹脂は、PVDF系樹脂を構成する重合体に含まれるPVDF骨格において、前記骨格中の分子鎖にある1つの主鎖炭素原子に結合するフッ素原子(または水素原子)に対し、一方の隣接する炭素原子に結合した水素原子(またはフッ素原子)がトランスの位置に存在し、かつ、もう一方(逆側)に隣接する炭素原子に結合する水素原子(またはフッ素原子)がゴーシュの位置(60°の位置)に存在し、その立体構造の連鎖が2つ以上連続する
Figure 2017168419
であることを特徴とするものであって、分子鎖が、
Figure 2017168419
型でC−F、C−H結合の双極子能率が分子鎖に垂直な方向と平行な方向とにそれぞれ成分を有している。
α型結晶のPVDF系樹脂は、19F−NMRスペクトルにおいて、−95ppm付近、−78ppm付近に特徴的なピークを有する。また、α型結晶のPVDF系樹脂は、IRスペクトルにおいて、1212cm−1付近、1183cm−1付近および765cm−1付近に特徴的なピーク(特性吸収)を有し、粉末X線回折分析において、2θ=17.7°付近、18.3°付近および19.9°付近に特徴的なピークを有する。
β型結晶のPVDF系樹脂は、PVDF系樹脂を構成する重合体に含まれるPVDF骨格において、前記骨格中の分子鎖の1つの主鎖炭素に隣り合う炭素原子に結合したフッ素原子と水素原子がそれぞれトランスの立体配置(TT型構造)、すなわち隣り合う炭素原子に結合するフッ素原子と水素原子とが、炭素−炭素結合の方向から見て180°の位置に存在することを特徴とする。
β型結晶のPVDF系樹脂は、PVDF系樹脂を構成する重合体に含まれるPVDF骨格において、前記骨格全体が、TT型構造を有していてもよい。また、前記骨格の一部がTT型構造を有し、かつ、少なくとも4つの連続するPVDF単量体単位のユニットにおいて前記TT型構造の分子鎖を有するものであってもよい。何れの場合もTT型構造の部分がTT型の主鎖を構成する炭素−炭素結合は、平面ジグザグ構造を有し、C−F、C−H結合の双極子能率が分子鎖に垂直な方向の成分を有している。
β型結晶のPVDF系樹脂は、19F−NMRスペクトルにおいて、−95ppm付近に特徴的なピークを有する。また、β型結晶のPVDF系樹脂は、IRスペクトルにおいて、1274cm−1付近、1163cm−1付近および840cm−1付近に特徴的なピーク(特性吸収)を有し、粉末X線回折分析において、2θ=21°付近に特徴的なピークを有する。
<PVDF系樹脂におけるα型結晶、β型結晶の含有率の算出方法>
本発明に係る多孔質層における、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、α型結晶の含有率およびβ型結晶の含有率は、前記多孔質層から得られる19F−NMRスペクトルから算出され得る。具体的な算出方法は、例えば、以下の通りである。
(1)PVDF系樹脂を含有する多孔質層に対して、以下の条件にて19F−NMRスペクトルを測定する。
測定条件
測定装置:Bruker Biospin社製 AVANCE400
測定方法:シングルパルス法
観測核:19
スペクトル幅:200kHz
パルス幅:3.0s(90°パルス)
パルス繰り返し時間:10.0s
基準物質:C(外部基準:−163.0ppm)
温度:22℃
試料回転数:24kHz
(2)(1)にて得られた19F−NMRスペクトルにおける−78ppm付近のスペクトルの積分値を算出し、α/2量とする。
(3)(2)と同様に、(1)にて得られた19F−NMRスペクトルにおける−95ppm付近のスペクトルの積分値を算出し、{(α/2)+β}量とする。
(4)(2)および(3)にて得られた積分値から、以下の式(1)にて、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合のα型結晶の含有率(α比とも称する)を算出する。
α比(モル%)=〔(−78ppm付近の積分値)×2/{(−95ppm付近の積分値)−(−78ppm付近の積分値)}〕×100 (1)
(5)(4)にて得られたα比の値から、以下の式(2)にて、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合のβ型結晶の含有率(β比とも称する)を算出する。
β比(モル%)=100(モル%)−α比(モル%) (2)。
[多孔質層の製造方法]
本発明に係る多孔質層は、例えば、後述する本発明に係る積層体、非水二次電池用セパレータおよび非水二次電池用電極の製造方法と同様の方法にて製造され得る。
[実施形態2、3、4:積層体、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池用電極]
本発明の実施形態2、3および4として、本発明に係る積層体、本発明に係る非水電解液二次電池用セパレータ(非水二次電池用セパレータとも称する)および本発明に係る非水電解液二次電池用電極(非水二次電池用電極とも称する)に関して以下に説明する。
本発明に係る積層体は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一方の面に積層された、本発明の実施形態1に係る多孔質層と、を含むことを特徴としている。本発明に係る非水二次電池用セパレータは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一方の面に積層された、本発明の実施形態1に係る多孔質層と、を含むことを特徴としている。本発明に係る非水二次電池用電極は、正極シートまたは負極シートと、前記正極シートまたは前記負極シートの少なくとも一方の面に積層された、本発明の実施形態1に係る多孔質層と、を含むことを特徴としている。
以下に、本発明に係る積層体および非水二次電池用セパレータを構成する多孔質基材、本発明に係る非水二次電池用電極を構成する正極シートおよび負極シート、並びに、本発明に係る積層体、非水二次電池用セパレータおよび非水二次電池用電極の製造方法に関して説明する。
<多孔質基材>
本発明の積層体または非水二次電池用セパレータにおける多孔質基材は、ポリオレフィンを主成分とする多孔質かつ膜状の基材(ポリオレフィン系多孔質基材)であればよく、微多孔膜であることが好ましい。すなわち、多孔質基材は、その内部に連結した細孔を有する構造を有し、一方の面から他方の面に気体や液体が透過可能であるポリオレフィンを主成分とする多孔質フィルムであることが好ましい。多孔質基材は、1つの層から形成されるものであってもよいし、複数の層から形成されるものであってもよい。
多孔質基材におけるポリオレフィン成分の割合は、多孔質基材全体の、通常、50体積%以上であり、90体積%以上であることが好ましく、95体積%以上であることがより好ましい。多孔質基材のポリオレフィン成分には、重量平均分子量が5×10〜15×10の範囲の高分子量成分が含まれていることが好ましい。多孔質基材のポリオレフィン成分として特に重量平均分子量100万以上のポリオレフィン成分が含まれることにより、多孔質基材、並びに、積層体および非水二次電池用セパレータ全体の強度が高くなるため好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等を重合してなる高分子量の単独重合体または共重合体が挙げられる。多孔質基材は、これらのポリオレフィンを1種類含む層、および/または、これらのポリオレフィンの2種類以上を含む層、である。特に、エチレンを主体とする高分子量のポリエチレンが好ましい。なお、多孔質基材は、当該層の機能を損なわない範囲で、ポリオレフィン以外の成分を含むことを妨げない。
多孔質基材の透気度は、通常、ガーレ値で30秒/100cc〜500秒/100ccの範囲であり、好ましくは、50秒/100cc〜300秒/100ccの範囲である。多孔質基材が、前記範囲の透気度を有すると、多孔質基材がセパレータを構成する部材として使用された場合に、当該セパレータは十分なイオン透過性を得ることができる。
多孔質基材の膜厚は、積層体または非水二次電池用セパレータの積層数を勘案して適宜決定される。特に多孔質基材の片面(または両面)に多孔質層を形成する場合において、多孔質基材の膜厚は、4μm〜40μmの範囲が好ましく、7μm〜30μmの範囲がより好ましい。
多孔質基材の目付は、積層体の強度、膜厚、ハンドリング性および重量、さらには、非水二次電池のセパレータを構成する部材として用いた場合の当該電池の重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができる点で、通常、4g/m〜20g/mの範囲であり、5g/m〜12g/mの範囲が好ましい。
このような多孔質基材としては、例えば、特開2013−14017号公報に記載の多孔質ポリオレフィン層、特開2012−54229号公報に記載のポリオレフィン多孔膜、および特開2014−040580号公報に記載のポリオレフィン基材多孔質フィルム等を好適に利用することができる。
多孔質基材の製造方法に関しても、公知の手法を用いることができ、特に限定されない。例えば、特開平7−29563号公報に記載されたように、熱可塑性樹脂に可塑剤を加えてフィルム成形した後、該可塑剤を適当な溶媒で除去する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、多孔質基材が、超高分子量ポリエチレンおよび重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂から形成されてなる場合には、製造コストの観点から、以下に示す工程(1)〜(4)を含む方法により製造することが好ましい。
(1)超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5重量部〜200重量部と、炭酸カルシウム等の無機充填剤100重量部〜400重量部とを混練してポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を用いてシートを成形する工程、
(3)工程(2)で得られたシート中から無機充填剤を除去する工程、
(4)工程(3)で得られたシートを延伸する工程。
その他、上述した各特許文献に記載の方法を利用してもよい。
また、多孔質基材に関しては、上述した特性を有する市販品を用いてもよい。
また、多孔質基材には、多孔質層を形成する前に、つまり、後述する塗工液を塗工する前に、親水化処理を施しておくことがより好ましい。多孔質基材に親水化処理を施しておくことにより、塗工液の塗工性がより向上し、それゆえ、より均一な多孔質層を形成することができる。この親水化処理は、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)に占める水の割合が高い場合に有効である。前記親水化処理としては、具体的には、例えば、酸やアルカリ等による薬剤処理、コロナ処理、プラズマ処理等の公知の処理が挙げられる。前記親水化処理のうち、比較的短時間で多孔質基材を親水化することができる上に、親水化が多孔質基材の表面近傍のみに限られ、多孔質基材の内部を変質しないことから、コロナ処理がより好ましい。
多孔質基材は、必要に応じて、本発明の実施形態1に係る多孔質層の他に、別の多孔質層を含んでいてもよい。当該別の多孔質層としては、耐熱層や接着層、保護層等の公知の多孔質層が挙げられる。具体的な別の多孔質層としては、本発明の実施形態1に係る多孔質層と同じ組成の多孔質層が挙げられる。
<正極シート>
正極シートは、通常、非水電解液二次電池の正極または当該正極の部材として使用され得るシートであり、正極活物質およびバインダー樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える。なお、前記活物質層は、更に導電助剤を含んでもよい。
正極活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物等が挙げられ、具体的には、LiCoO、LiNiO、LiMn1/2Ni1/2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3、LiMn、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2、LiAl1/4Ni3/4等が挙げられる。
正極におけるバインダー樹脂としては、例えばPVDF系樹脂等が挙げられる。
導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末といった炭素材料が挙げられる。
正極における集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、アルミニウム箔、チタン箔、ステンレス箔等が挙げられる。
<負極シート>
負極シートは、非水電解液二次電池の負極または当該負極の部材としてとして使用され得るシートであり、負極活物質およびバインダー樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える。なお、前記活物質層は、更に導電助剤を含んでもよい。
負極活物質としては、リチウムを電気化学的に吸蔵し得る材料が挙げられ、具体的には、例えば、炭素材料;ケイ素、スズ、アルミニウム等とリチウムとの合金;等が挙げられる。
負極におけるバインダー樹脂としては、例えばPVDF系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。本発明の非水二次電池においては、負極バインダーとしてスチレン−ブタジエンゴムを用いた場合でも、負極に対し十分な接着性を確保することができる。
負極における導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末といった炭素材料が挙げられる。
負極における集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等が挙げられる。また、前記の負極に代えて、金属リチウム箔を負極として用いてもよい。
<積層体、非水電解液二次電池用セパレータの製造方法>
本発明の実施形態2、3に係る積層体、非水電解液二次電池用セパレータを製造する方法は、特に限定されず、種々の方法が挙げられる。
例えば、多孔質基材となるポリオレフィン系樹脂微多孔膜の表面上に、以下に示す工程(1)〜(3)の何れかの1つの工程を用いて、無機フィラーおよびPVDF系樹脂を含む多孔質層を形成する。工程(2)および(3)の場合においては、多孔質層を析出させた後にさらに乾燥させ、溶媒を除去することによって、製造され得る。なお、工程(1)〜(3)における塗工液は、無機フィラーが分散しており、かつ、PVDF系樹脂が溶解している状態であることが好ましい。
(1)前記多孔質層を形成する無機フィラーおよびPVDF系樹脂の微粒子を含む塗工液を、多孔質基材上に塗工し、前記塗工液中の溶媒(分散媒)を乾燥除去することによって多孔質層を形成させる工程。
(2)前記多孔質層を形成する無機フィラーおよびPVDF系樹脂を含む塗工液を、前記多孔質基材の表面に塗工した後、その多孔質基材を前記PVDF系樹脂に対して貧溶媒である、析出溶媒に浸漬することによって、前記無機フィラーおよび前記PVDF系樹脂を含む多孔質層を析出させる工程。
(3)前記多孔質層を形成する無機フィラーおよびPVDF系樹脂を含む塗工液を、前記多孔質基材の表面に塗工した後、低沸点有機酸を用いて、前記塗工液の液性を酸性にすることによって、前記無機フィラーおよび前記PVDF系樹脂を含む多孔質層を析出させる工程。
前記塗工液における溶媒(分散媒)は、多孔質基材に悪影響を及ぼさず、PVDF系樹脂を均一かつ安定に溶解または分散し、前記フィラーを均一かつ安定に分散させることができればよく、特に限定されるものではない。前記溶媒(分散媒)としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、および水が挙げられる。
前記析出溶媒には、例えば、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)に溶解し、かつ、塗工液に含まれるPVDF系樹脂を溶解しない他の溶媒(以下、溶媒Xとも称する)を使用することができる。塗工液が塗布されて塗膜が形成された多孔質基材を前記溶媒Xに浸漬し、多孔質基材上または支持体上の塗膜中の溶媒(分散媒)を溶媒Xで置換した後に、溶媒Xを蒸発させることにより、塗工液から溶媒(分散媒)を効率よく除去することができる。析出溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコールまたはt−ブチルアルコールを用いることが好ましい。
前記工程(3)において、低沸点有機酸としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、酢酸等を使用することができる。
多孔質層の塗工量(目付)は、電極との接着性およびイオン透過性の観点から、多孔質基材の片面において、通常、固形分で0.5〜20g/mであることが好ましく、0.5〜10g/mであることがより好ましく、0.5g/m〜1.5g/mの範囲であることがさらに好ましい。すなわち、得られる積層体および非水二次電池用セパレータにおける多孔質層の塗工量(目付)が上述の範囲となるように、前記多孔質基材上に塗布する前記塗工液の量を調節することが好ましい。
また、前記積層体に、さらに耐熱層などの他の層を積層する場合には、多孔質層を構成する樹脂の代わりに前記耐熱層を構成する樹脂を用いること以外は、上述した方法と同様の方法を行うことにより、耐熱層を積層させることができる。
本実施形態では、前記工程(1)〜(3)において、多孔質層を形成する樹脂を溶解または分散させた溶液中の樹脂量を変化させることにより、電解液に浸漬した後の多孔質層1平方メートル当たりに含まれる、電解液を吸収した樹脂の体積を調整することができる。
また、多孔質層を形成する樹脂を溶解または分散させる溶媒量を変化させることにより、電解液に浸漬した後の多孔質層の空隙率、平均細孔径を調整することができる。
<非水電解液二次電池用電極の製造方法>
本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極を製造する方法は、特に限定されず、種々の方法が挙げられる。なお、工程(1)〜(3)における塗工液は、無機フィラーが分散しており、かつ、PVDF系樹脂が溶解している状態であることが好ましい。
例えば、上で挙げた本発明の実施形態2、3に係る積層体、非水電解液二次電池用セパレータの製造方法において、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質基材の代わりに、上で挙げた正極シートまたは負極シートを使用する方法を挙げることができる。具体的な方法としては、(1)〜(3)の何れかの1つの工程を用いて、無機フィラーおよびPVDF系樹脂を含む多孔質層を形成する。工程(2)および(3)の場合においては、多孔質層を析出させた後にさらに乾燥させ、溶媒を除去することによって、製造され得る。
(1)前記多孔質層を形成する無機フィラーおよびPVDF系樹脂の微粒子を含む塗工液を、前記正極シートまたは前記負極シートの表面に塗工し、前記塗工液中の溶媒を乾燥除去することによって多孔質層を形成させる工程。
(2)前記多孔質層を形成する無機フィラーおよびPVDF系樹脂を溶解させた塗工液を、前記正極シートまたは前記負極シートの表面に塗工した後、その正極シートまたは負極シートを前記PVDF系樹脂に対して貧溶媒である、析出溶媒に浸漬することによって、前記無機フィラーおよび前記PVDF系樹脂を含む多孔質層を析出させる工程。
(3)前記多孔質層を形成する無機フィラーおよびPVDF系樹脂を溶解させた塗工液を、前記正極シートまたは前記負極シートの表面に塗工した後、低沸点有機酸を用いて、前記塗工液の液性を酸性にすることによって、前記無機フィラーおよび前記PVDF系樹脂を含む多孔質層を析出させる工程。
前記塗工液における溶媒(分散媒)は、前記正極シートまたは前記負極シート、すなわち電極の性能に悪影響を及ぼさず、PVDF系樹脂を均一かつ安定に溶解または分散し、前記フィラーを均一かつ安定に分散させることができればよく、特に限定されるものではない。前記溶媒(分散媒)としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、および水が挙げられる。
前記析出溶媒には、例えば、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)に溶解し、かつ、塗工液に含まれるPVDF系樹脂を溶解しない他の溶媒(溶媒X)を使用することができる。塗工液が塗布されて塗膜が形成された前記正極シートまたは前記負極シートを前記溶媒Xに浸漬し、前記正極シート上若しくは前記負極シート上、または支持体上の塗膜中の溶媒(分散媒)を溶媒Xで置換した後に、溶媒Xを蒸発させることにより、塗工液から溶媒(分散媒)を効率よく除去することができる。析出溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコールまたはt−ブチルアルコールを用いることが好ましい。
前記工程(3)において、低沸点有機酸としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、酢酸等を使用することができる。
多孔質層の塗工量(目付)は、電極シートとの接着性およびイオン透過性の観点から、前記正極シートまたは前記負極シートの片面において、通常、固形分で0.5〜20g/mであることが好ましく、0.5〜10g/mであることがより好ましく、0.5g/m〜1.5g/mの範囲であることがさらに好ましい。すなわち、得られる非水電解液二次電池用電極における多孔質層の塗工量(目付)が上述の範囲となるように、前記正極シート上または前記負極シート上に塗布する前記塗工液の量を調節することが好ましい。
また、前記非水電解液二次電池用電極に、さらに耐熱層などの他の層を積層する場合には、多孔質層を構成する樹脂の代わりに前記耐熱層を構成する樹脂を用いること以外は、上述した方法と同様の方法を行うことにより、耐熱層を積層させることができる。
本実施形態では、前記工程(1)〜(3)において、多孔質層を形成する樹脂を溶解または分散させた溶液中の樹脂量を変化させることにより、電解液に浸漬した後の多孔質層1平方メートル当たりに含まれる、電解液を吸収した樹脂の体積を調整することができる。
また、多孔質層を形成する樹脂を溶解または分散させる溶媒量を変化させることにより、電解液に浸漬した後の多孔質層の空隙率、平均細孔径を調整することができる。
<PVDF系樹脂の結晶形の制御方法>
また、本発明に係る、積層体、非水二次電池用セパレータおよび非水二次電池用電極は、上述の方法における乾燥条件(乾燥温度、乾燥時の風速および風向、など)および/または析出温度(PVDF系樹脂を含む多孔質層を析出溶媒または低沸点有機酸を用いて析出させる場合の析出温度)を調節することによって、得られる多孔質層に含まれるPVDF系樹脂の結晶形を制御して製造される。具体的には、前記PVDF系樹脂において、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、α型結晶の含有量が45モル%以上となるように、前記乾燥条件および前記析出温度を調節して、本発明に係る、積層体、非水二次電池用セパレータおよび非水二次電池用電極が製造され得る。
前記PVDF系樹脂において、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、α型結晶の含有量を45モル%以上とするための前記乾燥条件および前記析出温度は、前記多孔質層の製造方法、使用する溶媒(分散媒)、析出溶媒および低沸点有機酸の種類等によって適宜変更され得る。
前記工程(1)のような析出溶媒を使用せず、単に塗工液を乾燥させる場合には、前記乾燥条件は、塗工液における、溶媒、PVDF系樹脂の濃度、および含まれる無機フィラーの量、並びに、塗工液の塗工量などによって適宜変更され得る。上述した工程(1)にて多孔質層を形成する場合は、乾燥温度は40℃〜100℃であることが好ましく、乾燥時における熱風の風向は塗工液を塗工した多孔質基材または電極シートに対して垂直方向であることが好ましく、風速は0.4m/s〜40m/sであることが好ましい。具体的には、PVDF系樹脂を溶解させる溶媒としてN−メチルピロリドン、PVDF系樹脂を1.0質量%、無機フィラーとしてアルミナを9.0質量%含む塗工液を塗布する場合には、前記乾燥条件を、乾燥温度:40℃〜100℃とし、乾燥時における熱風の風向:塗工液を塗工した多孔質基材または電極シートに対して垂直方向とし、風速:0.4m/s〜40m/sとすることが好ましい。
また、上述した工程(2)にて多孔質層を形成する場合は、析出温度は10℃〜60℃であることが好ましく、乾燥温度は40℃〜100℃であることが好ましい。具体的には、PVDF系樹脂を溶解させる溶媒としてN−メチルピロリドンを使用し、析出溶媒としてイソプロピルアルコールを使用して、上述した工程(2)にて多孔質層を形成する場合は、析出温度は10℃〜60℃とし、乾燥温度は40℃〜100℃とすることが好ましい。
[実施形態5、6:非水電解液二次電池用部材、非水電解液二次電池]
本発明の実施形態5および6として、非水電解液二次電池用部材(「非水二次電池用部材」とも称する)および非水電解液二次電池に関して以下に説明する。
本発明の非水二次電池用部材は、正極、本発明の実施形態1に係る多孔質層、および負極がこの順で配置されてなることを特徴とする。本発明の非水二次電池は、本発明の実施形態1に係る多孔質層を含むことを特徴とする。非水二次電池は、例えば、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池であって、正極と、本発明の多孔質層と、多孔質基材と、負極とがこの順で積層されてなる非水二次電池部材を備えるリチウムイオン二次電池である。以下、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。なお、多孔質層以外の非水二次電池の構成要素は、下記説明の構成要素に限定されるものではない。
本発明の非水二次電池は、正極と、負極と、本発明の多孔質層とを備えていればよく、その他の構成は特に限定されない。本発明の非水二次電池は、好ましくは、さらに多孔質基材を備える。本発明の非水二次電池は、通常、負極と正極とが、本発明の多孔質層および多孔質基材を含む上述した積層体を介して対向した構造体に電解液が含浸された電池要素が、外装材内に封入された構造を有する。非水二次電池は、非水電解質二次電池、特にはリチウムイオン二次電池であることが好ましい。なお、ドープとは、吸蔵、担持、吸着、または挿入を意味し、正極等の電極の活物質にリチウムイオンが入る現象を意味する。上述した本発明に係る積層体を非水二次電池用セパレータとして使用することにより製造された非水二次電池は、セパレータのハンドリング性に優れるので、製造歩留まりが高い。
非水二次電池用部材における正極としては、通常、上で挙げた正極シートを使用することができる。
非水二次電池の正極としては、上で挙げた正極シートまたは、正極シート上に本発明の実施形態1に係る多孔質層が積層してなる本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極を使用することができる。
非水二次電池用部材における負極としては、通常、上で挙げた負極シートを使用することができる。
非水二次電池の負極としては、上で挙げた負極シートまたは、負極シート上に本発明の実施形態1に係る多孔質層が積層してなる本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極を使用することができる。
電解液は、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した溶液である。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO等が挙げられる。
非水系溶媒としては、非水二次電池において一般に用いられる溶媒がすべて含まれ、例えば混合溶媒(エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチレンカーボネートの体積比が50:20:30)に限定されるものではない。
非水系溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート等の環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびそのフッ素置換体等の鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル;等が挙げられ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。
電解液としては、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを体積比(環状カーボネート/鎖状カーボネート)20/80〜40/60(より好ましくは30/70)で混合した溶媒に、リチウム塩を0.5M〜1.5M溶解したものが好適である。
外装材としては、金属缶やアルミラミネートフィルム製パック等が挙げられる。電池の形状は角型、円筒型、コイン型等がある。
非水二次電池は、例えば、正極シートと負極シートとの間に、セパレータとして上述した積層体を配置した非水二次電池用部材に、電解液を含浸させて外装材(例えばアルミラミネートフィルム製パック)に収容し、前記外装材の上から前記非水二次電池用部材をプレスすることで製造し得る。
また、当該セパレータとしての本発明に係る積層体は、電極と重ねることによって接着し得る。したがって、電池製造において前記プレスは必須の工程ではないが、電極とセパレータとしての本発明に係る積層体との接着性を高めるためには、プレスを行うことが好ましい。さらに電極とセパレータとしての本発明に係る積層体との接着性を高めるために、プレスは加熱しながらのプレス(熱プレス)であることが好ましい。
正極シートと負極シートとの間にセパレータとしての本発明に係る積層体を配置する方式は、正極シート、セパレータとしての本発明に係る積層体、負極をシートこの順に少なくとも1層ずつ積層する方式(いわゆるスタック方式)でもよく、正極シート、セパレータとしての本発明に係る積層体、負極シート、セパレータとしての本発明に係る積層体をこの順に重ね、長さ方向に捲き回す方式でもよい。
上述した説明では、本発明に係る非水二次電池用部材、非水二次電池の製造方法として、多孔質基材の上に多孔質層を形成した非水二次電池用セパレータとしての本発明に係る積層体を製造し、当該非水二次電池用セパレータとしての本発明に係る積層体を挟むように正極シートおよび負極シートを重ねることで、非水二次電池用セパレータとしての本発明に係る積層体と電極とを含む非水二次電池用部材を製造する方法を示した。しかしながら、本発明に係る非水二次電池用部材および非水二次電池の製造方法は、これに限定されるものでない。
例えば、本発明に係る非水二次電池用部材および非水二次電池の製造方法としては、多孔質層に含まれるPVDF系樹脂を溶解させた溶液を、正極シートまたは負極シートの少なくとも一方の面上に塗布することで、多孔質層を形成する、すなわち、電極として、本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極を使用する態様でもよい。そして、多孔質基材を挟むように本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極である正極および負極シートを重ねるか、正極シートおよび本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極である負極を重ねるか、あるいは、双方ともに本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極である正極および負極を重ね、熱プレスすることにより、非水二次電池用セパレータとしての本発明に係る積層体と電極とを含む非水二次電池用部材を製造する。このとき、本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池用電極においては、多孔質層が多孔質基材と対向するように配置すればよい。これにより、電極、多孔質層、多孔質基材、(多孔質層)、電極がこの順に積層された非水二次電池用部材を製造することができる。その結果、得られる非水二次電池は、電極と多孔質基材との間にα型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、α型結晶の含有量が45モル%以上であるPVDF系樹脂および無機フィラーを含む多孔質層が配置された非水二次電池が製造され得る。
本発明の非水二次電池は、ポリオレフィンを主成分とする多孔質基材と、前記多孔質基材の片面または両面に積層された、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、α型結晶の含有量が45モル%以上であるPVDF系樹脂および無機フィラーを含む多孔質層を含む積層体を、セパレータとして含んでいるので、サイクル特性に優れる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。
[各種測定方法]
以下の実施例1〜5および比較例1にて得られた積層体に関して、α比の算出およびサイクル特性試験を、下記方法にて実施した。
(1)α比算出法
以下の実施例および比較例において得られた積層体における多孔質層に含まれるPVDF系樹脂のα型結晶とβ型結晶との合計の含有量に対する、α型結晶のモル比(%)を、α比(%)とし、以下の(1)〜(4)に示す方法にてそのα比を測定した。
(1)以下の実施例および比較例において得られた積層体を約2cm×5cmの大きさに切り出し、以下の測定条件下にて19F−NMRスペクトルを測定した。
測定条件
測定装置:Bruker Biospin社製 AVANCE400
測定方法:シングルパルス法
観測核:19
スペクトル幅:200kHz
パルス幅:3.0s(90°パルス)
パルス繰り返し時間:10.0s
基準物質:C(外部基準:−163.0ppm)
温度:22℃
試料回転数:24kHz
(2)(1)にて得られた19F−NMRスペクトルにおける−78ppm付近のスペクトルの積分値を算出し、α/2量とした。
(3)(2)と同様に、(1)にて得られた19F−NMRスペクトルにおける−95ppm付近のスペクトルの積分値を算出し、{(α/2)+β}量とした。
(4)(2)および(3)にて得られた積分値から、以下の式(1)にて、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合のα型結晶の含有率を算出した。
α比(モル%)=〔(−78ppm付近の積分値)×2/{(−95ppm付近の積分値)−(−78ppm付近の積分値)}〕×100 (1)。
(2)サイクル特性試験
以下の実施例1〜5、比較例1にて得られた非水電解液二次電池に対して、以下の方法にて、50サイクル目のIRドロップを測定し、そのサイクル特性の評価を行った。
充放電サイクルを経ていない非水電解液二次電池に対して、25℃で電圧範囲;4.1〜2.7V、電流値;0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下も同様)を1サイクルとして、4サイクルの初期充放電を行った。
続いて、55℃で、充電電流値;1C、放電電流値;1Cの定電流で充放電を行うことを1サイクルとして、50サイクルの充放電を行った。そして、以下の式(3)に従って50サイクル目の放電開始から10秒後における非水二次電池の抵抗値を50サイクル目のIRドロップとして算出した。
50サイクル目のIRドロップ(Ω)=(50サイクル目の放電前電圧−50サイクル目の放電開始から10秒後の電圧)/50サイクル目の放電電流 (3)
[実施例1]
[多孔質層、積層体の作製]
PVDF系樹脂(株式会社クレハ製;商品名「L#9305」、重量平均分子量:1,000,000)を、固形分が10質量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンに、65℃で30分間かけて撹拌し、溶解させた。得られた溶液をバインダー溶液として用いた。フィラーとして、アルミナ微粒子(住友化学株式会社製;商品名「AKP3000」、ケイ素の含有量:5ppm)を用いた。前記アルミナ微粒子、バインダー溶液、および溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)を、下記割合となるように混合した。即ち、前記アルミナ微粒子90重量部に対してPVDF系樹脂が10重量部となるように、バインダー溶液を混合すると共に、得られる混合液における固形分濃度(アルミナ微粒子+PVDF系樹脂)が10重量%となるように溶媒を混合することで分散液を得た。そして、得られた分散液を自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製;商品名「あわとり練太郎」)で室温下、2000rpm、30秒間の条件で2回攪拌・混合した。得られた混合液を塗工液とし、多孔質基材としてのポリエチレンの多孔膜(厚さ12μm、空隙率44%、平均孔径0.035μm)上に、ドクターブレード法により、塗工液中の固形分が1平方メートル当たり5gとなるように塗布した。得られた塗布物である積層体を、40℃、風速0.5m/sで乾燥させて、前記多孔質基材上に多孔質層(1)を形成し、非水電解液二次電池用積層セパレータである積層体(1)を得た。上述の方法によって、積層体(1)における多孔質層(1)のα比を測定した。その結果を表1に示す。
[非水電解液二次電池の製造]
積層体(1)を非水電解液二次電池用積層セパレータとして使用して、以下の方法にて、非水電解液二次電池(1)を作製した。
<正極の作製>
LiNi0.5Mn0.3Co0.2/導電材/PVDF(重量比92/5/3)をアルミニウム箔に塗布することにより製造された市販の正極シートを使用して、正極を作製した。前記正極シートを、正極活物質層が形成された部分の大きさが40mm×35mmであり、かつその外周に幅13mmで正極活物質層が形成されていない部分が残るように、アルミニウム箔を切り取って正極とした。正極活物質層の厚さは58μm、密度は2.50g/cmであった。
<負極の作製>
黒鉛/スチレン−1,3−ブタジエン共重合体/カルボキシメチルセルロースナトリウム(重量比98/1/1)を銅箔に塗布することにより製造された市販の負極シートを使用して、負極を作製した。前記負極シートを、負極活物質層が形成された部分の大きさが50mm×40mmであり、かつその外周に幅13mmで負極活物質層が形成されていない部分が残るように、銅箔を切り取って負極とした。負極活物質層の厚さは49μm、の密度は1.40g/cmであった。
<非水電解液二次電池の組み立て>
ラミネートパウチ内で、前記正極、非水電解液二次電池用積層セパレータとしての積層体(1)、および負極をこの順で積層(配置)することにより、非水電解液二次電池用部材(1)を得た。このとき、正極の正極活物質層における主面の全部が、負極の負極活物質層における主面の範囲に含まれる(主面に重なる)ように、正極および負極を配置した。
続いて、前記非水電解液二次電池用部材を、アルミニウム層とヒートシール層とが積層されてなる袋に入れ、さらにこの袋に非水電解液を0.22mL入れた。前記非水電解液は、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート濃度1.0モル/リットルのLiPFをエチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチレンカーボネートの体積比が50:20:30の混合溶媒に溶解させた25℃の電解液を用いた。そして、袋内を減圧しつつ、当該袋をヒートシールすることにより、非水電解液二次電池(1)を作製した。上述の方法によって、非水電解液二次電池(1)の50サイクル目のIRドロップを測定し、サイクル特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
PVDF系樹脂(株式会社アルケマ製;商品名「LBG」、重量平均分子量:590,000)を用い、フィラーとしてアルミナ微粒子(住友化学株式会社製;商品名「AES−12」、ケイ素の含有量:190ppm)を用いて、混合液における固形分濃度(アルミナ微粒子+PVDF系樹脂)が30重量%となるように溶媒を混合すること以外は実施例1と同様の条件で塗工液を調製した。得られた塗工液を、多孔質基材としてのポリエチレンの多孔膜(厚さ12μm、空隙率44%、平均孔径0.035μm)上に、ドクターブレード法により、塗工液中の固形分が1平方メートル当たり5gとなるように塗布した。得られた塗布物である積層体を、60℃、風速1m/sで乾燥させて、前記多孔質基材上に多孔質層(2)を形成し、非水電解液二次電池用積層セパレータである積層体(2)を得た。上述の方法によって、積層体(2)における多孔質層(2)のα比を測定した。
また、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池用部材(2)および非水電解液二次電池(2)を作製した。上述の方法によって非水電解液二次電池(2)の50サイクル目のIRドロップを測定し、サイクル特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
PVDF系樹脂(株式会社アルケマ製;商品名「LBG」、重量平均分子量:590,000)を用いて、混合液における固形分濃度(アルミナ微粒子+PVDF系樹脂)が30重量%となるように溶媒を混合すること以外は実施例1と同様の条件で塗工液を調製した。得られた塗工液を、多孔質基材としてのポリエチレンの多孔膜(厚さ12μm、空隙率44%、平均孔径0.035μm)上に、ドクターブレード法により、塗工液中の固形分が1平方メートル当たり5gとなるように塗布した。得られた塗布物である積層体を、60℃、風速2m/sで乾燥させて、前記多孔質基材上に多孔質層(3)を形成し、非水電解液二次電池用積層セパレータである積層体(3)を得た。上述の方法によって、積層体(3)における多孔質層(3)のα比を測定した。
また、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池用部材(3)および非水電解液二次電池(3)を作製した。上述の方法によって非水電解液二次電池(3)の50サイクル目のIRドロップを測定し、サイクル特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
PVDF系樹脂(Solvey株式会社製;商品名「Solef#31508」)を用いて、混合液における固形分濃度(アルミナ微粒子+PVDF系樹脂)が30重量%となるように溶媒を混合すること以外は実施例1と同様の条件で塗工液を調製した。得られた塗工液を、多孔質基材としてのポリエチレンの多孔膜(厚さ12μm、空隙率44%、平均孔径0.035μm)上に、ドクターブレード法により、塗工液中の固形分が1平方メートル当たり5gとなるように塗布した。得られた塗布物である積層体を、60℃、風速20m/sで乾燥させて、前記多孔質基材上に多孔質層(4)を形成し、非水電解液二次電池用積層セパレータである積層体(4)を得た。上述の方法によって、積層体(4)における多孔質層(4)のα比を測定した。
また、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池用部材(4)および非水電解液二次電池(4)を作製した。上述の方法によって非水電解液二次電池(4)の50サイクル目のIRドロップを測定し、サイクル特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例5]
PVDF系樹脂(Solvey株式会社製;商品名「Solef#31508」)を、固形分が10質量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンに65℃で30分間かけて撹拌し、溶解させた。得られた溶液をバインダー溶液として用いた。フィラーとして、アルミナ微粒子(住友化学株式会社製;商品名「AKP3000」、ケイ素の含有量:5ppm)を用いた。前記アルミナ微粒子、バインダー溶液、および溶媒(N−メチル−2−ピロリドン、アセトン)を、下記割合となるように混合した。即ち、前記アルミナ微粒子90重量部に対してPVDF系樹脂が10重量部となるように、バインダー溶液を混合すると共に、得られる混合液における固形分濃度(アルミナ微粒子+PVDF系樹脂)が30重量%、溶媒をN−メチル−2−ピロリドン50重量部に対してアセトンが20重量部となるように混合することで分散液を得た。そして、得られた分散液を自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製;商品名「あわとり練太郎」)で室温下、2000rpm、30秒間の条件で2回攪拌・混合した。得られた混合液を塗工液とし、多孔質基材としてのポリエチレンの多孔膜(厚さ12μm、空隙率44%、平均孔径0.035μm)上に、ドクターブレード法により、塗工液中の固形分が1平方メートル当たり5gとなるように塗布した。得られた塗布物である積層体を、60℃、風速20m/sで乾燥させて、前記多孔質基材上に多孔質層(5)を形成し、非水電解液二次電池用積層セパレータである積層体(5)を得た。上述の方法によって、積層体(5)における多孔質層(5)のα比を測定した。
また、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池用部材(5)および非水電解液二次電池(5)を作製した。上述の方法によって非水電解液二次電池(5)の50サイクル目のIRドロップを測定し、サイクル特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
[多孔質層、積層体の作製]
PVDF系樹脂(株式会社クレハ製;商品名「W#9300」、重量平均分子量:1,000,000)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(固形分比率15質量%)6重量部と、N−メチル−2−ピロリドン:10重量部とを容器に入れ、均一に溶解するまで室温で攪拌した。この溶液に耐熱性微粒子であるアルミナ微粒子(住友化学株式会社製;商品名「AKP3000」、ケイ素の含有量:5ppm)30重量部を4回に分けて加え、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製;商品名「あわとり練太郎」)で室温下、2000rpm、30秒の条件で2回攪拌・混合した。得られた混合液を塗工液とし、ポリエチレンの多孔膜(厚さ12μm、空隙率44%、平均孔径0.035μm)上にドクターブレード法により、塗工液中の固形分が1平方メートル当たり5gとなるように塗布した。得られた塗布物である積層体を、40℃、風速0.2m/sで乾燥させて、前記多孔質基材上に比較用多孔質層(1)を形成し、非水電解液二次電池用積層セパレータである比較用積層体(1)を得た。上述の方法によって、比較用積層体(1)における比較用多孔質層(1)のα比を測定した。その結果を表1に示す。
[非水電解液二次電池の製造]
非水電解液二次電池用積層セパレータとして、積層体(1)の代わりに、比較用積層体(1)を使用した以外は、実施例1と同様にして、比較用非水電解液二次電池用部材(1)および比較用非水電解液二次電池(1)を作製した。上述の方法によって比較用非水電解液二次電池(1)の50サイクル目のIRドロップを測定し、サイクル特性の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2017168419
[結論]
表1の結果から、無機フィラーおよびPVDF系樹脂を含有する多孔質層を、非水電解液二次電池用セパレータまたは非水電解液二次電池用電極の部材として含む非水電解液二次電池において、PVDF系樹脂のα比が45モル%以上である非水電解液二次電池(実施例1〜5)は、α比が45モル%未満である非水電解液二次電池(比較例1)よりも、50サイクル目のIRドロップが小さく、電池充放電サイクルに伴う電池内部抵抗の増加を低く抑えられるという観点から、サイクル特性により優れていることが示された。
本発明に係る多孔質層は、サイクル特性に優れる非水二次電池の製造に好適に利用することができる。従って、本発明に係る積層体、非水二次電池用セパレータ、非水二次電池用電極、および非水二次電池用部材は、非水二次電池の製造分野において広範に利用することができる。
続いて、前記非水電解液二次電池用部材を、アルミニウム層とヒートシール層とが積層されてなる袋に入れ、さらにこの袋に非水電解液を0.22mL入れた。前記非水電解液は、濃度1.0モル/リットルのLiPFをエチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチレンカーボネートの体積比が50:20:30の混合溶媒に溶解させた25℃の電解液を用いた。そして、袋内を減圧しつつ、当該袋をヒートシールすることにより、非水電解液二次電池(1)を作製した。上述の方法によって、非水電解液二次電池(1)の50サイクル目のIRドロップを測定し、サイクル特性の評価を行った。その結果を表1に示す。

Claims (11)

  1. 無機フィラーと、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とを含む多孔質層であって、
    前記無機フィラーおよび前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の総重量に対する前記無機フィラーの含有量が、50重量%以上であり、
    前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂における、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、前記α型結晶の含有量が45モル%以上である、非水電解液二次電池用多孔質層。
    (ここで、α型結晶の含有量は、前記多孔質層の19F−NMRスペクトルにおける、−76ppm付近にて観測される(α/2)の波形分離、および、−95ppm付近にて観測される{(α/2)+β}の波形分離から算出される。)
  2. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂における、α型結晶とβ型結晶の含有量の合計を100モル%とした場合の、前記α型結晶の含有量が45モル%以上、83モル%以下である、請求項1に記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
  3. 前記無機フィラーおよび前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の総重量に対する前記無機フィラーの含有量が、70重量%以上、99重量%以下である、請求項1または2に記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
  4. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体、または、これらの混合物である、請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
  5. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量が、30万以上、300万以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
  6. 前記無機フィラーがケイ素(Si)および/またはケイ素化合物を含み、
    前記無機フィラーにおける、ケイ素(Si)の含有量が、前記無機フィラーの総重量に対して、2000ppm以下である、請求項1〜5の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層。
  7. ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一方の面に積層された、請求項1〜6の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層と、を含む積層体。
  8. ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質基材と、前記多孔質基材の少なくとも一方の面に積層された、請求項1〜6の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層と、を含む非水電解液二次電池用セパレータ。
  9. 正極シートまたは負極シートと、前記正極シートまたは前記負極シートの少なくとも一方の面に積層された、請求項1〜6の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層と、を含む非水電解液二次電池用電極。
  10. 正極、請求項1〜6の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層、および負極がこの順で配置されてなることを特徴とする非水電解液二次電池用部材。
  11. 請求項1〜6の何れか1項に記載の非水電解液二次電池用多孔質層を含む、非水電解液二次電池。
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