JP2012027168A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着部材外周面の周方向の温度むらを低減できる定着装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】定着装置100は、定着ロール102と、加圧ロール104と、定着ロール102の外周面に接触して温度を低下させる吸熱ロール132と、吸熱ロール132を移動するリトラクト機構部160とを有している。ここで、リトラクト機構部160は、定着ロール102の外周面と記録用紙Pの先端とが接触する接触位置R1が、吸熱ロール132と定着ロール102との接触位置R0に来るまで吸熱ロール132を定着ロール102に接触させておき、接触位置R1が接触位置R0に来たときに吸熱ロール132を定着ロール102から離す。これにより、吸熱ロール132が定着ロール102の過剰な熱量を吸収して設定温度T0まで温度を下げるので、定着ロール102の外周面の周方向の温度むらを低減することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
特許文献1の定着装置は、定着ローラ、加圧ローラ、及び外部加熱ローラを有しており、外部加熱ローラが定着ローラに対して接触し又は定着ローラから退避するように構成されている。そして、外部加熱ローラの定着ローラに対する接触又は退避動作が、記録材が定着ローラと加圧ローラとのニップ部に進入するタイミングに対応して行われている。
特許文献2の定着装置は、連続プリント中に定着速度を変更可能とする制御手段を有している。この制御手段は、連続プリント枚数ごとに決められた定着速度となるように、定着速度を低下する方向に段階的に変更させる。
特開平10−149044号 特開2006−243377号
本発明は、定着部材外周面の周方向の温度むらを低減できる定着装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
本発明の請求項1に係る定着装置は、回転しながら記録媒体上の現像剤像を加熱して定着させる定着部材と、前記定着部材とで記録媒体を挟んで加圧する加圧部材と、前記定着部材の外周面への接触及び該外周面からの退避が可能とされ前記定着部材の外周面に接触して前記定着部材の温度を低下させる冷却部材と、記録媒体の搬送経路に設けられ記録媒体を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に応じて求められる前記定着部材の外周面上の記録媒体の先端との接触位置が前記冷却部材との接触位置に来るまで前記冷却部材を前記定着部材に接触させておき、前記定着部材上の記録媒体の先端との接触位置が前記接触位置に来たときに前記冷却部材が前記定着部材から離れるように前記冷却部材を移動する移動手段と、を有する。
本発明の請求項2に係る定着装置は、前記移動手段は、前記定着部材から前記冷却部材を離す前に前記定着部材が1周以上するように前記冷却部材を前記定着部材に接触させる。
本発明の請求項3に係る定着装置は、前記移動手段は、記録媒体の後端が前記定着部材と前記加圧部材とで挟まれる部分を抜けたとき又は抜けた後に前記冷却部材を前記定着部材に接触させる。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、前記現像剤像形成手段で形成された現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段で転写された現像剤像を記録媒体上に定着する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置と、を有する。
請求項1の発明は、冷却部材を定着部材に常に接触させている構成に比べて、定着部材外周面の周方向の温度むらを低減できる。
請求項2の発明は、定着部材から冷却部材を離す前に定着部材が1周以上しない構成に比べて、定着部材外周面の周方向の温度むらを低減できる。
請求項3の発明は、記録媒体の後端が定着部材と加圧部材とで挟まれる部分を抜けたとき又は抜けた後に冷却部材を定着部材に接触させない構成に比べて、次の記録媒体の定着開始前の過剰な温度上昇を抑制することができる。
請求項4の発明は、定着部材から冷却部材を離す前に定着部材が1周以上しない構成に比べて、1枚の記録媒体における画像の光沢むらを低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成ユニットの構成図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置の構成図である。 本発明の第1実施形態に係る外部加熱ロールのリトラクト機構を示す説明図である。 (A)本発明の第1実施形態に係る吸熱ロールの構成図である。(B)本発明の第1実施形態に係る吸熱ロールが定着ロールに対して接触又は退避する状態を示す説明図である。 (A)、(B)、(C)、(D)本発明の第1実施形態に係る定着ロールの外周面に対して吸熱ロール、外部加熱ロールを接触させる位置を示す模式図である。 (A)、(B)、(C)本発明の第1実施形態に係る吸熱ロールを定着ロールに接触させたときの定着ロール外周面における温度の違い及び記録用紙上のトナー画像の光沢度の違いを示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る定着ロールに対して、吸熱ロール、外部加熱ロールを接触させたときの定着ロールの温度変化と、接触させないときの定着ロールの温度変化とを1枚の記録用紙の用紙位置に合わせて示したグラフである。 本発明の第1実施形態に係る定着ロールに対して、吸熱ロール、外部加熱ロールを接触させたときの定着ロールの温度変化と、接触させないときの定着ロールの温度変化とを2枚の記録用紙の用紙位置に合わせて示したグラフである。 (A)、(B)、(C)本発明の第2実施形態に係る吸熱ロール、外部加熱ロールを定着ロールに接触させたときの定着ロール外周面における温度の違い及び記録用紙上のトナー画像の光沢度の違いを示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る定着ロールに対して、吸熱ロール、外部加熱ロールを接触させたときの定着ロールの温度変化と、接触させないときの定着ロールの温度変化とを1枚の記録用紙の用紙位置に合わせて示したグラフである。 (A)、(B)、(C)吸熱ロールを定着ロールに接触させない比較例における定着ロール外周面の温度の違い及び記録用紙上のトナー画像の光沢度の違いを示す模式図である。
本発明の第1実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
図1には、第1実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録媒体の一例としての記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。なお、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向を矢印V方向、水平方向を矢印H方向と記載する。また、制御部20は、後述するリトラクト機構部160(図5(A)参照)を作動させるようになっており、移動手段の一例に含まれる。
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられており、搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34及び搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置QB(図2参照)へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
搬送路28の上流側部分(搬送ロール36が設けられている部位)は、画像形成装置10の正面視において、矢印V方向に向けて用紙収容部12の左側から画像形成部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送及び反転される両面搬送路29が接続されている。
両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29との切り替えを行う第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側まで矢印V方向(図示の下向きが−V、上向きが+V)に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送された記録用紙Pの後端が進入するとともに矢印H方向における図示の左側に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37との切り替えを行う第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には、一対の搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には、一対の搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
第1切替部材31は、三角柱状の部材であり、駆動手段(図示省略)によって先端部が搬送路28又は両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は、正面視で三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33又は搬送部37のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。なお、搬送部37の下流側端部は、搬送路28の上流側部分にある搬送ロール36の手前側に案内部材(図示省略)により接続されている。また、画像形成部14の左側面には折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から送り込まれる記録用紙Pの搬送経路が、搬送路28における位置合せロール38よりも手前側(上流側)に接続されている。
原稿読取部16は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置56とが設けられている。
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は記録用紙Pがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又は矢印H方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
一方、画像形成部14は、記録用紙P上にトナー画像(現像剤像)を形成する現像剤像形成手段の一例としての画像形成ユニット50を有している。画像形成ユニット50は、後述する感光体62、帯電部材64、露光装置66、現像装置70、中間転写ベルト68、及びクリーニング装置73を含んで構成されている。
画像形成部14における装置本体10Aの中央には、潜像保持体である円筒状の感光体62が設けられている。感光体62は、駆動手段(図示省略)によって矢印+R方向(図示の時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
感光体62の回転方向における帯電部材64よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、図示しない半導体レーザ、f−θレンズ、ポリゴンミラー、結像レンズ、及び複数のミラーを有しており、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。なお、露光装置66は、レーザ光をポリゴンミラーで偏向走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式であってもよい。
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置70が設けられている。
図2に示すように、現像装置70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各トナー色にそれぞれ対応する現像器72Y、72M、72C、72Kが、周方向に(図示の反時計回り方向にこの順番で)並んで配置されており、モータ(図示省略)によって中心角で90°ずつ回転することで、現像処理を行う現像器72Y、72M、72C、72Kが切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。
なお、現像器72Y、72M、72C、72Kは同様の構成となっているため、ここでは現像器72Yについて説明し、他の現像器72M、72C、72Kについては説明を省略する。
現像器72Yは、本体となるケース部材76を有しており、ケース部材76内には、トナーカートリッジ78Y(図1参照)からトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナー及びキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、ケース部材76には、感光体62の外周面と対向して矩形状の開口部76Aが形成されており、開口部76Aには、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74が設けられている。さらに、ケース部材76内で開口部76Aに近い部位には、現像剤の層厚を規制するための板状の規制部材79が、開口部76Aの長手方向に沿って設けられている。
現像ロール74は、回転可能に設けられた円筒状の現像スリーブ74Aと、現像スリーブ74Aの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材74Bとで構成されており、現像スリーブ74Aが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシが形成されると共に、規制部材79で層厚が規制されることで、現像スリーブ74Aの外周面に現像剤層を形成するようになっている。そして、現像スリーブ74Aの外周面の現像剤層は、現像スリーブ74Aの回転により感光体62に対向する位置に搬送され、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。
また、ケース部材76内には、螺旋状に形成された搬送ロール77が2本回転可能に並列配置されており、この2本の搬送ロール77が回転することで、ケース部材76内に充填された現像剤が、現像ロール74の軸方向(現像器72Yの長手方向)に循環搬送されるようになっている。なお、各現像器72Y、72M、72C、72Kに設けられた4本の現像ロール74は、隣の現像ロール74との間隔が中心角90°となるように周方向に配置されており、現像器72の切り替えにより、次の現像ロール74が感光体62の外周面と対向するようになっている。
図2に示すように、感光体62の回転方向で現像装置70よりも下流側であり且つ感光体62の下側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト68が設けられている。中間転写ベルト68は、無端状であり、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール65、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール63、及び後述する二次転写位置QBにおいて中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置(これを一次転写位置QAとする)から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、電源(図示省略)から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる転写手段の一例としての二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置QBとされている。二次転写ロール71は、接地されると共に中間転写ベルト68の表面に接触しており、電源(図示省略)から通電された補助ロール69と二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。なお、二次転写位置QBは、前述の搬送路28(図1参照)の途中に設定されている。
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収するクリーニングブレード59が設けられている。クリーニングブレード59は、開口部が形成された筐体(図示省略)に取り付けられており、クリーニングブレード59の先端部で掻き取られたトナーが、筐体内に回収されるようになっている。
中間転写ベルト68の周囲で搬送ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。位置検出センサ83は、中間転写ベルト68に向けて光を照射すると共にマークの表面で反射された光を受光することで、中間転写ベルト68の移動位置を検出するようになっている。
一方、感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62表面に接触するクリーニングブレード及びブラシロールにより残留トナー等を回収する構成となっている。
また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に一次転写後に残留したトナーの除電を行うコロトロン81が設けられている。さらに、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電部材64よりも上流側)には、クリーニング後の感光体62の外周面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
図1に示すように、記録用紙Pの搬送方向(図示の矢印A方向)における二次転写ロール71よりも下流側で且つ二次転写ロール71に近い位置には、記録用紙Pの後端が二次転写ロール71(二次転写位置QB(図2参照))を抜けたことを検知する検知手段の一例としての用紙センサ91が、搬送路28を挟んで設けられている。
用紙センサ91は、フォトセンサであり、図2に示すように、搬送路28を挟んで対向配置された発光部91Aと受光部91Bとを含んで構成されている。また、用紙センサ91は、制御部20(図1参照)に配線(図示省略)を介して接続されている。なお、発光部91Aから受光部91Bへの光の進行方向は、記録用紙Pの搬送方向と交差する方向となっている。
ここで、用紙センサ91では、発光部91Aと受光部91Bとの間に記録用紙Pが無いとき、受光部91Bが発光部91Aで出射された光を受光しており、受光量が多くなる。一方、発光部91Aと受光部91Bとの間に記録用紙Pが進入したときは、受光部91Bに向かう光が記録用紙Pによって遮断されるため、受光部91Bにおける受光量が減少する。これにより、制御部20(図1参照)では、用紙センサ91で検知された受光量の変化に基づいて、二次転写ロール71における記録用紙Pの後端の通過タイミングを検知するようになっている。
図1に示すように、記録用紙Pの搬送方向における用紙センサ91よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写された記録用紙Pにトナー画像を定着させる定着装置100が設けられている。なお、定着装置100の詳細は後述する。また、記録用紙Pの搬送方向で定着装置100よりも下流側には、排紙部15又は反転部33へ向けて記録用紙Pを搬送する搬送ロール39が設けられている。
一方、原稿読取装置56の下側で現像装置70よりも上側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78Kが矢印H方向に並んで交換可能に設けられている。
次に、定着装置100について説明する。
図3に示すように、定着装置100は、記録用紙Pが進入する開口部106Aと、記録用紙Pが排出される開口部106Bとが形成された筐体106を有している。筐体106内には、主要部として、トナー画像(現像剤像)を加熱して記録用紙Pに定着させる定着部材の一例としての定着ロール102と、定着ロール102とで記録用紙Pを挟んで加圧する加圧部材の一例としての加圧ロール104と、定着ロール102の外周面に接触して加熱する外部加熱ロール108と、定着ロール102の外周面に接触して温度を低下させる冷却部材の一例としての吸熱ロール132と、吸熱ロール132を定着ロール102に対して接触又は退避するように移動させる移動手段の一例としてのリトラクト機構部160と、が設けられている。
定着ロール102は、記録用紙Pの搬送経路上でトナー画像面側(上側)に配置されている。一例として、定着ロール102は、円筒状のアルミニウムからなる芯金102Bの外周にシリコンゴムからなる弾性部材102Aが被覆された構成となっており、弾性部材102Aの外周面には、フッ素系樹脂からなる離型層(図示省略)が形成されている。そして、芯金102Bの内側には、芯金102Bの内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ114が設けられている。ハロゲンヒータ114は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、芯金102Bを加熱することで、定着ロール102全体を加熱するようになっている。
定着ロール102の外周面と対向する位置で開口部106Aに近い側には、定着ロール102の温度を検知する第1温度センサ120と、詳細を後述する吸熱ロール132とが設けられている。第1温度センサ120は、非接触式の温度センサであり、定着ロール102からの熱放射を赤外フィルムで受け、このフィルムの温度上昇をサーミスタで検知することによって、定着ロール102の温度を検知するようになっている。
外部加熱ロール108は、一例として、円筒状のアルミニウムで構成されており、長手方向両端部には円筒状の軸部108Aが設けられている。また、外部加熱ロール108の内側には、内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ118が設けられている。ハロゲンヒータ118は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、一例として、外部加熱ロール108が定着ロール102の温度に対して50℃から70℃高い温度となるように加熱を行う。
また、外部加熱ロール108は、定着ロール102の外周面と対向して設けられており、後述するリトラクト機構部140(図4参照)の作動によって移動し、定着ロール102の外周面への接触又は外周面からの退避が可能となっている。さらに、外部加熱ロール108の外周面には、外部加熱ロール108の温度を検知する接触式の第2温度センサ126と、外部加熱ロール108の外周面を清掃するウェブ112とが接触して設けられている。
ウェブ112は、外部加熱ロール108の外周面を清掃するための繊維体で構成されており、外部加熱ロール108との接触による摩擦力を低下させるための潤滑剤となる油が予め含浸されると共に、矢印+R方向に回転可能に設けられた軸部134Aの周囲に巻き取られている。そして、軸部134Aの下側には中間ロール134Bが回転可能に配置されており、中間ロール134Bの左側には、矢印+R方向に回転可能とされた軸部134Cが中間ロール134Bと間隔をあけて配置されている。
ここで、ウェブ112は、軸部134Aから巻き出されつつ中間ロール134Bの外周面に巻き掛けられると共に、先端が軸部134Cに固定されることで、軸部134Cに巻き取られている。そして、ウェブ112は、軸部134Cがモータ(図示省略)で矢印+R方向に回転駆動されることで、矢印B方向(図示の下方向)に移動して外部加熱ロール108の外周面に接触すると共に、軸部134Cに巻き取られるようになっている。なお、ウェブ112は、定着装置100の定着動作時に必要に応じて巻き取られるようになっている。
一方、加圧ロール104は、記録用紙Pの搬送経路上で定着ロール102の下側に配置されている。一例として、加圧ロール104は、円筒状のアルミニウムからなる芯金104Bの外周にシリコンゴムからなる弾性部材104Aが被覆された構成となっており、弾性部材104Aの外周面には、フッ素系樹脂からなる離型層(図示省略)が形成されている。そして、芯金104Bの内側には、芯金104Bの内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ116が設けられている。ハロゲンヒータ116は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、芯金104Bを加熱することで、加圧ロール104全体を加熱するようになっている。
また、加圧ロール104の外周面と対向する位置で開口部106Aに近い側には、加圧ロール104の温度を検知する第3温度センサ128が加圧ロール104と非接触状態で設けられている。第3温度センサ128は、第1温度センサ120と同様の構成となっている。ここで、第1温度センサ120、第2温度センサ126、及び第3温度センサ128は、前述の制御部20(図1参照)に接続されており、制御部20では、第1温度センサ120、第2温度センサ126、及び第3温度センサ128からの入力に基づいて、ハロゲンヒータ114、118、116へ出力を行うようになっている。
さらに、加圧ロール104の両端部にはベアリング(図示省略)が設けられており、このベアリングは、V字状のブラケット124の中央部分に取り付けられている。そして、ブラケット124は、筐体106に取り付けられた軸部122を中心として、偏心カム(図示省略)の動作により矢印+R方向又は矢印−R方向に揺動可能に設けられている。これにより、加圧ロール104は、ブラケット124が矢印−R方向に移動することで定着ロール102と接触し、ブラケット124が矢印+R方向に移動することで定着ロール102から離れるようになっている。
次に、外部加熱ロール108のリトラクト機構部140について説明する。
図4に示すように、リトラクト機構部140は、外部加熱ロール108の軸方向に見て、右斜め上方で回転駆動可能に設けられた偏心カム142と、偏心カム142を挟むように対向配置された上ブラケット144及び下ブラケット146と、下ブラケット146と対向配置されるフランジ148を有すると共に外部加熱ロール108の軸方向両端部を支持する支持ブラケット149と、下ブラケット146に一端が取り付けられ他端がフランジ148に取り付けられた複数のバネ152とを含んで構成されている。なお、以後の説明では、外部加熱ロール108が定着ロール102に近づく方向を+X方向、外部加熱ロール108が定着ロール102から離れる方向を−X方向と記載する。+X方向、−X方向は、図示の右斜め方向となっている。また、定着ロール102の外周で外部加熱ロール108が接触する接触位置をR2と記載する。
偏心カム142は、外部加熱ロール108の軸方向と同じ軸方向とされた回転軸142Aを有しており、制御部20(図1参照)によって駆動されるモータ(図示省略)により、矢印−R方向(図示の反時計回り方向)に回転駆動されるようになっている。なお、偏心カム142の回転は、一方向に連続して回転させる連続駆動と、一方向に回転させた後で他方向に逆回転させる切り替え駆動のいずれであってもよい。
上ブラケット144は、外部加熱ロール108の軸方向に見て中央が断面コ字状の凹部144Aとされており、凹部144Aの周縁部から外側(矢印X方向と交差する方向の外側)へ向けて平坦部144Bが形成されている。また、上ブラケット144は、偏心カム142よりも−X方向側に配置されており、凹部144Aの開口側が偏心カム142と対向配置されている。さらに、上ブラケット144は、凹部144Aに回転可能に設けられ偏心カム142の外周面と接触することで回転する上フォロワ143が設けられている。
下ブラケット146は、外部加熱ロール108の軸方向に見て中央が断面コ字状の凹部146Aとされており、凹部146Aの周縁部から外側(矢印X方向と交差する方向の外側)へ向けて平坦部146Bが形成されている。また、下ブラケット146は、偏心カム142よりも+X方向側に配置されており、凹部146Aの開口側が偏心カム142と対向配置されている。さらに、下ブラケット146は、凹部146Aに回転可能に設けられ偏心カム142の外周面と接触することで回転する下フォロワ145が設けられている。
ここで、上ブラケット144及び下ブラケット146は、凹部144Aと凹部146Aとで偏心カム142を挟むようにして、平坦部144Bと平坦部146Bが接触した状態でボルト及びナット(図示省略)で締結されている。そして、偏心カム142の回転中心、上フォロワ143の回転中心、及び下フォロワ145の回転中心が矢印X方向で同一線上となるように配置されている。なお、上ブラケット144及び下ブラケット146は、ガイド部材(図示省略)によって移動方向が+X方向、−X方向のみに規制されている。
一方、支持ブラケット149は、ベアリング(図示省略)が取り付けられており、このベアリングによって外部加熱ロール108が回転可能に支持されている。なお、支持ブラケット149は、外部加熱ロール108の両端で一対設けられているが、ここでは一方のみを図示して説明する。また、支持ブラケット149は、ガイド部材(図示省略)によって移動方向が+X方向、−X方向のみに規制されている。さらに、支持ブラケット149のフランジ148は、支持ブラケット149から外部加熱ロール108の軸方向に突出形成されており、外部加熱ロール108の軸方向に見て断面コ字状となっている。また、フランジ148は、開口側が下ブラケット146に向くように配置されている。なお、バネ152は、矢印X方向を伸縮方向として、下ブラケット146の平坦部146Bに一端が固定され、他端がフランジ148の平坦部148Aに固定されている。
ここで、リトラクト機構部140では、偏心カム142と下フォロワ145とが接触して、上ブラケット144及び下ブラケット146が+X方向に移動するとき、バネ152がフランジ148を+X方向に付勢する。これにより、支持ブラケット149が+X方向に移動して、外部加熱ロール108が定着ロール102の外周面と接触する。一方、偏心カム142と上フォロワ143とが接触して、上ブラケット144及び下ブラケット146が−X方向に移動するとき、伸ばされたバネ152が縮む方向に力が作用し、フランジ148が−X方向に引っ張られる。これにより、支持ブラケット149が−X方向に移動して、外部加熱ロール108が定着ロール102の外周面から離れる(退避する)。即ち、リトラクト機構部140が、定着ロール102への外部加熱ロール108の接触又は非接触状態を切り換えるようになっている。
次に、吸熱ロール132及びリトラクト機構部160について説明する。
図3において、吸熱ロール132は、一例として、アルミニウム製のロールの表面にフッ素樹脂からなる離型層が形成された構成となっており、定着ロール102の回転方向で第1温度センサ120よりも上流側に設けられている。また、吸熱ロール132は、後述するリトラクト機構部160(図5参照)の作動によって定着ロール102の外周面に対して接触又は退避可能となっており、未使用時は定着ロール102の外周面から退避されている。
図5(A)、(B)には、吸熱ロール132のリトラクト機構部160が示されている。リトラクト機構部160は、定着ロール102に対して接触又は退避される前述の吸熱ロール132と、吸熱ロール132を回転可能に支持する支持レバー162と、モータ(図示省略)により回転駆動される回転軸164Aを有し、支持レバー162を矢印+D方向(吸熱ロール132が定着ロール102に接触する方向)又は矢印−D方向(吸熱ロール132が定着ロール102の外周面から退避する方向)に往復動させる偏心カム164と、を含んで構成されている。
支持レバー162は、板金製であり、図示の右斜め上方に延びる第1レバー部162Aと、第1レバー部162Aの上端で屈曲されて矢印V方向に延びる第2レバー部162Bと、第2レバー部162Bの上端で屈曲されて矢印H方向に延びる第3レバー部162Cとが一体とされた形状となっている。
第1レバー部162Aは、図示の下端側にベアリング163が取り付けられており、このベアリング163には、ブラケット(図示省略)を介して筐体106に固定された回転軸165が挿通されている。そして、回転軸165は、定着ロール102の軸方向と同じ軸方向となるように配置されている。これにより、支持レバー162は、図示の矢印+D方向又は矢印−D方向に往復動可能となっている。また、第1レバー部162Aの中央には、ベアリング167が取り付けられており、ベアリング167が吸熱ロール132の両端部を回転可能に支持している。
一方、第2レバー部162Bから第3レバー部162Cへの屈曲部分には、支持レバー162の一部を成すフォロワ169が回転可能に取り付けられている。また、第3レバー部162Cの上端部には、一部が切り欠かれると共に折り曲げられて引掛部171が形成されている。さらに、支持レバー162が矢印−D方向に移動するときの引掛部171の移動方向で且つ筐体106内には、バネ172の一端を固定するための固定部173が設けられている。ここで、支持レバー162は、バネ172の一端が固定部173に固定され他端が引掛部171に引っ掛けられることにより、矢印+D方向、即ち、吸熱ロール132が定着ロール102に接触する方向に付勢されている。
偏心カム164は、回転軸164Aを中心に回転可能に設けられた楕円形状の偏心カムであり、外周で偏心が一番大きい部位には、フォロワ169の曲率に合わせた曲率の凹部164Bが形成されている。また、偏心カム164は、モータ(図示省略)の駆動力により矢印+R方向に回転するようになっている。そして、支持レバー162の一端がバネ172で付勢されていることにより、偏心カム164は、フォロワ169と接触しながら回転するようになっている。
ここで、偏心カム164が矢印+R方向に回転することで、支持レバー162は回転軸165を中心とした矢印+D方向又は矢印−D方向に往復動する。そして、凹部164Bとフォロワ169の外周とが接触する位置に偏心カム164が位置しているときは、吸熱ロール132が定着ロール102の外周に対して退避した状態となり、凹部164Bとは反対側の部位がフォロワ169と接触するときは、吸熱ロール132が定着ロール102の外周に接触するようになっている。
なお、以後の説明では、定着ロール102の外周で吸熱ロール132が接触する接触位置をR0と記載する。また、吸熱ロール132が定着ロール102に近づく方向を+S方向、吸熱ロール132が定着ロール102から離れる方向を−S方向と記載する。+S方向、−S方向は、図示の左斜め方向となっている。
次に、吸熱ロール132又は外部加熱ロール108が定着ロール102に接触する時点の設定について説明する。
図6(A)に示すように、一例として、定着ロール102と加圧ロール104が周速度V1で回転しており、定着ロール102と加圧ロール104とで記録用紙Pが挟まれるニップ部NPに向かって記録用紙Pが移動速度V1で進入するものとする。また、記録用紙Pの移動方向における先端位置をY0、定着ロール102の外周で記録用紙Pの先端位置Y0が接触する位置を接触位置R1とする。なお、接触位置R1とは、記録用紙Pの先端が接触したことで決まる位置だけではなく、記録用紙Pの先端が接触することが予測される位置も含んだものである。
図6(A)において、前述の用紙センサ91(図2参照)からニップ部NPまでの距離をL0(図示省略)、記録用紙Pの先端位置Y0が用紙センサ91を通過した時点からの経過時間をtとして、記録用紙Pの先端位置Y0からニップ部NPまでの距離Δd(図示省略)は、Δd=L0−V1×tで求められる。なお、距離Δdは、記録用紙Pの先端位置Y0が、搬送経路上のどの位置にあるかを表すものであり、値が正となるときはニップ部NPの手前側に先端位置Y0があり、値が負となるときは先端位置Y0がニップ部NPを通過している状態を表す。
ここで、吸熱ロール132は、記録用紙Pがニップ部NPに進入する前で、定着ロール102の外周における接触位置R0に接触位置R1が位置する時点で定着ロール102の外周に接触するようになっている。即ち、本実施形態では、記録用紙Pの先端位置Y0からニップ部NPまでの距離をL1、ニップ部NPから接触位置R0までの周方向距離をL2として、L1=L2となっており、図6(B)に示すように、記録用紙Pの先端位置Y0がニップ部NPに進入したとき、ニップ部NPに接触位置R1が位置するようになっている。
さらに、吸熱ロール132は、図6(D)に示すように、再度、接触位置R0に接触位置R1が位置したとき(1周したとき)、リトラクト機構部160(図5(A)、(B)参照)の作動により定着ロール102の外周から退避するようになっている。なお、吸熱ロール132は、記録用紙Pを複数枚定着したときの後述する搬送間隔ΔY(図9参照)に対応する定着ロール102の外周面に対しても接触するように設定されている。
一方、外部加熱ロール108は、図6(A)、(B)に示すように、少なくとも記録用紙Pの先端がニップ部NPに進入するまでは、リトラクト機構部140(図4参照)によって定着ロール102の外周面と非接触状態(退避状態)となっている。また、外部加熱ロール108は、図6(C)に示すように、定着ロール102の外周における接触位置R2に接触位置R1が位置する時点で、リトラクト機構部140(図4参照)の作動により定着ロール102の外周に接触し、この接触位置R1以降の定着ロール102の外周面と接触するようになっている。
なお、図6(C)において、記録用紙Pの先端位置Y0からニップ部NPまでの距離をL3、定着ロール102の外周におけるニップ部NPから接触位置R2までの周方向距離をL4とすると、L3=L4となっている。即ち、外部加熱ロール108は、記録用紙Pの先端がニップ部NPに進入した時点から時間t1=L3/V1が経過した時点で定着ロール102の外周に接触するようになっている。
次に、制御部20による定着ロール102の周速度の変更設定について説明する。
図1において、制御部20は、通常時、中間転写ベルト68の移動速度と定着ロール102の周速度とが共にV1となるように、中間転写ベルト68及び定着ロール102を駆動する設定となっている。また、制御部20は、定着ロール102の温度が設定温度よりも低くなったとき、記録用紙Pの後端部が二次転写位置QB(図2参照)から離れた状態において、定着ロール102の周速度をV1から図示しないV2(<V1)に低下させるように設定されている。なお、定着ロール102の周速度の変更は、記録用紙Pの後端が用紙センサ91を通過したときに、必要に応じて行われるようになっている。一例として、記録用紙Pの先端が定着ロール102と加圧ロール104とのニップ部NPに進入した時点から、定着ロール102が3回転目に入るところで、定着ロール102の周速度をV1からV2に減速させる制御が行われるように設定されている。
次に、比較例の定着装置200における定着ロール102外周面の周方向の温度むらについて説明する。なお、本実施形態と基本的に同じ部材には同じ符号を付与してその説明を省略する。
図12(A)には、比較例としての定着装置200が示されている。定着装置200は、定着ロール102と加圧ロール104を有しているが、外部加熱ロール108及び吸熱ロール132(図3参照)は設けられていない。また、ハロゲンヒータ114、116(図3参照)の図示を省略しており、定着ロール102及び加圧ロール104については、軸方向の一部の部位のみを図示している。なお、加圧ロール104が加熱源であるハロゲンヒータ114を有していることから、以後の説明では、比較例、本実施形態に関わらず、加圧ロール104の温度が定着ロール102の温度に与える影響は少ないものとして、定着ロール102のみに着目して説明する。また、記録用紙P上のトナー画像の図示は省略する。
比較例の定着装置200では、図12(A)に示すように、定着ロール102の昇温時に熱量を奪う部材が接触していないため、例えば、定着ロール102の温度を目標とする設定温度T0(図8参照)まで上昇させようとしたとき、設定温度T0を超えて温度T1まで上昇することになる。
続いて、図12(B)に示すように、ニップ部NPに記録用紙Pが進入したとき、定着ロール102の外周で記録用紙Pと接触した領域は、トナー画像の定着による熱量消費及び記録用紙Pによる吸熱によって温度が低下し、温度T1よりも低い温度T2(<T0)となる。これにより、定着ロール102の外周の周方向に温度むらが生じる。そして、記録用紙P上でニップ部NPを通過した範囲のトナー画像は、定着ロール102の温度T1となっている領域で定着されているため、光沢度が高いK1となる。なお、光沢度とは、一例として、反射式の光沢度計で計測される反射率に基づく特性(単位%)である。
続いて、図12(C)に示すように、記録用紙Pがニップ部NPに進入してから定着ロール102が1周以上回転したとき、即ち、定着ロール102の2周目(2回転目)以降では、定着ロール102の温度T2となっている領域でトナー画像の定着が行われるため、記録用紙P上でニップ部NPを通過した範囲のトナー画像は、光沢度がK1よりも低下したK2(<K1)となる。これにより、定着後の記録用紙Pでは、トナー画像の光沢度がK1の領域とK2の領域ができてしまい、光沢むらが生じることになる。
さらに、比較例では、定着ロール102が3回転目に入ると熱量の補充が間に合わなくなり、定着ロール102の温度が下がって温度T3となる。このように、比較例の定着装置200では、定着の設定温度T0に対する過剰な昇温及び記録用紙P上のトナー画像の定着による温度低下が顕著となり、図8のグラフG2(破線で表示)に示すような温度変化状態となる。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
まず、本実施形態の定着装置100における吸熱ロール132による定着ロール102の温度低減作用について説明する。なお、図7(A)、(B)、(C)では、ハロゲンヒータ114、116(図3参照)、及び外部加熱ロール108の図示を省略しており、定着ロール102及び加圧ロール104については、軸方向の一部の部位のみを図示している。
定着装置100では、図7(A)に示すように、定着ロール102の昇温時に定着ロール102の温度が設定温度T0を超えて温度T1まで上昇しようとしたとき、吸熱ロール132が定着ロール102の外周に接触する。そして、定着ロール102の熱量が定着ロール102よりも温度の低い吸熱ロール132側へ移動して、吸熱ロール132通過後の定着ロール102の外周の温度がT1から設定温度T0(図7(B)参照)まで低下する。
続いて、図7(B)に示すように、ニップ部NPに記録用紙Pが進入したとき、記録用紙Pは、設定温度T0となっている定着ロール102によって加熱され、トナー画像が定着される。ここで、吸熱ロール132が接触した時点以降の定着ロール102の1周分の外周では、温度が設定温度T0となっているため、比較例のように、定着ロール102の1周分で場所によって温度がT0からT1まで変わることが抑制され、即ち、周方向の温度むらが低減される。そして、設定温度T0に近い温度で定着されたトナー画像の光沢度はK3(K2<K3<K1)となる。
続いて、図7(C)に示すように、定着ロール102の外周で記録用紙Pと接触した領域は、トナー画像の定着による熱量消費及び記録用紙Pによって吸熱される。なお、後述するように、外部加熱ロール108(図3参照)によって熱量が補充されるため、吸熱ロール132の接触位置まで回転してきた定着ロール102の外周の温度は、設定温度T0で維持される。
次に、吸熱ロール132及び外部加熱ロール108による定着ロール102の温度調整について説明する。
図8には、記録用紙PがA3サイズの記録用紙P1であり、1枚の記録用紙P1上のトナー画像(図示省略)が定着されるときの用紙位置に対応した定着ロール102の外周の温度のグラフが模式図で示されている。実線で表示されたグラフG1は、本実施形態の定着装置100における定着ロール102の温度であり、破線で表示されたグラフG2は、前述の比較例の定着装置200(図12(A)参照)を用いた場合の定着ロール102の温度である。
なお、図8では、定着ロール102の1回転目をN=1、2回転目をN=2、3回転目をN=3として表している。また、記録用紙P1の先端位置をY0、後端位置をY3で表わしており、先端位置Y0を起点として定着ロール102の1回転目に相当する用紙位置をY1、2回転目に相当する用紙位置をY2、3回転目に相当する用紙位置をY4で表している。一方、図8のグラフGAは、吸熱ロール132を定着ロール102に対して接触又は退避させる時点を表しており、ONが接触状態、OFFが退避状態となっている。同様に、図8のグラフGBは、外部加熱ロール108を定着ロール102に対して接触又は退避させる時点を表しており、ONが接触状態、OFFが退避状態となっている。
図6(A)、(B)、及び図8に示すように、本実施形態の定着装置100では、記録用紙P1が定着ロール102と加圧ロール104とのニップ部NPに進入する前に、吸熱ロール132が定着ロール102に接触して温度低下(下向きの矢印で表示)させるため、定着ロール102の過剰な加熱が抑制され、先端位置Y0から用紙位置Y1までの区間における定着ロール102の温度が設定温度T0となる。また、定着装置100では、定着ロール102に記録用紙Pが接触した接触位置R1に合わせて吸熱ロール132を定着ロール102に接触させているため、定着ロール102の1回転における周方向において、吸熱ロール132が接触していない領域が存在しなくなり、この周方向での温度むらが抑制される。
続いて、図6(C)、(D)、及び図8に示すように、用紙位置Y1から用紙位置Y2までの区間では、記録用紙P1によって吸熱される。しかし、定着ロール102の温度低下する部位に外部加熱ロール108が接触して温度上昇(上向きの矢印で表示)させるため、定着ロール102の温度が設定温度T0で維持される。なお、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触した後、接触位置R1が接触位置R0に到達したとき、リトラクト機構部160(図5(A)参照)により吸熱ロール132が定着ロール102に対して退避されている。このため、定着ロール102の温度が必要以上に低下することがなくなる。
続いて、図8において、用紙位置Y2から用紙位置Y3までの区間では、記録用紙P1によって吸熱されると共に外部加熱ロール108による熱量の補充が追いつかなくなる。このため、定着ロール102の周速度がV1のままでは、定着ロール102の温度が温度T2からさらに低下することになるが、この区間では、制御部20(図1参照)によって定着ロール102の周速度がV1からV2に低減されるため、定着ロール102への熱量の補充が追いつき、定着ロール102の温度が温度T2よりも低下することがなくなる。
続いて、図8において、用紙位置Y3から用紙位置Y4までの区間では、記録用紙P1によって吸熱が行われないため、このままでは用紙位置Y2から用紙位置Y3までの区間に比べて定着ロール102の温度が上昇することになるが、本実施形態では、この区間で外部加熱ロール108が定着ロール102に対して退避状態となるため、定着ロール102の温度が温度T2のままで保持される。
このように、本実施形態の定着装置100では、吸熱ロール132によって定着ロール102の周方向の温度むらが抑制される。さらに、本実施形態の定着装置100では、外部加熱ロール108によって熱量が補充されるため、記録用紙P1を1枚定着したときの定着ロール102の温度変化範囲が温度T2から設定温度T0までの範囲となる。このため、比較例のように温度変化範囲が温度T3から温度T1まで変化する構成に比べて、1枚の記録用紙P1の定着における定着ロール102の温度変化が低減される。
一方、図9には、第1実施形態の他の実施例として、記録用紙PがA4サイズの記録用紙P2(P2A、P2B)であり、2枚の記録用紙P2A、P2B上のトナー画像(図示省略)が定着されるときの用紙位置に対応した定着ロール102の外周の温度のグラフが模式図で示されている。実線で表示されたグラフG3は、本実施形態の定着装置100における定着ロール102の温度であり、破線で表示されたグラフG4は、前述の比較例の定着装置200(図12(A)参照)を用いた場合の定着ロール102の温度である。なお、図9のグラフGA、GBは、図8と同様に、吸熱ロール132、外部加熱ロール108の定着ロール102に対する接触又は退避状態を表している。
図9では、定着ロール102の1回転目をN=1、2回転目をN=2、3回転目をN=3として表している。また、1枚目の記録用紙P2Aの先端位置をY0、後端位置をY3で表わしており、2枚目の記録用紙P2Bの先端位置をY5、後端位置をY8で表わしている。そして、2枚の記録用紙P2A、P2Bの搬送間隔をΔYで表している。さらに、先端位置Y0を起点として定着ロール102の1回転目に相当する用紙位置をY1、2回転目に相当する用紙位置をY2、3回転目に相当する用紙位置をY4で表しており、定着ロール102の3回転目において、搬送間隔ΔYに対応する用紙位置をY6、Y7で表している。
なお、図9では、記録用紙P2A又は記録用紙P2Bに対する定着ロール102の接触範囲(回数N)が図8に比べて小さいため、定着ロール102の温度低下の割合が図8の場合に比べて低くなっているものとする。このため、比較例の定着装置200(図12(A)参照)の定着ロール102のグラフG4について、定着ロール102の2回転目の温度をT4(T2<T4<T0)、3回転目の温度をT5(T3<T5<T4)としている。また、図9では、定着ロール102における搬送間隔ΔYに対応する区間(用紙位置Y3から用紙位置Y5まで)で記録用紙P2A又はP2Bによる吸熱が行われないため、この区間における温度をT6(T0<T6<T1)としている。
ここで、図6(A)、(B)、(C)、(D)、及び図9に示すように、定着装置100では、記録用紙P2Aが定着ロール102と加圧ロール104とのニップ部NPに進入する前に、吸熱ロール132が定着ロール102に接触して温度低下させるため、定着ロール102の過剰な加熱が抑制され、先端位置Y0から用紙位置Y1までの区間における定着ロール102の温度が設定温度T0となる。また、定着装置100では、定着ロール102に記録用紙Pが接触した接触位置R1に合わせて吸熱ロール132を定着ロール102に接触させているため、定着ロール102の1回転における周方向において、吸熱ロール132が接触していない領域が存在しなくなり、この周方向での温度むらが抑制される。
続いて、用紙位置Y1から用紙位置Y3、及び用紙位置Y5から用紙位置Y2までの区間では、記録用紙P2Aによって吸熱されるが、定着ロール102の温度低下する部位に外部加熱ロール108が接触して温度上昇させるため、定着ロール102の温度が温度T4とならずに設定温度T0となる。なお、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触した後、接触位置R1が接触位置R0に到達したとき、リトラクト機構部160(図5(A)参照)により吸熱ロール132が定着ロール102に対して退避される。このため、定着ロール102の温度が必要以上に低下することがなくなる。
続いて、用紙位置Y2から用紙位置Y6、及び用紙位置Y7から用紙位置Y8までの区間では、記録用紙P2Bによって吸熱されると共に外部加熱ロール108による熱量の補充が追いつかなくなるが、この区間では、制御部20(図1参照)によって定着ロール102の周速度がV1からV2に低減されるため、定着ロール102への熱量の補充が追いつき、定着ロール102の温度が設定温度T0となる。
なお、用紙位置Y6から用紙位置Y7までの区間では、搬送間隔ΔYで吸熱が行われないため、そのままでは高温状態(温度T6)となるが、本実施形態では、この区間で吸熱ロール132が定着ロール102に対して接触状態となるため、定着ロール102の温度が設定温度T0まで低下して保持される。
このように、本実施形態の定着装置100では、吸熱ロール132によって定着ロール102の周方向の温度むらが抑制される。さらに、本実施形態の定着装置100では、外部加熱ロール108によって熱量が補充されるため、記録用紙P2A、P2Bを定着したときの定着ロール102の温度変化範囲が設定温度T0となる。このため、比較例のように温度変化範囲が温度T5から温度T1まで変化する構成に比べて、複数枚の記録用紙Pの定着における定着ロール102の温度変化が低減される。
次に、本発明の第2実施形態に係る定着装置及び画像形成装置の一例について説明する。
第2実施形態の画像形成装置は、前述した第1実施形態の画像形成装置10と機械的には同じ構成とされており、制御部20による制御方法が異なっている。このため、第2実施形態においても画像形成装置10として記載し、前述した第1実施形態の画像形成装置10と基本的に同一の部材には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図10(A)には、第2実施形態の定着装置170が示されている。定着装置170は、前述の定着装置100と同一の部材で構成されているが、制御部20(図1参照)がリトラクト機構部160(図5(A)参照)を作動させて吸熱ロール132を定着ロール102に接触させる時点が異なっている。具体的には、制御部20について、記録用紙Pの後端が定着ロール102と加圧ロール104とのニップ部NPを抜けたときに、リトラクト機構部160(図5(A)参照)を作動させて吸熱ロール132を定着ロール102に接触させる構成が異なっている。なお、吸熱ロール132について、次の記録用紙Pの先端がニップ部NPに進入してから定着ロール102の1周分に相当する範囲を吸熱した後、定着ロール102から離れる(退避する)構成については、定着装置100と同様である。
図11には、記録用紙PがA3サイズの記録用紙P1であり、1枚の記録用紙P1上のトナー画像(図示省略)が定着されるときの用紙位置に対応した定着ロール102の外周の温度のグラフが模式図で示されている。実線で表示されたグラフG5は、本実施形態の定着装置170における定着ロール102の温度であり、破線で表示されたグラフG6は、前述の比較例の定着装置200(図12(A)参照)を用いた場合の定着ロール102の温度である。なお、比較例のグラフG6において、先端位置Y0から用紙位置Y1までの区間の温度を設定温度T0としている。また、図11のグラフGA、GBは、図8、図9と同様に、吸熱ロール132、外部加熱ロール108の定着ロール102に対する接触又は退避状態を表している。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図10(A)、(B)、(C)、及び図11に示すように、本実施形態の定着装置170では、記録用紙P1の後端が定着ロール102と加圧ロール104とのニップ部NPを抜けたときに、吸熱ロール132が定着ロール102に接触して温度低下させるため、次の記録用紙P1がニップ部NPに進入する前の定着ロール102の過剰な加熱が抑制されると共に、定着ロール102の温度が設定温度T0よりも低下する。これにより、記録用紙P1の先端位置Y0から用紙位置Y1までの区間における定着ロール102の温度が、設定温度T0から低下してT7(T2<T7<T0)となる。また、この区間では、定着ロール102の1回転における周方向において、吸熱ロール132が接触しない領域が存在しなくなり、周方向での温度むらが抑制される。
続いて、用紙位置Y1から用紙位置Y2までの区間では、記録用紙P1によって吸熱される。しかし、定着ロール102の温度低下する部位に外部加熱ロール108が接触して温度上昇させるため、定着ロール102の温度が温度T2で維持される。なお、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触した後、接触位置R1が接触位置R0に到達したとき、リトラクト機構部160(図5(A)参照)により吸熱ロール132が定着ロール102に対して退避される。このため、定着ロール102の温度が必要以上に低下することがなくなる。
続いて、用紙位置Y2から用紙位置Y3までの区間では、記録用紙P1によって吸熱されると共に外部加熱ロール108による熱量の補充が追いつかなくなる。このため、定着ロール102の周速度がV1のままでは、定着ロール102の温度が温度T2から低下することになるが、この区間では、制御部20(図1参照)によって定着ロール102の周速度がV1からV2(図示省略)に低減されるため、定着ロール102への熱量の補充が追いつき、定着ロール102の温度が温度T2よりも低下することがなくなる。
続いて、用紙位置Y3から用紙位置Y4までの区間では、記録用紙P1によって吸熱が行われないため、このままでは用紙位置Y2から用紙位置Y3までの区間に比べて定着ロール102の温度が上昇することになるが、本実施形態では、この区間で外部加熱ロール108が定着ロール102に対して退避状態となるため、定着ロール102の温度が温度T2のままで保持される。
このように、本実施形態の定着装置170では、吸熱ロール132によって定着ロール102の周方向の温度むらが抑制される。さらに、本実施形態の定着装置170では、外部加熱ロール108によって熱量が補充されるため、記録用紙P1を1枚定着したときの定着ロール102の温度変化範囲が温度T2から設定温度T7までの範囲となる。このため、比較例のように温度変化範囲が温度T3から設定温度T0まで変化する構成に比べて、1枚の記録用紙P1の定着における定着ロール102の温度変化が低減される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
定着ロール102は、電磁誘導方式により加熱される定着ベルトであってもよい。また、記録用紙Pの種類は、A4、A3サイズに限らず他のサイズであってもよい。さらに、定着ロール102の速度変更(V1からV2)は、使用するトナーの材質や記録用紙Pの厚さが切り換わる時点に応じて変更するようにしてもよい。また、用紙センサ91を定着装置100内部に設けて、記録用紙Pの先端位置を検出するようにしてもよい。
10 画像形成装置
20 制御部(移動手段)
50 画像形成ユニット(現像剤像形成手段)
71 二次転写ロール(転写手段)
91 用紙センサ(検知手段)
100 定着装置
102 定着ロール(定着部材)
104 加圧ロール(加圧部材)
132 吸熱ロール(冷却部材)
160 リトラクト機構部(移動手段)
170 定着装置

Claims (4)

  1. 回転しながら記録媒体上の現像剤像を加熱して定着させる定着部材と、
    前記定着部材とで記録媒体を挟んで加圧する加圧部材と、
    前記定着部材の外周面への接触及び該外周面からの退避が可能とされ前記定着部材の外周面に接触して前記定着部材の温度を低下させる冷却部材と、
    記録媒体の搬送経路に設けられ記録媒体を検知する検知手段と、
    前記検知手段の検知結果に応じて求められる前記定着部材の外周面上の記録媒体の先端との接触位置が前記冷却部材との接触位置に来るまで前記冷却部材を前記定着部材に接触させておき、前記定着部材上の記録媒体の先端との接触位置が前記接触位置に来たときに前記冷却部材が前記定着部材から離れるように前記冷却部材を移動する移動手段と、
    を有する定着装置。
  2. 前記移動手段は、前記定着部材から前記冷却部材を離す前に前記定着部材が1周以上するように前記冷却部材を前記定着部材に接触させる請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記移動手段は、記録媒体の後端が前記定着部材と前記加圧部材とで挟まれる部分を抜けたとき又は抜けた後に前記冷却部材を前記定着部材に接触させる請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 現像剤像を形成する現像剤像形成手段と、
    前記現像剤像形成手段で形成された現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記転写手段で転写された現像剤像を記録媒体上に定着する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を有する画像形成装置。
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