JP5533325B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1の定着装置は、定着ロールの外周面にオイルを供給するオイルドナーロールと、定着ロールの外周面に接触して定着ロールに熱量を供給する外部加熱ロールと、定着ロールの外周面を清掃するクリーニングウェブとを有している。特許文献1の定着装置では、外部加熱ロールにクリーニングウェブは接触していない。
特許第3736240号
本発明は、定着動作の開始後に定着部材に接触して定着部材の駆動力によって回転する接触部材を有する構成において、該接触部材に供給される油によって定着時に記録媒体に生じる油痕を低減することができる定着装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る定着装置は、回転しながら記録媒体上の現像剤像を定着させる定着部材と、前記定着部材の外周面に接触して従動回転し前記定着部材を加熱する外部加熱部材と、前記外部加熱部材の表面に油を供給する油供給手段と、前記定着部材への前記外部加熱部材の接触又は非接触を切り換える構成とされ、前記定着部材による定着動作の開始後に前記外部加熱部材を前記定着部材に接触させる切換手段と、前記定着部材を回転させると共に、前記外部加熱部材が前記定着部材から退避された退避位置にあるときは前記外部加熱部材への駆動力の伝達を遮断し、前記外部加熱部材が前記定着部材との接触位置に向けて移動しているときに、前記定着部材から前記外部加熱部材へ駆動力を伝達する回転手段と、を有する。
本発明の請求項2に係る定着装置は、前記回転手段は、前記外部加熱部材が前記定着部材に接触するときに前記定着部材から前記外部加熱部材への駆動力の伝達を遮断する。
本発明の請求項3に係る定着装置は、回転しながら記録媒体上の現像剤像を定着させる定着部材と、前記定着部材の外周面に接触して従動回転する接触部材と、前記接触部材に油を供給する油供給手段と、前記定着部材への前記接触部材の接触又は非接触を切り換えると共に、前記定着部材による定着動作の開始後に前記接触部材を前記定着部材に接触させる切換手段と、前記定着部材を回転させると共に、前記接触部材が前記定着部材から退避された退避位置にあるときは前記接触部材への駆動力の伝達を遮断し、前記接触部材が前記定着部材との接触位置に向けて移動しているときに、前記定着部材から前記接触部材へ駆動力を伝達する回転手段と、を有する。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、記録媒体上に現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、前記現像剤像形成手段で形成された現像剤像を記録媒体上に定着する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置と、を有する。
請求項1の発明は、定着部材を加熱する外部加熱部材が定着部材から離れているときに回転しない構成に比べて、定着部材を加熱する外部加熱部材に供給される油によって定着時に記録媒体に生じる油痕を低減することができる。
請求項の発明は、外部加熱部材が定着部材に接触するときに定着部材からの駆動力の伝達を遮断しない構成に比べて、外部加熱部材が定着部材に接触するときの定着部材に作用する負荷を低減することができる。
請求項の発明は、定着部材に接触する接触部材が定着部材から離れているときに回転しない構成に比べて、定着部材に接触する接触部材に供給される油によって定着時に記録媒体に生じる油痕を低減することができる。
請求項の発明は、定着部材を加熱する外部加熱部材が定着部材から離れているときに回転しない構成に比べて、現像剤像を定着した後の記録媒体に生じる油痕を低減することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成部の構成図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る外部加熱ロールのリトラクト機構を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る各ギヤの噛み合い状態を示す説明図である。 (A)、(B)本発明の実施形態に係る外部加熱ロールが定着ロールに接触した状態又は定着ロールから離れた状態を示す説明図である。 (A)、(B)比較例における油痕の発生状態を示す模式図である。 本発明の実施形態において油痕が生じなくなる状態を示す模式図である。
本発明の実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
図1には、実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録媒体の一例としての記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。なお、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向を矢印V方向、水平方向を矢印H方向と記載する。
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられており、搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34及び搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置QB(図2参照)へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
搬送路28の上流側部分は、画像形成装置10の正面視において、矢印V方向に向けて用紙収容部12の左側から画像形成部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送及び反転される両面搬送路29が接続されている。
両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29との切り替えを行う第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側まで矢印V方向(図示の下向きが−V、上向きが+V)に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送された記録用紙Pの後端が進入するとともに矢印H方向における図示の左側に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37との切り替えを行う第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には、一対の搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には、一対の搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
第1切替部材31は、三角柱状の部材であり、駆動手段(図示省略)によって先端部が搬送路28又は両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は、正面視で三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33又は搬送部37のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。なお、搬送部37の下流側端部は、搬送路28の上流側部分にある搬送ロール36の手前側に案内部材(図示省略)により接続されている。また、画像形成部14の左側面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から送り込まれる記録用紙Pの搬送経路が、搬送路28の位置合せロール38の手前に接続されている。
原稿読取部16は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置56とが設けられている。
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は記録用紙Pがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又は矢印H方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
一方、画像形成部14は、記録用紙P上にトナー画像(現像剤像)を形成する現像剤像形成手段の一例としての画像形成ユニット50を有している。画像形成ユニット50は、後述する感光体62、帯電部材64、露光装置66、現像装置70、中間転写ベルト68、及びクリーニング装置73を含んで構成されている。
画像形成部14における装置本体10Aの中央には、潜像保持体の一例としての円筒状の感光体62が設けられている。感光体62は、駆動手段(図示省略)によって矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
感光体62の回転方向における帯電部材64よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、図示しない半導体レーザ、f−θレンズ、ポリゴンミラー、結像レンズ、及び複数のミラーを有しており、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。なお、露光装置66は、レーザ光をポリゴンミラーで偏向走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式であってもよい。
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置70が設けられている。
図2に示すように、現像装置70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが、周方向に(図示の反時計回り方向にこの順番で)並んで配置されており、モータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。
なお、現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fは同様の構成となっているため、ここでは現像器72Yについて説明し、他の現像器72M、72C、72K、72E、72Fについては説明を省略する。また、Y、M、C、Kの4色の画像形成を行う場合は、現像器72E、72Fを使用しないため、現像器72Kから現像器72Yへの回転角度が180°となる。
現像器72Yは、本体となるケース部材76を有しており、ケース部材76内には、トナーカートリッジ78Y(図1参照)からトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナー及びキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、ケース部材76には、感光体62の外周面と対向して矩形状の開口部76Aが形成されており、開口部76Aには、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74が設けられている。さらに、ケース部材76内で開口部76Aに近い部位には、現像剤の層厚を規制するための板状の規制部材79が、開口部76Aの長手方向に沿って設けられている。
現像ロール74は、回転可能に設けられた円筒状の現像スリーブ74Aと、現像スリーブ74Aの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材74Bとで構成されており、現像スリーブ74Aが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシが形成されると共に、規制部材79で層厚が規制されることで、現像スリーブ74Aの外周面に現像剤層を形成するようになっている。そして、現像スリーブ74Aの外周面の現像剤層は、現像スリーブ74Aの回転により感光体62に対向する位置に搬送され、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。
また、ケース部材76内には、螺旋状に形成された搬送ロール77が2本回転可能に並列配置されており、この2本の搬送ロール77が回転することで、ケース部材76内に充填された現像剤が、現像ロール74の軸方向(現像器72Yの長手方向)に循環搬送されるようになっている。なお、各現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fに設けられた6本の現像ロール74は、隣の現像ロール74との間隔が中心角60°となるように周方向に配置されており、現像器72の切り替えにより、次の現像ロール74が感光体62の外周面と対向するようになっている。
図1に示すように、感光体62の回転方向で現像装置70よりも下流側であり且つ感光体62の下側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像が転写される被転写部材の一例としての中間転写ベルト68が設けられている。中間転写ベルト68は、無端状であり、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール65、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール63、及び後述する二次転写位置QB(図2参照)において中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写手段の一例としての一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置(これを一次転写位置QA(図2参照)とする)から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、電源(図示省略)から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる二次転写手段の一例としての二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置QB(図2参照)とされている。二次転写ロール71は、接地されると共に中間転写ベルト68の表面に接触しており、電源(図示省略)から通電された補助ロール69と二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収するクリーニングブレード59が設けられている。クリーニングブレード59は、開口部が形成された筐体(図示省略)に取り付けられており、クリーニングブレード59の先端部で掻き取られたトナーが、筐体内に回収されるようになっている。
中間転写ベルト68の周囲で搬送ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。位置検出センサ83は、中間転写ベルト68に向けて光を照射すると共にマークの表面で反射された光を受光することで、中間転写ベルト68の移動位置を検出するようになっている。
感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62表面に接触するクリーニングブレード及びブラシロールにより残留トナー等を回収する構成となっている。
また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に一次転写後に残留したトナーの除電を行うコロトロン81が設けられている。さらに、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電部材64よりも上流側)には、クリーニング後の感光体62の外周面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
そして、二次転写ロール71によるトナー画像の二次転写位置QBは、前述の搬送路28の途中に設定されており、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向(図示の矢印A方向)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写された記録用紙Pにトナー画像を定着させる定着装置100が設けられている。なお、定着装置100の詳細は後述する。
搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で定着装置100よりも下流側には、排紙部15又は反転部33へ向けて記録用紙Pを搬送する搬送ロール39が設けられている。また、原稿読取装置56の下側で現像装置70よりも上側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナーを収容するトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78Fが矢印H方向に並んで交換可能に設けられている。第1特別色E及び第2特別色Fは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から選択され、または、選択されないようになっている。
次に、定着装置100について説明する。
図3に示すように、定着装置100は、記録用紙Pが進入する開口部106Aと、記録用紙Pが排出される開口部106Bとが形成された筐体106を有している。筐体106内には、主要部として、加熱により定着を行う定着部材の一例としての定着ロール102と、定着ロール102へ向けて記録用紙Pを加圧する加圧ロール104と、定着ロール102を加熱する外部加熱部材及び接触部材の一例としての外部加熱ロール108と、外部加熱ロール108の外周面に接触すると共に外部加熱ロール108に油(潤滑剤)を供給する油供給手段の一例としてのウェブ112とが設けられている。
定着ロール102は、記録用紙Pの搬送経路上でトナー画像面側(上側)に配置されている。一例として、定着ロール102は、円筒状のアルミニウムからなる芯金102Bの外周にシリコンゴムからなる弾性部材102Aが被覆された構成となっており、弾性部材102Aの外周面には、フッ素系樹脂からなる離型層(図示省略)が形成されている。そして、芯金102Bの内側には、芯金102Bの内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ114が設けられている。ハロゲンヒータ114は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、芯金102Bを加熱することで、定着ロール102全体を加熱するようになっている。
定着ロール102の外周面と対向する位置には、定着ロール102の温度を検知する第1温度センサ120と、定着ロール102の外周面を均すリフレッシュロール132とが設けられている。第1温度センサ120は、非接触式の温度センサであり、定着ロール102からの熱放射を赤外フィルムで受け、このフィルムの温度上昇をサーミスタで検知することによって、定着ロール102の温度を検知するようになっている。また、リフレッシュロール132は、定着ロール102の外周面から離れて配置されており、定着枚数が予め設定された枚数になったときに定着ロール102の外周面に接触するように移動され、定着ロール外周面を均すようになっている。
外部加熱ロール108は、一例として、円筒状のアルミニウムで構成されており、長手方向両端部には円筒状の軸部108Aが設けられている。また、外部加熱ロール108の内側には、内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ118が設けられている。ハロゲンヒータ118は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、外部加熱ロール108全体を加熱するようになっている。
また、外部加熱ロール108は、定着ロール102の外周面と対向する位置に設けられており、後述する切換手段の一例としてのリトラクト機構部140(図4参照)により、定着ロール102の外周面と接触又は外周面から離れて配置されるようになっている。さらに、外部加熱ロール108の外周面と対向する位置には、外部加熱ロール108の温度を検知する接触式の第2温度センサ126が設けられている。なお、外部加熱ロール108は、一例として、定着ロール102の温度に対して50℃から70℃程度高い温度となるように加熱される。
ウェブ112は、外部加熱ロール108の外周面を清掃するための繊維体であり、外部加熱ロール108との接触による摩擦力を低下させるための潤滑剤となる油が予め含浸されると共に、矢印+R方向に回転可能に設けられた軸部134Aの周囲に巻き取られている。そして、軸部134Aの下側には中間ロール134Bが回転可能に配置されており、中間ロール134Bの左側には、矢印+R方向に回転可能とされた軸部134Cが中間ロール134Bと間隔をあけて配置されている。
ここで、ウェブ112は、軸部134Aから巻き出されつつ中間ロール134Bの外周面に巻き掛けられると共に、先端が軸部134Cに固定されることで、軸部134Cに巻き取られている。そして、ウェブ112は、軸部134Cがモータ(図示省略)で矢印+R方向に回転駆動されることで、矢印B方向に移動して外部加熱ロール108の外周面に接触すると共に軸部134Cに巻き取られるようになっている。なお、ウェブ112は、定着装置100の定着動作時に必要に応じて巻き取られるようになっており、外部加熱ロール108とは常に接触している。また、定着動作とは、定着ロール102が回転を開始してから記録用紙Pへのトナー画像の定着を終了して回転を停止するまでの動作であり、記録用紙Pが定着ロール102と加圧ロール104との接触部(ニップ部)に進入していない状態も含んでいる。
一方、加圧ロール104は、記録用紙Pの搬送経路上で定着ロール102の下側に配置されている。一例として、加圧ロール104は、円筒状のアルミニウムからなる芯金104Bの外周にシリコンゴムからなる弾性部材104Aが被覆された構成となっており、弾性部材104Aの外周面には、フッ素系樹脂からなる離型層(図示省略)が形成されている。そして、芯金104Bの内側には、芯金104Bの内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ116が設けられている。ハロゲンヒータ116は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、芯金104Bを加熱することで、加圧ロール104全体を加熱するようになっている。
また、加圧ロール104の外周面と対向する位置には、加圧ロール104の温度を検知する第3温度センサ128が加圧ロール104と非接触状態で設けられている。第3温度センサ128は、第1温度センサ120と同様の構成となっている。ここで、第1温度センサ120、第2温度センサ126、及び第3温度センサ128は、前述の制御部20(図1参照)に接続されており、制御部20では、第1温度センサ120、第2温度センサ126、及び第3温度センサ128からの入力に基づいて、ハロゲンヒータ114、118、116へ出力を行うようになっている。
さらに、加圧ロール104の両端部にはベアリング(図示省略)が設けられており、このベアリングは、V字状のブラケット124の中央部分に取り付けられている。そして、ブラケット124は、筐体106に取り付けられた軸部122を中心として、偏心カム(図示省略)の動作により矢印+R方向又は矢印−R方向に揺動可能に設けられている。これにより、加圧ロール104は、ブラケット124が矢印+R方向に移動することで定着ロール102と接触し、ブラケット124が矢印−R方向に移動することで定着ロール102から離れるようになっている。
次に、外部加熱ロール108のリトラクト機構部140について説明する。
図4に示すように、リトラクト機構部140は、筐体106に取り付けられたブラケット142、144と、外部加熱ロール108を回転可能に支持するブラケット146と、ブラケット146に設けられた偏心カム148と、ブラケット146を付勢するバネ152とを含んで構成されている。なお、以後の説明では、外部加熱ロール108が定着ロール102に近づく方向を+X方向、外部加熱ロール108が定着ロール102から離れる方向を−X方向と記載する。+X方向、−X方向は、図示の右斜め方向となっている。
ブラケット142、144は、外部加熱ロール108を中心にして定着ロール102とは反対側で互いに対向するように、外部加熱ロール108に近い側(+X方向)にブラケット142が設けられ、外部加熱ロール108から遠い側(−X方向)にブラケット144が設けられている。ブラケット142は、断面コ字状に形成されており、ブラケット144側に開口した状態で筐体106に取り付けられている。また、ブラケット144は、中央に凹部144Aが形成されており、この凹部144Aがブラケット142と対向するように筐体106に取り付けられている。
ブラケット146は、ベアリング138(図5参照)が取り付けられており、このベアリング138によって外部加熱ロール108が回転可能に支持されている。なお、ブラケット146は、外部加熱ロール108の両端で一対設けられているが、ここでは一方のみを図示して説明する。また、ブラケット146は、ガイド部材(図示省略)によって移動方向が+X方向、−X方向のみに規制されている。
さらに、ブラケット146には、ブラケット146から外部加熱ロール108の軸方向に突出したフランジ154が設けられている。フランジ154は、外部加熱ロール108の軸方向に見て中央が断面コ字状の凹部154Aとされており、凹部154Aの周縁部から外側へ向けて平坦部154Bが形成されている。そして、フランジ154は、凹部154Aの開口側がブラケット144の凹部144Aと対向し且つ平坦部154Bがブラケット142と対向するように、ブラケット142とブラケット144との間に配置されている。また、ブラケット146には、後述する中間ギヤ166に近い位置に突出部146Aが形成されている。
偏心カム148は、回転軸148Aを有しており、この回転軸148Aがブラケット146の−X方向の端部に固定されたベアリング(図示省略)に挿通されることにより+R方向又は−R方向に回転可能となっている。また、偏心カム148は、モータ(図示省略)により+R方向又は−R方向に回転駆動されるようになっており、−R方向に回転したときに外周部がブラケット144の凹部144Aと接触し、+R方向に回転したときに外周部が凹部144Aから離れるようになっている。
バネ152は、フランジ154の平坦部154Bとブラケット142とで挟まれるようにブラケット142側に一端が固定されている。これにより、バネ152は、ブラケット146が+X方向に移動するときに、ブラケット146を−X方向に付勢するようになっている。
このように、リトラクト機構部140では、偏心カム148が−R方向に回転してブラケット144と接触することで、ブラケット146が+X方向に移動して、外部加熱ロール108が定着ロール102の外周面に接触するようになっており、偏心カム148が+R方向に回転してブラケット144から離れることで、バネ152の付勢力によりブラケット146が−X方向に移動して、外部加熱ロール108が定着ロール102の外周面から離れるようになっている。即ち、リトラクト機構部140が、定着ロール102への外部加熱ロール108の接触又は非接触を切り換えるようになっている。
次に、定着ロール102及び外部加熱ロール108の回転手段について説明する。
図5に示すように、定着ロール102の芯金102Bの一端部には、予め設定された歯数の定着部材回転手段の一例としての定着側ギヤ156が固定されている。また、定着ロール102の軸方向で定着側ギヤ156よりも内側(中央に近い側)には、芯金102Bを回転可能に支持するベアリング136を挟んで、予め設定された歯数の伝達ギヤ158が固定されている。なお、定着側ギヤ156は、モータ(図示省略)により回転するようになっている。
伝達ギヤ158には、予め設定された歯数で回転可能に設けられた中間ギヤ162が噛み合っている。そして、中間ギヤ162の外周で伝達ギヤ158とは異なる位置には、予め設定された歯数の中間ギヤ166が噛み合っている。中間ギヤ166は、ベアリング168で回転可能に支持されたシャフト164の一端に固定されており、シャフト164の他端には、予め設定された歯数の中間ギヤ172が固定されている。
一方、外部加熱ロール108の軸部108Aの一端(定着側ギヤ156と同じ側)には、予め設定された歯数の回転手段の一例としての外部加熱側ギヤ174が固定されている。そして、中間ギヤ172が外部加熱側ギヤ174と噛み合っている。なお、伝達ギヤ158、及び中間ギヤ162、166、172は、回転手段の一例である。
図4に示すように、中間ギヤ162、166、172は、ベアリング(図示省略)で回転可能に設けられると共にブラケット178で支持されている。そして、ブラケット178は、筐体106に設けられた回転軸176を中心にモータ(図示省略)により矢印+R方向又は矢印−R方向に揺動可能となっており、バネ(図示省略)により矢印+R方向に付勢されている。また、ブラケット178におけるブラケット146に近い側の端部には、ブラケット146の突出部146Aと係合可能な大きさの係合ピン178Aが設けられている。なお、伝達ギヤ158、中間ギヤ162、166、172、及び外部加熱側ギヤ174の配置を分かりやすくするため、図4における各部材の実線表示、破線表示は、実際の配置とは異なった表示にしている。
ここで、図6(A)に示すように、ブラケット146が+X方向に移動して定着ロール102と外部加熱ロール108とが接触しているとき(外部加熱ロール108が接触位置にあるとき)は、ブラケット178の係合ピン178Aがブラケット146の突出部146Aで+X方向に押されることにより、ブラケット178が矢印−R方向に移動し、中間ギヤ162が伝達ギヤ158から離れて(図示の矢印−Y方向へ移動して)、定着ロール102から外部加熱ロール108への駆動力の伝達が遮断されている。
一方、図6(B)に示すように、ブラケット146が−X方向に移動して外部加熱ロール108が定着ロール102から離れているとき、ブラケット178がバネ(図示省略)で矢印+R方向に付勢されていることにより、ブラケット178が矢印+R方向に移動し、中間ギヤ162が伝達ギヤ158と噛み合う(図示の矢印+Y方向への移動)。
このように、制御部20(図1参照)には、リトラクト機構部140の動作が予め設定されており、外部加熱ロール108が定着ロール102と接触するときは、定着ロール102から外部加熱ロール108への駆動力(回転力)の伝達が遮断され、外部加熱ロール108が定着ロール102から離れているときは、定着ロール102から外部加熱ロール108へ駆動力(回転力)が伝達される。
なお、本実施形態の他の実施例として、外部加熱ロール108が定着ロール102から離れた退避位置にあるとき、中間ギヤ172と外部加熱側ギヤ174とが噛み合わないように配置して外部加熱ロール108を静止状態としておき、外部加熱ロール108が定着ロール102との接触位置に向けて移動している途中において、中間ギヤ172と外部加熱側ギヤ174とが噛み合い、外部加熱ロール108が定着ロール102から駆動力を伝達されて回転するように構成してもよい。この構成では、外部加熱ロール108が退避位置では回転しないので、退避位置で外部加熱ロール108が回転する構成に比べて、ウェブ112から外部加熱ロール108への油の転移量が減少し、ウェブ112に含浸された油の減少量が低減される。
次に、本実施形態に対する比較例について説明する。
図7(A)には、比較例として、本実施形態のリトラクト機構部140を用いず、常に外部加熱ロール108が定着ロール102に接触している構成が示されている。この比較例では、定着動作が長期間行われないと、ウェブ112から染み出た油が外部加熱ロール108とウェブ112との間で蓄積され、油溜まりL1ができてしまう。そして、定着動作が開始され外部加熱ロール108が回転すると、外部加熱ロール108の外周面にある油溜まりL1は、定着ロール102との接触部で定着ロール102の外周面に移され、加圧ロール104(図3参照)との接触部で記録用紙Pに転写される。
これにより、図7(B)に示すように、記録用紙P上には、定着ロール102の外周長に相当する間隔で油溜まりL1が油痕として残ってしまうことになる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図8(A)に示すように、本実施形態では、定着動作が開始される前、リトラクト機構部140(図4参照)により、外部加熱ロール108が定着ロール102から離れた状態となっている。そして、定着動作が開始され、定着ロール102が回転すると、伝達ギヤ158、及び中間ギヤ162、166、172(図6(B)参照)を介して外部加熱側ギヤ174(図6(B)参照)に駆動力が伝達され、外部加熱ロール108が回転する。これにより、ウェブ112と外部加熱ロール108との間にあった油溜まりは、外部加熱ロール108の外周面上で均され、油層L2となる。
続いて、制御部20(図1参照)の指令により偏心カム148(図4参照)が回転してブラケット144(図4参照)に接触すると、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触すると共に、定着ロール102から外部加熱ロール108への駆動力の伝達が遮断され、外部加熱ロール108は定着ロール102の回転に合わせて従動回転する。このとき、外部加熱ロール108の外周面にある油層L2は、定着ロール102との接触部で定着ロール102の外周面に移され、定着ロール102と加圧ロール104(図3参照)との接触部で記録用紙Pに転写される。
これにより、図8(B)に示すように、記録用紙P上には、均等な量となった油層L2が転写されるため、記録用紙P上での油痕が低減され、油痕が視認されにくくなる。また、定着動作の開始後、定着ロール102が回転を開始することで外部加熱ロール108が回転し、さらに、定着ロール102に外部加熱ロール108が接触するので、定着ロール102による定着動作の開始前に定着ロール102へ外部加熱ロール108を接触させる構成に比べて、定着ロール102の無駄な回転が低減される。加えて、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触するときに、外部加熱ロール108への駆動力の伝達が遮断されるので、外部加熱ロール108と定着ロール102とが接触した後も外部加熱ロール108に駆動力が伝達される構成に比べて、定着ロール102に作用する負荷が低減される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
定着ロール102は、電磁誘導方式により加熱される定着ベルトであってもよい。また、外部加熱ロール108の駆動源として単独のモータを設けて駆動してもよい。さらに、定着ロール102の回転前に外部加熱ロール108を定着ロール102から離して回転させてもよい。また、外部加熱ロール108を定着ロール102に接触させた状態で、伝達ギヤ158及び中間ギヤ162、166、172を用いて、定着ロール102から外部加熱ロール108へ駆動力を伝達して回転駆動するようにしてもよい。
さらに、他の実施例として、接触部材と油供給手段とを一体としたオイル塗布ロールを定着ロール102に接触させる構成において、当該オイル塗布ロールを定着ロール102に接触させる前に回転させるようにしてもよい。また、定着ロール102から外部加熱ロール108への駆動力の伝達又は駆動力の伝達の遮断は、電磁クラッチを用いて行ってもよい。
10 画像形成装置
50 画像形成ユニット(現像剤像形成手段)
100 定着装置
102 定着ロール(定着部材)
108 外部加熱ロール(外部加熱部材、接触部材)
112 ウェブ(油供給手段)
140 リトラクト機構部(切換手段)
156 定着側ギヤ(定着部材回転手段)
158 伝達ギヤ(回転手段)
162 中間ギヤ(回転手段)
166 中間ギヤ(回転手段)
172 中間ギヤ(回転手段)
174 外部加熱側ギヤ(回転手段)

Claims (4)

  1. 回転しながら記録媒体上の現像剤像を定着させる定着部材と、
    前記定着部材の外周面に接触して従動回転し前記定着部材を加熱する外部加熱部材と、
    前記外部加熱部材の表面に油を供給する油供給手段と、
    前記定着部材への前記外部加熱部材の接触又は非接触を切り換える構成とされ、前記定着部材による定着動作の開始後に前記外部加熱部材を前記定着部材に接触させる切換手段と、
    前記定着部材を回転させると共に、前記外部加熱部材が前記定着部材から退避された退避位置にあるときは前記外部加熱部材への駆動力の伝達を遮断し、前記外部加熱部材が前記定着部材との接触位置に向けて移動しているときに、前記定着部材から前記外部加熱部材へ駆動力を伝達する回転手段と、
    を有する定着装置。
  2. 前記回転手段は、前記外部加熱部材が前記定着部材に接触するときに前記定着部材から前記外部加熱部材への駆動力の伝達を遮断する請求項1に記載の定着装置。
  3. 回転しながら記録媒体上の現像剤像を定着させる定着部材と、
    前記定着部材の外周面に接触して従動回転する接触部材と、
    前記接触部材に油を供給する油供給手段と、
    前記定着部材への前記接触部材の接触又は非接触を切り換えると共に、前記定着部材による定着動作の開始後に前記接触部材を前記定着部材に接触させる切換手段と、
    前記定着部材を回転させると共に、前記接触部材が前記定着部材から退避された退避位置にあるときは前記接触部材への駆動力の伝達を遮断し、前記接触部材が前記定着部材との接触位置に向けて移動しているときに、前記定着部材から前記接触部材へ駆動力を伝達する回転手段と、
    を有する定着装置。
  4. 記録媒体上に現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、
    前記現像剤像形成手段で形成された現像剤像を記録媒体上に定着する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を有する画像形成装置
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