JP2012103405A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着手段と搬送手段とで記録媒体を保持している状態で、定着手段及び搬送手段の搬送速度を変更するときの記録媒体の変形を抑制する。
【解決手段】画像形成装置10は、画像形成ユニット50と、定着装置100と、反転搬送部150と、第1用紙センサ39の出力に基づいて各ロールの動作制御を行う制御部20とを有している。ここで、制御部20は、定着ロール102及び加圧ロール104と第1搬送ロール152とで記録用紙Pを保持しているときに、第1用紙センサ39の出力を共通のトリガーとして、定着ロール102及び第1搬送ロール152の周速度を変更するので、定着ロール102の周速度と第1搬送ロール152の周速度との差が必要以上に大きくなることが抑制され、記録用紙Pの変形を抑制することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1の画像形成装置は、搬送路における記録紙のループ量を複数の準位で検出する検知手段を設けており、その検知手段の検知結果に応じて、搬送手段を構成する搬送ローラ対の回転速度を制御して、搬送路を通過中の記録紙のループ量が設定範囲内に維持されるように構成している。
特許文献2の画像形成装置は、副走査搬送部の副走査モータに給紙搬送部の給紙モータの駆動を同期させ、更に、副走査搬送部の搬送ベルトと押さえコロとの間のニップ部と給紙部の給紙搬送ローラとの間の搬送路中で、用紙を撓ませてループを形成することで、副走査搬送部と給紙搬送部との間で常に用紙がループを保って搬送されるようにしている。
特開2006−010722号 特開2006−056612号
本発明は、定着手段と搬送手段とで記録媒体を保持している状態で、定着手段及び搬送手段の搬送速度を変更するときの記録媒体の変形を抑制することができる画像形成装置を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段で記録媒体に形成された画像を挟んで搬送しながら定着する定着手段と、記録媒体の搬送方向で前記定着手段よりも下流側に設けられ、記録媒体を挟んで搬送する搬送手段と、前記定着手段と前記搬送手段とで記録媒体を保持しているときに、前記定着手段の搬送速度の変更のきっかけとされる情報に基づいて、前記定着手段の搬送速度及び前記搬送手段の搬送速度を変更する制御を行う制御手段と、を有する。
請求項1に記載発明は、定着手段の搬送速度の変更のきっかけとされる情報とは別の情報に基づいて搬送手段の搬送速度を変更する構成に比べて、定着手段と搬送手段とで記録媒体を保持している状態で、定着手段及び搬送手段の搬送速度を変更するときの記録媒体の変形を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成ユニットの構成図である。 本発明の実施形態に係る定着装置から切換部までの記録用紙の搬送経路の構成図である。 (A)本発明の実施形態に係る定着ロール(DCモータ)の減速制御を示す模式図である。(B)本発明の実施形態に係る第1搬送ロール(ステッピングモータ)の減速制御を示す模式図である。 (A)本発明の実施形態に係る制御部による各ロールの動作制御の第1例として、第1用紙センサの出力に基づいて制御する状態を示す模式図である。(B)本発明の実施形態に係る制御部による各ロールの動作制御の第2例として、定着ロールの駆動に合わせて制御する状態を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る搬送路から反転搬送路へ記録用紙Pが搬送される状態を示す説明図である。 (A)比較例におけるデカールロールと第1搬送ロールとの間での記録用紙Pの搬送状態を示す模式図である。(B)本発明の実施形態に係るデカールロールと第1搬送ロールとの間での記録用紙Pの搬送状態を示す模式図である。 比較例の制御部による各ロールの動作制御の状態を示す模式図である。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例について説明する。
図1には、画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録媒体の一例としての記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録用紙Pに画像形成を行う本体部14と、本体部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部16と、本体部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御手段の一例としての制御部20と、を含んで構成されている。なお、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向をV方向、水平方向をH方向と記載する。
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられており、搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34及び搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置QB(図2参照)へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
搬送路28の上流側部分は、画像形成装置10の正面視において、V方向に向けて用紙収容部12の左側下部から本体部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、本体部14の左側下部から本体部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送及び反転される両面搬送路136が接続されている。加えて、本体部14の左側面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から送り込まれる記録用紙Pの搬送経路が搬送路28の位置合せロール38の手前側に接続されている。なお、記録用紙Pの各搬送路の切り換えの詳細については後述する。
原稿読取部16は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置56とが設けられている。
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は読取原稿Gがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又はH方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
一方、本体部14は、記録用紙P上にトナー画像(現像剤像)を形成する画像形成手段の一例としての画像形成ユニット50を有している。画像形成ユニット50は、後述する感光体62、帯電部材64、露光装置66、現像装置70、中間転写ベルト68、及びクリーニング装置73を含んで構成されている。
本体部14における装置本体10Aの中央には、像保持体である円筒状の感光体62が設けられている。感光体62は、駆動手段(図示省略)によって矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に、光照射によって形成される静電潜像を外周面に保持するようになっている。また、感光体62の上側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
感光体62の回転方向における帯電部材64よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、図示しない半導体レーザ、f−θレンズ、ポリゴンミラー、結像レンズ、及び複数のミラーを有しており、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。なお、露光装置66は、レーザ光をポリゴンミラーで偏向走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式であってもよい。
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置70が設けられている。また、原稿読取装置56の下側で現像装置70よりも上側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナーを収容するトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78FがH方向に並んで交換可能に設けられている。第1特別色E及び第2特別色Fは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から選択され、または、選択されないようになっている。
図2に示すように、現像装置70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが、周方向に(図示の反時計回り方向にこの順番で)並んで配置されており、モータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。
なお、現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fは同様の構成となっているため、ここでは現像器72Yについて説明し、他の現像器72M、72C、72K、72E、72Fについては説明を省略する。また、Y、M、C、Kの4色の画像形成を行う場合は、現像器72E、72Fを使用しないため、現像器72Kから現像器72Yへの回転角度が180°となる。
現像器72Yは、本体となるケース部材76を有しており、ケース部材76内には、トナーカートリッジ78Y(図1参照)からトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナー及びキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、ケース部材76には、感光体62の外周面と対向して矩形状の開口部76Aが形成されており、開口部76Aには、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74が設けられている。さらに、ケース部材76内で開口部76Aに近い部位には、現像剤の層厚を規制するための板状の規制部材79が、開口部76Aの長手方向に沿って設けられている。
現像ロール74は、回転可能に設けられた円筒状の現像スリーブ74Aと、現像スリーブ74Aの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材74Bとで構成されており、現像スリーブ74Aが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシが形成されると共に、規制部材79で層厚が規制されることで、現像スリーブ74Aの外周面に現像剤層を形成するようになっている。そして、現像スリーブ74Aの外周面の現像剤層は、現像スリーブ74Aの回転により感光体62に対向する位置に搬送され、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。
また、ケース部材76内には、螺旋状に形成された搬送ロール77が2本回転可能に並列配置されており、この2本の搬送ロール77が回転することで、ケース部材76内に充填された現像剤が、現像ロール74の軸方向(現像器72Yの長手方向)に循環搬送されるようになっている。なお、各現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fに設けられた6本の現像ロール74は、隣の現像ロール74との間隔が中心角60°となるように周方向に配置されており、現像器72の切り替えにより、次の現像ロール74が感光体62の外周面と対向するようになっている。
図1に示すように、感光体62の回転方向で現像装置70よりも下流側であり且つ感光体62の下側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト68が設けられている。中間転写ベルト68は、無端状であり、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール65、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール63、及び後述する二次転写位置QB(図2参照)において中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置(これを一次転写位置QA(図2参照)とする)で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、電源(図示省略)から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62の外周面に保持されているトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置QB(図2参照)とされている。二次転写ロール71は、接地されると共に中間転写ベルト68の表面(外周面)に接触しており、電源(図示省略)から通電された補助ロール69と二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収するクリーニングブレード59が設けられている。クリーニングブレード59は、開口部が形成された筐体(図示省略)に取り付けられており、クリーニングブレード59の先端部で掻き取られたトナーが、筐体内に回収されるようになっている。
中間転写ベルト68の周囲で搬送ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検知し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検知信号を出力する位置検知センサ83が設けられている。位置検知センサ83は、中間転写ベルト68に向けて光を照射すると共にマークの表面で反射された光を受光することで、中間転写ベルト68の移動位置を検知するようになっている。
一方、感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62の外周面に接触するクリーニングブレード及びブラシロールにより、残留トナー等を回収する構成となっている。
また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に一次転写後に残留したトナーの除電を行うコロトロン81が設けられている。さらに、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電部材64よりも上流側)には、クリーニング後の感光体62の外周面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
そして、二次転写ロール71によるトナー画像の二次転写位置QB(図2参照)は、前述の搬送路28の途中に設定されており、搬送路28の上方で位置合せロール38と二次転写位置QBとの間には、位置合せロール38に近い側に、記録用紙Pの先端位置(下流側端部)又は後端位置(上流側端部)を検知する第1用紙センサ39が設けられている。第1用紙センサ39は、一例として、記録用紙Pに光を照射すると共に記録用紙Pで反射された光を受光する反射式の光学センサである。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向(図示の矢印A方向)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写された記録用紙Pにトナー画像を定着させる定着手段の一例としての定着装置100が設けられている。
図3に示すように、定着装置100は、記録用紙Pが進入する開口部106Aと、記録用紙Pが排出される開口部106Bとが形成された筐体106を有している。筐体106内には、主要部として、加熱により定着を行う一対の定着ロール102及び定着ロール102へ向けて記録用紙Pを加圧する加圧ロール104が設けられている。なお、定着装置100には、定着ロール102を加熱する外部加熱ロール、定着ロール102、加圧ロール104の温度を検知する温度センサ等が設けられているが、これらの図示を省略している。
定着ロール102は、記録用紙Pの搬送経路(搬送路28)上でトナー画像面側(上側)に配置されている。そして、定着ロール102の回転軸は、記録用紙Pの搬送方向と直交するように配置されている。一例として、定着ロール102は、円筒状のアルミニウムからなる芯金(図示省略)の外周にシリコンゴムからなる弾性部材が被覆された構成となっており、弾性部材の外周面にはフッ素系樹脂からなる離型層が形成されている。そして、この芯金の内側には、芯金の内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ108が設けられている。ハロゲンヒータ108は、電源(図示省略)からの通電により発熱し芯金を加熱することで、定着ロール102全体を加熱するようになっている。
また、定着ロール102の芯金の端部には、ギヤ(図示省略)を介して、定着ロール102の周速度を変更可能な第1モータ110が接続されている。第1モータ110は、制御部20から送られた指示信号に基づいて駆動され、定着ロール102の周速度が、通常の定着(以後、通常モードと記載する)のときに周速度V1、記録用紙P上のトナー画像に与える熱量を増加させるために減速した定着(以後、減速モードと記載する)のときに周速度V2(<V1)となるように定着ロール102の回転駆動を行う。
一方、加圧ロール104は、記録用紙Pの搬送経路上で定着ロール102の下側に配置されており、図示しないバネ等の付勢力によって定着ロール102の外周面に接触すると共に加圧し、定着ロール102との接触領域(ニップ部N)を形成している。一例として、加圧ロール104は、円筒状のアルミニウムからなる芯金の外周にシリコンゴムからなる弾性部材が被覆された構成となっており、弾性部材の外周面にはフッ素系樹脂からなる離型層が形成されている。また、加圧ロール104は、定着ロール102の回転によって従動で回転するようになっている。なお、芯金の内側に熱源となるハロゲンヒータを設けて、加圧ロール104を加熱してもよい。
また、定着装置100の内部で搬送路28の上方には、記録用紙Pの搬送方向における先端位置又は後端位置を検知する第2用紙センサ112が設けられている。第2用紙センサ112は、一例として、記録用紙Pに光を照射すると共に記録用紙Pで反射された光を受光する反射式の光学センサである。また、第2用紙センサ112は、記録用紙Pの搬送方向(矢印A方向)におけるニップ部Nよりも下流側で且つ開口部106Bよりも上流側の位置に取り付けられている。
次に、搬送路28及び両面搬送路136の詳細について説明する。
図3に示すように、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で定着装置100よりも下流側には、定着装置100による定着後の記録用紙Pの反りを反対側に矯正するデカールユニット120が設けられている。なお、デカールユニット120による記録用紙Pの反りの矯正は、記録用紙Pの搬送経路の切り換えに関わらず行われる。
デカールユニット120は、記録用紙Pの搬送方向で上流側に配置された搬送手段の他の例としての第1デカール部122と、下流側に配置された搬送手段の他の例としての第2デカール部124とを有している。第1デカール部122は、搬送路28の上側に配置されたスポンジロールであるデカールロール126Aと、搬送路28の下側に配置されデカールロール126Aの外周面に接触する金属ロール127Aと、金属ロール127Aの外周面でデカールロール126Aとは反対側に接触し金属ロール127Aの撓みを抑えるベアリング128Aとを有している。なお、デカールロール126Aの外径は、金属ロール127Aの外径よりも大きくなっている。
第2デカール部124は、搬送路28の下側に配置されたスポンジロールであるデカールロール126Bと、搬送路28の上側に配置されデカールロール126Bの外周面に接触する金属ロール127Bと、金属ロール127Bの外周面でデカールロール126Bとは反対側に接触し金属ロール127Bの撓みを抑えるベアリング128Bとを有している。なお、デカールロール126Bの外径は、金属ロール127Bの外径よりも大きくなっている。
デカールロール126Aとデカールロール126B、金属ロール127Aと金属ロール127B、ベアリング128Aとベアリング128Bは、それぞれ同じ材質、形状で構成されている。また、デカールロール126A、デカールロール126B、金属ロール127A、金属ロール127B、ベアリング128A、ベアリング128Bのそれぞれの回転軸方向は、記録用紙Pの搬送方向と直交する方向となっている。
さらに、デカールロール126A、126Bの芯金(図示省略)の端部には、複数のギヤ(図示省略)を介して1つの第2モータ129が接続されている。第2モータ129は、制御部20から送られた指示信号に基づいて駆動され、デカールロール126A、126Bの周速度が通常モードのときにV3(≧V1)、減速モードのときにV4(V2≦V4<V3)となるように回転駆動を行う。なお、デカールロール126Aは図示の反時計回り方向、デカールロール126Bは図示の時計回り方向に回転するようになっている。
記録用紙Pの搬送方向でデカールユニット120よりも下流側には、搬送路28で搬送されてきた記録用紙Pの搬送方向を切り換える切換部130が設けられている。ここで、切換部130において、搬送路28の終端は、下方側へ向けて湾曲した湾曲部142を有する反転用搬送路132と、排紙部15(図1参照)へ向かう直線状に近い第1排出路134と、に分岐されている。
また、反転用搬送路132の途中は、記録用紙Pの裏面に画像形成するために搬送ロール36(図1参照)へ向けて延設された両面搬送路136と、排紙部15へ向かう第2排出路138とに分岐されている。なお、反転用搬送路132には、湾曲部142を形成する湾曲面を有するガイド部材143が設けられている。一方、第1排出路134には、第1排出路134の上壁を形成するガイド部材135Aと、ガイド部材135Aと対向配置され底壁を形成するガイド部材135Bとが設けられている。ガイド部材135A、135Bは、記録用紙Pの搬送経路における空間の無駄を減らすため、間隔を狭めて配置されると共に、直線状の搬送経路を形成している。
図1に示すように、反転用搬送路132は、本体部14の右側下部から用紙収容部12の右側下部まで矢印V方向(図示の下向きが−V、上向きが+V)に直線状に設けられており、記録用紙Pを搬送する一対の搬送ロール162が複数箇所に設けられている。また、両面搬送路136は、反転用搬送路132の途中(後述する第3切換部材148の部位)から搬送ロール36へH方向に設けられており、記録用紙Pを搬送する一対の搬送ロール164が複数箇所に設けられている。そして、反転用搬送路132に進入した記録用紙Pは、後述する第3切換部材148によって後端の進入路が両面搬送路136に切り換えられることで、両面搬送路136上を矢印B方向(図示の左方向)に搬送されるようになっている。なお、両面搬送路136の終端は搬送路28の搬送ロール36の手前側に接続されている。
図3に示すように、切換部130は、記録用紙Pの搬送経路を搬送路28から反転用搬送路132又は第1排出路134に切り換える第1切換部材144と、反転用搬送路132と第2排出路138を切り換える第2切換部材146と、両面搬送路136と第2排出路138を切り換える第3切換部材148とを有している。第1切換部材144、第2切換部材146、及び第3切換部材148は、いずれも三角柱状の部材であり、駆動手段(図示省略)によって先端部がいずれか一方の搬送路に移動されることで、記録用紙Pの搬送経路を他方の搬送路に切り換えるようになっている。
反転用搬送路132において、第1切換部材144と第2切換部材146との間には、記録用紙Pを搬送する搬送手段の一例としての反転搬送部150が設けられている。反転搬送部150は、一対の第1搬送ロール152と、制御部20(図1参照)によって回転動作が制御(変更)され、第1搬送ロール152を回転駆動する第3モータ166とを含んで構成されている。第1搬送ロール152は、第3モータ166によって通常モードのときに周速度V5で回転され、減速モードのときに周速度V6(<V5)で回転される。
一方、第3切換部材148よりも下流側(図示の下側)には、記録用紙Pを搬送する一対の第2搬送ロール154が設けられている。第2搬送ロール154は、制御部20によって回転動作が制御される第5モータ172により周速度V7で回転するようになっている。また、第2排出路138には、記録用紙Pを搬送する一対の第3搬送ロール156が設けられている。なお、第3搬送ロール156についてもモータ(図示省略)によって駆動されるが、説明を省略する。さらに、第1排出路134の終端部には、記録用紙Pを排紙部15(図1参照)へ排出する一対の排出ロール153が設けられている。
排出ロール153は、制御部20によって回転動作が制御される第4モータ168により周速度V8で回転し減速は行わないようになっている。周速度V8は、下限値がデカールロール126A、126Bの周速度V3(定着ロール102の周速度V1)の上限値よりも大きくなっており、一例として、V8=1.5×V3となっている。
また、反転用搬送路132の外側で第1切換部材144と第1搬送ロール152との間には、反転用搬送路132において搬送されている記録用紙Pの先端位置又は後端位置を検知する第3用紙センサ158が設けられている。第3用紙センサ158は、一例として、記録用紙Pに光を照射すると共に記録用紙Pで反射された光を受光する反射式の光学センサである。
ここで、搬送路28及び反転用搬送路132における定着ロール102から第1搬送ロール152までの距離は、記録用紙Pの搬送方向の全長よりも短く設定されており、定着ロール102と第1搬送ロール152の両方で記録用紙Pを挟むタイミングが生じるようになっている。また、定着ロール102から排出ロール153までの距離は、記録用紙Pの搬送方向の全長よりも短く設定されており、定着ロール102と排出ロール153の両方で記録用紙Pを挟むタイミングが生じるようになっている。
次に、切換部130における記録用紙Pの搬送経路の主な切り換え動作と記録用紙Pの搬送経路について説明する。
図3に示す画像形成装置10において、記録用紙Pの表面(図示の上側の面)へのトナー画像の転写(画像形成含む)及び定着が終了し、続いて、記録用紙Pの裏面(図示の下側の面)への転写(画像形成含む)及び定着が行われる両面の画像形成の場合、切換部130では、第1切換部材144が移動して第1排出路134を塞ぐと共に反転用搬送路132を開放し、第2切換部材146が移動して第2排出路138を塞ぐと共に反転用搬送路132を開放する。さらに、第3切換部材148が移動して両面搬送路136を塞ぐと共に反転用搬送路132を開放する。これにより、搬送路28を搬送されてきた記録用紙Pは、デカールユニット120を通った後、反転用搬送路132に進入する。
続いて、反転用搬送路132に進入した記録用紙Pの後端が第2搬送ロール154を通過したとき、第3切換部材148が第2排出路138を塞ぐと共に両面搬送路136を開放し、第2搬送ロール154が逆回転する。これにより、記録用紙Pの後端が先端に切り換えられ、記録用紙Pは両面搬送路136を搬送されて再度、搬送路28に進入し、裏面の画像形成が行われる。
また、画像形成装置10において、記録用紙Pの表面のみに画像形成し且つ表裏を反転して排出する場合は、記録用紙Pが反転用搬送路132に進入すると共に、進入した記録用紙Pの後端が第2搬送ロール154を通過したとき、第2切換部材146が移動して第2排出路138を開放する。そして、第2搬送ロール154が逆回転することにより、記録用紙Pの後端が先端に切り換えられ、記録用紙Pは第2排出路138を搬送されて排出される。なお、記録用紙Pの表面に画像形成して定着を行い、デカールユニット120を通過した後にそのまま記録用紙Pを排出する場合は、第1切換部材144を移動させて反転用搬送路132を塞ぐと共に第1排出路134を開放する。
次に、各モータの構成について説明する。
図3において、本実施形態では、一例として、第1モータ110及び第2モータ129にDCモータが用いられている。DCモータは、図4(A)に示すように、時点t1でHIからLOWへ減速させた場合、LOWになるタイミング(時点)が時点t2から時点t3の間でばらつくため、時点t3(>t1)でLOW状態(実線のグラフG1)とはならず、時点t2(t1<t2<t3)でLOW状態となることがある。即ち、第1モータ110及び第2モータ129では、減速を行う場合に図4(A)の斜線の範囲で出力がばらつくことになる。
一方、一例として、第3モータ166、第4モータ168、及び第5モータ172には、ステッピングモータが用いられている。ステッピングモータは、図4(B)に示すように、時点t1でHIからLOWへ減速させた場合、DCモータに比べて出力が安定しているため、時点t4(t1<t4<t2)でLOW状態となる(実線のグラフG2)。なお、定着ロール102にDCモータを用いるのは、定着装置100(図3参照)のニップ部Nでの加圧による負荷が大きく、且つ負荷変動も大きいので、ステッピングモータが用いられない理由による。また、第1搬送ロール152、排出ロール153等にステッピングモータを用いるのは、記録用紙Pの停止精度を確保するためである。
次に、各ロールの周速度の設定について説明する。
画像形成装置10では、図3に示すように、定着ロール102、デカールロール126A(126B)、及び第1搬送ロール152の周速度について、通常モードと減速モードが設定されている。これは、定着装置100において、記録用紙Pがニップ部Nを通過すると、定着ロール102の熱量が記録用紙Pに奪われるため、記録用紙Pの先端側(下流側端部)に比べて後端側(上流側端部)の光沢度合いが低くなる、いわゆる光沢むらが生じることによる。
つまり、定着ロール102の周速度をV1からV2(<V1)に減速させてトナー画像に与える熱量を増加させ、光沢むらを抑制するため、定着ロール102及び他のロールの減速を行う減速モードが設定されている。ここで、記録用紙Pの後端が二次転写位置QB(図2参照)を抜けてから、定着ロール102の周速度がV1からV2に減速されるようになっており、このとき、記録用紙Pは、定着ロール102及び加圧ロール104のニップ部N及び第1搬送ロール152で挟まれた状態となる。なお、定着ロール102、デカールロール126A(126B)、及び第1搬送ロール152を除く他のロールの減速の有無については、説明を省略する。
通常モードにおいて、定着ロール102の周速度V1を基準として、デカールロール126A(126B)の周速度V3の下限値は、周速度V1の上限値と同じか又は僅かに大きくなっている。また、第1搬送ロール152の周速度V5の上限値は、周速度V1の下限値よりも僅かに小さくなっている。
一方、減速モードにおいて、デカールロール126A(126B)の周速度及び第1搬送ロール152の周速度は、定着ロール102の周速度V1に対する周速度V3、V4の関係を維持したまま同様の比率(比例)で減速されるように設定されている。そして、定着ロール102の周速度V2を基準として、デカールロール126A(126B)の周速度V4の下限値は、周速度V2の上限値と同じか又は僅かに大きくなっている。また、第1搬送ロール152の周速度V6の上限値は、周速度V2の下限値よりも僅かに小さくなっている。
次に、定着ロール102、デカールロール126A(126B)、第1搬送ロール152、及び第2搬送ロール154を駆動する駆動信号のトリガーについて説明する。
制御部20(図1参照)は、図6に示すように、定着ロール102及び加圧ロール104と、デカールロール126A(126B)及び金属ロール127A(127B)と、第1搬送ロール152と、で記録用紙Pを保持している状態で、定着ロール102における記録用紙Pの搬送速度の変更のきっかけ(トリガー)とされる情報に基づいて、第1搬送ロール152(又はデカールロール126A(126B)、第2搬送ロール154の周速度(搬送速度)を変更する制御を行うように設定されている。なお、定着ロール102における記録用紙Pの搬送速度の変更のきっかけ(トリガー)とされる情報とは、定着ロールの搬送速度を変更するときに用いるトリガー信号や、定着ロール102自体の速度変更の時点又は時間を含んでいる。
制御部20による各ロールの周速度制御の第1例として、定着ロール102の周速度変更のトリガーとされる信号に基づいて、第1搬送ロール152を含む各ロールの周速度(搬送速度)を変更する制御について説明する。
図5(A)に示すように、第1例では、第1用紙センサ39が記録用紙Pの先端(下流側端部)を検知した時点で出力される出力信号(信号SAとする)が、制御部20に伝達され、トリガーとして用いられるようになっている。信号SAは、LOWからHI又はHIからLOWのいずれの出力変化であってもよい。そして、制御部20では、信号SAが入力されると、信号SAを定着ロール102の周速度変更のトリガーとして、定着ロール102の回転開始時点を含む駆動信号S1を定着ロール102の第1モータ110(図3参照)に出力する構成となっている。
同様にして、制御部20では、信号SAをデカールロール126A、126B、第1搬送ロール152、及び第2搬送ロール154の周速度変更のトリガーとして、駆動信号S2、S3、S4を第2モータ129、第3モータ166、第5モータ172(図3参照)にそれぞれ出力する構成となっている。なお、第4モータ168(図3参照)にも駆動信号が出力されるが、ここでは図示及び説明を省略する。
ここで、一例として、定着ロール102の周速度の変更時点(ここでは増速)が、定着ロール102のニップ部N(図3参照)を記録用紙Pの後端が抜け出た抜出時点(Tとする)であるとする。この場合、抜出時点Tは、第1用紙センサ39における記録用紙Pの先端が検知された検知時点(tとする)と、検知時点tから記録用紙Pの後端がニップ部Nを抜け出すまでの経過時間(Δt)との和(t+Δt)で求められる。つまり、制御部20では、定着ロール102の駆動信号S1において、検知時点t+経過時間Δtの時点で第1モータ110を駆動するように、出力をLOWからHIへ変化させて増速する。
経過時間Δtは、例えば、搬送路28における第1用紙センサ39の検知位置から二次転写位置QB(図2参照)までの距離Laを位置合せロール38の周速度(Vaとする)で除した時間をta、二次転写位置QBから定着ロール102のニップ部Nの下流端位置までの距離Lbを二次転写ロール71の周速度(Vbとする)で除した時間をtb、記録用紙Pの搬送方向の全長Lcを定着ロール102の周速度(Vcとする)で除した時間をtcとして、経過時間Δt=(La/Va)+(Lb/Vb)+(Lc/Vc)=ta+tb+tcで求められる。
距離La、Lb、Lcは既知であり、周速度Va、Vb、Vcは設定によって値が分かるので、ニップ部Nを記録用紙Pが抜ける前に、抜出時点Tが予測される。なお、距離La、Lb、Lc、周速度Va、Vb、Vc、時点ta、tb、tc、t、経過時間Δt、及び抜出時点Tの図示は省略する。
一方、制御部20による各ロールの周速度制御の第2例として、定着ロール102の周速度変更の時点に基づいて、第1搬送ロール152を含む各ロールの周速度(搬送速度)を変更する制御について説明する。
図5(B)に示すように、第2例では、制御部20が、定着ロール102を駆動するための出力信号(信号SBとする)のHI、LOWの変化時点に同期させて、デカールロール126A、126B、第1搬送ロール152、及び第2搬送ロール154の駆動信号S5、S6、S7を第2モータ129、第3モータ166、第5モータ172(図3参照)にそれぞれ出力する構成となっている。なお、第4モータ168(図3参照)にも駆動信号が出力されるが、ここでは図示及び説明を省略する。
このように、制御部20による各ロールの周速度制御は、第1例、第2例のいずれにおいても行えるが、本実施形態の作用の説明では、第1例について説明し、第2例については説明を省略する。
次に、本実施形態又は比較例における記録用紙Pの搬送状態の差異について説明する。
図8には、比較例である画像形成装置200における各ロールの周速度制御が模式図で示されている。なお、画像形成装置200は、本実施形態の画像形成装置10(図1参照)と同様の部材を用いており、各ロールの周速度の制御方法のみが本実施形態の制御部20と異なっているため、基本的な構成は、本実施形態と同じ符号を用いて説明する。
比較例の画像形成装置200では、第1用紙センサ39が記録用紙Pの先端を検知した時点で出力される出力信号(信号SCとする)、第2用紙センサ112が記録用紙Pの先端を検知した時点で出力される出力信号(信号SDとする)、及び第3用紙センサ158が記録用紙Pの先端を検知した時点で出力される出力信号(信号SEとする)が、それぞれ制御部210に伝達され、トリガーとして用いられるようになっている。
制御部210は、信号SCを定着ロール102の周速度変更のトリガーとして、駆動信号S8を第1モータ110(図3参照)に出力する構成となっている。また、制御部20は、信号SDをデカールロール126A、126B、及び第1搬送ロール152の周速度変更のトリガーとして、駆動信号S9、S10を第2モータ129、第3モータ166にそれぞれ出力し、信号SEを第2搬送ロール154の周速度変更のトリガーとして、駆動信号S11を第5モータ172(図3参照)に出力する構成となっている。
ここで、比較例の画像形成装置200では、トリガーとする信号の出力源が、第1用紙センサ39、第2用紙センサ112と2系統有り、同一とはなっていない。このため、これらのセンサの検知感度あるいは出力のばらつきによっては、定着ロール102と、デカールロール126A、126B、及び第1搬送ロール152とで、周速度の変更時点がずれる場合がある。特に、第1搬送ロール152の周速度が定着ロール102の周速度よりも低くなるように設定されているため、定着ロール102の周速度が変更される時点とずれた時点で第1搬送ロール152の周速度が変更されると、記録用紙Pの搬送に不具合が生じる。
例えば、比較例の画像形成装置200において、図6に示すように、記録用紙Pの先端側が一対の第1搬送ロール152で挟まれ、後端側が定着ロール102及び加圧ロール104で挟まれた状態で、定着ロール102の周速度が減速される場合、第1用紙センサ39、第2用紙センサ112の検知感度あるいは出力のばらつきによって、第1搬送ロール152の周速度の変更時点が、定着ロール102の周速度の変更時点の前になったり、後になったりすることがある。
例えば、比較例において、第1搬送ロール152の周速度の減速時点が、定着ロール102の周速度の減速時点よりも後になったときは、第1搬送ロール152の周速度の低下が遅くなるため、図7(A)に実線で示すように、デカールロール126Bと第1搬送ロール152とで記録用紙Pを引っ張り合う状態となる。そして、定着ロール102のニップ部Nでの加圧力の方が、第1搬送ロール152のニップ部NAでの加圧力よりも大きいので、第1搬送ロール152の回転が脱調することがある。
また、比較例において、第1搬送ロール152の周速度の減速時点が、定着ロール102の周速度の減速時点よりも前になったときは、第1搬送ロール152の周速度の低下が早くなるため、図7(A)に想像線(二点鎖線)で示すように、デカールロール126Bと第1搬送ロール152との間で記録用紙Pが撓むことになる。この場合、記録用紙Pの撓んだ部分が、紙のこしの力で第1搬送ロール152のニップ部NAに押し込まれ、座屈することがある。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の画像形成装置10では、図6に示すように、記録用紙Pの先端側が一対の第1搬送ロール152で挟まれ、後端側が定着ロール102及び加圧ロール104で挟まれた状態で、定着ロール102の周速度が減速される場合、図5(A)に示すように、定着ロール102、デカールロール126A、126B、及び第1搬送ロール152が同じ第1用紙センサ39の出力をトリガーとして制御される。このため、減速時点のずれが比較例に比べて抑制される。これにより、図7(B)に示すように、デカールロール126Bと第1搬送ロール152との間で、記録用紙Pの引っ張り合いや座屈が生じることが抑制され、即ち、記録用紙Pの変形が抑制される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
定着ロール102は、電磁誘導方式により加熱される定着ベルトであってもよい。また、上記の通り、制御部20によって行われる第1搬送ロール152を含む各ロールの周速度(搬送速度)の変更制御は、定着ロール102の周速度の変更時点に基づいて行ってもよい。さらに、第1搬送ロール152の周速度の変更制御だけでなく、他の例として、デカールロール126A、126Bについて同様の制御を行ってもよい。
10 画像形成装置
20 制御部(制御手段の一例)
50 画像形成ユニット(画像形成手段の一例)
100 定着装置(定着手段の一例)
122 第1デカール部(搬送手段の他の例)
124 第2デカール部(搬送手段の他の例)
150 反転搬送部(搬送手段の一例)

Claims (1)

  1. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段で記録媒体に形成された画像を挟んで搬送しながら定着する定着手段と、
    記録媒体の搬送方向で前記定着手段よりも下流側に設けられ、記録媒体を挟んで搬送する搬送手段と、
    前記定着手段と前記搬送手段とで記録媒体を保持しているときに、前記定着手段の搬送速度の変更のきっかけとされる情報に基づいて、前記定着手段の搬送速度及び前記搬送手段の搬送速度を変更する制御を行う制御手段と、
    を有する画像形成装置。
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